(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-30
(45)【発行日】2025-07-08
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/04842 20220101AFI20250701BHJP
G06Q 10/06 20230101ALI20250701BHJP
G06F 16/908 20190101ALI20250701BHJP
G06F 16/9035 20190101ALI20250701BHJP
【FI】
G06F3/04842
G06Q10/06
G06F16/908
G06F16/9035
(21)【出願番号】P 2021046446
(22)【出願日】2021-03-19
【審査請求日】2024-02-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂田 結衣
【審査官】冨永 昌彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-120001(JP,A)
【文献】特開2013-012242(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0228788(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/048 - 3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
各々に予め属性が対応付けられた複数の文書であって、記憶領域に格納された前記複数の文書を、前記記憶領域から取り出す操作を行う操作部を提示し、
前記操作部に、前記記憶領域に格納された複数の文書を当該複数の文書の各々の属性毎に分類する項目であって、
前記複数の文書の各々の属性の履歴に基づいて予め登録された項目決定マトリクスを用いて特定され、かつ、前記属性に応じて変化する前記項目を示すラベル名を表示させ、
前記操作部は、円形状であり、前記ラベル名を表示する複数の領域が周方向に配置され、
前記操作部に表示させた前記ラベル名が選択、操作された場合に、当該ラベル名が示す項目に分類された文書を前記記憶領域から取り出して表示させる
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記項目の変化に応じて、前記ラベル名を変更する制御を行う
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記操作部は、表示可能な最大項目数が予め割り当てられており、
前記プロセッサは、前記項目の数が、前記操作部に予め割り当てられた最大項目数よりも多い場合、前記項目の中から優先順位の高い順に選択された項目を示すラベル名を前記操作部に表示する制御を行う
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記属性は、属性名及び複数種類の属性値を含み、
前記プロセッサは、前記記憶領域を対象として、属性名毎の分類可能な文書数、及び、属性名毎の複数種類の属性値のばらつきの程度を示す指標値を取得し、
取得した属性名毎の分類可能な文書数、及び、属性名毎の複数種類の属性値のばらつきの程度を示す指標値の少なくとも一方に基づいて、前記項目の前記優先順位を決定する
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記属性は、属性名及び複数種類の属性値を含み、
前記記憶領域は、複数のユーザによってアクセス可能とし、
前記プロセッサは、前記記憶領域にアクセスしているユーザがアクセス可能な全ての記憶領域を対象として、文書の属性名毎に前記ユーザが文書を取り出す操作を行った回数を表すユーザ毎の操作履歴を取得し、
取得したユーザ毎の操作履歴に基づいて、前記項目の前記優先順位を決定する
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記属性は、属性名及び複数種類の属性値を含み、
前記記憶領域は、複数のユーザによってアクセス可能とし、
前記プロセッサは、前記記憶領域にアクセスしているユーザがアクセス可能な全ての記憶領域を対象として、文書の属性名毎に前記ユーザが文書を取り出す操作を行った回数を表すユーザ毎の操作履歴を取得し、
前記記憶領域を対象として、文書の属性名毎に文書を取り出す操作を行った回数を表す記憶領域毎の操作履歴を取得し、
取得したユーザ毎の操作履歴及び記憶領域毎の操作履歴に基づいて、前記項目の前記優先順位を決定する
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記属性は、属性名及び複数種類の属性値を含み、
前記記憶領域は、複数のユーザによってアクセス可能とし、
前記プロセッサは、前記記憶領域を対象として、属性名毎の分類可能な文書数、及び、属性名毎の複数種類の属性値のばらつきの程度を示す指標値を取得し、
前記記憶領域にアクセスしているユーザがアクセス可能な全ての記憶領域を対象として、文書の属性名毎に前記ユーザが文書を取り出す操作を行った回数を表すユーザ毎の操作履歴を取得し、
前記記憶領域を対象として、文書の属性名毎に文書を取り出す操作を行った回数を表す記憶領域毎の操作履歴を取得し、
取得した属性名毎の分類可能な文書数、属性名毎の複数種類の属性値のばらつきの程度を示す指標値、ユーザ毎の操作履歴、及び、記憶領域毎の操作履歴の少なくとも1つに基づいて、前記項目の前記優先順位を決定する
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、文書が配置された領域である主表示領域に、前記操作部の操作によって取り出された項目毎の文書を含み、かつ、前記主表示領域よりも小さい副表示領域を表示する制御を行う
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記主表示領域に項目毎に配置された文書の中から、前記副表示領域に取り出された項目毎の文書の属性と類似する属性を有する文書の集団を含む類似文書領域を検出し、検出した類似文書領域の近傍に前記副表示領域を配置する
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、前記類似文書領域の近傍に前記副表示領域を配置する領域がない場合に、前記副表示領域を前記主表示領域の空き領域に配置し、
前記副表示領域を前記主表示領域の前記空き領域に配置したことを示すメッセージを表示する制御を行う
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、前記記憶領域を表す画像を選択可能に前記主表示領域に表示する制御を行う
請求項8~請求項10の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
各々に予め属性が対応付けられた複数の文書であって、記憶領域に格納された前記複数の文書を、前記記憶領域から取り出す操作を行う操作部を提示し、
前記操作部に、前記記憶領域に格納された複数の文書を当該複数の文書の各々の属性毎に分類する項目であって、
前記複数の文書の各々の属性の履歴に基づいて予め登録された項目決定マトリクスを用いて特定され、かつ、前記属性に応じて変化する前記項目を示すラベル名を表示させ、
前記操作部は、円形状であり、前記ラベル名を表示する複数の領域が周方向に配置され、
前記操作部に表示させた前記ラベル名が選択、操作された場合に、当該ラベル名が示す項目に分類された文書を前記記憶領域から取り出して表示させることを、
コンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、緊急度や優先度が異なる大量の文書ファイルの中から状況に応じた文書ファイルを見つけることができるファイル管理装置が記載されている。このファイル管理装置は、文書ファイルを共有領域に格納する毎に、共有領域に一意に設定された識別子を文書ファイルに対応づけて記憶する記憶手段と、文書ファイルを特定する代表画像を表示する際は、記憶手段が文書ファイルに対応づけて記憶した識別子に対応する表象画像を、代表画像とともに表示するよう制御する表示制御手段と、を備える。
【0003】
また、特許文献2には、階層構造で管理されたファイル、フォルダを一覧表示するファイル閲覧装置が記載されている。このファイル閲覧装置は、同一階層内に含まれるファイルの画像内容をサムネイルで表示させる手段と、一階層下のサブフォルダをアイコン表示させる手段と、サブフォルダ内に含まれるファイルの画像内容を示すサムネイルをサブフォルダのアイコン上に表示させる手段と、サブフォルダのアイコンサイズを拡大縮小させる手段と、アイコンサイズの拡大縮小に応じてサブフォルダのアイコン上に表示されるサブフォルダ内ファイルのサムネイル数を増減させる手段と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6357754号公報
【文献】特開2005-4419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ファイルサーバ及び複数のクライアントを含む文書管理システムがある。ファイルサーバ及び複数のクライアントは、例えば、ファイルサーバに存在し、複数のクライアントで共有できる記憶領域として機能する「トレイ」を介して文書を送受信する。
【0006】
クライアントには、トレイを含む作業領域が表示され、トレイに格納された複数の文書は、トレイから作業領域に取り出して作業が行われる。文書の取り出し方としては、例えば、トレイから文書の送信者(送信元)と紐づいた文書を取り出すことができる。しかしながら、文書の取り出し方は固定されているため、ユーザがトレイから所望の文書を取り出すことが難しい場合がある。
【0007】
本開示は、記憶領域に格納された文書に応じて、文書の取り出し方を可変にすることができる情報処理装置及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、第1態様に係る情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサが、各々に予め属性が対応付けられた複数の文書であって、記憶領域に格納された前記複数の文書を、前記記憶領域から取り出す操作が関連付けられた操作部を提示し、前記操作部には、前記記憶領域に格納された複数の文書の各々の属性に応じて変化する項目により、前記記憶領域から文書を分類して取り出す操作を関連付ける。
【0009】
