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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-30
(45)【発行日】2025-07-08
(54)【発明の名称】航空機インクジェット印刷
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/15 20200101AFI20250701BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20250701BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20250701BHJP
   B05C 11/00 20060101ALI20250701BHJP
   B05D 1/26 20060101ALI20250701BHJP
   B05D 5/06 20060101ALI20250701BHJP
   B05D 7/00 20060101ALI20250701BHJP
   B05D 3/00 20060101ALI20250701BHJP
   B05B 12/04 20060101ALN20250701BHJP
   G06F 113/28 20200101ALN20250701BHJP
【FI】
G06F30/15
B05C5/00 101
B05C11/10
B05C11/00
B05D1/26 Z
B05D5/06 G
B05D7/00 K
B05D3/00 D
B05B12/04
G06F113:28
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021071971
(22)【出願日】2021-04-21
(65)【公開番号】P2021185475
(43)【公開日】2021-12-09
【審査請求日】2024-04-19
(31)【優先権主張番号】16/856,006
(32)【優先日】2020-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ヤグービ, アフマド アール.
(72)【発明者】
【氏名】メリン, マシュー エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】グリーン, エドワード アール.
(72)【発明者】
【氏名】ラーション-スミス, ケルスター エル.
(72)【発明者】
【氏名】アハマディ, テムールシャ
(72)【発明者】
【氏名】スリニヴァサマーティ, クリシュナ ピー.
【審査官】岡田 大樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-096503(JP,A)
【文献】国際公開第2018/034125(WO,A1)
【文献】特開2011-069985(JP,A)
【文献】特開2016-221958(JP,A)
【文献】特開2016-062194(JP,A)
【文献】特開2007-020181(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0242285(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0029355(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 30/00 - 30/398
B05C 5/00
B05C 11/00 - 11/10
B05D 1/26
B05D 3/00 - 7/00
B05B 12/04
G06F 113:28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
色(202)を物体(204)に適用するための方法であって、
コンピュータシステム(212)が、色空間(226)の3次元空間にある、前記物体(204)に対して選択された前記色(202)の位置(222)が、インクジェットプリンタ(234)の色適用能力(232)を定義する点群(230)内にあるかどうかを決定すること(500)と、
前記コンピュータシステム(212)が、前記色(202)が前記インクジェットプリンタ(234)の前記色適用能力(232)を定義する前記点群(230)内にあるときに、前記色(202)を前記物体(204)に適用するために使用する前記インクジェットプリンタ(234)を選択すること(502)と
を含
前記コンピュータシステム(212)が、前記色空間(226)の前記3次元空間にある、前記物体(204)に対して選択された前記色(202)の前記位置(222)が、前記インクジェットプリンタ(234)の前記色適用能力(232)を定義する前記点群(230)内にあるかどうかを決定することが、
前記コンピュータシステム(212)が、前記色(202)の前記位置(222)から前記点群(230)の最も近い点までのユークリッド距離(236)を決定すること
を含み、前記ユークリッド距離(236)がゼロであるときに、前記色(202)の前記位置(222)が前記点群(230)内にある、方法。
【請求項2】
前記コンピュータシステム(212)が、前記インクジェットプリンタ(234)を使用して、前記色(202)を前記物体(204)に適用すること、及び/又は
前記コンピュータシステム(212)が、前記色(202)が前記インクジェットプリンタ(234)の前記点群(230)内にないときに、前記物体(204)に対して選択された前記色(202)の前記位置(222)が別のインクジェットプリンタ(234)の色適用能力(232)を定義する別の点群内にあるかどうかを決定すること(660)
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コンピュータシステム(212)が、前記色(202)の前記位置(222)までの最小のユークリッド距離(244)を有する複数の点群(238)のうちの1つの点群(230)を有する複数のインクジェットプリンタ(228)のうちの1つのインクジェットプリンタ(234)を選択すること(804)をさらに含み、
前記コンピュータシステム(212)が、前記色(202)の前記位置(222)までの最小のユークリッド距離(244)を有する複数の点群(238)のうちの1つの点群(230)を有する複数のインクジェットプリンタ(228)のうちの1つのインクジェットプリンタ(234)を選択することが、
前記コンピュータシステム(212)が、前記色(202)の前記位置(222)から前記複数の点群(238)までゼロであるユークリッド距離(236)が存在しないときに、前記色(202)の前記位置(222)までのゼロではない最小のユークリッド距離(246)を有する前記複数の点群(238)のうちの1つの点群(230)を含む前記複数のインクジェットプリンタ(228)のうちの1つのインクジェットプリンタ(234)を識別すること
を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記コンピュータシステム(212)が、前記物体(204)の設計(216)から選択された前記色(202)の色コードを決定すること
を更に含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記コンピュータシステム(212)が、前記物体(204)上の前記色(202)の表面エリアを決定すること(1100)であって、前記物体(204)の設計(216)を使用して前記表面エリアを決定すること(1100)と、
前記コンピュータシステム(212)が、前記色(202)を前記表面エリアに適用するために必要な塗料の量を決定すること(1102)と
を更に含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記コンピュータシステム(212)が、前記色(202)を前記物体(204)上の前記表面エリアに適用するために、前記インクジェットプリンタ(234)を制御するための指示(252)を作成すること(1104)
を更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記点群(230)が、LAB色空間、LMS色空間、及びXYZ色空間のうちの1つである前記色空間(226)にある、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記物体(204)が、移動プラットフォーム、固定プラットフォーム、陸上ベースの構造体、水上又は水中ベースの構造体、宇宙ベースの構造体、航空機(206)、民間航空機(206)、回転翼航空機、水上艦、戦車、人員運搬車、列車、宇宙船、宇宙ステーション、衛星、潜水艦、自動車、発電所、橋、ダム、家屋、製造工場、建物、外板パネル、壁、ドア、胴体、エンジンハウジング、翼、及びフェアリングを含む群から選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
コンピュータシステム(212)と、
前記コンピュータシステム(212)内の色マネージャー(214)と
を備え、前記色マネージャー(214)が、
色空間(226)の3次元空間にある、物体(204)に対して選択された色(202)の位置(222)が、インクジェットプリンタ(234)の色適用能力(232)を定義する点群(230)内にあるかどうかを決定することと、
前記色(202)が前記インクジェットプリンタ(234)の前記色適用能力(232)を定義する前記点群(230)内にあるときに、前記物体(204)に前記色(202)を塗るために使用する前記インクジェットプリンタ(234)を選択することと
を行うように構成されており
前記色空間(226)の前記3次元空間にある、前記物体(204)に対して選択された前記色(202)の前記位置(222)が、前記インクジェットプリンタ(234)の前記色適用能力(232)を定義する前記点群(230)内にあるかどうかを決定する際に、前記色マネージャー(214)が、
前記色(202)の前記位置(222)から前記点群(230)の最も近い点までのユークリッド距離(236)を決定する
ように構成され、前記ユークリッド距離(236)がゼロであるときに、前記色(202)の前記位置(222)が前記点群(230)内にある、自動色システム(208)。
【請求項10】
前記色マネージャー(214)が、
前記インクジェットプリンタ(234)を使用して、前記色(202)を前記物体(204)に適用すること、及び/又は
前記色(202)が前記インクジェットプリンタ(234)の前記点群(230)内にないときに、前記物体(204)に対して選択された前記色(202)の前記位置(222)が別のインクジェットプリンタ(234)の色適用能力(232)を定義する別の点群内にあるかどうかを決定すること
を行うように構成される、請求項9に記載の自動色システム(208)。
【請求項11】
前記色(202)の前記位置(222)までの最小のユークリッド距離(244)を有する複数の点群(238)のうちの1つの点群(230)を有する複数のインクジェットプリンタ(228)のうちの1つのインクジェットプリンタを選択し、
前記色(202)の前記位置(222)までの最小のユークリッド距離(244)を有する複数の点群(238)のうちの1つの点群(230)を有する複数のインクジェットプリンタ(228)のうちの1つのインクジェットプリンタを選択する際に、前記色マネージャー(214)が、
前記色(202)の前記位置(222)から前記複数の点群(238)までゼロであるユークリッド距離が存在しないときに、前記色(202)の前記位置(222)までのゼロではない最小のユークリッド距離(246)を有する前記複数の点群(238)のうちの1つの点群(230)を含む前記複数のインクジェットプリンタ(228)のうちの1つのインクジェットプリンタ(234)を識別する
ように構成される、請求項9又は10に記載の自動色システム(208)。
【請求項12】
前記色マネージャー(214)が、
前記物体(204)の設計(216)から、前記物体(204)に対して選択された前記色(202)の色コードを決定する
ように構成される、請求項9から11のいずれか一項に記載の自動色システム(208)。
【請求項13】
前記色マネージャー(214)が、
前記物体(204)上の前記色(202)の表面エリアを決定することであって、前記物体(204)の設計(216)を使用して前記表面エリアを決定することと、
前記色(202)を前記表面エリアに適用するために必要な塗料の量を決定することと
を行うように構成される、請求項9から12のいずれか一項に記載の自動色システム(208)。
【請求項14】
前記色マネージャー(214)が、
前記色(202)を前記物体(204)上の前記表面エリアに適用するために、前記インクジェットプリンタ(234)を制御するための指示を作成する
ように構成される、請求項13に記載の自動色システム(208)。
【請求項15】
前記点群(230)が、LAB色空間、LMS色空間、及びXYZ色空間のうちの1つである前記色空間(226)にあり、及び/又は前記物体(204)が、移動プラットフォーム、固定プラットフォーム、陸上ベースの構造体、水上又は水中ベースの構造体、宇宙ベースの構造体、航空機(206)、民間航空機(206)、回転翼航空機、水上艦、戦車、人員運搬車、列車、宇宙船、宇宙ステーション、衛星、潜水艦、自動車、発電所、橋、ダム、家屋、製造工場、建物、外板パネル、壁、ドア、胴体、エンジンハウジング、翼、及びフェアリングを含む群から選択される、請求項9から14のいずれか一項に記載の自動色システム(208)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、航空機の製造、特に、インクジェット印刷システムを使用して航空機に色を印刷するための方法、装置、システム、及びコンピュータプログラム製品に関する。
