(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-30
(45)【発行日】2025-07-08
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20250701BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2022508158
(86)(22)【出願日】2021-02-19
(86)【国際出願番号】 JP2021006507
(87)【国際公開番号】W WO2021187012
(87)【国際公開日】2021-09-23
【審査請求日】2024-01-10
(31)【優先権主張番号】P 2020045223
(32)【優先日】2020-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】谷 英明
【審査官】石川 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-108854(JP,A)
【文献】特開2016-103079(JP,A)
【文献】特開2019-168815(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の利用者が利用する所定の設備に関する、利用者の利用マナーに関連する利用者情報を取得する利用者情報取得手段と、
前記利用者情報に応じたマナースコアを算出して蓄積するマナースコア管理手段と、
利用者ごとに過去のマナースコアと今回のマナースコアとの比較を行い、比較結果を生成するマナースコア比較手段と、
前記比較結果に応じた情報を
、前記設備を利用する複数の利用者に
認識可能に提示する情報提示手段と、
を備える、
情報処理システム。
【請求項2】
前記情報提示手段は、複数の前記利用者それぞれの前記比較結果に応じた情報を同時に提示する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記利用者情報から利用者を認識する認識手段をさらに備え、
前記マナースコア管理手段は、算出したマナースコアを認識された利用者と紐づけて蓄積する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記マナースコア比較手段は、過去のマナースコアに紐づけられた利用者と今回のマナースコアに紐づけられた利用者とが一致した場合に、過去のマナースコアと今回のマナースコアとの比較を行う、
請求項
3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記利用者情報取得手段は、カメラ、音センサ、振動センサの少なくとも1つを含む、
請求項1~
4のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記利用者情報取得手段は、利用者周辺の画像を取得するカメラであり、
前記認識手段は、前記カメラにより撮影された画像から利用者を認識する、
請求項
3又は
4に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記情報提示手段は、前記比較結果に応じた、警告情報、表彰情報及び利用マナー改善のアドバイス情報の少なくとも1つを提示する、
請求項1~
6のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
コンピュータが、
複数の利用者が利用する所定の設備に関する、利用者の利用マナーに関連する利用者情報を取得し、
前記利用者情報に応じたマナースコアを算出して蓄積し、
利用者ごとに過去のマナースコアと今回のマナースコアとの比較を行い、比較結果に応じた情報を
、前記設備を利用する複数の利用者に
認識可能に提示する、
情報処理方法。
【請求項9】
複数の利用者が利用する所定の設備に関する、利用者の利用マナーに関連する利用者情報を取得し、
前記利用者情報に応じたマナースコアを算出して蓄積し、
利用者ごとに過去のマナースコアと今回のマナースコアとの比較を行い、比較結果に応じた情報を
、前記設備を利用する複数の利用者に
認識可能に提示する、
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、交通機関やエスカレータ等の利用者のマナーを管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
交通機関やエスカレータ等の利用マナーを向上させるため、ポスター掲示等で利用者に注意を促す方法があるが、精神論を説くだけでは効果が上がっていないのが現状である。また、例えば、エスカレータのマナー違反(乗り出し、駆け上り/駆け下り)を物理的に抑制する方法はコストが嵩むだけでなく、乗車効率の低下や予想外の事故を併発する怖れもあり、採用される可能性は小さい。
【0003】