また、第2態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記操作部が、前記項目を示すラベル名を表示し、前記プロセッサが、前記項目の変化に応じて、前記操作部のラベル名を変更する制御を行う。
【0010】
また、第3態様に係る情報処理装置は、第2態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記項目の数が、前記操作部に割り当てられた最大項目数よりも多い場合、前記項目の中から優先順位の高い順に選択された項目を示すラベル名を前記操作部に表示する制御を行う。
【0011】
また、第4態様に係る情報処理装置は、第3態様に係る情報処理装置において、前記属性が、属性名及び複数種類の属性値を含み、前記プロセッサが、前記記憶領域を対象として、属性名毎の分類可能な文書数、及び、属性名毎の複数種類の属性値のばらつきの程度を示す指標値を取得し、取得した属性名毎の分類可能な文書数、及び、属性名毎の複数種類の属性値のばらつきの程度を示す指標値の少なくとも一方に基づいて、前記項目の前記優先順位を決定する。
【0012】
また、第5態様に係る情報処理装置は、第3態様に係る情報処理装置において、前記属性が、属性名及び複数種類の属性値を含み、前記記憶領域が、複数のユーザによってアクセス可能とし、前記プロセッサが、前記記憶領域にアクセスしているユーザがアクセス可能な全ての記憶領域を対象として、文書の属性名毎に前記ユーザが文書を取り出す操作を行った回数を表すユーザ毎の操作履歴を取得し、取得したユーザ毎の操作履歴に基づいて、前記項目の前記優先順位を決定する。
【0013】
また、第6態様に係る情報処理装置は、第3態様に係る情報処理装置において、前記属性が、属性名及び複数種類の属性値を含み、前記記憶領域が、複数のユーザによってアクセス可能とし、前記プロセッサが、前記記憶領域にアクセスしているユーザがアクセス可能な全ての記憶領域を対象として、文書の属性名毎に前記ユーザが文書を取り出す操作を行った回数を表すユーザ毎の操作履歴を取得し、前記記憶領域を対象として、文書の属性名毎に文書を取り出す操作を行った回数を表す記憶領域毎の操作履歴を取得し、取得したユーザ毎の操作履歴及び記憶領域毎の操作履歴に基づいて、前記項目の前記優先順位を決定する。
【0014】
また、第7態様に係る情報処理装置は、第3態様に係る情報処理装置において、前記属性が、属性名及び複数種類の属性値を含み、前記記憶領域が、複数のユーザによってアクセス可能とし、前記プロセッサが、前記記憶領域を対象として、属性名毎の分類可能な文書数、及び、属性名毎の複数種類の属性値のばらつきの程度を示す指標値を取得し、前記記憶領域にアクセスしているユーザがアクセス可能な全ての記憶領域を対象として、文書の属性名毎に前記ユーザが文書を取り出す操作を行った回数を表すユーザ毎の操作履歴を取得し、前記記憶領域を対象として、文書の属性名毎に文書を取り出す操作を行った回数を表す記憶領域毎の操作履歴を取得し、取得した属性名毎の分類可能な文書数、属性名毎の複数種類の属性値のばらつきの程度を示す指標値、ユーザ毎の操作履歴、及び、記憶領域毎の操作履歴の少なくとも1つに基づいて、前記項目の前記優先順位を決定する。
【0015】
また、第8態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、配置された文書に対して作業を行う領域である主作業領域に、前記操作部の操作によって取り出された項目毎の文書を含み、かつ、前記主作業領域よりも小さい副作業領域を表示する制御を行う。
【0016】
また、第9態様に係る情報処理装置は、第8態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記副作業領域を、前記主作業領域に配置され、かつ、前記副作業領域に含まれる文書の属性と類似する属性を有する文書の近傍に配置する。
【0017】
また、第10態様に係る情報処理装置は、第9態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記主作業領域に配置された前記文書の近傍に前記副作業領域を配置する領域がない場合に、前記副作業領域を前記主作業領域の空き領域に配置し、前記副作業領域を前記主作業領域の前記空き領域に配置したことを示すメッセージを表示する制御を行う。
【0018】
また、第11態様に係る情報処理装置は、第8態様~第10態様の何れか1の態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記記憶領域を表す画像を選択可能に前記主作業領域に表示する制御を行う。
【0019】
更に、上記目的を達成するために、第12態様に係る情報処理プログラムは、各々に予め属性が対応付けられた複数の文書であって、記憶領域に格納された前記複数の文書を、前記記憶領域から取り出す操作が関連付けられた操作部を提示し、前記操作部には、前記記憶領域に格納された複数の文書の各々の属性に応じて変化する項目により、前記記憶領域から文書を分類して取り出す操作を関連付けることを、コンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0020】
第1態様及び第12態様によれば、記憶領域に格納された文書に応じて、文書の取り出し方を可変にすることができる、という効果を有する。
【0021】
第2態様によれば、記憶領域に格納された文書の属性に応じて変化する項目を、ラベル名によって容易に把握することができる、という効果を有する。
【0022】
第3態様によれば、記憶領域に格納された文書の属性に応じて変化する項目を、優先順位の高い順に表示されるラベル名によって容易に把握することができる、という効果を有する。
【0023】
第4態様によれば、属性名毎の分類可能な文書数、及び、属性名毎の複数種類の属性値のばらつきの程度を示す指標値の少なくとも一方を考慮して項目の優先順位を決定することができる、という効果を有する。
【0024】
第5態様によれば、ユーザ毎の操作履歴を考慮して項目の優先順位を決定することができる、という効果を有する。
【0025】
第6態様によれば、ユーザ毎の操作履歴及び記憶領域毎の操作履歴を考慮して項目の優先順位を決定することができる、という効果を有する。
【0026】
第7態様によれば、分類可能な文書数、複数種類の属性値のばらつきの程度を示す指標値、ユーザ毎の操作履歴、及び、記憶領域毎の操作履歴の少なくとも1つを考慮して項目の優先順位を決定することができる、という効果を有する。
【0027】
第8態様によれば、記憶領域から取り出した文書が主作業領域に散らばらないようにすることができる、という効果を有する。
【0028】
第9態様によれば、記憶領域から取り出した全ての文書を主作業領域に直接配置する場合と比較して、主作業領域内の文書を整理し易くすることができる、という効果を有する。
【0029】
第10態様によれば、副作業領域が主作業領域の空き領域に配置されたことを把握することができる、という効果を有する。
【0030】
第11態様によれば、主作業領域上で記憶領域を特定して操作することができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】第1の実施形態に係る文書管理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】第1の実施形態に係る情報処理装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】第1の実施形態に係る文書属性情報の一例を示す図である。
【
図4】(A)は、実施形態に係る項目決定マトリクスの一例を示す図である。(B)は、実施形態に係る項目決定マトリクスの別の例を示す図である。
【
図5】実施形態に係る仕分けマップの一例を示す図である。
【
図6】実施形態に係る項目別取り出しボタン表示制御処理の説明に供する図である。
【
図7】実施形態に係る副作業領域が表示された主作業領域の一例を示す正面図である。
【
図8】実施形態に係る副作業領域の別の例を示す正面図である。
【
図9】(A)は、実施形態に係る項目別取り出しボタンの別の例を示す正面図である。(B)は、実施形態に係る項目別取り出しボタンの更に別の例を示す正面図である。
【
図10】第1の実施形態に係る情報処理プログラムによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図11】実施形態に係る最大項目数が2件の場合の項目別取り出しボタンの一例を示す正面図である。
【
図12】実施形態に係るラベル名が生成された項目別取り出しボタンの一例を示す正面図である。
【
図13】実施形態に係る受発注業務の流れの説明に供する図である。
【
図14】実施形態に係る受発注業務に適用した場合の項目別取り出しボタンの一例を示す図である。
【
図15】実施形態に係る受発注業務に適用した場合の項目別取り出しボタンの別の例を示す図である。
【
図16】第2の実施形態に係る情報処理装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図17】第2の実施形態に係る文書属性情報の一例を示す図である。
【
図18】第2の実施形態に係る情報処理プログラムによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図19】実施形態に係る主作業領域内の各文書を分類する方法の説明に供する図である。
【
図20】実施形態に係る類似文書の集団を求める方法の説明に供する図である。
【
図21】実施形態に係る類似文書の集団を求める別の方法の説明に供する図である。
【
図22】実施形態に係る類似文書領域を導出する方法の説明に供する図である。
【
図23】実施形態に係る副作業領域の生成及び配置方法の説明に供する図である。
【
図24】実施形態に係る副作業領域の配置方法の説明に供する図である。
【
図25】実施形態に係る承認業務に適用した場合の主作業領域の一例を示す正面図である。
【
図26】実施形態に係る承認業務に適用した場合の主作業領域の別の例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照して、本開示の技術を実施するための形態の一例について詳細に説明する。なお、動作、作用、機能が同じ働きを担う構成要素及び処理には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明を適宜省略する場合がある。各図面は、本開示の技術を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本開示の技術は、図示例のみに限定されるものではない。また、本実施形態では、本開示の技術と直接的に関連しない構成や周知な構成については、説明を省略する場合がある。
