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特許7702830施策評価システム、施策評価方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-26
(45)【発行日】2025-07-04
(54)【発明の名称】施策評価システム、施策評価方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20230101AFI20250627BHJP
【FI】
G06Q10/00
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021129131
(22)【出願日】2021-08-05
(65)【公開番号】P2023023529
(43)【公開日】2023-02-16
【審査請求日】2024-03-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】弁理士法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 正和
(72)【発明者】
【氏名】恵木 正史
(72)【発明者】
【氏名】リョウ ウシン
【審査官】板垣 有紀
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-526705(JP,A)
【文献】国際公開第2019/208319(WO,A1)
【文献】特開2003-281342(JP,A)
【文献】特開2013-137759(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の施策条件を備えた施策対象への施策に関する試験を実行した実行結果に基づいて、前記試験前後の前記施策条件の変化である条件変化を判定する追跡部と、
前記実行結果に基づいて、前記施策の効果を評価した評価値を算出する検証部と、
記評価値に対する前記条件変化の寄与の度合いである変化寄与度を算出する分配部と、を有し、
前記施策条件は、前記施策対象の属性であり、
前記実行結果は、前記施策対象ごとの前記効果を表す値を含み、
前記評価値は、前記施策対象ごとの前記効果を表す値から所定の算出式に基づいて算出される値の平均値であり、
前記試験は、複数の前記施策対象を含む集合を分割した2つの群の一方に対してのみ前記施策を実施することであり、
前記検証部は、前記2つの群の一方に対応する前記施策の効果を評価した前記評価値である施策評価値と、前記2つの群の他方に対応する前記施策の効果を評価した前記評価値である環境評価値とを算出し、
前記分配部は、前記施策評価値に対する前記変化寄与度である施策変化寄与度と、前記環境評価値に対する前記変化寄与度である環境変化寄与度とを算出し、
前記分配部は、前記条件変化ごとに、前記2つの群の他方に対応する当該条件変化が生じた前記施策の効果を評価した前記評価値から、前記環境評価値を差し引いた値を前記環境変化寄与度として算出し、また、前記条件変化ごとに、前記2つの群の一方に対応する当該条件変化が生じた前記施策の効果を評価した前記評価値から、前記2つの群の他方に対応する当該条件変化が生じた前記施策の効果を評価した前記評価値と前記施策評価値を差し引いた値とを前記施策変化寄与度として算出する、施策評価システム。
【請求項2】
前記追跡部は、前記試験後の前記施策条件が予め規定された前記施策条件とは異なる場合、当該施策条件を新たに規定する、請求項1に記載の施策評価システム。
【請求項3】
新たな前記施策である新規施策の結果を、前記評価値及び前記変化寄与度に基づいて予測した施策効果予測情報を出力する施策支援部をさらに有し、
前記施策支援部は、前記試験に係る施策である実施済み施策のうち、前記新規施策と施策内容及び前記施策条件の少なくとも一方が一致する類似施策の前記評価値及び前記変化寄与度の統計値を前記施策効果予測情報として予測する、請求項1に記載の施策評価システム。
【請求項4】
前記施策支援部は、前記統計値をグラフ化して表示する、請求項に記載の施策評価システム。
【請求項5】
施策評価システムによる施策評価方法であって、
所定の施策条件を備えた施策対象への施策に関する試験を実行した実行結果に基づいて、前記試験前後の前記施策条件の変化である条件変化を判定し、
前記実行結果に基づいて、前記施策の効果を評価した評価値を算出し、
記評価値に対する前記条件変化の寄与の度合いである変化寄与度を算出し、
前記施策条件は、前記施策対象の属性であり、
前記実行結果は、前記施策対象ごとの前記効果を表す値を含み、
前記評価値は、前記施策対象ごとの前記効果を表す値から所定の算出式に基づいて算出される値の平均値であり、
前記試験は、複数の前記施策対象を含む集合を分割した2つの群の一方に対してのみ前記施策を実施することであり、
前記評価値の算出では、前記2つの群の一方に対応する前記施策の効果を評価した前記評価値である施策評価値と、前記2つの群の他方に対応する前記施策の効果を評価した前記評価値である環境評価値とを算出し、
前記変化寄与度の算出では、前記施策評価値に対する前記変化寄与度である施策変化寄与度と、前記環境評価値に対する前記変化寄与度である環境変化寄与度とを算出し、
前記施策変化寄与度の算出では、前記条件変化ごとに、前記2つの群の他方に対応する当該条件変化が生じた前記施策の効果を評価した前記評価値から、前記環境評価値を差し引いた値を前記環境変化寄与度として算出し、
前記環境変化寄与度の算出では、前記条件変化ごとに、前記2つの群の一方に対応する当該条件変化が生じた前記施策の効果を評価した前記評価値から、前記2つの群の他方に対応する当該条件変化が生じた前記施策の効果を評価した前記評価値と前記施策評価値を差し引いた値とを前記施策変化寄与度として算出する、施策評価方法。
【請求項6】
コンピュータに
