(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-01
(45)【発行日】2025-07-09
(54)【発明の名称】通信装置、制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 12/06 20210101AFI20250702BHJP
H04W 76/10 20180101ALI20250702BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20250702BHJP
【FI】
H04W12/06
H04W76/10
H04W84/12
(21)【出願番号】P 2023096465
(22)【出願日】2023-06-12
(62)【分割の表示】P 2018167211の分割
【原出願日】2018-09-06
【審査請求日】2023-07-07
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】皆川 篤志
【審査官】桑江 晃
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0054845(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置であって、
他の通信装置と通信パラメータの設定処理を行う場合、アクセスポイントによって提供されるネットワークに接続するための通信パラメータが前記アクセスポイントと前記通信装置との間で提供されているか否かに応じてDPP(Wi-Fi Device Provisioning Protocol)に基づく処理で通信パラメータを前記他の装置に提供する否かを制御する制御手段を有し、
前記制御手段は、前記通信パラメータが前記アクセスポイントと前記通信装置との間で提供済みでない場合に、DPPに基づく処理で前記アクセスポイントへ接続するために使用される通信パラメータを前記他の通信装置に提供せず、提供済みでないことを前記他の通信装置に通知することを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記通信パラメータが前記アクセスポイントと前記通信装置との間で提供済みでない場合に、前記他の装置にエラーを通知することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
アクセスポイントと接続可能である場合、前記制御手段は、前記DPPに基づく処理で通信パラメータを他の通信装置に提供することを特徴とする
請求項1または2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記他の通信装置と通信パラメータの設定処理を行う場合とは、前記他の通信装置からDPPで規定された通信パラメータの設定要求を受け付けた場合であることを特徴とする
請求項1から3のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項5】
前記他の通信装置と通信パラメータの設定処理を行う場合とは、前記他の通信装置からDPPで規定された通信パラメータの設定要求であって、ステーションを示す役割情報が含まれる設定要求を受け付けた場合であることを特徴とする
請求項1から4のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記通信パラメータを他の装置に提供する場合、前記通信装置の役割情報を一緒に提供することを特徴とする
請求項1から5のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項7】
前記提供される通信パラメータは前記通信装置の暗号鍵で暗号化されていることを特徴とする
請求項1から6のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項8】
前記提供される通信パラメータはSSID(Service Set Identifier)、暗号方式、暗号鍵、認証方式の少なくともいずれかが含まれることを特徴とする
請求項1から7のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項9】
前記提供される通信パラメータは鍵交換アルゴリズムで使用する情報が含まれることを特徴とする
請求項1から8のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項10】
通信装置が実行する制御方法であって、
他の通信装置と通信パラメータの設定処理を行う場合、アクセスポイントによって提供されるネットワークに接続するための通信パラメータが前記アクセスポイントと前記通信装置との間で提供されているか否かに応じてDPP(Wi-Fi Device Provisioning Protocol)に基づく処理で通信パラメータを前記他の装置に提供する否かを制御する制御工程を有し、
前記制御工程において、前記通信パラメータが前記アクセスポイントと前記通信装置との間で提供済みでない場合に、DPPに基づく処理で前記アクセスポイントへ接続するために使用される通信パラメータは前記他の通信装置に提供されず、提供済みでないことが前記他の通信装置に通知されることを特徴とする制御方法。
【請求項11】
