(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-27
(45)【発行日】2025-07-07
(54)【発明の名称】プログラム及びシステム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/56 20140101AFI20250630BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20250630BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20250630BHJP
【FI】
A63F13/56
A63F13/69
A63F13/53
(21)【出願番号】P 2024146641
(22)【出願日】2024-08-28
【審査請求日】2024-12-13
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2023年11月30日 クローズトベータテストを通じて発表 他
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】509070463
【氏名又は名称】株式会社コロプラ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久保 典弘
(72)【発明者】
【氏名】山内 康裕
(72)【発明者】
【氏名】▲吉▼谷 遼
(72)【発明者】
【氏名】薮 智仁
(72)【発明者】
【氏名】大山 源
(72)【発明者】
【氏名】古山 恵介
(72)【発明者】
【氏名】松浦 寿弘
【審査官】赤坂 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-136516(JP,A)
【文献】特開2016-182162(JP,A)
【文献】国際公開第2020/067542(WO,A1)
【文献】特開2018-057853(JP,A)
【文献】特開2013-202132(JP,A)
【文献】特許第7504277(JP,B1)
【文献】[バルダーズゲート3]マルチプレイのやり方|オンライン・オフライン,ワイトのゲーム案内所 [online],2023年12月21日,URL: <https://gameannaijo.com/baldursgate3_mulchplay/>,[令和7年2月20日検索日]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98、9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
仮想空間に配置されたオブジェクトを複数のユーザが探索するゲームにおいて、第2ユーザよりも先に第1ユーザがオブジェクト
を探索する操作
を行
うことによって前記オブジェクトを発見した場合、前記オブジェクトを含む所定の範囲内で行われた前
記第2ユーザの
前記操作を制限する制御手段
として機能させ
、
前記オブジェクトは、前記操作が複数回行われることによって取得される、プログラム。
【請求項2】
前記第2ユーザの前
記操作は、前記第1ユーザの前
記操作が行われた後の所定の期間内に行われた場合に制限される、請求項1記載のプログラム。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記オブジェクトに対する
前記第1ユーザの
前記操作が行われた場合、前記オブジェクトに対する所定の動作を行うように前記仮想空間に配置されている前記第1ユーザのキャラクタを制御し、
前記第1ユーザのキャラクタが前記オブジェクトから所定の範囲内に存在するときに前記第2ユーザの前
記操作が行われた場合、前記第2ユーザの前
記操作を制限し、
前記第1ユーザのキャラクタが前記オブジェクトから所定の範囲外に移動した後に前記第2ユーザの前
記操作が行われた場合、前記オブジェクトに対する前記所定の動作を行うように前記仮想空間に配置されている前記第2ユーザのキャラクタを制御する
請求項1記載のプログラム。
【請求項4】
前記制御手段は、前記第2ユーザの前
記操作を制限する場合に通知を出力する、請求項1記載のプログラム。
【請求項5】
前記オブジェクトは、前記第2ユーザに対して表示されない、請求項
1記載のプログラム。
【請求項6】
前記制御手段は、前記第2ユーザの前
記操作を制限する代わりに、前記第2ユーザの前
記操作に応じた報酬を前記第2ユーザに付与しない、請求項
1記載のプログラム。
【請求項7】
前記制御手段は、前記オブジェクトの周辺に前記第1ユーザを示すユーザ情報を表示する、請求項
1記載のプログラム。
【請求項8】
仮想空間に配置されたオブジェクトを複数のユーザが探索するゲームにおいて、第2ユーザよりも先に第1ユーザがオブジェクト
を探索する操作
を行
うことによって前記オブジェクトを発見した場合、前記オブジェクトを含む所定の範囲内で行われた前
記第2ユーザの
前記操作を制限する制御手段
を具備
し、
前記オブジェクトは、前記操作が複数回行われることによって取得されるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、ユーザが利用することが可能なサービスにおいて、当該ユーザが取得したオブジェクトを取引することが行われている。
【0003】
しかしながら、上記した取引の対象となるオブジェクトを適切に取得することができない場合には、サービスを利用するユーザの興趣性が低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の目的は、ユーザの興趣性の低下を抑制することが可能なプログラム及びシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの態様によれば、コンピュータを、仮想空間に配置されたオブジェクトを複数のユーザが探索するゲームにおいて、第2ユーザよりも先に第1ユーザがオブジェクトを探索する操作を行うことによって前記オブジェクトを発見した場合、前記オブジェクトを含む所定の範囲内で行われた前記第2ユーザの前記操作を制限する制御手段として機能させ、前記オブジェクトは、前記操作が複数回行われることによって取得されるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、ユーザの興趣性の低下を抑制することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係るゲームシステムの構成の一例を示す図。
【
図2】ユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図。
【
図3】サーバ装置のハードウェア構成の一例を示す図。
【
図6】ゲームシステムの処理手順の一例を示すフローチャート。
【
図9】掘削動作が制限されていない場合の採掘画面の一例を示す図。
【
図10】掘削動作が制限されている場合の採掘画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るゲームシステムの構成の一例を示す。
図1に示すゲームシステム1は、例えばオンラインでユーザがゲームをプレイすることを実現するように構成されており、ユーザ端末(端末装置)10及びサーバ装置20を備える。
【0010】
ユーザ端末10は、例えばユーザによって使用される電子機器である。本実施形態においてはユーザ端末10が例えばパーソナルコンピュータ(PC)であるような場合を想定しているが、当該ユーザ端末10は、スマートフォン、タブレット端末及びビデオゲーム機のような他の電子機器であってもよい。
【0011】
サーバ装置20は、ユーザ端末10を使用してユーザがゲームをプレイすることを実現するために設けられており、インターネットのようなネットワーク30を介して、ユーザ端末10と通信可能に接続されている。