所定の施策条件を備えた施策対象への施策に関する試験を実行した実行結果に基づいて、前記試験前後の前記施策条件の変化である条件変化を判定する追跡部と、
前記実行結果に基づいて、前記施策の効果を評価した評価値を算出する検証部と、
記評価値に対する前記条件変化の寄与の度合いである変化寄与度を算出する分配部と、を実現させ
前記施策条件は、前記施策対象の属性であり、
前記実行結果は、前記施策対象ごとの前記効果を表す値を含み、
前記評価値は、前記施策対象ごとの前記効果を表す値から所定の算出式に基づいて算出される値の平均値であり、
前記試験は、複数の前記施策対象を含む集合を分割した2つの群の一方に対してのみ前記施策を実施することであり、
前記検証部は、前記2つの群の一方に対応する前記施策の効果を評価した前記評価値である施策評価値と、前記2つの群の他方に対応する前記施策の効果を評価した前記評価値である環境評価値とを算出し、
前記分配部は、前記施策評価値に対する前記変化寄与度である施策変化寄与度と、前記環境評価値に対する前記変化寄与度である環境変化寄与度とを算出し、
前記分配部は、前記条件変化ごとに、前記2つの群の他方に対応する当該条件変化が生じた前記施策の効果を評価した前記評価値から、前記環境評価値を差し引いた値を前記環境変化寄与度として算出し、また、前記条件変化ごとに、前記2つの群の一方に対応する当該条件変化が生じた前記施策の効果を評価した前記評価値から、前記2つの群の他方に対応する当該条件変化が生じた前記施策の効果を評価した前記評価値と前記施策評価値を差し引いた値とを前記施策変化寄与度として算出する、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、施策評価システム、施策評価方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
企業などでは、業務の改善を図るために、KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)のような評価指標に作用する施策が実施されている。また、近年では、施策を実施するだけでなく、実施した施策の効果を評価し、その評価結果を、新しい施策の立案に役立てることが求められている。
【0003】
特許文献1及び2には、施策の効果を評価するための試験としてABテストを行う技術が開示されている。ABテストは、複数の施策対象を2つの群に分割し、各群に対して異なる施策を実施するか、又は、一方の群にのみ施策を実施し、各群における実施結果を比較することで、施策の効果を評価する試験である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-079104号公報
【文献】特開2020-102206号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ABテストのような試験の実行結果を新しい施策の立案に役立てるためには、施策対象が備える施策条件ごとに試験を実行することが有用である。しかしながら、現実には、費用などの制約により、実施できる施策には制限があり、十分な数の施策条件について試験を実行することができない場合がある。この場合、施策の効果を精度良く評価することが難しく、試験の実行結果を、新たな施策の立案に役立てることが困難である。
【0006】
特許文献1及び2に記載の技術では、十分な数の施策条件について試験を実行することができないことについては考慮されていない。
【0007】
本発明の目的は、限られた施策条件に対する試験の実行結果に基づいてより効率の良い新たな施策の立案が可能な施策評価システム、施策評価方法及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に従う施策評価システムは、所定の施策条件を備えた施策対象への施策に関する試験を実行した実行結果に基づいて、前記試験前後の前記施策条件の変化である条件変化を判定する追跡部と、前記実行結果に基づいて、前記施策の効果を評価した評価値を算出する検証部と、前記条件変化の前記評価値に対する寄与の度合いである変化寄与度を算出する分配部と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、施策の効果を評価した評価値に対する、限られた施策条件に対する試験の実行結果に基づいてより効率の良い新たな施策の立案が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の一実施形態の立案支援システムの機能的な構成を示すブロック図である。
図2】実行結果情報の一例を示す図である。
図3】条件情報の一例を示す図である。
図4】条件変化結果情報の一例を示す図である。
図5】施策実施結果情報の一例を示す図である。
図6】報酬分配結果情報の一例を示す図である。
図7】施策効果予測情報の一例を示す図である。
図8】立案支援システムの全体処理を説明するためのシーケンスチャートである。
図9】立案支援システムの全体処理を説明するためのフローチャートである。
図10】条件変化追跡処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図11】検証結果処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図12】報酬分配果処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図13】新規施策立案支援処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図14】環境寄与予測支援処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図15】条件変化環境寄与予測支援処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図16】新規施策立案支援画面の一例を示す図である。
