(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-30
(45)【発行日】2025-07-08
(54)【発明の名称】管理装置、及び、画像読取システム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20250701BHJP
H04N 1/32 20060101ALI20250701BHJP
【FI】
H04N1/00 127A
H04N1/32 037
(21)【出願番号】P 2021156606
(22)【出願日】2021-09-27
【審査請求日】2024-07-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096703
【氏名又は名称】横井 俊之
(72)【発明者】
【氏名】小林 大起
(72)【発明者】
【氏名】関 一真
【審査官】松永 隆志
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-026087(JP,A)
【文献】特開2020-137001(JP,A)
【文献】特開2019-200600(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00 - 1/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一画像読取装置及び第二画像読取装置を含む複数の画像読取装置について各前記画像読取装置により生成されたスキャンデータを前記画像読取装置に紐付けられている宛先情報に従って送信する処理を実現させる管理装置であって、
前記第一画像読取装置に紐付けられている第一宛先情報、及び、前記第二画像読取装置に紐付けられている第二宛先情報を含む複数の宛先情報を記憶する記憶部と、
前記第一宛先情報を前記第二宛先情報として複製する複製指示を受信可能な受信部と、
前記複製指示に従って、前記記憶部に記憶されている前記第一宛先情報を前記第二宛先情報として前記記憶部に記憶させる設定部と、
を備え
、
前記第一宛先情報は、前記管理装置に接続されているクラウドストレージを送信先とするクラウドストレージ宛情報を含み、
前記記憶部は、前記管理装置から前記クラウドストレージに接続するために必要な接続情報を前記複数の宛先情報とは別に記憶し、
前記設定部は、前記複製指示に従って、前記接続情報を含んでいない前記第一宛先情報を前記第二宛先情報として前記記憶部に記憶させ、
前記管理装置は、前記第二画像読取装置からの前記スキャンデータを前記クラウドストレージに渡すために、前記第二宛先情報に含まれていない前記接続情報に基づいて前記クラウドストレージへの接続を確立する接続処理部をさらに備える、管理装置。
【請求項2】
前記第一宛先情報は、前記管理装置に接続されている複数のクラウドストレージのそれぞれを送信先とする複数のクラウドストレージ宛情報を含み、
前記設定部は、前記複製指示に従って、前記複数のクラウドストレージ宛情報を含む前記第一宛先情報を前記第二宛先情報として前記記憶部に記憶させる、請求項
1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記管理装置は、前記受信部が情報処理装置から前記複製指示を受信すると前記情報処理装置にユーザーの認証を求める認証部をさらに備え、
前記設定部は、前記認証が受け付けられると、前記記憶部に記憶されている前記第一宛先情報を前記第二宛先情報として前記記憶部に記憶させる、請求項1
又は請求項2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記設定部は、前記第二宛先情報が前記記憶部に記憶されている状態で前記複製指示が受信された後、前記記憶部から前記第二宛先情報を削除し、該第二宛先情報の削除後に前記第一宛先情報を前記第二宛先情報として前記記憶部に記憶させる、請求項1~
請求項3のいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項5】
前記受信部は、前記記憶部に記憶されている前記複数の宛先情報のうち要求された宛先情報の取得要求を情報処理装置から受信可能であり、
前記管理装置は、前記取得要求が受信されると前記要求された宛先情報を前記情報処理装置に渡す処理を行う出力処理部をさらに備える、請求項1~
請求項4のいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項6】
前記記憶部は、前記第一画像読取装置が処理を行うための設定を示す第一処理設定情報、及び、前記第二画像読取装置が処理を行うための設定を示す第二処理設定情報を記憶し、
前記設定部は、前記複製指示に従って、前記記憶部に記憶されている前記第一処理設定情報を前記第二処理設定情報として前記記憶部に記憶させる、請求項1~
請求項5のいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項7】
第一画像読取装置及び第二画像読取装置を含む複数の画像読取装置と、該複数の画像読取装置について各前記画像読取装置により生成されたスキャンデータを前記画像読取装置に紐付けられている宛先情報に従って送信する処理を実現させる管理装置と、該管理装置に複数の宛先情報を記憶させる登録指示を送信可能な情報処理装置と、を含む画像読取システムであって、
前記管理装置は、前記第一画像読取装置に紐付けられている第一宛先情報、及び、前記第二画像読取装置に紐付けられている第二宛先情報を含む前記複数の宛先情報を記憶する記憶部を備え、
前記情報処理装置は、前記第一宛先情報を前記第二宛先情報として複製する複製指示を前記管理装置に送信可能であり、
前記管理装置は、
前記複製指示を受信可能な受信部と、
前記複製指示に従って、前記記憶部に記憶されている前記第一宛先情報を前記第二宛先情報として前記記憶部に記憶させる設定部と、
をさらに備え
、
前記第一宛先情報は、前記管理装置に接続されているクラウドストレージを送信先とするクラウドストレージ宛情報を含み、
前記記憶部は、前記管理装置から前記クラウドストレージに接続するために必要な接続情報を前記複数の宛先情報とは別に記憶し、
前記設定部は、前記複製指示に従って、前記接続情報を含んでいない前記第一宛先情報を前記第二宛先情報として前記記憶部に記憶させ、
前記管理装置は、前記第二画像読取装置からの前記スキャンデータを前記クラウドストレージに渡すために、前記第二宛先情報に含まれていない前記接続情報に基づいて前記クラウドストレージへの接続を確立する接続処理部をさらに備える、画像読取システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置により生成されたスキャンデータを宛先情報に従って送信する処理を実現させる管理装置、及び、該管理装置を含む画像読取システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複合機、ドキュメントスキャナー、スキャン機能を有するプリンター、等といった画像読取装置により生成されたスキャンデータの送信先としてクラウドストレージが使用されるようになっている。特許文献1には、複合機でスキャンしたデータの保存先としてクラウドサービスを指定することによりスキャンデータをクラウドストレージに保存することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の画像読取装置を管理しているユーザーが各画像読取装置について複数のクラウドストレージをスキャンデータの送信先として登録するとき、登録に時間がかかったり、登録漏れが起きたりすることがある。
尚、上述のような問題は、スキャンデータの送信先が電子メールである場合等、クラウドストレージである場合に限定されない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の管理装置は、第一画像読取装置及び第二画像読取装置を含む複数の画像読取装置について各前記画像読取装置により生成されたスキャンデータを前記画像読取装置に紐付けられている宛先情報に従って送信する処理を実現させる管理装置であって、
前記第一画像読取装置に紐付けられている第一宛先情報、及び、前記第二画像読取装置に紐付けられている第二宛先情報を含む複数の宛先情報を記憶する記憶部と、
