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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-30
(45)【発行日】2025-07-08
(54)【発明の名称】複合機
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20250701BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20250701BHJP
【FI】
H04N1/00 519
G03G21/16 109
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021135492
(22)【出願日】2021-08-23
(65)【公開番号】P2023030393
(43)【公開日】2023-03-08
【審査請求日】2024-07-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】香田 一行
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 智紀
(72)【発明者】
【氏名】中田 隆介
(72)【発明者】
【氏名】森田 美帆
(72)【発明者】
【氏名】石田 智睦
(72)【発明者】
【氏名】安達 偉人
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-014604(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G03G 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿が載せられる載せ部と、
前記載せ部に載せられた原稿を搬送する搬送機構と、
前記搬送機構によって搬送される原稿の画像を読み取る読取部と、
プログラムへの命令を入力する入力部ではない部分であって、前記載せ部を覆う覆い位置と、前記載せ部の上方側を開放する開放位置と、に移動可能な移動部と、
前記移動部への操作が伴う処理の実行指示を受け付ける受付部と、
前記受付部が、前記読取部による読取を含む前記処理の前記実行指示を受け付けた場合に、前記移動部を移動させる移動力を利用者が入力する入力位置を示す表示を行う通知部と、
を備える複合機。
【請求項2】
前記通知部は、
前記入力位置の一部の範囲を点灯させる
請求項1に記載の複合機。
【請求項3】
被写体を載せる操作が行われる台と、
前記台に載せられた被写体の画像を読取可能なカメラと、
を備え、
前記通知部は、
前記受付部が、前記カメラによる読取を含む処理であって前記台への操作が伴う前記処理の実行指示を受け付けた場合に、前記台における前記被写体を載せる位置を示す表示を行う
請求項1又は2に記載の複合機。
【請求項4】
前記通知部は、
前記被写体を載せる前記位置の一部の範囲を点灯させる
請求項3に記載の複合機。
【請求項5】
前記通知部は、前記移動部への操作が行われた場合に、前記表示を終了する
請求項1~4のいずれか1項に記載の複合機。
【請求項6】
前記通知部は、前記移動部への操作が開始された場合に、前記表示を終了する
請求項5に記載の複合機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、原稿読取部を有する原稿載置台と、前記原稿載置台の上面を覆う閉位置と前記原稿載置台の上面を開放する開位置との間で回動可能に前記原稿載置台に支持される自動原稿送り装置と、を備える原稿読取装置が開示されている。さらに、特許文献1には、前述の原稿読取装置を備える画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-68980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、装置を覆うカバーの開閉など、UIタッチパネルやキーボードといったプログラムへの命令を入力する入力部ではない部分であって、装置の外装部分である外装部に対して利用者が操作を行うシーンにおいて、操作を行う外装部の位置を利用者に示す方法として、外装部に文字が印字されていたり外装部の形状を他の外装部の形状と変えたりすることによって示していた。ただし、上記の方法を、操作が行われることが想定される外装部の位置全てにおいて施されている装置は美観が良くなかった。
【0005】
本発明は、装置の外装部分である外装部に対して利用者が操作を行うシーンにおいて、操作が行われることが想定される外装部の位置全てにおいて、文字を印字したり形状を他の部分の外装部と変えたりしている装置と比較して、利用者に操作を行う外装部の位置を示している場合であっても操作を行う外装部における装置の美観をよくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様は、プログラムへの命令を入力する入力部ではない部分であって、本装置の外装部分である外装部と、前記外装部への操作が伴う処理の実行指示を受け付ける受付部と、前記受付部が前記実行指示を受け付けた場合に、前記外装部のなかで、前記処理の実行を行う際に利用者が操作を行う外装部の位置を示す通知を本装置の利用者に対して行う通知部と、を備える。
【0007】
第2態様は、原稿が載せられる載せ部と、前記載せ部に載せられた原稿を搬送する搬送機構と、前記搬送機構によって搬送される原稿の画像を読み取る読取部と、前記載せ部を覆う覆い位置と、前記載せ部の上方側を開放する開放位置と、に移動可能な前記外装部としての移動部と、を備え、前記通知部は、前記受付部が、前記読取部による読取を含む前記処理の前記実行指示を受け付けた場合に、前記移動部を移動させる移動力を前記利用者が入力する入力位置を示す前記通知としての表示を行う。
【0008】
第3態様では、前記通知部は、前記入力位置の一部の範囲を点灯させる。
【0009】
第4態様は、被写体を載せる前記操作が行われる前記外装部としての台と、前記台に載せられた被写体の画像を読取可能なカメラと、を備え、前記通知部は、前記受付部が、前記カメラによる読取を含む前記処理の前記実行指示を受け付けた場合に、前記台における前記被写体を載せる位置を示す前記通知としての表示を行う。
【0010】
第5態様では、前記通知部は、前記被写体を載せる前記位置の中央部の範囲を点灯させる。
【0011】
第6態様では、前記通知部は、前記外装部への操作が行われた場合に、前記通知を終了する。
【0012】
第7態様では、前記通知部は、前記外装部への操作が開始された場合に、前記通知を終了する。
