(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-27
(45)【発行日】2025-07-07
(54)【発明の名称】プライマーセット、試薬の組成物、及び非定型細菌を検出する方法
(51)【国際特許分類】
C12Q 1/689 20180101AFI20250630BHJP
C12Q 1/6844 20180101ALI20250630BHJP
C12N 15/31 20060101ALN20250630BHJP
【FI】
C12Q1/689 Z ZNA
C12Q1/6844 Z
C12N15/31
(21)【出願番号】P 2023521664
(86)(22)【出願日】2021-10-07
(86)【国際出願番号】 PL2021050071
(87)【国際公開番号】W WO2022075871
(87)【国際公開日】2022-04-14
【審査請求日】2024-05-02
(32)【優先日】2020-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】PL
(73)【特許権者】
【識別番号】519224731
【氏名又は名称】ゲノムテック、スプウカ、アクツィーナ
【氏名又は名称原語表記】GENOMTEC SA
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100120617
【氏名又は名称】浅野 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100126099
【氏名又は名称】反町 洋
(72)【発明者】
【氏名】ミロン、トカルスキ
(72)【発明者】
【氏名】イザベラ、ピエルカ
(72)【発明者】
【氏名】マウゴジャタ、マロドブラ-マズール
【審査官】田辺 義拓
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/103269(WO,A1)
【文献】プライマー/増幅原理,https://loopamp.eiken.co.jp/lamp/0202.html,検索日:2025年1月29日
【文献】Loop Primerの利用,https://loopamp.eiken.co.jp/lamp/0203.html,検索日:2025年1月29日
【文献】LAMP法プライマー設計の手引き,2004年07月,PrimerExplorer Ver.3,https://primerexplorer.jp/v3_manual/pdf/v3_manual05.pdf,検索日:2025年1月29日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12Q 1/689
C12Q 1/6844
C12N 15/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラミジア・トラコマティス(Chlamydia trachomatis)dnaK遺伝子のヌクレオチド配列の増幅のためのプライマーセットであって、
以下のa)およびb)のヌクレオチド配列を有する内部プライマーのセットならびに以下のc)およびd)のヌクレオチド配列を含んでなる外部プライマーのセット:
a)5’ GCGAGTTAGAGTTAAAGCCAAATGT 3’-(配列番号:3)の核酸配
列であって、3’末端からTTTTブリッジにより配列 5’ TCTACTGAAATCAATCAGCCATT 3’-(配列番号:4)の核酸配
列に連結されてい
る、核酸配
列、
b)5’ TCGAACACCTAGCTTCCTCTCT 3’-(配列番号:5)の核酸配
列であって、3’末端からTTTTブリッジにより配列 5’ GAAGCGGACAATTTAGCAT 3’ -(配列番号:6)の核酸配
列に連結されてい
る、核酸配
列、
c)5’ AATAGAATTGTCTGGTGTATCG 3’(配列番号:1)の核酸配列またはその逆相補的な配列、および
d)5’ CTAGAAGAACATCATCAATGTCA 3’(配列番号:2)の核酸配列またはその逆相補的な配列、
ならびに、
クラミジア・トラコマティスdnaK遺伝子の配列番号7(5’ GGTCCATTAGCGTCGATAGTGATG 3’)および配列番号8(5’ CCAAACAACCTTGTGCTCAGGCT 3’)からなるヌクレオチド配列を含む、ループプライマー配列のセット
を含んでなる、プライマーセット
。
【請求項2】
クラミジア・トラコマティス細菌を検出する方法であって、前記細菌ゲノムの核酸配列の選択された領域が請求項
1に定義されるとおりのプライマーセットを用いて増幅され、増幅方法がLAMP法である、方法。
【請求項3】
前記増幅が、-64℃、40分間の温度プロファイルで実施される、請求項
2に記載の細菌を検出する方法。
【請求項4】
エンドポイント反応が、80℃、5分間の温度プロファイルで実施される、請求項
3に記載の方法。
【請求項5】
請求項
2に記載の検出の方法を含んでなる、
インビトロまたはエクスビボにおいてクラミジア・トラコマティス細菌感染を検出するための方法。
【請求項6】
請求項