前記第一宛先情報を前記第二宛先情報として複製する複製指示を受信可能な受信部と、
前記複製指示に従って、前記記憶部に記憶されている前記第一宛先情報を前記第二宛先情報として前記記憶部に記憶させる設定部と、
を備え、
前記第一宛先情報は、前記管理装置に接続されているクラウドストレージを送信先とするクラウドストレージ宛情報を含み、
前記記憶部は、前記管理装置から前記クラウドストレージに接続するために必要な接続情報を前記複数の宛先情報とは別に記憶し、
前記設定部は、前記複製指示に従って、前記接続情報を含んでいない前記第一宛先情報を前記第二宛先情報として前記記憶部に記憶させ、
前記管理装置は、前記第二画像読取装置からの前記スキャンデータを前記クラウドストレージに渡すために、前記第二宛先情報に含まれていない前記接続情報に基づいて前記クラウドストレージへの接続を確立する接続処理部をさらに備える、態様を有する。
【0006】
また、本発明の画像読取システムは、第一画像読取装置及び第二画像読取装置を含む複数の画像読取装置と、該複数の画像読取装置について各前記画像読取装置により生成されたスキャンデータを前記画像読取装置に紐付けられている宛先情報に従って送信する処理を実現させる管理装置と、該管理装置に複数の宛先情報を記憶させる登録指示を送信可能な情報処理装置と、を含む画像読取システムであって、
前記管理装置は、前記第一画像読取装置に紐付けられている第一宛先情報、及び、前記第二画像読取装置に紐付けられている第二宛先情報を含む前記複数の宛先情報を記憶する記憶部を備え、
前記情報処理装置は、前記第一宛先情報を前記第二宛先情報として複製する複製指示を前記管理装置に送信可能であり、
前記管理装置は、
前記複製指示を受信可能な受信部と、
前記複製指示に従って、前記記憶部に記憶されている前記第一宛先情報を前記第二宛先情報として前記記憶部に記憶させる設定部と、
をさらに備え、
前記第一宛先情報は、前記管理装置に接続されているクラウドストレージを送信先とするクラウドストレージ宛情報を含み、
前記記憶部は、前記管理装置から前記クラウドストレージに接続するために必要な接続情報を前記複数の宛先情報とは別に記憶し、
前記設定部は、前記複製指示に従って、前記接続情報を含んでいない前記第一宛先情報を前記第二宛先情報として前記記憶部に記憶させ、
前記管理装置は、前記第二画像読取装置からの前記スキャンデータを前記クラウドストレージに渡すために、前記第二宛先情報に含まれていない前記接続情報に基づいて前記クラウドストレージへの接続を確立する接続処理部をさらに備える、態様を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】画像読取システムの例をクラウドストレージとともに模式的に示す図。
【
図2】管理装置の構成例を模式的に示すブロック図。
【
図3】情報処理装置の構成例を模式的に示すブロック図。
【
図4】画像読取装置の構成例を模式的に示すブロック図。
【
図5】管理装置で行われるスキャンデータ送信処理の例を模式的に示すフローチャート。
【
図6】管理装置で行われる宛先情報複製処理の例を模式的に示すフローチャート。
【
図7】宛先情報が複製された様子を模式的に例示する図。
【
図8】管理装置で行われる宛先情報出力処理の例を模式的に示すフローチャート。
【
図9】管理装置で行われる情報複製処理の例を模式的に示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態を説明する。むろん、以下の実施形態は本発明を例示するものに過ぎず、実施形態に示す特徴の全てが発明の解決手段に必須になるとは限らない。
【0009】
(1)本発明に含まれる技術の概要:
まず、
図1~9に示される例を参照して本発明に含まれる技術の概要を説明する。尚、本願の図は模式的に例を示す図であり、これらの図に示される各方向の拡大率は異なることがあり、各図は整合していないことがある。むろん、本技術の各要素は、符号で示される具体例に限定されない。「本発明に含まれる技術の概要」において、括弧内は直前の語の補足説明を意味する。
【0010】
態様1:
図1や
図2等に例示するように、本技術の一態様に係る管理装置(例えばクラウドサーバー100)は、第一画像読取装置301及び第二画像読取装置302を含む複数の画像読取装置300について各前記画像読取装置300により生成されたスキャンデータSC1を複数の宛先情報150のうち前記画像読取装置300に紐付けられている前記宛先情報に従って送信する処理を実現させる管理装置(100)であって、記憶部104、受信部(例えばネットワークI/F 105)、及び、設定部111を備える。尚、I/Fは、インターフェイスの略称である。前記記憶部104は、前記第一画像読取装置301に紐付けられている第一宛先情報151、及び、前記第二画像読取装置302に紐付けられている第二宛先情報152を含む前記複数の宛先情報150を記憶する。前記受信部(105)は、前記第一宛先情報151を前記第二宛先情報152として複製するための複製指示250を受信可能である。前記設定部111は、前記複製指示250に従って、前記記憶部104に記憶されている前記第一宛先情報151を前記第二宛先情報152として前記記憶部104に記憶させる。
【0011】
ここで、
図1に例示するように、第一画像読取装置301により生成されるスキャンデータをスキャンデータSC11と呼び、第二画像読取装置302により生成されるスキャンデータをスキャンデータSC12と呼ぶことにする。上述したスキャンデータSC1は、スキャンデータSC11とスキャンデータSC12を総称している。
第一宛先情報151を第二宛先情報152として複製するための複製指示250が受信部(105)により受信された後、記憶部104に記憶されている第一宛先情報151が複製指示に従って第二宛先情報152として記憶部104に記憶される。これにより、第二画像読取装置302により生成されるスキャンデータSC12の送信先を第一画像読取装置301により生成されるスキャンデータSC11の送信先と同じにする場合、第二画像読取装置302についてスキャンデータSC12の送信先を改めて設定する必要がなくなる。従って、上記態様1は、複数の画像読取装置300についてスキャンデータSC1の送信先を効率良く設定可能な管理装置(100)を提供することができる。
【0012】
ここで、画像読取装置300により生成されたスキャンデータSC1を宛先情報150に従って送信する処理は、管理装置(100)が行ってもよいし、管理装置(100)以外の装置(例えば画像読取装置300や情報処理装置200)が行ってもよい。
複数の画像読取装置300は、第一画像読取装置301及び第二画像読取装置302とは異なる画像読取装置を含んでいてもよい。従って、複数の宛先情報150は、第一宛先情報151及び第二宛先情報152とは異なる宛先情報を含んでいてもよい。
本願における「第一」、「第二」、…は、類似点を有する複数の構成要素に含まれる各構成要素を識別するための用語であり、順番を意味しない。複数の構成要素のうちどの構成要素が「第一」、「第二」、…に当てはまるのかは、相対的に決まる。
尚、上述した付言は、以下の態様においても適用される。
【0013】
態様2:
図2等に例示するように、前記第一宛先情報151は、本管理装置(100)に接続されているクラウドストレージ400を送信先とするクラウドストレージ宛情報160を含んでいてもよい。前記記憶部104は、本管理装置(100)から前記クラウドストレージ400に接続するために必要な接続情報170を前記複数の宛先情報150とは別に記憶してもよい。前記設定部111は、前記複製指示250に従って、前記接続情報170を含んでいない前記第一宛先情報151を前記第二宛先情報152として前記記憶部104に記憶させてもよい。本管理装置(100)は、前記第二画像読取装置302により生成される前記スキャンデータSC12を前記クラウドストレージ400に渡すために前記接続情報170に基づいて前記クラウドストレージ400への接続を確立する接続処理部112をさらに備えていてもよい。
上記態様2は、クラウドストレージ400の接続に必要な接続情報170が宛先情報150に含まれていなくても、記憶部104に記憶されている接続情報170に基づいて管理装置(100)がクラウドストレージ400への接続を確立するので、画像読取装置300により生成されるスキャンデータSC1がクラウドストレージ400に送信される。従って、上記態様2は、スキャンデータSC1の送信先がクラウドストレージ400である場合の好適な例を提供することができる。
