(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-30
(45)【発行日】2025-07-08
(54)【発明の名称】ブレーキ装置
(51)【国際特許分類】
B60T 8/40 20060101AFI20250701BHJP
B60T 17/00 20060101ALI20250701BHJP
B60T 8/34 20060101ALN20250701BHJP
【FI】
B60T8/40 C
B60T17/00 D
B60T8/34
(21)【出願番号】P 2021103568
(22)【出願日】2021-06-22
【審査請求日】2024-05-09
(73)【特許権者】
【識別番号】301065892
【氏名又は名称】株式会社アドヴィックス
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平田 晴紀
(72)【発明者】
【氏名】竹川 善博
(72)【発明者】
【氏名】金原 伯敬
(72)【発明者】
【氏名】近藤 英男
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 雅邦
【審査官】鵜飼 博人
(56)【参考文献】
【文献】特表2005-516837(JP,A)
【文献】特開2014-227159(JP,A)
【文献】特開2009-208762(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0137005(US,A1)
【文献】特開2006-307688(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60T 7/12- 8/1769
B60T 8/32- 8/96
B60T 15/00- 17/22
F04B 23/00- 23/14
F04B 53/00- 53/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液圧回路のブレーキ液を輸送可能なポンプよりも下方に位置し、前記ポンプ又は第1の部品と第2の部品との間の鉛直方向の隙間に位置する内部流路と、前記内部流路に開口するとともに前記液圧回路の外で前記ポンプに設けられた排出路に連通された導入路と、水平方向において前記導入路から離間した位置で前記内部流路から下方に窪む貯留室と、が設けられ、前記液圧回路から前記排出路に漏出した前記ブレーキ液を前記導入路から前記内部流路に受容可能な、容器と、
前記容器に設けられ、前記内部流路において前記導入路と前記貯留室との間で前記ブレーキ液をガイドする、ガイド部と、
を具備
し、
前記容器は、下方に向く前記内部流路の上面と、上方に向くとともに前記上面と向かい合う前記内部流路の下面と、を有し、
前記ガイド部は、前記上面及び前記下面のうち少なくとも一方に接続されるとともに前記導入路と前記貯留室との間で延びる壁を有する、
ブレーキ装置。
【請求項2】
前記内部流路は、水平方向に延びている、請求項1のブレーキ装置。
【請求項3】
前記内部流路は、前記壁に沿って延びるとともに前記上面と前記下面との間の距離が一定であるガイド隙間を有する、
請求項1又は請求項2のブレーキ装置。
【請求項4】
前記ガイド部は、前記上面及び前記下面のうち少なくとも一方に部分的に設けられ、前記導入路と前記貯留室との間で延び、前記上面及び前記下面の他の部分よりも前記ブレーキ液に濡れやすい、親油部を有する、
請求項1乃至
請求項3のいずれか一つのブレーキ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ブレーキ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ブレーキ装置の液圧回路において、ブレーキ液を輸送するポンプが設けられることがある。例えば、ピストンポンプやギヤポンプのような種々のポンプが、ブレーキ液を輸送する。
【0003】
ポンプにおいて、例えばパッキンが、液圧回路と外部との間を封止する。しかし、液圧回路のブレーキ液がパッキンを越えて漏出する場合がある。例えば漏出したブレーキ液がポンプの外部に出ることを防ぐため、漏出したブレーキ液を貯留可能な空間が設けられたブレーキ装置が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の構成では、漏出したブレーキ液を貯留可能な空間がポンプの内部に設けられるため、当該空間の容積が制限されることがある。当該空間をポンプの外部に設ける場合も、ポンプ及び他の部品により、当該空間の形状及び配置が制約を受け、当該空間の容積が制限されることがある。
【0006】
