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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-30
(45)【発行日】2025-07-08
(54)【発明の名称】供給システム及び水素調理システム
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04 20160101AFI20250701BHJP
   H01M 8/2475 20160101ALI20250701BHJP
   H01M 8/0432 20160101ALI20250701BHJP
   H01M 8/04701 20160101ALI20250701BHJP
   H01M 8/04746 20160101ALI20250701BHJP
   H01M 8/04694 20160101ALI20250701BHJP
   H01M 8/0444 20160101ALI20250701BHJP
   H01M 8/04858 20160101ALI20250701BHJP
   H01M 8/00 20160101ALI20250701BHJP
   H01M 8/04225 20160101ALI20250701BHJP
   H01M 8/04302 20160101ALI20250701BHJP
   F24C 15/10 20060101ALI20250701BHJP
   F24C 15/08 20060101ALI20250701BHJP
   H01M 8/10 20160101ALN20250701BHJP
【FI】
H01M8/04 Z
H01M8/2475
H01M8/0432
H01M8/04701
H01M8/04746
H01M8/04694
H01M8/0444
H01M8/04858
H01M8/00 Z
H01M8/04225
H01M8/04302
F24C15/10 B
F24C15/08 F
H01M8/10 101
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2023038128
(22)【出願日】2023-03-10
(65)【公開番号】P2024128864
(43)【公開日】2024-09-24
【審査請求日】2024-04-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【弁理士】
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【識別番号】100203264
【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 未久
(72)【発明者】
【氏名】中村 匡
(72)【発明者】
【氏名】岩本 全弘
(72)【発明者】
【氏名】片岡 孝生
(72)【発明者】
【氏名】中島 智樹
【審査官】橋本 敏行
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-203584(JP,A)
【文献】特開2006-166606(JP,A)
【文献】特開2023-025057(JP,A)
【文献】特開平06-060894(JP,A)
【文献】特開2002-280044(JP,A)
【文献】特開平11-102717(JP,A)
【文献】特開2020-048247(JP,A)
【文献】特開平10-253017(JP,A)
【文献】特開平10-255829(JP,A)
【文献】特開平09-092318(JP,A)
【文献】特開2006-034036(JP,A)
【文献】特開2002-321682(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/00-8/2495
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの車輪を有する可搬型の第1筐体と、前記第1筐体に収容される少なくとも1つの水素カートリッジとを備える水素モジュールと、
少なくとも1つの車輪を有する可搬型の第2筐体と、前記第2筐体に収容される燃料電池とを備える燃料電池モジュールと
を含み、
前記燃料電池モジュールと前記水素モジュールとは、機械的及び電気的に接続され、
前記燃料電池は、前記水素モジュールから供給される水素ガスによって発電可能であり、
前記燃料電池モジュールは、
第1コネクタと、
前記第1コネクタが他のモジュールに接続されると、前記他のモジュールを認証する認証処理を実行する制御部とをさらに備え、前記他のモジュールの認証が成功した場合、前記他のモジュールは、正規の水素モジュールであり、
前記制御部は、前記他のモジュールの認証が成功した場合、前記他のモジュールから前記燃料電池モジュールへの水素ガスの供給を受ける、供給システム。
【請求項2】
前記第1筐体は、透明性を有するカバーをさらに有する、請求項1に記載の供給システム。
【請求項3】
前記第1筐体は、前記水素カートリッジを挿入可能な挿入口と、前記挿入口を開放状態又は閉鎖状態に切り替え可能なシャッターとをさらに有する、請求項1に記載の供給システム。
【請求項4】
前記第1筐体は、前記挿入口が位置する第1面と、前記第1面に対向する第2面とを含み、
前記少なくとも1つの車輪は、前記第2面の縁部に設けられる、請求項3に記載の供給システム。
【請求項5】
前記水素モジュールは、
前記第1筐体の内部を冷却可能な冷却ファンと、
前記第1筐体の内部の温度を測定可能な温度センサと、
前記温度センサによって測定された前記第1筐体の内部の温度が温度閾値を超えた場合、前記冷却ファンによって前記第1筐体の内部を冷却する制御部とをさらに備える、請求項1に記載の供給システム。
【請求項6】
前記冷却ファン、前記温度センサ及び前記制御部は、前記燃料電池モジュールから供給される電力によって動作する、請求項5に記載の供給システム。
【請求項7】
前記水素モジュールは、
前記第1筐体の内部に漏洩した水素ガスを検出可能な水素センサと、
前記第1筐体の内部に漏洩した水素ガスが前記水素センサによって検出された場合、報知処理を実行する制御部とをさらに備える、請求項1に記載の供給システム。
【請求項8】
前記水素センサ及び前記制御部は、前記燃料電池モジュールから供給される電力によって動作する、請求項7に記載の供給システム。
【請求項9】
前記第1筐体は、前記第1筐体に対して出し入れ可能な第1ハンドルをさらに有する、請求項1に記載の供給システム。
【請求項10】
前記水素モジュールは、
ブレーキ装置と、
前記第1ハンドルが前記第1筐体に入れられると前記水素カートリッジからの水素ガスを前記ブレーキ装置に供給する切り替え弁とをさらに備え、
前記ブレーキ装置は、
前記車輪の回転軸に取り付けられるロータと、
前記ブレーキ装置に供給される水素ガスの圧力によって前記ロータに押し当てられるパットとを備える、請求項9に記載の供給システム。
【請求項11】
前記切り替え弁は、前記第1ハンドルが前記第1筐体から出されると、前記ブレーキ装置の内部の水素ガスを前記第1筐体に接続された他のモジュールに供給する、請求項10に記載の供給システム。
【請求項12】
前記第2筐体は、前記第2筐体に対して出し入れ可能な第2ハンドルをさらに備える、請求項1に記載の供給システム。
【請求項13】
前記燃料電池モジュールは、
前記第2筐体が有する前記少なくとも1つの車輪を回転可能なモータであって、前記燃料電池が発電した電力によって駆動可能なモータと、
前記第2筐体を牽引する牽引力を測定可能なセンサと、
前記第2ハンドルが前記第2筐体から出されると、前記センサが測定した前記牽引力の測定結果に基づいて前記モータの回転数を決定し、決定した前記回転数で前記モータを回転させる制御部とをさらに備える、請求項12に記載の供給システム。
【請求項14】
前記制御部は、前記第2ハンドルが前記第2筐体に入れられると、前記モータを停止させる、請求項13に記載の供給システム。
【請求項15】
前記燃料電池モジュールは、
前記燃料電池を起動させるスイッチと、
報知部と、
前記燃料電池が正常に起動したか否かを前記報知部に報知させる制御部とをさらに備える、請求項1に記載の供給システム。
【請求項16】
前記燃料電池モジュールは、
近距離無線通信を実行可能な通信部と、
前記燃料電池の運転に関する情報をユーザの端末装置に前記通信部によって送信する制御部とをさらに備える、請求項1に記載の供給システム。
【請求項17】
少なくとも1つの車輪を有する可搬型の第1筐体と、前記第1筐体に収容される少なくとも1つの水素カートリッジとを備える水素モジュールと、
少なくとも1つの車輪を有する可搬型の第2筐体と、前記第2筐体に収容される燃料電池とを備える燃料電池モジュールと
を含み、
前記燃料電池モジュールと前記水素モジュールとは、機械的及び電気的に接続され、
前記燃料電池は、前記水素モジュールから供給される水素ガスによって発電可能であり、
前記第1筐体は、前記第1筐体に対して出し入れ可能な第1ハンドルをさらに有し、
前記水素モジュールは、
ブレーキ装置と、
前記第1ハンドルが前記第1筐体に入れられると前記水素カートリッジからの水素ガスを前記ブレーキ装置に供給する切り替え弁とをさらに備え、
前記ブレーキ装置は、
前記車輪の回転軸に取り付けられるロータと、
前記ブレーキ装置に供給される水素ガスの圧力によって前記ロータに押し当てられるパットとを備える、供給システム。
【請求項18】
少なくとも1つの車輪を有する可搬型の第1筐体と、前記第1筐体に収容される少なくとも1つの水素カートリッジとを備える水素モジュールと、
少なくとも1つの車輪を有する可搬型の第2筐体と、前記第2筐体に収容される燃料電池とを備える燃料電池モジュールと
を含み、
前記燃料電池モジュールと前記水素モジュールとは、機械的及び電気的に接続され、
前記燃料電池は、前記水素モジュールから供給される水素ガスによって発電可能であり、
前記第2筐体は、前記第2筐体に対して出し入れ可能な第2ハンドルをさらに備え、
前記燃料電池モジュールは、
前記第2筐体が有する前記少なくとも1つの車輪を回転可能なモータであって、前記燃料電池が発電した電力によって駆動可能なモータと、
前記第2筐体を牽引する牽引力を測定可能なセンサと、
前記第2ハンドルが前記第2筐体から出されると、前記センサが測定した前記牽引力の測定結果に基づいて前記モータの回転数を決定し、決定した前記回転数で前記モータを回転させる制御部とをさらに備える、供給システム。
