(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-30
(45)【発行日】2025-07-08
(54)【発明の名称】印刷装置、印刷システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 5/30 20060101AFI20250701BHJP
【FI】
B41J5/30 Z
(21)【出願番号】P 2021119668
(22)【出願日】2021-07-20
【審査請求日】2024-07-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】糸川 喜裕
【審査官】佐藤 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-324553(JP,A)
【文献】特開2018-171757(JP,A)
【文献】特開2018-158455(JP,A)
【文献】特開2020-019226(JP,A)
【文献】特開平09-185468(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0088739(US,A1)
【文献】米国特許第07433066(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 5/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部インタフェースと、ユーザインタフェースと、不揮発性メモリと、コンピュータと、を備えており、
前記コンピュータは、PJLデータが含まれる印刷ジョブを前記外部インタフェースを介して取得し、その取得した印刷ジョブに従って印刷処理を実行する印刷装置であって、
前記コンピュータは、
前記外部インタフェースを介して前記印刷ジョブを取得する取得処理と、
前記取得処理により取得した前記印刷ジョブに含まれる前記PJLデータが非対象PJLデータである場合に、その非対象PJLデータを、いずれの対象PJLデータに変換するかを指示する指示操作を前記ユーザインタフェースを介して受け付ける指示操作受け付け処理と、
前記指示操作受け付け処理により受け付けた指示操作に従って、前記取得処理により前記外部インタフェースを介して取得した非対象PJLデータと、変換先となる対象PJLデータと、を対応付けたデータを変換ルールとして前記不揮発性メモリに記憶する記憶処理と、を実行し、
前記対象PJLデータは、前記コンピュータが前記対象PJLデータに従った処理を実行することが可能なPJLデータであり、前記非対象PJLデータは、前記対象PJLデータではないPJLデータであり、
前記コンピュータは、
前記記憶処理を実行した後に、前記取得処理により前記外部インタフェースを介して取得したPJLデータが、前記不揮発性メモリに記憶された前記変換ルールに存在する前記非対象PJLデータである場合に、その非対象PJLデータを、前記不揮発性メモリに記憶されている変換ルールにおいて当該非対象PJLデータと対応付けられている対象PJLデータに変換する変換処理と、
前記変換処理により変換した対象PJLデータに従った処理と、
前記取得処理により前記外部インタフェースを介して取得した非対象PJLデータを、前記指示操作を受け付けるための指示オブジェクトと共に前記ユーザインタフェースに表示する表示処理と、
を実行
し、
前記指示操作受け付け処理は、
前記表示処理により前記ユーザインタフェースに表示した前記指示オブジェクトを介して前記指示操作を受け付け、
前記記憶処理は、
前記指示操作受け付け処理により前記指示オブジェクトを介して受け付けた前記指示操作に従って、前記取得処理により前記外部インタフェースを介して取得した非対象PJLデータと、変換先となる対象PJLデータと、を対応付けたデータを変換ルールとして前記不揮発性メモリに記憶し、
当該印刷装置は、
前記指示操作受け付け処理を実行可能な変換ルール作成モード、および前記変換ルール作成モードではない通常モードの一方から他方に遷移可能であり、
前記表示処理は、
前記通常モードから前記変換ルール作成モードに遷移させるための遷移指示操作を受け付けるための遷移指示オブジェクトを前記ユーザインタフェースに表示可能であり、
当該印刷装置は、
前記通常モードに遷移しているときに前記表示処理により前記ユーザインタフェースに表示した前記遷移指示オブジェクトが前記遷移指示操作を受け付けた場合に前記変換ルール作成モードに遷移し、
前記コンピュータは、
当該印刷装置が前記通常モードに遷移しているときに、前記取得処理により前記外部インタフェースを介して取得したPJLデータが前記対象PJLデータであった場合は、その対象PJLデータに従った処理を実行し、
当該印刷装置が前記変換ルール作成モードに遷移しているときに、前記表示処理は、前記取得処理により前記外部インタフェースを介して取得した非対象PJLデータを、前記指示操作を受け付けるための指示オブジェクトと共に前記ユーザインタフェースに表示し、
前記指示操作受け付け処理は、前記表示処理により前記ユーザインタフェースに表示した前記指示オブジェクトを介して前記指示操作を受け付け、
前記記憶処理は、前記指示操作受け付け処理により受け付けた指示操作に従って、前記取得処理により前記外部インタフェースを介して取得した非対象PJLデータと、変換先となる対象PJLデータと、を対応付けたデータを変換ルールとして前記不揮発性メモリに記憶することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
外部インタフェースと、ユーザインタフェースと、不揮発性メモリと、コンピュータと、を備えており、
前記コンピュータは、PJLデータが含まれる印刷ジョブを前記外部インタフェースを介して取得し、その取得した印刷ジョブに従って印刷処理を実行する印刷装置であって、
前記コンピュータは、
前記外部インタフェースを介して前記印刷ジョブを取得する取得処理と、
前記取得処理により取得した前記印刷ジョブに含まれる前記PJLデータが非対象PJLデータである場合に、その非対象PJLデータを、いずれの対象PJLデータに変換するかを指示する指示操作を前記ユーザインタフェースを介して受け付ける指示操作受け付け処理と、
前記指示操作受け付け処理により受け付けた指示操作に従って、前記取得処理により前記外部インタフェースを介して取得した非対象PJLデータと、変換先となる対象PJLデータと、を対応付けたデータを変換ルールとして前記不揮発性メモリに記憶する記憶処理と、を実行し、
前記対象PJLデータは、前記コンピュータが前記対象PJLデータに従った処理を実行することが可能なPJLデータであり、前記非対象PJLデータは、前記対象PJLデータではないPJLデータであり、
前記コンピュータは、
前記記憶処理を実行した後に、前記取得処理により前記外部インタフェースを介して取得したPJLデータが、前記不揮発性メモリに記憶された前記変換ルールに存在する前記非対象PJLデータである場合に、その非対象PJLデータを、前記不揮発性メモリに記憶されている変換ルールにおいて当該非対象PJLデータと対応付けられている対象PJLデータに変換する変換処理と、
前記変換処理により変換した対象PJLデータに従った処理と、
前記取得処理により前記外部インタフェースを介して取得した非対象PJLデータを、前記指示操作を受け付けるための指示オブジェクトと共に前記ユーザインタフェースに表示する表示処理と、
を実行
し、
前記指示操作受け付け処理は、
前記表示処理により前記ユーザインタフェースに表示した前記指示オブジェクトを介して前記指示操作を受け付け、
前記記憶処理は、
前記指示操作受け付け処理により前記指示オブジェクトを介して受け付けた前記指示操作に従って、前記取得処理により前記外部インタフェースを介して取得した非対象PJLデータと、変換先となる対象PJLデータと、を対応付けたデータを変換ルールとして前記不揮発性メモリに記憶し、
当該印刷装置は、
前記指示操作受け付け処理を実行可能な変換ルール作成モード、および前記変換ルール作成モードではない通常モードの一方から他方に遷移可能であり、
当該印刷装置は、
前記通常モードに遷移しているときに前記取得処理により前記外部インタフェースを介して取得したPJLデータが非対象PJLデータであった場合は前記変換ルール作成モードに自動的に遷移し、かつ、前記取得処理により前記外部インタフェースを介して取得したPJLデータが非対象PJLデータではなかった場合は前記変換ルール作成モードに自動的に遷移せず、
前記コンピュータは、
当該印刷装置が前記通常モードに遷移しているときに、前記取得処理により前記外部インタフェースを介して取得したPJLデータが前記対象PJLデータであった場合は、その対象PJLデータに従った処理を実行し、
当該印刷装置が前記変換ルール作成モードに遷移しているときに、前記表示処理は、前記取得処理により前記外部インタフェースを介して取得した非対象PJLデータを、前記指示操作を受け付けるための指示オブジェクトと共に前記ユーザインタフェースに表示し、
前記指示操作受け付け処理は、前記表示処理により前記ユーザインタフェースに表示した前記指示オブジェクトを介して前記指示操作を受け付け、
前記記憶処理は、前記指示操作受け付け処理により受け付けた指示操作に従って、前記取得処理により前記外部インタフェースを介して取得した非対象PJLデータと、変換先となる対象PJLデータと、を対応付けたデータを変換ルールとして前記不揮発性メモリに記憶することを特徴とす
る印刷装置。
【請求項3】
外部インタフェースと、ユーザインタフェースと、不揮発性メモリと、コンピュータと、を備えており、
前記コンピュータは、PJLデータが含まれる印刷ジョブを前記外部インタフェースを介して取得し、その取得した印刷ジョブに従って印刷処理を実行する印刷装置であって、
前記コンピュータは、
前記外部インタフェースを介して前記印刷ジョブを取得する取得処理と、
前記取得処理により取得した前記印刷ジョブに含まれる前記PJLデータが非対象PJLデータである場合に、その非対象PJLデータを、いずれの対象PJLデータに変換するかを指示する指示操作を前記ユーザインタフェースを介して受け付ける指示操作受け付け処理と、
前記指示操作受け付け処理により受け付けた指示操作に従って、前記取得処理により前記外部インタフェースを介して取得した非対象PJLデータと、変換先となる対象PJLデータと、を対応付けたデータを変換ルールとして前記不揮発性メモリに記憶する記憶処理と、を実行し、
前記対象PJLデータは、前記コンピュータが前記対象PJLデータに従った処理を実行することが可能なPJLデータであり、前記非対象PJLデータは、前記対象PJLデータではないPJLデータであり、
前記コンピュータは、
前記記憶処理を実行した後に、前記取得処理により前記外部インタフェースを介して取得したPJLデータが、前記不揮発性メモリに記憶された前記変換ルールに存在する前記非対象PJLデータである場合に、その非対象PJLデータを、前記不揮発性メモリに記憶されている変換ルールにおいて当該非対象PJLデータと対応付けられている対象PJLデータに変換する変換処理と、
前記変換処理により変換した対象PJLデータに従った処理と、
前記取得処理により前記外部インタフェースを介して取得した非対象PJLデータを、前記指示操作を受け付けるための指示オブジェクトと共に前記ユーザインタフェースに表示する表示処理と、
を実行
し、
前記指示操作受け付け処理は、
前記表示処理により前記ユーザインタフェースに表示した前記指示オブジェクトを介して前記指示操作を受け付け、
前記記憶処理は、
前記指示操作受け付け処理により前記指示オブジェクトを介して受け付けた前記指示操作に従って、前記取得処理により前記外部インタフェースを介して取得した非対象PJLデータと、変換先となる対象PJLデータと、を対応付けたデータを変換ルールとして前記不揮発性メモリに記憶し、
前記指示操作は、データを入力するデータ入力操作であり、
前記指示操作受け付け処理は、
前記データ入力操作を前記指示オブジェクトごとに受け付け、
前記表示処理は、
前記取得処理により前記外部インタフェースを介して取得したPJLデータが非対象PJLデータである場合は、当該非対象PJLデータをPJLデータの構文の構成要素単位に分割し、その分割した構成要素ごとの前記指示オブジェクトを前記ユーザインタフェースに表示し、
さらに、前記非対象PJLデータの変換先となる対象PJLデータの構成要素ごとのデータを入力可能な前記指示オブジェクトを、当該非対象PJLデータの各指示オブジェクトと対応付けて前記ユーザインタフェースに表示し、
前記記憶処理は、
前記取得処理により前記外部インタフェースを介して取得した非対象PJLデータと、前記データ入力操作により入力されたデータを有する対象PJLデータと、を対応付けたデータを変換ルールとして前記不揮発性メモリに記憶することを特徴とす
る印刷装置。
【請求項4】
外部インタフェースと、ユーザインタフェースと、不揮発性メモリと、コンピュータと、を備えており、