【発明の効果】
【0013】
第1態様の構成によれば、装置の外装部分である外装部に対して利用者が操作を行うシーンにおいて、操作が行われることが想定される外装部の位置全てにおいて、文字を印字したり形状を他の部分の外装部と変えたりしている装置と比較して、利用者に操作を行う外装部の位置を示している場合であっても操作を行う外装部における装置の美観がよくなる。
【0014】
第2態様の構成によれば、移動部を移動させる移動力を利用者が入力する入力位置を、利用者が把握できる。
【0015】
第3態様の構成によれば、移動部を移動させる移動力を利用者が入力する入力位置を、当該入力位置よりも狭い点灯範囲にて、利用者が把握できる。
【0016】
第4態様の構成によれば、カメラで画像が読み取られる被写体を載せる位置を、利用者が把握できる。
【0017】
第5態様の構成によれば、カメラで画像が読み取られる被写体を載せる位置を、当該載せる位置よりも狭い点灯範囲にて、利用者が把握できる。
【0018】
第6態様の構成によれば、正しい操作位置を操作したことを、利用者が把握できる。
【0019】
第7態様の構成によれば、正しい操作位置の操作を開始したことを、利用者が把握できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本実施形態に係る複合機を示す概略図である。
図2】本実施形態に係る複合機を示す斜視図である。
図3図2に示す構成において、原稿台を開放位置に移動させた状態を示す斜視図である。
図4】本実施形態に係る複合機の上部を示す断面図である。
図5図4に示す構成において、原稿台を開放位置に移動させた状態を示す断面図である。
図6】本実施形態に係る複合機を示す平面図である。
図7図6に示す構成において、原稿台を開放位置に移動させた状態を示す平面図である。
図8】本実施形態に係る複合機における移動機構を示す断面図である。
図9図8に示す構成において、原稿台を開放位置に移動させた状態を示す断面図である。
図10】本実施形態に係る制御装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図11】本実施形態に係る制御装置のプロセッサの機能構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
【0022】
(複合機10)
本実施形態に係る複合機10について説明する。図1は、本実施形態に係る複合機10を示す概略図である。なお、各図に示す矢印Hは、装置上下方向を示し、矢印Wは、装置幅方向(具体的には、水平方向)を示し、矢印Dは、装置奥行方向(具体的には、水平方向)を示す。装置上下方向、装置幅方向、及び装置奥行方向は、互いに交差(具体的には、直交)している。
【0023】
図1に示される複合機10は、複合機10を利用する利用者(以下、ユーザという)の指示により、各種の処理を実行可能な装置である。具体的には、複合機10は、ユーザの指示により、少なくとも、スキャン処理、コピー処理、及びプリント処理を実行可能である。さらに具体的には、複合機10は、図1に示されるように、搬送部14と、画像形成部12と、読取部30と、搬送機構40と、原稿台50と、排出部60と、原稿台70と、カメラ80と、外装部100と、を備えている。また、複合機10は、図10に示されるように、表示部90と、入力部92と、通知装置110と、検知部150と、制御装置160と、を備えている。
【0024】
なお、本実施形態では、複合機10は、後述のように、画像を形成する機能を有するため、画像形成装置として把握してもよい。また、複合機10は、後述のように、画像を読み取る機能を有するため、画像読取装置として把握してもよい。さらに、複合機10は、後述のように、各種の処理を実行する機能を有するため、処理実行装置として把握してもよい。
【0025】
(搬送部14、及び画像形成部12)
搬送部14(図1参照)は、収容部16に収容された用紙等の記録媒体Pを搬送する。具体的には、搬送部14は、図1に示されるように、複数の搬送ロール等の搬送部材14Aを有しており、搬送部材14Aにより記録媒体Pを搬送する。
【0026】
画像形成部12(図1参照)は、搬送部14によって搬送される記録媒体Pに画像を形成する。画像形成部12では、読取部30及びカメラ80で読み取った画像を記録媒体Pに形成可能となっている。
【0027】
具体的には、画像形成部12では、電子写真方式によりトナー画像(画像の一例)を記録媒体Pに形成する。さらに具体的には、画像形成部12は、図1に示されるように、トナー像形成部20Y、20M、20C、20K(以下、20Y~20Kという)と、転写体24と、定着部26と、を有している。
【0028】
画像形成部12では、各トナー像形成部20Y~20Kが、帯電、露光、現像、転写の各工程を行い、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像を転写体24に形成する。さらに、画像形成部12では、転写体24に形成された各色のトナー像を記録媒体Pに転写し、該トナー像を定着部26にて記録媒体Pに定着する。このように、画像形成部12では、転写体24を介して画像を記録媒体Pに転写する中間転写方式を用いている。
【0029】
(読取部30、及び搬送機構40)
図1等に示される読取部30は、搬送される原稿G(図3及び図5参照)の画像を読み取る構成部分である。この読取部30は、図1に示されるように、画像形成部12に対する上方側に設置されている。具体的には、読取部30は、読取センサ32、34と、カバー33と、を有している。
【0030】
読取センサ32は、搬送される原稿Gの一方の面の画像を読み取る読取機能を有する機能部である。読取センサ34は、搬送される原稿Gの他方の面の画像を読み取る読取機能を有する機能部である。読取センサ32、34としては、一例として、CIS(Contact Image Sensor)と称される密着型のイメージセンサが用いられる。
【0031】
カバー33は、読取センサ32を覆う構成部分である。具体的には、カバー33は、図1に示されるように、天板35と、側板37、39と、を有している。
【0032】
天板35は、読取センサ32に対する上方側に設置されており、読取センサ32を上方側から覆っている。天板35には、図2及び図4に示されるように、カメラ80で画像が読み取られる原稿Gの一部が載せられる。
【0033】
側板37は、読取センサ32に対する装置幅方向の一方側(図1における左方側)に設置されており、読取センサ32を装置幅方向の一方側から覆っている。側板39は、読取センサ32に対する装置幅方向の他方側(図1における右方側)に設置されており、読取センサ32を装置幅方向の他方側から覆っている。