【0014】
態様3:
図2等に例示するように、前記第一宛先情報151は、前記管理装置(100)に接続されている複数のクラウドストレージ400のそれぞれを送信先とする複数のクラウドストレージ宛情報160を含んでいてもよい。前記設定部111は、前記複製指示250に従って、前記複数のクラウドストレージ宛情報160を含む前記第一宛先情報151を前記第二宛先情報152として前記記憶部104に記憶させてもよい。本態様は、スキャンデータSC1の送信先が複数のクラウドストレージ400である場合の好適な例を提供することができる。
【0015】
態様4:
図1や
図6等に例示するように、本管理装置(100)は、前記受信部(105)が情報処理装置200から前記複製指示250を受信すると前記情報処理装置200にユーザーの認証を求める認証部113をさらに備えていてもよい。前記設定部111は、前記認証が受け付けられると、前記記憶部104に記憶されている前記第一宛先情報151を前記第二宛先情報152として前記記憶部104に記憶させてもよい。本態様は、権限の無いユーザーが複製指示250を管理装置(100)に送信する操作を行っても第一宛先情報151が複製されないので、管理装置(100)のセキュリティーを向上させることができる。
【0016】
態様5:
図6等に例示するように、前記設定部111は、前記第二宛先情報152が前記記憶部104に記憶されている状態で前記複製指示250が受信された後、前記記憶部104から前記第二宛先情報152を削除してもよく、該第二宛先情報152の削除後に前記第一宛先情報151を前記第二宛先情報152として前記記憶部104に記憶させてもよい。本態様は、第二宛先情報152の格納領域が限定されていても第一宛先情報151を第二宛先情報152として記憶部104に記憶させることができるので、複数の画像読取装置300についてスキャンデータSC1の送信先を効率良く設定する好適な例を提供することができる。
【0017】
態様6:
図1に例示するように、前記受信部(105)は、前記記憶部104に記憶されている前記複数の宛先情報150のうち要求された宛先情報150の取得要求260を情報処理装置200から受信可能でもよい。本管理装置(100)は、前記取得要求260が受信されると前記要求された宛先情報150を前記情報処理装置200に渡す処理を行う出力処理部114をさらに備えていてもよい。本態様は、取得要求260に応じて要求された宛先情報150が管理装置(100)から情報処理装置200に渡されるので、宛先情報150をスキャンデータSC1の宛先設定以外に利用することができる。
【0018】
態様7:
図2等に例示するように、前記記憶部104は、前記第一画像読取装置301が処理を行うための設定を示す第一処理設定情報181、及び、前記第二画像読取装置302が処理を行うための設定を示す第二処理設定情報182を記憶してもよい。前記設定部111は、前記複製指示250に従って、前記記憶部104に記憶されている前記第一処理設定情報181を前記第二処理設定情報182として前記記憶部104に記憶させてもよい。本態様は、複製指示250が受信部(105)により受信されると、記憶部104に記憶されている第一処理設定情報181が第二処理設定情報182として記憶部104に記憶される。これにより、第二画像読取装置302が処理を行うための設定を第一画像読取装置301が処理を行う設定と同じにする場合、第二画像読取装置302について処理を行うための設定を改めて行う必要がなくなる。従って、本態様は、複数の画像読取装置300について処理を行うための設定を効率良く行うことが可能な管理装置(100)を提供することができる。
【0019】
態様8:
ところで、本技術の一態様に係る画像読取システムSY1は、第一画像読取装置301及び第二画像読取装置302を含む複数の画像読取装置300と、該複数の画像読取装置300について各前記画像読取装置300により生成されたスキャンデータSC1を複数の宛先情報150のうち前記画像読取装置300に紐付けられている前記宛先情報150に従って送信する処理を実現させる管理装置(100)と、該管理装置(100)に前記複数の宛先情報150を記憶させるための登録指示240を送信可能な情報処理装置200と、を含む。前記管理装置(100)は、前記第一画像読取装置301に紐付けられている第一宛先情報151、及び、前記第二画像読取装置302に紐付けられている第二宛先情報152を含む前記複数の宛先情報150を記憶する記憶部104を備える。前記情報処理装置200は、前記第一宛先情報151を前記第二宛先情報152として複製するための複製指示250を前記管理装置(100)に送信可能である。前記管理装置(100)は、前記複製指示250を受信可能な受信部(105)と、前記複製指示250に従って、前記記憶部104に記憶されている前記第一宛先情報151を前記第二宛先情報152として前記記憶部104に記憶させる設定部111と、をさらに備える。
本態様は、複数の画像読取装置300についてスキャンデータSC1の送信先を効率良く設定可能な画像読取システムSY1を提供することができる。
【0020】
さらに、本技術は、画像読取装置300により生成されたスキャンデータSC1を宛先情報150に従って送信する処理を実現させる管理方法、管理装置(100)の制御方法、画像読取システムSY1の制御方法、管理装置(100)の制御プログラム、画像読取システムSY1の制御プログラム、前述のいずれかの制御プログラムを記録したコンピューター読み取り可能な媒体、等に適用可能である。前述のいずれかの装置は、分散した複数の部分で構成されてもよい。
【0021】
(2)管理装置を含む画像読取システムの具体例:
図1は、具体例として画像読取システムSY1をクラウドストレージ400とともに模式的に示している。
図1に示す画像読取システムSY1は、管理装置の例としてのクラウドサーバー100、情報処理装置200、複数の画像読取装置300を含んでいる。画像読取システムSY1には、ネットワークNE1を介して複数のクラウドストレージ400が接続されている。ネットワークNE1は、インターネットを含む広域のネットワークである。
図1に示す画像読取システムSY1において、情報処理装置200と複数の画像読取装置300は、LAN 390を介してネットワークNE1に接続されている。ここで、LANは、Local Area Networkの略称である。LAN 390は、有線のネットワークでもよいし、無線のネットワークでもよい。複数の画像読取装置300は、第一画像読取装置301、第二画像読取装置302、第三画像読取装置303、…を含んでいる。単に「画像読取装置300」と称する場合、画像読取装置300は、第一画像読取装置301、第二画像読取装置302、第三画像読取装置303、…のいずれかを意味するものとする。複数のクラウドストレージ400は、第一クラウドストレージ401、第二クラウドストレージ402、第三クラウドストレージ403、…を含んでいる。単に「クラウドストレージ400」と称する場合、クラウドストレージ400は、第一クラウドストレージ401、第二クラウドストレージ402、第三クラウドストレージ403、…のいずれかを意味するものとする。
尚、情報処理装置200や複数の画像読取装置300は、LAN 390を経由しないで広域のネットワークNE1に接続されてもよい。
【0022】
クラウドサーバー100は、クラウド上で画像読取装置300を管理するサーバーコンピューターである。
図1に示すクラウドサーバー100は、記憶部104、ネットワークI/F 105、設定部111、接続処理部112、認証部113、及び、出力処理部114を備えている。詳しくは後述するが、設定部111、接続処理部112、認証部113、及び、出力処理部114は、
