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特許7703786バッテリー監視回路のための回路基板、及びそれとの接続のためのワイヤハーネス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-27
(45)【発行日】2025-07-07
(54)【発明の名称】バッテリー監視回路のための回路基板、及びそれとの接続のためのワイヤハーネス
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/284 20210101AFI20250630BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20250630BHJP
   H01M 50/298 20210101ALI20250630BHJP
   H01M 50/51 20210101ALI20250630BHJP
   H01M 50/569 20210101ALI20250630BHJP
【FI】
H01M50/284
H01M10/48 P
H01M50/298
H01M50/51
H01M50/569
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2024524481
(86)(22)【出願日】2023-07-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-06
(86)【国際出願番号】 KR2023010129
(87)【国際公開番号】W WO2024058391
(87)【国際公開日】2024-03-21
【審査請求日】2024-04-24
(31)【優先権主張番号】10-2022-0116492
(32)【優先日】2022-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ドゥク-ヨウ
【審査官】滝谷 亮一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/090667(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0358142(US,A1)
【文献】国際公開第2022/158909(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/284
H01M 10/48
H01M 50/298
H01M 50/51
H01M 50/569
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1から第(M+1)の電圧センシングピンを含み、前記第1から第(M+1)の電圧センシングピンのうちの第(M-N+1)から第(M+1)の電圧センシングピンに電圧が印加されることを動作条件とするバッテリー監視回路のための回路基板において、
互いに電気的に分離するように形成され、それぞれの一端が前記第1から第(M+1)の電圧センシングピンに一対一に電気的に接続される第1から第(M+1)の導電パターンと、
前記第1から第(M+1)の導電パターンのうち、前記第(M-N+1)の電圧センシングピンに電気的に接続された第(M-N+1)導電パターンに一端が電気的に接続される中継導電パターンと、
前記第1から第(M+1)の導電パターンのそれぞれの他端に一対一に電気的に接続される第1から第(M+1)のボード端子と、
前記中継導電パターンの他端に電気的に接続される中継ボード端子と、
を含み、
Mは3以上の自然数であり、
NはM未満の自然数である、回路基板。
【請求項2】
前記第1から第(M+1)のボード端子は、
前記第1から第(M+1)の電圧センシングピンの位置手順に対応するように順に互いに離隔して位置する、請求項1に記載の回路基板。
【請求項3】
前記第1から第(M+1)の導電パターン及び前記中継導電パターンは、
前記回路基板の第1面及び前記第1面とは反対の面の第2面のうち、前記バッテリー監視回路が安着する前記第1面に形成される、請求項1に記載の回路基板。
【請求項4】
前記中継導電パターンは、
前記回路基板の第1面のうちで、前記第1から第(M+1)の導電パターンのうちの第(M-N)導電パターンと第(M-N+1)導電パターンとの間の離隔領域内に形成される、請求項3に記載の回路基板。
【請求項5】
前記中継ボード端子は、
前記第1から第(M+1)のボード端子のうちの第(M-N)ボード端子と第(M-N+1)ボード端子との間の離隔領域内に位置する、請求項4に記載の回路基板。
