IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ザ・ボーイング・カンパニーの特許一覧

特許7704552超塑性成形拡散接合を併用するコールドスプレー付加製造のためのシステムおよび方法
<>
  • 特許-超塑性成形拡散接合を併用するコールドスプレー付加製造のためのシステムおよび方法 図1
  • 特許-超塑性成形拡散接合を併用するコールドスプレー付加製造のためのシステムおよび方法 図2
  • 特許-超塑性成形拡散接合を併用するコールドスプレー付加製造のためのシステムおよび方法 図3
  • 特許-超塑性成形拡散接合を併用するコールドスプレー付加製造のためのシステムおよび方法 図4
  • 特許-超塑性成形拡散接合を併用するコールドスプレー付加製造のためのシステムおよび方法 図5
  • 特許-超塑性成形拡散接合を併用するコールドスプレー付加製造のためのシステムおよび方法 図6
  • 特許-超塑性成形拡散接合を併用するコールドスプレー付加製造のためのシステムおよび方法 図7
  • 特許-超塑性成形拡散接合を併用するコールドスプレー付加製造のためのシステムおよび方法 図8
  • 特許-超塑性成形拡散接合を併用するコールドスプレー付加製造のためのシステムおよび方法 図9
  • 特許-超塑性成形拡散接合を併用するコールドスプレー付加製造のためのシステムおよび方法 図10
  • 特許-超塑性成形拡散接合を併用するコールドスプレー付加製造のためのシステムおよび方法 図11
  • 特許-超塑性成形拡散接合を併用するコールドスプレー付加製造のためのシステムおよび方法 図12
  • 特許-超塑性成形拡散接合を併用するコールドスプレー付加製造のためのシステムおよび方法 図13
  • 特許-超塑性成形拡散接合を併用するコールドスプレー付加製造のためのシステムおよび方法 図14
  • 特許-超塑性成形拡散接合を併用するコールドスプレー付加製造のためのシステムおよび方法 図15
  • 特許-超塑性成形拡散接合を併用するコールドスプレー付加製造のためのシステムおよび方法 図16
  • 特許-超塑性成形拡散接合を併用するコールドスプレー付加製造のためのシステムおよび方法 図17
  • 特許-超塑性成形拡散接合を併用するコールドスプレー付加製造のためのシステムおよび方法 図18
  • 特許-超塑性成形拡散接合を併用するコールドスプレー付加製造のためのシステムおよび方法 図19
  • 特許-超塑性成形拡散接合を併用するコールドスプレー付加製造のためのシステムおよび方法 図20
  • 特許-超塑性成形拡散接合を併用するコールドスプレー付加製造のためのシステムおよび方法 図21
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-30
(45)【発行日】2025-07-08
(54)【発明の名称】超塑性成形拡散接合を併用するコールドスプレー付加製造のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   B22F 12/50 20210101AFI20250701BHJP
   B22F 10/00 20210101ALI20250701BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20250701BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20250701BHJP
【FI】
B22F12/50
B22F10/00
B33Y10/00
B33Y30/00
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021049978
(22)【出願日】2021-03-24
(65)【公開番号】P2021188119
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2024-03-11
(31)【優先権主張番号】16/890,898
(32)【優先日】2020-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】ブルーノ・サモラーノ・センデロス
(72)【発明者】
【氏名】デニス・リン・コード
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・ジー・サンダース
【審査官】坂本 薫昭
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-514525(JP,A)
【文献】国際公開第2014/143260(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0040757(US,A1)
【文献】山田毅 佐藤広明 都筑隆之,長繊維強化Ti複合材料の超塑性成形,日本金属学会誌,日本,2001年,第65巻第12号,P.1045-1050
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22F 7/04,7/08,10/00,12/00,12/50
B23K 20/00
B33Y 10/00,30/00
C23C 24/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形された部分(122)を有する完成した加工物(120)を製作するためのシステム(100)であって、前記システム(100)は、
超塑性成形拡散接合(SPFDB)構成要素(400)と、
コールドスプレー付加製造(CSAM)構成要素(300)と、
凹面(152)を有する金型(150)とを備え、
前記システム(100)は、
未完成の加工物(110)を取り込み、
前記CSAM構成要素(300)を用いて、堆積物を形成するために前記金型の前記凹面の上に添加材(303)をコールドスプレーし、
前記金型(150)に対して前記未完成の加工物(110)を配置し、それによって前記未完成の加工物(110)に対して前記堆積物を拡散接合することによって、前記SPFDB構成要素(400)を用いて、前記金型(150)を用いて前記未完成の加工物(110)上で超塑性成形を実行し、前記未完成の加工物(110)を前記成形された部分(122)を有する完成した加工物(120)にし、前記成形された部分(122)は、前記凹面(152)によって画定される形状に一致する
ように構成されている、システム(100)。
【請求項2】
前記未完成の加工物(110)は、チタン、アルミニウム、ステンレス鋼から成るリストから選択される金属を有する金属基板を備える、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項3】
前記システム(100)は、前記添加材(303)をコールドスプレーして、標的領域(124)において前記完成した加工物(120)の厚さの増大をもたらすように構成されている、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項4】
前記システム(100)は、前記標的領域(124)の少なくとも一部が前記成形された部分(122)の少なくとも一部と重なるように構成されている、請求項3に記載のシステム(100)。
【請求項5】
前記システム(100)は、前記増大した厚さによって、前記標的領域(124)における前記完成した加工物(120)の構造的補強を提供するように構成されている、請求項3に記載のシステム(100)。
【請求項6】
前記システム(100)は、前記標的領域(124)における前記完成した加工物(120)の前記増大した厚さを前記標的領域(124)の縁部(126)で先細にするように構成されている、請求項3に記載のシステム(100)。
【請求項7】
前記システム(100)は、前記成形された部分(122)を二重に湾曲させるように構成されている、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項8】
前記コールドスプレー付加製造構成要素(300)はヘリウムまたは窒素ガスを使用する、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項9】
成形された部分(122)を有する完成した加工物(120)を製作する方法であって、前記方法は、
堆積物を形成するために金型の凹面の上に添加材(303)をコールドスプレーするステップと、
完成の加工物(110)を前記金型(150)上に位置決めするステップと、
前記金型(150)に対して前記未完成の加工物(110)を配置し、前記未完成の加工物(110)に対して前記堆積物を拡散接合することによって、前記未完成の加工物(110)を前記成形された部分(122)を有する前記完成した加工物(120)になるように超塑性成形するステップであって、前記成形された部分(122)は、前記凹面(152)によって画定される形状に一致している、ステップと、
前記完成した加工物(120)を前記金型(150)から取り外すステップと
を含み、前記添加材(303)の前記コールドスプレーは、標的領域(124)における前記完成した加工物(120)の厚さの増大をもたらす、
方法。
【請求項10】
前記未完成の加工物(110)は、チタン、アルミニウム、ステンレス鋼から成るリストから選択される金属を有する金属基板を備える、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