図17】予測支援画面の一例を示す図である。
図18】予測支援画面の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、本開示の一実施形態の立案支援システムの機能的な構成を示すブロック図である。図1に示す立案支援システム10は、例えば、プロセッサ(コンピュータ)及びメモリ(共に図示せず)を備えたコンピュータシステムにより構成される。この場合、以下で説明する立案支援システム10の各構成要素及び各機能は、例えば、プロセッサがコンピュータプログラムを読み取り、その読み取ったコンピュータプログラムを実行することで実現される。コンピュータプログラムは、コンピュータにて読み取り可能な記録媒体20に記録可能である。記録媒体20は、例えば、半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク、磁気テープ及び光磁気ディスクなどである。
【0013】
立案支援システム10は、施策評価システムとも呼ばれ、評価対象の施策である評価対象施策に関する試験を実行した実行結果に基づいて評価対象施策の効果を評価し、その評価結果に基づいて新たな施策の立案を支援するシステムである。本実施形態では、評価対象施策として、施策対象である顧客に対して、所定の対象商品(例えば、おにぎり)に関するクーポン(例えば、対象商品の値段を割り引くクーポン又は、対象商品を無料とするクーポンなど)を配布する「クーポンの配布」を例にとって説明するが、評価対象施策は「クーポンの配布」に限定されない。また、試験は、複数の施策対象を分割した2つの群の一方に対して評価対象施策を実施し、他方に参考用施策を実施するABテストである。参考用施策は、施策を行わない無施策でもよく、本実施形態では、参考用施策は無施策であるとする。
【0014】
立案支援システム10は、入出力部1と、通信部2と、データベース3と、制御部4とを有する。
【0015】
入出力部1は、立案支援システム10を利用するユーザから種々の情報を受け付ける機能と、ユーザに対して種々の情報を出力する機能とを有する。ユーザは、ABテストを実行した施策実行者、及び、新たな施策を立案する施策立案者などである。施策実行者と施策立案者は同一でもよい。
【0016】
通信部2は、外部システムと通信する。図1の例では、通信部2は、ネットワーク40を介して、業務に関する種々の処理を行う業務システム30と通信する。
【0017】
データベース3は、制御部4にて使用及び生成される種々の情報を格納する。図1の例では、データベース3は、実行結果情報31と、条件情報32と、条件変化結果情報33と、施策実施結果情報34と、報酬分配結果情報35と、施策効果予測情報36とを格納する。以下、各情報は、テーブル構造を有するものとして説明するが、テーブル構造を有していなくてもよい。
【0018】
実行結果情報31は、ABテストを実行した実行結果を示す。条件情報32は、施策対象が備える属性である施策条件を示す。条件変化結果情報33は、ABテストの実行前後での施策条件の変化である条件変化を示す。
【0019】
施策実施結果情報34は、評価対象施策の効果を評価した評価結果である施策評価結果を示す。報酬分配結果情報35は、条件変化ごとに、条件変化の施策評価結果に対する寄与の度合いである変化寄与度を算出した算出結果を示す。施策効果予測情報36は、新たに実施する新規施策の候補である新規施策候補の効果を予測した予測結果を示す。
【0020】
制御部4は、データベース3に格納された実行結果情報31及び条件情報32に基づいて、評価対象施策の効果を評価する評価処理と、評価処理の処理結果を用いて新規施策候補の効果を予測する予測処理とを行う。なお、条件変化結果情報33、施策実施結果情報34及び報酬分配結果情報35は評価処理で生成される情報であり、施策効果予測情報36は予測処理で生成される情報である。
【0021】
図1の例では、制御部4は、条件変化追跡部41と、結果検証部42と、報酬分配部43と、新規施策立案支援部44とを有する。
【0022】
条件変化追跡部41は、データベース3に基づいて、ABテストの実行前後での施策対象の施策条件の変化である条件変化を判定し、その条件変化を示す条件変化結果情報33を生成する追跡部である。
【0023】
結果検証部42は、データベース3に基づいて、評価対象施策の効果を評価し、その評価結果である施策評価結果を示す施策実施結果情報34を生成する検証部である。
【0024】
報酬分配部43は、データベース3に基づいて、条件変化ごとに、その条件変化の施策評価値結果に対する寄与の度合いである変化寄与度を算出し、その算出結果を示す報酬分配結果情報35を生成する分配部である。
【0025】
新規施策立案支援部44は、データベース3に基づいて、新規施策候補の効果を予測し、その予測結果を示す施策効果予測情報36を生成する施策支援部である。
【0026】
図2は、実行結果情報31の一例を示す図である。図2に示す実行結果情報31は、カラム311~316を含む。
【0027】
カラム311は、ABテストを実行した実行期間を格納する。カラム312は、施策対象を識別する識別情報である対象IDを格納する。カラム313は、施策条件を識別する条件IDを格納する。カラム314は、ABテストにより施策対象に対して実施された施策に関する施策情報を格納する。施策情報は、評価対象施策(クーポンの配布)を実施したか否か(評価対象施策を実施したか、それとも参考用施策を実施したか)を示す。図2の例では、施策情報は、評価対象施策である対象商品(おにぎり)に関するクーポンを配布したことを示す「△クーポン」と、クーポンを配布しない(施策を実施していない)ことを示す「なし」とのいずれかを示す。また、クーポンを配布した施策対象の集合をA群、クーポンを配布していない施策対象の集合をB群と呼ぶこともある。
