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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-27
(45)【発行日】2025-07-07
(54)【発明の名称】無停電電源装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 9/06 20060101AFI20250630BHJP
【FI】
H02J9/06 120
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2024571000
(86)(22)【出願日】2024-09-13
(86)【国際出願番号】 JP2024032951
【審査請求日】2024-12-02
(73)【特許権者】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】株式会社TMEIC
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今西 亮五
(72)【発明者】
【氏名】山本 融真
(72)【発明者】
【氏名】木下 雅博
(72)【発明者】
【氏名】長野 弘孝
【審査官】及川 尚人
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-060845(JP,A)
【文献】特開2014-239564(JP,A)
【文献】特許第6947944(JP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0270744(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 9/00-11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源からの交流電力を直流電力に変換して直流ラインに供給するコンバータと、
前記直流ラインに接続されたコンデンサと、
前記直流ラインと電力貯蔵装置との間で直流電力を授受する双方向チョッパと、
前記直流ラインから受ける直流電力を交流電力に変換して負荷に供給するインバータと、
前記直流ラインの直流電圧が第1の参照電圧になるように前記コンバータおよび前記双方向チョッパを制御する制御装置と、
前記交流電源と前記直流ラインとの間に、前記コンバータと並列に接続されるアシスト回路とを備え、
前記直流ラインの直流電圧が前記第1の参照電圧よりも低くかつ閾値電圧よりも高い場合には、前記アシスト回路は非活性化されており、
前記直流ラインの前記直流電圧が前記閾値電圧よりも低下した場合には、前記アシスト回路は活性化され、前記交流電源から入力される交流電圧を直流電圧に変換して前記直流ラインに出力する、無停電電源装置。
【請求項2】
前記アシスト回路は、
前記交流電源に接続される一次巻線と、二次巻線とを有し、前記交流電源から前記一次巻線に印加される一次電圧を変圧比で二次電圧に変換する変圧器と、
前記変圧器の前記二次巻線と前記直流ラインとの間に接続され、前記二次巻線の前記二次電圧を全波整流して前記直流ラインに出力するダイオード整流器とを含み、
前記変圧器の前記変圧比は、前記二次電圧の振幅が前記閾値電圧以上となるように設定される、請求項1に記載の無停電電源装置。
【請求項3】
前記交流電源の健全時には、前記制御装置は、
前記コンバータの入力電圧と入力電流との位相が一致し、かつ前記直流ラインの前記直流電圧が前記第1の参照電圧になるように前記コンバータを制御し、かつ、前記電力貯蔵装置の端子間電圧が第2の参照電圧になるように前記双方向チョッパを制御する一方で、
前記直流ラインの前記直流電圧が下限電圧よりも低下した場合には、前記直流ラインの前記直流電圧が前記第1の参照電圧になるように前記双方向チョッパを制御するように構成され、
前記閾値電圧は、前記下限電圧よりも高い値に設定される、請求項1または2に記載の無停電電源装置。
【請求項4】
前記交流電源の停電時には、前記制御装置は、
前記コンバータの運転を停止するとともに、前記直流ラインの前記直流電圧が前記第1の参照電圧になるように前記双方向チョッパを制御する、請求項3に記載の無停電電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無停電電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば国際公開第2020/026430号(特許文献1)には、コンバータ、コンデンサ、双方向チョッパ、インバータ、および制御装置を備えた無停電電源装置が開示されている。コンバータは、交流電源の健全時に、交流電源から供給される交流電力を直流電力に変換して直流ラインに供給する。コンデンサは、直流ラインに接続されている。双方向チョッパは、直流ラインと電力貯蔵装置との間で直流電力を授受する。インバータは、直流ラインから受ける直流電力を交流電力に変換して負荷に供給する。制御装置は、交流電源の健全時には、直流ラインの直流電圧が第1の参照電圧になるようにコンバータを制御するとともに、電力貯蔵装置の端子間電圧が第2の参照電圧になるように双方向チョッパを制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2020/026430号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した無停電電源装置では、直流ラインの直流電圧と第1の参照電圧との偏差に応じたフィードバック成分を含む交流入力電流を交流電源からコンバータに流すことにより、直流ラインの直流電圧を安定に制御することができる。