1に定義されるとおりのプライマーセットを含んでなる、クラミジア・トラコマティス感染の検出のためのキット
。
【請求項7】
0.13μM
配列番号1からなるプライマー、0.13μM
配列番号2からなるプライマー、1.06μM
内部プライマーのセット、1.06μM
外部プライマーのセット、0.27μM
配列番号7からなるプライマー、0.27μM
配列番号8からなるプライマーの濃度の請求項
1に定義されるとおりの増幅プライマー;D-(+)-トレハロース二水和物-6%;
増幅反応を阻害しない濃度での二本鎖DNAと相互作用する蛍光マーカー
または蛍光色素、
を含んでなる、請求項
6に記載の感染検出のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クラミジア・トラコマティス(Chlamydia trachomatis ChT)細菌の検出のためのプライマーセット、該プライマーセットを用いたクラミジア・トラコマティスを検出するための方法、及びクラミジア・トラコマティス細菌を検出するための該プライマーセットの使用に関する。本発明は、医学的診断に適用可能である。
【背景技術】
【0002】
クラミジア・トラコマティスは、細胞壁を欠くという特徴を持つ非定型細菌である。クラミジア・トラコマティスは、泌尿生殖器において非定型の細胞内感染を起こし、基本的な複製ユニットが網状体(RB)であり、その後、他の宿主細胞への感染又は他の個体への感染を可能にする基本小体(EB)へと変化する。
【0003】
クラミジア・トラコマティスは、性感染症(STD)の中で最も頻繁に診断される感染体の一つである。クラミジア・トラコマティスは、19~49歳の性活動人口における性感染症の原因の60%である(特に、血清型I、II、III)(CDC. Summary of notifiable diseases and conditions -- united states, 2015. MMWR 64, 1-143 (2017))。クラミジア・トラコマティス(特に、血清型A、B、Ba、C、D、Da、E、F、G、H、I、Ia、J、Ja)は、泌尿器系感染症を起こすことにとどまらず、トラコーマ、慢性結膜炎の病因でもあり、主に経済水準の低い国で毎年平均4千万人が罹患している(Bhosai, S. J., Bailey, R. L., Gaynor, B. D. & Lietman, T. M. Trachoma: an updateon prevention, diagnosis, and treatment.Curr. Opin. Ophthalmol.23, 288-295(2012))。
【0004】
細胞壁を欠くことに起因して、これらの細菌は、治療の第一線で最も頻繁に使用される抗生物質のグループであるβ-ラクタム系抗生物質に耐性があり、そのことが、クラミジア・トラコマティス感染症の治療における主な困難性の一つである。他の困難性は、クラミジア・トラコマティス感染症の診断プロセスである。非定型細菌は、特定の増殖条件(細胞株の培地や特殊な培地)を必要とし、このことが、古典的な微生物学的手法を用いて生物学的材料中の上記細菌を検出することを困難にする。その結果、未治療の感染症や治療の遅れにより、多くの合併症を引き起こし得る。女性における最も一般的な合併症は、骨盤内の炎症、子宮外妊娠又は卵管機能不全によって起こる不妊症であり、男性におけるクラミジア・トラコマティス感染症の未治療は、精巣上体及び直腸の炎症につながる(Rekart ML, Gilbert M, Meza R, Kim PH, Chang M, Money DM, et al. Chlamydia public health programs and the epidemiology of pelvic inflammatory disease and ectopic pregnancy. J Infect Dis 2013;207:30-8)。
【0005】
クラミジア・トラコマティス細菌の検査診断は、細菌増殖が細胞内という性質、宿主のATP依存性に起因して、複雑であり、従来の微生物学的手法が有効でない。細菌の細胞培養は、特異性が高いものの、手間やコストがかかり、高価な装置を必要とし、結果が得られるのは約3日後である。細菌抗原や宿主が産生する抗体(IgG、IgM、IgAクラス)の検出に基づく免疫学的方法(ELISA、酵素結合免疫吸着法等)は、感度や特異性が低いという特徴があり、また、患者の現在の状態を指さず、過去の疾患を示すこともある。
【0006】
特異性と感度が最も高いことに特徴付けられる方法は、生物学的材料中のクラミジア・トラコマティス核酸の検出を伴う方法(NAAT法-核酸増幅検査とも称される)であり、即ち、男性の場合は、尿又は尿道におけるスワブであり、女性の場合は、膣又は尿道におけるスワブである。NAAT技術で最も一般的に使用される検査は、リアルタイムPCR法に基づくアッセイである。リアルタイムPCR技術を用いた多くの様々な検査が市場で入手可能であるが、競争が激しいにもかかわらず、これらの方法は未だに比較的高価である。しかも、高度に専門化された人材や高価な装置を必要とし、患者の試料から遺伝物質を分離する必要がある。更に、試薬の周期的な加熱及び冷却が必要であるため、この方法は比較的時間がかかり、使用される装置は、このプロセスを実行するために比較的多くのエネルギーを使用する。