【請求項6】
前記中継ボード端子は、
前記回路基板の厚さ方向に前記第(M-N+1)ボード端子と対向関係をなすように配置される、請求項4に記載の回路基板。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の回路基板と、直列接続された第1から第Lのバッテリーセルを含むバッテリーモジュールと、を互いに接続させるためのワイヤハーネスにおいて、
第1から第(L+1)のセル接続端子を含む第1コネクタと、
第1から第(L+1)のボード接続端子、第1中継ボード接続端子及び第2中継ボード接続端子を含む第2コネクタと、
第1から第(L+1)のワイヤと、
中継ワイヤと、
を備え、
前記第1から第(L+1)のワイヤのうちの第kワイヤは、
前記第1から第(L+1)のセル接続端子のうちの第kセル接続端子と、前記第1から第(L+1)のボード接続端子のうちの第kボード接続端子とを電気的に接続し、
前記第1中継ボード接続端子と前記第2中継ボード接続端子は、前記中継ワイヤによって電気的に接続され、
LはNより大きく、Mより小さい自然数であり、
kは(L+1)以下の自然数である、ワイヤハーネス。
【請求項8】
前記第1中継ボード接続端子は、前記回路基板の前記中継ボード端子に電気的に接続され、
前記第2中継ボード接続端子は、前記回路基板の前記第1から第(M+1)のボード端子のうちの第(L-N+1)ボード端子に電気的に接続される、請求項7に記載のワイヤハーネス。
【請求項9】
前記第1から第(L+1)のボード接続端子のうちの第1から第(L-N)のボード接続端子は、前記第1から第(M+1)のボード端子のうちの第1から第(L-N)のボード端子に一対一に電気的に接続され、
前記第1から第(L+1)のボード接続端子のうちの第(L-N+1)から第(L+1)のボード接続端子は、前記第1から第(M+1)のボード端子のうちの第(M-N+1)から第(M+1)のボード端子に一対一に電気的に接続される、請求項7に記載のワイヤハーネス。
【請求項10】
前記第1から第(L+1)のセル接続端子のうちの第kセル接続端子は、前記第1から第Lのバッテリーセルのうちの第kバッテリーセルの負極端子に電気的に接続され、
前記第(L+1)セル接続端子は、第Lバッテリーセルの正極端子に電気的に接続される、請求項7に記載のワイヤハーネス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリー監視回路のための回路基板、及びそれとの接続のためのワイヤハーネスに関し、より詳しくは、複数のバッテリーセルの直列接続体の状態監視用として提供されるバッテリー監視回路を実装するための回路基板と、直列接続体と回路基板とを互いに接続させるワイヤハーネスに関する。
【0002】
本出願は、2022年09月15日付け出願の韓国特許出願第10-2022-0116492号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
最近、ノートパソコン、ビデオカメラ、携帯電話などのような携帯型電子製品の需要が急激に増加し、電気自動車、エネルギー貯蔵用蓄電池、ロボット、衛星などの開発が本格化することによって、繰り返し充放電が可能な高性能バッテリーに関する研究が活発に行われている。
【0004】
現在商用化されているバッテリーとしては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などがあり、これらのうちでもリチウムバッテリーは、ニッケル系のバッテリーに比べてメモリ効果がほとんどないため充放電が自由であり、自己放電率が非常に低く、エネルギー密度が高いという利点から脚光を浴びている。
【0005】
バッテリーの最小単位をバッテリーセルと言え、バッテリーモジュールは、複数のバッテリーセルの直列接続体を含む。各バッテリーセルの両端にかけた電圧、すなわちセル電圧は、バッテリーセル自体だけでなく、バッテリーモジュールや前記バッテリーモジュールが装着された電気自動車などのような上位装置の安全と効率性を図るために必須に測定されなければならない状態パラメータに該当する。
【0006】
バッテリー管理システムの一部品であるバッテリー監視回路は、ワイヤハーネスを介して、バッテリーモジュールに含まれた各バッテリーセルの正極端子及び負極端子と個別に接続され、各バッテリーセルのセル電圧を測定し、測定されたセル電圧を指示する電圧データをMCU(micro control unit)などに伝達する役割をする。
【0007】