【0005】
その一方で、上述した制御では、負荷電流の急変に高速に対応することができないとう問題がある。そのため、直流ラインの直流電圧が低下し、インバータの交流出力電圧の波形が歪んでしまう可能性がある。
【0006】
このような負荷電流の急変に対応するために、コンバータの制御と並行して、直流ラインの直流電圧が第1の参照電圧になるように双方向チョッパを制御する場合がある。しかしながら、負荷電流の急変に対応して双方向チョッパを制御することにより、負荷電流が急変するごとに電力貯蔵装置の放電および充電が行われることになる。このため、繰り返しの充放電に伴う電力貯蔵装置の劣化が懸念される。
【0007】
それゆえ、本開示の主たる目的は、電力貯蔵装置の長寿命化を可能とする無停電電源装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に従う無停電電源装置は、コンバータ、コンデンサ、双方向チョッパ、インバータ、制御装置、およびアシスト回路を備える。コンバータは、交流電源からの交流電力を直流電力に変換して直流ラインに供給する。コンデンサは、直流ラインに接続される。双方向チョッパは、直流ラインと電力貯蔵装置との間で直流電力を授受する。インバータは、直流ラインから受ける直流電力を交流電力に変換して負荷に供給する。制御装置は、直流ラインの直流電圧が第1の参照電圧になるようにコンバータおよび双方向チョッパを制御する。アシスト回路は、交流電源と直流ラインとの間に、コンバータと並列に接続される。直流ラインの直流電圧が第1の参照電圧よりも低くかつ閾値電圧よりも高い場合には、アシスト回路は非活性化される。直流ラインの直流電圧が閾値電圧よりも低下した場合には、アシスト回路は活性化される。アシスト回路は、交流電源から入力される交流電圧を直流電圧に変換して直流ラインに出力する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、負荷電流の急変に伴う電力貯蔵装置の放電および充電が抑制されるため、繰り返しの充放電に伴う電力貯蔵装置の劣化を抑制することができる。これにより、電力貯蔵装置の長寿命化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の実施の形態に従う無停電電源装置の回路ブロック図である。
図2】制御装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図3】制御装置のうちのコンバータの制御に関連する部分の構成を示すブロック図である。
図4】制御装置のうちの双方向チョッパの制御に関連する部分の構成を示すブロック図である。
図5】コンバータおよびアシスト回路の構成例を示す回路図である。
図6】アシスト回路の設計を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下では図中の同一または相当部分には同一符号を付してその説明は原則的に繰り返さないものとする。
【0012】
図1は、本開示の実施の形態に従う無停電電源装置の回路ブロック図である。本実施の形態に従う無停電電源装置10は、実際には商用交流電源1から三相交流電圧を受け、負荷2に三相交流電圧を供給するが、図面および説明の簡単化を図るため、図1では一相交流電圧に関連する部分のみが示されている。
【0013】
図1に示すように、無停電電源装置10は、交流入力端子T1、バッテリ端子T2、および交流出力端子T3を備える。交流入力端子T1は、商用交流電源1から商用周波数の交流電力を受ける。バッテリ端子T2は、バッテリ3に接続される。交流出力端子T3は、負荷2に接続される。
【0014】
無停電電源装置10はさらに、スイッチS1~S3、コンデンサC1~C3、リアクトルL1~L3、電流検出器CD1~CD3、コンバータ11、直流ライン12、双方向チョッパ13、インバータ14、操作部15、および制御装置16を備える。
【0015】
スイッチS1およびリアクトルL1は、交流入力端子T1とコンバータ11の交流ノード11aとの間に直列接続される。スイッチS1は、制御装置16によって制御される。商用交流電源1から交流電力が正常に供給されている場合(商用交流電源1の健全時)には、スイッチS1はオンされる。商用交流電源1からの交流電力が正常に供給されなくなった場合(商用交流電源1の停電時)には、スイッチS1はオフされる。