前記コンピュータは、PJLデータが含まれる印刷ジョブを前記外部インタフェースを介して取得し、その取得した印刷ジョブに従って印刷処理を実行する印刷装置であって、
前記コンピュータは、
前記外部インタフェースを介して前記印刷ジョブを取得する取得処理と、
前記取得処理により取得した前記印刷ジョブに含まれる前記PJLデータが非対象PJLデータである場合に、その非対象PJLデータを、いずれの対象PJLデータに変換するかを指示する指示操作を前記ユーザインタフェースを介して受け付ける指示操作受け付け処理と、
前記指示操作受け付け処理により受け付けた指示操作に従って、前記取得処理により前記外部インタフェースを介して取得した非対象PJLデータと、変換先となる対象PJLデータと、を対応付けたデータを変換ルールとして前記不揮発性メモリに記憶する記憶処理と、を実行し、
前記対象PJLデータは、前記コンピュータが前記対象PJLデータに従った処理を実行することが可能なPJLデータであり、前記非対象PJLデータは、前記対象PJLデータではないPJLデータであり、
前記コンピュータは、
前記記憶処理を実行した後に、前記取得処理により前記外部インタフェースを介して取得したPJLデータが、前記不揮発性メモリに記憶された前記変換ルールに存在する前記非対象PJLデータである場合に、その非対象PJLデータを、前記不揮発性メモリに記憶されている変換ルールにおいて当該非対象PJLデータと対応付けられている対象PJLデータに変換する変換処理と、
前記変換処理により変換した対象PJLデータに従った処理と、
前記取得処理により前記外部インタフェースを介して取得した非対象PJLデータを、前記指示操作を受け付けるための指示オブジェクトと共に前記ユーザインタフェースに表示する表示処理と、
を実行
し、
前記指示操作受け付け処理は、
前記表示処理により前記ユーザインタフェースに表示した前記指示オブジェクトを介して前記指示操作を受け付け、
前記記憶処理は、
前記指示操作受け付け処理により前記指示オブジェクトを介して受け付けた前記指示操作に従って、前記取得処理により前記外部インタフェースを介して取得した非対象PJLデータと、変換先となる対象PJLデータと、を対応付けたデータを変換ルールとして前記不揮発性メモリに記憶し、
前記表示処理は、
前記取得処理により前記外部インタフェースを介して取得したPJLデータが非対象PJLデータであって、かつ、当該非対象PJLデータと同じ非対象PJLデータを有する変換ルールが前記不揮発性メモリに記憶されている場合は、当該非対象PJLデータと、当該非対象PJLデータと当該変換ルールにおいて対応付けられている対象PJLデータとを、それぞれPJLデータの構文の構成要素単位に分割し、その分割した構成要素ごとの前記指示オブジェクトを前記ユーザインタフェースに表示し、かつ、その分割した構成要素を当該構成要素に対応する指示オブジェクトに初期値として表示することを特徴とす
る印刷装置。
【請求項5】
前記変換ルールの変換モードには、
PJLデータの構文の構成要素のうち、省略可能な構成要素の種類に応じて複数種類の変換モードが存在しており、
前記コンピュータは、
前記取得処理により前記外部インタフェースを介して取得したPJLデータの構文を解析することにより、当該PJLデータが前記複数種類の変換モードのうち、どの変換モードに適しているかを解析する構文解析処理を実行し、
前記表示処理は、
前記構文解析処理の対象となったPJLデータを、当該PJLデータの構文の構成要素単位に分割し、その分割された構成要素ごとの前記指示オブジェクトと、前記構文解析処理により解析された変換モードとを対応付けて前記ユーザインタフェースに表示することを特徴とする請求項
3または請求項
4に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記PJLデータは、
前記構文の構成要素として、少なくとも、「Command」、「Command modifier」および「Option name」を有し、
前記複数種類の変換モードには、
前記「Command」を変換対象とする第1の変換モードと、前記「Option
name」を変換対象とする第2の変換モードとが含まれており、
前記構文解析処理は、
前記取得処理により前記外部インタフェースを介して取得したPJLデータの構文を解析した結果、前記「Command」を引数に取っているPJLデータについては前記第1の変換モードが適していると判断し、かつ、前記「Command modifier」および「Option name」、または、「Option name」を引数に取っているPJLデータについては前記第2の変換モードが適していると判断し、
前記表示処理は、
前記構文解析処理の対象となったPJLデータを、当該PJLデータの構文の構成要素単位に分割し、その分割された構成要素ごとの前記指示オブジェクトと、前記構文解析処理により適していると判断した変換モードとを対応付けて前記ユーザインタフェースに表示することを特徴とする請求項
5に記載の印刷装置。
【請求項7】
外部インタフェースと、ユーザインタフェースと、不揮発性メモリと、コンピュータと、を備えており、
前記コンピュータは、PJLデータが含まれる印刷ジョブを前記外部インタフェースを介して取得し、その取得した印刷ジョブに従って印刷処理を実行する印刷装置であって、
前記コンピュータは、
前記外部インタフェースを介して前記印刷ジョブを取得する取得処理と、
前記取得処理により取得した前記印刷ジョブに含まれる前記PJLデータが非対象PJLデータである場合に、その非対象PJLデータを、いずれの対象PJLデータに変換するかを指示する指示操作を前記ユーザインタフェースを介して受け付ける指示操作受け付け処理と、
前記指示操作受け付け処理により受け付けた指示操作に従って、前記取得処理により前記外部インタフェースを介して取得した非対象PJLデータと、変換先となる対象PJLデータと、を対応付けたデータを変換ルールとして前記不揮発性メモリに記憶する記憶処理と、を実行し、
前記対象PJLデータは、前記コンピュータが前記対象PJLデータに従った処理を実行することが可能なPJLデータであり、前記非対象PJLデータは、前記対象PJLデータではないPJLデータであり、
前記コンピュータは、
前記記憶処理を実行した後に、前記取得処理により前記外部インタフェースを介して取得したPJLデータが、前記不揮発性メモリに記憶された前記変換ルールに存在する前記非対象PJLデータである場合に、その非対象PJLデータを、前記不揮発性メモリに記憶されている変換ルールにおいて当該非対象PJLデータと対応付けられている対象PJLデータに変換する変換処理と、
前記変換処理により変換した対象PJLデータに従った処理と、
前記取得処理により前記外部インタフェースを介して取得した非対象PJLデータを、前記指示操作を受け付けるための指示オブジェクトと共に前記ユーザインタフェースに表示する表示処理と、
を実行
し、
前記指示操作受け付け処理は、
前記表示処理により前記ユーザインタフェースに表示した前記指示オブジェクトを介して前記指示操作を受け付け、
前記記憶処理は、
前記指示操作受け付け処理により前記指示オブジェクトを介して受け付けた前記指示操作に従って、前記取得処理により前記外部インタフェースを介して取得した非対象PJLデータと、変換先となる対象PJLデータと、を対応付けたデータを変換ルールとして前記不揮発性メモリに記憶し、
前記表示処理は、
前記取得処理により前記外部インタフェースを介して取得した非対象PJLが複数存在する場合に、前記ユーザインタフェースに表示する前記非対象PJLデータを他の非対象PJLデータに切り替えるための切替操作指示を受け付ける切替指示オブジェクトを前記ユーザインタフェースに表示可能であり、
前記取得処理により前記外部インタフェースを介して取得した非対象PJLデータが複数存在する場合に、前記切替指示オブジェクトが前記切替操作指示を受け付けた場合に、前記ユーザインタフェースに表示している非対象PJLデータを前記他の非対象PJLデータに切り替えて表示することを特徴とす
る印刷装置。
【請求項8】
外部インタフェースと、ユーザインタフェースと、不揮発性メモリと、コンピュータと、を備えており、
前記コンピュータは、PJLデータが含まれる印刷ジョブを前記外部インタフェースを介して取得し、その取得した印刷ジョブに従って印刷処理を実行する印刷装置であって、
前記コンピュータは、
前記外部インタフェースを介して前記印刷ジョブを取得する取得処理と、
前記取得処理により取得した前記印刷ジョブに含まれる前記PJLデータが非対象PJLデータである場合に、その非対象PJLデータを、いずれの対象PJLデータに変換するかを指示する指示操作を前記ユーザインタフェースを介して受け付ける指示操作受け付け処理と、
前記指示操作受け付け処理により受け付けた指示操作に従って、前記取得処理により前記外部インタフェースを介して取得した非対象PJLデータと、変換先となる対象PJLデータと、を対応付けたデータを変換ルールとして前記不揮発性メモリに記憶する記憶処理と、を実行し、
前記対象PJLデータは、前記コンピュータが前記対象PJLデータに従った処理を実行することが可能なPJLデータであり、前記非対象PJLデータは、前記対象PJLデータではないPJLデータであり、
前記コンピュータは、
前記記憶処理を実行した後に、前記取得処理により前記外部インタフェースを介して取得したPJLデータが、前記不揮発性メモリに記憶された前記変換ルールに存在する前記非対象PJLデータである場合に、その非対象PJLデータを、前記不揮発性メモリに記憶されている変換ルールにおいて当該非対象PJLデータと対応付けられている対象PJLデータに変換する変換処理と、
前記変換処理により変換した対象PJLデータに従った処理と、
前記取得処理により前記外部インタフェースを介して取得した非対象PJLデータを、前記指示操作を受け付けるための指示オブジェクトと共に前記ユーザインタフェースに表示する表示処理と、
を実行
し、
前記指示操作受け付け処理は、
前記表示処理により前記ユーザインタフェースに表示した前記指示オブジェクトを介して前記指示操作を受け付け、
前記記憶処理は、
前記指示操作受け付け処理により前記指示オブジェクトを介して受け付けた前記指示操作に従って、前記取得処理により前記外部インタフェースを介して取得した非対象PJLデータと、変換先となる対象PJLデータと、を対応付けたデータを変換ルールとして前記不揮発性メモリに記憶し、
前記コンピュータは、
前記不揮発性メモリに記憶されている前記変換ルールを編集可能な変換ルール編集処理を実行可能であり、
前記表示処理は、
前記コンピュータに前記変換ルール編集処理を実行させるための編集指示操作を受け付ける編集指示オブジェクトを前記ユーザインタフェースに表示可能であり、
前記編集指示オブジェクトが前記編集指示操作を受け付けた場合に、前記不揮発性メモリに記憶されている変換ルールを構成する非対象PJLデータおよび対象PJLデータを、それぞれ構文の構成要素単位に分割し、その分割した構成要素ごとの前記指示オブジェクトを前記ユーザインタフェースに表示し、
前記指示操作は、データを入力するデータ入力操作であり、
前記指示操作受け付け処理は、
前記表示処理により前記ユーザインタフェースに表示した非対象PJLデータおよび対象PJLデータの少なくとも一方を書き換えるための前記データ入力操作を前記指示オブジェクトごとに受け付け、
前記記憶処理は、
前記指示操作受け付け処理により前記指示オブジェクトごとに受け付けたデータ入力操作に従って、前記変換ルール編集処理により編集された変換ルールを前記不揮発性メモリに記憶することを特徴とす
る印刷装置。
【請求項9】
前記変換ルール編集処理は、
前記不揮発性メモリに記憶されていない新たな変換ルールを追加するための変換ルール追加処理を実行可能であり、
前記表示処理は、
前記コンピュータに前記変換ルール追加処理を実行させるための追加指示操作を受け付ける追加指示オブジェクトを前記ユーザインタフェースに表示可能であり、
前記追加指示オブジェクトが前記追加指示操作を受け付けた場合に、非対象PJLデータを作成するためのデータ入力操作を受け付ける指示オブジェクトと、当該非対象PJLデータの変換先である対象PJLデータを作成するためのデータ入力操作を受け付ける指示オブジェクトとを、それぞれの構文の構成要素ごとに前記ユーザインタフェースに表示し、
前記記憶処理は、
前記指示操作受け付け処理により各指示オブジェクトごとに受け付けたデータ入力操作に従って、前記ユーザインタフェースに表示された非対象PJLデータおよび対象PJLデータを新たな変換ルールとして前記不揮発性メモリに記憶することを特徴とする請求項
8に記載の印刷装置。
【請求項10】
外部インタフェースと、ユーザインタフェースと、不揮発性メモリと、コンピュータと、を備えており、
前記コンピュータは、PJLデータが含まれる印刷ジョブを前記外部インタフェースを介して取得し、その取得した印刷ジョブに従って印刷処理を実行する印刷装置であって、
前記コンピュータは、
前記外部インタフェースを介して前記印刷ジョブを取得する取得処理と、