【0034】
なお、装置幅方向の一方は、複合機10における左方に相当するので、以下、装置幅方向の一方を左方という。装置幅方向の他方は、複合機10における右方に相当するので、以下、装置幅方向の他方を右方という。これらの方向は、説明の便宜上、定めた方向であるから、装置構成がこれらの方向に限定されるものではない。
【0035】
側板39には、原稿台50に載せられた原稿Gをカバー33の内部へ受け入れる受入口39Aが形成されている。受入口39Aは、装置奥行き方向に延びる開口で構成されている。
【0036】
側板39における受入口39Aの下方側には、カバー33の内部から排出部60へ原稿Gが排出される排出口39Bが形成されている。排出口39Bは、装置奥行き方向に延びる開口で構成されている。
【0037】
搬送機構40は、読取部30によって画像が読み取られる原稿Gを搬送する機構である。この搬送機構40は、カバー33の内部に配置されている。換言すれば、搬送機構40は、カバー33によって覆われている。
【0038】
具体的には、搬送機構40は、搬送ロール等の搬送部材40Aを複数有している。搬送機構40では、原稿台50に載せられた原稿Gを搬送部材40AによりC字状の搬送経路にて、受入口39Aから排出口39B(すなわち排出部60)へ搬送する。
【0039】
このように、複合機10では、搬送機構40が、原稿台50から排出部60へ原稿Gを搬送し、読取部30が、搬送機構40によって搬送される原稿Gの画像を読み取る。
【0040】
(原稿台50)
原稿台50は、図3図5、及び図7に示されるように、読取部30(図1参照)によって画像が読み取られる原稿Gが載せられる台である。すなわち、原稿台50は、搬送機構40(図1参照)で搬送される原稿Gが載せられる構成部分ともいえる。なお、原稿台50は、載せ部の一例である。
【0041】
原稿台50では、原稿Gは上面50Aに対して載せられる。したがって、原稿台50の上面50Aが、原稿Gが載せられる載せ面である。本実施形態では、後述するように、原稿台70が開放位置に位置する状態において、原稿台50に対して上方側から原稿Gが載せられる。
【0042】
なお、本実施形態では、「原稿台」とは、原稿Gが載せられるものという意味で用いている。したがって、「台」は、形状を特定する意味を含むものではない。
【0043】
原稿台50は、図1に示されるように、読取部30に対する右方側に設置されている。また、原稿台50は、原稿台70に対する下方側であって。天板35の天面35Aに対する下方側に設置されている。したがって、原稿台50の上面50Aは、天板35の天面35Aに対して、段差を有している。
【0044】
原稿台50は、カバー33の側板39から右方側へ延びる板状に形成されている。原稿台50の上面50Aは、受入口39Aから右方側へ延びている。上面50Aは、受入口39Aから右方側へ向けて上り勾配となる傾斜面とされている。
【0045】
原稿台50には、図3及び図7に示されるように、制限部58(いわゆるサイドガイド)が設けられている。制限部58は、原稿台50に載せられた原稿Gの側端に接触して、原稿Gの装置奥行方向の一方側及び他方側への移動を制限する。
【0046】
なお、装置奥行方向の一方は、複合機10における前方に相当するので、以下、装置奥行方向の一方を前方という。装置奥行方向の他方は、複合機10における後方に相当するので、以下、装置奥行方向の他方を後方という。これらの方向は、説明の便宜上定めた方向であるから、装置構成がこれらの方向に限定されるものではない。
【0047】
(排出部60)
図5等に示される排出部60は、読取部30によって画像が読み取られた原稿Gが排出される構成部分である。すなわち、排出部60は、搬送機構40で搬送された原稿Gが載せられる構成部分ともいえる。排出部60では、原稿Gは上面60Aに対して載せられる。したがって、排出部60の上面60Aが、原稿Gが載せられる載せ面である。
【0048】
排出部60は、天板35の天面35Aに対する下方側であって、原稿台50の下方側に設置されている。排出部60は、カバー33の側板39から右方側へ延びる板状に形成されている。
【0049】
排出部60の上面60Aは、排出口39Bから右方側へ延びている。上面60Aは、排出口39Bから右方側へ向けて上り勾配となる傾斜面で構成されている。
【0050】
(原稿台70)
原稿台70は、図2及び図4に示されるように、カメラ80によって画像が読み取られる原稿Gが載せられる台である。原稿台70は、移動部の一例であり、台の一例である。
【0051】
原稿台70では、原稿Gは上面70Aに対して載せられる。したがって、原稿台70の上面70Aが、原稿Gが載せられる載せ面である。原稿台70の上面70Aは、図4に示されるように、天板35の天面35Aと同じ高さに設置されている。すなわち、原稿台70の上面70Aは、天板35の天面35Aに対する同一面上に設置されている。
【0052】
原稿台70は、排出部60より上方側であって、原稿台50より上方側に設置されている。したがって、原稿台70は、原稿台50の上面50Aを上方側から覆っている。
【0053】
原稿台70は、具体的には、図3に示されるように、天板71と、側板72、74、75と、を有している。天板71は、図4に示されるように、板厚方向が上下方向とされた板状であって、図6に示されるように、平面視にて略矩形状に形成されている。原稿台70では、原稿Gは、図2図4及び図6に示されるように、天板71に載せられる。したがって、原稿台70の上面70Aは、天板71の上面により構成されている。
【0054】
天板71は、図4に示されるように、原稿台50の上方側に設置されている。天板71における装置幅方向の寸法及び装置奥行方向の寸法は、原稿台50における装置幅方向の寸法及び装置奥行方向の寸法よりも大きくされている。
【0055】
側板75は、天板71の右端部から下方側に張り出している。側板75は、板厚方向が装置幅方向とされた板状に形成されている。側板75は、原稿台50に対する右方側に設置されており、原稿台50を右方側から覆っている。
【0056】
側板72、74の各々は、天板71の前端部及び後端部の各々から下方側に張り出している(図3参照)。側板72、74は、板厚方向が装置奥行方向とされた板状に形成されている。側板72、74の各々は、原稿台50に対する前方側及び後方側の各々に設置されており、原稿台50を前方側及び後方側の各々から覆っている。
【0057】