【0016】
電流検出器CD1は、商用交流電源1とコンバータ11の間に流れる電流Iiを検出し、その検出値を示す信号Iifを制御装置16に出力する。交流入力端子T1に現れる交流入力電圧VIの瞬時値は、制御装置16によって検出される。制御装置16は、交流入力電圧VIの検出値に基づいて、停電が発生したか否かを判別する。また、制御装置16は、交流入力電圧VIの検出値に基づいて、コンバータ11などを制御する。
【0017】
コンデンサC1は、スイッチS1とリアクトルL1の間のノードN1と、中性点NPとの間に接続される。コンデンサC1およびリアクトルL1は、交流フィルタを構成する。この交流フィルタは、低域通過フィルタであり、商用周波数の交流電力を通過させ、コンバータ11で発生するスイッチング周波数の信号が交流入力端子T1に通過することを防止する。
【0018】
コンバータ11は、複数のトランジスタおよび複数のダイオードを含む周知のものであり、制御装置16によって制御される。商用交流電源1の健全時には、コンバータ11は、交流ノード11aが受ける交流電力を直流電力に変換して直流ノード11cに出力する。直流ノード11cは、直流ライン12に接続されている。コンバータ11の出力電圧は、所望の値に制御可能になっている。商用交流電源1の停電時には、コンバータ11の運転は停止される。
【0019】
コンデンサC2は、直流ライン12に接続され、直流ライン12の電圧を平滑化させる。直流ライン12に現れる直流電圧VDの瞬時値は、制御装置16によって検出される。
【0020】
制御装置16は、商用交流電源1の健全時には、直流ライン12の直流電圧VDが参照電圧VD*になるようにコンバータ11を制御し、商用交流電源1の停電時には、コンバータ11の運転を停止させる。参照電圧VD*は「第1の参照電圧」に対応する。
【0021】
直流ライン12は双方向チョッパ13の高電圧側ノード13aに接続され、双方向チョッパ13の低電圧側ノード13cはリアクトルL2およびスイッチS2を介してバッテリ端子T2に接続される。スイッチS2は、無停電電源装置10の使用時にオンされ、例えば無停電電源装置10およびバッテリ3のメンテナンス時にオフされる。リアクトルL2は、双方向チョッパ13とバッテリ3の間に流れる電流Ibを平滑化する。
【0022】
双方向チョッパ13は、複数のトランジスタおよび複数のダイオードを含む周知のものであり、制御装置16によって制御される。双方向チョッパ13は、商用交流電源1の健全時には、直流ライン12から受ける直流電力をバッテリ3に蓄え、商用交流電源1の停電時には、バッテリ3の直流電力を直流ライン12に供給する。
【0023】
双方向チョッパ13は、直流電力をバッテリ3に蓄える場合には、直流ライン12の直流電圧VDを降圧してバッテリ3に与える。また、双方向チョッパ13は、バッテリ3の直流電力をインバータ14に供給する場合は、バッテリ3の端子間電圧VBを昇圧して直流ライン12に出力する。
【0024】
電流検出器CD2は、双方向チョッパ13とバッテリ3との間に流れるバッテリ電流Ibを検出し、その検出値を示す信号Ibfを制御装置16に出力する。バッテリ端子T2に現れるバッテリ3の端子間電圧(バッテリ電圧)VBの瞬時値は、制御装置16によって検出される。
【0025】
制御装置16は、商用交流電源1の健全時には、バッテリ電圧VBが参照電圧VB*になるように双方向チョッパ13を制御し、商用交流電源1の停電時には、直流ライン12の直流電圧VDが参照電圧VD*になるように双方向チョッパ13を制御する。参照電圧VB*は「第2の参照電圧」に対応する。
【0026】
インバータ14は、複数のトランジスタおよび複数のダイオードを含む周知のものであり、制御装置16によって制御される。インバータ14は、直流ライン12から直流ノード14aを介して受ける直流電力を商用周波数の交流電力に変換して交流ノード14cに出力する。インバータ14の出力電圧は所望の値に制御可能になっている。
【0027】
インバータ14の交流ノード14cはリアクトルL3を介してスイッチS3の第1の端子(ノードN2)に接続され、スイッチS3の第2の端子は交流出力端子T3に接続される。コンデンサC3は、ノードN2と中性点NPとの間に接続される。
【0028】
リアクトルL3およびコンデンサC3は、交流フィルタを構成する。この交流フィルタは、低域通過フィルタであり、インバータ14で生成される商用周波数の交流電力を交流出力端子T3に通過させ、インバータ14で発生するスイッチング周波数の信号が交流出力端子T3に通過することを防止する。
【0029】
スイッチS3は、制御装置16によって制御され、無停電電源装置10の運転時などにオンされ、無停電電源装置10の運転停止時などにオフされる。交流出力端子T3に現れる交流出力電圧VOの瞬時値は、制御装置16によって検出される。
【0030】
