(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-30
(45)【発行日】2025-07-08
(54)【発明の名称】遠隔支援システム、遠隔支援方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/09 20060101AFI20250701BHJP
【FI】
G08G1/09 V
(21)【出願番号】P 2022149059
(22)【出願日】2022-09-20
【審査請求日】2024-09-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 宏充
(72)【発明者】
【氏名】浦野 博充
【審査官】菅家 裕輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-175209(JP,A)
【文献】特開2021-33523(JP,A)
【文献】特開2022-63472(JP,A)
【文献】特開2020-61121(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0051171(US,A1)
【文献】特開2021-26696(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
B60W 10/00 - 60/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のオペレータによる車両の遠隔支援機能を提供する遠隔支援システムであって、
前記複数のオペレータの各々について、前回処理した遠隔支援要求の対象となった前回支援シーンについての複数の特徴要素ごとの特徴量を管理するデータベースを記憶した記憶装置と、
1又は複数のプロセッサと、
を備え、
前記1又は複数のプロセッサは、
車両からの新たな遠隔支援要求を受けて、前記新たな遠隔支援要求の対象となる今回支援シーンに対して類似判断の指標とする1又は複数の指標要素を特定する処理と、
前記1又は複数の指標要素の前記特徴量に基づいて、前記複数のオペレータのうち前記前回支援シーンが前記今回支援シーンと類似する1又は複数の候補オペレータを特定する処理と、
前記1又は複数の候補オペレータから前記新たな遠隔支援要求を処理するオペレータを選択する処理と、
を実行するように構成されている
ことを特徴とする遠隔支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の遠隔支援システムであって、
前記1又は複数の指標要素を特定する処理は、特定された前記1又は複数の指標要素の優先順位を設定することをさらに含み、
前記1又は複数の候補オペレータを特定する処理は、
前記優先順位に従う指標要素の順に前記今回支援シーンに対する前記特徴量の類似判断を行い、前記前回支援シーンが前記今回支援シーンと類似しないと判断されたオペレータを類似判断の対象とする判断対象オペレータから順次除くことと、
前記判断対象オペレータが1人となったこと、又は前記1又は複数の指標要素のすべてについて前記特徴量の類似判断が行われたことを受けて、前記判断対象オペレータを前記1又は複数の候補オペレータとすることと、
を含む
ことを特徴とする遠隔支援システム。
【請求項3】
請求項1に記載の遠隔支援システムであって、
前記1又は複数の候補オペレータを特定する処理は、
前記複数のオペレータの各々について、前記1又は複数の指標要素の前記特徴量に基づいて、前記前回支援シーンと前記今回支援シーンの類似度を算出することと、
前記類似度が所定の閾値以上となるオペレータを前記1又は複数の候補オペレータとすることと、
を含む
ことを特徴とする遠隔支援システム。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の遠隔支援システムであって、
前記1又は複数の候補オペレータを特定する処理は、前記前回支援シーンが前記データベースで管理されていないオペレータを前記1又は複数の候補オペレータとすることをさらに含む
ことを特徴とする遠隔支援システム。
【請求項5】
複数のオペレータによる車両の遠隔支援機能をコンピュータにより提供する遠隔支援方法であって、
前記複数のオペレータの各々について、前回処理した遠隔支援要求の対象となった前回支援シーンについての複数の特徴要素ごとの特徴量を管理することと、
車両からの新たな遠隔支援要求を受けて、前記新たな遠隔支援要求の対象となる今回支援シーンに対して類似判断の指標とする1又は複数の指標要素を特定することと、
前記1又は複数の指標要素の前記特徴量に基づいて、前記複数のオペレータのうち前記前回支援シーンが前記今回支援シーンと類似する1又は複数の候補オペレータを特定することと、
前記1又は複数の候補オペレータから前記新たな遠隔支援要求を処理するオペレータを選択することと、
