(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-30
(45)【発行日】2025-07-08
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20250701BHJP
【FI】
A63F7/02 315A
(21)【出願番号】P 2020178087
(22)【出願日】2020-10-23
【審査請求日】2023-09-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000144522
【氏名又は名称】株式会社三洋物産
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【氏名又は名称】山田 強
(72)【発明者】
【氏名】田村 誠行
(72)【発明者】
【氏名】角田 佳子
(72)【発明者】
【氏名】口田 恭敬
(72)【発明者】
【氏名】大宮司 裕輝
【審査官】佐藤 嘉純
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-126490(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技領域が形成されている遊技盤と、
遊技者の操作に基づいて前記遊技領域へ遊技球を発射可能な遊技球発射手段と、
前記遊技領域に設けられた所定入球手段へ遊技球が入球した場合に特別情報を取得することが可能な特別情報取得手段と、
前記特別情報取得手段により取得された特別情報に基づいて、遊技状態を、所定遊技状態から遊技者にとって有利な特別遊技状態へ移行させることの判定を行うことが可能な判定手段と、
前記判定手段による判定に基づいて所定の報知手段にて遊技回用動作を行い、前記判定の結果に対応した報知結果として当該遊技回用動作が終了されるように当該所定の報知手段を制御することが可能な手段と、
前記判定手段による判定の結果に基づいて、前記特別遊技状態に移行させることが可能な手段と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第1状態と、当該第1状態よりも遊技球が入球しにくい第2状態とに切替可能な可変入球手段と、
前記特別遊技状態に移行した場合に、前記可変入球手段の前記第1状態と前記第2状態との切替制御を実行可能な手段と、
を備える遊技機であって、
前記所定遊技状態において
前記判定手段による判定が行われる場合の遊技状況として、第1遊技状況と、当該第1遊技状況よりも遊技者に有利となり得る第2遊技状況と、前記第1遊技状況よりも遊技者に有利となり得る
遊技状況であって前記第2遊技状況よりも遊技者に不利となり得る第3遊技状況と、を構成可能であり、
前記第2遊技状況において所定条件の成立か
ら他の
遊技状況となるまでの期間が、前記第3遊技状況において特定条件の成立か
ら他の
遊技状況となるまでの期間よりも短くなることが可能に構成されて
おり、
前記第2遊技状況から前記第3遊技状況となることが可能な構成であって、
前記第3遊技状況から前記第2遊技状況となることが可能な構成であることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したタイプの遊技機においては、遊技への注目度を向上させる上で、その構成に未だ改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、遊技への注目度を好適に向上させることのできる遊技機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、
遊技領域が形成されている遊技盤と、
遊技者の操作に基づいて前記遊技領域へ遊技球を発射可能な遊技球発射手段と、
前記遊技領域に設けられた所定入球手段へ遊技球が入球した場合に特別情報を取得することが可能な特別情報取得手段と、
前記特別情報取得手段により取得された特別情報に基づいて、遊技状態を、所定遊技状態から遊技者にとって有利な特別遊技状態へ移行させることの判定を行うことが可能な判定手段と、
前記判定手段による判定に基づいて所定の報知手段にて遊技回用動作を行い、前記判定の結果に対応した報知結果として当該遊技回用動作が終了されるように当該所定の報知手段を制御することが可能な手段と、
前記判定手段による判定の結果に基づいて、前記特別遊技状態に移行させることが可能な手段と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第1状態と、当該第1状態よりも遊技球が入球しにくい第2状態とに切替可能な可変入球手段と、
前記特別遊技状態に移行した場合に、前記可変入球手段の前記第1状態と前記第2状態との切替制御を実行可能な手段と、
を備える遊技機であって、
前記所定遊技状態において前記判定手段による判定が行われる場合の遊技状況として、第1遊技状況と、当該第1遊技状況よりも遊技者に有利となり得る第2遊技状況と、前記第1遊技状況よりも遊技者に有利となり得る遊技状況であって前記第2遊技状況よりも遊技者に不利となり得る第3遊技状況と、を構成可能であり、
前記第2遊技状況において所定条件の成立から他の遊技状況となるまでの期間が、前記第3遊技状況において特定条件の成立から他の遊技状況となるまでの期間よりも短くなることが可能に構成されており、
前記第2遊技状況から前記第3遊技状況となることが可能な構成であって、
前記第3遊技状況から前記第2遊技状況となることが可能な構成であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、遊技への注目度を好適に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の実施の形態におけるパチンコ機を示す斜視図である。
【
図2】パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。
【
図3】パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。
【
図4】(a)遊技盤の構成を示す正面図、(b)主表示ユニットの正面図である。
【
図6】(a)第1可変入賞装置の正面斜視図、(b)第1可変入賞装置に係る通路構造を示す概略図である。
【
図7】可変入賞ユニットにおける流路を示す概略図である。
【
図8】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【
図9】当否抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明するための概略図である。
【
図10】第1作動口用の当否テーブルを示す概略図である。
【
図11】第2作動口用の当否テーブルを示す概略図である。
【
図12】(a)第1作動口用の振分テーブルを示す概略図、(b)第2作動口用の振分テーブルを示す概略図である。
【
図13】当たり種別と各種モードとの関係を示す概略図である。
【
図14】高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの関係を示す概略図である。
【
図15】主制御装置のMPUにて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
【
図16】主制御装置のMPUにて実行される通常処理を示すフローチャートである。
【
図17】遊技回制御処理を示すフローチャートである。
【
図18】第1作動口用制御処理を示すフローチャートである。
【
図19】第1作動口用変動開始処理を示すフローチャートである。
【
図20】第2作動口用制御処理を示すフローチャートである。
【
図21】第2作動口用変動開始処理を示すフローチャートである。
【
図22】遊技状態移行処理を示すフローチャートである。
【
図23】大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。
【
図24】第1開閉処理を示すフローチャートである。
【
図25】第2開閉処理を示すフローチャートである。
【
図26】開閉実行モード終了時の移行処理を示すフローチャートである。
【
図27】電役サポート用処理を示すフローチャートである。
【
図28】サポートモード毎の変動表示時間及び確定表示時間を比較した概略図である。
【
図29】電役開閉処理を示すフローチャートである。
【
図30】作動口用の変動表示時間設定処理を示すフローチャートである。
【
図31】遊技状態毎の変動表示時間及び確定表示時間の違いを示す概略図である。
【
図32】遊技状態毎の変動表示時間及び確定表示時間の違いを示す概略図である。
【
図33】遊技状態毎の変動表示時間及び確定表示時間の違いを示す概略図である。
【
図34】各遊技状態の関係を示すブロック図である。
【
図36】遊技進行に伴う持ち球の変化を示す概略図である。
【
図37】第2の実施の形態における作動口用の振分テーブルを示す概略図である。
【
図39】各遊技状態の関係を示すブロック図である。
【
図40】第3の実施の形態における作動口用の振分テーブルを示す概略図である。
【
図41】大当たり結果対応の変動表示時間テーブルを示す概略図である。
【
図42】遊技進行に伴う持ち球の変化を示す概略図である。
【
図43】第4の実施の形態における作動口用の振分テーブルを示す概略図である。
【
図44】第3通常遊技状態用の変動表示時間テーブルを示す概略図である。
【
図45】変動表示時間と特別遊技状態への移行契機との関係を示す概略図である。
【
図46】第3通常遊技状態用の設定処理の変形例を示すフローチャートである。
【
図47】第5の実施の形態における各遊技状態の関係を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
図1はパチンコ機10を正面側から見た斜視図、
図2及び
図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、
図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
【0010】
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とを有している。
【0011】
外枠11は板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。外枠11を島設備に取り付け固定することにより、パチンコ機10が遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
【0012】
遊技機主部12は、外枠11によって開閉可能な状態で支持されている。具体的には、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている(
図2及び
図3参照)。
【0013】
図2に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
【0014】
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている(
図3参照)。
【0015】
(前扉枠14)
次に、前扉枠14について説明する。
図2に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット22によって同前扉枠14の背面側から塞がれている。
【0016】
ガラスユニット22は、透明性を有する複数のガラスパネル23と、それらガラスパネル23を保持するガラスホルダとを備えている。ガラスホルダには、ガラスパネル23の保持領域を前後に仕切る仕切り部が形成されており、両ガラスパネル23は仕切り部を挟んで前後に相対向している。つまり、両ガラスパネル23の間に所定の隙間を確保することにより、ガラスパネル23同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル23によって遊技領域PEをパチンコ機10の正面側から2重に覆った状態となっている。
【0017】
なお、必ずしも両ガラスパネル23をガラスホルダを用いてユニット化する必要は無く、各ガラスパネル23を枠体20に対して個々に取り付ける構成としてもよい。更には、ガラスパネルの枚数は任意であり、1枚としてもよいし、3枚以上としてもよい。但し、安全性及び防犯性向上の観点から、複数のガラスパネルを採用し、それら各ガラスパネルを所定の隙間を挟んで前後に対向させることが好ましい。因みに、ガラスパネルに代えて透明性を有する合成樹脂性のパネル部材を採用することも可能である。
【0018】
図1に示すように、ガラスユニット22(詳しくは窓部21)の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部26が設けられている。環状電飾部26では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部26の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部27が設けられ、さらにその左右側方には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部28が設けられている。また、左右の賞球ランプ部28に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部29が設けられている。
【0019】
前扉枠14(枠体20)における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
【0020】
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
【0021】
前扉枠14の背面には、
図2に示すように、通路形成ユニット45が取り付けられている。通路形成ユニット45は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路と下皿34に通じる前扉側下皿通路とを有している。通路形成ユニット45において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部が形成されており、当該受口部を仕切壁によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路の入口部分と前扉側下皿通路の入口部分とが区画形成されている。前扉側上皿通路に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路に入った遊技球は下皿34に導かれることとなる。
【0022】
前扉枠14の背面における回動基端側には、その上端部及び下端部に突起軸が設けられている。これら突起軸は内枠13に対する組付機構を構成する。また、前扉枠14の背面における回動先端側には、
図2に示すように、後方に延びる鉤金具49が上下方向に複数並設されている。これら鉤金具49は内枠13に対する施錠機構を構成する。
【0023】
(内枠13)
次に、
図2及び
図3に基づき内枠13について詳細に説明する。内枠13は、外形が外枠11と同様に略矩形状をなす樹脂ベース50を主体に構成されている。樹脂ベース50の高さ寸法は、外枠11の高さ寸法よりも若干小さく設定されている。また、樹脂ベース50は外枠11の上側枠部に寄せて配置され、外枠11の下側枠部と樹脂ベース50との間には若干の隙間が形成されている。外枠11にはこの隙間を塞ぐようにして幕板が装着されている。幕板は、樹脂ベース50(詳しくはその下端部)の下方に配置されており、内枠13が外枠11に対して閉じられた状態では樹脂ベース50が幕板の上に載ることとなる。
【0024】
樹脂ベース50の前面における回動基端側には、その上端部及び下端部に支持金具51,52が取り付けられている。支持金具51,52には軸孔が形成されており、それら軸孔に前扉枠14の突起軸が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
【0025】
樹脂ベース50の前面における回動先端側には、前扉枠14の背面に設けられた鉤金具49を挿入するための挿入孔がそれぞれ設けられている。本パチンコ機10では、
図3に示すように、内枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置55が内枠13の背面側に隠れて配置される構成となっている。したがって、鉤金具49が挿入孔を介して施錠装置55(詳しくは前扉用鉤受け部材)に係止されることによって、前扉枠14が内枠13に対して開放不能に施錠される。また、施錠装置55は、内枠13の後方へ延びる内枠用鉤部材57を有している。これら内枠用鉤部材57が外枠11の鉤受け部材19(
図2参照)に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
【0026】
樹脂ベース50の右下隅部には、施錠装置55の解錠操作を行うためのシリンダ錠58が設置されている。シリンダ錠58は施錠装置55に一体化されており、シリンダ錠58の鍵穴に差し込んだキーを右に回すと内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、シリンダ錠58の鍵穴に差し込んだキーを左に回すと外枠11に対する内枠13の施錠が解除されるように施錠装置55が構成されている。
【0027】
樹脂ベース50の中央部には略楕円形状の窓孔54が形成され、樹脂ベース50に装着された遊技盤60によって同窓孔54が後方から塞がれている。遊技盤60は、木製の合板と同合板における前側の板面を覆うシート材とを有してなり、その前面が上記窓孔54を通じて樹脂ベース50の正面側に露出している。この露出している部位、すなわち遊技盤60の前面には、遊技球が流下する遊技領域PEが形成されている。なお、遊技盤60は木製に限定されるものではなく、合成樹脂製とすることも可能である。
【0028】
以下、
図4に基づき遊技盤60(特に遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。
図4は遊技盤60の正面図である。
【0029】
(遊技盤60)
遊技盤60には、自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口61、作動入球部62,63、可変入賞装置64,65、スルーゲート66、可変表示ユニット67等がそれぞれ配設されている。一般入賞口61、作動入球部62,63、可変入賞装置64,65等の入球部への入球が発生すると、それが検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出し等の特典が遊技者に付与される。
【0030】
具体的には、一般入賞口61への入球が発生した場合には10個の遊技球の払い出しが実行され、作動入球部62への入球が発生した場合には2個の遊技球の払い出しが実行され、作動入球部63への入球が発生した場合には1個の遊技球の払い出しが実行され、第1可変入賞装置64への入球が発生した場合には12個の遊技球の払い出しが実行され、第2可変入賞装置65への入球が発生した場合には6個の遊技球の払い出しが実行される。
【0031】
遊技盤60の最下部にはアウト口68が設けられており、各種入球部に入らなかった遊技球はアウト口68を通って遊技領域PEから排出される。ここで、入球とは、所定の開口部位を遊技球が通過することを意味し、同開口部位を通過した後に遊技球が遊技領域PEから排出される態様だけでなく、開口部位を通過した後に遊技領域PEから排出されない態様も含まれる。以下の説明では、アウト口68への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口61、作動入球部62,63、可変入賞装置64,65、スルーゲート66への入球を「入賞」とも表現する。
【0032】
また、遊技盤60には、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘69が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘69や風車等の各種構成によって、遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口61等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。なお、一般入賞口61については後述する左ルートにのみ配設されており、左ルートへ発射された遊技球については一般入賞口61への入賞が可となっている一方、後述する右ルートへ発射された遊技球については一般入賞口61への入賞が不可となっている。
【0033】
上記可変表示ユニット67は遊技盤60の中央に配されており、同可変表示ユニット67の周辺に上記作動入球部62,63等が配設されている。以下の説明では、作動入球部62を「第1作動入球部62」、作動入球部63を「第2作動入球部63」、第1作動入球部62の作動口を「第1作動口62a」、第2作動入球部63の作動口を「第2作動口63a」として適宜区別する。
【0034】
第1作動入球部62は、可変表示ユニット67の下方に配設された下側作動入球部62Lと可変表示ユニット67の右方に配設された右側作動入球部62Rとに大別される。これら下側作動入球部62L及び右側作動入球部62Rのうち右側作動入球部62Rには開閉式の入球補助装置(入球補助手段)又は開閉部材(開閉手段)としての電動役物71が併設されている。
【0035】
電動役物71は、シャッタと当該シャッタを駆動させるソレノイド式の駆動部とを有してなり、シャッタの位置が駆動部によって変更されることにより、右側作動入球部62R(第1作動口62aを構成する右作動口62aR)への入球が可能となる開状態(受入状態)と、同入球が不可となる閉状態(非受入状態)とに切替可能となっている。なお、右側作動入球部62Rに付属の電動役物71を、右作動口62aRへの入球が容易な状態とそれよりも入球が困難な状態とに切替可能としてもよい。
【0036】
遊技領域PE(詳しくは後述する右ルート)において右側作動入球部62Rよりも上流側、詳しくは可変表示ユニット67の側方(右方)となる位置には上記スルーゲート66が配設されている。スルーゲート66は、上下方向に遊技球が通過可能となっており、スルーゲート66に入賞した遊技球は遊技領域PEから排出されることなく、遊技領域PEにおける下流側に流下するようになっている。遊技球のスルーゲート66の通過をトリガとした抽選(サポート抽選)にて当選(サポート当選)となった場合には、電動役物71が所定時間だけ閉状態から開状態に切り替えられることとなる。
【0037】
右ルートにおいて右側作動入球部62Rの下流側となる位置には、上記第1可変入賞装置64が配設されている。第1可変入賞装置64には、複数の遊技球が同時に入球可能な第1大入賞口が形成され、当該第1大入賞口を開閉する開閉手段としての開閉機構が設けられている。当該開閉機構は、第1大入賞口用の開閉部材としてのシャッタを有してなる。シャッタは、遊技球の入球が可能又は容易となる開状態(補助状態又は受入状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態又は非受入状態)とに切替可能となっている。また、同シャッタは可変入賞駆動部(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においてはシャッタが閉状態のまま維持され、上記内部抽選において特別遊技状態(開閉実行モード)への移行結果となった場合に開状態に切り替えられるようになっている。
【0038】
右ルートにおいて第1可変入賞装置64の下流側となる位置には、上記第2可変入賞装置65が配設されている。第2可変入賞装置65には、複数の遊技球が同時に入球可能な下大入賞口が形成され、当該下大入賞口を開閉する開閉手段としての開閉機構が設けられている。当該開閉機構は、大入賞口用の開閉部材としてのシャッタを有してなる。シャッタは、遊技球の入球が可能となる開状態(受入状態)と、同入球が不可となる閉状態(非受入状態)とに切替可能となっている。また、同シャッタは可変入賞駆動部(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においてはシャッタが閉状態のまま維持され、上記内部抽選において特別遊技状態(開閉実行モード)への移行結果となった場合に開状態に切り替えられるようになっている。
【0039】
ここで、特別遊技状態とは、大当たり又は特別当たりとなった場合に移行することとなる遊技状態である。当該特別遊技状態における可変入賞装置64,65の開放態様としては、例えば所定期間(本実施の形態においては8sec又は0.8sec)の経過又は所定個数(本実施の形態においては10個又は6個)の入賞を1ラウンドとして、所定数のラウンド(本実施の形態においては1,2,10ラウンド)を上限としてシャッタが開放されるように設定されている。
【0040】
詳細については後述するが、本実施の形態に示す特別遊技状態(開閉実行モード)については、開放対象とする可変入賞装置や開閉態様が異なる第1入賞モード対応のものと第2入賞モード対応のものとに大別される。
【0041】
大当たり結果となった場合には第1入賞モード対応の特別遊技状態へと移行する。第1入賞モード対応の特別遊技状態(第1特別遊技状態)では、開放対象として第1可変入賞装置64又は第2可変入賞装置65が設定され、所定の開放時間(詳しくは30sec)の経過又は所定数(詳しくは10個)の入球発生を1ラウンドとして複数ラウンドを上限として開放が繰り返される。これに対して、特別当たり結果となった場合には第2入賞モード対応の特別遊技状へと移行する。第2入賞モード対応の特別遊技状態(第2特別遊技状態)では、開放対象として第2可変入賞装置65が設定され、所定の開放時間(詳しくは0.8sec)の経過又は所定数(詳しくは6個)の入球発生の何れかが成立した場合に当該第2特別遊技状態が終了する。このように、第1特別遊技状態は入賞頻度が相対的に高くなるように設定され、第2特別遊技状態では入賞頻度が相対的に低くなるように設定されており、獲得できる賞球数に差が設けられている。
【0042】
次に、可変表示ユニット67について説明する。可変表示ユニット67は、作動入球部62,63への入賞をトリガとして図柄を可変表示(変動表示)する図柄表示装置75を有している。
【0043】
図柄表示装置75は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示画面75aにおける表示内容が制御される。図柄表示装置75の表示画面75aの中央部分には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が縦方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、大当たりや特別当たりとなった場合には、予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示され、上記開閉実行モードに移行することとなる。なお、図柄表示装置75については必ずしも液晶表示装置である必要はなく、ドットマトリクスや7セグタイプの表示装置であってもよい。
【0044】
また、可変表示ユニット67には、図柄表示装置75を囲むようにしてセンターフレーム76が配設されている。センターフレーム76は、遊技盤60に対してその前面側から固定されており、このように固定された状態では遊技盤60の前面から起立した状態となることで当該センターフレーム76と上記ガラスユニット22との間の隙間寸法が遊技球の直径寸法よりも小さくなるように構成されている。これにより、遊技領域PEを流下する遊技球が図柄表示装置75に衝突することが回避され、且つ遊技領域PEを流下する遊技球の流下経路が可変表示ユニット67(詳しくはセンターフレーム76)を右側から迂回する上記右ルートと、左側から迂回する左ルートに大別されている。
【0045】
なお、上述した右側作動入球部62R、第2作動入球部63、可変入賞装置64,65、スルーゲート66については右ルートに配置されており、左ルートを流下する遊技球についてはそれら右側作動入球部62R、第2作動入球部63、可変入賞装置64,65、スルーゲート66への入賞が回避される。一方、第1作動入球部62については、左ルートに配置されており、右ルートを流下する遊技球は第1作動入球部62(第1作動口62aを構成する下作動口62aL)への入賞が回避される。遊技者は、遊技状況に応じて遊技球の発射先(遊技球の流下経路)を右ルート/左ルートから選択することにより、遊技を自身にとって有利に進めることが可能となる。詳細については後述するが、本実施の形態に示す遊技機においてはスピーカ部29及び図柄表示装置75の表示画面75aにて遊技状態に応じて遊技球を発射すべきルートが遊技者に示唆され、当該示唆とは異なるルートへ遊技球が発射された場合には当該発射を中止すべき旨の警告がなされる。
【0046】
遊技領域PEの外側に配設された誘導レール100用の保護部材には主表示ユニット81が配設されている。主表示ユニット81の前面は、遊技領域PEをパチンコ機10前方から視認可能とする上記ガラスユニット22(詳しくは後側のガラスパネル23)と対向しており、その対向している部分には、所定の絵柄等が表示される主表示部Dが設けられている。主表示ユニット81については、後述する主制御装置に電気的に接続されており、主表示部Dの表示内容は当該主制御装置によって制御される構成となっている。
【0047】
主表示部Dは、第1作動入球部62(第1作動口62a)への入賞に基づいた抽選結果を表示する第1作動口用表示部D1と、第2作動入球部63(第2作動口63a)への入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する第2作動口用表示部D2とを有してなる。
【0048】
第1作動口用表示部D1では、第1作動入球部62(第1作動口62a)への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、第1作動入球部62への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。第1作動入球部62への入賞に基づく内部抽選の結果が特別遊技状態への移行に対応した当選結果であった場合には、第1作動口用表示部D1にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記特別遊技状態へ移行する。
【0049】
第2作動口用表示部D2では、第2作動入球部63への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として第2作動入球部63(第2作動口63a)への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。第2作動入球部63への入賞に基づく内部抽選の結果が大当たり又は特別当たりに対応した当選結果であった場合には、第2作動口用表示部D2にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、その結果に応じて上記特別遊技状態へ移行する。
【0050】
ここで、いずれかの作動入球部62,63への入賞に基づいて、対応する作動口用表示部D1,D2にて変動表示が開始されてから、所定の停止結果を表示するようにして上記変動表示が停止され、その停止状態を維持したまま予め設定された確定表示時間が経過するまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの作動入球部62,63への入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示するようにして上記変動表示が停止されてから、その停止状態を維持したまま予め設定された確定表示時間が経過するまでを遊技回の1回としてもよい。
【0051】
主表示ユニット81の主表示部Dには第1作動口用保留数表示部S1が設けられている。第1作動口用保留数表示部S1は、第1作動口62aに対応しており遊技球が第1作動口62aに入賞した回数は最大4回まで保留され第1作動口用保留数表示部S1の点灯によってその保留数が表示されるようになっている。なお、本実施の形態に示す第2作動口63aについては第1作動口62aに付与されているような保留機能が付与されていない点で当該第1作動口62aとは入球に係る構成が相違している。
【0052】
主表示ユニット81の主表示部Dには上記各種表示部以外に、スルーゲート66への入賞に基づいた抽選結果を表示するスルーゲート用表示部DSが併設されている。スルーゲート用表示部DSでは、スルーゲート66への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート66への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。スルーゲート66への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、スルーゲート用表示部DSにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、右側作動入球部62Rに付属の上記電動役物71が所定の態様で開放される。
【0053】
更に、本実施の形態においては遊技球がスルーゲート66を通過した回数は最大4回まで保留される構成が採用されているが、主表示ユニット81の主表示部Dにはその保留個数を表示するスルーゲート用保留数表示部SSが設けられている。
【0054】
再び
図2を用いて内枠13の構成について説明すれば、樹脂ベース50において遊技盤60の搭載領域の下方には、上記遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ向けて遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111~113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が樹脂ベース50に固定されることで樹脂ベース50に対して一体化されている。
【0055】
発射レール112は、遊技盤60側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
【0056】
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技盤60側、詳しくは遊技盤60に装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
【0057】
誘導レール100は、遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも若干大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分→出口部分)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。遊技球発射ハンドル41の操作量を調整することにより、遊技領域PEにおいて可変表示ユニット67の左側となる領域(左ルート)や同遊技領域PEにおいて可変表示ユニット67の右側となる領域(右ルート)への遊技球の打ち分けが可能となっている。
【0058】
なお、遊技盤60において出口部分の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
【0059】
誘導レール100(
図4参照)及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤60の下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤60の下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技盤60の下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
【0060】
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路46が配設されている。ファール球通路46は前扉枠14の通路形成ユニット45に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路46内に入ることとなる。ファール球通路46は前扉側下皿通路に通じており、ファール球通路46に入った遊技球は
図1に示した下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
【0061】
樹脂ベース50において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には樹脂ベース50を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、樹脂ベース50に対してネジ止めされており、本体側上皿通路と本体側下皿通路とを有している。それら本体側上皿通路及び本体側下皿通路の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニット45の受口部が入り込んでおり、本体側上皿通路の下方には前扉側上皿通路が配置され、本体側下皿通路の下方には前扉側上皿通路が配置されている。
【0062】
樹脂ベース50において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路及び本体側下皿通路を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124はその下端に設けられた支軸により前後方向に回動可能に支持されており、さらに本体側上皿通路及び本体側下皿通路を閉鎖する前方位置に付勢する付勢部材が設けられている。従って、前扉枠14を内枠13に対して開いた状態では開閉部材124が図示の如く起き上がり、本体側上皿通路及び本体側下皿通路を閉鎖する。これにより、本体側上皿通路又は本体側下皿通路に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット45に設けられた受口部により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路と前扉側上皿通路とが連通し、さらに本体側下皿通路と前扉側下皿通路とが連通している。
【0063】
次に、
図3に基づき内枠13(樹脂ベース50及び遊技盤60)の背面構成について説明する。
【0064】
樹脂ベース50の背面における回動基端側には、軸受け金具132が上下に並設されている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部が形成されており、これら軸受け部により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。
【0065】
樹脂ベース50の背面には、係止金具135が複数設けられており、これら係止金具135によって上述したように樹脂ベース50に対して遊技盤60が取り付けられている。ここで、遊技盤60の背面の構成を説明する。
【0066】
遊技盤60の中央に配置される可変表示ユニット67には、当該可変表示ユニット67を背後から覆うようにして表示制御装置が取り付けられている(図示は省略)。そして、表示制御装置の後方には当該表示制御装置に重なるようにして報知・演出制御装置ユニット142が搭載されている。報知・演出制御装置ユニット142は、報知・演出制御装置143と、取付台144とを具備する構成となっており、取付台144上に報知・演出制御装置143が装着されている。
【0067】
報知・演出制御装置143は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る報知・演出制御基板を具備しており、報知・演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
【0068】
遊技盤60の背面には、
図3に示すように、可変表示ユニット67の下方に集合板150が設けられている。集合板150には、各種入賞口に入賞した遊技球を回収する遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入球を検知する検知機構などが設けられている。
【0069】
遊技球回収機構について説明すると、集合板150には、一般入賞口61等の各種入球部に対して個々に対応する回収通路が設けられている。これら回収通路は、それら入球部から遊技盤60の背面に沿って下っており、遊技球の落下経路を規定している。各回収通路は、同遊技盤60の下端付近にて合流しており、一般入賞口61等の入球部を通過した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤60の下部に集合することとなる。各回収通路の出口部分は、下方に開放されており、その先側(詳しくは遊技盤60の下方)には後述する排出通路が設けられている。回収通路により遊技盤60の下方に集合した遊技球は、排出通路へと導出される。なお、アウト口68も同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球もアウト口68を介して排出通路へ導出される。
【0070】
検知機構について説明すると、集合板150には、一般入賞口61等の各種入球部に対して個々に対応する検知センサが設けられている。これら各種検知センサは、上記一般入賞口61等の入球部に連なる各回収通路の途中位置に配置されており、同回収通路にて遊技球の落下経路が規定された状態にて遊技球の通過を検知する。より詳しくは、各検知センサは、各回収通路の途中位置に設けられた検知領域を遊技球が通過することで、一般入賞口61等の入球口への入球を検知するものであり、具体的には上記検知領域を遊技球が通過した場合に生じる磁場の変化を把握する磁気センサが採用されている。
【0071】
これら各種検知センサは、遊技盤60の背面側に設けられた主制御装置ユニット160(詳しくは主制御装置)に電気的に接続されており、それら検知センサにおける検知信号が同主制御装置に対して出力される構成となっている。以下、主制御装置ユニット160及びそれに付随する構成について説明する。
【0072】
主制御装置ユニット160は、集合板150を後側から覆うようにして遊技盤60に搭載されており、合成樹脂製の取付台161と、同取付台161に搭載された主制御装置162とによって構成されている。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
【0073】
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印部によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。封印部は、基板ボックス163の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて封印処理が行われる。
【0074】
封印部はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、封印部を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。封印部による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数の封印部のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部と他の封印部との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の封印部の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
【0075】
基板ボックス163の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片が設けられている。これら結合片は、取付台161に形成された複数の被結合片と1対1で対応しており、結合片と被結合片とにより基板ボックス163と取付台161との間で封印処理が行われる。
【0076】
(裏パックユニット15)
次に、
図2及び
図3に基づき裏パックユニット15について説明する。
【0077】
図2に示すように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
【0078】
裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、
図3に示すように払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット67を囲むのに十分な大きさを有する。
【0079】
ベース部211には、その右上部に外部端子板213が設けられている。外部端子板213には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピンが設けられており、掛止ピンを内枠13に設けられた軸受け金具132(詳しくは軸受け部)に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。また、ベース部211における回動先端部には、内枠13に設けられた被締結孔に対して締結するための締結具が設けられており、当該締結具を被締結孔に嵌め込むことで内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
【0080】
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレールが連結され、タンクレールの下流側には上下方向に延びるケースレールが連結されている。ケースレールの最下流部には払出装置222が設けられている。払出装置222より払い出された遊技球は、当該払出装置222の下流側に設けられた払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部に供給される。
【0081】
遊技球分配部は、払出装置222より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路及び前扉側上皿通路を介して上皿33に通じ、外側の開口部が本体側下皿通路及び前扉側下皿通路を介して下皿34に通じるように形成されている。
【0082】
図3に示すように、ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤203には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
【0083】
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台を有し、同取付台に払出制御装置181と電源・発射制御装置191とが搭載されている。これら払出制御装置181と電源・発射制御装置191とは、払出制御装置181がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
【0084】
払出制御装置181においては基板ボックス内に払出装置222を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチが基板ボックス外に突出している。例えば、払出装置222における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチが押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
【0085】
電源・発射制御装置191は、基板ボックス内に電源・発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源・発射制御装置191にはRAM消去スイッチが設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチを押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
【0086】
本実施の形態においては、右ルートに配設された第2作動入球部63、可変入賞装置64,65に係る構成が特徴的なものとなっている。右ルートへ発射された遊技球のうち右側作動入球部62Rを素通りした遊技球のほとんどは、当該右ルートにて右側作動入球部62Rの下流側に配設された入球ユニット300へ向かうこととなる。入球ユニット300は上述した第2作動入球部63、可変入賞装置64,65が一体化されてなる。以下、
図5~
図7の概略図を参照して、入球ユニット300について補足説明する。
図5は入球ユニット300の正面図、
図6(a)は第1可変入賞装置64を正面側から見た斜視図、
図6(b)は第1可変入賞装置64における通路構造を示す概略図、
図7は通路長と通過所要時間との関係を示す概略図である。
【0087】
(入球ユニット300)
入球ユニット300は、右ルートの一部(詳しくは下流領域)を構成する球通路321が形成されたハウジング320有してなり、当該ハウジング320が遊技盤60の前面よりも前方へ膨出した状態で当該遊技盤60に固定されている。球通路321は、遊技領域PEの外側(右側)から中央側(左側)へ延びている。ハウジング320の上記膨出部分の右上部には入球ユニット300(球通路321)の入口部分321aが上向きとなるように形成され、左下部には入球ユニット300(球通路321)の出口部分321bが左向きとなるように形成されている。
【0088】
出口部分321bは第1作動入球部62を構成する下側作動入球部62Lの直下に位置しており、出口部分321bから流出した遊技球は下側作動入球部62Lの下方へ案内される。これにより、球通路321を通過した遊技球の下側作動入球部62Lへの入球が回避されている。
【0089】
なお、ハウジング320は透明な合成樹脂製となっており、当該ハウジング320の内部(例えば球通路321を流下する遊技球等)を遊技機前方から視認可能となるように構成されている。因みに、第2作動入球部63、可変入賞装置64,65の一体感を強調する上では、ハウジング320を不透明とし、内部構造を視認困難又は不可となるように構成してもよい。
【0090】
右ルートについては、入球ユニット300の上方にて以下の2つの流路に分岐している。すなわち、球通路321の入口部分321aに向けて遊技球が流下する内ルートと、入球ユニット300(ハウジング320)の上面部に沿って遊技球が流下する外ルートとに分岐している。
【0091】
ハウジング320の上部には、第2作動口63aが遊技領域PEの中央側(左側)を向くようにして第2作動入球部63が配設されており、上記外ルートを流下する遊技球の一部が第2作動口63aに流入する構成となっている。なお、この外ルートを通過した遊技球についても第1作動入球部62を構成する下側作動入球部62Lよりも下流側(下側)へ案内され、外ルートを通過した遊技球の下側作動入球部62Lへの入球が回避されている。