前記取得処理により取得した前記印刷ジョブに含まれる前記PJLデータが非対象PJLデータである場合に、その非対象PJLデータを、いずれの対象PJLデータに変換するかを指示する指示操作を前記ユーザインタフェースを介して受け付ける指示操作受け付け処理と、
前記指示操作受け付け処理により受け付けた指示操作に従って、前記取得処理により前記外部インタフェースを介して取得した非対象PJLデータと、変換先となる対象PJLデータと、を対応付けたデータを変換ルールとして前記不揮発性メモリに記憶する記憶処理と、を実行し、
前記対象PJLデータは、前記コンピュータが前記対象PJLデータに従った処理を実行することが可能なPJLデータであり、前記非対象PJLデータは、前記対象PJLデータではないPJLデータであり、
前記コンピュータは、
前記記憶処理を実行した後に、前記取得処理により前記外部インタフェースを介して取得したPJLデータが、前記不揮発性メモリに記憶された前記変換ルールに存在する前記非対象PJLデータである場合に、その非対象PJLデータを、前記不揮発性メモリに記憶されている変換ルールにおいて当該非対象PJLデータと対応付けられている対象PJLデータに変換する変換処理と、
前記変換処理により変換した対象PJLデータに従った処理と、
前記取得処理により前記外部インタフェースを介して取得した非対象PJLデータを、前記指示操作を受け付けるための指示オブジェクトと共に前記ユーザインタフェースに表示する表示処理と、
を実行
し、
前記指示操作受け付け処理は、
前記表示処理により前記ユーザインタフェースに表示した前記指示オブジェクトを介して前記指示操作を受け付け、
前記記憶処理は、
前記指示操作受け付け処理により前記指示オブジェクトを介して受け付けた前記指示操作に従って、前記取得処理により前記外部インタフェースを介して取得した非対象PJLデータと、変換先となる対象PJLデータと、を対応付けたデータを変換ルールとして前記不揮発性メモリに記憶し、
前記表示処理は、
前記取得処理と、前記指示操作受け付け処理と、前記記憶処理と、を実行した後に、前記記憶処理により前記不揮発性メモリに記憶された変換ルールを適用した処理を前記コンピュータに実行させるための実行指示操作を受け付ける実行指示オブジェクトを前記ユーザインタフェースに表示可能であり、
前記変換処理は、
前記実行指示オブジェクトが前記実行指示操作を受け付けた場合に、前記取得処理により前記外部インタフェースを介して取得した非対象PJLデータが、前記記憶処理により前記不揮発性メモリに記憶した変換ルールに存在する非対象PJLデータである場合に、その非対象PJLデータを、当該変換ルールにおいて当該非対象PJLデータと対応付けられている対象PJLデータに変換し、
前記コンピュータは、
前記変換処理により変換した対象PJLデータに従った処理を実行することを特徴とす
る印刷装置。
【請求項11】
外部インタフェースと、ユーザインタフェースと、不揮発性メモリと、コンピュータと、を備えており、
前記コンピュータは、PJLデータが含まれる印刷ジョブを前記外部インタフェースを介して取得し、その取得した印刷ジョブに従って印刷処理を実行する印刷装置であって、
前記コンピュータは、
前記外部インタフェースを介して前記印刷ジョブを取得する取得処理と、
前記取得処理により取得した前記印刷ジョブに含まれる前記PJLデータが非対象PJLデータである場合に、その非対象PJLデータを、いずれの対象PJLデータに変換するかを指示する指示操作を前記ユーザインタフェースを介して受け付ける指示操作受け付け処理と、
前記指示操作受け付け処理により受け付けた指示操作に従って、前記取得処理により前記外部インタフェースを介して取得した非対象PJLデータと、変換先となる対象PJLデータと、を対応付けたデータを変換ルールとして前記不揮発性メモリに記憶する記憶処理と、を実行し、
前記対象PJLデータは、前記コンピュータが前記対象PJLデータに従った処理を実行することが可能なPJLデータであり、前記非対象PJLデータは、前記対象PJLデータではないPJLデータであり、
前記コンピュータは、
前記記憶処理を実行した後に、前記取得処理により前記外部インタフェースを介して取得したPJLデータが、前記不揮発性メモリに記憶された前記変換ルールに存在する前記非対象PJLデータである場合に、その非対象PJLデータを、前記不揮発性メモリに記憶されている変換ルールにおいて当該非対象PJLデータと対応付けられている対象PJLデータに変換する変換処理と、
前記変換処理により変換した対象PJLデータに従った処理と、
前記取得処理により前記外部インタフェースを介して取得した非対象PJLデータを、前記指示操作を受け付けるための指示オブジェクトと共に前記ユーザインタフェースに表示する表示処理と、
を実行
し、
前記指示操作受け付け処理は、
前記表示処理により前記ユーザインタフェースに表示した前記指示オブジェクトを介して前記指示操作を受け付け、
前記記憶処理は、
前記指示操作受け付け処理により前記指示オブジェクトを介して受け付けた前記指示操作に従って、前記取得処理により前記外部インタフェースを介して取得した非対象PJLデータと、変換先となる対象PJLデータと、を対応付けたデータを変換ルールとして前記不揮発性メモリに記憶し、
前記表示処理は、
前記不揮発性メモリに記憶されている前記変換ルールの一覧印刷を前記コンピュータに実行させるための一覧印刷指示操作を受け付ける一覧印刷指示オブジェクトを前記ユーザインタフェースに表示可能であり、
前記コンピュータは、
前記一覧印刷指示オブジェクトが前記一覧印刷指示操作を受け付けたことに応じて、前記不揮発性メモリに記憶されている前記変換ルールの一覧印刷を実行することを特徴とす
る印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プリンタジョブ言語(以下、PJL(Printer Job Language)という)で記述されたデータを処理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、印刷装置が、PCから送信された新規PJLデータと、その新規PJLデータに対応する処理とをPJL辞書に記憶し、新規PJLデータをPCから受信したときに、その受信した新規PJLデータとPJL辞書において対応している処理を行うという技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
プリンタに代表される印刷装置では、性能および機能の向上の他、提供価値が多様化するなどの変化が起きている。しかし、印刷装置を備えた印刷システムにおいて、上記の変化に対応するために印刷装置を更新すると、印刷システムを再構築するための負担が大きくなる。
【0005】
そこで、本願は、上記の課題を解決するために提案されたものであって、印刷装置を更新した場合であっても印刷システムを再構築するための負担が大きくならない技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するため、本願は、外部インタフェースと、ユーザインタフェースと、不揮発性メモリと、コンピュータと、を備えており、コンピュータは、PJLデータが含まれる印刷ジョブを前記外部インタフェースを介して取得し、その取得した印刷ジョブに従って印刷処理を実行する印刷装置であって、コンピュータは、外部インタフェースを介して印刷ジョブを取得する取得処理と、取得処理により取得した印刷ジョブに含まれるPJLデータが非対象PJLデータである場合に、その非対象PJLデータを、いずれの対象PJLデータに変換するかを指示する指示操作をユーザインタフェースを介して受け付ける指示操作受け付け処理と、指示操作受け付け処理により受け付けた指示操作に従って、取得処理により外部インタフェースを介して取得した非対象PJLデータと、変換先となる対象PJLデータと、を対応付けたデータを変換ルールとして不揮発性メモリに記憶する記憶処理と、を実行し、対象PJLデータは、コンピュータが対象PJLデータに従った処理を実行することが可能なPJLデータであり、非対象PJLデータは、対象PJLデータではないPJLデータであり、コンピュータは、記憶処理を実行した後に、取得処理により外部インタフェースを介して取得したPJLデータが、不揮発性メモリに記憶された変換ルールに存在する非対象PJLデータである場合に、その非対象PJLデータを、不揮発性メモリに記憶されている変換ルールにおいて当該非対象PJLデータと対応付けられている対象PJLデータに変換する変換処理と、変換処理により変換した対象PJLデータに従った処理と、を実行するという技術を提供する。
【0007】
コンピュータは、外部インタフェースを介して取得した印刷ジョブに含まれるPJLデータが非対象PJLデータである場合に、その非対象PJLデータを、いずれの対象PJLデータに変換するかを指示する指示操作をユーザインタフェースを介して受け付ける。そして、コンピュータは、受け付けた指示操作に従って、外部インタフェースを介して取得した非対象PJLデータと、変換先となる対象PJLデータと、を対応付けたデータを変換ルールとして不揮発性メモリに記憶する。また、コンピュータは、記憶処理を実行した後に、外部インタフェースを介して取得したPJLデータが、不揮発性メモリに記憶された変換ルールに存在する非対象PJLデータである場合に、その非対象PJLデータを、不揮発性メモリに記憶されている変換ルールにおいて当該非対象PJLデータと対応付けられている対象PJLデータに変換し、その変換した対象PJLデータに従った処理を実行する。
【0008】
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、たとえば、印刷システムの他、プログラム、プログラムを記憶した記憶媒体などの形態で実現することができる。
【発明の効果】
【0009】
本願に係る印刷装置などによれば、印刷装置を更新した場合であっても印刷システムを再構築するための負担が大きくならない印刷装置などを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】印刷装置の主な電気的構成を示す説明図である。
【
図2】(A)は待機画面、(B)~(D)は変換ルール作成モード画面の説明図である。
【
図3】(A)は印刷ジョブ、(B)はPJLデータの一例を示す説明図である。変換モードの説明図である。
【
図5】(A)は変換モード1、(B)は変換モード2の説明図である。
【
図6】(A)~(C)は変換ルール作成画面の説明図である。
【
図7】(A),(B)は変換ルール編集画面の説明図である。
【
図8】(A),(B)は変換ルール追加画面の説明図である。
【
図9】(A)は変換ルールデータの説明図、(B)は変換ルールが追加された変換ルールデータの説明図である。
【
図10】CPUが実行するメインルーチンを示すフローチャートである。
【
図11】通常印刷処理を示すフローチャートである。
【
図12】データ解析処理を示すフローチャートである。
【
図13】変換ルール作成処理を示すフローチャートである。
【
図14】
図13の変換ルール作成処理の続きを示すフローチャートである。
【
図15】変換ルール編集処理を示すフローチャートである。
【
図16】
図15に示す変換ルール編集処理の続きを示すフローチャートである。
【
図17】第2実施形態におけるメインルーチンを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の第1実施形態に係る印刷装置、印刷システムおよびプログラムついて図を参照しつつ説明する。印刷装置の主な電気的構成について、それを示す
図1を参照しつつ説明する。印刷装置10は、印刷エンジン11と、フラッシュROM12と、NVRAM14と、画像処理回路15と、ユーザIF(インタフェースの略)60と、通信IF17と、USBIF18と、バス19と、制御部20と、RAM22と、ROM23とを備えている。印刷エンジン11は、シートなどの記録媒体に画像を印刷するためのエンジンであり、電子写真方式、インクジェット方式、サーマル方式等の印刷方式が採用される。画像処理回路15は、PDL部32(
図3)に係る画像データをRIP(Raster Image Processerの略)処理し、シートなどの記録媒体に印刷する画素に対応した描画データに変換する。その変換された描画データは、印刷エンジン11へ出力される。NVRAM14は、印刷設定情報などを記憶する不揮発性メモリである。ユーザIF60は、タッチパネル61を備えており、タッチパネル61は、メッセージの表示機能とユーザによる操作を受け付ける機能とを備えている。通信IF17は、LAN回線L1により、情報処理装置40とそれぞれ相互に通信可能に接続されている。印刷装置10と情報処理装置40との通信方法としては、Bluetooth(登録商標)などの通信プロトコルを用いることもできる。情報処理装置40は、例えば、PCやスマートフォンなどである。USBIF18は、USB規格に基づいて接続された装置と通信を行うためのハードウェアである。制御部20は、CPU21などにより構成されている。制御部20は、NVRAM14に記憶されている印刷設定情報に従って、印刷エンジン11を制御する。また、制御部20は、通信IF17を介して情報処理装置40との通信を制御する。フラッシュROM12には、後述する変換ルールデータ13(