複雑な多様な曲率の部品(例えば、直交する寸法において湾曲しているような二重に湾曲した部品)の製造には、多くの場合、複数の構成要素とプロセスの統合が必要である。通常、表面は、超塑性成形、ハイドロフォーミング、インクリメンタル成形、または同様の技術によって形成される。残念なことに、超塑性成形では、結果として得られる形状に薄い領域が生じる場合がある。結果として生じる厚さの制御は困難である場合が多いため、現在の方法は、形成され得る特徴部の形状および曲率に制限を課す。例えば、超塑性成形拡散接合(SPFDB)では、補強として、また薄化に対抗するために、特定の場所に溶接されたシートを使用して部品の厚さを増大させる。ただし、増分の厚さは、使用可能な添加材のシート厚さの関数であり、これは、必要以上に大きくなる場合がある。これにより、構成の選択肢が制限され、厚さをより細かく調整できる場合に必要となる重量を超えて重量を増加させる。
【0002】
添加シートの縁部で突然終端することは、完成部品の厚さに望ましくない階段関数を生むだけでなく、溶接部が、補強材の選択肢(場所、サイズ、形状など)を制限する様々な超塑性挙動を示す可能性がある。したがって、増分のシート成形は、コスト、複雑さ、製造時間を増加させ、必要以上に重量を増加させる場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
開示される実施例は、以下に列挙された添付の図面図を参照して以下に詳細に説明される。以下の概要は、本明細書に開示される実装形態を説明するために提供される。しかしながら、すべての例を、特定の構成または動作のシーケンスに限定することを意味するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
成形された部分を有する完成した加工物を製作するために、様々な実装形態が提供される。一実装形態には、超塑性成形拡散接合(SPFDB)構成要素と、コールドスプレー付加製造(CSAM)構成要素と、凹面を有する金型とが含まれる。様々な構成が、SPFDB構成要素とCSAM構成要素を異なる順序で加工物の上で機能させることができる。一実装形態は、(CSAM構成要素を用いて)添加材を金型の凹面上にコールドスプレーし、金型を用いて加工物上で(SPFDB構成要素を用いて)超塑性成形を実行し、それによって加工物を成形された部分を有する完成した加工物にするように構成されている。成形された部分は、凹面によって画定される形状に一致する。コールドスプレーは、標的領域における完成した加工物の増大した厚さをもたらし、標的領域は、構造的補強を提供することができ、かつ先細になった縁部を有することができる。加工物は、チタン、アルミニウム、ステンレス鋼、または他の材料で作られた金属基板であり得る。
【0005】
考察された特徴、機能、および利点は、様々な実装形態において独立して達成されるか、またはさらに他の実装形態において組み合わされるべきであり、それらのさらなる詳細は、以下の説明および図面を参照して見られる。
【0006】
開示される例は、以下に列挙された添付の図面の図を参照して以下に詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】超塑性成形拡散接合(SPFDB)と共にコールドスプレー付加製造(CSAM)を実行することによって完成した加工物を製作するためのシステムを示す図である(参考例)
図2図1のシステム100の様々な構成を示す図である。
図3図1のシステムで使用することができる例示的なCSAM構成要素の一形態を示す図である。
図4図1のシステムで使用することができる例示的なSPFDB構成要素の一形態を示す図である。
図5図2に示されるようなシステムの構成を使用して、未完成の加工物を完成した加工物に変える段階を示す図である。
図6図2に示される構成を使用して、図5の段階に示されるように、完成した加工物を製作する方法を示すフローチャートである(参考例)
図7図2に示されるように、システムの別の構成を使用して、未完成の加工物を完成した加工物に変える段階を示す図である。
図8図2に示されるシステムの構成を使用して、図7の段階に示されるように、完成した加工物を製作する方法を示すフローチャートである。
図9図2に示されるように、システムの別の構成を使用して、未完成の加工物を完成した加工物に変える段階を示す図である(参考例)
図10図2に示されるシステムの構成を使用して、図9の段階に示されるように、完成した加工物を製作する方法を示すフローチャートである(参考例)
図11図2に示されるように、システムの別の構成を使用して、未完成の加工物を完成した加工物に変える段階を示す図である。
図12図2に示されるシステムの構成を使用して、図11の段階に示されるように、完成した加工物を製作する方法を示すフローチャートである。
図13】完成した加工物を製作する別の方法を示すフローチャートである。
図14】マルチシートSPFDBが内部ポケットを備えたサンドイッチ構造を形成するための構成を示す図である。
図15】4枚のサンドイッチ構造を示す図である。
図16】サンドイッチ構造の内側および/または外側の少なくともいくつかの部分に添加材のパッドを形成するためにCSAMを使用する選択肢を示す図である。
図17】SPFDBおよびCSAMの両方を使用してサンドイッチ構造を製作する方法を示すフローチャートである(参考例)
図18】本開示の様々な態様を実施するのに適したコンピューティングデバイスのブロック図である。
図19】本開示の様々な態様を採用することができる装置の製造およびサービス方法のブロック図である。
図20】本開示の様々な態様を使用することができる装置のブロック図である。
図21図20に関連して採用された、特定の飛行装置の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
対応する参照文字は、図面全体を通して対応する部品を示している。
【0009】
添付の図面を参照して、様々な実装形態及び参考例について詳細に説明する。可能な限り、同一または同様の部品を参照するために、図面全体を通して同じ参照番号が使用される。特定の実装形態および実装形態に関連して本開示を通して行われる参照は、説明のみを目的として提供されているが、そうでないことが示されない限り、すべての実装形態を制限することを意味するものではない。
【0010】
前述の概要、および特定の実装形態の以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読むと、よりよく理解されるであろう。本明細書で使用される場合、単数形で引用され、「1つ」または「ある」という単語が前に付く要素またはステップは、必ずしも複数の要素またはステップを除外するものではないと理解されるべきである。さらに、「1つの実装形態」または「一実装形態」への言及は、列挙される機能も組み込んだ追加の実装形態の存在を除外するものとして解釈されることを意図するものではない。さらに、反対に明示的に述べられていない限り、特定の特性を有する要素または複数の要素を「備える」または「有する」実装形態は、その特性を持たない追加の要素を含む場合もある。
【0011】
本開示の態様は、例えば、構造的補強を提供するために、標的領域内の完成した加工物(例えば、チタン、アルミニウムまたはステンレス鋼などの金属のシート)の厚さを増大することによって、コールドスプレー付加製造(CSAM)を超塑性成形拡散接合(SPFDB)と併せて使用して複雑な構造体の製造を簡素化する。本開示の1つまたは複数の実装形態を実施することにより、増大した厚さは、縁部で先細にすることができ、厚さの階段関数の欠点(例えば、不必要な重量、表面の不規則性、および機械的応力の集中)を回避することができる。さらに、厚さの増大は構造上の要望に合わせて調整できるため、利用可能な材料シートの厚さに応じて最終的な加工物の厚さプロファイルを増分するという制約もなくなる。いくつかの実装形態は、例えば、CSAMおよび/または拡散接合を使用することによって、同じではないが、互換性のある材料で加工物を機能的に等級付けすることによって強化される部品の製作を可能にする。その結果、軽量で低コストの部品の性能が向上する。
【0012】
本開示の態様は、製作ステップを削減し、コストを削減し、サプライチェーンの機能を改善する。例えば、複数の部品で作成された複雑な構造を1つの製造ステップでユニット化することができる。例えば、完成した加工物は、補剛材が統合された単一の構造体にすることができるが、以前は、補剛材は個別の部品として、または個別のプロセスで追加されていた。補剛材は、例えば、完成した加工物の締め具および他の高応力部分を囲む領域内で使用することができる。
【0013】
CSAM補強材は、可能な場合は薄い壁、および必要な場合はより厚い壁など、より複雑で、優れた、厚さの調整された分布を有するSPFDB構造を生成することができる。これにより、構造的な応力に対応しながら、より最適な重量および形状が可能になる。SPFDBは、温度と圧力の両方を使用して、金型に当てて加工物を変形させ、これにより、加工物の領域を薄くする場合がある。CSAMは、ノズルがその領域を繰り返し移動するときに、堆積物補強材を層ごとに積み重ねることにより、特定の領域により厚い堆積物を加えるために使用され、通過の数および通過の速度が、積み重ねられる堆積物の厚さを決定する。複数の異なる構成が開示されている。本開示の態様は、マルチシートSPFDBが、例えば、4枚の加工物シートを使用して4枚のサンドイッチ構造を作り出すなど、内部ガスポケットを備えたサンドイッチ構造を形成するために使用することができる。CSAMは、サンドイッチ構造の内側および/または外側の少なくともいくつかの部分に添加材のパッドを形成するために使用されてよい。
【0014】