【背景技術】
【0002】
旅客機などの航空機は、一般的に塗装されている。航空機の一連の記章の色、図形、及び印刷上の識別子の組み合わせは、航空機の塗装と呼ばれる。航空機の塗装は、タイトル、モノグラム、エンブレム、及び航空機の外部にあるその他のグラフィック要素を含みうる。
【0003】
タイトルは、特定の書体、活字サイズ、活字ケース、比率、及びその他のパラメーターを含む特定のスタイルを有しうる。エンブレムは、特定の航空会社又は他の顧客の認識を促進するためのロゴをもたらす特定の形状を有しうる。選択した色で航空機にこれらのデザインをペインティングし航空機の塗装を形成することが、難しい場合がある。
【0004】
したがって、上記の問題点のうちの少なくともいくつかと、起こり得る他の問題点を考慮した、方法及び装置を手に入れることが望ましいだろう。例えば、航空機の塗装に関する技術的問題を克服する方法及び装置を有することが望ましいだろう。
【発明の概要】
【0005】
本開示の実施形態は、色を航空機に適用するための方法を提供する。航空機の外面の色は、コンピュータシステムによって、航空機の設計から決定される。3次元空間における色の位置は、コンピュータシステムによって決定される。位置は、色空間座標系内にある。色の位置までのユークリッド距離が最小である複数の点群のうちの1つの点群を有する複数のインクジェットプリンタのうちの1つのインクジェットプリンタが、コンピュータシステムによって選択される。インクジェットプリンタは、色を航空機の外面上に適用するために使用される。
【0006】
別の本開示の実施形態は、色を物体に適用するための方法を提供する。物体に対して選択された色の位置が、インクジェットプリンタの色適用能力を定義する点群内にあるかどうかについての決定が、コンピュータシステムによって行われる。位置は、色空間の3次元空間内にある。色がインクジェットプリンタの色適用能力を定義する点群内にあるときに、色を物体に適用するために使用するインクジェットプリンタが、コンピュータシステムによって選択される。
【0007】
更に別の本開示の実施形態は、コンピュータシステムと、コンピュータシステム内の色マネージャーとを備える自動色システムを提供する。色マネージャーは、航空機の設計から、航空機の外面の色を決定するように構成される。色マネージャーは、3次元空間における色の位置を決定するように構成される。位置は、色空間座標系内にある。色マネージャーは、色の位置からのユークリッド距離がインクジェットプリンタの色適用能力を定義する複数の点群のいずれかに対してゼロであるかどうかを決定するように構成され、複数の点群の点がインクジェットプリンタによって適用されうる色を表す。色マネージャーは、色の位置までのユークリッド距離が最小である複数の点群のうちの1つの点群を有する複数のインクジェットプリンタのうちの1つのインクジェットプリンタを選択するように構成され、インクジェットプリンタは、色を航空機の外面に適用するために使用される。
【0008】
更に別の本開示の実施形態は、コンピュータシステムと、コンピュータシステム内の色マネージャーとを備える自動色システムを提供する。色マネージャーは、物体に対して選択された色の位置が、インクジェットプリンタの色適用能力を定義する点群内にあるかどうかを決定するように構成される。位置は、色空間の3次元空間内にある。色マネージャーは、色がインクジェットプリンタの色適用能力を定義する点群内にあるときに、物体に色を塗るために使用するインクジェットプリンタを選択するように構成される。
【0009】
更に別の本開示の実施形態は、色を航空機に適用するためのコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品は、コンピュータ可読記憶媒体上に記憶された第1のプログラムコード、第2のプログラムコード、第3のプログラムコード、及び第4のプログラムコードを含むコンピュータ可読記憶媒体を備える。第1のプログラムコードは、コンピュータシステムに、航空機の設計から航空機の外面の色を決定させるために、コンピュータシステムによって実行可能である。第2のプログラムコードは、コンピュータシステムに、3次元空間における色の位置を決定させるために、コンピュータシステムによって実行可能である。位置は、色空間座標系内にある。第3のプログラムコードは、コンピュータシステムに、色の位置からのユークリッド距離がインクジェットプリンタの色適用能力を定義する複数の点群のいずれかに対してゼロであるかどうかを決定させるために、コンピュータシステムによって実行可能であり、複数の点群の点がインクジェットプリンタによって適用されうる色を表す。第4のプログラムコードは、コンピュータシステムに、色の位置までのユークリッド距離が最小である複数の点群のうちの1つの点群を有する複数のインクジェットプリンタのうちの1つのインクジェットプリンタを選択させるために、コンピュータシステムによって実行される。インクジェットプリンタは、色を航空機の外面に適用するために使用される。
【0010】
更に別の本開示の実施形態は、色を航空機に適用するためのコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品は、コンピュータ可読記憶媒体上に記憶された第1のプログラムコード及び第2のプログラムコードを含む。第1のプログラムコードは、コンピュータシステムに、物体に対して選択された色の位置であって、色空間の3次元空間にある位置が、インクジェットプリンタの色適用能力を定義する点群内にあるかどうかを決定させるために、コンピュータシステムによって実行される。第2のプログラムコードはコンピュータシステムに、色がインクジェットプリンタの色適用能力を定義する点群内にあるときに、物体に色を塗るために使用するインクジェットプリンタを選択させるために、コンピュータシステムによって実行される。
【0011】
これらの特徴及び機能は、本開示の様々な実施形態で単独で実現可能であるか、又は以下の説明及び図面を参照して更なる詳細を理解しうる更に別の実施形態において、組み合わされうる。
【0012】
例示的な実施形態の特性と考えられる新規特徴は、添付の特許請求の範囲に明記されている。しかし、例示的な実施形態と共に、その更なる目的及び特徴である好ましい使用モードが、本開示の例示的な実施形態についての以下の詳細説明を添付図面と併せて参照することによって、最もよく理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】例示的な実施形態が実装されうるデータ処理システムのネットワークの図解である。
図2】例示的な実施形態による色適用環境のブロック図である。
図3】例示的な実施形態による航空機の図からの情報抽出の図である。
図4】例示的な実施形態による、点群までの色について決定されたユークリッド距離の図である。
図5】例示的な実施形態による、色を物体に適用するためのプロセスのフローチャートの図である。
図6】例示的な実施形態による、色を物体に適用するためのプロセスのフローチャートの図である。
図7】例示的な実施形態による、色の位置が点群内にあるかどうかを決定するためのプロセスの図である。
図8】例示的な実施形態による、色を航空機に適用するためのプロセスのフローチャートの図である。
図9】例示的な実施形態による、色を航空機に適用するためのプロセスのフローチャートの別の図である。
図10】例示的な実施形態による、点群までの距離がゼロではないことがあるときに、インクジェットプリンタを選択するためのプロセスのフローチャートの図である。
図11】例示的な実施形態による、色を物体に適用するための指示を作成するためのプロセスのフローチャートである。
図12】例示的な実施形態による、色を航空機上に提供するためのインクジェットプリンタを選択するプロセスのフローチャートである。
図13】例示的な実施形態による、データ処理システムのブロック図である。
図14】例示的な実施形態による、航空機の製造及び保守方法の図である。
図15】例示的実施形態が実装されうる航空機のブロック図である。
図16】例示的な実施形態による製品管理システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
例示的実施形態は、1つ又は複数の異なる検討事項を認識し、考慮する。例えば、例示的実施形態は、現在、顧客が、航空機の外装に塗装する特定の色の構成をリクエストして、航空機の外装に対する塗装を形成しうることを認識し、考慮する。例示的実施形態は、色の色コードが航空機の塗装ドキュメントなどの航空機の設計から抽出されうることを認識し、考慮する。
【0015】
例示的実施形態は、航空機の塗装のレタリング、エンブレム、及びその他の設計要素のペインティングが、所望されるよりも複雑になりうることを認識し、考慮する。例えば、例示的実施形態は、レタリング、エンブレム、及びその他の設計要素が複雑である場合に、これらの設計要素が時間のかかるプロセスで層ごとに構築されることを認識し、考慮する。場合によっては、例示的実施形態は、航空機の外装に適用されるデカールやステッカーには、ある程度の複雑な設計が印刷されることを認識し、考慮する。例示的実施形態は、デカールやステッカーがうまく機能するが、航空機に望ましくない重量を追加しうることを認識し、考慮する。例示的実施形態は、デカールやステッカーが、時間の経過とともに劣化しうることを認識し、考慮する。
【0016】
例示的実施形態は、航空機の塗装用の塗料の色コードを識別するための現在の技術が、より面倒でエラーが発生しやすい可能性があることを認識し、考慮する。例示的実施形態は、航空機の塗装でグラフィック要素とそれらのグラフィック要素の色の数が増えるにつれて、色に対する色コードを識別し、それらの色の塗料を混合するのに必要な時間が所望されるよりも長くなることを認識し、考慮する。更に、例示的実施形態は、色コードの識別が作業人員によって実行されるときに、グラフィック要素及び色の数が増加するにつれて、エラーの可能性が増加することを認識し、考慮する。例示的実施形態はまた、異なるカラーコードの塗料を混合することがまた面倒で時間がかかりうることを認識し、考慮する。
【0017】
したがって、例示的実施形態は、航空機をペインティングするための方法、装置、システム、及びコンピュータプログラム製品を提供する。例示的実施形態は、ペインティングがインクジェットプリンタを使用して実行されうることを認識し、考慮する。例示的実施形態は、設計がインクジェットプリンタを使用して航空機の外面上にペインティング又は「印刷」されうることを認識し、考慮する。
【0018】
1つの例示的実施例では、物体に色が印刷される。物体に対して選択された色の位置位置がインクジェットプリンタの色適用能力を定義する点群内にあるかどうかについての決定が行われる。位置は、色空間の3次元空間内にある。色が特定のインクジェットプリンタの色適用能力を定義する点群内にあるときに、物体に色を印刷するために使用する特定のインクジェットプリンタが選択される。
【0019】
別の例示的実施例では、航空機上に色が印刷される。航空機の外面の色は、航空機の設計から決定される。3次元空間における色の位置が決定される。位置は、色空間座標系を使用して記述される。色の位置からのユークリッド距離がインクジェットプリンタの色適用能力を定義する複数の点群のいずれかに対してゼロであるかどうかについての決定が行われる。複数の点群の中の点は、インクジェットプリンタによってプリントされうる色を表す。色の位置までのユークリッド距離が最小である複数の点群のうちの1つの点群を有する複数のインクジェットプリンタのうちの1つのインクジェットプリンタが選択される。インクジェットプリンタは、色を航空機の外面上に印刷するために使用される。
【0020】
ここで図面、具体的には図1を参照すると、例示的な実施形態が実装されうるデータ処理システムのネットワークの図解が示される。ネットワークデータ処理システム100は、例示的な実施形態が実装されうるコンピュータのネットワークである。ネットワークデータ処理システム100はネットワーク102を含み、これは、ネットワークデータ処理システム100内でまとめて接続された様々なデバイスとコンピュータとの間に通信リンクを提供するように使用された媒体である。ネットワーク102は、有線、無線通信リンク、又は光ファイバケーブルなどの接続を含みうる。
【0021】
図示した実施例では、サーバコンピュータ104とサーバコンピュータ106は、記憶ユニット108と共にネットワーク102に接続されている。加えて、クライアントデバイス110はネットワーク102に接続されている。図示したように、クライアントデバイス110は、クライアントコンピュータ112、クライアントコンピュータ114、及びクライアントコンピュータ116を含む。クライアントデバイス110は、例えば、コンピュータ、ワークステーション、又はネットワークコンピュータでありうる。図示した実施例では、サーバコンピュータ104は、ブートファイル、オペレーティングシステム画像、及びアプリケーションといった情報を、クライアントデバイス110に提供する。更に、クライアントデバイス110はまた、携帯電話118、タブレットコンピュータ120、及びスマートグラス122などの他の種類のクライアントデバイスも含みうる。例示的な実施例では、サーバコンピュータ104、サーバコンピュータ106、記憶ユニット108、及びクライアントデバイス110は、ネットワーク102に接続しているネットワークデバイスであり、ネットワーク102は、これらのネットワークデバイスに関する通信媒体である。クライアントデバイス110のいくつかが、モノのインターネット(IoT)を形成し、IoTにおいて、これらの物理的デバイスが、ネットワーク102に接続され、ネットワーク102を通じて互いに情報を交換しうる。