【0012】
なお、
図1においては1つのユーザ端末10のみが示されているが、ゲームシステム1は、ゲームをプレイすることが可能な複数のユーザによって使用される複数のユーザ端末10を備えているものとする。
【0013】
更に、本実施形態に係るゲームシステム1において、ユーザ端末10及びサーバ装置20は、ネットワーク30を介して、ブロックチェーンシステム40と通信可能に接続されている。
【0014】
ブロックチェーンシステム40は図示しない複数のノード装置を備えており、各ノード装置は、分散型台帳を有する。各ノード装置は、分散型台帳において同一のデータを記憶するように構成されている。詳細については後述するが、本実施形態においては、ブロックチェーンシステム40の各ノード装置が有する分散型台帳によって実現されるブロックチェーン上でユーザが保有する資産等が管理される。
【0015】
図2は、
図1に示すユーザ端末10のハードウェア構成の一例を示す。
図2に示すように、ユーザ端末10は、不揮発性メモリ11、CPU12、メインメモリ13、通信デバイス14、入力デバイス15及び表示デバイス16等を備える。
【0016】
不揮発性メモリ11は、各種プログラムを格納する。不揮発性メモリ11に格納されている各種プログラムには、例えばオペレーティングシステム(OS)及びユーザ端末10上で動作する各種アプリケーションプログラム等が含まれる。
【0017】
CPU12は、ユーザ端末10内の様々なコンポーネントの動作を制御するためのプロセッサであり、例えば不揮発性メモリ11に格納されている各種プログラムを実行する。CPU12は、単一のプロセッサであってもよいし、複数のプロセッサから構成されていてもよい。
【0018】
なお、不揮発性メモリ11に格納されている各種プログラムは当該不揮発性メモリ11からメインメモリ13にロードされてCPU12によって実行されるが、当該CPU12によって実行されるプログラムには、ゲームシステム1においてユーザ端末として動作するためのゲームプログラムが含まれる。
【0019】
通信デバイス14は、サーバ装置20やブロックチェーンシステム40を構成する複数のノード装置のような外部装置との通信を実行するためのデバイスである。
【0020】
入力デバイス15は、ゲームをプレイするためにユーザによって行われた操作を入力するためのデバイスであり、例えばマウス及びキーボード等を含む。
【0021】
表示デバイス16は、ゲームをプレイするための各種画面を表示するためのデバイスであり、例えば液晶ディスプレイ等を含む。
【0022】
図3は、
図1に示すサーバ装置20のハードウェア構成の一例を示す。
図3に示すように、サーバ装置20は、不揮発性メモリ21、CPU22、メインメモリ23及び通信デバイス24等を備える。
【0023】
不揮発性メモリ21は、各種プログラムを格納する。不揮発性メモリ21に格納されている各種プログラムには、例えばオペレーティングシステム(OS)及びサーバ装置20上で動作する各種アプリケーションプログラム等が含まれる。
【0024】
CPU22は、サーバ装置20内の様々なコンポーネントの動作を制御するためのプロセッサであり、例えば不揮発性メモリ21に格納されている各種プログラムを実行する。CPU22は、単一のプロセッサであってもよいし、複数のプロセッサから構成されていてもよい。
【0025】
なお、不揮発性メモリ21に格納されている各種プログラムは当該不揮発性メモリ21からメインメモリ23にロードされたCPU22によって実行されるが、当該CPU22によって実行されるプログラムには、ゲームシステム1においてサーバ装置として動作するためのゲームプログラムが含まれる。
【0026】
通信デバイス24は、ユーザ端末10やブロックチェーンシステム40を構成する複数のノード装置のような外部装置との通信を実行するためのデバイスである。
【0027】
なお、ここではユーザ端末10及びサーバ装置20のハードウェア構成について説明したが、上記したブロックチェーンシステム40を構成する各ノード装置も同様のハードウェア構成を有するものとする。具体的には、各ノード装置は、例えば不揮発性メモリ、CPU、メインメモリ及び通信デバイス等を備えていればよい。
【0028】
以下、本実施形態に係るゲームシステム1の機能構成について説明する。本実施形態に係るゲームシステム1は、例えばユーザ端末10、サーバ装置20及びブロックチェーンシステム40が協働して動作することにより、ユーザがゲームをプレイすることを実現する機能を有する。
【0029】
図4は、ユーザ端末10の機能構成の一例を示す。
図4に示すように、ユーザ端末10は、操作受付部101、送受信部102、制御部103、表示処理部104及び格納部105を含む。
【0030】
なお、
図4に示す操作受付部101、送受信部102、制御部103及び表示処理部104は、例えばユーザ端末10が備えるCPU12が上記したゲームプログラムを実行すること、すなわち、ソフトウェアによって実現される機能部である。このゲームプログラムは、例えばネットワーク30を介してユーザ端末10にダウンロードされてもよいし、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に予め格納して頒布されてもよい。なお、CPU12は、ゲームプログラムを実行するユーザ端末10のコンピュータの一例である。
【0031】
また、
図4に示す格納部105は、
図2に示す不揮発性メモリ11又はその他の記憶装置(図示せず)等によって実現される。
【0032】
操作受付部101は、ゲームをプレイする際に入力デバイス15を用いてユーザによって入力される操作を受け付ける。以下、操作受付部101によって受け付けられる操作を、便宜的に、ユーザの操作と称する。ユーザの操作には、例えばマウスをクリックする操作やキーボードが備えるキーを押下する操作等が含まれる。
【0033】
送受信部102は、上記した通信デバイス14を介して、ゲームに関する各種情報を送信又は受信する。各種情報には、プレイ情報、ゲーム情報及びユーザ情報等が含まれる。プレイ情報には、上記したユーザの操作を示す情報等が含まれる。
【0034】
制御部103は、例えばユーザの操作に基づいて、ゲームの進行に関する各種処理を実行する。
【0035】
表示処理部104は、制御部103の制御に従って、ゲームをプレイするための各種画面を表示する処理を実行する。
【0036】
格納部105は、例えばゲーム情報及びユーザ情報を格納する。ゲーム情報及びユーザ情報は、ユーザ端末10においてゲームプログラムが実行される際に参照される情報である。
【0037】
ゲームシステム1においてはゲームをプレイするユーザ毎にアカウントが発行されているが、ゲーム情報は、当該アカウント間で共通の情報である。ゲーム情報は、例えばゲーム空間に相当する仮想空間を規定するための情報を含む。また、ゲーム情報は、例えば仮想空間内に配置されるキャラクタ、建物、木、石及びアイテム等の各種オブジェクトの位置や設定値に関する情報(以下、オブジェクトの設定情報と表記)を含む。なお、キャラクタは、ユーザが操作することが可能であり、以下の説明ではプレイヤキャラクタと称する。
【0038】
ユーザ情報はユーザのアカウント毎に管理される情報であり、格納部105には、ユーザ端末10を使用するユーザのユーザ情報が格納される。ユーザ情報は、例えばプレイヤキャラクタに関する情報、保有資産に関する情報及びゲームの進行度を示す情報等を含む。保有資産は、ゲームをプレイすることによってユーザが取得した資産に相当する。資産の一例としては、電子通貨、トークン、アイテム及びキャラクタ等が挙げられる。電子通貨は、例えば仮想通貨(換言すると、暗号資産)や、ゲーム内で使用することが可能な通貨等を含む。
【0039】
