(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-01
(45)【発行日】2025-07-09
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、プログラム及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20250702BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2025002133
(22)【出願日】2025-01-07
【審査請求日】2025-01-07
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ・https://crm.tt-inc.jp/ ・https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000110431.html (ウェブサイトの掲載日:令和6年1月16日)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)本研究開発の一部は、総務省スタートアップ創出型萌芽的研究開発支援事業JPMI20001の補助を受けたものです。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522417269
【氏名又は名称】株式会社TERA Tech Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 篤史
【審査官】佐藤 光起
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-019462(JP,A)
【文献】特開2023-062626(JP,A)
【文献】特開平09-167174(JP,A)
【文献】石川大夏,寺務をアプリひとつに!寺院向け門徒・檀家情報管理アプリを作りたい!,[online],2020年12月04日,[検索日 2025.02.18], インターネット:<URL:https://web.archive.org/web/20201204153424/https://readyfor.jp/projects/oteraplus>
【文献】神社仏閣オンライン,お寺プラスを使ってみた! - お坊さんの秘書になるアプリ - 法務のDX化!!,YouTube [online] [video],2022年07月28日,[検索日 2025.02.18], インターネット:<URL:https://www.youtube.com/watch?v=bHTPqcS0PbM>
【文献】廣田 篤,法事とは?何回忌まであるの?いつまで親戚を呼ぶ?,[online],2022年09月27日,[検索日 2025.02.18], インターネット:<URL:https://web.archive.org/web/20220927232448/https://www.hiroshima-jitakusou.jp/blog/about-memorial-service/>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
故人を識別するための故人識別情報及び当該故人の命日の情報を含む故人の情報を記憶する第1記憶部と、
前記故人に関連付けられた施主を識別するための施主識別情報及び当該施主の連絡先を含む施主の情報を記憶する第2記憶部と、
前記施主に関連付けられた関係者の情報を記憶する第3記憶部と、
前記故人を弔うための儀式の案内の作成指令を受け付ける入力部と、
前記作成指令に基づき、前記第1記憶部に記憶された前記故人の戒名、俗名、命日及び回忌のうち少なくとも1つと、前記第2記憶部に記憶された前記施主の氏名及び連絡先のうち少なくとも1つと、を含む前記案内を作成する作成部と、
作成された前記案内を出力する出力部と、
前記入力部が前記施主が死亡した旨の入力を受け付けた場合に、前記第3記憶部を参照して、新たに施主となるべき候補者を出力すると共に、当該候補者の中から選択された者を前記第2記憶部に新たな施主として登録し、さらに死亡した前記施主を前記第1記憶部に故人として登録する登録更新部と、
を有する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記入力部が前記儀式の実施候補となる期間の入力を受け付けた場合に、前記第1記憶部を参照し、前記期間内に前記儀式を実施すべき故人の情報を抽出する第1抽出部をさらに有する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1記憶部は、前記故人と関連付けられた前記儀式の費用を含む実施記録をさらに記憶し、
前記入力部が前記儀式が実施された日である期間の入力を受け付けた場合に、前記第1記憶部を参照し、前記期間内に実施された前記儀式の合計費用を算出する費用算出部をさらに有する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1記憶部を参照し、前記故人に関する次回の前記儀式の実施候補日を決定する候補日決定部をさらに有し、
前記出力部は、前記実施候補日までの期間が所定期間以下になった場合に前記実施候補日を出力する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第3記憶部を参照し、前記関係者の属性に応じて、前記案内を送付すべき前記関係者を抽出する第2抽出
