(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-26
(45)【発行日】2025-07-04
(54)【発明の名称】裏打ち材、エアロゾル供給システムおよび製品
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20250627BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20250627BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/20
(21)【出願番号】P 2023545791
(86)(22)【出願日】2022-02-02
(86)【国際出願番号】 EP2022052389
(87)【国際公開番号】W WO2022167439
(87)【国際公開日】2022-08-11
【審査請求日】2023-09-26
(32)【優先日】2021-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ホワイト, ジュリアン
【審査官】宮崎 賢司
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-165837(JP,A)
【文献】中国実用新案第207653584(CN,U)
【文献】特表2019-501634(JP,A)
【文献】特表2019-513374(JP,A)
【文献】国際公開第2020/025746(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/052503(WO,A1)
【文献】特開2020-150817(JP,A)
【文献】国際公開第2020/104950(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0297953(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/40
A24F 40/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバと、エアロゾル生成材料を含む消耗品が前記チャンバに配置されたときに前記エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成器とを備えたエアロゾル供給デバイスとともに使用されるための裏打ち材であって、
当該裏打ち材が、前記チャンバへの選択的な挿入のためのものであり、当該裏打ち材が、第1の直径で当該裏打ち材が巻かれている第1の構成に形成可能であり、当該裏打ち材が、前記第1の直径よりも大きな第2の直径で当該裏打ち材が巻かれている第2の構成に形成可能であり、当該裏打ち材が、前記チャンバに挿入されて少なくとも部分的に前記チャンバを裏打ちするときに、前記第1の構成から前記第2の構成に移行可能であり、
前記裏打ち材が、エアロゾル生成材料を含まない、裏打ち材。
【請求項2】
当該裏打ち材が、前記チャンバに挿入されて前記第1の構成から前記第2の構成に移行するときに、少なくとも部分的な巻き戻りによって拡張可能である、請求項1に記載の裏打ち材。
【請求項3】
当該裏打ち材が、前記第1の構成及び前記第2の構成において、開放長手方向端部を備える、請求項1又は2に記載の裏打ち材。
【請求項4】
当該裏打ち材が弾性的に変形可能である、請求項1~3のいずれか一項に記載の裏打ち材。
【請求項5】
当該裏打ち材が100ミクロン以下の厚さを有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の裏打ち材。
【請求項6】
当該裏打ち材が、変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材料を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の裏打ち材。
【請求項7】
当該裏打ち材が非導電性の支持体を備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の裏打ち材。
【請求項8】
当該裏打ち材が、当該裏打ち材を前記第1の構成に保持するための保持部材を備え、前記保持部材が、当該裏打ち材から取り外されて、前記第1の構成から前記第2の構成への移行を可能とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の裏打ち材。
【請求項9】
エアロゾル生成材料を含む消耗品と、
前記消耗品を挿入可能なチャンバと、前記消耗品が前記チャンバに配置されたときに前記エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成器とを有するエアロゾル供給デバイスと、
前記チャンバへの選択的な挿入のための裏打ち材と
を備えるエアロゾル供給システムであって、
前記裏打ち材が、第1の直径で前記裏打ち材が巻かれている第1の構成に形成可能であり、前記裏打ち材が、前記第1の直径よりも大きな第2の直径で前記裏打ち材が巻かれている第2の構成に形成可能であり、前記裏打ち材が、前記チャンバに挿入されて少なくとも部分的に前記チャンバを裏打ちするときに、前記第1の構成から前記第2の構成に移行可能である、エアロゾル供給システム。
【請求項10】
前記エアロゾル供給デバイスが開口を備え、前記開口を通って前記消耗品が前記チャンバに挿入可能であり、前記裏打ち材が前記開口を通って前記チャンバに挿入可能である、請求項9に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項11】
当該エアロゾル供給システムが、前記開口を通って前記チャンバに挿入可能な消耗品の最大幅を選択的に決定するアダプタを備え、前記アダプタが、前記エアロゾル供給デバイスに接続されたときに、前記
裏打ち材を前記チャンバに選択的に保持するためのリテイナとして働く、請求項
10に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項12】
当該エアロゾル供給システムが複数のアダプタを備え、前記アダプタの各々が、前記開口を通って前記チャンバに挿入可能な消耗品の異なる最大幅を選択的に決定し、前記アダプタの各々が、前記エアロゾル供給デバイスに接続されたときに、前記リテイナとして働く、請求項
11に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項13】
当該エアロゾル供給システムが、前記裏打ち材を前記チャンバに選択的に保持するためのリテイナを備える、請求項9~12のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項14】