図2に示す管理プログラムPR1が実行されることによりクラウドサーバー100に実現される。記憶部104は、複数の宛先情報150、複数の接続情報170、等を記憶する。記憶部104は、複数の処理設定情報180を記憶してもよい。複数の宛先情報150は、第一宛先情報151、第二宛先情報152、第三宛先情報153、…を含んでいる。単に「宛先情報150」と称する場合、宛先情報150は、第一宛先情報151、第二宛先情報152、第三宛先情報153、…のいずれかを意味するものとする。複数の接続情報170は、第一クラウドストレージ401に接続するために必要な第一接続情報、第二クラウドストレージ402に接続するために必要な第二接続情報、第三クラウドストレージ403に接続するために必要な第三接続情報、…を含んでいる。単に「接続情報170」と称する場合、接続情報170は、第一接続情報、第二接続情報、第三接続情報、…のいずれかを意味するものとする。複数の処理設定情報180は、第一処理設定情報181、第二処理設定情報182、第三処理設定情報183、…を含んでいる。単に「処理設定情報180」と称する場合、処理設定情報180は、第一処理設定情報181、第二処理設定情報182、第三処理設定情報183、…のいずれかを意味するものとする。ネットワークI/F 105は、ネットワークNE1に接続されている。クラウドサーバー100は、情報処理装置200からの指示に従って、画像読取装置300により生成されたスキャンデータSC1を宛先情報150に従って送信する制御を行う。宛先情報150がクラウドストレージ400を示している場合、クラウドサーバー100は、スキャンデータSC1をクラウドストレージ400に送信する。
【0023】
情報処理装置200は、画像読取システムSY1においてユーザーが直接操作する端末である。
図1に示す情報処理装置200は、複数の宛先情報150を記憶させるための登録指示240、第一宛先情報151を第二宛先情報152として複製するための複製指示250、及び、宛先情報150の取得要求260をクラウドサーバー100に送信することが可能である。情報処理装置200は、記憶装置204を備え、クラウドサーバー100から取得した複数の宛先情報150や複数の処理設定情報180を記憶することが可能である。情報処理装置200は、画像読取装置300により生成されるスキャンデータSC1を送信先に送信させる指示をクラウドサーバー100に送信することが可能である。
【0024】
画像読取装置300は、画像読取システムSY1においてユーザーが原稿を読み取らせる機器である。
図1に示す画像読取装置300は、原稿を読み取ることによりスキャンデータSC1を生成し、クラウドサーバー100を介して送信先にスキャンデータSC1を送信することが可能である。画像読取装置300は、宛先情報150や処理設定情報180を記憶する記憶装置314を備えている。第一画像読取装置301の記憶装置314は、第一宛先情報151や第一処理設定情報181を記憶する。第二画像読取装置302の記憶装置314は、第二宛先情報152や第二処理設定情報182を記憶する。第三画像読取装置303の記憶装置314は、第三宛先情報153や第三処理設定情報183を記憶する。
【0025】
クラウドストレージ400は、ユーザーにストレージを貸し出すサービスを提供するサーバーコンピューターである。
図1に示すクラウドストレージ400は、スキャンデータSC1を受信し、該スキャンデータSC1を記憶する。
【0026】
図2は、クラウドサーバー100の構成を模式的に例示している。クラウドサーバー100は、プロセッサーであるCPU101、半導体メモリーであるROM102、半導体メモリーであるRAM103、記憶部104、ネットワークI/F 105、等を備えている。ここで、CPUはCentral Processing Unitの略称であり、ROMはRead Only Memoryの略称であり、RAMはRandom Access Memoryの略称である。ネットワークI/F 105は、登録指示240や複製指示250や取得要求260を受信可能な受信部の例である。CPU101、ROM102、RAM103、記憶部104、ネットワークI/F 105、等は、電気的に接続されていることにより情報を入出力可能である。記憶部104には、ハードディスクといった磁気記憶装置、フラッシュメモリーといった不揮発性半導体メモリー、等を用いることができる。
【0027】
記憶部104は、管理プログラムPR1、ユーザー情報140、複数の宛先情報150、複数の接続情報170、等を記憶している。記憶部104は、管理プログラムPR1を記録したコンピューター読み取り可能な媒体である。管理プログラムPR1は、コンピューター読み取り可能な外部の記録媒体に記録されてもよい。記憶部104は、複数の処理設定情報180を記憶してもよい。
【0028】
CPU101は、記憶部104からRAM103に読み出した管理プログラムPR1を実行することにより、複数の画像読取装置300を管理する複数の機能をクラウドサーバー100に実現させる。これらの機能には、設定部111に対応する設定機能FU1、接続処理部112に対応する接続処理機能FU2、認証部113に対応する認証機能FU3、及び、出力処理部114に対応する出力処理機能FU4が含まれる。設定機能FU1は、記憶部104に記憶されている第一宛先情報151を複製指示250に従って第二宛先情報152として記憶部104に記憶させる。接続処理部112は、画像読取装置300により生成されるスキャンデータSC1をクラウドストレージ400に渡すために接続情報170に基づいてクラウドストレージ400から認証を受ける。認証部113は、ネットワークI/F 105が情報処理装置200から複製指示250を受信すると情報処理装置200にユーザーの認証を求める。出力処理機能FU4は、ネットワークI/F 105が取得要求260を受信すると要求された宛先情報150を情報処理装置200に渡す処理を行う。
【0029】
ユーザー情報140は、複数の画像読取装置300を扱うユーザーを認証するための情報である。
図2に示すユーザー情報140は、IDと略されるユーザー識別子、及び、パスワードを含んでいる。
【0030】
宛先情報150は、スキャンデータSC1の送信先を示す情報である。例えば、第一画像読取装置301に紐付けられている第一宛先情報151は、送信先として、第一クラウドストレージ401、第二クラウドストレージ402、第三クラウドストレージ403、…を示す情報を含んでいる。これらの情報は、クラウドサーバー100に接続されている複数のクラウドストレージ400のそれぞれを送信先とする複数のクラウドストレージ宛情報160の例である。宛先情報150には、クラウドストレージ宛情報160以外の情報、例えば、電子メールの宛先、データを記憶可能な場所を示すURL、ファクシミリの宛先、外部メモリー、Web会議システム、SNS、情報処理装置200のフォルダー、Webサービス、等のうち少なくとも一つが含まれてもよい。ここで、URLはUniform Resource Locatorの略称であり、SNSはSocial Networking Serviceの略称である。
図2において、第二宛先情報152と第三宛先情報153が空欄で示されているのは、記憶部104に第二宛先情報152及び第三宛先情報153の格納領域が用意されているものの当該格納領域に送信先を示す情報が格納されていないことによる。むろん、記憶部104に格納される第二宛先情報152は第二画像読取装置302に紐付けられる宛先情報150であり、記憶部104に格納される第三宛先情報153は第三画像読取装置303に紐付けられる宛先情報150である。
【0031】
複数の接続情報170は、クラウドサーバー100から複数のクラウドストレージ400に接続するために必要な情報であり、記憶部104に対して複数の宛先情報150とは別に記憶されている。接続情報170は、紐付けられているクラウドストレージ400から認証を受けるための情報を含んでいる。
図2に示す接続情報170は、クラウドストレージ400から見たクラウドサーバー100の識別子「id]、該「id」に紐付けられているパスワード「pass」、アクセストークンとリフレッシュトークンを含むトークン「token」、等を含んでいる。むろん、複数の接続情報170には、第一クラウドストレージ401向けの第一接続情報、第二クラウドストレージ402向けの第二接続情報、第三クラウドストレージ403向けの第三接続情報、…が含まれる。
【0032】
処理設定情報180は、画像読取装置300が処理を行うための設定を示す情報である。該情報には、スキャン設定、画像読取装置300が印刷機能を有する場合の印刷設定、及び、電子機器装置設定が含まれる。