請求項1から9のいずれか1項に記載の通信装置としてコンピュータを動作させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラ、プリンタ、携帯電話・スマートフォンなどの電子機器に無線通信機能を搭載し、これらの機器を無線ネットワークに接続して使用するケースが増えている。電子機器を無線ネットワークに接続するには、暗号方式、暗号鍵、認証方式、認証鍵等のさまざまな通信パラメータを設定する必要がある。これらの通信パラメータの設定を容易にする技術として、QRコード(登録商標)等を用いた通信パラメータの設定プロトコル(Wi-Fi Device Provisioning Protocol、以下DPPと称する)がある(特許文献1)。DPPでは、コンフィギュレータと呼ばれる通信パラメータを提供する装置と、エンローリと呼ばれる通信パラメータを要求および取得する装置が存在する。エンローリは、取得した通信パラメータを用いて、無線ネットワークを構築するアクセスポイント、もしくは、無線ネットワークに接続するステーション(接続端末)のどちらかの役割として動作する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開第2017/295448号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
DPPにおいて、エンローリは、通信パラメータをコンフィギュレータに対して要求する際に、アクセスポイントとステーションのどちらの役割で動作したいかを伝える。アクセスポイントの役割を希望したエンローリは、コンフィギュレータから取得した通信パラメータに基づいて無線ネットワークを構築する。一方、ステーションの役割を希望したエンローリは、コンフィギュレータから取得した通信パラメータを用いて、アクセスポイント(アクセスポイントとしてのエンローリ)により構築された無線ネットワークに接続する。ここで、コンフィギュレータが、アクセスポイントの役割を希望しているエンローリに通信パラメータをまだ提供していないにも関わらず、ステーションの役割を希望しているエンローリに通信パラメータを提供してしまう場合を考える。この場合、ステーションは、取得した通信パラメータを用いて無線ネットワークへの接続を試みるが、アクセスポイントにより無線ネットワークは構築されていないため、無線ネットワークに接続できない状態になっていた。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、無駄な接続処理を防ぐことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための一手段として、本発明の通信装置は以下の構成を有する。すなわち、通信装置であって、他の通信装置と通信パラメータの設定処理を行う場合、アクセスポイントによって提供されるネットワークに接続するための通信パラメータが前記アクセスポイントと前記通信装置との間で提供されているか否かに応じてDPP(Wi-Fi Device Provisioning Protocol)に基づく処理で通信パラメータを前記他の装置に提供する否かを制御する制御手段を有し、前記制御手段は、前記通信パラメータが前記アクセスポイントと前記通信装置との間で提供済みでない場合に、前記アクセスポイントへ接続するために使用される情報を前記他の通信装置に提供せず、提供済みでないことを前記他の通信装置に通知する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、無駄な接続処理を防ぐことができ、結果として、ユーザの利便性を向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態における通信システムの構成例を示す図。
【
図2】実施形態における無線端末の構成例を示すブロック図。
【
図3】無線端末による通信パラメータ提供処理を表すフローチャート。
【
図4】無線端末101と無線端末102の間の通信パラメータ提供処理を表すシーケンス図。
【
図5】第1実施形態における無線端末101の動作の例を表すフローチャート。
【
図6】第1実施形態における無線端末101の動作の別の例を表すフローチャート。
【
図7】第1実施形態における無線端末101と無線端末102の間の通信パラメータ提供処理を表すシーケンス図。
【
図8】第2実施形態における無線端末101の動作の例を表すフローチャート。
【
図9】第2実施形態における無線端末101の動作の別の例を表すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、添付図面に従って本発明に係る各実施形態を説明する。ただし、本発明の技術範囲は、特許請求の範囲によって確定されるのであって、以下の個別の実施形態によって限定されるものではない。
【0010】
<第1実施形態>
(システムの構成)
図1に、第1実施形態における通信システムの構成例を示す。本通信システムは、無線端末101、102と、アクセスポイント103から構成される。無線端末101は、無線LAN(Local Area Network)通信機能を有し、例えば、DPPに規定されるコンフィギュレータとして動作する。よって、無線端末101は、アクセスポイント103に対して無線ネットワーク104を形成するための通信パラメータを提供すし、無線端末102に対して無線ネットワーク104に接続するための通信パラメータを提供することができる。ここで、通信パラメータには、ネットワーク識別子としてのSSID(Service Set Identifier)、暗号方式、暗号鍵、認証方式等の、無線通信を行うために必要な設定項目が含まれる。なお、コンフィギュレータとして動作する無線端末101は、通信パラメータを提供する際に、役割情報も通知する。この役割情報とは、通信パラメータを取得した後の役割を示す。この役割は、取得した通信パラメータを用いて無線ネットワークを構築するアクセスポイント、もしくは、取得した通信パラメータを用いて無線ネットワークに接続するステーション(接続端末)のどちらかを示す。