前記裏打ち材が、請求項1~8のいずれか一項に記載の裏打ち材である、請求項9~13のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項15】
エアロゾル生成材料を含む少なくとも1つの消耗品であって、前記消耗品がエアロゾル供給デバイスのチャンバに挿入可能であり、前記エアロゾル供給デバイスが、前記消耗品が前記チャンバに配置されたときに前記エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成器を備える、少なくとも1つの消耗品と、
前記チャンバに選択的に挿入されて少なくとも部分的に前記チャンバを裏打ちするとともに、前記消耗品が前記チャンバに配置されたときに前記消耗品を少なくとも部分的に包囲する裏打ち材と
を具備し、
前記裏打ち材が、第1の直径で前記裏打ち材が巻かれている第1の構成に形成可能であり、前記裏打ち材が、前記第1の直径よりも大きな第2の直径で前記裏打ち材が巻かれている第2の構成に形成可能であり、前記裏打ち材が、前記チャンバに挿入されて少なくとも部分的に前記チャンバを裏打ちするときに、前記第1の構成から前記第2の構成に移行可能である、製品。
【請求項16】
前記裏打ち材が、請求項1~8のいずれか一項に記載の裏打ち材である、請求項15に記載の製品。
【請求項17】
当該製品が包装品を備え、前記消耗品及び前記裏打ち材が前記包装品内に収容される、請求項15又は16に記載の製品。
【請求項18】
当該製品が包装品を備え、前記消耗品及び前記裏打ち材が前記包装品内に収容され、前記裏打ち材が前記包装品内でその第1の構成にあり、前記消耗品が前記第1の直径に実質的に対応する第3の直径を備える、請求項16に記載の製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル供給デバイスとともに使用されるための裏打ち材、裏打ち材とエアロゾル供給デバイスとを備えるエアロゾル供給システム、及び製品に関する。
【背景技術】
【0002】
紙巻タバコ、葉巻タバコなどの喫煙品は、使用中に、タバコ煙を生じさせるためにタバコを燃やす。燃やすことなしに化合物を放出する製品を製造することによって、タバコを燃やすこれらの喫煙品に対する代替物を提供する試みがなされている。このような製品の例としては、材料を燃やすことによってではなく、加熱することによって化合物を放出する加熱デバイスがある。このような材料は、例えば、タバコ又は他の非タバコ製品でもよく、ニコチンを含有してもよく、又は含有しなくてもよい。
【発明の概要】
【0003】
本開示の第1の態様によれば、チャンバと、エアロゾル生成材料を含む消耗品がチャンバに配置されたときにエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成器とを備えたエアロゾル供給デバイスとともに使用されるための裏打ち材であって、裏打ち材は、チャンバへの選択的な挿入のためのものであり、裏打ち材は、第1の直径で裏打ち材が巻かれている第1の構成に形成可能であり、裏打ち材は、第1の直径よりも大きな第2の直径で裏打ち材が巻かれている第2の構成に形成可能であり、裏打ち材は、チャンバに挿入されて少なくとも部分的にチャンバを裏打ちするときに、第1の構成から第2の構成に移行可能である、裏打ち材が提供される。
【0004】
裏打ち材の外側面は、第1の構成において、実質的に円筒状の形状を有し得、例えば、第1の直径を有する。裏打ち材の外側面は、第2の構成において、実質的に円筒状の形状を有し得、例えば、第2の直径を有する。
【0005】
第1及び第2の直径は、裏打ち材の外側直径を備え得る。第1の直径は、第1の構成にある裏打ち材の外側に面する面、例えば、径方向外側に面する面上の2つの対向する点の間の最大距離を備え得る。第2の直径は、第2の構成にある裏打ち材の外側に面する面、例えば、径方向外側に面する面上の2つの対向する点の間の最大距離を備え得る。
【0006】
裏打ち材は、第1及び第2の自由端部を備え得、第1及び第2の自由端部のうちの1つは第1及び第2の自由端部のうちの他方に向かって巻かれて第1の構成を得る。第2の第1の構成において、第1及び第2の自由端部のうちの1つは、第1及び第2の自由端部のうちの他方に向かって少なくとも部分的に巻かれ得る。
【0007】
第1の構成において第1及び第2の自由端部は重なり合っていてもよい。裏打ち材は、第1の構成において、外側に面する面及び内側に面する面、例えば径方向外側に面する面及び径方向内側に面する面を備え得、外側に面する面及び内側に面する面は、第1の自由端部と第2の自由端部との間に延在しており、第1の構成において外側に面する面及び内側に面する面が重なり合うように、第1の構成において第1及び第2の自由端部は重なり合ってもよい。第1の構成において、外側に面する面は内側に面する面に接触し得る。
【0008】
例えば、第2の構成において、裏打ち材が、チャンバに挿入されたときに、チャンバの周方向範囲を完全に裏打ちするように、第2の構成において第1及び第2の自由端部は実質的に連続してもよく、又は実質的に重なり合っていてもよい。第2の構成において、裏打ち材は、外側に面する面及び内側に面する面を備え得、外側に面する面及び内側に面する面は、第1の自由端部と第2の自由端部との間に延在しており、第2の構成において外側に面する面及び内側に面する面が重なり合うように、第2の構成において第1及び第2の自由端部は重なり合ってもよい。第2の構成において、外側に面する面は内側に面する面に接触し得る。
【0009】
例えば、第2の構成において、裏打ち材が、チャンバに挿入されたときに、チャンバの周方向範囲を部分的に裏打ちするように、第2の構成において第1及び第2の自由端部は離間されてもよい。第2の構成において外側に面する面及び内側に面する面が重なり合わないように、第2の構成において第1及び第2の自由端部は離間されてもよい。
【0010】
第1の構成において、裏打ち材は、裏打ち材の長手方向軸線に沿った方向から見たときに巻物形状を備え得る。第2の構成において、裏打ち材は、裏打ち材の長手方向軸線に沿った方向から見たときに巻物形状又は円形状を備え得る。第1及び第2の構成において、裏打ち材の形態は長細状であり、例えば、第1及び第2の構成において、その直径よりも大きな長さを有する。
【0011】
第2の直径は、5.0~6.0mmの範囲、例えば、5.3~5.7mmの範囲であり得る。第2の直径は、6.5~7.5mmの範囲、例えば、6.7~7.3mmの範囲であり得る。第2の直径は、チャンバの直径と実質的に等しくてもよい。
【0012】
裏打ち材は、チャンバに挿入されて第1の構成から第2の構成に移行するときに、少なくとも部分的な巻き戻りによって拡張可能であり得る。
【0013】
第2の構成は、裏打ち材の休止構成を備え得る。
【0014】
裏打ち材は、裏打ち材がシートの形態をとる第3の構成を備え得る。第3の構成は、裏打ち材の休止構成を備え得る。
【0015】
裏打ち材は、第1及び第2の構成において、開放長手方向端部、例えば、消耗品の挿入を可能とする開放長手方向端部を備え得る。
