(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-06-30
(45)【発行日】2025-07-08
(54)【発明の名称】機械の回転要素をバランスさせるバランサユニット、及び機械
(51)【国際特許分類】
B25J 19/00 20060101AFI20250701BHJP
【FI】
B25J19/00 D
(21)【出願番号】P 2023550802
(86)(22)【出願日】2021-09-28
(86)【国際出願番号】 JP2021035680
(87)【国際公開番号】W WO2023053217
(87)【国際公開日】2023-04-06
【審査請求日】2024-04-05
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(72)【発明者】
【氏名】島田 忠示
【審査官】國武 史帆
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-188513(JP,A)
【文献】特開平11-216697(JP,A)
【文献】特開平11-277479(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108015807(CN,A)
【文献】特開昭60-6388(JP,A)
【文献】実開昭61-102749(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械の回転要素をバランスさせるために該回転要素にモーメントを与えるバランサユニットであって、
前記回転要素を付勢することで前記モーメントを生じさせる付勢機構と、
支持シャフトを介して前記機械に回転可能に支持され、前記付勢機構を受容するケーシングと、を備え、
前記ケーシングは、
前記付勢機構を環囲する周壁と、
前記周壁の内周面から内方へ突出するように該周壁に設けられ、前記支持シャフトを相対回転可能に受容する中空のシャフト受容部と、を有する、バランサユニット。
【請求項2】
前記シャフト受容部は、さらに、前記周壁の外周面から外方へ突出する、請求項1に記載のバランサユニット。
【請求項3】
前記周壁は、
前記付勢機構と同心状に配置された中央壁と、
前記中央壁の外周面から外方へ膨出する膨出壁と、を有し、
前記シャフト受容部は、前記膨出壁の前記内周面から内方へ突出するように該膨出壁に設けられる、請求項1又は2に記載のバランサユニット。
【請求項4】
前記膨出壁は、前記中央壁の軸方向の一端から他端まで延在する、請求項3に記載のバランサユニット。
【請求項5】
前記膨出壁は、前記中央壁の径方向から見て、前記一端から前記他端まで一定の幅で延在するか、又は、前記一端から前記他端へ向かうにつれて前記幅が小さくなるように延在する、請求項4に記載のバランサユニット。
【請求項6】
前記膨出壁は、前記中央壁の軸方向から見て矩形状又は円形状の外形を有する、請求項3~5のいずれか1項に記載のバランサユニット。
【請求項7】
前記周壁は、前記支持シャフトの延在方向と平行な長軸を有する楕円状の外形を有する、請求項1又は2に記載のバランサユニット。
【請求項8】
前記付勢機構は、
前記回転要素に連結され、前記ケーシングに進退可能に受容されるロッドと、
前記ケーシングの内部に収容され、前記ロッドを付勢する付勢要素と、を有し、
前記支持シャフトは、前記ロッドの進退方向と直交する方向に延在する、請求項1~7のいずれか1項に記載のバランサユニット。
【請求項9】
前記付勢要素は、
前記ロッドと前記ケーシングとの間に介挿され、該ロッドに弾性力を加えることで該ロッドを付勢する弾性部材、又は、
前記ロッドと前記ケーシングとの間の空間に封入され、該ロッドに圧力を加えることで該ロッドを付勢する流体、を含む、請求項8に記載のバランサユニット。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載のバランサユニットを備える、機械。
【請求項11】
前記機械は、前記回転要素としての腕部を有する多関節ロボットであって、
前記バランサユニットは、前記付勢機構が前記腕部を付勢することで、重力に起因して該腕部に作用する重力モーメントとは反対の方向へ前記モーメントを与えて、該腕部を前記重力に対してバランスさせる、請求項10に記載の機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、機械の回転要素をバランスさせるバランサユニット、及び機械に関する。
【背景技術】
【0002】