そこで、本発明は上記に鑑みてなされたものであり、貯留可能なブレーキ液の総量を増大させることが可能なブレーキ装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態に係るブレーキ装置は、一例として、液圧回路のブレーキ液を輸送可能なポンプよりも下方に位置し、前記ポンプ又は第1の部品と第2の部品との間の鉛直方向の隙間に位置する内部流路と、前記内部流路に開口するとともに前記液圧回路の外で前記ポンプに設けられた排出路に連通された導入路と、水平方向において前記導入路から離間した位置で前記内部流路から下方に窪む貯留室と、が設けられ、前記液圧回路から前記排出路に漏出した前記ブレーキ液を前記導入路から前記内部流路に受容可能な、容器と、前記容器に設けられ、前記内部流路において前記導入路と前記貯留室との間で前記ブレーキ液をガイドする、ガイド部と、を備え、前記容器は、下方に向く前記内部流路の上面と、上方に向くとともに前記上面と向かい合う前記内部流路の下面と、を有し、前記ガイド部は、前記上面及び前記下面のうち少なくとも一方に接続されるとともに前記導入路と前記貯留室との間で延びる壁を有する。よって、一例としては、ブレーキ装置は、容器が貯留することが可能なブレーキ液の総量を増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係るブレーキ装置を模式的に示す断面図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態の容器を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態の容器を、上壁を省略して示す平面図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態の容器の一部を模式的に示す断面図である。
【
図5】
図5は、第2の実施形態に係るブレーキ装置の一部を模式的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1の実施形態)
以下に、第1の実施形態について、
図1乃至
図4を参照して説明する。なお、本明細書においては基本的に、鉛直上方を上方向、鉛直下方を下方向と定義する。また、本明細書において、実施形態に係る構成要素及び当該要素の説明が、複数の表現で記載されることがある。構成要素及びその説明は、一例であり、本明細書の表現によって限定されない。構成要素は、本明細書におけるものとは異なる名称でも特定され得る。また、構成要素は、本明細書の表現とは異なる表現によっても説明され得る。
【0010】
図1は、第1の実施形態に係るブレーキ装置10を模式的に示す断面図である。ブレーキ装置10は、自動車のような車両1に搭載される。なお、ブレーキ装置10は、他の車両に搭載されても良い。本実施形態のブレーキ装置10は、例えば、油圧ブレーキである。なお、ブレーキ装置10におけるエネルギーの伝達媒体は、油に限られず、他の液体であっても良い。
【0011】
ブレーキ装置10は、ブレーキペダル11と、ブレーキECU(electronic control unit)12と、液圧回路13とを有する。液圧回路13に、マスタシリンダ14と、前輪及び後輪のホイールシリンダ15と、ポンプ16とが設けられる。なお、ブレーキ装置10は、この例に限られない。
【0012】
ブレーキ装置10は、ブレーキペダル11の操作、又はブレーキECU12の制御に応じて、液圧回路13のブレーキ液BFを輸送し、ホイールシリンダ15を加圧又は減圧する。ホイールシリンダ15は、加圧されることで、対応する前輪又は後輪を制動する。
【0013】
ポンプ16は、いわゆるESC(electric stability control)アクチュエータであり、ブレーキECU12の制御に応じて、ホイールシリンダ15の液圧を個別に調整することができる。ポンプ16は、ブレーキECU12の制御に応じて、例えばABS(anti-lock braking system)制御、横滑り防止制御、及びトラクションコントロールのような種々の制御を行う。
【0014】
各図面に示されるように、本明細書において、便宜上、X軸、Y軸及びZ軸が定義される。X軸とY軸とZ軸とは、互いに直交する。X軸は、ポンプ16の幅に沿って設けられる。Y軸は、ポンプ16の奥行に沿って設けられる。Z軸は、ポンプ16の高さに沿って設けられる。
【0015】
さらに、本明細書において、X方向、Y方向及びZ方向が定義される。X方向は、X軸に沿う方向であって、X軸の矢印が示す+X方向と、X軸の矢印の反対方向である-X方向とを含む。Y方向は、Y軸に沿う方向であって、Y軸の矢印が示す+Y方向と、Y軸の矢印の反対方向である-Y方向とを含む。Z方向は、Z軸に沿う方向であって、Z軸の矢印が示す+Z方向と、Z軸の矢印の反対方向である-Z方向とを含む。
【0016】
本実施形態のポンプ16は、車両1が水平な地面の上に位置するとともに静止しているとき、+Z方向が鉛直上方となり、-Z方向が鉛直下方となるように配置される。なお、ポンプ16の配置は、この例に限られない。+Z方向及び-Z方向は、鉛直方向に対して傾いても良い。
【0017】
また、本実施形態における鉛直方向及び水平方向は、厳密な鉛直方向及び水平方向に対して若干傾いた方向も含む。例えば、本実施形態における水平方向は、重力が作用する厳密な鉛直方向と直交する厳密な水平方向に対して、若干の角度(例えば2°程度)まで傾いていても良い。
【0018】
ポンプ16は、例えば、ピストンポンプである。なお、ポンプ16は、ギヤポンプのような他のポンプであっても良い。ポンプ16は、ハウジング21と、複数のピストン22と、カム23と、モータ24と、複数のシール部材25とを有する。