本明細書に開示される態様および実装形態は、成形された部分を有する完成した加工物を製作することを対象としている。一実装形態には、SPFDB構成要素、CSAM構成要素および凹面を有する金型が含まれる。様々な構成が、SPFDB構成要素とCSAM構成要素を異なる順序で加工物の上で機能させることができる。一実装形態は、(CSAM構成要素を用いて)添加材を金型の凹面上にコールドスプレーし、金型を用いて加工物上で(SPFDB構成要素を用いて)超塑性成形を実行し、それによって加工物を成形された部分を有する完成した加工物にするように構成されている。成形された部分は、いくつかの例では凹面によって画定される形状に一致する。コールドスプレーは、標的領域における完成した加工物の増大した厚さをもたらし、標的領域は、構造的補強を提供することができ、かつ先細になった縁部を有することができる。加工物は、チタン、アルミニウム、ステンレス鋼、または他の材料で作られた金属基板であり得る。
【0015】
より具体的に図面を参照すると、図1は、SPFDBと共にCSAMを実行することによって完成した加工物120を製作するためのシステム100(参考例)を示している。システム100は一般的な表現であり、複数の特定の構成の変形形態が図2に示されている。システム100は、未完成の加工物110を取り込み、金型150(いくつかの文脈では「モールド」とも呼ばれる)を使用して、未完成の加工物110を完成した加工物120にする。いくつかの形態では、未完成の加工物110は、チタン、アルミニウム、およびステンレス鋼から成るリストから選択された金属を有する金属基板(例えば、金属シート)を備える。CSAM構成要素300とSPFDB構成要素の両方が未完成の加工物110上で機能する。CSAM構成要素300はCSAM材料301を取り込み、SPFDB構成要素400はSPFDB材料401を取り込む。
【0016】
CSAM構成要素300(CSAM材料301からの)は、添加材303を未完成の加工物110にコールドスプレーする。添加材303のコールドスプレーは、標的領域124における完成した加工物120の厚さの増大をもたらす。これは、標的領域124における完成した加工物120の構造的補強を提供することができ、また機能的に等級付けされた材料を提供することができ、図3に関連してさらに詳細に説明される。図4に関連してさらに詳細に説明されるように、SPFDB構成要素400は、金型150を用いて未完成の加工物110上で超塑性成形を実行する。
【0017】
次に図2に目を向けると、システム100の様々な構成200a~200dが示されている。構成200aの場合(参考例)、CSAM構成要素300は、SPFDB構成要素400が金型150を使用して未完成の加工物110を完成した加工物120の形状になるように成形するとき、結果として生じる完成した加工物120が所望の厚さプロファイルを有するようなやり方で添加材303を未完成の加工物110に噴霧する。構成200aを使用して、未完成の加工物110を完成した加工物120に変える段階が、図5に示されている。構成200bの場合、CSAM構成要素300は、添加材303を金型150に噴霧し、次いで、SPFDB構成要素400は、添加材303との拡散接合を実行しながら、金型150を使用して、未完成の加工物110を完成した加工物120の形状になるように成形する。得られた完成した加工物120は、所望の厚さプロファイルを有する。構成200bを使用して、未完成の加工物110を完成した加工物120に変える段階が、図7に示されている。
【0018】
構成200cの場合(参考例)、SPFDB構成要素400は、金型150を使用して未完成の加工物110を完成した加工物120の大まかな形状になるように成形し、次に、CSAM構成要素300は、添加材303を未完成の加工物110に噴霧して、それを所望の厚さプロファイルを有する完成した加工物120にする。構成200cを使用して、未完成の加工物110を完成した加工物120に変える段階が、図9に示されている。構成200dの場合、CSAM構成要素300は、添加材303を金型150a(またはモールド150)に噴霧し、次いで、SPFDB構成要素400は、金型150a(またはモールド150)を使用して、未完成の加工物110を添加材303に拡散接合しながら、それを完成した加工物120の形状になるように成形する。得られた完成した加工物120は、所望の厚さプロファイルを有する。構成200dを使用して、未完成の加工物110を完成した加工物120に変える段階が図11に示されている。
【0019】
図3は、CSAM構成要素300の一参考例を示しており、これは、添加材303を未完成の加工物110にコールドスプレーして堆積物370を形成するために使用できるコールドスプレー装置302を含む。添加材303は、未完成の加工物と同じ材料(例えば、チタンまたはアルミニウム)の粉末形態であり得るか、または機能的等級付けのための異なる材料であり得る。窒素またはヘリウムなどのガス源307は、入口308を介してガス制御モジュール306に接続されている。CSAM材料301は、添加材303およびガス307を含む。ガス制御モジュール306は、ノズル304に接続された第1のライン314を通り、粉末チャンバ318に接続された第2のライン316を通り、その後、ノズル304に達するようにガス307の流れを制御する。ライン314および316を通って流れるガス307は、粉末チャンバ318内に配置された添加材303を、粒子流305としてノズル314から噴霧させる。粒子流305は、一例では超音速ノズルであり得るノズル304から高速で移動し、未完成の加工物110の表面に堆積されて堆積物370を形成する。粒子流305は、添加材303の融点よりも十分に低い温度で噴霧される。粒子流305の粒子は、未完成の加工物110に衝突すると、粒子流305の高速のために塑性変形を受け、互いに結合し、かつ未完成の加工物110に結合して未完成の加工物110の厚さを増大させる。
【0020】
コールドスプレー装置302は、一例では、ガス307がノズル304に入る前に、ガス307を必要な温度に加熱するために使用されるヒータ310を含む。例えば、ガス307は、ノズル304に入る前に、摂氏400度から900度の間で加熱されて、添加材303を粒子流305として噴霧することができる。ヒータ310は、粒子流305の速度を加速するために使用されるが、加熱されたガス307からの熱は、粒子流305の粒子の冶金学的結合には伝達されない。
【0021】
一つの参考例では、コールドスプレープロセスで使用される添加材303は、本開示の利点を有する当業者によって認識されるように、未完成の加工物110に所望の厚さを生成するように構成されている。溶射とは対照的に、添加材303のコールドスプレーは、所望の厚さを生成するために、より大量の添加材303の使用を可能にすることができる。添加材303は、完成した加工物120に望まれる構造的補強および他の特性を生みだすための材料の混合物であり得る。例えば、添加材303は、ニッケル粉、コバルト粉、および鉄粉を含むことができる。コールドスプレーの使用は、完成した加工物120を強化するのに役立ち、熱的および機械的応力による歪みを低減する。
【0022】
一つの参考例では、CSAM構成要素300は、未完成の加工物110に対してコールドスプレー装置302を移動させるためにロボット位置決めアーム332を制御するロボット制御システム330を含む。コールドスプレー装置302を移動させることによって、ノズル304は、未完成の加工物110に対して移動し、その結果、粒子流305は、堆積物370のより薄い部分、またはより厚い部分を作り出す。例えば、ノズル304が第2の場所に留まるよりも第1の場所に長く留まるか、または第2の場所を通過するよりも第1の場所を通過する場合、堆積物370は第1の場所でより厚くなる。このようにして、堆積物370は、急激な縁部(例えば、階段関数の縁部)を有するのではなく、その縁部で先細にすることができる。一つの参考例では、ロボット位置決めアーム332は、コールドスプレー装置302ではなく、未完成の加工物110を移動させる。一つの参考例では、2つのロボット位置決めアーム332が、未完成の加工物110とコールドスプレー装置302の両方を移動させる。一つの参考例では、ロボット制御システム330は、図18のコンピューティングデバイス1800の1つまたは複数のプロセッサ1819によって命令を実行することによって少なくとも部分的に制御される。一つの参考例では、ロボット制御システム330は、コンピューティングデバイス1800の一参考例を含む。一つの参考例では、コールドスプレー装置302の構成要素(例えば、ガス制御モジュール306およびヒータ310)は、コンピューティングデバイス1800の一参考例によって制御される。
【0023】
図4は、SPFDB構成要素400の一実装形態を示し、これは、未完成の加工物110を成形するための超塑性成形および未完成の加工物110に材料を結合するための拡散接合を実行するために使用できるSPFDB装置402を含む。具体的には、SPFDB装置402は、未完成の加工物110を金型150に合うように形を作り、金型150は、凹面152を有するものとして示されている。蓋410が、成形チャンバ412上に配置されて、未完成の加工物110を蓋410と成形チャンバ412との間で圧締めする。未完成の加工物110は、ヒータ422を使用して超塑性温度に加熱される。
【0024】