【0016】
裏打ち材は弾性的に変形可能であり得る。
【0017】
裏打ち材は100ミクロン以下の厚さを備え得る。裏打ち材は50ミクロン以下又は20ミクロン以下の厚さを備え得る。
【0018】
裏打ち材は、変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材料を含み得る。第1及び第2の構成において、加熱材料は、裏打ち材の内側に面する面に配置され得る。
【0019】
加熱材料は、導電性材料、磁気的材料、及び非磁気的材料から成る群から選択された1つ又は複数の材料を含み得る。
【0020】
加熱材料は、金属又は金属合金を含み得る。
【0021】
加熱材料は、アルミニウム、金、鉄、ニッケル、コバルト、導電性カーボン、グラファイト、普通炭素鋼、ステンレス鋼、フェライトステンレス鋼、銅、及び青銅から成る群から選択された1つ又は複数の材料を含み得る。
【0022】
加熱材料は、加熱材料がニッケルを含む場合、およそ15ミクロンの厚さを備え得、又は、加熱材料がコバルトを含む場合、およそ10ミクロンの厚さを備え得る。
【0023】
加熱材料は、変動磁場が侵入したときに加熱材料に誘起された渦電流に敏感であり得る。
【0024】
裏打ち材は、非導電性の支持体を備え得る。支持体は、ポリマー、例えば、ザイテル(Zytel)(登録商標)高温ナイロン(HTN)又はカプトン(Kapton)(登録商標)などのポリイミドを含み得る。
【0025】
裏打ち材は、裏打ち材を第1の構成に保持するための保持部材を備え得、保持部材は、裏打ち材の残りの部分から取り外されて、第1の構成から第2の構成への移行を可能とする。保持部材は、固定的な直径、例えば、第1の直径に実質的に対応する直径を備え得る。保持部材は、第1の直径に実質的に対応する内径を有するリングを備え得る。保持部材は、可変的な直径、例えば、第1の直径と第2の直径との間で可変的な直径を備え得る。
【0026】
本開示の第2の態様によれば、エアロゾル生成材料を含む消耗品を挿入可能なチャンバと、消耗品がチャンバに配置されたときにエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成器とを有するエアロゾル供給デバイスと、チャンバへの選択的な挿入のための裏打ち材であって、裏打ち材は、第1の直径で裏打ち材が巻かれている第1の構成に形成可能であり、裏打ち材は、第1の直径よりも大きな第2の直径で裏打ち材が巻かれている第2の構成に形成可能であり、裏打ち材は、チャンバに挿入されて少なくとも部分的にチャンバを裏打ちするときに、第1の構成から第2の構成に移行可能である、裏打ち材とを備えるエアロゾル供給システムが提供される。
【0027】
エアロゾル供給デバイスは開口を備え、この開口を通って消耗品がチャンバに挿入可能である、開口を備え得、裏打ち材は開口を通ってチャンバに挿入可能である。
【0028】
チャンバは、消耗品を少なくとも部分的に受け入れ得る。
【0029】
エアロゾル供給システムは、裏打ち材をチャンバに選択的に保持するためのリテイナ(保持手段)を備え得る。
【0030】
エアロゾル供給システムは、開口を通ってチャンバに挿入可能な消耗品の最大幅を選択的に決定するアダプタを備え得、アダプタは、エアロゾル供給デバイスに接続されたときに、リテイナとして働く。
【0031】
エアロゾル供給システムは複数のアダプタを備え得、各アダプタは、開口を通ってチャンバに挿入可能な消耗品の異なる最大幅を選択的に決定し、各アダプタは、エアロゾル供給デバイスに接続されたときに、リテイナとして働く。
【0032】
裏打ち材は、本発明の第1の態様による裏打ち材を備え得る。
【0033】
エアロゾル生成器は、消耗品がチャンバに配置されたときに消耗品に熱を印加してエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するための加熱アセンブリを備え得る。加熱アセンブリは、誘導式加熱アセンブリ、例えば、磁場生成器、及びサセプタであって、サセプタの加熱をもたらすために変動磁場が侵入可能なサセプタを備える加熱アセンブリを備え得る。
【0034】
本開示の第3の態様によれば、エアロゾル生成材料を含む少なくとも1つの消耗品であって、消耗品はエアロゾル供給デバイスのチャンバに挿入可能であり、エアロゾル供給デバイスは、消耗品がチャンバに配置されたときにエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成器を備える、少なくとも1つの消耗品と、チャンバに選択的に挿入されて少なくとも部分的にチャンバを裏打ちするとともに、消耗品がチャンバに配置されたときに消耗品を少なくとも部分的に包囲する裏打ち材とを具備する製品が提供される。
【0035】
裏打ち材は、本発明の第1の態様による裏打ち材を備え得る。
【0036】
製品は包装品を備え得、消耗品及び裏打ち材は包装品内に収容され得る。
【0037】
裏打ち材は包装品内でその第1の構成にあり得、消耗品は第1の直径に実質的に対応する第3の直径を備え得る。
【0038】
本発明の更なる特徴及び利点は、単なる例示として与えられた、添付の図面を参照してなされる本発明の好ましい実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】実施例によるエアロゾル供給デバイスの概略図である。
【
図2】
図1のエアロゾル供給デバイスの一部分の概略的な断面図である。
【
図3a】
図1のエアロゾル供給デバイスとともに使用されるための裏打ち材の概略的な図である。
【
図3b】第1の構成にある
図3aの裏打ち材の概略的な図である。
【
図3c】第2の構成にある
図3aの裏打ち材の概略的な図である。
【
図3d】代替的な第2の構成にある
図3aの裏打ち材の概略的な図である。
【
図4a】
図3aの裏打ち材とともに使用されるための第1の保持部材の概略的な図である。
【
図4b】
図3aの裏打ち材とともに使用されるための第2の保持部材の概略的な図である。
【
図5a】
図1のエアロゾル供給デバイスとともに使用されるための裏打ち材の第2の実施形態の概略的な図である。
【
図5b】
図1のエアロゾル供給デバイスとともに使用されるための裏打ち材の第3の実施形態の概略的な図である。
【
図7】
図1のエアロゾル供給デバイスとともに使用されるためのアダプタの概略的な断面図である。
【
図8】
図8のアダプタに接続された
図1のエアロゾル供給デバイスの概略的な断面図である。
【
図9】
図1のエアロゾル供給デバイスとともに使用されるための第1及び第2のアダプタの概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1において、全体として符号12で示された、本開示によるエアロゾル供給デバイスが概略的に図示されている。
【0041】