一方、バッテリーモジュールに含まれるバッテリーセルの数は固定されておらず、バッテリーモジュールの用途に応じて、それに含まれるバッテリーセルの数は数個から数十個に達する場合もある。
【0008】
バッテリーモジュールの仕様に合う回路基板を個別に製作するのは非効率的であるため、可能な限り広いカバレッジの様々なバッテリーモジュールに対応するように十分な数の電圧センシング経路が設けられた回路基板とバッテリー監視回路を採用する必要がある。
【0009】
図1は、複数のバッテリーセルを含むバッテリーモジュールと複数の電圧センシングチャネルを有するバッテリー監視回路とが、ワイヤハーネスと回路基板を介して接続された状態を例示している。説明の便宜のために、バッテリーセルの数を12個にし、電圧センシングチャネルの数を12個以上の14個にして例示した。
【0010】
図1を参照すると、バッテリー監視回路には15個の電圧センシングピンP[1]~P[15]が備えられ、回路基板にはバッテリー監視回路の電圧センシングピンP[1]~P[15]に一対一に対応する15個の導電パターンR[1]~R[15]と15個のボード端子T[1]~T[15]が備えられている。電圧センシングピンP[1]~P[15]のうち互いに隣接する2個の電圧センシングピン(例えば、P[2]とP[3])の当たりに1つの電圧センシングチャネルとして機能するため、バッテリーモジュールに含まれたバッテリーセルC[1]~C[12]の数以上である合計14個の電圧センシングチャネルがバッテリー監視回路で提供される。
【0011】
ワイヤハーネスは、バッテリーセルの数よりも1つ多い13本のワイヤW[1]~W[13]を含む。ワイヤW[1]~W[13]の一端は、接続端子A[1]~A[13]に接続される一方、ワイヤW[1]~W[13]の他端は、ボード端子B[1]~B[13]に接続される。
【0012】
12個のバッテリーセルC[1]~C[12]は、ワイヤハーネスと回路基板を介してバッテリー監視回路の14個の電圧センシングチャネルのうちの最下側(最低電位)の電圧センシングチャネルから順に12個の電圧センシングチャネルに一対一に接続でき、上側の3個の電圧センシングピンP[13]、P[14]とP[15]によって形成される残り2個の電圧センシングチャネルはアイドル状態で残っている。
【0013】
別の制約条件のないバッテリー監視回路であれば、図1に示された接続構造のように、上側の3個の電圧センシングピンP[13]、P[14]とP[15]によって形成される2個の電圧センシングチャネルがアイドル状態であっても、各バッテリーセルのセル電圧をバッテリー監視回路によって正常に測定可能である。
【0014】
しかし、様々なメーカーから供給されるいくつかのバッテリー監視回路は、その優れた性能により採択されているが、最上段(最高電位)から順に所定数の電圧センシングチャネルに対する制約条件を有する。すなわち、最上段から所定数の電圧センシングチャネルのそれぞれに一定レベル以上の電圧が印加される場合にのみバッテリー監視回路が正常駆動し、セル電圧V[1]~V[12]の測定を行うことである。このような制約条件を有するバッテリー監視回路は、上側の2個の電圧センシングチャネルが、図1に示されたようにアイドル状態で残っている場合は正常駆動が不可であり、その結果、12個のバッテリーセルC[1]~C[12]のいずれのセル電圧も測定できなくなるという問題が生じる。
【0015】
図2は、上側の所定数のバッテリーセルをバッテリー監視回路の上側の所定数の電圧センシングチャネルに接続させるようにワイヤハーネスの接続メカニズムを変形させることで、上述したバッテリー監視回路の制約条件による問題が解消された状態を例示している。具体的に、図1のワイヤハーネスと比較すると、図2のワイヤハーネスには追加のワイヤWXと中継ボード接続端子BXがさらに備えられ、下段の10個のバッテリーセルC[1]~C[10]は、図1と同様に11本のワイヤW[1]~W[11]と11個のボード端子T[1]~T[11]、並びに11個の導電パターンR[1]~R[11]により下段の11個の電圧センシングピン(P[1]~P[11])に順に接続する一方、上段の2個のバッテリーセルC[11]、C[12]は、3本のワイヤWX、W[12]、W[13]と3個のボード端子T[13]、T[14]、T[15]、並びに3個の導電パターンR[13]、R[14]、R[15]により上段の3個の電圧センシングピンP[13]~P[15]に順に接続される。図1とは異なり、3個の電圧センシングピンP[11]~P[13]によって形成される中間部の2個の電圧センシングチャネルはアイドル状態になるが、3個の電圧センシングピンP[13]~P[15]によって形成される上段の2個の電圧センシングチャネルに対する制約条件が満たされるため、12個のバッテリーセルC[1]~C[12]に対するセル電圧測定動作は正常に行われ得る。