【請求項19】
前記第1筐体のサイズと前記第2筐体のサイズとは、同じである、請求項1から18までの何れか一項に記載の供給システム。
【請求項20】
請求項1に記載の供給システムと、調理システムとを含み、
前記調理システムは、
前記供給システムから供給される電力によって加熱調理を実行可能な第1調理器と、
前記供給システムから供給される水素ガスの圧力を所定の圧力まで減圧する減圧弁と、
前記減圧弁によって減圧された後の水素ガスを燃焼させることにより加熱調理を実行可能な第2調理器とを含む、水素調理システム。
【請求項21】
前記調理システムは、前記水素モジュール及び前記燃料電池モジュールを収容可能な収容部をさらに含む、請求項20に記載の水素調理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、供給システム及び水素調理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、燃料を供給する技術が知られている。例えば、特許文献1には、燃料電池に燃料を供給する燃料電池用燃料カートリッジが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-200734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
環境への配慮から、水素調理器への関心が高まっている。水素調理器を使用する場所の自由度を高めるために、水素調理器に燃料を供給する供給システムの可搬性の改善が望まれている。
【0005】
かかる点に鑑みてなされた本開示の目的は、供給システムの可搬性を改善することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る供給システムは、少なくとも1つの車輪を有する可搬型の第1筐体と、前記第1筐体に収容される少なくとも1つの水素カートリッジとを備える水素モジュールと、少なくとも1つの車輪を有する可搬型の第2筐体と、前記第2筐体に収容される燃料電池とを備える燃料電池モジュールとを含む。前記燃料電池モジュールと前記水素モジュールとは、機械的及び電気的に接続される。前記燃料電池は、前記水素モジュールから供給される水素ガスによって発電可能である。
【0007】
本開示の一実施形態に係る水素調理システムは、前記供給システムと、調理システムとを含む。前記調理システムは、前記供給システムから供給される電力によって加熱調理を実行可能な第1調理器と、前記供給システムから供給される水素ガスの圧力を所定の圧力まで減圧する減圧弁と、前記減圧弁によって減圧された後の水素ガスを燃焼させることにより加熱調理を実行可能な第2調理器とを含む。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一実施形態によれば、供給システムの可搬性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の一実施形態に係る水素調理システムの概略構成を示す図である。
図2図1に示す水素調理システムを背面側から見た図である。
図3図1に示す水素調理システムのブロック図である。
図4図1に示す水素モジュール及び燃料電池モジュールの外観構成を示す図である。
図5図4に示す水素モジュールの使用例である。
図6図4に示す水素モジュールのブロック図である。
図7図4に示す燃料電池モジュールを背面側から見た図である。
図8図4に示す燃料電池モジュールのブロック図である。
図9】本開示の変形例に係る水素モジュールの外観構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示に係る実施形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
図1に示すような本実施形態に係る水素調理システム1は、屋外等の任意の場所で使用されてよい。図2に示すように、水素調理システム1は、調理システム2と、供給システム3とを含む。図2には、後述の水素モジュール20及び燃料電池モジュール70を調理システム2に収容した状態を示す。
【0012】
(調理システムの構成)
ユーザは、調理システム2を利用して食材を調理することができる。調理システム2には、図2に示すような配管4を介して供給システム3から水素ガス及び電力が供給される。配管4は、任意の金属材料で構成されてよい。配管4は、例えば、3つの端部を含む。ただし、配管4は、水素調理システム1の構成に応じて、任意の数の端部を含んでよい。
【0013】
図1に示すように、調理システム2は、第1調理器10と、第2調理器11と、調理台13と、2つの脚部14と、板部15と、収容部16と、4つの車輪17とを含む。図3に示すように、調理システム2は、減圧弁12を含む。本実施形態では、調理システム2は、4つの車輪17を含む。ただし、調理システム2は、例えば調理台13の形状等に応じては、少なくとも1つの車輪17を含めばよい。
【0014】
第1調理器10には、図3に示すように、供給システム3から電力が供給される。第1調理器10は、電力によって加熱調理を実行可能である。第1調理器10は、電力によって加熱調理を実行可能であれば、任意の調理器であってよい。第1調理器10は、例えば、電磁調理器又は電気調理器等である。電気調理器は、例えば、ホットプレート、電気炊飯器又はスチームコンベクションオーブン等である。図1に示すように、第1調理器10は、調理台13に配置される。第1調理器10は、調理台13に組み込まれてよい。
【0015】
第2調理器11には、図3に示すように、減圧弁12を介して供給システム3から水素ガスが供給される。第2調理器11は、水素ガスを燃焼させることにより加熱調理を実行可能である。第2調理器11は、水素ガスを燃焼させることにより加熱調理を実行可能であれば、任意の調理器であってよい。第2調理器11は、例えば、グリル調理器である。図1に示すように、第2調理器11は、調理台13に配置される。
【0016】
減圧弁12には、図3に示すように、供給システム3から水素ガスが供給される。減圧弁12は、供給システム3から供給される水素ガスの圧力を所定の圧力まで減圧する。所定の圧力は、第2調理器11の種類に応じて設定されてよい。例えば、減圧弁12には、供給システム3から0.2[MPa]程度の圧力の水素ガスが供給される。この場合、第2調理器11がグリル調理器であるとき、減圧弁12は、水素ガスの圧力を0.002[MPa]程度まで減圧する。減圧弁12は、減圧した後の水素ガスを第2調理器11に供給する。減圧弁12は、図1に示すような調理台13に組み込まれてよい。
【0017】
調理台13には、図2に示すような配管4の端部が挿入される。配管4を介して調理台13に組み込まれた減圧弁12には、水素ガスが供給される。
【0018】
調理台13は、例えば、長方形の平板状である。調理台13は、4つの端部を含む。これら4つの端部のうちの対向する2つの端部には、それぞれ、脚部14が設けられる。
【0019】
2つの脚部14は、対向する。2つの脚部14は、それぞれ、対向する2つの端部を含む。脚部14に含まれる対向する2つの端部のうちの、一方の端部には調理台13が位置し、他方の端部には板部15が位置する。脚部14は、長方形の平板状のパネルを含んで構成されてよい。
【0020】
板部15は、例えば、長方形の平板状である。板部15の平面上のサイズは、調理台13の平面上のサイズと同程度であってよい。板部15は、4つの角部を含む。これら4つの角部には、それぞれ、車輪17が設けられる。
【0021】
収容部16は、後述の水素モジュール20及び燃料電池モジュール70を収容可能である。収容部16は、調理台13と、2つの脚部14と、板部15とによって囲まれる領域として特定されてよい。ユーザは、調理システム2を使用する際、水素モジュール20及び燃料電池モジュール70をまとめて収容部16に収容することができる。
【0022】
4つの車輪17は、調理台13に設けられる。本実施形態では、4つの車輪17は、脚部14及び板部15を介して調理台13に設けられる。つまり、本実施形態では、4つの車輪17は、それぞれ、板部15の4つの角部に設けられる。4つの車輪17は、それぞれ、同じ方向に回転可能に設けられる。車輪17が設けられることにより、ユーザは、調理システム2を容易に搬送することができる。
【0023】
(供給システムの構成)
供給システム3は、図2に示すように、水素モジュール20及び燃料電池モジュール70を含む。水素モジュール20と燃料電池モジュール70とは、後述の第1コネクタ40及び第2コネクタ82を介して、機械的及び電気的に接続される。また、水素モジュール20と燃料電池モジュール70とは、図2に示すような配管4を介して、水素ガスが流通可能に接続される。図2には、2つの水素モジュール20及び1つの燃料電池モジュール70を含む供給システム3が示される。ただし、供給システム3は、任意の数の水素モジュール20及び任意の数の燃料電池モジュール70を含んでよい。水素モジュール20は、図3に示すように、調理システム2及び燃料電池モジュール70に、水素ガスを供給する。燃料電池モジュール70は、水素モジュール20から供給される水素ガス等を用いて電力を発電する。燃料電池モジュール70は、発電した電力を水素モジュール20及び調理システム2に供給する。
【0024】
(水素モジュールの構成)
水素モジュール20には、図1に示すような水素カートリッジ21が収容される。水素カートリッジ21は、円筒状である。水素カートリッジ21には、70[MPa]程度の高圧の水素ガスが貯蔵される。水素カートリッジ21は、取っ手21Aを含む。
【0025】
水素モジュール20は、図4に示すように、第1筐体22を備える。本実施形態に係る第1筐体22は、2つの水素カートリッジ21を収容可能に構成される。ただし、第1筐体22は、少なくとも1つの水素カートリッジ21を収容可能に構成されればよい。
【0026】
第1筐体22は、可搬型である。本開示において「可搬型」とは、ユーザが運搬可能なサイズを意味する。一例として、可搬型の第1筐体22のサイズは、幅が30[cm]であり、高さが60[cm]であり、奥行きが60[cm]である。このようなサイズを第1筐体22が有することにより、ユーザは、一般的な車両の荷室に水素モジュール20を搭載することができる。ただし、可搬型の第1筐体22のサイズは、ユーザが運搬可能なサイズであれば、これに限定されない。他の例として、可搬型の第1筐体22のサイズは、幅が160[cm]以下、高さが160[cm]以下、奥行きが160[cm]以下の範囲で設定されてよい。