部をさらに有する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記関係者の情報は、前記施主と前記関係者の血縁関係を含み、
前記第2抽出部は、前記第3記憶部を参照し、前記施主と前記関係者との血縁関係に応じて、前記案内を送付すべき前記関係者を抽出する、
請求項
5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
故人を識別するための故人識別情報及び当該故人の命日の情報を含む故人の情報を記憶する第1記憶部と、
前記故人に関連付けられた施主を識別するための施主識別情報及び当該施主の連絡先を含む施主の情報を記憶する第2記憶部と、
前記施主に関連付けられた関係者の情報を記憶する第3記憶部と、
を有するコンピュータが実行する、
前記故人を弔うための儀式の案内の作成指令を受け付けるステップと、
前記作成指令に基づき、前記第1記憶部に記憶された前記故人の戒名、俗名、命日及び回忌のうち少なくとも1つと、前記第2記憶部に記憶された前記施主の氏名及び連絡先のうち少なくとも1つと、を含む前記案内を作成するステップと、
作成された前記案内を出力するステップと、
前記施主が死亡した旨の入力を受け付けた場合に、前記第3記憶部を参照して、新たに施主となるべき候補者を出力すると共に、当該候補者の中から選択された者を前記第2記憶部に新たな施主として登録し、さらに死亡した前記施主を前記第1記憶部に故人として登録するステップと、
を有する、
情報処理方法。
【請求項8】
故人を識別するための故人識別情報及び当該故人の命日の情報を含む故人の情報を記憶する第1記憶部と、
前記故人に関連付けられた施主を識別するための施主識別情報及び当該施主の連絡先を含む施主の情報を記憶する第2記憶部と、
前記施主に関連付けられた関係者の情報を記憶する第3記憶部と、
を有する情報処理装置が有するプロセッサを、
前記故人を弔うための儀式の案内の作成指令を受け付ける入力部と、
前記作成指令に基づき、前記第1記憶部に記憶された前記故人の戒名、俗名、命日及び回忌のうち少なくとも1つと、前記第2記憶部に記憶された前記施主の氏名及び連絡先のうち少なくとも1つと、を含む前記案内を作成する作成部と、
作成された前記案内を出力する出力部と、
前記入力部が前記施主が死亡した旨の入力を受け付けた場合に、前記第3記憶部を参照して、新たに施主となるべき候補者を出力すると共に、当該候補者の中から選択された者を前記第2記憶部に新たな施主として登録し、さらに死亡した前記施主を前記第1記憶部に故人として登録する登録更新部と、
として機能させるためのプログラム。
【請求項9】
情報処理装置と、前記情報処理装置と通信可能な情報端末と、を備え、
前記情報処理装置は、
故人を識別するための故人識別情報及び当該故人の命日の情報を含む故人の情報を記憶する第1記憶部と、
前記故人に関連付けられた施主を識別するための施主識別情報及び当該施主の連絡先を含む施主の情報を記憶する第2記憶部と、
前記施主に関連付けられた関係者の情報を記憶する第3記憶部と、
前記故人を弔うための儀式の案内の作成指令を受け付ける入力部と、
前記作成指令に基づき、前記第1記憶部に記憶された前記故人の戒名、俗名、命日及び回忌のうち少なくとも1つと、前記第2記憶部に記憶された前記施主の氏名及び連絡先のうち少なくとも1つと、を含む前記案内を作成する作成部と、
作成された前記案内を出力する出力部と、
前記入力部が前記施主が死亡した旨の入力を受け付けた場合に、前記第3記憶部を参照して、新たに施主となるべき候補者を出力すると共に、当該候補者の中から選択された者を前記第2記憶部に新たな施主として登録し、さらに死亡した前記施主を前記第1記憶部に故人として登録する登録更新部と、
を有し、
前記情報端末は、前記作成指令を示す指令データを前記情報処理装置に送信し、作成された前記案内を示す案内データを前記情報処理装置から受信する端末通信部を有する、
情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、法要などの儀式を案内するための処理を実行するための情報処理装置、情報処理方法、プログラム及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、特定の寺院の檀家となっていなくても法要を実施できる寺院を選択できるようにするための法要管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
法要などの故人を弔うための儀式は寺院の収益に直結するため、寺院の住職は、当該寺院を檀家とする親族の故人を弔うための儀式を当該親族に案内する。命日は故人毎に異なるため、儀式を実施するべき日も故人毎に異なる。
【0005】
従来においては、住職が、各故人の命日を管理している紙台帳を参照することで、各故人の儀式の実施日が近づいた場合に施主に儀式の案内を出していたため、儀式の案内業務に関する住職の負担が大きいという問題があった。
【0006】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、故人を弔うための儀式の案内業務に関する住職等の負担を減らすことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様に係る情報処理装置は、故人を識別するための故人識別情報及び当該故人の命日の情報を含む故人の情報を記憶する第1記憶部と、前記故人に関連付けられた施主を識別するための施主識別情報及び当該施主の連絡先を含む施主の情報を記憶する第2記憶部と、前記故人を弔うための儀式の案内の作成指令を受け付ける入力部と、前記作成指令に基づき、前記第1記憶部に記憶された前記故人の戒名、俗名、命日及び回忌のうち少なくとも1つと、前記第2記憶部に記憶された前記施主の氏名及び連絡先のうち少なくとも1つと、を含む前記案内を作成する作成部と、作成された前記案内を出力する出力部と、を有する。