【0011】
アクセスポイント103は、例えば、DPPに規定されるアクセスポイントとして動作する。また、アクセスポイント103は、DPPに規定されるエンローリとして動作し、コンフィギュレータとして動作する無線端末101から通信パラメータを取得することで無線ネットワーク104を形成することができる。無線端末102は、無線LAN通信機能を有し、例えば、DPPに規定されるエンローリとして動作する。よって、無線端末102は、コンフィギュレータとして動作する無線端末101から通信パラメータを取得し、アクセスポイント103により形成された無線ネットワーク104に接続することができる。なお、エンローリとして動作する無線端末102およびアクセスポイント103は、通信パラメータをコンフィギュレータとして動作する無線端末101に要求する際に、上述した役割情報も通知する。
【0012】
本実施形態の無線端末101、102の例としては、携帯電話、デジタルカメラ、ビデオカメラ、PC、PDA、スマートフォン、スマートウォッチなどの電子機器があげられるが、これらに限られるものではない。また、本実施形態では、無線ネットワークに接続される電子機器として無線端末101、102を用いて説明を行うが、これに限られるものではなく、無線ネットワークに接続が可能な電子機器であればよく、携帯型でなくてもよい。また、本実施形態におけるアクセスポイント103は、DPPに規定されるアクセスポイントとして動作するとともに特定の機能をもつ電子機器(プリンタやデジタルカメラなど)であってもよい。
【0013】
(無線端末の構成)
図2は、本実施形態における無線端末101の機能構成例を示すブロック図である。なお、無線端末102の機能構成も、無線端末101と同様である。
図2に示す各機能部は、1つ以上のCPU(不図示)が、記憶部206に格納されたプログラムを実行することにより実現され得る。すなわち、後述する各フローチャートは、1つ以上のCPUが、記憶部206に格納されたプログラムを実行し、情報の演算および加工並びに各ハードウェアの制御を実行することにより実現され得る。ただし、
図2に示す各機能部の一部またはすべてが専用のハードウェアにより実現されてもよい。
【0014】
図2において、無線通信制御部201は、他の装置との間で無線信号の送受信を行うために、アンテナ213や無線回路(不図示)に対する制御を行う。送受信部202は、各通信レイヤのプロトコルに応じたデータの送受信制御を、無線通信制御部201を介して行う。操作部203は、ユーザが無線端末101を操作するために用いられる。操作部203には、撮像部207を起動するためのボタン等が含まれ得る。なお、操作部203はハードウェアで構成されていてもよいし、ソフトウェアにより表示部204を用いて提供されるUI(User Interface)で構成されてもよい。表示部204は、LCD(Liquid Crystal Display)やLED(Light Emitting Diode)等で構成され、各種表示処理を行う。
【0015】
制御部205は、無線端末101全体を制御する。記憶部206は、無線端末101を制御するための制御プログラムやデータが格納されたROMと、一時的な記憶を司るRAMとを備えている。撮像部207は、撮像素子、レンズ等を含み、静止画や動画の撮影を行う。画像処理部208は、撮像部207で撮影された画像等の画像処理を行う。また、画像処理部208は、撮像部207により撮影されたQRコードの画像を解析し、符号化された情報を復号してその情報(QRコード情報)を取得する。コード生成部209は、QRコード情報を生成し、生成したQRコード情報をQRコード(画像)として表示部204へ表示するための制御を行う。なお、本実施形態では、コード情報の画像としてQRコードを用いたがこれに限られるものではなく、バーコード、二次元コードなどが用いられてもよい。
【0016】
パラメータ処理部210は、無線ネットワーク104に接続するための通信パラメータの提供や取得を行うための処理を行う。判定部211は、通信パラメータ提供処理に関する各種判定処理を行う。例えば、判定部211は、通信パラメータを用いて無線ネットワークの構築もしくは接続を行う機器の役割を判定する。本実施形態では、判定される役割として、無線ネットワークを構築する「アクセスポイント」、無線ネットワークに接続する「ステーション」が存在する。認証部212は、他の装置を認証するための制御を行う。
【0017】
なお、上記機能ブロックは一例であり、複数の機能ブロックが1つの機能ブロックを構成するようにしてもよいし、何れかの機能ブロックが更に複数の機能を行うブロックに分かれてもよい。
【0018】
(DPP規格における通信パラメータの提供処理)
次に、DPP規格で規定された通信パラメータの提供処理について、
図3と
図4を参照して説明する。まず、コンフィギュレータとして動作する無線端末101が、無線端末102を無線ネットワーク104へ接続させるために、通信パラメータを提供する処理について述べる。