機械の回転要素をバランスさせるバランサユニットが知られている(例えば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、バランサユニットのケーシングに生じる応力集中を軽減しつつ、バランサユニットの小型化及び軽量化を実現可能な技術が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様において、機械の回転要素をバランスさせるために該回転要素にモーメントを与えるバランサユニットは、回転要素を付勢することでモーメントを生じさせる付勢機構と、支持シャフトを介して機械に回転可能に支持され、付勢機構を受容するケーシングとを備える。ケーシングは、付勢機構を環囲する周壁と、周壁の内周面から内方へ突出するように該周壁に設けられ、支持シャフトを相対回転可能に受容する中空のシャフト受容部とを有する。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、周壁の内方へ突出するように設けられたシャフト受容部によってバランサユニットの回転動作を支持することで、ケーシングに応力集中が発生するのを抑制し、これにより、ケーシングが変形及び破損してしまうのを防止できる。その結果、バランサユニットのケーシングの薄肉化が可能となり、以って、バランサユニットの小型化及び軽量化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】
図1に示すバランサユニットの断面図である。
【
図4】
図3に示すケーシング本体を軸方向(
図3中の矢印IV)から見た正面図である。
【
図5】
図3に示すケーシング本体を、軸方向と直交する平面で切断した断面図である。
【
図6】他の実施形態に係るケーシング本体の斜視図である。
【
図7】さらに他の実施形態に係るケーシング本体の斜視図である。
【
図8】
図7に示すケーシング本体を軸方向から見た正面図である。
【
図9】さらに他の実施形態に係るケーシング本体の斜視図である。
【
図10】
図9に示すケーシング本体を軸方向から見た正面図である。
【
図11】さらに他の実施形態に係るケーシング本体を軸方向から見た正面図である。
【
図12】他の実施形態に係るバランサユニットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する種々の実施形態において、同様の要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。まず、
図1を参照して、一実施形態に係る機械10について説明する。本実施形態においては、機械10は、垂直多関節ロボットであって、ロボットベース12、旋回胴14、下腕部16、上腕部18、及び手首部20を備える。
【0009】
ロボットベース12は、作業セルの床、又は無人搬送車(AGV)の上に固定される。旋回胴14は、軸線A1の周りに回転可能となるように、ロボットベース12に設けられる。軸線A1は、例えば、鉛直方向と平行である。より具体的には、旋回胴14は、ベース部14aと、互いに対向するようにベース部14aから立ち上がる一対の支持壁14b及び14c(
図2)とを有する。
【0010】
下腕部16は、軸線A2の周りに回転可能となるように、旋回胴14に設けられる。軸線A2は、軸線A1と直交する(例えば、水平方向と平行である)。より具体的には、下腕部16は、一対の支持壁14b及び14cの間で回転可能に支持される基端部16aと、該基端部16aとは反対側の先端部16bとを有する。
【0011】
上腕部18は、軸線A3の周りに回転可能となるように下腕部16の先端部16bに設けられた基端アーム部18aと、軸線A4の周りに回転可能となるように基端アーム部18aの先端部に設けられた先端アーム部18bとを有する。軸線A3は、軸線A2と平行であり、軸線A4は、軸線A3と直交する。
【0012】
手首部20は、軸線A5の周りに回転可能となるように先端アーム部18bの先端部に設けられた手首ベース20aと、軸線A6の周りに回転可能となるように手首ベース20aに設けられた手首フランジ20bとを有する。軸線A5は、軸線A4と直交し、軸線A6は、軸線A5と直交する。
【0013】
機械10は、旋回胴14、下腕部16、基端アーム部18a、先端アーム部18b、手首ベース20a、及び手首フランジ20bを、軸線A1、A2、A3、A4、A5及びA6の周りにそれぞれ回転させることで、手首フランジ20bに取り付けられたエンドエフェクタ(図示せず)を任意の位置に配置させる。したがって、旋回胴14、下腕部16、基端アーム部18a、先端アーム部18b、手首ベース20a、及び手首フランジ20bの各々は、機械10の回転要素を構成する。
【0014】
機械10は、該機械10の回転要素をバランスさせるために該回転要素にモーメントMcを与えるバランサユニット50をさらに備える。本実施形態においては、バランサユニット50は、下腕部16をバランスさせるために、旋回胴14に設けられている。以下、
図2を参照して、バランサユニット50について説明する。
【0015】
バランサユニット50は、ケーシング52、及び付勢機構54を備える。ケーシング52は、中心軸線A7を有する中空部材であって、付勢機構54を受容する。ケーシング52、一対の支持シャフト56及び58を介して、旋回胴14に回転可能に支持されている。