を含むことを特徴とする遠隔支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両の遠隔支援の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、遠隔支援要求を発する自動運転車両に対して、複数のオペレータから遠隔支援要求を処理するオペレータを選択して割り当てる遠隔支援システムが考えられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、目標ルート上の遠隔指示地点状況を認識する遠隔指示地点状況認識部と、目標ルート上の遠隔指示地点状況に対する遠隔コマンダ(オペレータ)の監視開始時刻及び監視終了時刻を予測する時刻予測部と、複数の自動運転車両における遠隔指示地点状況の監視開始時刻及び監視終了時刻に基づいて、監視開始時刻と監視終了時刻との間の時間である監視時間を複数人の遠隔コマンダ(オペレータ)に割り当てる監視時間割当部と、を備える遠隔支援指示システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
遠隔支援要求は様々なシーンにおいて様々な自動運転車両から発せられることが想定される。このため、遠隔支援要求に応じて都度無作為に割り当てるオペレータを選択することとすると、オペレータは、次々と様々な交通環境を認識することや様々なタスクに対応することが求められる。延いては、オペレータは、専任的に1つの自動運転車両を遠隔支援する場合と比べて、非常に大きな負担を感じてしまう虞がある。
【0006】
本開示の1つの目的は、上記の課題を鑑み、遠隔支援要求を発する自動運転車両に対して複数のオペレータから遠隔支援要求を処理するオペレータを選択して割り当てる場合において、オペレータの負担を低減することができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の観点は、複数のオペレータによる車両の遠隔支援機能を提供する遠隔支援システムに関する。
【0008】
第1の観点に係る遠隔支援システムは、複数のオペレータの各々について、前回処理した遠隔支援要求の対象となった前回支援シーンについての複数の特徴要素ごとの特徴量を管理するデータベースを記憶した記憶装置と、1又は複数のプロセッサと、を備え、1又は複数のプロセッサは、車両からの新たな遠隔支援要求を受けて、新たな遠隔支援要求の対象となる今回支援シーンに対して類似判断の指標とする1又は複数の指標要素を特定する処理と、特定された1又は複数の指標要素の特徴量に基づいて、複数のオペレータのうち前回支援シーンが今回支援シーンと類似する1又は複数の候補オペレータを特定する処理と、特定された1又は複数の候補オペレータから新たな遠隔支援要求を処理するオペレータを選択する処理と、を実行するように構成されていることを特徴とする。
【0009】
本開示の第2の観点は、複数のオペレータによる車両の遠隔支援機能をコンピュータにより提供する遠隔支援方法に関する。
【0010】
第2の観点に係る遠隔支援方法は、複数のオペレータの各々について、前回処理した遠隔支援要求の対象となった前回支援シーンについての複数の特徴要素ごとの特徴量を管理することと、車両からの新たな遠隔支援要求を受けて、新たな遠隔支援要求の対象となる今回支援シーンに対して類似判断の指標とする1又は複数の指標要素を特定することと、特定された1又は複数の指標要素の特徴量に基づいて、複数のオペレータのうち前回支援シーンが今回支援シーンと類似する1又は複数の候補オペレータを特定することと、特定された1又は複数の候補オペレータから新たな遠隔支援要求を処理するオペレータを選択することと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、特定された1又は複数の指標要素の特徴量に基づいて、複数のオペレータのうち前回支援シーンが新たな遠隔支援要求の対象となる今回支援シーンと類似する1又は複数の候補オペレータが特定される。このように特定された1又は複数の候補オペレータは、新たな遠隔支援要求を処理する際の負担が他のオペレータと比べて少ないことが期待される。そして、1又は複数の候補オペレータから新たな遠隔支援要求を処理するオペレータが選択される。これにより、複数のオペレータの各々の負担を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施形態に係る遠隔支援システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】自動運転車両が発する遠隔支援要求の種類と内容の一例、及び特徴要素と特徴要素ごとの取り得る特徴量の一例を示す表である。
【
図3】遠隔支援要求の種類ごとに指標要素を規定したリストの一例を示す図である。
【
図4】本実施形態に係る遠隔支援システムの実施例を示す概念図である。
【
図5】本実施形態に係る遠隔支援サーバの構成を示すブロック図である。
【
図6】本実施形態に係る遠隔支援サーバが実行する処理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本実施形態について説明する。
【0014】
1.構成
図1は、本実施形態に係る遠隔支援システム10の構成を示すブロック図である。本実施形態に係る遠隔支援システム10は、複数のオペレータ320による車両100の遠隔支援機能を提供する。より具体的には、本実施形態に係る遠隔支援システム10は、遠隔支援要求を発する車両100に対して、複数のオペレータ320から遠隔支援要求を処理するオペレータ320を選択して割り当てる。そして、割り当てられたオペレータ320(以下、「割当オペレータ」とも称する。)は、遠隔支援端末310を操作することにより、遠隔支援要求を発する車両100の遠隔支援を行う。