電流検出器CD3は、インバータ14と負荷2の間に流れる電流(負荷電流)Ioを検出し、その検出値を示す信号Iofを制御装置16に与える。制御装置16は、交流出力電圧VOが正弦波状の参照電圧VO*になるようにインバータ14を制御する。
【0031】
操作部15は、無停電電源装置10の使用者によって操作される複数のボタン、種々の情報を表示するディスプレイなどを含む。使用者が操作部15を操作することにより、参照電圧VD*,VB*,VO*を設定したり、無停電電源装置10の電源をオンおよびオフしたり、無停電電源装置10を自動運転させたり、手動運転させることが可能となっている。
【0032】
制御装置16は、交流入力電圧VI、交流入力電流Ii、直流電圧VD、バッテリ電圧VB、バッテリ電流Ib、交流出力電圧VO、負荷電流Io、参照電圧VD*,VB*,VO*、操作部15からの信号などに基づいて無停電電源装置10全体を制御する。
【0033】
図2は、制御装置16のハードウェア構成例を示すブロック図である。図2に示すように、制御装置16は、代表的には、所定のプログラムが予め記憶されたマイクロコンピュータによって構成することができる。
【0034】
図2の例では、制御装置16は、CPU(Central Processing Unit)160、メモリ162と、入出力(I/O)回路164とを含む。CPU160、メモリ162、およびI/O回路164は、バス166を経由して、相互にデータの授受が可能である。メモリ162の一部領域にはプログラムが格納されており、CPU160が当該プログラムを実行することで、後述する各種機能を実現することができる。I/O回路164は、制御装置16の外部との間で信号およびデータを入出力する。
【0035】
あるいは、図2の例とは異なり、制御装置16の少なくとも一部については、FPGA(Field Programmable Gate Array)またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの回路を用いて構成することができる。
【0036】
図1に戻って、制御装置16は、商用交流電源1の健全時には、直流ライン12の直流電圧VDが参照電圧VD*になり、かつコンバータ11の入力電流(交流入力電流Ii)と交流入力電圧VIとの位相が一致するように(すなわち、入力力率が1になるように)コンバータ11を制御する。商用交流電源1の停電時には、制御装置16は、コンバータ11の運転を停止させる。
【0037】
また、制御装置16は、商用交流電源1の健全時には、バッテリ電圧VBが参照電圧VB*になるように双方向チョッパ13を制御する。商用交流電源1の停電時には、制御装置16は、直流ライン12の直流電圧VDが参照電圧VD*になるように双方向チョッパ13を制御する。
【0038】
さらに、制御装置16は、交流出力電圧VOが正弦波状の参照電圧VO*になるようにインバータ14を制御する。
【0039】
図3は、制御装置16のうちのコンバータ11の制御に関連する部分の構成を示すブロック図である。図3に示すように、制御装置16は、参照電圧発生部20と、減算器24,32と、移動平均回路22と、直流電圧制御部26と、正弦波発生部28と、乗算器30と、電流制御部34と、加算器36と、停電検出器38と、PWM(Pulse Width Modulation)回路40とを含んで構成される。
【0040】
参照電圧発生部20は、参照電圧VD*を生成する。移動平均回路22は、直流電圧VDに対して、予め定められた移動平均区間Twでの移動平均値を求める。移動平均区間Twは、例えば、商用交流電源1の周波数(商用周波数)fの逆数(Tw=1/f)に設定される。したがって、商用交流電源1の周波数f=50Hzの場合、移動平均区間Tw=20msとなる。
【0041】
減算器24は、参照電圧VD*と、移動平均回路22からの直流電圧VDの移動平均値との偏差ΔVD=VD*-VDを求める。
【0042】
直流電圧制御部26は、偏差ΔVDが0になるようにコンバータ11の入力電流(交流入力電流Ii)を制御するための電流指令値ID*を求める。直流電圧制御部26は、例えば、偏差ΔVDを比例演算または比例積分演算することにより、電圧ΔVDに応じた値の電流指令値ID*を求める。偏差ΔVDが増大すると電流指令値ID*が増大して偏差ΔVDが減少し、偏差ΔVDが減少すると電流指令値ID*が減少して偏差ΔVDがなくなるように、フィードバック制御が行われる。
【0043】
正弦波発生部28は、商用交流電源1からの交流入力電圧VIと同相の正弦波信号を生成する。乗算器30は、正弦波信号に電流指令値ID*を乗算して、電流指令値Ii*を生成する。これにより交流入力電圧VIと同相の電流指令値Ii*が生成される。
【0044】
減算器32は、電流指令値Ii*と電流検出器CD1により検出された交流入力電流Iiとの偏差ΔIi=Ii*-Iiを求める。
【0045】
電流制御部34は、偏差ΔIiが0になるように電圧指令値VIa*を生成する。電流制御部34は、例えば偏差ΔIiを比例制御または比例積分制御に従って増幅することにより電圧指令値VIa*を生成する。加算器36は、電圧指令値VIa*と交流入力電圧VIとを加算して電圧指令値VI*を生成する。