【0028】
カラム315は、施策対象に対するABテストによる効果を評価した評価値としてKPIを格納する。カラム316は、施策対象に対するABテストによる効果として、ABテスト後の対象商品(おにぎり)の購入数(図では、「△購入数」と表記)を格納する。購入数は、例えば、クーポンを使用して対象商品を購入した数、又は、クーポンを配布後の所定期間内に対象商品を購入した数などでもよい。KPIは、対象商品の購入数に基づいて算出される値である。KPIを算出する算出式は、ここでは限定されない。
【0029】
図3は、条件情報32の一例を示す図である。図3に示す条件情報32は、カラム321~324を含む。
【0030】
カラム321は、施策条件を識別する条件IDを格納する。カラム322は、施策条件の名前である条件名を格納する。カラム323及び324は、施策条件に含まれる変数ごとに設けられ、カラム323は、変数を識別する変数名を格納し、カラム324は、その変数の範囲を格納する。図3の例では、変数として、施策対象がABテスト前の所定期間に対象商品を購入した数である△購入数である変数1と、施策対象の年齢である変数2とが示されているが、他の変数があってもよい。また、変数の範囲における「X,Y)は、X以上、かつ、Y未満であることを示す。ただし、Yが「inf」の場合、X以上であることを示す。なお、各施策条件は、変数1及び2の一方のみを有してもよい。また、同一の施策対象が複数の施策条件を備えてもよい。例えば、図の例では、△購入数が5以上10未満の30代の顧客は、条件ID「C1」及び「C4」のそれぞれの施策条件を備える。
【0031】
図4は、条件変化結果情報33の一例を示す図である。図4に示す条件変化結果情報33は、実行結果情報31(カラム311~316)にカラム331が追加された情報である。
【0032】
カラム331は、ABテストの実行前後での施策条件の変化である条件変化を示す条件変化情報を格納する。本実施形態では、条件変化情報として、ABテストの実行後に施策対象が備える施策条件である施策後条件の条件IDである施策後条件IDを格納する。例えば、条件ID「C1」の施策条件を有する顧客のABテストの実行後の△購入数が12となった場合、施策後条件IDは「C2」となる。なお、施策後条件IDが元の条件IDと同じ場合、施策条件が変化しなかったことを示す。
【0033】
図5は、施策実施結果情報34の一例を示す図である。図5に示す施策実施結果情報34は、カラム341~346を含む。
【0034】
カラム341は、評価対象施策を実施した実施期間(ABテストを実行した実行期間と同じ)を格納する。カラム342は、評価対象施策を実施した施策対象が備える施策条件である評価対象条件の条件IDを格納する。カラム343は、評価対象施策を示す施策情報を格納する。カラム344は、評価対象施策を実施した、評価対象条件を備える施策対象の数である対象数を格納する。カラム345及び346は、評価対象施策の効果を評価した評価結果である評価値を格納する。具体的には、カラム345は、評価対象施策の効果に対する環境による寄与の度合いを示す環境寄与度を格納し、カラム346は、評価対象施策の効果に対する施策自身による寄与を評価した施策寄与度を格納する。環境による寄与とは、効果のうち、施策とは別に環境の変化によって評価対象施策に与える影響である。環境の変化は、例えば、市場状況及び自然状況の変化などである。
【0035】
図6は、報酬分配結果情報35の一例を示す図である。図6に示す報酬分配結果情報35は、カラム351~359を含む。
【0036】
カラム351は、評価対象施策を実施した実施期間を格納する。カラム352は、評価対象条件の条件IDを格納する。カラム353は、評価対象施策を示す施策情報を格納する。カラム354は、条件変化情報として施策後条件IDを格納する。カラム355は、
評価対象施策を実施した、評価対象条件及び施策後条件を備える施策対象の数(つまり、評価対象施策により施策条件が評価対象条件から施策後条件に変わった施策対象の数)である条件変化別対象数を格納する。カラム356は、評価対象施策の効果に対する環境による寄与の度合いを示す環境寄与度を格納し、カラム357は、評価対象施策の効果に対する施策自身による寄与を評価した施策寄与度を格納する。カラム358及び359は、条件変化の施策評価結果に対する寄与の度合いである変化寄与度を格納する。具体的には、カラム358は、条件変化の環境寄与度に対する寄与の度合いである条件変化環境寄与度を格納し、カラム359は、条件変化の施策寄与度に対する寄与の度合いである条件変化施策寄与度を格納する。
【0037】
図7は、施策効果予測情報36の一例を示す図である。図7に示す施策効果予測情報36は、カラム361~370を含む。
【0038】
カラム361は、新規施策候補の効果の予測結果を識別する予測IDを格納する。予測IDには、新規施策候補全体の効果である全体効果の予測結果を識別するもの(「1」、「2」など)と、新規施策候補のうち条件変化ごとの効果である条件変化別効果の予測結果(「1-1」、「1-2」など)とがある。カラム362は、新規施策候補の施策内容を格納する。カラム363は、新規施策候補が実施される実施対象が備える施策条件の条件IDを格納する。カラム364は、条件変化別効果の条件変化を示す施策後条件IDを格納する。カラム365は、新規施策候補を実施する施策対象の数である対象数を格納する。カラム366は、新規施策候補全体の効果である全体効果を格納する。カラム367は、全体効果に対する環境の寄与の度合いである環境寄与度を格納する。カラム368は、全体効果に対する施策の寄与の度合いである施策寄与度を格納する。
【0039】
