(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-27
(45)【発行日】2025-07-07
(54)【発明の名称】温水生成装置、これを含む浄水器および温水生成装置を制御する方法
(51)【国際特許分類】
F24H 1/10 20220101AFI20250630BHJP
F24H 9/00 20220101ALI20250630BHJP
F24H 15/31 20220101ALI20250630BHJP
F24H 15/269 20220101ALI20250630BHJP
F24H 15/37 20220101ALI20250630BHJP
F24H 15/215 20220101ALI20250630BHJP
E03C 1/044 20060101ALI20250630BHJP
E03C 1/10 20060101ALI20250630BHJP
C02F 1/44 20230101ALI20250630BHJP
F24H 15/184 20220101ALI20250630BHJP
【FI】
F24H1/10 C
F24H9/00 A
F24H15/31
F24H15/269
F24H15/37
F24H15/215
E03C1/044
E03C1/10
C02F1/44 A
F24H15/184
(21)【出願番号】P 2023545887
(86)(22)【出願日】2022-02-04
(86)【国際出願番号】 KR2022001766
(87)【国際公開番号】W WO2022169303
(87)【国際公開日】2022-08-11
【審査請求日】2023-07-27
(31)【優先権主張番号】10-2021-0017454
(32)【優先日】2021-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514170813
【氏名又は名称】コーウェイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】COWAY CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジェマン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジョンミン
(72)【発明者】
【氏名】イェ,ビョンヒョ
(72)【発明者】
【氏名】イ,ヨンジェ
【審査官】小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2013-0141200(KR,A)
【文献】特開平08-230993(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-2042575(KR,B1)
【文献】韓国登録特許第10-1637210(KR,B1)
【文献】特開2009-236426(JP,A)
【文献】特開2018-070217(JP,A)
【文献】特開2003-249337(JP,A)
【文献】特開平10-073316(JP,A)
【文献】韓国公開特許第2017-0079100(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 1/10
F24H 9/00
F24H 15/184
F24H 15/31
F24H 15/269
F24H 15/37
F24H 15/215
E03C 1/044
E03C 1/10
C02F 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に原水が収容される収容空間および前記収容空間の上部に配置される捕集空間を具備するケース部材、
前記ケース部材の内部に前記原水が流入するように前記ケース部材の下部に配置され、前記ケース部材の厚さ方向に延びる入水口、
前記ケース部材の内部に収容された原水を加熱するように前記ケース部材の側壁に備えられる板状加熱部材、
前記板状加熱部材によって加熱した原水が外部に流出するように前記板状加熱部材の上側に配置され、前記ケース部材の厚さ方向に延びる出水口、
前記加熱した原水から気化した蒸気が前記捕集空間を経て外部に排出されるように前記捕集空間の上部に配置される蒸気排出口、および
前記ケース部材の内部に収容された原水の温度を感知する温度感知部材
、
一端部が前記入水口に連結され他端部が原水供給部に連結される管状部材であって、前記原水が前記ケース部材の内部に流入することを許容または遮断する原水供給バルブを具備する原水供給部材、
一端部が前記入水口に連結され他端部が抽出部に連結される管状部材であって、前記加熱した原水が前記ケース部材から流出することを許容または遮断する温水抽出バルブを具備する温水抽出部材、
一端部が前記蒸気排出口に連結され他端部が退水部に連結される管状部材であって、前記蒸気が前記ケース部材から流出することを許容または遮断する蒸気排出バルブを具備する蒸気排出部材、および
前記原水供給バルブ、前記温水抽出バルブおよび前記蒸気排出バルブの開閉を統合的に制御する制御部材、を含み、
前記捕集空間は前記蒸気を前記蒸気排出口側にガイドするように所定の傾斜角を有し、前記蒸気排出口側に傾いた傾斜面を具備し、
前記温度感知部材は前記ケース部材の高さ方向を基準として、前記出水口と前記板状加熱部材の間に設置され、
前記傾斜面は、前記ケース部材の幅方向の一側に位置する一部分および前記ケース部材の前記幅方向の他側に位置する他の部分を含み、
前記蒸気排出口は、前記傾斜面の前記一部分および前記傾斜面の前記他の部分が連続する部分に位置
し、
前記制御部材は、前記原水供給バルブと前記温水抽出バルブが開放されて連続出水が進行中である状態で、前記蒸気排出バルブを一定時間の間開放させた後閉鎖させる制御を所定のインターバルごとに繰り返すことを特徴とする、温水生成装置。
【請求項2】
前記所定の傾斜角は前記原水の水面を基準として25度以内であることを特徴とする、請求項1に記載の温水生成装置。
【請求項3】
前記温度感知部材は前記出水口の下に位置するように設置されることを特徴とする、請求項1に記載の温水生成装置。
【請求項4】
前記温度感知部材は前記出水口を中心に半径20mm以内に設置されることを特徴とする、請求項3に記載の温水生成装置。
【請求項5】
前記出水口は少なくとも一部が前記側壁中で前記収容空間と前記捕集空間の境界線を通るように設置されることを特徴とする、請求項1に記載の温水生成装置。
【請求項6】
前記制御部材は、
温水出水信号が最初に印加されると、前記原水供給バルブと前記温水抽出バルブは閉鎖され、前記蒸気排出バルブは開放される第1状態に制御し、
前記第1状態で前記加熱した原水が所定温度以上である場合、前記原水供給バルブが開放される第2状態に制御し、
前記第2状態から所定時間後に、前記蒸気排出バルブが閉鎖されるとともに前記温水抽出バルブが開放される第3状態に制御することを特徴とする、請求項
1に記載の温水生成装置。
【請求項7】
前記制御部材は、
前記第1状態が臨界時間以上維持されると、前記加熱した原水が前記所定温度未満である場合にも前記原水供給バルブが開放される第2状態に制御することを特徴とする、請求項
6に記載の温水生成装置。
【請求項8】
原水を加圧して供給する加圧部、