スキャン設定には、例えば、読取画像がカラーであるかモノクロであるかの設定、読取画像の解像度、原稿の向きが縦であるか横であるかの設定、出力画像のファイル形式、A3サイズやA4サイズといった用紙サイズ、原稿が普通紙であるか写真用紙であるかといった用紙種類、読取画像のトリミングの設定、等のうち少なくとも一つが含まれる。
【0033】
印刷設定には、例えば、A3サイズやA4サイズといった用紙サイズ、普通紙や写真用紙といった用紙種類、縁無し印刷をするか否かの設定、縁無し印刷の縁のはみ出し量、出力画像のトリミング、「色あざやか」や「きれい」や「標準」といった印刷品質、日付を表示するか否かの設定、塗り絵印刷の線の濃さ、塗り絵印刷の線の多さ、ディスクレーベル印刷濃度調整、ディスクレーベル印刷位置調整、ディスクレーベル外径内径調整、シール印刷位置調整、こすれ軽減の設定、動作音低減の設定、両面印刷乾燥待ち時間、双方向印刷をするか否かの設定、印刷濃度、等のうち少なくとも一つが含まれる。
【0034】
電子機器装置設定には、画像読取装置300が印刷機能を有する場合のファクシミリ設定が含まれる。ファクシミリ設定には、例えば、通信モード、エラー訂正の設定、ダイヤルトーン検出の設定、ダイヤル種別、ナンバー・ディスプレイ対応の設定、接続回線の設定、発信元設定、受信モード、リモート受信の設定、着信やファクシミリ受信を拒否するか否かの設定、受信紙宣言の設定、保存時や転送時のファイル形式、呼び出し回数、電話呼び出し回数、等のうち少なくとも一つが含まれる。電子機器装置設定には、さらに、例えば、音量、画面の明るさ、自動電源オンの設定、自動電源オフの設定、スリープ移行時間、表示言語、操作パネルの背景色、排紙トレイの発光ダイオードの明るさ、省電力設定、用紙設定間違い通知の設定、ネットワークの設定、画像読取装置300とクラウドサーバー100との接続の設定、セキュリティーの設定、レポートの設定、等のうち少なくとも一つが含まれる。
【0035】
図3は、情報処理装置200の構成を模式的に例示している。情報処理装置200は、プロセッサーであるCPU201、半導体メモリーであるROM202、半導体メモリーであるRAM203、記憶装置204、入力装置205、表示装置206、LAN I/F 207、等を備えている。CPU201、ROM202、RAM203、記憶装置204、入力装置205、表示装置206、LAN I/F 207、等は、電気的に接続されていることにより情報を入出力可能である。記憶装置204には、ハードディスクといった磁気記憶装置、フラッシュメモリーといった不揮発性半導体メモリー、等を用いることができる。入力装置205には、ポインティングデバイス、キーボードを含むハードキー、表示パネルの表面に貼り付けられたタッチパネル、等を用いることができる。表示装置206には、液晶表示パネル等を用いることができる。LAN I/F 207は、LAN 390に接続されている。
【0036】
記憶装置204は、制御プログラムPR2等を記憶している。記憶装置204は、制御プログラムPR2を記録したコンピューター読み取り可能な媒体である。制御プログラムPR2は、コンピューター読み取り可能な外部の記録媒体に記録されてもよい。記憶装置204は、ユーザー情報140、複数の宛先情報150、及び、複数の処理設定情報180を記憶してもよい。
【0037】
CPU201は、記憶装置204からRAM203に読み出した制御プログラムPR2を実行することにより、画像読取システムSY1に含まれる情報処理装置200としての複数の機能を情報処理装置200に実現させる。これらの機能には、登録指示240、複製指示250、及び、取得要求260をクラウドサーバー100に出す機能、複数の宛先情報150をクラウドサーバー100から取得する機能、等が含まれる。
【0038】
図4は、画像読取装置300の例として印刷機能とファクシミリ機能を有する複合機の構成を模式的に例示している。画像読取装置300は、プロセッサーであるCPU311、半導体メモリーであるROM312、半導体メモリーであるRAM313、記憶装置314、入力装置315、表示装置316、スキャン部317、印刷部318、ファクシミリ部319、LAN I/F 320、等を備えている。CPU311、ROM312、RAM313、記憶装置314、入力装置315、表示装置316、スキャン部317、印刷部318、ファクシミリ部319、LAN I/F 320、等は、電気的に接続されていることにより情報を入出力可能である。記憶装置314には、フラッシュメモリーといった不揮発性半導体メモリー、ハードディスクといった磁気記憶装置、等を用いることができる。入力装置315には、表示パネルの表面に貼り付けられたタッチパネル、ハードキー、等を用いることができる。表示装置316には、液晶表示パネル等を用いることができる。スキャン部317は、原稿を読み取り、読取画像を表すスキャンデータSC1を生成する。印刷部318は、印刷用紙に印刷を実行する。画像読取装置300は、スキャン部317において原稿を読み取り、印刷部318において読取画像を印刷することにより、コピー機能を発揮する。ファクシミリ部319は、電話回線を経由してスキャン部317による読取画像を送信先にファクシミリ送信したり、電話回線を経由して発信元から画像をファクシミリ受信したりする。画像読取装置300は、ファクシミリ部319により受信した画像を印刷部318において印刷可能である。LAN I/F 320は、LAN 390に接続されている。
【0039】
記憶装置314は、ファームウェアPR3、宛先情報150、及び、処理設定情報180を記憶している。例えば、画像読取装置300が第一画像読取装置301である場合、記憶装置314には、ファームウェアPR3に加えて第一宛先情報151及び第一処理設定情報181が記憶される。
【0040】
CPU311は、記憶装置314からRAM313に読み出したファームウェアPR3を実行することにより、画像読取装置300としての複数の機能を画像読取装置300に実現させる。これらの機能には、スキャン機能、印刷機能、ファクシミリ機能、等が含まれる。スキャン機能には、原稿を読み取ることにより生成されたスキャンデータSC1を外部に送信する機能が含まれる。
【0041】
(3)画像読取システムの処理の具体例:
図5は、宛先情報150の設定からスキャンデータSC1を送信先に送信するまでのスキャンデータ送信処理を模式的に例示している。スキャンデータ送信処理は、クラウドサーバー100で行われ、情報処理装置200からクラウドサーバー100に登録指示240、又は、送信先の選択指示が送信された時に開始する。ここで、ステップS106は、接続処理部112と接続処理機能FU2に対応している。以下、「ステップ」の記載を省略し、括弧内にステップの符号を示す。
【0042】
画像読取装置300により生成されるスキャンデータSC1の送信先がクラウドサーバー100に登録されていない場合、ユーザーは、クラウドサーバー100に宛先情報150を記憶させる操作を情報処理装置200に行う必要がある。この操作の開始をユーザーが情報処理装置200に指示する操作を行うと、当該指示の操作を受け付けた情報処理装置200は、画像読取装置300の指示及び送信先の情報の入力を受け付けるための不図示の登録画面を表示装置206に表示させる。ユーザーが登録画面に画像読取装置300を指示し送信先を示す情報を入力する操作を行うと、情報処理装置200は、画像読取装置300の指示操作及び送信先を示す情報の入力操作を受け付け、登録指示240とともに画像読取装置300及び送信先を示す情報をクラウドサーバー100に送信する。そこで、クラウドサーバー100は、ネットワークI/F 105が登録指示240を受信した場合、指示された画像読取装置300に紐付けられている宛先情報150を更新する(S102)。
【0043】
例えば、第一画像読取装置301からのスキャンデータSC11の送信先がクラウドストレージ400である場合、ユーザーは登録画面に第一画像読取装置301を指示しクラウドストレージ400を示す情報を入力する操作を行えばよい。この操作を受け付けた情報処理装置200は、登録指示240とともに第一画像読取装置301及びクラウドストレージ400を示す情報をクラウドサーバー100に送信することになる。ユーザーが第一画像読取装置301を指示し、第一クラウドストレージ401、第二クラウドストレージ402、及び、第三クラウドストレージ403を示す情報を登録画面に入力する操作を行うと、登録指示240とともに第一画像読取装置301、並びに、第一クラウドストレージ401、第二クラウドストレージ402、及び、第三クラウドストレージ403を示す情報が情報処理装置200からクラウドサーバー100に送信される。この場合、クラウドサーバー100は、第一画像読取装置301に紐付けられている第一宛先情報151として第一クラウドストレージ401、第二クラウドストレージ402、及び、第三クラウドストレージ403を示す情報を記憶部104に記憶させる。むろん、第一宛先情報151には、クラウドストレージ400から認証を受けるための接続情報170は含まれない。