図3は、コンフィギュレータとして動作する無線端末101が、エンローリとして動作する無線端末102に通信パラメータを提供する処理を示すフローチャートである。
【0019】
無線端末101において、操作部203がパラメータ提供の指示をユーザから受けると、制御部205は、無線端末102が表示するQRコード(を含む画像)を撮影するために撮像部207を起動する(S301)。当該QRコードには、無線端末102の認証用の公開鍵が含まれる。制御部205は、撮像部207がQRコードを撮影したか否かを判定する(S302)。ここで、無線端末102が表示するQRコードは、無線端末の表示部204等に表示されたものに限らず、無線端末102の筺体や付属品に貼り付けられたラベル等に印刷されたものであってもよい。また、QRコードは、例えば無線端末102に対する説明書等に記載されたものでもよい。なお、S302にて、撮像部207の起動から所定の時間内にQRコードを撮影できなかった場合、無線端末101は、通信パラメータの提供処理を終了してもよい。
【0020】
QRコードを撮影したと判定されると(S302でYES)、画像処理部208は、撮撮影されたQRコードから、無線端末102の認証用の公開鍵を含むQRコード情報を取得する(S303)。次に、認証部は、送受信部202を介して、無線端末102に対して認証要求を送信する(S304)。この認証要求は、例えばDPP規格で規定されたDPP Authentication Requestフレームである。この認証要求には、認証に用いるための認証情報と、無線端末101の識別情報、乱数、共有鍵生成用の公開鍵が含まれる。認証情報は、QRコードに含まれる無線端末102の認証用の公開鍵のハッシュ値であり得る。無線端末101の識別情報は、無線端末101の認証用の公開鍵のハッシュ値であり得る。乱数は、後述する認証応答の受信時に、認証のために使用され得る。共有鍵生成用の公開鍵は、無線端末102との間で生成される共有鍵の生成元となる鍵であり得る。
【0021】
認証要求を受信した無線端末102は、認証要求を送信した装置がQRコードを撮影した装置であるか否かを判定する。この判定は、認証要求に含まれている認証情報を用いて行われ得る。すなわち、無線端末102が、表示したQRコードに含めた公開鍵のハッシュ値を計算し、計算されたハッシュ値と認証要求に含まれるハッシュ値(認証情報)とを比較し、両者が一致した場合に検証が成功したと判定する。なお、このときのハッシュ値の計算に用いられるハッシュ関数は、認証要求を送信する無線端末101との間で予め合意されているものとする。
【0022】
S304にて無線端末102に認証要求を送信した後、無線端末101の送受信部202は、無線端末102から認証応答を受信するのを待つ(S305)。S305にて所定の時間内に認証応答を受信できなかった場合、通信パラメータの提供処理を終了してもよい。認証応答は、例えばDPP規格で規定されたDPP Authentication Responseフレームである。この認証応答には、無線端末102の共有鍵生成用の公開鍵、乱数、タグ情報が含まれる。
【0023】
図3において、認証応答を受信すると(S305でYES)、無線端末101の認証部212は、認証応答の内容を検証する(S306)。まず、無線端末101の認証部212は、認証応答に含まれている無線端末102の共有鍵生成用の公開鍵と、無線端末101自身の共有鍵生成用の秘密鍵の双方を用いて共有鍵を生成する。なお、これはコンフィギュレータとして動作する無線端末101の共有鍵生成方法であり、エンローリとして動作する無線端末102は、無線端末101の共有鍵生成用の公開鍵と、無線端末102の共有鍵生成用の秘密鍵の双方を用いて共有鍵を生成する。共有鍵は、例えば、ECDH(Elliptic Curve Diffie-Hellman)方式に基づいて生成される。以下、共有鍵は、このECDH方式に基づいて生成されるものとするが、この方式に限定されるものではなく、その他の公開鍵暗号方式で生成してもよい。
【0024】
続いて、認証部212は、認証応答に含まれるタグ情報を用いて認証成功か否かを判定する。このタグ情報は、無線端末101が送信した認証要求に含まれている乱数が、無線端末102の共有鍵生成用の秘密鍵と、無線端末101の共有鍵生成用の公開鍵の双方を用いて生成された共有鍵で暗号化されたものである。認証部212は、タグ情報を自身が生成した共有鍵で正しく復号できた場合に、認証に成功したと判定する。認証部212は、自身が生成した共有鍵でタグ情報を復号できた場合に認証成功と判定し、復号できなかった場合に認証失敗と判定する。
【0025】
認証に失敗したと判定された場合(S306でNO)、制御部205は表示部204にエラーを示すメッセージを表示して(S310)、パラメータ提供処理を終了する。認証成功と判定された場合(S306でYES)、認証部212は、送受信部202を介して、無線端末102へ認証確認を送信する(S307)。この認証確認は、例えばDPP規格で規定されたDPP Authentication Confirmフレームである。この認証確認は、タグ情報を含む。このタグ情報は、無線端末102が送信した認証応答に含まれている乱数が、生成された共有鍵で暗号化されたものである。無線端末101の送受信部202は、認証確認を送信後、エンローリである無線端末102から設定要求が送信されるのを待つ(S308)。
【0026】