特許文献1には、エスカレータを利用する乗客の安全を確保するために、画像処理結果に基づいてエスカレータ制御を行う技術が開示されている。特許文献1では、カメラによって取得された画像を処理してエスカレータの乗客の非定常な動作を検知し、乗客の異常乗車の事例に応じて乗客へ注意喚起を行うとともに、エスカレータの適応的な制御を行っている。
【0004】
また、特許文献2では、利用者がサービスを利用している際のマナーに関連する利用者の行動、利用者の周囲の状況を検知し、利用者の行動および周囲の状況に応じて算出されたマナーポイントに応じて、利用者が受けられるサービスの質を制御する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2009-120327号公報
【文献】特開2012-150557号公報
【発明の概要】
【0006】
上述の通り、エスカレータ等の利用マナーの向上が求められる中、ルールを強制するだけでは利用マナーの改善効果は薄い。特許文献1、2では、利用者の利用状況に応じて、利用者への注意喚起を行っているものの、利用客の利用マナーの改善状況を管理することはできない。
【0007】
本開示の目的は、上述した問題を鑑み、利用客の利用マナーの改善状況を管理することができる情報処理システム、情報処理方法及びプログラムを提供することにある。
【0008】
本開示に係る情報処理システムは、利用者の利用マナーに関連する利用者情報を取得する利用者情報取得手段と、前記利用者情報に応じたマナースコアを算出して蓄積するマナースコア管理手段と、利用者ごとに過去のマナースコアと今回のマナースコアとの比較を行い、比較結果を生成するマナースコア比較手段と、前記比較結果に応じた情報を利用者に提示する情報提示手段とを備えるものである。
【0009】
本開示に係る情報処理方法は、利用者の利用マナーに関連する利用者情報を取得し、前記利用者情報に応じたマナースコアを算出して蓄積し、利用者ごとに過去のマナースコアと今回のマナースコアとの比較を行い、比較結果に応じた情報を利用者に提示する。
【0010】
本開示に係るプログラムは、利用者の利用マナーに関連する利用者情報を取得し、前記利用者情報に応じたマナースコアを算出して蓄積し、利用者ごとに過去のマナースコアと今回のマナースコアとの比較を行い、比較結果に応じた情報を利用者に提示する処理をコンピュータに実行させるものである。
【0011】
本開示によれば、利用客の利用マナーの改善状況を管理することができる情報処理システム、情報処理方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施の形態に係る情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】実施例に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【
図3】実施の形態に係る情報処理システムの全体の処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。
【0014】
実施の形態は、交通機関やエスカレータ等の利用者のマナーを管理する技術に関する。
図1は、実施の形態に係る情報処理システム10の構成の一例を機能ブロックで表した図である。
図1に示すように、情報処理システム10は、利用者情報取得手段1、マナースコア管理手段2、マナースコア比較手段3、情報提示手段4を備える。
【0015】
利用者情報取得手段1は、利用者の利用マナーに関連する利用者情報を取得し、マナースコア管理手段2に送信する。マナースコア管理手段2は、利用者情報取得手段1から入力された利用者情報に応じたマナースコアを算出して蓄積する。マナースコア比較手段3は、利用者ごとに過去のマナースコアと今回のマナースコアとの比較を行い、比較結果を生成する。生成された比較結果は、情報提示手段4に入力される。
【0016】
情報提示手段4は、マナースコア比較手段3から入力された比較結果に応じた情報を利用者に提示する。このように、利用者ごとに過去と今回のマナースコアを比較することで、エスカレータ等の利用マナーの改善状況を把握することができ、マナー改善に対する気付きを与えることができ、結果的にマナー向上を達成することが可能となる。
【0017】
次に、
図2を参照して、情報処理システム10の具体的な実施例について説明する。
図2は、実施例に係る情報処理システム10の構成の一例を示す図である。ここでは、情報処理システム10は、エスカレータEを利用する利用者Uの利用マナーの改善状況を管理するものとする。
【0018】
情報処理システム10は、カメラ11、音センサ12、振動センサ13、サーバ14、蓄積装置15、ディスプレイ16を備える。ここでは、カメラ11、音センサ12、振動センサ13が、利用者の利用マナーに関連する利用者情報を取得する利用者情報取得手段1として機能する。なお、利用者情報取得手段1は、カメラ11、音センサ12、振動センサ13のうち少なくとも1つを備えていればよく、温度センサや圧力センサ等の他のセンサを含んでいてもよい。
【0019】