【0046】
停電検出器38は、商用交流電源1から供給される交流入力電圧VIに基づいて、商用交流電源1の停電が発生したか否かを検出し、検出結果を示す停電検出信号φFを出力する。停電検出信号φFは、商用交流電源1の健全時には非活性化レベルの「L」レベルにされる。商用交流電源1の停電が発生した場合には、停電検出信号φFは、活性化レベルの「H」レベルにされる。例えば、停電検出器38は、交流入力電圧VIが下限値よりも低下した場合に、商用交流電源1の停電が発生したと判定する。
【0047】
PWM回路40は、停電検出器38からの停電検出信号φFが非活性化レベルの「L」レベルである場合(商用交流電源1の健全時)には、正弦波状の電圧指令値VI*に基づいてコンバータ11を制御する。これにより、直流電圧VDは参照電圧VD*に維持される。
【0048】
また、PWM回路40は、停電検出信号φFが活性化レベルの「H」レベルである場合(商用交流電源1の停電時)には、コンバータ11の運転を停止させる。これにより、交流入力端子T1と直流ライン12とが電気的に切り離される。
【0049】
このように制御することにより、商用交流電源1の健全時には、直流ライン12の直流電圧VDが参照電圧VD*になり、かつコンバータ11の入力電流(交流入力電流Ii)と交流入力電圧VIとの位相が一致するように(すなわち、入力力率が1になるように)、直流電圧VDと参照電圧VD*との偏差ΔVDに応じたフィードバック成分を含む交流入力電流Iiを商用交流電源1からコンバータ11に流すことができる。これにより、直流電圧VDを安定に制御することができる。
【0050】
その一方で、負荷電流Ioが急変した場合には、上述した制御では、負荷電流Ioの急変に高速に対応することができないとい問題がある。そのため、直流電圧VDが低下し、インバータ14の交流出力電圧VOの波形が歪む可能性がある。
【0051】
このような負荷電流Ioの急変に対応するために、制御装置16は、図3に示したコンバータ11の制御と並行して、直流ライン12の直流電圧VDが参照電圧VD*になるように、双方向チョッパ13を制御する。
【0052】
図4は、制御装置16のうちの双方向チョッパ13の制御に関連する部分の構成を示すブロック図である。図4に示すように、制御装置16は、電圧制御部42,54と、減算器44,52,56と、電流制御部46,58と、PWM回路48,60と、比較器50とを含んで構成される。
【0053】
電圧制御部42は、図3に示した減算器24から参照電圧VD*と移動平均回路22からの直流電圧VDの移動平均値との偏差ΔVD=VD*-VDを受ける。電圧制御部42は、バッテリ電圧VBに基づいて、偏差ΔVDに応じた値の電流指令値Ib*を求める。電圧制御部42は、例えば、偏差ΔVDを比例演算または比例積分演算することにより、電流指令値Ib*を求める。
【0054】
減算器44は、電圧制御部42により生成された電流指令値Ib*と電流検出器CD2により検出されたバッテリ電流Ibとの偏差ΔIb=Ib*-Ibを求める。電流制御部46は、偏差ΔIbに基づいて電圧指令値V*を生成する。電流制御部46は、例えば、偏差ΔIbを比例演算または比例積分演算することにより電圧指令値V*を求める。
【0055】
比較器50は、直流電圧VDと予め定められた下限電圧VDminとを比較し、比較結果を示す信号φCを出力する。信号φCは、VD≧VDminである場合には非活性化レベルの「L」レベルにされる。VD<VDminである場合には、信号φCは、活性化レベルの「H」レベルにされる。
【0056】
PWM回路48は、停電検出器38からの停電検出信号φFが「H」レベルである場合(商用交流電源1の停電時)、または比較器50の出力信号φCが「H」レベルである場合(VD<VDmin)に活性化され、電圧指令値V*に基づいて双方向チョッパ13を制御する。これにより、直流電圧VDは参照電圧VD*に維持される。
【0057】
また、PWM回路48は、停電検出器38からの停電検出信号φFが「L」レベルである場合(商用交流電源1の健全時)および比較器50の出力信号φCが「L」レベルである場合(VD≧VDmin)に非活性化され、双方向チョッパ13のPWM制御を行わない。
【0058】
なお、商用交流電源1の健全時であってVD≧VDminである場合には、制御装置16は、バッテリ3に直流電力を蓄えるように双方向チョッパ13を制御する。具体的には、減算器52は、参照電圧VB*とバッテリ電圧VBとの偏差ΔVB=VB*-VBを求める。電圧制御部54は、偏差ΔVBに基づいて電流指令値Ib*を生成する。電圧制御部54は、例えば、偏差ΔVBを比例演算または比例積分演算することにより電流指令値Ib*を求める。
【0059】
