(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-30
(45)【発行日】2025-07-08
(54)【発明の名称】定着装置及び定着装置を備えた画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/20 20060101AFI20250701BHJP
【FI】
G03G15/20 515
(21)【出願番号】P 2021109093
(22)【出願日】2021-06-30
【審査請求日】2024-06-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100141298
【氏名又は名称】今村 文典
(74)【代理人】
【識別番号】100187492
【氏名又は名称】新保 元啓
(72)【発明者】
【氏名】綿谷 友宏
(72)【発明者】
【氏名】金松 良治
【審査官】広瀬 杏奈
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-026947(JP,A)
【文献】特開2009-122563(JP,A)
【文献】特開2016-122563(JP,A)
【文献】特開平08-248798(JP,A)
【文献】特開平10-198210(JP,A)
【文献】特開2006-189735(JP,A)
【文献】米国特許第07127203(US,B1)
【文献】中国実用新案第203204305(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状に形成されたヒートローラー本体と、
前記ヒートローラー本体の端部に装着されて駆動ギアに噛合する被駆動ギアと、
前記ヒートローラー本体の端部に形成されて軸方向の内側に凹む切欠部と、
前記切欠部における軸方向に延びる二つの端縁からローラー内方側に延び、前記軸方向に直交する前記切欠部の幅方向にて対向する一対の突出板部と、
前記被駆動ギアに形成され、該被駆動ギアが前記ヒートローラー本体の端部に装着される際に前記切欠部に挿入され、該被駆動ギアが回転する際に前記一対の突出板部のうちの一方
の突出板部に当接することにより該被駆動ギアの回転動力を前記ヒートローラー本体に伝達する伝達突部とを備え、
前記伝達突部の前記切欠部の幅方向に沿った寸法は、前記一対の突出板部の該幅方向の間隔よりも小さく設定されており、
前記被駆動ギアは、前記ヒートローラー本体における前記一方の突出板部よりもローラー回転方向前側に位置し、前記ヒートローラー本体が先回りした際に前記一方の突出板部に当接する当接部を有し、
前記当接部と前記一方の突出板部とのローラー回転方向の間隔は、前記伝達突部が前記一方の突出板部に当接した状態において、前記伝達突部と
前記一対の突出板部のうちの他方の突出板部とのローラー回転方向の間隔よりも狭くなるように設定されている、定着装置。
【請求項2】
請求項1記載の定着装置において、
前記当接部は、前記ヒートローラー本体の軸方向から見て、前記伝達突部に対応する部分が欠損したC字状リブの一端部により形成されている、定着装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の定着装置を備えた画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定着装置及び定着装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばレーザープリンター等の画像形成装置は、画像形成部及び定着装置を有している。画像形成部は、感光ドラムと、現像部と、転写ローラーと、光走査装置(LSU)とを有している。
【0003】
光走査装置は、画像情報に基づいてレーザー光を感光ドラムに照射する。そのことにより、感光ドラムには静電潜像が形成される。次いで、現像部が感光ドラムにトナーを供給することによって感光ドラムにトナー像が形成される。感光ドラムのトナー像は、転写ローラーにより用紙に転写される。用紙に転写されたトナー像は、定着装置によって用紙に定着処理される。
【0004】