さらに、原稿台70は、原稿台50を上方側から覆う覆い位置(図1図2図4、及び図6に示される位置)と、原稿台50に対する上方側を開放する開放位置(図3図5、及び図7に示される位置)と、に移動可能とされている。本実施形態では、原稿台70は、覆い位置と開放位置とに移動可能に、支持体としての装置本体11に支持されている。
【0058】
側板72、74の各々には、図8及び図9に示されるように、左右方向に沿った長孔によるレール76が形成されている。原稿台50の前面及び後面に設けられた軸部57、59がレール76に挿入されている。そして、軸部57、59がレール76によって、原稿台70を覆い位置(図8に示す位置)と開放位置(図9に示す位置)とへ案内することで、原稿台70は、装置幅方向に沿って覆い位置(図8に示す位置)と開放位置(図9に示す位置)との間を移動する。
【0059】
原稿台70は、図3図5、及び図7に示されるように、開放位置において原稿台50に対する読取部30とは反対側(すなわち右方側)配置される。そして、開放位置に位置する原稿台70には、原稿台50に載せられた原稿Gの一部が載せられる。
【0060】
このように、複合機10では、軸部57、59及びレール76によって、原稿台70を移動させる移動機構が構成されている。なお、当該移動機構としては、前述の構成に限られず、種々の機械要素を用いて構成可能である。
【0061】
また、原稿台70は、前述のように、原稿台50を覆うカバーとしての機能を有している。すなわち、原稿台70が、原稿台50を覆うカバーを兼ねている。原稿台70は、カバーとしての機能を有するため、原稿台50のカバー(被覆部材)として把握してもよい。
【0062】
原稿台70では、原稿台70を移動させる移動力をユーザが入力する入力部分として、側板75が機能する。具体的には、例えば、ユーザは、側板75に対する下方側から側板75の内側(すなわち左方側)へ手を差し入れて、側板75に対して、覆い位置に位置する原稿台70を開放位置へ移動させる移動力を入力する。また、ユーザは、側板75に対して、外側(すなわち右方側)から、開放位置に位置する原稿台70を覆い位置へ移動させる移動力を入力する。
【0063】
なお、当該入力部分としては、例えば、原稿台70の側板75に設けられた取っ手であってもよい。また、例えば、原稿台70の側板75に形成された長孔にユーザが手を差し入れて、側板75に対して移動力を入力する構成であってもよい。また、当該入力部分は、原稿台70の側板75以外の部分に設けられていてもよく、原稿台70に対して、移動力が入力可能であればよい。
【0064】
(カメラ80)
カメラ80は、原稿台70に載せられた原稿G(被写体の一例)の画像を読取可能なカメラ(いわゆる書画カメラ)である。このカメラ80は、原稿台70より上方側に設置されている。また、カメラ80は、下方側に向けられており、原稿台70の上面70Aに載せられた原稿Gの画像を読取可能とされている。
【0065】
カメラ80としては、例えば、レンズ等の光学系と、感光を電気信号に変換する撮像素子と、を有するデジタルカメラが用いられる。撮像素子としては、例えば、CCD(Charge Coupled Device)、及びCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductorなどがある。カメラ80の光軸は、前方側から見て、例えば、上下方向に沿っている。
【0066】
カメラ80は、装置本体11に設けられた支持部85に支持されている。支持部85は、原稿台70に対する後方側において装置本体11から上方へ延びる支柱部87と、支柱部87の上端部から前方側へ延びる取付部89と、を有している。カメラ80は、取付部89に取り付けられている。また、取付部89には、カメラ80にて原稿Gを撮像する際に、原稿Gを照明する照明装置88が取り付けられている。照明装置88は、LED等の光源を有し、当該光源により原稿Gを照明する。
【0067】
カメラ80は、図6に示されるように、読取部30と原稿台70とに跨った読取範囲MHを有している。読取部30における天板35の天面35A、及び原稿台70の上面70Aは、カメラ80の読取範囲MHにおいて平面状に形成されている。本実施形態では、天板35の天面35Aの全面、及び原稿台70の上面70Aの全面が、平面状に形成されている。
【0068】
なお、ここでいう平面状とは、カメラ80での読取に適した原稿Gの姿勢に支持可能な程度に平面にされていることをいい、カメラ80での読取に適した原稿の姿勢に支持可能な範囲で形成される凹凸は許容される。読取に適した原稿Gの姿勢とは、平滑な姿勢であって、少なくとも、天板35の天面35Aと原稿台50の上面50Aとに跨って原稿G(具体的には、普通紙)を載せた場合に比べ、たわみが小さい姿勢である。
【0069】
なお、読取部30における天板35の天面35A、及び原稿台70の上面70Aは、カメラ80の光軸に対して垂直であることが望ましい。少なくとも、複合機10では、前方側から見た場合において、カメラ80の光軸に対する垂直方向に対する天面35A及び上面70Aの角度は、当該垂直方向に対する原稿台50の上面50Aの角度よりも、小さくなっている。
【0070】
そして、複合機10では、カメラ80は、覆い位置に位置する原稿台70と、読取部30における天板35の天面35Aと、に原稿Gが載せられ、当該原稿Gをカメラ80が撮像することで、当該画像を読み取る。画像は、原稿Gに形成される像であって、文字、絵及び写真などを含む画像である。
【0071】
また、原稿Gが載せられる載せ面として機能する天面35A及び上面70Aは、平面状である必要はない。すなわち、天面35A及び上面70Aは、当該天面35A及び上面70Aに原稿Gが載せられてカメラ80によって撮影できるような形状であればよい。したがって、例えば、天面35A及び上面70Aに原稿Gが載せられてカメラ80によって撮影できれば、天面35A及び上面70Aに凹凸が形成されていてもよい。
【0072】
(表示部90及び入力部92)
表示部90(図10及び図11参照)は、入力部92にて入力可能な指示の内容及び種類等の各種情報、並びに、ユーザへ操作案内等を示す各種メッセージなどを表示する。表示部90は、例えば、液晶ディスプレイ及び有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等のディスプレイなどで構成される。
【0073】
入力部92(図10及び図11参照)は、プログラムの実行命令を含む各種の指示をユーザが入力する構成部分である。入力部92は、例えば、プログラムの実行命令を含む各種の指示をユーザが手動によって入力操作を行う操作部で構成される。具体的には、入力部92は、例えば、タッチパネル、及びキーボードなどで構成される。入力部92がタッチパネルである場合には、表示部90と入力部92とが一体化されたタッチパネルディスプレイであってもよい。本実施形態では、一例として、表示部90と入力部92とが一体化されたタッチパネルディスプレイが用いられている。このタッチパネルディスプレイは、例えば、図2に示されるように、支柱部87に取り付けられる。