カラム369は、全体効果に対する環境による条件変化の寄与度に関する情報を格納する。具体的には、カラム369は、全体に対する条件変化の割合を格納するカラム369Aと、当該条件変化の寄与度を格納するカラム369Bとを含む。カラム370は、全体効果に対する施策による条件変化の寄与度に関する情報を格納する。具体的には、カラム369は、全体に対する条件変化の割合を格納するカラム370Aと、当該条件変化の寄与度を格納するカラム370Bとを含む。
【0040】
図8は、立案支援システム10の全体処理を説明するためのシーケンスチャートであり、図9は、立案支援システム10の全体処理を説明するためのフローチャートである。
【0041】
全体処理では、先ず、入出力部1は、施策実行者から実行結果情報31を受け付け、その実行結果情報31をデータベース3に格納する実行結果取得処理を実行する(ステップS1)。また、入出力部1は、施策実行者から条件情報32を受け付け、その条件情報32をデータベース3に格納する条件情報取得処理を実行する(ステップS2)。なお、実行結果情報31及び条件情報32の少なくとも一方が通信部2を介してデータベース3に格納されてもよい。
【0042】
その後、制御部4の条件変化追跡部41は、データベース3に格納された実行結果情報31及び条件情報32に基づいて、条件変化結果情報33を生成し、その条件変化結果情報33をデータベース3に格納する条件変化追跡処理(図10参照)を実行する(ステップS3)。
【0043】
続いて、結果検証部42は、データベース3に格納された条件変化結果情報33に基づいて、施策実施結果情報34を生成し、その施策実施結果情報34をデータベース3に格納する検証結果処理(図11参照)を実行する(ステップS4)。
【0044】
次に、報酬分配部43は、データベース3に格納された条件変化結果情報33及び施策実施結果情報34に基づいて、報酬分配結果情報35を生成し、その報酬分配結果情報35をデータベース3に格納する報酬分配果処理(図12参照)を実行する(ステップS5)。そして、入出力部1は、データベース3に格納された報酬分配結果情報35を出力する報酬分配結果出力処理を実行する(ステップS6)。
【0045】
また、新規施策立案支援部44は、データベース3に格納された報酬分配結果情報35に基づいて、施策効果予測情報36を生成し、その施策効果予測情報36をデータベース3に格納する新規施策立案支援処理(図13参照)を実行する(ステップS7)。なお、新規施策立案支援処理では、新規施策立案支援部44は、施策立案者から入出力部1又は通信部2を介して、新規施策候補及び効果予測値を受け付け、さらには、施策立案者に対して報酬分配結果及び各寄与の推薦値などを出力することができる。
【0046】
そして、入出力部1は、データベース3に格納された施策効果予測情報36を出力する施策効果予測出力処理を実行し(ステップS8)、処理を終了する。
【0047】
図10は、条件変化追跡部41による条件変化追跡処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0048】
条件変化追跡処理では、先ず、条件変化追跡部41は、データベース3から実行結果情報31を取得し(ステップS101)、さらにデータベース3から条件情報32を取得する(ステップS102)。
【0049】
条件変化追跡部41は、実行結果情報31に施策後条件IDを格納するカラム331を追加して条件変化結果情報33を生成する。条件変化追跡部41は、条件情報32に基づいて、実行結果情報31のカラム311及び312に格納されている実行期間及び対象IDの組ごとに、その対象IDにて識別される施策対象がABテストの実行後に備える施策条件を施策後条件として特定し、その施策後条件の条件IDを施策後条件IDとして、追加したカラム331に格納する(ステップS103)。なお、施策後条件が規定されていない場合(予め規定された施策条件とは異なる場合)、条件変化追跡部41は、その施策後条件を新たに規定してもよい。
【0050】
条件変化追跡部41は、施策後条件IDを格納した条件変化結果情報33をデータベース3に格納し(ステップS104)、条件変化追跡処理を終了する。
【0051】
図11は、結果検証部42による検証結果処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0052】
検証結果処理では、先ず、結果検証部42は、データベース3から条件変化結果情報33を取得する(ステップS201)。
【0053】
結果検証部42は、条件変化結果情報33における実行期間及び条件IDの組み合わせごとに、ステップS202~S204の処理を繰り返すループ処理Aを実行する。
【0054】
ループ処理Aでは、先ず、結果検証部42は、条件変化結果情報33に基づいて、対象の組み合わせにおけるA群の対象IDの数をA群の対象数n、B群の対象IDの数をB群の対象数n、A群のKPIの平均値をA群のKPI平均値y、B群のKPIの平均値をB群のKPI平均値yとして算出する(ステップS202)。
【0055】
結果検証部42は、B群のKPI平均値yを評価対象施策の環境寄与度として算出する(ステップS203)。
【0056】
結果検証部42は、A群のKPI平均値yからB群のKPI平均値yを差し引いた値(y-y)を評価対象施策の施策寄与度として算出する。そして、結果検証部42は、対象の組み合わせの実行期間及び条件IDと、評価対象施策を示す施策情報と、算出したA群の対象数n、環境寄与度及び施策寄与度とを有するレコードを施策実施結果情報34に追加する(ステップS203)。
【0057】
そして、結果検証部42は、全ての組み合わせに対してステップS202~S204の処理を終了すると、ループ処理Aを抜けて、施策実施結果情報34をデータベース3に格納し(ステップS205)、検証結果処理を終了する。
【0058】
図12は、報酬分配部43による報酬分配果処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0059】