【0022】
この実施例では、クライアントデバイス110はサーバコンピュータ104に対するクライアントである。ネットワークデータ処理システム100は、追加のサーバコンピュータ、クライアントコンピュータ、及び図示していない他のデバイスを含みうる。クライアントデバイス110は、有線、光ファイバ、又は無線接続のうちの少なくとも1つを利用して、ネットワーク102に接続する。
【0023】
ネットワークデータ処理システム100に位置するプログラムコードは、コンピュータで記録可能な記憶媒体に保存され、使用時にデータ処理システム又は他のデバイスにダウンロードされうる。例えば、プログラムコードは、サーバコンピュータ104のコンピュータで記録可能な記憶媒体上に記憶され、クライアントデバイス110で使用するため、ネットワーク102を通じてクライアントデバイス110にダウンロードされうる。
【0024】
図示した実施例では、ネットワークデータ処理システム100は、ネットワーク102を含むインターネットであり、相互通信のための一式のプロトコルである伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)を使用するネットワーク及びゲートウェイの世界規模の集合体を表わしている。インターネットの中心部には、データとメッセージを転送する数千台の商用、政府機関、教育機関、及びその他のコンピュータシステムからなる、主要なノード又はホストコンピュータ間の高速データ通信ラインのバックボーンがある。言うまでもなく、ネットワークデータ処理システム100はまた、任意の数の異なる種類のネットワークを使用して実装されてもよい。例えば、ネットワーク102は、インターネット、イントラネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、又はワイドエリアネットワーク(WAN)のうちの少なくとも1つからなりうる。図1は実施例として意図されたもので、種々の例示的な実施形態を構造的に限定することを意図しているわけではない。
【0025】
本明細書で使用されている、アイテムに関連して使用される際の「任意の数の(a number of)」は、1つ又は複数のアイテムを意味する。例えば、「任意の数の異なる種類のネットワーク」とは、1つ又は複数の異なる種類のネットワークである。
【0026】
更に、列挙されたアイテムと共に使用される「~のうちの少なくとも1つ(at least one of)」という表現は、列挙されたアイテムのうちの1つ又は複数の異なる組み合わせが使用されうること、及び列挙された各アイテムのうちの1つだけが必要とされうることを意味する。言い換えると、「~のうちの少なくとも1つ」とは、アイテムの任意の組み合わせ、及び任意の数のアイテムが、列挙された中から使用されうるが、列挙されたアイテムのすべてが必要なわけではないことを意味する。アイテムとは、特定の物体、物品、又はカテゴリでありうる。
【0027】
例えば、限定するものではないが、「アイテムA、アイテムB、及びアイテムCのうちの少なくとも1つ」は、「アイテムA」、「アイテムAとアイテムB」、又は「アイテムB」を含みうる。この例はまた、「アイテムAとアイテムBとアイテムC」、又は「アイテムBとアイテムC」も含みうる。勿論、これらのアイテムのいずれかの組み合わせも存在しうる。いくつかの例示的な実施例では、「~のうちの少なくとも1つ」は、限定しないが例として、「2個のアイテムAと1個のアイテムBと10個のアイテムC」、「4個のアイテムBと7個のアイテムC」、又は他の適切な組み合わせでありうる。
【0028】
いくつかの例示的な実施例では、色マネージャー130は、サーバコンピュータ104上で実行される。色マネージャー130は、色139を航空機132上に印刷するように動作する。
【0029】
いくつかの例示的な実施例では、色マネージャー130は、インクジェットプリンタ134又はインクジェットプリンタ136の少なくとも1つを制御して、1つ又は複数の色を航空機132の表面上に適用する。図示したように、色マネージャー130は、指示138をクライアントコンピュータ112に送信することによって、これらのインクジェットプリンタを制御することができる。次に、クライアントコンピュータ112は、適切な指示を信号として、インクジェットプリンタ134又はインクジェットプリンタ136の少なくとも1つに送信する。
【0030】
いくつかの例示的な実施例では、指示138は、色情報、印刷するための表面エリアを定義する座標、プログラムコード、インクジェットプリンタ設定、又は他の適した情報のうちの少なくとも1つでありうる。いくつかの例示的な実施例では、指示138は、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)を使用して、ネットワーク102を介して送信される。指示138は、指示138をデータパケット内に入れることができるネットワーク102上のデータのフローの一部として送信されうる。更に、トンネリングプロトコルは、サーバコンピュータ104とクライアントコンピュータ112との間にプライベートネットワーク通信を提供するために使用されうる。
【0031】
いくつかの例示的な実施例では、指示138を生成する際に、色マネージャー130は、航空機132の外面の色139を決定する。この色は、製図140などの航空機132の設計を使用して決定されうる。
【0032】
いくつかの例示的な実施例では、製図140は、航空機132の2次元又は3次元の製図でありうる。製図140は、コンピュータ支援設計ファイルにありうるか、又は航空機132のコンピュータ支援設計ファイルから生成されうる。いくつかの例示的な実施例では、製図140は、色コード及び色が塗られる表面エリアなどの情報を含む。この情報は、製図140又は製図140を処理するメタデータのうちの少なくとも1つから取得されうる。
【0033】
例えば、製図140は、画像処理、テキスト抽出、計算分析、視覚分析、又は色139が航空機132に適用される表面エリア内の色139についての情報を取得するための他の技術のうちの少なくとも1つを使用して、処理されうる。表面エリアは、隣接しても隣接しなくてもよい。表面エリアは、航空機132のための航空機の塗装の設計の一部でありうる。
【0034】
いくつかの例示的な実施例では、航空機132の色139の識別により、色マネージャー130は、色139がインクジェットプリンタ134及びインクジェットプリンタ136の色の範囲内であるか範囲外であるかを決定する。
【0035】
色がインクジェットプリンタの色の範囲内であるかどうかの決定は、色139がインクジェットプリンタの各々の点群内にあるかどうかを決定することによって行われうる。インクジェットプリンタの色の範囲は、インクジェットプリンタが適用可能な色である。これらの点群は、インクジェットプリンタ134及びインクジェットプリンタ136の色の範囲の色空間を表す。
【0036】
色がこれらインクジェットプリンタの点群外にある場合、色マネージャー130は、点群の各々までの色139の距離を決定することができる。閾値の距離内にあるユークリッド距離が最小の点群を有するインクジェットプリンタは、色139を航空機132に適用するために使用されうる。これら2つのインクジェットプリンタの点群の1つまでの最も近い距離が閾値の距離より大きい場合、次いで、インクジェットプリンタ134及びインクジェットプリンタ136は、色139に十分に近い別の色を適用することができないこともある。この場合、顧客は、色139に最も近い色を利用可能かどうか、別のインクジェットプリンタが考慮されうるかどうか、又は他の何らかの作業が行われうるかについて相談されうる。
【0037】
色139を適用するためにインクジェットプリンタが選択される場合、色マネージャー130は、選択されたインクジェットプリンタを使用して、色139を航空機132に適用するように、指示138をクライアントコンピュータ112に送信する。
【0038】
ここで図2を参照すると、色適用環境のブロック図の例が、例示的な実施形態に従って示されている。いくつかの例示的な実施例では、色適用環境200は、図1のネットワークデータ処理システム100に示すハードウェアなどのハードウェアで実装可能な構成要素を含む。
【0039】
色適用環境200において、色202は、物体204に適用されうる。物体204は、任意の数の異なる形態をとりうる。例えば、物体204は、移動プラットフォーム、固定プラットフォーム、陸上ベースの構造体、水上又は水中ベースの構造体、宇宙ベースの構造体、航空機、民間航空機、回転翼航空機、水上艦、戦車、人員運搬車、列車、宇宙船、宇宙ステーション、衛星、潜水艦、自動車、発電所、橋、ダム、家屋、製造工場、建物、外板パネル、壁、ドア、胴体、エンジンハウジング、翼、及びフェアリング、及び他の適した種類の物体を含む群から選択されうる。
【0040】
いくつかの例示的な実施例では、自動色システム208は、航空機206又は他の何らかの種類の物体といった物体204に色210を適用するために動作する。図示したように、自動色システム208は、コンピュータシステム212と、コンピュータシステム212内の色マネージャー214とを備える。
【0041】
色マネージャー214は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせにおいて実装されうる。ソフトウェアが使用されるときに、色マネージャー214によって実行される動作は、プロセッサユニットといったハードウェア上で実行されるように構成されたプログラムコードにおいて実装されうる。ファームウェアが使用されるときに、色マネージャー214によって実行される動作は、プログラムコード及びデータにおいて実装され、かつ永続メモリに記憶されて、プロセッサユニット上で実行されうる。ハードウェアが用いられるときに、ハードウェアは、色マネージャー214において動作を実行するよう動作する回路を含みうる。
【0042】
例示的実施例において、ハードウェアは、回路システム、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス、又は任意の数の動作を実行するよう構成された他の何らかの適切な種類のハードウェアのうちの少なくとも1つから選択された形態をとりうる。プログラマブル論理デバイスを用いて、デバイスは、任意の数の動作を実行するように構成されうる。デバイスは後で再構成されてもよく、任意の数の動作を実行するように恒久的に構成されていてもよい。プログラマブル論理デバイスは、例えば、プログラマブル論理アレイ、プログラマブルアレイ論理、フィールドプログラマブル論理アレイ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、及び他の適切なハードウェアデバイスを含む。加えて、これらのプロセスは、無機構成要素に組み込まれた有機構成要素内で実装することができ、全てが人間以外の有機構成要素からなりうる。例えば、これらのプロセスは、有機半導体内の回路として実装されうる。
【0043】
コンピュータシステム212は、物理的なハードウェアシステムであり、1つ又は複数のデータ処理システムを含む。コンピュータシステム212内に2つ以上のデータ処理システムが存在する場合、これらのデータ処理システムは、通信媒体を使用して互いに通信する。通信媒体は、ネットワークでありうる。データ処理システムは、コンピュータ、サーバコンピュータ、タブレットコンピュータ、又は他の何らかの適切なデータ処理システムのうちの少なくとも1つから選択されうる。
【0044】
図示したように、コンピュータシステム212内の色マネージャー214は、設計216から物体204の色202を識別するために動作することができる。設計216は、設計データベース218内の1つ又は複数のファイルに位置する電子的形式の情報である。いくつかの例示的な実施例では、設計216は、物体204の2次元又は3次元の設計でありうる。設計216は、例えば、コンピュータシステム212のコンピュータ可読媒体に記憶されうるファイル又は他の適したオブジェクトなどのデータ構造のコンピュータ支援設計でありうる。設計216は、例えば、物体204が航空機206である場合、航空機の塗装などの配色を記述するテキスト及び凡例を含む2次元の製図でありうる。
【0045】
色マネージャー214は、物体204に対して選択された色202を決定するために、設計216を処理することができる。例えば、色202は、航空機206の外面220での使用のためのものでありうる。
【0046】
この色202の決定は、例えば、メタデータが色202を識別する設計216のメタデータを位置付けることを含みうる。色202を識別する情報は、色コード、色空間値、又は他の何らかの記述でありうる。
【0047】
色202の識別により、色マネージャー214は、3次元空間における色202の位置222を決定する。空間における色202の位置222は、色空間226の色空間座標系224を使用して記述される。
【0048】
いくつかの例示的な実施例では、色空間は、色の編成である。色空間226は、色202などの色を再現可能にする情報を含む。この情報は、色空間座標系224で表される。図示したように、色空間226は、LAB色空間、LMS色空間、XYZ色空間、又は他の適した種類の色空間のうちの少なくとも1つから選択されうる。
【0049】