図5は、サーバ装置20の機能構成の一例を示す。
図5に示すように、サーバ装置20は、格納部201、送受信部202、制御部203及び管理部204を含む。
【0040】
なお、
図5に示す格納部201は、
図3に示す不揮発性メモリ21又はその他の記憶装置(図示せず)等によって実現される。
【0041】
また、
図5に示す送受信部202、制御部203及び管理部204は、例えばサーバ装置20が備えるCPU22が上記したゲームプログラムを実行すること、すなわち、ソフトウェアによって実現される機能部である。このゲームプログラムは、例えばネットワーク30を介してサーバ装置20にダウンロードされてもよいし、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に予め格納して頒布されてもよい。なお、CPU22は、ゲームプログラムを実行するサーバ装置20のコンピュータの一例である。
【0042】
格納部201は、上記したユーザ端末10に含まれる格納部105に格納されているゲーム情報と同様のゲーム情報を格納する。また、格納部201は、ゲームシステム1に登録することによってアカウントが発行されている全ユーザのユーザ情報を格納する。
【0043】
送受信部202は、上記した通信デバイス24を介して、ゲームに関する各種情報を送信又は受信する。各種情報には、上記したプレイ情報、ゲーム情報及びユーザ情報等が含まれる。
【0044】
制御部203は、ゲームをプレイするゲームプレイ環境を提供する(例えば、ユーザによるゲームのプレイを実現する)ための様々な処理を実行する。具体的には、制御部203は、ゲーム情報に含まれる仮想空間を規定するための情報に基づいて、ゲームをプレイするユーザに仮想空間を提供する。制御部203は、ゲーム情報に含まれるオブジェクトの設定情報に基づいて、仮想空間にオブジェクトを配置する。制御部203は、仮想空間に配置されたオブジェクトを制御する。
【0045】
管理部204は、格納部201に格納されているゲーム情報及びユーザ情報を管理する。具体的には、管理部204は、ゲーム情報及びユーザ情報の追加、更新及び削除等の処理を実行する。また、管理部204は、ブロックチェーンシステム40と連携することによって、ユーザの保有資産をブロックチェーン上で管理する。
【0046】
なお、本実施形態における「ゲームプレイ環境の提供」は、ゲームシステム1において動作するゲームプログラムにより実現されるものとする。ゲームシステム1において動作するゲームプログラムには例えばユーザ端末10上で動作するゲームプログラム及びサーバ装置20上で動作するゲームプログラムが含まれるが、本実施形態に係るゲームプログラムは、これらのゲームプログラムの一部であってもよい。
【0047】
ここではユーザ端末10及びサーバ装置20の機能構成について説明したが、以下、ブロックチェーンシステム40を構成するノード装置の機能構成について簡単に説明する。なお、サーバ装置20は、ブロックチェーンシステム40を構成する複数のノード装置の一部として動作してもよい。
【0048】
ノード装置は、ユーザ端末10又はサーバ装置20から送信されるユーザの保有資産に関する情報に基づいて、当該保有資産を分散型台帳に登録する。また、ノード装置は、ユーザ端末10又はサーバ装置20から送信されるユーザの保有資産の取引に関する情報に基づいて、当該取引の履歴を分散型台帳に登録する。
【0049】
なお、分散型台帳においては、ハッシュ値及びトランザクションを含む複数のブロックが管理される。ハッシュ値は1つ前のブロックに含まれる情報から算出され、分散型台帳には、当該ハッシュ値により各ブロックがチェーンのように繋がった状態で保有資産や取引の履歴等が登録される。トランザクションは、例えば保有資産の取引内容を示す情報であり、当該取引における移譲元を示すインプット情報と移譲先を示すアウトプット情報とを含む。
【0050】
ブロックチェーンシステム40は、このように分散型台帳にブロックと称される単位で情報を格納し、当該ブロックを繋げて管理することによって、高い改ざん耐性を有するブロックチェーンを実現し、上記した保有資産及び当該保有資産の取引の履歴を当該ブロックチェーン上で管理することを可能とする。この場合、ユーザ端末10又はサーバ装置20は、ブロックチェーンシステム40の分散台帳の内容を元に各自の保有資産情報を保持する形となる。
【0051】
なお、本実施形態に係るゲームシステム1においては、例えばユーザ端末10が有する機能の少なくとも一部をサーバ装置20又はブロックチェーンシステム40が有していてもよいし、サーバ装置20が有する機能の少なくとも一部をユーザ端末10又はブロックチェーンシステム40が有していてもよい。更に、ゲームシステム1は、ユーザ端末10、サーバ装置20及びブロックチェーンシステム40以外の他の装置を備えていてもよい。すなわち、本実施形態に係るゲームプログラムは、ユーザ端末10、サーバ装置20、ブロックチェーンシステム40又は他の装置において実行され得る。
【0052】
ここで、本実施形態においてユーザがプレイすることができるゲームの概要について説明する。なお、本実施形態におけるゲームは、例えばブロックチェーンシステム40を利用したゲーム(以下、ブロックチェーンゲームと表記)である。
【0053】
本実施形態における仮想空間は例えば鉱山のような空間を含み、ブロックチェーンゲームは、ユーザのプレイヤキャラクタが当該鉱山において採掘を行うゲームであるものとする。このようなブロックチェーンゲームにおいては、例えば鉱山において採掘を行うことによってユーザによって取得されたアイテム(換言すれば、鉱山においてユーザが採掘したアイテム)が当該ユーザの保有資産としてブロックチェーン上で管理されるとともに、当該保有資産が他のユーザとの間で取引されるようなことが可能である。
【0054】
上記したブロックチェーンゲームには、当該ブロックチェーンゲームをプレイする複数のユーザ(具体的には、全ユーザ)の間で共通のマップが用意されている。マップには、複数の鉱山が配置されている。
【0055】
ユーザの操作に基づいてユーザ端末10にマップが表示された場合、当該ユーザは、当該表示されたマップにおいて当該ユーザが採掘を行う鉱山を取得又は選択する。なお、本実施形態において「鉱山を取得する」とは、「特定の鉱山において採掘を行う権利を取得する」と言い換えることができる。ただし、ユーザは、鉱山を取得することなく、他のユーザが取得した鉱山において採掘を行うことができてもよい。
【0056】
ところで、ブロックチェーンゲームにおいては、当該ゲームをプレイするために必要なアイテムとして、鉱山における採掘に使用されるアイテムAが用意されている。換言すれば、採掘を行うためには、ユーザは、アイテムAを使用する必要がある。アイテムAは、例えば採掘を行うためのつるはしである。つるはしは、ピッケルとも称されてもよい。なお、つるはしを保有していないユーザは、鉱山を取得することができないようにしてもよい。
【0057】
ここで、ブロックチェーンゲームにおいては、特性の異なる複数種類のつるはしが用意されている。また、つるはしは、NFT(Non-Fungible Token)化された状態を取り得るアイテムとなっている。「つるはしがNFT化された状態」とは、当該つるはしがユニークなものであることを証明する情報がブロックチェーン上で管理されている状態を意味する。換言すると、「つるはしがNFT化された状態」とは、当該つるはしに対応するNFTが発行され、当該発行されたNFTがブロックチェーン上で管理されている状態を意味する。以下の説明では、対応するNFTが発行されたアイテム等のデジタル資産を単にNFTと称する場合がある。
【0058】
なお、本実施形態におけるつるはしのNFT化は、例えばブロックチェーンゲームの運営者によって行われ、ユーザは行うことができないものとする。ただし、つるはしのNFT化をユーザが行うようにしてもよい。