【0016】
なお、以下の説明においては、軸線A7に沿う方向を軸方向、該軸線A7を中心とする円の半径方向を径方向、軸線A7周りの方向を周方向として言及する。また、便宜上、図中の矢印Bに示す方向を、軸方向後方として言及する。ケーシング52は、ケーシング本体60と、該ケーシング本体60に固定される蓋体62とを有する。
【0017】
以下、
図3~
図5を参照して、ケーシング本体60について説明する。ケーシング本体60は、底壁64、周壁66、及び一対のシャフト受容部68及び70を有する。底壁64は、平板部材であって、ケーシング本体60の軸方向後端を画定する。周壁66は、筒状であって、底壁64から軸方向前方へ延出する。
【0018】
より具体的には、周壁66は、中央壁72、及び一対の膨出壁74及び76を有する。本実施形態においては、中央壁72は、軸線A7を中心軸線とする円筒状の部材であって、内周面72a及び外周面72bを有する。中央壁72は、膨出壁74及び76によって、円弧状の2つの部分に分割され、該中央壁72の内周面72aによって、略円柱状の内部空間S1が画定される。
【0019】
膨出壁74及び76の各々は、中央壁72の外周面72bから径方向外方へ膨出するように、該中央壁72に一体に形成されている。膨出壁74及び76の各々は、軸方向から見て矩形の外形を有するとともに、中央壁72の軸方向前端から軸方向後端まで延在している。
【0020】
より具体的には、膨出壁74は、互いに対向して外周面72bから径方向外方へ延出する一対の側壁部74a及び74bと、該側壁部74a及び74bの間で延在する端壁部74cとを有する。側壁部74a及び74bと、端壁部74cとは、略直交する。側壁部74aの内面74dと、側壁部74bの内面74eと、端壁部74cの内面74fとによって、略四角柱状の内部空間S2が画定される。この内部空間S2は、内部空間S1に連通し、且つ内部空間S1から径方向外方へ膨出するように、画定される。
【0021】
一方、膨出壁76は、軸線A7を中心として膨出壁74を180°回転させた回転対称な形状を有する。具体的には、膨出壁76は、外周面72bから、膨出壁74とは反対の方向へ延出する一対の側壁部76a及び76bと、該側壁部76a及び76bの間で延在する端壁部76cとを有する。側壁部76aの内面76dと、側壁部76bの内面76eと、端壁部76cの内面76fとによって、略四角柱状の内部空間S3が画定される。この内部空間S3は、内部空間S1に連通し、該内部空間S1から径方向外方へ膨出するように、画定される。
【0022】
また、中央壁72の内周面72aと、膨出壁74及び76の内面(具体的には、内面74d、74e、74f、76d、76e及び76f)とによって、周壁66の内周面66aが画定される。一方、中央壁72の外周面72bと、膨出壁74及び76の外面とによって、周壁66の外周面66bが画定される。本実施形態においては、膨出壁74及び76は、中央壁72の径方向から見て、該中央壁72の軸方向前端から軸方向後端まで一定の幅W(
図5)で延在する。
【0023】
シャフト受容部68及び70は、中空であって、周壁66の内周面66aから内方へ突出するとともに、周壁66の外周面66bから外方へ突出するように、該周壁66に設けられている。具体的には、シャフト受容部68は、端壁部74cの内面74fから径方向内方へ突出するとともに、該端壁部74cの外面74gから径方向外方へ突出するように、該端壁部74cに一体に設けられている。
【0024】
シャフト受容部68は、中心軸線A8を有する円筒状の部材であって、上述の支持シャフト56(
図2)を相対回転可能に受容する。軸線A8は、軸線A7と直交する。シャフト受容部68の径方向内側の端面68aは、軸線A7を中心とする円弧面となっている。端面68aは、中央壁72の内周面72aと同じ曲率半径を有してもよいし、内周面72aよりも大きい(又は小さい)曲率半径を有してもよい。
【0025】
一方、シャフト受容部70は、軸線A7を中心としてシャフト受容部68を180°回転させた回転対称な形状を有する。具体的には、シャフト受容部70は、中心軸線A9を有する円筒状の部材であって、上述の支持シャフト58(
図2)を相対回転可能に受容する。シャフト受容部70は、膨出壁76の端壁部76cの内面76fから径方向内方へ突出するとともに、該端壁部76cの外面76gから径方向外方へ突出するように、該端壁部76cに一体に設けられている。
【0026】
また、シャフト受容部70の径方向内側の端面70aは、軸線A7を中心とする円弧面となっている。端面70aは、中央壁72の内周面72aと同じ曲率半径を有してもよいし、内周面72aよりも大きい(又は小さい)曲率半径を有してもよい。本実施形態においては、軸線A8及びA9は、互いに一致しており(つまり、同じ直線上に整列し)、シャフト受容部68及び70は、軸線A8及びA9を基準として同心に配置されている。
【0027】
再度、