いくつかの例示的な実施例では、インクジェットプリンタ228は、色202を物体204に適用するために使用されうる。いくつかの例示的な実施例では、インクジェットプリンタ228は、自動車又は航空機などの移動体に色を適用するためなど、工業用に設計された、現在利用可能なインクジェットプリンタを使用して、実装されうる。いくつかの例示的な実施例では、インクジェットプリンタ228は、航空機206などの物体204に色202を適用するのに適したプリントヘッドを有するロボットの形態をとりうる。
【0050】
インクジェットプリンタ228は、任意の数の異なる方法で、色202を物体204に適用することができる。例えば、インクジェットプリンタ228は、色202を塗る又は印刷することによって、色202を適用することができる。いくつかの例示的な実施例では、インクジェットプリンタ228は、塗る又は印刷することの少なくとも一方によって、色202を適用することができる。
【0051】
例えば、塗料は、顔料、溶媒、及び接合剤からなる液体でありうる。インクは、半透明であり、主に顔料と、接合剤の割合が少ない溶媒からなる液体でありうる。塗料は、インクよりも高い粘度を有する。更に、塗料中の顔料は、インクと比較して溶媒に溶けにくいことがある。
【0052】
この例示的な実施例では、色マネージャー214は、物体204に対して選択された色202の位置222がインクジェットプリンタ234の色適用能力232を定義する点群230内にあるかどうかを決定しうる。図示したように、色マネージャー214は、色202がインクジェットプリンタ234の色適用能力232を定義する点群230内にある場合に、色202を物体204に適用するために使用するインクジェットプリンタ228内のインクジェットプリンタ234を選択しうる。
【0053】
例えば、インクジェットプリンタ234を選択する際に、色マネージャー214は、3次元空間における色202の位置222を決定し、色202の位置222からのユークリッド距離236がインクジェットプリンタ228の色適用能力232を定義する複数の点群238のいずれかに対してゼロであるかどうかを決定しうる。この例では、複数の点群238の点240は、インクジェットプリンタ228によって、航空機206などの物体204に適用されうる色242を表す。
【0054】
図示したように、色マネージャー214は、色202の位置222へのユークリッド距離244が最小である複数の点群230のうちの1つの点群230を有するインクジェットプリンタ228中のインクジェットプリンタ234を選択しうる。この選択に基づいて、色マネージャー214は、航空機206の外面220上といった物体204に色202を適用するために、インクジェットプリンタ234を使用しうる。
【0055】
インクジェットプリンタを選択する際に、色マネージャー214は、色202の位置222までのユークリッド距離236がゼロである複数の点群238のうちの点群230を有するインクジェットプリンタ228のうちのインクジェットプリンタ234を識別しうる。更に、色マネージャー214は、色202の位置222から複数の点群238までゼロであるユークリッド距離236が存在しないときに、色202の位置222までのゼロではない最小のユークリッド距離246を有する複数の点群238のうちの1つの点群230を含むインクジェットプリンタ228のうちの1つのインクジェットプリンタ234を識別しうる。
【0056】
いくつかの例示的な実施例では、色202までのゼロではない最小のユークリッド距離246は、色202の近似である代替色248として表される。図示したように、色マネージャー214は、ゼロではない最小のユークリッド距離246が閾値の距離250内にある場合、色202の代わりに代替色248を使用しうる。
【0057】
更に、インクジェットプリンタ228内の複数のインクジェットプリンタがユークリッド距離236に対してゼロである場合に、これらのインクジェットパラメータは、色202を適用するための能力を有している。この場合、ユークリッド距離236に対して距離がゼロであるこれらのインクジェットプリンタから特定のインクジェットプリンタを選択することが、色適用速度、費用、及び任意の数の適用される色のうちの少なくとも1つに基づき、行われうる。任意の数の適用されうる色は、物体に適用される複数の色がすべて特定のインクジェットプリンタの同じ点群内にあるかどうかを決定する。例えば、2つの色が適用すされ、第1の色が3つのインクジェットプリンタの3つの点群すべてに含まれ、第2の色が3つのインクジェットプリンタの1つの点群にのみ含まれる場合、インクジェットプリンタの点群に2つの色が含まれるインクジェットプリンタが選択される。
【0058】
インクジェットプリンタ228中のインクジェットプリンタ234を選択することにより、色マネージャー214は、指示252を生成しうる。いくつかの例示的な実施例では、指示252は、インクジェットプリンタ234の動作を制御して、色202を航空機206などの物体204に適用するために使用されうる指示を表す。いくつかの例示的な実施例では、指示252は、インクジェットプリンタ234に、又はコンピュータ若しくはインクジェットプリンタ234の動作を制御する他の何らかの種類のコントローラに、直接送信される。このコンピュータ又はコントローラは、インクジェットプリンタ234の内部又は外部に位置しうる。
【0059】
1つの例示的実施例では、航空機に色を適用する際の技術的問題を克服する1つ又は複数の技術的解決策が掲示される。その結果、1つ又は複数の技術的解決策は、現在の技術と比較してより迅速に、航空機又は他の何らかの種類の物体に色を適用可能な技術的効果を提供しうる。例示的実施例では、1つ又は複数の技術的解決策は、インクジェットプリンタを識別し、製図などの設計から、航空機の塗装のための1つ又は複数の色又は他の物体のための配色を適用するのに必要な時間を短縮することができる。
【0060】
コンピュータシステム212は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせを使用して、種々の例示的実施例に記載のステップ、工程、又は動作のうちの少なくとも1つを実行するように構成されうる。その結果、コンピュータシステム212は、コンピュータシステム212内の色マネージャー214が色を物体に適用するための適切なインクジェットプリンタを識別することができる専用コンピュータシステムとして動作する。特に、色マネージャー214は、色マネージャー214を有していない現在利用可能な汎用コンピュータシステムと比較して、コンピュータシステム212を専用コンピュータシステムに変換する。
【0061】
例示的実施例では、コンピュータシステム212内の色マネージャー214の使用は、プロセスを、色を物体に適用する方法の実用化に統合し、コンピュータシステム212の性能を高める。要するに、コンピュータシステム212内の色マネージャー214は、インクジェットプリンタを識別し、色を物体に適用するコンピュータシステム212内の色マネージャー214に統合されたプロセスの実用化に向けられる。いくつかの例示的な実施例では、コンピュータシステム212内の色マネージャー214は、物体に対して選択された色の位置がインクジェットプリンタの色適用能力を定義する点群内にあるか同かを決定する。位置は、色空間の3次元空間内にある。色がインクジェットプリンタの色適用能力を定義する点群内にあるときに、色を物体に適用するのに使用するインクジェットプリンタが、コンピュータシステムによって選択され、所望の精度がもたらされる。インクジェットプリンタを使用して、色空間の色の仕様を満たすための色を物体に適用する所望の精度が、コンピュータシステム212によって制御される。このように、コンピュータシステム212内の色マネージャー214は、色を航空機などの物体に適用することの実用化を提供し、コンピュータシステム212の機能が改善する。
【0062】
図2の色適用環境200の図は、例示的な実施形態が実装されうる態様への物理的な又は構造上の限定を示唆することを意図するものではない。図示された構成要素に加えて又はそれらに代えて、他の構成要素が使用されうる。一部の構成要素は不要でありうる。更に、いくつかの機能的構成要素を図示するために、ブロックが提示されている。例示的な実施形態で実装される場合、これらのブロックのうちの1つ又は複数は、異なるブロックになるよう、結合されても、分割されても、又は結合されかつ分割されてもよい。
【0063】
例えば、自動色システム208は、色202に加えて又はこの代わりに、任意の数の色を識別しうる。更に、色マネージャー214は、航空機206に対して航空機の塗装を形成するために、航空機206などの物体204に対して現在使用されている塗装機構によって、色の塗布の代わりに又はそれに加えて、これらの異なる色を適用しうる。
【0064】
更に他の例示的な実施例では、インクジェットプリンタ228は、自動色システム208の外部の構成要素と見なされうる。更に他の例示的な実施例では、指示252は、色マネージャー214に加えて又はこの代わりに、別のソフトウェア又はハードウェアの構成要素によって生成されうる。
【0065】
次に図3を参照すると、航空機の製図からの情報抽出の様子が、例示的な実施形態に従って示されている。いくつかの例示的な実施例では、製図300は、図2の設計216の一例である。製図300は、本実施例では、2次元の製図であり、コンピュータ支援設計モデル内のビューであるか、又はコンピュータ支援設計モデルを使用して作成される。いくつかの例示的な実施例では、表302は、製図300を処理することによって抽出されうる情報の例である。いくつかの例示的な実施例では、表302の製図300から識別された情報は、プログラム名304、修正306、顧客308、日付310、色に対する色コード312、場所314、色が適用されるエリア316、及び色空間値318を含む。図示したように、色空間値は、色空間の色コード312を識別するために色の位置を提供する。この情報は、色が特定のインクジェットプリンタによって適用されうるかどうかを決定するために使用されうる。
【0066】
ここで図4を参照すると、点群までの色について決定されたユークリッド距離の図が、例示的な実施形態に従って示される。いくつかの例示的な実施例では、表400は、インクジェットプリンタの色適用能力のための点群に対する色の位置を示す。
図示したように、表400は、色コード402、位置404、ユークリッド距離(dE)406、最も近い点群408、及びインクジェットプリンタ識別子410の列を含む。
【0067】
この例では、色コード402は、航空機の外装に適用される色を識別する。位置404は、色空間の色の位置を識別する。いくつかの例示的な実施例では、色空間はLAB色空間である。ユークリッド距離406は、色の位置から特定のインクジェットプリンタの点群までの最も近い距離である。最も近い点群408は、色の位置までの点群の最も近い点である。
【0068】
この図示した例では、航空機の外装に適用される5色のエントリが存在する。この例では、色は、色A420、色B422、色C424、色D426、及び色E428を含む。
【0069】
この例では、色を航空機に適用するために、色の位置までのユークリッド距離が最も近い点群を有するインクジェットプリンタが選択されうる。例えば、色A420は、色A420を適用することに対して考慮されうるインクジェットプリンタの点群を有する。この例では、インクジェット4が、dEが0.771423554である色A420の位置までの最も近い距離を有するインクジェットプリンタである。最も近い距離を有する点群はまた、この例示的実施例において、最も近い点群とも称されうる。別の例として、色B422について、インクジェット4は、dEが2.084864427である色B422の位置まで最も近い距離を有するインクジェットプリンタである。
【0070】
いくつかの例示的な実施例では、距離の閾値が1.5である場合、インクジェット4は、色A420から代替色を適用しうるインクジェットプリンタとして選択されうる。インクジェット4が色B422の位置までの距離が最も近いインクジェットプリンタであるとしても、色B422を用いて、警告が生成される。このユークリッド距離が1.5の閾値制限内にないため、警告が生成される。
【0071】
次に図5を参照すると、色を物体に適用するためのプロセスのフローチャートが、例示的な実施形態に従って示される。図5プロセスは、ハードウェア、ソフトウェア、又はその両方で実装されうる。プロセスは、ソフトウェアで実装されると、1つ以上のコンピュータシステム内の1つ以上のハードウェア装置内に設置された1つ以上のプロセッサユニットによって実行される、プログラムコードの形態を採り得る。例えば、プロセスは、図2のコンピュータシステム212内の色マネージャー214内に実装されうる。このプロセスは、図2の航空機206の形態の、物体204などの物体の外装又は内装のうちの少なくとも1つに色を適用するために利用されうる。
【0072】
プロセスは、物体に対して選択された色の位置がインクジェットプリンタの色適用能力を定義する点群内にあるかどうかを決定すること(工程500)によって開始する。工程500において、位置は色空間の3次元空間にある。例えば、LAB色空間により、座標は、l=明度、a=緑の軸、かつb=青の軸である。
【0073】
プロセスは、色がインクジェットプリンタの色適用能力を定義する点群内にあるときに、色を物体に適用するために使用するインクジェットプリンタを選択する(工程502)。プロセスは、その後、終了する。プロセスは、選択されたインクジェットプリンタを使用して、色を物体に適用しうる。
【0074】