前記加圧部から供給される加圧された原水を濾過させて浄水を生成するようにフィルタ部材が備えられる濾過部、
前記濾過部から加圧された浄水の供給を受けて温水を生成する温水生成部、
前記温水生成部から生成された前記温水を外部に排出させる抽出部、
前記濾過部から生成された不要な原水を外部に排出するための退水部、および
前記各部の動作を制御する制御部、を含み、
前記温水生成部には内部に前記浄水が収容される収容空間および前記収容空間の上部に配置される捕集空間を具備するケース部材と、前記ケース部材の内部で前記浄水が流入するように前記ケース部材の下部に配置され、前記ケース部材の厚さ方向に延びる入水口と、前記ケース部材の内部に収容された浄水を加熱するように前記ケース部材の側壁に備えられる板状加熱部材と、前記板状加熱部材によって加熱した浄水が外部に流出するように前記板状加熱部材の上側に配置され、前記ケース部材の厚さ方向に延びる出水口と、前記加熱した浄水から気化した蒸気が前記捕集空間を経て外部に排出されるように前記捕集空間の上部に配置され、前記ケース部材の高さ方向に沿って前記出水口と少なくとも部分的に重なるように配置される蒸気排出口と、前記ケース部材の内部に収容された浄水の温度を感知する温度感知部材が備えられ、
前記捕集空間は前記蒸気を前記蒸気排出口側にガイドするように所定の傾斜角を有し、前記蒸気排出口側に傾いた傾斜面を具備し、
前記温度感知部材は前記ケース部材の高さ方向を基準として、前記出水口と前記板状加熱部材の間に設置され、
前記傾斜面は、前記ケース部材の幅方向の一側に位置する一部分および前記ケース部材の前記幅方向の他側に位置する他の部分を含み、
前記蒸気排出口は、前記傾斜面の前記一部分および前記傾斜面の前記他の部分が連続する部分に位置し、
前記温水生成部と前記濾過部は前記浄水が前記ケース部材の内部に流入することを許容または遮断する浄水供給バルブを具備する浄水供給部材を通じて連結され、
前記温水生成部と前記抽出部は前記温水が前記ケース部材から流出することを許容または遮断する温水抽出バルブを具備する温水抽出部材を通じて連結され、
前記温水生成部と前記退水部は前記蒸気が前記ケース部材から流出することを許容または遮断する蒸気排出バルブを具備する蒸気排出部材を通じて連結され、
前記制御部は前記浄水供給バルブ、前記温水抽出バルブおよび前記蒸気排出バルブの開閉を統合的に制御
し、
前記制御部は、前記浄水供給バルブと前記温水抽出バルブが開放されて連続出水が進行中である状態で、前記蒸気排出バルブを一定時間の間開放させた後閉鎖させる制御を所定のインターバルごとに繰り返すことを特徴とする、浄水器。
【請求項9】
内部に原水が収容される収容空間および前記収容空間の上部に配置される捕集空間を具備するケース部材と、前記ケース部材の内部に前記原水が流入するように前記ケース部材の下部に配置される入水口と、前記ケース部材の内部に収容された原水を加熱するように前記ケース部材の側壁に備えられる板状加熱部材と、前記板状加熱部材によって加熱した原水が外部に流出するように前記板状加熱部材の上側に配置される出水口と、前記加熱した原水から気化した蒸気が前記捕集空間を経て外部に排出されるように前記捕集空間の上部に配置される蒸気排出口と、前記原水が前記ケース部材の内部に流入することを許容または遮断する原水供給バルブと、前記加熱した原水が前記ケース部材から流出することを許容または遮断する温水抽出バルブと、前記蒸気が前記ケース部材から流出することを許容または遮断する蒸気排出バルブを含む温水生成装置を制御する方法であって、
温水出水信号が最初に印加されると、前記原水供給バルブと前記温水抽出バルブは閉鎖され、前記蒸気排出バルブは開放される第1状態に制御する段階、
前記第1状態で前記加熱した原水が所定温度以上である場合、前記原水供給バルブが開放される第2状態に制御する段階、および
前記第2状態から所定時間後に、前記蒸気排出バルブが閉鎖されるとともに前記温水抽出バルブが開放される第3状態に制御する段階を含むことを特徴とする、温水生成装置を制御する方法。
【請求項10】
前記原水供給バルブと前記温水抽出バルブが開放されて連続出水が進行中である状態で、前記蒸気排出バルブを一定時間の間開放させた後閉鎖させる制御を所定のインターバルごとに繰り返す段階をさらに含むことを特徴とする、請求項
9に記載の温水生成装置を制御する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は温水生成装置、これを含む浄水器および温水生成装置を制御する方法に関し、より具体的には、ケース部材の内部に原水が収容される収容空間の上部に配置され所定の傾斜角を有して傾いた傾斜面を具備する捕集空間を導入し、前記捕集空間の上部に温水出水口とは別途に蒸気が排出され得る蒸気排出口を配置することによって、蒸気が傾斜面に沿って予め蒸気排出口を通じて除去されて蒸気が含まれていない温水が出水されて重力方向に沿って直線形態の規則的な温水の流れを形成することによって、使用者の安全性を確保し美感を向上させて使用者の満足度を向上できる温水生成装置、これを含む浄水器および温水生成装置を制御する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、浄水器は外部から供給された原水を濾過させて浄水を提供するための装置であって、より新鮮な水に対する使用者の要求の増加および製品の小型化の趨勢により貯蔵タンクを具備していない直水式浄水器が広く使われている。また、浄水を提供することに加え、浄水を利用して冷水または温水を生成して提供する直水式浄水器も広く使われている。特に最近の直水型浄水器は供給された原水を加熱するための瞬間温水ヒーターを採用しており、このような瞬間温水ヒーターは内部に収容される浄水の流量が非常に少ないため、短い時間で目標温度に該当する温水を生成できるようになる。
【0003】
コーウェイ株式会社の韓国公開特許第2017-0079100号公報に開示された直水式水処理装置は、瞬間加熱装置を利用して濾過部で濾過された常温の浄水を加熱した後、別途の処理なしに温水を出水部側に排出させている。一般的に面状発熱ヒーターなどを含む瞬間加熱装置を利用して温水を加熱する場合、温水の温度上昇と同時に一定量の蒸気が共に発生することになるが、その結果、前記先行文献に開示された通り、温水が貯蔵された瞬間加熱装置から別途の処理なしにすぐに温水を排出させる場合、温水とともに蒸気も排出されることになる。このような蒸気は温水の最終出水時に影響を及ぼして、
図2で確認されるように、温水の流れが直線形態ではなく不規則な流れを形成するようにする。このように温水の排出の流れが不規則である場合、高温の温水のうち一部が予期しない方向に飛んで安全上の危険があり、美感的にも優秀でないため、使用者に立派な使用経験を提供できない問題がある。
【0004】
ウンソン産業の韓国登録特許第10-1637210号公報に開示されたヒーターを使ったスリム構造を有する浄水器の温水供給のための瞬間加温器は、気泡が含まれていない水のみを排出するために本体の上部にエアベントを装着し、これを通じて気泡を排出することについて一部開示はしているものの、本体に関連した流体の流れを統制できるバルブ構造およびバルブの制御方法がない。したがって、気泡を排出するためのエアベントを通じて温水が損失され得る問題があり、自然的な蒸気圧にのみ依存して気泡を排出することになるため、蒸気を効果的に排出させるための圧力の形成が難しい問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】韓国公開特許第2017-0079100号公報
