(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-30
(45)【発行日】2025-07-08
(54)【発明の名称】現像装置、及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/08 20060101AFI20250701BHJP
【FI】
G03G15/08 366
(21)【出願番号】P 2021085639
(22)【出願日】2021-05-20
【審査請求日】2024-02-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 正則
(72)【発明者】
【氏名】山田 克己
(72)【発明者】
【氏名】井川 翔太
(72)【発明者】
【氏名】中尾 祥昌
(72)【発明者】
【氏名】船田 敦
(72)【発明者】
【氏名】本郷 充俊
(72)【発明者】
【氏名】菅野 誠
(72)【発明者】
【氏名】内満 大輔
(72)【発明者】
【氏名】中島 由高
(72)【発明者】
【氏名】辻野 禎之
【審査官】佐藤 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-092911(JP,A)
【文献】特開2020-020875(JP,A)
【文献】特開2011-185996(JP,A)
【文献】特開2003-302835(JP,A)
【文献】特開2008-076497(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0104325(US,A1)
【文献】特開2016-065946(JP,A)
【文献】特開2013-228659(JP,A)
【文献】特開2010-256838(JP,A)
【文献】特開2009-069447(JP,A)
【文献】特開2019-148772(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
重力方向上下に形成された第1の搬送路及び第2の搬送路に配置され、前記第1の搬送路と前記第2の搬送路との間の仕切り壁に形成された第1の連通口と第2の連通口を通して現像剤を前記第1の搬送路と第2の搬送路との間で循環させるように現像剤を搬送する第1の搬送部材及び第2の搬送部材と、
前記第1の搬送路に対向配置されて前記第1の搬送路から現像剤が供給される現像部材と、
前記現像部材において余剰となった現像剤を前記第2の搬送路へ回収搬送する第3搬送部材を収容する第3搬送路と、
前記第1の搬送部材の回転速度と前記第2の搬送部材の回転速度との相対速度比が変更可能となるように
前記第1の搬送部材と前記第2の搬送部材とを別個の動力源により駆動する駆動装置
と、を有
し、
前記駆動装置は、前記第1の搬送部材の回転速度と前記第3搬送部材の回転速度との相対速度比を一定として駆動する、現像装置。
【請求項2】
重力方向上下に形成された第1の搬送路及び第2の搬送路に配置され、現像剤を前記第1の搬送路と第2の搬送路との間で循環させるように現像剤を搬送する第1の搬送部材及び第2の搬送部材と、
前記第1の搬送路に対向配置されて前記第1の搬送路から現像剤が供給される現像部材と、
前記現像部材において余剰となった現像剤を前記第2の搬送路へ回収搬送する第3搬送部材を収容する第3搬送路と、
前記現像部材の回転速度と前記第2の搬送部材の回転速度との相対速度比が変更可能となるように駆動する
とともに、前記第1の搬送部材の回転速度と前記第3搬送部材の回転速度との相対速度比を一定となるように駆動する駆動装置
と、を有し、
前記駆動装置は、クラッチ機構を含み、前記クラッチ機構は、前記現像部材の回転速度と前記第2の搬送部材の回転速度との相対速度比を変更する、現像装置。
【請求項3】
重力方向上下に形成された第1の搬送路及び第2の搬送路に配置され、現像剤を前記第1の搬送路と第2の搬送路との間で循環させるように現像剤を搬送する第1の搬送部材及び第2の搬送部材と、
前記第1の搬送路に対向配置されて前記第1の搬送路から現像剤が供給される現像部材と、
前記現像部材において余剰となった現像剤を前記第2の搬送路へ回収搬送する第3搬送部材を収容する第3搬送路と、
前記現像部材の回転速度と前記第2の搬送部材の回転速度との相対速度比が変更可能となるように駆動するとともに、前記第1の搬送部材の回転速度と前記第2の搬送部材の回転速度と
前記第3搬送部材の回転速度との相対速度比を一定として駆動する、
駆動装置と、を有し、
前記駆動装置は、クラッチ機構を含み、前記クラッチ機構は、前記現像部材の回転速度と前記第2の搬送部材の回転速度との相対速度比を変更する、現像装置。
【請求項4】
重力方向上下に形成された第1の搬送路及び第2の搬送路に配置され、現像剤を前記第1の搬送路と第2の搬送路との間で循環させるように現像剤を搬送する第1の搬送部材及び第2の搬送部材と、
前記第1の搬送路に対向配置されて前記第1の搬送路から現像剤が供給される現像部材と、
前記現像部材において余剰となった現像剤を前記第2の搬送路へ回収搬送する第3搬送部材を収容する第3搬送路と、
前記現像部材の回転速度と前記第2の搬送部材の回転速度との相対速度比が変更可能となるように駆動するとともに、前記現像部材の回転速度と前記第1の搬送部材の回転速度との相対速度比を一定として駆動
し、前記第2の搬送部材の回転速度と前記第3搬送部材の回転速度との相対速度比を一定として駆動する駆動装置を有し、
前記駆動装置は、クラッチ機構を含み、前記クラッチ機構は、前記現像部材の回転速度と前記第2の搬送部材の回転速度との相対速度比を変更する、現像装置。
【請求項5】