【0027】
第1筐体22は、直方体状である。直方体状である第1筐体22は、6つの面と、8つの角部とを含む。第1筐体22は、第1面22Aと、第1面22Aに対向する第2面22Bとを含む。第1筐体22は、プラスチック又は金属等の任意の材料で形成されてよい。
【0028】
第1筐体22は、フレーム23と、2つのカバー24と、2つの挿入口25と、シャッター26と、第1ハンドル27と、2つの車輪28と、取り出し口29とを有する。ただし、第1筐体22は、第1筐体22が少なくとも1つの水素カートリッジ21を収容可能に構成される場合、少なくとも1つの挿入口25を有すればよい。また、第1筐体22は、少なくとも1つの車輪28を有すればよい。
【0029】
フレーム23は、四角筒状である。四角筒状であるフレーム23は、4つの側面と、2つの開口部とを含む。この4つの側面は、上述した第1面22A及び第2面22Bを含む。フレーム23は、プラスチック等の任意の材料で形成されてよい。
【0030】
カバー24は、透明性を有する。カバー24は、透明性を有するプラスチック又はガラス等の任意の材料で形成されてよい。カバー24の透明性の度合いすなわち透明度は、水素モジュール20へ照射される直射日光を想定して設定されてよい。2つのカバー24は、それぞれ、フレーム23の2つの開口部に取り付けられる。カバー24が透明性を有することにより、ユーザは、カバー24から第1筐体22の内部に水素カートリッジ21が収容されているか否かを容易に確認することができる。また、第1筐体22がカバー24を有することにより、第1筐体22の内部に塵が入ることを防ぐことができる。
【0031】
2つの挿入口25は、第1面22Aに位置する。挿入口25から水素カートリッジ21を挿入可能である。つまり、ユーザは、この挿入口25から水素カートリッジ21を第1筐体22に挿入することができる。ユーザは、水素カートリッジ21を第1筐体22に挿入した後、水素カートリッジ21の取っ手21Aをひねることにより、水素カートリッジ21を所定方向に90度回転させる。水素モジュール20は、水素カートリッジ21が所定方向に90度回転されると、水素カートリッジ21が第1筐体22の内部に固定されるように構成される。
【0032】
シャッター26は、挿入口25を開放状態又は閉鎖状態に切り替え可能である。ユーザは、水素カートリッジ21を挿入口25に挿入する前、シャッター26を操作して挿入口25を開放状態にする。ユーザは、水素カートリッジ21を挿入口25に挿入した後、シャッター26を操作して挿入口25を閉鎖状態にする。第1筐体22がシャッター26を有することにより、挿入口25から第1筐体22の内部に塵が入ることを防ぐことができる。
【0033】
第1ハンドル27は、第1筐体22から出し入れ可能である。第1ハンドル27は、フレーム23に対してスライド式に設けられてよい。ユーザは、水素モジュール20を搬送する際、第1ハンドル27を第1筐体22から出す。ユーザは、第1ハンドル27を用いることにより、水素モジュール20を容易に搬送することができる。また、ユーザは、水素モジュール20を図2に示すように調理システム2の収容部16に収容する際、第1ハンドル27を第1筐体22に入れる。第1ハンドル27が第1筐体22に入れられることにより、水素モジュール20をコンパクトに収容部16に収容することができる。
【0034】
2つの車輪28は、それぞれ、同じ方向に回転可能に第1筐体22に設けられる。また、2つの車輪28は、それぞれ、第2面22Bの縁部に設けられる。本実施形態では、2つの車輪28は、それぞれ、第2面22Bの縁部として2つの角部に設けられる。ここで、挿入口25が位置する第1面22Aと、車輪28がその縁部に設けられる第2面22Bとは、対向する。そのため、ユーザは、図5に示すように、車輪28を支点として、挿入口25が上を向く位置まで第1筐体22を回転させることができる。挿入口25が上を向くことにより、ユーザは、挿入口25の上から水素カートリッジ21を第1筐体22の内部に容易に挿入することができる。
【0035】
取り出し口29から、水素モジュール20に貯蔵された水素ガスが取り出される。取り出し口29は、図2に示すように第2面22Bに設けられる。取り出し口29には、配管4の端部が挿入される。水素モジュール20の水素ガスは、配管4を介して燃料電池モジュール70及び調理システム2に供給される。図2では、配管4は、供給システム3に含まれる2つの水素モジュール20のうちの、1つの水素モジュール20の取り出し口29に挿入される。ただし、配管4は、供給システム3に含まれる全ての水素モジュール20の取り出し口29のそれぞれに挿入されてもよい。
【0036】
図6に示すように、水素モジュール20は、検出装置30と、第1コネクタ40と、接続装置41と、監視装置44とを備える。水素モジュール20は、調圧システム50と、タンク51と、ブースター52と、逆止弁53と、切り替え弁54と、フィルタ55と、逆止弁56と、ブレーキ装置60とを備える。図6において、実線は、水素ガスの流れを示す。破線は、制御の流れを示す。
【0037】
検出装置30は、第1筐体22の内部に配置される。検出装置30は、第1筐体22の内部における水素ガス漏れを検出したり、第1筐体22の内部の温度異常を検出したりすることができる。
【0038】
検出装置30には、後述の接続装置41を介して燃料電池モジュール70から電力が供給される。検出装置30が備える後述のブザー31等の各構成要素は、燃料電池モジュール70から供給される電力によって動作する。検出装置30の各構成要素が燃料電池モジュール70から供給される電力によって動作することにより、検出装置30は、バッテリを備えなくてよくなる。検出装置30がバッテリを備えないことにより、第1筐体22の内部に漏洩した水素ガスがバッテリの熱によって着火することを防ぐことができる。したがって、水素モジュール20は、安全性に優れたものとなる。
【0039】
検出装置30は、ブザー31と、温度センサ32と、水素センサ33と、冷却ファン34と、通信部35と、記憶部36と、制御部37とを備える。
【0040】
ブザー31は、ブザー音を出力可能である。ブザー31は、制御部37の制御に基づいて、ブザー音を出力する。
【0041】
温度センサ32は、第1筐体22の内部の温度を測定可能である。温度センサ32は、第1筐体22の内部の温度の測定結果を制御部37に出力する。
【0042】
水素センサ33は、第1筐体22の内部に漏洩した水素ガスを検出可能である。水素センサ33は、第1筐体22の内部に水素ガスが漏洩したか否かを示す検出結果を制御部37に出力する。
【0043】
冷却ファン34は、第1筐体22の内部を冷却可能である。冷却ファン34は、制御部37の制御に基づいて、外部の空気を第1筐体22の内部に送風する。冷却ファン34は、外部の空気を第1筐体22の内部に送風することにより、第1筐体22の内部を冷却する。
【0044】
通信部35は、近距離無線通信を実行可能である。通信部35は、近距離無線通信を実行可能な少なくとも1つの通信モジュールを含んで構成される。通信モジュールは、Bluetooth(登録商標)又はWi-Fi(登録商標)等の近距離無線通信規格に対応した通信モジュールである。
【0045】
記憶部36は、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ又はこれらのうちの少なくとも2種類の組み合わせを含んで構成される。半導体メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)又はROM(Read Only Memory)等である。RAMは、例えば、SRAM(Static Random Access Memory)又はDRAM(Dynamic Random Access Memory)等である。ROMは、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等である。記憶部36は、主記憶装置、補助記憶装置又はキャッシュメモリとして機能してよい。記憶部36は、検出装置30の動作に用いられるデータと、検出装置30の動作によって得られたデータとを記憶する。
【0046】
制御部37は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの専用回路又はこれらの組み合わせを含んで構成される。プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)若しくはGPU(Graphics Processing Unit)等の汎用プロセッサ又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等である。制御部37は、検出装置30の各部を制御しながら、検出装置30の動作に関わる処理を実行する。
【0047】
制御部37は、温度センサ32から、温度センサ32によって測定された第1筐体22の内部の温度のデータを取得する。制御部37は、取得した第1筐体22の内部の温度が温度閾値を超えた場合、冷却ファン34によって第1筐体22の内部を冷却する。温度閾値は、水素ガスの保管に関する規則等に基づいて設定されてよい。温度閾値は、例えば、40℃である。第1筐体22の内部の温度が温度閾値を超えた場合に第1筐体22の内部が冷却されることにより、水素モジュール20は、高圧で水素ガスが貯蔵された水素カートリッジ21の保管に適したものとなる。
【0048】
制御部37は、水素センサ33から、水素ガスの検出結果を取得する。制御部37は、第1筐体22の内部に漏洩した水素ガスが水素センサ33によって検出された場合、報知処理を実行する。報知処理の一例として、制御部37は、ブザー31にブザー音を出力させる。報知処理の他の例として、制御部37は、水素ガスの漏洩を示すアラートをユーザの端末装置に通信部35によって送信する。このように第1筐体22の内部に漏洩した水素ガスが検出された場合に報知処理が実行されることにより、水素モジュール20は、安全性に優れたものとなる。
【0049】
第1コネクタ40は、燃料電池モジュール70の第2コネクタ82と接続可能に構成される。水素モジュール20には、第1コネクタ40及び第2コネクタ82を介して燃料電池モジュール70から電力が供給されてよい。
【0050】