【0007】
等温法(LAMP(Loop-mediated isothermal amplification)法を含む)は、診断プロセスの迅速化、分析を実行するために必要なエネルギーコストの削減を可能にし、検出される病原体のDNA/RNAを分離することを必要とせずに判定を行うことを可能にする方法である。更に、文献データによると、これらの方法は、前述のリアルタイムPCR技術よりも高い感度と特異性を特徴とし、また、より高速である。等温過程は、特別な装置を必要としない。
【0008】
ハードウェアの要件が低いことに起因して、等温法は、プライマリケアユニット(POCT:ポイントオブケア検査(point-of-care testing))に対して理想的な診断ソリューションであり、一般開業医や専門医(婦人科、泌尿器科)の診療所で、患者が医師と最初に接触する際に、検査が実施され得る。このソリューションにより、迅速な診断検査(15分以内)を可能にし、目標とする治療法を初診時に選択することを可能にする。これは、クラミジア・トラコマティスのような非定型細菌について特に重要である。一方、凍結乾燥した試薬の使用は、診断物の凍結を要することなく、検査物を室温で保存することを可能にする。
【0009】
クラミジア・トラコマティスを診断するためのLAMP法におけるプライマーの使用は、これまでに公開された特許出願(特表2019-507606号公報、米国特許出願公開第20190111423号明細書、中国特許出願公開第110177887号明細書、韓国登録特許第101958048号公報、中国特許出願公開第107099618号明細書、米国特許出願公開第20150322493号明細書)から公知である。LAMP法は、例えば、国際公開第00/28082号、国際公開第02/24902号に開示されている。言及された特許出願は、ほとんどの場合、クラミジア・トラコマティス細菌の感度及び検出限界について記載していない。また、上述した特許出願の幾つかの検出方法は、定量的な測定ができず、増幅反応の陽性結果時の反応混合物の色変化(ヒドロキシナフトールブルー、カルセイン)に基づくアガロースゲル又は他のマーカーを用いたエンドポイント型の検出方法である。また、幾つかの特許出願は、定量的な測定が可能なリアルタイム技術で実現されているが、該検出方法は、分析コストを高くする二重蛍光色素で標識されたか又はその材料を用いた特定のワークフローが必要なRI(ラジオアイソトープ)で標識されたモレキュラービーコン(Molecular Beacon)プローブを用いた方法である。更に、上記で開発され、説明されたほとんどのキットは、POCT診断には適用できず、主な用途は研究室での使用である。
【発明の概要】
【0010】
したがって、短時間(≦15分)で非常に低い検出限界(≧5コピー/反応)で細菌を検出することを可能にし、ポイントオブケア検査での使用を意図とした、LAMP法でのクラミジア・トラコマティスの診断用の適切に改良されたプライマーセットを使用した診断方法を提供する必要性が依然として存在する。予期せぬことに、上記課題は、本発明により解決された。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】上記方法の感度特性を示す(鋳型:クラミジア・トラコマティスLGV 血清型I(ATCC(登録商標)VR-901BD(商標))からのゲノムDNAを用いて、100~5コピー/μlの範囲にわたって、特異的なシグナルが得られたが、NTCにおいて生成物がなかった)。
【
図2】上記方法の感度特性を示す(鋳型:クラミジア・トラコマティスLGV 血清型I(ATCC(登録商標)VR-901BD(商標))からのゲノムDNAを用いて、100~5コピー/μlの範囲にわたって、特異的なシグナルが得られたが、NTCにおいて生成物がなかった)。
【
図3】クラミジア・トラコマティスLGV 血清型I(ATCC(登録商標)VR-901BD(商標))からのゲノムDNA標準品の連続希釈物を、該DNA標準品の100~10コピー/μlの範囲にわたってアッセイすることにより測定された、本発明の方法の感度を示す(生成物の増幅は、リアルタイムにより測定された)。
【
図4】クラミジア・トラコマティスLGV 血清型I(ATCC(登録商標)VR-901BD(商標))からのゲノムDNA標準品の連続希釈物を、該DNA標準品の50~5コピー/μlの範囲にわたってアッセイすることにより測定された、本発明の方法の感度を示す(生成物の増幅は、リアルタイムにより測定された)。
【
図5】上記方法の感度特性を示す(鋳型:クラミジア・トラコマティスLGV 血清型II(ATCC(登録商標)VR-902BD(商標))からのゲノムDNAを用いて、100~5コピー/μlの範囲にわたって、特異的なシグナルが得られたが、NTCにおいて生成物がなかった)。
【
図6】上記方法の感度特性を示す(鋳型:クラミジア・トラコマティスLGV 血清型II(ATCC(登録商標)VR-902BD(商標))からのゲノムDNAを用いて、100~5コピー/μlの範囲にわたって、特異的なシグナルが得られたが、NTCにおいて生成物がなかった)。