【文献】韓国登録特許第10-1637210号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記の問題を解決するために、本発明に係る温水生成装置は、ケース部材の内部に原水が収容される収容空間の上部に配置され所定の傾斜角を有して傾いた傾斜面を具備する捕集空間を導入し、前記捕集空間の上部に温水出水口とは別途に蒸気が排出され得る蒸気排出口を配置することによって、蒸気が傾斜面に沿って予め蒸気排出口を通じて除去されて蒸気が含まれていない温水が出水されて重力方向に沿って直線形態の規則的な温水の流れを形成することによって、使用者の安全性を確保し美感を向上させて使用者の満足度を向上することを目的とする。
【0007】
本発明の実施例に係る温水生成装置は、捕集空間の傾斜面の傾斜角を最適の角度以内に制限することによって、装置の小型化を達成できながらも加熱した浄水から気化する蒸気を十分に収容できる捕集空間を提供することを目的とする。
【0008】
本発明の実施例に係る温水生成装置は、捕集空間の導入を通じて確保された空間的余裕を利用して出水口の一部を捕集空間上に配置させることによって、温度感知部材を出水口の下に配置されるようにして温度感知部材のセンシング正確度を向上させることを目的とする。
【0009】
本発明の実施例に係る温水生成装置は、温度感知部材を出水口から離隔配置させるものの、出水口から所定半径内に配置されるようにすることによって温度感知部材が出水直前の温度と近接した温度をセンシングするようにして使用者に正確な温度情報を提供することを目的とする。
【0010】
本発明の実施例に係る温水生成装置は、出水口の少なくとも一部が収容空間と捕集空間の境界線を通るように設置することによって、捕集空間を十分に確保しながらも同時に加熱部材と出水口の間に温度感知部材が配置され得る十分な空間を提供して空間活用度を向上することを目的とする。
【0011】
本発明の実施例に係る温水生成装置は、温水生成装置の流出/流入を制御する原水供給バルブ、温水抽出バルブおよび蒸気排出バルブを特有の制御部材を通じて統合的に制御することによって、蒸気をより効果的に排出させることができながらも、蒸気排出口を通じての温水の損失を最小化して蒸気排出口の導入による効果を向上することを目的とする。
【0012】
本発明の実施例に係る温水生成装置は、温水出水信号が最初に印加されると、原水供給バルブと前記温水抽出バルブは閉鎖され、前記蒸気排出バルブは開放される第1状態に制御し、第1状態で加熱した原水が所定温度以上である場合、原水供給バルブが開放される第2状態に制御し、第2状態から所定時間後に、蒸気排出バルブが閉鎖されるとともに温水抽出バルブが開放される第3状態に制御して、最初出水時に原水供給バルブを温水抽出バルブより先に開放させることによって蒸気の排出を最大化することを目的とする。
【0013】
本発明の実施例に係る温水生成装置は、第1状態が臨界時間以上維持されると、加熱した原水が所定温度未満である場合にも原水供給バルブが開放される第2状態に制御することによって、温水出水の遅延による使用者の不便を防止して予期しない状況でも最適な使用経験を使用者に提供することを目的とする。
【0014】
本発明の実施例に係る温水生成装置は、連続出水が進行中である状態で、一定の圧力に到達するように蒸気を充填した後に一時的に蒸気を排出させることを繰り返すために、蒸気排出バルブを一定時間の間開放させた後閉鎖させる制御を所定のインターバルごとに繰り返すことによって、温水の流出なしに蒸気の排出効果を向上することを目的とする。
【0015】
本発明に係る浄水器は、前述した効果を提供できる温水生成部を具備して蒸気が除去された状態の温水を抽出部側に伝達することによって、使用者に、温水出水時の不規則な温水の流れによる安全事故を未然に防止し、美感上優秀な温水の流れを使用者に提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記目的を達成するために本発明に係る温水生成装置は、内部に原水が収容される収容空間および前記収容空間の上部に配置される捕集空間を具備するケース部材、前記ケース部材の内部に前記原水が流入するように前記ケース部材の下部に配置される入水口、前記ケース部材の内部に収容された原水を加熱するように前記ケース部材の側壁に備えられる板状加熱部材、前記板状加熱部材によって加熱した原水が外部に流出するように前記板状加熱部材の上側に配置される出水口、前記加熱した原水から気化した蒸気が前記捕集空間を経て外部に排出されるように前記捕集空間の上部に配置される蒸気排出口、および前記ケース部材の内部に収容された原水の温度を感知する温度感知部材を含み、前記捕集空間は前記蒸気を前記蒸気排出口側にガイドするように所定の傾斜角を有し、前記蒸気排出口側に傾いた傾斜面を具備し、前記温度感知部材は前記ケース部材の高さ方向を基準として、前記出水口と前記板状加熱部材の間に設置されることを特徴とする。
【0017】
本発明の実施例に係る温水生成装置において、前記所定の傾斜角は前記原水の水面を基準として25度以内であることを特徴とする。
【0018】
本発明の実施例に係る温水生成装置において、前記温度感知部材は前記出水口の下に位置するように設置されることを特徴とする。
【0019】
本発明の実施例に係る温水生成装置において、前記温度感知部材は前記出水口を中心に半径20mm以内に設置されることを特徴とする。
【0020】
本発明の実施例に係る温水生成装置において、前記出水口は少なくとも一部が前記側壁中で前記収容空間と前記捕集空間の境界線を通るように設置されることを特徴とする。
【0021】
本発明の実施例に係る温水生成装置において、一端部が前記入水口に連結され他端部が原水供給部に連結される管状部材であって、前記原水が前記ケース部材の内部に流入することを許容または遮断する原水供給バルブを具備する原水供給部材、一端部が前記入水口に連結され他端部が抽出部に連結される管状部材であって、前記加熱した原水が前記ケース部材から流出することを許容または遮断する温水抽出バルブを具備する温水抽出部材、一端部が前記蒸気排出口に連結され他端部が退水部に連結される管状部材であって、前記蒸気が前記ケース部材から流出することを許容または遮断する蒸気排出バルブを具備する蒸気排出部材、前記原水供給バルブ、前記温水抽出バルブ、および前記蒸気排出バルブの開閉を統合的に制御する制御部材をさらに含むことを特徴とする。
【0022】
本発明の実施例に係る温水生成装置において、前記制御部材は、温水出水信号が最初に印加されると、前記原水供給バルブと前記温水抽出バルブは閉鎖され、前記蒸気排出バルブは開放される第1状態に制御し、前記第1状態で前記加熱した原水が所定温度以上である場合、前記原水供給バルブが開放される第2状態に制御し、前記第2状態から所定時間後に、前記蒸気排出バルブが閉鎖されるとともに前記温水抽出バルブが開放される第3状態に制御することを特徴とする。