ガス源407が、入口408を介してガス制御モジュール406に接続されている。未完成の加工物110が超塑性温度に達すると、アルゴンを乾燥させることができるガス407が、蓋410の下側と未完成の加工物110との間の空間を加圧するために、入口ライン414および蓋410の通路418を通して加圧下で注入される。未完成の加工物110に対して作用するガス407の圧力は、未完成の加工物110を金型150の凹面152の中に入るように変形させる。圧力は、成形チャンバ412から、第2のガスライン416および成形チャンバ412内の通路420を通るように移動させることができる。未完成の加工物110が金型150の凹面152に一致させるための適合作業を終えると、ガス407の成形圧力が軽減され、蓋410が緩められ、成形チャンバ412から取り出される。一つの実装形態では、背圧(例えば、ガス407を使用する)が、第2のガスライン416および通路420を介して加えられる。図2Dに示されるように、金属ブランク58がダイ56の向かい合う表面に対して完全に成形された後、チャネルAの圧力は、チャネルBの圧力の大きさに戻され、次いで、チャネルAおよびBの両方の圧力は、図4のゾーンCに示されている下降スケジュールで削減される。
【0025】
SPFDB材料401は、離型剤403と、ガス407とを含む。一つの実装形態では、離型剤403は、金型150からの完成した加工物120(またはSPFDBが最終プロセスステップであるかどうかに応じて、未完成の加工物110)の取り外しを容易にするために加えられる。一つの実装形態では、SPFDB構成要素400は、SPFDB装置402の構成要素(例えば、ガス制御モジュール406およびヒータ422)を制御するコンピューティングデバイス1800の一実装形態を含む。
【0026】
図5は、図2に示されるように、システム100の構成200aを使用して、未完成の加工物110を完成した加工物120に変える段階501~503を示す。未完成の加工物110は、金型150に対して配置される向かい合う側111と、裏側112とを有する。金型150は、凹面152を有する。二次元(2D)プロファイルのみが示されているが、金型150内の凹面152は、直交する寸法で湾曲する二重に湾曲している場合もあることを理解されたい。例えば、2Dで示される凹面152は、三次元(3D)では半円であり、凹面は半球形であり得る。段階501において、未完成の加工物110は、金型150の凹面152に一致するようにまだ適合されておらず、未完成の加工物110は、コールドスプレーに曝されていない。
【0027】
段階502において、添加材303が、未完成の加工物110上にコールドスプレーされ、標的領域124内に堆積物370を形成する。堆積物370は、未完成の加工物110の向かい合う側111および裏側112のいずれか、または両方にあり得ることを理解されたい。図示のように、標的領域124は、金型150の凹面152に一致するであろう、未完成の加工物110の部分に広がっている。段階503において、未完成の加工物110は、超塑性成形によって再成形され、成形された部分122を有する完成した加工物120にされる。図示のように、標的領域124は、成形された部分122全体に広がっているが、これは、例示のみを目的としていることを理解されたい。いくつかの参考例では、標的領域124の少なくとも一部が、成形された部分122の少なくとも一部と重なり、その結果、成形された部分122は、標的領域124の全体を含み、標的領域124をさらに超えて延伸する場合があり、標的領域124は、成形された部分122の全体に広がり、成形された部分122をさらに超えて延伸する場合がある、また標的領域124および成形された部分122は、一部が重なる場合がある。
【0028】
一つの参考例では、堆積物370によって残された増大した厚さは、標的領域124における完成した加工物120の構造的補強を提供する。また、示されるように、標的領域124における完成した加工物120の増大した厚さは、標的領域124の縁部126で先細になっている。例示の目的で、完成した加工物120の厚さに階段関数を生み出する急激な縁部128も示されている。一つの参考例では、システム100は、急激な縁部を回避し、先細になった縁部を生成する有利な能力を有し、これは、いくつかのシナリオにおいて好ましい。
【0029】
図6は、図2の構成200aを使用して、図5の段階501~503に示されるように、完成した加工物120を製作する方法を示すフローチャート600(参考例)である。動作602は、完成した加工物120の要件、例えば、形状および厚さプロファイル、ならびに添加材303に使用する材料を受け取ることを含む。動作604は、未完成の加工物110、ガス307、および添加材303の温度を制御することを含む。一つの参考例では、未完成の加工物110は、チタン、アルミニウム、およびステンレス鋼から成るリストから選択された金属を有する金属基板を備える。
【0030】
動作606は、添加材303を未完成の加工物110にコールドスプレーすることを含む。一つの参考例では、コールドスプレーはヘリウムまたは窒素ガスを使用する。動作608は、未完成の加工物110を凹面152を有する金型150上に位置決めすることを含む。動作610は、未完成の加工物110、金型150、およびガス407の温度を制御することを含む。動作612は、未完成の加工物110を、成形された部分122を有する完成した加工物120になるように超塑性成形することを含み、成形された部分122は、凹面152によって画定される形状に一致している。動作614は、完成した加工物120を金型150から取り外すことを含む。一つの参考例では、完成した加工物120を金型150から取り外すことは、離型剤403を使用して、完成した加工物120を金型150から取り外すことを含む。一つの参考例では、完成した加工物120を金型150から取り外すことは、例えば、第2のガスライン416および通路420を介して背圧を使用することを含む。
【0031】
動作606における添加材303のコールドスプレーは、標的領域124における完成した加工物120の厚さの増大をもたらした。一つの参考例では、標的領域124の少なくとも一部は、成形された部分122の少なくとも一部と重なる。一つの参考例では、標的領域124における完成した加工物120の増大した厚さは、標的領域124の縁部126で先細になっている。一つの参考例では、成形された部分122は二重に湾曲している。一つの参考例では、厚さの増大は、標的領域124における完成した加工物120の構造的補強を提供する。
【0032】
図7は、図2に示されるように、システム100の構成200bを使用して、未完成の加工物110を完成した加工物120に変える段階701~703を示す。段階701において、未完成の加工物110は、金型150の凹面152に一致するようにまだ適合されておらず、未完成の加工物110は、コールドスプレーに曝されていない。段階702において、添加材303が、金型150上に凹面152内でコールドスプレーされ、堆積物372を形成する。段階703において、未完成の加工物110は、超塑性成形によって再成形され、したがって、成形された部分122を有する完成した加工物120にされる。図示のように、標的領域124は、堆積物372の位置に対応する成形された部分122の部分に広がっている。堆積物372の添加材303は、未完成の加工物110(現在は完成した加工物120)に拡散接合されている。標的領域124の位置、厚さ、および縁部は、前述のように制御することができる。
【0033】
図8は、図2の構成200bを使用して、図7の段階701~703に示されるように、完成した加工物120を製作する方法を示すフローチャート800である。動作802は、完成した加工物120の要件、例えば、形状および厚さプロファイル、ならびに添加材303に使用する材料を受け取ることを含む。動作804は、金型150、ガス307、および添加材303の温度を制御することを含む。動作806は、凹面152を有する金型150上に添加材303をコールドスプレーすることを含む。一つの実装形態では、コールドスプレーはヘリウムまたは窒素ガスを使用する。
【0034】
動作808は、未完成の加工物110を金型150上に位置決めすることを含む。一つの実装形態では、未完成の加工物110は、チタン、アルミニウム、およびステンレス鋼から成るリストから選択された金属を有する金属基板を備える。動作810は、未完成の加工物110、金型150、堆積物372、およびガス407の温度を制御することを含む。動作812は、未完成の加工物110を超塑性成形し、コールドスプレーされた添加材303(堆積物372として)を未完成の加工物110と拡散接合し、それによって未完成の加工物110を成形された部分122を有する完成した加工物120にし、成形された部分122は、凹面152によって画定される形状に一致している。動作814は、完成した加工物120を金型150から取り外すことを含む。一つの実装形態では、完成した加工物120を金型150から取り外すことは、離型剤403を使用して、完成した加工物120を金型150から取り外すことを含む。一つの実装形態では、完成した加工物120を金型150から取り外すことは、例えば、第2のガスライン416および通路420を介して背圧を使用することを含む。
【0035】
動作806における添加材303のコールドスプレーは、標的領域124における完成した加工物120の厚さの増大をもたらす。一つの実装形態では、標的領域124の少なくとも一部は、成形された部分122の少なくとも一部と重なる。一つの実装形態では、標的領域124における完成した加工物120の増大した厚さは、標的領域124の縁部126で先細になっている。一つの実装形態では、成形された部分122は二重に湾曲している。一つの実装形態では、厚さの増大は、標的領域124における完成した加工物120の構造的補強を提供する。
【0036】