【0015】
本実施形態において、車両100は、自動運転車両である。つまり、車両100は、自動運転機能により、周辺環境の認識、認識結果に応じた運転判断、及び運転判断に応じた自律走行を行う。そして、車両100は、自動運転機能において、運転判断を行うことができない又は難しい場合に遠隔支援要求を発する。以下、車両100を自動運転車両100と称する。
【0016】
図2の(A)に、自動運転車両100が発する遠隔支援要求の種類と内容の一例を示す。例えば、自動運転車両100が横断歩道付近で横断歩道の近くにいる歩行者を認識した場合において、歩行者が横断歩道を横断することとなるか否かについて十分な確度が与えられないとき、自動運転車両100は、「横断歩道通過許可」の遠隔支援要求を発する。また例えば、自動運転車両100が乗客を降ろすためのドアを開扉しようとする場合において、ドアの開扉が周囲に干渉しないタイミングを十分な確度で判断できないとき、自動運転車両100は、「ドア開閉許可」の遠隔支援要求を発する。なお、自動運転車両100は、同時に複数の種類の遠隔支援要求を発しても良い。例えば、自動運転車両100は、同時に「ドア開閉許可」と「ドア開閉注意喚起」の遠隔支援要求を発しても良い。
【0017】
再度
図1を参照する。自動運転車両100は、センサ101と、記憶装置102と、制御装置103と、通信装置104と、を備えている。制御装置103は、センサ101、記憶装置102、及び通信装置104と、互いに情報を伝達することができるように接続している(
図1中太線)。例えば、制御装置103は、CAN(Control Area Network)等で構成された車載ネットワークを介してこれらの装置と接続している。
【0018】
センサ101は、周辺環境や道路構造を認識するためのセンサである。センサ101として、LiDAR(Light Detection And Ranging)、レーダ、カメラ等が例示される。センサ101の認識情報は、制御装置103に伝達される。
【0019】
記憶装置102は、自動運転機能に係るデータを格納する。記憶装置102は、例えば、HDDやSSD等の記録媒体で構成される。特に、記憶装置102は、地図情報105を格納している。地図情報105は、典型的には、道路や構造物等の地図上の位置を示す情報である。制御装置103は、記憶装置102にアクセスすることで、地図情報105を取得することができる。
【0020】
通信装置104は、自動運転車両100の外部の装置と通信して情報を送受信する。特に、通信装置104は、遠隔支援サーバ200及び遠隔支援端末310と通信を行う装置を含んでいる。例えば、通信装置104は、移動体通信ネットワーク及びインターネットを介して遠隔支援サーバ200及び遠隔支援端末310と通信を行う。なお、通信装置104は、割当オペレータが決定されたことを受けて、割当オペレータに対応する遠隔支援端末310と通信を開始するように構成されていて良い。通信装置104が受信する情報は、制御装置103に伝達される。
【0021】
制御装置103は、センサ101の認識情報や地図情報105に基づいて、自動運転機能に係る処理を実行する。つまり、制御装置103が処理を実行することにより、自動運転車両100の自動運転が実現される。制御装置103は、例えば、1又は複数の車載ECU(Electronic Control Unit)で構成される。特に制御装置103は、自動運転機能において、運転判断を行うことができない又は難しい場合に遠隔支援要求を生成する処理を実行する。そして、制御装置103は、生成した遠隔支援要求を、通信装置104を介して遠隔支援サーバ200に送信する。その後、制御装置103は、通信装置104を介して遠隔支援要求に対する割当オペレータの判断を受信し、割当オペレータの判断に応じて自動運転車両100を自律走行させる。
【0022】
ここで、制御装置103は、遠隔支援要求を遠隔支援サーバ200に送信するとき、さらに遠隔支援要求の対象となるシーンを表す情報(シーン情報)を遠隔支援サーバ200に送信するように構成される。シーン情報として、LiDARが検出する点群データ、カメラが撮像する画像データ、自動運転車両100の地図上の位置、自動運転車両100の周辺の地図情報105、自動運転車両100の属性(車両諸元やボディタイプ等)、乗客に関する情報(人数、属性、位置、状態等)等が例示される。これらのシーン情報は、制御装置103の処理結果やセンサ101の認識情報として得ることができる。
【0023】
本実施形態に係る遠隔支援システム10において、遠隔支援機能は、遠隔支援サーバ200が処理を実行することにより実現される。遠隔支援サーバ200は、典型的には、インターネットを介してアクセス可能なコンピュータである。この場合、遠隔支援サーバ200は、クラウドサーバであっても良いし、専用サーバであっても良い。特に、遠隔支援サーバ200は、自動運転車両100及び遠隔支援端末310と通信を行うことができるように構成される。遠隔支援サーバ200の構成については後述する。