図9)が記憶されている。
【0012】
ROM23には、CPU21が、後述するメインルーチン(
図7)およびサブルーチン(
図8~
図16)などを実行するプログラム24が記憶されている。RAM22は、フラッシュROM12から読出された変換ルールデータ13を展開する記憶領域、ROM23から読出されたプログラム24を展開するワーク領域などを有する。制御部20、RAM22、ROM23、フラッシュROM12、NVRAM14、印刷エンジン11、画像処理回路15、ユーザIF60、通信IF17およびUSBIF18は、バス19により相互に接続されている。CPU21、または、CPU21を含む制御部20は、本発明のコンピュータの一例であり、タッチパネル61は本発明のユーザインタフェースの一例であり、フラッシュROM12は、本発明の不揮発性メモリの一例である。通信IF17およびUSBIF18は、本発明の外部インタフェースの一例であり、プログラム24は、本発明のプログラムの一例である。情報処理装置40は、本発明の情報処理装置の一例であり、印刷装置10および情報処理装置40は、本発明の印刷システムの一例である。変換ルールデータ13は、コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体に記憶しておき、その記憶媒体から印刷装置10に提供してもよい。また、プログラム24も、コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体に記憶しておき、そのストレージ媒体から印刷装置10に提供され、CPU21によって実行されてもよい。コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体とは、non-transitoryな媒体である。non-transitoryな媒体には、CD-ROM、DVD-ROM、USBメモリなどの記憶媒体も含まれる。また、non-transitoryな媒体は、tangibleな媒体でもある。一方、インターネット上のサーバなどからダウンロードされるプログラムを搬送する電気信号は、コンピュータが読み取り可能な媒体の一種であるコンピュータが読み取り可能な信号媒体であるが、コンピュータが読み取り可能なnon-transitoryなストレージ媒体には含まれない。なお、以下の説明における「判断」、「解析」、「読出し」、「展開」、「書き込み」、「変換」、「参照」、「保存」、「入力」、「受け付け」、「反映」、「出力」、「送信」、「受信」、「決定」、「設定」、「取得」、「制御」、「記憶」、「登録」、「削除」、「判断」、「表示」、「組込み」などの処理は、CPU21による処理を表している。CPU21による処理は、OSを介したハードウェア制御も含む。なお、「取得」は、要求を必須とはしない概念で用いる。つまり、CPU21が要求することなくデータを受信するという処理も、「CPU21がデータを取得する」という概念に含まれる。また、本明細書中の「データ」とは、コンピュータに読取可能なビット列で表される。そして、実質的な意味内容が同じでフォーマットが異なるデータは、同一のデータとして扱われるものとする。本明細書中の「情報」についても同様である。
【0013】
ところで、情報処理装置40に接続していた印刷装置の機種を変更すると、情報処理装置40から印刷ジョブを印刷装置へ送信しても、印刷装置が所期の動作をしないことがある。その一因は、PJLデータの互換性にある。例えば、あるPJLデータは、情報処理装置40に過去に接続していた印刷装置ではサポートされていたが、新たに接続した印刷装置ではPJLデータとしてサポートされていないような場合がある。このような場合、新たに接続した印刷装置を制御するために、新たなPJLデータをサポートしたドライバを情報処理装置40にインストールすることも考えられるが、印刷システムを管理するシステム管理者は、システムのプログラムを変更することは、システムの正常動作を阻害する要因となるおそれがあること、労力が必要になること、などの理由から、極力避けたいという思いがある。そこで、本願発明者は、情報処理装置に接続された印刷装置の機種が変わった場合であっても、システムのプログラムを変更しなくても、それまで情報処理装置から印刷装置へ送信していたPJLデータを使うことができる技術を創出した。そして、その技術を使うために、本実施形態の印刷装置10では、印刷装置10においてサポートされていないPJLデータを、サポートされているPJLデータに変換するための変換ルールデータ13がフラッシュROM12に記憶されている(
図1)。
【0014】
次に、制御部20のCPU21が実行するメインルーチンについて
図10を参照しつつ説明する。CPU21は、メインルーチン(
図10)およびサブルーチン(
図11~
図16)の各処理を、ROM23に記憶されているプログラム24(
図1)に従って実行する。なお、以下の説明では、CPU21が実行する処理のステップをSと略す。CPU21は、待機画面、つまり、待機画面(
図2(A))をタッチパネル61に表示する(S1)。
図2(A)は、タッチパネル61に表示される待機画面を示す。待機画面には、印刷装置10にファクス機能を実行させるためのファクスボタン、コピー機能を実行させるためのコピーボタン、スキャン機能を実行させるためのスキャンボタンが表示される。また、待機画面には、変換ルール作成モードボタン62、変換ルール編集ボタン63および変換ルール一覧印刷ボタン65が表示される。CPU21は、変換ルール作成モードボタン62(
図2(A))が操作されたか否かを判断し(
図10のS2)、操作されたと肯定判断した場合は(S2:Yes)、印刷装置10の動作モードが通常モードから変換ルール作成モードに遷移したことを示す変換ルール作成モードフラグをONする(S3)。続いて、CPU21は、変換ルール作成モード画面を、データ受信待ちを示す態様(
図2(B))で、タッチパネル61に表示する(S4)。
図2(B)に示すように、タッチパネル61は、動作モードが通常モードから変換ルール作成モードに遷移したことを示すメッセージ「変換ルール作成モード」と、情報処理装置40から送信されるデータの受信待ちの状態であることを示すメッセージ「データ受信待ち」と、終了ボタン66と、を画面に表示する。つまり、印刷装置10は、変換ルール作成モード、および変換ルール作成モードではない通常モードの一方から他方に遷移可能であり、通常モードから変換ルール作成モードに遷移させるための遷移指示操作を受け付けるための変換ルール作成モードボタン62をタッチパネル61に表示可能であり、通常モードに遷移しているときに変換ルール作成モードボタン62が遷移指示操作を受け付けた場合に変換ルール作成モードに遷移する。
【0015】
続いて、CPU21は、S2において否定判断すると(S2:No)、変換ルール編集ボタン63(
図2(A))が操作されたか否かを判断する(S5)。ここで、CPU21は、操作されたと判断しなかった場合は(S5:No)、変換ルール一覧印刷ボタン65(
図2(A))が操作されたか否かを判断し(S7)、操作されたと判断しなかった場合は(S7:No)、情報処理装置40(
図1)から印刷ジョブ30(
図3(A))を受信したか否かを判断する(S9)。ここで、印刷ジョブの構成について
図3(A)を参照しつつ説明する。印刷ジョブ30は、少なくとも1つのPJLデータにより構成されたPJL部31と、少なくとも1つのPDL(Page Description Languageの略)データにより構成されたPDL部32とを有する。印刷ジョブ30の先頭に記載されたデータD1「EC%-12345X@PJL」は、次行からPJL部31が始まることを示すオープニングコマンドである。PJL部31を構成する各PJLデータは、印刷ジョブ30の作成者名、印刷ジョブ30の名称、印刷設定情報などを表している。印刷設定情報には、用紙サイズ、印刷方向、カラー印刷かモノクロ印刷かの指定、印刷部数、印刷品質などの印刷設定情報が含まれている。例えば、PJLデータD2「@PJL SET MEDIASIZE=LETTER」は、用紙サイズを「LETTER」に設定するという指示を表しており、PJLデータD3「@PJL SET MEDIAWEIGHT=HEAVY」は、単位面積当たりの重量が重い用紙「HEAVY」、つまり、厚紙に設定するという指示を表している。PJL部31の最終行に記述されたPJLデータD4「@PJL ENTER LANGUAGE=PCL」は、PJL部31が終わり、次行から、PCL(Printer Command Languageの略)というページ記述言語により構成されたPDL部32が始まることを示すPJLデータである。なお、ページ記述言語としては、PCLの他に、PCLXL、PS(Post Scriptの略)などを挙げることができる。PDL部32の後に記述されたPJLデータD5「EC%-12345X@PJL EOJ NAME=”office-PDF(A&A4).pdf”」は、印刷ジョブ30の終了を示すPJLデータである。印刷ジョブ30の最後に記述されたPJLデータD6「EC%-12345X」は、印刷ジョブ30の1つの区切りを示すPJLデータである。
【0016】
CPU21は、印刷ジョブ30を受信したと肯定判断した場合は(
図10のS9:Yes)、変換ルール作成モードフラグがONしているか否かを判断し(S11)、ONしていると肯定判断した場合は(S11:Yes)、変換ルール作成モード画面を、データ解析中であることを示す態様(
図2(C))で、タッチパネル61に表示する(S12)。
図2(C)に示すように、タッチパネル61は、受信したデータを解析中であることを示すメッセージ「データ解析中」を画面に表示する。続いて、CPU21は、後述するデータ解析処理(
図12)を実行し(S13)、後述する変換ルール作成処理(
図13,
図14)を実行する(S14)。続いて、CPU21は、変換ルール作成処理(S14)を終了すると、変換ルール作成モードフラグをOFFし(S16)、タッチパネル61に待機画面(
図2(A))を表示する(S1)。また、CPU21は、変換ルール編集ボタン63(
図2(A))が操作されたと肯定判断した場合は(S5:Yes)、後述する変換ルール編集処理(
図15,
図16)を実行する(S6)。また、CPU21は、変換ルール一覧印刷ボタン65(
図2(A))が操作されたと肯定判断した場合は(S7:Yes)、RAM22に記憶されている変換ルールデータ13(
図9)を一覧形式にて用紙などに印刷する(S8)。例えば、
図9に示した表形式にて変換ルールデータ13を用紙などに印刷する。つまり、CPU21は、フラッシュROM12に記憶されている変換ルールの一覧印刷をCPU21に実行させるための一覧印刷指示操作を受け付ける変換ルール一覧印刷ボタン65をタッチパネル61に表示可能であり、変換ルール一覧印刷ボタン65が一覧印刷指示操作を受け付けたことに応じて、フラッシュROM12に記憶されている変換ルールの一覧印刷を実行する。従って、ユーザは、印刷された変換ルールの一覧を見ることにより、フラッシュROM12に記憶されている変換ルールの内容を知ることができる。また、CPU21は、変換ルール作成モードフラグがONしていないと否定判断した場合は(S1110:No)、後述する通常印刷処理(
図11)を実行し(S15)、S2に戻る。また、CPU21は、印刷ジョブを受信していないと否定判断した場合は(S9:No)、終了ボタン66(
図2(B))が操作されたか否かを判断し(S10)、操作されたと判断した場合は(S10:Yes)、変換ルール作成モードフラグをOFFし(S16)、S1に戻る。また、終了ボタン66が操作されたと判断しなかった場合は(S10:No)、S11へ移行する。CPU21が実行する通常印刷処理(S15)は、本発明の印刷処理の一例である。
【0017】
次に、CPU21がメインルーチンのS12(
図10)において実行するデータ解析処理について
図12を参照しつつ説明する。CPU21は、情報処理装置40から受信した印刷ジョブ30(
図3)の先頭のデータを解析対象に設定し(S30)、その解析対象に設定したデータを解析処理する(S31)。続いて、CPU21は、S31における解析処理の結果、解析したデータがPJLデータであるか否かを判断し(S32)、PJLデータであると肯定判断した場合は(S32:Yes)、その肯定判断した対象のPJLデータが非対象PJLデータであるか否かを判断する(S33)。例えば、対象PJLデータが登録された対象PJLデータリストがフラッシュROM12に記憶されており、CPU21は、S32において肯定判断した対象のPJLデータが対象PJLデータリストに登録されていないと判断した場合は、非対象PJLデータであると判断する。ここで、CPU21は、非対象PJLデータであると肯定判断した場合は(S33:Yes)、その肯定判断した対象の取得PJLデータを非対象PJLデータとしてRAM22(