エアロゾル供給デバイス12は、筐体16と、動力源18と、加熱アセンブリ20の形態のエアロゾル生成器と、チャンバ22と、プロセッサ24と、コンピュータ可読メモリ25と、ユーザ操作可能制御要素26とを備える。
【0042】
筐体16は、エアロゾル供給デバイス12の外側カバーを形成し、エアロゾル供給デバイス12の様々な構成要素を包囲し、収容する。
【0043】
動力源18は、例えば加熱アセンブリ20などの、エアロゾル供給デバイス12の様々な構成要素に電力を供給する。
図1の実施形態において、動力源18は、バッテリー28と、加熱アセンブリ20にAC電流を供給するDC-AC変換器30とを備える。代替的な実施形態において、加熱アセンブリ20がDC電流を必要とすることがあり、したがって、DC-AC変換器30が省略されてもよいこと、又はDC-DC変換器、例えば、必要に応じてバック変換器又はブースト変換器によって置き換えられてもよいことが理解されよう。
【0044】
エアロゾル供給デバイス12は、バッテリー28に充電するためのケーブルを受け入れ可能なソケット/ポート(図示されず)などの電気的構成要素も備え得る。例えば、ソケットはUSB充電ポートなどの充電ポートを備え得る。いくつかの実施例において、ソケットは、追加的に又は代替的に、エアロゾル供給デバイス12とコンピューティングデバイスなどの他のデバイスとの間でデータを転送するために使用され得る。ソケットは、電気的配線を介してバッテリー28に電気的に結合されてもよい。
【0045】
プロセッサ24はコンピュータ可読メモリ25とデータ通信している。プロセッサ24は、エアロゾル供給デバイス12の動作の様々な態様を制御するように構成される。プロセッサ24は、コンピュータ可読メモリ25に記憶された命令を実行することによって様々な態様を制御する。例えば、プロセッサ24は加熱アセンブリ20の動作を制御し得る。例えば、プロセッサは、スイッチなど(
図1においては図示されず)の様々な電気的構成要素を制御することによって、動力源18から加熱アセンブリ20への電力の送達を制御し得る。
【0046】
ユーザ操作可能制御要素26は、例えば、ボタン又はスイッチであり、押されたときにエアロゾル供給デバイス12を動作させる。例えば、ユーザは、ユーザ操作可能制御要素26を操作することによってエアロゾル供給デバイス12の電源を入れることができ、又は、ユーザ操作可能制御要素26を操作することによって加熱アセンブリ20の設定を変更することができる。
【0047】
図1の加熱アセンブリ20は誘導式加熱アセンブリであり、複数の加熱コイル32を備える。複数の加熱コイル32は、個々に制御可能であり、チャンバ22に沿って離間され、サセプタ34が、チャンバ22の壁部内に埋め込まれている。サセプタ34の他の場所も想定され、実際、いくつかの実施形態において、サセプタ34が、使用時にチャンバ22内に受け入れられる消耗品に設けられてもよいことが理解されよう。いくつかの実施形態において、サセプタ34が複数のサセプタ、例えば加熱コイル32ごとに1つのサセプタを備えてもよいことも更に理解されよう。
【0048】
サセプタは、交番磁場などの変動磁場の侵入によって加熱可能な材料である。サセプタは、導電性材料であってもよく、変動磁場が侵入すると加熱材料の誘導加熱をもたらす。加熱材料は磁気的材料であってもよく、変動磁場が侵入すると加熱材料の磁気ヒステリシス加熱をもたらす。サセプタは、導電性及び磁気的の両方であってもよく、したがって、サセプタはどちらの加熱機構によっても加熱可能である。
【0049】
チャンバ22の加熱をもたらし、したがって、チャンバ22内に受け入れられた消耗品の加熱をもたらすために、複数の加熱コイル32が変動磁場を生成するように、DC-AC変換器30は複数の加熱コイル32にAC電流を供給する。変動磁場はサセプタ34と相互作用してサセプタ34内に渦電流を駆動し、渦電流の流れがサセプタ34の加熱、したがってチャンバ22の加熱をもたらす。このようにして、チャンバ22内に受け入れられた消耗品が加熱され得る。
【0050】
上述された加熱アセンブリ20は誘導加熱を利用しているが、他のタイプの加熱アセンブリ、例えば抵抗要素に沿って電流が駆動される他のタイプのジュール加熱アセンブリが使用されてもよいことが理解されよう。
【0051】
加熱を必要としない他の形態のエアロゾル生成器が使用されてもよいことが更に理解されよう。例えば、いくつかの実施形態において、エアロゾル生成器は、加熱なしにエアロゾル生成材料からのエアロゾルの生成をもたらす。エアロゾル生成器は、エアロゾル生成材料を、振動、圧力上昇、又は静電エネルギーのうちの1つ又は複数に晒すように構成されてもよい。
【0052】
図2において断面図で示されているように、チャンバ22は、全体的に中空の筒状部材36によって画定される。筒状部材36は、長細状の中空本体部を備える。筒状部材36の内部壁部がチャンバ22を画定し、チャンバ22は近位端部40と遠位端部42とを有する。近位端部40と遠位端部42との間のチャンバ22の範囲は、チャンバ22の主たる部分23と呼ばれ得る。遠位端部42は、先細状壁部44を備え、先細状壁部44はチャンバ22の中央軸線A-Aに向かって先細状になっている。先細状壁部44の開口部46は、エアロゾル供給デバイス12の空気入口47と流体連通している。
【0053】
チャンバ22の近位端部40は開口48を備え、開口48を通って消耗品(
図2においては図示されず)がチャンバ22内に挿入可能である。
【0054】
チャンバ22は、使用時に、エアロゾル生成材料を含む消耗品を一度に1つずつ収納するように構成され、加熱アセンブリ20が、ユーザによって吸入されるためにエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するために使用される。したがって、チャンバ22は、加熱チャンバであると考えられる。
【0055】
エアロゾル生成材料は、例えば加熱されたとき、照射を受けたとき、又は任意の他の方法によってエネルギーを印加されたときに、エアロゾルを生成可能な材料である。エアロゾル生成材料は、例えば、活性物質及び/又は香味料を含有してもよく又は含有しなくてもよいが、固体、液体、又はゲルの形態をとり得る。いくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料は、「無定形固体」を含み得、無定形固体は、代替的に、「モノリシック固体」とも呼ばれる。(すなわち、非繊維状である)。いくつかの実施形態において、無定形固体は、乾燥したゲルであってもよい。無定形固体は、液体などの流体をいくらか内部に保持し得る固体材料である。いくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料は、例えば、約50wt%、60wt%又は70wt%の無定形固体から約90wt%、95wt%又は100wt%の無定形固体を含み得る。
【0056】