一方、無線端末102側では、無線端末101から認証確認を受信し、認証確認に含まれているタグ情報を自身が生成した共有鍵で正しく復号できた場合に、認証成功と判定する。認証成功と判定されると、無線端末102は、認証要求を送信した無線端末101をコンフィギュレータと認定し、無線端末101に対して設定要求を送信する。設定要求は、例えばDPP規格で規定されたDPP Configuration Requestフレームである。この設定要求には、無線端末102のデバイス情報および役割情報が含まれる。デバイス情報とは、無線端末102のデバイス名などである。また、役割情報とは、通信パラメータ受信後の役割を示す情報であり、本実施形態では、「アクセスポイント」もしくは「ステーション」である。設定要求に含まれる情報は、無線端末102が認証応答に含まれるタグ情報の生成時に使用した共有鍵で暗号化される。
【0027】
無線端末102からの設定要求が受信されると(S308でYES)、パラメータ処理部210は、送受信部202を介して通信パラメータの提供処理を行う(S309)。具体的には、パラメータ処理部210は、無線端末102に対して無線ネットワーク104を構築(形成)するための通信パラメータを含む設定応答を、送受信部202を介して送信する。設定応答は、例えばDPP規格で規定されたDPP Configuration Responseフレームである。設定応答には、通信パラメータ、パラメータの有効期限、無線端末101のコンフィギュレータ専用の公開鍵、役割情報などが含まれる。設定応答に含まれる通信パラメータは、無線端末101のコンフィギュレータ専用の秘密鍵で暗号化されている。さらに、設定応答に含まれる情報は、S307にてタグ情報の生成時に使用した共有鍵で暗号化される。なお、通信パラメータは、暗号鍵として、共有鍵の生成に用いた通信相手の公開鍵(この場合、無線端末102からの認証応答に含まれる公開鍵)を含む。
【0028】
エンローリとして動作する無線端末102は、設定要求を送信後、コンフィギュレータとして動作する無線端末101から設定応答が送信されるのを待ち受ける。設定応答を受信した無線端末102は、設定応答に含まれる情報を、タグ情報生成時に使用した共有鍵で復号する。さらに、無線端末102は、無線端末101のコンフィギュレータ専用の秘密鍵で暗号化された通信パラメータを、無線端末101のコンフィギュレータ専用の公開鍵で復号する。無線端末102は、復号して得られた通信パラメータで無線ネットワーク104に接続することができる。
【0029】
以上のような処理を行う無線端末101が、無線端末102に通信パラメータを提供するまでの、無線端末101と無線端末102の動作についてさらに説明する。
図4は、無線端末101と無線端末102の間の通信パラメータ提供処理を表すシーケンス図である。
【0030】
無線端末102は、パラメータ受領の指示をユーザから受けると(S401)、無線端末102の表示部204にQRコードを表示し(S402)、認証要求を待ち受ける。なお、所定の時間内に認証要求を受信できなかった場合、無線端末102は認証要求の待ち受けを終了してもよい。また、無線端末102がQRコードを表示するための手段(表示部204等)を備えておらず、無線端末102の筺体や付属品に貼り付けられたラベル等にQRコードが印刷されている場合、S402はスキップされる。すなわち、無線端末102は、パラメータ受領の指示を受け付けると(S401)、S402での処理を行わずに認証要求を待ち受ける。
【0031】
一方、無線端末101は、パラメータ提供の指示をユーザから受けると(S403)、無線端末102の表示するQRコードを撮影するために撮像部207を起動する(S404)。そして、無線端末101の撮像部207が無線端末102により表示されるQRコードを撮影し、QRコード情報を取得する(S405)。QRコード情報を取得した無線端末101は、認証要求を生成、送信し、無線端末102はこの認証要求を受信する(S406)。無線端末102は、受信した認証要求の内容を検証する(S407)。認証要求を送信した無線端末101がQRコードを撮影した装置であると判定すると、無線端末102は、認証応答を生成、送信する(S408)。無線端末101へ認証応答を送信した無線端末102は、無線端末101から認証確認が送信されるのを待ち受ける。
【0032】
認証応答を受信した無線端末101は、認証応答の内容を検証する(S409)。無線端末101は、認証成功と判定すると、無線端末102へ認証確認を送信する(S410)。無線端末101から認証確認を受信(S410)した無線端末102は、認証確認の内容を検証する。無線端末102は、自身が生成した共有鍵でタグ情報を正しく復号できた場合に認証に成功したと判定する。認証に成功したと判定されると、無線端末102は、通信パラメータの設定処理を行うために設定要求を送信し(S411)、無線端末101から設定応答が送信されるのを待ち受ける。設定要求を受信した無線端末101は、無線端末101のコンフィギュレータ専用の秘密鍵で暗号化した通信パラメータと、コンフィギュレータ専用の公開鍵を設定応答に含めて送信する(S412)。設定応答を受信した無線端末102は、無線端末101のコンフィギュレータ専用の公開鍵で通信パラメータを復号する。無線端末102は、この復号された通信パラメータを用いて無線ネットワーク104に接続する。
【0033】
以上、
図3、
図4を用いて説明した処理によって、無線端末101が、無線端末102に通信パラメータを提供することができる。また、