【0016】
図2に示された接続関係を実現するためには、ワイヤハーネス内の2本のワイヤW[11]及びWXの端部を接続端子A[11]に備えられた単一の孔(hole)に挿入して特定のバッテリーセルの電極端子に接続させると同時に、ワイヤハーネスの内部で分岐してそれぞれ回路基板の互いに異なる2つの端子T[11]、T[13]に接続可能な構造が設けられなければならない。しかし、当該構造のワイヤハーネスを製作するためには、接続端子A[11]の孔径やワイヤ規格を変更し、単一の孔に2本のワイヤW[11]、WXを挿入する工程が要求されるという点でその難易度が高く、無駄なコスト上昇をもたらし、製作時間も長くなるという欠点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、ワイヤハーネスの孔径やワイヤ規格を変更することなく、バッテリー監視回路の制約条件を満たすとともに、様々なカバレッジのバッテリーモジュールに適用可能な回路基板を提供することを目的とする。
【0018】
本発明の他の目的及び利点は下記の説明によって理解でき、本発明の実施形態によってより明確に理解されるであろう。また、本発明の目的及び利点は特許請求の範囲に示された手段及びそれらの組み合わせによって実現できることを容易に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の一態様による回路基板は、バッテリー監視回路のためのものである。前記バッテリー監視回路は、第1から第(M+1)の電圧センシングピンを含み、前記第1から第(M+1)の電圧センシングピンのうちの第(M-N+1)から第(M+1)の電圧センシングピンに電圧が印加されることを動作条件とする。前記回路基板は、互いに電気的に分離するように形成されるものであり、それぞれの一端が前記第1から第(M+1)の電圧センシングピンに一対一に電気的に接続される第1から第(M+1)の導電パターンと、前記第1から第(M+1)の導電パターンのうち、前記第(M-N+1)の電圧センシングピンに電気的に接続された第(M-N+1)導電パターンに一端が電気的に接続される中継導電パターンと、前記第1から第(M+1)の導電パターンのそれぞれの他端に一対一に電気的に接続される第1から第(M+1)のボード端子と、前記中継導電パターンの他端に電気的に接続される中継ボード端子と、を含む。Mは3以上の自然数であり、NはM未満の自然数である。
【0020】
前記第1から第(M+1)のボード端子は、前記第1から第(M+1)の電圧センシングピンの位置手順に対応するように順に互いに離隔して位置し得る。
【0021】
前記第1から第(M+1)の導電パターン及び前記中継導電パターンは、前記回路基板の第1面及び前記第1面とは反対の面の第2面のうち、前記バッテリー監視回路が安着する前記第1面に形成され得る。
【0022】
前記中継導電パターンは、前記回路基板の第1面のうちで、前記第1から第(M+1)の導電パターンのうちの第(M-N)導電パターンと第(M-N+1)導電パターンとの間の離隔領域内に形成され得る。
【0023】
前記中継ボード端子は、前記第1から第(M+1)のボード端子のうちの第(M-N)ボード端子と第(M-N+1)ボード端子との間の離隔領域内に位置し得る。
【0024】
前記中継ボード端子は、前記回路基板の厚さ方向に前記第(M-N+1)ボード端子と対向関係をなすように配置され得る。
【0025】
本発明の他の態様によるワイヤハーネスは、前記回路基板とバッテリーモジュールを互いに接続させるためのものである。前記バッテリーモジュールは、直列接続された第1から第Lのバッテリーセルを含む。前記ワイヤハーネスは、第1から第(L+1)のセル接続端子を含む第1コネクタと、第1から第(L+1)のボード接続端子、第1中継ボード接続端子及び第2中継ボード接続端子を含む第2コネクタと、第1から第(L+1)のワイヤと、中継ワイヤと、を含む。前記第1から第(L+1)のワイヤのうちの第kワイヤは、前記第1から第(L+1)のセル接続端子のうちの第kセル接続端子と、前記第1から第(L+1)の接続端子のうちの第kボード接続端子とを電気的に接続する。前記第1中継ボード接続端子と前記第2中継ボード接続端子は、前記中継ワイヤによって電気的に接続される。LはNより大きく、Mより小さい自然数であり、kは(L+1)以下の自然数である。
【0026】