ここで、定着装置は、筐体内に配置されたヒートローラーと、ヒートローラーに沿って延びる加圧ローラーとを有している。ヒートローラーは、金属材料からなる管状のヒートローラー本体と、ヒートローラー本体の内部に設けられたヒーターとを有している。そして、ヒーターによりヒートローラー本体が加熱された状態で、トナー像が転写された用紙がヒートローラーと加圧ローラーとの間に供給されることにより、トナー像が用紙に定着する。
【0005】
ヒートローラー本体の一端側の外周面には、ヒートローラー本体をその軸周りに回転させるための被駆動ギアが装着されている。被駆動ギアには駆動ギアが噛合している。
【0006】
特許文献1に記載されているように、通常、被駆動ギアの内周面には突起が形成される一方、ヒートローラー本体の端部にはスリット状の切欠部が形成されている。そして、被駆動ギアの突起がヒートローラー本体の切欠部に挿入されることによって、被駆動ギアはヒートローラー本体に装着されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に示す定着装置では、被駆動ギアに設けられた突起(伝達突部)がヒートローラー本体に設けられた切欠部に挿入されているだけであるため、切欠部の端面が伝達突部に当たり負けする等して動力伝達機能が低下する虞がある。
【0009】
この問題を回避するべく、ヒートローラー本体の切欠部における軸方向に延びる二つの端縁からローラー内方側に向けて一対の突出板部を形成し、被駆動ギアの回転時に伝達突部を該突出板部の側面に当接させることで動力伝達機能を向上させることが考えられる。
【0010】
図9Aは、このように一対の突出板部101aを設けたヒートローラー本体101に被駆動ギア102を装着した状態を示す軸方向に垂直な断面図である。一対の突出板部101aの間隔は、熱膨張を考慮して被駆動ギア102の伝達突部102aの幅よりも大きく設定することが好ましい。しかしこの場合、例えば被駆動ギア102が、図示しない駆動ギアとの間に生じるバックラッシ等に起因して瞬間的に停止した場合に、
図9Bに示すようにヒートローラー本体101が先回りして回転方向の前側に位置する突出板部101aが伝達突部102aの端面に衝突する。この衝突は、被駆動ギアが回転する度に生じるので、衝突に伴う異音が被駆動ギアの回転周期が生じるという問題がある。
【0011】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、一端部に被駆動ギアが装着されるヒートローラー本体を備えた定着装置において、被駆動ギアによる動力伝達機能を十分に確保しつつヒートローラー本体の先回りに起因する異音の発生を防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る定着装置は、筒状に形成されたヒートローラー本体と、前記ヒートローラー本体の端部に装着されて駆動ギアに噛合する被駆動ギアと、前記ヒートローラー本体の端部に形成されて軸方向の内側に凹む切欠部と、前記切欠部における軸方向に延びる二つの端縁からローラー内方側に延び、前記軸方向に直交する前記切欠部の幅方向にて対向する一対の突出板部と、前記被駆動ギアに形成され、該被駆動ギアが前記ヒートローラー本体の端部に装着される際に前記切欠部に挿入され、該被駆動ギアが回転する際に前記一対の突出板部のうちの一方に当接することにより該被駆動ギアの回転動力をヒートローラー本体に伝達する伝達突部とを備え、前記伝達突部の前記切欠部の幅方向に沿った寸法は、前記一対の突出板部の該幅方向の間隔よりも小さく設定されており、前記被駆動ギアは、前記ヒートローラー本体における前記一方の突出板部よりもローラー回転方向前側に位置し、ヒートローラー本体が先回りした際に前記一方の突出板部に当接する当接部を有し、前記当接部と前記一方の突出板部とのローラー回転方向の間隔は、前記伝達突部が前記一方の突出板部に当接した状態において、前記伝達突部と他方の突出板部とのローラー回転方向の間隔よりも狭くなるように設定されている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、一端部に被駆動ギアが装着されるヒートローラー本体を備えた定着装置において、被駆動ギアによる動力伝達機能を十分に確保しつつヒートローラー本体の先回りに起因する異音の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本実施形態における画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【