カメラ11、音センサ12、振動センサ13は、1人又は複数の利用者Uそれぞれの利用情報を取得する。具体的には、カメラ11は、エスカレータEを利用して移動する利用者Uを撮影して、画像を取得する。カメラ11で撮影された画像は、サーバ14に送信される。また、音センサ12は、利用者Uが発する音を含む周囲の音を集音する。振動センサ13は、利用者Uの動作により生じるエスカレータEの踏み板やハンドレール等の振動を検知する。これらのセンサデータも、サーバ14に送信される。なお、カメラ11、音センサ12、振動センサ13の設置場所は、利用者Uの利用情報を取得可能な場所であれば、特に限定されない。
【0020】
サーバ14は、利用者情報から利用者を認識する認識手段の役割を果たす。例えば、サーバ14は、カメラにより撮影された画像から利用者Uの特徴(例えば、目、鼻等の形及び位置など)を抽出し、予め記憶された利用者の特徴と比較することで利用者を認識することができる。なお、撮影された画像から利用者を認識する処理は、カメラ11内部に組み込まれた画像処理装置により実行することも可能である。
【0021】
サーバ14は、受信した映像から利用者Uの位置を把握するとともに、騒音や振動の発生時刻及び位置と突き合わせ、利用者U毎の挙動を把握する。また、サーバ14は、蓄積装置15に保存されたマナー評価ルールを参照して、利用者Uごとに利用者情報に応じたマナースコアを算出する。算出されたマナースコアは、認識された利用者Uと紐づけられ、蓄積装置15に蓄積される。
【0022】
マナー評価ルールにおいて、例えば、一定速度で運行しているエスカレータの踏板上に利用者Uが正立していて、踏板の動きと利用者Uの動きが定常である状態はプラススコアとすることができる。これに対し、例えば、ハンドレールへの乗り出し、ベビーカーやスーツケースなどのエスカレータ乗車規定外物の乗り入れ等の禁止行為や、踏板上での逆走や順方向駆け上がりや順方向駆け下り等の危険行為を含むマナー違反となる行為は、マイナススコアとすることができる。
【0023】
そして、サーバ14は、利用者ごとに蓄積装置15に蓄積された過去のマナースコアと今回のマナースコアとの比較を行い、比較結果を生成する。すなわち、実施の形態では、サーバ14は、認識手段、マナースコア管理手段2、マナースコア比較手段3の機能を担っている。
【0024】
ディスプレイ(デジタルサイネージ)16は、エスカレータEを利用中の利用者Uから見える位置に設置される。ディスプレイ16は、通常、サーバ14で折り返した、カメラ11で撮影したエスカレータEの映像を表示する。
【0025】
サーバ14は、利用者UがエスカレータEを降りる直前又は直後のタイミング、利用者Uのマナースコアが極端な値である場合(例えば、乗り出しなどの禁止行為や、逆走などの危険行為が検出された場合)、あるいは、その他所定のタイミングにおいて、ディスプレイ16上の利用者Uの映像の近傍にエスカレータEの利用開始から終了までのマナースコアの値、又は一時的な突出値、をディスプレイ16に表示する。
【0026】
また、ディスプレイ16には、サーバ14で生成された比較結果が入力される。ディスプレイ16は、比較結果に応じた、警告情報、表彰情報(評価語「GOOD!」など)、利用マナー改善のアドバイス情報などをCGによりオーバレイ処理で表示を行い、利用者U本人及び周囲の利用者に知らしめることができる。これにより、利用者Uが、過去の乗車マナーから今回の乗車マナーがどの程度改善したかを認識することができる。
【0027】
ここで、
図3を参照して、情報処理システム10の全体の処理の流れについて説明する。
図3は、情報処理システム10の全体の処理の流れを示すシーケンス図である。まず、カメラ11、音センサ12、振動センサ13が、エスカレータEに乗車する利用者Uを監視し、利用者情報を取得する(S11)。取得された利用者情報は、サーバ14に送信される(S12)。
【0028】
サーバ14は、利用者情報を解析し、蓄積装置15に格納されたマナー評価ルールを参照して、マナースコアを算出する(S13)。また、サーバ14は、利用者情報から利用者Uを認識し、算出したマナースコアと認識された利用者Uとを紐づけて蓄積装置15に蓄積する(S14)。そして、算出されたマナースコアの値やマナースコアに応じた警告情報、表彰情報等がディスプレイ16に表示され、利用者Uに提示される(S15)。
【0029】
例えば、サーバ14は、カメラ11から入力された映像から、現在どの位置に利用者Uがいるのかを特定する。さらに、サーバ14は、利用者Uの位置と、音センサ12や振動センサ13を設置した位置との対応で、音センサ12で取得した音及び/又は振動センサ13で取得した振動情報との関係を特定する。
【0030】
そして、サーバ14は、蓄積装置15に保存されたマナー評価ルールを用いて、マナースコアを算出する。例えば、サーバ14は、踏板上の立ち位置は安全か、手や頭がエスカレータの外に出ていないか、前を見ていないか、危険な速度で駆け上り又は駆け下りをしていないか、逆走していないか、許容範囲を超えた騒音や振動を出していないか等を判定する。
【0031】