重力方向上下に形成された第1の搬送路及び第2の搬送路に配置され、前記第1の搬送路と前記第2の搬送路との間の仕切り壁に形成された第1の連通口と第2の連通口を通して現像剤を前記第1の搬送路と第2の搬送路との間で循環させるように現像剤を搬送する第1の搬送部材及び第2の搬送部材と、
前記第1の搬送路に対向配置されて前記第1の搬送路から現像剤が供給される現像部材と、
前記現像部材において余剰となった現像剤を前記第2の搬送路へ回収搬送する第3搬送部材を収容する第3搬送路と、
前記現像部材の回転速度と前記第2の搬送部材の回転速度との相対速度比が変更可能となるように駆動する駆動装置
と、を有し、
前記駆動装置は、前記現像部材の回転速度と前記第1の搬送部材の回転速度との相対速度比を常に一定として駆動
し、前記第2の搬送部材の回転速度と前記第3搬送部材の回転速度との相対速度比を一定として駆動する、現像装置。
【請求項6】
重力方向上下に形成された第1の搬送路及び第2の搬送路に配置され、現像剤を前記第1の搬送路と第2の搬送路との間で循環させるように現像剤を搬送する第1の搬送部材及び第2の搬送部材と、
前記第1の搬送路に対向配置されて前記第1の搬送路から現像剤が供給される現像部材と、
前記現像部材において余剰となった現像剤を前記第2の搬送路へ回収搬送する第3搬送部材を収容する第3搬送路
と、
前記現像部材の回転速度と前記第2の搬送部材の回転速度との相対速度比が変更可能となるように駆動するとともに、前記現像部材の回転速度、前記第1の搬送部材の回転速度、前記第3搬送部材の回転速度との相対速度比を一定として駆動する
駆動装置と、を有し、
前記駆動装置は、クラッチ機構を含み、前記クラッチ機構は、前記現像部材の回転速度と前記第2の搬送部材の回転速度との相対速度比を変更する、現像装置。
【請求項7】
重力方向上下に形成された第1の搬送路及び第2の搬送路に配置され、前記第1の搬送路と前記第2の搬送路との間の仕切り壁に形成された第1の連通口と第2の連通口を通して現像剤を前記第1の搬送路と第2の搬送路との間で循環させるように現像剤を搬送する第1の搬送部材及び第2の搬送部材と、
前記第1の搬送路に対向配置されて前記第1の搬送路から現像剤が供給される現像部材と、
前記現像部材において余剰となった現像剤を前記第2の搬送路へ回収搬送する第3搬送部材を収容する第3搬送路と、
前記現像部材の回転速度と前記第2の搬送部材の回転速度との相対速度比が変更可能となるように駆動する駆動装置と、を有し、
前記駆動装置は、前記現像部材の回転速度と前記第1の搬送部材の回転速度と前記第3搬送部材の回転速度との相対速度比を常に一定として駆動する、現像装置。
【請求項8】
前記現像装置は、前記現像部材において余剰となった現像剤を前記第2の搬送路へ回収搬送する第3搬送部材を収容する第3搬送路と、
前記第2の搬送路と前記第3搬送路の間には、予め定められた高さの仕切り部材が形成される、請求項1から
7いずれか1項記載の現像装置。
【請求項9】
請求項1から
8いずれか1項に記載の現像装置と、当該現像装置に対向配置される潜像担持体と、を有する画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置、及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、静電潜像がトナー像に現像される現像領域にトナーを搬送する現像ロールと、前記現像ロールを収容する現像ロール収容部と、前記現像ロール収容部の斜め下方に配置された第1撹拌室と、前記現像ロール収容部に隣接し且つ前記第1撹拌室の上方に配置された第2撹拌室と、を有する現像容器と、前記第1撹拌室に収容され、前記第1撹拌室内のトナーを所定の第1搬送方向に撹拌しながら搬送する第1撹拌部材と、前記第2撹拌室に収容され、前記第1搬送方向とは逆方向の第2搬送方向に前記第2撹拌室内のトナーを撹拌しながら搬送する第2撹拌部材と、前記第1撹拌室の第1搬送方向下流端部から前記第2撹拌室の第2搬送方向上流端部にトナーを搬送するために、前記第1撹拌室の第1搬送方向下流端部と前記第2撹拌室の第2搬送方向上流端部とを連通する連通路であって、前記第1撹拌部材の回転軸に対して前記現像ロールから遠ざかった側であり、前記連通路の前記第2撹拌室に接する面のうち、最も前記現像ロール側に位置する部分が、前記現像ロールの軸心よりも鉛直下方に形成された前記連通路とを有する現像装置が開示されている。この現像装置には、さらに、現像ロールと第1攪拌部材との間に滞留する現像剤を攪拌搬送するための滞留現像剤搬送部材が配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、重力方向上下に隣接して配置された第1の搬送部材と第2の搬送部材を有する現像装置において、現像部材の回転速度と前記第2の搬送部材とを同じ速度比で回転させるものと比較して、現像部材に対して必要とされる現像剤を安定して供給することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1態様の現像装置は、
重力方向上下に形成された第1の搬送路及び第2の搬送路に配置され、現像剤を前記第1の搬送路と第2の搬送路との間で循環させるように現像剤を搬送する第1の搬送部材及び第2の搬送部材と、
前記第1の搬送路に対向配置されて前記第1の搬送路から現像剤が供給される現像部材と、
前記現像部材の回転速度と前記第1の搬送部材の回転速度との相対速度比を変更して駆動する駆動装置を有する。
【0006】
本発明の第2態様の現像装置は、第1態様の現像装置の発明において、前記駆動装置は、前記現像部材と前記第2の搬送部材とを別個の動力源により駆動する。
【0007】