【0024】
遠隔支援サーバ200が実行する処理は、割り当て可能オペレータ特定処理部P202と、シーン特徴算出処理部P203と、指標要素特定処理部P204と、類似判断処理部P205と、割当オペレータ決定処理部P206と、遠隔支援実施処理部P207と、により構成される。
【0025】
割り当て可能オペレータ特定処理部P202は、自動運転車両100からの新たな遠隔支援要求を受けて、複数のオペレータ320のうち割り当てが可能なオペレータ320を特定する。例えば、割り当て可能オペレータ特定処理部P202は、複数のオペレータ320の遠隔支援状況に基づいて、現時点で遠隔支援を行っていないオペレータ320、又は遠隔支援を行っているが他の遠隔支援の割り込みが許可されているオペレータ320を1人以上特定する。割り当てが可能なオペレータ320が1人もいない場合、割り当て可能オペレータ特定処理部P202は、割り当てが可能なオペレータが1人以上となるまで処理を待機するように構成されていても良い。あるいは、割り当て可能オペレータ特定処理部P202は、自動運転車両100からの遠隔支援要求を棄却するように構成されていても良い。
【0026】
シーン特徴算出処理部P203は、自動運転車両100から受信するシーン情報に基づいて、今回受信した遠隔支援要求の対象となるシーンの特徴(シーン特徴)を算出する。ここで、シーン特徴は、複数の特徴要素ごとの特徴量の組み合わせで表される。
図2の(B)に、特徴要素と特徴要素ごとの取り得る特徴量の一例を示す。例えば、シーン特徴算出処理部P203は、シーン情報として取得する自動運転車両100の位置や地図情報105から、「運行エリア」の特徴量をエリアAと算出する。
【0027】
表1に、シーン特徴算出処理部P203が算出するシーン特徴の一例を示す。表1に示すシーン特徴は、例えば、中型バスである自動運転車両100が、エリアAのバス停B付近で「バス停発進許可」の遠隔支援要求を発する場合である。
【0028】
【0029】
なお、遠隔支援サーバ200は、シーン特徴を、シーン情報として取得するように構成されていても良い。この場合、シーン特徴算出処理部P203は、自動運転車両100において実現される。例えば、自動運転車両100の制御装置103により実現される。また1又は複数の特徴要素は、本実施形態に係る遠隔支援システム10を適用する環境に応じてあらかじめ定められていても良いし、今回受信した遠隔支援要求の種類に応じて定められても良い。
【0030】
また、
図2の(B)に示す取り得る特徴量の態様は一例であり、他の態様を採用しても良い。例えば、
図2の(B)に示すそれぞれの特徴要素の特徴量は、次のように他の態様を採用することもできる。
【0031】
「確認対象(注視方向)」の特徴量は、オペレータ320に映像を提示するカメラの組み合わせを表す2進数で表現することもできる。「運行エリア」の特徴量は、緯度経度の最大値最小値で表現することもできる。「場所」の特徴量は、緯度経度(GPS位置)や地図上の相対位置(ローカライズ位置)で表現することもできる。「道路形状」の特徴量は、曲率や道路幅、車線数、分岐数等を表す数値で表現することもできる。「車両形状」の特徴量は、全長や全幅、車種等を表す数値で表現することもできる。「周辺物標」の特徴量は、物標の種類や相対位置、相対速度等を物標ごとに表すベクトル情報のリストで表現することもできる。「乗客」の特徴量は、それぞれの情報を車室内に認識している乗客ごとに表すベクトル情報のリストで表現することもできる。
【0032】
再度
図1を参照する。指標要素特定処理部P204は、複数の特徴要素のうち、今回受信した遠隔支援要求の対象となるシーンに対して類似判断の指標とする1又は複数の指標要素を特定する。例えば、指標要素特定処理部P204は、今回受信した遠隔支援要求の種類に応じて1又は複数の指標要素を特定する。この場合、指標要素特定処理部P204は、遠隔支援要求の種類ごとに指標要素を規定したリストを参照することで、1又は複数の指標要素を特定することができる。
【0033】
図3の(A)に、遠隔支援要求の種類ごとに指標要素を規定したリストの一例を示す。
図3の(A)に示すリストでは、遠隔支援要求の種類に対して、チェックマークが記載された特徴要素が指標要素として規定される。例えば、今回受信した遠隔支援要求の種類が「交差点発進許可」であるとき、指標要素特定処理部P204は、「確認対象」、「運行エリア」、「場所」、「道路形状」、「周辺物標」を指標要素として特定する。
【0034】
指標要素特定処理部P204は、さらに特定された1又は複数の指標要素について優先順位を設定するように構成されていても良い。例えば、指標要素特定処理部P204は、遠隔支援要求の種類ごとに指標要素及び優先順位を規定したリストを参照することで、1又は複数の指標要素の特定と優先順位の設定をすることができる。
【0035】
図3の(B)に、遠隔支援要求の種類ごとに指標要素及び優先順位を規定したリストの一例を示す。
図3の(B)に示すリストでは、遠隔支援要求の種類に対して、数値が記載された特徴要素が指標要素として規定され、また数値により指標要素の優先順位が規定される。例えば、今回受信した遠隔支援要求の種類が「乗客着席注意喚起」であるとき、指標要素特定処理部P204は、「確認対象」、「車両形状」、「乗客」を指標要素として特定し、優先順位を順に1、2、3と設定する。