【0019】
ハウジング21に、液室31と、カム室32と、排出路33とが設けられる。液室31は、液圧回路13の一部である。ピストン22が、液室31とカム室32とに亘って摺動可能に配置されている。
【0020】
カム23は、ピストン22に当接可能にカム室32に配置される。カム23は、例えば、モータ24の駆動軸に接続される。ブレーキECU12に制御されたモータ24がカム23を回転させることで、カム23に当接したピストン22が摺動する。摺動するピストン22は、液室31(液圧回路13)のブレーキ液BFを輸送する。
【0021】
シール部材25は、例えばピストン22に取り付けられ、ピストン22とハウジング21の内面との間を封止する。これにより、ピストン22とシール部材25とは、液室31とカム室32との間を封止し、液室31のブレーキ液BFがカム室32に漏出することを抑制する。しかし、ピストン22の摺動により、液室31のブレーキ液BFがシール部材25を越えてカム室32に漏出することがある。
【0022】
排出路33は、液室31(液圧回路13)の外でハウジング21に設けられ、カム室32とハウジング21の外部とを連通する。排出路33は、例えば、カム室32から下方向に延び、下方向に向くハウジング21の下面21aに開口する。なお、排出路33の形状は、この例に限られない。排出路33は、液室31からカム室32に漏出したブレーキ液BFを排出する。
【0023】
本実施形態のブレーキ装置10は、ブラケット41と、容器42とをさらに有する。ブラケット41は、第2の部品の一例である。なお、第2の部品は、ブラケット41に限られず、他の部品であっても良い。
【0024】
ブラケット41は、ポンプ16を車両1の車体に取り付ける。例えば、ブラケット41の一部がポンプ16のハウジング21に固定されるとともに、ブラケット41の他の一部が車両1の車体に固定される。
【0025】
ブラケット41は、ポンプ16のハウジング21の下方に位置する横板51を有する。横板51は、例えば、水平方向に広がる板状に形成される。横板51は、上方向に向く上面51aを有する。
【0026】
ポンプ16のハウジング21と、ブラケット41の横板51とは、鉛直方向に互いに離間している。このため、ハウジング21の下面21aと、横板51の上面51aとの間に、鉛直方向の隙間G1が設けられる。
【0027】
隙間G1は、ポンプ16のハウジング21とブラケット41の横板51との間において、水平方向に広がっている。このため、Z方向(鉛直方向)における隙間G1の長さは、X方向又はY方向(水平方向)における隙間G1の長さよりも短い。
【0028】
図2は、第1の実施形態の容器42を示す斜視図である。容器42は、例えば金属により作られる。容器42は、少なくとも部分的に隙間G1に配置される。このため、容器42の少なくとも一部は、ポンプ16よりも下方に位置する。容器42は、ケーシング61と、導入管62と、貯留槽63とを有する。なお、容器42は、この例に限られない。
【0029】
図1に示すように、ケーシング61は、隙間G1に配置され、隙間G1において水平方向に広がる箱型に形成される。また、
図2に示すように、本実施形態のケーシング61に、当該ケーシング61を鉛直方向に貫通する貫通孔65が設けられる。例えば、ブラケット41の一部が、貫通孔65を通って、ポンプ16のハウジング21を支持する。
【0030】
ケーシング61は、
図1に示す上壁71、下壁72、及び外側壁73と、
図2に示す内側壁74と、を有する。外側壁73及び内側壁74は、壁の一例である。
【0031】
図1に示すように、上壁71及び下壁72はそれぞれ、水平方向に広がる板状に形成される。上壁71は、下壁72から上方向に離間している。このため、上壁71と下壁72とは、略平行に配置される。
【0032】
外側壁73は、上壁71及び下壁72の外側の縁に接続される。内側壁74は、上壁71及び下壁72の内側の縁に接続される。外側壁73及び内側壁74は、鉛直方向に延びている。
【0033】
ケーシング61の内部に、内部流路75が設けられる。内部流路75は、ブレーキ液BFが内部を流れることと、ブレーキ液BFを貯留することとが可能な空間である。内部流路75は、水平方向に広がっている。言い換えると、内部流路75は、水平方向に延びている。
【0034】
図3は、第1の実施形態の容器42を、上壁71を省略して示す平面図である。
図1及び
図3に示すように、ケーシング61は、内部流路75の上面75a、下面75b、及び側面75c,75dを有する。
【0035】
上面75aは、上壁71に設けられた内部流路75の内面であり、下方に向いている。下面75bは、下壁72に設けられた内部流路75の内面であり、上方に向いている。上面75aと下面75bとは、間隔を介して向かい合う。上面75a及び下面75bは、互いに平行に、水平方向に広がっている。
【0036】
側面75cは、外側壁73に設けられた内部流路75の内面である。側面75dは、内側壁74に設けられた内部流路75の内面である。側面75c,75dは、水平方向に向き、互いに向かい合う。