図3、
図4を用いて説明した処理と同様の処理によって、コンフィギュレータである無線端末101がエンローリであるアクセスポイント103に対して通信パラメータを提供することができる。アクセスポイント103は、得られた通信パラメータで無線ネットワーク104を構築することができる。
【0034】
(本実施形態における処理の流れ)
次に、無線端末101が、通信パラメータをアクセスポイント103に提供していない状態で、無線端末102に通信パラメータを提供する場合を考える。この場合、アクセスポイント103は、通信パラメータを取得していないため、無線ネットワーク104を構築することができない。その結果、無線端末102は、通信パラメータを取得し無線ネットワーク104への接続処理を実施したにもかかわらず、無線ネットワーク104に接続することができない。よって、存在しない無線ネットワーク104への接続処理を実施しないためには、アクセスポイント103が通信パラメータを取得していないことを、無線端末102が認識する必要がある。以下、通信パラメータをアクセスポイント103に提供済みでないことを、無線端末101が無線端末102に通知する処理を説明する。
【0035】
図5は、無線端末101が、通信パラメータをアクセスポイント103に提供済みでないことを、無線端末102に通知する処理を示すフローチャートである。撮像部207が起動されてから、設定要求の受信を行うまでの処理は
図3(S301~S308)と同様である。
図5では、
図3の処理において、送受信部202が設定要求を受信した後(S308でYES)の処理を示す。
【0036】
無線端末101の判定部211は、無線端末102から受信した設定要求に基づいて、無線端末102の役割がアクセスポイントか否かを判定する(S501)。具体的には、判定部211は、設定情報に含まれる役割情報がアクセスポイントを示すか否かを判定する(S501)。無線端末102の役割がアクセスポイントであると判定された(役割情報がアクセスポイントを示す)場合(S501でYES)、パラメータ処理部210は、設定応答として、送受信部202を介して通信パラメータを無線端末102に提供(送信)する(S504)。他方、役割がアクセスポイントでないと判定された場合、つまりステーションである(役割情報がステーションを示す)と判定された場合(S501でNO)、判定部211は更に、通信パラメータをアクセスポイント103に提供済みであるか否かを判定する(S502)。
【0037】
通信パラメータをアクセスポイント103に提供済みであると判定された場合(S502でYES)、パラメータ処理部210は、設定応答として、送受信部202を介して、通信パラメータを無線端末102に提供する(S504)。他方、通信パラメータを提供済みでないと判定された場合(S502でNO)、パラメータ処理部210は、送受信部202を介して、通信パラメータをアクセスポイント103に提供済みでないことを無線端末102に通知する(S503)。続いて、パラメータ処理部210は、設定応答として、送受信部202を介して通信パラメータを無線端末102に提供する(S504)。なお、S503にて提供済みでないことを通知する際に、通信パラメータが提供されてもよい。
【0038】
図6は、無線端末101が、通信パラメータの提供処理を行わず、通信パラメータをアクセスポイント103に提供済みでないことを無線端末102に通知する処理を示すフローチャートである。設定要求を受信した後、通信パラメータをアクセスポイント103に提供済みであるか否かを判定するまでの処理(S601、S602)は、
図5(S501、S502)と同様である。
【0039】
通信パラメータをアクセスポイント103に提供済みであると判定された場合(S602でYES)、パラメータ処理部210は、設定応答として、送受信部202を介して通信パラメータを無線端末102に提供する(S604)。他方、通信パラメータを提供済みでないと判定された場合(S602でNO)、パラメータ処理部210は、送受信部202を介して、通信パラメータをアクセスポイント103に提供済みでないことを無線端末102に通知し(S603)、処理を終了する。なお、提供済みでないことは、設定要求への応答である設定応答で通知してもよい。例えば、DPP規格で規定されたDPPステータスと呼ばれる、設定応答に含まれる情報が「通信パラメータをアクセスポイントに提供済みでない」ことを示してもよい。
【0040】
また、S603にて通信パラメータをアクセスポイント103に提供済みでないことを通知せずに、通信パラメータを含まない設定応答を無線端末102に送信してもよい。設定応答を受信した無線端末102は、設定応答に通信パラメータが含まれていないため、無線ネットワークへの接続を試みない。
【0041】
続いて、
図7のシーケンス図を用いて、無線端末101と無線端末102の間の処理を説明する。
図7は、本実施形態における無線端末101と無線端末102の間の通信パラメータ提供処理を表すシーケンス図である。無線端末102は、パラメータ受領の指示をユーザから受けると(S701)、無線端末の表示部204にQRコードを表示する(S702)。一方、無線端末101は、パラメータ提供の指示をユーザから受けると(S703)、無線端末102の表示するQRコードを撮影するために撮像部207を起動する(S704)。そして、無線端末102の表示するQRコードを撮影することで、そのQRコードが示す情報を取得する無線端末101は、無線端末102との間で認証処理を行い、通信パラメータを要求する設定要求を待ち受ける(S711)。これらのS701~S711の処理は、