接続装置41は、第1コネクタ40を介した燃料電池モジュール70との間の接続を制御する。接続装置41は、記憶部42及び制御部43を備える。
【0051】
記憶部42は、記憶部36と同じ又は類似に構成されてよい。記憶部42は、接続装置41の動作に用いられるデータと、接続装置41の動作によって得られたデータとを記憶する。例えば、記憶部42は、水素モジュール20の認証情報を記憶する。水素モジュール20の認証情報は、水素モジュール20が正規品であることを示す情報であれば、任意の情報であってよい。
【0052】
制御部43は、制御部37と同じ又は類似に構成されてよい。
【0053】
制御部43は、第1コネクタ40が他のコネクタに電気的に接続されたことを検出すると、記憶部42から、水素モジュール20の認証情報を取得する。制御部43は、取得した水素モジュール20の認証情報を、第1コネクタ40に電気的に接続された他のコネクタに送信する。このような構成により、第1コネクタ40が他のコネクタとして燃料電池モジュール70の第2コネクタ82に電気的に接続されると、水素モジュール20から燃料電池モジュール70へ水素モジュール20の認証情報が送信される。
【0054】
制御部43は、監視装置44から後述の水素ガス切れを示す信号を取得し得る。制御部43は、水素ガス切れを示す信号を取得すると、水素ガス切れを示す信号を第1コネクタ40を介して燃料電池モジュール70に送信する。
【0055】
監視装置44は、水素カートリッジ21の水素ガスの残量を監視する。監視装置44は、圧力センサ45と、記憶部46と、制御部47とを備える。
【0056】
圧力センサ45は、水素カートリッジ21と調圧システム50との間の任意の高圧配管に配置される。この高圧配管には、水素カートリッジ21に貯蔵された高圧の水素ガスが流通する。圧力センサ45は、高圧配管を流通する水素ガスの圧力を測定する。圧力センサ45は、水素ガスの圧力の測定結果を制御部47に出力する。
【0057】
記憶部46は、記憶部36と同じ又は類似に構成されてよい。記憶部46は、監視装置44の動作に用いられるデータと、監視装置44の動作によって得られたデータとを記憶する。
【0058】
制御部47は、制御部37と同じ又は類似に構成されてよい。
【0059】
制御部47は、圧力センサ45から、高圧配管を流通する水素ガスの圧力の測定結果を取得する。制御部47は、水素ガスの圧力の測定結果に基づいて、調圧システム50に水素ガスを供給している水素カートリッジ21の水素ガスの残量を監視する。制御部47は、調圧システム50に水素ガスを供給している水素カートリッジ21の水素ガスの残量が残量閾値以下になった場合、別の水素カートリッジ21に水素ガスが充填されているか否かを判定する。残量閾値は、水素カートリッジ21を切り替える制御にかかる時間等を考慮して設定されてよい。制御部47は、別の水素カートリッジ21に水素ガスが充填されていると判定した場合、調圧システム50に水素ガスを供給する水素カートリッジ21が別の水素カートリッジ21に切り替わるように制御する。一方、制御部47は、別の水素カートリッジ21に水素ガスが充填されていないと判定した場合、水素ガス切れを示す信号を接続装置41に出力する。
【0060】
調圧システム50には、水素カートリッジ21から水素ガスが供給される。調圧システム50は、供給された水素ガスの圧力を所定の圧力まで減圧する。所定の圧力は、燃料電池モジュール70が備える後述の燃料電池80の種類に応じて設定されてよい。例えば、調圧システム50は、水素カートリッジ21から70[MPa]程度の高圧の水素ガスが供給される場合、水素ガスの圧力を0.2[MPa]程度の圧力まで減圧する。調圧システム50は、減圧した後の水素ガスをタンク51及び取り出し口29に供給する。
【0061】
タンク51には、調圧システム50から水素ガスが供給される。タンク51は、供給された水素ガスを一時的に保持する。
【0062】
ブースター52は、タンク51に保持された水素ガスの圧力を所定の圧力まで加圧する。所定の圧力は、ブレーキ装置60の仕様に応じて設定されてよい。ブースター52は、加圧した後の水素ガスを逆止弁53に供給する。
【0063】
逆止弁53は、ブースター52と切り替え弁54との間に接続される。逆止弁53は、ブースター52から切り替え弁54への水素ガスの流入を許容する。逆止弁53は、切り替え弁54からブースター52への水素ガスの流入を阻止する。
【0064】
切り替え弁54は、逆止弁53とフィルタ55とブレーキ装置60との間の接続を切り替え可能である。また、切り替え弁54は、第1ハンドル27が第1筐体22から出されたか又は第1筐体22に入れられたかを機械的又は電気的に検出可能である。
【0065】
切り替え弁54は、第1ハンドル27が第1筐体22に入れらると、水素カートリッジ21からの水素ガスをブレーキ装置60に供給するように切り替わる。本実施形態では、切り替え弁54は、第1ハンドル27が第1筐体22に入れられたことを検出すると、逆止弁53とブレーキ装置60とを接続状態にし、フィルタ55を逆止弁53及びブレーキ装置60から切り離す。このように逆止弁53とブレーキ装置60とを接続状態にすることにより、切り替え弁54は、水素カートリッジ21からの水素ガスをブレーキ装置60に供給するように切り替わる。
【0066】
切り替え弁54は、第1ハンドル27が第1筐体22から出されると、ブレーキ装置60の内部の水素ガスを第1筐体22に接続された他のモジュールに供給するように切り替わる。本実施形態では、切り替え弁54は、第1ハンドル27が第1筐体22から出されたことを検出すると、フィルタ55とブレーキ装置60とを接続状態にし、逆止弁53をフィルタ55及びブレーキ装置60から切り離す。このようにフィルタ55とブレーキ装置60とを接続状態にすることにより、切り替え弁54は、ブレーキ装置60の内部の水素ガスをフィルタ55及び逆止弁56を介して他のモジュールに供給するように切り替わる。ここで、本実施形態では、ブレーキ装置60からの水素ガスが供給される他のモジュールは、取り出し口29及び配管4を介して第1筐体22に接続された燃料電池モジュール70及び調理システム2である。ただし、この他のモジュールは、第1筐体22に接続されたモジュールであれば、任意のモジュールであってよい。
【0067】
フィルタ55には、切り替え弁54から水素ガスが供給される。フィルタ55は、水素ガスに含まれる異物を除去する。フィルタ55は、異物を除去した後の水素ガスを逆止弁56に供給する。
【0068】
逆止弁56は、フィルタ55と取り出し口29との間に接続される。逆止弁56は、フィルタ55から取り出し口29への水素ガスの流入を許容する。逆止弁56は、取り出し口29からフィルタ55への水素ガスの流入を阻止する。
【0069】
ブレーキ装置60は、車輪28を制動する。ブレーキ装置60は、車輪28の回転軸61と、ロータ62と、2つのパット63と、シリンダ64とを備える。
【0070】
回転軸61は、車輪28に取り付けられる。ロータ62は、車輪28の回転軸61に取り付けられる。ロータ62は、2つのパット63の間に位置する。2つのパット63は、ブレーキ装置60に供給される水素ガスの圧力によってロータ62に押し当てられる。ロータ62の一部及び2つのパット63は、シリンダ64の内部に配置される。
【0071】
以下、ブレーキ締結時及びブレーキ解放時の処理の流れについて説明する。
【0072】
<ブレーキ締結時>
ユーザは、水素モジュール20を搬送しないとき、第1ハンドル27を第1筐体22に入れる。切り替え弁54は、上述したように、第1ハンドル27が第1筐体22に入れらると、水素カートリッジ21からの水素ガスをブレーキ装置60に供給するように切り替わる。水素カートリッジ21からの水素ガスがブレーキ装置60に供給されることにより、水素ガスが、ブレーキ装置60のシリンダ64に流れ込む。水素ガスがシリンダ64に流れ込むことにより、シリンダ64の内部の圧力が増加する。シリンダ64の内部の圧力が増加することにより、2つのパット63がロータ62に押し当てられる。2つのパット63がロータ62に押し当てられることにより、車輪28にブレーキがかかる。
【0073】
このようにユーザが第1ハンドル27を第1筐体22に入れると、ブレーキ装置60によって車輪28にブレーキがかかる。このような構成により、水素モジュール20を搬送しないときに、車輪28にブレーキをかけることができる。したがって、水素モジュール20を搬送しないときに、水素モジュール20が意図しない方向に移動してしまうことを防ぐことができる。その結果、水素モジュール20は、安全性に優れたものとなる。
【0074】
<ブレーキ解放時>
ユーザは、水素モジュールを搬送する前に、第1ハンドル27を第1筐体22から出す。切り替え弁54は、上述したように、第1ハンドル27が第1筐体22から出されると、ブレーキ装置60の内部の水素ガスを第1筐体22に接続された他のモジュールに供給するように切り替わる。ブレーキ装置60の内部の水素ガスすなわちシリンダ64の内部の水素ガスが他のモジュールに供給されることにより、シリンダ64の内部の圧力が下がる。シリンダ64の内部の圧力が下がることにより、2つのパット63は、ロータ62から離れる。2つのパット63がロータ62から離れることにより、車輪28へのブレーキが解放される。
【0075】
このように第1ハンドル27が第1筐体22から出されると、車輪28へのブレーキが解放される。また、ブレーキ装置60の内部の水素ガスは、他のモジュール、すなわち、本実施形態では、燃料電池モジュール70及び調理システム2に供給される。このような構成により、水素ガスを無駄なく利用することができる。
【0076】
(燃料電池モジュールの構成)
燃料電池モジュール70は、図7に示すように、第2筐体71を備える。第2筐体71は、可搬型である。第2筐体71のサイズは、第1筐体22のサイズと同じであってよい。第2筐体71のサイズと第1筐体22のサイズとが同じであることにより、燃料電池モジュール70と水素モジュール20とは、水素調理システム1において互換性に優れたものとなり得る。このような構成により、ユーザは、任意の数の水素モジュール20及び任意の数の燃料電池モジュール70を収容部16に収容することができる。
【0077】
第2筐体71は、直方体状である。直方体状である第2筐体71は、6つの面と、8つの角部とを含む。第2筐体71は、図4及び図7に示すように、第1面71Aと、第1面71Aに対向する第2面71Bとを含む。第2筐体71は、プラスチック又は金属等の任意の材料で形成されてよい。