【0037】
内部流路75において、上面75aと下面75bとの間の距離は、略一定に設定される。例えば、上面75aと下面75bとの間の距離は、約1~2mmに設定される。なお、上面75aと下面75bとの間の距離は、この例に限られない。また、内部流路75の一部において、上面75aと下面75bとの間の距離が、他の部分と異なっていても良い。
【0038】
ケーシング61が隙間G1に位置するため、内部流路75の少なくとも一部も、ポンプ16とブラケット41との間の鉛直方向の隙間G1に位置する。なお、ケーシング61及び内部流路75は、この例に限られず、二つの部品の間の鉛直方向の隙間に位置すれば良い。この場合、一方の部品が第1の部品の一例であり、他方の部品が第2の部品の一例である。
【0039】
図1に示すように、ケーシング61は、上カバー61Aと下カバー61Bとを含む。上カバー61Aは、上壁71と、外側壁73の一部と、内側壁74の一部とを有する。下カバー61Bは、下壁72と、外側壁73の一部と、内側壁74の一部とを有する。
【0040】
上カバー61Aと下カバー61Bとは、例えば超音波溶着により、互いに液密に接合される。これにより、箱型のケーシング61が形成される。なお、ケーシング61は、この例に限られない。
【0041】
図3に示すように、ケーシング61に、複数の孔77が設けられる。孔77は、例えば内部流路75の外で、ケーシング61を鉛直方向に貫通する。例えば、ネジ78が孔77を通り、ケーシング61をポンプ16のハウジング21に取り付ける。
【0042】
図2に示すように、導入管62は、ケーシング61に接続される。例えば、導入管62は、ケーシング61の上壁71から上方向に突出している。なお、導入管62は、この例に限られず、例えば外側壁73から水平方向又は斜め上方向に突出しても良い。導入管62に、導入路81が設けられる。
図1に示すように、導入路81は、内部流路75の上面75aに開口している。
【0043】
図3に示すように、導入路81は、内部流路75の側面75cと側面75dとの間に位置する。導入路81は、側面75c,75dから離間している。なお、導入路81の位置は、この例に限られない。
【0044】
図1に示すように、導入管62は、ポンプ16の排出路33に挿入される。これにより、導入路81は、排出路33に連通される。導入管62と排出路33の内面との間の隙間は、例えば、Oリングのようなシール部材82によって封止される。なお、導入路81は、管のような他の部品を介して排出路33に間接的に連通されても良い。
【0045】
ポンプ16において、液室31からカム室32に漏出したブレーキ液BFは、排出路33に流入する。排出路33のブレーキ液BFは、排出路33に連通された導入管62の導入路81を通って、内部流路75に流入する。すなわち、容器42は、液室31(液圧回路13)から排出路33に漏出したブレーキ液BFを、導入路81から内部流路75に受容することができる。
【0046】
図2に示すように、貯留槽63は、水平方向において導入管62から離間した位置で、ケーシング61に接続されている。貯留槽63は、ケーシング61の下壁72から下方向に突出している。
【0047】
図3に示すように、貯留槽63に、貯留室85が設けられる。貯留室85は、内部流路75から下方に窪んでいる。このため、貯留室85は、内部流路75の下面75bに開口している。
【0048】
貯留室85は、水平方向において導入路81から離間した位置に設けられる。例えば、水平方向において、貫通孔65が導入路81と貯留室85との間に設けられている。なお、貯留室85の位置は、この例に限られない。
【0049】
貯留室85は、ポンプ16のハウジング21の下方に位置する。しかし、貯留室85は、水平方向においてブラケット41から離間している。すなわち、貯留室85は、ポンプ16とブラケット41との間の鉛直方向の隙間G1の外に位置する。
【0050】
貯留槽63は、貯留室85の底面85a、及び複数の側面85b,85c,85d,85e,85f,85gを有する。底面85aは、上方向に向く。貯留室85の底面85aと、内部流路75の上面75aとは、間隔を介して向かい合う。側面85b~85gは、底面85aの縁と、内部流路75の下面75bとの間で延びている。側面85b~85gは、水平方向に延びている。
【0051】
側面85b,85d,85fは、X方向に延びている。側面85bと側面85dとは、間隔を介して向かい合う。さらに、側面85bと側面85fとは、間隔を介して向かい合う。
【0052】
側面85c,85eは、Y方向に延びている。側面85cは、側面85bの一方の端部と側面85dの一方の端部とを接続する。側面85eは、側面85dの他方の端部と側面85fの一方の端部とを接続する。
【0053】
側面85gは、側面85bの他方の端部と側面85fの他方の端部とを接続する。側面85cと側面85gとは、間隔を介して向かい合う。さらに、側面85eと側面85gとは、間隔を介して向かい合う。
【0054】