図4で説明したS401~S411までの処理と同様である。
【0042】
設定要求を受信した無線端末101は、設定要求に含まれる役割情報を確認する。役割情報がステーションであると判定すると、通信パラメータをアクセスポイント103に提供済みであるか否かを判定する。無線端末101は、提供済みでないと判定すると(S712)、通信パラメータをアクセスポイント103に提供済みでないことを、無線端末102に通知する。
【0043】
以上のように、第1実施形態によれば、通信パラメータ取得処理において、無線端末101は、通信パラメータをアクセスポイント103に提供済みでないことを通知することができる。通信パラメータをアクセスポイント103に提供済みでないことを通知された無線端末102は、無線ネットワーク104が存在しないことを認識することができ、無駄な接続処理を防ぐことが可能となる。
【0044】
なお、無線端末101は、通信パラメータを提供する前に、接続可能な無線ネットワーク104を構築するアクセスポイント103が存在するかを確認してもよい。具体的には、
図6において、通信パラメータを提供する(S604)前に、無線端末101がアクセスポイント103の存在を確認する。例えば、アクセスポイント103の存在を確認する処理としては、アクセスポイント103が発信するビーコンに含まれるSSIDが、提供する通信パラメータに含まれるSSIDと合致するか検証する処理を行うことで実現できる。また、提供する通信パラメータを用いて、無線端末101が、アクセスポイント103が構築する無線ネットワーク104への接続処理を実施し、接続できる否かを判別することで、アクセスポイント103の存在を確認してもよい。このような処理によれば、無線端末101は、アクセスポイント103の存在(無線ネットワーク104の存在)を確認した上で無線端末102へ通信パラメータを提供することができ、無線端末102は、無駄な接続処理を防ぐことが可能となる。
【0045】
<第2実施形態>
第1実施形態では、コンフィギュレータである無線端末101が提供する通信パラメータが、DPP用のみの場合について説明した。第2実施形態では、通信パラメータが、DPP用と非DPP用(PSK(Pre Shared Key)またはパスフレーズ(以下、レガシー用と称する))のいずれかである場合の処理について説明する。レガシー用の通信パラメータとは、従来のWPA(Wi-Fi Protected Access)やIEEE802.11に基づいた認証・鍵交換を実施する際の暗号鍵を含む。即ち、PSK/パスフレーズは、DPPとは異なるプロトコルに則して、アクセスポイントが構築する無線ネットワークに接続するための情報である。DPP用の通信パラメータとは、DPPが定めた認証プロトコルや鍵交換アルゴリズムで使用する各種情報であり、DPPに則して、アクセスポイントが形成する無線ネットワークに接続するための情報である。
【0046】
図8は、本実施形態における、通信パラメータをアクセスポイント103に提供済みでないことを無線端末101が無線端末102に通知する処理を示すフローチャートである。撮像部207が起動されてから、設定要求の受信を行うまでの処理は
図3(S301~S308)と同様である。
図8では、
図3の処理において、設定要求を受信した後(S308でYES)の処理を示す。
【0047】
無線端末101の判定部211は、無線端末102から受信した設定要求に基づいて、無線端末102の役割がアクセスポイントか否かを判定する(S801)。この判定処理は、
図5のS501と同様に、設定情報に含まれる役割情報がアクセスポイントを示すか否かを判定することによりなされる。無線端末102の役割がアクセスポイントと判定された場合(S801でYES)、判定部211は、提供する通信パラメータがDPP用なのかレガシー用なのかを判定する(S806)。レガシー用であると判定された場合(S806でLegacy)、パラメータ処理部210は、設定応答として、送受信部202を介してレガシー用の通信パラメータを無線端末102に提供する(S807)。他方、DPP用であると判定された場合(S806でDPP)、パラメータ処理部210は、設定応答として、送受信部202を介してDPP用の通信パラメータを提供する(S808)。
【0048】
役割がアクセスポイントでないと判定された場合(S801でNO)、判定部211は、提供する通信パラメータがDPP用なのかレガシー用なのかを判定する(S802)。レガシー用であると判定された場合(S802でLegacy)、レガシー用の通信パラメータを無線端末102に提供する(S807)。他方、DPP用であると判定した場合(S802でDPP)、通信パラメータをアクセスポイント103に提供済みであるか否かを判定する(S803)。
【0049】
通信パラメータをアクセスポイント103に提供済みであると判定された場合(S803でYES)、パラメータ処理部210は、設定応答として、送受信部202を介してDPP用の通信パラメータを無線端末102に提供する(S804)。他方、通信パラメータを提供済みでないと判定された場合(S803でNO)、パラメータ処理部210は、送受信部202を介して通信パラメータをアクセスポイント103に提供済みでないことを無線端末102に通知する(S805)。なお、パラメータ処理部210は、S805にて提供済みでないことを無線端末102に通知する際に、DPP用の通信パラメータを提供してもよい。