図2】
図2は、定着装置をヒートローラー側から見た側面図である。
【
図3】
図3は、ヒートローラーの端部に被駆動ギアを装着した状態を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、ヒートローラー本体における被駆動ギアが装着される側の端部を示す拡大斜視図である。
【
図5】
図5は、ヒートローラー本体における被駆動ギアが装着される側の端部を軸方向から見た側面図である。
【
図7】
図7は被駆動ギアを挿入側から見た側面図である。
【
図8A】
図8Aは、
図2のVIII-VIII線断面図であって、ヒートローラー本体が先回りせずに被駆動ギアにより回転駆動されている様子を示す概略図である。
【
図8B】
図8Bは、ヒートローラー本体が先回りした状態をいる様子を示す
図8A相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0016】
《実施形態》
図1は、本実施形態における画像形成装置1の概略構成を示す断面図である。画像形成装置1は、
図1に示すように、筐体2と、カセット給紙部7と、画像形成部8と、定着装置9と、排紙部10とを備えている。そうして、画像形成装置1は、筐体2内の搬送路に沿って用紙を搬送しながら、不図示の端末等から送信される画像データに基づいて用紙にトナー画像を形成するように構成されている。
【0017】
カセット給紙部7は、筐体2の底部に設けられている。カセット給紙部7は、互いに重ねられた複数の用紙を収容する給紙カセット11と、給紙カセット11内の用紙を1枚ずつ取り出すピックローラー12とを備えている。
【0018】
画像形成部8は、筐体2内におけるカセット給紙部7の上方に設けられている。画像形成部8は、筐体2内に回転可能に設けられた像担持体である感光ドラム16と、感光ドラム16の周囲に配置された帯電ローラー17と、現像部18と、転写ローラー19及びクリーニング部20と、感光ドラム16の側方に配置された光走査装置であるレーザースキャナユニット(LSU)30とを備えている。そうして、画像形成部8は、カセット給紙部7から供給された用紙に画像を形成するようになっている。
【0019】
搬送路には、送り出された用紙を、一時的に待機させた後に所定のタイミングで画像形成部8に供給する一対のレジストローラー15が設けられている。
【0020】
定着装置9は、画像形成部8の上方に配置されている。定着装置9は、互いに圧接されて回転するヒートローラー22及び加圧ローラー23を備えている。そうして、定着装置9は、画像形成部8で用紙に転写されたトナー画像を当該用紙に定着させるように構成されている。
【0021】
排紙部10は、定着装置9の側方に設けられている。排紙部10は、排紙トレイ3と、排紙トレイ3へ用紙を搬送するための排紙ローラー24と、排紙ローラー24へ用紙を案内する搬送ガイドリブ25とを備えている。排紙トレイ3は、筐体2の上部に凹状に形成されている。
【0022】
画像形成装置1が画像データを受信すると、画像形成部8において、感光ドラム16が回転駆動されると共に、帯電ローラー17が感光ドラム16の表面を帯電させる。
【0023】
そして、画像データに基づいて、レーザー光がレーザースキャナユニット30から感光ドラム16へ出射される。感光ドラム16の表面には、レーザー光が照射されることによって静電潜像が形成される。一方、現像部18にはトナーコンテナ21からトナーが供給される。感光ドラム16上に形成された静電潜像は、現像部18で現像されることにより、トナー画像として可視像となる。
【0024】
その後、用紙は、転写ローラー19と感光ドラム16との間を通過し、この通過の際に転写ローラー19に印加される転写バイアスによって、感光ドラム16上のトナー像が用紙に転写される。トナー像が転写された用紙は、定着装置9においてヒートローラー22と加圧ローラー23とにより加熱及び加圧される。その結果、トナー画像が用紙に定着する。
【0025】
<定着装置>
図2は、定着装置9をヒートローラー22側から見た側面図であり、
図3は、被駆動ギア36が装着されたヒートローラー本体33を拡大して示す断面図である。