減算器56は、電圧制御部54により生成された電流指令値Ib*と電流検出器CD2により検出されたバッテリ電流Ibとの偏差ΔIb=Ib*-Ibを求める。電流制御部58は、偏差ΔIbに基づいて電圧指令値V*を生成する。電流制御部58は、例えば、偏差ΔIbを比例演算または比例積分演算することにより電圧指令値V*を求める。
【0060】
PWM回路60は、停電検出器38からの停電検出信号φFが「L」レベルである場合(商用交流電源1の健全時)、または比較器50の出力信号φCが「L」レベルである場合(VD≧VDmin)に活性化され、電圧指令値V*に基づいて双方向チョッパ13を制御する。これにより、バッテリ電圧VBは参照電圧VB*に維持される。
【0061】
このように商用交流電源1の健全時には、直流電圧VDが下限電圧VDminを下回ったことに応じて比較器50の出力信号φCが「H」レベルになると、制御装置16は、直流電圧VDの低下を補償するように、双方向チョッパ13を制御する。したがって、双方向チョッパ13は、バッテリ電圧VBを参照電圧VD*に昇圧して直流ライン12に出力する。
【0062】
双方向チョッパ13がバッテリ3の直流電力を直流ライン12に供給することにより、バッテリ3の蓄電量が減少するため、バッテリ電圧VBが参照電圧VB*から低下する。直流電圧VDが上昇して下限電圧VDminを超えたことに応じて、比較器50の出力信号φCが「L」レベルになると、制御装置16は、バッテリ電圧VBが参照電圧VB*になるように双方向チョッパ13を制御する。したがって、双方向チョッパ13は、直流ライン12の直流電圧VDを降圧してバッテリ3に与えることにより、再び直流電力をバッテリ3に蓄える。
【0063】
しかしながら、このように負荷電流Ioの急変に対応して双方向チョッパ13を制御することにより、負荷電流Ioが急変するごとにバッテリ3の放電および充電が行われることになる。このため、繰り返しの充放電に伴うバッテリ3の劣化が懸念される。
【0064】
このような懸念点に対応して、本実施の形態に従う無停電電源装置10は、負荷2の急変時にコンバータ11をアシストするためのアシスト回路17をさらに備える。
【0065】
図1に示すように、アシスト回路17は、交流ノード17aと、直流ノード17cとを有する。アシスト回路17の交流ノード17aは、リアクトルL1とコンバータ11の交流ノード11aとの間のノードに接続される。アシスト回路17の直流ノード17cは、直流ライン12に接続される。すなわち、アシスト回路17は、商用交流電源1と直流ライン12との間にコンバータ11と並列に接続される。
【0066】
図5は、コンバータ11およびアシスト回路17の構成例を示す回路図である。図5に示すように、コンバータ11とインバータ14の間には、正側の直流ライン12Pと負側の直流ライン12Nとが接続されている。コンデンサC2は、直流ライン12P,12N間に接続されている。
【0067】
コンバータ11は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)Q1~Q4およびダイオードD1~D4を含む。IGBTQ1,Q3のコレクタはともに直流ライン12Pに接続され、それらのエミッタはそれぞれ交流ノード11a,11bに接続される。
【0068】
IGBTQ2,Q4のコレクタはそれぞれ交流ノード11a,11bに接続され、それらのエミッタはともに直流ライン12Nに接続される。ダイオードD1~D4は、それぞれIGBTQ1~Q4に逆並列に接続される。ダイオードD1~D4は、還流ダイオード(FWD:Free Wheeling Diode)を構成する。コンバータ11は、IGBT以外に、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Filed Effect Transistor)などの任意の自己消弧型素子によって構成することができる。
【0069】
コンバータ11の交流ノード11aはリアクトルL1を介してノードN1に接続され、交流ノード11bは中性点NPに接続される。コンデンサC1は、ノードN1と中性点NPの間に接続される。
【0070】
IGBTQ1,Q4とIGBTQ2,Q3とは、交互にオンされる。IGBTQ1,Q4がオンされるとともにIGBTQ2,Q3がオフされると、コンデンサC2の正側端子(直流ライン12P)がIGBTQ1を介して交流ノード11aに接続されるとともに、交流ノード11bがIGBTQ4を介してコンデンサC2の負側端子(直流ライン12N)に接続され、交流ノード11a,11b間にコンデンサC2の端子間電圧が出力される。すなわち、交流ノード11a,11b間に正の直流電圧が出力される。
【0071】
IGBTQ2,Q3がオンされるとともにIGBTQ1,Q4がオフされると、コンデンサC2の正側端子(直流ライン12P)がIGBTQ3を介して交流ノード11bに接続されるとともに、交流ノード11aがIGBTQ2を介してコンデンサC2の負側端子(直流ライン12N)に接続され、交流ノード11b,11a間にコンデンサC2の端子間電圧が出力される。すなわち、交流ノード11a,11b間に負の直流電圧が出力される。なお、図5の例では、コンバータ11は2レベル回路により構成されているが、コンバータ11はマルチレベル回路により構成されてもよい。