本発明の第3態様の現像装置は、第1態様の現像装置の発明において、前記駆動装置は、クラッチ機構を含み、前記クラッチ機構は、前記現像部材と前記第2の搬送部材との相対速度比を変更する。
【0008】
本発明の第4態様の現像装置は、第2態様又は第3態様の現像装置の発明において、前記駆動装置は、前記第1の搬送部材と前記第2の搬送部材の相対速度比を一定として駆動する。
【0009】
本発明の第5態様の現像装置は、第4態様の現像装置において、前記現像装置は、前記現像部材において余剰となった現像剤を前記第2の搬送路へ回収搬送する第3搬送部材を収容する第3搬送路を有し、前記駆動装置は、前記第1の搬送部材、前記第2の搬送部材、前記第3搬送部材の相対速度比を一定として駆動する。
【0010】
本発明の第6態様の現像装置は、第2態様又は第3態様の現像装置の発明において、前記駆動装置は、前記現像部材と前記第1の搬送部材の相対速度比を一定として駆動する。
【0011】
本発明の第7態様の現像装置は、第6態様の現像装置の発明において、前記現像装置は、前記現像部材において余剰となった現像剤を前記第2の搬送路へ回収搬送する第3搬送部材を収容する第3搬送路を有し、前記駆動装置は、前記第2の搬送部材と前記第3搬送部材の相対速度比を一定として駆動する。
【0012】
本発明の第8態様の現像装置は、第6態様の現像装置の発明において、前記現像装置は、前記現像部材において余剰となった現像剤を前記第2の搬送路へ回収搬送する第3搬送部材を収容する第3搬送路を有し、前記駆動装置は、前記現像部材、前記第1の搬送部材、前記第3搬送部材の相対速度比を一定として駆動する。
【0013】
本発明の第9態様の現像装置は、第2態様又は第3態様の現像装置の発明において、前記現像装置は、前記現像部材において余剰となった現像剤を前記第2の搬送路へ回収搬送する第3搬送部材を収容する第3搬送路を有し、前記駆動装置は、前記第1の搬送部材と前記第3搬送部材の相対速度比を一定として駆動する。
【0014】
本発明の第10態様の現像装置は、第1態様から第9態様のいずれかの現像装置の発明において、前記現像装置は、前記現像部材において余剰となった現像剤を前記第2の搬送路へ回収搬送する第3搬送部材を収容する第3搬送路と、前記第2の搬送路と前記第3搬送路の間には、予め定められた高さの仕切り部材が形成される。
【0015】
本発明の第11態様の画像形成装置は、第1態様から第10態様のいずれかの現像装置と、当該現像装置に対向配置される潜像担持体と、を有する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の第1態様の現像装置によれば、重力方向上下に隣接して配置された第1の搬送部材と第2の搬送部材を有する現像装置において、現像部材の回転速度と前記第2の搬送部材とを同じ速度比で回転させるものと比較して、現像部材に対して必要とされる現像剤を安定して供給できる現像装置を提供できる。
【0017】
本発明の第2態様の現像装置によれば、現像部材と第2の搬送部材との回転速度を互いに依存することなく独立して回転させることが可能となる。
【0018】
本発明の第3態様の現像装置によれば、現像部材と第2の搬送部材との回転速度を互いに依存することなく独立して回転させることができ、且つ現像部材と第2の搬送部材を個別の動力源で駆動した場合に比べて、動力源の数を少なくすることが可能である。
【0019】
本発明の第4態様の現像装置によれば、現像部材の回転速度とは関係なく、現像部材に供給される現像剤の量に応じた量の現像剤を、第2の搬送路から第1の搬送路に循環搬送することが可能となる。
【0020】
本発明の第5態様の現像装置によれば、現像部材の回転速度とは関係なく、第1の搬送部材の回転速度に応じた量の現像剤を、第2の搬送路に回収することが可能となる。
【0021】
本発明の第6態様の現像装置によれば、現像部材の回転速度に応じて必要とされる量の現像剤を第1の搬送路から現像部材に供給することが可能となる。
【0022】
本発明の第7態様の現像装置によれば、現像部材の回転速度とは関係なく、現像部材において余剰となった現像剤を第1の搬送路へ循環搬送することが可能となる。
【0023】
本発明の第8態様の現像装置によれば、現像部材の回転速度に応じた量の現像剤を、現像部材に供給するとともに、第2の搬送路に回収することが可能となる。
【0024】
本発明の第9態様の現像装置によれば、現像部材の回転速度とは関係なく、第1の搬送部材の回転速度に応じた量の現像剤を、第2の搬送路に回収することが可能となる。
【0025】
本発明の第10態様の現像装置によれば、第2搬送路に回収された現像剤が第3搬送路に逆戻りすることを防止できる。
【0026】
また、本発明の一態様によれば、重力方向上下に隣接して配置された第1の搬送部材と第2の搬送部材を有する現像装置において、現像部材の回転速度と前記第2の搬送部材とを同じ速度比で回転させるものと比較して、現像部材に対して必要とされる現像剤を安定して供給できる画像形成装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す側面図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る現像装置を、現像装置が延在する方向から見た場合の断面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る現像装置を正面側から見た場合の断面図である。
【
図4】
図4(A)は、本発明の実施形態に係る現像装置の駆動方式の一例を示す図であり、
図4(B)は、本発明の実施形態に係る現像装置の他の駆動方式の一例を示す図である。