【0023】
本発明の実施例に係る温水生成装置において、前記制御部材は、前記第1状態が臨界時間以上維持されると、前記加熱した原水が前記所定温度未満である場合にも前記原水供給バルブが開放される第2状態に制御することを特徴とする。
【0024】
本発明の実施例に係る温水生成装置において、前記制御部材は、前記原水供給バルブと前記温水抽出バルブが開放されて連続出水が進行中である状態で、前記蒸気排出バルブを一定時間の間開放させた後閉鎖させる制御を所定のインターバルごとに繰り返すことを特徴とする。
【0025】
本発明の実施例に係る浄水器は原水を加圧して供給する加圧部、前記加圧部から供給される加圧された原水を濾過させて浄水を生成するようにフィルタ部材が備えられる濾過部、前記濾過部から加圧された浄水の供給を受けて温水を生成する温水生成部、前記温水生成部から生成された前記温水を外部に排出させる抽出部、前記濾過部から生成された不要な原水を外部に排出するための退水部および前記各部の動作を制御する制御部、を含み、前記温水生成部には内部に前記浄水が収容される収容空間および前記収容空間の上部に配置される捕集空間を具備するケース部材と、前記ケース部材の内部で前記浄水が流入するように前記ケース部材の下部に配置される入水口と、前記ケース部材の内部に収容された浄水を加熱するように前記ケース部材の側壁に備えられる板状加熱部材と、前記板状加熱部材によって加熱した浄水が外部に流出するように前記板状加熱部材の上側に配置される出水口と、前記加熱した浄水から気化した蒸気が前記捕集空間を経て外部に排出されるように前記捕集空間の上部に配置される蒸気排出口と、前記ケース部材の内部に収容された浄水の温度を感知する温度感知部材が備えられ、前記捕集空間は前記蒸気を前記蒸気排出口側にガイドするように所定の傾斜角を有し、前記蒸気排出口側に傾いた傾斜面を具備し、前記温度感知部材は前記ケース部材の高さ方向を基準として、前記出水口と前記板状加熱部材の間に設置され、前記温水生成部と前記濾過部は前記浄水が前記ケース部材の内部に流入することを許容または遮断する浄水供給バルブを具備する浄水供給部材を通じて連結され、前記温水生成部と前記抽出部は前記温水が前記ケース部材から流出することを許容または遮断する温水抽出バルブを具備する温水抽出部材を通じて連結され、前記温水生成部と前記退水部は前記蒸気が前記ケース部材から流出することを許容または遮断する蒸気排出バルブを具備する蒸気排出バルブを具備する蒸気排出部材を通じて連結され、前記制御部は前記浄水供給バルブ、前記温水抽出バルブおよび前記蒸気排出バルブの開閉を統合的に制御することを特徴とする。
【0026】
本発明の実施例に係る温水生成装置を制御する方法は、内部に原水が収容される収容空間および前記収容空間の上部に配置される捕集空間を具備するケース部材と、前記ケース部材の内部に前記原水が流入するように前記ケース部材の下部に配置される入水口と、前記ケース部材の内部に収容された原水を加熱するように前記ケース部材の側壁に備えられる板状加熱部材と、前記板状加熱部材によって加熱した原水が外部に流出するように前記板状加熱部材の上側に配置される出水口と、前記加熱した原水から気化した蒸気が前記捕集空間を経て外部に排出されるように前記捕集空間の上部に配置される蒸気排出口と、前記原水が前記ケース部材の内部に流入することを許容または遮断する原水供給バルブと、前記加熱した原水が前記ケース部材から流出することを許容または遮断する温水抽出バルブと、前記蒸気が前記ケース部材から流出することを許容または遮断する蒸気排出バルブを含む温水生成装置を制御する方法であって、温水出水信号が最初に印加されると、前記原水供給バルブと前記温水抽出バルブは閉鎖され、前記蒸気排出バルブは開放される第1状態に制御する段階、前記第1状態で前記加熱した原水が所定温度以上である場合、前記原水供給バルブが開放される第2状態に制御する段階、および前記第2状態から所定時間後に、前記蒸気排出バルブが閉鎖されるとともに前記温水抽出バルブが開放される第3状態に制御する段階を含むことを特徴とする。
【0027】
本発明の一実施例に係る温水生成装置を制御する方法において、前記原水供給バルブと前記温水抽出バルブが開放されて連続出水が進行中である状態で、前記蒸気排出バルブを一定時間の間開放させた後閉鎖させる制御を所定のインターバルごとに繰り返す段階をさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
前記の構成により、本発明に係る温水生成装置は、ケース部材の内部に原水が収容される収容空間の上部に配置され所定の傾斜角を有して傾いた傾斜面を具備する捕集空間を導入し、前記捕集空間の上部に温水出水口とは別途に蒸気が排出され得る蒸気排出口を配置することによって、蒸気が傾斜面に沿って予め蒸気排出口を通じて除去されて蒸気が含まれていない温水が出水されて重力方向に沿って直線形態の規則的な温水の流れを形成することによって、使用者の安全性を確保し美感を向上させて使用者の満足度を向上する効果を提供する。
【0029】
本発明の実施例に係る温水生成装置は、捕集空間の傾斜面の傾斜角を最適の角度以内に制限することによって、装置の小型化を達成できながらも加熱した浄水から気化する蒸気を十分に収容できる捕集空間を提供する効果を提供する。
【0030】
本発明の実施例に係る温水生成装置は、捕集空間の導入を通じて確保された空間的余裕を利用して出水口の一部を捕集空間上に配置させることによって、温度感知部材を出水口の下に配置されるようにして温度感知部材のセンシング正確度を向上する効果を提供する。
【0031】
本発明の実施例に係る温水生成装置は、温度感知部材を出水口から離隔配置させるものの、出水口から所定半径内に配置されるようにすることによって、温度感知部材が出水直前の温度と近接した温度をセンシングするようにして使用者に正確な温度情報を提供する効果を提供する。
【0032】
本発明の実施例に係る温水生成装置は、出水口の少なくとも一部が収容空間と捕集空間の境界線を通るように設置することによって、捕集空間を十分に確保しながらも同時に加熱部材と出水口の間に温度感知部材が配置され得る十分な空間を提供して空間活用度を向上する効果を提供する。
【0033】
本発明の実施例に係る温水生成装置は、温水生成装置の流出/流入を制御する原水供給バルブ、温水抽出バルブおよび蒸気排出バルブを特有の制御部材を通じて統合的に制御することによって、蒸気をより効果的に排出させることができながらも、蒸気排出口を通じての温水の損失を最小化して蒸気排出口の導入による効果を向上する効果を提供する。
【0034】
本発明の実施例に係る温水生成装置は、温水出水信号が最初に印加されると、原水供給バルブと前記温水抽出バルブは閉鎖され、前記蒸気排出バルブは開放される第1状態に制御し、第1状態で加熱した原水が所定温度以上である場合、原水供給バルブが開放される第2状態に制御し、第2状態から所定時間後に、蒸気排出バルブが閉鎖されるとともに温水抽出バルブが開放される第3状態に制御して、最初出水時に原水供給バルブを温水抽出バルブより先に開放させることによって蒸気の排出を最大化することを目的とする。
【0035】