【0092】
上述した球通路321は、同一箇所を複数の遊技球が同時に通過できないように通路幅や通路高さ等が規定されており、通路方向における途中位置に段差が生じるようにクランク状に形成されている。具体的には、球通路321には、当該球通路321の上流部分を構成し遊技機中央側へ下り傾斜となる横長の上流側通路部322と、球通路321の下流部分を構成し遊技機中央側へ下り傾斜となる横長の下流側通路部324とが前者が上側且つ後者が下側となるように高低差が生じるようにして上下左右にずらして設けられており、それら上流側通路部322及び下流側通路部324が縦方向に延びる中間通路部323(「連絡通路部」に相当)によって連結されてなる。
【0093】
上流側通路部322には上記第1可変入賞装置64が併設されている。具体的には、第1可変入賞装置64の第1大入賞口331は上方に開放されており、当該第1大入賞口331の上方を横切るようにして上流側通路部322が形成されている。第1可変入賞装置64には、第1大入賞口331を開閉する開閉手段としてのシャッタ333と、当該シャッタ333用の駆動部332(ソレノイド)とを有してなる。シャッタ333は前後(遊技盤60の厚さ方向)にスライド移動可能となっており、動力伝達機構を介して当該駆動部332に連結されている。
【0094】
駆動部332は、主制御装置162に接続されており、主制御装置162からの駆動信号に基づいて動作する。主制御装置162から駆動信号が出力されていない非駆動状態(非励磁状態)においては、シャッタ333が第1大入賞口331を上方から覆う閉位置に配置され、駆動信号が出力されて駆動部332が駆動状態(励磁状態)となることで第1大入賞口331を覆わない開位置へ移動(後退)する。
【0095】
ここで、シャッタ333が閉位置に配置された状態では当該シャッタ333によって上流側通路部322の底部、すなわち遊技球の転動面が形成される。詳しくは、
図6(a)に示すように、ハウジング320には上流側通路部322の通路方向にて第1大入賞口331よりも上流側の底部を形成する上流側底部322aと、第1大入賞口331よりも下流側の底部を形成する下流側底部322bとが設けられており、これら上流側底部322a、下流側底部322b、シャッタ333によって遊技球の転動面が形成されている。以下の説明では、上流側通路部322にてシャッタ333により流路が形成(補完)される領域、すなわち上流側通路部322にてシャッタ333を挟んで第1大入賞口331と対峙する領域を「第1特定領域SE1」という(
図5参照)。
【0096】
シャッタ333が開位置へ配置されて上流側通路部322(詳しくは転動面)が寸断されている状況下にて第1特定領域SE1に到達した遊技球は、上流側通路部322の通路方向への移動が困難となり、第1大入賞口331へ流入することとなる。
【0097】
本実施の形態では、第1特定領域SE1には当該第1特定領域SE1を通過する遊技球を減速させて第1大入賞口331への入賞機会を増やす工夫がなされている。以下、
図6(b)を参照して、当該工夫について説明する。なお、
図6(b)においては、遊技球が通過する経路(流路)を一点鎖線を用いて例示している。
【0098】
ハウジング320にて上流側通路部322の通路を区画形成している前壁部335及び後壁部336には、第1特定領域SE1側へ突出する突条部335a,336aが配設されている。突条部335a,336aは、上流側通路部322の通路方向と直交するようにして上下に延びている。以下の説明では、前壁部335に配設された突条部335aを「前側突条部335a」と称し、後壁部336に配設された突条部336aを「後側突条部336a」と称する。
【0099】
後壁部336と前側突条部335aとの隙間寸法D1は、遊技球の直径寸法Dよりも大きくなるように設定され、前壁部335と後側突条部336aとの隙間寸法D2についても遊技球の直径寸法Dよりも大きくなるように設定されている。前側突条部335aについては上流側通路部322の通路方向(案内方向)にて遊技球の直径寸法Dよりも大きな隙間を隔てて複数(本実施の形態では2つ)配列されており、後側突条部336aについても上流側通路部322の通路方向(案内方向)にて遊技球の直径寸法Dよりも大きな隙間を隔てて複数(本実施の形態では2つ)配列されている。これら前側突条部335a及び後側突条部336aが交互に配置されることで、遊技球の流下経路が上流側通路部322の通路方向に対して前後に蛇行するように工夫されている。
【0100】
ここで、前側突条部335aの突出量と後側突条部336aの突出量と遊技球の直径寸法Dとを足した場合には、上流側通路部322の通路幅よりも大きくなるように構成されている(D3 < D)。これにより、遊技球が突条部335a,336aとの衝突を回避するようにして第1特定領域SE1を駆け抜けることが回避されている。
【0101】
上流側通路部322を通過する遊技球については、突条部335a,336aに衝突する。このような衝突によって第1特定領域SE1における遊技球の移動速度が低下する(減速する)。つまり、上流側通路部322の第1特定領域SE1は遊技球を強制的に減速させる減速区間として機能している。このようにして上流側通路部322を通過する遊技球を減速させる構成とすることで、突条部335a,336aが不具備である場合と比べて遊技球が第1特定領域SE1を通過するのに要する所要時間を引き延ばしている。
【0102】
なお、突条部335a,336aについては第1特定領域SE1にて中間通路部323寄りとなる位置へ偏倚させて配設されている。これにより、中間通路部323の直上流位置にて遊技球が減速する構成となっている。
【0103】
第1大入賞口331に流入しなかった遊技球は、そのまま球通路321に沿った移動を続け、そのほとんどが下流側通路部324へ到達する。ここで、再び
図5を参照して、下流側通路部324及びそれに付随する第2可変入賞装置65について説明する。
【0104】
第2可変入賞装置65の第2大入賞口341は上方に開放されており、当該第2大入賞口341の上方を横切るようにして下流側通路部324が形成されている。第2可変入賞装置65は、第2大入賞口341を開閉する開閉手段としてのシャッタ343と、当該シャッタ343用の駆動部(ソレノイド)とを有してなる。シャッタ343は前後(遊技盤60の厚さ方向)にスライド移動可能となっており、動力伝達機構を介して当該駆動部に連結されている。
【0105】
シャッタ343用の駆動部は、主制御装置162に接続されており、主制御装置162からの駆動信号に基づいて動作する。主制御装置162から駆動信号が出力されていない非駆動状態(非励磁状態)においては、シャッタ343が第2大入賞口341を上方から覆う閉位置に配置され、駆動信号が出力されて当該駆動部が駆動状態(励磁状態)となることで第2大入賞口341を覆わない開位置へ移動(後退)する。
【0106】
ここで、シャッタ343が閉位置に配置された状態では当該シャッタ343によって下流側通路部324の底部、すなわち遊技球の転動面が形成される。詳しくは、ハウジング320には下流側通路部324の通路方向にて第2大入賞口341よりも下流側の底部を形成する下流側底部が設けられており、これら下流側底部及びシャッタ343によって遊技球の転動面が形成されている。以下の説明では、下流側通路部324にてシャッタ343により流路が形成(補完)される領域、すなわち下流側通路部324にてシャッタ343を挟んで第2大入賞口341と対峙する領域を「第2特定領域SE2」という。
【0107】
シャッタ343が開位置へ配置されて下流側通路部324(詳しくは転動面)が寸断されている状況下にて第2特定領域SE2に到達した遊技球は、下流側通路部324の通路方向への移動が困難となり、第2大入賞口341へ流入することとなる。
【0108】
なお、第2特定領域SE2にも第1特定領域SEと同様に複数の突条部からなる減速区間が設け、当該第2特定領域SE2を通過する遊技球を減速させる構成とすることも可能である。
【0109】
上述した中間通路部323はシャッタ343の上流側端部から上方に延びている。中間通路部323を形成する左側の通路壁面は、上流側通路部322の延長上に位置しており、上流側通路部322を通過した遊技球は、当該左側の通路壁面に衝突することで向きを変え、シャッタ343へ向けて当該中間通路部323を落下することとなる。
【0110】
中間通路部323を形成する右側の通路壁面には遊技球が通過可能な開口が形成されており、中間通路部323を通過する遊技球の一部が当該開口へ流入する。右側作動入球部62Rと第2可変入賞装置65との間には、上記開口に流入した遊技球は入球ユニット300から排出する排出通路が形成されている。球通路321を流下する遊技球の一部は、第2可変入賞装置65(シャッタ343)に到達する前に、開口→排出通路を通じて入球ユニット300から排出されることとなる。なお、この排出通路を通過する遊技球については、そのまま遊技盤60の背面側へと案内されるため、アウト口68への移動が回避される。
【0111】
次に
図7を参照して、球通路321の各部分の通路長と、遊技球の通過所要時間との関係について補足説明する。
図7は入球ユニット300の内部構造を正面から見た概略図である。以下の説明では、第1特定領域SE1を通過するのに要する所要時間を「所要時間T1」、第2特定領域SE2を通過するのに要する所要時間を「所要時間T2」と称する。
【0112】
第1特定領域SE1における減速の度合いについては以下のように規定されている。すなわち、遊技球が第1特定領域SE1を通過するのに要する所要時間T1が、遊技球の発射周期(0.6sec)よりも長くなるように規定されている。
【0113】
右ルートへ発射された遊技球のうち第2作動入球部63を素通りした遊技球については、その内ルート及び外ルートに振り分けられることとなる。このうち内ルートに振り分けられた遊技球のほぼ全てが第1特定領域SE1に到達する構成となっている。ここで、遊技球が第1特定領域SE1を通過するのに要する所要時間T1については遊技球の発射周期の2倍(0.6sec)や特別遊技状態中におけるラウンド間のインターバル時間(1.5sec)よりも長い時間(詳しくは1.8sec)となるように規定されている。これは、特別遊技状態中におけるラウンド間のインターバル中に第1可変入賞装置64に到達した遊技球の零れを抑制する工夫である。
【0114】
第2特定領域SE2については第1特定領域SE1よりも遊技機正面視における通路長が長くなるように形成されているものの、第2特定領域SE2を遊技球が通過するのに要する所要時間T2については、遊技球の発射周期(0.6sec)よりも長くなってはいるものの上記所要時間T1よりも短くなるように規定されている(詳しくは0.8sec)。これは、第1可変入賞装置64よりも第2可変入賞装置65の入賞確率を低くする工夫である。低頻度入賞モード対応の特別遊技状態(開閉実行モード)において第2可変入賞装置65が開放された場合の入賞数については凡そ1個となる。
【0115】
(パチンコ機10の電気的構成)
次に、パチンコ機10の電気的構成について、
図8のブロック図に基づき説明する。
【0116】
主制御装置162に設けられた主制御基板601には、MPU602が搭載されている。MPU602には、当該MPU602により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM603と、そのROM603内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM604と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。なお、MPU602が有する機能の一部、例えば、ROM603の機能やRAM604の機能などを別の素子として有する構成としてもよい。
【0117】
MPU602には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU602の入力側には、主制御装置162に設けられた停電監視基板605、払出制御装置181、各種検知センサなどが接続されている。停電監視基板605には電源・発射制御装置191が接続されており、MPU602には停電監視基板605を介して電力が供給される。また、各種検知センサの一部として、一般入賞口61用の検知センサ391a、第1作動入球部62用の検知センサ391b、第2作動入球部63用の検知センサ391c、第1可変入賞装置64用の検知センサ391d、第2可変入賞装置65用の検知センサ391e、スルーゲート66用の検知センサ391fが接続されており、これら各種検知センサ391a~391fからの検知情報(検知信号)に基づき、主制御装置162のMPU602にて各入球部への入賞判定(入球判定)等が実行される。また、MPU602では、第1作動入球部62(第1作動口62a)及び第2作動入球部63(第2作動口63a)への入賞に基づいて大当たりの発生抽選等を実行する。
【0118】
MPU602の出力側には、停電監視基板605、払出制御装置181及び報知・演出制御装置143(詳しくは報知・演出制御基板651)が接続されている。払出制御装置181には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリア625が参照される。そして、一般入賞口61への入賞を特定した場合には10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、第1大入賞口331への入賞を特定した場合には12個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、第2大入賞口341への入賞を特定した場合には6個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが出力され、第1作動口62aへの入賞を特定した場合には3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、第2作動口63aへの入賞を特定した場合には1個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
【0119】
報知・演出制御装置143には、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリア625が参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
【0120】
また、MPU602の出力側には、右側作動入球部62Rに付随した電動役物71を駆動させる駆動部72、第1可変入賞装置64のシャッタ333を駆動させる可変入賞駆動部451、第2可変入賞装置65のシャッタ343を駆動させる可変入賞駆動部461、主表示ユニット81等が接続されている。主制御基板601には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU602は各種駆動部等の駆動制御を実行する。
【0121】
つまり、開閉実行モードにおいては第1大入賞口331や第2大入賞口341が開閉されるように、MPU602において第1可変入賞装置64の可変入賞駆動部451や第2可変入賞装置65の可変入賞駆動部461の駆動制御が実行される。また、例えば各遊技回に際しては、MPU602において主表示ユニット81の主表示部Dにおける第1作動口用表示部D1及び第2作動口用表示部D2の表示制御が実行される。
【0122】
さらには、MPU602の出力側には、外部端子板213が接続されている。外部端子板213には、状態移行に際して信号出力するための出力端子として、大当たり信号出力端子等が設けられている。MPU602は、例えば遊技結果が大当たり結果となった場合には、遊技ホール側の管理制御装置に対して、大当たり信号出力端子を通じて大当たり信号を出力することができる。具体的には、通常時では、大当たり信号出力端子からLOWレベル信号が出力されており、大当たり結果となった場合にはHIレベル信号が出力される。なお、この信号の出力態様は逆でもよい。
【0123】
停電監視基板605は、主制御基板601と電源・発射制御装置191とを中継し、また電源・発射制御装置191から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置181は、主制御装置162から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置222により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
【0124】
電源・発射制御装置191は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板601や払出制御装置181等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。
【0125】
また、電源・発射制御装置191は、遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110(詳しくはソレノイド111)は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。より具体的には、電源・発射制御装置191には、遊技球発射ハンドル41に設けられた操作レベル検知センサとタッチセンサとが接続されている。操作レベル検知センサは、遊技球発射ハンドル41の操作量(回動量)を検知するセンサであり、この操作レベル検知センサからの情報に基づいて遊技球発射機構110による遊技球の発射強度(発射速度)が決定されることとなる。タッチセンサは、遊技者が遊技球発射ハンドル41に触れている場合に情報を出力する構成となっており、電源・発射制御装置191ではこの情報に基づいて遊技者が遊技球発射ハンドル41に触れているか否かを把握することができる構成となっている。タッチセンサからの情報に基づいて遊技者が遊技球発射ハンドル41に触れていると判定し、且つ操作レベル検知センサにて遊技球発射ハンドル41が操作されていると判定した場合に遊技球の発射が許可されることとなる。
【0126】
なお、タッチセンサからの情報は、電源・発射制御装置191を経由して、主制御装置162ひいては報知・演出制御装置143、表示制御装置710に送信されることとなる。
【0127】
報知・演出制御装置143は、MPU652が搭載された報知・演出制御基板651を有してなり、MPU652には各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM653、そのROM653内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM654などが内蔵されている。
【0128】
報知・演出制御装置143は、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて前扉枠14に設けられたランプ部26~28やスピーカ部29を駆動制御するとともに、表示制御装置710を制御するものである。詳しくは、報知・演出制御装置143では、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置75における図柄の変動表示態様及び最終的に停止表示させる図柄の停止表示態様(例えば図柄の組み合わせの種類)を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容等を決定するとともに、その決定した内容を上記コマンドに付与して表示制御装置710に転送する。
【0129】
表示制御装置710はMPUが搭載された表示制御基板を有してなり、MPUには各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM、そのROM内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)、画像データが格納されたキャラクタROM、キャラクタROMから読み出した画像データを一時的に記憶するビデオRAMなどが内蔵されている。MPUでは、報知・演出制御装置143から入力したコマンドに基づいて、可変表示ユニット67(詳しくは図柄表示装置75)の表示制御を実行する。
【0130】
ここで、図柄表示装置75の表示内容について説明する。図柄表示装置75の表示画面75aにおける中央部分(変動表示了領域)には、左・中・右の3つの図柄列が設定されている。表示画面75aでは、これら各図柄列の図柄が周期性をもって所定の向き(例えば上から下)にスクロールするように変動表示される。
【0131】
また、表示画面75aは、図柄列毎に1個の図柄が停止表示されるようになっており、計3個の図柄が停止表示されるようになっている。右図柄列→左図柄列→中図柄列の順に変動表示が停止し、有効ラインに所定の図柄組み合わせが形成された状態で全図柄列の変動表示が終了すれば、大当たり結果や特別当たり結果に対応した特別遊技状態への移行を示す動画等が表示される。
【0132】
なお、上記のように各図柄列の変動表示が停止されることに鑑みれば、左図柄列を第1図柄列(又は第1絵柄列)、右図柄列を第2図柄列(又は第2絵柄列)、中図柄列を第3図柄列(又は第3絵柄列)と称することができる。
【0133】
因みに、図柄表示装置75における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。例えば、複数の図柄列を縦並びとなるように設定し、図柄列における図柄の変動表示の方向を横方向に設定してもよい。
【0134】
表示画面75aの中央部分における図柄の変動/停止表示については、通常遊技状態の種類に応じて第1作動口62aに係る遊技回に対応した態様と第2作動口63aに係る遊技回に対応した態様とで切り替わる構成となっている。具体的には、後述する第1通常遊技状態及び第3通常遊技状態では、表示画面75aの中央部分における図柄の変動/停止表示が第1作動口62aに係る遊技回に対応付られており、第2通常遊技状態では表示画面75aの中央部分における図柄の変動/停止表示が第2作動口63aに係る遊技回に対応付られている。
【0135】
表示画面75aの下部には、保留表示領域が設定されている。当該保留表示領域は、遊技球が第1作動口62aに入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域が左右方向に並ぶようにして区画表示され、所定の保留用画像(保留アイコン)を個別に表示可能な第1作動口用の保留数表示領域と、実行対象となる遊技回の所定の保留用画像(保留アイコン)を表示可能な実行対象表示領域とで構成されている。
【0136】
具体的には、遊技球が第1作動口62aに入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて第1作動口用の保留数表示領域には、第1単位保留表示領域、第2単位保留表示領域、第3単位保留表示領域、第4単位保留表示領域が設定されている。例えば、遊技球が第1作動口62aに入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域に所定の保留用画像(保留アイコン)が表示され、遊技球が第1作動口62aに入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域~第4単位保留表示領域の全てにおいて所定の保留用画像(保留アイコン)が表示される構成となっている。なお、これら保留用画像については遊技状態(後述する第1通常遊技状態~第3通常遊技状態)の種類によって表示/非表示が切り替わる。具体的には、第1作動口62aに係る遊技回がメインとなる第1通常遊技状態及び第3通常遊技状態においては所定の保留用画像(保留アイコン)が表示される一方、第2作動口63aに係る遊技回がメインとなる第2通常遊技状態においては所定の保留用画像(保留アイコン)が表示されない構成となっている。
【0137】
(各種カウンタについて)
次に、
図9の概略図を参照して、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作に係る構成について説明する。
【0138】
MPU602は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、特別遊技状態(開閉実行モード)への移行抽選、主表示ユニット81(主表示部D)の表示の設定、図柄表示装置75の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、大当たりや特別当たり発生の抽選に使用する当たり乱数カウンタC1と、大当たり結果となった場合にその種別を判定する際に使用する当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置75が外れ変動する際のリーチ表示の発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、主表示ユニット81の作動口用D1,D2における絵柄の変動表示時間及び図柄表示装置75における図柄の変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、右側作動入球部62Rに付属の電動役物71を開状態とするか否かの抽選(サポート抽選)に使用する開放乱数カウンタC4を用いることとしている。
【0139】
各カウンタC1~C4,CINI,CSは、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM604の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ631に適宜格納される。
【0140】
RAM604には、第1作動口用保留エリアRaと、第1作動口用の第1実行エリアAE1と、第2作動口用の第2実行エリアAE2とからなる保留球格納エリア632が設けられている。そして、この保留球格納エリア632に、第1作動口62a又は第2作動口63aへの遊技球の入賞履歴に合わせて、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
【0141】
各カウンタについて詳しくは、当たり乱数カウンタC1は、例えば「0」~「599」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり599)に達した後0に戻る構成となっている。特に当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=「0」~「599」)。当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が第1作動口62a又は第2作動口63aに入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア632に格納される。より詳しくは、第1作動口62aに遊技球が入賞したタイミングでRAM604の第1作動口用保留エリアRaに格納され、第2作動口63aに遊技球が入賞したタイミングでRAM604の第2実行エリアAE2に格納される。
【0142】
大当たり当選となる乱数の値や特別当たり当選となる乱数の値は、ROM603における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア621に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について
図10及び
図11の概略図を用いて説明する。当否テーブルとしては、第1作動口62a用の当否テーブル群(
図10参照)及び第2作動口63a用の当否テーブル(
図11参照)が設けられており、第1作動口62aへの入球に基づく抽選においては第1作動口62a用の当否テーブルが参照され、第2作動口63aへの入球に基づく抽選においては第2作動口63a用の当否テーブルが参照される。
【0143】
(第1作動口用の当否テーブル)
図10(a)を参照して、抽選モードが低確率モードとなっている場合について説明する。上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照される場合には、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)の数は2個であり、特別当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)の数は300個であり、それらの値以外は外れ結果に対応している。これにより、大当たり確率が2/600、特別当たり確率が300/600、外れ確率が298/600となっている。
【0144】
次に
図10(b)を参照して、抽選モードが高確率モードとなっている場合について説明する。上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照される場合には、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)の数は20個であり、特別当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)の数は300個であり、それらの値以外は外れ結果に対応している。これにより、大当たり確率が20/600、特別当たり確率が300/600、外れ確率が280/600となっている。
【0145】
(第2作動口用の当否テーブル)
図11(a)を参照して、抽選モードが低確率モードとなっている場合について説明する。上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照される場合には、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)の数は2個であり、特別当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)の数は0個であり、それらの値以外は外れ結果に対応している。これにより、大当たり確率が2/600、特別当たり確率が0/600、外れ確率が598/600となっている。
【0146】
次に
図11(b)を参照して、抽選モードが高確率モードとなっている場合について説明する。上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照される場合には、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)の数は20個であり、特別当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)の数は0個であり、それらの乱数の値以外は外れ結果に対応している。これにより、大当たり確率が20/600、特別当たり確率が0/600、外れ確率が580/600となっている。
【0147】
再び
図9の説明に戻り、当たり種別カウンタC2は、「0」~「999」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり「999」)に達した後0に戻る構成となっている。当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1作動口62a又は第2作動口63aに入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア632に格納される。より詳しくは、第1作動口62aに遊技球が入賞したタイミングでRAM604の第1作動口用保留エリアRaに格納され、第2作動口63aに遊技球が入賞したタイミングでRAM604の第2実行エリアAE2に格納される。
【0148】
当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM603における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア622に振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。本実施の形態では、当たり種別カウンタC2及び振分テーブルを参照して、大当たり結果の種別が決定される。大当たりの種類としては、2R確変大当たり、10R確変大当たりA、10R確変大当たりBが設けられている。
【0149】
各作動口用の振分テーブルについては、通常遊技状態の種類毎に記憶されている。ここで、通常遊技状態の種類について説明する。通常遊技状態については、上記抽選モードが低確率モード且つ電動役物71によるサポートモードが低頻度サポートモードとなる第1通常遊技状態(所謂通常)、抽選モードが高確率モード且つ電動役物71によるサポートモードが高頻度サポートモードとなる第2通常遊技状態(所謂確変)、抽選モードが高確率モード且つ電動役物71によるサポートモードが低頻度サポートモードとなる第3通常遊技状態(所謂潜確)とで構成されており、大当たり結果対応の特別遊技状態等を経由してこれら第1通常遊技状態~第3通常遊技状態の切り替えがなされる。
【0150】
(第1作動口用振分テーブル)
図12(a)に示すように、第1作動口用振分テーブルは、第1通常遊技状態用の振分テーブルと、第2通常遊技状態用の振分テーブルと、第3通常遊技状態用の振分テーブルとに大別される。
【0151】
第1通常遊技状態用の振分テーブルについては、「0」~「999」の当たり種別カウンタC2の値のうち「0」~「664」の計665個(第1結果)が2R確変大当たりに対応しており、「665」~「997」の計333個(第2結果)が10R確変大当たりAに対応しており、「998」~「999」の計2個(第3結果)が10R確変大当たりAに対応している。
【0152】
第2通常遊技状態用の振分テーブルについては、「0」~「999」の当たり種別カウンタC2の値のうち「0」~「664」の計665個(第1結果)が2R確変大当たりに対応しており、「665」~「997」の計333個(第2結果)が10R確変大当たりAに対応しており、「998」~「999」の計2個(第3結果)が10R確変大当たりAに対応している。
【0153】
第3通常遊技状態用の振分テーブルについては、「0」~「999」の当たり種別カウンタC2の値のうち「0」~「664」の計665個(第1結果)が2R確変大当たりに対応しており、「665」~「997」の計333個(第2結果)が2R確変大当たりに対応しており、「998」~「999」の計2個(第3結果)が10R確変大当たりAに対応している。
【0154】
なお、本実施の形態においては、第1作動口62aへの入球に基づく当否抽選により大当たり結果となった場合の確変確率は100%となっている。
【0155】
(第2作動口用振分テーブル)
図12(b)に示すように、第2作動口用振分テーブルは、第1通常遊技状態用の振分テーブルと、第2通常遊技状態用の振分テーブルと、第3通常遊技状態用の振分テーブルとに大別される。
【0156】
第1通常遊技状態用の振分テーブルについては、「0」~「999」の当たり種別カウンタC2の値のうち「0」~「999」の計1000個が10R確変大当たりBに対応している。第2通常遊技状態用の振分テーブルについては、「0」~「999」の当たり種別カウンタC2の値のうち「0」~「999」の計1000個が10R確変大当たりAに対応している。第3通常遊技状態用の振分テーブルについては、「0」~「999」の当たり種別カウンタC2の値のうち「0」~「999」の計1000個が10R確変大当たりBに対応している。
【0157】
図13の概略図に示すように、2R確変大当たりは特別遊技状態における制御モードである入賞モードは高頻度入賞モードに対応しており、開放対象が下流側の第2可変入賞装置65となるように規定されている。2R確変大当たりを契機とした特別遊技状態においては第2可変入賞装置65の開放時間が8secとなり、ラウンド遊技が2回繰り返される(
図14参照)。当該特別遊技状態においては右ルートへ向けた遊技球の発射を続けることにより凡そ120個の賞球が遊技者に付与される。
【0158】
10R確変大当たりA及び10R確変大当たりBは特別遊技状態における制御モードである入賞モードは高頻度入賞モードに対応しており、開放対象が上流側の第1可変入賞装置64となるように規定されている。10R確変大当たりAを契機とした特別遊技状態においては第1可変入賞装置64の開放時間が8secとなり、ラウンド遊技が10回繰り返される(
図14参照)。当該特別遊技状態においては右ルートへ向けた遊技球の発射を続けることにより凡そ12000個の賞球が遊技者に付与される。
【0159】
図13の概略図に示すように、2R確変大当たり及び10R確変大当たりBは、特別遊技状態(開閉実行モード)終了後に高確率モード且つ低頻度サポートモード対応の第3通常遊技状態に移行する大当たりである。これに対して、10R確変大当たりAは、特別遊技状態(開閉実行モード)終了後に高確率モード且つ高頻度サポートモード対応の第2通常遊技状態に移行する大当たりである。
【0160】
なお、上述した特別当たりについては、特別遊技状態における制御モードである入賞モードは低頻度入賞モードに対応しており、開放対象が下流側の第2可変入賞装置65となるように規定されている。特別当たりを契機とした特別遊技状態においては第2可変入賞装置65の開放時間が0.8secとなり、ラウンド遊技が1回のみ実行される(
図14参照)。当該特別遊技状態においては右ルートへ向けた遊技球の発射を続けることにより凡そ6個の賞球が遊技者に付与される。
【0161】
因みに、特別当たりについては通常遊技状態の種類を変更する機能は付与されていない。つまり、基本的には特別当たりに対応した特別遊技状態が終了した後は当該特別遊技状態へ移行する前の通常遊技状態へ復帰し、通常遊技状態の切り替えに実質的な影響を与えない構成となっている。以下の説明では、大当たりを契機として移行する特別遊技状態を「第1特別遊技状態」、特別当たりを契機として移行する特別遊技状態を「第2特別遊技状態」として適宜区別する。
【0162】
再び
図9の説明に戻り、リーチ乱数カウンタC3は、例えば0~238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が第1作動口62a又は第2作動口63aに入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア632に格納される。より詳しくは、第1作動口62aに遊技球が入賞したタイミングでRAM604の第1作動口用保留エリアRaに格納され、第2作動口63aに遊技球が入賞したタイミングでRAM604の第2作動口用保留エリアRbに格納される。そして、ROM603のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチ表示(リーチ状態)を発生させるか否かを適宜決定することとしている。
【0163】
ここで、リーチ表示とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置75を備え、遊技結果が開閉実行モード対応の遊技結果となった遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となり得る遊技機において、図柄表示装置75における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
【0164】
換言すれば、図柄表示装置75の表示画面75aに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、開閉実行モードの発生に対応した図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
【0165】
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置75の表示画面75a内の予め設定された有効ライン上に、開閉実行モードの発生に対応した図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
【0166】
表示画面75aにおける表示内容について更に詳しく説明すると、最初に右図柄列において図柄の変動表示が終了され、さらに左図柄列において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインに当たり図柄の組み合わせを構成する数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中図柄列にて図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、大当たり発生時には、リーチラインを形成している主図柄とともに当たり図柄の組み合わせを構成する数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中図柄列における図柄の変動表示が終了される。
【0167】
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面75aの略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
【0168】
変動種別カウンタCSは、例えば0~198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、主表示ユニット81(主表示部D)の第1作動口用表示部D1及び第2作動口用表示部D2における絵柄の変動表示時間と、図柄表示装置75における図柄の変動表示時間とをMPU602において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1作動口用表示部D1及び第2作動口用表示部D2における変動表示の開始時(図柄表示装置75による図柄の変動開始時)における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
【0169】
電動役物71用の開放乱数カウンタC4は、例えば、0~249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。開放乱数カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート66に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の電役用記憶エリア633に格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された開放乱数カウンタC4の値と、ROM603の当否テーブル記憶エリア621に格納されているサポート用の抽選テーブル(当否情報群)とを参照して電動役物71を開状態に制御するか否かの開放抽選(サポート抽選)が行われる。なお、高頻度サポートモードにてサポート当選となる確率(詳しくは249/250)は、低頻度サポートモードにてサポート当選となる確率(詳しくは125/250)よりも高くなっており、高頻度サポートモードの方が優遇されている。
【0170】
(主制御装置162のMPU602にて実行される各種処理について)
次に、主制御装置162内のMPU602にて各遊技回での遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU602では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理やNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理が実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
【0171】
(タイマ割込み処理)
先ず、タイマ割込み処理について、
図15のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU602により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
【0172】
ステップS101では、各種検知センサ(例えば上記検知センサ391a~391f)の読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置162に接続されている各種検知センサの状態を読み込むとともに、当該検知センサの状態(検知センサからの検知情報)を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。例えば、第1作動口62aへの入賞が発生したと判定した場合にはRAM604の各種フラグ格納エリア635に第1作動口用の入賞検知フラグを格納し、第2作動口63aへの入賞が発生したと判定した場合には各種フラグ格納エリア635に第2作動口用の入賞検知フラグを格納し、第1可変入賞装置64への入賞が発生したと判定した場合には各種フラグ格納エリア635に第1大入賞口用の入賞検知フラグを格納し、第2可変入賞装置65への入賞が発生したと判定した場合には各種フラグ格納エリア635に下大入賞口用の入賞検知フラグを格納し、スルーゲート66への入賞が発生したと判定した場合には各種フラグ格納エリア635にスルーゲート用の入賞検知フラグを格納する。
【0173】
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
【0174】
続くステップS103では、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、開放乱数カウンタC4を更新する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、開放乱数カウンタC4をそれぞれ1インクリメントするとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1~C4の更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップS104にてスルーゲート66への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。
【0175】
(スルー用の入賞処理)
ステップS104のスルー用の入賞処理においては先ず、遊技球がスルーゲート66に入賞したか否かを判定する。遊技球がスルーゲート66に入賞し、且つ、役物保留記憶数SNが上限(詳しくは4)未満である場合には、役物保留記憶数SNを1インクリメントし、上記ステップS103にて更新した開放乱数カウンタC4の値をRAM604の電役用記憶エリア633の空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。その後、本入賞処理を終了する。
【0176】
遊技球がスルーゲート66に入賞していないと判定した場合、又はスルーゲート66に入賞したと判定したものの役物保留記憶数SNが上限に達している場合には、開放乱数カウンタC4の値を格納することなく、本入賞処理を終了する。
【0177】
なお、スルー用の入賞処理では、主表示ユニット81のスルーゲート用保留数表示部SSの表示制御処理を実行する。具体的には4つの発光体(LED)からなるスルーゲート用の保留数表示部SSについて役物保留記憶数SNと同じ数の発光体が点灯した状態となるように発光制御処理を実行する。
【0178】
ステップS104にてスルー用の入賞処理を実行した後は、ステップS105にて作動口62a,63aへの入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行し、本タイマ割込み処理を終了する。
【0179】
(作動口用の入賞処理)
ステップS105の作動口用の入賞処理においては先ず、遊技球が第1作動入球部62(第1作動口62a)に入賞(始動入賞)したか否かをRAM604の各種フラグ格納エリア635に第1作動口用の入賞検知フラグが格納されているか否かによって判定する。同入賞検知フラグが格納されていると判定した場合、すなわち遊技球が第1作動入球部62(第1作動口62a)への入賞が発生した旨の検知信号を受信した場合には、払出制御装置181に遊技球を2個払い出させるための賞球コマンドをセットする。そして、第1作動入球部62(第1作動口62a)に遊技球が入賞した旨を示す情報を遊技ホール側のホールコンピュータHCに対して信号出力すべく外部信号設定処理を行う。これにより、第1作動入球部62(第1作動口62a)への入賞が発生した旨がホールコンピュータHCにて把握される。
【0180】
その後、第1作動口用の保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値(始動保留記憶数)を更新(1加算)する。続いて、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
【0181】
一方、RAM604の各種フラグ格納エリア635に第1作動口用の入賞検知フラグが格納されていない場合であって、第2作動口用の入賞検知フラグが格納されている場合には、払出制御装置181に遊技球を1個払い出させるための賞球コマンドをセットする。セットされた賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理にて払出制御装置181に送信される。
【0182】
続いて、第2作動入球部63(第2作動口63a)に遊技球が入賞した旨を示す情報を遊技ホール側のホールコンピュータHCに対して信号出力すべく外部信号設定処理を行う。これにより、第2作動入球部63(第2作動口63a)への入賞が発生した旨がホールコンピュータHCにて把握される。
【0183】
その後、第2実行エリアAE2に保留情報が記憶されていない場合(すなわち、第2作動口63aに係る遊技回の進行中ではない場合)には、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を第2実行エリアAE2に格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。なお、本実施の形態では、第2作動口63aに係る保留機能を有していないため、第2実行エリアAE2に保留情報が記憶されている状況下にて第2作動口63aへの入賞が新たに発生した場合には、当該入賞に基づいて保留情報が記憶されることはない。
【0184】
なお、第1作動入球部62及び第2作動入球部63のいずれにも遊技球が入賞しなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。
【0185】
(通常処理)
次に、通常処理の流れを
図16のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201~S207の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
【0186】