【0072】
アシスト回路17は、変圧器18と、整流器19とを含んで構成される。変圧器18および整流器19は、アシスト回路17の交流ノード17a,17bと直流ノード17c,17dとの間に直列に接続される。
【0073】
変圧器18は、絶縁型の変圧器であり、一次巻線18aと、二次巻線18bとを有する。一次巻線18aの第1の端子はアシスト回路17の交流ノード17aに接続され、第2の端子はアシスト回路17の交流ノード17bに接続される。二次巻線18bの第1の端子は整流器19の交流ノード19aに接続され、第2の端子は整流器19の交流ノード19bに接続される。
【0074】
一次巻線18aの第1および第2の端子間には一次電圧Vtr1が印加される。二次巻線18bの第1および第2の端子間には二次電圧Vtr2が印加される。変圧器18の変圧比Rは、一次電圧Vtr1と二次電圧Vtr2との比であり、Vtr1/Vtr2で表される。
【0075】
変圧比Rは、一次巻線18aと二次巻線18bとの巻数比によって決まる。一次巻線18aの巻数をn1、二次巻線18bの巻数を2とすると、Vtr1/Vtr2=n1/n2となる。なお、本実施の形態では、一次巻線18aの巻数n1は、二次巻線18bの巻数n2よりも大きい値に設定されている(n1>n2)。したがって、変圧器18の変圧比Rは1よりも大きい値となる(R>1)。
【0076】
整流器19は、全波整流型のダイオード整流器であり、ダイオードD5~D8を含む。ダイオードD5,D7のカソードはともに直流ノード17c(直流ライン12P)に接続され、それらのアノードはそれぞれ交流ノード19a,19bに接続される。ダイオードD6,D8のカソードはそれぞれ交流ノード19a,19bに接続され、それらのアノードはともに直流ノード17d(直流ライン12N)に接続される。
【0077】
次に、アシスト回路17の動作について説明する。
アシスト回路17は、商用交流電源1と直流ライン12との間にコンバータ11と並列に接続されている。アシスト回路17の交流ノード17a,17b間には、交流入力電圧VIが入力される。交流入力電圧VIは、変圧器18の一次巻線18aの第1および第2の端子間に印加される。すなわち、交流入力電圧VIは、変圧器18の一次電圧Vtr1となる(Vtr1=VI)。
【0078】
変圧器18は、変圧比Rに従って一次電圧Vtr1を二次電圧Vtr2に変換する。二次電圧Vtr2は、Vtr1/R=VI/Rとなる。R>1であるため、二次電圧Vtr2は、一次電圧Vtr1である交流入力電圧VIよりも低い値となる。
【0079】
整流器19は、交流ノード19a,19b間に変圧器18の二次電圧Vtr2=VI/Rを受ける。整流器19は、二次電圧Vtr2を全波整流して直流電圧VDに変換し、アシスト回路17の直流ノード17c,17d間に出力する。アシスト回路17は、整流器19により生成された直流電圧VDを直流ライン12P,12Nに出力する。
【0080】
このようにアシスト回路17は、商用交流電源1からの交流入力電圧VIを直流電圧VDに変換して直流ライン12P,12Nに出力するように構成されている。これにより、コンデンサC2は、アシスト回路17によって直流電圧VDに充電される。したがって、コンバータ11の制御が負荷電流Ioの急変に高速に対応することができない場合であっても、アシスト回路17によってコンデンサC2を充電することにより、直流電圧VDの低下を抑制することが可能となる。
【0081】
この結果、直流電圧VDが下限電圧VDminよりも高い値に維持されるため、直流電圧VDの低下を補償するように双方向チョッパ13を制御することが不要となる。これによると、負荷電流Ioの急変に対応したバッテリ3の放電および充電が行われなくなるため、繰り返しの充放電に伴うバッテリ3の劣化を抑制することが可能となる。
【0082】
しかしながら、その一方で、整流器19がダイオード整流器により構成されているため、負荷電流Ioが安定している定常時においても、アシスト回路17では、整流器19による整流動作が行われることになる。この整流動作では、交流ノード19a,19bに印加される二次電圧Vtr2の絶対値が直流電圧VDよりも高い期間に、ダイオードD5およびD8(またはダイオードD6およびD7)が導通してコンデンサC2が充電される。反対に、二次電圧Vtr2の絶対値が直流電圧VDよりも低い期間には、全てのダイオードD5~D8が非導通となり、電流が流れない。これにより、整流器19に流れる電流の波形は正弦波状にならず、高調波電流が発生する。そのため、交流入力電流Iiと交流入力電圧VIとの位相が一致するように(すなわち、入力力率が1になるように)コンバータ11を制御しているにもかかわらず、交流入力電流Iiの波形に歪みが生じてしまうという問題がある。
【0083】