【
図7】クラミジア・トラコマティスLGV 血清型II(ATCC(登録商標)VR-902BD(商標))からのゲノムDNA標準品の連続希釈物を、該DNA標準品の100~10コピー/μlの範囲にわたってアッセイすることにより測定された、本発明の方法の感度を示す(生成物の増幅は、リアルタイムにより測定された)。
【
図8】クラミジア・トラコマティスLGV 血清型II(ATCC(登録商標)VR-902BD(商標))からのゲノムDNA標準品の連続希釈物を、該DNA標準品の25~5コピー/μlの範囲にわたってアッセイすることにより測定された、本発明の方法の感度を示す(生成物の増幅は、リアルタイムにより測定された)。
【
図9】上記方法の感度特性を示す(鋳型:クラミジア・トラコマティスLGV 血清型III(ATCC(登録商標)VR-903D(商標))からのゲノムDNAを用いて、100~5コピー/μlの範囲にわたって、特異的なシグナルが得られたが、NTCにおいて生成物がなかった)。
【
図10】上記方法の感度特性を示す(鋳型:クラミジア・トラコマティスLGV 血清型III(ATCC(登録商標)VR-903D(商標))からのゲノムDNAを用いて、100~5コピー/μlの範囲にわたって、特異的なシグナルが得られたが、NTCにおいて生成物がなかった)。
【
図11】クラミジア・トラコマティスLGV 血清型III(ATCC(登録商標)VR-903D(商標))からのゲノムDNA標準品の連続希釈物を、該DNA標準品の100~10コピー/μlの範囲にわたってアッセイすることにより測定された、本発明の方法の感度を示す(生成物の増幅は、リアルタイムにより測定された)。
【
図12】クラミジア・トラコマティスLGV 血清型III(ATCC(登録商標)VR-903D(商標))からのゲノムDNAの連続希釈物を、該DNA標準品の50~5コピー/μlの範囲にわたってアッセイすることにより測定された、本発明の方法の感度を示す(生成物の増幅は、リアルタイムにより測定された)。
【
図13】天然の生理的細菌叢として被検生物学的材料に潜在的に存在する多数の病原体(共感染の結果として生じ得る病原体、又は類似のゲノム配列を共有する病原体)の標準マトリックスを用いた本発明の方法の特異性を示す。
【
図14】天然の生理的細菌叢として被検生物学的材料に潜在的に存在する多数の病原体(共感染の結果として生じ得る病原体、又は類似のゲノム配列を共有する病原体)の標準マトリックスを用いた本発明の方法の特異性を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の第一の主題は、クラミジア・トラコマティスdnaK遺伝子のヌクレオチド配列の増幅のためのプライマーセットであって、
クラミジア・トラコマティスdnaK遺伝子の選択されたフラグメントに対して特異的な、以下のa)およびb)のヌクレオチド配列を有する内部プライマーのセットならびに以下のc)およびd)のヌクレオチド配列を含んでなる外部プライマーのセット:
a)5’ GCGAGTTAGAGTTAAAGCCAAATGT 3’-(配列番号:3)の核酸配列またはその逆相補的な配列であって、3’末端からTTTTブリッジにより配列 5’ TCTACTGAAATCAATCAGCCATT 3’-(配列番号:4)の核酸配列もしくはその逆相補的な配列に連結されているかまたは連結されていない、核酸配列またはその逆相補的な配列;
b)5’ TCGAACACCTAGCTTCCTCTCT 3’-(配列番号:5)の核酸配列またはその逆相補的な配列であって、3’末端からTTTTブリッジにより配列 5’ GAAGCGGACAATTTAGCAT 3’ -(配列番号:6)の核酸配列もしくはその逆相補的な配列に連結されているかまたは連結されていない、核酸配列またはその逆相補的な配列;
c)5’ AATAGAATTGTCTGGTGTATCG 3’(配列番号:1)の核酸配列またはその逆相補的な配列、および
d)5’ CTAGAAGAACATCATCAATGTCA 3’(配列番号:2)の核酸配列またはその逆相補的な配列、
を含んでなることを特徴とする、プライマーセットである。
【0013】
本発明の好ましい実施態様では、上記プライマーセットは、ループプライマー配列のセットであって、クラミジア・トラコマティスdnaK遺伝子の配列番号7(5’ GGTCCATTAGCGTCGATAGTGATG 3’)および配列番号8(5’ CCAAACAACCTTGTGCTCAGGCT 3’)に包含されているかもしくは相補的な核酸配列またはこれらに逆相補的な配列を含む、ループプライマー配列のセットを含んでなる。
【0014】
本発明の第二の主題は、クラミジア・トラコマティス細菌を検出するための方法であって、クラミジア・トラコマティスゲノム(dnaK遺伝子断片)の核酸配列の選択された領域が本発明の第一の主題に定義されるとおりのプライマーセットを用いて増幅され、増幅方法がLAMP法である、ことを特徴とする、方法である。
【0015】
本発明の好ましい実施態様では、上記増幅が、-64℃、40分間の温度プロファイルで実施される。