通常処理において、ステップS201では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置181に送信する。また、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の遊技回用の演出に対応したコマンドや開閉実行モード用の演出に対応したコマンドといった演出用のコマンドが設定されている場合にはそれを報知・演出制御装置143に送信する。また、RAM604の外部出力バッファに設定されている情報に応じて、外部端子板213に対する出力設定を行う。
【0187】
次に、ステップS202では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
【0188】
続くステップS203では、各遊技回の遊技を進行させるための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、当たり等の当否判定や大当たり種別の振分判定を行うとともに、図柄表示装置75による図柄の変動表示の設定、主表示ユニット81(主表示部D)における作動口用表示部D1,D2などの表示制御などを行う。
【0189】
その後、ステップS204では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モードなどに移行する。
【0190】
続くステップS205では、右側作動入球部62Rに付属の電動役物71を駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM604の電役用記憶エリアに格納されている情報を用いて電動役物71を開状態とするか否かの判定を行い、電動役物71の開閉処理及びスルーゲート用表示部DSの表示制御などを行う。
【0191】
続くステップS206では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、遊技球発射ハンドル41に対して発射操作が行われていることに基づき電源・発射制御装置191から出力される発射許可信号を入力していることを条件として、所定の発射期間(本実施の形態においては0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイド111を励磁する。これにより、遊技球が遊技領域PEに向けて打ち出される。つまり、所謂止め打ち等の変則打ちが行われていない場合には、発射操作が行われていることを条件として所定周期にて遊技球の発射が繰り返される構成となっている。
【0192】
続くステップS207では、RAM604の各種フラグ格納エリア635に停電フラグがセットされているか否かを判定する。停電フラグは、停電監視基板605において停電の発生が確認され当該停電監視基板605からMPU602のNMI端子に停電信号が入力されることによりセットされ、次回のメイン処理にて消去されるフラグである。
【0193】
停電フラグがセットされていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS208にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。つまり、ステップS209にて乱数初期値カウンタCINIの更新を実行するとともに、ステップS210にて変動種別カウンタCSの更新を実行する。
【0194】
ここで、ステップS201~S206の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、係る残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
【0195】
一方、ステップS207にて、停電フラグがセットされていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS211以降の電断時処理を実行する。具体的には、ステップS211にてタイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS212にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS213にてRAM604のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
【0196】
(遊技回制御処理)
ここで、
図17~
図21のフローチャートを参照して、ステップS203の遊技回制御処理について補足説明する。
図17に示すように、本実施の形態に示す遊技回制御処理では、先ずステップS301にて特別遊技状態(開閉実行モード)中である否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア635における開閉実行モードフラグ格納エリア(開閉実行状態情報記憶手段)に開閉実行モードフラグ(開閉実行状態情報)が格納(記憶)されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
【0197】
ステップS301にて肯定判定をした場合には、そのまま本遊技回制御処理を終了する。ステップS301にて否定判定をした場合には、ステップS302にて第1作動入球部62(第1作動口62a)への入賞に係る遊技回用の遊技回制御処理(第1作動口対応遊技回制御処理,第1作動口用制御処理)を実行し且つステップS303にて第2作動入球部63(第2作動口63a)への入賞に係る遊技回用の遊技回制御処理(第2作動口対応遊技回制御処理、第2作動口用制御処理)を実行した後、本遊技回制御処理を終了する。これら2つの制御処理については、基本的な流れが共通となっている。以下、先ず
図18及び
図19を参照して第1作動口用制御処理について説明し、その後、
図20及び
図21を参照して第1作動口用制御処理との相違点を中心に第2作動口用制御処理について説明する。
【0198】
(第1作動口用制御処理)
図18に示すように、第1作動口用制御処理では、先ずステップS401にて、第1作動口62aに係る遊技回中であるか否かを判定する。具体的には、主表示ユニット81の第1作動口用表示部D1が変動表示~確定表示中であるか否か、すなわち1遊技回分の遊技の実行中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM604の各種フラグ格納エリア635における遊技回中フラグ格納エリア(変動表示中情報記憶手段)に第1作動口用の遊技回中フラグ(遊技回中情報)が格納(記憶)されているか否かを判定することにより行う。第1作動口用の遊技回中フラグは、第1作動口用表示部D1にて変動表示を開始させる場合に格納され、その絵柄が停止表示されて確定表示が終了する場合に消去されるフラグである。
【0199】
第1作動口62aに係る遊技回中ではない場合には、ステップS401にて否定判定をして、ステップS402に進む。ステップS402では、保留球格納エリア632の総保留数記憶領域を参照し、保留記憶されている保留情報の数である第1作動口用保留記憶数CRN(詳しくは第1作動口62aに係る保留情報の数)が「0」か否かを判定する。第1作動口用保留記憶数CRNが「0」である場合には、そのまま遊技回制御処理を終了する。一方、第1作動口用保留記憶数CRNが「0」でない場合には、ステップS403に進む。ステップS403ではデータ設定処理を行う。
【0200】
第1作動口用のデータ設定処理では、先ず第1作動口用保留記憶数CRNを1ディクリメントする。その後、第1作動口用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを第1実行エリアAE1(
図9参照)に移動し、第1作動口用保留エリアRaの各記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。
【0201】
このデータシフト処理は、第1~第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータがクリアされると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。そして、第1作動口用の保留数表示部S1にて点灯中のLEDを1つ消灯させる。この消灯処理では、保留情報が追加された際に実行される点灯処理とは逆に、第1作動口用の保留数表示部S1のLEDが下側から順に消灯させる。
【0202】
以上詳述したデータ設定処理を行った後は、ステップS404にて第1作動口用表示部D1における絵柄の変動表示及び図柄表示装置75における図柄の変動表示を開始させるための第1作動口用の変動開始処理(第1作動口用変動開始処理)を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。ここで、
図19を参照して、ステップS404の第1作動口用変動開始処理について説明する。
【0203】
(第1作動口用変動開始処理)
第1作動口用変動開始処理においては先ず、ステップS501にて当否判定処理を実行する。当否判定処理では、第1作動口用の当否テーブルを参照して、第1実行エリアAE1に格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報が上述した大当たり用の数値情報や特別当たり用の数値情報と一致しているか否かを判定する。ステップS501における判定結果が大当たり結果である場合には、ステップS502にて肯定判定をしてステップS503に進む。
【0204】
ステップS503では種別判定処理を実行する。種別判定処理では、第1実行エリアAE1に格納された情報のうち種別判定用の情報、すなわち当たり種別カウンタC2から取得した数値情報を把握する。また、ROM603の振分テーブル記憶エリア622に記憶された振分テーブルを参照して、上記把握した種別判定用の情報が、上記第1結果~第3結果に対応した情報群の何れに含まれているか、すなわち2R確変大当たりに対応した情報群及び10R確変大当たりAに対応した情報群の何れに含まれているかを特定する。
【0205】
ステップS504では大当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、当該遊技回において主表示ユニット81の主表示部D(第1作動口用表示部D1)に最終的に停止表示させる絵柄をROM603に予め記憶されている大当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM604に記憶する。この大当たり結果用の停止結果テーブルには主表示部Dに停止表示される絵柄が複数設定されており、ステップS504では、大当たり結果に応じた絵柄を示す情報をRAM604に記憶する。また、ステップS504では、今回の遊技結果が、2R確変大当たり及び10R確変大当たりAの何れかであるかをMPU602にて特定するための情報をRAM604の各種フラグ格納エリア635に格納する。具体的には、2R確変大当たりである場合には2R確変フラグを格納し、10R確変大当たりAである場合には10R確変フラグAを格納する。
【0206】
なお、詳細については後述するが、本実施の形態においては、高頻度サポートモードへの移行に対応した大当たりの連続回数及び高確率モードへの移行に対応した大当たりの連続回数に上限が設定されている(所謂リミッタ)。MPU602においてはRAM604の各種カウンタエリア634に設けられた連続回数カウンタの値を参照して、今回の大当たり結果によって高頻度サポートモードへの移行に対応した大当たりの連続回数が上限に達したか否かを判定する。
【0207】
ステップS501の説明に戻り、当該ステップS501の判定により特別当たりとなった場合には、ステップS502にて否定判定をし且つステップS505にて肯定判定をしてステップS506に進む。ステップS506では、特別当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、当該遊技回において主表示ユニット81の主表示部D(第1作動口用表示部D1)に最終的に停止表示させる絵柄をROM603に予め記憶されている特別当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM604に記憶する。この特別当たり結果用の停止結果テーブルには主表示部Dに停止表示される絵柄が複数設定されており、ステップS506では、特別当たり結果に応じた絵柄を示す情報をRAM604に記憶する。また、ステップS506では、今回の遊技結果が、特別当たり結果であることをMPU602にて特定するための情報として特別当たりフラグをRAM604の各種フラグ格納エリア635に格納する。
【0208】
また、ステップS501の判定により外れとなった場合には、ステップS502及びステップS505にて否定判定をしてステップS507に進む。ステップS507では、外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、当該遊技回において主表示ユニット81の主表示部D(第1作動口用表示部D1)に最終的に停止表示させる絵柄をROM603に予め記憶されている外れ結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM604に記憶する。この外れ結果用の停止結果テーブルには主表示部Dに停止表示される絵柄が複数設定されており、ステップS506では、外れ結果に応じた絵柄を示す情報をRAM604に記憶する。また、ステップS506では、今回の遊技結果が、外れ結果であることをMPU602にて特定するための情報として外れフラグをRAM604の各種フラグ格納エリア635に格納する。
【0209】
ステップS504、ステップS506、ステップS507の設定処理を実行した後は、ステップS508に進む。ステップS508では変動表示時間(表示継続時間)の設定処理を実行する。この設定処理についての詳細は後述する。ステップS508の変動表示時間の設定処理を実行した後は、ステップS509にて変動開始コマンド及び種別コマンドを設定する。変動開始コマンドには、変動表示時間の情報が含まれる。なお、上記のとおりリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して取得される変動表示時間は、リーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して取得される変動表示時間と異なっているため、変動開始コマンドにリーチ発生の有無の情報が含まれていなかったとしても、サブ側の制御装置である報知・演出制御装置143では変動表示時間の情報からリーチ発生の有無を特定することが可能である。この点、変動開始コマンドには、リーチ発生の有無を示す情報が含まれているとも言える。因みに、変動開始コマンドにリーチ発生の有無を直接示す情報が含まれていてもよい。
【0210】
ステップS509の設定処理を実行した後は、ステップS510に進み、主表示ユニット81における第1作動口用表示部D1の変動表示を開始した後、本第1作動口用変動開始処理を終了する。ステップS510の処理では、RAM604の各種フラグ格納エリア635に第1作動口用の遊技回中フラグを格納する。これにより、以降の処理では第1作動口62aに係る遊技回(例えば変動表示)が実行されている最中であることを特定可能となる。
【0211】
再び
図18の説明に戻り、ステップS401にて肯定判定をした場合、すなわち第1作動口62aに係る遊技回中であると判定した場合には、ステップS405に進む。ステップS405では、第1作動口62aに係る遊技回において確定表示を実行している最中であるか否かを判定する。ステップS405にて肯定判定をした場合には、そのまま本第1作動口用処理を終了する。ステップS405にて否定判定をした場合には、ステップS406に進む。ステップS406では、第2作動口63aに係る遊技回にて大当たり結果に対応する絵柄を停止表示させるタイミングであるか否かを判定する。ステップS406にて否定判定をした場合には、ステップS407に進む。
【0212】
ステップS407では上記ステップS508にて設定された変動表示時間を経過したタイミングであるか否かを判定する。ステップS407にて否定判定をした場合には、ステップS408にて変動表示用処理を実行した後、本第1作動口用制御処理を終了する。ステップS408の変動表示用処理においては、第1作動口用表示部D1を構成する各種LEDを点灯/消灯させる処理を行うことにより、絵柄を変動表示させる。
【0213】
ステップS407にて肯定判定をした場合にはステップS410に進む。ステップS410では変動終了処理を実行する。変動終了処理では、事前に決定された態様となるようにして第1作動口用表示部D1にて絵柄を停止表示させるように主表示ユニット81の表示制御を行う。すなわち、例えば抽選結果(遊技結果)に対応する絵柄の確定表示が実行される。また、RAM604の各種フラグ格納エリア635に第1作動口用の確定表示フラグを格納する。この確定表示フラグは確定表示が終了した際に消去されるフラグであり、ステップS405の処理では確定表示フラグの有無に基づいて確定表示中であるか否かが判定される。
【0214】
続くステップS412にて変動終了コマンドを設定した後に、本遊技回制御処理を終了する。ステップS412にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(
図17)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143に送信される。報知・演出制御装置143では、変動終了コマンドを受信したことに基づいて、その遊技回における演出を終了させるための処理を実行する。また、当該変動終了コマンドは、報知・演出制御装置143を経由して表示制御装置710に送信され、表示制御装置710では当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回の遊技結果等に対応した図柄の組み合わせを図柄表示装置75の表示画面75aに確定表示(最終停止表示)させる。なお、変動終了コマンドが送信されずに、報知・演出制御装置143や表示制御装置710にて独自に遊技回用の演出を終了させる構成としてもよい。
【0215】
ステップS406の説明に戻り、当該ステップS406にて肯定判定をした場合、すなわち第2作動口63aに係る遊技回にて大当たり結果に対応する絵柄を停止表示させるタイミングである場合には、ステップS409に進む。ステップS409では、停止絵柄の書替処理を実行する。具体的には、今回の遊技回が大当たり結果、特別当たり結果、外れ結果の何れの場合であっても、停止結果(遊技結果)を外れ結果に書き替える。つまり、第2作動口63aに係る大当たり結果対応の遊技回が第1作動口62aに係る遊技回と並行して行われる場合には、第2作動口63aに係る遊技回が先に終了する場合に、第1作動口62aに係る遊技回が外れ結果となるようにして強制終了される。ステップS409の書替処理を実行した後は、上記ステップS410~ステップS411の各処理を実行した後、本第1作動口用制御処理を終了する。
【0216】
次に、
図20及び
図21を参照して、第2作動口用制御処理について説明する。
【0217】
(第2作動口用制御処理)
図20に示すように、第2作動口用制御処理では、先ずステップS601にて第2作動口63aに係る遊技回中であるか否かを判定する。具体的には、主表示ユニット81の第2作動口用表示部D2が変動表示~確定表示中であるか否か、すなわち1遊技回分の遊技の実行中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM604の各種フラグ格納エリア635における遊技回中フラグ格納エリア(変動表示中情報記憶手段)に第2作動口用の遊技回中フラグ(変動表示中情報)が格納(記憶)されているか否かを判定することにより行う。第2作動口用の遊技回中フラグは、第2作動口用表示部D2にて変動表示を開始させる場合に格納され、その絵柄が停止表示されて確定表示が終了する場合に消去される。
【0218】
遊技回中でない場合には、ステップS601にて否定判定をしてステップS602に進む。ステップS602では、第2作動口63aへの入賞が発生したタイミングであるか否かを判定する。ステップS602にて否定判定をした場合には、そのまま本第2作動口用制御処理を終了する。ステップS602にて肯定判定をした場合には、ステップS603に進む。ステップS603では第2作動口63a用のデータ設定処理を実行する。
【0219】
第2作動口63a用のデータ設定処理では、抽選カウンタ用バッファ631から取得した各種情報を第2実行エリアAE2にセットする。以上詳述したデータ設定処理を行った後は、ステップS604にて主表示ユニット81(主表示部D)における絵柄の変動表示及び図柄表示装置75における図柄の変動表示を開始させるための第2作動口用の変動開始処理(第2作動口用変動開始処理)を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
【0220】
ここで、
図21を参照して、ステップS604の第2作動口用変動開始処理について説明する。
【0221】
(第2作動口用変動開始処理)
第2作動口用変動開始処理においては先ず、ステップS701にて当否判定処理を実行する。当否判定処理では、第2作動口用の当否テーブルを参照して、第2実行エリアAE2に格納された各種情報のうち当否判定用の情報、すなわち当たり乱数カウンタC1に係る数値情報が上述した大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。ステップS701における判定結果が大当たり結果である場合には、ステップS702にて肯定判定をしてステップS703に進む。
【0222】
ステップS703では種別判定処理を実行する。種別判定処理では、第2実行エリアAE2に格納された各種情報のうち種別判定用の情報、すなわち当たり種別カウンタC2から取得した数値情報と、ROM603の振分テーブル記憶エリア622に記憶された振分テーブルとを参照して、上記把握した種別判定用の情報が10R確変大当たりAに対応する情報群及び10R確変大当たりBに対応する情報群の何れに含まれているかを特定する。
【0223】
続くステップS704では大当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、当該遊技回において主表示ユニット81の主表示部D(第2作動口用表示部D2)に最終的に停止表示させる絵柄をROM603に予め記憶されている大当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM604に記憶する。この大当たり結果用の停止結果テーブルには主表示部Dに停止表示される絵柄が複数設定されており、ステップS704では、大当たり結果に応じた絵柄を示す情報をRAM604に記憶する。また、ステップS704では、今回の遊技結果が、10R確変大当たりA及び10R確変大当たりBの何れかであるかをMPU602にて特定するための情報をRAM604の各種フラグ格納エリア635に格納する。具体的には、10R確変大当たりAである場合には10R確変フラグAを格納し、10R確変大当たりBである場合には10R確変フラグBを格納する。
【0224】
ステップS701の説明に戻り、当否判定の結果が外れ結果である場合には、ステップS702にて否定判定をしてステップS705に進む。ステップS705では、外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、当該遊技回において主表示ユニット81の主表示部D(第2作動口用表示部D2)に最終的に停止表示させる絵柄をROM603に予め記憶されている外れ結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM604に記憶する。この外れ結果用の停止結果テーブルには主表示部Dに停止表示される絵柄が複数設定されており、ステップS506では、外れ結果に応じた絵柄を示す情報をRAM604に記憶する。また、ステップS506では、今回の遊技結果が、外れ結果であることをMPU602にて特定するための情報として外れフラグをRAM604の各種フラグ格納エリア635に格納する。
【0225】
ステップS704、ステップS705の設定処理を実行した後は、ステップS706に進む。ステップS706では変動表示時間(表示継続時間)の設定処理を実行する。この変動表示時間の設定処理についての詳細は後述する。
【0226】
ステップS706にて変動表示時間の設定処理を実行した後は、ステップS707にて変動開始コマンド及び種別コマンドを設定する。変動開始コマンドには、変動表示時間の情報が含まれる。ここで、上述したようにリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して取得される変動表示時間は、リーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して取得される変動表示時間と異なっているため、変動開始コマンドにリーチ発生の有無の情報が含まれていなかったとしても、サブ側の制御装置である報知・演出制御装置143では変動表示時間の情報からリーチ発生の有無を特定することが可能である。この点、変動開始コマンドには、リーチ発生の有無を示す情報が含まれているとも言える。なお、変動開始コマンドにリーチ発生の有無を直接示す情報が含まれていてもよい。
【0227】
ステップS707の設定処理を実行した後は、ステップS708に進み、主表示ユニット81における第2作動口用表示部D2の変動表示を開始した後、本第2作動口用変動開始処理を終了する。ステップS708の処理では、RAM604の各種フラグ格納エリア635に第2作動口用の遊技回中フラグを格納する。これにより、以降の処理では第2作動口63aに係る遊技回(例えば変動表示)が実行されている最中であることを特定可能となる。
【0228】
再び
図20の説明に戻り、ステップS601にて肯定判定をした場合、すなわち第2作動口63aに係る遊技回中であると判定した場合には、ステップS605に進む。ステップS605では、第2作動口63aに係る遊技回において確定表示を実行している最中であるか否かを判定する。ステップS605にて肯定判定をした場合には、そのまま本第2作動口用処理を終了する。ステップS605にて否定判定をした場合には、ステップS606に進む。ステップS606では、第1作動口62aに係る遊技回にて特別当たり結果に対応する絵柄を停止表示させるタイミングであるか否かを判定する。ステップS606にて否定判定をした場合には、ステップS607に進む。
【0229】
ステップS607では、第1作動口62aに係る遊技回にて大当たり結果に対応する絵柄を停止表示させるタイミングであるか否かを判定する。ステップS607にて否定判定をした場合には、ステップS608に進む。ステップS608では上記ステップS706にて設定された変動表示時間を経過したタイミングであるか否かを判定する。ステップS608にて否定判定をした場合には、ステップS609にて変動表示用処理を実行した後、本第2作動口用制御処理を終了する。ステップS609の変動表示用処理においては、第2作動口用表示部D2を構成する各種LEDを点灯/消灯させる処理を行うことにより、絵柄を変動表示させる。
【0230】
ステップS608にて肯定判定をした場合にはステップS611に進む。ステップS611では変動終了処理を実行する。変動終了処理では、事前に決定された態様となるようにして第2作動口用表示部D2にて絵柄を停止表示させるように主表示ユニット81の表示制御を行う。すなわち、例えば抽選結果(遊技結果)に対応する絵柄の確定表示が実行される。また、RAM604の各種フラグ格納エリア635に第2作動口用の確定表示フラグを格納する。この確定表示フラグは確定表示が終了した際に消去されるフラグであり、ステップS605の処理では確定表示フラグの有無に基づいて確定表示中であるか否かが判定される。
【0231】
続くステップS612にて変動終了コマンドを設定した後に、本遊技回制御処理を終了する。ステップS612にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(
図17)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143に送信される。報知・演出制御装置143では、変動終了コマンドを受信したことに基づいて、その遊技回における演出を終了させるための処理を実行する。また、当該変動終了コマンドは、報知・演出制御装置143を経由して表示制御装置710に送信され、表示制御装置710では当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回の遊技結果等に対応した図柄の組み合わせを図柄表示装置75の表示画面75aに確定表示(最終停止表示)させる。なお、変動終了コマンドが送信されずに、報知・演出制御装置143や表示制御装置710にて独自に遊技回用の演出を終了させる構成としてもよい。
【0232】
ステップS606及びステップS607の説明に戻り、それらステップS606,S607の何れかにて肯定判定をした場合、すなわち第2作動口63aに係る遊技回にて大当たり結果又は特別外れ結果に対応する絵柄を停止表示させるタイミングである場合には、ステップS610に進む。ステップS610では、停止絵柄の書替処理を実行する。具体的には、今回の遊技回が大当たり結果、外れ結果の何れの場合であっても、停止結果(遊技結果)を外れ結果に書き替える。つまり、第2作動口63aに係る大当たり結果対応の遊技回が第2作動口63aに係る遊技回と並行して行われる場合には、第1作動口62aに係る遊技回が先に終了する場合に、第2作動口63aに係る遊技回が外れ結果となるようにして強制終了される。ステップS610の書替処理を実行した後は、上記ステップS611~ステップS612の各処理を実行した後、本第2作動口用制御処理を終了する。
【0233】
(遊技状態移行処理)
次に、ステップS204の遊技状態移行処理を
図22~
図26のフローチャートを参照して説明する。既に説明したように、本実施の形態においては作動口62a,63aへの入球に基づいて遊技が進行する通常遊技状態と、可変入賞装置64,65が開放される特別遊技状態(開閉実行モード)とが設けられている。既に説明したように、通常遊技状態については、抽選モードが低確率モード且つ電動役物71によるサポートモードが低頻度サポートモードとなる第1通常遊技状態、抽選モードが高確率モード且つ電動役物71によるサポートモードが高頻度サポートモードとなる第2通常遊技状態、抽選モードが高確率モード且つ電動役物71によるサポートモードが低頻度サポートモードとなる第3通常遊技状態とで構成されており、大当たり結果対応の特別遊技状態等を経由してこれら第1通常遊技状態~第3通常遊技状態の切り替えがなされる。
【0234】
遊技状態移行処理においては先ず、ステップS801にて開閉実行モード中であるか否かを判定する。開閉実行モード中ではない場合にはステップS802に進み、遊技回(詳しくは確定表示)が終了したタイミングか否かを判定する。遊技回が終了したタイミングではない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
【0235】
遊技回が終了している場合には、より詳しくは変動表示が終了してから予め設定された停止表示時間(確定表示時間)が経過したタイミングである場合には、ステップS803に進み、今回の遊技回の遊技結果(上記当否抽選の結果)が特別遊技状態(開閉実行モード)への移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM604に、上述した2R確変フラグ、10R確変フラグA、10R確変フラグB、特別当たりフラグの何れかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれも格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
【0236】
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS804にて開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理では、先ず開閉実行モードのオープニング用に可変入賞装置64,65の開放を開始することなくそれら可変入賞装置64,65を待機させるためのオープニング用待機時間(開始用待機時間)を設定する。具体的には、RAM604の各種カウンタエリア634に設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM603に予め記憶されているオープニング用の待機時間情報をセットする。
【0237】
本実施の形態におけるオープニング用の待機時間(オープニング時間)については当たりの種別によって異なっている。具体的には、第1通常遊技状態中に2R確変大当たり又は10R確変大当たりとなった場合のオープニング用の待機時間は7sec、第2通常遊技状態中に2R確変大当たり又は10R確変大当たりとなった場合のオープニング用の待機時間は3sec、第3通常遊技状態中に2R確変大当たり又は10R確変大当たりとなった場合のオープニング用の待機時間は3secとなる。これに対して、特別当たり結果である場合のオープニング用の待機時間は、遊技状態に関係なくそれよりも短い時間、詳しくは8msecとなる。
【0238】
続くステップS805では、今回の開閉実行モードが大当たり結果に対応しているか否かを判定する。ステップS805にて肯定判定をした場合には、ステップS806に進み、RAM604の各種カウンタエリア634に設けられたラウンド数カウンタRCに今回の大当たり結果に対応する値をセットする。具体的には、今回の大当たり結果が2R確変大当たりである場合にはラウンド数カウンタRCに「2」をセットし、今回の大当たり結果が10R確変大当たりである場合にはラウンド数カウンタRCに「10」をセットする。ラウンド数カウンタRCはラウンドが進むごとに減算され、当該ラウンド数カウンタRCの値が「0」になった場合に今回の特別遊技状態が終了することとなる。ステップS806の設定処理を実行した後は、ステップS807にてRAM604の各種フラグ格納エリア635に格納されている高頻度サポートモードフラグを消去する。
【0239】
ステップS805の説明に戻り、当該ステップS805にて否定判定をした場合、すなわち特別当たり結果を契機とした特別遊技状態である場合には、ステップS808に進む。ステップS808ではRAM604の各種フラグ格納エリア635に第2入賞モードフラグ(低頻度入賞モード用フラグ)をセットする。その後、ステップS809では、ラウンド数カウンタに「1」をセットする。以降の処理では第2入賞モードフラグがセットされていることに基づいて、今回の特別遊技状態が特別当たり結果に対応していると判断する。
【0240】
ステップS807又はステップS809の処理を実行した後は、ステップS810へ進む。ステップS810では、オープニングコマンドの設定処理を行う。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(
図17)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143及び表示制御装置710に送信される。報知・演出制御装置143は、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御可能となっている。この演出の内容としては、図柄表示装置75における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は報知・演出制御装置143から表示制御装置710に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置710では、主制御装置162から受信したオープニングコマンドや報知・演出制御装置143から受信した表示内容コマンドに基づいて、今回の開閉実行モードに対応した表示、例えば大当たりに対応する表示内容としてのキャラクタ等の動画表示、背景画像等の切り替えがなされるように図柄表示装置75の表示制御を実行する。
【0241】
ステップS810にてオープニングコマンド設定処理を実行した後はステップS811にて外部信号設定処理を実行し、本遊技状態移行処理を終了する。ステップS811の外部信号設定処理では、RAM604に、上記各種大当たりフラグ及び特別当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定し、いずれかのフラグが格納されている場合には、遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータHC)に大当たり又は特別当たりが発生した旨を示す信号が出力される。この外部信号を受信することにより当該管理制御装置にて、特別遊技状態(開閉実行モード)へ移行した旨が把握される。
【0242】
ステップS801の説明に戻り、開閉実行モード中である場合には当該ステップS801にて肯定判定をし、ステップS812に進む。ステップS812では、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS813にて大入賞口開閉処理を実行する。
【0243】
ここで、
図23~
図25のフローチャートを参照して大入賞口開閉処理について説明する。
【0244】
(大入賞口開閉処理)
図23に示すように、大入賞口開閉処理においては先ず、ステップS901にてRAM604の各種フラグ格納エリア635に第2入賞モードフラグが格納されているか否かを判定する。ステップS901にて否定判定をした場合には、ステップS902に進み、第1開閉処理を実行する。第1開閉処理は、大当たり結果に対応した特別遊技状態(開閉実行モード)すなわち第1特別遊技状態である場合に実行される処理である。
【0245】
(第1開閉処理)
図24に示すように、第1開閉処理においては先ず、ステップS1001にて第1可変入賞装置64(第1大入賞口331)が開放中であるか否かを判定する。具体的には、第1可変入賞装置64の可変入賞駆動部451の駆動状態に基づいて係る判定を行う。第1大入賞口331が開放中でない場合には、ステップS1002にてラウンド数カウンタRCの値が「0」か否かを判定する。ステップS1002にて肯定判定をした場合には、そのまま本第1開閉処理を終了する。
【0246】
ステップS1002にて否定判定をした場合にはステップS1003に進む。ステップS1003ではRAM604の各種カウンタエリア634に設けられたタイマカウンタTC1の値が「0」か否かを判定する。タイマカウンタTC1は、第1大入賞口331の開放時間やインターバル時間(ラウンド間インターバル時間)等を把握する際に参照されるカウンタであり、タイマ割込み処理(
図15参照)が実行される度にその値が「1」づつ減算される。ステップS1003にて否定判定をした場合には、本第1開閉処理を終了する。
【0247】
ラウンド数カウンタRCの値が「0」ではなく且つタイマカウンタTC1の値が「0」である場合には、第1可変入賞装置64(第1大入賞口331)対応の閉鎖条件の設定処理(開放時用設定処理)として、ステップS1004~ステップS1005の処理を実行する。具体的には、ステップS1004ではタイマカウンタTC1に「4000」(8secに相当)をセットし、続くステップS1005にて入賞カウンタPCに「10」をセットする。
【0248】
続くステップS1006では、今回の開閉実行モードが10R確変大当たりを契機としているか否かを判定する。ステップS1006にて肯定判定をした場合には、ステップS1007に進み、第1可変入賞装置64(第1大入賞口331)の開放処理を実行する。具体的には、第1大入賞口331を開放すべく可変入賞駆動部451を駆動状態(励磁状態)とする。今回の開閉実行モードが2R確変大当たりを契機としている場合には、ステップS1006にて否定判定をしてステップS1008に進む。ステップS1008では、第2可変入賞装置65(第2大入賞口341)の開放処理を実行する。具体的には、第2大入賞口341を開放すべく可変入賞駆動部461を駆動状態(励磁状態)とする。
【0249】
その後は、ステップS1009に進み、開放コマンド設定して本第1開閉処理を終了する。開放コマンドには、開放対象(第1可変入賞装置64又は第2可変入賞装置65)を示す情報が含まれており、この設定された開放コマンドは通常処理(
図16参照)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143に送信される。報知・演出制御装置143は、この開放コマンドを受信したことに基づいて開放に対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御可能となっている。
【0250】
ステップS1001の説明に戻り、当該ステップS1001にて第1可変入賞装置64(第1大入賞口331)又は第2可変入賞装置65(第2大入賞口341)が開放中であると判定した場合にはステップS1010に進む。ステップS1010では、タイマカウンタTC1の値が「0」か否かを判定する。タイマカウンタTC1の値が「0」でない場合にはステップS1011に進み、開放対象となっていた大入賞口(第1大入賞口331又は第2大入賞口341)に遊技球が入賞したか否かを可変入賞装置(第1可変入賞装置64又は第2可変入賞装置65)に付属の検知センサ(検知センサ391d,391e)からの検知情報(検知信号)に基づいて判定する。
【0251】
入賞が発生している場合には、ステップS1012にて入賞コマンドの出力処理を実行する。当該入賞コマンドは報知・演出制御装置143に出力され、報知・演出制御装置143は当該入賞コマンドに基づいて図柄表示装置75の表示画面75aにおける表示を変更可能となっている。
【0252】
ステップS1012にてコマンドの出力処理を実行した後は、ステップS1013に進む。ステップS1013では入賞カウンタPCの値を1ディクリメントし、続くステップS1014にて入賞カウンタPCの値が「0」か否かを判定し、「0」でない場合にはそのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
【0253】
ステップS1014にて肯定判定をした場合、すなわち入賞カウンタPCの値が「0」である場合、又はステップS1010にて肯定判定をした場合(すなわちタイマカウンタTC1の値が「0」であると判定した場合)には、大入賞口閉鎖条件が成立したことを意味する。この場合にはステップS1019にて開放対象となっている可変入賞装置(第1可変入賞装置64又は可変入賞装置65)を閉鎖すべく可変入賞駆動部(可変入賞駆動部451,461)を非駆動状態(非励磁状態)とする。
【0254】
続くステップS1016では、ラウンド数カウンタRCの更新処理を実行する。具体的には、ラウンド数カウンタRCの値が「0」でない場合には当該ラウンド数カウンタRCを1ディクリメントするとともにラウンド数カウンタRCの値が「0」である場合には当該ラウンド数カウンタRCの値を「0」のまま維持する。
【0255】
その後、ステップS1017では更新されたラウンド数カウンタRCの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS1017にて否定判定をした場合にはステップS1018に進み、タイマカウンタTC1に「750」(1.5secに相当)をセットする。
【0256】
ステップS1018の処理を実行した後は、ステップS1019にて閉鎖コマンドを設定し、本第1開閉処理を終了する。この設定された閉鎖コマンドは、通常処理(
図17)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143に送信される。報知・演出制御装置143は、この閉鎖コマンドを受信したことに基づいて当該閉鎖コマンドに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御可能となっている。
【0257】
ステップS1017の説明に戻り、当該ステップS1017にてラウンド数カウンタRCの値が「0」であると判定した場合には、ステップS1020に進む。ステップS1020ではエンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのエンディング用に次の遊技回を開始することなく待機するためのエンディング用待機時間を設定する。具体的には、RAM604の各種カウンタエリア634に設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM603に予め記憶されているエンディング用の待機時間情報をセットする。
【0258】
その後、ステップS1021にて、エンディングコマンドを設定した後に、本第1開閉処理を終了する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(
図17)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143に送信される。報知・演出制御装置143は、このエンディングコマンドを受信したことに基づいて当該エンディングコマンドに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御可能となっている。
【0259】
図23の説明に戻り、ステップS901にて肯定判定をした場合にはステップS903の第2開閉処理を実行する。以下、
図25のフローチャートを参照して第2開閉処理について説明する。
【0260】
(第2開閉処理)
第2開閉処理においては先ず、ステップS1101にて第2可変入賞装置65(第2大入賞口341)が開放中であるか否かを判定する。具体的には、第2可変入賞装置65の可変入賞駆動部461の駆動状態に基づいて係る判定を行う。第2大入賞口341が開放中でない場合には、ステップS1102にて第2可変入賞装置65(第2大入賞口341)の開放処理を実行する。具体的には、第2大入賞口341を開放すべく可変入賞駆動部461を駆動状態(励磁状態)とする。
【0261】
その後、第2可変入賞装置65(第2大入賞口341)対応の閉鎖条件の設定処理(開放時用設定処理)として、ステップS1103~ステップS1104の処理を実行する。具体的には、ステップS1103ではタイマカウンタTC1に「400」(0.8secに相当)をセットし、続くステップS1104にて入賞カウンタPCに「6」をセットする。
【0262】
ステップS1101の説明に戻り、当該ステップS1101にて第2可変入賞装置65(第2大入賞口341)が開放中であると判定した場合にはステップS1105に進み、タイマカウンタTC1の値が「0」か否かを判定する。タイマカウンタTC1の値が「0」でない場合にはステップS1106に進み、第2大入賞口341に遊技球が入賞したか否かを第2可変入賞装置65に付属の検知センサ391dからの検知信号に基づいて判定する。
【0263】
入賞が発生している場合には、ステップS1107にて入賞コマンドの出力処理を実行する。当該入賞コマンドは、報知・演出制御装置143に出力され、報知・演出制御装置143では当該入賞コマンドに基づいて図柄表示装置75の表示画面75aにおける表示を変更可能となっている。
【0264】
ステップS1107にてコマンドの出力処理を実行した後は、ステップS1108に進む。ステップS1108では入賞カウンタPCの値を1ディクリメントし、続くステップS1109にて入賞カウンタPCの値が「0」か否かを判定し、「0」でない場合にはそのまま本第2開閉処理を終了する。
【0265】
ステップS1109にて肯定判定をした場合、すなわち入賞カウンタPCの値が「0」である場合、又はステップS1105にて肯定判定をした場合(すなわちタイマカウンタTC1の値が「0」であると判定した場合)には、大入賞口閉鎖条件が成立したことを意味する。この場合にはステップS1110にて第2可変入賞装置65(第2大入賞口341)を閉鎖すべく可変入賞駆動部461を非駆動状態(非励磁状態)とする。
【0266】
続くステップS1111ではエンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのエンディング用に次の遊技回を開始することなく待機するためのエンディング用待機時間を設定する。具体的には、RAM604の各種カウンタエリア634に設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM603に予め記憶されているエンディング用の待機時間情報をセットする。
【0267】
その後、ステップS1112にて、エンディングコマンドを設定した後に、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(
図17)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143に送信される。
【0268】
図22の説明に戻り、ステップS813の大入賞口開閉処理を実行した後は、ステップS814に進む。ステップS814ではラウンド数カウンタRCが「0」になっているか否かを判定する。ステップS814にて否定判定をした場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。ステップS814にて肯定判定をした場合には、ステップS815に進む。ステップS815ではエンディング用の待機時間が経過したか否かを判定する。エンディング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
【0269】
一方、ラウンド数カウンタRCの値が「0」であり、且つエンディング用の待機時間が経過している場合には、ステップS816にて、開閉実行モード終了時の移行処理を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。ここで、
図27を参照して、開閉実行モード終了時の移行処理について説明する。
【0270】
(開閉実行モード終了時の移行処理)
開閉実行モード終了時の移行処理においては先ず、ステップS1201にて、今回の開閉実行モードへの移行契機となった当たりが高確率モード対応の当たり、すなわち2R確変大当たり、10R確変大当たりA、10R確変大当たりBの何れかであるか否かを判定する。ステップS1201にて肯定判定をした場合には、ステップS1202に進む。ステップS1202では、RAM604の各種カウンタエリア634に設けられた確変用連続回数カウンタの更新処理を行う。具体的には、確変用連続回数カウンタの値を「1」インクリメントする。
【0271】
続くステップS1203では、今回の開閉実行モードへの移行契機となった当たりが高頻度サポートモード対応の当たり、すなわち10R確変大当たりAであるか否かを判定する。ステップS1203にて肯定判定をした場合にはステップS1205に進む。ステップS1205では、RAM604の各種カウンタエリア634に設けられた時短用連続回数カウンタの更新処理を行う。具体的には、時短用連続回数カウンタの値を「1」インクリメントする。