前記第1中継ボード接続端子は、前記回路基板の前記中継ボード端子に電気的に接続され得る。前記第2中継ボード接続端子は、前記回路基板の前記第1から第(M+1)のボード端子のうちの第(L-N+1)ボード端子に電気的に接続され得る。
【0027】
前記第1から第(L+1)のボード接続端子のうちの第1から第(L-N)のボード接続端子は、前記第1から第(M+1)のボード端子のうちの第1から第(L-N)のボード端子に一対一に電気的に接続され得る。
【0028】
前記第1から第(L+1)のボード接続端子のうちの第(L-N+1)から第(L+1)のボード接続端子は、前記第1から第(M+1)のボード端子のうちの第(M-N+1)から第(M+1)のボード端子に一対一に電気的に接続され得る。
【0029】
前記第1から第(L+1)のセル接続端子のうちの第kセル接続端子は、前記第1から第Lのバッテリーセルのうちの第kバッテリーセルの負極端子に電気的に接続され得る。
【0030】
前記第(L+1)セル接続端子は、前記第Lバッテリーセルの正極端子に電気的に接続され得る。
【発明の効果】
【0031】
本発明の実施形態の少なくとも1つによると、ワイヤハーネスの孔径やワイヤ規格を変更することなく、バッテリー監視回路の制約条件を満たすとともに、様々なカバレッジのバッテリーモジュールに適用可能な回路基板を提供することができる。
【0032】
また、本発明の実施形態の少なくとも1つによると、様々なカバレッジのバッテリーモジュールに適用可能な回路基板のパターン構造に合わせて、バッテリーモジュールの複数のバッテリーセルのセル電圧を回路基板に伝達可能なワイヤハーネスを提供することができる。
【0033】
本発明の効果は以上で言及した効果に制限されず、言及されていないまた他の効果は、特許請求の範囲の記載から当業者であれば明確に理解できるであろう。
【0034】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施形態を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするものであるため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】上段の所定数の電圧センシングチャネルに関する制約条件のないバッテリー監視回路が、ワイヤハーネスと回路基板を介してバッテリーモジュールに接続された状態を例示的に示す図である。
図2】接続メカニズムが変更されたワイヤハーネスを介して、上段の所定数の電圧センシングチャネルに関する制約条件を有するバッテリー監視回路が実装された回路基板がバッテリーモジュールに接続された状態を例示的に示す図である。
図3】本発明の一実施形態に係る回路基板を例示的に示す図である。
図4】本発明の一実施形態に係るワイヤハーネスを例示的に示す図である。
図5】直列接続された複数のバッテリーセルを含むバッテリーモジュールBMが、図4に示されたワイヤハーネスを介して図3に示された回路基板に接続された様子を例示的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明の目的と技術的構成及びそれによる作用効果に関する詳しい事項は、本発明の明細書に添付された図面に基づく以下の詳細な説明によってより明確に理解されるであろう。添付の図面を参照して本発明による実施形態を詳しく説明する。
【0037】
本明細書で開示される実施形態は、本発明の範囲を限定するものとして解釈又は使用されるべきではない。本明細書の実施形態を含む説明が様々な応用を有することは当該分野の通常の技術者には明らかである。したがって、本発明の詳細な説明に記載された任意の実施形態は、本発明をよりよく説明するための例示であり、本発明の範囲を実施形態に限定することを意図するものではない。
【0038】
第1、第2などのように序数を含む用語は、様々な構成要素のうちのいずれか1つを残りと区別する目的で使用されるものであり、そのような用語によって構成要素を限定するために使用されるものではない。
【0039】
また、ある構成要素を含むという表現は「開放型」の表現であり、単に当該構成要素が存在することを指称するだけであり、追加の構成要素を排除するものとして理解されるべきではない。
【0040】
さらに、ある構成要素が他の構成要素に「連結」又は「接続」されていると言及される場合には、他の構成要素に直接的に連結又は接続されていることもできるが、それらの間にまた他の構成要素が存在することもできると理解されたい。
【0041】