次に図6を参照すると、色を物体に適用するためのプロセスのフローチャートが、例示的な実施形態に従って示される。いくつかの例示的な実施例では、このフローチャートは、図5のフローチャートの一部として実行されうる追加的ステップを示す。このステップは、色の位置が図5の工程502のインクジェットプリンタの点群内にないときに、実行されうる。
【0075】
プロセスは、色がインクジェットプリンタの点群内にないときに、物体に対して選択された色の位置が別のインクジェットプリンタの色適用能力を定義する別の点群内にあるかどうかを決定する(工程600)。プロセスは、色がインクジェットプリンタの点群内にあるときに、色を物体に適用する別のインクジェットプリンタを選択する(工程602)。プロセスは、その後、終了する。
【0076】
図7を見ると、色の位置が点群内にあるかどうかを決定するプロセスの図が、例示的な実施形態に従って示される。図7に示すプロセスは、図5の工程500を実装することができる1つの方法の例である。
【0077】
プロセスは、色の位置から点群の最も近い点までのユークリッド距離を決定する(工程700)。工程700において、ユークリッド距離がゼロであるときに、色の位置は点群内にある。プロセスは、その後、終了する。
【0078】
ここで図8を参照すると、色を航空機に適用するためのプロセスのフローチャートが、例示的な実施形態に従って示される。図8プロセスは、ハードウェア、ソフトウェア、又はその両方で実装されうる。プロセスは、ソフトウェアで実装されると、1つ又は複数のコンピュータシステム内の1つ又は複数のハードウェア装置内に設置された1つ又は複数のプロセッサユニットによって実行される、プログラムコードの形態を採りうる。例えば、プロセスは、図2のコンピュータシステム212内の色マネージャー214で実装されうる。
【0079】
プロセスは、航空機の設計から航空機の外面を決定すること(工程800)によって開始する。プロセスは、3次元空間における色の位置を決定する(工程802)。工程802において、位置は、色空間座標系内にある。
【0080】
プロセスは、色の位置までのユークリッド距離が最小である複数の点群のうちの1つの点群を有する複数のインクジェットプリンタのうちの1つのインクジェットプリンタを選択する(工程804)。工程804において、複数の点群の中の点は、インクジェットプリンタによって航空機に適用されうる色を表す。工程804において、選択されたインクジェットプリンタは、航空機の外面上に色を適用するために使用されうる。プロセスは、この後、終了する。
【0081】
このフローチャートでは、色の位置までのユークリッド距離が最小であるインクジェットプリンタは、ゼロでありうる。距離がゼロであるとは、色の位置が点群の上又は内部にあることを意味する。
【0082】
図9を参照すると、色を航空機に適用するためのプロセスのフローチャートが、例示的な実施形態に従って示される。図9のプロセスは、図8の工程804が実装されうる1つの手法の例である。
【0083】
プロセスは、複数の点群中の1つの点群を有する複数のインクジェットプリンタのうちの1つのインクジェットプリンタに、点群から色の位置までのユークリッド距離がゼロであるところがあるかどうかを決定すること(工程900)によって、開始する。点群から色の位置までの距離がゼロである場合、プロセスは、色を適用する際に使用する候補としてインクジェットプリンタを選択する(工程902)。プロセスは、この後、終了する。
【0084】
再び工程900を参照すると、ゼロではない距離が存在しない場合、プロセスは、色の位置から複数の点群までゼロであるユークリッド距離が存在しないときに、点群から色の位置までのユークリッド距離がゼロではなく最小である複数の点群のうちの1つの点群を含むインクジェットプリンタのうちの1つのインクジェットプリンタを識別する(工程904)。プロセスは、この後、終了する。
【0085】
次に図10を参照すると、点群までのユークリッド距離がゼロではないものがある場合にインクジェットプリンタを選択するためのプロセスのフローチャートが、例示的な実施形態に従って示される。図10のプロセスは、ハードウェア、ソフトウェア、又はその両方で実装されうる。プロセスは、ソフトウェアで実装されると、1つ又は複数のコンピュータシステム内の1つ又は複数のハードウェアデバイス内に位置する1つ又は複数のプロセッサユニットによって実行される、プログラムコードの形態を採りうる。例えば、プロセスは、図2のコンピュータシステム212内の色マネージャー214で実装されうる。
【0086】
プロセスは、代替色として、色までのゼロではない最小のユークリッド距離を有する点群の中の点を識別する(工程1000)。この代替色は、色の近似である。プロセスは、色の位置までの点群内の点に対するユークリッド距離が閾値の距離内にあるかどうかを決定する(工程1002)。工程1002の閾値の距離は、色が代替色として使用するのに十分に近いものである場合を示すように選択される。例えば、色と代替色との差が目視で認識できないように、閾値の距離が選択されうる。
【0087】
工程1002において、任意の数の異なる方法で、閾値の距離が選択されうる。閾値の距離は、人が色と代替色との差を認識できない距離でありうる。
【0088】
ユークリッド距離が閾値内にある場合、プロセスは、代替色を適用するためにインクジェットプリンタを選択する(工程1004)。プロセスは、この後、終了する。ユークリッド距離が閾値の距離より大きい場合、プロセスは警告を生成する(工程1006)。プロセスは、この後、終了する。この警告は、インクジェットプリンタによって適用されうる色が顧客によって選択された色と違いすぎることを示しうる。この警告により、任意の数の異なる作業が行われうる。例えば、顧客は、色の選択に関して相談されうる。別の例として、追加のインクジェットプリンタが識別及び分析され、これらの追加のインクジェットプリンタが所望の色を適用できるかどうかが決定されうる。
【0089】
次に図11を参照すると、色を物体に適用する指示を作成するためのプロセスのフローチャートが、例示的な実施形態に従って示される。図11のプロセスは、ハードウェア、ソフトウェア、又はその両方で実装されうる。プロセスは、ソフトウェアで実装されると、1つ又は複数のコンピュータシステム内の1つ又は複数のハードウェアデバイス内に位置する1つ又は複数のプロセッサユニットによって実行される、プログラムコードの形態を採りうる。例えば、プロセスは、図2のコンピュータシステム212内の色マネージャー214で実装されうる。
【0090】
プロセスは、航空機の外面上の色の表面エリアを決定すること(工程1100)によって開始する。工程1100では、表面エリアは、航空機の設計を使用して決定される。プロセスは、航空機の外面上の表面エリアに色を適用するために、インクジェットプリンタによって必要とされる色の量を決定する(工程1102)。プロセスは、インクジェットプリンタを制御して、物体上の表面エリアに色を適用するために使用される指示を作成する(工程1104)。プロセスは、この後、終了する。
【0091】
ここで図12を参照すると、色を航空機に適用するため、インクジェットプリンタを選択するためのプロセスのフローチャートが、例示的な実施形態に従って示される。図12のプロセスは、ハードウェア、ソフトウェア、又はその両方で実装されうる。プロセスは、ソフトウェアで実装されると、1つ又は複数のコンピュータシステム内の1つ又は複数のハードウェアデバイス内に位置する1つ又は複数のプロセッサユニットによって実行される、プログラムコードの形態を採りうる。例えば、プロセスは、図2のコンピュータシステム212内の色マネージャー214で実装されうる。このプロセスは、図2の航空機206の形態の、物体204などの物体の外装又は内装のうちの少なくとも1つに色を適用するために利用されうる。
【0092】
プロセスは、航空機の製図から一組の色を識別すること(工程1200)によって開始する。工程1200において、一組の色は、製図上で画像処理を実行することによって、識別されうる。この画像処理は、光学文字認識を含みうる。この工程では、顧客名、プログラム名、塗装日、修正番号、及び色コードなどの情報が識別されうる。
【0093】
プロセスは次いで、処理のために一組の色の中の色を選択する(工程1202)。プロセスは、一組のインクジェットプリンタの一組の点群の色の範囲内にあるかどうかを決定する(工程1204)。工程1204において、色は、点の内部にある色空間内の位置を有するときに、点群の色の範囲内にある。この決定は、一般化された巻き数を使用した堅牢な内外セグメント化を使用して行われうる。
【0094】
色が一組の点群の中の任意の数の点群の色の範囲内にある場合、任意の数の点群に対応する一組のインクジェットプリンタは、色を適用しうるインクジェットプリンタとして選択される(工程1206)。
【0095】
そうでなければ、最も近いユークリッド距離は、一組の点群に対する色の位置において決定される(工程1208)。工程1208において、プロセスは、ユークリッド距離が最も近い一組のインクジェットプリンタの一組の点群の中の1つの点群を識別する。この例では、複数の点群のうちの1つのみが最も近いユークリッド距離を有することになると想定される。
【0096】
工程1208において、ユークリッド距離は、以下のように、LAB色空間において決定されうる。
dEは、基準色
と別の色
との差である。
ここで、
であり、k及びkは、通常、両方とも1であり、重み係数k、K及びKである。
【0097】
プロセスは次いで、距離が閾値の距離内であるかどうかを決定する(工程1210)。距離が閾値の距離内にある場合、プロセスは次いで、色を適用するための候補として、距離が最も近い点群に対応するインクジェットプリンタを選択する(工程1212)。
【0098】
次いで、処理のために別の色が存在するかどうかについて決定が行われる(工程1214)。プロセスはまた、この例では、工程1206から、工程1214の決定に進む。
【0099】
処理されていない別の色が存在する場合、プロセスは工程1202に戻る。
【0100】
再び工程1210を参照すると、距離が閾値内にない場合、警告が生成される(工程1216)。工程1216において、警告は、色の適用を考慮するために、追加のインクジェットプリンタが識別されるべきであるという指示として使用されうる。プロセスは次に、工程1214に進む。
【0101】
再び工程1214を参照すると、処理のために追加の色が存在する場合、プロセスは次いで、一組の色を航空機に適用するために識別された候補のインクジェットプリンタから、1つ又は複数のインクジェットプリンタを識別する(工程1218)。特定の色を適用可能な複数のインクジェットプリンタが存在しうる。選択されたインクジェットプリンタは、航空機に識別された色のほとんど又はすべてを印刷しうるプリンタでありうる。
【0102】
プロセスは次いで、一組の色が適用される航空機上の一組の表面エリアを決定する(工程1220)。プロセスは次いで、一組の色を航空機に適用するために必要なリソースを識別する(工程1222)。プロセスは、その後、終了する。工程1222で識別されたこれらのリソースは、色の量と、選択されたインクジェットプリンタの利用可能性とを含む。例えば、同種の複数のインクジェットプリンタは、色が適用されうる速度を高めるように選択されうる。工程1222におけるこれらのリソースの識別は、色を適用するためにどれほどの時間が必要とされるかをスケジューリングし、それを示すために使用されうる。この決定は、航空機の製造プロセスのこの部分が航空機の納期にどのように影響するかを決定するために使用されうる。
【0103】
図示した種々の実施形態におけるフローチャート及びブロック図は、例示的な実施形態における、装置及び方法のいくつかの可能な実施態様の構造、機能、及び工程を示している。これに関して、フローチャート又はブロック図内の各ブロックは、モジュール、セグメント、機能、又は工程若しくはステップの一部のうちの少なくとも1つを表わしうる。例えば、1つ又は複数のブロックが、プログラムコード、ハードウェア又はプログラムコードとハードウェアの組合せとして実装されうる。ハードウェア内に実装された場合、ハードウェアは、例えば、フローチャート又はブロック図の1つ又は複数の工程を実施するように製造又は構成された、集積回路の形態をとりうる。プログラムコードとハードウェアの組み合わせとして実装された場合、この実施態様は、ファームウェアの形態をとりうる。フローチャート又はブロック図の各ブロックは、専用ハードウェアと、専用ハードウェアによって実行されるプログラムコードの種々の工程又はその組み合わせを実施する、専用ハードウェアシステムを用いて実装されうる。
【0104】
例示的実施形態の、いくつかの代替的な実施態様では、ブロックに記載された1つ又は複数の機能が、図中に記載されている順序を逸脱して行われることがある。例えば、場合によっては、連続して示される2つのブロックがほぼ同時に実施されること、又は時には含まれる機能に応じて、ブロックが逆の順序で実施されることもある。また、フローチャート又はブロック図に描かれているブロックに加えて、他のブロックが追加されてもよい。
【0105】
ここで図13を参照すると、データ処理システムのブロック図が、例示的実施形態に従って示されている。データ処理システム1300は、図1のサーバコンピュータ104、サーバコンピュータ106、及びクライアントデバイス110を実装するために使用されうる。データ処理システム1300はまた、図2のコンピュータシステム212を実装するために使用されうる。いくつかの例示的な実施例では、データ処理システム1300は、プロセッサユニット1304と、メモリ1306と、固定記憶装置1308と、通信ユニット1310と、入出力(I/O)ユニット1312と、ディスプレイ1314との間の通信を行う、通信フレームワーク1302を含む。この実施例では、通信フレームワーク1302は、バスシステムの形態を採っている。