図2を参照して、蓋体62は、本体部62a、及びガイド部62bを有する。本体部62aは、平板状の部材であって、周壁66の軸方向前端に、ボルト等の締結具(図示せず)によって固定され、ケーシング本体60の軸方向前側に画定された開口部を閉塞する。本体部62aの中央部には、貫通孔62cが形成されている。
【0028】
ガイド部62bは、円筒状であって、本体部62aから軸方向後方へ延出するように、該本体部62aに一体に形成されている。なお、ガイド部62bは、本体部62aから軸方向前方へさらに延出するように設けられてもよい。ガイド部62bの内周面62dは、本体部62aの貫通孔62cと軸方向に連通している。
図2に示すように蓋体62がケーシング本体60に固定された状態においては、ガイド部62bの中心軸線は、軸線A7と略一致する。なお、本実施形態においては、内周面62dは、滑り軸受から構成される。
【0029】
ケーシング52は、支持壁14bに設けられた支持シャフト56、及び支持壁14cに設けられた支持シャフト58の周りに回転可能となるように、旋回胴14の支持壁14b及び14cの間に配置される。
図2に示すようにケーシング52が支持シャフト56及び58に支持された状態においては、支持シャフト56の中心軸線は、軸線A8と一致し、支持シャフト58の中心軸線は、軸線A9と一致する。
【0030】
すなわち、シャフト受容部68及び70と、支持シャフト56及び58とは、軸線A8及びA9を基準として同心状に配置され、軸方向と直交する方向(つまり、径方向)へ延在する。また、軸線A8及びA9は、軸線A2と略平行になる(換言すれば、ケーシング52の軸方向は、軸線A2と略直交する)。
【0031】
付勢機構54は、下腕部16を付勢することで該下腕部16にモーメントMcを生じさせる。付勢機構54は、ロッド80、及び付勢要素82を有する。ロッド80は、軸線A7を基準としてケーシング52と略同心状に配置され、蓋体62のガイド部62bに進退可能に受容される。
【0032】
具体的には、ロッド80は、軸方向に真直ぐに延在する円柱状のシャフト部80aと、該シャフト部80aの軸方向後端から外方へ突出する円板状のフランジ部80bと、シャフト部80aの軸方向前端に固設された円筒部80cとを有する。シャフト部80aは、軸方向に進退可能となるようにガイド部62b及び貫通孔62cに挿通されている。
【0033】
フランジ部80bは、内部空間S1内に収容されている一方、円筒部80cは、ケーシング52の外部に露出している。シャフト部80a及びフランジ部80bは、ケーシング本体60の周壁66によって環囲され、軸線A7を基準として該周壁66の中央壁72と同心状に配置されている。
【0034】
なお、本実施形態においては、フランジ部80bの外周面80dは、中央壁72の内周面72aから径方向内方へ僅かに離隔して配置されている。フランジ部80bの外周面80dは、中央壁72の内周面72a、シャフト受容部68及び70の端面68a及び70aと、略平行となっている。
【0035】
代替的には、フランジ部80bの外周面80dと、中央壁72の内周面72aとは、互いに当接してもよい。この場合において、内周面72aが滑り軸受から構成されてもよいし、該内周面72aに潤滑オイルが塗布されてもよい。円筒部80cは、中心軸線A10を有し、その内部に連結シャフト84を相対回転可能に受容する。軸線A10は、軸線A7と直交する(又は、軸線A2と平行となる)。
【0036】
付勢要素82は、内部空間S1に収容され、ロッド80を付勢する。本実施形態においては、付勢要素82は、弾性部材(より具体的には、圧縮コイルばね)であって、ロッド80のフランジ部80bと、蓋体62の本体部62aとの間に介挿されている。付勢要素82は、フランジ部80bを本体部62aから離反させるように該フランジ部80bに弾性力を加えることで、ロッド80を軸方向後方へ付勢する。
【0037】
ロッド80は、その円筒部80cが連結シャフト84を介して下腕部16に回転可能に連結されている。より具体的には、下腕部16の基端部16aには、該基端部16aから外方へ突出するように円筒部16cが固設されている。円筒部16cは、軸線A10を基準としてロッド80の円筒部80cと同心状に配置され、連結シャフト84を受容する。こうして、ロッド80は、その円筒部80cが連結シャフト84を介して下腕部16の円筒部16cに回転可能に連結されている。
【0038】
下腕部16が鉛直方向と略平行になる直立姿勢から、軸線A2周りに回転して、水平方向と略平行になる水平姿勢へ向かって傾倒すると、下腕部16には、重力に起因して重力モーメントMg(
図1)が作用する。このような重力モーメントMgをキャンセルするために、付勢機構54は、下腕部16を付勢することで、該下腕部16に対し、重力モーメントMgとは反対の方向へモーメントMcを与える。
【0039】