【0078】
第2筐体71は、図7に示すように、第2ハンドル72と、2つの車輪73と、取り入れ口74とを有する。ただし、第2筐体71は、少なくとも1つの車輪73を有すればよい。
【0079】
第2ハンドル72は、第2筐体71から出し入れ可能である。第2ハンドル72は、第2筐体71に対してスライド式に設けられてよい。第2ハンドル72は、第2面61Bの端部に設けられる。ユーザは、燃料電池モジュール70を搬送する際、図7に示すように第2ハンドル72を第2筐体71から出す。ユーザは、第2ハンドル72を用いることにより、燃料電池モジュール70を容易に搬送することができる。また、ユーザは、燃料電池モジュール70を図1に示すように調理システム2の収容部16に収容する際、第2ハンドル72を第2筐体71に入れる。第2ハンドル72が第2筐体71に入れられることにより、燃料電池モジュール70をコンパクトに収容部16に収容することができる。
【0080】
第2ハンドル72は、第2筐体71から出されると、第2ハンドル72が第2筐体71から出されたことを示す電気信号を後述の図8に示す駆動装置90に出力する。第2ハンドル72は、第2筐体71に入れられると、第2ハンドル72が第2筐体71に入れられたことを示す電気信号を後述の図8に示す駆動装置90に出力する。
【0081】
2つの車輪73は、同じ方向に回転可能に第1筐体22に設けられる。2つの車輪73は、第2面61Bの端部のうち、第2ハンドル72が設けられる端部と反対側の端部に、設けられる。2つの車輪73は、それぞれ、第2面61Bの2つの角部に設けられる。
【0082】
取り入れ口74から燃料電池モジュール70へ水素ガスが、取り入れられる。取り入れ口74は、図7に示すように第2面61Bに設けられる。図2に示すように、取り入れ口74には、配管4の端部が挿入される。
【0083】
図8に示すように、燃料電池モジュール70は、燃料電池80と、バッテリ81と、第2コネクタ82と、接続装置83と、駆動装置90と、入出力制御装置100とを備える。図8において、実線は、水素ガス又は電力の流れを示す。破線は、制御の流れを示す。
【0084】
燃料電池80には、取り入れ口74を介して水素モジュール20から水素ガスが供給される。燃料電池80は、水素ガス及び酸素を用いた電気化学反応により、電力を発電する。燃料電池80は、発電した電力をバッテリ81に供給する。
【0085】
燃料電池80は、PEFC(Polymer Electrolyte Fuel Cell)等の任意の燃料電池であってよい。燃料電池80は、PEFCである場合、例えばSOFC(Solid Oxide Fuel Cell)である場合よりも、起動後、比較的早く発電を開始することができる。燃料電池80が発電する定格電力は、例えば、3000[W]程度である。
【0086】
バッテリ81は、例えば、二次電池である。バッテリ81は、リチウム・イオン・バッテリ等の任意のバッテリであってよい。
【0087】
バッテリ81は、燃料電池80が発電した電力によって充電される。バッテリ81に充電された電力は、駆動装置90に供給される。バッテリ81に充電された電力が、水素モジュール20及び調理システム2に供給されてもよい。又は、燃料電池80が発電した電力が、水素モジュール20及び調理システム2に直接供給されてもよい。
【0088】
第2コネクタ82は、水素モジュール20の第1コネクタ40と接続可能に構成される。バッテリ81に充電された電力又は燃料電池80が発電した電力は、第2コネクタ82及び第1コネクタ40を介して水素モジュール20に供給されてよい。
【0089】
接続装置83は、第2コネクタ82を介した水素モジュール20との間の接続を制御する。接続装置83は、記憶部84及び制御部85を備える。
【0090】
記憶部84は、図6に示すような検出装置30の記憶部36と同じ又は類似に構成されてよい。記憶部84は、接続装置83の動作に用いられるデータと、接続装置83の動作によって得られたデータとを記憶する。例えば、記憶部84は、正規の水素モジュール20の認証情報を記憶する。
【0091】
制御部85は、図6に示すような検出装置30の制御部37と同じ又は類似に構成されてよい。
【0092】
制御部85は、第2コネクタ82に他のモジュールが接続されると、他のモジュールを認証する認証処理を実行する。認証処理の一例として、制御部85は、第2コネクタ82に接続された他のモジュールの認証情報を、第2コネクタ82を介して受信する。例えば、他のモジュールは、水素モジュール20であるものとする。この場合、上述したように、水素モジュール20の第1コネクタ40が第2コネクタ82に電気的に接続されると、水素モジュール20から燃料電池モジュール70へ水素モジュール20の認証情報が送信される。この場合、制御部85は、他のモジュールの認証情報として水素モジュール20の認証情報を第2コネクタ82を介して受信する。制御部85は、第2コネクタ82に接続された他のモジュールの認証情報を受信すると、記憶部84に記憶された正規の水素モジュール20の認証情報に基づいて、他のモジュールを認証する。一例として、制御部85は、受信した他のモジュールの認証情報が記憶部84に記憶された正規の水素モジュール20の認証情報と一致する場合、他のモジュールの認証が成功した判定する。一方、制御部85は、受信した他のモジュールの認証情報が記憶部84に記憶された正規の水素モジュール20の認証情報と一致しない場合、他のモジュールの認証が失敗したと判定する。
【0093】
このように他のモジュールが正規の水素モジュールである場合、他のモジュールの認証は、成功する。他のモジュールが非正規の水素モジュールである場合、他のモジュールの認証は、失敗する。
【0094】
制御部85は、他のモジュールの認証が成功した場合、他のモジュールすなわち水素モジュール20から燃料電池モジュール70への水素ガスの供給を受ける。一方、制御部85は、他のモジュールの認証が失敗した場合、他のモジュールから燃料電池モジュール70への水素ガスの供給を受けない。このような構成により、燃料電池モジュール70に非正規の水素モジュールが接続された場合、燃料電池モジュール70が非正規の水素モジュールから水素ガスの供給を受けることを防ぐことができる。燃料電池モジュール70が非正規の水素モジュールから水素ガスの供給を受けることを防ぐことにより、供給システム3は、安全性に優れたものとなる。
【0095】
制御部85は、第2コネクタ82を介して水素モジュール20から、水素ガス切れを示す信号を受信し得る。制御部85は、水素ガス切れを示す信号を受信した場合、図9を参照して後述するように、別の水素モジュール20が燃料電池モジュール70に配管4を介して接続されているか否かを判定する。制御部85は、別の水素モジュール20が燃料電池モジュール70に接続されていると判定した場合であって、当該別の水素モジュール20に水素ガスが充填されているとき、当該別の水素モジュール20から水素ガスの供給を受けるように制御する。一方、制御部85は、別の水素モジュール20が燃料電池モジュール70に接続されていないと判定した場合、水素ガス切れを示す信号を入出力制御装置100に出力する。
【0096】
駆動装置90は、車輪73を駆動することができる。駆動装置90は、車輪73の回転軸91と、ワンウェイクラッチ92と、センサ93と、モータ94と、記憶部95と、制御部96とを備える。
【0097】
回転軸91は、車輪73に取り付けられる。図8では、回転軸91は、1つの車輪73に取り付けられる。ただし、第2筐体71が2つの車輪73を含む場合、回転軸91は、2つの車輪73に取り付けられてよい。
【0098】
ワンウェイクラッチ92は、車輪73の回転軸91に取り付けられる。ワンウェイクラッチ92は、回転軸91に正方向の回転力がかかる場合、その回転力を車輪73に伝達する。ワンウェイクラッチ92は、車輪73の回転軸に正方向とは反対方向の回転力がかかる場合、その回転力を車輪73には伝達しない。正方向は、ユーザが第2ハンドル72を用いて燃料電池モジュール70を搬送する方向である。正方向は、燃料電池モジュール70の使用態様に応じて設定されてよい。
【0099】
センサ93は、第2筐体71を牽引する牽引力を測定可能である。例えば、ユーザが燃料電池モジュール70を搬送しているとき、第2筐体71には牽引力が生じる。
【0100】
センサ93は、例えば、トルクセンサを含んで構成される。センサ93は、車輪73の回転軸91に取り付けられる。センサ93は、車輪73の回転量を測定する。センサ93は、測定した車輪73の回転量に基づいて、第2筐体71を牽引する牽引力を測定する。センサ93は、牽引力の測定結果を制御部96に出力する。
【0101】
モータ94は、車輪73を回転可能である。モータ94は、燃料電池80が発電した電力によって駆動可能である。本実施形態では、モータ94は、車輪73の回転軸91に取り付けられる。また、モータ94には、バッテリ81から電力が供給される。モータ94は、制御部96の制御に基づいて、回転軸19を介して車輪73を回転させる。
【0102】
記憶部95は、図6に示すような検出装置30の記憶部36と同じ又は類似に構成されてよい。記憶部95は、駆動装置90の動作に用いられるデータと、駆動装置90の動作によって得られたデータとを記憶する。
【0103】
制御部96は、図6に示すような検出装置30の制御部37と同じ又は類似に構成されてよい。
【0104】
制御部96は、第2ハンドル72が第2筐体71から出されると、センサ93から、センサ93が測定した牽引力の測定結果を取得する。本実施形態では、制御部96は、第2ハンドル72から第2ハンドル72が第2筐体71から出されたことを示す電気信号を取得すると、センサ93から牽引力の測定結果を取得する。制御部96は、取得した牽引力の測定結果に基づいて、モータ94の回転数を決定する。制御部96は、牽引力に対するアシスト力の割合が所定割合になるように、モータ94の回転数を決定してよい。アシスト力とは、モータ94が回転することにより第2筐体71を正方向に進める力である。所定割合は、燃料電池モジュール70の重量又は使用態様等に応じて設定されてよい。制御部96は、モータ94の回転数を決定すると、決定した回転数でモータ94を回転させる。
【0105】
このように制御部96は、第2ハンドル72が第2筐体71から出されると、モータ94を決定した回転数で回転させる。上述したように、ユーザは、第2筐体71を搬送する際、第2ハンドル72を第2筐体71から出す。つまり、ユーザが第2筐体71を搬送する際、モータ94を回転させることができる。このような構成により、ユーザは、燃料電池モジュール70を容易に搬送することができる。