【0106】
プロセッサユニット1304は、メモリ1306に読み込まれるソフトウェアに対する命令を実行する役割を果たす。プロセッサユニット1304は、1つ又は複数のプロセッサを含む。例えば、プロセッサユニット1304は、中央処理装置(CPU)、グラフィックス処理装置(GPU)、物理処理装置(PPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサ、又は他の適切なタイプのプロセッサのうちの少なくとも1つの中から選択されうる。更に、プロセッサユニット1304は、単一のチップ上に一次プロセッサと二次プロセッサとが共存する1つ又は複数の異種プロセッサシステムを使用して実施されうる。別の例示的実施例として、プロセッサユニット1304は、単一のチップ上に同じタイプのプロセッサを複数個含む対称型マルチプロセッサシステムでありうる。
【0107】
メモリ1306及び固定記憶装置1308は、記憶デバイス1316の例である。記憶デバイスは、例えば、限定するものではないが、データ、機能的な形態のプログラムコードなどの情報、又は他の適切な情報のうちの少なくとも1つを一時的に及び/又は永続的に記憶できる、任意のハードウェアである。記憶デバイス1316は、これらの例示的な実施例では、コンピュータ-可読記憶デバイスとも称されうる。これらの実施例で、メモリ1306は、例えば、ランダムアクセスメモリ又は他の任意の好適な揮発性又は不揮発性の記憶デバイスでありうる。固定記憶装置1308は、特定の実施態様に応じて、様々な形態をとりうる。
【0108】
例えば、固定記憶装置1308は、1つ又は複数の構成要素又はデバイスを含みうる。例えば、固定記憶装置1308は、ハードドライブ、ソリッドステートドライブ(SSD)、フラッシュメモリ、書換え型光学ディスク、書換え可能磁気テープ、又は上記の何らかの組み合わせでありうる。固定記憶装置1308によって使用される媒体はまた、着脱式であってもよい。例えば、固定記憶装置1308に、着脱式ハードドライブを使用することができる。
【0109】
これらの例示的実施例では、通信ユニット1310が、他のデータ処理システム又はデバイスとの通信を提供する。これらの例示的実施例では、通信ユニット1310は、ネットワークインタフェースカードである。
【0110】
入出力ユニット1312は、データ処理システム1300に接続されうる他の装置との間のデータの入出力を可能にする。例えば、入出力ユニット1312は、キーボード、マウス、又は他の何らかの適切な入力デバイスのうちの少なくとも1つを通じて、ユーザ入力のための接続を提供しうる。更に、入出力ユニット1312は、プリンタに出力を送信しうる。ディスプレイ1314は、ユーザに対して情報を表示するための機構を提供する。
【0111】
オペレーティングシステム、アプリケーション、又はプログラムのうちの少なくとも1つに対する命令が、通信フレームワーク1302を介してプロセッサユニット1304と通信する記憶装置1316内に位置しうる。種々の実施形態のプロセスは、メモリ1306といったメモリ内に位置しうる、コンピュータによって実行される命令を使用して、プロセッサユニット1304によって実施されうる。
【0112】
これらの命令は、プロセッサユニット1304内のプロセッサによって読み取られ実行されうる、プログラムコード、コンピュータ使用可能プログラムコード、又はコンピュータ可読プログラムコードと呼ばれる。種々の実施形態では、プログラムコードは、メモリ1306又は固定記憶装置1308といった、種々の物理的な又はコンピュータ可読の記憶媒体上に、具現化することができる。
【0113】
プログラムコード1318は、選択的に着脱可能であるコンピュータ可読媒体1320に関数形式で置かれ、プロセッサユニット1304によって実行するためにデータ処理システム1300に読み込ませてもよく、又は転送されてもよい。プログラムコード1318とコンピュータ可読媒体1320は、これらの実施例では、コンピュータプログラム製品1322を形成する。例示的実施例では、コンピュータ可読媒体1320は、コンピュータ可読記憶媒体1324である。
【0114】
これらの実施例では、コンピュータ-可読記憶媒体1324は、プログラムコード1318を伝搬させるか又は送信する媒体というよりはむしろ、プログラムコード1318を記憶するために使用される物理的な又は有形の記憶デバイスである。本明細書で使用されるコンピュータ可読記憶媒体1318は、電波若しくは他の自由に伝播する電磁波、導波管又は他の伝送媒体を通って伝播する電磁波(例えば、光ファイバケーブルを通過する光パルス)、又はワイヤを通して送信される電気信号などの一時的な信号自体であると解釈されるべきではない。
【0115】
代替的には、プログラムコード1318は、コンピュータ可読信号媒体を使用して、データ処理システム1300に転送されうる。コンピュータ可読信号媒体は、例えば、プログラムコード1318を含む、伝搬されるデータ信号でありうる。例えば、コンピュータ可読信号媒体は、電磁信号、光信号、又は他の任意の好適な種類の信号のうちの少なくとも1つでありうる。これらの信号は、無線接続、光ファイバケーブル、同軸ケーブル、電線、又は他の任意の適切なタイプの接続といった、接続を介して伝送されうる。
【0116】
更に、本明細書で使用される際に、「コンピュータ可読媒体1320」は、単数であっても複数であってもよい。例えば、プログラムコード1318は、単一の記憶デバイス又はシステムの形態で、コンピュータ可読媒体1320に位置しうる。別の例では、プログラムコード1318は、複数のデータ処理システムに分配されるコンピュータ可読媒体1320に位置しうる。要するに、プログラムコード1318におけるいくつかの指示が、あるデータ処理システムに位置しうる一方で、プログラムコード1318における他の指示は、あるデータ処理システムに位置しうる。例えば、プログラムコード1318の一部が、サーバコンピュータのコンピュータ可読媒体1320に位置しうる一方で、プログラムコード1318の別の部分は、一組のクライアントコンピュータに位置するコンピュータ可読媒体1320に位置しうる。
【0117】
データ処理システム1300に関して図示されている種々の構成要素が、種々の実施形態が実施されうる方法に対して構造的な制限を設けることは、意図されていない。いくつかの例示的実施例では、構成要素のうちの1つ又は複数が、別の構成要素に組み込まれているか、又は別様に別の構成要素の一部を形成しうる。例えば、いくつかの例示的実施例では、メモリ1306又はその一部をプロセッサユニット1304内に一体化することができる。データ処理システム1300に関して図示されている構成要素に対する、追加の又は代わりの構成要素が含まれているデータ処理システム内では、異なる例示的な実施形態が実装されうる。図13に示す他の構成要素は、示されている例示的な実施例とは異なることがある。プログラムコード1318を実行可能な任意のハードウェア装置又はシテムを使用して、種々の実施形態を実装することができる。
【0118】
本開示の例示的な実施形態が、図14に示される航空機の製造及び保守方法1400と、図15に示される航空機1500に照らして記載されうる。まず図14を参照すると、航空機の製造及び保守方法が、例示的な実施形態に従って図示されている。製造前段階では、航空機の製造及び保守方法1400は、図15の航空機1500の仕様及び設計1402、並びに材料の調達1404を含みうる。
【0119】
製造段階では、図15の航空機1500の構成要素及びサブアセンブリの製造1406とシステムインテグレーション1408とが行われる。その後、図15の航空機1500は、運航1412に供されるために、認可及び納品1410を経る。顧客による運航1412中、図15の航空機1500は、定期的な整備及び保守1414(改造、再構成、改修、及びその他の整備又は保守を含みうる)がスケジューリングされる。
【0120】
航空機の製造及び保守方法1400の各プロセスは、システムインテグレータ、第三者、事業者、又はこれらのいくつかの組み合わせによって、実施又は実行されうる。これらの実施例では、事業者は顧客でありうる。本明細書において、システムインテグレータは、任意の数の航空機製造業者及び主要システム下請業者を含みうるが、それらに限定される訳ではなく、第三者は、任意の数のベンダー、下請業者、及び供給業者を含みうるが、それらに限定される訳ではなく、事業者は、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス機関などでありうる。
【0121】
ここで図15を参照すると、例示的な実施形態が実装されうる航空機の図が示されている。この実施例では、航空機1500は、図14の航空機の製造及び保守方法1400によって製造され、複数のシステム1504及び内装1506を有する機体1502を含むことができる。システム1504の例には、推進システム1508、電気システム1510、油圧システム1512、及び環境システム1514のうちの1つ又は複数が含まれる。任意の数の他のシステムが含まれていてもよい。航空宇宙産業の実施例が図示されているが、異なる例示的な実施形態は、自動車産業などの他の産業にも適用されうる。
【0122】
本明細書で具現化される装置及び方法は、図14の航空機の製造及び保守方法1400のうちの少なくとも1つの段階で採用されうる。
【0123】
例示的な1つ実施例では、図14の構成要素及びサブアセンブリの製造1406で製造される構成要素又はサブアセンブリは、図14で航空機1500の運航1412中に製造される構成要素又はサブアセンブリと同様の方法で、作製又は製造されうる。更に別の例では、1つ又は複数の装置の実施形態、方法の実施形態、又はこれらの組み合わせを、図14の構成要素及びサブアセンブリの製造1406、並びにシステムインテグレーション1408といった製造段階で、利用することができる。1つ又は複数の装置の実施形態、方法の実施形態、又はこれらの組み合わせを、航空機1500が図14における運航1412、及び/又は整備及び保守1414の間に、利用することができる。任意の数の異なる例示的な実施形態を使用することによって、航空機1500の組み立てを大幅に効率化すること、航空機1500のコストを削減すること、又は航空機1500の組み立てを大幅に効率化することと航空機1500のコストを削減することの両方が、なされてよい。
【0124】
例えば、図2の色マネージャー214は、現在の技術と比較して、航空機1500により迅速かつ有効に適用された色を実現するために、図15の航空機1500の構成要素及びサブアセンブリの製造1406又はシステムインテグレーション1408のうちの少なくとも1つの間に使用されうる。更に、色マネージャー214は、色を航空機1500に適用するために、航空機1500の改造、再構成、改修、並びにその他の整備及び保守の一部として、整備及び保守1414中に使用されうる。
【0125】
ここで図16を参照すると、例示的な実施形態による製品管理システムのブロック図が示されている。製品管理システム1600は、物理的なハードウェアシステムである。この実施例では、製品管理システム1600は、製造システム1602、又は整備システム1604のうちの少なくとも1つを含む。
【0126】
製造システム1602は、図15の航空機1500などの製品を製造するように構成される。図示したように、製造システム1602は製造機器1606を含む。製造機器1606は、製作機器1608又は組立機器1610のうちの少なくとも1つを含む。
【0127】
製作機器1608は、図15の航空機1500の形成に使用される部品用の構成要素を加工するために使用される機器である。例えば、製作機器1608は、機械及びツールを含むことができる。これらの機械及びツールは、ドリル、油圧プレス、加熱炉、金型、複合材テープレーヤー、真空システム、旋盤、又は他の適切な種類の機器のうちの少なくとも1つであってよい。製作機器1608を使用して、金属部品、複合材部品、半導体、回路、ファスナ、リブ、外板、スパー、アンテナ、又は他の適切な種類の部品のうちの少なくとも1つを加工することができる。
【0128】
組立機器1610は、図15の航空機1500を形成する部品を組み立てるために使用される機器である。具体的には、図15の航空機1500を形成する構成要素及び部品の組み立てに、組立機器1610が使用されうる。組立機器1610は、機械及びツールもまた含みうる。このような機械及びツールは、ロボットアーム、クローラ、ファスナ設置システム、レールベースのドリルシステム、又はロボットのうちの少なくとも1つでありうる。組立機器1610は、例えば、図15の航空機1500用の座席、水平安定板、翼、エンジン、エンジンハウジング、着陸装置システム、及び他の部品などといった、部品の組み立てに使用されうる。
【0129】
この実施例では、整備システム1604には整備機器1612が含まれる。整備機器1612は、図15の航空機1500の整備を実施するのに必要なあらゆる機器を含みうる。整備機器1612は、図15の航空機1500の部品に対して種々の作業を実施するためのツールを含みうる。これらの作業は、図15の航空機1500の整備を実施するための、部品の分解、部品の改修、部品の検査、部品の再加工、交換部品の製造、又は他の作業のうちの少なくとも1つを含みうる。これらの作業は、定期的整備、検査、アップグレード、改修、又は他の種類の保守作業であってよい。
【0130】