【0016】
本発明の更に好ましい実施態様では、エンドポイント反応が、80℃、5分間の温度プロファイルで実施される。
【0017】
本発明の第三の主題は、本発明の第二の主題に定義されるとおりの検出方法を含んでなることを特徴とする、クラミジア・トラコマティス細菌によって起こされる感染を検出するための方法である。
【0018】
本発明の第四の主題は、本発明の第一の主題に定義されるとおりのプライマーセットを含んでなることを特徴とする、クラミジア・トラコマティスよって起こされる感染の検出のためのキットである。
【0019】
本発明の好ましい実施態様では、上記感染検出のキットが、WarmStart LAMP Master Mix(NEB) 5.0μlを含んでなる。
【0020】
本発明の更に好ましい実施態様では、本発明の第一の主題に定義されるとおりの個々の増幅プライマーにおいて、0.13μM F3、0.13μM B3、1.06μM FTP、1.06μM BIP、0.27μM LoopF、0.27μM LoopBの濃度のプライマーであり;D-(+)-トレハロース二水和物-6%;二本鎖DNAと相互作用する蛍光マーカー-EvaGreen≦1X、もしくは≦0.5μlの量の蛍光色素、もしくは≦1μlの量のGreenFluoresent Dye、もしくはSyto-13≦16μM、もしくはSYTO-82≦16μM、または増幅反応を阻害しない濃度での二本鎖DNAと相互作用するその他の蛍光色素。
【0021】
クラミジア・トラコマティスの検出のための本発明のプライマーセット、並びにクラミジア・トラコマティス感染を検出するための方法及び増幅産物を検出する方法の利点は、ポータブル遺伝子分析器を用いた標的適用におけるポイントオブケア(POCT)での医学的診断において、これらを使用する可能性にある。本発明の反応混合物の凍結乾燥物により、診断キットを、検査の診断パラメータを低下させることなく室温で保存させることを可能にする。また、増幅産物を検出するための蛍光色素の使用は、上記方法の感度を向上させ、検出限界を下げる(5コピー/反応まで下げる)ことを可能にし、更に検査試料中の細菌の定量的測定を可能にする。
【0022】
本発明の例示的な実施例が図に示される。
図1及び
図2は、上記方法の感度特性を示す(鋳型:クラミジア・トラコマティスLGV 血清型I(ATCC(登録商標)VR-901BD(商標))からのゲノムDNAを用いて、100~5コピー/μlの範囲にわたって、特異的なシグナルが得られたが、NTCにおいて生成物がなかった);
図1:レーン1:質量マーカー(Quick-Load(登録商標)Purple 100bp DNA Ladder、NewEngland Biolabs社);レーン2:NTC;レーン3:ChT 10コピー;レーン4:ChT 20コピー;レーン5:ChT 50コピー;レーン6:ChT 100コピー;
図2:レーン1:質量マーカー(Quick-Load(登録商標)Purple 100bp DNA Ladder、NewEngland Biolabs社);レーン2:NTC;レーン3:ChT 5コピー;レーン4:ChT 10コピー;レーン5:ChT 20コピー;レーン6:ChT 50コピー。
図3は、クラミジア・トラコマティスLGV 血清型I(ATCC(登録商標)VR-901BD(商標))からのゲノムDNA標準品の連続希釈物を、該DNA標準品の100~10コピー/μlの範囲にわたってアッセイすることにより測定された、本発明の方法の感度を示す(生成物の増幅は、リアルタイムにより測定された)。リアルタイムでのクラミジア・トラコマティスの検出結果が表1に示され、蛍光シグナルを検出するために必要な最小時間を提供する。
図4は、クラミジア・トラコマティスLGV 血清型I(ATCC(登録商標)VR-901BD(商標))からのゲノムDNA標準品の連続希釈物を、該DNA標準品の50~5コピー/μlの範囲にわたってアッセイすることにより測定された、本発明の方法の感度を示す(生成物の増幅は、リアルタイムにより測定された)。リアルタイムでのクラミジア・トラコマティスの検出結果が表2に示され、蛍光シグナルを検出するために必要な最小時間を提供する。
図5及び
図6は、上記方法の感度特性を示す(鋳型:クラミジア・トラコマティスLGV 血清型II(ATCC(登録商標)VR-902BD(商標))からのゲノムDNAを用いて、100~5コピー/μlの範囲にわたって、特異的なシグナルが得られたが、NTCにおいて生成物がなかった);
図5:レーン1:質量マーカー(Quick-Load(登録商標)Purple 100bp DNA Ladder、NewEngland Biolabs社);レーン2:NTC;レーン3:ChT 10コピー;レーン4:ChT 20コピー;レーン5:ChT 50コピー;レーン6:ChT 100コピー;
図6:レーン1:質量マーカー(Quick-Load(登録商標)Purple 100bp DNA Ladder、NewEngland Biolabs社);レーン2:NTC;レーン3:ChT 5コピー;レーン4:ChT 25コピー。