本発明の実施例に係る温水生成装置は、第1状態が臨界時間以上維持されると、加熱した原水が所定温度未満である場合にも原水供給バルブが開放される第2状態に制御することによって、温水出水の遅延による使用者の不便を防止して予期しない状況でも最適な使用経験を使用者に提供する効果を提供する。
【0036】
本発明の実施例に係る温水生成装置は、連続出水が進行中である状態で、一定の圧力に到達するように蒸気を充填した後に一時的に蒸気を排出させることを繰り返すために、蒸気排出バルブを一定時間の間開放させた後閉鎖させる制御を所定のインターバルごとに繰り返すことによって、温水の流出なしに蒸気の排出効果を向上する効果を提供する。
【0037】
本発明に係る浄水器は前述した効果を提供できる温水生成部を具備して蒸気が除去された状態の温水を抽出部側に伝達することによって、使用者に、温水出水時の不規則な温水の流れによる安全事故を未然に防止し、美感上優秀な温水の流れを使用者に提供する効果を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】従来技術に係る浄水器の各構成および流体の流れを図示した構成図である。
【
図2】従来技術に係る浄水器から抽出された温水の流れを図示したイメージである。
【
図3】本発明の一実施例に係る浄水器の各構成および流体の流れを図示した構成図である。
【
図4】本発明の一実施例に係る温水生成部を含む浄水器から抽出された温水の流れを図示したイメージである。
【
図5】本発明の一実施例に係る温水生成部の一部を図示した平面図である。
【
図6】本発明の一実施例に係る温水生成部の一部を図示した側面図である。
【
図7】本発明の一実施例に係る温水生成部に含まれた温度感知部材のセンシング正確度を従来技術と比較して図示したグラフである。
【
図8】本発明の一実施例に係る温水生成部を含む浄水器の制御部(または温水生成装置の制御部材)が各構成を順次制御することを図示したフローチャートである。
【
図9】本発明の一実施例に係る温水生成部の流体の流出/流入状態により温水生成部に含まれたそれぞれのバルブの開閉状態を図示した表である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本明細書および請求の範囲に使われた単語と用語は通常的であるか辞書的な意味に限定して解釈されず、自身の発明を最善の方法で説明するために発明者が用語と概念を定義できる原則に則って本発明の技術的思想に符合する意味と概念で解釈されるべきである。
【0040】
したがって、本明細書に記載された実施例と図面に図示された構成は本発明の好ましい一実施例に該当し、本発明の技術的思想をすべて代弁するものではないので該当構成は本発明の出願時点でこれを代替する多様な均等物と変形例があり得る。
【0041】
本明細書で、「含む」または「有する」等の用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを説明しようとするものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加の可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。
【0042】
或る構成要素が他の構成要素の「前方」、「後方」、「上部」または「下部」にあるとは、特別な事情がない限り他の構成要素とすぐに接して「前方」、「後方」、「上部」または「下部」に配置されることだけでなく、その中間にさらに他の構成要素が配置される場合も含む。また、或る構成要素が他の構成要素と「連結」されているとは、特別な事情がない限り互いに直接連結されることだけでなく間接的に互いに連結される場合も含む。
【0043】
以下では、図面を参照して本発明の一実施例に係る浄水器について説明する。
図1は従来技術に係る浄水器の各構成および流体の流れを図示した構成図であり、
図2は従来技術に係る浄水器から抽出された温水の流れを図示したイメージである。
図3は本発明の一実施例に係る浄水器の各構成および流体の流れを図示した構成図であり、
図4は本発明の一実施例に係る温水生成部を含む浄水器から抽出された温水の流れを図示したイメージである。本発明を明確に説明するために説明にかかわらない部分は図面で省略したことを明らかにしておく。
【0044】
図3を参照すると、本発明の一実施例に係る浄水器は原水W1を加圧して供給する加圧部100と、加圧部100から供給される加圧された原水W1を濾過して浄水W2を生成するように逆浸透圧フィルタ部材210が備えられる濾過部200と、濾過部200から加圧された浄水W2の供給を受けて温水W4を生成する温水生成部300と、温水生成部300から生成された温水を外部に排出させる抽出部600と、前述した濾過部200から生成された不要な原水を外部に排出するための退水部700およびこのような各部の動作を制御する制御部400を含む。
【0045】
まず、加圧部100は逆浸透圧フィルタ部材210に一定の濾過圧力以上で原水W1を供給するためのポンプを含み、このためにポンプは逆浸透圧フィルタ部材210の前に配置され得る。逆浸透圧フィルタ部材210には逆浸透膜が備えられて逆浸透圧フィルタ部材210を濾過側および非濾過側に区画することができる。逆浸透圧フィルタ部材210の濾過側に連結された濾過流路部材220には減圧バルブとチェックバルブが備えられ得、これに伴い、逆浸透圧フィルタ部材210で濾過された水は減圧バルブによって予め設定された圧力に減圧され得る。逆浸透圧フィルタ部材210の非濾過側に流入した原水W1のうち一部は逆浸透膜を通過しながら濾過され、残りの水は逆浸透膜を通過できないこともある。逆浸透膜を通過しながら濾過された浄水W2は濾過側に移動した後、濾過側に連結された濾過流路部材220を通じて移動することになる。逆浸透膜を通過できなかった原水W1は非濾過側に連結された退水部700を通じて外部に排出され得る。
【0046】
濾過部200には前処理フィルタ部材240と後処理フィルタ部材250がさらに備えられ得る。前処理フィルタ部材240は加圧部100の前端に配置され、原水W1はこのような前処理フィルタ部材240で先に濾過された後、逆浸透圧フィルタ部材210で追加に濾過され得る。後処理フィルタ部材250は、逆浸透圧フィルタ部材210の濾過側に連結された濾過流路部材220に配置されて逆浸透圧フィルタ部材210を通じて濾過された浄水W2を追加に濾過することになる。濾過部200のうち逆浸透圧フィルタ部材210の以外に含まれる浄水フィルタの個数は特に限定されず、原水W1を濾過できる浄水フィルタであればいかなる浄水フィルタであってもよい。または濾過部200には逆浸透圧フィルタ部材210のみ備えられてもよい。
【0047】
このような濾過部200を通じて濾過された浄水W2は浄水供給部260に移動することになり、浄水供給部260は使用者の選択により濾過された浄水W2を抽出部600側に移動させたり、温水生成部300や冷水生成部500に移動させることになる。この時、濾過された浄水W2を抽出部600側に移動させる場合、浄水バルブ270の開閉動作により浄水W2の排出が制御され得る。また、冷水生成部500には濾過された浄水W2を冷却させるための冷却コイル部材が備えられ得、冷却コイル部材の内部には液化した低温低圧の冷媒が流れながら浄水W2を冷却させ、浄水W2を冷却させて気化した冷媒は圧縮部材に供給されて冷媒流路を循環することになる。冷水生成部500を通じて冷却された冷水W3は、冷水バルブ510の開閉動作により抽出部600を通じての排出が制御され得る。