図9は、図2に示されるように、システム100の構成200cを使用して、未完成の加工物110を完成した加工物120に変える段階を示す(参考例)。段階901において、未完成の加工物110は、金型150の凹面152と一致するようにまだ適合されておらず、未完成の加工物110は、コールドスプレーに曝されていない。段階902で、未完成の加工物110は、金型150に一致するように超塑性成形によって再成形され、成形された部分122を有する。段階903において、添加材303が、凸面または凹面のいずれか、あるいはその両方で、未完成の加工物110にコールドスプレーされる。コールドスプレーは、未完成の加工物110を完成した加工物120にする。標的領域124の位置、厚さ、および縁部は、前述のように制御することができる。
【0037】
図10は、図2の構成200cを使用して、図9の段階901~903に示されるように、完成した加工物120を製作する方法を示すフローチャート1000である(参考例)。動作1002は、完成した加工物120の要件、例えば、形状および厚さプロファイル、ならびに添加材303に使用する材料を受け取ることを含む。動作1004は、未完成の加工物110を凹面152を有する金型150上に位置決めすることを含む。一つの参考例では、未完成の加工物110は、チタン、アルミニウム、およびステンレス鋼から成るリストから選択された金属を有する金属基板を備える。動作1006は、未完成の加工物110、金型150、およびガス407の温度を制御することを含む。
【0038】
動作1008は、未完成の加工物110を成形された部分122を有する完成した加工物120になるように超塑性成形し、成形された部分122は、凹面152によって画定される形状に一致することを含む。動作1010は、金型150から未完成の加工物110を取り外すことを含む。一つの参考例では、未完成の加工物110を金型150から取り外すことは、離型剤403を使用して、未完成の加工物110を金型150から取り外すことを含む。一つの参考例では、金型150から未完成の加工物110を取り外すことは、例えば、第2のガスライン416および通路420を介して背圧を使用することを含む。
【0039】
動作1012は、未完成の加工物110、ガス307、および添加材303の温度を制御することを含む。動作1014は、添加材303を未完成の加工物110にコールドスプレーすることを含む。一つの参考例では、コールドスプレーはヘリウムまたは窒素ガスを使用する。動作1014における添加材303のコールドスプレーは、標的領域124における完成した加工物120の厚さの増大をもたらす。一つの参考例では、標的領域124の少なくとも一部は、成形された部分122の少なくとも一部と重なる。一つの参考例では、標的領域124における完成した加工物120の増大した厚さは、標的領域124の縁部126で先細になっている。一つの参考例では、成形された部分122は二重に湾曲している。一つの参考例では、厚さの増大は、標的領域124における完成した加工物120の構造的補強を提供する。
【0040】
図11は、図2に示されるように、システム100の構成200dを使用して、未完成の加工物110を完成した加工物120に変える段階を示す。段階1101において、未完成の加工物110は、まだコールドスプレーまたは超塑性成形に曝されていない。凹面152aを有する金型150aが示されている。添加材303が、凹面152内の金型150aにコールドスプレーされ、堆積物376を形成するが、金型150を代わりにこの目的のために使用することもできる。さらに、未完成の加工物110を形成するために使用される凹面152bを有する金型150bが示されているが、代わりに金型150をこの目的のために使用することもできる。
【0041】
段階1102で、堆積物376(添加材303を含む)は、金型150aから金型150bに移される。一つの実装形態では、凹面152aは、凹面152bと十分に類似した形状であり、堆積物376を形成する。一つの実装形態では、添加材303は、最初に金型150aに噴霧されてから移動されるのではなく、金型150bに直接コールドスプレーされる。一つの実装形態では、金型150aおよび150bではなく、金型150が使用される。段階1103において、未完成の加工物110が、超塑性成形によって再成形され、地点130で堆積物376に拡散接合される。これは、未完成の加工物110を、成形された部分122(このシナリオでは、以前は堆積物376であった)を有する完成した加工物120にする。これは、未完成の加工物110の長さ134に対して、堆積物376によって提供される長さ136だけ、完成した加工物120の延伸した長さ132をもたらす。標的領域124の位置、厚さ、および縁部は、前述のように制御することができる。
【0042】
図12は、図2の構成200dを使用して、図11の段階1101~1103に示されるように、完成した加工物120を製作する方法を示すフローチャート1200である。動作1202は、完成した加工物120の要件、例えば、形状および厚さプロファイル、ならびに添加材303に使用する材料を受け取ることを含む。動作1204は、金型150a、ガス307、および添加材303の温度を制御することを含む。動作1206は、凹面152aを有する金型150aに添加材303をコールドスプレーすることを含む。一つの実装形態では、コールドスプレーはヘリウムまたは窒素ガスを使用する。
【0043】
動作1208は、未完成の加工物110を金型150b上に位置決めし、コールドスプレーされた添加材303(例えば、堆積物376)を金型150b上に配置することを含む。一つの実装形態では、コールドスプレーされた添加材303を金型150b上に配置することは、コールドスプレーされた添加材303を凹面152b内に配置することを含む。一つの実装形態では、コールドスプレーされた添加材303を金型150b上に配置することは、添加材303を(金型150aではなく)金型150b上にコールドスプレーすることを含む。一つの実装形態では、未完成の加工物110は、チタン、アルミニウム、およびステンレス鋼から成るリストから選択された金属を有する金属基板を備える。
【0044】
動作1210は、未完成の加工物110、金型150、堆積物372、およびガス407の温度を制御することを含む。動作1212は、未完成の加工物110を超塑性成形し、コールドスプレーされた添加材303(堆積物376として)を未完成の加工物110と拡散接合し、それによって未完成の加工物110を成形された部分122を有する完成した加工物120にし、成形された部分122は凹面152によって画定される形状に適合する。動作1214は、完成した加工物120を金型150から取り外すことを含む。一つの実装形態では、完成した加工物120を金型から取り外すことは、離型剤403を使用して完成した加工物120を金型150から取り外すことを含む150を含む。一つの実装形態では、完成した加工物120を金型150から取り外すことは、例えば、第2のガスライン416および通路420を介して背圧を使用することを含む。
【0045】
動作1206における添加材303のコールドスプレーは、未完成の加工物の長さ134に対して、完成した加工物120の延伸した長さ132をもたらす。一つの実装形態では、コールドスプレーされた添加材303(例えば、堆積物376)は、その縁部が先細になっている。一つの実装形態では、成形された部分122は二重に湾曲している。一つの実装形態では、厚さの増大は、標的領域124における完成した加工物120の構造的補強を提供する。
【0046】
図13は、完成した加工物120を製作する別の方法を示すフローチャート1300である。一つの実装形態では、動作1302は、完成した加工物120の要件、例えば、形状および厚さプロファイル、ならびに添加材303に使用する材料を受け取ることを含む。特定の構成、例えば、システム100の構成200a~200dのうちの1つが動作1304で選択される。動作1306において、システム100の構成要素、例えば、CSAM構成要素300およびSPFDB構成要素400は、動作1304でなされた選択に従って構成される。未完成の加工物110を動作1308で受け取る。フローチャート600、800、1000、および1200のうちの適切な1つが、動作1310として、完成した加工物120を製作する(例えば、未完成の加工物110を完成した加工物120にする)ために実行される。
【0047】
このように様々な構成200a~200dの様々な動作を説明し、かつ再び図1を参照すると、システム100は、成形された部分122を有する完成した加工物120を製作するためのシステムであり、システム100は、SPFDB構成要素400と、CSAM構成要素300と、凹面152を有する金型150とを備え、この場合システム100は、未完成の加工物110を取り込み、CSAM構成要素300を用いて、添加材303を未完成の加工物110にコールドスプレーし、SPFDB構成要素400を用いて、金型150を用いて未完成の加工物110上で超塑性成形を実行し、それにより、未完成の加工物110を、成形された部分122を有する完成した加工物120にし、成形された部分122は、凹面152によって画定される形状に一致するように構成されている。一つの実装形態では、未完成の加工物110は、チタン、アルミニウム、およびステンレス鋼から成るリストから選択された金属を有する金属基板を備える。一つの実装形態では、添加材303のコールドスプレーは、標的領域124における完成した加工物120の厚さの増大をもたらす。一つの実装形態では、標的領域124の少なくとも一部は、成形された部分122の少なくとも一部と重なる。一つの実装形態では、厚さの増大は、標的領域124における完成した加工物120の構造的補強を提供する。一つの実装形態では、標的領域124における完成した加工物120の増大した厚さは、標的領域124の縁部128で先細になっている。一つの実装形態では、成形された部分122は二重に湾曲している。一つの実装形態では、コールドスプレーはヘリウムまたは窒素ガスを使用する。一つの実装形態では、完成した加工物120を金型150から取り外すことは、離型剤403を使用して、完成した加工物120を金型150から取り外すことを含む。