【0059】
また、本実施形態におけるブロックチェーンゲームにおいて、ユーザは、採掘によりアイテムB及びCを取得することができる。詳細については後述するが、例えば、アイテムBはNFT化された状態を取り得るアイテムであり、アイテムCは所定のトークンとの交換が可能なアイテムである。以下の説明においては、アイテムCと交換されるトークンを、特定トークンと称する。
【0060】
アイテムBは、複数種類存在し、コレクション要素のあるアイテムとなっている。具体的には、アイテムBは、ユーザが収集する宝石である。一方、アイテムCは、宝石とは異なる鉱物(以下、輝石と表記)である。すなわち、ブロックチェーンゲームは、つるはしを使用して鉱山において採掘を行い、宝石や輝石を取得するというゲーム性を有している。
【0061】
また、輝石と交換することによって取得可能な特定トークンは、暗号資産(例えば、仮想通貨)に相当する。ブロックチェーンゲームにおいて、特定トークンは、後述するつるはしの耐久値の回復、当該つるはしの強化及び宝石のNFT化等に用いられる。
【0062】
なお、NFT化されているか否かにかかわらず、各ユーザが保有するつるはし、宝石及び輝石等の資産は、ブロックチェーン上で管理されてもよい。
【0063】
以下、本実施形態におけるブロックチェーンゲームにおける資産の取得及び消費の流れについて簡単に説明する。
【0064】
上記したようにブロックチェーンゲームにおいて採掘を行うためには、ユーザはつるはしを使用する必要がある。本実施形態において、ユーザは、ブロックチェーンゲーム内外のマーケットプレイスで特定トークンを消費することによってつるはしを購入することができる。
【0065】
上記したようにつるはしを購入したユーザは、当該つるはしを使用して鉱山において採掘を行う。採掘では、宝石及び輝石を含む複数種類のアイテムを取得することができる。
【0066】
ユーザによって取得された宝石は、所定の条件を満たすことでNFT化が可能である。すなわち、本実施形態において、宝石に対応するNFTを発行し、当該発行されたNFTがブロックチェーン上で管理される。宝石のNFT化は、自動的に行われてもよいし、ユーザの指示に基づいて行われてもよい。なお、宝石のNFT化には、例えば所定量の特定トークンの消費を要するものとする。
【0067】
また、宝石は、NFT化することによってブロックチェーンゲーム外に持ち出し、当該ブロックチェーンゲーム外のマーケットプレイスで取引(例えば、売買)することが可能である。換言すれば、宝石のようなアイテムのNFT化は、当該アイテムをブロックチェーンゲーム外に持ち出すことを可能にすることに相当する。なお、宝石は、NFT化されているか否かにかかわらず、所定のマーケットプレイスで取引されてもよい。
【0068】
ユーザによって取得された輝石は、上記したように特定トークンと交換することが可能である。なお、輝石と特定トークンとの交換は、自動的に行われるものとする。具体的には、ユーザが保有している全ての輝石は、予め定められた時間に特定トークンと交換されてもよいし、採掘を終了したタイミング等に特定トークンと交換されてもよい。また、輝石と特定トークンとの交換は、ユーザの指示に基づいて行われてもよい。
【0069】
なお、本実施形態においては、鉱山において行われる採掘により取得された輝石が特定トークンと交換される場合を想定しているが、当該採掘により特定トークンが直接取得されてもよい。
【0070】
また、ここでは輝石が特定トークンと交換可能であるものとして説明したが、宝石を特定トークンと交換することができるようにしてもよい。換言すれば、宝石は、NFT化することができるとともに、特定トークンと交換することが可能なアイテムであってもよい。宝石と特定トークンとの交換は、NFT化前とNFT化後とのいずれか一方で行うことができてもよいし、NFT化前とNFT化後との両方で行うことができてもよい。
【0071】
なお、本実施形態における特定トークンは、ブロックチェーン上で管理される仮想通貨に相当する。特定トークンは、所定の取引所で他の暗号資産と交換することが可能なトークンであってもよい。また、特定トークンは、ブロックチェーンゲームに係る独自トークンであって、発行上限が設定されたトークンであってもよく、ブロックチェーンゲーム外で使用可能な仮想通貨等であってもよい。
【0072】
以下、
図6のフローチャートを参照して、本実施形態に係るゲームシステム1の処理手順の一例について説明する。
【0073】
なお、本実施形態においてユーザが採掘を行うためには、当該ユーザがつるはしを使用する必要があると説明したが、当該ユーザが使用するつるはしは、当該ユーザが保有しているつるはしであってもよいし、他のユーザが保有しているつるはしであってもよい。換言すれば、例えばつるはしを保有しているユーザは、当該つるはしを使用して採掘を行うことが可能であるし、当該つるはしを他のユーザに貸与して採掘を依頼することも可能である。一方、例えばつるはしを保有していないユーザは、当該つるはしを購入することなく、つるはしを他のユーザから一時的に借り受けて採掘を行うことが可能である。
【0074】
本実施形態においては、つるはしを保有しており、他のユーザに当該つるはしを貸与することができるユーザをオーナーと称する。一方、オーナーからつるはしを借りて採掘を行うユーザをスカラーと称する。なお、スカラーがオーナーからつるはしを借りて採掘を行う場合、当該スカラーは、オーナーが取得した鉱山において採掘を行うことになる。
【0075】
まず、例えばブロックチェーンゲームを開始するためにゲームプログラムがユーザ端末10において起動された場合には、ホーム画面が当該ユーザ端末10に表示される(ステップS1)。
【0076】
ここで、
図7は、ホーム画面の一例を示す。
図7に示すように、ホーム画面110には、複数のボタン110a~110iが配置されている。
【0077】
ボタン110aは、鉱山の取得や管理を行うための画面(例えば、上記したマップ等)を表示することができるボタンである。
【0078】
ボタン110bは、ユーザが採掘を行うことによって取得した宝石(換言すれば、ユーザがブロックチェーンゲームにおいて獲得した宝石)を確認するための画面を表示することができるボタンである。
【0079】
ところで、本実施形態において採掘に使用されるつるはしには耐久値が設定されており、当該耐久値は、当該つるはしが採掘に使用されるに従って低下する。耐久値が所定値(例えば、0)に達するとつるはしが使用できない状態になる。更に、つるはしにはレベル又はランクが設定されている。このようなつるはしのレベル又はランクを上昇させて当該つるはしを強化すると、例えば宝石や輝石の採掘のしやすさに影響するパラメータが変化し、当該採掘の効率が上昇する。ボタン110cは、このようなつるはしの耐久値の回復や当該つるはしの強化を行うための画面を表示することができるボタンである。なお、つるはしの耐久値の回復や強化は、例えば所定量の特定トークンを消費することによって行うことができる。
【0080】
ボタン110dは、例えばユーザがオーナーである場合に、採掘を依頼するスカラーを募集するための画面を表示することができるボタンである。
【0081】
ボタン110eは、所定のマーケットプレイスにおいて宝石を売買するための画面を表示することができるボタンである。
【0082】
ボタン110fは、所定のマーケットプレイスにおいてつるはしを売買するための画面を表示することができるボタンである。
【0083】
ボタン110gは、ブロックチェーンゲーム内で採掘された宝石の情報を検索するための画面を表示することができるボタンである。
【0084】
ボタン110hは、特定トークンやNFT等の資産を管理するための画面を表示することができるボタンである。
【0085】