【0008】
前記情報処理装置は、前記入力部が前記儀式の実施候補となる期間の入力を受け付けた場合に、前記第1記憶部を参照し、前記期間内に前記儀式を実施すべき故人の情報を抽出する第1抽出部をさらに有してもよい。
【0009】
前記第1記憶部は、前記故人と関連付けられた前記儀式の費用を含む実施記録をさらに記憶してもよく、前記情報処理装置は、前記入力部が前記儀式が実施された日である期間の入力を受け付けた場合に、前記第1記憶部を参照し、前記期間内に実施された前記儀式の合計費用を算出する費用算出部をさらに有してもよい。
【0010】
前記第1記憶部を参照し、前記故人に関する次回の前記儀式の実施候補日を決定する候補日決定部をさらに有してもよく、前記出力部は、前記実施候補日までの期間が所定期間以下になった場合に前記実施候補日を出力してもよい。
【0011】
前記情報処理装置は、前記施主に関連付けられた関係者の情報を記憶する第3記憶部と、前記入力部が前記施主が死亡した旨の入力を受け付けた場合に、前記第3記憶部を参照して、新たに施主となるべき候補者を出力すると共に、当該候補者の中から選択された者を前記第2記憶部に新たな施主として登録し、さらに死亡した前記施主を前記第1記憶部に故人として登録する登録更新部と、をさらに有してもよい。
【0012】
前記情報処理装置は、前記施主に関連付けられた関係者の情報を記憶する第3記憶部と、
前記第3記憶部を参照し、前記関係者の属性に応じて、前記案内を送付すべき前記関係者を抽出する第2抽出部と、をさらに有してもよい。
【0013】
前記関係者の情報は、前記施主と前記関係者の血縁関係を含んでもよく、前記第2抽出部は、前記第3記憶部を参照し、前記施主と前記関係者との血縁関係に応じて、前記案内を送付すべき前記関係者を抽出してもよい。
【0014】
本発明の第2の態様に係る情報処理方法は、故人を識別するための故人識別情報及び当該故人の命日の情報を含む故人の情報を記憶する第1記憶部と、 前記故人に関連付けられた施主を識別するための施主識別情報及び当該施主の連絡先を含む施主の情報を記憶する第2記憶部と、を有するコンピュータが実行する、前記故人を弔うための儀式の案内の作成指令を受け付けるステップと、前記作成指令に基づき、前記第1記憶部に記憶された前記故人の戒名、俗名、命日及び回忌のうち少なくとも1つと、前記第2記憶部に記憶された前記施主の氏名及び連絡先のうち少なくとも1つと、を含む前記案内を作成するステップと、作成された前記案内を出力するステップと、を有する。
【0015】
本発明の第3の態様に係るプログラムは、故人を識別するための故人識別情報及び当該故人の命日の情報を含む故人の情報を記憶する第1記憶部と、前記故人に関連付けられた施主を識別するための施主識別情報及び当該施主の連絡先を含む施主の情報を記憶する第2記憶部と、を有する情報処理装置が有するプロセッサを、前記故人を弔うための儀式の案内の作成指令を受け付ける入力部と、前記作成指令に基づき、前記第1記憶部に記憶された前記故人の戒名、俗名、命日及び回忌のうち少なくとも1つと、前記第2記憶部に記憶された前記施主の氏名及び連絡先のうち少なくとも1つと、を含む前記案内を作成する作成部と、作成された前記案内を出力する出力部と、として機能させる。
【0016】
本発明の第4の態様に係る情報処理システムは、情報処理装置と、前記情報処理装置と通信可能な情報端末と、を備え、前記情報処理装置は、故人を識別するための故人識別情報及び当該故人の命日の情報を含む故人の情報を記憶する第1記憶部と、前記故人に関連付けられた施主を識別するための施主識別情報及び当該施主の連絡先を含む施主の情報を記憶する第2記憶部と、前記故人を弔うための儀式の案内の作成指令を受け付ける入力部と、前記作成指令に基づき、前記第1記憶部に記憶された前記故人の戒名、俗名、命日及び回忌のうち少なくとも1つと、前記第2記憶部に記憶された前記施主の氏名及び連絡先のうち少なくとも1つと、を含む前記案内を作成する作成部と、作成された前記案内を出力する出力部と、を有し、前記情報端末は、前記作成指令を示す指令データを前記情報処理装置に送信し、作成された前記案内を示す案内データを前記情報処理装置から受信する端末通信部を有する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、故人を弔うための儀式の案内業務に関する住職等の負担を減らすことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図3】情報処理装置2の構成の一例を示す図である。
【
図4】第1記憶部221が記憶する過去帳データの一例を示す図である。
【
図5】第2記憶部222が記憶する現在帳データの一例を示す図である。
【
図6】第3記憶部223が記憶する家族帳データの一例を示す図である。
【
図7】作成された法要の案内ハガキの一例を示す図である。
【
図8】法要を実施するべき故人を検索するための検索画面の一例を示す図である。
【
図9】施主の一覧を示す施主一覧画面の一例を示す図である。
【
図10】新たな施主を登録するための施主登録画面の一例を示す図である。
【
図11】情報処理装置2が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[情報処理システムSの概要]