【0036】
なお、
図3の(A)及び(B)に示すようなリストは、遠隔支援システム10を適用する環境に応じてあらかじめ与えられていて良い。ここで遠隔支援要求の種類に対して規定される指標要素は、複数の特徴要素のうち、オペレータ320が当該種類の遠隔支援要求を処理する際の負担に関わる特徴要素として良い。また優先順位は、オペレータ320が当該種類の遠隔支援要求を処理する際の負担への影響の大きさの順であって良い。
【0037】
再度
図1を参照する。類似判断処理部P205は、割り当てが可能なオペレータ320の各々について、オペレータ320が前回処理した遠隔支援要求の対象となったシーン(以下、「前回支援シーン」と称する。)と今回受信した遠隔支援要求の対象となるシーン(以下、「今回支援シーン」と称する。)の類似判断を行う。そして、類似判断処理部P205は、割り当てが可能なオペレータ320のうち、前回支援シーンが今回支援シーンと類似するオペレータ320(以下、「候補オペレータ」と称する。)を処理結果として出力する。
【0038】
類似判断処理部P205は、前回支援シーンのシーン特徴と、今回支援シーンのシーン特徴と、を比較することにより類似判断を行う。ここで、複数のオペレータ320の各々の前回支援シーンのシーン特徴は、シーン特徴データベース215として管理されている。つまり、類似判断処理部P205は、シーン特徴データベース215を参照することにより、割り当てが可能なオペレータ320の各々について、前回支援シーンのシーン特徴を取得することができる。
【0039】
特に、類似判断処理部P205は、特定された1又は複数の指標要素の特徴量に基づいて類似判断を行う。以下、
図4の(A)及び(B)を参照して、類似判断処理部P205の処理の一例について説明する。
図4の(A)及び(B)は、それぞれ、今回支援シーンのシーン特徴と割り当てが可能なオペレータ320の前回支援シーンのシーン特徴の例を示している。なお、
図4の(A)及び(B)では、割り当てが可能なオペレータ320は、320a、320b、及び320cの3人である。また
図4の(A)及び(B)では、特定された1又は複数の指標要素に優先順位が設定されている。
【0040】
まず
図4の(A)を参照する。類似判断処理部P205は、優先順位に従う指標要素の順に今回支援シーンに対する特徴量の類似判断を行う。従って、類似判断処理部P205は、まず優先順位が1である「確認対象」の特徴量の類似判断を行う。ここで、類似判断処理部P205は、特徴量が一致することから類似するか否かを判断することができる。よって、類似判断処理部P205は、「確認対象」の特徴量の類似判断により、オペレータ320bは前回支援シーンが今回支援シーンと類似しないと判断することができる。次に、類似判断処理部P205は、優先順位が2である「運行エリア」の特徴量の類似判断を行う。このとき、類似判断処理部P205は、オペレータ320bを類似判断の対象から除いていて良い。類似判断処理部P205は、「運行エリア」の特徴量の類似判断により、オペレータ320cは前回支援シーンが今回支援シーンと類似しないと判断することができる。この時点で、割り当てが可能なオペレータ320のうち、前回支援シーンが今回支援シーンと類似しないと判断されていないオペレータ320(以下、「判断対象オペレータ」と称する。)は、オペレータ320aのみとなる。従って、類似判断処理部P205は、オペレータ320aを候補オペレータとする。
【0041】
次に
図4の(B)を参照する。
図4の(A)で説明した場合と同様に類似判断を行うこととすると、
図4の(B)に示す例では、類似判断処理部P205は、オペレータ320cを候補オペレータとすることがわかる。
【0042】
なお、特定された1又は複数の指標要素のすべてについて特徴量の類似判断が行われた時点で、複数の判断対象オペレータが残る場合、類似判断処理部P205は、残った複数の判断対象オペレータを候補オペレータとして良い。また、ある特徴量の類似判断により判断対象オペレータが1人もいなくなる場合、類似判断処理部P205は、その特徴量についての類似判断をスキップするように構成されていて良い。これにより、候補オペレータが1人もいなくなるという事態を回避することができる。
【0043】
このように類似判断処理部P205は、特定された1又は複数の指標要素の特徴量に基づいて類似判断を行う。一方で、類似判断処理部P205は、指標要素でない特徴要素については類似判断を行わない。これにより、類似判断処理部P205により特定された候補オペレータは、今回受信した遠隔支援要求を処理する際の負担が他のオペレータ320よりも少ないことが期待できる。
【0044】
例えば、
図4の(A)に示す例は、自動運転車両100が「交差点発進許可」の遠隔支援要求を発する場合と考えることができる。この場合、指標要素となる「確認対象」や「運行エリア」は、オペレータ320が遠隔支援要求を処理する際の負担への影響が大きいと考えられる。一方で、「車両形状」や「乗客」は、オペレータ320が遠隔支援要求を処理する際の負担への影響はほとんどないと考えられる。そして、