図3は、本発明の一実施形態に係る回路基板100を例示的に示す図である。図3において、回路基板100には、上段のN個の電圧センシングチャネルに対する制約条件を有するバッテリー監視回路10が配置されている。ここで、NはM未満の自然数である。
【0042】
図3を参照すると、バッテリー監視回路10は「BMIC」とも呼ばれ、基本的にセル電圧を測定するための電圧測定回路(図示せず)を内部に含んでおり、追加的には、少なくとも1つの機能回路をさらに含むことができる。機能回路としては、例えば温度測定回路、セルバランシング回路などが挙げられる。
【0043】
バッテリー監視回路10は、第1から第(M+1)の電圧センシングピンP[1]~P[M+1]を含む。ここで、Mは3以上の自然数である。
【0044】
第1から第(M+1)の電圧センシングピンP[1]~P[M+1]のうち、互いに隣接する2個の電圧センシングピンの対は、1つの電圧センシングチャネルを形成することになる。iがM以下の自然数である場合、第i電圧センシングピンP[i]と第(i+1)電圧センシングピンは、第i電圧センシングチャネルを形成することになる。参考までに、第i電圧センシングピンP[i]は、第(i+1)電圧センシングピンP[i+1]よりも相対的に低電位であり、第i電圧センシングピンP[i]と第(i+1)電圧センシングピンP[i+1]との電圧差がセル電圧として測定される。したがって、第1から第(M+1)の電圧センシングピンP[1]~P[M+1]は合計M個の電圧センシングチャネルを形成し、これらのM個の電圧センシングチャネルにより、最大M個のバッテリーセルを含むバッテリーモジュールに対応可能である。
【0045】
バッテリー監視回路10は、上述したように上段のN個の電圧センシングチャネルに対する制約条件を有する。すなわち、バッテリー監視回路10の動作条件(セル電圧測定可能条件)は、第1から第(M+1)の電圧センシングピンP[1]~P[M+1]のうち、第(M-N+1)から第(M+1)の電圧センシングピンP[M-N+1]~P[M+1]に電圧が印加されるイベントである。したがって、第(M-N+1)から第Mの電圧チャネルのそれぞれに一定レベル以上の電圧が印加される場合にのみ、M個の電圧センシングチャネルのそれぞれでの電圧測定が可能な状態になる。第(M-N+1)電圧センシングピンP[M-N+1]は、制約条件を有する(N+1)個の電圧センシングピンP[M-N+1]~P[M+1]のうち最も低い電位に対応する。
【0046】
回路基板100は、厚さ方向に対向する第1面と第2面を有し、バッテリー監視回路10は、回路基板100の第1面に設けられた回路実装領域に安着する。
【0047】
回路基板100は、互いに電気的に分離するように形成される第1から第(M+1)の導電パターンR[1]~R[M+1]を含む。
【0048】
第1から第(M+1)の導電パターンR[1]~R[M+1]は、それぞれの一端がバッテリー監視回路10の第1から第(M+1)の電圧センシングピンP[1]~P[M+1]に一対一に電気的に接続される。このとき、第i導電パターンR[i]は、第i電圧センシングピンP[i]に直接接触するか、又はSMT(Surface Mounter Technology)を介して間接的に接続され得る。
【0049】
回路基板100は、第1から第(M+1)の導電パターンR[1]~R[M+1]に加え、中継導電パターンRAをさらに含む。中継導電パターンRAの一端は、第(M-N+1)導電パターンR[M-N+1]に電気的に接続される。
【0050】
回路基板100は、端子アレイをさらに含む。端子アレイは、第1から第(M+1)のボード端子T[1]~T[M+1]及び中継ボード端子TAを含む。
【0051】
第1から第(M+1)の導電パターンR[1]~R[M+1]のそれぞれの他端は、第1から第(M+1)のボード端子T[1]~T[M+1]に一対一に電気的に接続される。このとき、第1から第(M+1)のボード端子T[1]~T[M+1]は、第1から第(M+1)の電圧センシングピンP[1]~P[M+1]の位置手順に対応するように順に互いに離隔して位置し得る。
【0052】
中継導電パターンRAの他端は、中継ボード端子TAに電気的に接続される。中継ボード端子TAは、第1から第(M+1)のボード端子T[1]~T[M+1]のうち、第(M-N)ボード端子T[M-N]と第(M-N+1)ボード端子T[M-N+1]との間の離隔領域に位置し得る。
【0053】
図3によると、第1から第(M+1)の導電パターンR[1]~R[M+1]及び中継導電パターンRAは、回路基板100の厚さ方向に互いに対向する第1面と第2面のうちのいずれか一方に形成され得る。もちろん、第1から第(M+1)の導電パターンR[1]~R[M+1]及び中継導電パターンRAの少なくとも1つは第1面に形成され、残りは第2面に形成される場合もある。