図1は、情報処理システムSの概要を説明するための図である。情報処理システムSは、故人を弔うための儀式の案内を作成するためのシステムである。故人を弔うための儀式は、例えば法要であるが、通夜又は葬式などであってもよい。法要は、例えば年忌法要であるが、忌日法要、月忌法要又は追悼法要であってもよい。以下においては、故人を弔うための儀式が年忌法要であるという場合を例として説明をする。
【0020】
従来、寺院を檀家とする親族の故人の命日を住職等が紙台帳等により管理し、故人の法要実施日が近づいた場合に、住職が施主に対して案内を出していた。しかしながら、年忌法要には多数の種類があり且つその実施期間も長期に渡る(一周忌、三回忌、七回忌、十三回忌・・・百回忌)上に、各故人によって年忌法要の日付が異なるため、住職が法要の案内を忘れずに出すのに相当の労力を要していた。そこで、情報処理システムSは、故人の情報と、当該故人に対応する施主の情報と、を含む法要の案内を住職が作成する負荷を軽減するように構成されている。
【0021】
情報処理システムSは、情報端末1と、情報処理装置2と、を備える。情報端末1は、寺院関係者(例えば住職、寺院における事務員など)であるユーザUが使用する情報端末であり、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット又はスマートフォンである。情報端末1は、情報処理装置2と通信可能である。情報処理装置2は、法要の案内を作成するコンピュータであり、例えばサーバである。
【0022】
以下、
図1を参照しながら、情報処理システムSの基本動作を説明する。情報端末1は、法要の案内の作成指令をユーザUから受け付けると、受け付けた作成指令を示す指令データを情報処理装置2に送信する(
図1の(1)参照)。指令データは、例えば、ユーザUが入力した、法要の実施候補となる期間を示す実施候補期間を含む。
【0023】
法要の案内作成の指令データを受信した情報処理装置2は、故人の戒名、俗名、命日及び回忌のうち少なくとも1つと、施主の氏名及び連絡先のうち少なくとも1つと、を含む法要の案内を作成する。故人に授けられる死後の名前は、戒名(天台宗、真言宗、曹洞宗など)に限定されず、法名(浄土真宗)又は法号(日蓮宗)などであってもよい。施主は、例えば、檀信徒又は門徒などである。
【0024】
情報処理装置2は、例えば、過去帳データに含まれる故人の命日に基づいて次回の法要の実施候補日を決定し、決定された実施候補日が、指令データが示す実施候補期間に含まれる故人の情報を抽出する。また、情報処理装置2は、例えば、施主の連絡先などを管理する現在帳データを参照して、抽出された故人に対応する施主の情報を抽出する。このようにして、情報処理装置2は、故人の情報と施主の情報とを含む、法要の案内を示す案内データを作成する。
【0025】
情報処理装置2は、作成された法要の案内を示す案内データを、ユーザUが使用する情報端末1に送信する(
図1の(2)参照)。情報端末1は、受信した案内データを表示する。これによりユーザUは、次回の法要の実施候補日が、ユーザUが入力した実施候補期間に含まれる故人の情報及び当該故人の法要を案内する対象となる施主の情報を確認することができる。
【0026】
ユーザUが、表示された故人の情報及び施主の情報を確認して問題ないと判断した場合、ユーザUは、案内データの内容を手紙又はハガキに印刷するように印刷業者に依頼してもよいし、案内データの内容を手紙又はハガキに印刷するように寺院にある印刷機に指示してもよい(
図1の(3)参照)。印刷業者又はユーザUは、案内データの内容が印刷された手紙又はハガキを施主又はその家族に送付することにより、法要の案内をする(
図1の(4)参照)。ユーザUは、案内データの内容を示すメール又はショートメッセージなどを施主又はその家族に送信してもよい。
【0027】
以上説明したように、情報処理装置2は、住職であるユーザUからの作成指令に基づき、故人の情報と施主の情報とを含む法要の案内を作成する。これによりユーザUは、従来のように各故人の命日を紙台帳等により管理する必要がなくなる。その結果、法要の案内業務に関するユーザUの負担を減らすことができる。また、法要の案内の出し忘れによる法要の実施忘れが従来よりも少なくなるため、寺院の収益状況の改善も期待できる。さらに、施主又はその家族からすると、法要の実施日の管理を安心して寺院に任せることができる。
【0028】
[情報端末1の構成]
情報端末1の構成を説明する。
図2は、情報端末1の構成の一例を示す図である。情報端末1は、端末通信部11と、表示部12と、操作部13と、記憶部14と、制御部15と、を備える。制御部15は、表示処理部151と、操作受付部152と、を備える。
【0029】
端末通信部11は、インターネット等の通信ネットワークを介して情報処理装置2と通信を行うための通信インターフェースである。端末通信部11は、操作受付部152から入力された、法要の案内の作成指令を示す指令データを情報処理装置2に送信する。端末通信部11は、情報処理装置2から受信した、作成された法要の案内を示す案内データを表示処理部151に入力する。
【0030】
表示部12は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等により構成される。表示部12は、表示処理部151の制御に応じて各種情報を表示する。表示部12は、案内データが示す法要の案内の内容を表示する。操作部13は、ユーザUの操作を受けるデバイスであり、例えばキーボード、マウス、又はタッチパネルである。
【0031】