図4の(A)に示す例では、今回支援シーンと同じエリアで車外交通の確認及び判断をしていたオペレータ320aが候補オペレータとなっている。オペレータ320aは、「交差点発進許可」の遠隔支援要求を処理するに当たって、地区特有の交通環境に馴染みのある状態で遠隔支援を開始することができる。延いては、オペレータ320aは、今回受信した遠隔支援要求を処理する際の負担が少ないことが期待されるのである。
【0045】
また例えば、
図4の(B)に示す例は、自動運転車両100が「乗客着席注意喚起」の遠隔支援要求を発する場合と考えることができる。この場合、指標要素となる「確認対象」や「車両形状」は、オペレータ320が遠隔支援要求を処理する際の負担への影響が大きいと考えられる。一方で、「運行エリア」や「場所」は、オペレータ320が遠隔支援要求を処理する際の負担への影響はほとんどないと考えられる。そして、
図4の(B)に示す例では、今回支援シーンと同じ車両形状の車両について車室内の確認及び判断をしていたオペレータ320cが候補オペレータとなっている。オペレータ320cは、「乗客着席注意喚起」の遠隔支援要求を処理するに当たって、車両の構造に馴染みのある状態で遠隔支援を開始することができる。延いては、オペレータ320cは、今回受信した遠隔支援要求を処理する際の負担が少ないことが期待されるのである。
【0046】
さらに、
図4の(A)及び(B)に示す例では、優先順位に従う指標要素の順に今回支援シーンに対する特徴量の類似判断が行われている。このように類似判断を行うことで、前回支援シーンが今回支援シーンと遠隔支援要求を処理する際の負担への影響が大きい指標要素について特に類似しているオペレータ320を優先的に候補オペレータとして特定することができる。延いては、今回受信した遠隔支援要求を処理する際の負担がより少ないオペレータ320を優先的に候補オペレータとして特定することができる。
【0047】
例えば、
図4の(A)に示す例では、オペレータ320bは、オペレータ320aよりも類似する指標要素の数は多い。しかし、オペレータ320bは、最も優先順位が高く、遠隔支援要求を処理する際の負担への影響が大きい指標要素である「確認対象」について、今回支援シーンと類似していない。従って、オペレータ320bは、オペレータ320aよりも遠隔支援要求を処理する際の負担が大きいことが想定される。このように、
図4の(A)に示す例では、今回受信した遠隔支援要求を処理する際の負担がより少ないことが想定されるオペレータ320aを適切に候補オペレータとして特定できていることがわかる。
【0048】
類似判断処理部P205は、特定された1又は複数の指標要素の特徴量に基づく類似判断について、他の観点による処理を採用することも可能である。
【0049】
他の観点の1つは、割り当てが可能なオペレータ320の各々について、特定された1又は複数の指標要素の特徴量に基づいて、前回支援シーンと今回支援シーンの類似度を算出することである。
【0050】
例えば、類似判断処理部P205は、1又は複数の指標要素の各々について、あらかじめ定められた基準に従って前回支援シーンの特徴量と今回支援シーンの特徴量の類似の程度を示す類似ポイントを算出し、1又は複数の指標要素の各々についての類似ポイントの合計を類似度として算出することができる。この場合、あらかじめ定められた基準とは、例えば「確認対象」の指標要素について、「車外交通」と「車室内」の間の類似ポイントは1ポイント、「車外交通」で一致するときの類似ポイントは3ポイント等を与えるものである。また例えば、特徴量が数値で表現されている場合、類似判断処理部P205は、1又は複数の指標要素の各々について、前回支援シーンの特徴量と今回支援シーンの特徴量の差分や所定の空間上の距離を算出し、1又は複数の指標要素の各々についての差分又は距離の合計の逆数を類似度として算出することができる。またさらに、類似判断処理部P205は、1又は複数の指標要素の各々の類似ポイントや差分又は距離に重みをかけて合計を算出するように構成されていても良い。この場合、指標要素特定処理部P204は、特定された1又は複数の指標要素について重み付けを行うように構成されていて良い。例えば、指標要素特定処理部P204は、
図3の(B)と同様に遠隔支援要求の種類に対して重みを示す数値が与えられたリストを参照することで、1又は複数の指標要素の特定と重み付けを行うことができる。このように重みをかけて合計を算出することで、遠隔支援要求を処理する際の負担への影響が大きい指標要素の類似度に対する寄与を、より大きくすることができる。
【0051】
そして、類似判断処理部P205は、類似度が所定の閾値以上となるオペレータ320を候補オペレータとする。ここで、所定の閾値は、遠隔支援システム10を適用する環境に応じて好適に定められて良い。またこのとき、類似判断処理部P205は、特定した1又は複数の候補オペレータの各々の類似度を処理結果として出力するように構成されていても良い。このように類似判断を行うことで、今回受信した遠隔支援要求を処理する際の負担が一定以上かかるオペレータ320が候補オペレータとして特定されることを抑制することができる。
【0052】
なおこの観点では、類似判断処理部P205は、類似度が最大となるオペレータ320を候補オペレータとするように構成することも可能である。