【0050】
続いて、
図9は、提供するレガシー用の通信パラメータを、アクセスポイントからWPS(Wi-Fi Protected Setup)を介して取得したのか否かに応じて動作を切り替える無線端末101の処理を示すフローチャートである。無線端末102の役割がアクセスポイントであると判定された場合(S901でYES)、パラメータ処理部210は、レガシー用の通信パラメータを提供するか(S907)、もしくはDPP用の通信パラメータを提供する(S908)。また、無線端末102の役割がアクセスポイントでないと判定われ(S901でNO)、提供するパラメータがDPP用であると判定された場合(S902でDPP)、パラメータ処理部210は、DPP用の通信パラメータを提供するか(S904)、もしくは提供済みでないことを通知する(S905)。これらの処理は
図8(S801~S808)と同様である。
【0051】
図9では、無線端末102の役割がアクセスポイントでないと判定され(S901でNO)、提供する通信パラメータがレガシー用であると判定された場合(S902でレガシー)に、処理はS909へ進む。S909において、提供する通信パラメータがレガシー用であると判定した無線端末101は、提供する通信パラメータをアクセスポイント103からWPSを介して取得したのか否かを判定する。WPSを介して取得したと判定された場合(S909でYES)、パラメータ処理部210は、設定応答として、送受信部202を介して無線端末102にレガシー用の通信パラメータを提供する(S907)。一方、WPSで取得していないと判定した場合(S909でNO)、判定部211は、レガシー用の通信パラメータで接続可能な無線ネットワーク104を構築するアクセスポイント103が存在するかを確認する(S910)。
【0052】
S910における確認の結果、アクセスポイント103が存在すると判定された場合(S911でYES)、パラメータ処理部210は、設定応答として、送受信部202を介して無線端末102にレガシー用の通信パラメータを提供する(S907)。他方、存在しないと判定された場合(S911でNO)、パラメータ処理部210は、送受信部202を介して通信パラメータをアクセスポイント103に提供済みでないことを無線端末102に通知する(S905)。なお、無線端末101は、通信パラメータを提供済みでないことではなく、アクセスポイント103が存在しないことを無線端末102に通知してもよい。
【0053】
以上のように、第2実施形態によれば、通信パラメータがDPP用のみではなく、DPP用と非DPP用のいずれかである場合にでも、通信パラメータの提供もしくはアクセスポイント103に提供済みでないことの通知を行うことができる。
【0054】
このように、上述の各実施形態に依れば、通信パラメータをアクセスポイントに提供済みでないことを、コンフィギュレータがステーションに伝えることができる。その結果、無線ネットワークを構築するアクセスポイントが存在しないことをステーションが認識できるので、ユーザの利便性を向上させることが可能となる。
【0055】
<その他の実施形態>
上述の各実施形態においては、QRコード(登録商標)の画像を利用して通信パラメータの設定を行うための情報を装置間でやり取りする構成について説明した。しかし、QRコード(登録商標)の撮影に代えて、NFCやBluetooth(登録商標)などの無線通信を用いてもよい。また、IEEE802.11adもしくはトランスファージェット(TransferJet)(登録商標)等の無線通信を用いてもよい。なお、読みとるQRコード(登録商標)は表示部に表示されているQRコードだけではなく、通信機器の筺体にシールなどの形態で貼り付けられているQRコードであってよい。また、読みとるQRコード(登録商標)は取り扱い説明書や通信機器の販売時の段ボールなどの包装に貼り付けられているものであってもよい。また、QRコードでなく、バーコード、二次元コードであっても良い。また、QRコードなどの機械が読み取り可能な情報に代えて、ユーザが読みとれる形式の情報であっても良い。
【0056】
また、各実施形態において、装置間の通信をIEEE802.11準拠の無線LAN通信により行う場合について説明したが、これに限る物ではない。例えば、ワイヤレスUSB、MBOA、Bluetooth(登録商標)、UWB、ZigBee、NFC等の無線通信媒体を用いて実施してもよい。ここで、MBOAは、Multi Band OFDM Allianceの略である。また、UWBは、ワイヤレスUSB、ワイヤレス1394、WINETなどが含まれる。
【0057】
また、各実施形態において、無線LANのアクセスポイントに接続するための通信パラメータを提供する場合について記載したが、これに限るものではない。例えば、Wi-Fi Direct(登録商標)のグループオーナーに接続するための通信パラメータを提供するようにしてよい。
【0058】
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0059】
101、102:無線端末、103:アクセスポイント、104:無線ネットワーク、201:無線通信制御部、202:送受信部、203:操作部、204:表示部、205:制御部、206:記憶部、207:撮像部、208:画像処理部、209:バーコード生成部、210:パラメータ処理部、211:判定部、212:認証部、213:アンテナ