【0026】
定着装置9は、
図2に示すように、筐体31と、筐体31に回転自在に支持されたヒートローラー22とを有している。筐体31は樹脂材料等によって形成されている。さらに、定着装置9は、ヒートローラー22に沿って延びる加圧ローラー23(
図1にのみ示す)を備えている。
【0027】
ヒートローラー22は、筒状に形成されたヒートローラー本体33と、ヒートローラー本体33の内部に配置された熱源であるヒーター34と、ヒートローラー本体33の端部に装着されて駆動ギア35に噛み合う被駆動ギア36とを有している。
【0028】
ヒートローラー本体33は、例えばアルミニウム等の金属材料によって構成されており、円筒形状を有している。ヒートローラー本体33の厚みは、例えば1mm以下程度である。ヒーター34は、ヒートローラー本体33の内部に挿通されている。ヒーター34は、通電されることによって発熱し、ヒートローラー本体33を所定の温度に加熱するように構成されている。
【0029】
ヒートローラー本体33は、複数の筒状の軸受け部材であるブッシュ37,38を介して筐体31に支持されている。ブッシュ37,38は例えば樹脂材料によって形成されている。
【0030】
ブッシュ37,38の外周面には、それぞれフランジ部37a,38aが形成されている。フランジ部37a,38aは、筐体31に形成されている溝31aにそれぞれ嵌め込まれている。そのことにより、ブッシュ37,38は、ヒートローラー本体33の軸方向に移動しないようになっている。
【0031】
図4及び
図5はそれぞれ、ヒートローラー本体33の端部を拡大して示す斜視図及び軸方向から見た側面図であり、
図6及び
図7はそれぞれ、被駆動ギア36を示す斜視図及び軸方向から見た側面図である。
【0032】
図4及び
図5に示すように、ヒートローラー本体33の端部には、切欠部33aが形成されている。切欠部33aは、ヒートローラー本体33の径方向から見て、ヒートローラー本体33の端面から軸方向の内側に凹むように形成されている。
【0033】
切欠部33aの内周縁には、ヒートローラー本体33の径方向内側に突出するU字状の壁部が形成されている。このU字状の壁部は、切欠部33aの幅方向にて対向する一対の突出板部33b,33cを含んでいる。伝達突部36eの回転方向前側に位置する一方の突出板部33bが伝達突部36eに押圧されることで、被駆動ギア36からヒートローラー本体33に回転駆動力が伝達される。
【0034】
被駆動ギア36には、
図7に示すように、被駆動ギア36がヒートローラー本体33の端部に装着される際に切欠部33aに挿入される伝達突部36eが形成されている。
【0035】
ここで、
図6及び
図7に示すように、被駆動ギア36は、周面にギア部が形成された大径筒部36aと、大径筒部36aと同軸に一体成形された小径筒部36bとを有している。
大径筒部36aの外周面には駆動ギア35(
図2にのみ示す)が噛合している。小径筒部36bの外径は、大径筒部36aの外径よりも小さくなっている。被駆動ギア36における大径筒部36aと小径筒部36bとの境界部付近には、径方向内側に突出するリング状のフランジ面が形成されており、このフランジ面にヒートローラー本体33の端面が当接するようになっている。フランジ面の内周縁には、ローラー軸方向に延びる断面C字状のC字状リブ36dが接続されている。
【0036】
C字状リブ36dは、周方向の一箇所が欠損した断面C字状の柱状部であって被駆動ギア36の補強リブとして機能する。また、詳細は後述するがC字状リブ36dは、ヒートローラー本体33の先回りを防止する機能も有している。
【0037】
被駆動ギア36の内周面には、大径筒部36a及び小径筒部36bに跨って軸方向に延びる伝達突部36eが形成されている。伝達突部36eは、前記C字状リブ36dの欠損部を軸方向に貫通している。
図7に示すように、伝達突部36eは、被駆動ギア36の内周面から径方向内側に突出していて軸方向から見ると略矩形状をなしている。伝達突部36eの幅はC字状リブ36dの欠損部の幅よりも小さい。尚、図中の符号36fは、成形時のヒケを防止するための肉盗み孔である。
【0038】
被駆動ギア36をヒートローラー本体33の端部に挿入する際には、被駆動ギア36に形成された伝達突部36e(