【0054】
図4は、本発明の一実施形態に係るワイヤハーネス200を例示的に示す図である。
【0055】
図4を参照すると、ワイヤハーネス200は、図3を参照して上述した回路基板100をバッテリーモジュール(BM、図5を参照)と互いに接続させるためのものである。
【0056】
ワイヤハーネス200は、第1コネクタ、第2コネクタ及び接続部を含む。
【0057】
第1コネクタは、ワイヤハーネス200とバッテリーモジュールBMとの間の機械的かつ電気的な結合のためのものであり、第1から第(L+1)のセル接続端子A[1]~A[L+1]を含む。参考までに、LはNより大きく、Mより小さい自然数であり、第1コネクタに結合するバッテリーモジュールBMに含まれたバッテリーセルの数と同一である。
【0058】
第2コネクタは、ワイヤハーネス200と回路基板100との間の機械的かつ電気的な結合のためのものであり、第1から第(L+1)のボード接続端子B[1]~B[L+1]、第1中継ボード接続端子BA[1]及び第2中継ボード接続端子BA[2]を含む。第1中継ボード接続端子BA[1]及び第2中継ボード接続端子BA[2]は、第(L-N+1)ボード接続端子B[L-N+1]及び第(L-N)ボード接続端子B[L-N]の間の離隔領域に位置し得る。
【0059】
接続部は、第1コネクタと第2コネクタとの間の機械的かつ電気的な結合のためのものであり、第1から第(L+1)のワイヤW[1]~W[L+1]及び中継ワイヤWAを含む。
【0060】
kが(L+1)以下の自然数である場合、第1から第(L+1)のワイヤW[1]~W[L+1]のうちの第kワイヤ(W[k])は、第1から第(L+1)のセル接続端子A[1]~A[L+1]のうちの第kセル接続端子A[k]と、第1から第(L+1)のボード接続端子B[1]~B[L+1]のうちの第kボード接続端子B[k]とを電気的に接続する。
【0061】
中継ワイヤWAは、第1中継ボード接続端子BA[1]と第2中継ボード接続端子BA[2]とを電気的に接続する。第1中継ボード接続端子BA[1]と第2中継ボード接続端子BA[2]は、中継ワイヤWAによって実質的に同電位を有するようになる。
【0062】
図5は、直列接続された複数のバッテリーセルを含むバッテリーモジュールBMが、図4に示されたワイヤハーネス200を介して図3に示された回路基板100に接続された様子を例示的に示す図である。説明の便宜のために、図5では、MがLより3以上大きく、LがNより4以上大きいものとして例示した。
【0063】
図5を参照すると、バッテリーモジュールBMは、直列に接続された第1から第LのバッテリーセルC[1]~C[L]を含む。
【0064】
第1から第LのバッテリーセルC[1]~C[L]のうちの第1バッテリーセルC[1]の負極端子が最低電位を有し、第LバッテリーセルC[L]の正極端子が最高電位を有する。このとき、隣接する2つのバッテリーセル(例えば、C[1]とC[2])のうち相対的に上側に位置するバッテリーセル(例えば、C[2])の負極端子は、他のバッテリーセル(例えば、C[1])の正極端子に電気的に接続される。
【0065】
ワイヤハーネス200の第1コネクタがバッテリーモジュールBMに結合するとき、第1から第LのバッテリーセルC[1]~C[L]の正極端子と負極端子は、ワイヤハーネス200の第1から第(L+1)のセル接続端子A[1]~A[L+1]に電気的に接続される。
【0066】
詳しくは、第1から第(L+1)のセル接続端子A[1]~A[L+1]のうちの第kセル接続端子A[k]は、第1から第LのバッテリーセルC[1]~C[L]のうちの第kバッテリーセルC[k]の負極端子に電気的に接続され得る。第(L+1)セル接続端子は、第LバッテリーセルC[L]の正極端子に電気的に接続され得る。
【0067】
ワイヤハーネス200の第2コネクタが回路基板100に結合するとき、第1中継ボード接続端子BA[1]は、回路基板100の中継ボード端子TAに電気的に接続され、第2中継ボード接続端子BA[2]は、回路基板100の第1から第(M+1)のボード端子T[1]~T[M+1]のうちの第(L-N+1)ボード端子T[L-N+1]に電気的に接続される。
【0068】
ワイヤハーネス200の第2コネクタが回路基板100に結合するとき、第1から第(L+1)のボード接続端子B[1]~B[L+1]のうちの第1から第(L-N)のボード接続端子B[1]~B[L-N]は、第1から第(M+1)のボード端子T[1]~T[M+1]のうちの第1から第(L-N)のボード端子T[1]~T[L-N]に一対一に電気的に接続される。