そこで、本実施の形態では、直流電圧VDが予め定められた閾値電圧VDthよりも低下した場合にのみ整流器19が整流動作を行うように、アシスト回路17を設計する。図6は、アシスト回路17の設計を説明するための図である。図6には、変圧器18の一次電圧Vtr1および二次電圧Vtr2、並びに整流器19の出力電圧の波形が示されている。一次電圧Vtr1は交流入力電圧VIに等しいため、二次電圧Vtr2はVI/Rとなる。Rは変圧器18の変圧比である。
【0084】
図6に示すように、閾値電圧VDthは、参照電圧VD*よりも低く、かつ下限電圧VDminよりも高い値に設定される。さらに、変圧器18の変圧比Rは、二次電圧Vtr2の振幅が閾値電圧VDth以上となるように設定される。
【0085】
図6には、二次電圧Vtr2の振幅が閾値電圧VDthに等しい場合が示されている。この場合、変圧比Rは、一次電圧Vtr1である交流入力電圧VIの振幅と閾値電圧VDthとの比(VI/VDth)となる。したがって、変圧比Rを、VI/VDth以下となるように設定すれば、二次電圧Vtr2の振幅を閾値電圧VDth以上とすることができる。このような変圧比Rは、一次巻線18aの巻数n1および二次巻線18bの巻数n2を調整することによって実現することができる。
【0086】
このようにすると、アシスト回路17では、直流ライン12の直流電圧VDが閾値電圧VDthよりも低下した場合には、整流器19に入力される二次電圧Vtr2の振幅が直流電圧VDよりも高くなるため、整流器19による整流動作が行われることになる。この場合、整流器19が二次電圧Vtr2を全波整流して直流電圧VDに変換して直流ライン12P,12Nに出力することにより、コンデンサC2が充電される。
【0087】
そして、直流電圧VDが上昇して閾値電圧VDthよりも高くなると、整流器19に入力される二次電圧Vtr2の振幅が直流電圧VDよりも低くなるため、整流器19による整流動作が停止されることになる。
【0088】
すなわち、アシスト回路17は、直流ライン12の直流電圧VDが閾値電圧VDthよりも低下したことに応じて活性化されて、商用交流電源1から供給される交流電圧(交流入力電圧VI)を直流電圧VDに変換して直流ライン12に供給するように構成されている。その一方で、直流ライン12の直流電圧VDが閾値電圧VDthよりも高い場合には、アシスト回路17は非活性化される。
【0089】
以上説明したように、本実施の形態では、負荷電流Ioが急変した場合には、アシスト回路17が活性化されてコンバータ11をアシストすることにより、直流ライン12の直流電圧VDの低下を抑制することができる。これによると、直流電圧VDが下限電圧VDminまで低下することが抑制されるため、双方向チョッパ13によりバッテリ3の放電および充電が行われることを回避することができる。この結果、繰り返しの充放電に伴うバッテリ3の劣化を抑制することできる。
【0090】
また、負荷電流Ioが安定している定常時には、アシスト回路17が非活性化されるため、コンバータ11による交流入力電流Iiの制御に影響を与えることがない。
【0091】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0092】
1 商用交流電源、2 負荷、3 バッテリ、10 無停電電源装置、11 コンバータ、12,12P,12N 直流ライン、13 双方向チョッパ、14 インバータ、15 操作部、16 制御装置、17 アシスト回路、18 変圧器、18a 一次巻線、18b 二次巻線、19 整流器、20 参照電圧発生部、22 移動平均回路、24,32,44,52,56 減算器、26 直流電圧制御部、28 正弦波発生部、30 乗算器、34,46,58 電流制御部、36 加算器、38 停電検出器、40,48,60 PWM回路、42,54 電圧制御部、50 比較器、160 CPU、162 メモリ、164 I/O回路、166 バス、C1~C3 コンデンサ、CD1~CD3 電流検出器、Q1~Q4 IGBT、D1~D8 ダイオード、L1~L3 リアクトル、S1~S3 スイッチ、T1 交流入力端子、T2 バッテリ端子、T3 交流出力端子。
【要約】
コンバータ(11)は、交流電源(1)からの交流電力を直流電力に変換して直流ライン(12)に供給する。双方向チョッパ(13)は、直流ライン(12)と電力貯蔵装置(3)との間で直流電力を授受する。制御装置(16)は、直流ライン(12)の直流電圧が第1の参照電圧になるようにコンバータ(11)および双方向チョッパ(13)を制御する。アシスト回路(17)は、交流電源(1)と直流ライン(12)との間に、コンバータ(11)と並列に接続される。直流ライン(12)の直流電圧が第1の参照電圧よりも低くかつ閾値電圧よりも高い場合には、アシスト回路(17)は非活性化される。直流ライン(12)の直流電圧が閾値電圧よりも低下した場合には、アシスト回路(17)は活性化される。アシスト回路(17)は、交流電源(1)から入力される交流電圧を直流電圧に変換して直流ライン(12)に出力する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6