【0106】
制御部96は、第2ハンドル72が第2筐体71に入れられると、モータ94を停止させる。本実施形態では、制御部96は、第2ハンドル72から第2ハンドル72が第2筐体71に入れられたことを示す電気信号を取得すると、モータ94を停止させる。
【0107】
このように制御部96は、第2ハンドル72が第2筐体71に入れられると、モータ94を停止させる。上述したように、ユーザは、燃料電池モジュール70を搬送しない際又は燃料電池モジュール70に発電させる際、第2ハンドル72を第2筐体71に入れる。つまり、燃料電池モジュール70を搬送しない際又は燃料電池モジュール70に発電させる際に、モータ94を停止させることができる。このような構成により、例えば燃料電池モジュール70が発電している際、第2筐体71に加わった意図しない力をセンサ93が牽引力として測定してモータ94を駆動させてしまうことを防ぐことができる。
【0108】
入出力制御装置100は、差込口101と、スイッチ102と、報知部103と、通信部104と、記憶部105と、制御部106とを備える。
【0109】
差込口101には、USB(Universal Serial Bus)端子を差し込み可能である。差込口101は、USBポートであってよい。差込口101は、USBタイプAのポート、USBタイプBのポート及びUSBタイプCのポートの何れであってもよい。差込口101は、図4に示すように第2筐体71の第1面71Aに配置されてよい。
【0110】
スイッチ102は、燃料電池80を起動又は停止させるスイッチである。スイッチ102は、図4に示すように第2筐体71の第1面71Aに配置されてよい。ユーザは、燃料電池80を起動させたいとき又は燃料電池80を停止させたいとき、スイッチ102を操作する。
【0111】
報知部103は、ユーザに対して情報を報知する。報知部103は、例えば、ランプである。報知部103は、ランプである場合、点灯することにより報知する。報知部103は、図4に示すように第2筐体71の第1面71Aに配置されてよい。
【0112】
通信部104は、近距離無線通信を実行可能である。通信部104は、近距離無線通信を実行可能な少なくとも1つの通信モジュールを含んで構成される。通信モジュールは、Bluetooth(登録商標)又はWi-Fi(登録商標)等の近距離無線通信規格に対応した通信モジュールである。
【0113】
記憶部105は、図6に示すような検出装置30の記憶部36と同じ又は類似に構成されてよい。記憶部105は、入出力制御装置100の動作に用いられるデータと、入出力制御装置100の動作によって得られたデータとを記憶する。
【0114】
制御部106は、図6に示すような検出装置30の制御部37と同じ又は類似に構成されてよい。
【0115】
制御部106は、差込口101にUSB端子が差し込まれると、バッテリ18の電力が差込口101に差し込まれたUSB端子に供給されるように制御する。このような構成により、ユーザは、任意の電子機器のUSB端子を差込口101に差し込むことにより、その電子機器を充電することができる。
【0116】
制御部106は、スイッチ102に対するユーザ操作を検出すると、検出したユーザ操作に応じた処理を実行する。例えば、スイッチ102に対するユーザ操作が燃料電池80を起動させるための操作である場合、制御部106は、燃料電池80に、燃料電池80を起動させるための信号を出力する。また、スイッチ102に対するユーザ操作が燃料電池80を停止させるための操作である場合、制御部106は、燃料電池80に、燃料電池80を停止させるための信号を出力する。
【0117】
制御部106は、燃料電池80を起動させた場合、燃料電池80が正常に起動したか否かを報知部103に報知させる。例えば、報知部103がランプである場合、燃料電池80が正常に起動したとき、制御部106は、報知部103を青色に点灯させる。また、報知部103がランプである場合、燃料電池80が正常に起動しなかったとき、制御部106は、報知部103を赤色に点灯させる。このような構成により、ユーザは、スイッチ102を操作した後、燃料電池80が正常に起動したか否かを確認することができる。
【0118】
制御部106は、ユーザの端末装置に、燃料電池80の運転に関する情報を通信部104によって送信する。燃料電池80の運転に関する情報は、例えば、燃料電池80が発電する電力量又は水素モジュール20に貯蔵された水素ガスの残量等の任意の情報を含んでよい。このような構成により、ユーザは、燃料電池80の運転状況等を把握することができる。
【0119】
制御部106は、ユーザの端末装置から燃料電池80の各種設定を通信部104によって受信することにより、燃料電池80の各種設定を受け付けてよい。制御部106は、受け付けた燃料電池80の各種設定に応じて処理を実行してよい。
【0120】
制御部106は、接続装置83から、水素ガス切れを示す信号を取得し得る。制御部106は、水素ガス切れを示す信号を受信した場合、水素ガス切れを示す通知をユーザの端末装置に通信部104によって送信する。水素ガス切れを示す通知がユーザの端末装置に送信されることにより、ユーザの端末装置は、水素ガス切れを示す通知を表示することができる。このような構成により、ユーザは、水素モジュール20の水素ガス切れを知ることができる。
【0121】
このように本実施形態に係る供給システム3は、水素モジュール20及び燃料電池モジュール70を含む。水素モジュール20は、図4に示すように、少なくとも1つの車輪28を有する可搬型の第1筐体22を備える。このような第1筐体22により、ユーザは、水素モジュール20を容易に搬送することができる。また、燃料電池モジュール70は、図7に示すように、少なくとも1つの車輪73を有する可搬型の第2筐体71を備える。このような第2筐体71により、ユーザは、燃料電池モジュール70を容易に搬送することができる。よって、本実施形態によれば、供給システム3の可搬性を改善することができる。
【0122】
さらに、本実施形態では、第1筐体22は、図4に示すように、透明性を有するカバー24をさらに有してもよい。このような構成により、上述したように、ユーザは、カバー24から第1筐体22の内部に水素カートリッジ21が収容されているか否かを容易に確認することができる。また、上述したように、第1筐体22がカバー24を有することにより、第1筐体22の内部に塵が入ることを防ぐことができる。
【0123】
また、本実施形態では、第1筐体22は、図4に示すように、挿入口25と、挿入口25を開放状態又は閉鎖状態に切り替え可能なシャッター26をさらに有してもよい。第1筐体22がシャッター26を有することにより、上述したように、挿入口25から第1筐体22の内部に塵が入ることを防ぐことができる。
【0124】
また、本実施形態に係る第1筐体22では、車輪28は、第2面22Bの縁部に設けられてもよい。このような構成により、図5を参照して上述したように、ユーザは、車輪28を支点として、挿入口25が上を向く位置まで第1筐体22を回転させることができる。挿入口25が上を向くことにより、ユーザは、挿入口25の上から水素カートリッジ21を第1筐体22の内部に容易に挿入することができる。
【0125】
また、本実施形態では、水素モジュール20は、図6に示すように、冷却ファン34と、温度センサ32と、制御部37とをさらに備えてもよい。制御部37は、温度センサ32によって測定された第1筐体22の内部の温度が温度閾値を超えた場合、冷却ファン34によって第1筐体22の内部を冷却してもよい。このような構成により、上述したように、水素モジュール20は、高圧で水素ガスが貯蔵された水素カートリッジ21の保管に適したものとなる。
【0126】
また、本実施形態では、水素モジュール20は、図6に示すように、水素センサ33と、制御部37とをさらに備えてもよい。制御部37は、第1筐体22の内部に漏洩した水素ガスが水素センサ33によって検出された場合、報知処理を実行してもよい。このような構成により、上述したように、水素モジュール20は、安全性に優れたものとなる。
【0127】
また、本実施形態では、図6に示すようなブザー31、温度センサ32、水素センサ33、冷却ファン34、通信部35、記憶部36及び制御部37は、燃料電池モジュール70から供給される電力によって動作してもよい。このような構成により、上述したように、水素モジュール20は、安全性に優れたものとなる。
【0128】
また、本実施形態では、第1筐体22は、図4に示すように、第1筐体22に対して出し入れ可能な第1ハンドル27をさらに有してもよい。上述したように、ユーザは、第1ハンドル27を用いることにより、水素モジュール20を容易に搬送することができる。また、上述したように、ユーザは、水素モジュール20を図2に示すように調理システム2の収容部16に収容する際、第1ハンドル27を第1筐体22に入れることができる。第1ハンドル27が第1筐体22に入れられることにより、水素モジュール20をコンパクトに収容部16に収容することができる。
【0129】
また、本実施形態では、水素モジュール20は、図6に示すように、ブレーキ装置60と、切り替え弁54とをさらに備えてもよい。切り替え弁54は、第1ハンドル27が第1筐体22に入れられると、水素カートリッジ21からの水素ガスをブレーキ装置60に供給してよい。このような構成により、上述したように、水素モジュール20を搬送しないときに、車輪28にブレーキをかけることができる。したがって、上述したように、水素モジュール20は、安全性に優れたものとなる。
【0130】
また、本実施形態では、切り替え弁54は、第1ハンドル27が第1筐体22から出されると、ブレーキ装置60の内部の水素ガスを第1筐体22に接続された他のモジュールに供給してもよい。このような構成により、上述したように、水素ガスを無駄なく利用することができる。
【0131】
また、本実施形態では、燃料電池モジュール70は、図8に示すように、第2コネクタ82と、制御部85とを備えてもよい。制御部85は、第2コネクタ82に他のモジュールが接続されると、他のモジュールを認証する認証処理を実行してもよい。制御部85は、他のモジュールの認証が成功した場合、他のモジュールすなわち水素モジュール20から燃料電池モジュール70への水素ガスの供給を受けてもよい。このような構成により、上述したように、供給システム3は、安全性に優れたものとなる。