例示的実施例では、整備機器1612は、超音波検査デバイス、X線撮像システム、視覚システム、ドリル、クローラ、及び他の適切なデバイスを含んでいてよい。ある場合には、整備機器1612は、整備に必要となりうる部品を生産し組み立てるための、製作機器1608、組立機器1610、又はこれらの両方を含みうる。
【0131】
製品管理システム1600には、制御システム1614も含まれる。制御システム1614はハードウェアシステムであり、ソフトウェア、又は他の種類の構成要素も含みうる。制御システム1614は、製造システム1602又は整備システム1604のうちの少なくとも1つの工程を制御するように構成される。具体的には、制御システム1614は、製作機器1608、組立機器1610、又は整備機器1612のうちの少なくとも1つの動作を制御しうる。
【0132】
制御システム1614のハードウェアは、コンピュータ、回路、ネットワーク、及び他の種類の機器を含みうる、ハードウェアを使用して実装されうる。制御は、製造機器1606の直接制御の形態をとりうる。例えば、ロボット、コンピュータ制御機械、及び他の機器は、制御システム1614によって制御されうる。他の例示的な実施例では、制御システム1614は、航空機1500の製造又は保守において、作業人員1616によって実施される作業を管理しうる。例えば、制御システム1614は、任務を割り当てる、指示を与える、モデルを表示する、又は作業人員1616によって実施される作業を管理するための他の作業を実施しうる。これらの例示的な例では、図2の色マネージャー214は、制御システム1614に実装され、図15の航空機1500の製造又は整備のうちの少なくとも1つを管理しうる。例えば、色マネージャー214は、航空機1500などの製品に色を適用する際に使用するインクジェットプリンタを選択するために動作しうる。更に、色マネージャー214は、航空機1500などの製品に色を適用するために、インクジェットプリンタの動作を制御しうる。
【0133】
種々の例示的な実施例において、作業人員1616は、製造機器1606、整備機器1612、又は制御システム1614のうちの少なくとも1つを操作する、又は少なくとも1つと相互作用することができる。この相互作用は、図15の航空機1500を製造するために起こりうる。
【0134】
当然ながら、製品管理システム1600は、図15の航空機1500以外の他の製品を管理するようにも構成されていてよい。製品管理システム1600は、航空宇宙産業における製造に関連して記載されているが、製品管理システム1600は、他の産業の製品を管理するようにも構成されうる。例えば、製品管理システム1600は、自動車産業、及び任意の他の適切な産業の製品を製造するように構成されうる。
【0135】
したがって、例示的実施例は、色を航空機に適用するための方法、装置、システム、及びコンピュータプログラム製品を提供する。航空機の外面の色は、コンピュータシステムによって、航空機の設計から決定される。3次元空間における色の位置は、コンピュータシステムによって決定される。位置は、色空間座標系内にある。色の位置までのユークリッド距離が最小である複数の点群のうちの1つの点群を有する複数のインクジェットプリンタのうちの1つのインクジェットプリンタが、コンピュータシステムによって選択される。インクジェットプリンタは、色を航空機の外面上に適用するために使用される。
【0136】
例示的実施例では、設計から一組の色を識別し、1つ又は複数のインクジェットプリンタを選択して、航空機などの物体に色を適用するために、様々なプロセスが自動的に実行されうる。例示的な例は、航空機、地上移動体、宇宙船、船、及び色が物体に適用される他の物体などの製造物に適用されうる。
【0137】
航空機に色を適用する際の技術的問題を克服する1つ又は複数の技術的解決策は、例示的な例の中に存在する。その結果、1つ又は複数の技術的解決策は、現在の技術と比較してより迅速に、航空機又は他の種類の物体に色を適用可能な技術的効果を提供しうる。例示的実施例では、1つ又は複数の技術的解決策は、インクジェットプリンタを識別し、製図などの設計から、航空機の塗装のための1つ又は複数の色又は他の物体のための配色を適用するのに必要な時間を短縮することができる。
【0138】
種々の例示的実施形態の説明は、例示及び説明を目的として提示されており、網羅的であること、又は実施形態を開示された形態に限定することを意図しているわけではない。作業又は動作を実行する構成要素が、種々の実施例によって説明される。例示的な実施例では、構成要素は、記載され作業や動作を実行するように構成されうる。例えば、この構成要素は、例示的な実施例において構成要素によって実施されると説明されている動作又は作業を実施する能力をこの構成要素に提供する構造体の構成又は設計を有しうる。更に、「含む(includes、including)」、「有する(has)」、「包含する(contains)」という用語及びこれらの変形が本明細書で使用される限り、このような用語は、追加的要素又は他の要素を排除することなく、広い変形用語としての「含む(comprises)」という用語に類似して包括的であることが意図される。
【0139】
更に、本開示は、以下の条項による実施形態を含む。
【0140】
条項1. 色(202)を航空機(206)に適用するための方法であって、
コンピュータシステム(212)が、航空機(206)の設計(216)から、航空機(206)の外面(220)の色(202)を決定すること(800)と、
コンピュータシステム(212)が、3次元空間における色(202)の位置(222)であって、色空間座標系(224)にある位置(222)を決定すること(802)と、
コンピュータシステム(212)が、色(202)の位置(222)までのユークリッド距離(244)が最小である複数の点群(238)のうちの1つの点群(230)を有する複数のインクジェットプリンタ(228)のうちの1つのインクジェットプリンタ(234)を選択すること(804)と
を含み、インクジェットプリンタ(234)が、色(202)を航空機(206)の外面(220)上に適用するために使用される、方法。
【0141】
条項2. コンピュータシステム(212)が、インクジェットプリンタ(234)を使用して、色(202)を航空機(206)に適用すること
を更に含む、条項1に記載の方法。
【0142】
条項3. コンピュータシステム(212)が、色(202)の位置(222)までのユークリッド距離(244)が最小である複数の点群(238)のうちの1つの点群(230)を有する複数のインクジェットプリンタ(228)のうちの1つのインクジェットプリンタ(234)を選択することが、
コンピュータシステム(212)が、点群(230)から色(202)の位置(222)までのユークリッド距離(236)がゼロである複数の点群(238)のうちの1つの点群(230)を含む複数のインクジェットプリンタ(228)のうちの1つのインクジェットプリンタ(234)を識別すること(904)
を含む、条項1又は2に記載の方法。
【0143】
条項4. コンピュータシステム(212)が、色(202)の位置(222)までのユークリッド距離(244)が最小である複数の点群(238)のうちの1つの点群(230)を有する複数のインクジェットプリンタ(228)のうちの1つのインクジェットプリンタ(234)を選択することが、
コンピュータシステム(212)が、色(202)の位置(222)から複数の点群(238)までゼロであるユークリッド距離(236)が存在しないときに、色(202)の位置(222)までのゼロではない最小のユークリッド距離(246)を有する複数の点群(238)のうちの1つの点群(230)を含むインクジェットプリンタ(228)のうちの1つのインクジェットプリンタ(234)を識別すること
を更に含む、条項1から3に記載の方法。
【0144】
条項5. 色(202)までのゼロではない最小のユークリッド距離(246)が、色(202)の近似の代替色(248)である、条項4に記載の方法。
【0145】
条項6. コンピュータシステム(212)が、最小のユークリッド距離(244)が閾値の距離(250)内にあるときに、色(202)の代わりに代替色(248)を使用すること
を更に含む、条項5に記載の方法。
【0146】
条項7. コンピュータシステム(212)が、航空機(206)の外面(220)上の色(202)の表面エリアであって、航空機(206)の設計(216)を使用して決定される表面エリアを決定すること(1100)と、
コンピュータシステム(212)が、色(202)を航空機(206)の外面(220)上の表面エリアに適用するために、インクジェットプリンタ(234)によって必要とされる色(202)の量を決定すること(1102)と
を更に含む、条項1から6に記載の方法。
【0147】
条項8. コンピュータシステム(212)が、インクジェットプリンタ(234)を制御して、色(202)を航空機(206)上の表面エリアに適用するために使用される指示(252)を作成すること(1104)
を更に含む、条項7に記載の方法。
【0148】
条項9. 複数の点群(238)が、LAB色空間、LMS色空間、及びXYZ色空間のうちの1つである色空間(226)のためのものである、条項1から8に記載の方法。
【0149】
条項10. 色(202)を物体(204)に適用するための方法であって、
コンピュータシステム(212)が、色空間(226)の3次元空間にある、物体(204)に対して選択された色(202)の位置(222)が、インクジェットプリンタ(234)の色適用能力(232)を定義する点群(230)内にあるかどうかを決定すること(500)と、
コンピュータシステム(212)が、色(202)がインクジェットプリンタ(234)の色適用能力(232)を定義する点群(230)内にあるときに、色(202)を物体(204)に適用するために使用するインクジェットプリンタ(234)を選択すること(502)と
を含む、方法。
【0150】
条項11. コンピュータシステム(212)が、インクジェットプリンタ(234)を使用して、色(202)を物体(204)に適用すること
を更に含む、条項10に記載の方法。
【0151】
条項12. コンピュータシステム(212)が、色(202)がインクジェットプリンタ(234)の点群(230)内にないときに、物体(204)に対して選択された色(202)の位置(222)が別のインクジェットプリンタ(234)の色適用能力(232)を定義する別の点群内にあるかどうかを決定すること(660)
を更に含む、条項10又は11に記載の方法。
【0152】
条項13. コンピュータシステム(212)が、色空間(226)の3次元空間にある、物体(204)に対して選択された色(202)の位置(222)が、インクジェットプリンタ(234)の色適用能力(232)を定義する点群(230)内にあるかどうかを決定することが、
コンピュータシステム(212)が、色(202)の位置(222)から点群(230)の最も近い点までのユークリッド距離(236)を決定すること
を含み、ユークリッド距離(236)がゼロであるときに、色(202)の位置(222)が点群(230)内にある、条項10から12のいずれか一項に記載の方法。
【0153】
条項14. コンピュータシステム(212)が、物体(204)の設計(216)から選択された色(202)の色コードを決定すること
を更に含む、条項10から13のいずれか一項に記載の方法。
【0154】
条項15. コンピュータシステム(212)が、物体(204)上の色(202)の表面エリアを決定すること(1100)であって、物体(204)の設計(216)を使用して表面エリアが決定される、色(202)の表面エリアを決定すること(1100)と、
コンピュータシステム(212)が、色(202)を表面エリアに適用するために必要な塗料の量を決定すること(1102)と
を更に含む、条項10から14のいずれか一項に記載の方法。
【0155】
条項16. コンピュータシステム(212)が、色(202)を物体(204)上の表面エリアに適用するために、インクジェットプリンタ(234)を制御するための指示(252)を作成すること(1104)
を更に含む、条項15に記載の方法。
【0156】
条項17. 点群(230)が、LAB色空間、LMS色空間、及びXYZ色空間のうちの1つである色空間(226)のためのものである、条項10から16のいずれか一項に記載の方法。
【0157】
条項18. 物体(204)が、移動プラットフォーム、固定プラットフォーム、陸上ベースの構造体、水上又は水中ベースの構造体、宇宙ベースの構造体、航空機(206)、民間航空機(206)、回転翼航空機、水上艦、戦車、人員運搬車、列車、宇宙船、宇宙ステーション、衛星、潜水艦、自動車、発電所、橋、ダム、家屋、製造工場、建物、外板パネル、壁、ドア、胴体、エンジンハウジング、翼、及びフェアリングを含む群から選択される、条項10から17のいずれか一項に記載の方法。
【0158】
条項19. コンピュータシステム(212)と、
コンピュータシステム(212)内の色マネージャー(214)と
を備え、色マネージャー(214)が、
航空機(206)の設計(216)から、航空機(206)の外面(220)の色(202)を決定することと、
3次元空間における色(202)の位置(222)であって、色空間座標系(224)にある位置(222)を決定することと、
色(202)の位置(222)からのユークリッド距離(236)がインクジェットプリンタ(228)の色適用能力(232)を定義する複数の点群(238)のいずれかに対してゼロであるかどうかを決定することであって、複数の点群(238)の点(240)がインクジェットプリンタ(228)によって適用されうる色(242)を表す、色(202)の位置(222)からのユークリッド距離(236)がインクジェットプリンタ(228)の色適用能力(232)を定義する複数の点群(238)のいずれかに対してゼロであるかどうかを決定することと、