より具体的には、下腕部16が水平姿勢へ向かって傾倒すると、ロッド80は、連結シャフト84を介して、軸線A2周りに回動する円筒部16cによって軸方向前方へ引っ張られ、これにより、ケーシング52から引き出されて軸方向前方へ先進する。そうすると、付勢要素82が軸方向へ圧縮されて、その反力として、ロッド80(具体的には、フランジ部80b)に軸方向後方の弾性力を加え、これによりロッド80を軸方向後方へ付勢する。
【0040】
その結果、ロッド80は、連結シャフト84を介して円筒部16cに力を加えることで下腕部16を重力モーメントMgとは反対の方向へ付勢し、これにより、下腕部16にモーメントMcを生じさせる。こうして、バランサユニット50は、下腕部16を重力に対してバランスさせる。
【0041】
一方、下腕部16が鉛直姿勢へ向かって起き上がるにつれて、ロッド80は、軸方向後方へ後退し、ケーシング52の内部へ押し入れられる。このようなロッド80の軸方向への進退動作は、蓋体62のガイド部62bによって案内される。そして、バランサユニット50は、ロッド80の進退動作に従って、支持シャフト56及び58(すなわち、軸線A8及びA9)の周りに回転する。ケーシング本体60のシャフト受容部68及び70は、このようなロッド80の進退動作と、バランサユニット50の軸線A8及びA9周りの回転動作とを支持する。
【0042】
以上のように、本実施形態においては、ケーシング52は、付勢機構54(具体的には、シャフト部80a及びフランジ部80b)を環囲する周壁66と、該周壁66の内周面66aから内方へ突出するように該周壁66に設けられたシャフト受容部68及び70とを有する。
【0043】
ここで、本発明者は、バランサユニット50の稼働時にケーシング52に生じる応力のシミュレーション解析を実行し、その結果、シャフト受容部68及び70を周壁66の内方へ突出するように形成することによって、ケーシング52に生じる応力集中を軽減できることを見出した。
【0044】
本実施形態によれば、周壁66の内方へ突出するように設けられたシャフト受容部68及び70によってロッド80の進退動作とバランサユニット50の回転動作とを支持することで、ケーシング52(具体的には、ケーシング本体60)に応力集中が発生するのを抑制し、これにより、ケーシング52が変形及び破損してしまうのを防止できる。
【0045】
その結果、ケーシング本体60の厚さを大きくすることなく応力集中を抑制できるので、ケーシング本体60の成形時に材料内に気泡(いわゆる、鋳巣)が生じるのを防止できるとともに、ケーシング本体60の薄肉化が可能となることから、ケーシング本体60の大型化及び重量の増大を避けることができる。したがって、バランサユニット50の小型化及び軽量化を実現できる。また、応力集中の抑制によりケーシング本体60への偏荷重が回避され、バランサユニット50の長寿命化を実現できる。
【0046】
また、本実施形態においては、シャフト受容部68及び70は、さらに、周壁66の外周面66bから外方へ突出する。この構成によれば、シャフト受容部68及び70が外周面66bから径方向外方へ突出する突出長さを小さくしつつ、該シャフト受容部68及び70の軸線A8及びA9の方向の長さを大きく設定できる。これにより、ケーシング本体60に応力集中が発生するのを効果的に抑制できるとともに、シャフト受容部68及び70の強度を高めることができる。
【0047】
また、本実施形態においては、周壁66は、付勢機構54(具体的には、シャフト部80a及びフランジ部80b)と同心状に配置された中央壁72と、該中央壁72の外周面72bから外方へ膨出する膨出壁74及び76とを有し、シャフト受容部68及び70は、膨出壁74及び76の内周面(具体的には、内面74f及び76f)から内方へ突出するように、該膨出壁74及び76に設けられている。
【0048】
この構成によれば、中央壁72の寸法(つまり、半径)を最小化することができる一方で、シャフト受容部68及び70が設けられる膨出壁74及び76を側方へ膨出させることによって、該膨出壁74及び76の強度を高めることができる。これにより、ケーシング本体60の総重量が増大するのを抑制できる。
【0049】
また、本実施形態においては、膨出壁74及び76は、中央壁72の軸方向前端から軸方向後端まで延在し、且つ、中央壁72の径方向から見て一定の幅Wで延在している。この構成によれば、膨出壁74及び76の強度を効果的に高めることができる。また、本実施形態においては、膨出壁74及び76は、中央壁72の軸方向から見て矩形状の外形を有する。この構成によれば、膨出壁74及び76の強度を、より効果的に高めることができる。
【0050】
また、本実施形態においては、付勢機構54は、回転要素(具体的には、下腕部)16に連結され、ケーシング52に進退可能に受容されるロッド80と、ケーシング52の内部に収容され、ロッド80を付勢する付勢要素82とを有し、支持シャフト56及び58は、ロッド80の進退方向(つまり、軸方向)と直交する方向(つまり、径方向)に延在する。
【0051】