【0132】
また、本実施形態では、第2筐体71は、図7に示すように、第2筐体71に対して出し入れ可能な第2ハンドル72をさらに有してもよい。上述したように、ユーザは、第2ハンドル72を用いることにより、燃料電池モジュール70を容易に搬送することができる。また、上述したように、ユーザは、燃料電池モジュール70を図2に示すような調理システム2の収容部16に収容する際、第2ハンドル72を第2筐体71に入れることができる。第2ハンドル72が第2筐体71に入れられることにより、燃料電池モジュール70をコンパクトに収容部16に収容することができる。
【0133】
また、本実施形態では、燃料電池モジュール70は、図8に示すように、モータ94と、センサ93と、制御部96とをさらに備えてもよい。制御部96は、第2ハンドル72が第2筐体71から出されると、センサ93が測定した牽引力の測定結果に基づいてモータ94の回転数を決定してよい。制御部96は、決定した回転数でモータ94を回転させてよい。このような構成により、上述したように、ユーザは、燃料電池モジュール70を容易に搬送することができる。また、制御部96は、第2ハンドル72が第2筐体71に入れられると、モータ94を停止させてよい。このような構成により、上述したように、例えば燃料電池モジュール70が発電している際、第2筐体71に加わった意図しない力をセンサ93が牽引力として測定してモータ94を駆動させてしまうことを防ぐことができる。
【0134】
また、本実施形態では、燃料電池モジュール70は、図8に示すように、燃料電池80を起動させるスイッチ102と、報知部103と、制御部106とをさらに備えてもよい。制御部106は、燃料電池80が正常に起動したか否かを報知部103に報知させてよい。このような構成により、上述したように、ユーザは、スイッチ102を操作した後、燃料電池80が正常に起動したか否かを確認することができる。
【0135】
また、本実施形態では、燃料電池モジュール70は、近距離無線通信を実行可能な通信部104と、制御部106とをさらに備えてもよい。制御部106は、ユーザの端末装置に、燃料電池80の運転に関する情報を通信部104によって送信してもよい。このような構成により、上述したように、ユーザは、燃料電池80の運転状況等を把握することができる。
【0136】
また、本実施形態では、第1筐体22のサイズと第2筐体71のサイズとは、同じであってもよい。第1筐体22のサイズと第2筐体71のサイズとが同じであることにより、上述したように、ユーザは、任意の数の水素モジュール20及び任意の数の燃料電池モジュール70を収容部16に収容することができる。
【0137】
また、本実施形態では、調理システム2は、図3に示すように、第1調理器10と、第2調理器11と、減圧弁12とを含んでよい。減圧弁12は、供給システム3から供給される水素ガスの圧力を所定の圧力まで減圧してよい。第2調理器11には、減圧弁12によって減圧された後の水素ガスが供給されてよい。ここで、一般的に、第2調理器11で使用可能な水素ガスの圧力は、燃料電池モジュール70で使用可能な水素ガスの圧力よりも低いことが多い。第2調理器11で使用可能な水素ガスの圧力が低い場合であっても、調理システム2が減圧弁12を含むことにより、供給システム3から調理システム2に供給される水素ガスを用いて第2調理器11を使用することができる。
【0138】
また、本実施形態では、調理システム2は、図1に示すように、水素モジュール20及び燃料電池モジュールを収容可能な収容部16をさらに含んでもよい。このような構成により、上述したように、ユーザは、調理システム2を使用する際、水素モジュール20及び燃料電池モジュール70をまとめて収容部16に収容することができる。
【0139】
また、本実施形態では、調理システム2は、図1及び図2に示すように、調理台13と、少なくとも1つの車輪17とをさらに含んでもよい。調理システム2が車輪17を含むことにより、ユーザは、調理システム2を容易に搬送することができる。
【0140】
また、本実施形態では、水素モジュール20は、複数の水素カートリッジ21を備えてもよい。水素モジュール20は、燃料電池モジュール70に水素ガスを供給している水素カートリッジ21の水素ガスの残量が残量閾値以下になった場合、燃料電池モジュール70に水素ガスを供給する水素カートリッジ21を別の水素カートリッジ21に切り替えてよい。この別の水素カートリッジ21は、水素ガスが充填されているものであってよい。処理の一例として、水素モジュール20は、図6を参照して上述したように、監視装置44を備えてよい。上述したように、監視装置44の制御部47は、調圧システム50に水素ガスを供給している水素カートリッジ21の水素ガスの残量が残量閾値以下になった場合、別の水素カートリッジ21に水素ガスが充填されているか否かを判定してよい。制御部47は、別の水素カートリッジ21に水素ガスが充填されていると判定した場合、調圧システム50に水素ガスを供給する水素カートリッジ21が別の水素カートリッジ21に切り替わるように制御してよい。このような構成により、燃料電池モジュール70に水素ガスを供給している水素カートリッジ21の水素ガスの残量が残量閾値以下になった場合、燃料電池モジュール70に水素ガスを供給する水素カートリッジ21が別の水素カートリッジ21に切り替えられる。このように別の水素カートリッジ21に切り替えられることにより、ユーザは、調理システム2を使用し続けることができる。
【0141】
また、本実施形態では、供給システム3は、複数の水素モジュール20を含んでもよい。この場合、燃料電池モジュール70に水素ガスを供給している水素モジュール20は、自装置が備える少なくとも1つの水素カートリッジ21の全ての水素ガスの残量が残量閾値以下になった場合、水素ガス切れを示す信号を燃料電池モジュール70に送信してよい。燃料電池モジュール70は、水素ガス切れを示す信号を受信した場合、水素ガス切れを示す信号を送信した水素モジュール20とは別の水素モジュール20に水素ガスが充填されているとき、別の水素モジュールから水素ガスの供給を受けるように制御してよい。このように別の水素モジュール20に切り替えられることにより、ユーザは、調理システム2を使用し続けることができる。
【0142】
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行ってもよいことに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0143】
上述した実施形態では、図1に示すような収容部16には、水素モジュール20及び燃料電池モジュール70が収容されるものとして説明した。ただし、水素モジュール20及び燃料電池モジュール70以外の他のモジュールが収容部16に収容されてもよい。他のモジュールの筐体は、第1筐体22のサイズ及び第2筐体71のサイズと同じであってよい。例えば、他のモジュールとして冷蔵庫が収容部16に収容されてもよい。
【0144】
上述した実施形態では、図4に示すように、水素モジュール20と燃料電池モジュール70とが、第1コネクタ40と第2コネクタ82とを介して接続されるものとして説明した。ただし、複数の水素モジュール20がコネクタを介して接続されてもよい。以下、この一例について、図9を参照して説明する。
【0145】
図9に、本開示の変形例に係る水素モジュール120A,120Bの外観構成を示す。以下、水素モジュール120A,120Bを特に区別しない場合、これらは、単に「水素モジュール120」とも記載される。水素モジュール120は、第3コネクタ110をさらに備える。図9では、図2に示すような配管4は、4つ以上の端部を含んでよい。
【0146】
水素モジュール120の第3コネクタ110は、別の水素モジュール120の第1コネクタ40と接続可能に構成される。図9では、水素モジュール120Aの第3コネクタ110は、水素モジュール120Bの第1コネクタ40に接続される。また、水素モジュール120Aの第1コネクタ40は、燃料電池モジュール70の第2コネクタ82に接続される。
【0147】
水素モジュール120の図6に示すような接続装置41は、第3コネクタ110を介して自装置に接続された別の水素モジュール120と、第1コネクタ40を介して自装置に接続された燃料電池モジュール70との間の通信を仲介する。水素モジュール120の接続装置41は、自装置に接続される燃料電池モジュール70からの電力が、自装置に接続される別の水素モジュール20に供給されるように制御してよい。図9では、水素モジュール120Aの接続装置41の制御部43は、燃料電池モジュール70と水素モジュール120Bとの間の通信を仲介する。また、水素モジュール120Aの接続装置41の制御部43は、燃料電池モジュール70からの電力が水素モジュール120Bに供給されるように制御する。
【0148】
水素モジュール120の接続装置41は、図6に示すような通信部35と同じ又は類似の通信部を備えてよい。
【0149】
水素モジュール120A,120Bのそれぞれの図2に示すような取り出し口29には、配管4の端部が挿入される。このような構成により、水素モジュール120A,120Bと、燃料電池モジュール70及び調理システム2とは、配管4を介して接続される。水素モジュール120A,120Bと燃料電池モジュール70等とが配管4を介して接続された状態になると、ユーザは、端末装置を操作し、端末装置から水素モジュール120A,120Bに所定の信号を送信してよい。所定の信号は、水素モジュール120と燃料電池モジュール70とが接続されていることを示す信号であってよい。水素モジュール120の接続装置41の制御部43は、この所定の信号を通信部によって受信することにより、自装置と燃料電池モジュール70とが配管4を介して接続されていることを検出することができる。水素モジュール120の制御部43は、燃料電池モジュール70からの指示に応じて、別の水素モジュール120を介して燃料電池モジュール70に、自装置と燃料電池モジュール70とが配管4を介して接続されていることを示す信号を送信してもよい。また、水素モジュール120の制御部43は、燃料電池モジュール70からの指示に応じて、別の水素モジュール120を介して燃料電池モジュール70に、自装置に水素ガスが充填されていることを示す信号を送信してもよい。
【0150】
このように複数の水素モジュール120が接続されることにより、燃料電池モジュール70は、自装置に接続される水素モジュール120を介して別の水素モジュール120と通信することができる。このような構成により、例えば、以下のような処理が実行可能になる。