【0048】
一方、前述された背景技術を通じて詳察した通り、本発明の一実施例に係る浄水器は従来技術の問題点を解決することを目的とする。具体的には、
図1を参照すると、従来技術の場合、温水生成部300から生成された温水W4が温水抽出部材380を通じて抽出部600側に先に流出され、温水抽出部材380の一部に設けられた分岐点388と連結された別途の排気ライン390を通じて温水W4に含まれた蒸気W5が除去された。すなわち、従来技術は温水生成部300から蒸気W5が含まれた状態の温水W4を排出させた後に2次的に蒸気を除去し、その除去方法も継続的に流動する温水W4の流れの一部に対して蒸気W5を捕集する方式を利用しているため蒸気W5除去の効果が弱かったし、出水された温水には多量の蒸気が含まれる問題があった。その結果、
図2に図示されたように、重力方向に移動する水の流れのうち所定量が側方向に散発されて使用者の安全を威嚇するとともに、美感を阻害する問題があった。本発明の一実施例に係る浄水器は、特有の温水生成部300を導入し、温水生成部300に関連した流体の流れを効果的に制御することによって、蒸気が除去された状態の温水を出水させて前述した問題点を解決することができ、その結果、
図4に図示されたように、重力方向に沿って直線形態の規則的な温水の流れを形成することができる。以下、本発明の一実施例に係る温水生成部についてより詳察することにする。
【0049】
図5は本発明の一実施例に係る温水生成部の一部を図示した平面図であり、
図6は本発明の一実施例に係る温水生成部の一部を図示した側面図であり、
図7は本発明の一実施例に係る温水生成部に含まれた温度感知部材のセンシング正確度を従来技術と比較して図示したグラフである。ここで、X方向はケース部材の幅方向で、Y方向はケース部材の厚さ方向であり、Z方向はケース部材の高さ方向である。以下、本明細書において、温水生成部は必要に応じて温水生成装置で表記することもあることを明らかにしておく。すなわち、温水生成部は本発明の一実施例に係る浄水器の一構成要素として利用される場合に温水生成部と表記することができ、単独の発明として称する時は温水生成装置と表記してもよい。これに関連して、本発明の一実施例に係る温水生成装置は前述した浄水器に制限されて適用されるものではなく、冷温水器、瞬間温水器などの使用者に温水を供給する多様な機器に適用され得る。そして、以下の説明では浄水器を基準として説明するので温水生成部に浄水W2が流入するものとして記述するが、温水生成部に流入する流体の種類はこれに限定されない。すなわち、温水を供給する機器の種類によって温水生成部には浄水W2の代わりに原水W1がすぐに流入してもよい。
【0050】
図5に図示された通り、温水生成部300は浄水W2が収容されるケース部材310と、ケース部材310の内部に浄水W2が流入するようにケース部材310の下部に配置される入水口320と、ケース部材310の内部に収容された浄水W1を加熱するようにケース部材310の側壁312に備えられる加熱部材360と、加熱部材360により加熱した浄水が外部に流出するように加熱部材360の上側に配置される出水口330と、加熱した浄水から気化した蒸気W5が外部に排出されるようにケース部材310の上部に配置される蒸気排出口340およびケース部材310に収容された浄水の温度を感知する温度感知部材350を含む。
【0051】
まず、ケース部材310の内部空間S1、S2は入水口320を通じて流入した浄水W2が収容される収容空間S1と収容空間の上部に配置される捕集空間S2に区画され得る。収容空間S1は
図6に図示された通り、ケース部材310の両側壁312の間に形成された空間であって、内部に前述した加熱部材360が設置され得る。これを通じて、ケース部材310の内部に浄水W2を貯蔵した後に加熱部材360と面接させることによって浄水W2を加熱することができる。
【0052】
そして、通常の温水生成部300が収容空間S1のみを具備しているのに対し、本発明の一実施例に係る浄水器の温水生成部300は収容空間S1の上部に、浄水W2から気化した蒸気が捕集され得る捕集空間S2が備えられる。捕集空間S2は気体状態の蒸気を収容するための空間である点で液体状態の浄水W2を収容するための収容空間S1と区別される。この時、捕集空間S2は
図5に図示された通り、所定の傾斜角を有し、蒸気排出口340側に傾いた傾斜面316を具備することができる。このような傾斜面316は蒸気W5が蒸気排出口340を通じて容易に排出されるようにするためのものであって、気化した状態の蒸気W5が一定の方向性を有して蒸気排出口340側に迅速に移動するように蒸気W5をガイドすることができる。もし、捕集空間S2に傾斜面316が存在しない場合、気体分子の自由運動を考慮した時、ケース部材310の内外部の圧力差によってのみ蒸気が排出されることになるため、蒸気W5の排出が難しくなり得るためである。この時、傾斜面316はケース部材310の内部に貯蔵された浄水W2の水面を基準とする時、25度以内の傾斜角αを有することが好ましい。これは傾斜角αが過度に大きい場合、温水生成部300自体の高さが肥大となるため装置の小型化を阻害する恐れがあることを考慮したものであるが、本発明の発明者は実験を通じて浄水W2から気化する蒸気W5の量と装置の小型化を総合的に考慮した時、最大25度以内の傾斜角が最適の傾斜角であることを導き出すことができた。
【0053】
本発明の一実施例において、収容空間S1と捕集空間S2の区画は
図5に図示された通り、Z方向に沿って延びるケース部材310が蒸気排出口340側に方向を切り替え始めるケース部材310のショルダー314を基準として分かれ得る。すなわち、ケース部材310の両側に配置されたショルダー314の始点を連結した境界線Lによって収容空間S1と捕集空間S2に区画され得る。
【0054】
ケース部材310の下側には外部から浄水W1が流入する入水口320が形成され得る。入水口320は
図6に図示された通り、ケース部材310の側壁312から外側に突出した開口の形態で形成され得、入水口320の外側端部は後述される浄水供給部材370に連結され得る。この時、入水口320を通じて流入する浄水W2の流入および流入する流量の程度は浄水供給部材370の開閉動作によって調節され得るが、これについては後述することにする。
【0055】
収容空間S1と捕集空間S2を区画する境界線L上には加熱した温水W4が外部に排出される出水口330が配置される。すなわち、出水口330の一部は捕集空間S2上に配置され得るが、このように本発明の一実施例に係る温水生成部300は特有の捕集空間S2を具備することによって、従来技術対比出水口330を高さ方向に、より上側に配置させることができる空間的余裕を確保することができる。一方、出水口330も入水口320と同様にケース部材310の側壁312から外側に突出した開口の形態で形成され得、出水口330の外側端部は温水抽出部材380と連結され得る。また、出水口330を通じて排出される温水の流出の有無および流出する流量の程度は、温水抽出部材380に備えられた温水抽出バルブ386の開閉動作によって調節され得るが、これについても後述することにする。