記憶部14は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を含む記憶媒体である。記憶部14は、制御部15が実行するプログラムを記憶している。例えば、記憶部14は、制御部15を、表示処理部151及び操作受付部152として機能させるプログラムを記憶している。
【0032】
制御部15は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部15は、記憶部14に記憶されたプログラムを実行することにより、表示処理部151及び操作受付部152として機能する。
【0033】
表示処理部151は、各種の情報を表示部12に表示させる。表示処理部151は、例えば、端末通信部11から入力された案内データが示す法要の案内の内容を表示部12に表示させる。
【0034】
操作受付部152は、法要の案内の作成指令の入力をユーザUから受け付けて、受け付けた作成指令を示す指令データを端末通信部11に入力する。
【0035】
[情報処理装置2の構成]
情報処理装置2の構成を説明する。
図3は、情報処理装置2の構成の一例を示す図である。情報処理装置2は、装置通信部21と、記憶部22と、制御部23と、を備える。記憶部22は、第1記憶部221と、第2記憶部222と、第3記憶部223と、を備える。制御部23は、入力部231と、候補日決定部232と、第1抽出部233と、第2抽出部234と、作成部235と、出力部236と、費用算出部237と、登録更新部238と、を備える。
【0036】
装置通信部21は、インターネット等の通信ネットワークを介して情報端末1と通信を行うための通信インターフェースである。装置通信部21は、情報端末1から受信した、法要の案内の作成指令を示す指令データを入力部231に入力する。装置通信部21は、出力部236から入力された、法要の案内を示す案内データを情報端末1に送信する。
【0037】
記憶部22は、ROM及びRAM等を含む記憶媒体である。記憶部22は、制御部23が実行するプログラムを記憶している。例えば、記憶部22は、制御部23を、入力部231、候補日決定部232、第1抽出部233、第2抽出部234、作成部235、出力部236、費用算出部237及び登録更新部238として機能させる情報処理プログラムを記憶している。
【0038】
第1記憶部221は、故人の命日を含む故人の情報を管理する過去帳データを記憶する。第2記憶部222は、施主の連絡先を含む施主の情報を管理する現在帳データを記憶する。第3記憶部223は、施主の関係者(例えば施主の家族)の情報を管理する家族帳データを記憶する。
【0039】
図4は、第1記憶部221が記憶する過去帳データの一例を示す図である。過去帳データにおいては、施主IDと、故人IDと、戒名と、俗名と、命日と、次回法要日と、法要の実施記録と、が関連付けられている。施主IDは、施主を識別するための施主識別情報である。故人IDは、故人を識別するための故人識別情報である。次回法要日は、次回の法要の実施候補日であり、例えば、後述する候補日決定部232が故人の命日に基づいて決定した日付である。実施候補日は1つであってもよく、複数であってもよい。法要の実施記録は、例えば法要の実施日及び法要の費用を含む。法要の実施記録は、実施済の法要のうち寺院がまだ費用を回収していない法要が実施された日付及び未回収額を含んでもよい。
【0040】
図5は、第2記憶部222が記憶する現在帳データの一例を示す図である。現在帳データにおいては、施主IDと、施主の氏名と、施主の連絡先と、施主の住所と、施主用案内フラグと、が関連付けられている。施主用案内フラグは、施主が法要の案内を希望するか希望しないかを示すフラグであり、案内の媒体毎又は法要の回忌毎に設定されてもよい。案内の媒体は、ハガキ、手紙、メール又はショートメッセージなどである。
【0041】
図6は、第3記憶部223が記憶する家族帳データの一例を示す図である。家族帳データにおいては、施主IDと、関係者IDと、関係者の氏名と、関係者の連絡先と、関係者の住所と、関係者用案内フラグと、施主との関係性と、が関連付けられている。関係者用案内フラグは、施主の関係者が法要の案内を希望するか希望しないかを示すフラグであり、案内の媒体毎又は法要の回忌毎に設定されてもよい。施主との関係性は、例えば施主と関係者との血縁関係を示す情報であり、具体的には関係者が施主からみて何親等に該当するかを示す情報である。
【0042】
制御部23は、例えばCPUである。制御部23は、記憶部22に記憶された情報処理プログラムを実行することにより、入力部231、候補日決定部232、第1抽出部233、第2抽出部234、作成部235、出力部236、費用算出部237及び登録更新部238として機能する。
【0043】
入力部231は、各種情報の入力を受け付ける。入力部231は、例えば、法要の案内の作成指令を受け付ける。入力部231は、法要の案内の作成指令を示す指令データを情報端末1から装置通信部21を介して受信することにより、法要の案内の作成指令を受け付けてもよい。指令データは、ユーザUが入力した、法要の実施候補となる期間を示す実施候補期間を含んでもよい。入力部231は、受け付けた指令データを第1抽出部233に入力する。
【0044】
候補日決定部232は、第1記憶部221を参照し、次回の法要の実施候補日を決定する。候補日決定部232は、例えば、入力部231から候補日を決定するための指示が入力されたことに応じて、第1記憶部221が記憶する過去帳データ(
図4)に含まれる故人の命日と、現在日付と、に基づいて次回の法要の実施候補日を決定する。候補日決定部232は、例えば、定期的に(例えば毎月1日に)指示が入力されるたびに次回の法要の実施候補日を更新する。候補日決定部232は、決定した次回の法要の実施候補日を示す情報を第1記憶部221に過去帳データとして記憶させる。また、候補日決定部232は、決定した次回の法要の実施候補日を示す情報を出力部236に入力する。