【0033】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る文書管理システム100の構成の一例を示すブロック図である。
【0034】
図1に示すように、本実施形態に係る文書管理システム100は、情報処理装置10と、複数の端末装置20A、20B、・・・と、を備えている。複数の端末装置20A、20B、・・・は、同様の構成を有しており、特に区別して説明する必要がない場合には、これらを総称して端末装置20という。情報処理装置10及び端末装置20によって所謂サーバ・クライアントシステムが構築される。
【0035】
本実施形態に係る情報処理装置10は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、入出力インターフェース(I/O)14と、記憶部15と、表示部16と、操作入力部17と、通信部18と、を備えている。
【0036】
本実施形態に係る情報処理装置10には、サーバとして機能し、一例として、サーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)等の汎用的なコンピュータ装置が適用される。また、端末装置20には、一例として、PC等の汎用的なコンピュータ装置が適用される。
【0037】
CPU11、ROM12、RAM13、及びI/O14は、バスを介して各々接続されている。I/O14には、記憶部15と、表示部16と、操作入力部17と、通信部18と、を含む各機能部が接続されている。これらの各機能部は、I/O14を介して、CPU11と相互に通信可能とされる。
【0038】
CPU11、ROM12、RAM13、及びI/O14によって制御部が構成される。制御部は、情報処理装置10の一部の動作を制御するサブ制御部として構成されてもよいし、情報処理装置10の全体の動作を制御するメイン制御部の一部として構成されてもよい。制御部の各ブロックの一部又は全部には、例えば、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路又はIC(Integrated Circuit)チップセットが用いられる。上記各ブロックに個別の回路を用いてもよいし、一部又は全部を集積した回路を用いてもよい。上記各ブロック同士が一体として設けられてもよいし、一部のブロックが別に設けられてもよい。また、上記各ブロックのそれぞれにおいて、その一部が別に設けられてもよい。制御部の集積化には、LSIに限らず、専用回路又は汎用プロセッサを用いてもよい。
【0039】
記憶部15としては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等が用いられる。記憶部15には、本実施形態に係る文書管理機能を実現するための情報処理プログラム15Aが記憶される。なお、この情報処理プログラム15Aは、ROM12に記憶されていてもよい。この情報処理プログラム15Aには、例えば、Docu Works(ドキュワークス、登録商標)等の文書管理アプリケーション・ソフトウェアが適用される。
【0040】
情報処理プログラム15Aは、例えば、情報処理装置10に予めインストールされていてもよい。情報処理プログラム15Aは、不揮発性の記憶媒体に記憶して、又はネットワークを介して配布して、情報処理装置10に適宜インストールすることで実現してもよい。なお、不揮発性の記憶媒体の例としては、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、光磁気ディスク、HDD、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、フラッシュメモリ、メモリカード等が想定される。
【0041】
表示部16には、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等が用いられる。表示部16は、タッチパネルを一体的に有していてもよい。操作入力部17には、例えば、キーボード、マウス等の操作入力用のデバイスが設けられている。表示部16及び操作入力部17は、情報処理装置10のユーザから各種の指示を受け付ける。表示部16は、ユーザから受け付けた指示に応じて実行された処理の結果や、処理に対する通知等の各種の情報を表示する。
【0042】
通信部18は、一例として、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等のネットワークNに接続されており、端末装置20、画像形成装置等の外部機器との間でネットワークNを介して通信が可能とされる。
【0043】
ところで、上述したように、例えば、情報処理装置10に存在し、複数の端末装置20で共有できる記憶領域として機能するトレイを介して文書を送受信する場合がある。端末装置20には、トレイを含む作業領域が表示され、トレイに格納された複数の文書は、トレイから作業領域に取り出して作業が行われる。文書の取り出し方としては、例えば、トレイから文書の送信者(送信元)と紐づいた文書を取り出すことができる。しかしながら、文書の取り出し方は固定されているため、ユーザがトレイから所望の文書を取り出すことが難しい場合がある。
【0044】
このため、本実施形態に係る情報処理装置10は、記憶領域に格納された複数の文書に、記憶領域から取り出す操作が関連付けられた操作部を提示し、操作部には、記憶領域に格納された複数の文書の各々の属性に応じて変化する項目により、記憶領域から文書を分類して取り出す操作を関連付ける。なお、記憶領域は、例えば、記憶部15の一部の領域によって構成されるトレイ、フォルダ等として表され、文書を格納しておく領域である。記憶領域は、複数のユーザによって共有される共有領域でもよいし、特定のユーザによって個人的に使用される個人領域でもよい。以下、記憶領域の一例としてトレイを適用した場合について説明する。
【0045】
具体的に、本実施形態に係る情報処理装置10のCPU11は、記憶部15に記憶されている情報処理プログラム15AをRAM13に書き込んで実行することにより、
図2に示す各部として機能する。なお、CPU11は、プロセッサの一例である。
【0046】
図2は、第1の実施形態に係る情報処理装置10の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0047】
図2に示すように、本実施形態に係る情報処理装置10のCPU11は、属性取得部11A、属性集計部11B、操作履歴取得部11C、項目計算部11D、ラベル生成部11E、及び表示制御部11Fとして機能する。
【0048】
本実施形態に係る記憶部15には、属性管理データベース(以下、「属性管理DB」という。)15B、操作履歴管理データベース(以下、「操作履歴管理DB」という。)15C、項目決定マトリクス15D、及び仕分けマップ15Eが記憶されている。
【0049】
属性管理DB15Bは、トレイ毎に文書の属性を管理するデータベースである。各文書には予め属性が対応付けられている。属性管理DB15Bで管理される文書属性情報の一例を
図3に示す。
【0050】
図3は、第1の実施形態に係る文書属性情報の一例を示す図である。
【0051】
図3に示すように、文書の属性には、属性名及び複数種類の属性値等が含まれる。文書の属性には、「documentId(Id:Identification)」、「sendBy」、「sendDate」、及び「customTag」が含まれる。「documentId」は文書を一意に特定する識別子を示し、「sendBy」は文書の送信元(ユーザ、複合機、自動スクリプト等)を特定する識別子を示す。「sendDate」はトレイに格納された日時を示し、「customTag」はユーザが任意に設定できる属性を示す。
【0052】
また、文書の属性として、「name」は属性名(例えば、文書種)を示し、「value」は属性値(例えば、請求書)を示し、「type」は属性の種類(例えば、string:任意の文字列)を示す。
【0053】
また、文書の属性として、「name」は属性名(例えば、業務)を示し、「value」は属性値(例えば、受注)を示し、「type」は属性の種類(例えば、category:work)を示す。属性値には、実際には文字列が直接入るのではなく、”category:work”での識別子(例えば、1:受注、2:発注)が入る。ここでは説明の便宜上文字列を示している。属性の種類が”category:work”の場合、ユーザが予め登録した定数あるいはシステムが自動的に生成した定数を示す。
【0054】
また、文書の属性として、「name」は属性名(例えば、担当者)を示し、「value」は属性値(例えば、User-A)を示し、「type」は属性の種類(例えば、user)を示す。属性の種類が”user”の場合、リポジトリに登録済みのユーザを示す。
【0055】
操作履歴管理DB15Cは、ユーザ毎の操作履歴及びトレイ毎の操作履歴を管理するデータベースである。なお、ユーザ毎の操作履歴は、ユーザがアクセス可能な全てのトレイを対象として、文書の属性名毎にユーザが文書を取り出す操作を行った回数として表される。トレイ毎の操作履歴は、トレイを対象として、文書の属性名毎に文書を取り出す操作を行った回数として表される。
【0056】
項目決定マトリクス15Dは、一例として、
図4(A)及び
図4(B)に示すように、属性取得部11A及び操作履歴取得部11Cの各々によって取得された値(データ)が格納される。項目決定マトリクス15Dは、トレイ内の複数の文書を属性毎に分類する項目を決定する際に用いられる。ここでいう項目は、例えば、属性名及び属性の種類(以下、属性の種類を単に「タイプ」という。)の組として表される。
【0057】
図4(A)は、本実施形態に係る項目決定マトリクス15Dの一例を示す図である。また、
図4(B)は、本実施形態に係る項目決定マトリクス15Dの別の例を示す図である。
【0058】
図4(A)及び
図4(B)に示すように、項目決定マトリクス15Dには、項目毎に、例えば、仕分けの識別子(classificationId)、分類可能な文書数、複数種類の属性値のばらつきの程度を示す指標値(例えば、標準偏差)、ユーザ毎の操作履歴、トレイ毎の操作履歴、ユーザ設定、及び結果(表示の優先順位)が含まれる。なお、
図4(A)に示す項目決定マトリクス15Dでは全ての項目についてユーザ設定が無効であり、
図4(B)に示す項目決定マトリクス15Dでは1つの項目についてユーザ設定が有効(有効な項目を丸印で示す)である点で異なっている。
【0059】
仕分けの識別子は、属性名及びタイプの組(つまり、項目)に対応付けられており、一例として、後述の