【0272】
その後は、ステップS1205に進み、更新後の時短用連続回数カウンタの値がROM603に記憶されている第1基準値となっているか否かを判定する。ステップS1205にて否定判定をした場合にはステップS1206に進む。ステップS1206では、上述した確変用連続回数カウンタの値がROM603に記憶されている第2基準値となっているか否かを判定する。ステップS1206にて否定判定をして場合にはステップS1207に進む。
【0273】
本実施の形態では、第1基準値が「10回」、第2基準値が「40回」となっており、第2基準値の方が第1基準値よりも大きくなっている。このような大小関係が維持される範囲であれば、第1基準値及び第2基準値を任意に変更してもよい。なお、このような変更を行う場合であっても、第1基準値及び第2基準値については何れも「2回」以上とすることが好ましい。
【0274】
ステップS1207では今回の開閉実行モードへの移行契機となった当たりが2R確変大当たり及び10R確変大当たりBの何れかであるか否かを判定する。ステップS1207にて肯定判定をした場合には、ステップS1208に進み、高確率モード且つ低頻度サポートモード対応の第3通常遊技状態への移行処理を実行する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア635に高確率モードフラグ及び低頻度サポートモードフラグをセットする。これにより、以降の通常遊技状態では当否抽選用の抽選モードが高確率モードとなり、電動役物71によるサポートモードが低頻度サポートモードとなる。その後は、ステップS1209にて開閉実行モード進行用の各種フラグ(例えば入賞モードフラグや大当たりフラグ等)を消去して、本移行処理を終了する。
【0275】
一方、今回の開閉実行モードへの移行契機となった当たりが10R確変大当たりAである場合には、上記ステップS1207にて否定判定をしてステップS1210に進む。ステップS1210では、高確率モード且つ高頻度サポートモード対応の第2通常遊技状態への移行処理を実行する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア635に高確率モードフラグ及び高頻度サポートモードフラグをセットする。これにより、以降の通常遊技状態では当否抽選用の抽選モードが高確率モードとなり、電動役物71によるサポートモードが高頻度サポートモードとなる。その後は、ステップS1209にて開閉実行モード進行用の各種フラグ(例えば入賞モードフラグや大当たりフラグ等)を消去して、本移行処理を終了する。
【0276】
ここで、本実施の形態では、上述した時短用連続回数カウンタ及び確変用連続回数カウンタを用いて、強制的な遊技状態の切り替えが発生する場合がある。つまり、高頻度サポートモードへの移行に対応する10R確変大当たりAとなった場合であっても、低頻度サポートモード対応の通常遊技状態(例えば第3通常遊技状態)へ移行したり、高確率モードへの移行に対応する2R確変大当たり、10R確変大当たりA、10R確変大当たりBとなった場合であっても、低確率モード対応の通常遊技状態(例えば第1通常遊技状態)へ移行したりする場合がある。以下、このような挙動を実現するための制御について説明する。
【0277】
ステップS1205の説明に戻り、当該ステップS1205にて肯定判定をした場合、すなわち時短用連続回数カウンタの値が第1基準値となっている場合には、ステップS1210に進む。ステップS1210では、時短用連続回数カウンタをリセットする。具体的には、時短用連続回数カウンタの値を0クリアする。その後は、ステップS1208にて第3通常遊技状態への移行処理を実行し、ステップS1209にて開閉実行モードの進行用の各種フラグ(例えば入賞モードフラグや大当たりフラグ等)を消去して、本移行処理を終了する。
【0278】
ステップS1206の説明に戻り、当該ステップS1206にて肯定判定をした場合、すなわち確変用連続回数カウンタの値が第2基準値となっている場合には、ステップS1212に進む。ステップS1212では、確変用連続回数カウンタをリセットする。具体的には、確変用連続回数カウンタの値を0クリアする。その後は、ステップS1213にて第1通常遊技状態への移行処理を実行する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア635に低確率モードフラグ及び低頻度サポートモードフラグをセットする。これにより、以降の通常遊技状態では当否抽選用の抽選モードが低確率モードとなり、電動役物71によるサポートモードが低頻度サポートモードとなる。その後は、ステップS1209にて開閉実行モード進行用の各種フラグ(例えば入賞モードフラグや大当たりフラグ等)を消去して、本移行処理を終了する。
【0279】
ステップS1201の説明に戻り、今回の開閉実行モードへの移行契機が特別当たりである場合には、当該ステップS1201にて否定判定をしてステップS1214に進む。ステップS1214では開閉実行モード移行前の遊技状態への復帰処理を実行する。つまり、今回の特別当たりが第1通常遊技状態中に発生している場合には第1通常遊技状態への復帰処理を実行し、今回の特別当たりが第2通常遊技状態中に発生している場合には第2通常遊技状態への復帰処理を実行し、今回の特別当たりが第3通常遊技状態中に発生している場合には第3通常遊技状態への復帰処理を実行する。その後は、ステップS1209にて開閉実行モード進行用の各種フラグ(例えば入賞モードフラグや大当たりフラグ等)を消去して、本移行処理を終了する。
【0280】
次に、
図27~
図29を参照して、通常処理(
図16参照)のステップS205にて実行される電役サポート用処理について説明する。
図27は電役サポート用処理を示すフローチャート、
図28は低頻度サポートモード及び高頻度サポートモードを比較した概略図、
図29は電役開閉処理を示すフローチャートである。
【0281】
(電役サポート用処理)
電役サポート用処理においては先ず、ステップS1301にて、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア635に設けられたサポート中フラグ格納エリアにサポート中フラグが格納されているか否かを判定する。サポート中フラグは、右作動口62aRに付属の電動役物71を開状態へ切り替える際に格納され、閉状態へ復帰させる際に消去されるフラグである。
【0282】
サポート中フラグが格納されていない場合にはステップS1302に進み、RAM604の各種フラグ格納エリア635に設けられたサポート当選フラグ格納エリアにサポート当選フラグが格納されているか否かを判定する。サポート当選フラグは、電動役物71を開状態とするか否かの開放抽選に当選した場合に格納され、サポート中フラグが格納される場合に消去されるフラグである。
【0283】
サポート当選フラグが格納されていない場合にはステップS1303に進み、RAM604の各種カウンタエリア634に設けられたタイマカウンタTC2の値が「0」か否かを判定する。タイマカウンタTC2の値が「0」でない場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。
【0284】
タイマカウンタTC2の値が「0」である場合にはステップS1304に進み、スルーゲート用表示部DSにおける絵柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。変動表示の終了タイミングである場合には、ステップS1305にて、外れ表示を設定し且つタイマカウンタTC2に「250」(0.5secに相当)をセットした後に、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより外れ表示を停止表示した状態でスルーゲート用表示部DSにおける絵柄の変動表示が終了され、この外れ表示が0.5secに亘って継続されることとなる(
図29参照)。
【0285】
タイマカウンタTC2の値が「0」であって変動表示の終了タイミングでない場合にはステップS1306に進み、上記役物保留記憶数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。役物保留記憶数SNの値が「0」である場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。役物保留記憶数SNの値が「0」より大きい場合には、ステップS1307にてサポートモードが高頻度サポートモードとなっているか否かを判定する。
【0286】
高頻度サポートモード中である場合にはステップS1307にて肯定判定をし、ステップS1308に進む。ステップS1308では電動役物71によるサポートを行うか否かを抽選(サポート抽選又は開放抽選)により決定する。具体的には、電役用記憶エリア633の電役用保留エリアRcに記憶されている値をシフトし、第3実行エリアAE3にシフトされた開放乱数カウンタC4の値とROM603の当否テーブル記憶エリア621に記憶されている高頻度サポートモード用の抽選テーブルとを参照して当該開放抽選を行う。また、開放抽選と同時にタイマカウンタTC2に「500」(1secに相当)をセットする。なお、タイマカウンタTC2はタイマ割込み処理が起動される度に1ディクリメントされる。以降は、タイマカウンタTC2の値が「0」になるまで、すなわち1secに亘ってスルーゲート用表示部DSにおける絵柄の変動表示が継続される(
図28参照)。
【0287】
続くステップS1309では、ステップS1308の開放抽選の結果が当選結果(サポート当選)であるか否かを判定する。サポート当選でない場合にはそのまま本電役サポート用処理を終了する。サポート当選である場合には、ステップS1310にてRAM604の各種フラグ格納エリア635にサポート当選フラグをセットして本電役サポート用処理を終了する。
【0288】
低頻度サポートモード中である場合にはステップS1307にて否定判定をし、ステップS1311に進む。ステップS1311では電動役物71によるサポートを行うか否かを抽選(サポート抽選又は開放抽選)により決定する。具体的には、電役用記憶エリア633の電役用保留エリアRcに記憶されている値をシフトし、第3実行エリアAE3にシフトされた開放乱数カウンタC4の値とROM603の当否テーブル記憶エリア621に記憶されている低頻度サポートモード用の抽選テーブルとを参照して当該開放抽選を行う。また、開放抽選と同時にタイマカウンタTC2に「1000」~「2500」(すなわち2~5secに相当)をセットする。以降は、タイマカウンタTC2の値が「0」になるまで、すなわち2~5secに亘ってスルーゲート用表示部DSにおける絵柄の変動表示が継続される(
図28参照)。
【0289】
続くステップS1312では、ステップS1311の開放抽選の結果が当選結果(サポート当選)であるか否かを判定する。サポート当選でない場合にはそのまま本電役サポート用処理を終了する。サポート当選である場合には、ステップS1313にてRAM604の各種フラグ格納エリア635にサポート当選フラグをセットして本電役サポート用処理を終了する。
【0290】
なお、高頻度サポートモードにてサポート当選となる確率(詳しくは249/250)は、低頻度サポートモードにてサポート当選となる確率(詳しくは125/250)よりも高くなっており、高頻度サポートモードの方が優遇されている。
【0291】
図27のステップS1302の説明に戻り、RAM604の各種フラグ格納エリア635にサポート当選フラグが格納されている場合には、ステップS1302にて肯定判定をし、ステップS1314に進み、タイマカウンタTC2の値が「0」であるか否かを判定する。タイマカウンタTC2の値が「0」でない場合には、スルーゲート用表示部DSにおける絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。タイマカウンタTC2の値が「0」である場合には、ステップS1315にて、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態でスルーゲート用表示部DSにおける絵柄の変動表示が終了される。続くステップS1316では、各種フラグ格納エリア635にサポート中フラグをセットし、当該各種フラグ格納エリア635に格納されているサポート当選フラグを消去した後に、本電役サポート用処理を終了する。
【0292】
ステップS1301の説明に戻り、当該ステップS1301にて肯定判定をした場合、すなわちRAM604の各種フラグ格納エリア635にサポート中フラグが格納されている場合には、ステップS1317に進み、電動役物71を開閉制御するための電役開閉処理を実行した後に、本電役サポート用処理を終了する。以下、
図29を参照して、電役開閉処理について説明する。
【0293】
(電役開閉処理)
電役開閉処理においては先ず、ステップS1401にて電動役物71が開放中であるか否かを判定する。電動役物71が開放中であるか否かは、駆動部332が駆動状態であるか否かで判定する。電動役物71が開放されている場合にはステップS1402に進み、電動役物71が付属の右作動口62aRについて開放後の入賞数が上限(本実施の形態では「10」個)に達しているか否かを判定する。ステップS1402にて否定判定をした場合には、ステップS1403に進みタイマカウンタTC2の値が「0」か否かを判定する。
【0294】
タイマカウンタTC2の値が「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了する。これに対して、タイマカウンタTC2の値が「0」である場合、又はステップS1402にて入賞数が上限に達していると判定している場合には、ステップS1404に進む。ステップS1404では、電動役物71を閉状態に切り替える(復帰させる)閉鎖処理を行う。その後、ステップS1405にて各種フラグ格納エリア635に格納されているサポート中フラグを消去し、本電役開閉処理を終了する。
【0295】
ステップS1401の説明に戻り、電動役物71が開放中でない場合にはステップS1401にて否定判定をし、ステップS1406に進む。ステップS1406では、タイマカウンタTC2が「0」であるか否かを判定する。タイマカウンタTC2が「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了する。タイマカウンタTC2が「0」である場合には、ステップS1407にて、電動役物71を開状態に切り替える開放処理を実行する。
【0296】
その後、ステップS1408にて高頻度サポートモード中であるか否かを判定する。高頻度サポートモード中である場合には、ステップS1409にてタイマカウンタTC2に「750」(1.5secに相当)をセットした後に、本電役開閉処理を終了する。一方、低頻度サポートモード中である場合には、ステップS1410にてタイマカウンタTC2に「250」(0.5secに相当)をセットした後に、本電役開閉処理を終了する。
【0297】
(遊技状態と変動表示時間との関係)
既に説明したように、本実施の形態においては第1作動口62a及び第2作動口63aへの入球に基づいて保留情報が取得され、それら取得された保留情報に基づいて遊技回における絵柄や図柄の変動表示~確定表示が実行される構成となっている。ここで、絵柄や図柄の変動表示時間については、遊技状態や抽選結果に応じて設定される構成となっている。以下、
図30~
図33を参照して、変動表示時間等の設定に係る構成(第1作動口用変動開始処理における変動表示時間設定処理及び第2作動口用変動開始処理における変動表示時間設定処理)について補足説明する。
図30(a)は第1作動口用変動開始処理における変動表示時間設定処理(第1作動口用の変動表示時間設定処理)を示すフローチャート、
図30(b)は第1作動口用変動開始処理における変動表示時間設定処理(第2作動口用の変動表示時間設定処理)を示すフローチャート、
図31~
図33は遊技状態と変動表示時間との関係を示す概略図である。
【0298】
(第1作動口用の変動表示時間設定処理)
図30(a)に示すように、第1作動口用の変動表示時間設定処理においては先ず、ステップS1501にて低確率モード且つ低頻度サポートモード対応の上記第1通常遊技状態であるか否かを判定する。ステップS1501にて肯定判定をした場合にはステップS1502にて第1通常遊技状態用設定処理を実行した後、本変動表示時間設定処理を終了する。
【0299】
第1通常遊技状態用設定処理においては、ROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア623に記憶されている第1通常遊技状態用の各種変動表示時間テーブルの中から今回の遊技回に対応するテーブルを選択し、RAM604の保留球格納エリア632における第1作動口用保留エリアRaに記憶されている保留情報の数、当否抽選の結果、リーチ発生の有無等に応じて変動表示時間を設定する。
【0300】
変動表示時間については、大当たり結果と外れ結果とを比較した場合には後者よりも前者の方が長くなりやすい構成となっており、外れ結果の場合であってリーチ表示が発生しない場合(完全外れの場合)には記憶されている保留情報の数が多くなるほど短くなるように構成されている。
図31(a1)においては、第1通常遊技状態にて完全外れとなる場合の変動表示時間を例示している。例えば、記憶されている保留情報の数が「0」又は「1」となっている場合には変動表示時間として「12,13,14sec」の何れかが設定され、記憶されている保留情報の数が「2」となっている場合には変動表示時間として「7,8,9sec」の何れかが設定され、記憶されている保留情報の数が「3」又は「4」の場合には変動表示時間として「3,4,5sec」の何れかが設定される。
【0301】
図33(a1)に示すように、第1通常遊技状態にて特別当たりとなる場合の変動表示時間については、基本的に外れの場合と同様となる。但し、本実施の形態では、第1通常遊技状態中に特別当たりとなった場合には、リーチ表示非経由で遊技回演出が終了する。
【0302】
図32(a1)に示すように、第1通常遊技状態にて大当たりとなる場合の変動表示時間については、記憶されている保留情報の数に関係なく「20~40sec」の何れかが設定される。この変動表示時間については、リーチ外れに対応する遊技回にて設定される変動表示時間と同じ範囲となっている(
図31(a1)参照)。大当たりである場合には当該範囲において相対的に長い時間が設定されやすく且つ外れである場合には当該範囲において相対的に短い時間が設定されやすくなっている。つまり、変動表示時間が長いリーチ表示の方が短いリーチ表示よりも大当たりの期待度が高くなるように差が設けられている。
【0303】
図30(a)の説明に戻り、ステップS1501にて否定判定をした場合には、ステップS1503に進む。ステップS1503では高確率モード且つ高頻度サポートモード対応の第2通常遊技状態であるか否かを判定する。ステップS1503にて肯定判定をした場合にはステップS1504にて第2通常遊技状態用設定処理を実行した後、本変動表示時間設定処理を終了する。
【0304】
第2通常遊技状態用設定処理においては、ROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア623に記憶されている第2通常遊技状態用の各種変動表示時間テーブルの中から今回の遊技回に対応するテーブルを選択して変動表示時間を設定する。
【0305】
第2通常遊技状態においては、第1通常遊技状態とは異なり、記憶されている保留情報の数に関係なく、変動表示時間の選択候補が1つに限定されている。具体的には、第2通常遊技状態において外れとなる場合には、変動表示時間として「1200sec」が設定されるように構成されており(
図31(a2)参照)、第1通常遊技状態と比べて変動表示時間が長くなっている。
【0306】
また、第2通常遊技状態において大当たり又は特別当たりとなる場合には、変動表示時間として「600sec」が設定されるように構成されている(
図32(a2)及び
図33(a2)参照)。つまり、外れとなる場合と比べて大当たり又は特別当たりとなる場合の方が変動表示時間が短くなるように構成されている。
【0307】
詳細については後述するが、第2通常遊技状態においては、遊技領域PEに形成された右ルートへ遊技球を発射することにより、左ルートを狙った場合と比較して遊技者に有利に遊技が進むこととなる。右ルートへ発射された遊技球の多くは、第2作動口63aへ入賞する。そして、第2通常遊技状態においては、第1作動口62aに係る遊技回の変動表示時間が極めて長くなることにより、第1作動口62aに係る1の遊技回が実行されている間に第2作動口63aに係る遊技回を多数実行可能となり、遊技が主として第2作動口63aに係る保留情報に基づいて進行する。
【0308】
図30(a)のステップS1503にて否定判定をした場合には、ステップS1505に進む。ステップS1505では高確率モード且つ低頻度サポートモード対応の第3通常遊技状態であるか否かを判定する。ステップS1505にて肯定判定をした場合にはステップS1506にて第3通常遊技状態用設定処理を実行した後、本変動表示時間設定処理を終了する。
【0309】
第3通常遊技状態用設定処理においては、ROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア623に記憶されている第3通常遊技状態用の各種変動表示時間テーブルの中から今回の遊技回に対応するテーブルを選択して変動表示時間を設定する。
【0310】
第3通常遊技状態においては、第2通常遊技状態において外れ又は特別当たりとなる場合には、記憶されている保留情報の数に関係なく、変動表示時間の選択候補が1つに限定されている。具体的には、第3通常遊技状態において外れ又は特別当たりとなる遊技回については何れも、変動表示時間として「0.1sec」が設定される構成となっている(
図31(a3)及び
図33(a3)参照)。変動表示時間=「0.1sec」についてはリーチ表示に非対応となっており、第3通常遊技状態にて特別当たりとなる場合には何れもリーチ表示を経由することなく特別当たりである旨が明示される。これに対して、第3通常遊技状態において大当たりとなる場合には、変動表示時間として「5sec」が設定される構成となっている(
図32(a3)参照)。また、変動表示時間=「5sec」についてもリーチ表示に非対応となっており、第3通常遊技状態にて大当たりとなる場合には何れもリーチ表示を経由することなく大当たりである旨が明示される。
【0311】
因みに、第3通常遊技状態において第2通常遊技状態への移行契機となる遊技回(すなわち10R確変大当たりAとなる遊技回)においては、変動表示時間として、第1通常遊技状態や第2通常遊技状態において10R確変大当たりAとなった場合の変動表示時間よりも長い変動表示時間(例えば「300sec」)を設定し、第3通常遊技状態から第2通常遊技状態への移行を遅くする(遅らせる)構成とすることも可能である。
【0312】
なお、第1通常遊技状態及び第3通常遊技状態においては第1作動口用表示部D1における絵柄の確定表示時間及び図柄表示装置75における図柄の確定表示時間として「1sec」が設定され、第2通常遊技状態においては第1作動口用表示部D1における絵柄の確定表示時間及び図柄表示装置75における図柄の確定表示時間として「0.5sec」が設定される。
【0313】
(第2作動口用の変動表示時間設定処理)
図30(b)に示すように、第2作動口用の変動表示時間設定処理においては先ず、ステップS1601にて低確率モード且つ低頻度サポートモード対応の上記第1通常遊技状態であるか否かを判定する。ステップS1601にて肯定判定をした場合にはステップS1602にて第1通常遊技状態用設定処理を実行した後、本変動表示時間設定処理を終了する。
【0314】
第1通常遊技状態用設定処理においては、ROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア623に記憶されている第1通常遊技状態用の各種変動表示時間テーブルの中から今回の遊技回に対応するテーブルを選択し、変動表示時間を設定する。なお、第2作動口用の変動表示時間設定処理にて参照される変動表示時間テーブルについては第1作動口用の変動表示時間設定処理にて参照される変動表示時間テーブルとは別のテーブルである。
【0315】
第1通常遊技状態においては、RAM604の保留球格納エリア632における第2作動口用保留エリアRbに記憶されている保留情報の数、リーチ発生の有無等の各種条件に関係なく、変動表示時間の選択候補が1つに限定されている。具体的には、第1通常遊技状態において外れとなる場合には、変動表示時間として「1200sec」が設定される(
図31(b1)参照)。これに対して、第1通常遊技状態において大当たりとなる場合には、変動表示時間として「600sec」が設定される(
図32(b1)参照)。
【0316】
図30(b)の説明に戻り、ステップS1601にて否定判定をした場合には、ステップS1603に進む。ステップS1603では高確率モード且つ高頻度サポートモード対応の第2通常遊技状態であるか否かを判定する。ステップS1603にて肯定判定をした場合にはステップS1604にて第2通常遊技状態用設定処理を実行した後、本変動表示時間設定処理を終了する。
【0317】
第2通常遊技状態用設定処理においては、ROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア623に記憶されている第2通常遊技状態用の各種変動表示時間テーブルの中から今回の遊技回に対応するテーブルを選択し、変動表示時間を設定する。なお、第2作動口用の変動表示時間設定処理にて参照される変動表示時間テーブルについては第1作動口用の変動表示時間設定処理にて参照される変動表示時間テーブルとは別のテーブルである。
【0318】
第2通常遊技状態用設定処理においては、第2通常遊技状態において外れとなる場合には、変動表示時間として「1sec」が設定される(
図31(b2)参照)。これに対して、第1通常遊技状態において大当たりとなる場合には、変動表示時間として「5sec」が設定される(
図32(b2)参照)。変動表示時間=「5sec」についてはリーチ表示に非対応となっており、第2通常遊技状態にて大当たりとなる場合には何れもリーチ表示を経由することなく大当たりである旨が明示される。
【0319】
図30(b)の説明に戻り、ステップS1603にて肯定判定をした場合には、ステップS1605に進む。ステップS1605では高確率モード且つ低頻度サポートモード対応の第3通常遊技状態用の設定処理(第3通常遊技状態用設定処理)を実行した後、本変動表示時間設定処理を終了する。
【0320】
第3通常遊技状態用設定処理においては、ROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア623に記憶されている第1通常遊技状態用の各種変動表示時間テーブルの中から今回の遊技回に対応するテーブルを選択し、変動表示時間を設定する。なお、第2作動口用の変動表示時間設定処理にて参照される変動表示時間テーブルについては第1作動口用の変動表示時間設定処理にて参照される変動表示時間テーブルとは別のテーブルである。
【0321】
第3通常遊技状態用設定処理においては、第3通常遊技状態において外れとなる場合には、変動表示時間として「1200sec」が設定される(
図31(b3)参照)。これに対して、第1通常遊技状態において大当たりとなる場合には、変動表示時間として「600sec」が設定される(
図32(b3)参照)。
【0322】
なお、第1通常遊技状態及び第3通常遊技状態においては第2作動口用表示部D2における絵柄の確定表示時間及び図柄表示装置75における図柄の確定表示時間として「1sec」が設定され、第2通常遊技状態においては第2作動口用表示部D2における絵柄の確定表示時間及び図柄表示装置75における図柄の確定表示時間として「0.5sec」が設定される。
【0323】
本実施の形態においては、第1作動口62aに係る遊技回と第2作動口63aに係る遊技回とを同時並行で実行する構成となってはいるものの、上述の如く各通常遊技状態について第1作動口62aに係る遊技回の変動表示時間と第2作動口63aに係る遊技回の変動表示時間とに大きな差を設けることにより、遊技を進行させる上で主となる対象が切り替わる構成となっている。具体的には、第1通常遊技状態においては第1作動口62aに係る遊技回が主となるようにして遊技が進行し、第2通常遊技状態においては第2作動口63aに係る遊技回が主となるようにして遊技が進行し、第3通常遊技状態においては第1作動口62aに係る遊技回が主となるようにして遊技が進行する構成が実現されている。
【0324】
また、第1作動口62aに係る遊技回においては、1/2の確率で特別当たりとなる。右ルートへ発射された遊技球は第2作動口63aに入球し得る構成となってはいるものの、第3通常遊技状態においては第2作動口63aに係る遊技回が進行している状況下にて第1作動口用表示部D1にて絵柄が停止表示される際に第2作動口63aに係る遊技回が外れとなるようにして強制終了される。これにより、第3通常遊技状態においては第1作動口62aに係る遊技回が主となるようにして遊技が進行する構成が好適に実現されている。
【0325】
(遊技の流れ)
次に
図12、
図34~
図36を参照して、基本的な遊技の流れについて説明する。
図34は遊技の流れを示すブロック図(ゲームフロー)、
図35は遊技状態を対比した概略図、
図36は遊技進行に伴う持ち球の変化を示す概略図である。以下の説明では
図34を中心とし、
図12、
図35及び
図36を適宜参照する。
【0326】
(第1通常遊技状態)
低確率モード且つ低頻度サポートモード対応の第1通常遊技状態では、遊技領域PE(左ルート)に配設された第1作動口62a(詳しくは下作動口62aL)への入賞が発生することにより、大当たり及び特別当たりの抽選が実行される。本実施の形態においては第1通常遊技状態は第1通常遊技状態~第3通常遊技状態の中で遊技者の有利度が最も低くなるように差が設けられた遊技状態となっている。
【0327】
第1通常遊技状態においては図柄表示装置75の表示画面75aにおける中央部分に表示される図柄が第1作動口62aに係る遊技回に対応付けられている(言い換えれば、表示画面75aの中央部分に表示される図柄については第2作動口63aに係る遊技回に対応付けられていない)。第1通常遊技状態においては、それらの図柄を用いて第1作動口62aに係る遊技回に対応した遊技回演出(リーチ表示等)が実行される。
【0328】
なお、第1通常遊技状態中に右ルートへ向けて遊技球が発射された場合、詳しくはスルーゲート66への入賞が発生した場合には、スピーカ部29から警告音が出力されるとともに表示画面75aの中央部分に左ルートへ遊技球を発射するように促すメッセージとして「左打ちに戻して下さい」が表示される。
【0329】
第1通常遊技状態中に各種大当たりとなった場合には、第1特別遊技状態(開閉実行モード)へ移行する。既に説明したように、第1通常遊技状態においては第1作動口62aへの入賞に基づく大当たりとして2R確変大当たりと10R確変大当たりAとが設けられており、第1通常遊技状態における両者の内わけは2R確変大当たりが66.5%、10R確変大当たりAが33.5%となっている(
図12参照)。
【0330】
第1通常遊技状態中に10R確変大当たりAとなった場合には、第1特別遊技状態終了後に高確率モード且つ高頻度サポートモード対応の第2通常遊技状態へ移行する。第2通常遊技状態は、第1通常遊技状態~第3通常遊技状態の中で遊技者の有利度が最も高くなるように設定された遊技状態である。これに対して、第1通常遊技状態中に2R確変大当たりとなった場合には、第1特別遊技状態終了後に高確率モード且つ低頻度サポートモード対応の第3通常遊技状態へ移行する。遊技者の有利度は、第1通常遊技状態 < 第3通常遊技状態 < 第2通常遊技状態となっているものの、第3通常遊技状態と第1通常遊技状態との有利度の差は第3通常遊技状態と第2通常遊技状態との有利度の差や第1通常遊技状態と第2通常遊技状態との有利度の差よりも小さくなっており、その差は極わずかとなるように抑えられている。
【0331】
(第2通常遊技状態)
第2通常遊技状態においては、第1作動口用表示部D1における絵柄(特
図1)の変動表示時間が長時間(1200sec又は600sec)となり、第2作動口用表示部D2における絵柄(特
図2)の変動表示時間が短時間(1sec又は5sec)となる。つまり、第1通常遊技状態から第2通常遊技状態へ移行することにより、変動表示時間の長短の関係が第1作動口用表示部D1と第2作動口用表示部D2とで逆転する(
図35参照)。第2通常遊技状態中は、右ルートへ遊技球を発射することで第1作動口62a及び第2作動口63aの何れにも遊技球が入賞することになるが、第1作動口用表示部D1における変動表示時間が長くなることにより第2作動口63aに係る遊技回が主となるようにして遊技が進行することとなる。
【0332】
第2通常遊技状態においては図柄表示装置75の表示画面75aにおける中央部分に表示される図柄が第2作動口63aに係る遊技回に対応付けられている。つまり、第2通常遊技状態においては表示画面75aの中央部分にて第2作動口63aに係る遊技回に対応した遊技回演出が実行される。言い換えれば、表示画面75aの中央部分に表示される図柄については第1作動口62aに係る遊技回に対応付けられていない。
【0333】
第2通常遊技状態にて大当たりとなった場合には、第1特別遊技状態(開閉実行モード)へ移行する。既に説明したように、第2通常遊技状態においては第2作動口63aへの入賞に基づく大当たりとして10R確変大当たりAのみが設けられている(
図12参照)。つまり、第2通常遊技状態への移行後は10R確変大当たりA→第1特別遊技状態→第2通常遊技状態がループすることとなる。
【0334】
既に説明したように、本実施の形態に示すパチンコ機には、2つの連続回数カウンタによる2種のリミッタ(確変用リミッタ及び時短用リミッタ)が搭載されている。第2通常遊技状態においては上記ループが繰り返される際にそれら連続回数カウンタが各々更新されることとなる。具体的には、10R確変大当たりAは高確率モード且つ高頻度サポートモードへの移行に対応する大当たりであり、当該10R確変大当たりAとなることで、時短用連続回数カウンタの値及び確変用連続回数カウンタの値が各々「1」加算されることとなる。
【0335】
時短用連続回数カウンタの値が上記第1基準値(連続回数=10回に相当)に達することで、時短用リミッタが作動する。これにより、第1特別遊技状態を経て高確率モード且つ低頻度サポートモード対応の第3通常遊技状態へ移行し、上記ループが終了する。この際、時短用連続回数カウンタの値は0クリアされる。第1通常遊技状態から第2通常遊技状態へ移行した場合には、時短用連続回数カウンタの値が上記第1基準値に達した際に、確変用連続回数カウンタの値は上記第2基準値(連続回数=40回に相当)に未達となる。そして、当該確変用連続回数カウンタの値は、0クリアされることなく第2通常遊技状態から第3通常遊技状態へ引き継がれることとなる。
【0336】
なお、第1通常遊技状態から第2通常遊技状態へ移行した場合には、その移行契機となった10R確変大当たりAを含めて10R確変大当たりが10回連続することとなり、凡そ12000個の賞球の獲得が期待できる。つまり、第2通常遊技状態への移行によって、遊技者の持ち球が大きく増えることとなる(
図36参照)。
【0337】
(第3通常遊技状態)
第3通常遊技状態への移行ルートは、第1通常遊技状態中の2R確変大当たりと、第2通常遊技状態中の時短用リミッタの作動との2つに大別される。
【0338】
第3通常遊技状態においては、第1作動口用表示部D1における絵柄(特
図1)の変動表示時間が短時間(0.1sec又は5sec)となり、第2作動口用表示部D2における絵柄(特
図2)の変動表示時間が短時間(1200sec又は600sec)となる。つまり、第2通常遊技状態から第3通常遊技状態へ移行した場合には、変動表示時間の長短の関係が逆転する(
図35参照)。つまり、第3通常遊技状態においては、第2通常遊技状態と同様に右ルートへ向けて遊技球を発射した場合、第1作動口62aに係る遊技回が主となるようにして遊技が進行することとなる。因みに、第1通常遊技状態から第3通常遊技状態へ移行した場合には、変動表示時間の長短の関係が維持される。
【0339】
ここで、第3通常遊技状態への移行によって、電動役物71によるサポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに切り替わる。これにより、右ルートへ遊技球を発射している場合の第1作動口62aへの入賞確率は高頻度サポートモード中と比べて低下することとなる。しかしながら、第1作動口62aに係る遊技回についてはその多くで特別当たりとなり、第2可変入賞装置65が開放される。
【0340】
高頻度サポートモード中は、ほとんどの遊技球が電動役物71によって第1作動口62aに案内され、当該第1作動口62a(右作動口62aR)の下流側に位置する第2可変入賞装置65への遊技球の流下が抑制されている。これに対して、低頻度サポートモード中は、ある程度の遊技球が電動役物71を素通りして第2可変入賞装置65へ向けて流下し、1度の開放で凡そ1個の遊技球が当該第2可変入賞装置65に入賞するように設定されている。これにより、遊技者の持ち球の減りが緩和される。
【0341】
また、第3通常遊技状態にて2R確変大当たりとなった場合には、第1特別遊技状態(開閉実行モード)へ移行する。2R確変大当たりは、高確率モード且つ低頻度サポートモード対応の大当たりであり、第3通常遊技状態への移行後は特別当たりを契機とした第2特別遊技状態を挟みながら2R確変大当たり→第1特別遊技状態→第3通常遊技状態がループすることとなる。ここで、第3通常遊技状態においては第1作動口62aへの入賞により大当たりとなった場合の内わけは、2R確変大当たりが99.8%、10R確変大当たりAが0.2%となっている。つまり、ほとんどの大当たりは2R確変大当たりとなる。そして、第2特別遊技状態の介入により、遊技者は右ルートへ遊技球を発射することにより持ち球の減りを抑えながら遊技を続けることが可能となっている。また、第2通常遊技状態においては、大当たり確率が第1通常遊技状態の10倍となっており2R確変大当たりによってある程度の賞球を獲得できる。総じて、第3通常遊技状態においては右ルートへ向けた遊技球の発射を継続することで、持ち球の減りをほぼ0に抑えながら遊技を進めることが可能となっている(
図36参照)。
【0342】
なお、第3通常遊技状態においては図柄表示装置75の表示画面75aにおける中央部分に表示される図柄が第1作動口62aに係る遊技回に対応付けられている。つまり、第3通常遊技状態においては表示画面75aの中央部分では第1作動口62aに係る遊技回に対応した遊技回演出が実行される。言い換えれば、表示画面75aの中央部分に表示される図柄については第2作動口63aに係る遊技回に対応付けられていない。
【0343】
第3通常遊技状態においては、大当たりが何れも高確率モードに対応しているため、上述した時短用連続回数カウンタについては更新されず、0のまま維持される。これに対して、確変用連続回数カウンタについては上記ループにより確変大当たりとなる度に「1」加算される。確変用連続回数カウンタの値が上記第2基準値(連続回数=40回に相当)に達していない場合には上記ループが継続され、確変用連続回数カウンタの値が上記第2基準値(連続回数=40回に相当)に達することで第1特別遊技状態終了後に第1通常遊技状態に移行する。
【0344】
確率は極めて低いものの、確変用連続回数カウンタによる確変用リミッタが作動する前に10R確変大当たりAとなった場合には、第2通常遊技状態へ移行する。この場合も、確変用連続回数カウンタの値が第3通常遊技状態から第2通常遊技状態に引き継がれる。このため、第3通常遊技状態から第2通常遊技状態へ移行した場合には、確変用連続回数カウンタの値と第2基準値との値と差分が第1基準値を上回っているか否かによって、その後の挙動が大きく変化することとなる。
【0345】
具体的には、確変用連続回数カウンタの値と第2基準値との値と差分が第1基準値を上回っている場合には、第2通常遊技状態への移行契機となった10R確変大当たりAを含めて10R確変大当たりAが計10回発生することとなり、再び持ち球を大きく増やすチャンスとなる。なお、これに対して、確変用連続回数カウンタの値と第2基準値との値と差分が第1基準値を下回っている場合には、時短用リミッタが作動する前に、確変用リミッタが作動することとなり、持ち球をある程度増やした後に第1通常遊技状態へ戻ることとなる。つまり、第3通常遊技状態から第2通常遊技状態へ復帰した際には、第3通常遊技状態への初回の移行時と比べて第3通常遊技状態の滞在は短めとなる場合がある。
【0346】
なお、時短用連続回数カウンタの値が第1基準値に達し且つ確変用連続回数カウンタの値が第2基準値に達した場合についても、第2通常遊技状態から第1通常遊技状態へ移行することとなる。
【0347】
次に、第3通常遊技状態への移行契機と第3通常遊技状態の滞在期間との関係について補足説明する。第1通常遊技状態から第2通常遊技状態へ移行した後に時短用リミッタが作動して、第3通常遊技状態へ移行した場合には、既に確変用連続回数カウンタについても時短用連続回数カウンタに係る上記第1基準値分だけカウントが進んでいることとなる。つまり、確変用リミッタが作動するまでの「残り回数」=「第2基準値」‐「第1基準」となる。これに対して、第1通常遊技状態中に2R確変大当たりとなった場合には、確変用連続回数カウンタの値は当該2R確変大当たりの分だけ加算された状態で第3通常遊技状態が開始されるため、確変用リミッタが作動するまでの「残り回数」=「第2基準値」‐1となる。
【0348】
既に説明したように、第1基準値は1よりも大きい。このため、第1通常遊技状態中の2R確変大当たりを契機として第3通常遊技状態へ移行した場合の方が、時短用リミッタの作動によって第3通常遊技状態へ移行した場合よりも第3通常遊技状態の滞在期間、すなわち第2通常遊技状態への昇格の期待度が高くなる。
【0349】
ここで、第3通常遊技状態については、第1通常遊技状態と比べて持ち球の減りが抑制されているため、遊技者は投資を抑えながら遊技を進めることができる。そして、総じて第1通常遊技状態と比べて第3通常遊技状態の方が遊技者に有利な遊技状態となっているものの、第3通常遊技状態では第2通常遊技状態へ移行する大当たりの内わけが極めて小さくなっている。具体的には、第1通常遊技状態では大当たり確率が1/300且つ10R確変大当たりAの内わけが335/1000となっており、第3通常遊技状態では大当たり確率が1/30且つ10R確変大当たりAの内わけが2/1000となっている。つまり、1度の抽選により10R確変大当たりAとなる確率は、第1通常遊技状態では0.112%、第3通常遊技状態では0.007%となっている。遊技者は投資を抑える点を重視して第3通常遊技状態にて遊技を行うか、それとも時間効率を重視して第3通常遊技状態における遊技を行わないかを選択可能となっている。
【0350】
ここで、
図36を参照して、第2通常遊技状態及び特別遊技状態からなる上位のループ区間の滞在時間と、第3通常遊技状態及び特別遊技状態からなる下位のループ区間の滞在時間について説明する。
【0351】
第1通常遊技状態から第2通常遊技状態を経由して第3通常遊技状態へ移行するまでの平均所要時間は、右ルートへ向けて遊技球が継続的に(中断されることなく)発射されている場合に「30分」となるように設定されている。これに対して、時短用カウンタによるリミッタが作動して第3通常遊技状態へ移行してから確変用連続回数カウンタによるリミッタが作動して第1通常遊技状態へ移行するまでの平均所要時間、すなわち第2遊技状態から第3遊技状態を経由して第1遊技状態へ移行するまでの平均所要時間についても「30分」となるように設定されている。つまり、持ち球を大きく増やすことができる上位のループ区間(第2通常遊技状態~特別遊技状態)の平均滞在時間と、持ち球の増減が抑えられた下位のループ区間(第3遊技状態~特別遊技状態)の平均滞在時間とが同一となっている。このように、下位のループ区間における平均滞在時間が上位のループ区間における平均滞在時間よりも短くならないように下位のループ区間における平均滞在時間を長めに設定し、上位のループ区間と上位のループ区間との間に下位のループ区間を介在させることにより、上位のループ区間にて大量の出球が発生した後に再び上位のループ区間へ移行して大量の出球が発生するまでの間にある程度のインターバルを確保することが可能となっている。
【0352】
このように第3遊技状態を過剰な出球を抑制するための抑制手段として機能させる上では、第3遊技状態の存在によって遊技が単に間延びしているかのような印象となることは好ましくない。この点、本実施の形態では第3遊技状態中は、2R確変大当たりや特別当たりが頻発することにより、遊技の単調化を抑え上記懸念を払しょくしている。
【0353】
なお、第1通常遊技状態から第2通常遊技状態非経由で第3通常遊技状態へ移行した場合には、第3通常遊技状態の滞在時間は凡そ40分となる。この間は、極めて少ない投資で遊技を進めることができる。このようにしてチャンスゾーンとして機能する第3通常遊技状態の滞在時間を第2通常遊技状態を経由した場合よりも優遇することにより、10R確変大当たりAとならなかった遊技者の遊技意欲が急速に低下することを抑制できる。
【0354】
第3通常遊技状態においては、第2通常遊技状態への移行確率は第1通常遊技状態から第2通常遊技状態への移行確率と比べて低い反面、持ち球の減りについては極めて小さく抑えられている点で第1通常遊技状態よりも優遇されている。第2通常遊技状態にて大量の賞球を払い出した後は、一旦上記第3通常遊技状態へ移行させることにより、短時間での持ち球の変化が過度に大きくなることを抑制している。これは、遊技の健全性を高める上で好ましい。
【0355】
高確率モード且つ高頻度サポートモード対応の第2通常遊技状態においては、第1作動口62aへの入賞及び第2作動口63aへの入賞に基づく抽選が各々優遇される。この第2通常遊技状態では、第2作動口63aに係る遊技回がメインとなるようにして遊技が進行し、当該第2作動口63aへの入賞に基づく抽選により10R確変大当たりAとなることで時短用連続回数カウンタの値(高頻度サポートモードへの移行契機となる大当たりの連続回数)と確変用連続回数カウンタの値(高確率モードへの移行契機となる大当たりの連続回数)とが各々更新される。ここで、時短用連続回数カウンタにより記憶されている連続回数(高頻度サポートモードへの移行契機となる大当たりの連続回数)が第1基準値(詳しくは10回)に達した場合には低頻度サポートモード対応の遊技状態である第3遊技状態へ移行し、確変用連続回数カウンタにより記憶されている連続回数(高確率モードへの移行契機となる大当たりの連続回数)が第2基準値(詳しくは40回)に達した場合には低確率モード対応の遊技状態である第1遊技状態へ移行する。つまり、2種のリミッタ(時短用リミッ及び確変用リミッタ)の何れが作動するかによってその後の遊技の展開が大きく変わることとなる。このような構成とすれば、遊技の単調化を抑制し、遊技への注目度の向上に寄与できる。
【0356】
特に、第1基準値(10回)については第2基準値(40回)よりも少なくなっているため、基本的には時短用リミッタの方が確変用リミッタよりも先に作動しやすい構成となっている。つまり、高確率モード且つ第2切替モード対応の第2通常遊技状態からの移行先は高確率モード且つ第1切替モード対応の第3通常遊技状態となりやすくなっている。第2通常遊技状態及び第3通常遊技状態については何れも高確率モードに対応しており、第3遊技状態への移行(降格)後も大当たりとなる機会については第2通常遊技状態と同等となるように維持される。これは、第2遊技状態からの移行先となる第3遊技状態において遊技の単調化を抑制する上で好ましい。
【0357】
時短用リミッタが作動して第2通常遊技状態から第3通常遊技状態へ移行する場合には、確変用連続回数カウンタの値が第2通常遊技状態から第3通常遊技状態に引き継がれることとなる。第3通常遊技状態においては、第1作動口62aに係る遊技回がメインとなるようにして遊技が進行し、当該第1作動口62aへの入賞に基づく抽選において大当たりとなった場合にはそのほとんどが2R確変大当たりとなるように構成されている。2R確変大当たりについては高確率モード且つ低頻度サポートモードへの移行契機となる大当たりであり、当該2R確変大当たりとなった場合には確変用連続回数カウンタの値が更新される。そして、確変用連続回数カウンタの値が第2基準値(40回)に達するまで特別遊技状態と第3通常遊技状態とがループすることとなる。このように時短用リミッタと確変用リミッタとが段階的に作動する構成とすれば、上述した遊技の多様化を好適に実現できる。
【0358】
なお、第2通常遊技状態への主たる移行ルートについては第1通常遊技状態中の10R確変大当たりAとなるように規定されているが、第1通常遊技状態においては時短用リミッタ(時短用連続回数カウンタの値)及び確変用リミッタ(確変用連続回数カウンタの値)が何れもリセット(0クリア)されている。つまり、上記主たる移行ルートにて第1通常遊技状態から第2通常遊技状態へ移行した場合には、時短用連続回数カウンタの値と確変用連続回数カウンタの値とが同一(何れも「1」)となり、基本的には時短用リミッタが確変用リミッタよりも先に作動することとなる。これにより、第2遊技状態と特別遊技状態との上位ループへ復帰するまでのインターバルを稼ぎ、当該上位ループによる大量出球が短期間で連続して発生することを抑制しやすくなっている。
【0359】
また、第3通常遊技状態においては上述の如く第1作動口62aに係る遊技回がメインとなるようにして遊技が進行するが、第1作動口62aへの入賞に基づく抽選では極めて低い確率ではあるものの第2通常遊技状態への移行契機(復帰契機)となる10R確変大当たりAとなり得る。上記確変用連続回数カウンタの値は第3通常遊技状態から第2通常遊技状態へ引き継がれる一方、時短用連続回数カウンタの値は第3通常遊技状態からの復帰時には「0」となる。故に、第3通常遊技状態から第2通常遊技状態へ復帰した場合には、時短用リミッタの作動前に確変用リミッタが作動する場合がある。言い換えれば、第3通常遊技状態において2R確変大当たりとなることで確変用連続回数カウンタの値がどの程度加算されているかによって何れのリミッタが先に作動するかに違いが生じる構成となっている。これにより、遊技の単調化が好適に抑制されている。
【0360】
本実施の形態に示した構成では、第2通常遊技状態へ移行した場合にはそのほとんどで10R確変大当たりAが連続することとなり、まとまった出球が発生する。そして、10R確変大当たりAの連続回数が上限に達して時短用リミッタが作動することで第3通常遊技状態へ移行し、当該第3通常遊技状態では第2通常遊技状態への復帰を目指して遊技が行われる。ここで、第3通常遊技状態は第1通常遊技状態と比べて遊技者に有利となるように構成されてはいるものの、最も有利な第2通常遊技状態への移行については第1通常遊技状態よりも困難となっている。具体的には、1度の遊技回で比較した場合には、第1通常遊技状態から第2通常遊技状態へ移行する確率は凡そ1/896であるのに対して、第3通常遊技状態から第2通常遊技状態へ移行する確率は凡そ1/15000である(