【
図5】
図5(A)は、本発明の実施形態に係る現像装置の駆動方式の他の一例を示す図であり、
図5(B)は、本発明の実施形態に係る現像装置のさらに他の駆動方式の一例を示す図である。
【
図6】
図6(A)は、本発明の実施形態に係る現像装置の駆動方式の他の一例を示す図であり、
図6(B)は、本発明の実施形態に係る現像装置のさらに他の駆動方式の一例を示す図である。
【
図7】
図7(A)は、本発明の実施形態に係る現像装置の駆動方式の他の一例を示す図であり、
図7(B)は、本発明の実施形態に係る現像装置のさらに他の駆動方式の一例を示す図である。
【
図8】
図8(A)は、本発明の実施形態に係る現像装置の駆動方式の他の一例を示す図であり、
図8(B)は、本発明の実施形態に係る現像装置のさらに他の駆動方式の一例を示す図である。
【
図9】
図9(A)は、本発明の実施形態に係る現像装置の駆動方式の他の一例を示す図であり、
図9(B)は、本発明の実施形態に係る現像装置のさらに他の駆動方式の一例を示す図である。
【
図10】
図10(A)は、本発明の実施形態に係る現像装置の駆動方式の他の一例を示す図であり、
図10(B)は、本発明の実施形態に係る現像装置のさらに他の駆動方式の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
次に、本発明の第1実施形態を、図面を参照して説明する。
図1には、本発明の第1実施形態の画像形成装置10が示されている。画像形成装置10は、画像形成装置本体12を有し、画像形成装置本体12内に、像形成部14と、転写装置16と、定着装置18と、給紙装置20とが配置されている。また、画像形成装置本体12内には、例えば用紙等の記録媒体を搬送するための記録媒体搬送路22が形成されている。
【0029】
像形成部14は、電子写真方式が採用されていて、記録媒体に画像を形成する。像形成部14は、例えば4つ等、例えば複数の画像形成ユニット24を有する。4つの画像形成ユニット24は、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、黒等の互いに異なる色のトナー像を形成する。
【0030】
各画像形成ユニット24は、それぞれ感光体ドラム26を有する。感光体ドラム26は、像保持体の一例であって、記録媒体に転写されるトナー像を外周面に保持して回転する。また、画像形成ユニット24は、感光体ドラム26を帯電する帯電装置28、帯電した潜像を現像剤により現像する現像装置30及び転写後の感光体ドラム26を清掃する清掃装置32が設けられている。さらに帯電した感光体ドラム26に潜像を形成する光書込み装置48が設けられている。
【0031】
転写装置16は中間転写ベルト34を有する。中間転写ベルト34には、感光体ドラム26からそれぞれにトナー像が一次転写部材36により一次転写され、一次転写されたトナー像が二次転写部材38により記録媒体に二次転写される。
【0032】
中間転写ベルト34は、複数の支持部材40によって回転することができるように支持されている。また、二次転写部材38に対向してバックアップ部材42が設けられている。
【0033】
定着装置18は、記録媒体に転写されたトナー像を、例えば熱と圧力とを用いて記録媒体に定着する。
【0034】
給紙装置20は、積層された状態にある記録媒体を収納する収納部44と、収納部44に収納された記録媒体を記録媒体搬送路22に向けて送り出す送出部材46とを有する。
【0035】
記録媒体搬送路22は、給紙装置20から二次転写部材38とバックアップ部材42との間へ記録媒体を搬送し、定着装置18へとさらに記録媒体を搬送し、画像形成装置本体12の外へと排出されるようにさらに記録媒体を搬送する。
【0036】
以上のように構成された画像形成装置10では、感光体ドラム26の外周面にそれぞれに形成されたトナー像が中間転写ベルト34へと一次転写され、中間転写ベルト34に一次転写されたトナー像が記録媒体に二次転写され、記録媒体に二次転写されたトナー像が定着装置18によって記録媒体に定着される。
【0037】
次に、
図2を参照して、本実施形態の現像装置30について説明する。キャリアとトナーとからなる現像剤を撹拌してトナーを帯電させて現像する2成分現像装置である。なお、以下の説明においては、重力方向上方を上、重力方向下方を下、上下を区別しない場合は重力方向上下、あるいは単に上下方向と呼ぶこととする。また、重力方向上下に直交し、後述する現像ロール52、第1の搬送部材82、第2の搬送部材84等が延在する方向を軸方向と呼ぶこととする。さらに、後述する第1の搬送路62の現像剤補給口70が形成される側、つまり
図3における紙面左側を便宜的に補給端側と呼び、後述する第2の搬送路64の下段排出口80が形成される側、つまり紙面右側を排出端側と呼んで説明することとする。
【0038】
像保持体としての感光体ドラム26には、現像装置30が対向して配置される。現像装置30は、現像装置ハウジングの形をとる現像装置本体50を有する。現像装置本体50内には、感光体ドラム26に対向して現像部材としての現像ロール52が配設されている。現像ロール52は、軸方向に均一な磁場を形成するためのマグネットロール54と、このマグネットロール54の外周に回転可能に装着される現像スリーブ56とを備える。マグネットロール54は、現像スリーブ56内において現像装置本体50に対して固定されている。現像スリーブ56は、非磁性材料からなる円筒部材で現像装置本体50に対して回転自在に支持されている。現像装置本体50には、現像ロール52の上方に、現像スリーブ56に対向して現像剤の層厚を規制する層厚規制部材58が固定されている。層厚規制部材58は板金で形成されている。現像スリーブ56の周囲に付着したトナーは、層厚規制部材58によって層厚を規制された後、感光体ドラム26に形成された潜像に移動されるようになっている。