図5に示す仕分けマップ15Eから得られる識別子を表す。分類可能な文書数とは、属性名毎の総文書のうち、説明不能な文書を示す”system:other”という「type」を持つ文書以外の文書の数である。ユーザ設定は、ユーザが必ず使用したい項目(分類)として予め設定(例えば、お気に入り登録)していることを示す。結果(表示の優先順位)は、項目決定マトリクス15Dに格納されたデータに基づいて決定された表示の優先順位を示す。なお、表示の優先順位の決定方法については後述する。
【0060】
図5は、本実施形態に係る仕分けマップ15Eの一例を示す図である。
【0061】
図5に示すように、仕分けマップ15Eには、識別子(classificationId)と、属性値の集団とが対応付けられて登録されている。備考は説明の便宜上記載したものである。仕分けマップ15Eは、トレイ内の文書を属性に応じて複数の項目に分類する際に用いられる。例えば、属性名が”文書種”で、タイプが”string(文字列)”であれば、識別子「1」の項目に分類され、属性名が”業務”で、タイプが”category:work(特定のカテゴリ)”であれば、識別子「2」の項目に分類される。なお、
図5の例では、属性名が”文書種”で、タイプが”string(文字列)”の分類では、属性値(attributeValue)として、”請求書”が49件、”見積書”が1件、”system:other”が50件、とされている。”system:other”は、上述したように、説明不能な文書を示す。また、属性名が”業務”で、タイプが”category:work(特定のカテゴリ)”の分類では、属性値(attributeValue)として、”受注”が30件、”発注”が50件、”system:other”が20件、とされている。
【0062】
図2に戻り、属性取得部11Aは、属性管理DB15Bから、トレイ内の文書の属性を取得する。属性取得部11Aは、文書の格納先(例えば、特定の共有トレイ等)の情報を用いて、トレイを絞り込んで文書の属性を取得する。取得する属性としては、各文書にユーザが予め登録した属性、システムが自動的に登録する属性(例えば、識別子等)等が含まれる。
【0063】
属性集計部11Bは、属性取得部11Aにより取得された文書の属性に基づいて、仕分けマップ15Eを参照し、トレイ内の文書を項目別に分類する。また、属性集計部11Bは、項目毎に文書の属性を集計し、分類可能な文書数、及び、複数種類の属性値のばらつきの程度を示す指標値(標準偏差)を項目決定マトリクス15Dに登録する。このとき、属性集計部11Bは、複数種類の属性値毎に、文書Idである「documentIds」を仕分けマップ15Eに登録する。
【0064】
操作履歴取得部11Cは、操作履歴管理DB15Cから、トレイにアクセスしているユーザがアクセス可能な全てのトレイを対象として、文書の属性名の各々についてユーザ毎の操作履歴を取得する。また、操作履歴取得部11Cは、操作履歴管理DB15Cから、トレイを対象として、文書の属性名の各々についてトレイ毎の操作履歴を取得する。操作履歴取得部11Cは、取得したユーザ毎の操作履歴及びトレイ毎の操作履歴を項目決定マトリクス15Dに登録する。操作履歴取得部11Cは、例えば、「トレイにアクセス中のユーザ」、「トレイの識別子」といった情報を用いて、操作履歴を絞り込んで取得する。
【0065】
項目計算部11Dは、項目決定マトリクス15Dに登録された値(データ)に基づいて、項目評価値を計算し、例えば、項目評価値の高い順に表示の優先順位を決定する。なお、項目評価値の具体的な計算方法については後述する。項目計算部11Dは、決定した表示の優先順位を項目決定マトリクス15Dに登録する。
【0066】
項目計算部11Dは、仕分けマップ15Eによって分類された分類項目数が操作部に割り当てられた最大項目数よりも多い場合、項目決定マトリクス15Dから、分類可能な文書数、及び、複数種類の属性値のばらつきの程度を示す指標値(標準偏差)を取得し、取得した分類可能な文書数、及び、複数種類の属性値のばらつきの程度を示す指標値(標準偏差)の少なくとも一方を用いて項目評価値を計算し、項目の優先順位を決定してもよい。例えば、分類可能な文書数の割合がより高い項目の優先順位を高くする。ばらつきがより小さい項目(つまり、指標値(標準偏差)の逆数がより大きい項目)の優先順位を高くする。
【0067】
また、項目計算部11Dは、仕分けマップ15Eによって分類された分類項目数が操作部に割り当てられた最大項目数よりも多い場合、項目決定マトリクス15Dから、ユーザ毎の操作履歴を取得し、取得したユーザ毎の操作履歴を用いて項目評価値を計算し、項目の優先順位を決定してもよい。例えば、ユーザ毎の操作回数の割合がより高い項目の優先順位を高くする。
【0068】
また、項目計算部11Dは、仕分けマップ15Eによって分類された分類項目数が操作部に割り当てられた最大項目数よりも多い場合、項目決定マトリクス15Dから、ユーザ毎の操作履歴及びトレイ毎の操作履歴を取得し、取得したユーザ毎の操作履歴及びトレイ毎の操作履歴を用いて項目評価値を計算し、項目の優先順位を決定してもよい。例えば、ユーザ毎の操作回数の割合がより高く、かつ、トレイ毎の操作回数の割合がより高い項目の優先順位を高くする。
【0069】
また、項目計算部11Dは、仕分けマップ15Eによって分類された分類項目数が操作部に割り当てられた最大項目数よりも多い場合、項目決定マトリクス15Dから、分類可能な文書数、複数種類の属性値のばらつきの程度を示す指標値(標準偏差)、ユーザ毎の操作履歴、及び、トレイ毎の操作履歴を取得し、取得した分類可能な文書数、複数種類の属性値のばらつきの程度を示す指標値(標準偏差)、ユーザ毎の操作履歴、及び、トレイ毎の操作履歴の少なくとも1つを用いて項目評価値を計算し、項目の優先順位を決定してもよい。例えば、分類可能な文書数の割合がより高い項目、ばらつきがより小さい項目、ユーザ毎の操作回数の割合がより高い項目、及び、トレイ毎の操作回数の割合がより高い項目の少なくとも1つである場合に優先順位を高くする。
【0070】
ラベル生成部11Eは、仕分けマップ15Eによって分類された分類項目数が操作部に割り当てられた最大項目数よりも多い場合、項目決定マトリクス15Dに登録された表示の優先順位が高い順に、分類項目を示すラベル名を生成し、生成したラベル名を、トレイから文書を分類して取り出す操作に関連付ける。ラベル名は、例えば、属性名に基づいて生成される。また、ラベル生成部11Eは、仕分けマップ15Eによって分類された分類項目数が操作部に割り当てられた最大項目数以下である場合、分類項目を表示対象として、分類項目を示すラベル名を生成し、生成したラベル名を、トレイから文書を分類して取り出す操作に関連付ける。
【0071】
表示制御部11Fは、ラベル生成部11Eにより生成されたラベル名が配置された項目別取り出しボタンを端末装置20に表示する制御を行う。項目別取り出しボタンは、操作部の一例である。なお、操作部は、ボタン表示に限定されず、例えば、リスト表示してもよい。
【0072】
図6は、本実施形態に係る項目別取り出しボタン表示制御処理の説明に供する図である。
【0073】
図6の(S1)では、表示制御部11Fが、いくつかの文書が配置されている主作業領域30を端末装置20に表示する制御を行う。主作業領域30は、配置された文書に対して作業を行う領域である。主作業領域30には、トレイ31がアイコン画像として表示される。トレイ31にマウスオーバーすると、トレイ31に格納されている文書のサムネイル画像31Aが表示されると共に、トレイ31内の全ての文書を主作業領域30に取り出す全て取り出しボタン31Bが表示される。
【0074】
(S2)では、表示制御部11Fが、全て取り出しボタン31Bにマウスオーバーされると、全て取り出しボタン31Bの表示を変化させ、主作業領域30に項目別取り出しボタン33を表示する制御を行う。項目別取り出しボタン33は、トレイ31に格納された複数の文書を、トレイ31から取り出す操作が関連付けられている。項目別取り出しボタン33には、トレイ31に格納された複数の文書の各々の属性に応じて変化する項目により、トレイ31から文書を分類して取り出す操作が関連付けられている。例えば、項目別取り出しボタン33には、項目を示すラベル名として、「担当者別」、「受信日別」、「業務別」、及び「文書名別」が配置されている。マウスオーバーによって選択状態が切り替わる。ここでは「業務別」が選択された状態とされている。
【0075】
(S3)では、表示制御部11Fが、「業務別」が選択された状態で、クリック操作されると、トレイ31から「業務別」に分類された文書を取り出して主作業領域30に表示する制御を行う。一例として、
図7に示すように、項目別に分類された文書を含む副作業領域を表示してもよい。
【0076】
図7は、本実施形態に係る副作業領域34が表示された主作業領域30の一例を示す正面図である。
【0077】
表示制御部11Fは、上述の
図6に示す項目別取り出しボタン33が操作されると、
図7に示すように、主作業領域30に、項目別取り出しボタン33の操作によって取り出された項目別(例えば、業務別)の文書を含む副作業領域34を表示する制御を行う。副作業領域34は、主作業領域30よりも小さい領域とされる。トレイ31から副作業領域34に取り出された文書は、トレイ31から削除される(つまり、文書がトレイ31から副作業領域34に移動される)。副作業領域34は、タイトル(例えば、ラベル名)を有し、大きさは可変とされる。副作業領域34に含まれる文書は、主作業領域30との間で出し入れ可能とされる。また、主作業領域30に元々配置されている文書の表示は変化しない。
【0078】
図8は、本実施形態に係る副作業領域34の別の例を示す正面図である。
【0079】
副作業領域34に表示されるサムネイル画像の数が多い場合、
図8(上図)に示すように、いくつかの代表的なサムネイル画像だけを表示させ、残りは省略記号「・・・」として表示してもよい。これにより、副作業領域34が省スペース化される。この場合、副作業領域34が選択状態にあるときだけ、
図8(下図)に示すように、副作業領域34の大きさを広げて、選択中の副作業領域34内の文書全体が表示される。これにより、選択中の副作業領域34内の文書全体に対する操作が実行可能とされる。なお、副作業領域34の具体的な配置方法については後述する。
【0080】
図9(A)は、本実施形態に係る項目別取り出しボタン33の別の例を示す正面図である。
図9(B)は、本実施形態に係る項目別取り出しボタン33の更に別の例を示す正面図である。
【0081】
図9(A)に示す項目別取り出しボタン33は、属性値で限定して取り出す場合の例である。すなわち、「業務別」という項目の中で、属性値として、”受注”、”発注”、及び”その他”を有し、この順で文書の割合が多いとする。項目別取り出しボタン33における「業務別」の表示領域を、”受注”、”発注”、及び”その他”の文書の割合に応じて変化させる。これにより、所望の属性値に限定して取り出すことが可能とされる。