この構成によれば、付勢要素82が発生させる付勢力を、ロッド80を通して回転要素16に効率的に加えることができるとともに、該ロッド80の進退動作に従ってケーシング52が支持シャフト56及び58(具体的には、軸線A7及びA8)の周りに回転可能であることから、該ロッド80の進退動作を効果的に支持することができる。これにより、回転要素16にモーメントMcを効果的に生じさせることができる。
【0052】
また、本実施形態においては、付勢要素82は、ロッド80(具体的には、フランジ部80b)とケーシング52(具体的には、蓋体62の本体部62a)との間に介挿され、該ロッド80に弾性力を加えることで該ロッド80を付勢する弾性部材(圧縮コイルばね)を含む。この構成によれば、圧縮コイルばねのような比較的簡単な構造の弾性部材によって、ロッド80に付勢力を効果的に加えることができる。
【0053】
なお、本実施形態において、中央壁72と側壁部74a若しくは74b、中央壁72と側壁部76a若しくは76b、側壁部74a若しくは74bと端壁部74c、側壁部76a若しくは76bと端壁部76c、シャフト受容部68と端壁部74c、又は、シャフト受容部70と端壁部76cとの接続部を、丸みのある角部(いわゆる、角R部)に形成してもよい。これにより、ケーシング本体60に生じる応力集中をより効果的に避けることができる。
【0054】
また、シャフト受容部68が端壁部74cの内面74fから径方向内方へ突出する突出長さL1(
図5)と、シャフト受容部68が端壁部74cの外面74gから径方向外方へ突出する突出長さL2とは、L1=L2、L1>L2、又は、L1<L2であってもよい。同様に、シャフト受容部70が端壁部76cの内面76fから径方向内方へ突出する突出長さL1と、シャフト受容部70が端壁部76cの外面76gから径方向外方へ突出する突出長さL2とは、L1=L2、L1>L2、又は、L1<L2であってもよい。
【0055】
また、上述の付勢要素82は、フランジ部80bと本体部62aとの間に介挿された引張りコイルばねから構成されてもよい。この場合、付勢要素82は、フランジ部80bを蓋体62へ接近させるように該フランジ部80bに弾性力を加えることで、ロッド80を軸方向前方へ付勢する。
【0056】
なお、ケーシング本体60には、種々の変形例が考えられる。以下、
図6~
図11を参照してケーシング本体60の変形例について説明する。
図6に示すケーシング本体90は、上述のケーシング本体60と、周壁92において相違する。周壁92は、上述の中央壁72と、該中央壁72の外周面72bから径方向外方へ膨出するように該中央壁72に一体に形成された一対の膨出壁94及び96とを有する。
【0057】
膨出壁94及び96の各々は、中央壁72の軸方向前端から軸方向後端へ向かうにつれて幅Wが小さくなるように延在している。より具体的には、膨出壁94は、互いに対向して外周面72bから径方向外方へ延出する一対の側壁部94a及び94bと、該側壁部94a及び94bと直交する端壁部94cとを有する。
【0058】
側壁部94aの内面94dと、側壁部94bの内面94eと、端壁部94cの内面94fとによって、内部空間S1から径方向外方へ膨出する内部空間S2が画定される。側壁部94a及び94bは、中央壁72の軸方向前端から軸方向後端へ向かうにつれて互いに接近するように延在し、その軸方向後端で互いに接続している。これにより、膨出壁94の幅Wが軸方向後方へ向かうにつれて小さくなっている。
【0059】
一方、膨出壁96は、軸線A7を中心として膨出壁94を180°回転させた回転対称な形状を有する。具体的には、膨出壁96は、側壁部94a、側壁部94b、及び端壁部94cにそれぞれ対応する、側壁部96a、側壁部96b、及び端壁部96cを有する。側壁部96aの内面96d、側壁部96bの内面96e、及び端壁部96cの内面96fによって、内部空間S1から径方向外方へ膨出する内部空間S3が画定される。
【0060】
また、中央壁72の内周面72aと、膨出壁94及び96の内面(内面94d、94e、94f、96d、96e及び96f)とによって、周壁92の内周面92aが画定される。一方、中央壁72の外周面72bと、膨出壁94及び96の外面とによって、周壁92の外周面92bが画定される。
【0061】
シャフト受容部68は、端壁部94cの内面94fから径方向内方へ突出するとともに、端壁部94cの外面94gから径方向外方へ突出するように、該端壁部94cに一体に設けられている。一方、シャフト受容部70は、端壁部96cの内面96fから径方向内方へ突出するとともに、端壁部96cの外面96gから径方向外方へ突出するように、該端壁部96cに一体に設けられている。
【0062】
なお、膨出壁94及び96は、軸線A8及びA9の方向(つまり、径方向外側)から見て、略楕円形の外形を有するように形成されてもよい。この構成によれば、ケーシング本体90の審美性を向上させることができる。また、膨出壁94及び96は、中央壁72の軸方向前端から軸方向後方へ延びて、底壁64よりも軸方向前側の位置で終端してもよい。この場合、中央壁72の軸方向後端は、円環状となり、底壁64は、中央壁72と同じ外形を有し、該中央壁72の軸方向後端に一体に設けられる。