上記したボタン110a~110hを押下する操作が行われると、ホーム画面110から当該ボタンに対応する画面に遷移するが、ボタン110iは、当該画面からホーム画面110に戻るために用意されている。
【0086】
ところで、ホーム画面110には、採掘の開始を指示するための第1採掘開始ボタン111及び第2採掘開始ボタン112が更に配置されている。
【0087】
第1採掘開始ボタン111は、ユーザがオーナーとして採掘を行うためのボタンである。第1採掘開始ボタン111を押下する操作が行われた場合、ユーザは、当該ユーザが保有しているつるはしを使用した採掘を開始する。なお、第1採掘開始ボタン111は、オーナーとして採掘を行うためのボタンであるため、例えばユーザがつるはしを保有していない場合には押下することができないようになっていてもよい。
【0088】
第2採掘開始ボタン112は、ユーザがスカラーとして採掘を行うためのボタンである。第2採掘開始ボタン112を押下する操作が行われた場合、ユーザは、他のユーザであるオーナーが保有するつるはしを借りて採掘を開始する。
【0089】
なお、ここでは
図7を参照してホーム画面について説明したが、当該
図7に示すホーム画面110は一例であり、本実施形態におけるホーム画面は当該
図7と異なっていてもよい。具体的には、本実施形態におけるホーム画面は、ボタン110a~110i、111及び112のうちの少なくとも一部が省略されたものであってもよいし、当該ボタン110a~110i、111及び112以外のボタンが更に配置されたものであってもよい。
【0090】
再び
図6に戻ると、上記したホーム画面110に配置されている第1採掘開始ボタン111又は第2採掘開始ボタン112を押下する操作が行われた場合、採掘画面がユーザ端末10に表示される(ステップS2)。
【0091】
なお、
図8は、採掘画面の一例を示す。
図8に示すように、採掘画面120においては、仮想空間に相当する鉱山121が表示される。また、採掘画面120に表示される鉱山121には、ユーザのプレイヤキャラクタ122が配置されている。ユーザは採掘画面120を参照しながらプレイヤキャラクタ122に対する操作を行うことが可能であり、当該プレイヤキャラクタ122は、当該ユーザの操作に基づいて、鉱山121を移動しながら、つるはしを使用して当該鉱山121の地表を掘削するように動作する。上記したステップS2の処理は、このように採掘画面120に表示される鉱山121において採掘を行うようなプレイヤキャラクタ122の動作を制御する処理を含むものとする。
【0092】
ここで、本実施形態においてユーザは当該ユーザが保有するつるはしを使用して又は他のユーザが保有するつるはしを借りて採掘を行うことができるが、例えば採掘を行う鉱山を取得したオーナーが複数のつるはしを保有している場合、当該複数のつるはしをそれぞれ使用する複数のユーザが同一の鉱山において採掘を行うことがある。このように複数のユーザが同一の鉱山において採掘を行うことをマルチプレイと称する。なお、同一の鉱山において採掘を行う複数のユーザは、オーナーとして採掘を行うユーザ及びスカラーとして採掘を行うユーザであってもよいし、スカラーとして採掘を行うユーザのみであってもよい。
【0093】
詳細な説明については省略するが、上記したマルチプレイは、例えば複数のユーザが使用する複数のユーザ端末10及びサーバ装置20が当該マルチプレイを実現するための同期処理の要求や同期処理の対象となる情報を送受信することによって実現される。なお、同期処理は、例えば複数のユーザ端末10の各々において行われたユーザの操作を示す情報をサーバ装置20を介して他のユーザ端末10に送信し、当該他のユーザ端末10に表示される採掘画面上において当該操作を反映させるような処理を含む。
【0094】
このような同期処理が実行されることにより、例えばユーザが使用するユーザ端末10には、当該ユーザが操作するプレイヤキャラクタに加えて、当該ユーザとマルチプレイを行う他のユーザが操作するプレイヤキャラクタが採掘を行う採掘画面が表示される。
【0095】
換言すれば、マルチプレイを行う複数のユーザが使用するユーザ端末10及びサーバ装置20は、上記した同期処理が実行されることにより、当該複数のユーザのブロックチェーンゲームのプレイ状況(具体的には、複数のユーザの各々によって行われた操作及び複数のユーザのプレイヤキャラクタの仮想空間内の位置等)を把握しているものとする。
【0096】
ところで、ブロックチェーンゲームにおける採掘は、例えば鉱山の地表を掘削して宝石や輝石を含有する鉱石を掘り出し、当該鉱石を更に掘削して当該鉱石から宝石や輝石を採取することによって行われる。プレイヤキャラクタを操作することによってユーザが宝石や輝石を採掘した場合、当該ユーザは当該宝石や輝石を報酬として取得することができるが、上記したマルチプレイ時には、当該マルチプレイを行う複数のユーザで報酬を分配するものとする。以下の説明においては、ユーザのプレイヤキャラクタが宝石や輝石を採掘することを、便宜的に、ユーザが宝石や輝石を採掘すると称する場合がある。
【0097】
以下、上記した報酬の分配方法の一例について説明する。ここでは輝石を分配する場合について説明する。マルチプレイを行う複数のユーザのうちの所定のユーザによって輝石が採掘された場合、当該採掘された輝石全体のうちの予め設定されている割合に相当する量の輝石(以下、第1輝石と表記)は、オーナーに分配される。また、採掘された輝石全体から第1輝石を除外した残りの輝石(以下、第2輝石と表記)のうちの所定量の輝石(以下、第3輝石と表記)は当該輝石を採掘したユーザに分配され、当該第2輝石から第3輝石を除外した残りの輝石(以下、第4輝石と表記)はマルチプレイを行う複数のユーザで分配される。なお、第4輝石は、複数のユーザの各々に均等に分配されてもよいし、例えば前回輝石が採掘されてから今回輝石が採掘されるまでの間の各ユーザの貢献度に応じて分配されてもよい。各ユーザの貢献度は、当該ユーザのプレイヤキャラクタが掘削した地表の量に応じて決定されてもよい。なお、上記した分配方法は一例であり、他の方法が採用されてもよい。
【0098】
ここでは輝石が採掘された場合について説明したが、例えばマルチプレイ時に宝石が採掘された場合、当該宝石は、複数のユーザで分配されず、オーナーが取得するものとする。ただし、宝石は、採掘したユーザが取得するようにしてもよい。
【0099】
ここで、上記した分配方法のように、マルチプレイを行う複数のユーザのうち、輝石を採掘したユーザにより多くの輝石が分配されるような場合を想定する。換言すれば、ブロックチェーンゲームにおけるマルチプレイ時に輝石を採掘したユーザに対してインセンティブを付与するような場合を想定する。ここではインセンティブが輝石である場合を想定しているが、当該インセンティブは、つるはしの耐久値の回復等であっても構わない。
【0100】
この場合、例えばユーザが掘削することによって輝石の位置をある程度特定することができた後に、インセンティブが付与される目的で、当該ユーザの近傍にいる他のユーザが当該輝石を採掘するようなことが考えられる。換言すれば、輝石を採掘するために地表又は鉱石を掘り進めているユーザが、当該輝石を採掘する直前で他のユーザに当該輝石を取られてしまうような状況が発生し得る。このような状況が発生すると、他のユーザに輝石を取られたユーザはブロックチェーンゲームをプレイすることに対するユーザの興趣性やモチベーションが低下することが懸念される。
【0101】
そこで、本実施形態においては、ユーザの興趣性が低下することを抑制するために、上記したような状況が発生することを回避する仕組みを提供する。
【0102】
再び
図6に戻ると、ステップS2において採掘画面が表示されたユーザ端末10を使用するユーザの操作が所定の条件を満たすか否かが判定される(ステップS3)。なお、ここで想定するユーザの操作は、例えばつるはしを使用して地表を掘削するようにプレイヤキャラクタを制御するための操作(以下、掘削操作と表記)である。