【0082】
図9(B)に示す項目別取り出しボタン33は、属性値(日時)で限定して取り出す場合の例である。すなわち、「受信日別」という項目の中で、属性値(日時)として、”昨日”及び”今日”を有し、この順で文書の割合が多いとする。項目別取り出しボタン33における「受信日別」の表示領域を、”昨日”及び”今日”の文書の割合に応じて変化させる。これにより、所望の属性値(日時)に限定して取り出すことが可能とされる。
【0083】
本実施形態に係る表示制御部11Fは、分類項目の変化に応じて、項目別取り出しボタン33のラベル名を変更する制御を行う。表示制御部11Fは、分類項目数が項目別取り出しボタン33に割り当てられた最大項目数よりも多い場合、一例として、上述の
図4(A)又は
図4(B)に示す項目決定マトリクス15Dを参照し、分類項目の中から優先順位の高い順に選択された項目を示すラベル名を項目別取り出しボタン33に表示する制御を行う。
【0084】
次に、
図10を参照して、第1の実施形態に係る情報処理装置10の作用を説明する。
【0085】
図10は、第1の実施形態に係る情報処理プログラム15Aによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0086】
まず、情報処理装置10に対して、項目別文書取り出し処理の実行が指示されると、CPU11により情報処理プログラム15Aが起動され、以下のステップを実行する。
【0087】
図10のステップS101では、CPU11が、一例として、上述の
図3に示す文書属性情報を用いて、トレイ内の文書の属性を取得する。具体的には、トレイの文書一覧を取得し、文書一覧に含まれる各文書の文書属性情報から、文書の属性を取得する。この処理は、トレイに格納された文書のサムネイル画像の表示のために実行される。このとき、トレイ内の文書の総数を取得する。
【0088】
ステップS102では、CPU11が、ステップS101で取得した文書の属性に基づいて、一例として、上述の
図5に示す仕分けマップ15Eを参照し、トレイ内の文書を項目別に分類する。そして更に、CPU11は、トレイ内の文書属性を集計する。具体的には、属性名及びタイプの組(つまり、項目)毎に、文書数を求める。例えば、トレイ内に格納されている文書の総数が100件とされる。そのうち、属性名が「文書種」でタイプが「string(文字列)」の文書が50件、属性名が「業務」でタイプが「category:work(特定のカテゴリ)」の文書が80件、属性名が「担当者」でタイプが「user」の文書が100件とされる。
【0089】
また、属性名及びタイプの組毎に、属性値の割合を求める。属性値の割合としては、例えば、属性名が「文書種」でタイプが「string(文字列)」の組の場合、属性値が「請求書」の文書が49件、属性値が「見積書」の文書が1件とされる。また、例えば、属性名が「業務」でタイプが「category:work(特定のカテゴリ)」の組の場合、属性値が「受注」の文書が30件、属性値が「発注」の文書が50件とされる。このとき、CPU11は、属性値毎の文書Id(=documentIds)を、一例として、上述の
図5に示す仕分けマップ15Eに登録する。CPU11は、これらの集計結果から得られる分類可能な文書数及びばらつきの程度を示す指標値(標準偏差)を、一例として、上述の
図4(A)又は
図4(B)に示す項目決定マトリクス15Dに登録する。
【0090】
ステップS103では、CPU11が、仕分けマップ15Eによって分類された分類項目数が項目別取り出しボタン33に割り当てられた最大項目数よりも多いか否かを判定する。分類項目数が最大項目数よりも多いと判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS104に移行し、分類項目数が最大項目数以下であると判定した場合(否定判定の場合)、ステップS109に移行する。
【0091】
ステップS104では、CPU11が、一例として、操作履歴管理DB15Cを用いて、トレイにアクセスしているユーザがアクセス可能な全てのトレイを対象として、文書の属性名毎にユーザが文書を取り出す操作を行った回数を表すユーザ毎の操作履歴を取得する。つまり、トレイにアクセス中のユーザが文書を分類して取り出す操作を行った回数を取得する。例えば、トレイから分類して取り出す操作を行った総回数が30回と取得される。この操作回数は特に限定されるものではないが、直近の所定期間(例えば、1~3ヶ月)内の操作回数を取得することが望ましい。アクセス中のユーザの操作に限定される。ユーザがアクセス権を持つトレイ全てについて操作回数を取得する。属性名及びタイプの組毎に、アクセス中のユーザの操作回数を求める。例えば、属性名が「文書種」でタイプが「string(文字列)」では0回、属性名が「業務」でタイプが「category:work(特定のカテゴリ)」では28回、属性名が「担当者」でタイプが「user」は2回とされる。CPU11は、アクセス中のユーザの取り出し操作の割合(例えば、0/30、28/30、2/30)を、ユーザ毎の操作履歴として、上述の
図4(A)又は
図4(B)に示す項目決定マトリクス15Dに登録する。
【0092】
ステップS105では、CPU11が、一例として、操作履歴管理DB15Cを用いて、トレイを対象として、文書の属性名毎に文書を取り出す操作を行った回数を表すトレイ毎の操作履歴を取得する。つまり、トレイ内の文書を分類して取り出す操作を行った回数を取得する。例えば、トレイから分類して取り出す操作を行った総回数が30回と取得される。この操作回数は特に限定されるものではないが、直近の所定期間(例えば、1~3ヶ月)内の操作回数を取得することが望ましい。現在操作中のトレイに限定し、ユーザは不特定とする。但し、個人のトレイ(例えば、私書箱トレイ)の場合はこの処理はスキップされる。属性名及びタイプの組毎に、操作回数を求める。例えば、属性名が「文書種」でタイプが「string(文字列)」では3回、属性名が「業務」でタイプが「category:work(特定のカテゴリ)」では18回、属性名が「担当者」でタイプが「user」では9回とされる。CPU11は、操作中のトレイの取り出し操作の割合(例えば、3/30、18/30、9/30)を、トレイ毎の操作履歴として、上述の
図4(A)又は
図4(B)に示す項目決定マトリクス15Dに登録する。
【0093】
ステップS106では、CPU11が、一例として、上述の
図4(A)又は
図4(B)に示す項目決定マトリクス15Dを用いて、項目の計算を行う。つまり、上述の項目評価値を計算する。例えば、分類可能な文書の割合をA、ばらつきの程度を示す指標値(標準偏差)の逆数(つまり、ばらつきの小ささを表す。)をB、ユーザ毎の取り出し操作の割合をC、トレイ毎の取り出し操作の割合をD、システムが決定する重みをw1~w4、ユーザ設定(お気に入り)の定数をw5とした場合、項目評価値Vは、以下の式(1)で表される。
【0094】
V=A×w1+B×w2+C×w3+D×w4+w5 ・・・(1)
【0095】
但し、w1≧w2≧w3≧w4、w5(お気に入り)=0、又は、w5>>w1
【0096】
なお、最適な重みの決定のために、例えば、機械学習等のロジックを入れても良い。定数w5は、外部要因であり、ユーザによって適宜設定される。定数w5を設定する場合、ユーザが特に使用したい項目が選択され易くなるように比較的大きな値を設定することが望ましい。
【0097】
具体的に、上述の
図4(A)に示す項目決定マトリクス15Dを用いた項目評価値の計算例を示す。なお、
図4(A)の例では、属性名が「文書種」でタイプが「string(文字列)」の項目(識別子(ClassificationId)=1)について、総文書数100件のうち、属性値「請求書」が49件、属性値「見積書」が1件、説明不能な文書が50件とする。また、属性名が「業務」でタイプが「category:work(特定のカテゴリ)」の項目(識別子=2)について、総文書数100件のうち、属性値「受注」が30件、属性値「発注」が50件、説明不能な文書が20件とする。また、属性名が「担当者」でタイプが「user」の項目(識別子=3)について、総文書数100件のうち、属性値「User-A」が50件、属性値「User-B」が50件とする。
【0098】
識別子=1の項目では、重みw1=w2=w3=w4=1、定数w5=0とすると、項目評価値V1は、以下のように求まる。
【0099】
V1=50/100+1/22.87+0/30+3/30≒0.64
【0100】
識別子=2の項目では、重みw1=w2=w3=w4=1、定数w5=0とすると、項目評価値V2は、以下のように求まる。
【0101】
V2=80/100+1/12.47+28/30+18/30≒2.41
【0102】
識別子=3の項目では、重みw1=w2=w3=w4=1、定数w5=0とすると、項目評価値V3は、以下のように求まる。
【0103】
V3=100/100+1/5.72+2/30+9/30≒1.54
【0104】
また、上述の
図4(B)に示す項目決定マトリクス15Dを用いた項目評価値の計算例を示す。
図4(B)の例では、識別子=1の項目についてユーザ設定が有効、つまり、お気に入り登録されている。
【0105】
識別子=1の項目では、重みw1=w2=w3=w4=1、定数w5=3とすると、項目評価値V1は、以下のように求まる。
【0106】
V1=50/100+1/22.87+0/30+3/30+3≒3.64
【0107】
識別子=2の項目では、重みw1=w2=w3=w4=1、定数w5=0とすると、項目評価値V2は、以下のように求まる。
【0108】
V2=80/100+1/12.47+28/30+18/30≒2.41
【0109】
識別子=3の項目では、重みw1=w2=w3=w4=1、定数w5=0とすると、項目評価値V3は、以下のように求まる。
【0110】
V3=100/100+1/5.72+2/30+9/30≒1.54
【0111】
ステップS107では、CPU11が、ステップS106で計算した項目評価値に基づいて、表示の優先順位を決定し、決定した表示の優先順位を、一例として、上述の
図4(A)又は
図4(B)に示す項目決定マトリクス15Dに登録する。具体的に、上述の
図4(A)に示す項目決定マトリクス15Dでは、項目評価値が高い順に、識別子=2の項目、識別子=3の項目、識別子=1の項目の順で表示の優先順位が決定される。例えば、識別子=1の項目と、識別子=2の項目とを比較すると、分類可能な文書は識別子=2の項目の方が多く、属性値のばらつきは識別子=2の項目の方が小さく、ユーザ毎の操作履歴(取り出し回数)は識別子=2の項目の方が多い。これらより識別子=2の項目の方がより良い分類と言える。