【0063】
なお、中央壁72と側壁部94a若しくは94b、中央壁72と側壁部96a若しくは96b、側壁部94a若しくは94bと端壁部94c、側壁部96a若しくは96bと端壁部96c、シャフト受容部68と端壁部94c、又は、シャフト受容部70と端壁部96cとの接続部を、丸みのある角部に形成してもよい。
【0064】
図7及び
図8に示すケーシング本体100は、上述のケーシング本体60と、周壁102において相違する。周壁102は、上述の中央壁72と、該中央壁72の外周面72bから径方向外方へ膨出するように該中央壁72に一体に形成された一対の膨出壁104及び106とを有する。
【0065】
膨出壁104及び106の各々は、軸方向から見て円形状の外形を有する。より具体的には、膨出壁104は、周方向一方の端縁104aから周方向他方の端縁104bまで径方向外方へ膨出するように円弧状に延在するとともに、中央壁72の軸方向前端から軸方向後端まで一定の幅W(
図8)で延在する。膨出壁104の円弧状の内周面104cによって、内部空間S1から径方向外方へ膨出する内部空間S2が画定される。
【0066】
同様に、膨出壁106は、周方向一方の端縁106aから周方向他方の端縁106bまで径方向外方へ膨出するように円弧状に延在するするとともに、中央壁72の軸方向前端から軸方向後端まで一定の幅Wで延在する。膨出壁106の円弧状の内周面106cによって、内部空間S1から径方向外方へ膨出する内部空間S3が画定される。膨出壁104及び106の各々は、中央壁72、端面68a及び70aよりも小さい曲率半径を有している。
【0067】
中央壁72の内周面72aと、膨出壁104及び106の内周面104c及び106cとによって、周壁102の内周面102aが画定される。一方、中央壁72の外周面72bと、膨出壁104の外周面104dと、膨出壁106の外周面106dとによって、周壁102の外周面102bが画定される。
【0068】
シャフト受容部68は、膨出壁104の内周面104cから径方向内方へ突出するとともに、膨出壁104の外周面104dから径方向外方へ突出するように、該膨出壁104に一体に設けられている。また、シャフト受容部70は、膨出壁106の内周面106cから径方向内方へ突出するとともに、膨出壁106の外周面106dから径方向外方へ突出するように、該膨出壁106に一体に設けられている。
【0069】
本実施形態においては、膨出壁104及び106が、軸方向から見て円形状の外形を有することから、膨出壁104及び106に応力集中が生じるのを効果的に抑制することができる。よって、膨出壁104及び106の強度を向上できる。なお、中央壁72と膨出壁104若しくは106、シャフト受容部68と端壁部94c、又は、シャフト受容部70と端壁部96cとの接続部との接続部を、丸みのある角部に形成してもよい。
【0070】
図9及び
図10に示すケーシング本体110は、上述のケーシング本体60と、周壁112において相違する。周壁112は、支持シャフト56及び58の延在方向と平行な長軸を有する楕円状の外形を有する。より具体的には、周壁112は、軸線A8及びA9と一致する長軸と、軸線A7、A8及びA9と直交する短軸とを有する楕円状の外形を有している。
【0071】
シャフト受容部68及び70の各々は、周壁112の内周面112aから径方向内方へ突出するとともに、該周壁112の外周面112bから径方向外方へ突出するように、該周壁112に一体に形成されている。本実施形態においては、周壁112が楕円状の外形を有することから、周壁112に応力集中が生じるのを効果的に抑制することができる。よって、周壁112の強度を高めることができる。
【0072】
なお、周壁112と、シャフト受容部68又は70との接続部を、丸みのある角部に形成してもよい。また、周壁112は、楕円形に限らず、軸方向から見て軸線A8及びA9の方向に長手方向を有する如何なる形状(例えば、長方形、菱形、又は6角形等の多角形)の外形を有してもよい。
【0073】
図11に示すケーシング本体120は、上述のケーシング本体60と、シャフト受容部68’及び70’において相違する。本実施形態においては、シャフト受容部68’は、端壁部74cの内面74fから径方向内方へ突出する一方、端壁部74cの外面74gから外方へ突出しない。
【0074】
同様に、シャフト受容部70’は、端壁部76cの内面76fから径方向内方へ突出する一方、端壁部76cの外面76gから外方へ突出しない。なお、端壁部74cとシャフト受容部68’、又は、端壁部76cとシャフト受容部70’との接続部を、丸みのある角部に形成してもよい。本実施形態においても、ケーシング本体120に応力集中が発生するのを抑制し、以って、ケーシング本体120を薄肉化できるので、バランサユニット50の小型化及び軽量化を実現できる。