図7は、クラミジア・トラコマティスLGV 血清型II(ATCC(登録商標)VR-902BD(商標))からのゲノムDNA標準品の連続希釈物を、該DNA標準品の100~10コピー/μlの範囲にわたってアッセイすることにより測定された、本発明の方法の感度を示す(生成物の増幅は、リアルタイムにより測定された)。リアルタイムでのクラミジア・トラコマティスの検出結果が表3に示され、蛍光シグナルを検出するために必要な最小時間を提供する。
図8は、クラミジア・トラコマティスLGV 血清型II(ATCC(登録商標)VR-902BD(商標))からのDNA標準品の連続希釈物を、該DNA標準品の25~5コピー/μlの範囲にわたってアッセイすることにより測定された、本発明の方法の感度を示す(生成物の増幅は、リアルタイムにより測定された)。リアルタイムでのクラミジア・トラコマティスの検出結果が表4に示され、蛍光シグナルを検出するために必要な最小時間を提供する。
図9及び
図10は、上記方法の感度特性を示す(鋳型:クラミジア・トラコマティスLGV 血清型III(ATCC(登録商標)VR-903D(商標))からのゲノムDNAを用いて、100~5コピー/μlの範囲にわたって、特異的なシグナルが得られたが、NTCにおいて生成物がなかった);
図1:レーン1:質量マーカー(Quick-Load(登録商標)Purple 100bp DNA Ladder、NewEngland Biolabs社);レーン2:NTC;レーン3:ChT 10コピー;レーン4:ChT 20コピー;レーン5:ChT 50コピー;レーン6:ChT 100コピー、
図10:レーン1:質量マーカー(Quick-Load(登録商標)Purple 100bp DNA Ladder、NewEngland Biolabs社);レーン2:NTC;レーン3:ChT 5コピー;レーン4:ChT 10コピー;レーン5:ChT 20コピー;レーン6:ChT 50コピー。
図11は、クラミジア・トラコマティスLGV 血清型III(ATCC(登録商標)VR-903D(商標))からのゲノムDNA標準品の連続希釈物を、該DNA標準品の100~10コピー/μlの範囲にわたってアッセイすることにより測定された、本発明の方法の感度を示す(生成物の増幅は、リアルタイムにより測定された)。リアルタイムでのクラミジア・トラコマティスの検出結果が表5に示され、蛍光シグナルを検出するために必要な最小時間を提供する。
図12は、クラミジア・トラコマティスLGV 血清型III(ATCC(登録商標)VR-903D(商標))からのゲノムDNAの連続希釈物を、該DNA標準品の50~5コピー/μlの範囲にわたってアッセイすることにより測定された、本発明の方法の感度を示す(生成物の増幅は、リアルタイムにより測定された)。リアルタイムでのクラミジア・トラコマティスの検出結果が表6に示され、蛍光シグナルを検出するために必要な最小時間を提供する。
図13及び
図14は、天然の生理的細菌叢として被検生物学的材料に潜在的に存在する多数の病原体(共感染(co-infection)の結果として生じ得る病原体、又は類似のゲノム配列を共有する病原体)の標準マトリックスを用いた本発明の方法の特異性を示す。
図13:レーン1:質量マーカー(Quick-Load(登録商標)Purple 100bp DNA Ladder、NewEngland Biolabs社);レーン2及び3:マイコプラズマ・ジェニタリウム(Mycoplasma genitalium);レーン4及び5:クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae);レーン6及び7:百日咳菌(Bordetella pertussis);レーン8及び9:淋菌(Neisseria gonorrhoeae);レーン10及び11:メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)(MRSA);レーン12及び13:ラクトバシラス・ジェンセニイ(Lactobacillus jensenii);レーン14及び15:エンテロコッカス・フェカーリス(Enterococcus faecalis);レーン16及び17:エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium);レーン18及び19:表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis);レーン20及び21:緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa);レーン22及び23:ストレプトコッカス・アガラクティエ(Streptococcus agalactiae);レーン24及び25:メチシリン感受性黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)(MSSA);レーン26及び27:マイコプラズマ・ホミニス(Mycoplasma hominis);レーン28及び29:ヘモフィルス・ドゥクレイ(Haemophilus ducreyi);レーン30:質量マーカー(Quick-Load(登録商標)Purple 100bp DNA Ladder、NewEngland Biolabs社);レーン31及び32:CMV;レーン33及び34:ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri);レーン35及び36:ヒトDNA;レーン37及び38:クラミジア・トラコマティス 血清型D;レーン39及び40:クラミジア・トラコマティス 血清型G;レーン41及び42:クラミジア・トラコマティス 血清型J;レーン43及び44:クラミジア・トラコマティス 血清型H;レーン45、46、47、48:NTC、並びに、