図1)に記憶する(S34)。続いて、CPU21は、次のデータを解析対象に設定し(S35)、S32に戻る。また、CPU21は、非対象PJLデータではないと否定判断した場合は(S33:No)、S34を実行することなく、次のデータを解析対象に設定する(S35)。また、CPU21は、PJLデータではないと否定判断した場合は(S32:No)、これから解析対象に設定するデータがPDLデータ、あるいは、PJL部31(
図3(A))の終端であるか否かを判断し(S36)、肯定判断した場合は(S36:Yes)、データ解析処理を終了してメインルーチンに戻る。また、これから解析対象に設定するデータがPDLデータ、あるいは、PJL部31の終端ではないと否定判断した場合は(S36:No)、S32に戻る。つまり、CPU21は、PJL部31を構成している総てのPJLデータに対してS32~S35を実行し、非対象PJLデータであると判断した(S33:Yes)PJLデータを非対象PJLデータとしてRAM22に記憶する(S34)。このようにRAM22に記憶した非対象PJLデータは、変換ルール作成処理(
図13,
図14)において、変換ルール作成の対象として扱われる。
【0018】
次に、CPU21がメインルーチンのS14(
図10)において実行する通常印刷処理について
図11を参照しつつ説明する。CPU21は、印刷ジョブ30(
図3(A))のPJL部31の先頭の取得PJLデータを読出し(S20)、この読出した取得PJLデータが変換ルールデータ13(
図9)のいずれかの変換ルールに登録されている変換前PJLデータと一致するか否かを判断する(S21)。ここで、CPU21は、一致すると肯定判断した場合は(S21:Yes)、その肯定判断した対象の取得PJLデータを、当該取得PJLデータと一致する変換前PJLデータを有す変換ルールにおいて当該変換前PJLデータと対応付けられている変換後PJLデータに変換する(S22)。例えば、取得PJLデータが取得PJLデータD2「@PJL SET LPARM:PCL MEDIASIZE=LETTER」(
図3(A))であったとすると、その取得PJLデータD2は、変換ルールデータ13の変換ルール番号2の変換ルール(
図9)に登録されている変換前PJLデータと一致するから、その変換ルール番号2の変換ルールを適用し、取得PJLデータD2を、当該取得PJLデータD2と一致する変換前PJLデータと対応付けられている変換後PJLデータ「@PJL SET LPARM:PCL PAPER=LETTER」に変換する(S22)。つまり、S21において肯定判断の対象となった取得PJLデータは、S22において変換された変換後PJLデータに書き換えられる。
【0019】
また、CPU21は、読出した取得PJLデータが変換ルールデータ13(
図9)のいずれかの変換ルールに登録されている変換前PJLデータと一致しないと否定判断した場合は(S21:No)、S22を実行することなくS23を実行する。続いて、CPU21は、PDLデータまたはPJL部31の終端に到達したか否かを判断し(23)、PDLデータまたはPJL部31の終端に到達していないと否定判断した場合は(23:No)、次の取得PJLデータを読出し(S24)、S21~S23を実行する。このように、CPU21は、PDLデータまたはPJL部31の終端に到達したと肯定判断(S23:Yes)するまで、PJL部31を構成している総ての取得PJLデータに対してS21~S24を実行し、変換ルールデータ13に登録されている変換前PJLデータと一致する取得PJLデータについては変換後PJLデータに変換する変換処理(S22)を実行する。また、CPU21は、PDLデータまたはPJL部31の終端に到達したと肯定判断した場合は(S23:Yes)、PJL部31を構成する各PJLデータに従って印刷処理を実行し(S25)、メインルーチンに戻る。印刷処理を実行する時点では、PJL部31を構成する取得PJLデータのうち、変換ルールデータ13に登録されている変換前PJLデータと一致する取得PJLデータ、つまり、非サポートの取得PJLデータについては、サポートしている変換後PJLデータに変換されているため、非サポートの取得PJLデータが示す指示内容に従った印刷を実行することができる。CPU21が実行するS22は本発明の変換処理の一例であり、S25は本発明の対象PJLデータに従った処理の一例である。
【0020】
次に、CPU21がメインルーチンのS15(
図10)において実行する変換ルール作成処理について
図13および
図14を参照しつつ説明する。CPU21は、変換ルール作成モード画面を、データ解析完了を示す態様(
図2(D))で、タッチパネル61に表示する(
図13のS40)。
図2(D)に示す例では、タッチパネル61には、データ解析処理(
図10のS12)の結果、検出された非対象PJLデータの数として「2」が表示されている。また、タッチパネル61には、印刷ボタン74と、変換ルール作成ボタン64と、終了ボタン66とが表示されている。印刷ボタン74は、変換ルールを作成中であるときは、作成中の変換ルールが変換ルールデータ13に登録されていないため、操作無効の表示態様になり、作成された変換ルールが変換ルールデータ13に登録されると、操作有効の表示態様になる。なお、この時点では、変換ルール作成処理が終了していないため、印刷ボタン74の操作は無効になっている。続いて、CPU21は、変換ルール作成ボタン64(
図2(D))が操作されたか否かを判断し(S41)、操作されたと肯定判断した場合は(S41:Yes)、解析処理のS34(
図12)においてRAM22に記憶した非対象PJLデータのうち、先頭の非対象PJLデータを変換ルール作成画面の表示対象に設定する(S43)。続いて、CPU21は、S45において解析対象に設定した非対象PJLデータに対して構文解析処理を実行する(S44)。
【0021】
ここで、PJLデータの構成要素について
図3(B)を参照しつつ説明する。
図3(B)は、PJLデータの一例を示しており、「@PJL DEFAULT LPARM:PCL PTSIZE=14.25」というPJLデータである。このPJLデータは、PCLにより記述されたPDL部32を印刷するときの初期値のポイントサイズを14.25に設定することを指示するPJLデータである。PJLデータは、その構文の構成要素単位に分割すると、「PJL Prefix」「Command」「Command modifier:Value」「Option name」の4つの構成要素で構成されるデータである。「@PJL」は、「PJL Prefix」である。「DEFAULT」は、「Command」である。「LPARM:PCL」は、「Command modifier:Value」である。「PTSIZE=14.25」は、「Option name=Value」である。以下、「PJL Prefix」を第1構成要素とし、「Command」を第2構成要素とし、「Command modifier:Value」を第3構成要素とし、「Option name=Value」を第4構成要素とする。第1構成要素は必須の要素であるが、PJLデータの書式には、第1構成要素および第2構成要素のみから成る書式1と、第1構成要素ないし第4構成要素から成る書式2とがある。第2構成要素ないし第4構成要素は、PJLの規格により、省略が認められている。以下、書式2のPJLデータのうち、第2構成要素ないし第4構成要素までが省略されていない書式で記述されたPJLデータを非省略型PJLデータとし、第2構成要素から第4構成要素のいずれか1つまたは2つが省略された書式で記述されたPJLデータを省略型PJLデータとする。
【0022】
次に、PJLデータの変換モードについて
図4および
図5を参照しつつ説明する。
図4に示すように、変換モード1は、前述した第1構成要素および第2構成要素のみから成る書式1のPJLデータを変換するための変換モードであり、第2構成要素の「Command」を変換対象とする変換モードである。
図5(A)に示す例1は、「@PJL UNKNOWNINIT」という書式1の変換前PJLデータを、「@PJL INITIALIZE」という書式1の変換後PJLデータに変換する例を示す。また、例2は、「@PJL UNKNOWNJOB」という書式1の変換前PJLデータを「@PJL JOB」という書式1の変換後PJLデータに変換する例を示す。
図4に示すように、変換モード2は、前述した書式2のPJLデータを変換するための変換モードであり、第4構成要素の「Option Name」を変換対象とする変換モードである。前述したように、書式2には、非省略型PJLデータおよび省略型PJLデータが存在する。従って、変換ルールの変換前PJLデータとして、非省略型PJLデータを記述しておけば、CPU21は、取得PJLデータが非省略型であった場合に、その取得PJLデータを上記変換ルールによって変換後PJLデータに変換することができる。また、変換ルールの変換前PJLデータとして、省略型PJLデータを記述しておけば、CPU21は、取得PJLデータが省略型であった場合に、そのPJLデータを上記変換ルールによって変換後PJLデータに変換することができる。このように、変換ルールの変換モードには、PJLデータの構文の構成要素のうち、省略可能な構成要素の種類に応じて複数種類の変換モードが存在している。また、CPU21は、非省略型PJLデータおよび省略型PJLデータのいずれでも解析することができるため、変換ルールの変換後PJLデータとして非省略型PJLデータおよび省略型PJLデータのいずれを記述しても良い。
【0023】
図5(B)に示す例1は、取得PJLデータのうち、第3構成要素が省略された「@PJL INQUIRE MEDIASIZE」という省略型のPJLデータを、第3構成要素が省略された「@PJL INQUIRE PAPER」という省略型の変換後PJLデータに変換する例を示す。
図5(B)に示す例2は、取得PJLデータのうち、「@PJL INQUIRE LPARM:PCL MEDIASIZE」という非省略型のPJLデータを、「@PJL INQUIRE LPARM:PCL PAPER」という非省略型の変換後PJLデータに変換する例を示す。
図5(B)に示す例3は、取得PJLデータのうち、「@PJL SET LPARM:PCL MEDIASIZE=LETTER」という非省略型のPJLデータを、「@PJL SET LPARM:PCL PAPER=LETTER」という非省略型の変換後PJLデータに変換する例を示す。また、変換ルールの変換前PJLデータとして、印刷装置10のメーカ独自のPJLデータ(以下、独自型PJLデータという)を記述することもできる。例えば、独自型PJLデータでは、第1~第3構成要素までを省略可能とし、第4構成要素のみを必須要素とすることができる。例えば、変換ルールの変換前PJLデータとして、第4構成要素のみの独自型PJLデータが記述されている場合に、取得PJLデータの第4構成要素が、上記変換ルールの変換前PJLデータである独自型PJLデータと一致した場合は、取得PJLデータの第2構成要素および第3構成要素の内容に関係無く、取得PJLデータを、当該変換前PJLデータと上記変換ルールにおいて対応付けられている変換後PJLデータに変換することができる。例えば、変換ルールにおいて、「MEDIASIZE=LETTER」という第4構成要素のみの変換前PJLデータ(独自型PJLデータ)と、「PAPER=LETTER」という変換後PJLデータとが対応付けられているとする。そして、取得PJLデータの第4構成要素に「MEDIASIZE=LETTER」が存在する場合は、その取得PJLデータの第2構成要素および第3構成要素の内容に関係無く、取得PJLデータを、「PAPER=LETTER」という変換後PJLデータに変換する。すなわち、第4構成要素に「MEDIASIZE=LETTER」が存在するPJLデータを取得した場合の総てにおいて、「MEDIASIZE=LETTER」を「PAPER=LETTER」に変換した変換後PJLデータを生成することができる。独自型PJLデータを変換前PJLデータとして記述した変換ルールを用いることで、例えば、「@PJL SET MEDIASIZE=LETTER」という、一時的な用紙サイズ設定を指示する取得PJLコマンドを、「@PJL SET PAPER=LETTER」に変換すること、「@PJL DEFAULT MEDIASIZE=LETTER」という、用紙サイズのデフォルト値設定を指示する取得PJLコマンドを、「@PJL DEFAULT PAPER=LETTER」に変換すること、のいずれも可能になる。
【0024】
CPU21は、構文解析処理(
図13のS44)において、非対象PJLデータに適用される変換モードが変換モード1であるか変換モード2であるかの解析と、非対象PJLデータを第1構成要素ないし第4構成要素に分割する処理とを行う。続いて、CPU21は、S44における解析処理の結果から、その解析処理の対象となった非対象PJLデータに適用される変換モードが変換モード1であるか変換モード2であるかを判定する(S45)。具体的には、CPU21は、構文解析処理した非対象PJLデータが、第2構成要素の「Command」を引数に取っている場合は変換モード1が適していると判断し、かつ、第3構成要素「Command modifier」および第4構成要素「Option name」、または、第4構成要素「Option name」を引数に取っている場合は変換モード2が適していると判断する。例えば、S44において取得PJLデータD2「@PJL SET LPARM:PCL MEDIASIZE=LETTER」(