エアロゾル生成材料は、1つ又は複数の活性物質及び/又は香料と、1つ又は複数のエアロゾル形成材料と、任意選択で、1つ又は複数の他の機能性材料とを含み得る。
【0057】
消耗品は、エアロゾル生成材料を含む又はエアロゾル生成材料から成る物品であり、その一部又は全部がユーザによって使用中に消費されるものと意図される。消耗品は、エアロゾル生成材料保管エリア、エアロゾル生成材料移送構成要素、エアロゾル生成エリア、筐体、包装材、マウスピース、フィルター及び/又はエアロゾル調整剤などの1つ又は複数の他の構成要素を備え得る。消耗品は、使用時にエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成させるために熱を発するヒーターなどのエアロゾル生成器も備え得る。ヒーターは、例えば、燃焼可能な材料、電気伝導によって加熱可能な材料又はサセプタを備え得る。
【0058】
このような消耗品は、典型的には、長細状で、実質的に円筒状の形態である。いくつかの実施例において、サセプタ34は、サセプタ34がチャンバ22の内部に露出して消耗品への熱移行を向上させるように、チャンバ22の壁部に埋め込まれ得る。チャンバ22内で消耗品が加熱されると、消耗品の加熱からの副流、例えばエアロゾル化された材料が、チャンバ22の壁部、したがってサセプタ34に固着物を蓄積させることがあり、このことは、時間とともにサセプタ34の性能を低下させることがある。同様の問題が、サセプタ34がチャンバ22の壁部に完全に埋め込まれているときにも起こり得、その理由は、サセプタ34からチャンバ22への、したがって消耗品への熱の伝導を固着物が損なうことがあるからである。このような固着物はユーザによって取り除かれ得るが、このことはユーザに負担をかけることになり得、実際上、チャンバ22は洗浄が困難であることが分かっている。
【0059】
本開示は、
図3a~
図3cにおいて概略的に図示されているように、これらの問題を緩和し得る裏打ち材100を提供する。
【0060】
図3aに図示されている裏打ち材100は、高耐熱性ポリマー、例えばザイテル(登録商標)高温ナイロン(HTN)又はカプトン(登録商標)などのポリイミドの矩形のシートである。このような材料は、非導電性であると考えられ得、裏打ち材100の加熱を禁じるように、渦電流の形成に耐性を有し得る。
【0061】
裏打ち材100は、弾性的に変形可能であり、第1の自由端部102と第2の自由端部104とを備える。いくつかの実施例において、
図3aにおいて図示されている裏打ち材100の矩形の形状は、裏打ち材100の休止構成として考えられる。裏打ち材100は、100ミクロン以下の厚さ、例えばおよそ10ミクロンの厚さを有し、このような比較的小さな厚さは、サセプタ34がチャンバ22の壁部に埋め込まれている場所の裏打ち材100の高い耐熱性を緩和し得る。
【0062】
裏打ち材100は、
図3bにおいて図示されている第1の構成及び
図3cにおいて図示されている第2の構成に形成可能である。
【0063】
図3bの第1の構成において、裏打ち材100が形成されるように、例えば丸められるように、第1の自由端部102は第2の自由端部104に向かって巻かれ、裏打ち材100は
図3bに見られるような巻物形状を有する。
図3bは、第1の自由端部102及び第2の自由端部104の長手方向のひろがりと平行な方向からの図である。第1の構成における裏打ち材100は、第1の直径Aを有する全体的に円筒状の形状を有する。第1の直径Aは、第1の構成における裏打ち材100の外側に面する面106上の2つの対向する点の間の最大距離である。
図3bの第1の構成において、裏打ち材100の外側に面する面106は、裏打ち材100の内側に面する面108と重なり合って巻物形状を生む。
【0064】
図3cの第2の構成において、第1の自由端部102は
図3bの第1の構成と比べて巻き戻されており、裏打ち材100は
図3bの巻物形状を維持しているが、巻かれ方が緩くなっている。したがって、第2の構成を達成するために第1の構成が部分的に巻き戻されるものと考えられ得る。第2の構成における裏打ち材100は、第2の直径Bを有する全体的に円筒状の形状を有し、第2の直径Bは第1の直径Aよりも大きい。第2の直径Bは、第2の構成における裏打ち材100の外側に面する面106上の2つの対向する点の間の最大距離である。
図3cの第2の構成において、裏打ち材100の外側に面する面106は、裏打ち材100の内側に面する面108と重なり合って巻物形状を維持する。外側に面する面106と内側に面する面108との間にギャップがあるように図示されているが、実際には、第1及び第2の構成のいずれにおいても、外側に面する面106が内側に面する面108に接触してもよい。
【0065】
使用時に、裏打ち材100は、先ず、チャンバ22に挿入される前に
図3bの第1の構成へと巻かれる。裏打ち材100がユーザから放されると、裏打ち材100の弾性的に変形可能な性質が、
図3cの第2の構成をとるように第1の構成から裏打ち材100を部分的に巻き戻す。裏打ち材100の第2の構成の第2の直径Bは、チャンバの直径と実質的に等しく、
図3cの構成の巻物形状のおかげで、裏打ち材100は、チャンバ22の全体的な周方向範囲を裏打ちする。裏打ち材100の開放長手方向端部は、消耗品が、開口48を通って裏打ち材100に、したがってチャンバ22に挿入されることを可能とする。
【0066】
このようにチャンバ22に挿入されたとき、裏打ち材は、加熱されたときに消耗品からの副流によってもたらされるチャンバの壁部及び/又はサセプタ34への固着物の蓄積を防止し得、裏打ち材100は、必要に応じて取り外し可能であり、交換可能である。このことは、ユーザにとってのエアロゾル供給デバイス12自体の使い勝手の良さ及びメンテナンスの低減を提供しつつ、チャンバ22の壁部及びサセプタ34を保護する便利な方法を提供し得る。
図3cの第2の構成における裏打ち材100の重なり合いは、チャンバ22の壁部の周方向範囲全体が保護されることを保証し得、重なり合いは、裏打ち材100からの副流の発生を防止するラビリンスシールをもたらすことさえも行い得る。
【0067】
裏打ち材100が第1の構成から第2の構成へと巻き戻され得る範囲は、裏打ち材100の初期直径、裏打ち材100の材料、及びチャンバ22の寸法、例えばチャンバ22の直径などを含むがこれらに限定されない多くの要因によって決定され得ることが当業者によって理解されよう。いくつかの実施例において、これらの要因は、裏打ち材100のための代替的な第2の構成につながり得る。
【0068】
裏打ち材100のためのこのような代替的な第2の構成の1つが
図3dにおいて図示されている。