【0112】
また、上述の
図4(B)に示す項目決定マトリクス15Dでは、項目評価値が高い順に、識別子=1の項目、識別子=2の項目、識別子=3の項目の順で表示の優先順位が決定される。識別子=1の項目は、ユーザ設定が有効、つまり、お気に入り登録されているため、表示の優先順位が高くなる。
【0113】
なお、上記では、分類可能な文書の割合A、ばらつきの程度を示す指標値(標準偏差)の逆数B、ユーザ毎の取り出し操作の割合C、及び、トレイ毎の取り出し操作の割合Dを全て用いて項目の優先順位を決定した。項目の優先順位の決定方法は、これに限定されない。例えば、分類可能な文書の割合A、及び、ばらつきの程度を示す指標値(標準偏差)の逆数Bの少なくとも一方を用いて優先順位を決定してもよいし、ユーザ毎の取り出し操作の割合Cを用いて優先順位を決定してもよい。また、ユーザ毎の取り出し操作の割合Cだけで十分な精度が出ない場合には、ユーザ毎の取り出し操作の割合C、及び、トレイ毎の取り出し操作の割合Dを用いて優先順位を決定してもよい。更には、分類可能な文書の割合A、ばらつきの程度を示す指標値(標準偏差)の逆数B、ユーザ毎の取り出し操作の割合C、及び、トレイ毎の取り出し操作の割合Dの少なくとも1つを用いて優先順位を決定してもよい。
【0114】
ステップS108では、CPU11が、一例として、上述の
図4(A)又は
図4(B)に示す項目決定マトリクス15Dに登録された表示の優先順位に従って、項目を選択する。つまり、ステップS106の項目の計算で求めた項目評価値の高いものから順に選択する。項目別取り出しボタン33の表示可能な最大項目数に応じて、分類項目を選択する。項目別取り出しボタン33の最大項目数は、例えば、2件以上4件以下とされる。例えば、項目別取り出しボタン33の最大項目数が2件の場合、
図11に示すボタン項目になる。
【0115】
図11は、本実施形態に係る最大項目数が2件の場合の項目別取り出しボタン33の一例を示す正面図である。
【0116】
図11に示すように、項目別取り出しボタン33には、属性名が「文書種」でタイプが「string(文字列)」の項目、及び、属性名が「業務」でタイプが「category:work(特定のカテゴリ)」の項目の2つの項目が表示される。
【0117】
また、計算結果の項目評価値が同じであった場合、例えば、(1)ユーザの取り出し操作履歴があり、かつ、日時が新しい項目を選択する。(2)上記(1)で決まらなかった場合は、トレイの取り出し操作履歴を更に追加して同様の計算を行う。(3)上記(2)で決まらなかった場合は、システムがランダムで決定する。
【0118】
ステップS109では、CPU11が、項目を示すラベル名を生成する。分類項目数が最大項目数以下である場合には、分類された項目のラベル名を生成し、分類項目数が最大項目数よりも多い場合には、表示の優先順位が高い項目から順にラベル名を生成する。ラベル名は、例えば、属性名に基づいて生成する。一例として、
図12に示すように、属性名が「文書種」でタイプが「string(文字列)」の項目の場合、ラベル名は「文書種別」と生成され、属性名が「業務」でタイプが「category:work(特定のカテゴリ)」の項目の場合、ラベル名は「業務別」と生成される。このとき、ラベル名と仕分けマップ15Eの識別子(ClassificationId)とを対応付ける。
【0119】
図12は、本実施形態に係るラベル名が生成された項目別取り出しボタン33の一例を示す正面図である。
【0120】
図12に示す項目別取り出しボタン33には、属性名が「文書種」でタイプが「string(文字列)」の項目に対応してラベル名「文書種別」が生成され、属性名が「業務」でタイプが「category:work(特定のカテゴリ)」の項目に対応してラベル名「業務別」が生成される。
【0121】
ステップS110では、CPU11が、ステップS109で生成したラベル名を項目別取り出しボタン33に配置し、項目別取り出しボタン33を主作業領域30に表示する制御を行い、本情報処理プログラム15Aによる一連の処理を終了する。
【0122】
次に、
図13~
図15を参照して、本実施形態に係る文書管理システムを受発注業務に適用した場合について具体的に説明する。
【0123】
図13は、本実施形態に係る受発注業務の流れの説明に供する図である。
【0124】
図13の例では、取引先毎に共有トレイ37を有し、作業者A及び作業者Bの各々が共有トレイ37を操作可能とされる。作業者A及び作業者Bが同時に作業を行う場合も有り得る。作業者A及び作業者Bの上長は、共有トレイ37内の文書のステータスを見ることができる。
【0125】
図13の(S11)では、作業者Bが、共有トレイ37から発注業務に関する文書を端末装置20の受発注業務用共有作業領域35に取り出す。
【0126】
(S12)では、作業者Bが、受発注業務用共有作業領域35に取り出した文書の承認依頼を行うために、当該文書を上長が使用する端末装置の個人トレイ38に格納する。
【0127】
(S13)では、上長が、自身の個人トレイ38から、承認を行う文書を個人作業領域36に取り出す。
【0128】
(S14)では、上長が、個人作業領域36に取り出した文書に承認印を付与し、承認印が付与された承認済み文書を共有トレイ37に格納する。
【0129】
一方、(S15)では、作業者Aが、共有トレイ37から受注業務に関する文書を端末装置20の受発注業務用共有作業領域35に取り出す。
【0130】
(S16)では、作業者Aが、受発注業務用共有作業領域35に取り出した文書のうち、承認済み文書を、日付・業務毎にフォルダに格納し保管する。
【0131】
図14は、本実施形態に係る受発注業務に適用した場合の項目別取り出しボタン39の一例を示す図である。
【0132】
図14に示すように、いくつかの文書が配置されている主作業領域30が端末装置20に表示される。主作業領域30には、共有トレイ37がアイコン画像として表示される。共有トレイ37にマウスオーバーすると、共有トレイ37に格納されている文書のサムネイル画像37Aが表示されると共に、共有トレイ37内の全ての文書を主作業領域30に取り出す全て取り出しボタン37Bが表示される。
【0133】
そして、全て取り出しボタン37Bにマウスオーバーされると、全て取り出しボタン37Bの表示を変化させ、主作業領域30に項目別取り出しボタン39が表示される。項目別取り出しボタン39は、共有トレイ37に格納された複数の文書を、共有トレイ37から取り出す操作が関連付けられている。項目別取り出しボタン39には、共有トレイ37に格納された複数の文書の各々の属性に応じて変化する項目により、共有トレイ37から文書を分類して取り出す操作が関連付けられている。
図14の例では、共有トレイ37に領収書が多く入っている場合、項目別取り出しボタン39には、項目を示すラベル名として、「品目別」、「日付別」、「送付控」、及び「入金待ち」が配置される。また、共有トレイ37に見積書と発注書が半々くらい入っている場合、項目別取り出しボタン39には、項目を示すラベル名として、「文書種別」、「受信日別」、「納期別」、及び「合意済み」が配置される。
【0134】
図15は、本実施形態に係る受発注業務に適用した場合の項目別取り出しボタン39の別の例を示す図である。
【0135】
図15の例では、作業者Aが共有トレイ37を操作する場合、項目別取り出しボタン39には、項目を示すラベル名として、「担当者別」、「受注日別」、「業務別」、及び「承認可否毎」が配置される。また、作業者Bが共有トレイ37を操作する場合、項目別取り出しボタン39には、項目を示すラベル名として、「業務別」及び「納品日別」が配置される。
【0136】
このように本実施形態によれば、トレイに格納された文書の属性に応じて、文書の取り出し方を可変にする。このため、ユーザがトレイから所望の文書を取り出すことが容易となる。
【0137】
[第2の実施形態]
本実施形態では、項目別取り出しボタンの操作によって取り出された項目毎の文書を含む副作業領域を主作業領域の適切な位置に配置する形態について説明する。
【0138】
図16は、第2の実施形態に係る情報処理装置10Aの機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0139】
図16に示すように、本実施形態に係る情報処理装置10AのCPU11は、属性取得部11A、類似文書検索部11G、配置計算部11H、副作業領域生成部11J、文書移動部11K、及び配置制御部11Lとして機能する。
【0140】
本実施形態に係る記憶部15には、属性管理DB15B、操作履歴管理DB15C、項目決定マトリクス15D、仕分けマップ15E、及び副作業領域管理DB15Fが記憶されている。なお、上記第1の実施形態で説明した情報処理装置10が有する構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0141】
属性取得部11Aは、属性管理DB15Bから、必要な情報を取得する。文書の格納先(例えば、特定の主作業領域、特定の共有トレイ等)の情報を使って絞り込んで文書属性を取得する。取得する属性としては、各文書にユーザが予め登録した属性の他に、システムが自動的に登録する属性(例えば、識別子)等がある。また、主作業領域上にある文書について、主作業領域上の文書を示すサムネイルの表示位置、サムネイルの大きさ等の情報も併せて取得する。属性管理DB15Bで管理される文書属性情報の一例を
図17に示す。
【0142】
図17は、第2の実施形態に係る文書属性情報の一例を示す図である。
【0143】
図17に示すように、文書の属性には、属性名、複数種類の属性値、サムネイルの表示位置、及びサムネイルの大きさ等が含まれる。文書の属性には、「documentId」、「displayX」、「displayY」、「thumbnailWidth」、「thumbnailHeight」、及び「customTag」が含まれる。「documentId」は文書を一意に特定する識別子を示す。「displayX」はワークスペース(=主作業領域)上のサムネイルの位置(X座標)を示し、ワークスペースの左上を0(ゼロ)として整数値で表現される。「displayY」はワークスペース上のサムネイルの位置(Y座標)を示し、ワークスペースの左上を0(ゼロ)として整数値で表現される。「thumbnailWidth」はディスプレイ上で表示しているサムネイルの幅を示し、「thumbnailHeight」はディスプレイ上で表示しているサムネイルの高さを示す。「customTag」はユーザが任意に設定できる属性を示す。
【0144】
また、文書の属性として、「name」は属性名(例えば、文書種)を示し、「value」は属性値(例えば、請求書)を示し、「type」は属性の種類(例えば、string:任意の文字列)を示す。