図3(A))を非対象PJLデータとして解析した場合は、取得PJLデータD2は、第2構成要素の他に第3および第4構成要素を有するため、適用される変換モードは変換モード2(
図4)であると判定する(S45)。続いて、CPU21は、表示対象の非対象PJLデータと同じ変換前PJLデータが変換ルールデータ13のいずれかの変換ルールに有るか否かを判断し(S46)、有ると判断しなかった場合は(S46:No)、S44における構文解析処理の結果をタッチパネル61に表示する(S47)。
【0025】
ここで、フラッシュROM12に記憶された変換ルールデータ13について
図9(A)を参照しつつ説明する。以下、CPU21が通信IF17またはUSBIF18を介して情報処理装置40から取得したPJLデータを取得PJLデータという。また、取得PJLデータのうち、印刷装置10においてサポートしていない取得PJLデータを非対象PJLデータといい、サポートしているPJLデータを対象PJLデータという。変換ルールデータ13は、非対象PJLデータを対象PJLデータに変換するためのデータである。また、非対象PJLデータであって変換前のPJLデータを変換前PJLデータといい、変換後のPJLデータを変換後PJLデータという。
図9(A)に示すように、変換ルールデータ13では、変換ルール番号(変換ルールの通し番号)と、変換前PJLデータと、変換後PJLデータとが対応付けられている。図中、[N/A]は、「該当なし」を表しており、該当する構成要素が存在しない、つまり、省略されていることを表している。
【0026】
ここで、S47においてタッチパネル61に表示される変換ルール作成画面について
図6(A)を参照しつつ説明する。タッチパネル61は、変換前PJLデータに対応する指示オブジェクトグループ80と、変換後PJLデータに対応する指示オブジェクトグループ81とを表示する。指示オブジェクトグループ80は、変換前PJLデータの変換モードを表す指示オブジェクト80aと、変換前PJLデータを構成要素単位に分割した構成要素ごとの指示オブジェクト80b~80fとを有する。指示オブジェクト80bは、変換前PJLデータの第2構成要素を表す指示オブジェクト、指示オブジェクト80c,80dは第3構成要素を表す指示オブジェクト、指示オブジェクト80e,80fは第4構成要素を表す指示オブジェクトである。また、指示オブジェクトグループ81は、変換後PJLデータの変換モードを表す指示オブジェクト81aと、変換後PJLデータを構成要素単位に分割した構成要素ごとの指示オブジェクト81b~81fとを有する。指示オブジェクト81bは、変換後PJLデータの第2構成要素を表す指示オブジェクト、指示オブジェクト81c,81dは第3構成要素を表す指示オブジェクト、指示オブジェクト81e,81fは第4構成要素を表す指示オブジェクトである。タッチパネル61に表示するファクス、変換ルール作成モードボタン62などのボタン、アイコン、選択肢を示す画像などはオブジェクトの一例である。
【0027】
図6(A)では、取得PJLデータD2「@PJL SET LPARM PCL MEDIASIZE=LETTER」(
図3(A))が変換前PJLデータとして、各構成要素単位で指示オブジェクト80b~80fに表示されている。また、取得PJLデータD2は、変換モード2を適用するPJLデータであるため、指示オブジェクト80aには「Mode2」が表示されている。また、変換後PJLデータに対応する指示オブジェクトグループ81の各指示オブジェクト81a~81fには、変換前PJLデータに対応する指示オブジェクトグループ80の各指示オブジェクト80a~80fに表示されたデータと同じデータが表示されている。上述したように、CPU21は、通信IF17を介して情報処理装置40から取得したPJLデータが非対象PJLデータである場合は、その非対象PJLデータをPJLデータの構文の構成要素単位に分割し、その分割した構成要素ごとの指示オブジェクト80b~80fを変換前PJLデータとしてタッチパネル61に表示示し、さらに、変換前PJLデータの変換先となる変換後PJLデータの構成要素ごとのデータを入力可能な指示オブジェクト81b~81fを、変換前PJLデータの各指示オブジェクト80b~80fと対応付けてタッチパネル61に表示する。このように、変換前PJLデータおよび変換後PJLデータの構成要素単位の指示オブジェクトをタッチパネル61に表示することにより、ユーザは、変換前PJLデータおよび変換後PJLデータをそれぞれ構成要素単位で把握することができ、かつ、構成要素単位でデータを入力することができる。
【0028】
S47において、変換後PJLデータに対応する指示オブジェクトグループ81に変換前PJLデータに対応する指示オブジェクトグループ80と同じデータを表示する理由について説明する。変換前PJLデータと変換後PJLデータとの間には、共通の構成要素が存在することがある。しかし、指示オブジェクト81a~81fに何も表示されていない状態から各指示オブジェクトに対するデータの入力作業を行うと、変換ルール作成の効率が悪くなる。そこで、変換前PJLデータの変換モードおよび構成要素と同じデータを変換後PJLデータの各指示オブジェクト81a~81fに表示することにより、ユーザは、変換前PJLデータと異なる構成要素のみを指示オブジェクトに入力すれば済む。すなわち、変換ルール作成の効率を高めることができる。例えば、ユーザは、変換前PJLデータおよび変換後PJLデータを対応付けたリストを見ながら、タッチパネル61に表示された変換前PJLデータに対応する変換後PJLデータを特定し、その特定した変換後PJLデータの各構成要素のうち、変換前PJLデータと異なる構成要素に対応する指示オブジェクトのみにデータを入力すればよい。例えば
図6(A)に示す変換前PJLデータ「@PJL SET LPARM PCL MEDIASIZE=LETTER」に対応する変換後PJLデータが「@PJL SET LPARM PCL PAPER=LETTER」である場合、ユーザは、構成要素のうち、変換前PJLデータと変換後PJLデータとで異なる第4構成要素のみを「MEDIASIZE」から「PAPER」に書き換えればよい。
【0029】
また、CPU21は、表示対象の非対象PJLデータと同じ変換前PJLデータが変換ルールデータ13のいずれかの変換ルールに有ると肯定判断した場合は(S46:Yes)、その肯定判断の対象になった変換ルールの変換前PJLデータを、構成要素単位でタッチパネル61の変換前PJLデータに対応する指示オブジェクトグループ80に、初期値として表示し、かつ、その肯定判断の対象になった変換ルールの変換後PJLデータを、構成要素単位でタッチパネル61の変換後PJLデータに対応する指示オブジェクトグループ81に、初期値として表示する(S48)。これにより、タッチパネル61に表示された変換ルールは、既に変換ルールデータ13に登録されていることを知ることができる。つまり、CPU21は、通信IF17を介して情報処理装置40から取得したPJLデータが非対象PJLデータであって、かつ、その非対象PJLデータと同じ変換前PJLデータを有する変換ルールがフラッシュROM12の変換ルールデータ13に登録されている場合は、当該変換前PJLデータと、当該変換前PJLデータと当該変換ルールデータ13において対応付けられている変換後PJLデータとを、それぞれPJLデータの構文の構成要素単位に分割し、その分割した構成要素ごとの指示オブジェクト80b~80f,81b~81fをタッチパネル61に表示し、かつ、その分割した構成要素を当該構成要素に対応する指示オブジェクトに、初期値として表示する。なお、登録済みであることを示すメッセージをタッチパネル61に表示してもよい。
【0030】
そして、CPU21は、S47またはS48を実行すると、タッチパネル61に表示されている前ボタン67(
図6)が操作されたか否かを判断し(
図14のS50)、操作されたと肯定判断した場合は(S50:Yes)、今回実行しているルーチンのS44(
図13)において構文解析処理を行った非対象PJLデータの1つ前の非対象PJLデータを解析対象に設定し(S51)、その設定した非対象PJLデータに対してS44~S48(
図13)を実行する。なお、1つ前の非対象PJLデータが存在しない場合は、前ボタン67の操作は無効になっている。また、CPU21は、前ボタン67が操作されたと判断しなかった場合は(S50:No)、次ボタン68(
図6)が操作されたか否かを判断し(S52)、操作されたと肯定判断した場合は(S52:Yes)、今回実行しているルーチンのS44(
図13)において構文解析処理を行った非対象PJLデータの次の非対象PJLデータを解析対象に設定し(S51)、その設定した非対象PJLデータに対してS44~S48(
図13)を実行する。なお、次の非対象PJLデータが存在しない場合は、次ボタン68の操作は無効になっている。
【0031】
図6に示す例は、RAM22に記憶されている非対象PJLデータが2つの場合であり、1つ目の非対象PJLデータが変換前PJLデータとしてタッチパネル61に表示されている場合は、
図6(A),(B)に示すように、次ボタン68の操作が有効になり、現在表示されている1つ目の非対象PJLデータの前には非対象PJLデータが存在しないため、前ボタン67の操作が無効になる。本例では、
図6(B)の次ボタン68を操作すると、2つ目の非対象PJLデータ「@PJL SET MEDIAWEIGHT=HEAVY」がRAM22から読み出され、
図6(C)に示すように、構成要素単位でタッチパネル61の各指示オブジェクトグループ80,81に表示される。非対象PJLデータ「@PJL SET MEDIAWEIGHT=HEAVY」は、第3構成要素が省略された省略型PJLデータであるため、第3構成要素に対応する指示オブジェクト80c,80d,81c,81dが表示されていない。また、次の非対象PJLデータが存在しないため、次ボタン68の操作は無効になっている。また、変換ルールデータ13(
図9)には、変換ルール番号3の変換ルールとして、取得PJLデータ「@PJL SET MEDIAWEIGHT=HEAVY」と一致する変換前PJLデータに、変換後PJLデータ「@PJL SET MEDIATYPE=THICK」が対応付けられている。CPU21は、S48において、指示オブジェクトグループ81に「@PJL SET MEDIATYPE=THICK」に対応する表示をさせる。上述したように、CPU21は、通信IF17を介して情報処理装置40から取得した非対象PJLが複数存在する場合に、タッチパネル61に表示する非対象PJLデータを他の非対象PJLデータに切り替えるための切替操作指示を受け付ける前ボタン67および次ボタン68をタッチパネル61に表示し、前ボタン67および次ボタン68が切替操作指示を受け付けた場合に、タッチパネル61に表示している非対象PJLデータを他の非対象PJLデータに切り替えて表示する。従って、ユーザは、前ボタン67および次ボタン68を操作することにより、変換ルールを作成する対象の変換ルールを1つずつ切り替えることができるため、変換ルールの作成効率を高めることができる。
なお、タッチパネル61に表示可能なキーボード、または、タッチパネル61とは別個に設けられたキーボードを用いて非対象PJLデータを直接指定することもできる。例えば、非対象PJLデータが10個RAM22に記憶されており、タッチパネル61に変換ルール作成画面が表示されているとき、CPU21は、キーボードを用いた「5」の入力を受け付けた場合に、先頭から5番目の非対象PJLデータを変換ルール作成画面の表示対象に設定し、その設定した非対象PJLデータに対してS44~S48(
図13)を実行する。
【0032】
また、CPU21は、次ボタン68が操作されたと判断しなかった場合は(S52:No)、タッチパネル61に表示されている指示オブジェクトグループ80,81を構成しているいずれかの指示オブジェクトにデータが入力されたか否かを判断し(S54)、データが入力されたと判断した場合は(S54:Yes)、その入力内容を、当該入力を受け付けた指示オブジェクトに反映させて表示する(S55)。データの入力は、タッチパネル61に表示可能なキーボード、または、タッチパネル61とは別個に設けられたキーボードを用いて行うことができる。例えば、変換後PJLデータに対応する指示オブジェクト81e(
図6(A))に「MEDIASIZE」と表示されている場合に、ユーザが、その指示オブジェクト81eに触れると、指示オブジェクト81eがデータ入力可能な状態に変化し、その指示オブジェクト81eに「PAPER」と入力すると(S54:Yes)、