図10~
図12参照)。更には、第3通常遊技状態においては確変用リミッタによって第2通常遊技状態への移行契機となる10R確変大当たりAにチャレンジ可能な回数(大当たり回数)についても制限されており、10R確変大当たりAとなる前に第1通常遊技状態への移行条件が成立し得る。この点を考慮しても、第3通常遊技状態は第2通常遊技状態への移行条件において第1通常遊技状態よりも冷遇されている。このように、第2通常遊技状態への移行が困難となる第3通常遊技状態を経て第1通常遊技状態へ復帰させる構成とすれば、上記上位ループが過度に連続することを抑制できる。これは、例えばまとまった出球を創出しつつそれに起因した射幸性の過度の高まり(例えば短時間での過剰な出球)を抑制する上で好ましい。
【0361】
第2通常遊技状態及び第3通常遊技状態は何れも高確率モードに対応しているため、第2通常遊技状態から第3通常遊技状態へ降格してとしても大当たりとなる確率自体は低下しない。このような構成とすれば、遊技進行に伴って大当たりとなるテンポが第2通常遊技状態から第3通常遊技状態への移行を契機として遅くなることを抑制できる。故に、第3通常遊技状態を経由して第1通常遊技状態へ移行させる構成において遊技を無駄に遅延させているかのような印象を遊技者に与えにくくすることができる。
【0362】
上述の如く第3通常遊技状態は高確率モードに対応しており、第1通常遊技状態と比べて大当たりとなりやすい構成となっている。第3通常遊技状態への移行後は特別遊技状態と当該第3遊技状態とがループすることにより遊技の単調化が抑制されている。また、第3通常遊技状態においては、右ルートへ向けた遊技球の発射を継続することで2R確変大当たりを契機とした特別遊技状態に加えて特別当たりを契機とした特別遊技状態が発生する。これにより、第1通常遊技状態と比べて可変入賞装置64,65への入賞機会が多くなり、持ち球の減りが抑制される。第2通常遊技状態から第1通常遊技状態へ復帰する過程で第3通常遊技状態を介在させた場合には、第3通常遊技状態の存在が煩わしいとの印象を遊技者に与えることが懸念されるものの、当該第3通常遊技状態中は2R確変大当たり及び特別当たりを頻発させて、第1通常遊技状態よりもベース(単位時間中に発射された遊技球の数に対する払い出された遊技球の数の割合い)を引き上げることにより上記不都合の発生を抑制している。
【0363】
第2通常遊技状態から第3通常遊技状態に移行した直後に第1通常遊技状態へ直ちに復帰した場合には、短いスパンで第2通常遊技状態に再移行(再昇格)する可能性が高くなる。このような事象が発生することは過剰な出球の要因になり得る。第2通常遊技状態における有利度を低くすれば過剰な出球を抑えることはできるものの、第1通常遊技状態~第3通常遊技状態の有利度の差が小さくなることで遊技のメリハリが低下すると想定される。これは、遊技の単調化を抑制して遊技への注目度の向上を図る上で大きな制約になると懸念される。この点、本実施の形態に示したように、右ルートへの遊技球の発射が継続的に(中断されることなく連続して)行われている状況下において第2通常遊技状態から第3通常遊技状態を経由して第1通常遊技状態へ移行する場合の平均所要期間を、同様の状況下において第1通常遊技状態から第2通常遊技状態を経由して第3通常遊技状態へ移行する場合の平均所要期間以上とし第2通常遊技状態に復帰するまでのインターバルを稼ぐことにより、短時間での出球が過剰になることを抑制できる。これは、第2通常遊技状態の有利度に係る制約を緩和して遊技のメリハリを強化する(まとまった出球を創出する)上で好ましい。以上の理由から、上記構成によれば遊技への注目度を好適に向上させることが可能となる。
【0364】
本実施の形態に示した構成では、確変用連続回数カウンタにより記憶されている確変大当たりの連続回数については第2通常遊技状態から第3通常遊技状態へ引き継がれる構成となっており、第2通常遊技状態中に確変大当たりとなった回数に応じて第3通常遊技状態中に第2基準値到達となる残り回数が少なくなり得る。このような構成によれば、第2通常遊技状態経由で第3通常遊技状態へ移行した場合よりも第2通常遊技状態非経由で第3通常遊技状態へ移行した場合の方が第2基準値到達前に第2通常遊技状態への移行条件(10R確変大当たりA)が成立する可能性が高くなる。
【0365】
確変用連続回数カウンタにより記憶されている確変大当たりの連続回数については、第3通常遊技状態から第2通常遊技状態へ引き継がれる構成となっている。これにより、第2通常遊技状態と特別遊技状態とのループ回数は第3通常遊技状態において確変大当たりとなった回数に応じて変化し得る。このようにして第2通常遊技状態と第3通常遊技状態との関連性を強化することにより、遊技の多様化による遊技への注目度効果を一層好適に発揮させることができる。また、第3通常遊技状態→第2通常遊技状態→第3通常遊技状態となった場合には1回目の第3通常遊技状態よりも2回目の第3通常遊技状態の方が第2基準値到達までの残り回数が少なくなる。このようにして第3通常遊技状態と第2通常遊技状態と間で過度のループを抑制することは遊技機の健全性を担保する上で好ましい。
【0366】
なお、第3通常遊技状態へ移行した場合には、有利な遊技状態である第2通常遊技状態を経由したか否かによって、確変大当たりの連続回数=第2基準値となる前に第2通常遊技状態への移行条件(10R確変大当たりA)を成立させる難度、すなわち第2通常遊技状態への復帰又は昇格の難度が相違することとなる。特に、第2通常遊技状態非経由時には第3通常遊技状態への昇格を、第2通常遊技状態経由時の第3通常遊技状態への復帰よりも容易となるように優遇することにより、遊技の多様化を実現しつつ遊技者の有利度に過度の偏りを抑制できる。
【0367】
<変形例1>
上記第1の実施の形態では、第2通常遊技状態から第3通常遊技状態を経由して第1通常遊技状態へ移行するまでの平均所要時間と第1通常遊技状態から第2通常遊技状態を経由して第3通常遊技状態へ移行するまでの平均所要時間とを揃える構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、第2通常遊技状態から第3通常遊技状態を経由して第1通常遊技状態へ移行するまでの平均所要時間が、第1通常遊技状態から第2通常遊技状態を経由して第3通常遊技状態へ移行するまでの平均所要時間よりも長くなるように差を設けてもよい。
【0368】
<変形例2>
上記第1の実施の形態においては、第3通常遊技状態から第2通常遊技状態への復帰ルートが設けられている。具体的には、極めて低い確率ではあるが第3通常遊技状態中に10R確変大当たりAとなった場合には第1特別遊技状態を経て第2通常遊技状態へと復帰し得る構成となっている。ここで、第3通常遊技状態において第2通常遊技状態への移行契機となる遊技回においては、変動表示時間として長変動時間(例えば5分以上)を設定し、第3通常遊技状態から第2通常遊技状態へ移行する場合を加味した場合であっても上位のループ区間(第2通常遊技状態~特別遊技状態)の平均滞在時間と持ち球の増減が抑えられた下位のループ区間(第3遊技状態~特別遊技状態)の平均滞在時間とが同一または後者が前者よりも長くなるように構成することで、大量出球の間のインターバルを稼ぐ構成とするとよい。
【0369】
<第2の実施の形態>
上記第1の実施の形態では、第1通常遊技状態又は第2通常遊技状態から第3通常遊技状態へ移行してから第1通常遊技状態又は第2通常遊技状態へ移行するまでの区間において持ち球の減りが抑制される構成(微減となる構成)とした。本実施の形態では、当該区間において持ち球が増加する構成となっており、それに合わせて第2通常遊技状態に係る構成が一部変更されている点で第1の実施の形態と構成が相違している。以下、
図37~
図39を参照して、第1の実施の形態との相違点を中心に本実施の形態における特徴的な構成について説明する。
図37は作動口毎の振分テーブルを示す概略図、
図38は第1可変入賞装置を示す概略図、
図39は遊技の流れを示すブロック図(ゲームフロー)である。
【0370】
図37に示すように、各作動口用の振分テーブルについては、通常遊技状態の種類毎に記憶されている。第1作動口用の振分テーブルについては第1の実施の形態と同様である(
図12(a)及び
図37(a)参照)。これに対して、第2作動口用の振分テーブルについては通常大当たりの振り分けが設けられている点で第1の実施の形態と相違している。
【0371】
図37(b)に示すように、第2作動口用振分テーブルは、第1通常遊技状態用の振分テーブルと、第2通常遊技状態用の振分テーブルと、第3通常遊技状態用の振分テーブルとに大別される。
【0372】
第1通常遊技状態用の振分テーブルについては、「0」~「999」の当たり種別カウンタC2の値のうち「0」~「899」の計900個(第11結果)が10R確変大当たりBに対応しており、「900」~「999」の計100個(第12結果)が10R通常大当たりに対応している。
【0373】
第2通常遊技状態用の振分テーブルについては、「0」~「999」の当たり種別カウンタC2の値のうち「0」~「899」の計900個(第11結果)が10R確変大当たりAに対応しており、「900」~「999」の計100個(第12結果)が10R通常大当たりに対応している。
【0374】
第3通常遊技状態用の振分テーブルについては、「0」~「999」の当たり種別カウンタC2の値のうち「0」~「899」の計900個(第11結果)が10R確変大当たりBに対応しており、「900」~「999」の計100個(第12結果)が10R通常大当たりに対応している。
【0375】
このように、第2作動口63aに係る遊技回において大当たりとなった場合には、第1通常遊技状態~第3通常遊技状態の何れの遊技状態においても確変大当たりの振り分けが90%となるように規定されている。
【0376】
10R通常大当たりは、抽選モードが低確率モードに対応し、サポートモードが低頻度サポートに対応する大当たりであり、当該10R通常大当たりとなった場合には第1特別遊技状態を経由して低確率モード且つ低頻度サポートモード対応の第1通常遊技状態へ移行する。
【0377】
本実施の形態では、2R確変大当たり、10R確変大当たりA、10R確変大当たりB、10R通常大当たりを契機として移行する特別遊技状態(第1特別遊技状態)においては、第1可変入賞装置64が開放対象となる。そして、当該第1特別遊技状態中に第1可変入賞装置64の有利入球部(V領域)へ遊技球が流入した場合には第1特別遊技状態終了後の高確率モード対応の通常遊技状態への移行が確定し、有利入球部(V領域)へ遊技球が流入しなかった場合には特別遊技状態終了後の低確率モード対応の通常遊技状態(第1通常遊技状態)への移行が確定する。
【0378】
ここで、
図38を参照して、本実施の形態における第1可変入賞装置64Xについて説明する。
【0379】
(第1可変入賞装置64X)
第1可変入賞装置64Xの内部には、第1大入賞口331に流入した遊技球が通過する球通路332Xが形成されている。球通路332Xはその途中位置にて第1分岐通路334X及び第2分岐通路335Xに分岐している。この分岐部分には遊技球の流下先を第1分岐通路334X及び第2分岐通路335Xに切替可能な流路切替部材336Xが配設されている。流路切替部材336X用の駆動部(詳しくはソレノイド)は主制御装置162に接続されており、主制御装置162からの駆動信号に基づいて動作する。流路切替部材336Xは、主制御装置162から駆動信号が出力されていない状態(非励磁状態)では、球通路332Xへ突出する突出位置にて待機するように構成されている。
【0380】
流路切替部材336Xが突出位置に配置されている状態では、当該流路切替部材336Xによって第1分岐通路334Xの入口部分が塞がれている。この状態では、分岐部分に到達した遊技球の第1分岐通路334Xへの流入が回避され、それら遊技球は第2分岐通路335Xへ流入することとなる。
【0381】
主制御装置162から流路切替部材336X用の駆動部駆動信号が出力され上記駆動部が励磁状態となると、流路切替部材336Xが球通路332Xへの突出が回避された退避位置へ移動し、第1分岐通路334Xの入口部分が開放される。これにより、遊技球の流入先が変更される。この状態では、分岐部分に到達した遊技球の第2分岐通路335Xへの流入が回避され、それら遊技球は第1分岐通路334Xへ流入することとなる。
【0382】
ここで、流路切替部材336Xの動きは、大当たり結果の種類によって予め規定されている。具体的には、10R通常大当たりとなった場合には、シャッタ333の閉位置から開位置への移動に伴って流路切替部材336Xが退避位置へ移動し、当該流路切替部材336Xはその直後に突出位置へ復帰するように規定されている。具体的には、流路切替部材336Xの突出位置への復帰に要する時間は、第1大入賞口331に流入した遊技球が分岐部分に到達するまでに要する所要時間よりも短くなっている。このため、10R通常大当たりとなった場合には第1分岐通路334Xへの流入が実質的に回避されることとなる。
【0383】
これに対して、2R確変大当たり及び10R確変大当たりとなった場合には、シャッタ333の閉位置から開位置への移動に伴って流路切替部材336Xが退避位置へ移動するものの、その後はシャッタ333が閉位置に復帰するまで突出位置に待機するように規定されている。このため、2R確変大当たり又は10R確変大当たりとなった場合には第1大入賞口331へ流入した遊技球のほとんどは第1分岐通路334Xへ流入することとなる。
【0384】
球通路332Xにて分岐部分よりも上流側となる部分には上流側検知センサ391dが配設されており、分岐部分よりも下流側となる部分、具体的には第1分岐通路334X及び第2分岐通路335Xには下流側検知センサ338X,339Xが配設されている。上流側検知センサ391d及び下流側検知センサ338X,339Xは主制御装置162に接続されており、主制御装置162では上流側検知センサ391dからの検知情報(検知信号)に基づいて第1可変入賞装置64Xへの入賞の有無を特定し、入賞が発生した場合には所定数の遊技球の払い出しを行う。また、上流側検知センサ391d及び下流側検知センサ338X,339Xからの検知情報(検知信号)に基づいて遊技球の残存状況を監視している。
【0385】
本実施の形態に示す主制御装置162においては、第1分岐通路334Xに付属の下流側検知センサ338Xからの検知情報(検知信号)に基づき開閉実行モード中に第1分岐通路334Xへの入球が発生したことを特定した場合には、開閉実行モード終了後に抽選モードが低確率モードから高確率モードへ切り替わる(上記確変用リミッタの作動時を除く)。本実施の形態では、第1分岐通路334Xが「有利入球部」に相当する。
【0386】
(遊技の流れ)
次に
図39を参照して、基本的な遊技の流れについて説明する。
【0387】
(第1通常遊技状態)
低確率モード且つ低頻度サポートモード対応の第1通常遊技状態では、遊技領域PE(左ルート)に配設された第1作動口62a(詳しくは下作動口62aL)への入賞が発生することにより、大当たり及び特別当たりの抽選が実行される。本実施の形態においては第1通常遊技状態は第1通常遊技状態~第3通常遊技状態の中で遊技者の有利度が最も低くなるように差が設けられた遊技状態となっている。
【0388】
第1通常遊技状態中に各種大当たりとなった場合には、第1特別遊技状態(開閉実行モード)へ移行する。既に説明したように、第1通常遊技状態においては第1作動口62aへの入賞に基づく大当たりとして2R確変大当たりと10R確変大当たりAとが設けられており、第1通常遊技状態における両者の内わけは2R確変大当たりが66.5%、10R確変大当たりAが33.5%となっている(
図37参照)。
【0389】
第1通常遊技状態中に10R確変大当たりAとなった場合には第1特別遊技状態終了後に高確率モード且つ高頻度サポートモード対応の第2通常遊技状態へ移行し、第1通常遊技状態中に2R確変大当たりとなった場合には第1特別遊技状態終了後に高確率モード且つ低頻度サポートモード対応の第3通常遊技状態へ移行する。
【0390】
(第2通常遊技状態)
第2通常遊技状態においては、第1作動口用表示部D1における絵柄(特
図1)の変動表示時間が長時間(1200sec又は600sec)となり、第2作動口用表示部D2における絵柄(特
図2)の変動表示時間が短時間(1sec又は5sec)となる。つまり、第1通常遊技状態から第2通常遊技状態へ移行することにより、変動表示時間の長短の関係が第1作動口用表示部D1と第2作動口用表示部D2とで逆転する(
図35参照)。第2通常遊技状態中は、右ルートへ遊技球を発射することで第1作動口62a及び第2作動口63aの何れにも遊技球が入賞することになるが、第1作動口用表示部D1における変動表示時間が長くなることにより第2作動口63aに係る遊技回が主となるようにして遊技が進行することとなる。
【0391】
第2通常遊技状態にて各種大当たりとなった場合には、第1特別遊技状態(開閉実行モード)へ移行する。既に説明したように、第2通常遊技状態においては第2作動口63aへの入賞に基づく大当たりとして10R確変大当たりAと10R通常大当たりとが設けられている(
図37参照)。
【0392】
本実施の形態に示すパチンコ機についても、上記第1の実施の形態と同様に、2つの連続回数カウンタによる2種のリミッタが搭載されている。第2通常遊技状態においては上記ループが繰り返される際にそれら連続回数カウンタが各々更新されることとなる。具体的には、10R確変大当たりAは高確率モード且つ高頻度サポートモードへの移行に対応する大当たりであり、当該10R確変大当たりAとなることで、時短用連続回数カウンタの値及び確変用連続回数カウンタの値が各々「1」加算されることとなる。
【0393】
時短用連続回数カウンタの値が上記第1基準値(連続回数=10回に相当)に達することで、上記ループが終了し、第1特別遊技状態を経て高確率モード且つ低頻度サポートモード対応の第3通常遊技状態へ移行する。この際、時短用連続回数カウンタの値は0クリアされる。これに対して、第1通常遊技状態から第2通常遊技状態へ移行した場合には、時短用連続回数カウンタの値が上記第1基準値に達した際に、確変用連続回数カウンタの値は上記第2基準値(連続回数=40回に相当)に未達となる。このため、当該確変用連続回数カウンタの値は、0クリアされることなく第2通常遊技状態から第3通常遊技状態へ引き継がれる。
【0394】
なお、第1通常遊技状態から第2通常遊技状態へ移行した場合には、その移行契機となった10R確変大当たりAを含めて10R確変大当たりが最大で10回連続し得る構成となっており、時短用リミッタが作動するまで10R確変大当たりAが連続した場合には凡そ12000個の賞球の獲得が期待できる。
【0395】
ここで、10R確変大当たりAとなる場合の振り分けは90%となっている。第1通常遊技状態から第2通常遊技状態へ移行した場合に時短用リミッタが作動する確率(完走確率)は凡そ65%となる。時短用リミッタが作動する前に10R通常大当たりとなった場合には第1特別遊技状態終了後に第1通常遊技状態へ移行(降格)するが、その確率は凡そ35%である。
【0396】
本実施の形態においては、短時間での遊技球の増加率を比較した場合には第3通常遊技状態よりも第2通常遊技状態の方が高くなっているものの、想定される持ち球の増加量(期待値)を比較した場合には第2通常遊技状態よりも第3通常遊技状態の方が多くなるように構成されている。つまり、遊技者の有利度については、第1通常遊技状態 < 第2通常遊技状態 < 第3通常遊技状態の関係となっている点で、第1の実施の形態と相違している。つまり、第1通常遊技状態から第2通常遊技状態を経由して最も遊技者に有利な第3通常遊技状態を目指すには、第2通常遊技状態中に10R通常大当たりを回避しつつ時短用リミッタを作動させる必要がある。
【0397】
(第3通常遊技状態)
第3通常遊技状態への移行ルートは、上述したように第1通常遊技状態中の2R確変大当たりと第2通常遊技状態中の時短リミッタ作動との2つに大別される。
【0398】
第3通常遊技状態においては、第1作動口用表示部D1における絵柄(特
図1)の変動表示時間が短時間(0.1sec又は5sec)となり、第2作動口用表示部D2における絵柄(特
図2)の変動表示時間が短時間(1200sec又は600sec)となる。つまり、第2通常遊技状態から第3通常遊技状態へ移行した場合には、変動表示時間の長短の関係が逆転する(
図35参照)。つまり、第2通常遊技状態と同様に右ルートへ向けて遊技球を発射した場合、第1作動口62aに係る遊技回が主となるようにして遊技が進行することとなる。これに対して、第1通常遊技状態から第3通常遊技状態へ移行した場合には、変動表示時間の長短の関係が維持される。
【0399】
ここで、第3通常遊技状態への移行によって、電動役物71によるサポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに切り替わる。これにより、右ルートへ遊技球を発射している場合の第1作動口62aへの入賞確率は高頻度サポートモード中と比べて低下することとなる。しかしながら、第1作動口62aに係る遊技回についてはその多くで特別当たりとなり、第2可変入賞装置65が開放される。
【0400】
高頻度サポートモード中は、ほとんどの遊技球が電動役物71によって第1作動口62aに案内され、当該第1作動口62a(右作動口62aR)の下流側に位置する第2可変入賞装置65への遊技球の流下が抑制されている。これに対して、低頻度サポートモード中は、ある程度の遊技球が電動役物71を素通りして第2可変入賞装置65へ向けて流下し、1度の開放で凡そ1個の遊技球が当該第2可変入賞装置65に入賞するように設定されている。これにより、遊技者の持ち球の減りが緩和される。
【0401】
また、第3通常遊技状態にて2R確変大当たりとなった場合には、第1特別遊技状態(開閉実行モード)へ移行する。2R確変大当たりは、高確率モード且つ低頻度サポートモード対応の大当たりであり、第3通常遊技状態への移行後は2R確変大当たり→第1特別遊技状態→第3通常遊技状態がループすることとなる。ここで、第3通常遊技状態においては第1作動口62aへの入賞により大当たりとなった場合の内わけは、2R確変大当たりが99.8%、10R確変大当たりAが0.2%となっている。つまり、ほとんどの大当たりは2R確変大当たりとなる。
【0402】
更には、第1作動口62aに係る抽選ではその1/2が特別当たりとなる。本実施の形態においては、特別当たりとなった場合に第2可変入賞装置65を開放対象とする第2特別遊技状態へ移行する点では第1の実施の形態と同様であるが、この第2特別遊技状態における第2可変入賞装置65の開放時間が1.8secとなっており、1度の開放により凡そ2個の入賞が発生し得る構成となっている。このようにして、第2通常遊技状態と第1特別遊技状態とがループしている際に第2特別遊技状態が介入することにより持ち球を僅かに増やしながら遊技を続けることが可能となっている。また、第2通常遊技状態においては、大当たり確率が第1通常遊技状態の10倍となっており2R確変大当たりによってある程度の賞球を獲得できる。更には、2R確変大当たりとなった場合の開放対象が第2可変入賞装置65から第1可変入賞装置64に変更されることで、1ラウンドあたりの賞球数も多くなっている。総じて、第3通常遊技状態においては右ルートへ向けた遊技球の発射を継続することで、持ち球を増加させながら遊技を進めることが可能となり、その期待値は第2通常遊技状態を上回ることとなる。
【0403】
第3通常遊技状態においては、大当たりが何れも高確率モードに対応しているため、上述した時短用連続回数カウンタについては更新されず、0のまま維持される。これに対して、確変用連続回数カウンタについては上記ループにより確変大当たりとなる度に「1」加算される。確変用連続回数カウンタの値が上記第2基準値(連続回数=40回に相当)に達していない場合には上記ループが継続され、確変用連続回数カウンタの値が上記第2基準値(連続回数=40回に相当)に達することで第1特別遊技状態終了後に第1通常遊技状態に移行する。
【0404】
確率は極めて低いものの、確変用連続回数カウンタによるリミッタが発動する前に10R確変大当たりAとなった場合には、第2通常遊技状態へ移行する。この場合も、確変用連続回数カウンタについては更新が継続される。つまり、第3通常遊技状態から第2通常遊技状態へ移行した場合には、確変用連続回数カウンタの値と第2基準値との値と差分が第1基準値を上回っているか否かによって、その後の挙動が大きく変化することとなる。
【0405】
具体的には、確変用連続回数カウンタの値と第2基準値との値と差分が第1基準値を上回っている場合には、第2通常遊技状態への移行契機となった10R確変大当たりAを含めて10R確変大当たりAが計10回発生することとなり、再び持ち球を大きく増やすチャンスとなる。これに対して、確変用連続回数カウンタの値と第2基準値との値と差分が第1基準値を下回っている場合には、確変用連続回数カウンタによるリミッタが作動する前に、時短用連続回数カウンタによるリミッタが作動することとなり、持ち球をある程度増やした後に第3通常遊技状態へ戻ることとなる。この場合にも、確変用連続回数カウンタの値は第3通常遊技状態へ持ち越されることとなる。つまり、第3通常遊技状態から第2通常遊技状態へ移行して再び第3通常遊技状態に復帰する場合には、第3通常遊技状態への初回の移行時と比べて第3通常遊技状態の滞在は短めとなる。
【0406】
なお、時短用連続回数カウンタの値が第1基準値に達し且つ確変用連続回数カウンタの値が第2基準値に達した場合には、第2通常遊技状態から第1通常遊技状態へ移行することとなる。
【0407】
次に、第3通常遊技状態への移行契機と第3通常遊技状態の滞在期間との関係について補足説明する。第1通常遊技状態から第2通常遊技状態へ移行した後に時短用リミッタが作動して、第3通常遊技状態へ移行した場合には、既に確変用連続回数カウンタについても時短回数用カウンタに係る上記第1基準値分だけカウントが進んでいることとなる。つまり、確変用リミッタが作動するまでの「残り回数」=「第2基準値」‐「第1基準」となる。これに対して、第1通常遊技状態中に2R確変大当たりとなった場合には、確変用連続回数カウンタの値は当該2R確変大当たりの分だけ加算された状態で第3通常遊技状態が開始されるため、確変用リミッタが作動するまでの「残り回数」=「第2基準値」‐1となる。
【0408】
既に説明したように、第1基準値は1よりも大きい。このため、第1通常遊技状態中の2R確変大当たりを契機として第3通常遊技状態へ移行した場合の方が、時短用リミッタの作動によって第3通常遊技状態へ移行した場合よりも第3通常遊技状態の滞在期間、すなわち第2通常遊技状態への昇格の期待度が高くなる。
【0409】
高確率モード且つ高頻度サポートモード対応の第2通常遊技状態においては、時短用連続回数カウンタにより記憶されている高頻度サポートモード対応の大当たり(10R確変大当たりA)の連続回数が規定回数に達していない場合には当該大当たりを契機とした特別遊技状態の終了後に第2通常遊技状態へ復帰する。このようなループが繰り返されて当該連続回数が第1基準値に達した場合には、高確率モード且つ低頻度サポートモード対応の第3通常遊技状態へ移行する。つまり、第1基準値到達が第3通常遊技状態への移行契機となっている。第3通常遊技状態においては、第2通常遊技状態と比べて特別当たりとなる確率が高くなっており、第2特別遊技状態への移行が頻発する。これにより、第3通常遊技状態中は持ち球を増やしながら遊技を進めることが可能となる。以上の構成によれば、第3通常遊技状態への移行に期待する遊技者は、第2通常遊技状態中は第1特別遊技状態への移行を繰り返すことで出球を稼ぎながら第3通常遊技状態への移行を目指すこととなり、遊技者の満足度を好適に向上させることができる。
【0410】
本実施の形態では、第2作動口63aに係る抽選にて10R通常大当たりに当選し得る構成となっており、第2通常遊技状態→第3通常遊技状態を目指すには10R通常大当たりを回避しつつ10R確変大当たりAを連続させる必要がある。このような構成とすれば、第2通常遊技状態における遊技の緊張感を好適に高めることができる。
【0411】
第2通常遊技状態を経て第3通常遊技状態へ移行した直後に10R通常大当たりとなって第3通常遊技状態が終了した場合には、第3通常遊技状態に期待する遊技者の遊技意欲が急速に低下すると懸念される。この点、本実施の形態に示す構成では、第2作動口63aに係る保留情報のストックが不可となっており、且つ第2作動口63aに係る遊技回にて10R通常大当たりとなったとしても第1作動口62aに係る遊技回(詳しくは大当たり又は特別当たりに係る遊技回)により当該10R通常大当たりが無効化される。つまり、第3通常遊技状態への移行後に10R通常大当たりとなることが規制される。このような構成によれば、10R通常大当たりとなり得る構成が第3通常遊技状態の滞在時間を極端に短くする要因となることを回避して、上記不都合の発生を抑制することができる。
【0412】
第3通常遊技状態への移行後は確変大当たりとなった連続回数が第2基準値に達するまで第3通常遊技状態と特別遊技状態とがループすることとなる。このような構成とすれば、第3通常遊技状態における滞在期間を稼ぎ、第3通常遊技状態への移行直後に直ちに当該第3通常遊技状態から第1通常遊技状態へ降格することを好適に抑制できる。
【0413】
<第3の実施の形態>
上記第1の実施の形態では、第2通常遊技状態と第1特別遊技状態とのループにより多量の出球が放出された後は、持ち球の大幅な増加が発生しにくい(ローリスクローリターンの)第3通常遊技状態を経由して第1通常遊技状態へ移行させる構成とした。これにより、まとまった出球(出球の偏り)を創出しつつそれに起因した射幸性の過度の高まりを抑制した。本実施の形態においては、第1の実施の形態にて解決した課題と同様の課題を解決可能ではあるものの、当該課題を解決するための具体的構成が第1の実施の形態と相違している。以下、
図40~
図42を参照し、第1の実施の形態との相違点を中心に本実施の形態における特徴的な構成について説明する。
図40は作動口毎の振分テーブルを示す概略図、
図41は遊技の流れを示すブロック図(ゲームフロー)、
図42は遊技進行に伴う持ち球の変化を例示したタイミングチャートである。
【0414】
図40に示すように、各作動口用の振分テーブルについては、通常遊技状態の種類毎に記憶されている。第2作動口用の振分テーブルについては第1の実施の形態と同様である(
図12(b)及び
図40(b)参照)。これに対して、第1作動口用の振分テーブルについては、第1通常遊技状態用の振分テーブルと、第2通常遊技状態用の振分テーブルと、第3通常遊技状態用の振分テーブルとに大別される点では第1の実施の形態に示した第1作動口用の振分テーブルと同様であるものの、第3通常遊技状態用の振分テーブルの構成が第1の実施の形態に示した第1作動口用の振分テーブルと相違している。
【0415】
具体的には、第3通常遊技状態用の振分テーブルについては、「0」~「999」の当たり種別カウンタC2の値のうち「0」~「664」の計665個(第1結果)、「665」~「997」の計333個(第2結果)、「998」~「999」の計2個(第3結果)が何れも2R確変大当たりに対応している。既に説明したように、2R確変大当たりは、特別遊技状態(開閉実行モード)終了後に高確率モード且つ低頻度サポートモード対応の第3通常遊技状態に移行する大当たりである。
【0416】
また、本実施の形態では、大当たり結果滞欧の変動表示時間テーブルについても第1の実施の形態から一部が変更されている。具合的には、
図41に示すように、高確率モード且つ低頻度サポートモード対応の第3通常遊技状態における第1作動口用表示部の絵柄の変動表示時間が「5sec」→「2sec」に短縮されている。これにより、第3通常遊技状態中に大当たり(2R確変大当たり)となった場合には第1特別遊技状態へ移行するまでの所要時間が短縮されている。
【0417】
上記第1の実施の形態では、第2通常遊技状態と第1特別遊技状態とが時短用リミッタが作動するまでループすることにより、想定上限数である12000個の賞球が払い出され、その後は第3通常遊技状態と第1特別遊技状態及び第2特別遊技状態とが確変用リミッタが作動するまでループして第1通常遊技状態へ移行するまでに持ち球が微減となることで実質的な賞球が11900個程度となるように調整される構成とした。つまり、確変用リミッタが作動するまでの間に100発の投資で極めて確率の低い10R確変大当たりAを狙うか否かの戦略を発生させる構成とした。本実施の形態では、第2通常遊技状態と第1特別遊技状態とが時短用リミッタが作動するまでループすることにより、想定上限数よりも少ない数である11000個の賞球が払い出され、その後は第3通常遊技状態と第1特別遊技状態及び第2特別遊技状態とが確変用リミッタが作動するまでループして第1通常遊技状態へ移行するまでに持ち球が微増となることで実質的な賞球が11100個程度となるように調整される構成とした(
図42参照)。第3通常遊技状態中は、2R確変大当たりや特別当たりが頻発することにより、持ち球が微増とはなるものの、第1作動口62aへの入賞に基づく抽選で大当たりとなった場合には、その種別が全て2R確変大当たりとなるように限定されており、大量の出球が期待できる第2通常遊技状態への移行が制限されている。つまり、第3通常遊技状態においては、30分程度の時間をかけて(確変用リミッタが作動するまでの間に)100発の遊技球を獲得し得る一方で、大量の出球の獲得機会が設けられていない。以上詳述した構成によれば、まとまった出球を創出しつつ、それに起因した射幸性の過度の高まりを抑制することができる。
【0418】
<第4の実施の形態>
上記第1の実施の形態では、第3通常遊技状態中は、第1作動口用表示部D1における絵柄の変動表示時間が第2作動口用表示部D2における絵柄の変動表示時間と比べて大幅に短くなり、主として1作動口62aに係る遊技回を中心に遊技が進行する構成とした。第2作動口63aに係る遊技回では第2通常遊技状態への移行に対応する10R確変大当たりAになり得るものの、当該10R確変大当たりAは第1作動口62aに係る遊技回にて特別当たりや確変大当たりとなることで実質的に無効化される。これにより、第3通常遊技状態中は確変用リミッタが作動するまでに第1作動口への入賞に基づいて10R確変大当たりA(0.2%)に当選した場合に大量の出球が期待できる第2通常遊技状態へ移行するように移行契機を限定していた。これに対して、本実施の形態では第3通常遊技状態中の一部の大当たりとなった場合には、実質的に第2作動口63aに係る遊技回の結果が無効化されず、当該結果が有効となることで、第2通常遊技状態への移行契機を多様化したことを特徴の1つとしている。以下、
図43~
図45を参照して、本実施の形態における特徴的な構成を第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
図43は各作動口用の振分テーブルを示す概略図、
図44は変動表示時間テーブルの一部を示す概略図、
図45は変動表示時間と特別遊技状態への移行契機との関係を示す概略図である。
【0419】
(第1作動口用振分テーブル)
図43(a)に示すように、第1作動口用振分テーブルは、第1通常遊技状態用の振分テーブルと、第2通常遊技状態用の振分テーブルと、第3通常遊技状態用の振分テーブルとに大別される。
【0420】
第1通常遊技状態用の振分テーブルについては、「0」~「999」の当たり種別カウンタC2の値のうち「0」~「664」の計665個(第1結果)が2R確変大当たりに対応しており、「665」~「994」の計330個(第2結果)が10R確変大当たりAに対応しており、「995」~「997」の計3個(第3結果)が10R確変大当たりAに対応しており、「998」~「999」の計2個(第4結果)が10R確変大当たりAに対応している。
【0421】
第2通常遊技状態用の振分テーブルについては、「0」~「999」の当たり種別カウンタC2の値のうち「0」~「664」の計665個(第1結果)が2R確変大当たりに対応しており、「665」~「994」の計330個(第2結果)が10R確変大当たりAに対応しており、「995」~「997」の計3個(第3結果)が10R確変大当たりAに対応しており、「998」~「999」の計2個(第4結果)が10R確変大当たりAに対応している。
【0422】
第3通常遊技状態用の振分テーブルについては、「0」~「999」の当たり種別カウンタC2の値のうち「0」~「664」の計665個(第1結果)が2R確変大当たりに対応しており、「665」~「994」の計330個(第2結果)が2R確変大当たりに対応しており、「995」~「997」の計3個(第3結果)が10R確変大当たりCに対応しており、「998」~「999」の計2個(第4結果)が10R確変大当たりAに対応している。
【0423】
(第2作動口用振分テーブル)
図43(b)に示すように、第2作動口用振分テーブルは、第1通常遊技状態用の振分テーブルと、第2通常遊技状態用の振分テーブルと、第3通常遊技状態用の振分テーブルとに大別される。
【0424】
第1通常遊技状態用の振分テーブルについては、「0」~「999」の当たり種別カウンタC2の値のうち「0」~「999」の計1000個が10R確変大当たりBに対応している。第2通常遊技状態用の振分テーブルについては、「0」~「999」の当たり種別カウンタC2の値のうち「0」~「999」の計1000個が10R確変大当たりAに対応している。第3通常遊技状態用の振分テーブルについては、「0」~「999」の当たり種別カウンタC2の値のうち「0」~「999」の計1000個が10R確変大当たりAに対応している。10R確変大当たりAについては高確率モード且つ高頻度サポートモード対応の大当たりであり、本実施の形態においては、第3通常遊技状態中に第2作動口への入賞に基づいて10R確変大当たりAとなった場合には、第3通常遊技状態から第2通常遊技状態へ移行し得る構成となっている。
【0425】
ここで、上記10R確変大当たりCについては、10R確変大当たりBと同様に高確率モード且つ低頻度サポートモード対応の大当たりとなっている。但し、10R確変大当たりBとは、設定される変動表示時間に差が設けられている。以下、
図44を参照して、第3通常遊技状態中に設定される変動表示時間について説明する。なお、第1通常遊技状態中や第2通常遊技状態中に設定される変動表示時間については第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
【0426】
(変動表示時間)
先ず第3通常遊技状態中に参照される第1作動口用の変動表示時間テーブルについて説明する。第1作動口用の変動表示時間テーブルでは、第1作動口62aに係る遊技回が完全外れに対応している場合には変動表示時間が「0.1sec」、特別当たりに対応している場合には変動表示時間が「0.1sec」、2R確変大当たりに対応している場合には変動表示時間が「5sec」、10R確変大当たりAに対応している場合には変動表示時間が「5sec」、10R確変大当たりCに対応している場合には変動表示時間が「601sec」となるように規定されている。
【0427】
次に、第3通常遊技状態中に参照される第2作動口用の変動表示時間テーブルについて説明する。第2作動口用の変動表示時間テーブルでは、第2作動口63aに係る遊技回が完全外れに対応している場合には変動表示時間が「1200sec」、10R確変大当たりAに対応している場合には変動表示時間が「600sec」となるように規定されている。
【0428】
つまり、本実施の形態では、第3通常遊技状態中に第1作動口62aへの入賞により10R確変大当たりCとなった場合に設定される変動表示時間は、第3通常遊技状態中に第2作動口63aへの入賞により10R確変大当たりAとなった場合に設定される変動表示時間よりも長く且つ第3通常遊技状態中に第2作動口63aへの入賞により完全外れとなった場合に設定される変動表示時間よりも短くなるように規定されている。
【0429】
ここで、
図45を参照して、第3通常遊技状態中の遊技の流れについて例示する。
【0430】
図45(a)に示す例では、ta0のタイミングで第2作動口63aへの入賞が発生し第2作動口用表示部D2において絵柄の変動表示が開始されている。この遊技回については10R確変大当たりAに対応しており、絵柄の変動表示時間として「600sec」が設定されている。第2作動口用表示部D2に係る遊技回中に、第1作動口用表示部D1に係る遊技回が繰り返されており、ta1のタイミングでは特別当たりに対応する遊技回が開始されている。特別当たりに対応する遊技回では絵柄の変動表示時間として「0.1sec」が設定され、ta2のタイミングから0.1secが経過したta2のタイミングにて第1作動口用表示部D1に特別当たりに対応する絵柄が停止表示(確定表示)されている。このタイミングでは、第2作動口用表示部D2における絵柄の変動表示が外れに対応する絵柄を停止表示(確定表示)させるようにして強制終了されることとなる。つまり、第2作動口63aへの入賞によって10R確変大当たりAとなり第1特別遊技状態への移行を控えていたとしても、第1作動口62aへの入賞によって特別当たりとなることで、当該10R確変大当たりAがキャンセルされることとなる。
【0431】
なお、第1作動口62aへの入賞によって2R確変大当たりとなった場合や10R確変大当たりAとなった場合の挙動についても同様である。つまり、第2作動口用表示部D2に係る遊技回が終了する前に第1作動口用表示部D1に係る遊技回が終了する場合には、仮に第2作動口63aへの入賞によって10R確変大当たりAとなり第1特別遊技状態への移行を控えていたとしても、当該10R確変大当たりAがキャンセルされることとなる。
【0432】
また、第2作動口用表示部D2にて外れに対応する遊技回が実行されている最中に第1作動口用表示部D1に係る遊技回(特別当たり、2R確変大当たり、10R確変大当たり)が終了する場合には、それに合せて第2作動口用表示部D2に係る遊技回が途中で強制終了されることとなる。
【0433】
図45(b)に示す例では、tb0のタイミングにて第2作動口63aへの入賞が発生し第2作動口用表示部D2において絵柄の変動表示が開始されている。この遊技回については10R確変大当たりAに対応しており、絵柄の変動表示時間として「600sec」が設定されている。第2作動口用表示部D2に係る遊技回中のtb1のタイミングでは10R確変大当たりCに対応する遊技回が開始されている。10R確変大当たりCに対応する遊技回では絵柄の変動表示時間として「601sec」が設定される。
【0434】
第1作動口用表示部D1における絵柄の変動表示と第2作動口用表示部D2における絵柄の変動表示とが並行して実行されることとなるが、第1作動口用表示部D1における絵柄の変動表示時間が経過する予定のtb4のタイミングよりも前のtb2のタイミングにて第2作動口用表示部D2における絵柄の変動表示が終了し、10R確変大当たりCに対応する絵柄が停止表示(確定表示)されることとなる。つまり、本実施の形態では、第2作動口63aへの入賞に基づいて10R確変大当たりAとなり当該10R確変大当たりAに係る遊技回が実行されている最中に第1作動口62aへの入賞に基づいて10R確変大当たりCとなった場合には、例外的に第2作動口用表示部D2における遊技回が満期を迎えることとなる。
【0435】
第2作動口用表示部D2において10R確変大当たりAに対応する絵柄の確定表示が完了したtb3のタイミングでは10R確変大当たりAを契機とした第1特別遊技状態へ移行する。そして、当該第1特別遊技状態の終了後は、確変用リミッタ非作動を条件として第2通常遊技状態へ移行(昇格)することとなる。
【0436】
次に、
図45(c)を参照して、第2作動口用表示部D2にて外れに係る遊技回が実行されている最中に10R確変大当たりCとなった場合の挙動について説明する。
【0437】
図45(c)に示す例では、tc0のタイミングにて第2作動口63aへの入賞が発生し第2作動口用表示部D2において絵柄の変動表示が開始されている。この遊技回については外れに対応しており、絵柄の変動表示時間として「1200sec」が設定されている。第2作動口用表示部D2に係る遊技回中のtc1のタイミングでは10R確変大当たりCに対応する遊技回が開始されている。10R確変大当たりCに対応する遊技回では絵柄の変動表示時間として「601sec」が設定される。
【0438】
第1作動口用表示部D1における絵柄の変動表示と第2作動口用表示部D2における絵柄の変動表示とが並行して実行されることとなるが、第1作動口用表示部D1における絵柄の変動表示時間が経過する予定のtc4のタイミングよりも前のtc2のタイミングにて第2作動口用表示部D2における絵柄の変動表示が終了し、10R確変大当たりCに対応する絵柄が停止表示(確定表示)される。この場合、第2作動口63aに係る遊技回が強制終了され、第2作動口用表示部D2においては外れに対応する絵柄が強制的に停止表示(確定表示)されることとなる。
【0439】
第1作動口用表示部D1において10R確変大当たりCに対応する絵柄の確定表示が完了したtc3のタイミングでは10R確変大当たりCを契機とした第1特別遊技状態へ移行する。そして、当該第1特別遊技状態の終了後は、確変用リミッタ非作動を条件として第3通常遊技状態へ復帰することとなる。
【0440】
本実施の形態では、第3通常遊技状態中に10R確変大当たりCとなった場合には、予め用意されている10R確変大当たりC用の動画(特殊演出)が表示される。10R確変大当たりCとなった時点では、
図45(b)及び
図45(c)の何れの挙動になるかは遊技者に明示されない。そして、tb2,tc2のタイミングやtb3、tc3のタイミング又は直後に移行する第1特別遊技状態中に今回の大当たりが10R確変大当たりA及び10R確変大当たりCの何れであるかが遊技者に明示されることとなる。つまり、第2通常遊技状態への移行(昇格)の有無が明示されることとなる。
【0441】
なお、特殊演出については、遊技回終了までの残り時間が規定時間以上の場合に実行されるストーリー性を有する第1特殊演出と、遊技回終了までの残り時間が規定時間未満の場合に実行されるストーリー性を有さない第2特殊演出とを設け、10R確変大当たりCに対応する遊技回の開始時又は開始前に当該残り時間を算出して、その算出結果に基づいて第1特殊演出及び第2特殊演出を使い分ける構成とするとよい。
【0442】
<変形例1>
上記第4の実施の形態では、第1作動口62aへの入賞に基づく抽選にて第2通常遊技状態への移行契機となる10R確変大当たりAに当選し得る構成としたが、これを変更し、第1作動口62aへの入賞に基づく抽選にて第2通常遊技状態への移行契機となる10R確変大当たりAに当選しない構成とすることも可能である。
【0443】
<変形例2>
上記第4の実施の形態では、第2作動口63aへの入賞に基づく抽選にて第2通常遊技状態への移行契機となる10R確変大当たりAに当選し得る構成としたが、これに限定されるものではない。上記第1の実施の形態等と同様に、第2作動口63aへの入賞に基づく抽選にて第2通常遊技状態への移行契機となる10R確変大当たりAに当選しない構成とすることも可能である。
【0444】
<変形例3>
上記第4の実施の形態では、第3通常遊技状態中に第1作動口62aへの入賞に基づいて10R確変大当たりCとなった場合に変動表示時間が「601sec」となる特殊変動が発生する構成としたが、これに限定されるものではない。特殊変動を発生させるか否かを大当たりの種別の抽選とは別の抽選により決定する構成としてもよい。具体的には、主制御装置162のMPU602にて実行される第3通常遊技状態用設定処理により特殊変動の有無を決定する構成としてもよい。以下、
図46のフローチャートを参照して、第3通常遊技状態用設定処理について説明する。第3通常遊技状態用設定処理は、遊技状態が第3通常遊技状態となっている場合に、
図19の第1作動口用変動開始処理におけるステップS508の一環として実行される処理である。
【0445】
第3通常遊技状態用設定処理においては先ず、ステップS1701にて今回開始する遊技回(第1作動口62aに係る遊技回)が完全外れに対応しているか否かを判定する。ステップS1701にて肯定判定をした場合には、ステップS1702に進む。ステップS1702では完全外れ用の変動表示時間の設定処理を実行し、本第3通常遊技状態用設定処理を終了する。
【0446】
ステップS1701にて否定判定をした場合にはステップS1703に進む。ステップS1703では、今回の遊技回が特別当たりに対応しているか否かを判定する。ステップS1703にて肯定判定をした場合には、ステップS1704に進む。ステップS1704では特別当たり用の変動表示時間の設定処理を実行し、本第3通常遊技状態用設定処理を終了する。
【0447】
ステップS1703にて否定判定をした場合にはステップS1705に進む。ステップS1705では、第2作動口63aに係る遊技回中であるか否かを判定する。ステップS1705にて肯定判定をした場合にはステップS1706に進む。ステップS1706では第2作動口63aに係る遊技回が10R確変大当たりAに対応しているか否かを判定する。ステップS1706にて肯定判定をした場合には、ステップS1707に進む。
【0448】
ステップS1707では、確変用リミッタが作動するまでの残り回数がN回以上(詳しくは時短用リミッタ作動の閾値である第1基準値以上)であるか否かを判定する。ステップS1707にて肯定判定をした場合には、ステップS1708に進。ステップS1708では、ROM603に記憶されている特殊変動用抽選テーブルと、RAM604の抽選カウンタ用バッファ631に記憶されている特殊変動用抽選カウンタの値とを参照して、特殊変動の抽選処理を実行する。
【0449】
ステップS1708の抽選処理にて特殊変動に当選した場合にはステップS1709にて肯定判定をしてステップS1710に進む。ステップS1710では大当たり用の特殊設定処理を実行する。具体的には今回の遊技回の変動表示時間として「601sec」を設定する。ステップS1708の抽選にて非当選となった場合には、ステップS1709にて否定判定をしてステップS1711に進む。ステップS1711では大当たり用の通常設定処理を実行する。具体的には今回の遊技回の変動表示時間として「5sec」を設定する。なお、ステップS1705、S1706、S1707の何れかにて否定判定をした場合にも、ステップS1711にて通常設定処理を実行する。
【0450】
このようなに第1作動口62aへの入賞によって大当たりとなった場合には、その種別に関係なく第2通常遊技状態へ移行(昇格)し得る構成とすることにより、遊技への注目度を好適に向上させることができる。
【0451】
なお、本変形例1においては、大当たりとなる遊技回においてのみ特殊変動が発生し得る構成としたが、これに代えて又は加えて特別当たりとなる遊技回において特殊変動が発生し得る構成とすることも可能である。
【0452】