【0045】
第1抽出部233は、入力部231が法要の実施候補となる期間である実施候補期間の入力を受け付けた場合に、第1記憶部221を参照し、実施候補期間内に法要を実施すべき故人の情報を抽出する。第1抽出部233は、例えば、入力部231から指令データの入力を受け付けたことに応じて、過去帳データを参照して、次回の法要の実施候補日が、指令データが示す実施候補期間に含まれる故人の情報を抽出する。第1抽出部233は、過去帳データから抽出した故人の情報を、第2抽出部234及び作成部235に入力する。
【0046】
第2抽出部234は、第3記憶部223を参照し、関係者の属性に応じて、法要の案内を送付すべき関係者を抽出する。第2抽出部234は、例えば、第3記憶部223を参照し、施主と関係者との血縁関係に応じて、法要の案内を送付すべき関係者を抽出する。第2抽出部234は、第3記憶部223が記憶する家族帳データ(
図6)を参照し、第1抽出部233から入力された故人の情報に対応する施主IDと関連付けられた関係者を特定してもよい。そして、第2抽出部234は、特定された関係者のうち、施主との血縁関係が所定の血縁関係(例えば2親等以内)を満たす関係者を抽出してもよい。
【0047】
第2抽出部234は、関係者の抽出条件となる所定の血縁関係を法要の回忌数に応じて変えてもよく、例えば、回忌数が大きくなるほど所定の血縁関係の親等を小さくしてもよい。具体的には、第2抽出部234は、七回忌は3親等以内の関係者を抽出し、十三回忌は2親等以内の関係者を抽出し、十七回忌は1親等以内の関係者を抽出するといった処理を行ってもよい。第2抽出部234は、家族帳データから抽出した関係者の情報を作成部235に入力する。
【0048】
作成部235は、入力部231が受け付けた法要の案内の作成指令に基づき、第1記憶部221に記憶された故人の戒名、俗名、命日及び回忌のうち少なくとも1つと、第2記憶部222に記憶された施主の氏名及び連絡先のうち少なくとも1つと、を含む法要の案内を作成する。作成部235は、例えば、第1抽出部233から入力された故人の情報と、当該故人に対応する施主IDに関連付けられた現在帳データにおける施主の情報と、を含む法要の案内データを作成する。作成部235は、作成した案内データを出力部236に入力する。
【0049】
このように作成部235が法要の案内を作成することで、ユーザUが各故人の命日を管理している紙台帳を参照して法要の案内を作成する必要がなくなる。その結果、法要の案内業務に関するユーザUの負担を減らすことができる。
【0050】
作成部235は、第2抽出部234から入力された関係者の情報を含む法要の案内データを作成してもよい。これにより、関係者(例えば施主の家族)に対しても法要の案内を出すことが可能となる。また作成部235は、現在帳データ又は家族帳データにおいて案内フラグが「希望する」に設定されている案内媒体用の案内文を示す案内データを作成してもよい。これにより、施主又は関係者が希望する案内媒体により法要の案内を出すことができるため、出した案内が見落とされる確率を低くできる。
【0051】
出力部236は、作成された法要の案内を出力する。出力部236は、例えば、作成部235から入力された法要の案内データを、ユーザUが使用する情報端末1に装置通信部21を介して送信することで、案内データを出力する。これによりユーザUは、案内データの内容を確認して問題ないと判断した場合、案内データの内容を印刷した手紙又はハガキを施主に送付したり、案内データの内容を示すメール又はショートメッセージを施主に送信したりできる。
【0052】
図7は、作成された法要の案内ハガキの一例を示す図である。案内ハガキにおいて、P1で示す箇所には施主の氏名または施主の関係者の氏名が記載され、P2で示す箇所には法要の案内文が記載され、P3で示す箇所には故人の情報(戒名、俗名、命日、年忌法要日、回忌数)が記載され、P4で示す箇所には寺院の情報(寺院名、電話番号)が記載される。P1及びP3で示す箇所の情報は各故人で異なる。一方で、P2及びP4で示す箇所の情報は各故人共通である。
【0053】
住職であるユーザUは、法要を実施するべき法要未実施の故人をまとめて確認したいことがある。そこで出力部236は、以下で説明するように、検索画面からの検索により法要を実施するべき故人の一覧を表示させてもよい。
【0054】
図8は、法要を実施するべき故人を検索するための検索画面の一例を示す図である。「回忌タブ」が選択されると表示される検索画面において、住職であるユーザUは、検索条件として、回忌日付(実施候補期間)及び回忌数の少なくともいずれかを入力した上で「検索実行」を選択する。「検索実行」が選択されると、第1抽出部233は、過去帳データ(
図4)を参照して、入力された検索条件に合致する法要未実施の故人の俗名、戒名、命日及び次回法要日を抽出する。また、第1抽出部233は、故人と法要日付と法要案内対象者(施主又はその関係者)と案内媒体別の法要案内状況とが関連付けられた実施状況データ(不図示)を参照して、抽出された故人及び次回法要日と関連付けられた法要案内対象者及び法要案内状況を抽出する。
【0055】
出力部236は、抽出されたこれらの情報を、
図8に示すように検索結果として、ユーザUが使用する情報端末1の表示部に表示させる。このように出力部236が、法要を実施するべき故人の一覧を表示させることで、ユーザUは、法要の案内を忘れずに施主又はその家族に出すことができる。
【0056】