図14:レーン1:質量マーカー(Quick-Load(登録商標)Purple 100bp DNA Ladder、NewEngland Biolabs社);レーン2及び3:リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes);レーン4及び5:バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis);レーン6及び7:大腸菌(Escherichia coli);レーン8及び9:モビルンカス・ムリエリス(Mobiluncus mulieris);レーン10及び11:トリコモナ・バジナリス(Trichomonas vaginalis);レーン12及び13:ガードネレラ・バジナリス(Gardnerella vaginalis);レーン14及び15:ウレアプラズマ・ウレアリティカム(Ureoplasma urealyticum);レーン16及び17:カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni);レーン18及び19:HBV;レーン20及び21:HHV-1;レーン22及び23:HPV 16;レーン24及び25:HPV 18;レーン26:質量マーカー(Quick-Load(登録商標)Purple 100bp DNA Ladder、NewEngland Biolabs社);レーン27及び28:HSV 2;レーン29及び30:トレポネーマ・パリズム(Treponema pallidum);レーン31及び32:カンジダ・アルビカンス(Candida albicans);レーン33及び34:クラミドフィラ・ニューモニアエ(Chlamydiophila pneumoniae);レーン35及び36:クラミジア・トラコマティス 血清型E;レーン37及び38:クラミジア・トラコマティス 血清型I;レーン39及び40:クラミジア・トラコマティス 血清型II;レーン41及び42:クラミジア・トラコマティス 血清型III;レーン43、44、45、46:NTC。
【実施例】
【0023】
実施例1.プライマー配列
LAMP技術を用いたクラミジア・トラコマティス遺伝子材料の検出に使用される特異的なオリゴヌクレオチドの配列を、以下に示し、特徴付けする。
【0024】
1.ChT dnaKF3 オリゴヌクレオチド配列:5’ AATAGAATTGTCTGGTGTATCG 3’は、F2プライマーの3’に隣接するクラミジア・トラコマティスdnaK遺伝子(5’-3’鎖)と同じである。
【0025】
2.ChT dnaKB3 オリゴヌクレオチド配列:5’ CTAGAAGAACATCATCAATGTCA 3’は、オリゴヌクレオチド1の3’末端から164ヌクレオチド離れたクラミジア・トラコマティスdnaK遺伝子(5’-3’鎖)の相補的な断片である。
【0026】
3.ChT dnaKF2 オリゴヌクレオチド配列:5’ TCTACTGAAATCAATCAGCCATT 3’は、オリゴヌクレオチド1の3’末端に直ちに隣接するクラミジア・トラコマティスdnaK遺伝子(5’-3’鎖)の配列と同一である。
【0027】
4.ChT dnaKB2 オリゴヌクレオチド配列:5’ GAAGCGGACAATTTAGCAT 3’は、オリゴヌクレオチド1の3’末端から145ヌクレオチド離れたクラミジア・トラコマティスdnaK遺伝子(5’-3’鎖)の相補的な断片である。
【0028】
5.ChT dnaKF1c オリゴヌクレオチド配列:5’ GCGAGTTAGAGTTAAAGCCAAATGT 3’は、オリゴヌクレオチド1の3’末端から50ヌクレオチド離れたクラミジア・トラコマティスdnaK遺伝子(5’-3’鎖)の相補的な断片である。
【0029】
6.ChT dnaKB1c オリゴヌクレオチド配列:5’ TCGAACACCTAGCTTCCTCTCT 3’は、オリゴヌクレオチド1の3’末端から82ヌクレオチド離れたクラミジア・トラコマティスdnaK遺伝子(5’-3’鎖)と同じである。
【0030】
7.ChT dnaKLoopFオリゴヌクレオチド配列:5’ GGTCCATTAGCGTCGATAGTGATG 3’。
8.ChT dnaKLoopB オリゴヌクレオチド配列:5’ CCAAACAACCTTGTGCTCAGGCT 3’。
【0031】
好ましくは、F1c及びF2オリゴヌクレオチドの配列をTTTTブリッジによって連結し、FIPとして使用した。好ましくは、B1c及びB2オリゴヌクレオチドの配列をTTTTブリッジによって連結し、BIPとして使用した。