【0053】
またこれらの観点は、組み合わせて採用することも可能である。例えば、類似判断処理部P205は、割り当てが可能なオペレータ320のうち類似度が所定の閾値以上となるオペレータ320について、優先順位に従う指標要素の順に今回支援シーンに対する特徴量の類似判断を行うように構成することができる。
【0054】
さらに、類似判断処理部P205は、前回支援シーンがシーン特徴データベース215で管理されていないオペレータ320を候補オペレータの1人とするように構成されていても良い。このように構成することで、初めて遠隔支援を行うオペレータ320が候補オペレータとして一向に特定されないといった事態を回避することができる。
【0055】
またこのような構成において、類似判断処理部P205は、特定された1又は複数の候補オペレータのうち前回支援シーンがシーン特徴データベース215で管理されていないオペレータ320の類似度を最も高く算出するように構成されていても良い。このようなオペレータ320は、先入観のない状態で遠隔支援を開始することができ、どのような遠隔支援要求に対しても負担が少ないことが期待できるためである。
【0056】
あるいは、類似判断処理部P205は、このようなオペレータ320の類似度を一定の高さの値で算出するように構成されていても良い。きわめて類似度が高い候補オペレータは、このようなオペレータ320よりもさらに負担が少ないことが期待できることを考慮するためである。
【0057】
以上説明したように、類似判断処理部P205は、処理結果として特定された1又は複数の候補オペレータを出力する。
【0058】
再度
図1を参照する。割当オペレータ決定処理部P206は、1又は複数の候補オペレータから選択するオペレータ320を、割当オペレータとして決定する。特定された候補オペレータが1人である場合、割当オペレータ決定処理部P206は、その1人の候補オペレータを選択するように構成されていて良い。複数の候補オペレータが特定されている場合、割当オペレータ決定処理部P206は、例えば、複数の候補オペレータからランダムにオペレータ320を選択する。あるいは、類似判断処理部P205が処理結果として複数の候補オペレータの各々の類似度を出力する場合、割当オペレータ決定処理部P206は、類似度が最も高い候補オペレータを選択するように構成されていても良い。またあるいは、割当オペレータ決定処理部P206は、これまでの遠隔支援の割り当て回数等の他の指標に基づいてオペレータ320を選択するように構成されていても良い。例えば、割当オペレータ決定処理部P206は、遠隔支援の割り当て回数の偏りが低減するようにオペレータ320を選択する。
【0059】
遠隔支援実施処理部P207は、決定された割当オペレータに対応する遠隔支援端末310に、今回受信した遠隔支援要求を発する自動運転車両100の遠隔支援が割り当てられたことを通知する。遠隔支援端末310は、通知を受けて、自動運転車両100との通信を開始する。これにより、遠隔支援端末310と自動運転車両100との間の遠隔支援が実施される。遠隔支援端末310は、遠隔支援に必要な情報をオペレータ320に提示し、オペレータ320の遠隔支援に係る操作(例えば、遠隔支援要求に対する判断の入力)を受け付ける。遠隔支援端末310が受け付けた遠隔支援に係る操作は、自動運転車両100に送信される。これにより、割当オペレータによる自動運転車両100の遠隔支援が実現される。
【0060】
また遠隔支援実施処理部P207は、今回支援シーンのシーン特徴を、割当オペレータについての前回支援シーンのシーン特徴として、シーン特徴データベース215を更新する。これにより、シーン特徴データベース215を構築することができる。
【0061】
以上説明したように、本実施形態に係る遠隔支援システム10が構成される。なお、本実施形態に係る遠隔支援システム10において、遠隔支援の対象となる自動運転車両100は、一般に、複数であって良い。
【0062】
次に、
図5を参照して、遠隔支援サーバ200の構成について説明する。
図5は、遠隔支援サーバ200の構成の好ましい一例を示すブロック図である。遠隔支援サーバ200は、処理部210と、通信部220と、を備えている。
【0063】
通信部220は、遠隔支援サーバ200の外部の装置と通信して情報を送受信する。特に、通信部220は、自動運転車両100及び遠隔支援端末310と通信を行う。典型的には、通信部220は、インターネットを介して自動運転車両100及び遠隔支援端末310と通信を行う。通信部220により、遠隔支援要求やシーン情報の受信、遠隔支援端末310に対する遠隔支援の割り当ての通知の送信が実現される。
【0064】
処理部210は、遠隔支援機能に係る処理を実行する。処理部210は、記憶装置211と、プロセッサ216と、を含むコンピュータである。
【0065】
記憶装置211は、プロセッサ216と結合し、プロセッサ216により実行可能な複数のインストラクション213と、処理の実行に必要な種々のデータ214と、を記憶している。記憶装置211は、ROM、RAM、HDD,SSD等の記録媒体で構成することができる。
【0066】