図6参照)の位置を、ヒートローラー本体に形成された切欠部33a(
図4参照)の位置に合わせる。そして、被駆動ギア36の内周面を、ヒートローラー本体33の端部の外周面に嵌合させつつ軸方向の外側から内側に移動させ、ヒートローラー本体33の端面が被駆動ギア36の前記フランジ面に当接したところで移動完了させる。
【0039】
図8Aは、ヒートローラー本体33の端部に被駆動ギア36の装着が完了した状態を示す軸方向に垂直な断面図である。被駆動ギア36の装着状態では、ヒートローラー本体33の端部のうち一対の突出板部33b,33cを除くリング状部分が、被駆動ギア36の内周面とC字状リブ36dの外周面との隙間に挿入され、一対の突出板部33b,33cの間に被駆動ギア36の伝達突部36eが挿入される。
【0040】
この状態で被駆動ギア36が、駆動ギアによりその軸線回りに所定方向(
図8Aの時計回り方向)に回転駆動されると、伝達突部36eの回転方向前側の端面が、一方の突出板部33bに当接する。そして、この一方の突出板部33bが伝達突部36eにより押されることでヒートローラー本体33が被駆動ギア36と同方向に回転する。本例では、この被駆動ギア36の回転時にヒートローラー本体33が先回りして異音発生しないように異音防止構造を採用している。
【0041】
すなわち、この異音防止構造では、
図8Aに示すように、伝達突部36eが前記一方の突出板部33bに突出した状態で、該突出板部33bと対向する前記C字状リブ36dの一端部36gと、該突出板部33bとのローラー回転方向の間隔k1が、伝達突部36eと他方の突出板部33cとのローラー回転方向の間隔k2よりも狭く設定されている。
【0042】
したがって、例えば、被駆動ギア36が駆動ギア35(
図2のみ示す)との間で生じるバックラッシ等に起因して瞬間的に停止する等してヒートローラー本体33が先回りしたとしても、
図8Bに示すように、一方の突出板部33bがC字状リブ36dの一端部に当接することにより、他方の突出板部33cが伝達突部36eの端面に衝突するのを防止することができる。したがって、他方の突出板部33cと伝達突部36eとが衝突することによる異音の発生を防止することができる。
【0043】
ここで、一方の突出板部33bがC字状リブ36dの一端部に当接する際にも僅かに音が発生するが、一方の突出板部33bとC字状リブ36dの一端部との間隔k1は、伝達突部36eと他方の突出板部33cとの間隔k2よりも小さいので、衝突エネルギーも小さくなり、発生する音は無視し得るほど小さい。尚、この一方の突出板部33bとC字状リブ36dの一端部との衝突音を下げるために、本例のように、C字状リブ36dの一端部を僅かに尖らせて一方の突出板部33bに線接触又は点接触で衝突するようにしてもよい。これにより、衝突時の接触面関を減らして衝突音の発生を確実に抑制することができる。
【0044】
また、本例では、C字状リブ36dは、ヒートローラー本体33の先回り防止部として機能するばかりでなく被駆動ギア36の補強リブとしても機能する。したがって、別途補強リブを設ける必要がなく、被駆動ギア36を小型軽量でコンパクト化することができる。
【0045】
[他の実施形態]
前記実施形態では、C字状リブ36dの一端部36gを当接部として利用しているが、これに限ったものではなく、例えば、伝達突部36eと同じ程度の大きさの矩形状のブロックを配置するだけでもよい。
【0046】
尚、前記実施形態では、画像形成装置の一例として、プリンターを例に挙げて説明したが、これに限らず、例えば複写機、スキャナー装置、又は複合機等の他の画像形成装置としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
以上説明したように、本発明は、定着装置について有用であり、特に、プリンター、複写機、スキャナー装置、又は複合機等の画像形成装置に適用する場合に有用である。
【符号の説明】
【0048】
1 画像形成装置
9 定着装置
22 ヒートローラー
33 ヒートローラー本体
33a 切欠部
33b 一方の突出板部
33c 他方の突出板部
35 駆動ギア
36 被駆動ギア
36d C字状リブ
36e 伝達突部
36g 一端部(当接部)
101 ヒートローラー本体
101a 突出板部
102 被駆動ギア
102a 伝達突部