【0056】
本発明の一実施例において、加熱部材360は電力の供給を受けて熱を放出する抵抗体であって、
図5および
図6に図示されたように、ケース部材310の側壁312に沿って延びる板状(plate type)構造で形成されてパッケージング効率を向上させることができ、加熱部材360に供給する電力を調節して加熱容量を変更することができる。この時、加熱部材360はケース部材310の収容空間S1を形成する両側壁312にそれぞれ配置されて互いに対向するように一対が配置され得る。また、加熱部材360は
図5に図示された通り、収容空間S1と捕集空間S2を区画する境界線LとZ方向を基準として所定間隔離隔するように配置され得る。
【0057】
再び
図5および
図6を参照すると、ケース部材310のうち出水口330と隣接した位置には加熱した浄水W2の温度を感知する温度感知部材350が設置され得、前記温度感知部材350は流体の温度により変化する出力値を出力できる公知の温度センサが適用され得る。この時、温度感知部材350は出水口330と隣接した距離に配置されるものの、出水口330の中心から半径20mm以内に配置されることが好ましい。これは温度感知部材350が出水口330から20mm以上離隔して配置される場合、出水口330から過度に遠くなることになって出水直前の温水W4の温度を正確に感知できないためである。そして、温度感知部材350は出水口330と隣接するものの、出水口330の下に配置され得る。ここで温度感知部材350が出水口330の下に配置されるということは、Z軸方向を基準として出水口330の中心より温度感知部材350の最上部が下に配置されることを意味する。したがって、温度感知部材350の最上部は出水口330の中心より下に位置するものの、
図5に図示された通り、出水口330の最下部よりは上に位置してもよく、
図6に図示された通り、出水口330の最下部より下の位置に設置されてもよい。また、温度感知部材350は加熱部材360により損傷を受けないように加熱部材360の上部に配置され得る。すなわち、温度感知部材350は加熱部材360と境界線Lの間に形成された所定の間隔に配置され得る。このように、本発明の一実施例に係る温水生成部300で温度感知部材350を出水口330の下側に配置させることができるのは、前述した通り、出水口330の一部を捕集空間S2上に配置させることによって空間的余裕を確保できるためである。もし、このような空間的余裕がない場合、従来技術のように温度感知部材350を出水口330と並べて同じ高さに配置させざるを得ない問題があるが、この場合、温度感知部材350の正確度を阻害する問題がある。
【0058】
具体的には、ケース部材310の内部で加熱した浄水W2のうち、相対的に高温の浄水は水の対流現象によって上側に移動することになる。このような傾向により、加熱部材360による熱の供給が中断された以後にもケース部材310の上側、すなわち、出水口330と隣接した領域には依然として高温の浄水W2が溜まっていることになり、したがって、もし捕集空間S2がないため出水口330と温度感知部材350を互いに並べて配置した場合、加熱部材360が作動しないためケース部材310内の全体の浄水W2の温度は低くなったにもかかわらず、温度感知部材350は依然として上側に溜まっている高温の浄水W2の温度のみしか感知することができない。その結果、温度感知部材350が感知した温度は全体の浄水W2の温度を反映することができなくなり、もし全体的な浄水W2の温度が低くなって加熱部材360による発熱が必要な場合にも高温の浄水W2が多量存在すると認識して加熱部材360の再加熱を遅らせる問題がある。しかし、本発明の一実施例に係る温水生成部300のように温度感知部材350を出水口330の中心を基準として下側に配置する場合、加熱部材360による熱の供給により時々刻々変化する浄水W2の温度をより敏感に感知することができる。
【0059】
例えば、
図7を参照すると、出水口330と温度感知部材350が互いに並んで配置される場合(A)、加熱部材360による熱の供給が中断された後(図面で、12秒と13秒の間)にも依然として出水前の浄水W2の温度を90度以上の高温に認識することになる。これに対し、本発明の一実施例に係る温水生成部300のように出水口330の下側に温度感知部材350が配置される場合(B)、加熱部材360による熱の供給が中断されると即刻に温度の下降を感知することができ、これに伴い、加熱部材360が速かに再加熱に突入することになるため、よりはやく高温の浄水W2を使用者に供給することができる。
【0060】
本発明の一実施例において、ケース部材310の最上側部、すなわち、捕集空間S2の最上側部には蒸気がケース部材310の外部に排出され得る蒸気排出口340が配置される。蒸気排出口340は後述される蒸気排出部材390と連結され得るが、これについては該当する部分を通じて詳しく記述する。このように、本発明の一実施例に係る温水生成部300はケース部材310の一側に出水口330とは別途に蒸気排出口340を具備することによって、蒸気W5が除去された状態の温水W4のみを出水口330を通じて排出させることができ、特に傾斜面316を具備する捕集空間S2を通じてより容易に蒸気を排出させることができるが、これは
図1を通じて詳察した通り、蒸気W5が含まれた状態の温水W4を出水口330を通じて排出させる従来技術と区別される。
【0061】
再び
図3を参照すると、本発明の一実施例において、ケース部材310に関連した流体W1、W2、W4およびW5が流出/流入する入水口320、出水口330および蒸気排出口340はそれぞれ浄水供給部材(370、浄水の代わりに原水を供給する場合、浄水供給部材は原水供給部材と称してもよい)、温水抽出部材380および蒸気排出部材390と連結される。この時、浄水供給部材370、温水抽出部材380および蒸気排出部材390はいずれも内部に流体が移動され得る中空を含む管状部材であって、一例として可撓性の管で形成され得る。具体的には、浄水供給部材370は一端部が入水口320に連結され他端部が浄水供給部(260、浄水の代わりに原水を供給する場合、浄水供給部は原水供給部と称してもよい)に連結されて入水口320と浄水供給部260の間を流体連通させる。これと類似するように、温水抽出部材380は一端部が出水口330に連結され他端部が抽出部600に連結されて温水W4を使用者に供給する経路として機能し、蒸気排出部材390は一端部が蒸気排出口340に連結され他端部が退水部700に連結されてケース部材310から排出された蒸気W5が退水部700側に移動して外部に排出される経路として機能する。そして、浄水供給部材370、温水抽出部材380および蒸気排出部材390は、一部にそれぞれ流体の移動を許容または遮断できるバルブ376、386および396を具備する。浄水供給部材370に備えられた浄水供給バルブ(376、浄水の代わりに原水を供給する場合、浄水供給バルブは原水供給バルブと称してもよい)はケース部材310側に流入する浄水の移動を制御し、温水抽出部材380に備えられた温水抽出バルブ386はケース部材310から流出する温水W4の移動を制御でき、蒸気排出部材390に備えられた蒸気排出バルブ396はケース部材310から流出する蒸気W5の移動を制御することができる。