側面85b,85d間の距離と、側面85b,85f間の距離と、側面85c,85g間の距離と、側面85e,85g間の距離とはそれぞれ、内部流路75の上面75aと下面75bとの間の距離よりも長い。さらに、貯留室85の底面85aと内部流路75の上面75aとの間の距離は、内部流路75の上面75aと下面75bとの間の距離よりも長い。このため、貯留室85の容積は、比較的大きく設定される。
【0055】
容器42は、二つのリブ91,92をさらに有する。リブ91,92は、壁の一例である。リブ91,92は、内部流路75の上面75a及び下面75bのうち少なくとも一方に接続される。例えば、リブ91,92は、下面75bから突出している。なお、リブ91,92は、この例に限られない。
【0056】
リブ91,92は、上壁71と下壁72との間で、上壁71及び下壁72を支持する。このため、リブ91,92は、鉛直方向に容器42が加圧された場合に、上壁71と下壁72とが互いに近づくように変形する(潰れる)ことを抑制できる。言い換えると、リブ91,92は、容器42を補強することができる。
【0057】
リブ91は、導入路81と内側壁74との間で延びている。例えば、リブ91の一方の端部は、導入路81の略中央に配置されている。リブ91の他方の端部は、内側壁74に接続されている。リブ91は、水平方向に向く側面91aを有する。リブ91の側面91aは、内部流路75の上面75a、下面75b、及び側面75dに接続されている。
【0058】
リブ92は、貯留室85と内側壁74との間で延びている。例えば、リブ92の一方の端部は、貯留室85の上に配置されている。リブ92の他方の端部は、内側壁74に接続されている。リブ92は、水平方向に向く側面92aを有する。リブ92の側面92aは、内部流路75の上面75a、下面75b、及び側面75dに接続されている。
【0059】
容器42は、三つの親油部95,96,97をさらに有する。親油部95は、内部流路75の上面75aに部分的に設けられる。すなわち、上面75aは、親油部95と、他の部分とを含む。また、親油部96は、内部流路75の下面75bに部分的に設けられる。すなわち、下面75bは、親油部96と、他の部分とを含む。なお、親油部95,96が上面75a及び下面75bのうち一方にのみ設けられても良い。親油部97は、内部流路75の側面75dに設けられる。
【0060】
親油部95,96は、上面75a及び下面75bのうち、リブ91、内側壁74、及びリブ92に沿って、導入路81と貯留室85との間で延びた部分である。なお、親油部95,96は、上面75a及び下面75bのうち、リブ91、内側壁74、及びリブ92から離れた位置で、導入路81と貯留室85との間で延びていても良い。
【0061】
親油部95~97は、例えば、界面活性剤が塗布されている。界面活性剤は、親油部95~97とブレーキ液BFとの間の界面における界面張力を低下させ、親油部95~97でブレーキ液BFの濡れ(wetting)を発生させやすくする。このため、親油部95~97は、上面75a及び下面75bの他の部分よりもブレーキ液BFに濡れやすくなっている。
【0062】
例えば、同一条件においてブレーキ液BFが親油部95と上面75aの他の部分とに付着した場合、ブレーキ液BFと親油部95との接触角は、ブレーキ液BFと上面75aの他の部分との接触角よりも小さくなる。同様に、ブレーキ液BFと親油部96との接触角は、ブレーキ液BFと下面75bの他の部分との接触角よりも小さくなる。
【0063】
親油部95~97は、上述の例に限られない。例えば、親油部95~97に界面活性剤が塗布されず、上面75a及び下面75bの他の部分に撥水性の物質が塗布されても良い。この場合、親油部95~97は、上面75a及び下面75bの他の部分よりもブレーキ液BFに濡れやすくなる。
【0064】
また、親油部95~97の表面粗さが、上面75a及び下面75bの他の部分の表面粗さよりも大きくても良い。この場合、親油部95~97は、上面75a及び下面75bの他の部分よりもブレーキ液BFに濡れやすくなる。
【0065】
本実施形態のブレーキ装置10は、ガイド部100をさらに有する。ガイド部100は、内部流路75において導入路81と貯留室85との間でブレーキ液BFをガイドすることができる。ガイド部100は、容器42の内側壁74、リブ91,92、及び親油部95~97を有する。すなわち、ガイド部100は、容器42に設けられる。
【0066】
リブ91、内側壁74、及びリブ92は、導入路81と貯留室85との間で延びる一続きの壁101を形成する。壁101は、ガイド部100に含まれる。上述のように、リブ91,92は、内部流路75の上面75a及び下面75bのうち少なくとも一方に接続される。外側壁73及び内側壁74も同様に、内部流路75の上面75a及び下面75bのうち少なくとも一方に接続される。このため、壁101は、内部流路75の上面75a及び下面75bのうち少なくとも一方に接続される。
【0067】
導入路81から内部流路75に受容されたブレーキ液BFは、壁101に付着すると、界面張力により壁101から離間することを抑制される。このため、ブレーキ液BFは、内部流路75において、壁101から離間した位置へ流れることを抑制される。
【0068】