報酬分配処理では、先ず、報酬分配部43は、データベース3から条件変化結果情報33を取得し(ステップS301)、さらにデータベース3から施策実施結果情報34を取得する(ステップS302)。
【0060】
報酬分配部43は、条件変化結果情報33における実行期間、条件ID及び施策後条件IDの組み合わせごとに、ステップS303~S306の処理を繰り返すループ処理Bを実行する。
【0061】
ループ処理Bでは、報酬分配部43は、条件変化結果情報33に基づいて、対象の組み合わせにおけるA群の対象IDの数をA群の対象数n、対象数全体に対するA群の対象数の割合p、B群の対象IDの数をB群の対象数n、対象数全体に対するB群の対象数の割合p、A群のKPIの平均値をA群のKPI平均値y、B群のKPIの平均値をB群のKPI平均値yとして算出する(ステップS303)。
【0062】
報酬分配部43は、施策実施結果情報34から、対象の組み合わせの実行期間及び条件IDと同じ実行期間及び条件IDを有するレコードを取得し、そのレコードに含まれる環境寄与ζ及び施策寄与ξを抽出する(ステップS304)。
【0063】
報酬分配部43は、ステップS303で算出したB群のKPI平均値yから環境寄与ζを差し引いた値(y-ζ)を、対象の組み合わせにおける条件変化環境寄与度として算出する(ステップS305)。
【0064】
報酬分配部43は、ステップS303で算出したA群のKPI平均値yからB群のKPI平均値y及び施策寄与ξを差し引いた値(y-y-ξ)を、対象の組み合わせにおける条件変化施策寄与度として算出する。そして、報酬分配部43は、対象の組み合わせの実行期間、条件ID及び施策後条件IDと、評価対象施策を示す施策情報と、と、取得した環境寄与ζ及び施策寄与ξと、算出したA群の対象数n、条件件変化環境寄与度及び条件変化施策寄与度とを有するレコードを報酬分配結果情報35に追加する(ステップS306)。なお、このとき、A群の対象数nは条件変化別対象数として報酬分配結果情報35に格納される
【0065】
報酬分配部43は、全ての組み合わせに対してステップS303~S306の処理を終了すると、ループ処理Bを抜けて、報酬分配結果情報35をデータベース3に格納し(ステップS307)、検証結果処理を終了する。
【0066】
図13は、新規施策立案支援部44による新規施策立案支援処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0067】
新規施策立案支援処理では、新規施策立案支援部44は、新たな施策の立案を支援するための新規施策立案支援画面(図16参照)を表示し、施策立案者から新規施策立案支援画面を介して新規施策候補情報を受け付ける(ステップS401)。新規施策候補情報は、新規施策候補を示す施策情報と、新規施策候補を実施する施策対象が備える施策条件とを含む。
【0068】
また、新規施策立案支援部44は、データベース3から報酬分配結果情報35を取得する(ステップS402)。
【0069】
新規施策立案支援部44は、新規施策候補情報にて示される施策情報及び施策条件の変数名の少なくとも一方を含むレコードのそれぞれを、新規施策候補に類似する類似候補の報酬分配結果として報酬分配結果情報35から取得して新規施策立案支援画面に表示する(ステップS403)。
【0070】
新規施策立案支援部44は、類似候補の報酬分配結果に基づいて、施策条件の変数名が一致する類似候補の環境寄与度の統計値である平均値、最大値及び最小値を、新規施策候補の環境寄与度の推定値、上限値及び下限値として推定して新規施策立案支援画面に表示する(ステップS404)。
【0071】
新規施策立案支援部44は、類似候補の報酬分配結果に基づいて、施策情報が一致する類似候補の施策寄与度の統計値である平均値、最大値及び最小値を、新規施策候補の施策寄与度の推定値、上限値及び下限値として推定して新規施策立案支援画面に表示する(ステップS405)。
【0072】
新規施策立案支援部44は、類似候補の報酬分配結果に基づいて、施策条件が一致する類似候補における条件変化ごとに、条件変化割合及び条件変化環境寄与度の統計値である平均値、最大値及び最小値を、新規施策候補の環境の条件変化割合及び条件変化環境寄与度の推定値、上限値及び下限値として推定して新規施策立案支援画面に表示する(ステップS406)。条件変化割合は、類似候補全体に対する当該条件変化を有する類似候補の割合である。
【0073】
新規施策立案支援部44は、報酬分配結果に基づいて、施策情報が一致する類似候補における条件変化ごとに、条件変化割合の統計値である平均値、最大値及び最小値を、新規施策候補の条件変化割合の推定値、上限値及び下限値として推定して新規施策立案支援画面に表示する(ステップS407)。
【0074】
新規施策立案支援部44は、報酬分配結果に基づいて、施策条件が一致する類似候補における条件変化ごとに、条件変化施策寄与度の統計値である平均値、最大値及び最小値を、新規施策候補の条件変化施策寄与度の推定値、上限値及び下限値として推定して新規施策立案支援画面に表示する(ステップS408)。
【0075】
新規施策立案支援部44は、新規施策立案支援画面の環境寄与予測支援ボタンが押下されたか否かを判断する(ステップS409)。
【0076】
環境寄与予測支援ボタンが押下された場合、新規施策立案支援部44は、環境寄与予測支援処理(図14参照)を実行する(ステップS410)。
【0077】
環境寄与予測支援ボタンが押下されていない場合、及び、環境寄与予測支援処理が終了した場合、新規施策立案支援部44は、新規施策立案支援画面の施策寄与予測支援ボタンが押下されたか否かを判断する(ステップS411)。
【0078】
施策寄与予測支援ボタンが押下された場合、新規施策立案支援部44は、施策寄与予測支援処理(図14参照)を実行する(ステップS412)。
【0079】