ユーザUは、検索結果を参照することで法要を実施するべき故人の一覧を効率的に把握できるものの、その後の作業、すなわち法要の案内を示すハガキ又は手紙を送付したりメールを送信したりする作業がユーザUにとって負担となり得る。そこで以下で説明するように、検索画面からのユーザUの指示に応じて、出力部236が、ハガキ又は手紙の送付を指示したりメールを送信したりしてもよい。
【0057】
具体的には、ハガキによる法要案内状況が「未」である場合に、
図8の検索結果の最右列の「送付」がユーザUにより選択されたことに応じて、出力部236は、「送付」が選択された故人の法要の案内を印刷したハガキを施主又は関係者に送付するように印刷業者に指示するための指示データを印刷業者の情報端末に送信してもよい。また、メールによる法要案内状況が「未」である場合に、
図8の検索結果の最右列の「送信」がユーザUにより選択されたことに応じて、出力部236は、「送信」が選択された故人の法要の案内を示すメールを施主又は関係者の情報端末に送信してもよい。
【0058】
このようにユーザUは、法要の案内をまだ出していない施主又は関係者に対して、
図8の検索画面において「送付」又は「送信」を選択することで法要の案内を出すことができる。その結果ユーザUは、法要の案内をハガキに印刷したり、印刷したハガキを送付したり、法要の案内を示すメールを作成したり、といった作業をする必要がなくなるため、法要の案内業務に関するユーザUの負担を従来よりも軽くすることができる。
【0059】
ここまで、住職であるユーザUの作成指令に基づき作成部235が法要の案内を作成する例について説明したが、ユーザUが作成指令を怠ったり失念したりする可能性がある。この場合、法要の案内の出し忘れが発生してしまう。そこで、出力部236は、次回の法要の実施候補日までの期間が所定期間以下になった場合に実施候補日を出力してもよい。所定期間は、例えば、ユーザUにより予め設定され、ユーザUに関連付けて記憶部22に記憶された期間である。出力部236は、例えば、候補日決定部232から入力された次回の法要の実施候補日までの残り期間が2カ月以下になった場合に、故人の俗名、戒名及び命日と、当該故人の次回の法要の実施候補日と、を示すリストをユーザUの情報端末1に送信する。
【0060】
出力部236がこのように動作することで、ユーザUは、法要の案内の作成指令を怠ったり失念したりした場合においても、次回の法要の実施候補日までの残り期間が少ない故人を把握することができる。その結果、法要の案内の出し忘れを抑制できる。
【0061】
ところで、ユーザUは実施した法要に関する費用を施主から回収する必要がある。そこで、費用算出部237は、入力部231が、法要が実施された日である実施済期間の入力を受け付けた場合に、第1記憶部221を参照し、実施済期間内に実施された法要の合計費用を算出する。費用算出部237は、例えば、第1記憶部221が記憶する過去帳データに含まれる法要の実施記録を参照して、寺院がまだ費用を回収していない法要のうち、入力部231が受け付けた実施済期間に法要実施日が含まれる法要を抽出する。そして費用算出部237は、例えば、抽出された法要に対応する未回収額の合計額を複数の故人それぞれに対して算出する。費用算出部237は、算出した金額を示す情報を出力部236に入力する。
【0062】
このように費用算出部237が法要の費用を算出することで、ユーザUは施主に対して請求するべき法要の費用を効率的に把握できる。その結果、法要を実施したにも関わらず施主への費用請求を怠っていたために費用が未回収となってしまうといった事態が発生するのを抑制できるため、寺院の収益状況の改善が期待できる。
【0063】
前述したように、年忌法要には多数の種類があり且つその実施期間も長期(例えば50年~100年)に渡るため、当該実施期間中に施主が死亡することがある。この場合、施主が不在となり故人の法要の案内ができなくなると共に、死亡した施主を弔うための法要の案内もできなくなる。そこで、登録更新部238は、入力部231が、施主が死亡した旨の入力を受け付けた場合に、第3記憶部223を参照して、新たに施主となるべき候補者を出力すると共に、当該候補者の中から選択された者を第2記憶部222に新たな施主として登録してもよい。登録更新部238は、例えば、第3記憶部223が記憶する家族帳データを参照して、死亡した施主に対応する関係者を新たに施主となるべき候補者として出力する共に、当該候補者の中から選択された者を、第2記憶部222が記憶する現在帳データに新たな施主として登録する。
【0064】
図9は、施主の一覧を示す施主一覧画面の一例を示す図である。「現在帳」タブが選択されると表示される施主一覧画面における「過去帳に登録」が選択されると、入力部231は、施主が死亡した旨の入力を受け付ける。なお、「過去帳に登録」のボタンは、施主一覧画面ではなく、同画面よりも下の階層(例えば、施主の詳細情報の画面)に設けられていてもよい。
【0065】
図10は、新たな施主を登録するための施主登録画面の一例を示す図である。登録更新部238は、施主一覧画面において「過去帳に登録」が選択された施主の施主IDと現在帳データにおいて関連付けられた関係者の情報を
図10に示すように表示させる。そして、登録更新部238は、施主登録画面において「現在帳に登録」が選択された関係者を、現在帳データに新たな施主として登録する。
【0066】
登録更新部238は、入力部231が、施主が死亡した旨の入力を受け付けた場合に、さらに、死亡した施主を第1記憶部221に故人として登録してもよい。登録更新部238は、例えば、
図9の施主一覧画面における「過去帳に登録」が選択された施主を、第1記憶部221が記憶する過去帳データに故人として登録する。