【0145】
また、文書の属性として、「name」は属性名(例えば、業務)を示し、「value」は属性値(例えば、受注)を示し、「type」は属性の種類(例えば、category:work)を示す。ここでは説明の便宜上文字列を示している。属性の種類が”category:work”の場合、ユーザが予め登録した定数あるいはシステムが自動的に生成した定数を示す。
【0146】
また、文書の属性として、「name」は属性名(例えば、担当者)を示し、「value」は属性値(例えば、User-A)を示し、「type」は属性の種類(例えば、user)を示す。属性の種類が”user”の場合、リポジトリに登録済みのユーザを示す。
【0147】
類似文書検索部11Gは、主作業領域に配置されている文書の中から、副作業領域に含まれる文書の属性と類似する属性を有する文書の集団を検索する。類似文書の検索は、既存技術(例えば、機械学習、人工知能(AI:Artificial Intelligence)等)に置き換えてもよい。
【0148】
配置計算部11Hは、主作業領域上の文書の配置から、副作業領域を表示するのに最適な領域を計算する。
【0149】
副作業領域生成部11Jは、副作業領域管理DB15Fに、副作業領域の識別子、親となる主作業領域の識別子、表示位置(X座標、Y座標)、タイトル(例えば、ラベル名)、使用した分類等の情報を登録する。
【0150】
文書移動部11Kは、文書の格納先を更新する。属性管理DB15Bにアクセスして、トレイに入っている文書を副作業領域に移動したことを登録する。
【0151】
配置制御部11Lは、文書移動部11Kにより移動された文書を含む副作業領域を、主作業領域における、副作業領域に含まれる文書の属性と類似する属性を有する文書の近傍に配置する。配置制御部11Lは、副作業領域の配置が完了したことをユーザに通知する。また、配置制御部11Lは、主作業領域に配置された文書の近傍に副作業領域を配置する領域がない場合に、副作業領域を主作業領域の空き領域に配置する。この場合、配置制御部11Lは、副作業領域を主作業領域の空き領域に配置したことを示すメッセージを表示する制御を行う。つまり、類似文書が集まっている領域から離れた場所に副作業領域が配置された場合は、そのことが分かるように、例えば、アイコン、ポップアップ等の表示も生成して表示する。
【0152】
次に、
図18を参照して、第2の実施形態に係る情報処理装置10Aの作用を説明する。
【0153】
図18は、第2の実施形態に係る情報処理プログラム15Aによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0154】
まず、情報処理装置10Aに対して、副作業領域配置処理の実行が指示されると、CPU11により情報処理プログラム15Aが起動され、以下のステップを実行する。
【0155】
図18のステップS111では、CPU11が、取り出し方の指定を受け付ける。項目別取り出しボタン33のラベル名が指定されると、ラベル名に対応付けられた仕分けマップ15Eの識別子(ClassificationId)を取得する。ここでは、項目別取り出しボタン33の「業務別」が指定される。このとき、トレイの中に仕分けマップ15E内にない文書、つまり、新着文書があった場合、新着文書の文書属性を取得して分類する。操作履歴管理DB15Cに、ユーザが選んだ取り出し方を登録する。また、操作したユーザ、トレイの識別子、操作日時等の情報を、取り出し方と共に登録する。
【0156】
ステップS112では、CPU11が、主作業領域内の文書の属性を取得する。つまり、現在表示中の主作業領域内の文書一覧を取得し、主作業領域内の文書の属性を取得する。そして、ステップS111で指定された取り出し方(=ラベル名)に基づいて、一例として、
図19に示すように、主作業領域内の各文書を分類する。
【0157】
図19は、本実施形態に係る主作業領域内の各文書を分類する方法の説明に供する図である。
【0158】
図19に示す主作業領域40には、文書D1~文書D7がサムネイルとして表示されている。文書D1~文書D3は、属性名が「業務」でタイプが「category:work」で属性値が「受注」という属性を有している。また、文書D4は、属性名が「業務」でタイプが「category:work」で属性値が「発注」という属性を有している。また、文書D5~文書D7は、属性名が「業務」でタイプに「category:work」がついていない、すなわち、説明不能な文書という属性を有している。
【0159】
ステップS113では、CPU11が、分類毎に類似文書の集団を検出する。具体的に、注目文書に対する、近傍の文書の属性及び表示位置の距離から、類似文書の集団を求める。類似文書の集団の求め方は、例えば、公知の技術(クラスタリング等)を採用しても良い。なお、文書が同一座標にいくつも重なっていたり、多種多様な文書が密集していたりする場合は、正しく分類されない可能性がある。このため、前提として、主作業領域がある程度整理されていることが望ましい。また、処理に時間がかかる場合は、夜間のバッチ処理等で予め類似文書の集団を求めておいても良い。ここでは、一例として、
図20に示すように、類似文書の集団を求める。
【0160】
図20は、本実施形態に係る類似文書の集団を求める方法の説明に供する図である。
【0161】
図20(上図)に示す主作業領域40は、横軸がX軸、縦軸がY軸、左上の座標が(0、0)となる座標系で表現される。なお、文書1、2、3はそれぞれ文書D1、D2、D3に対応し、文書Xは文書D4に対応し、文書Y、4、5はそれぞれ文書D5、D6、D7に対応する。
【0162】
まず、文書1を注目文書として、X軸方向において最も近くに存在する文書が同一の分類か否かを判定する。同一の分類と判定した場合、X軸方向において次に近くに存在する文書が同一の分類か否かを判定する。以下、X軸方向においてこれを繰り返す。一方、同一の分類ではないと判定した場合、異なる分類の文書間の距離Lを求める。
図20(上図)の例では、文書1と文書Xとの距離L1を求め、距離L1を半径とした円の内部(左上から処理していく場合、円の1/4で良い。)の文書を全件取得し、同一の分類か否かを判定する。同様に、文書1と文書Yとの距離L2を求め、距離L2を半径とした円の内部の文書を全件取得し、同一の分類か否かを判定する。なお、X軸方向の処理の流れは、
図20(下図)に示すように、文書X、文書2、文書3、・・・の順になる。全文書についてX軸方向の探索を終了したら、Y軸方向も同様に探索する。なお、Y軸方向の処理の流れは、
図20(下図)に示すように、文書2、文書3、文書Y、・・・の順になる。このとき、X軸方向の処理で分類済みの文書はスキップする。
【0163】
図21は、本実施形態に係る類似文書の集団を求める別の方法の説明に供する図である。
【0164】
図21に示すように、同一分類の文書が主作業領域40内に分かれている場合は、その他の文書属性の比較を行い、特徴づけることができる属性を探す。特徴づけることができる場合、別の類似文書集団と判定する。
【0165】
図21の例では、文書1、2、3の分類と文書α、β、γの分類とを比較した場合、属性名が「業務」でタイプが「category:work」で属性値が「受注」という属性は一致する。一方、属性名が「担当者」でタイプが「user」という属性が異なる。この場合、属性名が「担当者」でタイプが「user」という属性で特徴づけることができる。一方、特徴づけることができなかった場合、文書数が多い方を「類似文書集団の代表」とする。なお、処理に時間がかかる場合は、上述したように、夜間のバッチ処理等で予め類似文書の集団を求めておいても良い。
【0166】
ステップS114では、CPU11が、類似文書の集団を含む類似文書領域を導出する。例えば、
図22に示すように、分類毎に以下の処理を実施し、類似文書が集まっている領域を求める。
【0167】
図22は、本実施形態に係る類似文書領域を導出する方法の説明に供する図である。
【0168】
図22(上図)に示す主作業領域40において、文書D1~D3が類似文書の集団となるため、これら文書D1~D3に対して、Ymin、Ymax、Xmin、及びXmaxを定める。Yminは、Y軸方向の最小値を持つ文書D1のサムネイル画像の上端の座標を示し、Ymaxは、Y軸方向の最大値を持つ文書D2のサムネイル画像の下端の座標を示す。Xminは、X軸方向の最小値を持つ文書D1のサムネイル画像の左端の座標を示し、Xmaxは、X軸方向の最大値を持つ文書D3のサムネイル画像の右端の座標を示す。
図22(下図)に示すように、これらYmin、Ymax、Xmin、及びXmaxの値から類似文書領域40Aを求める。類似文書領域40Aは、例えば、矩形領域として表される。なお、類似文書が1件の場合には、当該類似文書のサイズから類似文書領域40Aが求まる。
【0169】
ステップS115では、CPU11が、類似文書領域の下又は右に所定サイズ以上の空き領域が有るか否かを判定する。所定サイズ以上の空き領域が有ると判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS117に移行し、所定サイズ以上の空き領域がないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップS116に移行する。具体的に、ステップS114で求めた類似文書領域40Aの高さ及び幅を求める。このとき、幅>高さであれば、横長の矩形領域のため、類似文書領域40Aの下、つまり、Y軸方向に探索し、高さ>幅であれば、縦長の矩形領域のため、類似文書領域40Aの右、つまり、X軸方向に探索する。それぞれの探索方向に、一例として、上述の
図22(下図)に示すように、システムで定めたマージン、並びに、サムネイル画像の高さ及び幅に基づき計算した所定サイズ内に文書があるか否かを判定する。この場合、所定サイズ内に文書があれば、空き領域はなく、所定サイズ内に文書がなければ、空き領域があると判定される。なお、サムネイル画像の高さ及び幅が可変のシステムの場合、標準的なサムネイル画像(例えば、A4サイズの文書)を利用してもよいし、トレイから取り出す予定の文書のサムネイル画像の高さ及び幅を利用してもよい。
【0170】
ステップS116では、CPU11が、類似文書領域の右又は下に所定サイズ以上の空き領域が有るか否かを判定する。所定サイズ以上の空き領域が有ると判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS117に移行し、所定サイズ以上の空き領域がないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップS119に移行する。幅>高さであれば、類似文書領域40Aの右、つまり、X軸方向に探索し、高さ>幅であれば、類似文書領域40Aの下、つまり、Y軸方向に探索する。このステップS116では、上記ステップS115と同様の探索を軸の方向を変えて実行する。