図6(B)に示すように、指示オブジェクト81eには「PAPER」と表示される(S55)。また、CPU21は、タッチパネル61に表示されている指示オブジェクトグループ80,81を構成しているいずれかの指示オブジェクトにデータが入力されたと判断しなかった場合は(S54:No)、ルール登録ボタン69(
図6)が操作されたか否かを判断し(S56)、操作されたと判断した場合は(S56:Yes)、タッチパネル61の指示オブジェクトグループ80に表示されている変換前PJLデータおよび指示オブジェクトグループ81に表示されている変換後PJLデータを対応付けたデータを変換ルールとして変換ルールデータ13(
図9)に登録する(S58)。
【0033】
例えば、
図6(B)に示すように、変換前PJLデータ「@PJL SET LPARM PCL MEDIASIZE LETTER」に対応する指示オブジェクトグループ80が表示されており、変換後PDLデータ「@PJL SET LPARM PCL PAPER LETTER」に対応する指示オブジェクトグループ81が表示されているときに、ルール登録ボタン69を操作すると、変換前PJLデータ「@PJL SET LPARM PCL MEDIASIZE LETTER」および変換後PJLデータ「@PJL SET LPARM PCL PAPER LETTER」を対応付けたデータを変換ルールとして変換ルールデータ13に登録する。
図9(B)に示す例では、当該変換ルールは、変換ルール番号2の変換ルールとして変換ルールデータ13に登録されている。続いて、CPU21は、変換ルール作成モードであってデータ解析が完了した画面をタッチパネル61に表示する(
図14のS59)。この場合、
図2(D)に示すように、印刷ボタン74が表示されるが、この時点では、変換ルール作成処理が終了しているため、印刷ボタン74の操作は有効になっている。続いて、CPU21は、印刷ボタン74が操作されたか否かを判断し(S60)、操作されたと肯定判断した場合は(S60:Yes)、通常印刷処理のS20~S25(
図11)と同じ処理を実行し(S63)、メインルーチンに戻る。例えば、情報処理装置40から受信した印刷ジョブの中に、変換前PJLデータ「@PJL SET LPARM PCL MEDIASIZE=LETTER」と一致する非対象PJLデータが含まれていた場合は、変換ルール番号2の変換ルールを用いることにより、その非対象PJLデータを変換後PJLデータ「@PJL LPARM PCL SET PAPER=LETTER」に変換することができる。従って、CPU21は、非対象PJLデータが示す指示内容「用紙サイズをレターに設定する」を実行することができる。
【0034】
また、CPU21は、印刷ボタン74が操作されたと判断しなかった場合は(S60:No)、タッチパネル61に表示されている終了ボタン66(
図2(D))が操作されたか否かを判断し(S61)、操作されたと判断しなかった場合は(S61:No)、変換ルール作成ボタン64(
図2(D))が操作されたか否かを判断する(S62)。ここで、CPU21は、操作されたと判断した場合は(S62:Yes)、変換ルール作成画面に戻る(S50)。このとき、表示対象の非対象PJLデータは、ルール登録ボタン69が操作されたときの非対象PJLデータとする。また、変換ルール作成画面の表示は、ルール登録ボタン69が操作されたとき(S56:Yes)の表示どおりになる。つまり、変換ルールの作成をやり直すことができる。また、CPU21は、変換ルール作成ボタン64が操作されたと判断しなかった場合は(S62:No)、S60に戻る。また、CPU21は、終了ボタン66(
図2(D))が操作されたと判断した場合は(S49:Yes、または、S57:Yes、または、S61:Yes)、変換ルール作成処理を終了してメインルーチンに戻り、変換ルール作成モードフラグをOFFし(S16)、変換ルール作成モードから通常モードに遷移する。CPU21が実行するS47,S48は本発明の表示処理の一例であり、S54,S55は本発明の指示操作受け付け処理の一例であり、S58は記憶処理の一例である。変換モード1は本発明の第1の変換モードの一例であり、変換モード2は本発明の第2の変換モードの一例である。印刷ボタン74は本発明の実行指示オブジェクトの一例である。
【0035】
上述したように、CPU21は、通信IF17を介して情報処理装置40から印刷ジョブ30を受信する処理と、変換ルール作成処理(
図10のS15)と、変換ルール作成処理により作成された変換ルールをフラッシュROM12の変換ルールデータ13に登録する処理(S58)と、を実行した後に、印刷の実行を指示する実行指示操作を印刷ボタン74が受け付けた場合に(S60:Yes)、受信した印刷ジョブ30に含まれている非対象PJLデータが、変換ルールデータ13に存在する変換前PJLデータである場合に、当該変換前PJLデータを、変換ルールデータ13において当該変換前PJLデータと対応付けられている変換後PJLデータに変換し(
図11のS22)、その変換した変換後PJLデータに従って印刷を実行する(S25)。つまり、CPU21が印刷(S25)を実行するときには、PJL部31を構成する取得PJLデータのうち、変換ルール作成処理のS58により変換ルールデータ13に登録された変換ルールの変換前PJLデータと一致する取得PJLデータ、つまり、非サポートの取得PJLデータについては、サポートしている変換後PJLデータに変換されているため、非サポートの取得PJLデータが示す指示内容に従った印刷を実行することができる。言い換えると、情報処理装置40から受信した印刷ジョブ30(
図3)の中に、非サポートの取得PJLデータが含まれていた場合であっても、その取得PJLデータを、サポート可能な変換後PJLデータに変換するための変換ルールを作成して変換ルールデータ13に登録することにより、非サポートの取得PJLデータが示す指示内容に従った印刷を実行することができる。従って、ユーザは、タッチパネル61に表示されている指示オブジェクトに適切なデータを入力するという簡単な作業を行うだけで済むため、システムを再構築する負担が大きくならない。変換ルール作成モードボタン62は本発明の遷移指示オブジェクトの一例であり、変換ルール一覧印刷ボタン65は本発明の一覧印刷指示オブジェクトの一例である。前ボタン67および次ボタン68は本発明の切替指示オブジェクトの一例であり、指示オブジェクト80b~80fおよび81b~81fは、本発明の構成要素ごとの指示オブジェクトの一例である。
【0036】
次に、CPU21がメインルーチンのS6(
図10)において実行する変換ルール編集処理について
図15および
図16を参照しつつ説明する。CPU21は、変換ルール番号1の変換ルールを変換ルールデータ13(
図9)から読出し、その読出した変換ルールをタッチパネル61に表示する(S70)。ここで、ユーザが変換ルールを編集するときにタッチパネル61(
図1)が表示する変換ルール編集画面について
図7を参照しつつ説明する。ユーザが、タッチパネル61に表示されている変換ルール編集ボタン63(
図2(A))を操作すると、タッチパネル61の待機画面が、
図7に示す変換ルール編集画面に切り替わる。
図7(A)に示す例では、変換ルール番号1の変換ルールがタッチパネル61に表示されている。変換ルール番号1の変換ルールは、変換モード1が適用される変換ルールであり、変換前PJLデータ「@PJL UNKNOWNINIT」を変換後PJLデータ「@PJL INITIALIZE」に変換する変換ルールである。指示オブジェクト73には、変換ルール番号1を示す「1」が表示されている。変換前PJLデータに対応する指示オブジェクト80aには「Mode1」が表示されており、指示オブジェクト80bには、第2構成要素の「UNKNOWNINIT」が表示されている。変換後PJLデータに対応する指示オブジェクト81aには「Mode1」が表示されており、指示オブジェクト81bには、第2構成要素の「INITIALIZE」が表示されている。
【0037】
そして、CPU21は、変換ルール番号が指示オブジェクト73(
図7)に入力されたか否かを判断し(S71)、入力されたと判断した場合は(S71:Yes)、その入力された変換ルール番号の変換ルールを変換ルールデータ13から読出し、その読出した変換ルールをタッチパネル61に表示する(S72)。つまり、ユーザが編集を希望する変換ルールの変換ルール番号を指示オブジェクト73に直接入力することにより、当該変換ルールをタッチパネル61に表示することができる。続いて、CPU21は、タッチパネル61に表示されている前ボタン67(
図7)が操作されたか否かを判断し(S73)、操作されたと判断した場合は(S73:Yes)、現在表示されている変換ルールの1つ前の変換ルールをタッチパネル61に表示する(S74)。例えば、変換ルール番号2の変換ルールが表示されているときに前ボタン67が操作された場合は(S73:Yes)、変換ルール番号1の変換ルールがタッチパネル61に表示される(S74)。なお、変換ルール番号1の変換ルールが表示されているときは、変換ルール番号1の前には変換ルールが存在しないため、前ボタン67の操作は無効の状態になっている。
【0038】
また、CPU21は、前ボタン67が操作されたと判断しなかった場合は(S73:No)、次ボタン68(
図7)が操作されたか否かを判断し(S75)、操作されたと判断した場合は(S75:Yes)、現在表示されている変換ルールの次の変換ルールをタッチパネル61に表示する(S76)。例えば、変換ルール番号2の変換ルールが表示されているときに次ボタン68が操作された場合は(S75:Yes)、変換ルール番号3の変換ルールがタッチパネル61に表示される(S76)。なお、変換ルールデータ13の最後の変換ルールが表示されているときは、最後の変換ルールの次には変換ルールが存在しないため、次ボタン68の操作は無効の状態になっている。続いて、CPU21は、S74またはS76を実行すると、タッチパネル61に表示されている新ルールボタン71(
図7)が操作されたか否かを判断し(
図16のS77)、操作されなかったと否定判断した場合は(S77:No)、タッチパネル61に表示されている削除ボタン72(
図7,
図8)が操作されたか否かを判断する(S79)。ここで、CPU21は、操作されなかったと否定判断した場合は(S79:No)、タッチパネル61に表示されている指示オブジェクトグループ80,81を構成しているいずれかの指示オブジェクトにデータが入力されたか否かを判断し(S81)、入力されたと肯定判断した場合は(S81:Yes)、入力内容を対応する指示オブジェクトに反映させて表示する(S82)。例えば、
図7(B)に示すように、ユーザが、変換前PJLデータに対応する指示オブジェクト80bに触れると、指示オブジェクト80bがデータ入力可能な状態に変化し、その指示オブジェクト80bに「UNKNOWNINIT2」と入力すると(S81:Yes)、
図7(B)に示すように、指示オブジェクト80bには「UNKNOWNINIT2」と表示される(S82)。続いて、CPU21は、S71(
図15)に戻る。なお、変換前PJLデータに対応する指示オブジェクト80aにモードを入力すると、自動的に変換後PJLデータに対応する指示オブジェクト81aに、指示オブジェクト80aに入力されたモードに対応する構成要素のオブジェクトが表示されるようにすることができる。例えば、
図8(B)に示すように、変換前PJLデータに対応する指示オブジェクト80aに変換モード1を示す「Mode1」を入力すると、指示オブジェクトグループ80を構成している各指示オブジェクト80b~80fのうち、第2構成要素に対応する指示オブジェクト80bのみが表示され、第3構成要素および第4構成要素に対応する指示オブジェクト80c~80fは非表示の状態になる。これに対応して、変換後PJLデータに対応する指示オブジェクトグループ81のうち、指示オブジェクト81a,81bのみが表示される。図示の例では、変換前PJLデータの第2構成要素に対応する指示オブジェクト80bには「UNKNOWNJOB」が入力されており、変換後PJLデータの第2構成要素に対応する指示オブジェクト81bには「JOB」が入力されている。変換後PJLデータに対応する指示オブジェクト81aには、「Mode1」が表示されている。
【0039】
また、CPU21は、タッチパネル61に表示されている指示オブジェクトグループ80,81を構成しているいずれかの指示オブジェクトにデータが入力されたと判断しなかった場合は(
図16のS81:No)、タッチパネル61に表示されているルール登録ボタン69(
図8(B))が操作されたか否かを判断し(S83)、操作されたと判断した場合は(S83:Yes)、タッチパネル61に表示されている変換前PJLデータおよび変換後PJLデータを対応付けたデータを変換ルールデータ13(
図9)に登録する(S84)。これにより、タッチパネル61に表示された変換ルールが、編集された状態で変換ルールデータ13に登録される。例えば
図7(B)に示す表示状態においてルール登録ボタン69を操作すると、
図9(B)に示すように、変換前PJLデータ「UNKNOWNINIT2」および変換後PJLデータ「INITIALIZE」を対応付けたデータが変換ルール番号1として変換ルールデータ13に登録される。つまり、