尚、スキャンデータSC1の送信先がクラウドサーバー100に登録されている場合、S102の処理は行われなくてもよい。
【0044】
宛先情報150には複数の送信先を示す情報を格納することが可能であるため、ユーザーは、クラウドサーバー100に登録されている1以上の送信先からスキャンデータSC1の送信先を設定する必要がある。この操作の開始をユーザーが情報処理装置200に指示する操作を行うと、当該指示の操作を受け付けた情報処理装置200は、画像読取装置300の指示及び送信先の選択を受け付けるための不図示の選択画面を表示装置206に表示させる。ユーザーが選択画面に画像読取装置300を指示する操作を行うと、情報処理装置200は、指示された画像読取装置300に紐付けられている宛先情報150をクラウドサーバー100から取得して選択画面に表示する。ユーザーが選択画面の宛先情報150から送信先を選択する操作を行うと、情報処理装置200は、送信先の選択操作を受け付け、設定指示とともに、指示された画像読取装置300を示す情報及び選択された送信先を示す情報をクラウドサーバー100に送信する。そこで、クラウドサーバー100は、ネットワークI/F 105が設定指示を受信した場合、指示された画像読取装置300に紐付けられている宛先情報150からスキャンデータSC1の送信先を設定する(S104)。
【0045】
例えば、ユーザーは、第一画像読取装置301からのスキャンデータSC11の送信先を第一クラウドストレージ401にしたい場合、選択画面に第一画像読取装置301を指示し第一クラウドストレージ401を選択する操作を行えばよい。この操作を受け付けた情報処理装置200は、設定指示とともに第一画像読取装置301及び第一クラウドストレージ401を示す情報をクラウドサーバー100に送信することになる。この場合、クラウドサーバー100は、第一画像読取装置301に紐付けられている第一クラウドストレージ401をスキャンデータSC11の送信先として設定する。
【0046】
画像読取装置300により生成されるスキャンデータSC1の送信先がクラウドストレージ400である場合、クラウドサーバー100はクラウドストレージ400への接続を確立する必要がある。そこで、クラウドサーバー100は、クラウドストレージ400への接続を確立するための接続情報170を取得しておき、クラウドストレージ400に紐付けられている接続情報170に基づいてクラウドストレージ400への接続を確立する(S106)。
図2で示したように、接続情報170は、識別子「id]、パスワード「pass」、トークン「token」、等を含んでいる。クラウドサーバー100は、最初にクラウドストレージ400から認証を受ける時に識別子「id]とパスワード「pass」を取得して記憶部104に記憶させ、認証状態を継続させるためのトークン「token」をクラウドストレージ400から取得して記憶部104に記憶させる。以後、クラウドサーバー100は、接続情報170に含まれるトークン「token」を使用することによりクラウドストレージ400への接続を確立することができる。また、クラウドサーバー100は、トークン「token」の有効期間内にクラウドストレージ400から新たなトークン「token」を取得して接続情報170に格納することにより、クラウドストレージ400の認証状態を長期間継続させることができる。
【0047】
複数の接続情報170には、第一クラウドストレージ401向けの第一接続情報、第二クラウドストレージ402向けの第二接続情報、第三クラウドストレージ403向けの第三接続情報、…が含まれる。例えば、クラウドサーバー100は、第一画像読取装置301からのスキャンデータSC11を第一クラウドストレージ401に送信する場合、第一クラウドストレージ401向けの第一接続情報に含まれるトークン「token」を使用することにより第一クラウドストレージ401への接続を確立することができる。
【0048】
その後、クラウドサーバー100は、指示された画像読取装置300からスキャンデータSC1を受信し、該スキャンデータSC1を設定の送信先に送信して(S108)、スキャンデータ送信処理を終了させる。クラウドサーバー100は、画像読取装置300からスキャンデータSC1を全部受信した後に該スキャンデータSC1を送信先に送信してもよい。また、クラウドサーバー100は、画像読取装置300からスキャンデータSC1の一部を受信すると当該部分のスキャンデータSC1を送信先に送信することを繰り返してもよい。
例えば、第一画像読取装置301から第一クラウドストレージ401にスキャンデータSC11を送信することが指示された場合、S106においてクラウドサーバー100から第一クラウドストレージ401への接続が確立される。そこで、クラウドサーバー100は、S108において、第一画像読取装置301からスキャンデータSC11を受信し、該スキャンデータSC11を第一クラウドストレージ401に送信する。
【0049】
以上のスキャンデータ送信処理により、クラウドサーバー100は、画像読取装置300により生成されたスキャンデータSC1を複数の宛先情報150のうち画像読取装置300に紐付けられている宛先情報150に従って送信する。
【0050】
ところで、ユーザーが複数の画像読取装置300を管理する場合、各画像読取装置300について複数の送信先を登録する作業に時間がかかったり、登録漏れが起きたりすることがある。そこで、本具体例では、或る画像読取装置300により生成されるスキャンデータSC1の送信先を別の画像読取装置300により生成されるスキャンデータSC1の送信先と同じにする場合、複製指示250に応じてクラウドサーバー100が宛先情報150を複製することにしている。これにより、2台目以降の画像読取装置300についてスキャンデータSC1の送信先を改めて設定する必要がなくなり、複数の画像読取装置300についてスキャンデータSC1の送信先が効率良く設定される。
以下、複数の画像読取装置300の内、スキャンデータSC1の送信先が登録されている画像読取装置を第一画像読取装置301に当てはめ、スキャンデータSC1の送信先が登録されていない画像読取装置を第二画像読取装置302に当てはめることにする。
【0051】
図6は、クラウドサーバー100で行われる宛先情報複製処理を模式的に例示している。宛先情報複製処理は、情報処理装置200からクラウドサーバー100に複製指示250が送信された時に開始する。ここで、S202は、認証部113と認証機能FU3に対応している。S204~S218は、設定部111と設定機能FU1に対応している。
【0052】
ユーザーは、複製元機器である第一画像読取装置301と複製先機器である第二画像読取装置302とを指定して宛先情報150の複製を指示する操作を情報処理装置200に行うと、情報処理装置200は、複製指示250とともに第一画像読取装置301及び第二画像読取装置302を示す情報をクラウドサーバー100に送信する。情報処理装置200から複製指示250を受信したクラウドサーバー100は、宛先情報複製処理を開始させる。
【0053】
宛先情報複製処理が開始すると、クラウドサーバー100は、複製指示250を受信した情報処理装置200にユーザーの認証を求め、認証を受け付けると処理をS204に進める(S202)。例えば、クラウドサーバー100は、複製指示250を受信した情報処理装置200にIDとパスワードの入力を受け付ける画面を表示させ、この画面に入力されたID及びパスワードに基づいて認証を受け付けるか否かを判断することができる。クラウドサーバー100は、画面に入力されたID及びパスワードが記憶部104に記憶されているユーザー情報140に含まれるID及びパスワードと一致する場合、認証を受け付けたとして処理をS204に進めることができる。クラウドサーバー100は、画面に入力されたID及びパスワードが記憶部104に記憶されているユーザー情報140に含まれるID及びパスワードと一致しない場合、エラーを示す画面を情報処理装置200に表示させてもよく、宛先情報複製処理を終了させてもよい。