【0039】
現像装置本体50は、その内部を重力方向上下に仕切る仕切り壁60によって隔てられており、重力方向上下に形成された、それぞれ第1の搬送路62と、第2の搬送路64が設けられている。断面円弧状の仕切り壁60の上面は、第1の搬送路62の下面を構成している。また、断面円弧状の仕切り壁60の下面は、第2の搬送路64の上面を構成している。第1の搬送路62と第2の搬送路64の軸方向の長さは同一であり、それぞれ軸方向に延在している。現像ロール52は、第1の搬送路62に軸方向に沿って形成された現像剤供給口66に対向配置されて、第1の搬送路62から現像剤が供給される。
【0040】
図3に示すように、現像装置本体50の上面68は、第1の搬送路62の上面でもあるが、第1の搬送路62の上部に相当する部位の補給端側に、現像剤補給口70が設けられる。仕切り壁60の、現像剤補給口70の重力方向下方側の部位には第1の連通口72が形成されている。仕切り壁60には、さらに、第1の連通口72よりも排出端側に、第2の連通口74が設けられる。また、仕切り壁60には、排出端側に近い部位に、上段排出口76が設けられている。現像装置本体50の底面78は、第2の搬送路64の底面でもあるが、排出端側に最も近い部位に下段排出口80が形成されている。
【0041】
第1の搬送路62と第2の搬送路64には、それぞれ現像剤を第1の搬送路62と第2の搬送路64との間で攪拌し、循環させるようにして搬送するための、第1の搬送部材82と第2の搬送部材84が回転可能に配置されている。
【0042】
図2に示すように、現像ロール52の重力方向斜め下方には、現像ロール52において余剰となった現像剤を第2の搬送路64へ戻して回収搬送するための第3の搬送路86が設けられる。この第3の搬送路86には、第3の搬送部材88が回転可能に配置される。
【0043】
図3に示すように、第1の搬送部材82、第2の搬送部材84、第3の搬送部材88は、それぞれ軸中心90,92、94を有する。第1の搬送部材82の軸中心90の補給端側は第1の上段ベアリングB1によって現像装置本体50の補給端側上部に軸支され、排出端側は第2の上段ベアリングB2によって現像装置本体50の排出端側上部に軸支される。同様に、第2の搬送部材84の軸中心92の補給端側は第1の下段ベアリングB3によって現像装置本体50の補給端側下部に軸支され、排出端側は第2の下段ベアリングB4によって現像装置本体50の補給端側下部に軸支される。ここで、第1の搬送部材82の軸中心90の排出端側を支持する第2の上段ベアリングB2と、第2の搬送部材84の軸中心92の排出端側を支持する第2の下段ベアリングB4の軸方向の位置は同一である。
【0044】
また、第1の搬送部材82、第2の搬送部材84、第3の搬送部材88には、それぞれ軸中心90,92、94の周囲に螺旋状、且つ同じ向きに傾斜した搬送羽根96、98、100を備えている。
【0045】
第1の搬送部材82の搬送羽根96は、第1の連通口72と第2の連通口74の間における軸中心90周りに形成される。第2の搬送部材84の搬送羽根98も、第1の連通口72と第2の連通口74の間における軸中心92周りに形成される。
【0046】
さらに、第1の搬送部材82には、第2の連通口74と上段排出口76との間の部分に、搬送羽根96とは羽根の傾斜の向きが逆方向になった排出搬送羽根102、搬送羽根96と傾斜の向きが同方向である調節羽根104、羽根の傾斜の向きが排出搬送羽根102と同方向であり、羽根の径方向の長さが短い上段排出羽根106が設けられる。排出搬送羽根102は、羽根の一部が第2の連通口74にかかるように形成されている。上段排出羽根106は、仕切り壁60の、上方に向けて突出した突出部と、第1の搬送路62の上面が下方に向けて突出した突出部との間に形成された、上下方向及び幅方向の径が第1の搬送路62よりも小さな上部排出空間108内に配置されている。
【0047】
また、第2の搬送部材84には、第2の連通口74と下段排出口80との間の部分に、搬送羽根98とは羽根の傾斜の向きが逆方向となった現像剤戻し羽根110、及び搬送羽根98と羽根の傾斜の向きが同方向である下段排出羽根112が設けられる。下段排出羽根112は、仕切り壁60の、下方に向けて突出した突出部と、第2の搬送路64の底面が上方に向けて突出した突出部との間に形成された、上下方向及び幅方向の径が第2の搬送路64よりも小さな下部排出空間114内に配置される。
【0048】
上記構成により、現像剤補給口70から供給された現像剤は、第1の搬送路62を重力方向下方に落下して第1の連通口72を通して第2の搬送路64に供給され、第2の搬送部材84により第2の搬送路64内を第2の連通口74下方付近まで排出端方向へ向けて搬送される。第2の連通口74下方付近まで搬送された現像剤は、現像剤戻し羽根110によって排出端方向への搬送が妨げられ、第2の搬送路64内の補給端側からさらに搬送されてくる現像剤と衝突し合う。その結果、第2の連通口74下方付近の現像剤は重力方向上方へ押し上げられ、第2の連通口74を通して第1の搬送路62に送り込まれる。
【0049】
第1の搬送路62内に送り込まれた現像剤は、第1の搬送部材82の搬送羽根96によって第1の連通口72の方向、つまり補給端方向へ向けて搬送されながら現像剤供給口66から現像ロール52上に供給される。現像ロール52に供給されずに第1の搬送路62に残った現像剤は、第1の連通口74まで第1の搬送部材82によって補給端方向に搬送された後、第1の連通口74において重力方向下方に落下し、第2の搬送路64に再度供給され、上述の循環を繰り返す。