施策寄与予測支援ボタンが押下されていない場合、及び、施策寄与予測支援処理が終了した場合、新規施策立案支援部44は、新規施策立案支援画面の条件変化環境寄与予測支援ボタンが押下されたか否かを判断する(ステップS413)。
【0080】
条件変化環境寄与予測支援ボタンが押下された場合、新規施策立案支援部44は、条件変化環境寄与予測支援処理(図15参照)を実行する(ステップS414)。
【0081】
条件変化環境寄与予測支援ボタンが押下されていない場合、及び、条件変化環境寄与予測支援処理が終了した場合、新規施策立案支援部44は、新規施策立案支援画面の条件変化施策寄与予測支援ボタンが押下されたか否かを判断する(ステップS415)。
【0082】
条件変化施策寄与予測支援ボタンが押下された場合、新規施策立案支援部44は、条件変化施策寄与予測支援処理(図15参照)を実行する(ステップS416)。
【0083】
条件変化施策寄与予測支援ボタンが押下されていない場合、及び、条件変化施策寄与予測支援処理が終了した場合、新規施策立案支援部44は、予測結果修正入力処理を実行する(ステップS417)。予測結果修正入力処理では、施策立案者は、表示された各推定値、上限値及び下限値を適宜修正することができる。
【0084】
その後、新規施策立案支援部44は、決定ボタンが押下されたか否かを判断する(ステップS418)。決定ボタンが押下されなかった場合、新規施策立案支援部44は、ステップS409の処理に戻る。一方、決定ボタンが押下された場合、新規施策立案支援部44は、ステップS403~S408で算出された各値及びステップS417の修正結果に基づいて、施策効果予測情報36を生成してデータベース3に格納し(ステップS419)、新規施策立案支援処理を終了する。
【0085】
図14は、図13のステップS410の環境寄与予測支援処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0086】
環境寄与予測支援処理では、新規施策立案支援部44は、類似施策の報酬分配結果から新規施策立案候補の施策条件の変数に一致するレコードを予測対象レコードとして取得する(ステップS501)。新規施策立案支援部44は、予測対象レコードに基づいて、施策条件の変数の範囲ごとに、その変数に対応する環境寄与度を集計した集計値を算出し、各集計値をグラフとして描画する(ステップS502)。新規施策立案支援部44は、各集計値に対して回帰分析を行って、グラフに回帰直線を追加する(ステップS503)。
【0087】
新規施策立案支援部44は、類似候補の環境寄与度の平均値を、新規施策の環境寄与度の推薦値(推定値)とし、その類似候補の環境寄与度の下限値から上限値までの範囲を新規施策の環境寄与度の推薦範囲として算出し、推薦値及び推薦範囲を表示する(ステップS504)。
【0088】
新規施策立案支援部44は、ユーザから推薦値及び推薦範囲の修正指示を受け付けたか否かを判断する(ステップS505)。修正指示を受け付けた場合、新規施策立案支援部44は、修正指示に応じて推薦値及び推薦範囲を修正する(ステップS506)。その後、新規施策立案支援部44は、完了ボタンが押下されたか否かを判断する(ステップS507)。なお、修正指示を受け付けていない場合、新規施策立案支援部44は、ステップS506をスキップする。
【0089】
完了ボタンが押下された場合、新規施策立案支援部44は、完了ボタンが押下された場合、処理を終了し、完了ボタンが押下されていない場合、ステップS505の処理に戻る。
【0090】
なお、図13のステップS412の施策寄与予測支援処理は、図14を用いて説明した環境寄与予測支援処理と同様であり、「環境」を「施策」に読み替えればよい。
【0091】
図15は、図13のステップS414の条件変化環境寄与予測支援処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0092】
条件変化環境寄与予測支援処理では、新規施策立案支援部44は、類似候補における条件変化ごとに、条件変化割合及び条件変化環境寄与度の統計値である平均値、下限値及び上限値を取得する(ステップS601)。新規施策立案支援部44は、条件変化ごとに、条件変化割合及び条件変化環境寄与度の平均値を新規施策候補の条件変化割合及び条件変化環境寄与度の推薦値とし、各推薦値をグラフとして描画する(ステップS602)。
【0093】
新規施策立案支援部44は、施策後条件ごとに、条件変化割合及び条件変化環境寄与度の下限値から上限値までの範囲を、新規施策候補の条件変化環境寄与度の推薦範囲とし、推薦値及び推薦範囲を表示する(ステップS603)。
【0094】
新規施策立案支援部44は、ユーザから推薦値及び推薦範囲の修正指示を受け付けたか否かを判断する(ステップS604)。修正指示を受け付けた場合、新規施策立案支援部44は、修正指示に応じて推薦値及び推薦範囲を修正する(ステップS605)。その後、新規施策立案支援部44は、完了ボタンが押下されたか否かを判断する(ステップS606)。なお、修正指示を受け付けていない場合、新規施策立案支援部44は、ステップS605をスキップする。
【0095】
完了ボタンが押下された場合、新規施策立案支援部44は、完了ボタンが押下された場合、処理を終了し、完了ボタンが押下されていない場合、ステップS604の処理に戻る。
【0096】
なお、図13のステップS416の条件変化施策寄与予測支援処理は、図15を用いて説明した条件変化環境寄与予測支援処理と同様であり、「環境」を「施策」に読み替えればよい。
【0097】
図16は、新規施策立案支援画面の一例を示す図である。図16に示す新規施策立案支援画面400は、新規施策候補情報を入力するための新規施策候補選択部401と、類似候補の報酬分配結果を表示するための分配表示部402と、新規施策候補の効果の予測結果を表示する施策効果表示部403と、環境寄与予測支援ボタン404と、施策寄与予測支援ボタン405と、条件変化環境寄与予測支援ボタン406と、条件変化施策寄与予測支援ボタン407と、決定ボタン408とを有する。