【0067】
このように登録更新部238は、施主が死亡した場合に、選択された関係者を第2記憶部222に新たな施主として登録すると共に、死亡した施主を第1記憶部221に故人として登録する。これにより、施主が不在となるのを防げるため法要の案内を滞りなく出すことができると共に、死亡した施主を弔うための法要の案内を当該施主の関係者に対して出すことができる。
【0068】
なお、登録更新部238は、施主登録画面(
図10)において「現在帳に登録」が選択されて新たな施主が現在帳データに登録された後に、施主一覧画面(
図9)において「過去帳に登録」が選択された死亡した元施主を過去帳データに登録するようにしてもよい。登録更新部238がこのように動作することで、新たな施主を現在帳データに確実に登録できると共に、死亡していない施主を過去帳データに誤って登録することを防止できる。
【0069】
[情報処理装置2が実行する処理の流れ]
図11は、情報処理装置2が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。入力部231は、法要の実施候補となる期間を示す実施候補期間を含む、法要の案内の作成指令を受け付ける(S1)。候補日決定部232は、入力部231から候補日を決定するための指示が入力されたことに応じて、第1記憶部221が記憶する過去帳データ(
図4)に含まれる故人の命日と、現在日付と、に基づいて次回の法要の実施候補日を決定する(S2)。各法要(例:●回忌)の実施候補日は、作成指令の受け付け(S1)の前に予め決定されていてもよい。
【0070】
第1抽出部233は、S2で決定された次回の法要の実施候補日が、S1で受け付けた作成指令が含む実施候補期間に含まれる故人の情報を抽出する(S3)。第1抽出部233は、第1記憶部221が記憶する現在帳データ(
図5)を参照し、S3で抽出された故人に対応する施主の情報(氏名、連絡先など)を抽出する(S4)。第2抽出部234は、第3記憶部223が記憶する家族帳データ(
図6)を参照し、S4で抽出された施主に対応する関係者の血縁情報(施主からみて何親等かを示す情報)を抽出する(S5)。
【0071】
第2抽出部234は、S5で抽出された関係者の血縁情報に基づいて、施主と関係者が所定の血縁関係(例えば施主からみて2親等以内)に該当するか否かを判定する(S6)。第2抽出部234が、施主と関係者が所定の血縁関係に該当すると判定した場合(S6:YES)、第2抽出部234は、関係者の情報(氏名、連絡先など)を抽出する(S7)。作成部235は、S3で抽出された故人の情報とS4で抽出された施主の情報とS7で抽出された関係者の情報と含む法要の案内を作成することで、施主と関係者に対する法要の案内を作成する(S8)。
【0072】
一方で、第2抽出部234が、施主と関係者が所定の血縁関係に該当しないと判定した場合(S6:NO)、第2抽出部234は、関係者の情報(氏名、連絡先など)を抽出しない。作成部235は、S3で抽出された故人の情報とS4で抽出された施主の情報とを含む法要の案内を作成することで、施主に対する法要の案内を作成する(S9)。
【0073】
なお、第2抽出部234は、前述のS5に代えて、第3記憶部223が記憶する家族帳データ(
図6)を参照し、S4で抽出された施主と関係者の関係性を示す情報を抽出してもよい。この場合、第2抽出部234は、前述のS6に代えて、施主からみて関係者が所定の人物(例えば、後見人、遠縁の親しい親戚などの重要な人物)に該当するか否かを判定してもよい。これに続くS7、S8及びS9の処理は、前述と同様の方法で実行可能である。
【0074】
[情報処理装置2による効果]
以上説明したように、情報処理装置2における作成部235は、入力部231が受け付けた法要の案内の作成指令に基づき、第1記憶部221に記憶された故人の戒名、俗名、命日及び回忌のうち少なくとも1つと、第2記憶部222に記憶された施主の氏名及び連絡先のうち少なくとも1つと、を含む法要の案内を作成する。これによりユーザUは、従来のように各故人の命日を紙台帳等により管理する必要がなくなる。その結果、法要の案内業務に関するユーザUの負担を減らすことができる。
【0075】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0076】
1 情報端末
11 端末通信部
12 表示部
13 操作部
14 記憶部
15 制御部
151 表示処理部
152 操作受付部
2 情報処理装置
21 装置通信部
22 記憶部
23 制御部
221 第1記憶部
222 第2記憶部
223 第3記憶部
231 入力部
232 候補日決定部
233 第1抽出部
234 第2抽出部
235 作成部
236 出力部
237 費用算出部
238 登録更新部
S 情報処理システム
【要約】
【課題】故人を弔うための儀式の案内業務に関する住職等の負担を減らすことを目的とする。
【解決手段】本実施形態に係る情報処理装置2は、故人を識別するための故人識別情報及び当該故人の命日の情報を含む故人の情報を記憶する第1記憶部221と、故人に関連付けられた施主を識別するための施主識別情報及び当該施主の連絡先を含む施主の情報を記憶する第2記憶部222と、故人を弔うための儀式の案内の作成指令を受け付ける入力部231と、作成指令に基づき、第1記憶部221に記憶された故人の戒名、俗名、命日及び回忌のうち少なくとも1つと、第2記憶部222に記憶された施主の氏名及び連絡先のうち少なくとも1つと、を含む案内を作成する作成部235と、作成された案内を出力する出力部236と、を有する。
【選択図】
図3