<変形例4>
上記第4の実施の形態においても第2作動口63aへの入賞に基づく抽選によって通常大当たり(第3の実施の形態参照)に当選し得る構成とすることも可能である。このような構成とする場合には、通常大当たり(低確率モード且つ低頻度サポートモード対応の第1通常遊技状態への移行契機となる大当たり)となる遊技回については第2作動口用表示部D2における絵柄の変動表示時間として、10R確変大当たりの場合と同様に「600sec」を設定する構成とするとよい。
【0453】
<第5の実施の形態>
上記第1の実施の形態では、高確率モード且つ低頻度サポートモード対応の第3通常遊技状態中に10R確変大当たりAとなった場合には、高確率モード且つ高頻度サポートモード対応の第2通常遊技状態へ移行(昇格)する構成とした。このような構成においては、第3通常遊技状態から第2通常遊技状態へ移行する際にも確変用リミッタのカウント情報(確変用連続回数カウンタの値)が引き継がれることとなる。このため、高確率モード且つ高頻度サポートモード対応の第2通常遊技状態において時短用リミッタが作動する前に確変用リミッタが作動し得る。第1の実施の形態では、このような事象が発生した場合には低確率モード且つ低頻度サポートモード対応の第1通常遊技状態へ移行(降格)する構成として、第2通常遊技状態における上記ループが繰り返されることで想定を超える過剰な出球が発生することを抑制した。本実施の形態においては、過剰な出球を抑制するための具体的な構成が第1の実施の形態と相違している。以下、
図47のブロック図を参照して、第1の実施の形態との相違点を中心に本実施の形態における特徴的な構成について説明する。
【0454】
高確率モード且つ高頻度サポートモード対応の第2通常遊技状態においては第2作動口63aに係る遊技回を中心に遊技が進行することとなる。ここで、第2作動口63aへの入賞に基づく抽選では、その全てが10R確変大当たりAに対応しており、第2通常遊技状態と10R確変大当たりAを契機とした第1特別遊技状態とがループすることで遊技者は持ち球を大きく増やすことができる。
【0455】
第2通常遊技状態中は10R確変大当たりAとなる度に、上記確変用連続回数カウンタ及び時短用連続回数カウンタの各値が更新(「1」加算)される。既に説明したように、第1通常遊技状態から第2通常遊技状態へ移行した場合には、確変用連続回数カウンタ及び時短用連続回数カウンタの更新が何れも「0」からスタートする。このため、確変用連続回数カウンタの値が第2基準値となって確変用リミッタが作動する前に時短用連続回数カウンタの値が第1基準値となって時短用リミッタが作動することとなる。このため、第1通常遊技状態から第2通常遊技状態へ移行した場合には、時短用リミッタが作動して第2通常遊技状態から高確率モード且つ低頻度サポートモード対応の第3通常遊技状態へ移行(降格)することとなる。
【0456】
これに対して、第3通常遊技状態を経由して第2通常遊技状態へ移行した場合には、上記挙動とは異なる挙動となり得る。具体的には、第3通常遊技状態については上述の通り高確率モードに対応している。このため、第2通常遊技状態と第3通常遊技状態との間では確変用連続回数カウンタの値が引き継がれることとなり、第3通常遊技状態から第2通常遊技状態へ移行したタイミングで時短用リミッタ作動までの残り回数が確変用リミッタ作動までの残り回数を上回っているといった事象が発生し得る。
【0457】
第2通常遊技状態において時短用リミッタが作動する前に、確変用リミッタが作動した場合には、低確率モード且つ高頻度サポートモード対応の第4通常遊技状態へ移行する。第4通常遊技状態においては電動役物71によって第1作動口62aへの入賞がサポートされるものの第1作動口用表示部D1における絵柄の変動表示時間(例えば1200sec)よりも第2作動口用表示部D2における絵柄の変動表示時間(例えば1sec)の方が短くなっており、第2作動口63aに係る遊技回を主として遊技が進行することとなる。
【0458】
なお、第4通常遊技状態においては、第2作動口63aに係る遊技回が100回実行されるまで継続され、実行された遊技回が100回となった場合には、第1通常遊技状態へ移行することとなる。
【0459】
第4通常遊技状態においては第2作動口63aへの入賞に基づく抽選にて大当たりとなった場合の振分が全て10R確変大当たりAとなっている。このため、大当たりの確率が低い低確率モードではあるものの第4通常遊技状態中に大当たりとなった場合には第2通常遊技状態へ移行することとなる(時短用リミッタ作動時を除く)。
【0460】
第2通常遊技状態から第4通常遊技状態へ移行する場合には、確変用連続回数カウンタの値がリセット(0クリア)される。このため、遊技者は、第4通常遊技状態から第2通常遊技状態へ移行(昇格)させることができれば、先の第2通常遊技状態中の出球、第4通常遊技状態中の出球、後の第2通常遊技状態中の出球を合わせて実質的に約12000個の出球を享受し得る。
【0461】
但し、第2通常遊技状態中に確変用リミッタが作動して第4通常遊技状態へ移行(降格)する場合には時短用連続回数カウンタの値が引き継がれることとなる。そして、第4通常遊技状態へ引き継がれた時短用連続回数カウンタの値は第4通常遊技状態から第2通常遊技状態へ移行(昇格)する場合にも引き継がれることとなる。このため、第2通常遊技状態→第4通常遊技状態→第2通常遊技状態となる場合には、後の第2通常遊技状態における出球の上限が低く抑えられることとなり、上述の如く第4通常遊技状態における引き戻しが発生したとしても短期間に過剰な出球が発生することが抑制される。
【0462】
<その他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、上記各実施の形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施の形態の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
【0463】
(1)上記各実施の形態では、高確率モード且つ低頻度サポートモード対応の第3通常遊技状態中に10R確変大当たりAとなることで当該第3通常遊技状態から高確率モード且つ高頻度サポートモード対応の第2通常遊技状態へ昇格する構成としたが、このような昇格ルートについては必須の構成ではない。第2通常遊技状態が少なくとも第1通常遊技状態と比べて遊技者に有利となるように構成されているのであれば足り、第3通常遊技状態を第1通常遊技状態よりも優遇するための具体的構成については任意である。例えば、上記昇格ルートに係る構成に代えて又は加えて、第3通常遊技状態中に10R通常大当たりXに当選し得る構成とし、この10R通常大当たりXに当選した場合には低確率モード且つ高頻度サポートモード対応の通常遊技状態Xへ移行する構成とし、当該通常遊技状態Xにおいて大当たりとなった場合には何れも第2通常遊技状態への移行が確定する構成等として通常遊技状態X中に第2通常遊技状態へ移行する確率が第3通常遊技状態中に第2通常遊技状態へ移行する確率よりも高くなるように優遇するとよい。なお、通常遊技状態Xを第3通常遊技状態よりも遊技者に有利とする上では、通常遊技状態Xにおけるベース(遊技球の発射数に対する払い出し数の割り合い)を第3通常遊技状態におけるベース以上とすることが好ましい。
【0464】
(2)上記各実施の形態では、時短用リミッタの第1基準値(10)を確変用リミッタの第2基準値(40)と当該第1基準値との差(30)よりも小さくしたが、これに限定されるものではない。時短用リミッタの第1基準値の値を確変用リミッタの第2基準値と当該第1基準値との差よりも大きくしてもよいし、時短用リミッタの第1基準値の値を確変用リミッタの第2基準値と当該第1基準値との差と同じにしてもよい。
【0465】
(3)上記各実施の形態では、高確率モード且つ低頻度サポートモード対応の第3通常遊技状態においては、持ち球が微減となるように構成したが、当該第3通常遊技状態中は持ち球が維持される構成とした上で、第1作動口62aへの入賞による大当たりの種別から第2通常遊技状態への移行契機となる10R確変大当たりAを排除してもよい。この場合、第3通常遊技状態中は第2通常遊技状態への移行(昇格)による大量出球を制限する代わりに、特別当たりと比較して発生頻度の低い2R確変大当たり時の(可変入賞装置64開放時の)へのオーバー入賞によって持ち球の増加を目指す遊技を実現してもよい。この場合、オーバー入賞の難度を下げるべく第1可変入賞装置64へ向けた流路を増設するとよい。例えば、外ルートにおいて第2作動入球部63を素通りした遊技球の一部を第1可変入賞装置64に案内する案内通路を形成するとよい。
【0466】
(4)上記各実施の形態では、第3通常遊技状態への移行ルートとして、第1通常遊技状態から第2通常遊技状態を経由するルートと、第1通常遊技状態から直接移行するルートとを設けたが、第1通常遊技状態から第3通常遊技状態へ直接移行するルートについては省略することも可能である。
【0467】
(5)上記各実施の形態では、高確率モード且つ低頻度サポートモード対応の第3通常遊技状態においては、第1作動口用表示部D1に係る遊技回が主となるようにして遊技が進行するように各作動口用表示部D1,D2における絵柄の変動表示時間に差を設けたが、このような機能を担保できる範囲であれば、各作動口用表示部D1,D2における絵柄の変動表示時間については任意に変更してもよい。
【0468】
(6)上記各実施の形態では、遊技が継続的に行われた場合(遊技球の発射操作が継続的に実行された場合)に第1通常遊技状態から第2通常遊技状態へ移行して時短用リミッタが作動して第3通常遊技状態へ移行する場合の所要時間が凡そ30分、その後に遊技が継続的に行われた場合(遊技球の発射操作が継続的に実行された場合)に第3通常遊技状態において確変用リミッタが作動して第1通常遊技状態へ移行する場合の所要時間が凡そ30分となり、各所要時間が同等となるように時短用連続回数カウンタの第1基準値と確変用連続回数カウンタの第2基準値とを設定したが、これに限定されるものではない。
【0469】
遊技が継続的に行われた場合(遊技球の発射操作が継続的に実行された場合)に第1通常遊技状態から第2通常遊技状態へ移行して時短用リミッタが作動して第3通常遊技状態へ移行する場合の所要時間が、その後に遊技が継続的に行われた場合(遊技球の発射操作が継続的に実行された場合)に第3通常遊技状態において確変用リミッタが作動して第1通常遊技状態へ移行する場合の所要時間よりも明確に長くなるように時短用連続回数カウンタの第1基準値と確変用連続回数カウンタの第2基準値とを設定してもよい。例えば、第1基準値と第2基準値との差を上記第1の実施の形態と比べてよりも小さくしてもよい。
【0470】
また、遊技が継続的に行われた場合(遊技球の発射操作が継続的に実行された場合)に第1通常遊技状態から第2通常遊技状態へ移行して時短用リミッタが作動して第3通常遊技状態へ移行する場合の所要時間が、その後に遊技が継続的に行われた場合(遊技球の発射操作が継続的に実行された場合)に第3通常遊技状態において確変用リミッタが作動して第1通常遊技状態へ移行する場合の所要時間よりも明確に短くなるように時短用連続回数カウンタの第1基準値と確変用連続回数カウンタの第2基準値とを設定してもよい。例えば、第1基準値と第2基準値との差を上記第1の実施の形態と比べて大きくしてもよい。
【0471】
(7)上記各実施の形態では、低頻度入賞モード対応の第2可変入賞装置65と高頻度入賞モード対応の第1可変入賞装置64とを個別に設けたが、これに限定されるものではない。第1可変入賞装置64及び第2可変入賞装置65を統合して1の可変入賞装置とすることも可能である。
【0472】
また、低頻度入賞モードとなっている場合の開放対象を第1可変入賞装置64とし、高頻度入賞モードとなっている場合の開放対象を第2可変入賞装置65とすることも可能である。
【0473】
(8)上記各実施の形態では、第2可変入賞装置65への1の入賞に基づく賞球が第1可変入賞装置64への1の入賞に基づく賞球よりも少なくなるように差を設けたが、これに限定されるものではない。第2可変入賞装置65への1の入賞に基づく賞球が第1可変入賞装置64への1の入賞に基づく賞球よりも多くなるように差を設けてもよいし、第2可変入賞装置65への1の入賞に基づく賞球と第1可変入賞装置64への1の入賞に基づく賞球と同数となるように構成してもよい。
【0474】
(9)上記各実施の形態に示した右側作動入球部62Rを右ルートにおいて第1可変入賞装置64と第2可変入賞装置65となる位置に配設してもよい。
【0475】
(10)第1可変入賞装置64や第2可変入賞装置65に向かう流路(内ルート)上に第2作動入球部63を配設してもよい。
【0476】
(11)上記各実施の形態では、第1作動口62aに係る遊技回と第2作動口63aに係る遊技回とを一方を実行している最中に他方を実行可能となるように構成したが、これに限定されるものではない。第1作動口62aに係る遊技回と第2作動口63aに係る遊技回とを一方を実行している最中は他方が実行不可となるように構成することも可能である。このような構成においては、第1作動口62aに係る遊技回を第2作動口63aに係る遊技回よりも優先して実行する構成としてもよいし、第2作動口63aに係る遊技回を第1作動口62aに係る遊技回よりも優先して実行する構成としてもよい。また、各遊技回を入賞順に実行する構成とすることも可能である。
【0477】
(12)上記各実施の形態においては、第1可変入賞装置64のシャッタ333上を転動する遊技球を減速させる減速手段として突条部335a,336aを設けたが、シャッタ333上を通過するのに要する所要時間を稼ぐための具体的構成については任意である。例えば、シャッタ333の上限に凹凸を設けて流路を上下に蛇行させてもよい。
【0478】
また、第2可変入賞装置65についてもシャッタ343上を転動する遊技球を減速させる減速手段(例えば突条部335a,336aに相当する構成)を設けてもよい。
【0479】
(13)上記各実施の形態に示した第1可変入賞装置64及び第2可変入賞装置65については、シャッタ333,343が前後方向にスライドすることで開状態/閉状態に切り替わる構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、シャッタが左右方向又は上下方向にスライド移動することで開状態/閉状態に切り替わる構成としてもよい。なお、シャッタ333,343をスライド式とする必要は必ずしもなく回動式とすることも可能である。
【0480】
また、上記実施の形態に示した右側作動入球部62Rは、電動役物71の可動片が遊技盤60の前面と平行に回動することで開状態/閉状態に切り替わる構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、可動片が遊技盤の前面と交差する方向に回動することで開状態/閉状態に切り替わる構成としてもよい。なお、可動片を回動式とする必要は必ずしもなくスライド式とすることも可能である。
【0481】
(14)上記各実施の形態においては、第2作動口63aへの入賞に基づく抽選においては特別当たりとならない構成としたが、これを変更し、第2作動口63aへの入賞に基づく抽選においても特別当たりとなる構成としてもよい。
【0482】
(15)上記各実施の形態では、主制御装置162における当否抽選(判定処理)が行われたことに基づいて作動口用表示部D1,D2における絵柄の変動表示や図柄表示装置75における図柄の変動表示を開始する構成としたが、これに限定されるものではない。主制御装置162における当否抽選(判定処理)に先立って作動口用表示部D1,D2における絵柄の変動表示や図柄表示装置75における図柄の変動表示を開始する構成とすることも可能である。
【0483】
(16)上記各実施の形態では、時短用リミッタが作動する連続大当たり回数(第1基準値)が確変用リミッタが作動する連続大当たり回数(第2基準値)よりも少なくとなるように設定したが、時短用リミッタが作動する連続大当たり回数(第1基準値)が確変用リミッタが作動する連続大当たり回数(第2基準値)よりも多くなるように設定してもよいし、時短用リミッタが作動する連続大当たり回数(第1基準値)と確変用リミッタが作動する連続大当たり回数(第2基準値)とを同じ回数となるように設定してもよい。
【0484】
(17)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
【0485】
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
【0486】
更には、取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
【0487】
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される特徴的な構成について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0488】
<特徴A群>
以下の特徴A群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、遊技への注目度を向上させる上で、その構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
【0489】
特徴A1.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤60)と、
遊技者の操作に基づいて前記遊技領域へ遊技球を発射可能な遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技領域に設けられた入球部(一般入賞口61、作動入球部62,63、可変入賞装置64,65)への入球に基づいて遊技球(賞球)を払い出す払出手段(払出装置222)と
を備えている遊技機であって、
前記入球部としての始動入球部(作動入球部62,63)への入球が発生した場合に特別情報(保留情報)を取得する特別情報取得手段(主制御装置162のMPU602にて保留情報を取得する処理を実行する機能)と、
前記特別情報取得手段により取得された特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のRAM604における保留球格納エリア632)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば大当たり用の乱数群)と対応しているか否かの判定を行う判定手段(主制御装置162のMPU602において抽選用の処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定に先立って又は前記判定手段により前記判定が行われたことに基づいて遊技回用動作(作動口用表示部D1,D2における絵柄の可変表示)が開始され、前記判定の結果に対応した報知結果として当該遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の遊技回用動作が行われるように所定の報知手段(作動口用表示部D1,D2)を制御する遊技回制御手段(主制御装置162のMPU602にて遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応した判定結果となり且つ前記遊技回制御手段による前記遊技回用動作が終了したことに基づいて、遊技状態を所定遊技状態(例えば第1通常遊技状態~第3通常遊技状態)よりも遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させる特別遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記始動入球部へ遊技球が入球可能な受入状態(開状態)及び当該受入状態よりも遊技球の入球が困難な非受入状態(閉状態)に切替可能な可変機構(電動役物71)と、
前記可変機構を制御する可変機構用制御手段(主制御装置162のMPU602にて電役サポート処理を実行する機能)と
を備え、
前記可変機構用制御手段による前記可変機構の切替制御モード(サポートモード)として、第1切替モード(低頻度サポートモード)と、当該第1切替モードよりも前記可変機構が前記受入状態である期間が長くなる第2切替モード(高頻度サポートモード)とが設けられており、
前記判定手段により前記判定を行う判定モード(抽選モード)として、前記所定の判定情報に対応した判定結果となる確率が相対的に低い低確率モードと前記所定の判定情報に対応した判定結果となる確率が相対的に高い高確率モードとが設けられており、
前記所定の判定情報に対応した判定結果には、前記高確率モードへの移行契機となる判定結果及び前記第2切替モードへの移行契機となる判定結果が含まれており、
前記判定手段による判定結果が前記高確率モードへの移行契機となる判定結果となった場合の連続回数を記憶する第1記憶手段(確変用連続回数カウンタ)を有し、当該第1記憶手段に記憶されている連続回数が第1規定回数(例えば40回)に達した場合に、前記特別遊技状態の終了に伴って前記所定遊技状態のうち前記低確率モード対応の遊技状態へ移行させる第1特殊移行手段と(主制御装置162のMPU602における確変用リミッタ機能)、
前記判定手段による判定結果が前記第2切替モードへの移行契機となる判定結果となった場合の連続回数を記憶する第2記憶手段(時短用連続回数カウンタ)を有し、当該第2記憶手段に記憶されている連続回数が第2規定回数(例えば10回)に達した場合に、前記特別遊技状態の終了に伴って前記所定遊技状態のうち前記第1切替モード対応の遊技状態へ移行させる第2特殊移行手段(主制御装置162のMPU602における時短用リミッタ機能)と
を備え、
前記所定遊技状態の1つである前記高確率モード且つ前記第2切替モード対応の遊技状態中に、前記所定の判定情報に対応した特定の判定結果(10R確変大当たりA)となった場合には、前記第1記憶手段に記憶されている連続回数及び前記第2記憶手段に記憶されている連続回数の両方が更新されるように構成されていることを特徴とする遊技機。
【0490】
特徴A1によれば、高確率モード且つ第2切替モード対応の遊技状態においては、始動入球部への入球及び当該入球に基づく判定(抽選)が優遇される。この遊技状態では、所定の判定情報に対応した特定の判定結果となることで第1記憶手段によって記憶されている連続回数と第2記憶手段によって記憶されている連続回数とが各々更新される。ここで、第1記憶手段に記憶されている連続回数(高確率モードへの移行契機となる判定結果の連続回数)が第1規定回数に達した場合には低確率モード対応の遊技状態へ移行し、第2記憶手段に記憶されている連続回数(第2切替モードへの移行契機となる判定結果の連続回数)が第2規定回数に達した場合には第1切替モード対応の遊技状態へ移行する。つまり、第1特殊移行手段による移行が発生するかそれとも第2特殊移行手段による移行が発生するかによってその後の遊技の展開が大きく変わることとなる。このような構成とすれば、遊技の単調化を抑制し、遊技への注目度の向上に寄与できる。
【0491】
特徴A2.前記第1規定回数と前記第2規定回数とが相違していることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
【0492】
特徴A2に示すように第1規定回数と第2規定回数とを相違させる構成とすれば、第2遊技状態においては第1特殊移行手段による移行が発生する場合と第2特殊移行手段による移行が発生する場合との分岐が生じることとなる。これは、遊技の単調化を抑える上で好ましい。
【0493】
特徴A3.前記第2規定回数は、前記第1規定回数よりも少ないことを特徴とする特徴A1又は特徴A2に記載の遊技機。
【0494】
特徴A3によれば、高確率モード且つ第2切替モード対応の遊技状態からの移行先では高確率モードが維持されやすくなり、所定の判定情報に対応する判定結果となる機会を維持することができる。これは、例えば高確率モード且つ第2切替モード対応の遊技状態からの移行先では第2切替モードが維持されやすくなる構成と比較して、移行先での遊技の単調化を抑制する上で好ましい。
【0495】
特徴A4.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤60)と、
遊技者の操作に基づいて前記遊技領域へ遊技球を発射可能な遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技領域に設けられた入球部(一般入賞口61、作動入球部62,63、可変入賞装置64,65)への入球に基づいて遊技球(賞球)を払い出す払出手段(払出装置222)と
を備えている遊技機であって、
前記入球部としての始動入球部(作動入球部62,63)への入球が発生した場合に特別情報(保留情報)を取得する特別情報取得手段(主制御装置162のMPU602にて保留情報を取得する処理を実行する機能)と、
前記特別情報取得手段により取得された特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のRAM604における保留球格納エリア632)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば大当たり用の乱数群)と対応しているか否かの判定を行う判定手段(主制御装置162のMPU602において抽選用の処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定に先立って又は前記判定手段により前記判定が行われたことに基づいて遊技回用動作(作動口用表示部D1,D2における絵柄の可変表示)が開始され、前記判定の結果に対応した報知結果として当該遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の遊技回用動作が行われるように所定の報知手段(作動口用表示部D1,D2)を制御する遊技回制御手段(主制御装置162のMPU602にて遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応した判定結果となり且つ前記遊技回制御手段による前記遊技回用動作が終了したことに基づいて、遊技状態を所定遊技状態(例えば第1通常遊技状態~第3通常遊技状態)よりも遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させる特別遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記始動入球部へ遊技球が入球可能な受入状態(開状態)及び当該受入状態よりも遊技球の入球が困難な非受入状態(閉状態)に切替可能な可変機構(電動役物71)と、
前記可変機構を制御する可変機構用制御手段(主制御装置162のMPU602にて電役サポート処理を実行する機能)と
を備え、
前記可変機構用制御手段による前記可変機構の切替制御モード(サポートモード)として、第1切替モード(低頻度サポートモード)と、当該第1切替モードよりも前記可変機構が前記受入状態である期間が長くなる第2切替モード(高頻度サポートモード)とが設けられており、
前記判定手段により前記判定を行う判定モード(抽選モード)として、前記所定の判定情報に対応した判定結果となる確率が相対的に低い低確率モードと、前記所定の判定情報に対応した判定結果となる確率が相対的に高い高確率モードとが設けられており、
前記所定遊技状態として、前記低確率モード且つ前記第1切替モードに対応した第1遊技状態(第1通常遊技状態)と、前記高確率モード且つ前記第2切替モードに対応した第2遊技状態(第2通常遊技状態)と、前記高確率モード且つ前記第1切替モードに対応した第3遊技状態(第3通常遊技状態)とが設けられており、
前記所定の判定情報に対応した判定結果には、前記高確率モードへの移行契機となる判定結果及び前記第2切替モードへの移行契機となる判定結果が含まれており、
前記判定手段による判定結果が前記高確率モードへの移行契機となる判定結果となった場合の連続回数を記憶する第1記憶手段(確変用連続回数カウンタ)を有し、当該第1記憶手段に記憶されている連続回数が第1規定回数(例えば40回)に達した場合に、前記特別遊技状態の終了に伴って前記所定遊技状態のうち前記低確率モード対応の遊技状態へ移行させる第1特殊移行手段と(主制御装置162のMPU602における確変用リミッタ機能)、
前記判定手段による判定結果が前記第2切替モードへの移行契機となる判定結果となった場合の連続回数を記憶する第2記憶手段(時短用連続回数カウンタ)を有し、当該第2記憶手段に記憶されている連続回数が第2規定回数(例えば10回)に達した場合に、前記特別遊技状態の終了に伴って前記所定遊技状態のうち前記第1切替モード対応の遊技状態へ移行させる第2特殊移行手段(主制御装置162のMPU602における時短用リミッタ機能)と
を備え、
前記第2規定回数は、前記第1規定回数よりも少なくなっており、
前記第2遊技状態中に、前記高確率モード且つ前記第2切替モードへの移行契機となる特定の判定結果(10R確変大当たりA)となった場合には、前記第1記憶手段に記憶されている連続回数及び前記第2記憶手段に記憶されている連続回数の両方が更新されるように構成されていることを特徴とする遊技機。
【0496】
特徴A4によれば、高確率モード且つ第2切替モード対応の第2遊技状態においては、始動入球部への入球及び当該入球に基づく判定(抽選)が優遇される。この第2遊技状態では、所定の判定情報に対応した特定の判定結果となることで第1記憶手段によって記憶されている連続回数と第2記憶手段によって記憶されている連続回数とが各々更新される。ここで、第1記憶手段に記憶されている連続回数(高確率モードへの移行契機となる判定結果の連続回数)が第1規定回数に達した場合には低確率モード対応の遊技状態へ移行し、第2記憶手段に記憶されている連続回数(第2切替モードへの移行契機となる判定結果の連続回数)が第2規定回数に達した場合には第1切替モード対応の遊技状態へ移行する。つまり、2種のリミッタの何れが作動するかによってその後の遊技の展開が大きく変わることとなる。このような構成とすれば、遊技の単調化を抑制し、遊技への注目度の向上に寄与できる。
【0497】
特に、第2規定回数については第1規定回数よりも少なくなっているため、第2特殊移行手段による移行が発生する前に第1特殊移行手段による移行が発生しやすくなっている。つまり、高確率モード且つ第2切替モード対応の遊技状態からの移行先では高確率モードが維持されやすくなり、所定の判定情報に対応する判定結果となる機会を維持することができる。これは、例えば高確率モード且つ第2切替モード対応の遊技状態からの移行先では第2切替モードが維持されやすくなる構成と比較して、移行先での遊技の単調化を抑制する上で好ましい。
【0498】
特徴A5.前記第2特殊移行手段は、前記第3遊技状態中に前記判定手段による判定結果が前記特定の判定結果となり且つ前記第2記憶手段に記憶されている連続回数が前記第2規定回数に達した場合に、前記特別遊技状態の終了に伴って前記第3遊技状態へ移行させる構成となっていることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
【0499】
本特徴に示すように第3遊技状態中に特定の判定結果となり且つ連続回数が第2規定回数に達した場合に第3遊技状態へ移行する構成とすれば、特徴A4に示した効果を好適に発揮させることができる。
【0500】
特徴A6.前記第2特殊移行手段により前記第2遊技状態から前記第3遊技状態へ移行する場合には、前記第2記憶手段により記憶されている連続回数がリセットされるのに対して、前記第1記憶手段による連続回数の記憶は保持される構成となっており、
前記第3遊技状態においては前記第1記憶手段により記憶されている連続回数が前記判定手段による判定結果が前記高確率モードへの移行契機となる判定結果となった場合に更新される構成となっており、
前記第1特殊移行手段は、前記第3遊技状態中に前記判定手段による判定結果が前記高確率モードへの移行契機となる判定結果となり且つ前記第1記憶手段に記憶されている連続回数が前記第1規定回数に達した場合に、前記特別遊技状態の終了に伴って前記第1遊技状態へ移行させる構成となっていることを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
【0501】
特徴A6によれば、第2特殊移行手段によって第2遊技状態から第3遊技状態へ移行した後は、第1記憶手段に記憶されている連続回数が高確率モードへの移行契機となる判定結果となることで更新される。そして、その連続回数が第1規定回数に達した場合に低確率モード且つ低頻度サポートモード対応の第1遊技状態へ移行する。このように段階的にリミッタを作動させる構成とすれば、特徴A4に示した遊技の多様化を好適に実現できる。
【0502】
特徴A7.前記第1遊技状態から前記第2遊技状態へ移行した際の前記第1記憶手段に記憶されている連続回数と前記第2記憶手段に記憶されている連続回数とが一致するように構成されていることを特徴とする特徴A4乃至特徴A6のいずれか1つに記載の遊技機。
【0503】
特徴A7によれば、2種のリミッタが同時に作動することを抑制し、段階的なリミッタの作動による遊技の多様化を好適に実現できる。
【0504】
特徴A8.前記第1遊技状態中に前記判定手段による判定結果が前記高確率モード且つ前記第2切替モードへの移行契機となる判定結果となった場合に、前記特別遊技状態の終了に伴って前記第2遊技状態へ移行させる手段を備え、
前記第1特殊移行手段は、前記判定手段による判定結果が前記低確率モードへの移行に対応する判定結果となった場合又は当該第1特殊移行手段により前記低確率モード対応の遊技状態へ移行させる場合に、前記第1記憶手段に記憶されている連続回数をリセットする手段を有し、
前記第2特殊移行手段は、前記判定手段による判定結果が前記第1切替モードへの移行に対応する判定結果となった場合又は当該第2特殊移行手段により前記第1切替モード対応の遊技状態へ移行させる場合に、前記第2記憶手段に記憶されている連続回数をリセットする手段を有していることを特徴とする特徴A4乃至特徴A7のいずれか1つに記載の遊技機。
【0505】
特徴A8によれば、第1遊技状態から第2遊技状態へ移行した際には、第1記憶手段に記憶されている連続回数と第2記憶手段に記憶されている連続回数とが一致することとなる。このような構成とすれば、第1規定回数と第2規定回数との差によってリミッタの発動タイミングをずらす機能(具体的には第2特殊移動手段によるリミッタが先行作動する機能)を好適に発揮させることができる。
【0506】
特徴A9.前記第3遊技状態における前記所定の判定情報に対応する判定結果として、前記高確率モード且つ前記第1切替モードへの移行契機となる第1判定結果(2R確変大当たり)と、前記高確率モード且つ前記第2切替モードへの移行契機となる第2判定結果(10R確変大当たりA)とが設けられており、
前記第3遊技状態において前記第2判定結果となった場合には、前記第1記憶手段に記憶されている連続回数と前記第2記憶手段に記憶されている連続回数とが各々更新され、前記第1判定結果となった場合には、前記第1記憶手段に記憶されている連続回数が更新される一方、前記第2記憶手段に記憶されている連続回数は更新されない構成となっており、
前記第3遊技状態において前記第1判定結果となり且つ前記第1記憶手段に記憶されている連続回数が前記第1規定回数に達していない場合に、前記特別遊技状態の終了に伴って前記第3遊技状態へ移行させる第3特殊移行手段と、
前記第3遊技状態において前記第2判定結果となり且つ前記第1記憶手段に記憶されている連続回数が前記第1規定回数に達していない場合に、前記特別遊技状態の終了に伴って前記第2遊技状態へ移行させる第4特殊移行手段と
を備え、
前記第4特殊移行手段により前記第3遊技状態から前記第2遊技状態へ移行する場合には、前記第1記憶手段における連続回数の記憶が保持される構成となっていることを特徴とする特徴A8に記載の遊技機。
【0507】
本特徴に示す構成によれば、第1遊技状態から第2遊技状態へ移行した場合と、第3遊技状態から第2遊技状態へ移行した場合とで2つのリミッタの何れが先に作動するかに違いが生じ得る。このような構成とすることで、遊技の単調化を抑制する効果を一層好適に発揮させることができる。
【0508】
特徴A10.前記第3遊技状態から前記第2遊技状態への移行は、前記第1遊技状態から前記第2遊技状態への移行よりも困難となるように構成されていることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
【0509】
特徴A10によれば、第1遊技状態→第2遊技状態を第2遊技状態への主たる移行ルートとしつつ、第3遊技状態→第2遊技状態へ復帰した後の挙動(リミッタの作動順)を主たる移行ルートとは相違させることができる。これにより、遊技の単調化を抑制する効果を一層好適に発揮させることができる。
【0510】
特徴A11.前記第3遊技状態は、前記遊技領域に設けられた所定の流路へ遊技球が発射されている場合に単位時間あたりに払い出される遊技球の数が前記第2遊技状態と比べて少なく且つ前記第1遊技状態と比べて多くなるように構成されており、
前記第2規定回数は、前記第1規定回数と前記第2規定回数との差よりも小さくなっていることを特徴とする特徴A4乃至特徴A10のいずれか1つに記載の遊技機。
【0511】
特徴A11に示すように、単位時間あたりの出球が多い第2遊技状態から単位時間あたりの出球が相対的に少ない第3遊技状態へ移行する構成とし、2つ目のリミッタが作動するまで第3遊技状態へ滞在させる構成とすることにより、短期間で過度に多くの出球が発生することを抑制し、遊技の健全化に寄与できる。
【0512】
特徴A12.前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な受入状態(開状態)及び当該受入状態よりも遊技球の入球が困難な非受入状態(閉状態)に切替可能な、前記入球部としての可変入球部(可変入賞装置64,65)と、
前記特別遊技状態に移行した場合に、前記可変入球部を受入状態及び非受入状態に切り替える可変入球部用制御手段(主制御装置162のMPU602にて開閉処理を実行する機能)と
を備え、
前記特別遊技状態として、第1特別遊技状態(10R確変大当たり対応の特別遊技状態)と、当該第1特別遊技状態よりも前記可変入球部が受入状態となる期間が短い第2特別遊技状態(2R確変大当たり又は特別当たり対応の特別遊技状態)とが設けられており、
前記特別遊技状態移行手段は、前記第2遊技状態において前記特定の判定結果となった場合には前記第1特別遊技状態へ移行させる手段を有し、
前記第3遊技状態における前記所定の判定情報に対応する判定結果として、前記高確率モード且つ前記第1切替モードへの移行契機となる第1判定結果(2R確変大当たり)と、前記高確率モード且つ前記第2切替モードへの移行契機となる第2判定結果(10R確変大当たりA)とが設けられており、
前記第3遊技状態において前記第2判定結果となった場合には、前記第1記憶手段に記憶されている連続回数と前記第2記憶手段に記憶されている連続回数とが各々更新され、前記第1判定結果となった場合には、前記第1記憶手段に記憶されている連続回数が更新される一方、前記第2記憶手段に記憶されている連続回数は更新されない構成となっており、
前記第3遊技状態において前記第1判定結果となり且つ前記第1記憶手段に記憶されている連続回数が前記第1規定回数に達していない場合に、前記第2特別遊技状態の終了に伴って前記第3遊技状態へ移行させる手段を備えていることを特徴とする特徴A4乃至特徴A11のいずれか1つに記載の遊技機。
【0513】
特徴A12によれば、第2遊技状態においてはリミッタが作動するまで特定の判定結果→第1特別遊技状態→第2遊技状態がループすることにより多くの出球を獲得できる。第2遊技状態からリミッタが作動して第3遊技状態へ移行した場合には、第2特別遊技状態へ移行することである程度の出球は期待できるものの、持ち球の急速な増加が抑制されることとなる。第3遊技状態への移行後はリミッタが作動するまで当該第3遊技状態に留まることにより、短期間で過度に多くの出球が発生することを抑制し、遊技の健全化に寄与できる。
【0514】
なお、特徴A5~特徴A12に示した各技術的思想を上記特徴A1~特徴A3に適用してもよい。
【0515】
<特徴B群>
以下の特徴B群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、遊技への注目度を向上させる上で、その構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
【0516】
特徴B1.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤60)と、
遊技者の操作に基づいて前記遊技領域へ遊技球を発射可能な遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技領域に設けられた入球部(一般入賞口61、作動入球部62,63、可変入賞装置64,65)への入球に基づいて遊技球(賞球)を払い出す払出手段(払出装置222)と
を備えている遊技機であって、
前記入球部としての始動入球部(作動入球部62,63)への入球が発生した場合に特別情報(保留情報)を取得する特別情報取得手段(主制御装置162のMPU602にて保留情報を取得する処理を実行する機能)と、
前記特別情報取得手段により取得された特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のRAM604における保留球格納エリア632)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば確変大当たり用の乱数群)と対応しているか否かの判定を行う判定手段(主制御装置162のMPU602において抽選用の処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定に先立って又は前記判定手段により前記判定が行われたことに基づいて遊技回用動作(作動口用表示部D1,D2における絵柄の可変表示)が開始され、前記判定の結果に対応した報知結果として当該遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の遊技回用動作が行われるように所定の報知手段(作動口用表示部D1,D2)を制御する遊技回制御手段(主制御装置162のMPU602にて遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応した判定結果となり且つ前記遊技回制御手段による前記遊技回用動作が終了したことに基づいて、遊技状態を所定遊技状態(例えば第1通常遊技状態~第3通常遊技状態)よりも遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させる特別遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な受入状態(開状態)及び当該受入状態よりも遊技球の入球が困難な非受入状態(閉状態)に切替可能な、前記入球部としての可変入球部(可変入賞装置64,65)と、
前記特別遊技状態に移行した場合に、前記可変入球部を受入状態及び非受入状態に切り替える可変入球部用制御手段(主制御装置162のMPU602にて開閉処理を実行する機能)と
を備え、
前記所定遊技状態として、第1遊技状態(第1通常遊技状態)と、当該第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態(第2通常遊技状態)と、前記第1遊技状態よりも遊技者に有利であり且つ前記第2遊技状態よりも遊技者に不利な第3遊技状態(第3通常遊技状態)とが設けられており、
前記第1遊技状態において第1移行条件が成立した場合(10R確変大当たりAに当選した場合)に前記特別遊技状態の終了に伴って前記第2遊技状態へ移行させる第1移行手段(主制御装置162のMPU602にて第2遊技状態への移行処理を実行する機能)と、
前記第2遊技状態において第2移行条件が成立した場合(時短用リミッタが作動した場合)に前記特別遊技状態の終了に伴って前記第3遊技状態へ移行させる第2移行手段(主制御装置162のMPU602にて第3遊技状態への移行処理を実行する機能)と、
前記第3遊技状態において第3移行条件が成立した場合(確変用リミッタが作動した場合)に前記特別遊技状態の終了に伴って前記第1遊技状態へ移行させる第3移行手段(主制御装置162のMPU602にて第1遊技状態への移行処理を実行する機能)と、
前記第3遊技状態において第4移行条件が成立した場合(確変用リミッタが作動する前に10R確変大当たりAとなった場合)に前記第2遊技状態へ移行させる第4移行手段(主制御装置162のMPU602にて第2遊技状態への移行処理を実行する機能)と
を備え、
第1遊技状態で実行される遊技回数と第2遊技状態で実行される遊技回数とを同じ回数で比較した場合に、前記第3遊技状態における前記第3移行条件の成立前の前記第4移行条件の成立は、前記第1遊技状態における前記第1移行条件の成立よりも困難となるように構成されていることを特徴とする遊技機。
【0517】
本特徴に示す構成では、第1遊技状態から第2遊技状態へ移行することで遊技を有利に進めることが可能となる。第3遊技状態を経由して第2遊技状態から第1遊技状態へ移行した後は、再び第2遊技状態を目指して遊技が行われる。ここで、第3遊技状態は第1遊技状態と比べて遊技者に有利となるように構成されてはいるものの、最も有利な第2遊技状態への移行については第1遊技状態よりも困難となっている。このように、第2遊技状態への移行が困難となる第3遊技状態を経て第1遊技状態へ復帰させる構成とすれば、第2遊技状態が過度に連続することを抑制できる。これは、例えばまとまった出球を創出しつつそれに起因した射幸性の過度の高まり(例えば短時間での過剰な出球)を抑制する上で好ましい。
【0518】
なお、本特徴に示す「前記所定遊技状態として、第1遊技状態(第1通常遊技状態)と、当該第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態(第2通常遊技状態)と、前記第1遊技状態よりも遊技者に有利であり且つ前記第2遊技状態よりも遊技者に不利な第3遊技状態(第3通常遊技状態)とが設けられており」との記載を、「前記所定遊技状態として、第1遊技状態(第1通常遊技状態)と、前記遊技領域における所定の流路へ向けた遊技球の発射が継続されている場合に単位時間あたりに前記遊技球発射手段により発射された遊技球の数に対する前記払出手段により払い出された遊技球の数の割合いが前記第1遊技状態よりも大きくなるように設定された第2遊技状態(第2通常遊技状態)と、前記遊技領域における所定の流路へ向けた遊技球の発射が継続されている場合に単位時間あたりに前記遊技球発射手段により発射された遊技球の数に対する前記払出手段により払い出された遊技球の数の割合いが前記第1遊技状態よりも大きく且つ前記第2遊技状態よりも小さくなるように設定された第3遊技状態(第3通常遊技状態)とが設けられており」との記載に変更してもよい。
【0519】
特徴B2.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤60)と、
遊技者の操作に基づいて前記遊技領域へ遊技球を発射可能な遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技領域に設けられた入球部(一般入賞口61、作動入球部62,63、可変入賞装置64,65)への入球に基づいて遊技球(賞球)を払い出す払出手段(払出装置222)と
を備えている遊技機であって、
前記入球部としての始動入球部(作動入球部62,63)への入球が発生した場合に特別情報(保留情報)を取得する特別情報取得手段(主制御装置162のMPU602にて保留情報を取得する処理を実行する機能)と、
前記特別情報取得手段により取得された特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のRAM604における保留球格納エリア632)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば大当たり用の乱数群)と対応しているか否かの判定を行う判定手段(主制御装置162のMPU602において抽選用の処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定に先立って又は前記判定手段により前記判定が行われたことに基づいて遊技回用動作(作動口用表示部D1,D2における絵柄の可変表示)が開始され、前記判定の結果に対応した報知結果として当該遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の遊技回用動作が行われるように所定の報知手段(作動口用表示部D1,D2)を制御する遊技回制御手段(主制御装置162のMPU602にて遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応した判定結果となり且つ前記遊技回制御手段による前記遊技回用動作が終了したことに基づいて、遊技状態を所定遊技状態(第1通常遊技状態~第3通常遊技状態)よりも遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させる特別遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な受入状態(開状態)及び当該受入状態よりも遊技球の入球が困難な非受入状態(閉状態)に切替可能な、前記入球部としての可変入球部(可変入賞装置64,65)と、
前記特別遊技状態に移行した場合に、前記可変入球部を受入状態及び非受入状態に切り替える可変入球部用制御手段(主制御装置162のMPU602にて開閉処理を実行する機能)と
を備え、
前記特別遊技状態として、第1特別遊技状態(10R確変大当たり対応の特別遊技状態)と、当該第1特別遊技状態よりも前記可変入球部が受入状態となる期間が短い第2特別遊技状態(2R確変大当たり対応の特別遊技状態)とが設けられており、
前記所定遊技状態として、第1遊技状態(第1通常遊技状態)と、当該第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態(第2通常遊技状態)と、前記第1遊技状態よりも遊技者に有利であり且つ前記第2遊技状態よりも遊技者に不利な第3遊技状態(第3通常遊技状態)とが設けられており、
前記第2遊技状態においては、前記遊技領域における所定の流路(右ルート)へ遊技球を発射している場合に前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応する判定結果となることにより前記第1遊技状態及び前記第3遊技状態と比べて前記第1特別遊技状態へ移行しやすくなっており、
少なくとも前記第2遊技状態中に前記所定の判定情報に対応する判定結果となった連続回数を記憶する連続回数記憶手段(時短用連続回数カウンタ)と、
前記第1遊技状態において第1移行条件が成立した場合(10R確変大当たり当選となった場合)に前記第2遊技状態へ移行させる第1移行手段(主制御装置162のMPU602にて第2遊技状態への移行処理を実行する機能)と、