【0069】
これによって、第1から第LのバッテリーセルC[1]~C[L]のうちの第1から第(L-N-1)のバッテリーセルC[1]~C[L-N-1]のそれぞれのセル電圧V[1]~V[L-N-1]がバッテリー監視回路10の第1から第(L-N-1)の電圧センシングチャネルに伝達される。
【0070】
また、ワイヤハーネス200の第2コネクタが回路基板100に結合するとき、ワイヤハーネス200の第1中継ボード接続端子BA[1]は、回路基板100の中継ボード端子TAに電気的に接続され、ワイヤハーネス200の第2中継ボード接続端子BA[2]は、回路基板100の第(L-N+1)ボード端子T[L-N+1]に電気的に接続される。
【0071】
第(L-N)バッテリーセルC[L-N]の正極端子は、第(L-N+1)セル接続端子A[L-N+1]、第(L-N+1)ワイヤW[L-N+1]、第(L-N+1)ボード接続端子B[L-N+1]、第(M-N+1)ボード端子T[M-N+1]、第(M-N+1)導電パターンR[M-N+1]、中継導電パターンRA、中継ボード端子TA、第1中継ボード接続端子BA[1]、中継ワイヤWA、第2中継ボード接続端子BA[2]、第(L-N+1)ボード端子T[L-N+1]及び第(L-N+1)導電パターンR[L-N+1]を介してバッテリー監視回路10の第(L-N+1)電圧センシングピンP[L-N+1]に電気的に接続される。
【0072】
また、第(L-N)バッテリーセルC[L-N]の負極端子は、第(L-N)セル接続端子A[L-N]、第(L-N)ワイヤW[L-N]、第(L-N)ボード接続端子B[L-N]、第(L-N)ボード端子T[L-N]及び第(L-N)導電パターンR[L-N]を介してバッテリー監視回路10の第(L-N)電圧センシングピンP[L-N]に電気的に接続される。
【0073】
これによって、第1から第LのバッテリーセルC[1]~C[L]のうちの第(L-N)バッテリーセルC[L-N]のセル電圧V[L-N]が2つのボード端子T[L-N+1]とT[L-N]を介してバッテリー監視回路10の第(L-N)電圧センシングチャネルに伝達される。
【0074】
また、ワイヤハーネス200の第2コネクタが回路基板100に結合するとき、第1から第(L+1)のボード接続端子B[1]~B[L+1]のうちの第(L-N+1)から第(L+1)のボード接続端子B[L-N+1]~B[L+1]は、第1から第(M+1)のボード端子T[1]~T[M+1]のうちの第(M-N+1)から第(M+1)のボード端子T[M-N+1]~T[M+1]に一対一に電気的に接続される。
【0075】
これによって、第1から第LのバッテリーセルC[1]~C[L]のうちの第(L-N+1)から第LのバッテリーセルC[L-N+1]~C[L]のそれぞれのセル電圧V[L-N+1]~V[L]がバッテリー監視回路の第(M-N+1)から第Mの電圧センシングチャネルに伝達されることで、バッテリー監視回路10の制約条件が完全を満たすことができる。
【0076】
上記のような接続関係により、ワイヤハーネス200の第1コネクタと第2コネクタがそれぞれバッテリーモジュールBMと回路基板100に結合するとき、第1から第(L-N-1)のバッテリーセルC[1]~C[L-N-1]、第(L-N)バッテリーセルC[L-N]及び第(L-N+1)から第LのバッテリーセルC[L-N+1]~C[L]のそれぞれのセル電圧を正常に測定可能である。
【0077】
一方、ワイヤハーネス200の第2コネクタが回路基板100に結合するとき、回路基板100の第(L-N+2)から第(M-N)のボード端子T[L-N+2]~T[M-N]は開放回路状態であるため、第(L-N+2)から第(M-N)の電圧センシングピンP[L-N+2]~P[M-N]には電圧が印加されず、よって、(M-L-2)個の電圧センシングチャネル、第(L-N+2)から第(M-N)の電圧センシングチャネルは、アイドル状態(open state)で残ることになる。
【0078】
本発明は、上述した特定の実施形態及び応用例に限定されず、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨を逸脱することなく、当該発明が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば種々の変形実施が可能であることはもちろん、このような変形実施は、本発明の技術的思想や見通しから個別に理解されてはならない。
図1
図2
図3
図4
図5