【0048】
図14は、内部ポケット1404a~1404dを備えたサンドイッチ構造1402を形成するためのマルチシートSPFDBの配置1400を示している。2つの加工物、すなわち加工物110aおよび加工物110bは、継ぎ目1412a、1412b、および1412cで接合されている。ガスライン1410が、内部ポケット1404a~1404dを膨張させるための圧力を提供し、それにより、サンドイッチ構造1402を生成する。いくつかの実装形態では、アルゴンを使用して、加工物110aおよび110bの酸化、または加工物110aおよび110bのサンドイッチ構造1402への超塑性成形に必要な温度で発生する可能性がある他の好ましくない相互作用を最小限に抑える。
【0049】
図15は、サンドイッチ構造1402をコアとして使用する4枚のサンドイッチ構造1500を示している。サンドイッチ構造1500は、表面層1501(加工物110cから作成された)、第1のコア層1502(図14の加工物110aから作成された)、第2のコア層1503(図14の加工物110bから作成された)、および第2の表面層1504(加工物110dから作成された)を有する。サンドイッチ構造1500は、同じ4枚の材料で作成された平らな部分(内部ポケット1404a~1404dを持たない)に対して、強化された構造強度およびノイズ低減を提供することができる。いくつかの実装形態では、第2のガスライン1510が、SPFDBプロセス中に設けられて、コア層1502と、表面層1501との間、コア層1503と表面層1504との間の領域1512を膨張させる。
【0050】
図16は、CSAMを使用して、サンドイッチ構造1500の内側および/または外側の少なくともいくつかの部分に添加材のパッド1602~1618を形成するための選択肢を示している。添加材(例えば、添加材のパッド1602~1618)の増大した厚さは、サンドイッチ構造1500の構造的補強を提供する。例えば、添加材のパッド1602は、表面層1501とコア層1502との間のポケット(ギャップ)がある場所の少なくとも一部にわたって、表面層1501の外側にある。これは、他のポケットの場所についても繰り返されてよい。添加材のパッド1604は、表面層1501とコア層1502との間のポケットがある場所の少なくとも一部にわたって、表面層1501の内側にある。これは、他のポケットの場所についても繰り返されてよい。添加材のパッド1606は、表面層1501とコア層1502との間の拡散接合が存在する場所の少なくとも一部にわたって、表面層1501の外側にある。これは、他の拡散接合位置についても繰り返されてよい。添加材のパッド1608は、表面層1501とコア層1502との間の拡散接合が存在する場所の少なくとも一部にわたって、表面層1501の内側にある。これは、他の拡散接合位置についても繰り返されてよい。表面層1501についてこのように説明したパッドの位置は、(コア層1503と比較して)表面層1504の同等の位置に複製されてもよい。
【0051】
添加材のパッド1612は、表面層1504とコア層1503との間のポケットがある場所の少なくとも一部にわたって、コア層1503の外側(サンドイッチ構造1402に対して)にある。これは、他のポケットの場所についても繰り返されてよい。添加材のパッド1614は、表面層1504とコア層1503との間のポケットがある場所の少なくとも一部にわたって、コア層1503の内側(サンドイッチ構造1402に対して)にある。これは、他のポケットの場所についても繰り返されてよい。添加材のパッド1616は、表面層1504とコア層1503との間の拡散接合が存在する場所の少なくとも一部にわたって、コア層1503の外側にある。これは、他の拡散接合位置についても繰り返されてよい。添加材のパッド1618は、表面層1504とコア層1503との間の拡散接合が存在する場所の少なくとも一部にわたって、コア層1503の内側にある。これは、他の拡散接合位置についても繰り返されてよい。表面層1504についてこのように説明されたパッドの位置は、(コア層1502に対して)表面層1501の同等の位置に複製されてよい。一部のパッドの位置は、他のパッドの位置よりも好ましい性能を提供する場合がある。さらに、添加材1602~1618のパッドは、サンドイッチ構造1500に示される他の特徴に対して示されるよりも広い場合、またはそれより狭い場合があってよい。添加材のパッド1602~1618は、ポケットおよび拡散接合位置に関連する対応する位置でサンドイッチ構造1500上に複製され得るすべてのパッドを表す。
【0052】
図17は、SPFDBおよびCSAMの両方を使用してサンドイッチ構造1500を製作する方法を示すフローチャート1700である(参考例)。動作1702において、CSAMは、添加材のパッド1604、1608、1612、1614、1618、および1618のうちの少なくともいずれか1つが動作1704のSPFDBプロセスの後に見えなくなるように実行される。したがって、動作1702は、サンドイッチ構造(例えば、サンドイッチ構造1402または1500)で使用される複数の加工物110a~110dのうちの少なくとも1つの加工物の上に添加材をコールドスプレーすることを含む。一つの参考例では、コールドスプレーはヘリウムまたは窒素ガスを使用する。
【0053】
一つの参考例では、サンドイッチ構造1500は、単一のSPFDB動作1704で形成される。一つの参考例では、サンドイッチ構造1402は、最初のSPFDB動作1704で形成され、二度目の通過動作1702において添加材のパッド1612および1616の追加を可能にし、次いで、二度目のSPFDB動作1704において、サンドイッチ構造1402を使用してサンドイッチ構造1500が形成される。したがって、動作1704は、複数の加工物110a~110dをサンドイッチ構造1402または1500に超塑性成形および拡散接合することを含む。一つの参考例では、サンドイッチ構造1500は、4枚のサンドイッチ構造を含む。
【0054】
動作1706において、CSAMプロセスが、形成されたサンドイッチ構造1500に対して実行されて、添加材のパッド1602および1606を追加するが、添加材のパッド1602および1606は、動作1702において代わりに形成される場合もある。添加材のパッド1602および1606(および対応する位置にある他のパッド)のみが使用される場合、動作1702は任意選択である。したがって、動作1702および1706の少なくとも1つは実行されるべきであるが、動作1702および1706のそれぞれは任意選択である。動作1706は、サンドイッチ構造(例えば、一回の動作1704で、または二回の通過する動作1704で形成されたサンドイッチ構造1500)に添加材をコールドスプレーすることを含む。
【0055】
このように、本開示の態様は、例えば4枚の加工物シートを使用して4枚のサンドイッチ構造(例えば、サンドイッチ構造1500)を作成するために、内部ポケットを備えたサンドイッチ構造を形成するためのマルチシートSPFDBに使用されてよい。CSAMを使用して、サンドイッチ構造1500の内側および/または外側の少なくともいくつかの部分、例えば、表面層1501および1504の内側または外側、および/またはコア層1502および1503の内側または外側にパッドを形成することができる。
【0056】
ここで図18を参照して、本開示の様々な態様を実施するのに適したコンピューティングデバイス1800のブロック図を説明する。いくつかの実装形態では、コンピューティングデバイス1800は、メモリ1822に保持されているオペレーティングシステム1820およびアプリケーションソフトウェア1821を実行する1つまたは複数のプロセッサ1819を含む。コンピューティングデバイス1800に関連する開示される実装形態は、パーソナルコンピュータ、ラップトップ、スマートフォン、モバイルタブレット、ハンドヘルドデバイス、家庭用電化製品、特殊コンピューティングデバイスなどを含む様々なコンピューティングデバイスによって実施される。「ワークステーション」、「サーバ」、「ラップトップ」、「ハンドヘルドデバイス」などのようなカテゴリの間では、これらはすべて、図18および本明細書での「コンピューティングデバイス」への言及の範囲内で企図されるとき、区別されていない。開示される実装形態は、通信ネットワークを介してリンクされたリモート処理デバイスによってタスクが実行される分散コンピューティング環境でも実施される。さらに、コンピューティングデバイス1800は、一見単一のデバイスとして描かれているが、1つの実装形態では、複数のコンピューティングデバイスが一緒に動作し、描かれるデバイスリソースを共有する。例えば、一つの実装形態では、メモリ1822は複数のデバイスに分散され、提供されるプロセッサ1819は異なるデバイス上に収容される。
【0057】
一つの実装形態では、メモリ1822は、本明細書で説明されるコンピュータ可読媒体のいずれかを含む。一つの実装形態では、メモリ1822は、本明細書に開示される様々な動作を実行するように構成された命令を格納する、およびアクセスするために使用される。いくつかの実装形態では、メモリ1822は、揮発性および/または不揮発性メモリ、リムーバブルまたは非リムーバブルメモリ、仮想環境内のデータディスク、またはそれらの組み合わせの形態のコンピュータ記憶媒体を含む。一つの実装形態では、プロセッサ1819は、メモリ1822、通信インターフェース1823、または入力/出力(I/O)コントローラー1824などの様々なエンティティからデータを読み取る任意の数の処理ユニットを含む。具体的には、プロセッサ1819は、本開示の態様を実施するためのコンピュータ実行可能命令を実行するようにプログラムされている。一つの実装形態では、命令は、コンピューティングデバイス1800内の複数のプロセッサ1819によって、またはコンピューティングデバイス1800の外部のプロセッサ1819によって実行される。