例えば、内部流路75に受容されるブレーキ液BFの増加、又は容器42の傾斜により、ブレーキ液BFは、壁101に付着した状態で、導入路81から貯留室85に向かって進出する。ブレーキ液BFは、リブ92の端まで到達すると、壁101から下方の貯留室85へ流れ落ちる。このように、壁101は、内部流路75において導入路81と貯留室85との間でブレーキ液BFをガイドする。
【0069】
図4は、第1の実施形態の容器42の一部を模式的に示す断面図である。
図4に示すように、内部流路75の上面75aと下面75bとの間の距離は比較的狭い。このため、ブレーキ液BFは、壁101の側面91a,75d,92aに付着するとともに、上面75a及び下面75bに同時に付着し、メニスカス(meniscus)を生じる。
【0070】
上面75a及び下面75bと、側面91a,75d,92aとは、凹部を形成する。このため、導入路81から内部流路75に受容されたブレーキ液BFは、毛細管現象によって、当該凹部で導入路81から貯留室85に向かって流れることが可能である。
【0071】
また、上面75a及び下面75bと、側面91a,75d,92aとは、ガイド隙間102を形成(規定、区画)する。ガイド隙間102は、壁101に沿って延びる内部流路75の一部である。ガイド隙間102において、上面75aと下面75bとの間の距離は一定である。
【0072】
上述のように、ブレーキ液BFは、壁101にガイドされ、導入路81から貯留室85へ流れる。このため、ブレーキ液BFは、内部流路75のうち、ガイド隙間102を通って導入路81から貯留室85へ流れる。
【0073】
ガイド部100がブレーキ液BFを導入路81から貯留室85へガイドするため、容器42において、貯留室85に優先的にブレーキ液BFが貯留される。なお、ブレーキ液BFは、貯留室85に貯留される前に、内部流路75に留まっても良い。また、貯留室85がブレーキ液BFで満たされたとしても、内部流路75がブレーキ液BFを貯留することができる。
【0074】
以上の例では、容器42に一つの貯留室85が設けられる。しかし、容器42に複数の貯留室85が設けられても良い。この場合、容器42に、導入路81と複数の貯留室85のそれぞれとの間でブレーキ液BFをガイドするガイド部100が設けられる。
【0075】
また、以上の例では、リブ91が導入路81と内側壁74との間で延びている。しかし、ガイド部100は、導入路81と外側壁73との間で延びるリブを有しても良い。この場合、ガイド部100は、当該リブと外側壁73とに沿って、ブレーキ液BFを導入路81から貯留室85へガイドすることができる。
【0076】
以上説明された第1の実施形態に係るブレーキ装置10において、容器42は、ポンプ16よりも下方に位置する。容器42に、ポンプ16とブラケット41との間の鉛直方向の隙間G1に位置する内部流路75と、当該内部流路75に開口する導入路81と、水平方向において導入路81から離間した位置で内部流路75から下方に窪む貯留室85と、が設けられる。液圧回路13の外でポンプ16に設けられた排出路33に、導入路81が連通される。容器42は、液圧回路13から排出路33に漏出したブレーキ液BFを導入路81から内部流路75に受容可能である。例えば、ポンプ16とブラケット41との形状及び配置によって、内部流路75の形状及び配置が制約を受ける場合がある。一方、貯留室85は、ポンプ16とブラケット41との間に位置する必要は無い。このため、貯留室85は、ポンプ16とブラケット41との形状及び配置によって制約を受けず、内部流路75よりも多くのブレーキ液BFを貯留する容積を持つことができる。このため、容器42は、ブレーキ液BFを貯留室85へ流すことで、より多くのブレーキ液BFを貯留することができる。しかし、一般的に、内部流路75の形状及び配置についての上記制約により、ブレーキ液BFが導入路81から貯留室85へ流れにくくなる虞がある。例えば、内部流路75が水平方向に延びている場合、内部流路75が上方から下方へ延びている場合に比べ、ブレーキ液BFが導入路81から貯留室85へ流れにくい。しかし、本実施形態のブレーキ装置10において、容器42に設けられたガイド部100が、内部流路75において導入路81と貯留室85との間でブレーキ液BFをガイドする。これにより、ブレーキ装置10は、ブレーキ液BFを導入路81から貯留室85へ流し、より多くのブレーキ液BFを貯留室85に貯留することができる。従って、ブレーキ装置10は、容器42が貯留することが可能なブレーキ液BFの総量を増大させ、当該ブレーキ装置10の寿命(耐用年数)を長くすることができる。
【0077】
内部流路75は、水平方向に延びている。このため、ブレーキ装置10は、例えばポンプ16とブラケット41との間の隙間G1が狭い場合であっても、内部流路75の容積をより大きくすることができる。一方、内部流路75が水平方向に延びている場合、ブレーキ液BFが導入路81から貯留室85へ流れにくくなる虞がある。しかし、本実施形態のブレーキ装置10は、ガイド部100によって、ブレーキ液BFを導入路81から貯留室85へ流すことができる。
【0078】