【0171】
ステップS117では、CPU11が、副作業領域を生成する。具体的に、副作業領域のタイトルを決定する。タイトルは、例えば、属性名が「業務」でタイプが「category:work」で属性値が「受注」の場合、[業務:受注]等と決定する。そして、トレイから取り出す文書数に応じて、副作業領域の大きさ、つまり、高さ及び幅を決定する。
【0172】
ステップS118では、CPU11が、一例として、上述の仕分けマップ15Eの識別子(ClassificationId)を用いて、類似文書領域の近傍に副作業領域を配置する。このとき、副作業領域管理DB15Fに副作業領域の識別子、表示位置(X座標、Y座標)、タイトル、使用した分類等の情報を登録する。
【0173】
図23は、本実施形態に係る副作業領域の生成及び配置方法の説明に供する図である。
【0174】
図23(上図)の例では、次の条件を満たすように副作業領域の大きさを決定する。
(条件1)幅の最大値は、Ymin、Ymax、Xmin、及びXmaxで定まる矩形領域の幅+マージンとする。但し、Ymin、Ymax、Xmin、及びXmaxで定まる矩形領域の幅+マージンのサイズではトレイ内の該当文書が全て取り出せない場合、代表となる類似文書の矩形領域の幅+省略記号「・・・」とする。
(条件2)高さの最大値は、Ymin、Ymax、Xmin、及びXmaxで定まる矩形領域の高さ+マージンとする。
(条件3)他の分類の矩形領域に重ならない。
【0175】
また、
図23(下図)に示す主作業領域40には、上記条件1~3を満たすように、副作業領域41~43が配置される。副作業領域41は、文書D1~D3を含む類似文書領域の近傍に配置され、副作業領域42は、文書D4を含む類似文書領域の近傍に配置され、副作業領域43は、文書D6を含む類似文書領域の近傍に配置される。
【0176】
ステップS119では、CPU11が、対象の分類については副作業領域が生成出来なかったNG分類として、NG分類の数をインクリメントする。NG分類の数はシステムに登録される。
【0177】
ステップS120では、CPU11が、全ての分類について処理が終了したか否かを判定する。全ての分類について処理が終了したと判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS121に移行し、全ての分類について処理が終了していないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップS115に戻り処理を繰り返す。
【0178】
ステップS121では、CPU11が、NG分類について主作業領域内の空き領域を探索する。具体的に、以下の処理を順番に実行する。
【0179】
(1)全文書を対象として、X軸方向及びY軸方向の座標の最大値を取得する。座標の最大値が小さい文書から順に処理を実行する。例えば、文書の幅>文書の高さである場合、文書の下側から探索する。
(2)上記ステップS115と同様の空き領域探索処理を行う。このとき、文書又は副作業領域が配置されている場合は、その領域の更に下又は右を探索する。探索中の方向の座標の最大値を取得し、その最大値より大きい場合、判定結果はNGとなる。
(3)上記ステップS116と同様の空き領域探索処理を行う。
【0180】
ステップS122では、CPU11が、上記ステップS117と同様の副作業領域生成処理を行い、生成した副作業領域を、上記ステップS121での探索により得られた主作業領域内の空き領域に配置する。
【0181】
ステップS123では、CPU11が、類似文書領域から離れた場所に副作業領域を配置したことを示すメッセージを表示する制御を行う。つまり、副作業領域が類似文書領域の近くに配置されなかったため、一見するとどこに副作業領域が配置されたが分からない。そのため、アイコン、リンク等を使って、副作業領域が配置されたことを明示的に示すようにする。
【0182】
図24は、本実施形態に係る副作業領域の配置方法の説明に供する図である。
【0183】
図24に示す主作業領域40には、画面上に非表示とされ、画面スクロール操作によって表示される非表示領域44が含まれる。
【0184】
例えば、非表示領域44には、[業務:発注]というタイトルを持つ副作業領域42が配置されているが、ユーザからは一見して分からない。このため、表示中の主作業領域40にポップアップ45を表示する。なお、画面上に該当する副作業領域42が表示されている場合はポップアップ45の表示が消える。また、副作業領域42が表示、操作された場合、あるいは、副作業領域42中の文書が表示、操作された場合、ポップアップ45が消える。また、ポップアップ45が押下されると、副作業領域42がある場所まで自動的にスクロールされる。
【0185】
また、例えば、主作業領域40の画面上に該当の分類文書(例えば、文書D5)が表示された場合には、対応する副作業領域を示すアイコン46を表示する。これは、画面上の文書の分類が保存されている場合に有効とされる。アイコン46が押下されると、副作業領域がある場所まで自動的にスクロールされる。1つの文書に対して複数の副作業領域が割り当てられている場合、アイコン46にマウスオーバーすることで、どの副作業領域を表示させるか選択することが可能とされる。
【0186】
ステップS124では、CPU11が、全てのNG分類について処理が終了したか否かを判定する。全てのNG分類について処理が終了していないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップS121に戻り処理を繰り返し、全てのNG分類について処理が終了したと判定した場合(肯定判定の場合)、本情報処理プログラム15Aによる一連の処理を終了する。
【0187】
次に、
図25及び
図26を参照して、本実施形態に係る文書管理システムを承認業務に適用した場合について具体的に説明する。
【0188】
図25は、本実施形態に係る承認業務に適用した場合の主作業領域40の一例を示す正面図である。
図25の例では、個人トレイ47を有し、上長が個人トレイ47を操作可能とされる。
【0189】
図25の(S21)では、CPU11が、いくつかの文書が配置されている主作業領域40を上長の端末装置20に表示する制御を行う。主作業領域40には、個人トレイ47がアイコン画像として表示される。個人トレイ47には、新着(未処理)の文書数として「5」が表示される。個人トレイ47にマウスオーバーすると、個人トレイ47に格納されている文書のサムネイル画像47Aが表示されると共に、個人トレイ47内の全ての文書を主作業領域40に取り出す全て取り出しボタン47Bが表示される。全て取り出しボタン47Bにマウスオーバーされると、全て取り出しボタン47Bの表示を変化させ、主作業領域40に項目別取り出しボタン(図示省略)を表示する制御を行う。
【0190】
(S22)では、CPU11が、主作業領域40に、上記項目別取り出しボタンの操作によって取り出された文書を含む副作業領域48、49を表示する制御を行う。副作業領域48は新着の5件の文書のうちの3件の文書を含む領域であり、副作業領域49は新着の5件の文書のうちの2件の文書を含む領域である。
【0191】
図26は、本実施形態に係る承認業務に適用した場合の主作業領域40の別の例を示す正面図である。
【0192】
図26の(S31)では、上長が、副作業領域48に含まれる文書の内容を確認し、承認及び差し戻しのいずれかに手動で分類する。分類の結果、承認用の副作業領域48Aと、差し戻し用の副作業領域48Bとが生成される。
【0193】
(S32)では、上長が、承認用の副作業領域48Aに含まれる文書に承認印を付与し、承認済み文書を元の共有トレイに戻し、差し戻し用の副作業領域48Bに含まれる文書に差し戻しの付箋を付与し、差し戻し付箋付き文書を元の共有トレイに戻す。
【0194】
このように本実施形態によれば、主作業領域内の類似文書の近傍に副作業領域が配置される。このため、トレイから取り出した全ての文書を主作業領域に直接配置する場合と比較して、主作業領域内の文書を整理し易くなる。
【0195】
なお、上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えば、CPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えば、GPU:Graphics processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0196】
また、上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0197】
以上、実施形態に係る情報処理装置を例示して説明した。実施形態は、情報処理装置が備える各部の機能をコンピュータに実行させるためのプログラムの形態としてもよい。実施形態は、これらのプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な非一時的記憶媒体の形態としてもよい。
【0198】
その他、上記実施形態で説明した情報処理装置の構成は、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更してもよい。
【0199】
また、上記実施形態で説明したプログラムの処理の流れも、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【0200】
また、上記実施形態では、プログラムを実行することにより、実施形態に係る処理がコンピュータを利用してソフトウェア構成により実現される場合について説明したが、これに限らない。実施形態は、例えば、ハードウェア構成や、ハードウェア構成とソフトウェア構成との組み合わせによって実現してもよい。
【符号の説明】
【0201】
10 情報処理装置
11 CPU
11A 属性取得部
11B 属性集計部
11C 操作履歴取得部
11D 項目計算部
11E ラベル生成部
11F 表示制御部
11G 類似文書検索部
11H 配置計算部
11J 副作業領域生成部
11K 文書移動部
11L 配置制御部
12 ROM
13 RAM
14 I/O
15 記憶部
15A 情報処理プログラム
15B 属性管理DB
15C 操作履歴管理DB
15D 項目決定マトリクス
15E 仕分けマップ
15F 副作業領域管理DB
16 表示部
17 操作入力部
18 通信部
20、20A、20B 端末装置
30 主作業領域
31 トレイ
33 項目別取り出しボタン
34 副作業領域
100 文書管理システム