【0050】
また、第2の搬送路64から第2の連通口74を通して第1の搬送路62内に送り込まれた現像剤の一部は、排出搬送羽根102によって排出端方向へ向けて搬送され、さらに調節羽根104によって予め定められた量以上の現像剤が排出されないように補給端側に押し戻される。調節羽根104によって補給端側方向に戻されなかった余剰現像剤は、上段排出羽根106によって上部排出空間108を排出端方向へ搬送され、上段排出口76を重力方向下方へ落下し、第2の搬送路64の下部排出空間114に排出される。下部排出空間114に排出された余剰現像剤は、下段排出羽根112によって排出端方向へさらに搬送され、最終的に下段排出口80から現像装置本体50の外部に排出される。
【0051】
このように、上段排出口76、下段排出口80、排出搬送羽根102、調節羽根104、上段排出羽根106、上部排出空間108、下段排出羽根112は、第1の搬送路62から排出された余剰現像剤を、第2の搬送路64を通して外部に排出する現像剤排出構造を構成している。
【0052】
一方、第1の搬送路62から現像ロール52上に供給された現像剤のうち、現像終了後に余剰となった現像剤は、現像ロール52から第3の搬送路86に向けて剥離され、第3の搬送路86からさらに第2の搬送路64へ回収搬送され、図示しない現像剤補給装置から供給された新しい現像剤とともに第2の搬送部材84により混合、攪拌され、
図3の矢印で示すように、現像装置本体50の排出端で第2の連通口74から第1の搬送路62に押し上げられ、再度、第1の搬送部材82より、現像ロール52上に供給されるという現像剤の流れができる。
【0053】
ここで、現像ロール52、第2の搬送部材84、第3の搬送部材88の位置関係について説明する。
図2に示すように、第2の搬送部材84の軸中心92は、第3の搬送部材88のよりも重力方向上方に配置されている。なお、第2の搬送部材84の軸中心92と第3の搬送部材88の軸中心94は、ともに現像ロール52の軸中心よりも重力方向下方に配置されている。また、第1の搬送部材82の軸中心90は、現像ロール52の軸中心よりも重力方向上方に配置されている。
【0054】
したがって、第2の搬送路64の底面78と第3の搬送路86の底面の位置関係は、第3の搬送部材88の径が第2の搬送部材84の径よりも小さいために、重力方向に同程度の高さ、あるいは第2の搬送路64の底面が第3の搬送路86の底面より僅かに高いか、あるいは僅かに低いかのいずれかとなる。なお、本実施形態では、第2の搬送部材84の軸中心92が第3の搬送部材88の軸中心94よりも重力方向上方に配置された例を説明しているが、第2の搬送部材84の径と第3の搬送部材88の径を適宜選択することによって、第2の搬送路64の底面と第3の搬送路86の底面が同程度となるような上下関係であれば、第2の搬送部材84の軸中心92が第3の搬送部材88の軸中心と同じ高さ、あるいはわずかに重力方向下方となってもよい。
【0055】
さらに、第2の搬送路64と第3の搬送路86の間には、予め定められた高さの仕切り部材116が形成されている。この仕切り部材116は、第2の搬送路64の底面と第3の搬送路86の底面の間付近から重力方向上方に向かって突出した板状の壁面であり、軸方向に沿って延在している。この仕切り部材116の上端118は、第2の搬送部材84の軸中心92と第3の搬送部材88の軸中心94を結んだ仮想直線よりも重力方向上方側ある。この仕切り部材116の重力方向の高さは、現像剤が第3の搬送部材88によって第3の搬送路86から第2の搬送路64に搬送されることが可能な高さであり、且つ第3の搬送路86から第2の搬送路64に搬送された現像剤が再び第3の搬送路86に戻ることを防止することが可能な高さであれば、いずれの高さであってもよい。
【0056】
また、第2の搬送路64と第3の搬送路86の間の仕切り部材116は、第3の搬送部材88によって第3の搬送路86から第2の搬送路64に現像剤が搬送されることを許容するのに対して、第3の搬送路86から第2の搬送路64に搬送された現像剤が再び第3の搬送路86に戻ることを防止又は阻止することを可能とする戻り防止部材としての機能を有するものであれば、重力方向上方が自由端となっている板体や、仕切り部材116に形成された開口など、現像剤の一方方向の流通を可能とするものであれば、どんなものでも採用することが可能である。
【0057】
次に、
図4(A)、
図4(B)を参照して、上記構成の現像装置30における現像ロール52、第1の搬送部材82、第2の搬送部材84、第3の搬送部材88の駆動方式について説明する。
図3(A)において、現像装置30は、現像ロール52の回転速度と第2の搬送部材84の回転速度との相対速度比を変更して駆動する駆動装置120を有している。この駆動装置120は、少なくとも、現像ロール52と第2の搬送部材84とを別個の動力源により駆動しており、第1の動力源M1と第2の動力源M2を含む。つまり、現像ロール52は第1の動力源M1によって駆動されるのに対し、第2の搬送部材84は第2の動力源M2によって駆動される。
【0058】
したがって、これら独立した第1の動力源M1と第2の動力源M2は、現像ロール52の回転速度と第2の搬送部材84の回転速度との相対速度比を互いに依存することなく変更可能な状態で、現像ロール52と第2の搬送部材84を駆動させることになる。
【0059】
また、
図4(B)に示すように、駆動装置120がクラッチ機構C1、C2を有していてもよい。