容器42は、下方に向く内部流路75の上面75aと、上方に向くとともに上面75aと向かい合う内部流路75の下面75bと、を有する。ガイド部100は、上面75a及び下面75bのうち少なくとも一方に接続されるとともに導入路81と貯留室85との間で延びる壁101を有する。導入路81から内部流路75に受容されたブレーキ液BFは、壁101と、当該壁101が接続された上面75a及び下面75bのうち少なくとも一方と、に界面張力によって付着することができる。壁101が導入路81と貯留室85との間で延びているため、ブレーキ液BFは、壁101を伝って導入路81から貯留室85へ流れることができる。これにより、ガイド部100は、内部流路75において導入路81から貯留室85へブレーキ液BFをガイドすることができる。
【0079】
ブレーキ液BFは、壁101と、上面75aと、下面75bとに付着することがある。上面75aと下面75bとの間の距離が不均一である場合、壁101を伝うブレーキ液BFの流れが妨げられる虞がある。例えば、上面75aと下面75bとの間の距離が長いと、ブレーキ液BFは上面75a及び下面75bの両方に付着することが困難となる。このため、ブレーキ液BFは、上面75aと下面75bとの間の距離が長い場所に到達すると、上面75a及び下面75bに対する界面張力及びブレーキ液BF中の表面張力により上面75a及び下面75bから離間せず、上面75a及び下面75bとの付着を保てる位置に留まってしまう虞がある。一方、本実施形態のブレーキ装置10では、内部流路75は、壁101に沿って延びるとともに上面75aと下面75bとの間の距離が一定であるガイド隙間102を有する。このため、ガイド隙間102において、ブレーキ液BFは、壁101と、上面75aと、下面75bとに付着した状態を保ち、壁101に沿って導入路81から貯留室85へ滑らかに流れることができる。
【0080】
ガイド部100は、上面75a及び下面75bのうち少なくとも一方に部分的に設けられ、導入路81と貯留室85との間で延びている親油部95,96を有する。親油部95,96は、上面75a及び下面75bの他の部分よりもブレーキ液BFに濡れやすい。これにより、導入路81から内部流路75に受容されたブレーキ液BFは、親油部95,96で濡れ、導入路81から貯留室85へ流れることができる。これにより、ガイド部100は、内部流路75において導入路81から貯留室85へブレーキ液BFをガイドすることができる。
【0081】
以上の実施形態において、親油部95~97は、壁101に沿って設けられる。しかし、親油部は、壁101から離間して設けられても良い。この場合、ブレーキ液BFは、壁101から離間した親油部を伝って、導入路81から貯留室85へ流れる。また、親油部95~97は、省略されても良い。この場合も、ブレーキ液BFは、壁101を伝って、導入路81から貯留室85へ流れる。
【0082】
(第2の実施形態)
以下に、第2の実施形態について、
図5を参照して説明する。なお、以下の実施形態の説明において、既に説明された構成要素と同様の機能を持つ構成要素は、当該既述の構成要素と同じ符号が付され、さらに説明が省略される場合がある。また、同じ符号が付された複数の構成要素は、全ての機能及び性質が共通するとは限らず、各実施形態に応じた異なる機能及び性質を有していても良い。
【0083】
図5は、第2の実施形態に係るブレーキ装置10の一部を模式的に示す側面図である。
図5に示すように、第2の実施形態のブレーキ装置10は、部品201をさらに有する。部品201は、第1の部品の一例である。
【0084】
部品201は、鉛直方向においてポンプ16と容器42のケーシング61との間に位置する。なお、部品201は、水平方向においてポンプ16から離間していても良い。第2の実施形態において、容器42の少なくとも一部は、部品201とブラケット41の横板51との間の鉛直方向の隙間G2に位置する。このため、内部流路75の少なくとも一部も、隙間G2に位置する。
【0085】
導入管62が排出路33から離間している場合、中継管202が導入管62と排出路33とを接続する。このため、導入路81は、中継管202を介して、排出路33に間接的に連通する。
【0086】
以上説明された第2の実施形態のように、内部流路75は、ポンプ16とブラケット41との間の鉛直方向の隙間G1に位置しても良いし、ポンプ16とは異なる部品201とブラケット41との間の鉛直方向の隙間G2に位置しても良い。
【0087】
以上説明された少なくとも一つの実施形態に係るブレーキ装置は、一例として、液圧回路のブレーキ液を輸送可能なポンプよりも下方に位置し、前記ポンプ又は第1の部品と第2の部品との間の鉛直方向の隙間に位置する内部流路と、前記内部流路に開口するとともに前記液圧回路の外で前記ポンプに設けられた排出路に連通された導入路と、水平方向において前記導入路から離間した位置で前記内部流路から下方に窪む貯留室と、が設けられ、前記液圧回路から前記排出路に漏出した前記ブレーキ液を前記導入路から前記内部流路に受容可能な、容器と、前記容器に設けられ、前記内部流路において前記導入路と前記貯留室との間で前記ブレーキ液をガイドする、ガイド部と、を備える。例えば、ポンプ又は第1の部品と第2の部品との形状及び配置によって、内部流路の形状及び配置が制約を受ける場合がある。一方、貯留室は、ポンプ又は第1の部品と第2の部品との間に位置する必要は無い。