前記第2遊技状態において前記所定の判定情報に対応する判定結果となり且つ前記連続回数記憶手段に記憶されている連続回数が規定回数(例えば10回)に達した場合に第2移行条件成立とし、前記特別遊技状態の終了に伴って前記第3遊技状態へ移行させる第2移行手段(主制御装置162のMPU602にて第3遊技状態への移行処理を実行する機能)と、
前記第3遊技状態において第3移行条件が成立した場合(確変用リミッタが作動した場合)に前記特別遊技状態の終了に伴って前記第1遊技状態へ移行させる第3移行手段(主制御装置162のMPU602にて第1遊技状態への移行処理を実行する機能)と、
前記第3遊技状態において第4移行条件が成立した場合(確変用リミッタが作動する前に10R確変大当たりAとなった場合)に前記第2遊技状態へ移行させる第4移行手段(主制御装置162のMPU602にて第2遊技状態への移行処理を実行する機能)と
を備え、
前記第3遊技状態における前記第4移行条件の成立は、前記第1遊技状態における前記第1移行条件の成立よりも困難となるように構成されていることを特徴とする遊技機。
【0520】
本特徴に示す構成では、第2遊技状態への移行後は所定の判定情報に対応する判定結果となった連続回数が規定回数に達するまで当該第2遊技状態と第1特別遊技状態とがループすることでまとまった出球を獲得するチャンスとなる。連続回数が規定回数に達した場合には第3遊技状態へ移行し、第3遊技状態にて第3移行条件が成立することで第1遊技状態へ復帰する。第1遊技状態への復帰後は、再び第2遊技状態を目指して遊技が行われることとなる。ここで、第3遊技状態においては第1遊技状態よりも第2遊技状態への移行(復帰)が困難である。このため、第2遊技状態への移行によって第1特別遊技状態への移行が過度に連続することを抑制できる。これは、例えばまとまった出球を創出しつつそれに起因した射幸性の過度の高まり(例えば短時間での過剰な出球)を抑制する上で好ましい。
【0521】
特徴B3.前記第3遊技状態においては、前記第1遊技状態と比べて前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応する判定結果となりやすい構成となっており、且つ前記遊技領域における所定の流路(右ルート)へ遊技球を発射している場合に前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応する判定結果となることにより前記第1遊技状態及び前記第3遊技状態と比べて前記第2特別遊技状態へ移行しやすい構成となっていることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
【0522】
特徴B3によれば、第3遊技状態においては第1遊技状態と比べて所定の判定情報に対応する判定結果となりやすい構成となっており、第3遊技状態における遊技の単調化が抑制されている。但し、第3遊技状態においては所定の判定情報に対応する判定結果となったとしてもその大半が可変入球部の開放期間が相対的に短い第2特別遊技状態へ移行する。つまる、ある程度の出球は期待できるものの、第2遊技状態と比較して持ち球を増やすことは難しくなっている。第2遊技状態から第1遊技状態へ復帰する過程で第3遊技状態を介在させた場合には、第3遊技状態の存在が煩わしいとの印象を遊技者に与えることが懸念されるものの、当該第3遊技状態中は所定の判定情報に対応する判定結果を頻発させて且つ適度な出球を発生させることで上記不都合の発生を好適に抑制できる。
【0523】
特徴B4.前記第3遊技状態へ移行した場合には、前記第1遊技状態と比べて前記可変入球部が前記受入状態となる頻度が高くなることにより、単位時間中に前記遊技球発射手段により発射された遊技球の数に対する前記払出手段により払い出された遊技球の数の割合いが高くなるように構成されている特徴B2又は特徴B3に記載の遊技機。
【0524】
特徴B4によれば、第3遊技状態においては第1遊技状態と比べて可変入球部が受入状態となる頻度が高くなることにより、単位時間中に発射された遊技球の数に対する払い出された遊技球の数の割合い(所謂ベース)が高くなる。つまり、第1遊技状態と比較して持ち球の減りを軽減できる。第2遊技状態から第1遊技状態へ復帰する過程で第3遊技状態を介在させた場合には、第3遊技状態の存在が煩わしいとの印象を遊技者に与えることが懸念されるものの、当該第3遊技状態中は受入状態への切り替えを頻発させる等して適度な出球を発生させることで上記不都合の発生を好適に抑制できる。
【0525】
特徴B5.前記第3遊技状態中に前記第4移行条件を成立させることは、前記第3遊技状態中に前記第3移行条件を成立させるよりも困難となるように構成されていることを特徴とする特徴B2乃至特徴B4のいずれか1つに記載の遊技機。
【0526】
特徴B2等に示したように、第3遊技状態から第2遊技状態への復帰ルートを設けることは遊技の多様化を実現したり第3遊技状態中の遊技への注目度の低下を抑制したりする上で好ましい。しかしながら、当該復帰ルートが頻繁に機能してしまうと特徴B2等に示したようにまとまった出球を発生させつつもそれが射幸性を過剰に煽る要因になることを抑制する際に妨げになると懸念される。そこで、本特徴に示すように第3遊技状態中の第4移行条件の成立が第3遊技状態中の第3移行条件の成立よりも困難となるように差を設けることにより、上述した懸念を好適に緩和できる。
【0527】
特徴B6.前記連続回数記憶手段は第1記憶手段、前記規定回数は第1規定回数であり、
少なくとも前記第3遊技状態中に前記所定の判定情報に対応する判定結果である特定結果(2R確変大当たり結果)となった連続回数を記憶する第2記憶手段(確変用連続回数カウンタ)を備え、
前記第3移行手段は、前記第3遊技状態中に前記判定手段による判定結果が前記特定結果となり且つ前記第2記憶手段に記憶されている連続回数が第2規定回数(例えば40回)となった場合に前記第3移行条件成立とし、前記特別遊技状態の終了に伴って前記第1遊技状態へ移行させる構成となっており、
前記特定結果は、前記第2特別遊技状態への移行契機となっていることを特徴とする特徴B2乃至特徴B5のいずれか1つに記載の遊技機。
【0528】
本特徴に示すように第3遊技状態から第1遊技状態へ移行させるリミッタを併用する構成とすれば、第3遊技状態における滞在期間が極端に短くなるようなばらつきを好適に緩和させることができる。つまり、まとまった出球が発生し得る第2遊技状態からまとまった出球が発生しない第3遊技状態へ移行した後に、当該第3遊技状態が直ちに終了して第1遊技状態へ復帰するといった事象を生じにくくすることができる。このように第3遊技状態をある種の時間稼ぎとして機能させる構成であっても、リミッタ作動までは第2特別遊技状態への移行が繰り返されることにより、持ち球の減りを抑制することができ、第3遊技状態における遊技者の満足度の低下を好適に抑制できる。
【0529】
特徴B7.前記特定結果は、第1特定結果であり、
前記第3遊技状態における前記所定の判定に対応する判定結果として、前記第1特定結果よりも当選確率の低い第2特定結果(10R確変大当たりA)を含み、
前記第4移行手段は、前記第3遊技状態中に前記判定手段による判定結果が前記第2特定結果となった場合に前記第4移行条件成立とし、前記特別遊技状態の終了に伴って前記第2遊技状態へ移行させる構成となっていることを特徴とする特徴B2乃至特徴B6のいずれか1つに記載の遊技機。
【0530】
本特徴に示すように、第3遊技状態中に当選確率が相対的に低い第2特定結果となった場合には1回の当選で第2遊技状態へ移行(復帰)する一方、当選確率が相対的に高い第1特定結果となった場合には規定回数到達まで当該第1特定結果が連続することで第1遊技状態へ移行(降格)する構成とすることにより、第3遊技状態中の遊技の単調化を好適に抑制できる。
【0531】
特徴B8.前記判定手段により前記判定を行う判定モード(抽選モード)として、前記所定の判定情報に対応した判定結果となる確率が相対的に低い低確率モードと前記所定の判定情報に対応した判定結果となる確率が相対的に高い高確率モードとが設けられており、
前記第1遊技状態における前記判定モードは前記低確率モードとなり、前記第2遊技状態及び前記第3遊技状態における前記判定モードは前記高確率モードとなるように構成されていることを特徴とする特徴B2乃至特徴B7のいずれか1つに記載の遊技機。
【0532】
特徴B8によれば、第2遊技状態及び第3遊技状態は何れも高確率モードに対応しているため、所定の判定情報に対応する判定結果となる確率自体は低下しない。このような構成とすれば、遊技進行に伴って所定の判定情報に対応する判定結果となるテンポが第2遊技状態から第3遊技状態への移行を契機として遅くなることを抑制できる。故に、第3遊技状態を経由して第1遊技状態へ移行させる構成において遊技を無駄に遅延させているかのような印象を遊技者に与えにくくすることができる。
【0533】
因みに、第3遊技状態においては単に遊技回の実行期間を長期化させる構成とすることでも第1遊技状態への復帰を遅延させる(時間稼ぎを行う)ことも可能である。しかし名たが、このような構成では実質的い遊技への積極的な参加が不要となるため、結果として遊技への注目度が低下し、稼働率の向上の妨げになると想定される。
【0534】
なお、特徴B3~特徴B8に示した各技術的思想を上記特徴B1に適用してもよい。
【0535】
また、特徴B1~特徴B8に示した各技術的思想を上記特徴A群に適用してもよい。
【0536】
<特徴C群>
以下の特徴C群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、遊技への注目度を向上させる上で、その構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
【0537】
特徴C1.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤60)と、
遊技者の操作に基づいて前記遊技領域へ遊技球を発射可能な遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技領域に設けられた入球部(一般入賞口61、作動入球部62,63、可変入賞装置64,65)への入球に基づいて遊技球(賞球)を払い出す払出手段(払出装置222)と
を備えている遊技機であって、
前記入球部としての始動入球部(作動入球部62,63)への入球が発生した場合に特別情報(保留情報)を取得する特別情報取得手段(主制御装置162のMPU602にて保留情報を取得する処理を実行する機能)と、
前記特別情報取得手段により取得された特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のRAM604における保留球格納エリア632)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば確変大当たり用の乱数群)と対応しているか否かの判定を行う判定手段(主制御装置162のMPU602において抽選用の処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定に先立って又は前記判定手段により前記判定が行われたことに基づいて遊技回用動作(作動口用表示部D1,D2における絵柄の可変表示)が開始され、前記判定の結果に対応した報知結果として当該遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の遊技回用動作が行われるように所定の報知手段(作動口用表示部D1,D2)を制御する遊技回制御手段(主制御装置162のMPU602にて遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応した判定結果となり且つ前記遊技回制御手段による前記遊技回用動作が終了したことに基づいて、遊技状態を所定遊技状態(例えば第1通常遊技状態~第3通常遊技状態)よりも遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させる特別遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な受入状態(開状態)及び当該受入状態よりも遊技球の入球が困難な非受入状態(閉状態)に切替可能な、前記入球部としての可変入球部(可変入賞装置64,65)と、
前記特別遊技状態に移行した場合に、前記可変入球部を受入状態及び非受入状態に切り替える可変入球部用制御手段(主制御装置162のMPU602にて開閉処理を実行する機能)と
を備え、
前記所定遊技状態として、第1遊技状態(第1通常遊技状態)と、当該第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態(第2通常遊技状態)と、前記第1遊技状態よりも遊技者に有利であり且つ前記第2遊技状態よりも遊技者に不利な第3遊技状態(第3通常遊技状態)とが設けられており、
前記第1遊技状態において第1移行条件が成立した場合(10R確変大当たりAに当選した場合)に前記特別遊技状態の終了に伴って前記第2遊技状態へ移行させる第1移行手段(主制御装置162のMPU602にて第2遊技状態への移行処理を実行する機能)と、
前記第2遊技状態において第2移行条件が成立した場合(時短用リミッタが作動した場合)に前記特別遊技状態の終了に伴って前記第3遊技状態へ移行させる第2移行手段(主制御装置162のMPU602にて第3遊技状態への移行処理を実行する機能)と、
前記第3遊技状態において第3移行条件が成立した場合(確変用リミッタが作動した場合)に前記特別遊技状態の終了に伴って前記第1遊技状態へ移行させる第3移行手段(主制御装置162のMPU602にて第1遊技状態への移行処理を実行する機能)と
を備え、
前記第1移行手段、前記第2移行手段及び前記第3移行手段により前記第1遊技状態から前記第2遊技状態及び前記第3遊技状態の順に移行し前記第1遊技状態へ復帰する場合に、前記遊技領域における所定のルート(右ルート)へ向けた遊技球の発射が継続的に実行されている状況下にて前記第2遊技状態から前記第3遊技状態を経由して前記第1遊技状態へ移行するまでの平均所要期間(30分)は、前記所定のルートへ向けた遊技球の発射が継続的に実行されている状況下にて前記第1遊技状態から前記第2遊技状態を経由して前記第3遊技状態へ移行するまでの平均所要期間(30分)以上となるように構成されていることを特徴とする遊技機。
【0538】
本特徴に示す構成によれば、第1遊技状態→第2遊技状態→第3遊技状態→第1遊技状態の順に遊技状態が変化する。遊技者の有利度については第1遊技状態<第3遊技状態<第2遊技状態の関係となっており、有利度の変化によって遊技の単調化が抑制されている。
ここで、第2遊技状態から第3遊技状態に移行した直後に第1遊技状態へ直ちに復帰した場合には、短いスパンで第2遊技状態に再移行(再昇格)する可能性が高くなる。このような事象が発生することは過剰な出球の要因になり得る。第2遊技状態における有利度を低くすれば過剰な出球を抑えることはできるものの、第1遊技状態~第3遊技状態の有利度の差が小さくなることで遊技のメリハリが低下すると想定される。これは、遊技の単調化を抑制して遊技への注目度の向上を図る上で大きな制約になると懸念される。この点、本特徴に示すように、所定のルートへの遊技球の発射が継続的に(中断されることなく連続して)行われている状況下において第2遊技状態から第3遊技状態を経由して第1遊技状態へ移行する場合の平均所要期間を、同様の状況下において第1遊技状態から第2遊技状態を経由して第3遊技状態へ移行する場合の平均所要期間以上とし第2遊技状態に復帰するまでのインターバルを稼ぐことにより、短時間での出球が過剰になることを抑制できる。これは、第2遊技状態の有利度に係る制約を緩和して遊技のメリハリを強化する(まとまった出球を創出する)上で好ましい。以上の理由から、上記構成によれば遊技への注目度を好適に向上させることが可能となる。
【0539】
なお、本特徴に示す「前記所定遊技状態として、第1遊技状態(第1通常遊技状態)と、当該第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態(第2通常遊技状態)と、前記第1遊技状態よりも遊技者に有利であり且つ前記第2遊技状態よりも遊技者に不利な第3遊技状態(第3通常遊技状態)とが設けられており」との記載を、「前記所定遊技状態として、第1遊技状態(第1通常遊技状態)と、前記遊技領域における所定の流路へ向けた遊技球の発射が継続されている場合に単位時間あたりに前記遊技球発射手段により発射された遊技球の数に対する前記払出手段により払い出された遊技球の数の割合いが前記第1遊技状態よりも大きくなるように設定された第2遊技状態(第2通常遊技状態)と、前記遊技領域における所定の流路へ向けた遊技球の発射が継続されている場合に単位時間あたりに前記遊技球発射手段により発射された遊技球の数に対する前記払出手段により払い出された遊技球の数の割合いが前記第1遊技状態よりも大きく且つ前記第2遊技状態よりも小さくなるように設定された第3遊技状態(第3通常遊技状態)とが設けられており」との記載に変更してもよい。
【0540】
特徴C2.少なくとも前記第3遊技状態中に前記所定の判定情報に対応する判定結果である特定結果(2R確変大当たり結果)となった連続回数を記憶する回数記憶手段(確変用連続回数カウンタ)を備え、
前記第3移行手段は、前記第3遊技状態中に前記判定手段による判定結果が前記特定結果となり且つ前記回数記憶手段に記憶されている連続回数が所定回数(例えば40回)となった場合に前記第3移行条件成立とし、前記特別遊技状態の終了に伴って前記第1遊技状態へ移行させる構成となっていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
【0541】
第3遊技状態へ移行した後は特定結果となった連続回数が所定回数に達するまで第3遊技状態に滞在させることにより、第3遊技状態~特別遊技状態のループ区間の滞在期間(所要期間)が極端に短くなるようなばらつきを軽減し、特徴C1に示した遅延効果を好適に発揮させることができる。また、特定結果については特別遊技状態への移行契機となっているため、当該ループ区間中は第3遊技状態と特別遊技状態とを行き来することになる。これは、遊技進行が単調になることを抑制する上で好ましい。
【0542】
特徴C3.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤60)と、
遊技者の操作に基づいて前記遊技領域へ遊技球を発射可能な遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技領域に設けられた入球部(一般入賞口61、作動入球部62,63、可変入賞装置64,65)への入球に基づいて遊技球(賞球)を払い出す払出手段(払出装置222)と
を備えている遊技機であって、
前記入球部としての始動入球部(作動入球部62,63)への入球が発生した場合に特別情報(保留情報)を取得する特別情報取得手段(主制御装置162のMPU602にて保留情報を取得する処理を実行する機能)と、
前記特別情報取得手段により取得された特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のRAM604における保留球格納エリア632)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば大当たり用の乱数群)と対応しているか否かの判定を行う判定手段(主制御装置162のMPU602において抽選用の処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定に先立って又は前記判定手段により前記判定が行われたことに基づいて遊技回用動作(作動口用表示部D1,D2における絵柄の可変表示)が開始され、前記判定の結果に対応した報知結果として当該遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の遊技回用動作が行われるように所定の報知手段(作動口用表示部D1,D2)を制御する遊技回制御手段(主制御装置162のMPU602にて遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応した判定結果となり且つ前記遊技回制御手段による前記遊技回用動作が終了したことに基づいて、遊技状態を所定遊技状態(例えば第1通常遊技状態~第3通常遊技状態)よりも遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させる特別遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な受入状態(開状態)及び当該受入状態よりも遊技球の入球が困難な非受入状態(閉状態)に切替可能な、前記入球部としての可変入球部(可変入賞装置64,65)と、
前記特別遊技状態に移行した場合に、前記可変入球部を受入状態及び非受入状態に切り替える可変入球部用制御手段(主制御装置162のMPU602にて開閉処理を実行する機能)と
を備え、
前記特別遊技状態として、第1特別遊技状態(10R確変大当たり対応の特別遊技状態)と、当該第1特別遊技状態よりも前記可変入球部が受入状態となる期間が短い第2特別遊技状態(2R確変大当たり対応の特別遊技状態)とが設けられており、
前記所定遊技状態として、第1遊技状態(第1通常遊技状態)と、当該第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態(第2通常遊技状態)と、前記第1遊技状態よりも遊技者に有利であり且つ前記第2遊技状態よりも遊技者に不利な第3遊技状態(第3通常遊技状態)とが設けられており、
前記第2遊技状態においては、前記遊技領域における所定の流路(右ルート)へ遊技球を発射している場合に前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応する判定結果となることにより前記第1遊技状態及び前記第3遊技状態と比べて前記第1特別遊技状態へ移行しやすくなっており、
少なくとも前記第2遊技状態中に前記所定の判定情報に対応する判定結果となった連続回数を記憶する連続回数記憶手段(時短用連続回数カウンタ)と、
前記第1遊技状態において第1移行条件が成立した場合(10R確変大当たり当選となった場合)に前記第2遊技状態へ移行させる第1移行手段(主制御装置162のMPU602にて第2遊技状態への移行処理を実行する機能)と、
前記第2遊技状態において前記所定の判定情報に対応する判定結果となり且つ前記連続回数記憶手段に記憶されている連続回数が規定回数(例えば10回)に達した場合に第2移行条件成立とし、前記特別遊技状態の終了に伴って前記第3遊技状態へ移行させる第2移行手段(主制御装置162のMPU602にて第3遊技状態への移行処理を実行する機能)と、
前記第3遊技状態において第3移行条件が成立した場合(確変用リミッタが作動した場合)に前記特別遊技状態の終了に伴って前記第1遊技状態へ移行させる第3移行手段(主制御装置162のMPU602にて第1遊技状態への移行処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1移行手段、前記第2移行手段及び前記第3移行手段により前記第1遊技状態から前記第2遊技状態及び前記第3遊技状態の順に移行し前記第1遊技状態へ復帰する場合に、前記遊技領域における所定のルート(右ルート)へ向けた遊技球の発射が継続的に実行されている状況下にて前記第2遊技状態から前記第3遊技状態を経由して前記第1遊技状態へ移行するまでの平均所要期間(30分)は、前記所定のルートへ向けた遊技球の発射が継続的に実行されている状況下にて前記第1遊技状態から前記第2遊技状態を経由して前記第3遊技状態へ移行するまでの平均所要期間(30分)以上となるように構成されていることを特徴とする遊技機。
【0543】
本特徴に示す構成によれば、第1遊技状態→第2遊技状態→第3遊技状態→第1遊技状態の順に遊技状態が変化する。遊技者の有利度については第1遊技状態<第3遊技状態<第2遊技状態の関係となっており、有利度の変化によって遊技の単調化が抑制されている。特に第2遊技状態にて所定の判定情報に対応する判定結果(大当たり)となった場合には相対的に有利な第1特別遊技状態へ移行し、その回数が規定回数に達するまで第2遊技状態と特別遊技状態とがループする。これにより第2遊技状態へ移行することでまとまった出球が期待できることとなる。これに対して、第3遊技状態においては所定の判定情報に対応する判定結果となった場合には相対的に不利な第2特別遊技状態へ移行し、第2遊技状態と比べて出球の期待は低くなる。
【0544】
ここで、第2遊技状態から第3遊技状態に移行した直後に第1遊技状態へ直ちに復帰した場合には、短いスパンで第2遊技状態に再移行(再昇格)する可能性が高くなる。このような事象が発生することは過剰な出球の要因になり得る。第2遊技状態における有利度を低くすれば過剰な出球を抑えることはできるものの、第1遊技状態~第3遊技状態の有利度の差が小さくなることで遊技のメリハリが低下すると想定される。これは、遊技の単調化を抑制して遊技への注目度の向上を図る上で大きな制約になると懸念される。この点、本特徴に示すように、所定のルートへの遊技球の発射が継続的に(中断されることなく連続して)行われている状況下において第2遊技状態から第3遊技状態を経由して第1遊技状態へ移行する場合の平均所要期間を、同様の状況下において第1遊技状態から第2遊技状態を経由して第3遊技状態へ移行する場合の平均所要期間以上とし第2遊技状態に復帰するまでのインターバルを稼ぐことにより、短時間での出球が過剰になることを抑制できる。これは、第2遊技状態の有利度に係る制約を緩和して遊技のメリハリを強化する(まとまった出球を創出する)上で好ましい。以上の理由から、上記構成によれば遊技への注目度を好適に向上させることが可能となる。
【0545】
特徴C4.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤60)と、
遊技者の操作に基づいて前記遊技領域へ遊技球を発射可能な遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技領域に設けられた入球部(一般入賞口61、作動入球部62,63、可変入賞装置64,65)への入球に基づいて遊技球(賞球)を払い出す払出手段(払出装置222)と
を備えている遊技機であって、
前記入球部としての始動入球部(作動入球部62,63)への入球が発生した場合に特別情報(保留情報)を取得する特別情報取得手段(主制御装置162のMPU602にて保留情報を取得する処理を実行する機能)と、
前記特別情報取得手段により取得された特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のRAM604における保留球格納エリア632)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば大当たり用の乱数群)と対応しているか否かの判定を行う判定手段(主制御装置162のMPU602において抽選用の処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定に先立って又は前記判定手段により前記判定が行われたことに基づいて遊技回用動作(作動口用表示部D1,D2における絵柄の可変表示)が開始され、前記判定の結果に対応した報知結果として当該遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の遊技回用動作が行われるように所定の報知手段(作動口用表示部D1,D2)を制御する遊技回制御手段(主制御装置162のMPU602にて遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応した判定結果となり且つ前記遊技回制御手段による前記遊技回用動作が終了したことに基づいて、遊技状態を所定遊技状態(例えば第1通常遊技状態~第3通常遊技状態)よりも遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させる特別遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な受入状態(開状態)及び当該受入状態よりも遊技球の入球が困難な非受入状態(閉状態)に切替可能な、前記入球部としての可変入球部(可変入賞装置64,65)と、
前記特別遊技状態に移行した場合に、前記可変入球部を受入状態及び非受入状態に切り替える可変入球部用制御手段(主制御装置162のMPU602にて開閉処理を実行する機能)と
を備え、
前記特別遊技状態として、第1特別遊技状態(10R確変大当たり対応の特別遊技状態)と、当該第1特別遊技状態よりも前記可変入球部が受入状態となる期間が短い第2特別遊技状態(2R確変大当たり対応の特別遊技状態)とが設けられており、
前記所定遊技状態として、第1遊技状態(第1通常遊技状態)と、当該第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態(第2通常遊技状態)と、前記第1遊技状態よりも遊技者に有利であり且つ前記第2遊技状態よりも遊技者に不利な第3遊技状態(第3通常遊技状態)とが設けられており、
前記第2遊技状態においては、前記遊技領域における所定の流路(右ルート)へ遊技球を発射している場合に前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応する判定結果となることにより前記第1遊技状態及び前記第3遊技状態と比べて前記第1特別遊技状態へ移行しやすくなっており、
少なくとも前記第2遊技状態中に前記所定の判定情報に対応する判定結果となった連続回数を記憶する連続回数記憶手段(時短用連続回数カウンタ)と、
前記第1遊技状態において第1移行条件が成立した場合(10R確変大当たり当選となった場合)に前記第2遊技状態へ移行させる第1移行手段(主制御装置162のMPU602にて第2遊技状態への移行処理を実行する機能)と、
前記第2遊技状態において前記所定の判定情報に対応する判定結果となり且つ前記連続回数記憶手段に記憶されている連続回数が規定回数(例えば10回)に達した場合に第2移行条件成立とし、前記特別遊技状態の終了に伴って前記第3遊技状態へ移行させる第2移行手段(主制御装置162のMPU602にて第3遊技状態への移行処理を実行する機能)と、
前記第3遊技状態において第3移行条件が成立した場合(確変用リミッタが作動した場合)に前記特別遊技状態の終了に伴って前記第1遊技状態へ移行させる第3移行手段(主制御装置162のMPU602にて第1遊技状態への移行処理を実行する機能)と、
前記第3遊技状態において第4移行条件が成立した場合(確変用リミッタが作動する前に10R確変大当たりAとなった場合)に前記第2遊技状態へ移行させる第4移行手段(主制御装置162のMPU602にて第2遊技状態への移行処理を実行する機能)と
を備え、
前記第1移行手段、前記第2移行手段、前記第3移行手段及び前記第4移行手段により前記第1遊技状態から前記第2遊技状態及び前記第3遊技状態の順に移行し当該第3遊技状態から前記第1遊技状態及び前記第2遊技状態のいずれかへ移行する場合に、前記遊技領域における所定のルート(右ルート)へ向けた遊技球の発射が継続的に実行されている状況下にて前記第2遊技状態から前記第3遊技状態を経由して前記第1遊技状態及び前記第2遊技状態の何れかへ移行するまでの平均所要期間(30分)は、前記所定のルートへ向けた遊技球の発射が継続的に実行されている状況下にて前記第1遊技状態から前記第2遊技状態を経由して前記第3遊技状態へ移行するまでの平均所要期間(30分)以上となるように構成されていることを特徴とする遊技機。
【0546】
本特徴に示す構成によれば、第1遊技状態→第2遊技状態→第3遊技状態→第1遊技状態又は第2遊技状態の順に遊技状態が変化する。遊技者の有利度については第1遊技状態<第3遊技状態<第2遊技状態の関係となっており、有利度の変化によって遊技の単調化が抑制されている。特に第2遊技状態にて所定の判定情報に対応する判定結果(大当たり)となった場合には相対的に有利な第1特別遊技状態へ移行し、その回数が規定回数に達するまで第2遊技状態と特別遊技状態とがループする。これにより第2遊技状態へ移行することでまとまった出球が期待できることとなる。これに対して、第3遊技状態においては所定の判定情報に対応する判定結果となった場合には相対的に不利な第2特別遊技状態へ移行し、第2遊技状態と比べて出球の期待は低くなる。
【0547】
ここで、第2遊技状態から第3遊技状態に移行した直後に第1遊技状態へ直ちに復帰した場合には、短いスパンで第2遊技状態に再移行(再昇格)する可能性が高くなる。このような事象が発生することは過剰な出球の要因になり得る。第2遊技状態における有利度を低くすれば過剰な出球を抑えることはできるものの、第1遊技状態~第3遊技状態の有利度の差が小さくなることで遊技のメリハリが低下すると想定される。これは、遊技の単調化を抑制して遊技への注目度の向上を図る上で大きな制約になると懸念される。この点、本特徴に示すように、所定のルートへの遊技球の発射が継続的に(中断されることなく連続して)行われている状況下において第2遊技状態から第3遊技状態を経由して第1遊技状態へ移行する場合の平均所要期間を、同様の状況下において第1遊技状態から第2遊技状態を経由して第3遊技状態へ移行する場合の平均所要期間以上とし第2遊技状態に復帰するまでのインターバルを稼ぐことにより、短時間での出球が過剰になることを抑制できる。これは、第2遊技状態の有利度に係る制約を緩和して遊技のメリハリを強化する(まとまった出球を創出する)上で好ましい。以上の理由から、上記構成によれば遊技への注目度を好適に向上させることが可能となる。
【0548】
特徴C5.前記第3遊技状態中に前記第4移行条件を成立させることは、前記第3遊技状態中に前記第3移行条件を成立させるよりも困難となるように構成されていることを特徴とする特徴C4に記載の遊技機。
【0549】
特徴C4に示したように、第3遊技状態から第2遊技状態への復帰ルートを設けることは遊技の多様化を実現したり第3遊技状態中の遊技への注目度の低下を抑制したりする上で好ましい。しかしながら、当該復帰ルートが頻繁に機能してしまうと特徴C4等に示した効果(まとまった出球を発生させつつもそれが射幸性を過剰に煽る要因になることを抑制する効果)を発揮させる上で妨げになると懸念される。そこで、本特徴に示すように第3遊技状態中の第4移行条件の成立が第3遊技状態中の第3移行条件の成立よりも困難となるように差を設けることにより、上述した懸念を好適に緩和できる。
【0550】
特徴C6.前記遊技回制御手段は、前記第3遊技状態中に前記第4移行条件成立となる遊技回の遊技回用動作の動作期間が、前記第3遊技状態中に前記第3移行条件成立となる遊技回の遊技回用動作の動作期間よりも長くなるようにしてそれら動作期間を設定する構成となっていることを特徴とする特徴C5に記載の遊技機。
【0551】
特徴C6に示すように第3遊技状態から第2遊技状態へ復帰する場合の遊技回用動作の動作期間を第3遊技状態から第1遊技状態へ復帰する場合の遊技回用動作の動作期間よりも長くすることにより、上記復帰ルートが機能する際に第2遊技状態間(大量出球間)のインターバルが過度に短くなることを好適に抑制できる。
【0552】
特徴C7.前記遊技回制御手段は、前記第3遊技状態中に前記第3移行条件成立となる遊技回の遊技回用動作の動作期間が、前記第3遊技状態中に前記第3移行条件不成立となる遊技回の遊技回用動作の動作期間よりも長くなるようにしてそれら動作期間を設定する構成となっていることを特徴とする特徴C5又は特徴C6に記載の遊技機。
【0553】
特徴C7に示すように、第3遊技状態中に第3移行条件不成立となる遊技回の遊技回用動作の動作期間を短くすることにより、第3遊技状態において遊技回を速やかに進行させることが可能となる。これは、第3遊技状態における遊技の間延びを抑制して、遊技の爽快感の低下を抑制する上で好ましい。
【0554】
特徴C8.前記連続回数記憶手段は第1記憶手段、前記規定回数は第1規定回数であり、
少なくとも前記第3遊技状態中に前記所定の判定情報に対応する判定結果である特定結果(2R確変大当たり結果)となった連続回数を記憶する第2記憶手段(確変用連続回数カウンタ)を備え、
前記第3移行手段は、前記第3遊技状態中に前記判定手段による判定結果が前記特定結果となり且つ前記第2記憶手段に記憶されている連続回数が第2規定回数(例えば40回)となった場合に前記第3移行条件成立とし、前記特別遊技状態の終了に伴って前記第1遊技状態へ移行させる構成となっていることを特徴とする特徴C3乃至特徴C7のいずれか1つに記載の遊技機。
【0555】
本特徴に示すように第3遊技状態から第1遊技状態へ移行させるリミッタを併用する構成とすれば、第3遊技状態における滞在期間が極端に短くなるようなばらつきを好適に緩和させることができる。つまり、まとまった出球が発生し得る第2遊技状態からまとまった出球が発生しない第3遊技状態へ移行した後に、当該第3遊技状態が直ちに終了して第1遊技状態へ復帰するといった事象を生じにくくすることができる。
【0556】
特徴C9.前記特定結果は、前記第2特別遊技状態への移行契機となっていることを特徴とする特徴C8に記載の遊技機。
【0557】
特徴C3等に示したように第3遊技状態をある種の時間稼ぎとして機能させる構成であっても、リミッタ作動まで第2特別遊技状態への移行が繰り返されることにより持ち球の減りを抑えることができる。これは、第3遊技状態の存在が遊技者の満足度を低下させる要因になることを抑制する上で好ましい。
【0558】
特徴C10.前記第2規定回数(例えば40回)は、前記第1規定回数(例えば10回)よりも多くなっており、
前記遊技回制御手段は、前記第3遊技状態において少なくとも前記第1遊技状態及び前記第3遊技状態への移行契機となる遊技回以外の遊技回における遊技回動作の動作期間が、前記第2遊技状態における各遊技回の遊技回動作の動作期間よりも短くなるようにそれら動作期間を設定する構成となっていることを特徴とする特徴C8又は特徴C9に記載の遊技機。
【0559】
特徴C10によれば、第3遊技状態においては第2遊技状態と比べて遊技回が速やかに進行することとなる。これにより、第3遊技状態が遊技を無駄に遅延させているような印象を与えにくくすることができる。
【0560】
特徴C11.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤60)と、
遊技者の操作に基づいて前記遊技領域へ遊技球を発射可能な遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技領域に設けられた入球部(一般入賞口61、作動入球部62,63、可変入賞装置64,65)への入球に基づいて遊技球(賞球)を払い出す払出手段(払出装置222)と
を備えている遊技機であって、
前記入球部としての始動入球部(作動入球部62,63)への入球が発生した場合に特別情報(保留情報)を取得する特別情報取得手段(主制御装置162のMPU602にて保留情報を取得する処理を実行する機能)と、
前記特別情報取得手段により取得された特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のRAM604における保留球格納エリア632)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば大当たり用の乱数群)と対応しているか否かの判定を行う判定手段(主制御装置162のMPU602において抽選用の処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定に先立って又は前記判定手段により前記判定が行われたことに基づいて遊技回用動作(作動口用表示部D1,D2における絵柄の可変表示)が開始され、前記判定の結果に対応した報知結果として当該遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の遊技回用動作が行われるように所定の報知手段(作動口用表示部D1,D2)を制御する遊技回制御手段(主制御装置162のMPU602にて遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応した判定結果となり且つ前記遊技回制御手段による前記遊技回用動作が終了したことに基づいて、遊技状態を所定遊技状態(例えば第1通常遊技状態~第3通常遊技状態)よりも遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させる特別遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な受入状態(開状態)及び当該受入状態よりも遊技球の入球が困難な非受入状態(閉状態)に切替可能な、前記入球部としての可変入球部(可変入賞装置64,65)と、
前記特別遊技状態に移行した場合に、前記可変入球部を受入状態及び非受入状態に切り替える可変入球部用制御手段(主制御装置162のMPU602にて開閉処理を実行する機能)と、
前記始動入球部へ遊技球が入球可能な受入状態(開状態)及び当該受入状態よりも遊技球の入球が困難な非受入状態(閉状態)に切替可能な可変機構(電動役物71)と、
前記可変機構を制御する可変機構用制御手段(主制御装置162のMPU602にて電役サポート処理を実行する機能)と
を備え、
前記特別遊技状態として、第1特別遊技状態(10R確変大当たり対応の特別遊技状態)と、当該第1特別遊技状態よりも前記可変入球部が受入状態となる期間が短い第2特別遊技状態(2R確変大当たり対応の特別遊技状態)とが設けられており、
前記可変機構用制御手段による前記可変機構の切替制御モード(サポートモード)として、第1切替モード(低頻度サポートモード)と、当該第1切替モードよりも前記可変機構が受入状態である期間が長くなる第2切替モード(高頻度サポートモード)とが設けられており、
前記判定手段により前記判定を行う判定モード(抽選モード)として、前記所定の判定情報に対応した判定結果となる確率が相対的に低い低確率モードと前記所定の判定情報に対応した判定結果となる確率が相対的に高い高確率モードとが設けられており、
前記所定遊技状態として、前記第1切替モード且つ前記低確率モードに対応した第1遊技状態(第1通常遊技状態)と、前記第2切替モード且つ前記高確率モードに対応した第2遊技状態(第2通常遊技状態)と、前記第1切替モード且つ前記高確率モードに対応した第3遊技状態(第4通常遊技状態)とが設けられており、
前記第2遊技状態においては前記遊技領域における所定の流路(右ルート)へ遊技球を発射している場合に前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応する判定結果となることにより前記第1遊技状態及び前記第3遊技状態と比べて前記第1特別遊技状態へ移行しやすく、前記第3遊技状態においては前記遊技領域における所定の流路(右ルート)へ遊技球を発射している場合に前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応する判定結果となることにより前記第2遊技状態と比べて前記第2特別遊技状態へ移行しやすくなっており、
前記第2遊技状態中に前記所定の判定情報に対応する判定結果である第1特定結果となった連続回数を記憶する第1記憶手段(時短用連続回数カウンタ)と、
少なくとも前記第3遊技状態中に前記所定の判定情報に対応する判定結果である第2特定結果となった連続回数を記憶する第2記憶手段(確変用連続回数カウンタ)と、
前記第1遊技状態において第1移行条件が成立した場合(10R確変大当たり当選となった場合)に前記第2遊技状態へ移行させる第1移行手段(主制御装置162のMPU602にて第2遊技状態への移行処理を実行する機能)と、
前記第2遊技状態において前記第1特定結果となり且つ前記第1記憶手段に記憶されている連続回数が第1規定回数(例えば10回)に達した場合に第2移行条件成立とし、前記特別遊技状態の終了に伴って前記第3遊技状態へ移行させる第2移行手段(主制御装置162のMPU602にて第3遊技状態への移行処理を実行する機能)と、
前記第3遊技状態において前記第2特定結果となり且つ前記第2記憶手段に記憶されている連続回数が第2規定回数(例えば40回)に達した場合に第3移行条件成立とし、前記特別遊技状態の終了に伴って前記第1遊技状態へ移行させる一方、前記第3遊技状態において前記第2特定結果となり且つ前記第2記憶手段に記憶されている連続回数が前記第2規定回数(例えば40回)に達していない場合に、前記特別遊技状態の終了に伴って前記第3遊技状態へ移行させる第3移行手段(主制御装置162のMPU602にて第1遊技状態又は第3遊技状態への移行処理を実行する機能)と、
前記第3遊技状態において第4移行条件が成立した場合(確変用リミッタが作動する前に10R確変大当たりAとなった場合)に前記第2遊技状態へ移行させる第4移行手段(主制御装置162のMPU602にて第2遊技状態への移行処理を実行する機能)と
を備え、
前記第3遊技状態における前記第4移行条件の成立は、前記第1遊技状態における前記第1移行条件の成立及び前記第3遊技状態における前記第3移行条件の成立よりも困難となるように構成されており、
前記第1移行手段、前記第2移行手段及び前記第3移行手段により前記第1遊技状態から前記第2遊技状態及び前記第3遊技状態の順に移行し当該第3遊技状態から前記第1遊技状態へ移行する場合に、前記遊技領域における所定のルート(右ルート)へ向けた遊技球の発射が継続的に実行されている状況下にて前記第2遊技状態から前記第3遊技状態を経由して前記第1遊技状態へ移行するまでの平均所要期間(30分)は、前記所定のルートへ向けた遊技球の発射が継続的に実行されている状況下にて前記第1遊技状態から前記第2遊技状態を経由して前記第3遊技状態へ移行するまでの平均所要期間(30分)以上となるように構成されていることを特徴とする遊技機。
【0561】
本特徴に示す構成によれば、低確率モード且つ第1切替モード対応の第1遊技状態→高確率モード且つ第2切替モード対応の第2遊技状態→高確率モード且つ第1切替モード対応の第3遊技状態→第1遊技状態又は第2遊技状態の順に遊技状態が変化し、有利度の変化によって遊技の単調化が抑制されている。特に第2遊技状態にて所定の判定情報に対応する判定結果(大当たり)となった場合には相対的に有利な第1特別遊技状態へ移行し、その回数が規定回数に達するまで第2遊技状態と特別遊技状態とがループする。これにより第2遊技状態へ移行することでまとまった出球が期待できることとなる。これに対して、第3遊技状態においては所定の判定情報に対応する判定結果となった場合には相対的に不利な第2特別遊技状態へ移行し第3遊技状態と特別遊技状態とがループするものの、第2遊技状態中と比べて出球の期待は低くなる。
【0562】
ここで、第2遊技状態から第3遊技状態に移行した直後に第1遊技状態へ直ちに復帰した場合には、短いスパンで第2遊技状態に再移行(再昇格)する可能性が高くなる。このような事象が発生することは過剰な出球の要因になり得る。第2遊技状態における有利度を低くすれば過剰な出球を抑えることはできるものの、第1遊技状態~第3遊技状態の有利度の差が小さくなることで遊技のメリハリが低下すると想定される。これは、遊技の単調化を抑制して遊技への注目度の向上を図る上で大きな制約になると懸念される。この点、本特徴に示すように、所定のルートへの遊技球の発射が継続的に(中断されることなく連続して)行われている状況下において第2遊技状態から第3遊技状態を経由して第1遊技状態へ移行する場合の平均所要期間を、同様の状況下において第1遊技状態から第2遊技状態を経由して第3遊技状態へ移行する場合の平均所要期間以上とし第2遊技状態に復帰するまでのインターバルを稼ぐことにより、短時間での出球が過剰になることを抑制できる。これは、第2遊技状態の有利度に係る制約を緩和して遊技のメリハリを強化する(まとまった出球を創出する)上で好ましい。以上の理由から、上記構成によれば遊技への注目度を好適に向上させることが可能となる。
【0563】
なお、特徴C2~特徴C10に示した各技術的思想を上記特徴C11に適用してもよい。
【0564】
また、特徴C1~特徴C11に示した各技術的思想を上記特徴A群~特徴B群に適用してもよい。
【0565】
<特徴D群>
以下の特徴D群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、遊技への注目度を向上させる上で、その構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
【0566】
特徴D1.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤60)と、
遊技者の操作に基づいて前記遊技領域へ遊技球を発射可能な遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技領域に設けられた入球部(一般入賞口61、作動入球部62,63、可変入賞装置64,65)への入球に基づいて遊技球(賞球)を払い出す払出手段(払出装置222)と
を備えている遊技機であって、
前記入球部としての始動入球部(作動入球部62,63)への入球が発生した場合に特別情報(保留情報)を取得する特別情報取得手段(主制御装置162のMPU602にて保留情報を取得する処理を実行する機能)と、
前記特別情報取得手段により取得された特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のRAM604における保留球格納エリア632)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば大当たり用の乱数群)と対応しているか否かの判定を行う判定手段(主制御装置162のMPU602において抽選用の処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定に先立って又は前記判定手段により前記判定が行われたことに基づいて遊技回用動作(作動口用表示部D1,D2における絵柄の可変表示)が開始され、前記判定の結果に対応した報知結果として当該遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の遊技回用動作が行われるように所定の報知手段(作動口用表示部D1,D2)を制御する遊技回制御手段(主制御装置162のMPU602にて遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応した判定結果となり且つ前記遊技回制御手段による前記遊技回用動作が終了したことに基づいて、遊技状態を所定遊技状態(例えば第1通常遊技状態~第3通常遊技状態)よりも遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させる特別遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な受入状態(開状態)及び当該受入状態よりも遊技球の入球が困難な非受入状態(閉状態)に切替可能な、前記入球部としての可変入球部(可変入賞装置64,65)と、