【0054】
以上により、権限の無いユーザーが複製指示250をクラウドサーバー100に送信する操作を行っても第一宛先情報151が複製されないので、クラウドサーバー100は良好なセキュリティーを有する。むろん、クラウドサーバー100が複製指示250を受信した時にユーザーの認証を情報処理装置200に求める必要がない場合、S202の処理を省略可能である。
【0055】
S202の認証処理の後、クラウドサーバー100は、複製元機器である第一画像読取装置301と複製先機器である第二画像読取装置302とが異なるか否かに応じて処理を分岐させる(S204)。複製元機器と複製先機器とが同じである場合、複製先機器である第二画像読取装置302が指定されていないことになる。この場合、クラウドサーバー100は、処理をS218に進め、エラーを示す画面を情報処理装置200に表示させ、宛先情報複製処理を終了させる。
【0056】
複製元機器と複製先機器とが異なる場合、クラウドサーバー100は、複製元機器である第一画像読取装置301と複製先機器である第二画像読取装置302とがクラウドサーバー100に登録されているか否かに応じて処理を分岐させる(S206)。複製元機器が登録されていない場合には第一宛先情報151が記憶部104に記憶されていないことになり、複製先機器が登録されていない場合には第二宛先情報152の格納領域が記憶部104に用意されていないことになる。これらの場合、クラウドサーバー100は、処理をS218に進め、エラーを示す画面を情報処理装置200に表示させ、宛先情報複製処理を終了させる。
【0057】
複製元機器と複製先機器の両方が登録されている場合、複製元機器である第一画像読取装置301と複製先機器である第二画像読取装置302の両方がスキャン機能に対応しているか否かに応じて処理を分岐させる(S208)。画像読取装置300には、スキャン機能を有していないプリンターも存在する。複製元機器がスキャン機能を有していない場合には第一宛先情報151が記憶部104に記憶されていないことになり、複製先機器がスキャン機能を有していない場合には第二宛先情報152が使用されないことになる。これらの場合、クラウドサーバー100は、処理をS218に進め、エラーを示す画面を情報処理装置200に表示させ、宛先情報複製処理を終了させる。
【0058】
複製元機器と複製先機器の両方がスキャン機能に対応している場合、クラウドサーバー100は、複製先機器である第二画像読取装置302が複製元機器である第一画像読取装置301の送信先に対応している機器であるか否かに応じて処理を分岐させる(S210)。例えば、クラウドストレージ400によっては、或る国で製造された画像読取装置300には使用を許可するものの、別の国で製造された画像読取装置300には使用を許可しないことがある。このような場合、複製元機器が複製先機器の送信先に対応していない機器となることがある。複製元機器が複製先機器の送信先に対応していない機器である場合、クラウドサーバー100は、処理をS218に進め、エラーを示す画面を情報処理装置200に表示させ、宛先情報複製処理を終了させる。
【0059】
複製元機器が複製先機器の送信先に対応している場合において、複製先の宛先情報150である第二宛先情報152が記憶部104に記憶されている状態である場合、クラウドサーバー100は、記憶部104から第二宛先情報152を削除する(S212)。これにより、
図2に示すように、記憶部104において第二宛先情報152の格納領域から第二宛先情報152が削除された状態となる。既に第二宛先情報152が記憶部104に記憶されている場合、第一宛先情報151が第二宛先情報152の格納領域に追加されると、第二宛先情報152に多くの格納領域が必要となる。第二宛先情報152の格納領域が限定されている場合には、第二宛先情報152の格納領域に第一宛先情報151を格納しきれない事態が想定される。第二宛先情報152が記憶部104に記憶されている状態で複製指示250が受信された後に記憶部104から第二宛先情報152が削除されることにより、複数の画像読取装置300についてスキャンデータSC1の送信先を効率良く設定される。
尚、第二宛先情報152が記憶部104に記憶されていない場合、S212の処理を省略可能である。
【0060】
S212の処理後、クラウドサーバー100は、複製元の宛先情報150である第一宛先情報151を記憶部104から取得する(S214)。S214の処理は、第一宛先情報151を記憶部104からRAM103に読み出す処理とすることができる。
【0061】
第一宛先情報151の取得後、クラウドサーバー100は、取得した第一宛先情報151に含まれる送信先を1件ずつ、複製先の宛先情報150である第二宛先情報152の格納領域にコピーし(S216)、宛先情報複製処理を終了させる。S216の処理が行われると、
図7に例示するように、記憶部104において第一宛先情報151に含まれる複数の送信先が第二宛先情報152の格納領域に格納される。尚、
図7は、記憶部104において第一宛先情報151が第二宛先情報152及び第三宛先情報153として複製された様子を模式的に例示している。
以上の宛先情報複製処理により、クラウドサーバー100は、複製指示250に従って、記憶部104に記憶されている第一宛先情報151を第二宛先情報152として記憶部104に記憶させる。尚、第三宛先情報153の格納領域についても、宛先情報複製処理において複製先機器を第三画像読取装置303に読み替え、複製先の宛先情報150を第三宛先情報153に読み替えることにより、記憶部104に記憶されている第一宛先情報151が第三宛先情報153として記憶部104に記憶される。
【0062】
以上説明したように、記憶部104に記憶されている第一宛先情報151が複製指示250に従って第二宛先情報152として記憶部104に記憶される。これにより、第二画像読取装置302により生成されるスキャンデータSC12の送信先を第一画像読取装置301により生成されるスキャンデータSC11の送信先と同じにする場合、第二画像読取装置302についてスキャンデータSC12の送信先を改めて設定する必要がなくなる。これにより、各画像読取装置300について複数の送信先を登録する時間が少なくて済み、複数の画像読取装置300について1台目の設定が使用されることにより2台目以降も正しく設定される。従って、本具体例は、複数の画像読取装置300についてスキャンデータSC1の送信先を効率良く設定することができる。
【0063】
(4)変形例:
本発明は、種々の変形例が考えられる。
例えば、上述した処理は、順番を入れ替える等、適宜、変更可能である。例えば、
図6に示す宛先情報複製処理において、S210の判断処理は、S206とS208のいずれの処理の前において行うことが可能である。
【0064】
図8に例示するように、クラウドサーバー100に登録されている宛先情報150をユーザーが情報処理装置200にダウンロードすることができれば、ユーザーは、宛先情報150を別の用途に使用することができる。宛先情報150の用途としては、画像読取装置300に送信先のお気に入り設定に宛先情報150を使用すること等が考えられる。
図8は、クラウドサーバー100で行われる宛先情報出力処理を模式的に例示している。宛先情報出力処理は、情報処理装置200からクラウドサーバー100に宛先情報150の取得要求260が送信された時に開始する。宛先情報出力処理は、出力処理部114と出力処理機能FU4に対応している。
【0065】
ユーザーは、複数の画像読取装置300のいずれかを指定して宛先情報150の取得を指示する操作を情報処理装置200に行うと、情報処理装置200は、宛先情報150の取得要求260とともに指示された画像読取装置300を示す情報をクラウドサーバー100に送信する。情報処理装置200から取得要求260を受信したクラウドサーバー100は、宛先情報出力処理を開始させる。
【0066】
宛先情報出力処理が開始すると、クラウドサーバー100は、取得要求260を受信した情報処理装置200にユーザーの認証を求め、認証を受け付けると処理をS304に進める(S302)。S302の認証処理は、
図6に示すS202と同様の認証処理でよい。むろん、クラウドサーバー100が取得要求260を受信した時にユーザーの認証を情報処理装置200に求める必要がない場合、S302の処理を省略可能である。