この算出したマナースコアが極端に悪い場合、すなわち、利用者Uが乗車マナーを大きく逸脱している場合、サーバ14はディスプレイ16上の利用者Uの表示位置の近傍に警告情報をオーバレイ表示する。また、利用者UがエスカレータEを降りる直前又は直後のタイミングで、サーバ14は利用者Uの利用開始から終了までのマナースコアを、所定のルールで、総合スコアとして算出し、ディスプレイ上の乗客の表示位置の近傍にオーバレイ表示することも可能である。総合スコアは、例えば、最高値、最低値、平均値などの形で集計したスコア値とすることができる。
【0032】
所定の閾値を越えた高得点の利用者Uに対しては、CGで表彰メッセージやデコレーションをディスプレイ16に送出して、マナーの良い利用を褒めたたえることができる。また、情報処理システム10にスピーカをさらに追加して、マナーの良い利用に対して表彰メロディを発生させることもできる。また、マナースコアに応じて、リワード(値引き、クーポン配布等)を付け、利用者Uの利用マナーの改善に対するモチベーションを向上させることも可能である。
【0033】
なお、エスカレータE上に利用者Uが複数いる場合、マナーの採点や、警告情報、表彰情報等の表示は同時並列的に行うことができる。これにより、マナーの良い利用者Uの行為が評価され、反対にマナーの悪い利用者Uは改善を促される。また、マナーの悪い利用者Uに対しては、潜在リスクのイメージや、より良い乗り方をCGで生成し、ディスプレイ16上にオーバレイ表示して、利用マナーの改善のアドバイスを与えることもできる。
【0034】
次に、蓄積装置15に利用者Uの過去のマナースコアが存在する場合について説明する。サーバ14に利用者情報が送信されると(S21)、サーバ14は今回の利用者情報を解析してマナースコアを算出する(S22)。また、サーバ14は、利用者情報から利用者Uを認識し、算出したマナースコアと認識された利用者Uとを紐づける。今回の利用者情報から認識される利用者Uと、過去のマナースコアに紐づけられた利用者とが一致した場合、サーバ14は、過去のマナースコアと今回のマナースコアとの比較を行う(S23)。
【0035】
そして、比較結果に応じた警告情報、表彰情報等がディスプレイ16に表示され、利用者Uに提示される(S24)。このように、過去と今回のマナースコアを比較することで、過去の乗車マナーからの改善点や改悪点を指摘して、マナー改善に対する気付きを利用者Uに与えることができ、結果的にマナー向上を達成することが可能となる。
【0036】
なお、実施の形態に係る情報処理システム10の具体的なハードウェア構成は、さまざまなバリエーションが含まれ、特定の構成に限定されない。例えば、本開示に係る装置は、ソフトウェアを用いて実現されてもよく、複数のハードウェアを用いて各種処理を分担するように構成されてもよい。各構成要素は、単一の回路(プロセッサ等)によって構成されてもよいし、複数の回路の組み合わせによって構成されてもよい。ここでいう回路(circuitry)は、専用又は汎用のいずれであってもよい。
【0037】
本実施の形態に係るプログラムは、コンピュータに、
図3に示す処理を実行させるプログラムであれば良い。上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0038】
以上説明したように、実施の形態では、マナー順守を強制するのではなく、個々の利用者Uのエスカレータの乗車状況をカメラやセンサでモニタして採点し、利用者U本人(及び周囲の利用者)に伝えることでマナー改善への気付きを与えることができる。また、マナースコアに応じたリワードを得る等のゲーム的な要素を取り入れることで、楽しみながら利用マナーを向上させることが可能となる。
【0039】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。上述の実施の形態では、エスカレータの利用マナー向上を対象としているが、原理的には、多数の利用者が利用するため、マナー順守が求められるものに適用することが可能である。例えば、本発明は、交通機関や食堂の利用マナーの改善を促す場合等に適用可能である。
【0040】
道路上の車両の運転マナーの改善を促す場合、車両の運行状況(例えば、クラクション、エンジン音等の騒音、交差点での信号待ち、割り込み、ハイビーム等)を監視し、採点を行うことができる。この場合、車両の運転者の認定は、撮影した画像から運転者の顔を認識してもよく、例えば、車両のナンバープレートのナンバーを読みとって車両を特定し、運転者を推定してもよい。
【0041】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0042】
この出願は、2020年3月16日に出願された日本出願特願2020-045223を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0043】
1 利用者情報取得手段
2 マナースコア管理手段
3 マナースコア比較手段
4 情報提示手段
10 情報処理システム
11 カメラ
12 音センサ
13 振動センサ
14 サーバ
15 蓄積装置
16 ディスプレイ
U 利用者
E エスカレータ