図3dの構成において、裏打ち材100は、第1の自由端部102と第2の自由端部104とが実質的に連続的になる範囲まで巻き戻されている。このような実施形態において、外側に面する面106と内側に面する面108との間の重なり合いは存在しない。ここで、裏打ち材100は、実質的に円形状の断面形状を有する全体的に円筒状の形態を有し、このような構成は、第1の自由端部102と第2の自由端部104との相対位置の観点から、依然として巻かれているものとして考えられる。このような実施例は、チャンバ22の壁部と消耗品との間の裏打ち材100の厚さを低減し、使用時に消耗品への向上された熱移行を提供し得る。更には、チャンバ22の壁部ではなく消耗品にサセプタが配置されている実施形態も想定される。このような実施形態において、チャンバ22の壁部と消耗品との間の裏打ち材100の低減された厚さは、複数のコイル32とサセプタとの間のより容易な電磁結合を可能とし得る。
【0069】
図3aにおいて、裏打ち材100は、矩形のシートの形態を最初に有するものとして図示されたが、裏打ち材100は、前もって巻かれた構成、例えば、
図3bの第1の構成又は
図3cの第2の構成で、エアロゾル供給デバイス12の消費者、すなわちユーザに提供されてもよい。
【0070】
いくつかの実施例において、裏打ち材100の材料は、裏打ち材100が、巻かれた構成、例えば
図3cの第2の構成に裏打ち材を保持することが可能であるように選択され得る。ここで、裏打ち材100は、チャンバ22内への挿入の前によりきつく巻くことによって
図3bの第1の構成に形成されてもよく、次いで、チャンバ22に挿入され、ユーザから放されるときに巻き戻されて
図3cの第2の構成をとることができる。
【0071】
他の実施例において、裏打ち材100は、裏打ち材100を第1の構成に保持するための保持部材を備え得る。このような保持部材110の1つが
図4aにおいて図示されており、これは、
図3bの第1の構成の裏打ち材100の直径Aに実質的に対応する内径を有する比較的剛性の大きい材料の単純な環状のリングである。
図4aの保持部材110は、チャンバ22内への挿入中に裏打ち材100から簡単に取り外され得、
図3bの第1の構成から
図3c及び
図3dのいずれかの第2の構成への裏打ち材100の巻き戻りを可能とする。
【0072】
保持部材112の第2の実施形態が
図4bにおいて図示されている。ここで、保持部材112は、ストリップ114と、ストリップ114を可変的な直径の環状構成に選択的に保持することができるクランプ116とを備える。このような保持部材112は、例えばジュビリークリップのようなものであってもよい。ストリップ114とのクランプ116の係合は、裏打ち材が所望に応じて
図3bの第1の構成と
図3c及び
図3dのいずれかの第2の構成との間で移行することを可能とするように変更され得る。
【0073】
上述されたように、エアロゾル供給デバイス12は、チャンバ22の壁部にサセプタ34を具備し、又はサセプタは消耗品に設けられる。いくつかの代替的な実施例において、裏打ち材100がサセプタとして働き得る。このような実施例において、サセプタ34は、チャンバ22の壁部又は消耗品から省略され得る。
【0074】
裏打ち材100がサセプタとして働く第1の実施例において、裏打ち材100は、変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材料、例えば、アルミニウム、金、鉄、ニッケル、コバルト、導電性カーボン、グラファイト、普通炭素鋼、ステンレス鋼、フェライトステンレス鋼、銅、及び青銅から成る群から選択される1つ又は複数の材料のうちのいずれかで形成される。このような実施例において、材料の厚さは、裏打ち材100が
図3bの第1の構成並びに
図3c及び
図3dのいずれかの第2の構成に形成されることを可能とするように選択され得る。
【0075】
裏打ち材100がサセプタとして働く別の実施例において、
図5aにおいて図示されているように、ここでは101と符号が付された裏打ち材は、高耐熱性ポリマー、例えばザイテル(登録商標)高温ナイロン(HTN)又はカプトン(登録商標)などのポリイミドの第1のレイヤ118と、加熱材料の第2のレイヤ120とを備える。上記のように、レイヤ118、120の材料又は厚さは、裏打ち材101が
図3bの第1の構成並びに
図3c及び
図3dのいずれかの第2の構成に形成されることを可能とするように選択され得る。第2のレイヤ120は、第1の構成及び第2の構成において裏打ち材101の内側に面する面108を形成するように配置される。
【0076】
このような実施例において、裏打ち材100、101は、チャンバ22に置かれたときにサセプタとして働き得、複数のコイル32と相互作用してチャンバ22内に受け入れられた消耗品に熱を提供し得る。このことは、新たな裏打ち材100、101が必要とされるたびにサセプタが容易に取り外され、交換されることを可能とし得る。
【0077】
裏打ち材が高耐熱性ポリマーの第1のレイヤ118とサセプタ材料の第2のレイヤ120とを備える実施例において、サセプタ材料の第2のレイヤ120は、化学めっき、例えばコバルト化学めっき又はニッケル化学めっきによって高耐熱性ポリマーの第1のレイヤ118の上に形成され得る。化学めっきは、第2のレイヤ120の均一な塗膜を提供し得、第2のレイヤ120がポリマー面に形成されることを可能とし得る。
【0078】
サセプタ材料などの導電性の(及び磁化可能な)媒体には、電磁場が侵入可能な特徴的な厚さ(「浸透厚さ」)がある。故に、第2のレイヤ120の厚さは、誘導システムの動作周波数における材料の浸透厚さの少なくともかなりの割合になる。例えば、1つ又は複数の浸透厚さの厚さは、使用可能なエネルギーの大部分が第2のレイヤ120内に向けられることを保証することを助けるものであるべきである。いくつかの実施例において、第2のレイヤ120は、第1のレイヤ118に垂直な方向で計測したときに100ミクロン以下、50ミクロン以下、又は20ミクロン以下の厚さを有するように形成される。第2のレイヤ120がニッケルを含む場合、第2のレイヤ120の厚さはおよそ15ミクロンであり得る。第2のレイヤ120がコバルトを含む場合、第2のレイヤ120の厚さはおよそ10ミクロンであり得る。
【0079】
第2のレイヤ120のためにコバルト又はニッケルが使用されている場合、
図5bにおいて図示されているように、加熱材料の第3のレイヤ122が第2のレイヤ120上に形成されてもよく、
図5bにおいては裏打ち材には符号103が付されている。第3のレイヤ122は、コバルト及びニッケルと比べて、材料がサセプタとして働くことを可能とする向上された特性を有する材料を含み得る。
【0080】
裏打ち材100が取り外し可能で交換可能な性質を有することからして、裏打ち材を消費者に定期的に提供することが望ましいことがある。
【0081】
いくつかの実施例において、
図6において図示されているように、製品200が提供される。ここで、製品は包装品筐体202と蓋部204とを有するカートンである。複数の消耗品206が、裏打ち材100とともに包装品筐体202内に配置される。ここで、裏打ち材100は