【0058】
通信インターフェース1823は、コンピューティングデバイス1800が、例えば有線または無線ネットワークを介して、パブリックまたはプライベートであり、様々なプロトコルを使用することができる他のデバイスに論理的に結合されることを可能にする。I/Oコントローラー1824は、コンピューティングデバイス1800の動作および制御を可能にする出力1825および入力1826を提供する。当業者は、コンピュータデータが、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)で視覚的に、スピーカーを通して聴覚的に、および周辺機器への無線または有線接続を介してなど、いくつかの方法で提示されることを理解し、認識するであろう。当業者はまた、コンピュータ入力が、マイクロフォン、キーボードまたはキーパッド、マウスまたは他のポインティングデバイス、およびタッチスクリーンを介するなどして、多くの方法で受け取られることを理解し、認識するであろう。コンピューティングデバイス1800に関連して説明したが、本開示の実装形態は、他の多くの汎用または特殊目的のコンピューティングシステム環境、構成、またはデバイスで実装することができる。
【0059】
本開示のいくつかの例は、図19図21に関連して示され、説明されるように、製造およびサービス用途で使用される。したがって、本開示の実装形態は、図19に示される製造およびサービス方法1900の装置および図20に示される装置2000の文脈で説明される。図19には、一実装形態に従って、装置の製造およびサービス方法1900を示すブロック図が描かれている。一つの実装形態では、製造前の間に、装置の製造およびサービス方法1900は、図20の装置2000の仕様および設計1902および材料調達1904を含む。製造中、図20の装置2000の構成要素および部分組立品の製造1906およびシステム統合1908が行われる。その後、図20の装置2000は、就航中1912につかせるために、認証および搬送1910を受ける。顧客による就航中に、図20の装置2000は、日常の整備および保守点検1914が予定されており、これには、一つの実装形態では、本明細書で説明する構成管理の対象となる修正、再構成、改修、および他の保守またはサービスが含まれる。
【0060】
一つの実装形態では、装置の製造およびサービス方法1900のプロセスの各々は、システムインテグレータ、第三者、および/またはオペレータによって実行または実施される。これらの実装形態では、オペレータは顧客である。この説明の目的上、システムインテグレータには、任意の数の装置メーカー、および主要システムの下請け業者が含まれ、第三者には、任意の数のベンダー、下請け業者、および供給業者が含まれ、そして一つの実装形態では、オペレータは、装置または装置のフリートの所有者、装置または装置のフリートに責任のある管理者、装置を操作するユーザ、リース会社、軍事組織、サービス組織などである。
【0061】
ここで図20を参照して、装置2000について説明する。図20に示すように、装置2000の例は、航空宇宙機、航空機、航空貨物、飛行ビークルなどの飛行装置2001である。図20にも示されるように、装置2000のさらなる例は、自動車、トラック、重機、建設機械、ボート、船、潜水艦などの地上輸送装置2002である。図20に示される装置2000のさらなる例は、以下のモジュール、すなわちエアモジュール、ペイロードモジュール、および地上モジュールのうちの少なくとも1つまたは複数を備えるモジュール式装置2003である。エアモジュールは、空輸または飛行機能を提供する。ペイロードモジュールは、貨物や生き物(人、動物など)などの対象物を輸送する機能を提供する。地上モジュールは、地上での移動の機能を提供する。本明細書で開示される解決策は、各モジュールに個別に、またはエアモジュールとペイロードモジュール、あるいはペイロードモジュールと地上モジュールなど、あるいはすべてのモジュールなどのグループで適用される。
【0062】
ここで図21を参照して、本開示の実装形態が有利に使用される飛行装置2001のより具体的な図が示されている。この例では、飛行装置2001は、図19の装置製造およびサービス方法1900によって製造された航空機であり、複数のシステム2104および内部2106を備えた機体2102を含む。複数のシステム2104の実装形態は、推進システム2108、電気システム2110、油圧システム2112、および環境システム2114のうちの1つまたは複数を含む。ただし、他のシステムも含むための候補である。航空宇宙の例が示されているが、自動車産業などの他の産業にも様々な有利な実装形態が適用される。
【0063】
本明細書に開示される実装形態は、コンピュータ、あるいはパーソナルデータアシスタントまたは他のハンドヘルドデバイスなどの他のマシンによって実行される、プログラムコンポーネントなどのコンピュータ実行可能命令を含む、コンピュータコードまたはマシン使用可能命令の一般的な文脈で説明される。一般に、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含むプログラムコンポーネントは、特定のタスクを実行するコード、または特定の抽象データ型を実装するコードを指す。開示される実装形態は、パーソナルコンピュータ、ラップトップ、スマートフォン、モバイルタブレット、ハンドヘルドデバイス、家庭用電化製品、特殊コンピューティングデバイスなどを含む様々なシステム構成で実施される。開示される実装形態は、通信ネットワークを介してリンクされたリモート処理デバイスによってタスクが実行される分散コンピューティング環境でも実施される。
【0064】
以下の段落は、開示のさらなる態様を説明しており、
A1.成形された部分を有する完成した加工物を製作するためのシステムであって、システムは、
超塑性成形拡散接合(SPFDB)構成要素と、
コールドスプレー付加製造(CSAM)構成要素と、
凹面を有する金型とを備え、
システムは、
未完成の加工物を取り込み、
CSAM構成要素を用いて、未完成の加工物の上に添加材をコールドスプレーし、
SPFDB構成要素を用いて、金型を用いて未完成の加工物上で超塑性成形を実行し、それによって未完成の加工物を成形された部分を有する完成した加工物にし、成形された部分は、凹面によって画定される形状に一致する
ように構成されているシステム。
A2.未完成の加工物は、チタン、アルミニウム、ステンレス鋼から成るリストから選択される金属を有する金属基板を備える、A1のシステム。
A3.添加材のコールドスプレーは、標的領域における完成した加工物の厚さの増大をもたらす、A1のシステム。
A4.標的領域の少なくとも一部は、成形された部分の少なくとも一部と重なる、A3のシステム。
A5.増大した厚さは、標的領域における完成した加工物の構造的補強を提供する、A3のシステム。
A6.標的領域における完成した加工物の増大した厚さは、標的領域の縁部で先細になっている、A3のシステム。
A7.成形された部分は二重に湾曲している、A1のシステム。
A8.コールドスプレーは、ヘリウムまたは窒素ガスを使用する、A1のシステム。
A9.金型から完成した加工物を取り外すことは、離型剤を使用して金型から完成した加工物を取り外すことを含む、A1のシステム。
A10.成形された部分を有する完成した加工物を製作する方法であって、方法は、
未完成の加工物に添加材をコールドスプレーするステップと、
未完成の加工物を凹面を有する金型上に位置決めするステップと、
未完成の加工物を成形された部分を有する完成した加工物になるように超塑性成形するステップであって、成形された部分は、凹面によって画定される形状に一致している、ステップと、
完成した加工物を金型から取り外すステップと
を含み、
添加材のコールドスプレーは、標的領域における完成した加工物の厚さの増大をもたらす、
方法。
A11.未完成の加工物は、チタン、アルミニウム、ステンレス鋼から成るリストから選択される金属を有する金属基板を含む、A10の方法。
A12.標的領域の少なくとも一部は、成形された部分の少なくとも一部と重なる、A10の方法。
A13.標的領域における完成した加工物の増大した厚さは、標的領域の縁部で先細になっている、A10の方法。
A14.成形された部分は二重に湾曲している、A10の方法。
A15.増大した厚さは、標的領域における完成した加工物の構造的補強を提供する、A10の方法。
A16.コールドスプレーは、ヘリウムまたは窒素ガスを使用する、A10の方法。
A17.完成した加工物を金型から取り外すことは、離型剤を使用して完成した加工物を金型から取り外すことを含む、A10の方法。
A18.成形された部分を有する完成した加工物を製作する方法であって、方法は、
凹面を有する金型の上に添加材をコールドスプレーするステップと、
未完成の加工物を金型上に位置決めするステップと、
未完成の加工物を超塑性成形し、コールドスプレーされた添加材を未完成の加工物と拡散接合し、それにより、未完成の加工物を成形された部分を有する完成した加工物にし、成形された部分は、凹面によって画定される形状に一致しているステップと、
完成した加工物を金型から取り外すステップと
を含み、
添加材のコールドスプレーは、標的領域における完成した加工物の厚さの増大をもたらす、
方法。
A19.未完成の加工物は、チタン、アルミニウム、ステンレス鋼から成るリストから選択される金属を有する金属基板を備える、A18の方法。