【0067】
S302の認証処理の後、クラウドサーバー100は、指定された機器である画像読取装置300がクラウドサーバー100に登録されているか否かに応じて処理を分岐させる(S304)。指定された機器が登録されていない場合、宛先情報150が記憶部104に記憶されていないことになる。この場合、クラウドサーバー100は、処理をS312に進め、エラーを示す画面を情報処理装置200に表示させ、宛先情報出力処理を終了させる。
【0068】
指定された機器が登録されている場合、指定された機器である画像読取装置300がスキャン機能に対応しているか否かに応じて処理を分岐させる(S306)。指定された機器がスキャン機能を有していない場合、宛先情報150が記憶部104に記憶されていないことになる。この場合、クラウドサーバー100は、処理をS312に進め、エラーを示す画面を情報処理装置200に表示させ、宛先情報出力処理を終了させる。
【0069】
指定された機器がスキャン機能に対応している場合、クラウドサーバー100は、要求された宛先情報150、すなわち、指定された機器である画像読取装置300に紐付けられている宛先情報150を記憶部104から取得する(S308)。S308の処理は、要求された宛先情報150を記憶部104からRAM103に読み出す処理とすることができる。
【0070】
宛先情報150の取得後、クラウドサーバー100は、取得した宛先情報150を情報処理装置200に向けてネットワークI/F 105に送信させる処理を行い(S310)、宛先情報出力処理を終了させる。S310の処理が行われると、宛先情報150の取得要求260をクラウドサーバー100に出した情報処理装置200は、要求した宛先情報150をクラウドサーバー100から取得することができる。
図3には、要求した宛先情報150が記憶装置204に記憶されていることが示されている。
以上の宛先情報出力処理により、ネットワークI/F 105が宛先情報150の取得要求260を情報処理装置200から受信すると、クラウドサーバー100は、要求された宛先情報150を情報処理装置200に渡す処理を行う。
【0071】
要求した宛先情報150を情報処理装置200にダウンロードしたユーザーは、画像読取装置300に送信先のお気に入り設定に宛先情報150を使用する等、宛先情報150を別の用途に使用することができる。
【0072】
図9に例示するように、画像読取装置300が処理を行うための設定を示す処理設定情報180も複製することができると、複数の画像読取装置300について処理を行うための設定を効率良く行うことができる。
図9は、クラウドサーバー100で行われる情報複製処理を模式的に例示している。
図9に示す情報複製処理は、
図6に示す宛先情報複製処理と比べて、S212がS402に置き換わり、S214がS404に置き換わり、S216がS406に置き換わっている。
【0073】
ユーザーは、複製元機器である第一画像読取装置301と複製先機器である第二画像読取装置302とを指定して宛先情報150及び処理設定情報180の複製を指示する操作を情報処理装置200に行うと、情報処理装置200は、複製指示250とともに第一画像読取装置301及び第二画像読取装置302を示す情報をクラウドサーバー100に送信する。情報処理装置200から複製指示250を受信したクラウドサーバー100は、情報複製処理を開始させる。
クラウドサーバー100は、ユーザーの認証を受け付け(S202)、複製元機器と複製先機器とが異なり(S204)、複製元機器と複製先機器の両方が登録され(S206)、複製元機器と複製先機器の両方がスキャン機能に対応し(S208)、複製元機器が複製先機器の送信先に対応していると(S210)、S402以降の処理を行う。
【0074】
S402において、複製先の宛先情報150である第二宛先情報152、及び、複製先の処理設定情報180である第二処理設定情報182が記憶部104に記憶されている状態である場合、クラウドサーバー100は、記憶部104から第二宛先情報152及び第二処理設定情報182を削除する。既に第二処理設定情報182が記憶部104に記憶されている場合、第一処理設定情報181が第二処理設定情報182の格納領域に追加されると、第二処理設定情報182に多くの格納領域が必要となる。第二処理設定情報182の格納領域が限定されている場合には、第二処理設定情報182の格納領域に第一処理設定情報181を格納しきれない事態が想定される。第二処理設定情報182が記憶部104に記憶されている状態で複製指示250が受信された後に記憶部104から第二処理設定情報182が削除されることにより、複数の画像読取装置300について処理を行うための設定を効率良く行うことができる。
尚、第二処理設定情報182が記憶部104に記憶されていない場合、S402の処理を省略可能である。
【0075】
S402の処理後、クラウドサーバー100は、複製元の宛先情報150である第一宛先情報151、及び、複製元の処理設定情報180である第一処理設定情報181を記憶部104から取得する(S404)。S404の処理は、第一宛先情報151と第一処理設定情報181を記憶部104からRAM103に読み出す処理とすることができる。
【0076】
第一宛先情報151及び第一処理設定情報181の取得後、クラウドサーバー100は、取得した第一宛先情報151を複製先の宛先情報150である第二宛先情報152の格納領域にコピーし、所得した第一処理設定情報181を複製先の処理設定情報180である第二処理設定情報182の格納領域にコピーし(S406)、情報複製処理を終了させる。
以上の情報複製処理により、クラウドサーバー100は、複製指示250に従って、記憶部104に記憶されている第一宛先情報151を第二宛先情報152として記憶部104に記憶させ、記憶部104に記憶されている第一処理設定情報181を第二処理設定情報182として記憶部104に記憶させる。
【0077】
以上説明したように、記憶部104に記憶されている第一処理設定情報181が複製指示250に従って第二処理設定情報182として記憶部104に記憶される。これにより、第二画像読取装置302が処理を行うための設定を第一画像読取装置301が処理を行う設定と同じにする場合、第二画像読取装置302について処理を行うための設定を改めて行う必要がなくなる。これにより、各画像読取装置300について処理を行うための設定にかかる時間が少なくて済み、複数の画像読取装置300について1台目の設定が使用されることにより2台目以降も正しく設定される。従って、本具体例は、複数の画像読取装置300について処理を行うための設定を効率良く行うことができる。
【0078】
(5)結び:
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、複数の画像読取装置300についてスキャンデータSC1の送信先を効率良く設定可能な技術等を提供することができる。むろん、独立請求項に係る構成要件のみからなる技術でも、上述した基本的な作用、効果が得られる。
また、上述した例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術及び上述した例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も実施可能である。本発明は、これらの構成等も含まれる。
【符号の説明】
【0079】
100…クラウドサーバー、104…記憶部、105…ネットワークI/F、111…設定部、112…接続処理部、113…認証部、114…出力処理部、140…ユーザー情報、150…宛先情報、151…第一宛先情報、152…第二宛先情報、153…第三宛先情報、160…クラウドストレージ宛情報、170…接続情報、180…処理設定情報、181…第一処理設定情報、182…第二処理設定情報、183…第三処理設定情報、200…情報処理装置、240…登録指示、250…複製指示、260…取得要求、
300…画像読取装置、301…第一画像読取装置、302…第二画像読取装置、303…第三画像読取装置、400…クラウドストレージ、401…第一クラウドストレージ、402…第二クラウドストレージ、403…第三クラウドストレージ、PR1…管理プログラム、PR2…制御プログラム、SC1…スキャンデータ、SY1…画像読取システム。