【0075】
なお、上述のケーシング本体90、100又は110に、シャフト受容部68’及び70’を適用してもよい。この場合、シャフト受容部68’及び70’は、周壁92、102又は112の内周面から内方へ突出する一方、周壁92、102又は112の外周面から外方へ突出しない。
【0076】
なお、上述の実施形態においては、付勢機構54が、弾性部材である付勢要素82を有する場合について述べた。しかしながら、付勢要素は、流体から構成されてもよい。このような形態を、
図12に示す。
図12に示すバランサユニット50’は、ケーシング52、及び付勢機構54’を有し、該付勢機構54’は、ロッド80’、及び付勢要素82’を有する。ロッド80’は、上述のシャフト部80a及び円筒部80cと、シャフト部80aの軸方向後端から外方へ突出するフランジ部80b’とを有する。フランジ部80b’は、周壁66と同じ外形を有し、該周壁66の内周面66aと摺動可能に密接している。
【0077】
本実施形態においては、付勢要素82’は、ロッド80’とケーシング52との間の空間S1、S2及びS3に封入された流体である。より具体的には、付勢要素82’は、例えば気体又はオイルであって、ケーシング52の内部空間S1、S2及びS3のうち、ロッド80’のフランジ部80b’とケーシング本体60の底壁64との間の空間に封入されている。
【0078】
例えば、付勢要素82’に負圧が与えられた場合、該付勢要素82’は、圧縮コイルばねから構成された付勢要素82と同様に作用して、フランジ部80b’を蓋体62から離反させるように該フランジ部80b’に圧力を加えることで、ロッド80’を軸方向後方へ付勢する。
【0079】
一方、付勢要素82’に正圧が与えられた場合、該付勢要素82’は、引張りコイルばねから構成された付勢要素82と同様に作用して、フランジ部80b’を蓋体62へ接近させるように該フランジ部80b’に圧力を加えることで、ロッド80’を軸方向前方へ付勢する。
【0080】
ケーシング本体60の底壁64には、流体導入口64aが形成され、該流体導入口64aを通して、付勢要素82’がケーシング52の内部空間S1、S2、S3に導入されてもよい。付勢要素82’の導入後、流体導入口64aは、栓114によって密に閉塞されてもよい。
【0081】
なお、上述の軸線A8及びA9の少なくとも一方は、軸線A7(又は、軸線A2)に対して傾斜してもよい。また、シャフト受容部68又は70は、円筒状に限らず、例えば多角形の外形を有してもよいし、中空である如何なる形状を有してもよい。また、上述の中央壁72は、円筒状に限らず、例えば、軸線A8及びA9に一致する長軸を有する楕円状であってもよいし、他の如何なる外形を有してもよい。また、膨出壁74、76、94、96、104又は106は、軸方向から見て、矩形又は円形に限らず、如何なる外形を有してもよい。
【0082】
また、上述の実施形態においては、一対のシャフト受容部68及び70がケーシング本体60、90、100及び110に設けられている場合について述べた。しかしながら、これに限らず、シャフト受容部68及び70の一方を省略してもよい。例えば、ケーシング本体60、90、100又は110において、シャフト受容部70の代わりに、周壁66、92、102又は112から径方向外方へ突出する支持シャフト58’を該周壁66に一体に形成し、該支持シャフト58’と支持シャフト56とを介して、ケーシング本体60を旋回胴14に回転可能に支持することもできる。ケーシング本体120についても、同様に、一対のシャフト受容部68’及び70’の一方を省略してもよい。
【0083】
なお、上述の実施形態においては、バランサユニット50及び50’が、下腕部16をバランスさせるために旋回胴14に設けられる場合について述べた。しかしながら、これに限らず、バランサユニット50又は50’は、例えば、上腕部18をバランスさせるために下腕部16の先端部16bに設けられてもよいし、又は、機械10のいずれの回転要素14、16、18a、18b、20a、20bをバランスさせるように設けられてもよい。
【0084】
また、機械10は、垂直多関節ロボットに限らず、水平多関節ロボット、パラレルリンクロボット、又は、ワークを回転させる回転式ポジショナ等、回転要素を備える如何なるタイプの機械であってもよい。以上、実施形態を通じて本開示を説明したが、上述の実施形態は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。
【符号の説明】
【0085】
10 機械
14、16、18a、18b、20a、20b 回転要素
50 バランサユニット
52 ケーシング
54、54’ 付勢機構
56、58 支持シャフト
60、90、100、110、120 ケーシング本体
62 蓋体
66、92、102、112 周壁
68、68’、70、70’ シャフト受容部
72 中央壁
74、76、94、96、104、106 膨出壁
80、80’ ロッド
82、82’ 付勢機構