【0062】
図8は本発明の一実施例に係る温水生成部を含む浄水器の制御部(または温水生成装置の制御部材)が各構成を順次制御することを図示したフローチャートであり、
図9は本発明の一実施例に係る温水生成部の流体の流出/流入状態により温水生成部に含まれたそれぞれのバルブの開閉状態を図示した表である。因みに、本明細書において、制御部は後述される制御部材を含む構成であり、図面では簡略化のために制御部と制御部材を同じ図面番号を利用して表記したし、制御部は制御部材と同じ機能を遂行できることを明らかにしておく。
【0063】
本発明の一実施例に係る温水生成部300は、前述した浄水供給バルブ376、温水抽出バルブ386および蒸気排出バルブ396の開閉を統合的に制御できる制御部材400を含む。ここで、複数のバルブ376、386および396を統合的に制御するとは、温水生成部300に関連した流体の流出/流入を調節するために、単にいずれか一つのバルブの開閉のみを考慮するものではなく、複数のバルブ376、386および396間の相互の影響関係をすべて考慮して複数のバルブ376、386および396を制御することを意味する。
【0064】
以下、図面を参照して、制御部(または制御部材)が各構成を制御する過程をより具体的に詳察する。まず、
図8および
図9を参照すると、使用者が最初に温水抽出ボタンを押すと(S101)温水出水信号が印加され、これに伴い、制御部400は温水生成部300の浄水供給バルブ376と温水抽出バルブ386を閉鎖させ、蒸気排出バルブ396のみ開放させる第1状態P1に制御し、加熱部材360に電力を供給してケース部材310の内部に貯蔵されていた浄水を加熱する(S102)。これを通じて、加熱初期に生成される蒸気が捕集空間S2を経由して蒸気排出口340を通じて退水部700側に排出され得る。その後、制御部400は温水生成部300の温度感知部材350から受信された温度情報に基づいて判断して(S103)浄水W2の温度が所定温度(T、例えば83度)以上である場合、
図9に図示された通り、第1状態P1から浄水供給バルブ376が開放される第2状態P2になるように温水生成部300を制御する(S105)。このとき、制御部400が浄水供給バルブ376を開放して収容空間S1側に浄水W1が供給されるようにするのは、これを通じて捕集空間S2に瞬間的に圧力を加えて蒸気W5がより効果的に流出するようにするためである。その結果、本発明の一実施例に係る温水生成部300は、本格的な温水W4の出水に先立ってより効果的に蒸気W5を除去することができる。しかし、制御部400は、もし浄水W2の温度が所定温度T未満である場合にも、加熱部材360による加熱時間が臨界時間t以上であるかどうかを判断して(S104)、加熱時間が臨界時間t以上であれば、浄水W1の温度が所定温度Tに到達していないにもかかわらず温水生成部300が前述した第2状態P2となるように浄水供給バルブ376を開放させる(S105)。これは温水出水に所要する時間が過度に遅延する場合、使用者に不便を引き起こし得るためである。これを通じて、本発明の一実施例に係る温水生成部300は予期しない状況に対して柔軟に対処することによって、使用者により満足な使用経験を提供することができる。次に、制御部400は第2状態P2を所定時間、例えば0.5秒間維持させた後に第2状態P2から開放されていた蒸気排出バルブ396を閉鎖させ(S106)、同時に温水抽出バルブ386を開放させる第3状態P3となるように制御する(S107)。このように、温水W4出水時に蒸気排出バルブ396を閉鎖させるのは、温水が排出されるようにケース部材310の内部に圧力が形成されることによって、同時に蒸気排出バルブ396を通じて温水W4の一部が流出することを防止するためである。これを通じて、本発明の一実施例に係る温水生成部300は蒸気排出口340の導入により発生し得る温水W4の損失を最小化することができる。
【0065】
しかし、前述した最初出水後に温水抽出バルブ386が開放された状態で温水W4が連続的に出水される間蒸気排出バルブ396は継続的に閉鎖された状態を維持するものではなく、所定のインターバルごとに短い時間瞬間的に開放されてから再び閉鎖される作動を繰り返すことができる(S108)。一例として、連続出水時に蒸気排出バルブ396は4秒間隔で0.2秒の間開放されてから閉鎖される作動を繰り返すことができる。これを通じて、本発明の一実施例に係る温水生成部300は一定の圧力に到達するように蒸気W5を捕集した後、一時的に蒸気W5を排出させることによって効果的に蒸気W5を排出させることができる。その後、使用者によって温水出水停止信号が印加されると、制御部400は加熱部材360の稼動を停止させることによってケース部材310の内部の浄水W1に対する加熱を停止させる(S109)。そして、制御部400は温水抽出バルブ386を閉鎖状態に切り替えるものの、ケース部材310の内部の残存蒸気を最終的に排出させるために蒸気排出バルブ396は開放させる(S110)。蒸気排出バルブ396を開放させて定められた時間が経過した後には浄水供給バルブ376も閉鎖させることによって、それ以上の浄水の供給を遮断させる(S111)。このように、浄水供給バルブ376を温水抽出バルブ386より遅く閉鎖させるのは、瞬間的に浄水W2の供給を持続させることによって収容空間S1および捕集空間S2に圧力を形成して蒸気W5をより効果的に排出させるためである。
【0066】
詳察した通り、本発明に係る温水生成装置300は、ケース部材の内部に浄水が収容される収容空間の上部に配置され所定の傾斜角を有して傾いた傾斜面を具備する捕集空間S2を導入するとともに、前記捕集空間S2の上部に温水出水口とは別途に蒸気が排出され得る蒸気排出口を配置して温水を外部に排出させる前に蒸気が傾斜面に沿って蒸気排出口を通じて除去されることになるため、蒸気が含まれていない温水を出水させることができる。これを通じて、本発明に係る温水生成装置300は重力方向に沿って直線形態の規則的な温水の流れを形成することによって、使用者の安全性を確保し美感を向上させて使用者の満足度を向上することができる。また、本発明の一実施例に係る温水生成装置300は、捕集空間S2の導入を通じて確保された空間的余裕を利用して出水口330の一部を捕集空間S2上に配置させることによって、温度感知部材350を出水口330の下側に配置することができ、これを通じて温度感知部材350のセンシング正確度を向上させることができる。そして、本発明の一実施例に係る温水生成装置300は、前記温水生成装置300に関連した流体の流出/流入を統制する複数のバルブ376、386および396を順序により統合的に制御することによって、蒸気W5をより効果的に排出させることができながらも、蒸気排出口340を通じての温水W4の損失を最小化することができる。
【0067】
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明の思想は本明細書に提示される実施例に制限されず、本発明の思想を理解する当業者は同じ思想の範囲内で、構成要素の付加、変更、削除、追加などによって他の実施例を容易に提案できるであろうが、これも本発明の思想範囲内に入るものと言える。