【0098】
図17は、環境寄与予測支援画面及び施策寄与予測支援画面の一例を示す図である。
【0099】
図17(a)に示す環境寄与予測支援画面500は、新規施策の環境寄与度の集計値のグラフ501と、新規施策の環境寄与度の推薦値502と、新規施策の環境寄与度の推薦範囲503と、完了ボタン504とを有する。図17(b)に示す施策寄与予測支援画面510は新規施策の施策寄与度の集計値のグラフ511と、新規施策の施策寄与度の推薦値512と、新規施策の施策寄与度の推薦範囲513と、完了ボタン514とを有する。
【0100】
図18は、条件変化環境寄与予測支援画面及び条件変化施策寄与予測支援画面の一例を示す図である。
【0101】
図18(a)に示す条件変化環境寄与予測支援画面600は、新規施策候補の条件変化割合及び条件変化環境寄与度の推薦値のグラフ601と、新規施策候補の条件変化割合及び条件変化環境寄与度の推薦値602と、新規施策候補の条件変化割合及び条件変化環境寄与度の推薦範囲603と、完了ボタン604とを有する。推薦値602及び推薦範囲603は、施策後の条件ごとに表示される。
【0102】
図18(b)に示す条件変化施策寄与予測支援画面610は、新規施策候補の条件変化割合及び条件変化施策寄与度の推薦値のグラフ611と、新規施策候補の条件変化割合及び条件変化施策寄与度の推薦値612と、新規施策候補の条件変化割合及び条件変化施策寄与度の推薦範囲613と、完了ボタン614とを有する。推薦値612及び推薦範囲613は、施策後の条件ごとに表示される。なお、グラフ611には、新規施策候補の条件変化割合及び条件変化環境寄与度の推薦値が併記されてもよい。
【0103】
以上説明したように本実施形態によれば、条件変化追跡部41は、所定の施策条件を備えた施策対象への施策に関する試験を実行した実行結果情報31に基づいて、試験前後の施策条件の変化である条件変化を判定する。結果検証部42は、実行結果情報31に基づいて、施策の効果を評価した評価値を算出する。報酬分配部43は、条件変化の評価値に対する寄与の度合いである変化寄与度を算出する。したがって、変化寄与度に基づいて、試験が行われていない施策条件の評価結果を補間することが可能となるため、限られた施策条件に対する試験の実行結果に基づいてより効率の良い新たな施策の立案が可能になる。
【0104】
また、本実施形態では、試験は、複数の施策対象を含む集合を分割した2つのA群及びB群の一方であるA群に対してのみ施策を実施するABテストである。結果検証部42は、A群に対応する施策評価値と、B群に対応する環境評価値とを評価値として示す施策実施結果情報34を算出する。したがって、施策による効果をより適切に評価することが可能となる。
【0105】
また、本実施形態では、報酬分配部43は、施策評価値に対する変化寄与度である施策変化寄与度と、環境評価値に対する変化寄与度である環境変化寄与度とを算出する。したがって、変化寄与度をより適切に評価することが可能となる。
【0106】
また、本実施形態では、条件変化追跡部41は、試験後の施策条件が予め規定された施策条件とは異なる場合、当該施策条件を新たに規定する。このため、施策条件が想定されていない施策条件などに変化しても、施策による効果を適切に評価することが可能となる。
【0107】
また、本実施形態では、新規施策立案支援部44は、新規施策を実施した実施結果を、評価値及び変化寄与度に基づいて予測した施策効果予測情報36を出力する。この場合、新規施策の効果を事前に予測することが可能となるため、効率の良い新たな施策の立案が可能になる。
【0108】
また、本実施形態では、新規施策立案支援部44は、実施済み施策のうち、新規施策と施策内容及び施策条件の少なくとも一方が一致する類似施策の評価値及び変化寄与度に基づいて施策効果予測情報を予測する。このため、新規施策の効果をより適切に予測することが可能となる。
【0109】
また、本実施形態では、新規施策立案支援部44は、類似施策の評価値及び変化寄与度の統計値を施策効果予測情報として予測する。このため、新規施策の効果をより適切に予測することが可能となる。
【0110】
また、本実施形態では、新規施策立案支援部44は、統計値をグラフ化して表示する。このため、新規施策を立案する施策立案者が施策効果予測情報を視覚的に捉えて新規施策の効果を適切評価することが可能となる。
【0111】
上述した本開示の実施形態は、本開示の説明のための例示であり、本開示の範囲をそれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。当業者は、本開示の範囲を逸脱することなしに、他の様々な態様で本開示を実施することができる。例えば、識別情報について説明する際に、「識別情報」、「ID」、「名」及び「名前」などの表現を用いたが、これらは互いに置換が可能である。また、各情報としてテーブルを用いて説明したが、各情報はテーブル構造を有していなくてもよい。
【符号の説明】
【0112】
1:入出力部 2:通信部 2:変数 3:データベース 4:制御部 10:立案支援システム 20:記録媒体 30:業務システム 40:ネットワーク 41:条件変化追跡部 42:結果検証部 43:報酬分配部 44:新規施策立案支援部

図1
図2
図3
図4
図5
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図7
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図10
図11
図12
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図16
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