【0103】
以下、上記した所定の条件の一例について説明する。ここでは第1ユーザと第2ユーザとがマルチプレイを行っている場合を想定する。この場合、第1及び第2ユーザのプレイヤキャラクタはそれぞれ同一の鉱山において採掘を行っており、当該プレイヤキャラクタは、互いに近い距離で採掘を行う可能性がある。
【0104】
上記した所定の条件は、例えば所定の位置の地表又は鉱石に対して第1ユーザの掘削操作が行われた後に、当該所定の位置の地表又は鉱石を含む所定の範囲内で第2ユーザの掘削操作が行われたことを含む。
【0105】
この場合、ステップS3においては、例えば第1ユーザの掘削操作が行われた場合に、当該第1ユーザの掘削操作を示す情報に基づいて当該第1ユーザの掘削操作が行われた位置に基づいて所定の範囲を設定し、当該所定の範囲が設定された後に第2ユーザの掘削操作が行われた場合に、当該第2ユーザの掘削操作を示す情報に基づいて当該第2ユーザの掘削操作が行われた位置が当該設定された範囲に含まれるか否かを判定するような処理が実行される。
【0106】
なお、所定の範囲は、例えば第1ユーザのプレイヤキャラクタの位置に基づいて設定される範囲であっても構わない。
【0107】
上記した所定の条件を満たすと判定された場合(ステップS3のYES)、第2ユーザの掘削操作は無効化される(ステップS4)。第2ユーザの掘削操作が無効化されるとは、当該掘削操作に基づいて制御される第2ユーザのプレイヤキャラクタの動作(以下、掘削動作と表記)が制限されることに相当する。
【0108】
これによれば、例えば掘削操作を行っている第1ユーザが輝石を採掘することができる直前等に第2ユーザの掘削操作が行われることによって、当該第1ユーザよりも先に第2ユーザが当該輝石を採掘してしまうことを防止することができる。
【0109】
なお、本実施形態においては掘削動作を行う第1ユーザのプレイヤキャラクタが周辺に存在する場合に当該第2ユーザのプレイヤキャラクタの掘削動作が制限されるが、第2ユーザは、例えば当該第2ユーザが使用するユーザ端末10に表示されている採掘画面(以下、第2ユーザの採掘画面と表記)において第1ユーザのプレイヤキャラクタの存在を認識することができない場合がある。このような場合には、第2ユーザは、当該第2ユーザのプレイヤキャラクタの掘削動作が制限される理由を把握することができない可能性がある。
【0110】
このため、上記したように第2ユーザのプレイヤキャラクタの掘削動作が制限される場合には、当該掘削動作が制限されたことが当該第2ユーザに対して通知されてもよい。具体的には、
図9は、第2ユーザのプレイヤキャラクタ123の掘削動作が制限されていない場合の第2ユーザの採掘画面の一例を示している。一方、
図10は、第2ユーザのプレイヤキャラクタ123の掘削動作が制限されている場合の第2ユーザの採掘画面の一例を示している。この場合、
図10に示すように、例えば「近くに人がいるので掘れません!」のようなメッセージが採掘画面上の第2ユーザのプレイヤキャラクタ123の近傍に表示される。このようなメッセージによれば、第2ユーザは、当該第2ユーザのプレイヤキャラクタの周辺に他のユーザ(具体的には、第1ユーザ)のプレイヤキャラクタが存在することによって当該第2ユーザのプレイヤキャラクタの掘削動作が制限されていることを把握することができる。なお、
図10に示す例では、第1ユーザのプレイヤキャラクタが使用するつるはし122aが表示されており、当該第2ユーザのプレイヤキャラクタ123の近傍に第1ユーザのプレイヤキャラクタが存在していることがわかる。
【0111】
ここでは第1ユーザの掘削操作が行われた後に行われる第2ユーザの掘削操作が無効化されるものとして説明したが、例えば第2ユーザの掘削操作が行われた後に当該第1ユーザの掘削操作が行われた場合には、当該第1ユーザの掘削操作が無効化される。
【0112】
なお、上記したステップS3において所定の条件を満たさないと判定された場合(ステップS3のNO)、例えば第2ユーザの掘削操作は無効化されず、後述するステップS5の処理が実行される。すなわち、所定の条件を満たさない限り、第1及び第2ユーザのプレイヤキャラクタは、当該第1及び第2ユーザの掘削操作に基づいて掘削動作を行うことができる。
【0113】
次に、採掘を終了するか否かが判定される(ステップS5)。なお、上記したステップS2において表示される採掘画面はメニュー画面に遷移することができ、ステップS5においては、当該メニュー画面においてユーザによって例えばホーム画面に戻ることが指示された場合に採掘を終了すると判定される。
【0114】
採掘を終了すると判定された場合(ステップS5のYES)、プレイヤキャラクタが鉱山を退出し、例えばステップS1に戻って処理が繰り返される。
【0115】
なお、採掘を終了した場合における当該鉱山での採掘の進捗状態は例えばサーバ装置20において管理され、当該進捗状態を参照することによって、当該鉱山での採掘を再開することができるようにしてもよい。
【0116】
一方、採掘を終了しないと判定された場合(ステップS5のNO)、採掘画面の表示が継続され、ステップS3に戻って処理が繰り返される。すなわち、本実施形態において採掘が行われている間は、採掘操作が行われる度にステップS3及びS4の処理が実行され、所定の条件を満たす掘削操作は無効にされる一方で、当該所定の条件を満たさない掘削操作は有効な操作として扱われる。
【0117】
なお、上記した
図6に示す処理はゲームシステム1において実行されればよく、当該
図6に示すステップS1~S5の処理は、例えばユーザ端末10において実行されてもよいし、サーバ装置20において実行されてもよい。具体的には、例えばステップS1、S2及びS5の処理はユーザ端末10において実行されることを想定しているが、当該処理の一部又は全ては、サーバ装置20において実行されてもよい。同様に、例えばステップS3及びS4の処理はサーバ装置20において実行されることを想定しているが、当該処理の一部又は全ては、ユーザ端末10において実行されてもよい。
【0118】
上記したように本実施形態においては、地表又は鉱石に対する第1ユーザの掘削操作が行われる場合、当該地表又は鉱石を含む所定の範囲(以下、掘削制限範囲と表記)内で行われた第2ユーザの掘削操作を無効にする。なお、第1及び第2ユーザはマルチプレイを行う複数のユーザに相当する。また、掘削操作はユーザによって行われる所定の操作の一例であり、地表又は鉱石は仮想空間に相当する鉱山に配置されるオブジェクトの一例である。また、無効は制限の一例であり、本実施形態においては、第2ユーザの掘削操作を無効にするのではなく、例えば当該掘削操作において掘削される地表の量が減少するように当該掘削操作が制限されてもよい。
【0119】
本実施形態においては、このような構成により、例えば第1ユーザのプレイヤキャラクタが地表又は鉱石に対して掘削している場合に当該第1ユーザ以外の第2ユーザのプレイヤキャラクタが周辺で掘削することができないようにすることができるため、当該第1ユーザが先に鉱石を発見したにもかかわらず、当該第2ユーザが先に当該鉱石から輝石等を採掘してしまうような事態を回避することが可能となる。これによれば、ブロックチェーンゲームに対する第1ユーザの興趣性の低下を抑制することができる。
【0120】