図9(A)に示す変換ルール番号1の変換ルールが編集された状態で変換ルールデータ13に登録される。変換ルール編集ボタン63は本発明の編集指示オブジェクトの一例である。
【0040】
上述したように、CPU21は、変換ルール編集ボタン63が編集指示操作を受け付けた場合に、フラッシュROM12に記憶されている変換ルールデータ13に登録されている所定の変換ルールを構成する変換前PJLデータおよび変換後PJLデータを、それぞれ構文の構成要素単位に分割し、その分割した構成要素ごとの指示オブジェクト80a~80f,81a~81fをタッチパネル61に表示し、タッチパネル61に表示した変換前PJLデータおよび変換後PJLデータの少なくとも一方を書き換えるためのデータ入力操作を指示オブジェクトごとに受け付け、指示オブジェクトごとに受け付けたデータ入力操作に従って、変換ルール編集処理により編集された変換ルールをフラッシュROM12に記憶する。従って、本実施形態の印刷装置10によれば、既に変換ルールデータ13に登録されている変換ルールを編集することができるため、変換ルールが変更された場合であっても、印刷システムの全体を新たに構築する必要が無く、変更された変換ルールを適正な変換ルールに編集することにより対応することができるので、システム管理者の負担を軽減することができる。
【0041】
また、タッチパネル61が変換ルール編集画面(
図7)を表示しているときに、ユーザが、タッチパネル61に表示されている新ルールボタン71を操作すると、CPU21は、新ルールボタン71が操作されたと判断し(S77:Yes)、タッチパネル61の画面を変換ルール編集画面(
図7)から
図8に示す新変換ルール追加画面に切り替える。このとき、CPU21は、
図8(A)に示すように、新規の変換ルール番号を採番してタッチパネル61の指示オブジェクト73(
図8)に表示する(S78)。例えば、変換ルールデータ13に変換ルール番号1から7までの変換ルールが登録されている場合に、新ルールボタン71が操作されると、新規の変換ルール番号として「8」が採番され、
図8(A)に示すように、指示オブジェクト73に「8」が表示される。また、CPU21は、変換前PJLデータを入力する指示オブジェクトとして、データが何も表示されていない空欄の指示オブジェクトグループ80と、変換後PJLデータを入力する指示オブジェクトとして、データが何も表示されていない空欄の指示オブジェクトグループ81とを表示する(S78)。続いて、CPU21は、タッチパネル61に表示されている削除ボタン72(
図7,
図8)が操作されたか否かを判断し(S79)、操作されたと判断しなかった場合は(S79:No)、タッチパネル61に表示されている指示オブジェクトグループ80,81を構成しているいずれかの指示オブジェクトにデータが入力されたか否かを判断し(S81)、入力されたと肯定判断した場合は(S81:Yes)、入力内容を指示オブジェクトに反映させて表示する(S82)。そして、ユーザが、ルール登録ボタン69を操作すると、CPU21は、ルール登録ボタン69が操作されたと判断し(S83:Yes)、タッチパネル61に表示されている変換前PJLデータおよび変換後PJLデータを対応付けたデータを変換ルールデータ13(
図9)に登録する(S84)。
図9(B)に示す例では、変換前PJLデータ「@PJL UNKNOWNJOB」および変換後PJLデータ「@PJL JOB」を対応付けたデータが、変換ルール番号8の変換ルールとして変換ルールデータ13に追加登録されている。新ルールボタン71は本発明の追加指示オブジェクトの一例である。
【0042】
上述したように、CPU21は、変換ルール編集処理において、フラッシュROM12に記憶されていない新たな変換ルールを追加するための変換ルール追加処理を実行可能であり、新ルールボタン71が、CPU21に変換ルール追加処理を実行させるための追加指示操作を受け付けた場合、つまり、新ルールボタン71が操作された場合に、変換前PJLデータを作成するためのデータ入力操作を受け付ける指示オブジェクト80a~80fと、当該変換前PJLデータの変換先である変換後PJLデータを作成するためのデータ入力操作を受け付ける指示オブジェクト81a~81fとを、それぞれの構文の構成要素ごとにタッチパネル61に表示し、各指示オブジェクトごとに受け付けたデータ入力操作に従って、タッチパネル61に表示された変換前PJLデータおよび変換後PJLデータを新たな変換ルールとしてフラッシュROM12に記憶する。従って、本実施形態の印刷装置10によれば、新たな変換ルールを作成して変換ルールデータ13に登録することができるため、新たな変換ルールが必要になった場合であっても、印刷システムの全体を新たに構築する必要が無く、印刷装置側において新たな変換ルールを登録することにより対応することができるので、システム管理者の負担を軽減することができる。
【0043】
また、CPU21は、タッチパネル61に表示されている削除ボタン72(
図7,
図8)が操作されたと肯定判断した場合は(S79:Yes)、タッチパネル61に表示されている変換ルールを変換ルールデータ13(
図9)から削除する(S80)。また、CPU21は、ルール登録ボタン69が操作されたと判断しなかった場合は(S83:No)、S84を実行することなくS85にスキップし、終了ボタン66が操作されたか否かを判断し(S85)、操作されなかったと判断した場合は(S85:No)、S71(
図15)に戻る。また、終了ボタン66が操作されたと判断した場合は(S85:Yes)、変換ルール編集処理を終了してメインルーチンに戻る。CPU21が実行するS81,S82は本発明の指示操作受け付け処理の一例である。
【0044】
上述したように、本実施形態の印刷装置10は、通信IF17およびUSBIF18と、タッチパネル61と、フラッシュROM12と、CPU21と、を備えており、CPU21は、PJLデータが含まれる印刷ジョブ30を通信IF17またはUSBIF18外部インタフェースを介して取得し、その取得した印刷ジョブ30に従って通常印刷処理(S14)を実行する印刷装置10であって、CPU21は、通信IF17またはUSBIF18を介して印刷ジョブ30を取得する取得処理(S9:Yes)と、その取得処理により取得した印刷ジョブ30に含まれるPJLデータが変換前PJLデータである場合に、その変換前PJLデータを、いずれの変換後PJLデータに変換するかを指示する指示操作をタッチパネル61を介して受け付ける指示操作受け付け処理(S54,S55,S81,S83)と、その指示操作受け付け処理により受け付けた指示操作に従って、通信IF17またはUSBIF18を介して取得した変換前PJLデータと、変換先となる変換後PJLデータと、を対応付けたデータを変換ルールデータ13としてフラッシュROM12に記憶する記憶処理(S58)と、を実行し、記憶処理を実行した後に、取得処理により通信IF17またはUSBIF18を介して取得したPJLデータが、フラッシュROM12に記憶された変換ルールデータ13に存在する変換前PJLデータである場合に、その変換前PJLデータを、フラッシュROM12に記憶されている変換ルールデータ13において当該変換前PJLデータと対応付けられている変換後PJLデータに変換する変換処理(S22)と、その変換処理により変換した変換後PJLデータに従った処理(S25)と、を実行することを特徴とする印刷装置である。つまり、上述した実施形態の印刷装置10によれば、情報処理装置40から受信したPJLデータが、印刷装置10においてサポートしていない非サポートPJLデータであった場合でも、その非サポートPJLデータを、印刷装置10においてサポートしているサポートPJLデータに変換するための変換ルールを作成して変換ルールデータ13に登録し、登録した以降は、情報処理装置40から受信した非サポートPJLデータを変換ルールデータ13に基づいてサポートPJLデータに変換し、その変換したサポートPJLデータに従った処理を実行することができる。従って、印刷システムを管理するシステム管理者は、システム全体を再構築する必要がないため、システム管理者の負担を軽減することができる。
【0045】
次に、本発明の第2実施形態について
図17を参照しつつ説明する。なお、本実施形態の印刷装置は、CPU21が実行する
図17に示す処理の一部を除いて第1実施形態の印刷装置10と同じ構成および機能であるため、同じ構成および機能に関する説明を省略し、同じ構成については第1実施形態と同じ符号を用いる。CPU21は、待機画面(
図2(A))をタッチパネル61に表示する(S1)。続いて、CPU21は、情報処理装置40(
図1)から印刷ジョブ30(
図3)を受信したか否かを判断し(S9)、受信したと肯定判断した場合は(S9:Yes)、データ解析処理を実行する(S13)。続いて、CPU21は、データ解析処理した印刷ジョブ30の中に非対象PJLデータが存在するか否かを判断し(S17)、存在すると肯定判断した場合は(S17:Yes)、変換ルール作成処理を実行する(S14)。また、CPU21は、印刷ジョブ30を受信したと判断しなかった場合は(S9:No)、変換ルール編集ボタン63(
図2(A))が操作されたか否かを判断し(S5)、操作されたと肯定判断した場合は(S5:Yes)、変換ルール編集処理を実行する(S6)。また、CPU21は、変換ルール編集ボタン63が操作されたと判断しなかった場合は(S5:No)、変換ルール一覧印刷ボタン65(
図2(A))が操作されたか否かを判断し(S7)、操作されたと肯定判断した場合は(S7:Yes)、RAM22に記憶されている変換ルールデータ13(
図9)を一覧形式にて用紙などに印刷する(S8)。また、CPU21は、変換ルール一覧印刷ボタン65が操作されたと判断しなかった場合は(S7:No)、S9を実行する。また、CPU21は、印刷ジョブ30の中に非対象PJLデータが存在すると判断しなかった場合は(S17:No)、通常印刷処理を実行する(S15)。
【0046】
上述したように、本実施形態の印刷装置10は、変換ルール作成処理を実行可能な変換ルール作成モードおよび通常モードの一方から他方に遷移可能であり、通常モードに遷移しているときに、通信IF17を介して情報処理装置40から受信した印刷ジョブ30に含まれている取得PJLデータが非対象PJLデータであった場合は(S17:Yes)、変換ルール作成モードに自動的に遷移し(S15)、かつ、取得PJLデータが非対象PJLデータではなかった場合は(S17:No)、変換ルール作成モードに自動的に遷移しない。また、CPU21は、当該印刷装置10が通常モードに遷移しているときに、通信IF17を介して情報処理装置40から受信した印刷ジョブ30に含まれている取得PJLデータが変換後PJLデータであった場合は、その変換後PJLデータに従った印刷を実行する(S14)。また、CPU21は、当該印刷装置10が変換ルール作成モードに遷移しているときに、通信IF17を介して情報処理装置40から受信した印刷ジョブ30に含まれている非対象PJLデータを変換前PJLデータとして、指示操作を受け付けるための指示オブジェクト80a~80f,81a~81fと共にタッチパネル61に表示し(
図13のS47)、指示オブジェクト80a~80f,81a~81fを介してデータ入力操作を受け付け(
図14のS54,S55)、その受け付けたデータ入力操作に従って、指示オブジェクト80a~80fに表示されている変換前PJLデータと、指示オブジェクト81a~81fに表示されている変換後PJLデータと、を対応付けたデータを変換ルールとしてフラッシュROM12に記憶する(S58)。つまり、本実施形態の印刷装置10によれば、通信IF17を介して情報処理装置40から受信した印刷ジョブ30に含まれている取得PJLデータが非対象PJLデータであった場合は、変換ルール作成モードに自動的に遷移することができるため、タッチパネル61に変換ルール作成モードボタン62(
図2(A))を表示する必要がないので、CPU21の処理負荷を軽減することができる。また、印刷ジョブ30に非対象PJLデータが含まれている場合に、自動的に変換ルール作成モードに遷移するため、印刷ジョブ30に非対象PJLデータが含まれていることを知ることができる。また、非対象PJLデータを対象PJLデータに変換するための変換ルールを作成することを忘れないようにすることができる。
【符号の説明】
【0047】
10・・印刷装置、12・・フラッシュROM、13・・変換ルールデータ、17・・通信IF、18・・USBIF、20・・制御部、21・・CPU、22・・RAM、24・・プログラム、30・・印刷ジョブ、31・・PJL部、32・・PDL部、40・・情報処理装置、61・・タッチパネル、62・・変換ルール作成ボタン、63・・変換ルール編集ボタン、64・・変換ルール作成ボタン、65・・変換ルール一覧印刷ボタン、66,70・・終了ボタン、67・・前ボタン、68・・次ボタン、69・・ルール登録ボタン、74・・印刷ボタン、80a~80f・・指示オブジェクト、81a~81f・・指示オブジェクト、D2~D4・・取得PJLデータ。