【0151】
燃料電池モジュール70の制御部85は、第2コネクタ82を介して水素モジュール120Aから、水素ガス切れを示す信号を受信するものとする。この場合、制御部85は、水素モジュール120Aを介して水素モジュール120Bと通信することにより、別の水素モジュール120Bが燃料電池モジュール70に配管4を介して接続されているか否かを判定する。例えば、制御部85は、水素モジュール120Aを介して水素モジュール120Bから、水素モジュール120Bと燃料電池モジュール70とが配管4を介して接続されていることを示す信号を受信するものとする。この場合、制御部85は、水素モジュール120Bが燃料電池モジュール70に配管4を介して接続されていると判定する。制御部85は、別の水素モジュール120Bが燃料電池モジュール70に配管4を介して接続されていると判定した場合であって、別の水素モジュール120Bに水素ガスが充填されていると判定するとき、水素モジュール120Bから水素ガスの供給を受けるように制御する。例えば、制御部85は、水素モジュール120Aを介して水素モジュール120Bから、水素モジュール120Bに水素ガスが充填されていることを示す信号を受信するものとする。この場合、制御部85は、水素モジュール120Bに水素ガスが充填されていると判定し、水素ガスの供給を指示する信号を水素モジュール120Aを介して水素モジュール120Bに送信する。このような構成により、水素モジュール120Aの水素ガスが切れてしまった場合でも、水素モジュール120Bの水素ガスを配管4を介して燃料電池モジュール70及び調理システム2に供給することができる。
【0152】
以下、本開示の実施形態の一部が例示される。しかしながら、本開示の実施形態は、これらに限定されない点に留意されたい。
[付記1]
少なくとも1つの車輪を有する可搬型の第1筐体と、前記第1筐体に収容される少なくとも1つの水素カートリッジとを備える水素モジュールと、
少なくとも1つの車輪を有する可搬型の第2筐体と、前記第2筐体に収容される燃料電池とを備える燃料電池モジュールと
を含み、
前記燃料電池モジュールと前記水素モジュールとは、機械的及び電気的に接続され、
前記燃料電池は、前記水素モジュールから供給される水素ガスによって発電可能である、供給システム。
[付記2]
前記第1筐体は、透明性を有するカバーをさらに有する、付記1に記載の供給システム。
[付記3]
前記第1筐体は、前記水素カートリッジを挿入可能な挿入口と、前記挿入口を開放状態又は閉鎖状態に切り替え可能なシャッターとをさらに有する、付記1又は2に記載の供給システム。
[付記4]
前記第1筐体は、前記挿入口が位置する第1面と、前記第1面に対向する第2面とを含み、
前記少なくとも1つの車輪は、前記第2面の縁部に設けられる、付記1から3までの何れか1つに記載の供給システム。
[付記5]
前記水素モジュールは、
前記第1筐体の内部を冷却可能な冷却ファンと、
前記第1筐体の内部の温度を測定可能な温度センサと、
前記温度センサによって測定された前記第1筐体の内部の温度が温度閾値を超えた場合、前記冷却ファンによって前記第1筐体の内部を冷却する制御部とをさらに備える、付記1から4までの何れか1つに記載の供給システム。
[付記6]
前記冷却ファン、前記温度センサ及び前記制御部は、前記燃料電池モジュールから供給される電力によって動作する、付記5に記載の供給システム。
[付記7]
前記水素モジュールは、
前記第1筐体の内部に漏洩した水素ガスを検出可能な水素センサと、
前記第1筐体の内部に漏洩した水素ガスが前記水素センサによって検出された場合、報知処理を実行する制御部とをさらに備える、付記1から6までの何れか1つに記載の供給システム。
[付記8]
前記水素センサ及び前記制御部は、前記燃料電池モジュールから供給される電力によって動作する、付記7に記載の供給システム。
[付記9]
前記第1筐体は、前記第1筐体に対して出し入れ可能な第1ハンドルをさらに有する、付記1から8までの何れか1つに記載の供給システム。
[付記10]
前記水素モジュールは、
ブレーキ装置と、
前記第1ハンドルが前記第1筐体に入れられると前記水素カートリッジからの水素ガスを前記ブレーキ装置に供給する切り替え弁とをさらに備え、
前記ブレーキ装置は、
前記車輪の回転軸に取り付けられるロータと、
前記ブレーキ装置に供給される水素ガスの圧力によって前記ロータに押し当てられるパットとを備える、付記1から9までの何れか1つに記載の供給システム。
[付記11]
前記切り替え弁は、前記第1ハンドルが前記第1筐体から出されると、前記ブレーキ装置の内部の水素ガスを前記第1筐体に接続された他のモジュールに供給する、付記10に記載の供給システム。
[付記12]
前記燃料電池モジュールは、
第1コネクタと、
前記第1コネクタが他のモジュールに接続されると、前記他のモジュールを認証する認証処理を実行する制御部とをさらに備え、前記他のモジュールの認証が成功した場合、前記他のモジュールは、正規の水素モジュールであり、
前記制御部は、前記他のモジュールの認証が成功した場合、前記他のモジュールから前記燃料電池モジュールへの水素ガスの供給を受ける、付記1から11までの何れか1つに記載の供給システム。
[付記13]
前記第2筐体は、前記第2筐体に対して出し入れ可能な第2ハンドルをさらに備える、付記1から12までの何れか1つに記載の供給システム。
[付記14]
前記燃料電池モジュールは、
前記第2筐体が有する前記少なくとも1つの車輪を回転可能なモータであって、前記燃料電池が発電した電力によって駆動可能なモータと、
前記第2筐体を牽引する牽引力を測定可能なセンサと、
前記第2ハンドルが前記第2筐体から出されると、前記センサが測定した前記牽引力の測定結果に基づいて前記モータの回転数を決定し、決定した前記回転数で前記モータを回転させる制御部とをさらに備える、付記1から13までの何れか1つに記載の供給システム。
[付記15]
前記制御部は、前記第2ハンドルが前記第2筐体に入れられると、前記モータを停止させる、付記14に記載の供給システム。
[付記16]
前記燃料電池モジュールは、
前記燃料電池を起動させるスイッチと、
報知部と、
前記燃料電池が正常に起動したか否かを前記報知部に報知させる制御部とをさらに備える、付記1から15までの何れか1つに記載の供給システム。
[付記17]
前記燃料電池モジュールは、
近距離無線通信を実行可能な通信部と、
前記燃料電池の運転に関する情報をユーザの端末装置に前記通信部によって送信する制御部とをさらに備える、付記1から16までの何れか1つに記載の供給システム。
[付記18]
前記第1筐体のサイズと前記第2筐体のサイズとは、同じである、付記1から17までの何れか1つに記載の供給システム。
[付記19]
付記1から18までの何れか1つに記載の供給システムと、調理システムとを含み、
前記調理システムは、
前記供給システムから供給される電力によって加熱調理を実行可能な第1調理器と、
前記供給システムから供給される水素ガスの圧力を所定の圧力まで減圧する減圧弁と、
前記減圧弁によって減圧された後の水素ガスを燃焼させることにより加熱調理を実行可能な第2調理器とを含む、水素調理システム。
[付記20]
前記調理システムは、前記水素モジュール及び前記燃料電池モジュールを収容可能な収容部をさらに含む、付記19に記載の水素調理システム。
[付記21]
前記調理システムは、
前記第1調理器及び前記第2調理器が配置される調理台と、
少なくとも1つの車輪とをさらに含む、付記19又は20に記載の水素調理システム。
[付記22]
前記水素モジュールは、前記少なくとも1つの水素カートリッジとして複数の水素カートリッジを備え、
前記水素モジュールは、前記複数の水素カートリッジのうちで、前記燃料電池モジュールに水素ガスを供給している水素カートリッジの水素ガスの残量が残量閾値以下になった場合に別の水素カートリッジに水素ガスが充填されているとき、前記燃料電池モジュールに水素ガスを供給する水素カートリッジを前記別の水素カートリッジに切り替える、付記19から21までの何れか1つに記載の水素調理システム。
[付記23]
前記供給システムは、複数の前記水素モジュールを含み、
前記複数の水素モジュールのうちで前記燃料電池モジュールに水素ガスを供給している前記水素モジュールは、自装置が備える前記少なくとも1つの水素カートリッジの全ての水素ガスの残量が残量閾値以下になった場合、水素ガス切れを示す信号を前記燃料電池モジュールに送信し、
前記燃料電池モジュールは、前記水素ガス切れを示す信号を受信した場合、前記水素ガス切れを示す信号を送信した前記水素モジュールとは別の水素モジュールに水素ガスが充填されているとき、前記別の水素モジュールから水素ガスの供給を受けるように制御する、付記19から22までの何れか1つに記載の水素調理システム。
【符号の説明】
【0153】
1:水素調理システム、2:調理システム、3:供給システム、4:配管、10:第1調理器、11:第2調理器、12:減圧弁、13:調理台、14:脚部、15:板部、16:収容部、17:車輪、18:バッテリ、20,120A,120B,120:水素モジュール、21:水素カートリッジ、21A:取っ手、22:第1筐体、23:フレーム、24:カバー、25:挿入口、26:シャッター、27:第1ハンドル、28:車輪、29:取り出し口、30:検出装置、31:ブザー、32:温度センサ、33:水素センサ、34:冷却ファン、35:通信部、36:記憶部、37:制御部、40:第1コネクタ、41:接続装置、42:記憶部、43:制御部、44:監視装置、45:圧力センサ、46:記憶部、47:制御部、50:調圧システム、51:タンク、52:ブースター、53:逆止弁、54:切り替え弁、55:フィルタ、56:逆止弁、60:ブレーキ装置、61:回転軸、62:ロータ、63:パット、64:シリンダ、70:燃料電池モジュール、71:第2筐体、72:第2ハンドル、73:車輪、74:取り入れ口、80:燃料電池、81:バッテリ、82:第2コネクタ、83:接続装置、84:記憶部、85:制御部、90:駆動装置、91:回転軸、92:ワンウェイクラッチ、93:センサ、94:モータ、95:記憶部、96:制御部、100:入出力制御装置、101:差込口、102:スイッチ、103:報知部、104:通信部、105:記憶部、106:制御部、第3コネクタ110
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