【0074】
入力部92にて入力がなされる指示としては、例えば、スキャン処理、コピー処理、及びプリント処理等の各種処理の実行指示がある。当該処理の実行指示には、処理の実行に際して、入力部92にて入力される各種の指示が含まれる。当該各種の指示には、例えば、実行対象となる処理を選択する選択入力を入力部92にて行うこと、及び、処理の実行に際して行われる処理条件を設定する設定入力を入力部92にて行うことが挙げられる。
【0075】
当該選択入力は、例えば、表示部90に表示された各種処理(例えば、スキャン処理、コピー処理、及びプリント処理)の中からユーザが実行したい処理を、入力部92で選択入力することで行われる。
【0076】
当該設定入力は、例えば、表示部90に表示された処理条件に基づき、ユーザが入力部92で処理条件を設定入力することで行われる。処理条件は、スキャン処理の場合であれば、例えば、読み取り解像度、読取方法(読取部30による読み取りかカメラ80による読み取りか)及びカラー設定(例えば白黒読み取りかカラー読み取りか)などがある。処理条件は、コピー処理の場合であれば、例えば、前述の読み取り解像度、読取方法及びカラー設定に加えて、記録媒体Pのサイズ、倍率などがある。
【0077】
なお、入力部92としては、ユーザのジェスチャー入力によって入力される構成であってもよい。この構成では、例えば、入力部92は、ユーザのジェスチャーを認識するカメラ等の認識部を有しており、当該認識部がユーザのジェスチャーを認識することで、入力が行われる。
【0078】
また、入力部92としては、ユーザの音声入力によって入力される構成であってもよい。この構成では、例えば、入力部92は、ユーザの音声を認識するマイクロフォン等の認識部を有しており、当該認識部がユーザの音声を認識することで、入力が行われる。音声入力及びジェスチャー入力のように、入力部92に対して非接触で指示を行うものであってもよい。
【0079】
(外装部100)
外装部100は、入力部92ではない部分であって、複合機10の外装部分である。すなわち、外装部100には、タッチパネル、及びキーボードなどで構成される入力部92は含まれない。この外装部100は、ユーザが、複合機10の外側から視認可能で且つ接触可能な構成部分ともいえる。外装部100には、少なくとも、前述のカバー33、原稿台50、排出部60、及び原稿台70が含まれる。
【0080】
ここで、入力部92にて実行指示が入力可能な処理としては、外装部100への操作が伴う処理(以下、処理Aという)がある。処理Aとしては、例えば、コピー処理、及びスキャン処理がある。なお、コピー処理、及びスキャン処理は、カメラ80又は読取部30によって画像読取が行われる処理である。したがって、コピー処理、及びスキャン処理は、読取部による読取を含む処理の一例であり、カメラによる読取を含む処理の一例である。
【0081】
コピー処理、及びスキャン処理において、カメラ80による画像読取を行う場合では、外装部100への操作として、例えば、原稿台70及びカバー33へ原稿Gを載せる操作(以下、載置操作という)が伴う。
【0082】
コピー処理、及びスキャン処理において、読取部30による画像読取を行う場合では、外装部100への操作として、覆い位置に位置する原稿台70を開放位置へ移動させる操作(以下、移動操作という)が伴う。
【0083】
したがって、外装部100の中において、カバー33、原稿台50、及び原稿台70は、処理Aの実行に際してユーザが操作を行う外装部100に該当する。当該外装部100は、ユーザが操作を行う操作対象といえる。
【0084】
操作対象となるカバー33、原稿台50、及び原稿台70は、複合機10の装置上部に配置されている外装部である。具体的には、カバー33、原稿台50、排出部60、及び原稿台70は、これらに対する操作をユーザが立った状態で行うことができる高さに設けられている。
【0085】
なお、外装部100には、前述のように、入力部92は含まれないため、外装部100への操作には、入力部92への操作は含まれない。
【0086】
前述の載置操作及び移動操作は、処理Aを実行する前に、処理Aを実行するための準備として行われる準備操作である。したがって、外装部100への操作は、当該準備操作ともいえる。前述の載置操作及び移動操作は、ユーザが、部材等(具体的には、原稿G及び原稿台70)を移動させる操作ともいえる。したがって、外装部100への操作は、ユーザが、部材等を移動させる操作ともいえる。
【0087】
(通知装置110)
通知装置110(図10及び図11参照)は、後述の受付部161Aが処理Aの実行指示を受け付けた場合に、外装部100のなかで、処理Aの実行を行う際にユーザが操作を行う外装部100の位置(以下、操作位置という場合がある)を示す通知をユーザに対して行う。通知装置110では、当該通知を、外装部100における操作位置を示す表示を当該外装部100に対して実行することで行う。
【0088】
さらに、通知装置110では、当該表示を、外装部100の操作位置を点灯させることで行う。さらに、通知装置110では、当該点灯を、外装部100の操作位置を照明することで行う。なお、ここで、点灯とは、光らせることをいう。また、照明とは、点灯対象以外に設けられた光源により光を当てることをいう。したがって、点灯には、例えば、点灯対象を照明する場合と、点灯対象が自ら光る場合と、が含まれる。なお、通知装置110は、通知部の一例である
【0089】
複合機10では、通知装置110は、図4に示されるように、一例として、取付部89に取り付けられたLED等の光源を有する照明装置で構成されている。通知装置110では、例えば、光源により、操作位置の一部又は全部を上方側から照明する。通知装置110は、照明する操作位置の数に対応して光源を複数有していてもよい。すなわち、通知装置110は、各々が、複数の操作位置の各々を照明する複数の光源を有する構成であってもよい。なお、通知装置110の光源は、照明装置88の光源とは異なる光源である。
【0090】
外装部100への操作が、原稿台70及びカバー33への原稿Gの載置操作である場合では、操作位置は、ユーザが原稿Gを原稿台70及びカバー33に載せる位置(以下、載置位置という)である。通知装置110は、図2及び図6に示されるように、例えば、原稿台70及びカバー33に対する上方側から載置位置の中央部の範囲110Aを照明する。換言すれば、通知装置110は、カメラ80の読取範囲MHにおける中央部を照明する。本実施形態では、原稿台70とカバー33とに跨って照明される。当該照明の光は、例えば、円形状とされている。