また、上記したようにマルチプレイ時に輝石を採掘したユーザに対してインセンティブを付与するものとすると、当該輝石の周辺で例えば第1及び第2ユーザのプレイヤキャラクタがそれぞれ掘削動作を行っている場合にはシビアなタイミングで輝石を採掘したユーザを判定しなければならない可能性がある。具体的には、上記したように輝石を含有する1つの鉱石を第1及び第2ユーザのプレイヤキャラクタが掘っていくような場合には、輝石を採掘したユーザを判別することが困難となる。このような場合に輝石を採掘したユーザを厳密に特定しようとすると、掘削操作が行われる度に、第1及び第2ユーザの各々が使用するユーザ端末10とサーバ装置20との間で当該掘削操作を示す情報を送受信し、採掘したユーザを判定する処理を実行する必要があり、ブロックチェーンゲームにおける円滑なマルチプレイを妨げる可能性がある。しかしながら、本実施形態においては、例えば第1ユーザのプレイヤキャラクタの周辺で第2ユーザのプレイヤキャラクタは掘削動作を行うことができない(換言すれば、第2ユーザの掘削操作が無効にされる)構成であるから、上記したように輝石を採掘したプレイヤキャラクタの判別が困難になることはない。
【0121】
なお、上記した掘削制限範囲としては、例えば第1ユーザの掘削操作が行われた位置(換言すれば、第1ユーザのプレイヤキャラクタが掘削動作を行った地点)の半径1mの範囲等が設定される。また、掘削制限範囲は、例えば第1ユーザのプレイヤキャラクタによる掘削が可能な範囲(つまり、つるはしが届く範囲)又は当該範囲+αのような範囲であればよいが、第1及び第2ユーザ、当該第1及び第2ユーザが使用するつるはし、又は当該第1及び第2ユーザが採掘を行う鉱山に関するパラメータに応じて変化してもよい。更に、掘削制限範囲は、例えば3次元空間に規定された範囲であり、プレイヤキャラクタの水平方向及び垂直方向に規定される範囲であるものとする。
【0122】
また、上記したように本実施形態においては第2ユーザの掘削操作が無効にされるが、当該第2ユーザの掘削操作は、第1ユーザの掘削操作が行われた後の所定の期間(以下、掘削制限期間と表記)内に行われた場合に無効にされるものとする。この掘削制限期間は、例えば第1及び第2ユーザ、当該第1及び第2ユーザが使用するつるはし、又は当該第1及び第2ユーザが採掘を行う鉱山に関するパラメータに応じて変化してもよい。
【0123】
また、例えば地表又は鉱石に対する第1ユーザの掘削操作が行われた場合には、鉱山に配置されている第1ユーザのプレイヤキャラクタが当該地表又は鉱石に対する掘削動作を行うような制御が実施されるが、第2ユーザの掘削操作は、第1ユーザのプレイヤキャラクタが掘削動作を行った地点から所定の範囲内に当該第1ユーザのプレイヤキャラクタが存在する場合に無効にされてもよい。この場合、例えば第1ユーザが同一の位置で掘削操作を行う限り、掘削制限範囲内で行われる第2ユーザの掘削操作は継続して無効にされることになる。
【0124】
一方、第1ユーザのプレイヤキャラクタが掘削動作を行った地点から所定の範囲外に当該第1ユーザのプレイヤキャラクタが移動した場合には、掘削制限範囲内で行われた第2ユーザの掘削操作は無効にされなくてもよい。つまり、掘削動作を行った地点から所定の範囲外に第1ユーザのプレイヤキャラクタが移動した場合には、上記した掘削制限範囲及び掘削制限期間を含む掘削制限が解除されるようにしてもよい。
【0125】
なお、第1ユーザのプレイヤキャラクタが移動した後で当該第1ユーザの掘削操作が行われた場合には、当該掘削操作が行われた地表又は鉱石を含む掘削制限範囲内で行われた第2ユーザの掘削操作が無効にされる。すなわち、本実施形態においては、例えば第1ユーザの掘削操作が新たに行われた場合には、掘削制限範囲が移動するような制御が実施されるものとする。
【0126】
また、ここでは第1ユーザのプレイヤキャラクタが移動することによって掘削制限が解除されるものとして説明したが、当該掘削制限の解除に要する処理(例えば、通信等)を省略するために、当該第1ユーザのプレイヤキャラクタが移動した場合であっても、掘削制限期間が経過するまで掘削制限範囲を継続するようにしてもよい。この場合には、例えば第1ユーザの掘削操作が複数の位置で順次行われることによって第2ユーザの掘削操作が無効にされる掘削制限範囲が同時に複数存在することになり、当該複数の掘削制限範囲が掘削制限期間の経過に応じて順次消滅するような制御が実施される。
【0127】
更に、本実施形態においては、第2ユーザの掘削操作を無効にする場合に通知(具体的には、「近くに人がいるので掘れません!」のようなメッセージ)が出力されてもよい。これによれば、第2ユーザは、第1ユーザのプレイヤキャラクタが当該第2ユーザのプレイヤキャラクタの周辺に存在するために当該第2ユーザの掘削操作が無効にされたことを把握することができる。なお、採掘を行うブロックチェーンゲームとしては、周辺に他のプレイヤキャラクタがいることにより危険であるため採掘を行うことができないという見せ方をすることが好ましい。
【0128】
また、第2ユーザの掘削操作が無効にされた場合には当該第2ユーザのプレイヤキャラクタは掘削動作を行わないが、掘削画面上の演出として当該第2ユーザのプレイヤキャラクタは掘削動作を行ってもよい。ただし、ブロックチェーンゲーム上では掘削は行われていないものとして扱われ、例えば上記したつるはしの耐久値は低下しないものとする。
【0129】
なお、ここでは第1ユーザの掘削操作が行われた後に掘削制限範囲内で行われた第2ユーザの掘削操作が無効にされるものとして説明したが、当該第1ユーザの掘削操作が行われる前であっても、第1ユーザのプレイヤキャラクタが存在する位置の周辺で行われる第2ユーザの掘削操作を無効にするようにしてもよい。つまり、第1ユーザの掘削操作が行われていない場合であっても、第2ユーザのプレイヤキャラクタよりも先に第1ユーザのプレイヤキャラクタが到達した地点の周辺で行われる第2ユーザの掘削操作が無効にされる構成であってもよい。
【0130】
また、詳しい説明については省略するが、上記したように第1ユーザの掘削操作が行われる場合に掘削制限範囲内の第2ユーザの掘削操作を無効にする本実施形態の構成においては、当該掘削制限範囲を採掘画面上で明示するような構成を採用してもよい。
【0131】
更に、本実施形態の構成は、例えば輝石を採掘する場合に限らず、第1及び第2ユーザで共通のリソース(具体的には、オブジェクト)を取り合うような状況において容易に適用することが可能である。
【0132】
ここで、本実施形態においては例えば輝石を採掘するために地表又は鉱石を掘り進めている第1ユーザが、当該輝石を採掘する直前で第2ユーザに輝石を取られてしまうような状況を回避するための構成について説明したが、以下、このような状況を回避するための他の構成(以下、本実施形態の第1変形例と表記)について説明する。
【0133】
上記したように鉱山の地表を掘削することによって輝石を含有する鉱石を掘り出し、当該鉱石を更に掘っていくことによって当該輝石を採取するような採掘が行われるものとすると、本実施形態の第1変形例においては、当該鉱石を最初に発見したユーザが当該鉱石を継続して掘っていくことができるものとする。
【0134】
なお、鉱石を最初に発見したユーザとは鉱山の地表を掘削することによって当該鉱石を最初に露出させたユーザであり、本実施形態の第1変形例においては、当該ユーザに対して当該鉱石から例えば輝石を採掘する権利(以下、採掘権と表記)が設定され、当該採掘権が設定されていな他のユーザの当該鉱石に対する掘削操作は無効にされる。換言すれば、例えば第1ユーザが第2ユーザよりも先に鉱石を発見したものとすると、当該鉱石に対する第1ユーザの掘削操作を有効とし、当該鉱石に対する第2ユーザの掘削操作は無効とする。この場合、第2ユーザは鉱石から輝石を採掘することはできない。
【0135】
ただし、例えば第1ユーザが鉱石(以下、対象鉱石と表記)を最初に発見した場合であっても、当該第1ユーザのプレイヤキャラクタが当該対象鉱石から所定の距離以上離れた場合には、当該第1ユーザの採掘権が消滅するようにしてもよい。なお、第1ユーザのプレイヤキャラクタが対象鉱石から所定の距離以上離れていない場合であっても、当該第1ユーザが対象鉱石に対する掘削操作を一定時間行わない場合には、第1ユーザの採掘権が消滅してもよい。更に、例えば鉱山を一旦退出した後に当該鉱山における採掘を再開することができる場合には、当該鉱山を退出した後に一定時間が経過すると第1ユーザの採掘権が消滅するようにしてもよい。また、第1ユーザの採掘権は、鉱山を退出したタイミングで消滅してもよい。