色(202)の位置(222)までのユークリッド距離(244)が最小である複数の点群(238)のうちの1つの点群(230)を有する複数のインクジェットプリンタ(228)のうちの1つのインクジェットプリンタを選択することと
を行うように構成されており、インクジェットプリンタ(234)が、色(202)を航空機(206)の外面(220)に適用するために使用される、自動色システム(208)。
【0159】
条項20. 色マネージャー(214)が、
インクジェットプリンタ(234)を使用して、色(202)を航空機(206)に適用する
ように構成される、条項19に記載の自動色システム(208)。
【0160】
条項21. 色(202)の位置(222)までのユークリッド距離(244)が最小である複数の点群(238)のうちの1つの点群(230)を有する複数のインクジェットプリンタ(228)のうちの1つのインクジェットプリンタを選択する際に、色マネージャー(214)が、
点群(230)から色(202)の位置(222)までのユークリッド距離(236)がゼロである複数の点群(238)のうちの1つの点群(230)を含む複数のインクジェットプリンタ(228)のうちの1つのインクジェットプリンタ(234)を識別する
ように構成される、条項19又は20に記載の自動色システム(208)。
【0161】
条項22. 色(202)の位置(222)までのユークリッド距離(244)が最小である複数の点群(238)のうちの1つの点群(230)を有する複数のインクジェットプリンタ(228)のうちの1つのインクジェットプリンタを選択する際に、色マネージャー(214)が、
色(202)の位置(222)から複数の点群(238)までゼロであるユークリッド距離が存在しないときに、色(202)の位置(222)までのゼロではない最小のユークリッド距離(246)を有する複数の点群(238)のうちの1つの点群(230)を含むインクジェットプリンタ(228)のうちの1つのインクジェットプリンタ(234)を識別する
ように構成される、条項19から21のいずれか一項に記載の自動色システム(208)。
【0162】
条項23. 色(202)までのゼロではない最小のユークリッド距離(246)が、色(202)の近似の代替色(248)である、条項22に記載の自動色システム(208)。
【0163】
条項24. 色マネージャー(214)が、
最小のユークリッド距離(244)が閾値の距離(250)内にあるときに、色(202)の代わりに代替色(248)を使用する
ように構成される、条項23に記載の自動色システム(208)。
【0164】
条項25. 色マネージャー(214)が、
航空機(206)の外面(220)上の色(202)の表面エリアであって、航空機(206)の設計(216)を使用して決定される表面エリアを決定することと、
色(202)を航空機(206)の外面(220)上の表面エリアに適用するために、インクジェットプリンタ(234)によって必要とされる塗料の量を決定することと
を行うように構成される、条項19から24のいずれか一項に記載の自動色システム(208)。
【0165】
条項26. 色マネージャー(214)が、
インクジェットプリンタ(234)を制御して、色(202)を航空機(206)上の表面エリアに適用するために使用される指示を作成する
ように構成される、条項25に記載の自動色システム(208)。
【0166】
条項27. 複数の点群(238)が、LAB色空間、LMS色空間、及びXYZ色空間のうちの1つである色空間(226)のためのものである、条項19から26のいずれか一項に記載の自動色システム(208)。
【0167】
条項28. コンピュータシステム(212)と、
コンピュータシステム(212)内の色マネージャー(214)と
を備え、色マネージャー(214)が、
色空間(226)の3次元空間にある、物体(204)に対して選択された色(202)の位置(222)が、インクジェットプリンタ(234)の色適用能力(232)を定義する点群(230)内にあるかどうかを決定することと、
色(202)がインクジェットプリンタ(234)の色適用能力(232)を定義する点群(230)内にあるときに、物体(204)に色(202)を塗るために使用するインクジェットプリンタ(234)を選択することと
を行うように構成されている、自動色システム(208)。
【0168】
条項29. 色マネージャー(214)が、
インクジェットプリンタ(234)を使用して、色(202)を物体(204)に適用する
ように構成される、条項28に記載の自動色システム(208)。
【0169】
条項30. 色マネージャー(214)が、
色(202)がインクジェットプリンタ(234)の点群(230)内にないときに、物体(204)に対して選択された色(202)の位置(222)が別のインクジェットプリンタ(234)の色適用能力(232)を定義する別の点群内にあるかどうかを決定する
ように構成される、条項28又は29に記載の自動色システム(208)。
【0170】
条項31. 色空間(226)の3次元空間にある、物体(204)に対して選択された色(202)の位置(222)が、インクジェットプリンタ(234)の色適用能力(232)を定義する点群(230)内にあるかどうかを決定する際に、色マネージャー(214)が、
色(202)の位置(222)から点群(230)の最も近い点までのユークリッド距離(236)を決定する
ように構成され、ユークリッド距離(236)がゼロであるときに、色(202)の位置(222)が点群(230)内にある、条項28から30のいずれか一項に記載の自動色システム(208)。
【0171】
条項32. 色マネージャー(214)が、
物体(204)の設計(216)から、物体(204)に対して選択された色(202)の色コードを決定する
ように構成される、条項28から31のいずれか一項に記載の自動色システム(208)。
【0172】
条項33. 色マネージャー(214)が、
物体(204)上の色(202)の表面エリアを決定することであって、物体(204)の設計(216)を使用して表面エリアが決定される、色(202)の表面エリアを決定することと、
色(202)を表面エリアに適用するために必要な塗料の量を決定することと
を行うように構成される、条項28から32のいずれか一項に記載の自動色システム(208)。
【0173】
条項34. 色マネージャー(214)が、
色(202)を物体(204)上の表面エリアに適用するために、インクジェットプリンタ(234)を制御するための指示を作成する
ように構成される、条項33に記載の自動色システム(208)。
【0174】
条項35. 点群(230)が、LAB色空間、LMS色空間、及びXYZ色空間のうちの1つである色空間(226)のためのものである、条項28から34のいずれか一項に記載の自動色システム(208)。
【0175】
条項36. 物体(204)が、移動プラットフォーム、固定プラットフォーム、陸上ベースの構造体、水上又は水中ベースの構造体、宇宙ベースの構造体、航空機(206)、民間航空機(206)、回転翼航空機、水上艦、戦車、人員運搬車、列車、宇宙船、宇宙ステーション、衛星、潜水艦、自動車、発電所、橋、ダム、家屋、製造工場、建物、外板パネル、壁、ドア、胴体、エンジンハウジング、翼、及びフェアリングを含む群から選択される、条項28から35のいずれか一項に記載の自動色システム(208)。
【0176】
条項37. 一組のインクジェットプリンタ(228)と、
一組のインクジェットプリンタ(228)と通信するコントローラと
を備え、コントローラが、
色空間(226)の3次元空間にある、物体(204)に対して選択された色(202)の位置(222)が、一組のインクジェットプリンタ(228)のうちの1つのインクジェットプリンタ(234)の色適用能力(232)を定義する点群(230)内にあるかどうかを決定することと、
色(202)がインクジェットプリンタ(234)の色適用能力(232)を定義する点群(230)内にあるときに、色(202)を物体(204)に適用するために使用するインクジェットプリンタ(234)を選択することと、
色(202)を物体(204)に適用するために、インクジェットプリンタ(234)の動作を制御することと
を行うように構成される、製品管理システム。
【0177】
条項38. 物体(204)に対して選択された色(202)の位置(222)であって、色空間(226)にある位置(222)が、インクジェットプリンタ(234)の色適用能力(232)を定義する点群(230)内にあるかどうかを決定する際に、コントローラが、
色(202)の位置(222)から点群(230)の最も近い点までのユークリッド距離(236)を決定する
ように構成され、ユークリッド距離(236)がゼロであるときに、色(202)の位置(222)が点群(230)内にある、条項37に記載の製品管理システム。
【0178】
条項39. コントローラが、
物体(204)の設計(216)から、物体(204)に対して選択された色(202)の色コードを決定する
ように構成される、条項37又は38に記載の製品管理システム。
【0179】
条項40. コントローラが、
物体(204)上の色(202)の表面エリアを決定することであって、物体(204)の設計(216)を使用して表面エリアが決定される、物体(204)上の色(202)の表面エリアを決定することと、
色(202)を表面エリアに適用するために必要な塗料の量を決定することと
を行うように構成される、条項37から39のいずれか一項に記載の製品管理システム。
【0180】
条項41. 一組のインクジェットプリンタ(228)が、製造システム又は保守システムの少なくとも1つに位置する、条項37から40のいずれか一項に記載の製品管理システム。
【0181】
条項42. 色(202)を航空機(206)に適用するためのコンピュータプログラム製品であって、
コンピュータ可読記憶媒体と、
コンピュータ可読記憶媒体上に記憶され、コンピュータシステム(212)に、航空機(206)の設計(216)から航空機(206)の外面(220)の色(202)を決定させるために、コンピュータシステム(212)によって実行可能な第1のプログラムコードと、
コンピュータ可読記憶媒体上に記憶され、コンピュータシステム(212)に、3次元空間における色(202)の位置(222)であって、色空間座標系(224)にある位置(222)を決定させるために、コンピュータシステム(212)によって実行可能な第2のプログラムコードと、
コンピュータ可読記憶媒体上に記憶され、コンピュータシステム(212)に、色(202)の位置(222)からのユークリッド距離(236)がインクジェットプリンタ(228)の色適用能力(232)を定義する複数の点群(238)のいずれかに対してゼロであるかどうかを決定させることであって、複数の点群(238)の点(240)がインクジェットプリンタ(228)によって適用されうる色(242)を表す、色(202)の位置(222)からのユークリッド距離(236)がインクジェットプリンタ(228)の色適用能力(232)を定義する複数の点群(238)のいずれかに対してゼロであるかどうかを決定させるために、コンピュータシステム(212)によって実行可能な第3のプログラムコードと、
コンピュータ可読記憶媒体上に記憶され、コンピュータシステム(212)に、色(202)の位置(222)までのユークリッド距離(244)が最小である複数の点群(238)のうちの1つの点群(230)を有する複数のインクジェットプリンタ(228)のうちの1つのインクジェットプリンタ(234)を選択させることであって、インクジェットプリンタ(234)が色(202)を航空機(206)の外面(220)上に適用するために使用される、1つのインクジェットプリンタ(234)を選択させるために、コンピュータシステム(212)によって実行可能な第4のプログラムコードと
を含む、コンピュータプログラム製品。
【0182】
条項43. 色(202)を航空機(206)に適用するためのコンピュータプログラム製品であって、
コンピュータ可読記憶媒体と、
コンピュータ可読記憶媒体上に記憶され、コンピュータシステム(212)に、色空間(226)の3次元空間にある、物体(204)に対して選択された色(202)の位置(222)が、インクジェットプリンタ(234)の色適用能力(232)を定義する点群(230)内にあるかどうかを決定させるために、コンピュータシステム(212)によって実行可能な、第1のプログラムコードと、
コンピュータ可読記憶媒体上に記憶され、コンピュータシステム(212)に、色(202)がインクジェットプリンタ(234)の色適用能力(232)を定義する点群(230)内にあるときに、物体(204)に色(202)を塗るために使用するインクジェットプリンタ(234)を選択させるために、コンピュータシステム(212)によって実行可能な第2のプログラムコードと
を含む、コンピュータプログラム製品。
【0183】
当業者には、多くの改変例及び変形例が自明となろう。更に、種々の例示的な実施形態によって、他の好ましい実施形態と比較して異なる特徴が提供されうる。選択された1つ又は複数の実施形態は、実施形態の原理、実際の用途を最もよく説明するために、及び他の当業者に対して、様々な実施形態の開示内容と考慮される特定の用途に適した様々な修正の理解を促すために選択及び記載されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16