【0091】
外装部100への操作が、覆い位置に位置する原稿台70の開放位置への移動操作である場合では、操作位置は、覆い位置に位置する原稿台70を開放位置へ移動させる移動力をユーザが入力する入力位置である。本実施形態では、側板75における装置奥行方向に沿った範囲が入力位置である。通知装置110は、図2及び図6に示されるように、例えば、原稿台70に対する上方側から入力位置における装置奥行方向の中央部(一部の一例)の範囲110Bを照明する。本実施形態では、原稿台70における側板75自体ではなく、天板71の右端部における装置奥行方向の中央部を照明する。この照明は、入力位置が、原稿台70の右端部に存在することを示す表示である。当該照明の光は、例えば、円形状とされている。また、当該照明の光の大きさは、載置位置を示す照明における大きさよりも小さくされている。
【0092】
(検知部150、及びカメラ80による検知)
検知部150(図10及び図11参照)は、外装部100への操作を検知する構成部分である。検知部150は、具体的には、原稿台70の覆い位置からの移動を検知するセンサで構成されている。検知部150は、例えば、原稿台70が覆い位置に位置する状態において、発光部からの光を受光し、原稿台70が覆い位置から移動すると、発光部からの光を受光しなくなる光センサ(具体的には、反射型又は透過型の光センサ)とされる。このように、検知部150は、原稿台70の移動操作(具体的には、移動操作の開始)を検知する。検知部150は、原稿台70の移動操作を検知した検知情報を制御装置160へ送る。
【0093】
また、複合機10では、カメラ80も、外装部100への操作を検知する検知部として機能する。具体的には、カメラ80は、覆い位置に位置する原稿台70及びカバー33に対する原稿Gの載置操作を検知する。カメラ80は、読取範囲MHにおいて原稿Gを撮像した場合に、原稿Gの載置動作が開始されたものとして、原稿Gの載置動作を検知する。カメラ80は、原稿Gの載置動作を検知した検知情報を制御装置160へ送る。
【0094】
(制御装置160)
制御装置160(図10及び図11参照)は、複合機10の各部の動作を制御する装置である。この制御装置160は、例えば、入力部92から入力された実行指示に基づき、複合機10の各部に対して、処理を実行させる制御を行う。具体的には、制御装置160は、図10に示されるように、プロセッサ161と、メモリ162と、ストレージ163と、を有するコンピュータで構成されている。
【0095】
プロセッサ161としては、例えば、汎用的なプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)が用いられる。なお、プロセッサの一例としては、特定の処理を実行させるために専用に設計された回路で構成された専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)であってもよい。
【0096】
ストレージ163は、制御プログラム163A(図11参照)を含む各種プログラムと、各種データと、を格納する。ストレージ163は、具体的には、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)及びフラッシュメモリ等の記録装置により実現される。
【0097】
メモリ162は、プロセッサ161が各種プログラムを実行するための作業領域であり、プロセッサ161が処理を実行する際に一時的に各種プログラム又は各種データを記録する。プロセッサ161は、ストレージ163から制御プログラム163Aを含む各種プログラムをメモリ162に読み出し、メモリ162を作業領域としてプログラムを実行する。
【0098】
制御装置160において、プロセッサ161は制御プログラム163Aを実行することにより、各種の機能を実現する。以下、ハードウェア資源としてのプロセッサ161とソフトウェア資源としての制御プログラム163Aの協働によって実現される機能構成について説明する。図11は、プロセッサ161の機能構成を示すブロック図である。
【0099】
図11に示されるように、制御装置160において、プロセッサ161は、制御プログラム163Aを実行することにより、受付部161A、及び通知制御部161Bとして機能する。
【0100】
受付部161Aは、処理Aを含む各種処理の実行指示を受け付ける。具体的には、受付部161Aは、ユーザが入力部92にて処理Aの実行指示を入力すると、処理Aの実行指示を受け付ける。
【0101】
処理Aの実行指示には、処理Aの実行に際して、入力部92にて入力される各種の指示が含まれる。当該各種の指示には、例えば、実行対象となる処理Aを選択する選択入力を入力部92にて行うこと、及び、処理Aの実行に際して行われる処理条件を設定する設定入力を入力部92にて行うことが挙げられる。
【0102】
当該選択入力は、例えば、表示部90に表示された各種処理(例えば、スキャン処理、コピー処理、及びプリント処理)の中からユーザが実行したい処理Aを、入力部92で選択入力することで行われる。
【0103】
当該設定入力は、例えば、表示部90に表示された処理条件に基づき、ユーザが入力部92で処理条件を設定入力することで行われる。処理条件は、スキャン処理の場合であれば、例えば、読み取り解像度、読取方法(読取部30による読み取りかカメラ80による読み取りか)及びカラー設定(例えば白黒読み取りかカラー読み取りか)などがある。処理条件は、コピー処理の場合であれば、例えば、前述の読み取り解像度、読取方法及びカラー設定に加えて、記録媒体Pのサイズ、倍率などがある。
【0104】
また、受付部161Aは、外装部100への操作を検知した検知情報を検知部150及びカメラ80から受け付ける。具体的には、受付部161Aは、原稿台70の移動操作を検知した検知情報を検知部150から受け付ける。受付部161Aは、原稿Gの載置動作を検知した検知情報をカメラ80から受け付ける。
【0105】
通知制御部161Bは、受付部161Aが処理Aの実行指示を受け付けた場合に、外装部100の操作位置を示す通知を行う通知制御を通知装置110に対して実行する。これにより、通知装置110は、前述のように、外装部100の操作位置を照明する。
【0106】
本実施形態では、通知装置110は、例えば、受付部161Aが、処理Aとして、スキャン処理又はコピー処理の選択入力を受け付けた場合に、原稿台70及びカバー33における載置位置、並びに、原稿台70における入力位置の両方を照明する。
【0107】