図4(B)では、現像ロール52と第2の搬送部材84を、クラッチ機構C1、C2を介して同一の動力源M3で駆動している。このクラッチ機構C1、C2を使用することにより、現像ロール52と第2の搬送部材84の回転速度の相対速度比を独立して変更する。
【0060】
図5(A)、
図5(B)は、上記構成の現像装置30における現像ロール52、第1の搬送部材82、第2の搬送部材84、第3の搬送部材88の駆動方式の別の一例を示している。
図5(A)に示す駆動装置120Aは、
図4(A)と同様に、現像ロール52と第2の搬送部材84とを別個の動力源M1、M2により駆動している。これに加えて、第1の搬送部材82と第2の搬送部材84を同一の動力源M2により駆動する。これにより、第1の搬送部材82と第2の搬送部材84の回転速度比が一定となる。一方で、第1の動力源M1によって駆動される現像ロール52と、第2の動力源M2によって駆動される第1の搬送部材82及び第2の搬送部材84との回転速度比は、互いに依存することなく変更可能な状態で駆動される。
【0061】
図5(B)においては、駆動装置120Aは、現像ロール52、第1の搬送部材82、第2の搬送部材84を、クラッチ機構C1、C2を介して同一の動力源M3によって駆動するようにしている。クラッチ機構C1は、動力源M3と現像ロール52の間に配置され、クラッチ機構C2は、動力源M3と第1の搬送部材82及び第2の搬送部材84の間に配置されている。クラッチ機構C1、C2を使用することにより、現像ロール52の回転速度比と、第1の搬送部材82及び第2の搬送部材84の回転速度比を独立して変更する。
【0062】
図6(A)、
図6(B)は、上記構成の現像装置30における現像ロール52、第1の搬送部材82、第2の搬送部材84、第3の搬送部材88の駆動方式の別の一例を示している。
図6(A)に示す駆動装置120Bは、
図4(A)と同様に、現像ロール52と第2の搬送部材84とを別個の動力源M1、M2により駆動している。これに加えて、第1の搬送部材82、第2の搬送部材84、第3の搬送部材88を同一の動力源M2により駆動する。これにより、第1の搬送部材82、第2の搬送部材84、第3の搬送部材88の回転速度比が一定となる。一方で、第1の動力源M1によって駆動される現像ロール52と、第2の動力源M2によって駆動される第1の搬送部材82、第2の搬送部材84、第3の搬送部材88との回転速度比は、互いに依存することなく変更可能な状態で駆動される。
【0063】
図6(B)においては、駆動装置120Bは、現像ロール52、第1の搬送部材82、第2の搬送部材84、第3の搬送部材88を、クラッチ機構C1、C2を介して同一の動力源M3によって駆動するようにしている。クラッチ機構C1は、動力源M3と現像ロール52の間に配置され、クラッチ機構C2は、動力源M3と第1の搬送部材82、第2の搬送部材84、第3の搬送部材88の間に配置されている。クラッチ機構C1、C2を使用することにより、現像ロール52の回転速度比と、第1の搬送部材82、第2の搬送部材84、第3の搬送部材88の回転速度比を独立して変更する。
【0064】
図7(A)、
図7(B)は、上記構成の現像装置30における現像ロール52、第1の搬送部材82、第2の搬送部材84、第3の搬送部材88の駆動方式の別の一例を示している。
図7(A)に示す駆動装置120Cは、
図4(A)と同様に、現像ロール52と第2の搬送部材84とを別個の動力源M1、M2により駆動している。これに加えて、現像ロール52と第1の搬送部材82を同一の動力源M1により駆動する。これにより、現像ロール52と第1の搬送部材82の回転速度比が一定となる。一方で、第1の動力源M1によって駆動される現像ロール52と第1の搬送部材82の回転速度比と、第2の動力源M2によって駆動される第2の搬送部材84との回転速度比は、互いに依存することなく変更可能な状態で駆動される。
【0065】
図7(B)においては、駆動装置120Cは、現像ロール52、第1の搬送部材82、第2の搬送部材84を、クラッチ機構C1、C2を介して同一の動力源M3によって駆動するようにしている。クラッチ機構C1は、動力源M3と現像ロール52及び第1の搬送部材82の間に配置され、クラッチ機構C2は、動力源M3と第2の搬送部材84の間に配置されている。クラッチ機構C1、C2を使用することにより、現像ロール52及び第1の搬送部材82の回転速度比と、第2の搬送部材84の回転速度比とを独立して変更する。
【0066】
図8(A)、
図8(B)は、上記構成の現像装置30における現像ロール52、第1の搬送部材82、第2の搬送部材84、第3の搬送部材88の駆動方式の別の一例を示している。
図8(A)に示す駆動装置120Dは、
図4(A)と同様に、現像ロール52と第2の搬送部材84とを別個の動力源M1、M2により駆動している。これに加えて、現像ロール52と第1の搬送部材82を同一の動力源M1により駆動し、第2の搬送部材84と第3の搬送部材88を同一の動力源M2により駆動する。これにより、現像ロール52と第1の搬送部材82の回転速度比が一定となり、第2の搬送部材84と第3の搬送部材88の回転速度比が一定となる。一方で、第1の動力源M1によって駆動される現像ロール52及び第1の搬送部材82の回転速度比と、第2の動力源M2によって駆動される第2の搬送部材84及び第3の搬送部材88との回転速度比は、互いに依存することなく変更可能な状態で駆動される。
【0067】
図8(B)においては、駆動装置120Dは、現像ロール52、第1の搬送部材82、第2の搬送部材84、第3の搬送部材88を、クラッチ機構C1、C2を介して同一の動力源M3によって駆動するようにしている。クラッチ機構C1は、動力源M3と現像ロール52及び第1の搬送部材82の間に配置され、クラッチ機構C2は、動力源M3と第2の搬送部材84及び第3の搬送部材88の間に配置されている。クラッチ機構C1、C2を使用することにより、現像ロール52及び第1の搬送部材82の回転速度比と、第2の搬送部材84及び第3の搬送部材88の回転速度比とを独立して変更する。