【0136】
なお、上記したように第1ユーザの採掘権が消滅した場合、当該採掘権は、当該採掘権が消滅したタイミングにおいて対象鉱石に最も近い位置にプレイヤキャラクタがいる他のユーザに移転される。消滅した採掘権は、第1ユーザが対象鉱石を発見したタイミングにおいて当該対象鉱石に最も近い位置にプレイヤキャラクタがいた他のユーザに移転されてもよい。また、消滅した採掘権は、他のユーザに移転されず、当該採掘権が消滅した後に最初に対象鉱石から所定の距離以内に接近したユーザに設定されてもよい。
【0137】
また、採掘権が設定されたユーザを容易に把握することができるように、当該ユーザのユーザ名が対象鉱石の近傍に表示されるようにしてもよい。なお、ユーザ名は、ユーザを示すユーザ情報の一例である。また、対象鉱石は、採掘権が設定されたユーザの採掘画面に表示され、他のユーザの採掘画面には表示されないようにしてもよい。
【0138】
上記した本実施形態の第1変形例においては、対象鉱石を最初に発見したユーザを判別するために例えば第1及び第2ユーザの各々が使用するユーザ端末10とサーバ装置20との間で掘削操作を示す情報を送受信する必要があるが、上記した輝石を採掘したユーザを判別しなければならない場合と比べると、対象鉱石の発見についてユーザを判別するタイミングはシビアではない(つまり、対象鉱石を発見したユーザを判別する処理を高頻度で実行する必要はない)ため、円滑なマルチプレイに与える影響は小さいと考えられる。
【0139】
また、本実施形態の第1変形例においては例えば対象鉱石を最初に発見した第1ユーザが当該対象鉱石から輝石を採掘することができるものとして説明したが、第1ユーザ以外の第2ユーザも当該対象鉱石から輝石を採掘することができるようにしてもよい。ただし、第2ユーザが対象鉱石から輝石を採掘した場合であっても、当該輝石の採掘に対するインセンティブ(つまり、第2ユーザの掘削操作に応じて生じる報酬)は、当該対象鉱石を最初に発見した第1ユーザに付与され、第2ユーザには付与されないものとする。また、輝石を採掘したユーザを履歴として管理する場合、当該履歴として管理される輝石を採掘したユーザは、対象鉱石を最初に発見した第1ユーザとする。なお、対象鉱石の近傍には、インセンティブが付与されるユーザのユーザ名が表示されるようにしてもよい。
【0140】
このような構成によれば、例えば鉱山に配置されている全ての鉱石から輝石等を採掘することによって当該鉱山における採掘が終了するようにブロックチェーンゲームが実装されている場合において、第1ユーザが速やかに対象鉱石に対する掘削操作を行わないような状況である場合に、第2ユーザが早期に採掘を終了させるために対象鉱石に対する掘削操作を行うようなことが可能となる。
【0141】
更に、本実施形態においては、例えば輝石を採掘したユーザにインセンティブを付与しない構成(以下、本実施形態の第2変形例と表記)を採用してもよい。このような本実施形態の第2変形例によれば、上記したように輝石を採掘する直前で他のユーザに輝石を取られてしまったとしても報酬に影響がないため、ユーザの興趣性が低下する可能性は低い。また、本実施形態の第2変形例においては、輝石を採掘したユーザを判別する必要もない。ここでは輝石を採掘したユーザにインセンティブを付与しないものとして説明したが、本実施形態の第2変形例においては、輝石を採掘したユーザに関係なく、マルチプレイを行う全てのユーザに同一のインセンティブが付与される構成であってもよい。
【0142】
本実施形態においてはブロックチェーンゲームについて説明したが、本実施形態に係るゲームシステム1によって実現されるゲームは、ブロックチェーンゲーム以外のゲームであってもよい。更に、本実施形態は、上記したような仮想空間をユーザに提供するようなサービスを実現するシステムに適用されても構わない。
【0143】
なお、本願発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組合せてもよい。
【0144】
「付記」
以下に、本発明の特徴の一部をまとめる。
「課題」
例えば、ユーザの興趣性の低下を抑制することを目的とする。
「解決手段」
(1)
コンピュータを、
オブジェクトに対する第1ユーザの所定の操作が行われる場合、前記オブジェクトを含む所定の範囲内で行われた前記第1ユーザとは異なる第2ユーザの所定の操作を制限する制御手段
として機能させる、プログラム。
(2)
前記第2ユーザの前記所定の操作は、前記第1ユーザの前記所定の操作が行われた後の所定の期間内に行われた場合に制限される、(1)記載のプログラム。
(3)
前記オブジェクトは、仮想空間に配置され、
前記制御手段は、
前記オブジェクトに対する第1ユーザの所定の操作が行われた場合、前記オブジェクトに対する所定の動作を行うように前記仮想空間に配置されている前記第1ユーザのキャラクタを制御し、
前記第1ユーザのキャラクタが前記オブジェクトから所定の範囲内に存在するときに前記第2ユーザの前記所定の操作が行われた場合、前記第2ユーザの前記所定の操作を制限し、
前記第1ユーザのキャラクタが前記オブジェクトから所定の範囲外に移動した後に前記第2ユーザの前記所定の操作が行われた場合、前記オブジェクトに対する前記所定の動作を行うように前記仮想空間に配置されている前記第2ユーザのキャラクタを制御する
(1)記載のプログラム。
(4)
前記制御手段は、前記第2ユーザの前記所定の操作を制限する場合に通知を出力する、(1)記載のプログラム。
(5)
前記第1ユーザは、前記第2ユーザよりも先に前記オブジェクトを発見したユーザである、(1)記載のプログラム。
(6)
前記オブジェクトは、前記第2ユーザに対して表示されない、(5)記載のプログラム。
(7)
前記制御手段は、前記第2ユーザの前記所定の操作を制限する代わりに、前記第2ユーザの前記所定の操作に応じた報酬を前記第2ユーザに付与しない、(5)記載のプログラム。
(8)
前記制御手段は、前記オブジェクトの周辺に前記第1ユーザを示すユーザ情報を表示する、(5)記載のプログラム。
なお、上記プログラムで構成した解決手段は、適宜、装置、システム、方法、媒体の分野に転用してもよい。
「効果」
(1)~(3)の構成によれば、例えば第1ユーザが所定の操作を行っているオブジェクトが第2ユーザの所定の操作によって取得されるような状況を回避し、ユーザの興趣性の低下を抑制することができるという効果を奏する。
(4)の構成よれば、例えば第2ユーザの所定の操作が無効にされたことを容易に把握することができるという効果を奏する。
(5)~(8)の構成によれば、オブジェクトを最初に発見した第1ユーザの所定の操作を有効とし、第1ユーザとは異なる第2ユーザの所定の操作を無効とすることで、ユーザの興趣性の低下を抑制することができるという効果をする。
【符号の説明】
【0145】
1…ゲームシステム、10…ユーザ端末、11…不揮発性メモリ、12…CPU、13…メインメモリ、14…通信デバイス、15…入力デバイス、16…表示デバイス、20…サーバ装置、21…不揮発性メモリ、22…CPU、23…メインメモリ、24…通信デバイス、30…ネットワーク、40…ブロックチェーンシステム、101…操作受付部、102…送受信部、103…制御部、104…表示処理部、105…格納部、201…格納部、202…送受信部、203…制御部、204…管理部。
【要約】
【課題】ユーザの興趣性の低下を抑制すること。
【解決手段】プログラムは、コンピュータを、オブジェクトに対する第1ユーザの所定の操作が行われる場合、オブジェクトを含む所定の範囲内で行われた第1ユーザとは異なる第2ユーザの所定の操作を制限する制御手段として機能させる。
【選択図】
図6