通知制御部161Bは、受付部161Aが、外装部100への操作を検知した検知情報を受け付けた場合に、外装部100の操作位置を示す通知を終了する制御を通知装置110に対して実行する。これにより、通知装置110は、外装部100の操作位置への照明を終了する。
【0108】
このように、通知装置110は、外装部100への操作が行われた場合に、外装部100の操作位置を示す通知を終了する。具体的には、本実施形態では、外装部100への操作が開始された場合に、通知装置110は、当該通知を終了する。
【0109】
本実施形態では、通知装置110は、例えば、原稿台70及びカバー33への原稿Gの載置操作、又は、原稿台70の開放位置への移動操作が開始された場合に、原稿台70及びカバー33における載置位置、並びに、原稿台70における入力位置の両方の照明を終了する。
【0110】
(本実施形態に係る作用)
次に、本実施形態に係る作用について説明する。
【0111】
複合機10は、通知装置110(図10及び図11参照)は、受付部161Aが処理Aの実行指示を受け付けた場合に、外装部100のなかで、処理Aの実行を行う際にユーザが操作を行う外装部100の位置を示す通知をユーザに対して行う通知装置110を備えている。
【0112】
このため、装置の外装部分である外装部100に対してユーザが操作を行うシーンにおいて、操作が行われることが想定される外装部100の位置全てにおいて、文字を印字したり形状を他の部分の外装部100と変えたりしている装置と比較して、ユーザに操作を行う外装部100の位置を示している場合であっても操作を行う外装部100における装置の美観がよくなる。
【0113】
また、本実施形態では、通知装置110は、受付部161Aが、スキャン処理又はコピー処理の実行指示を受け付けた場合に、原稿台70を移動させる移動力をユーザが入力する位置を示す表示を行う。このため、原稿台70を移動させる移動力をユーザが入力する位置を、ユーザが把握できる。
【0114】
また、本実施形態では、通知装置110は、原稿台70における入力位置の一部範囲を点灯する。このため、原稿台70を移動させる移動力をユーザが入力する位置を、入力位置よりも狭い点灯範囲にて、ユーザが把握できる。
【0115】
通知装置110は、受付部161Aが、カメラ80による読取を含む処理(例えばスキャン処理又はコピー処理)の実行指示を受け付けた場合に、原稿台70における原稿Gを載せる位置を示す表示を行う。このため、カメラ80で画像が読み取られる原稿Gを載せる位置を、ユーザが把握できる。
【0116】
また、本実施形態では、通知装置110は、原稿台70における載置位置の中央部の範囲を点灯させる。このため、カメラ80で画像が読み取られる原稿Gを載せる位置を、載置位置よりも狭い点灯範囲にて、ユーザが把握できる。
【0117】
また、本実施形態では、通知装置110は、外装部100への操作(例えば原稿台70及びカバー33への原稿Gの載置操作、又は原稿台70の開放位置への移動操作)が行われた場合に、ユーザが操作を行う外装部100の操作位置を示す通知を終了する。このため、正しい操作位置を操作したことを、ユーザが把握できる。
【0118】
また、本実施形態では、通知装置110は、外装部100への操作(例えば原稿台70及びカバー33への原稿Gの載置操作、又は原稿台70の開放位置への移動操作)が開始された場合に、ユーザが操作を行う外装部100の操作位置を示す通知を終了する。このため、正しい操作位置の操作を開始したことを、ユーザが把握できる。
【0119】
(通知装置110の変形例)
本実施形態では、受付部161Aがスキャン処理又はコピー処理の選択入力を受け付けた場合に、通知装置110が原稿台70及びカバー33における載置位置、及び、原稿台70における入力位置の両方を照明したが、これに加えて、以下のように照明してもよい。すなわち、通知装置110が、上記載置位置及び上記入力位置の両方を照明した後、例えば、受付部161Aが、処理条件として、読取方法(読取部30による読み取りかカメラ80による読み取りか)の設定入力を受け付けた場合には、通知装置110が読取方法に対応する操作位置を照明する。
【0120】
例えば、受付部161Aが、読取部30による読み取りの設定入力を受け付けた場合には、通知装置110は、原稿台70及びカバー33における載置位置への照明を終了し、原稿台70における入力位置への照明を継続する。
【0121】
また、例えば、受付部161Aが、カメラ80による読み取りの設定入力を受け付けた場合には、通知装置110は、原稿台70における入力位置への照明を終了し、原稿台70及びカバー33における載置位置への照明を継続する。
【0122】
さらに、受付部161Aが、スキャン処理又はコピー処理の選択入力を受け付けた後、処理条件として、読取方法(読取部30による読み取りかカメラ80による読み取りか)の設定入力を受け付ける構成では、以下のように構成してもよい。すなわち、受付部161Aが、スキャン処理又はコピー処理の選択入力を受け付けた段階では、通知装置110は照明を行わず、受付部161Aが、読取方法の設定入力を受け付けた場合に通知装置110が読取方法に対応する操作位置を照明する構成であってもよい。受付部161Aが、読取部30による読み取りの選択入力を受け付けた場合には、通知装置110は、原稿台70における入力位置を照明する。受付部161Aが、カメラ80による読み取りの選択入力を受け付けた場合には、通知装置110は、原稿台70及びカバー33における載置位置を照明する。
【0123】
また、読取方法(読取部30による読み取りかカメラ80による読み取りか)の選択入力を含んで、スキャン処理又はコピー処理の選択入力がなされる構成では、受付部161Aが、スキャン処理又はコピー処理の選択入力を受け付けた場合に、例えば、通知装置110は、読取方法に対応する操作位置を照明してもよい。受付部161Aが、読取部30による読み取りの選択入力を受け付けた場合には、通知装置110は、原稿台70における入力位置を照明する。受付部161Aが、カメラ80による読み取りの選択入力を受け付けた場合には、通知装置110は、原稿台70及びカバー33における載置位置を照明する。
【0124】
また、本実施形態では、通知装置110は、原稿台70及びカバー33における載置位置の中央部を照明していたが、これに限られない。例えば、通知装置110は、原稿台70及びカバー33における載置位置の全部を照明してもよいし、載置位置における中央部以外の一部を照明してもよい。すなわち、通知装置110は、原稿台70及びカバー33における載置位置の少なくとも一部を照明すればよい。
【0125】