【0032】
実施例3
実施例1で特徴付けられたオリゴヌクレオチドを使用し、LAMP技術及び以下の組成の反応混合物を用いて、クラミジア・トラコマティスdnaK遺伝子を増幅する方法:
5.0μl WarmStart LAMP 2X Master Mix
0.13μM F3
0.13μM B3
1.06μM FIP
1.06μM BIP
0.27μM LoopF
0.27μM LoopB
D-(+)-トレハロース二水和物-6%
二本鎖DNAと相互作用する蛍光マーカー-EvaGreen≦1X、もしくは0.5μlの量の蛍光色素 50X(New England Biolabs社)、もしくは≦1μlの量のGreenFluoresent Dye(Lucigen社)、もしくはSyto-13≦16μM、もしくはSYTO-82≦16μM、または増幅反応を阻害しない濃度での二本鎖DNAと相互作用するその他の蛍光色素。
鋳型DNA≧5コピー/反応
DNase及びRNaseフリーの水を用いて、反応物量の合計を10μlに調整した。
【0033】
実施例4
実施例1及び実施例3で特徴付けられたオリゴヌクレオチドを使用し、LAMP技術及び実施例3で特徴付けられた組成の反応混合物を用い、以下の温度プロファイルで実施する、クラミジア・トラコマティスdnaK遺伝子を増幅する方法:
1)64℃、40分間
2)エンドポイント反応に対して、好ましくは、80℃、5分間。
【0034】
実施例5
実施例1及び実施例3で特徴付けられたオリゴヌクレオチドを使用し、LAMP技術及び実施例3で特徴付けられた組成の反応混合物を用い、実施例4で特徴付けられた温度プロファイル及び後述する検出方法を用いる、クラミジア・トラコマティスdnaK遺伝子を増幅し、検出する方法。
【0035】
蛍光色素は、二本鎖DNAと相互作用することが可能なものを使用し、0.5μLのEvaGreen 20X;GreenFluorescent Dye(Lucigen社);SYTO-13及びSYTO-82についてそれぞれ、0.5μLもしくは≦1Xの濃度;≦16μMの量を、反応開始前、リアルタイム測定及び/又はエンドポイント測定前に、反応混合物に添加する。励起波長は、FAM色素と同様の範囲-EvaGreen;Fluorescent dye 50X(NewEngland Biolabs社)、GreenFluorescent Dye(Lucigen社);SYTO-13色素については490~500nm(最適には、494nm)であり、SYTO-82色素については535nm(最適には541nm)であり;蛍光波長は、EvaGreen;GreenFluorescent Dye(Lucigen社);SYTO-13色素については509~530nm(最適には518nm)であり、SYTO-82色素については556nm(最適には560nm)であり、検出方法、登録時間の変更は、クラミジア・トラコマティス及び陰性対照の反応開始から11分から開始する。
【0036】
実施例6
実施例1及び実施例3で特徴付けられたオリゴヌクレオチドを使用し、LAMP技術及び実施例3で特徴付けられた組成の反応混合物を用い、実施例4で特徴付けられた温度プロファイル及び実施例5に記載の検出方法を用いた、クラミジア・トラコマティスdnaK遺伝子の増幅及び検出を検出するための試薬を調製する方法及び凍結乾燥する方法
【0037】
実施例7.凍結乾燥プロセスの記載
鋳型DNAを除き、実施例3に記載の組成に従って反応成分を混合し、合計量を10μlとした。この混合物を0.2mlのチューブに移し、以下のパラメータに従って凍結乾燥プロセスに供した。
試験管に入れた混合物を2時間、-80℃まで予冷した。その後、5-2mBarの圧力下、-80℃の温度で3時間、凍結乾燥プロセスを実施した。
【0038】
実施例8.方法の感度
感度は、標準品:クラミジア・トラコマティスLGV 血清型I(ATCC(登録商標)VR-901BD(商標))からのゲノムDNA、クラミジア・トラコマティス LGV 血清型II(ATCC(登録商標)VR-902BD(商標))からのゲノムDNA、クラミジア・トラコマティスLGV 血清型III(ATCC(登録商標)VR-903D(商標))からのゲノムDNAの連続希釈物をアッセイすることにより決定した(反応混合物あたり5コピーの細菌の最小量、生成物の増幅をリアルタイムで測定)-
図3、4、7、8、11、12(連続希釈についてのリアルタイム-LAMP)。
【0039】
個々の試料の発光蛍光を検出するために要した時間を、表1、2、3、4、5、6に示す。
【0040】
特徴付けられたプライマーは、5コピー/反応混合物の最小量でのdnaK遺伝子断片を検出することにより、クラミジア・トラコマティス細菌を検出することが可能である。
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
リアルタイム-LAMP技術に基づく検査に対する、本明細書に記載された増幅方法及びオリゴヌクレオチドの優位性は、より高い感度(
図1、2、5、6、9、10に示される)、分析時間の短縮(
図3、4、7、8、11、12及び表1、2、3、4、5、6に示される)に起因する。
【配列表】