このため、貯留室は、ポンプ又は第1の部品と第2の部品との形状及び配置によって制約を受けず、内部流路よりも多くのブレーキ液を貯留する容積を持つことができる。このため、容器は、ブレーキ液を貯留室へ流すことで、より多くのブレーキ液を貯留することができる。しかし、内部流路の形状及び配置についての上記制約により、ブレーキ液が導入路から貯留室へ流れにくくなる虞がある。例えば、内部流路が略水平に延びている場合、内部流路が上方から下方へ延びている場合に比べ、ブレーキ液が導入路から貯留室へ流れにくい。しかし、上記ブレーキ装置において、容器に設けられたガイド部が、内部流路において導入路と貯留室との間でブレーキ液をガイドする。これにより、ブレーキ装置は、ブレーキ液を導入路から貯留室へ流し、より多くのブレーキ液を貯留室に貯留することができる。従って、ブレーキ装置は、容器が貯留することが可能なブレーキ液の総量を増大させ、当該ブレーキ装置の寿命(耐用年数)を長くすることができる。
【0088】
上記ブレーキ装置では、一例として、前記内部流路は、水平方向に延びている。よって、一例としては、ブレーキ装置は、例えばポンプ又は第1の部品と第2の部品との間の隙間が狭い場合であっても、内部流路の容積をより大きくすることができる。一方、内部流路が水平方向に延びている場合、ブレーキ液が導入路から貯留室へ流れにくくなる虞がある。しかし、本実施形態のブレーキ装置は、ガイド部によって、ブレーキ液を導入路から貯留室へ流すことができる。
【0089】
上記ブレーキ装置では、一例として、前記容器は、下方に向く前記内部流路の上面と、上方に向くとともに前記上面と向かい合う前記内部流路の下面と、を有し、前記ガイド部は、前記上面及び前記下面のうち少なくとも一方に接続されるとともに前記導入路と前記貯留室との間で延びる壁を有する。よって、一例としては、導入路から内部流路に受容されたブレーキ液は、壁と、当該壁が接続された上面及び下面のうち少なくとも一方と、に界面張力によって付着することができる。壁が導入路と貯留室との間で延びているため、ブレーキ液は、壁を伝って導入路から貯留室へ流れることができる。これにより、ガイド部は、内部流路において導入路から貯留室へブレーキ液をガイドすることができる。
【0090】
上記ブレーキ装置では、一例として、前記内部流路は、前記壁に沿って延びるとともに前記上面と前記下面との間の距離が一定であるガイド隙間を有する。ブレーキ液は、壁と、上面と、下面とに付着することがある。上面と下面との間の距離が不均一である場合、壁を伝うブレーキ液の流れが妨げられる虞がある。例えば、上面と下面との間の距離が長いと、ブレーキ液は上面及び下面の両方に付着することが困難となる。このため、ブレーキ液は、上面と下面との間の距離が長い場所に到達すると、上面及び下面に対する界面張力及びブレーキ液中の表面張力により上面及び下面から離間せず、上面及び下面との付着を保てる位置に留まってしまう虞がある。一方、上記ブレーキ装置では、内部流路は、壁に沿って延びるとともに上面と下面との間の距離が一定であるガイド隙間を有する。このため、ガイド隙間において、ブレーキ液は、壁と、上面と、下面とに付着した状態を保ち、壁に沿って導入路から貯留室へ滑らかに流れることができる。
【0091】
上記ブレーキ装置では、一例として、前記容器は、下方に向く前記内部流路の上面と、上方に向くとともに前記上面と向かい合う前記内部流路の下面と、を有し、前記ガイド部は、前記上面及び前記下面のうち少なくとも一方に部分的に設けられ、前記導入路と前記貯留室との間で延び、前記上面及び前記下面の他の部分よりも前記ブレーキ液に濡れやすい、親油部を有する。よって、一例としては、導入路から内部流路に受容されたブレーキ液は、親油部で濡れ、導入路から貯留室へ流れることができる。これにより、ガイド部は、内部流路において導入路から貯留室へブレーキ液をガイドすることができる。
【0092】
以上の説明において、抑制は、例えば、事象、作用、若しくは影響の発生を防ぐこと、又は事象、作用、若しくは影響の度合いを低減させること、として定義される。また、以上の説明において、制限は、例えば、移動若しくは回転を防ぐこと、又は移動若しくは回転を所定の範囲内で許容するとともに当該所定の範囲を超えた移動若しくは回転を防ぐこと、として定義される。
【0093】
以上、本発明の実施形態を例示したが、上記実施形態および変形例はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態や変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各実施形態や各変形例の構成や形状は、部分的に入れ替えて実施することも可能である。
【符号の説明】
【0094】
10…ブレーキ装置、13…液圧回路、16…ポンプ、33…排出路、41…ブラケット(第2の部品)、42…容器、73…外側壁(壁)、74…内側壁(壁)、75…内部流路、75a…上面、75b…下面、81…導入路、85…貯留室、91,92…リブ(壁)、95,96…親油部、100…ガイド部、101…壁、102…ガイド隙間、201…部品(第1の部品)、G1,G2…隙間、BF…ブレーキ液。