また、本実施形態では、通知装置110は、原稿台70における入力位置の装置奥行方向の中央部を照明していたが、これに限られない。例えば、通知装置110は、原稿台70における入力位置の全部を照明してもよいし、入力位置の装置奥行方向の中央部以外の一部を照明してもよい。すなわち、通知装置110は、原稿台70における入力位置の少なくとも一部を照明すればよい。
【0126】
また、本実施形態では、通知装置110は、外装部100への操作が開始された場合に、外装部100の操作位置を示す通知を終了していたが、これに限られない。例えば、通知装置110は、外装部100への操作が完了した場合に、外装部100の操作位置を示す通知を終了してもよく、外装部100への操作が行われた場合に、外装部100の操作位置を示す通知を終了する構成であればよい。
【0127】
また、本実施形態では、通知装置110の光源は、原稿Gを照明する照明装置88の光源とは異なる光源であったが、これに限られない。通知装置110の光源の一部又は全部が、照明装置88の光源と兼用とされていてもよい。
【0128】
また、本実施形態では、通知装置110は、原稿台70に対する上方側から操作位置を照明していたが、これに限られない。例えば、通知装置110は、原稿台70に対する下方側から操作位置を照明してもよい。この場合では、通知装置110は、原稿台70に対して下方側から照明することで光を透過させる。
【0129】
また、本実施形態では、通知装置110は、外装部100の操作位置を照明していたが、これに限られない。例えば、通知装置110は、外装部100の操作位置に設けられたLED等の光源により、外装部100自身を光らせることで、外装部100の操作位置を点灯する構成であってもよい。
【0130】
また、通知装置110では、外装部100の操作位置を点灯させていたが、これに限られない。例えば、通知装置110は、外装部100の操作位置を示す音声により、外装部100の操作位置をユーザに通知する構成であってもよい。
【0131】
(画像形成部12の変形例)
画像形成部の一例としては、前述の画像形成部12に限られない。画像形成部の一例としては、例えば、各トナー像形成部20Y~20Kが、転写体24を介さずに、記録媒体Pに直接トナー像を形成する直接転写方式を用いてもよい。また、画像形成部の一例としては、記録媒体Pへインクを吐出して画像を形成する画像形成部であってもよく、記録媒体Pに画像を形成する機能を有するものであればよい。
【0132】
(読取部30の変形例)
読取部30では、画像の読取機能を有する機能部として、密着型のイメージセンサを用いたが、これに限られない。当該機能部としては、例えば、CCD等のイメージセンサなどであってもよく、画像を読取可能なものであればよい。
【0133】
また、本実施形態では、読取部30は、画像の読取機能を有する機能部として、読取センサ32、34を有していたが、これに限られない。読取部30としては、読取センサ32、34の一方のみを有する構成であってもよい。すなわち、読取部30としては、原稿Gの少なくとも一方の面の画像を読取可能であればよい。
【0134】
また。本実施形態では、読取センサ32、34を有する読取部30の一部を構成する構成部分として、カバー33を把握したが、これに限られない。例えば、搬送機構40を有する搬送部の一部を構成する構成部分として、カバー33を把握してもよい。
【0135】
(カメラ80の変形例)
カメラ80が読み取る画像の一例としては、文字、絵及び写真などを含む画像に限られない。カメラ80が読み取る画像の一例としては、例えば、静止画又は動画などの映像であってもよく、カメラ80で読み取り可能な像であればよい。
【0136】
被写体の一例としては、原稿Gに限られない。被写体の一例としては、映像を映す映像機器(例えば、スマートフォンやモバイル端末など)であってもよく、カメラ80が撮像可能なものであればよい。
【0137】
また、原稿台70及びカバー33に載せられるものであれば、被写体とすることが可能である。したがって、カメラ80は、画像だけでなく、被写体自体を静止画又は動画として撮像可能に構成されていてもよい。
【0138】
(原稿台70の変形例)
原稿台70の上面70Aは、図4に示されるように、天板35の天面35Aと同じ高さに設置されていたが、これに限られない。原稿台70の上面70Aと、天板35の天面35Aとは、段差を有していてもよい。当該段差は、例えば、カメラ80での読取に適した原稿の姿勢に支持可能な範囲で形成される段差とされる。
【0139】
また、原稿台70は、前述のように、原稿台50を覆うカバーを兼ねていたが、これに限られない。複合機10は、原稿台70とは別の部品として、原稿台50を覆うカバーを有していてもよい。この場合では、当該カバーに対して、表示が行われる。
【0140】
(他の変形例)
複合機10では、読取部30における天板35の天面35Aの全面、及び原稿台70の上面70Aの全面が、平面状に形成されていたが、これに限られない。例えば、読取部30における天板35の天面35A、及び原稿台70の上面70Aは、少なくとも、カメラ80の読取範囲において平面状に形成されていればよく、カメラ80の読取範囲では凹凸を有していてもよい。
【0141】
複合機10では、カメラ80によって画像が読み取られる原稿Gは、覆い位置に位置する原稿台70と、読取部30における天板35の天面35Aと、に載せられる構成とされていたが、原稿台70のみに載せられる構成であってもよい。この場合では、カメラ80の読取範囲MHは、原稿台70のみを含む範囲としてもよい。
【0142】
複合機10では、載せ部の一例として、原稿台70を用いたが、これに限られない。複合機10では、例えば、原稿台50を、載せ部の一例として用いてもよい。すなわち、カメラ80で画像が読み取られる原稿G等の被写体が、原稿台50に載せられる構成であってもよい。この場合では、例えば、原稿台70は、開放位置に固定される構成であってもよいし、原稿台70を設けない構成であってもよい。
【0143】
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、その主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、上記に示した変形例は、適宜、複数を組み合わせて構成してもよい。
【符号の説明】
【0144】
10 複合機
30 読取部
40 搬送機構
50 原稿台(載せ部の一例)
70 原稿台(移動部の一例、台の一例)
80 カメラ
100 外装部
110 通知装置(通知部の一例)
161A 受付部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11