前記特別遊技状態に移行した場合に、前記可変入球部を受入状態及び非受入状態に切り替える可変入球部用制御手段(主制御装置162のMPU602にて開閉処理を実行する機能)と
を備え、
前記所定遊技状態として、第1遊技状態(第1通常遊技状態)と、当該第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態(第2通常遊技状態)と、前記第1遊技状態よりも遊技者に有利であり且つ前記第2遊技状態よりも遊技者に不利な第3遊技状態(第3通常遊技状態)とが設けられており、
前記第1遊技状態において第1移行条件が成立した場合(10R確変大当たりAに当選した場合)に、前記特別遊技状態の終了に伴って前記第2遊技状態へ移行させる第1移行手段(主制御装置162のMPU602にて第1通常遊技状態から第2通常遊技状態への移行処理を実行する機能)と、
前記第1遊技状態において第2移行条件が成立した場合(2R確変大当たりに当選した場合)に、前記特別遊技状態の終了に伴って前記第3遊技状態へ移行させる第2移行手段(主制御装置162のMPU602にて第1通常遊技状態から第3通常遊技状態への移行処理を実行する機能)と、
前記第2遊技状態において第3移行条件が成立した場合(時短用リミッタが作動した場合)に、前記特別遊技状態の終了に伴って前記第3遊技状態へ移行させる第3移行手段(主制御装置162のMPU602にて第2通常遊技状態から第3通常遊技状態への移行処理を実行する機能)と、
前記第3遊技状態において第4移行条件が成立した場合(10R確変大当たりAに当選した場合)に、前記特別遊技状態の終了に伴って前記第2遊技状態へ移行させる第4移行手段(主制御装置162のMPU602にて第3通常遊技状態から第2通常遊技状態への移行処理を実行する機能)と
を備え、
前記第2移行手段により前記第1遊技状態から前記第3遊技状態へ前記第2遊技状態を経由することなく移行した場合よりも、前記第1移行手段及び前記第3移行手段により前記第1遊技状態から前記第3遊技状態へ前記第2遊技状態を経由して移行した場合の方が前記第3遊技状態中に前記第4移行条件が成立する可能性が低くなるように構成されていることを特徴とする遊技機。
【0567】
特徴D1によれば、第2遊技状態経由で第1遊技状態から第3遊技状態へ移行した場合には、第2遊技状態非経由で第1遊技状態から第3遊技状態へ移行した場合よりも第3遊技状態から遊技者とって更に有利な第2遊技状態への移行が難しくなる。つまり、第3遊技状態へ移行した場合には、有利な遊技状態である第2遊技状態を経由したか否かによって第2遊技状態への復帰又は昇格の難度が相違することとなる。特に、第2遊技状態非経由時には第3遊技状態への昇格を、第2遊技状態経由時の第3遊技状態への復帰よりも容易となるように優遇することにより、遊技の多様化を実現しつつ遊技者の有利度に過度の偏りを抑制できる。
【0568】
特徴D2.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤60)と、
遊技者の操作に基づいて前記遊技領域へ遊技球を発射可能な遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技領域に設けられた入球部(一般入賞口61、作動入球部62,63、可変入賞装置64,65)への入球に基づいて遊技球(賞球)を払い出す払出手段(払出装置222)と
を備えている遊技機であって、
前記入球部としての始動入球部(作動入球部62,63)への入球が発生した場合に特別情報(保留情報)を取得する特別情報取得手段(主制御装置162のMPU602にて保留情報を取得する処理を実行する機能)と、
前記特別情報取得手段により取得された特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のRAM604における保留球格納エリア632)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば大当たり用の乱数群)と対応しているか否かの判定を行う判定手段(主制御装置162のMPU602において抽選用の処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定に先立って又は前記判定手段により前記判定が行われたことに基づいて遊技回用動作(作動口用表示部D1,D2における絵柄の可変表示)が開始され、前記判定の結果に対応した報知結果として当該遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の遊技回用動作が行われるように所定の報知手段(作動口用表示部D1,D2)を制御する遊技回制御手段(主制御装置162のMPU602にて遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応した判定結果となり且つ前記遊技回制御手段による前記遊技回用動作が終了したことに基づいて、遊技状態を所定遊技状態(例えば第1通常遊技状態~第3通常遊技状態)よりも遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させる特別遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な受入状態(開状態)及び当該受入状態よりも遊技球の入球が困難な非受入状態(閉状態)に切替可能な、前記入球部としての可変入球部(可変入賞装置64,65)と、
前記特別遊技状態に移行した場合に、前記可変入球部を受入状態及び非受入状態に切り替える可変入球部用制御手段(主制御装置162のMPU602にて開閉処理を実行する機能)と
を備え、
前記所定遊技状態として、第1遊技状態(第1通常遊技状態)と、当該第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態(第2通常遊技状態)と、前記第1遊技状態よりも遊技者に有利であり且つ前記第2遊技状態よりも遊技者に不利な第3遊技状態(第3通常遊技状態)とが設けられており、
前記第1遊技状態において第1移行条件が成立した場合(10R確変大当たりAに当選した場合)に、前記特別遊技状態の終了に伴って前記第2遊技状態へ移行させる第1移行手段(主制御装置162のMPU602にて第1通常遊技状態から第2通常遊技状態への移行処理を実行する機能)と、
前記第1遊技状態において第2移行条件が成立した場合(2R確変大当たりに当選した場合)に、前記特別遊技状態の終了に伴って前記第3遊技状態へ移行させる第2移行手段(主制御装置162のMPU602にて第1通常遊技状態から第3通常遊技状態への移行処理を実行する機能)と、
前記第2遊技状態において第3移行条件が成立した場合(時短用リミッタが作動した場合)に、前記特別遊技状態の終了に伴って前記第3遊技状態へ移行させる第3移行手段(主制御装置162のMPU602にて第2通常遊技状態から第3通常遊技状態への移行処理を実行する機能)と、
前記第3遊技状態において第4移行条件が成立した場合(10R確変大当たりAに当選した場合)に、前記特別遊技状態の終了に伴って前記第2遊技状態へ移行させる第4移行手段(主制御装置162のMPU602にて第3通常遊技状態から第2通常遊技状態への移行処理を実行する機能)と、
少なくとも前記第2遊技状態及び前記第3遊技状態において前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応する判定結果である特定結果(確変大当たり結果)となった連続回数を記憶する連続回数記憶手段(確変用連続回数カウンタ)と、
前記第3遊技状態において前記特定結果となり且つ前記連続回数記憶手段に記憶されている連続回数が所定回数(例えば40回)に達した場合に、前記特別遊技状態の終了に伴って前記第1遊技状態へ移行させる第5移行手段(主制御装置162のMPU602にて第3通常遊技状態から第1通常遊技状態への移行処理を実行する機能)と
を備え、
前記第1移行手段及び前記第3移行手段により前記第1遊技状態から前記第3遊技状態へ前記第2遊技状態を経由して移行した場合に当該第3遊技状態中に前記所定回数到達となる残り回数は、前記第2移行手段により前記第1遊技状態から前記第3遊技状態へ前記第2遊技状態を経由することなく移行した場合に当該第3遊技状態中に前記所定回数到達となる残り回数よりも少なくなるように構成されていることを特徴とする遊技機。
【0569】
特徴D2によれば、第2遊技状態経由で第1遊技状態から第3遊技状態へ移行した場合には、第2遊技状態非経由で第1遊技状態から第3遊技状態へ移行した場合よりも第3遊技状態から遊技者とって更に有利な第2遊技状態への移行が難しくなる。つまり、第3遊技状態へ移行した場合には、有利な遊技状態である第2遊技状態を経由したか否かによって、連続回数=所定回数となる(第5移行条件成立)前に第4移行条件を成立させる難度、すなわち第2遊技状態への復帰又は昇格の難度が相違することとなる。特に、第2遊技状態非経由時には第3遊技状態への昇格を、第2遊技状態経由時の第3遊技状態への復帰よりも容易となるように優遇することにより、遊技の多様化を実現しつつ遊技者の有利度に過度の偏りを抑制できる。
【0570】
特徴D3.前記連続回数記憶手段は、前記第2遊技状態と前記第3遊技状態との間で遊技状態が移行する場合であっても連続回数の記憶を保持可能な構成(連続回数カウンタがリセットされない構成)となっており、
前記第1遊技状態から前記第2遊技状態を経由して前記第3遊技状態に移行した場合には、前記第2遊技状態中に前記特定結果(確変大当たり結果)となった回数に応じて前記第3遊技状態中に前記所定回数到達となる残り回数が少なくなるように構成されていることを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
【0571】
特徴D3に示すように連続回数が第2遊技状態から第3遊技状態へ引き継がれる構成とし、第2遊技状態中に特定結果となった回数に応じて所定回数到達となる残り回数が少なくなる構成とすれば、第2遊技状態経由で第3遊技状態へ移行した場合よりも第2遊技状態非経由で第3遊技状態へ移行した場合の方が所定回数到達前に第4移行条件が成立する可能性が高くなる。このような構成とすれば特徴D2に示した効果を好適に発揮させることができる。
【0572】
特徴D4.前記第1遊技状態から前記第2遊技状態を経由して前記第3遊技状態に移行した場合と、前記第1遊技状態から前記第2遊技状態を経由することなく前記第3遊技状態に移行した場合とは、何れの場合であっても前記第3遊技状態中の各遊技回において前記第4移行条件が成立する確率が同一となるように構成されていることを特徴とする特徴D2又は特徴D3に記載の遊技機。
【0573】
特徴D4によれば、第2遊技状態非経由の場合には連続回数=所定回数となる(第5移行条件成立)までに第4移行条件成立を目指す上でチャレンジ可能な遊技回数が増えることとなる。このように遊技回数によって優劣の差を発生させる構成によれば、第4移行条件の成立確率を低く抑えて第3遊技状態における遊技を楽しむ間を好適に稼ぐことができる。
【0574】
特徴D5.前記連続回数記憶手段は、前記第2遊技状態と前記第3遊技状態との間で遊技状態が移行する場合であっても連続回数の記憶を保持可能な構成(連続回数カウンタがリセットされない構成)となっており、
前記第3遊技状態において前記連続回数記憶手段に記憶されている連続回数が前記所定回数に達する前に前記第4移行条件が成立して前記第2遊技状態へ移行し、当該第2遊技状態中に前記第3移行条件が成立して前記第3遊技状態へ復帰することにより、前記第3遊技状態中に前記所定回数到達となる残り回数が少なくなるように構成されていることを特徴とする特徴D2乃至特徴D4のいずれか1つに記載の遊技機。
【0575】
特徴D5によれば、第3遊技状態→第2遊技状態→第3遊技状態となった場合には1回目の第3遊技状態よりも2回目の第3遊技状態の方が所定回数到達までの残り回数が少なくなる。このようにして第3遊技状態と第2遊技状態と間で過度のループを抑制することは遊技機の健全性を担保する上で好ましい。
【0576】
特徴D6.前記第2遊技状態中は、前記所定の判定情報に対応する判定結果を契機とした前記特別遊技状態への移行が前記第3移行条件が成立するまで繰り返され得る(ループし得る)構成となっており、
前記第2遊技状態中に前記所定の判定情報に対応する判定結果を契機として前記特別遊技状態へ移行し得る回数は、当該第2遊技状態への移行前の前記第3遊技状態において前記第4移行条件が成立するまでに前記特定結果となった回数に応じて変化することを特徴とする特徴D2乃至特徴D5のいずれか1つに記載の遊技機。
【0577】
特徴D6によれば、第2遊技状態と特別遊技状態とのループ回数は第3遊技状態において特定結果となった回数に応じて変化する。このようにして第2遊技状態と第3遊技状態との関連性を強化することにより、遊技の多様化による遊技への注目度効果を一層好適に発揮させることができる。
【0578】
特徴D7.前記第2遊技状態中に前記所定の判定情報に対応する判定結果を契機として前記特別遊技状態へ移行し得る回数は、前記第3遊技状態中に前記第4移行条件が成立した際の前記残り回数が多くなることで少なくなるように構成されていることを特徴とする特徴D6に記載の遊技機。
【0579】
特徴D7によれば、第3遊技状態において特定結果となった回数が多くなることで第2遊技状態中に特別遊技状態へ移行し得る回数(第2遊技状態~特別遊技状態のループ可能な回数)が少なくなる。このような構成とすれば、第3遊技状態中に第4移行条件が成立するタイミングによって第2遊技状態における実質的な有利が左右されることとなり、遊技の多様化を好適に実現できる。
【0580】
特徴D8.前記判定手段により前記判定を行う判定モード(抽選モード)として、前記所定の判定情報に対応した判定結果(大当たり結果)となる確率が相対的に低い低確率モードと、前記所定の判定情報に対応した判定結果となる確率が相対的に高い高確率モードとが設けられており、
前記第1遊技状態は、前記抽選モードが前記低確率モードとなる遊技状態であり、
前記第2遊技状態及び前記第3遊技状態は、前記抽選モードが前記高確率モードとなる遊技状態であることを特徴とする特徴D2乃至特徴D7のいずれか1つに記載の遊技機。
【0581】
特徴D2等に示した構成では、仮に第3遊技状態における遊技が単調になってしまうと遊技者の遊技意欲が低下すると懸念される。この点、本特徴に示すように第3遊技状態における抽選モードを高確率モードとして、第3遊技状態においては所定の判定情報に対応した判定結果となる頻度を上げることにより、第3遊技状態における遊技の単調化を好適に抑制できる。
【0582】
特徴D9.前記始動入球部へ遊技球が入球可能な受入状態(開状態)及び当該受入状態よりも遊技球の入球が困難な非受入状態(閉状態)に切替可能な可変機構(電動役物71)と、
前記可変機構を制御する可変機構用制御手段(主制御装置162のMPU602にて電役サポート処理を実行する機能)と
を備え、
前記可変機構用制御手段による前記可変機構の切替制御モード(サポートモード)として、第1切替モード(低頻度サポートモード)と、当該第1切替モードよりも前記可変機構が受入状態である期間が長くなる第2切替モード(高頻度サポートモード)とが設けられており、
前記判定手段により前記判定を行う判定モード(抽選モード)として、前記所定の判定情報に対応した判定結果(大当たり)となる確率が相対的に低い低確率モードと、前記所定の判定情報に対応した判定結果となる確率が相対的に高い高確率モードとが設けられており、
前記第1遊技状態は、前記切替制御モードが前記第1切替モード且つ前記抽選モードが前記低確率モードとなる遊技状態であり、
前記第2遊技状態は、前記切替制御モードが前記第2切替モード且つ前記抽選モードが前記高確率モードとなる遊技状態であり、
前記第3遊技状態は、前記切替制御モードが前記第1切替モード且つ前記抽選モードが前記高確率モードとなる遊技状態であることを特徴とする特徴D2乃至特徴D7のいずれか1つに記載の遊技機。
【0583】
特徴D2等に示した構成では、仮に第3遊技状態における遊技が単調になってしまうと遊技者の遊技意欲が低下すると懸念される。この点、本特徴に示すように第3遊技状態における抽選モードを高確率モードとして、第3遊技状態においては所定の判定情報に対応した判定結果となる頻度を上げることにより、第3遊技状態における遊技の単調化を好適に抑制できる。また、第2遊技状態から第3遊技状態へ移行することで切替制御モードが第2切替モードから第1切替モードに切り替わる。ここで、本特徴に示すように第3遊技状態中は高確率モードが維持されて所定の判定情報に対応する判定結果となる頻度を高めておくことにより、特別遊技状態→遊技球の払い出しの恩恵が享受しやすくなる。これにより、第3遊技状態においては第1遊技状態と比べて持ち球の減りを抑制できる。このようにして、持ち球の観点から第1遊技状態に対する第3遊技状態の優位性を確保することにより、第3遊技状態への移行によって遊技者の遊技意欲が急速に低下することを抑制できる。
【0584】
特徴D10.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤60)と、
遊技者の操作に基づいて前記遊技領域へ遊技球を発射可能な遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技領域に設けられた入球部(一般入賞口61、作動入球部62,63、可変入賞装置64,65)への入球に基づいて遊技球(賞球)を払い出す払出手段(払出装置222)と
を備えている遊技機であって、
前記入球部としての始動入球部(作動入球部62,63)への入球が発生した場合に特別情報(保留情報)を取得する特別情報取得手段(主制御装置162のMPU602にて保留情報を取得する処理を実行する機能)と、
前記特別情報取得手段により取得された特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のRAM604における保留球格納エリア632)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば大当たり結果に対応する乱数群)と対応しているか否かの判定を行う判定手段(主制御装置162のMPU602において抽選用の処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定に先立って又は前記判定手段により前記判定が行われたことに基づいて遊技回用動作(作動口用表示部D1,D2における絵柄の可変表示)が開始され、前記判定の結果に対応した報知結果として当該遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の遊技回用動作が行われるように所定の報知手段(作動口用表示部D1,D2)を制御する遊技回制御手段(主制御装置162のMPU602にて遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応した判定結果となり且つ前記遊技回制御手段による前記遊技回用動作が終了したことに基づいて、遊技状態を所定遊技状態(例えば第1通常遊技状態~第3通常遊技状態)よりも遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させる特別遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な受入状態(開状態)及び当該受入状態よりも遊技球の入球が困難な非受入状態(閉状態)に切替可能な、前記入球部としての可変入球部(可変入賞装置64,65)と、
前記特別遊技状態に移行した場合に、前記可変入球部を受入状態及び非受入状態に切り替える可変入球部用制御手段(主制御装置162のMPU602にて開閉処理を実行する機能)と
を備え、
前記所定遊技状態として、第1遊技状態(第1通常遊技状態)と、当該第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態(第2通常遊技状態)と、前記第1遊技状態よりも遊技者に有利であり且つ前記第2遊技状態よりも遊技者に不利な第3遊技状態(第3通常遊技状態)とが設けられており、
前記第1遊技状態において第1移行条件が成立した場合に、前記特別遊技状態の終了に伴って前記第2遊技状態へ移行させる第1移行手段と、
前記第1遊技状態において第2移行条件が成立した場合に、前記特別遊技状態の終了に伴って前記第3遊技状態へ移行させる第2移行手段と、
前記第2遊技状態において第3移行条件が成立した場合に、前記特別遊技状態の終了に伴って前記第3遊技状態へ移行させる第3移行手段と、
前記第3遊技状態において第4移行条件が成立した場合に、前記特別遊技状態の終了に伴って前記第2遊技状態へ移行させる第4移行手段と、
前記第2遊技状態及び前記第3遊技状態において前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応する判定結果である特定結果(確変大当たり結果)となった連続回数を記憶する連続回数記憶手段(確変用連続回数カウンタ)と、
少なくとも前記第3遊技状態において前記特定結果となり且つ前記連続回数記憶手段に記憶されている連続回数が所定回数(例えば40回)に達した場合に、前記特別遊技状態の終了に伴って前記第1遊技状態へ移行させる第5移行手段と
を備え、
前記第1移行手段及び前記第3移行手段により前記第1遊技状態から前記第3遊技状態へ前記第2遊技状態を経由して移行した場合に当該第3遊技状態中に前記所定回数到達となる残り回数は、前記第2移行手段により前記第1遊技状態から前記第3遊技状態へ前記第2遊技状態を経由することなく移行した場合に当該第3遊技状態中に前記所定回数到達となる残り回数よりも少なくなるように構成されており、
前記第2遊技状態中は、前記所定の判定情報に対応する判定結果を契機とした前記特別遊技状態への移行が前記第3移行条件が成立するまで繰り返され得る構成となっており、
前記第2遊技状態中に前記所定の判定情報に対応する判定結果を契機として前記特別遊技状態へ移行し得る回数は、前記第3遊技状態中に前記第4移行条件が成立するまでに前記特定結果となった回数が多くなることで少なくなるように構成されていることを特徴とする遊技機。
【0585】
特徴D10によれば、第3遊技状態において特定結果となった回数が多くなることで第2遊技状態中に特別遊技状態へ移行し得る回数(第2遊技状態~特別遊技状態のループ可能な回数)が少なくなる。このような構成とすれば、第3遊技状態中に第4移行条件が成立するタイミングによって第2遊技状態における実質的な有利が左右されることとなり、遊技の多様化を好適に実現できる。
【0586】
なお、特徴D3~特徴D9に示した各技術的思想を上記特徴D1や特徴D10に適用してもよい。
【0587】
また、特徴B1~特徴B10に示した各技術的思想を上記特徴A群~特徴C群に適用してもよい。
【0588】
<特徴E群>
以下の特徴E群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、遊技への注目度を向上させる上で、その構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
【0589】
特徴E1.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤60)と、
遊技者の操作に基づいて前記遊技領域へ遊技球を発射可能な遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技領域に設けられた入球部(一般入賞口61、作動入球部62,63、可変入賞装置64,65)への入球に基づいて遊技球(賞球)を払い出す払出手段(払出装置222)と
を備えている遊技機であって、
前記入球部としての始動入球部(作動入球部62,63)への入球が発生した場合に特別情報(保留情報)を取得する特別情報取得手段(主制御装置162のMPU602にて保留情報を取得する処理を実行する機能)と、
前記特別情報取得手段により取得された特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のRAM604における保留球格納エリア632)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば大当たり用の乱数群)と対応しているか否かの判定を行う判定手段(主制御装置162のMPU602において抽選用の処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定に先立って又は前記判定手段により前記判定が行われたことに基づいて遊技回用動作(作動口用表示部D1,D2における絵柄の可変表示)が開始され、前記判定の結果に対応した報知結果として当該遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の遊技回用動作が行われるように所定の報知手段(作動口用表示部D1,D2)を制御する遊技回制御手段(主制御装置162のMPU602にて遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応した判定結果となり且つ前記遊技回制御手段による前記遊技回用動作が終了したことに基づいて、遊技状態を所定遊技状態(第1通常遊技状態~第4通常遊技状態)よりも遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させる特別遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な受入状態(開状態)及び当該受入状態よりも遊技球の入球が困難な非受入状態(閉状態)に切替可能な、前記入球部としての可変入球部(可変入賞装置64,65)と、
前記特別遊技状態に移行した場合に、前記可変入球部を受入状態及び非受入状態に切り替える可変入球部用制御手段(主制御装置162のMPU602にて開閉処理を実行する機能)と、
前記始動入球部へ遊技球が入球可能な受入状態(開状態)及び当該受入状態よりも遊技球の入球が困難な非受入状態(閉状態)に切替可能な可変機構(電動役物71)と、
前記可変機構を制御する可変機構用制御手段(主制御装置162のMPU602にて電役サポート処理を実行する機能)と
を備え、
前記特別遊技状態として、第1特別遊技状態(高頻度入賞モード:大当たり対応の特別遊技状態)と、当該第1特別遊技状態よりも前記可変入球部が受入状態となる期間が短い第2特別遊技状態(低頻度入賞モード:特別当たり対応の特別遊技状態)とが設けられており、
前記所定の判定情報として、第1判定情報(高頻度サポートモード対応の大当たり用の乱数群)と、第2判定情報(低頻度サポートモード対応の大当たり用の乱数群)と、第3判定情報(特別当たり用の乱数群)とが設けられており、
前記特別遊技状態移行手段は、
前記判定手段による判定結果が前記第1判定情報に対応した第1種判定結果(例えば高頻度サポートモード対応の大当たり結果)又は前記第2判定情報に対応した第2種判定結果(例えば低頻度サポートモード対応の大当たり結果)となった場合に、前記第1特別遊技状態に移行させる手段と、
前記判定手段による判定結果が前記第3判定情報に対応した第3種判定結果(特別当たり結果)となった場合に、前記第2特別遊技状態に移行させる手段と
を有し、
前記可変機構用制御手段による前記可変機構の切替制御モード(サポートモード)として、第1切替モード(低頻度サポートモード)と、当該第1切替モードよりも前記可変機構が受入状態である期間が長くなる第2切替モード(高頻度サポートモード)とが設けられており、
前記判定手段により前記判定を行う判定モード(抽選モード)として、前記第1判定情報に対応した前記第1種判定結果又は前記第2判定情報に対応した前記第2種判定結果となる確率が相対的に低い低確率モードと、前記第1判定情報に対応した前記第1種判定結果又は前記第2判定情報に対応した前記第2種判定結果となる確率が相対的に高い高確率モードとが設けられており、
前記所定遊技状態として、前記第1切替モード且つ前記低確率モードに対応した第1遊技状態(第1通常遊技状態)と、前記第2切替モード且つ前記高確率モードに対応し前記第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態(第2通常遊技状態)と、前記第1切替モード且つ前記高確率モードに対応し前記第1遊技状態よりも遊技者に有利な第3遊技状態(第3通常遊技状態)とが設けられており、
前記第3遊技状態において前記判定により前記第3判定情報に対応した前記第3種判定結果となる確率は、前記第2遊技状態において前記判定により前記第3判定情報に対応した前記第3種判定結果となる確率よりも高くなるように構成されており、
前記第2遊技状態において前記第1種判定結果となり且つ前記第1種判定結果となった連続回数が規定回数(例えば10回)に達していない場合に、前記第1特別遊技状態の終了に伴って前記第2遊技状態へ移行させる第1移行手段と、
前記第2遊技状態において前記第1種判定結果となり且つ前記第1種判定結果となった連続回数が前記規定回数に達した場合に、前記第1特別遊技状態の終了に伴って前記第3遊技状態へ移行させる第2移行手段と
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0590】
高確率モード且つ第2切替モード対応の第2遊技状態においては、第1種判定結果となった連続回数が規定回数に達していない場合には第1種判定結果を契機とした特別遊技状態の終了後に第2遊技状態へ復帰する。このようなループが繰り返されて第1種判定結果となった連続回数が規定回数に達した場合には、高確率モード且つ第1切替モード対応の第3遊技状態へ移行する。つまり、規定回数到達が第3遊技状態への移行契機となっている。第3遊技状態においては、第2遊技状態と比べて第3判定情報に対応した第3種判定結果となる確率が高くなっており、第2特別遊技状態への移行が頻発することとなる。これにより、第3遊技状態中は持ち球の減りを抑えながら又は持ち球を増やしながら遊技を進めることが可能となる。以上の構成によれば、第3遊技状態への移行に期待する遊技者は、第2遊技状態中は第1特別遊技状態への移行を繰り返すことで出球を稼ぎながら第3遊技状態への移行を目指すこととなり、遊技者の満足度を好適に向上させることができる。
【0591】
なお、本特徴に示す構成を「遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤60)と、遊技者の操作に基づいて前記遊技領域へ遊技球を発射可能な遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、前記遊技領域に設けられた入球部(一般入賞口61、作動入球部62,63、可変入賞装置64,65)への入球に基づいて遊技球(賞球)を払い出す払出手段(払出装置222)とを備えている遊技機であって、前記入球部としての始動入球部(作動入球部62,63)への入球が発生した場合に特別情報(保留情報)を取得する特別情報取得手段(主制御装置162のMPU602にて保留情報を取得する処理を実行する機能)と、前記特別情報取得手段により取得された特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のRAM604における保留球格納エリア632)と、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば大当たり用の乱数群)と対応しているか否かの判定を行う判定手段(主制御装置162のMPU602において抽選用の処理を実行する機能)と、前記判定手段による判定に先立って又は前記判定手段により前記判定が行われたことに基づいて遊技回用動作(作動口用表示部D1,D2における絵柄の可変表示)が開始され、前記判定の結果に対応した報知結果として当該遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の遊技回用動作が行われるように所定の報知手段(作動口用表示部D1,D2)を制御する遊技回制御手段(主制御装置162のMPU602にて遊技回制御処理を実行する機能)と、前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応した判定結果となり且つ前記遊技回制御手段による前記遊技回用動作が終了したことに基づいて、遊技状態を所定遊技状態(第1通常遊技状態~第4通常遊技状態)よりも遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させる特別遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて遊技状態移行処理を実行する機能)と、前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な受入状態(開状態)及び当該受入状態よりも遊技球の入球が困難な非受入状態(閉状態)に切替可能な、前記入球部としての可変入球部(可変入賞装置64,65)と、前記特別遊技状態に移行した場合に、前記可変入球部を受入状態及び非受入状態に切り替える可変入球部用制御手段(主制御装置162のMPU602にて開閉処理を実行する機能)と、前記始動入球部へ遊技球が入球可能な受入状態(開状態)及び当該受入状態よりも遊技球の入球が困難な非受入状態(閉状態)に切替可能な可変機構(電動役物71)と、前記可変機構を制御する可変機構用制御手段(主制御装置162のMPU602にて電役サポート処理を実行する機能)とを備え、前記特別遊技状態として、第1特別遊技状態(高頻度入賞モード:大当たり対応の特別遊技状態)と、当該第1特別遊技状態よりも前記可変入球部が受入状態となる期間が短い第2特別遊技状態(低頻度入賞モード:特別当たり対応の特別遊技状態)とが設けられており、前記所定の判定情報として、第1判定情報(高頻度サポートモード対応の大当たり用の乱数群)と、第2判定情報(低頻度サポートモード対応の大当たり用の乱数群)と、第3判定情報(特別当たり用の乱数群)とが設けられており、前記特別遊技状態移行手段は、前記判定手段による判定結果が前記第1判定情報に対応した第1種判定結果(高頻度サポートモード対応の大当たり結果)又は前記第2判定情報に対応した第2種判定結果(低頻度サポートモード対応の大当たり結果)となった場合に、前記第1特別遊技状態に移行させる手段と、前記判定手段による判定結果が前記第3判定情報に対応した第3種判定結果(特別当たり結果)となった場合に、前記第2特別遊技状態に移行させる手段とを有し、前記可変機構用制御手段による前記可変機構の切替制御モード(サポートモード)として、第1切替モード(低頻度サポートモード)と、当該第1切替モードよりも前記可変機構が受入状態である期間が長くなる第2切替モード(高頻度サポートモード)とが設けられており、前記判定手段により前記判定を行う判定モード(抽選モード)として、前記第1判定情報に対応した前記第1種判定結果又は前記第2判定情報に対応した前記第2種判定結果となる確率が相対的に低い低確率モードと、前記第1判定情報に対応した前記第1種判定結果又は前記第2判定情報に対応した前記第2種判定結果となる確率が相対的に高い高確率モードとが設けられており、前記所定遊技状態として、前記第1切替モード且つ前記低確率モードに対応した第1遊技状態(第1通常遊技状態)と、前記第2切替モード且つ前記高確率モードに対応し前記第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態(第2通常遊技状態)と、前記第1切替モード且つ前記高確率モードに対応し前記第2遊技状態よりも遊技者に有利な第3遊技状態(第3通常遊技状態)とが設けられており、前記第3遊技状態において前記判定により前記第3判定情報に対応した前記第3種判定結果となる確率は、前記第2遊技状態において前記判定により前記第3判定情報に対応した前記第3種判定結果となる確率よりも高くなるように構成されており、前記第2遊技状態において前記第1種判定結果となり且つ前記第1種判定結果となった連続回数が規定回数に達していない場合に、前記第1特別遊技状態の終了に伴って前記第2遊技状態へ移行させる第1移行手段と、前記第2遊技状態において前記第1種判定結果となり且つ前記第1種判定結果となった連続回数が規定回数に達した場合に、前記第1特別遊技状態の終了に伴って前記第3遊技状態へ移行させる第2移行手段とを備えていることを特徴とする遊技機。」とすることも可能である。
【0592】
特徴E2.前記第2遊技状態における前記判定では前記第2種判定結果となり得る構成となっており、
前記第2遊技状態において前記第2種判定結果となった場合に、前記第1特別遊技状態の終了に伴って前記所定遊技状態のうち前記第3遊技状態を除いた前記第1切替モード対応の遊技状態(例えば第1通常遊技状態)へ移行させる第3移行手段(主制御装置162のMPU602にて第1通常遊技状態等への移行処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
【0593】
特徴E2によれば、第3遊技状態を目指すには第2種判定結果を回避しつつ第1種判定結果を連続させる必要がある。このような構成とすれば、第2遊技状態における遊技の緊張感を好適に高めることができる。
【0594】
特徴E3.前記第3遊技状態中は、前記第2種判定結果を契機として前記所定遊技状態のうち前記第1切替モード対応の遊技状態へ移行しないように規制する規制手段(第1作動口への入賞に基づく特別当たりによって第2作動口に係る遊技回を外れとなるようにして強制終了させる構成)を備えていることを特徴とする特徴E2に記載の遊技機。
【0595】
第2遊技状態を経て第3遊技状態へ移行した直後に第2種判定結果となって第3遊技状態が終了した場合には、第3遊技状態に期待する遊技者の遊技意欲が急速に低下すると懸念される。この点、本特徴に示す構成では、第3遊技状態への移行後に第2種判定結果となることが規制される。このような構成によれば、第2種判定結果となり得る構成が第3遊技状態の滞在時間を極端に短くする要因となることを回避して、上記不都合の発生を抑制することができる。
【0596】
特徴E4.前記規定回数は、第1規定回数(例えば10回)であり、
前記第3遊技状態において前記第2種判定結果(2R確変太当たり結果:高確率モード且つ低頻度サポートモード対応の大当たり結果)となり且つ前記第2種判定結果となった連続回数が第2規定回数(例えば40回)に達していない場合に、前記第1特別遊技状態の終了に伴って前記第3遊技状態へ移行させる手段(主制御装置162のMPU602において第3通常遊技状態への移行処理を実行する機能)と、
前記第3遊技状態において前記第2種判定結果となり(2R確変大当たり結果:高確率モード且つ低頻度サポートモード対応の大当たり結果)且つ前記第2種判定結果となった連続回数が第2規定回数に達した場合に、前記第1特別遊技状態の終了に伴って前記所定遊技状態のうち前記低確率モード対応の遊技状態へ移行させる手段(主制御装置162のMPU602において第1通常遊技状態への移行処理を実行する機能)と
を備えていることを特徴とする特徴E2又は特徴E3に記載の遊技機。
【0597】
特徴E4に示す構成によれば、第3遊技状態への移行後は第2種判定結果となった連続回数が第2規定回数となるまで第3遊技状態と第1特別遊技状態とがループすることとなる。このような構成とすれば、第3遊技状態における滞在期間を稼ぎ、第3遊技状態への移行直後に直ちに当該第3遊技状態から第1遊技状態等の他の所定遊技状態へ降格することを好適に抑制できる。
【0598】
特徴E5.前記第3遊技状態中に前記第2種判定結果となったことに基づいて移行する第1特別遊技状態においては、前記第2遊技状態中に前記第1種判定結果となったことに基づいて移行する第1特別遊技状態と比べて、前記可変入球部が受入状態となる期間が短くなるように構成されていることを特徴とする特徴E4に記載の遊技機。
【0599】
特徴E5によれば、第3遊技状態の優位性が極端に高くなることを抑制できる。これは、遊技の健全性を高める上で好ましい。
【0600】
特に、特徴E3との組み合わせによれば、第3遊技状態においては各第1特別遊技状態における出球が少なくても第1特別遊技状態が繰り返されることで遊技のテンポを速くしつつ出球を稼ぐことができ、遊技者の満足度を好適に向上させることができる。
【0601】
特徴E6.前記第3遊技状態において前記第1種判定結果となった場合に、前記第1特別遊技状態の終了に伴って前記第2遊技状態へ移行させる手段と、
前記第2遊技状態及び前記第3遊技状態において前記高確率モード対応の遊技状態への移行契機となる判定結果となった連続回数を記憶する連続回数記憶手段(確変用連続回数カウンタ)と、
前記連続回数記憶手段に記憶されている連続回数が前記第2規定回数となった場合に、前記第1特別遊技状態の終了に伴って前記所定遊技状態のうち前記第2遊技状態と前記第3遊技状態とを除く他の遊技状態(例えば第1通常遊技状態)へ移行させる手段と
を備えていることを特徴とする特徴E4又は特徴E5に記載の遊技機。
【0602】
特徴E6によれば、第3遊技状態への移行後は、第1種判定結果となって第2遊技状態へ移行(昇格又は復帰)する場合と、第2種判定結果となった回数が第2規定回数となることで第1遊技状態等の他の遊技状態へ移行(降格)する場合とが生じる。このように、遊技を分岐させる構成とすれば、第3遊技状態における滞在期間が極端に短くなることを抑制し、第3遊技状態への移行後の遊技者の満足度を好適に向上させることができる。
【0603】
特徴E7.前記第3遊技状態において前記第1種判定結果となった場合には、前記第1特別遊技状態の終了に伴って前記第2遊技状態へ移行させる手段を備え、
前記第3遊技状態から前記第2遊技状態へ移行した場合には、前記第1遊技状態から前記第2遊技状態へ移行した場合と比べて前記第3遊技状態への移行が難しくなるように構成されていることを特徴とする特徴E1乃至特徴E6のいずれか1つに記載の遊技機。
【0604】
特徴E7によれば、何れのルートを経由して第2遊技状態へ到達したかによって第2遊技状態→第3遊技状態への移行難度が異なることとなり、遊技の多様化を実現しつつ第2遊技状態における遊技の緊張感を好適に高めることができる。
【0605】
特徴E8.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤60)と、
遊技者の操作に基づいて前記遊技領域へ遊技球を発射可能な遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技領域に設けられた入球部(一般入賞口61、作動入球部62,63、可変入賞装置64,65)への入球に基づいて遊技球(賞球)を払い出す払出手段(払出装置222)と
を備えている遊技機であって、
前記入球部としての始動入球部(作動入球部62,63)への入球が発生した場合に特別情報(保留情報)を取得する特別情報取得手段(主制御装置162のMPU602にて保留情報を取得する処理を実行する機能)と、
前記特別情報取得手段により取得された特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のRAM604における保留球格納エリア632)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば大当たり結果に対応する乱数群)と対応しているか否かの判定を行う判定手段(主制御装置162のMPU602において抽選用の処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定に先立って又は前記判定手段により前記判定が行われたことに基づいて遊技回用動作(作動口用表示部D1,D2における絵柄の可変表示)が開始され、前記判定の結果に対応した報知結果として当該遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の遊技回用動作が行われるように所定の報知手段(作動口用表示部D1,D2)を制御する遊技回制御手段(主制御装置162のMPU602にて遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応した判定結果となり且つ前記遊技回制御手段による前記遊技回用動作が終了したことに基づいて、遊技状態を所定遊技状態(例えば第1通常遊技状態~第3通常遊技状態)よりも遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させる特別遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602にて遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な受入状態(開状態)及び当該受入状態よりも遊技球の入球が困難な非受入状態(閉状態)に切替可能な、前記入球部としての可変入球部(可変入賞装置64,65)と、
前記特別遊技状態に移行した場合に、前記可変入球部を受入状態及び非受入状態に切り替える可変入球部用制御手段(主制御装置162のMPU602にて開閉処理を実行する機能)と、
前記始動入球部へ遊技球が入球可能な受入状態(開状態)及び当該受入状態よりも遊技球の入球が困難な非受入状態(閉状態)に切替可能な可変機構(電動役物71)と、
前記可変機構を制御する可変機構用制御手段(主制御装置162のMPU602にて電役サポート処理を実行する機能)と
を備え、
前記特別遊技状態として、第1特別遊技状態(高頻度入賞モード:大当たり対応の特別遊技状態)と、当該第1特別遊技状態よりも前記可変入球部が受入状態となる期間が短い第2特別遊技状態(低頻度入賞モード:特別当たり対応の特別遊技状態)とが設けられており、
前記所定の判定情報として、第1判定情報(高頻度サポートモード対応の大当たり用の乱数群)と、第2判定情報(特別当たり用の乱数群)とが設けられており、
前記特別遊技状態移行手段は、
前記判定手段による判定結果が前記第1判定情報に対応した第1判定結果(高頻度サポートモード対応の大当たり結果)となった場合に、前記第1特別遊技状態に移行させる手段(主制御装置162のMPU602にて第1特別遊技状態への移行処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が前記第2判定情報に対応した第2判定結果(特別当たり結果)となった場合に、前記第2特別遊技状態に移行させる手段(主制御装置162のMPU602にて第2特別遊技状態への移行処理を実行する機能)と
を有し、
前記可変機構用制御手段による前記可変機構の切替制御モード(サポートモード)として、第1切替モード(低頻度サポートモード)と、当該第1切替モードよりも前記可変機構が受入状態である期間が長くなる第2切替モード(高頻度サポートモード)とが設けられており、
前記判定手段により前記判定を行う判定モード(抽選モード)として、前記第1判定情報に対応した前記第1判定結果となる確率が相対的に低い低確率モードと、前記第1判定情報に対応した前記第1判定結果となる確率が相対的に高い高確率モードとが設けられており、
前記所定遊技状態として、前記第1切替モード且つ前記低確率モードに対応した第1遊技状態(第1通常遊技状態)と、前記第2切替モード且つ前記高確率モードに対応し前記第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態(第2通常遊技状態)と、前記第1切替モード且つ前記高確率モードに対応し前記第1遊技状態よりも遊技者に有利な第3遊技状態(第3通常遊技状態)とが設けられており、
前記第3遊技状態において前記判定により前記第2判定情報に対応した前記第2判定結果となる確率は、前記第2遊技状態において前記判定により前記第2判定情報に対応した前記第2判定結果となる確率よりも高くなるように構成されており、
前記第2遊技状態において前記第1判定結果となり且つ前記第1判定結果となった連続回数が規定回数(例えば10回)に達していない場合に、前記第1特別遊技状態の終了に伴って前記第2遊技状態へ移行させる手段と、
前記第2遊技状態において前記第1判定結果となり且つ前記第1判定結果となった連続回数が規定回数に達した場合に、前記第1特別遊技状態の終了に伴って前記第3遊技状態へ移行させる手段と
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0606】
高確率モード且つ第2切替モード対応の第2遊技状態においては、第1判定結果となった連続回数が規定回数に達していない場合には第1判定結果を契機とした第1特別遊技状態の終了後に第2遊技状態へ復帰する。このようなループが繰り返されて第1判定結果となった連続回数が規定回数に達した場合には、高確率モード且つ第1切替モード対応の第3遊技状態へ移行する。つまり、規定回数到達が第3遊技状態への移行契機となっている。第3遊技状態においては、第2遊技状態と比べて第2判定情報に対応した第2判定結果となる確率が高くなっており、第2特別遊技状態への移行が頻発することとなる。これにより、第3遊技状態中は持ち球の減りを抑えながら又は持ち球を増やしながら遊技を進めることが可能となる。以上の構成によれば、第3遊技状態への移行に期待する遊技者は、第2遊技状態中は第1特別遊技状態への移行を繰り返すことで出球を稼ぎながら第3遊技状態への移行を目指すこととなり、遊技者の満足度を好適に向上させることができる。
【0607】
なお、特徴D3~特徴D9に示した各技術的思想を上記特徴D1や特徴D10に適用してもよい。
【0608】
また、特徴E1~特徴E8に示した各技術的思想を上記特徴A群~特徴D群に適用してもよい。
【0609】
因みに、上述した特徴A群~特徴E群に示した「所定技状態」との記載を「通常遊技状態」との記載に変更することも可能である。
【0610】
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
【0611】
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域(遊技領域PE)に導く球通路(誘導レール100の誘導通路103等)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口61等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
【0612】
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
【0613】
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。
【符号の説明】
【0614】
10…遊技機としてのパチンコ機、41…遊技球発射ハンドル、60…遊技盤、62…第1作動入球部、62a…第1作動口、63…第2作動入球部、63a…第2作動口、64…上側可変入賞装置、65…下側可変入賞装置、71…電動役物、75…図柄表示装置、75a…表示画面、81…主表示ユニット、162…主制御装置、602…MPU、604…RAM、D…主表示部、D1…第1作動口用表示部、D2…第2作動口用表示部、PE…遊技領域。