【0068】
図9(A)、
図9(B)は、上記構成の現像装置30における現像ロール52、第1の搬送部材82、第2の搬送部材84、第3の搬送部材88の駆動方式の別の一例を示している。
図9(A)に示す駆動装置120Eは、
図4(A)と同様に、現像ロール52と第2の搬送部材84とを別個の動力源M1、M2により駆動している。これに加えて、現像ロール52、第1の搬送部材82、第3の搬送部材88を同一の動力源M1により駆動し、第2の搬送部材84のみを別の動力源M2により駆動する。これにより、現像ロール52、第1の搬送部材82、第3の搬送部材88の回転速度比が一定となる。一方で、第1の動力源M1によって駆動される現像ロール52、第1の搬送部材82、第3の搬送部材88の回転速度比と、第2の動力源M2によって駆動される第2の搬送部材84との回転速度比は、互いに依存することなく変更可能な状態で駆動される。
【0069】
図9(B)においては、駆動装置120Eは、現像ロール52、第1の搬送部材82、第2の搬送部材84、第3の搬送部材88を、クラッチ機構C1、C2を介して同一の動力源M3によって駆動するようにしている。クラッチ機構C1は、動力源M3と現像ロール52、第1の搬送部材82、第3の搬送部材88の間に配置され、クラッチ機構C2は、動力源M3と第2の搬送部材84の間に配置されている。クラッチ機構C1、C2を使用することにより、現像ロール52、第1の搬送部材82、第3の搬送部材88の回転速度比と、第2の搬送部材84の回転速度比とを独立して変更する。
【0070】
図10(A)、
図10(B)は、上記構成の現像装置30における現像ロール52、第1の搬送部材82、第2の搬送部材84、第3の搬送部材88の駆動方式の別の一例を示している。
図10(A)に示す駆動装置120Fは、
図4(A)と同様に、現像ロール52と第2の搬送部材84とを別個の動力源M1、M2により駆動している。これに加えて、第1の搬送部材82と第3の搬送部材88をさらに別の同一の動力源M3により駆動する。これにより、第1の搬送部材82と第3の搬送部材88の回転速度比が一定となる。一方で、第1の動力源M1によって駆動される現像ロール52の回転速度比と、第2の動力源M2によって駆動される第2の搬送部材84の回転速度比と、さらに第3の動力源M3によって駆動される第1の搬送部材82、第3の搬送部材88の回転速度比とは、互いに依存することなく変更可能な状態で駆動される。
【0071】
図10(B)においては、駆動装置120Fは、現像ロール52、第1の搬送部材82、第2の搬送部材84、第3の搬送部材88を、クラッチ機構C1、C2、C3を介して同一の動力源M4によって駆動するようにしている。クラッチ機構C1は、動力源M4と現像ロール52の間に配置され、クラッチ機構C2は、動力源M4と第2の搬送部材84の間に配置され、クラッチ機構C3は、動力源M4と第1の搬送部材82、第3の搬送部材88の間に配置されている。クラッチ機構C1、C2、C3を使用することにより、現像ロール52の回転速度、第2の搬送部材84の回転速度、及び第1の搬送部材82、第3の搬送部材88の回転速度の比とを、独立して変更する。
【0072】
なお、第1の動力源M1、第2の動力源M2、第3の動力源M3は、それぞれ図示しないステッピングモータと、回転速度を調節するギア機構を含み、画像形成装置本体12内に配置され、画像形成装置10の各部の動作を制御する図示しない制御装置により制御・駆動される。なお、制御装置は、図示しないCPU、メモリ、記憶装置、通信インタフェースを備えている。CPUは制御用マイクロプロセッサであり、記憶装置に記憶された制御プログラムに基づいて、画像形成装置各部の動作を制御する。
【0073】
なお、上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス等)を含むものである。
【0074】
また上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、必要に応じて変更してもよい。
【符号の説明】
【0075】
10 画像形成装置
12 画像形成装置本体
14 像形成部
16 転写装置
18 定着装置
20 給紙装置
22 記録媒体搬送路
24 画像形成ユニット
24 各画像形成ユニット
26 感光体ドラム
28 帯電装置
30 現像装置
32 清掃装置
34 中間転写ベルト
36 一次転写部材
38 二次転写部材
40 支持部材
42 バックアップ部材
44 収納部
46 送出部材
48 光書き込み装置
50 現像装置本体
52 現像ロール
54 マグネットロール
56 現像スリーブ
58 層厚規制部材
60 仕切り壁
62 第1の搬送路
64 第2の搬送路
66 現像剤供給口
68 上面
70 現像剤補給口
72 第1の連通口
74 第2の連通口
76 上段排出口
78 底面
80 下段排出口
82 第1の搬送部材
84 第2の搬送部材
86 第3の搬送路
88 第3の搬送部材
90、92、94 軸中心
96、98 搬送羽根
102 排出搬送羽根
104 調節羽根
106 上段排出羽根
108 上部排出空間
110 現像剤戻し羽根
112 下段排出羽根
114 下部排出空間
116 仕切り部材
118 上端
120、120A-120F 駆動装置
B1、B2 上段ベアリング
B3、B4 下段ベアリング
C、C1-C3 クラッチ機構
M1-M4 動力源