図3bにおける第1の構成にあり、各消耗品206は第1の構成における裏打ち材100の第1の直径Aに対応する直径を有する。製品は、消費者に裏打ち材100を提供する便利な方法を提供し得、実際、消耗品206の新たなバッチが必要とされるたびに、すなわち、消費者によって新たな製品200が購入されるたびに、裏打ち材100はエアロゾル供給デバイス12からから取り外され得、交換され得る。
【0082】
上述されたエアロゾル供給デバイス12及び裏打ち材100は、集合的に、エアロゾル供給システム10として考えられる。エアロゾル供給システム10は、裏打ち材100を補完する更なる構成要素を備え得る。
【0083】
いくつかの実施例において、エアロゾル供給システム10は、裏打ち材100をチャンバ22に選択的に保持するためのリテイナを備える。
図7において図示されているように、このようなリテイナの1つはアダプタ14の形態であり得る。
【0084】
アダプタ14が使用される場合、筒状要素36に対して適切な修正がなされる。例えば、
図8において図示されているように、筒状要素36は、アダプタ14との接続のための拡大された接続部分38を有する。
【0085】
アダプタ14は、ねじ山付き接続部分54と、当接部分56と、受け入れ部分58とを備える。ねじ山付き接続部分54、当接部分56及び受け入れ部分58の各々は、全体的に円筒状で中空の形態である。ねじ山付き接続部分54、当接部分56及び受け入れ部分58は集合的に、アダプタ14の本体部を定める。ねじ山付き接続部分54、当接部分56及び受け入れ部分58は一体的に形成され、例えば、アダプタ14は、モノリシック構造を備え、成形プロセス、例えばシングルショット成形プロセスによって形成され得る。
【0086】
ねじ山付き接続部分54の外側面はねじ山60を具備し、ねじ山付き接続部分54は、拡大された接続部分38のメス接続部との接続のためのオス接続部を定める。ねじ山付き接続部分54の外径は、筒状部材36の拡大された接続部分38の内径と実質的に等しく、アダプタ14は、アダプタ14のねじ山付き接続部分54との拡大された接続部分38のねじ山付き接続部の接続によって筒状部材36にしっかりと接続することができる。ねじ山付き接続部分54の内径は、開口48の幅と実質的に等しい。アダプタ14の過度の挿入を防止するために、ねじ山付き接続部分54の端面は開口48と隣り合う拡大された接続部分38の面に当接する。
【0087】
当接部分56は、拡大された接続部分38の外径と実質的に対応する外径を有し、拡大された接続部分38内へのアダプタ14の過度の挿入を防止するために、当接部分56は拡大された接続部分38の端面と接触することができる。
【0088】
穴62が、当接部分56及び受け入れ部分58を貫通して形成され、穴62の幅、例えば直径は開口48の幅よりも小さい。穴62の正確な寸法は、アダプタ14とともに使用されることが意図される消耗品に依存するが、穴の典型的な直径は、5~5.0mmの範囲又は6.5~7.0mmの範囲であり得る。穴62は、先細状の入口を具備し、先細状の入口は、穴62を通った消耗品の挿入を容易にし得る。
【0089】
アダプタ14が筒状部材36に接続されている使用時の構成が
図8において概略的に図示されている。アダプタ14は、アダプタ14のねじ山付き接続部分54との拡大された接続部分38のねじ山付き接続部の係合によって、筒状部材36の拡大された接続部分38に接続され、当接部分56は拡大された接続部分38の端面と係合される。いくつかの実施例において、係合は、アダプタ14が筐体16の外部に配置されるように行われるが、他の実施例において、係合は、アダプタ14が筐体16内に配置されるように行われてもよい。後者の実施例において、アダプタ14の挿入及び取り外しを可能とするように、筐体16は取り外し可能な端壁部を備え得る。
【0090】
消耗品64は、穴62及び開口48を通ってチャンバ22内に挿入される。消耗品64の第1の端部66は、先細状壁部44と接触し、第1の端部66から離間した消耗品の本体部の一部分は穴62内に保持される。こうして、消耗品64は、穴62及び先細状壁部44によってしっかりと保持され得る。先細状壁部44及びアダプタ14は、エアロゾル供給デバイス12が、異なる幅、例えば異なる直径の消耗品をしっかりと保持しつつ、これらの消耗品とともに使用されることを可能とし得る。裏打ち材100はチャンバ22に配置され、アダプタ14、特に穴62と隣り合うアダプタ14の内部面は、裏打ち材100の取り外しを禁じるように働き得る。ここで、裏打ち材100は、開口部48を通ってチャンバ22の外に延在する。
【0091】
穴62が、開口48の幅よりも小さい幅、例えば直径を有するので、アダプタ14、特にアダプタ14の本体部は、開口48を部分的にブロックし、消耗品64は、チャンバ22の壁部と消耗品64との間にギャップが存在するように支持される。このことは、チャンバ22の壁部との消耗品64の直接的な接触を禁じることができ、消耗品64の挿入及びチャンバ22からの消耗品64の取り外しを容易にし得る。裏打ち材100は、チャンバ22の壁部と消耗品64との間のギャップに配置される。
【0092】
図8から、アダプタ14は、チャンバ22の主たる部分23から離れて配置されていることが分かり、これは、サセプタ34が配置されている領域であり、したがって、チャンバ22が加熱されるエリアから離れている。このことは、アダプタ14が、チャンバ22の壁部、例えば、筒状部材36よりも熱耐性の小さな材料で形成されることを可能とし得る。いずれにしても、使用時のアダプタ14の変形のリスクを最小化するためにも、いくつかの実施例において、アダプタ14は、300℃よりも大きな融点を有する材料から形成される。このことは、アダプタ14が、使用時にエアロゾル供給デバイス12の通常の動作温度に耐えることができること保証し得る。
【0093】
いくつかの実施例において、アダプタ14は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)で形成され得る。しかしながら、PEEKは比較的高価な材料であり、したがって、他の実施例において、アダプタはポリオキシメチレン(アセタール)で形成されてもよい。ポリオキシメチレン(アセタール)でアダプタ14を形成すると、PEEKから作られた対応するアダプタよりも、ねじ山付き接続部分54をより容易に形成することもできる。
【0094】
前述されたように、異なる寸法、例えば異なる長さ及び/又は直径を有する消耗品が提供され得る。エアロゾル供給デバイス12が異なる直径を有する別の消耗品とともに使用されることを可能とするために、エアロゾル供給システム10の一部として第2のアダプタ68が提供されてもよい。
【0095】
図9において、第2のアダプタ68が、第1のアダプタ14とは別個に図示されている。第2のアダプタ68は、第1のアダプタ14と実質的に同一の形態を有し、穴62の幅、すなわち直径だけが異なっている。