A20.添加材の少なくとも一部が凹面の中にコールドスプレーされ、標的領域の少なくとも一部は、成形された部分の少なくとも一部と重なる、A18の方法。
A21.増大した厚さは、標的領域における完成した加工物の構造的補強を提供する、A18の方法。
A22.コールドスプレーは、ヘリウムまたは窒素ガスを使用する、A18の方法。
A23.標的領域における完成した加工物の増大した厚さは、標的領域の縁部で先細になっている、A18の方法。
A24.成形された部分は二重に湾曲している、A18の方法。
A25.完成した加工物を金型から取り外すことは、離型剤を使用して完成した加工物を金型から取り外すことを含む、A18の方法。
A26.成形された部分を有する完成した加工物を製作する方法であって、方法は、
未完成の加工物を凹面を有する金型上に位置決めするステップと、
未完成の加工物を超塑性成形して、未完成の加工物上に成形された部分を形成し、成形された部分は、凹面によって画定される形状に一致しているステップと、
未完成の加工物を金型から取り外すステップと、
未完成の加工物の上に添加材をコールドスプレーし、それにより、未完成の加工物を完成した加工物にするステップと
を含み、
添加材のコールドスプレーは、標的領域における完成した加工物の厚さの増大をもたらす、
方法。
A27.未完成の加工物は、チタン、アルミニウム、ステンレス鋼から成るリストから選択される金属を有する金属基板を含む、A26の方法。
A28.標的領域の少なくとも一部は、成形された部分の少なくとも一部と重なる、A26の方法。
A29.標的領域における完成した加工物の増大した厚さは、標的領域の縁部で先細になっている、A26の方法。
A30.成形された部分は二重に湾曲している、A26の方法。
A31.増大した厚さは、標的領域における完成した加工物の構造的補強を提供する、A26の方法。
A32.コールドスプレーは、ヘリウムまたは窒素ガスを使用する、A26の方法。
A33.未完成の加工物を金型から取り外すことは、離型剤を使用して完成した加工物を金型から取り外すことを含む、A26の方法。
A34.成形された部分を有する完成した加工物を製作する方法であって、方法は、
凹面を有する金型の上コールドスプレーされた添加材を配置するステップと、
未完成の加工物を金型上に位置決めするステップと、
未完成の加工物を超塑性成形し、コールドスプレーされた添加材を未完成の加工物と拡散接合し、それにより、未完成の加工物を成形された部分を有する完成した加工物にし、成形された部分は、凹面によって画定される形状に一致しているステップと、
完成した加工物を金型から取り外すステップと
を含み、
添加材のコールドスプレーは、未完成の加工物の長さに対して完成した加工物の延伸した長さをもたらす、
方法。
A35.未完成の加工物は、チタン、アルミニウム、ステンレス鋼から成るリストから選択される金属を有する金属基板を備える、A34の方法。
A35.金型の上にコールドスプレー添加材を配置するステップは、金型の上に添加材をコールドスプレーするステップを含む、A34の方法。
A36.コールドスプレーされた添加材を金型の上に配置するステップは、コールドスプレーされた添加材を凹面内に配置するステップを含む、A34の方法。
A37.コールドスプレーされた添加材は、その縁部で先細になっている、A34の方法。
A38.成形された部分は二重に湾曲している、A34の方法。
A39.コールドスプレーは、ヘリウムまたは窒素ガスを使用する、A34の方法。
A40.完成した加工物を金型から取り外すことは、離型剤を使用して完成した加工物を金型から取り外すことを含む、A34の方法。
A42.成形された部分を有する完成した加工物を製作する方法であって、方法は、
完成した部品に関する要件を受け取るステップと、
CSAM構成要素およびSPFDB構成要素に関する構成を選択するステップと、
選択に応じてCSAM構成要素およびSPFDB構成要素を構成するステップと、
未完成の加工物を受け取るステップと、
未完成の加工物を完成した加工物にするステップと
を含み、完成した加工物にするステップは、
CSAM構成要素を用いて、未完成の加工物の上に添加材をコールドスプレーするステップと、
SPFDB構成要素を用いて、金型を用いて未完成の加工物上で超塑性成形を実行するステップと
を含む、方法。
A43.サンドイッチ構造を製作する方法であって、方法は
サンドイッチ構造で使用される複数の加工物のうちの少なくとも1つの加工物の上に添加材をコールドスプレーするステップと、
複数の加工物をサンドイッチ構造になるように超塑性成形および拡散接合するステップと、
サンドイッチ構造上に添加材をコールドスプレーするステップと
を含む、方法。
A44.サンドイッチ構造は4枚のサンドイッチ構造を含む、A43の方法。
A45.添加材の厚さの増大は、サンドイッチ構造の構造的補強を提供する、A43の方法。
A46.コールドスプレーは、ヘリウムまたは窒素ガスを使用する、A43の方法。
【0065】
本開示またはその実施の態様の要素を紹介する場合、冠詞「1つ」、「ある」、「その」、および「前記」は、1つまたは複数の要素が存在することを意味することを意図している。「備える」、「含む」、および「有する」という用語は、包括的であることが意図されており、列挙された要素以外の追加の要素が存在する可能性があることを意味する。「実装形態」という用語は、「~の一例」を意味することが意図されている。「以下のA、B、およびCの1つまたは複数」という句は、「Aの少なくとも1つおよび/またはBの少なくとも1つおよび/またはCの少なくとも1つ」を意味する。
【0066】
本開示の態様が詳細に説明されており、添付の特許請求の範囲で規定される本開示の態様の範囲から逸脱することなく、修正および変形が可能であることは明らかであろう。本開示の態様の範囲から逸脱することなく、上記の構造、製品、および方法に様々な変更を加えることが可能であるため、上記の説明に含まれ、添付の図面に示されるすべての事項は、例示として解釈されるべきであり、限定的な意味で解釈されるべきではないことが意図されている。
【符号の説明】
【0067】
56 ダイ
58 金属ブランク
100 システム
110 未完成の加工物
110a 未完成の加工物
110b 未完成の加工物
110c 未完成の加工物
110d 未完成の加工物
111 向かい合う側
112 裏側
120 完成した加工物
122 成形された部分
124 標的領域
126 先細になった縁部
128 急激な縁部
130 地点
132 完成した加工物120の延長した長さ
134 未完成の加工物の長さ
136 堆積物376によって提供される長さ
150 金型
150a 金型
150b 金型
152 凹面
152a 凹面
152b 凹面
200a システム100の構成
200b システム100の構成
200c システム100の構成
200d システム100の構成
300 CSAM構成要素
301 CSAM材料
302 コールドスプレー装置
303 添加材
304 ノズル
305 粒子流
306 ガス制御モジュール
307 ガス
310 ヒータ
314 第1のライン
316 第2のライン
318 粉末チャンバ
330 ロボット制御システム
332 ロボット位置決めアーム
370 堆積物
372 堆積物
374 堆積物
376 堆積物
400 SPFDB構成要素
401 SPFDB材料
402 SPFDB装置
403 離型剤
404 入り口ライン
406 ガス制御モジュール
407 ガス
408 入り口
410 蓋
412 成形チャンバ
414 入り口ライン
416 第2のガスライン
418 蓋の通路
420 成形チャンバ内の通路
422 ヒータ
501 未完成の加工物を完成した加工物に変える段階
502 未完成の加工物を完成した加工物に変える段階
503 未完成の加工物を完成した加工物に変える段階
701 未完成の加工物を完成した加工物に変える段階
702 未完成の加工物を完成した加工物に変える段階
703 未完成の加工物を完成した加工物に変える段階
901 未完成の加工物を完成した加工物に変える段階
902 未完成の加工物を完成した加工物に変える段階
903 未完成の加工物を完成した加工物に変える段階
1101 未完成の加工物を完成した加工物に変える段階
1102 未完成の加工物を完成した加工物に変える段階
1103 未完成の加工物を完成した加工物に変える段階
1400 マルチシートSPFDBの配置
1402 サンドイッチ構造
1404a 内部ポケット
1404b 内部ポケット
1404c 内部ポケット
1404d 内部ポケット
1410 ガスライン
1412a 継ぎ目
1412b 継ぎ目
1412c 継ぎ目
1500 サンドイッチ構造
1501 表面層
1502 第1のコア層
1503 第2のコア層
1504 第2の表面層
1510 第2のガスライン
1602 添加材のパッド
1604 添加材のパッド
1606 添加材のパッド
1608 添加材のパッド
1612 添加材のパッド
1614 添加材のパッド
1616 添加材のパッド
1618 添加材のパッド
1800 コンピューティングデバイス
1819 プロセッサ
1820 オペレーティングシステム
1821 アプリケーションソフトウェア
1822 メモリ
1823 通信インターフェース
1824 入/出力コントローラー
1825 出力
1826 入力
1900 装置製造およびサービス方法
2000 装置
2001 航空機(飛行モジュール)
2002 地上輸送モジュール
2003 モジュール式装置
2102 機体
2104 複数のシステム
2106 内部
2108 推進システム
2110 電気システム
2112 油圧システム
2114 環境システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21