複数のインストラクション213は、コンピュータプログラム212により与えられる。また複数のインストラクション213は、プロセッサ216に、遠隔支援機能に係る処理を実行させるように構成されている。つまり、複数のインストラクション213に従ってプロセッサ216が動作することにより、プロセッサ216は、割り当て可能オペレータ特定処理部P202、シーン特徴算出処理部P203、指標要素特定処理部P204、類似判断処理部P205、割当オペレータ決定処理部P206、及び遠隔支援実施処理部P207として機能する。プロセッサ216は、演算装置やレジスタ等を含むCPU等で構成することができる。
【0067】
データ214は、遠隔支援サーバ200が取得する情報やコンピュータプログラム212のパラメータ情報等を含んでいる。特に、データ214は、シーン特徴データベース215を含んでいる。シーン特徴データベース215は、プロセッサ216が実行する処理により更新される。
【0068】
ここで、シーン特徴データベース215は、複数のオペレータ320の各々について前回支援シーンのシーン特徴を保持しつづけるように構成されていても良いし、プロセッサ216が実行する処理により一部のオペレータ320について前回支援シーンのシーン特徴が削除されるように構成されていても良い。例えば、プロセッサ216は、次のようにシーン特徴データベース215で管理されるシーン特徴を削除する処理を実行するように構成されていても良い。
【0069】
1つの例は、前回更新されてから一定時間が経過したオペレータ320についてのシーン特徴を削除することである。
【0070】
また1つの例は、離席や休憩を行ったオペレータ320についてのシーン特徴を削除することである。この場合、離席や休憩の判定は、一定時間遠隔支援端末310の操作が行われていないことや、オペレータ320による明示の操作(例えば、離席ボタンが押された等)が行われたことを検出することで可能である。
【0071】
また1つの例は、1日の業務が終了したオペレータ320、又は1日の業務を開始するオペレータ320についてのシーン特徴を削除することである。
【0072】
このようにシーン特徴を削除する処理を実行するようにプロセッサ216を構成することで、前回支援シーンの感覚が残っていないことが想定されるオペレータ320を表現することができる。なお、このようなオペレータ320はどのような遠隔支援要求に対しても負担が少ないことが期待できることから、上記と同様の場合においてシーン特徴を削除する代わりに、複数の特徴要素の各々の特徴量をいずれの特徴量にも類似する特別な値に更新する処理を実行するようにプロセッサ216を構成することも考えられる。
【0073】
以上説明したように、遠隔支援サーバ200が構成される。
【0074】
2.処理
以下、遠隔支援サーバ200が実行する処理について説明する。
【0075】
図6は、遠隔支援サーバ200が実行する処理、より具体的にはプロセッサ216が実行する処理を示すフローチャートである。
図6に示すフローチャートは、典型的には、自動運転車両100から新たな遠隔支援要求を受信したときに開始する。
【0076】
ステップS100で、遠隔支援サーバ200は、割り当て可能オペレータ特定処理部P202により、複数のオペレータ320のうち割り当てが可能なオペレータ320を特定する。ステップS200で、遠隔支援サーバ200は、シーン特徴算出処理部P203により、今回支援シーンのシーン特徴を算出する。ステップS300で、遠隔支援サーバ200は、指標要素特定処理部P204により、今回支援シーンに対して類似判断の指標とする1又は複数の指標要素を特定する。ここで、ステップS100、S200、及びS300に係る処理は、順不同で実行されて良い。あるいは、ステップS100、S200、及びS300に係る処理は、並列に実行されて良い。
【0077】
次にステップS400で、遠隔支援サーバ200は、類似判断処理部P205により、特定された1又は複数の指標要素の特徴量に基づいて類似判断を行い、割り当てが可能なオペレータ320から1又は複数の候補オペレータを特定する。
【0078】
次にステップS500で、遠隔支援サーバ200は、割当オペレータ決定処理部P206により、特定された1又は複数の候補オペレータから今回受信した遠隔支援要求を処理するオペレータ320を選択する。
【0079】
次にステップS600で、遠隔支援サーバ200は、遠隔支援実施処理部P207により、決定された割当オペレータに自動運転車両100の遠隔支援を割り当てる。
【0080】
次にステップS700で、遠隔支援サーバ200は、遠隔支援実施処理部P207により、今回支援シーンの特徴を、割当オペレータについての前回支援シーンのシーン特徴として、シーン特徴データベース215を更新する。ステップS700の後、今回処理は終了する。
【0081】
以上説明したように、遠隔支援サーバ200(プロセッサ216)により処理が実行される。またこのように遠隔支援サーバ200が処理を実行することにより、本実施形態に係る遠隔支援機能をコンピュータにより提供する遠隔支援方法が実現される。
【符号の説明】
【0082】
100 車両
200 遠隔支援サーバ
310 遠隔支援端末
320 オペレータ
210 処理部
211 記憶装置
216 プロセッサ
220 通信部