図7において図示されているように、第1のアダプタ14は、6.5~7.0mmの範囲の直径を有する穴62を有し、第2のアダプタ68は、5.0~5.5mmの範囲の直径を有する穴62を有する。故に、第1のアダプタ14及び第2のアダプタ68は、開口48を異なる程度まで部分的にブロックし得、異なる直径を有する消耗品の開口48内への挿入を可能とし得る。先細状壁部44は、エアロゾル供給デバイス12が異なる直径の消耗品を収納することを更に可能とし得る。
【0096】
任意の数のアダプタが提供されてもよく、各アダプタが異なる直径の消耗品を内部に保持するような寸法を有する穴を有してもよいことが、当業者によって理解されるであろう。エアロゾル供給デバイスは、複数の異なる消耗品とともに使用されてもよく、複数の異なる消耗品のうちのいくつかだけがアダプタの使用を必要としてもよいことも理解されるであろう。
【0097】
本明細書において説明された様々な実施形態は、特許請求された特徴の理解及び教示を補助するためにだけ提示されている。これらの実施形態は、単に実施形態の代表的な例として提供されており、網羅的及び/又は排他的なものではない。本明細書において説明された利点、実施形態、実施例、機能、特徴、構造、及び/又は他の態様は、特許請求の範囲によって定められる本発明の範囲に対する限定、又は特許請求の範囲の均等物に対する限定であると考えられるべきではなく、特許請求された発明の範囲から逸脱することなく他の実施形態が利用され得、修正がなされ得ることを理解されたい。本発明の様々な実施形態は、本明細書において特に説明されたもの以外の開示された要素、構成要素、特徴、部品、ステップ、手段などの適切な組合せを好適に備え得、それらから成り得、又はそれらから本質的になり得る。加えて、本開示は、現在は特許請求されていないものの将来的に特許請求される可能性のある他の発明を含み得る。
[発明の項目]
[項目1]
チャンバと、エアロゾル生成材料を含む消耗品が前記チャンバに配置されたときに前記エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成器とを備えたエアロゾル供給デバイスとともに使用されるための裏打ち材であって、
当該裏打ち材が、前記チャンバへの選択的な挿入のためのものであり、当該裏打ち材が、第1の直径で当該裏打ち材が巻かれている第1の構成に形成可能であり、当該裏打ち材が、前記第1の直径よりも大きな第2の直径で当該裏打ち材が巻かれている第2の構成に形成可能であり、当該裏打ち材が、前記チャンバに挿入されて少なくとも部分的に前記チャンバを裏打ちするときに、前記第1の構成から前記第2の構成に移行可能である、裏打ち材。
[項目2]
当該裏打ち材が、前記チャンバに挿入されて前記第1の構成から前記第2の構成に移行するときに、少なくとも部分的な巻き戻りによって拡張可能である、項目1に記載の裏打ち材。
[項目3]
当該裏打ち材が、前記第1の構成及び前記第2の構成において、開放長手方向端部を備える、項目1又は2に記載の裏打ち材。
[項目4]
当該裏打ち材が弾性的に変形可能である、項目1~3のいずれか一項に記載の裏打ち材。
[項目5]
当該裏打ち材が100ミクロン以下の厚さを有する、項目1~4のいずれか一項に記載の裏打ち材。
[項目6]
当該裏打ち材が、変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材料を含む、項目1~5のいずれか一項に記載の裏打ち材。
[項目7]
当該裏打ち材が非導電性の支持体を備える、項目1~6のいずれか一項に記載の裏打ち材。
[項目8]
当該裏打ち材が、当該裏打ち材を前記第1の構成に保持するための保持部材を備え、前記保持部材が、当該裏打ち材から取り外されて、前記第1の構成から前記第2の構成への移行を可能とする、項目1~7のいずれか一項に記載の裏打ち材。
[項目9]
エアロゾル生成材料を含む消耗品を挿入可能なチャンバと、前記消耗品が前記チャンバに配置されたときに前記エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成器とを有するエアロゾル供給デバイスと、
前記チャンバへの選択的な挿入のための裏打ち材と
を備えるエアロゾル供給システムであって、
前記裏打ち材が、第1の直径で前記裏打ち材が巻かれている第1の構成に形成可能であり、前記裏打ち材が、前記第1の直径よりも大きな第2の直径で前記裏打ち材が巻かれている第2の構成に形成可能であり、前記裏打ち材が、前記チャンバに挿入されて少なくとも部分的に前記チャンバを裏打ちするときに、前記第1の構成から前記第2の構成に移行可能である、エアロゾル供給システム。
[項目10]
前記エアロゾル供給デバイスが開口を備え、前記開口を通って前記消耗品が前記チャンバに挿入可能であり、前記裏打ち材が前記開口を通って前記チャンバに挿入可能である、項目9に記載のエアロゾル供給システム。
[項目11]
当該エアロゾル供給システムが、前記裏打ち材を前記チャンバに選択的に保持するためのリテイナを備える、項目9又は10に記載のエアロゾル供給システム。
[項目12]
当該エアロゾル供給システムが、前記開口を通って前記チャンバに挿入可能な消耗品の最大幅を選択的に決定するアダプタを備え、前記アダプタが、前記エアロゾル供給デバイスに接続されたときに、前記リテイナとして働く、項目11に記載のエアロゾル供給システム。
[項目13]
当該エアロゾル供給システムが複数のアダプタを備え、前記アダプタの各々が、前記開口を通って前記チャンバに挿入可能な消耗品の異なる最大幅を選択的に決定し、前記アダプタの各々が、前記エアロゾル供給デバイスに接続されたときに、前記リテイナとして働く、項目12に記載のエアロゾル供給システム。
[項目14]
前記裏打ち材が、項目1~8のいずれか一項に記載の裏打ち材である、項目9~13のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
[項目15]
エアロゾル生成材料を含む少なくとも1つの消耗品であって、前記消耗品がエアロゾル供給デバイスのチャンバに挿入可能であり、前記エアロゾル供給デバイスが、前記消耗品が前記チャンバに配置されたときに前記エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成器を備える、少なくとも1つの消耗品と、
前記チャンバに選択的に挿入されて少なくとも部分的に前記チャンバを裏打ちするとともに、前記消耗品が前記チャンバに配置されたときに前記消耗品を少なくとも部分的に包囲する裏打ち材と
を具備する製品。
[項目16]
前記裏打ち材が、項目1~8のいずれか一項に記載の裏打ち材である、項目15に記載の製品。
[項目17]
当該製品が包装品を備え、前記消耗品及び前記裏打ち材が前記包装品内に収容される、項目15又は16に記載の製品。
[項目18]
当該製品が包装品を備え、前記消耗品及び前記裏打ち材が前記包装品内に収容され、前記裏打ち材が前記包装品内でその第1の構成にあり、前記消耗品が前記第1の直径に実質的に対応する第3の直径を備える、項目16に記載の製品。