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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-01
(45)【発行日】2025-07-09
(54)【発明の名称】瞳間隔調整装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/12 20210101AFI20250702BHJP
【FI】
G02B7/12
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023580828
(86)(22)【出願日】2023-06-07
(86)【国際出願番号】 CN2023098945
(87)【国際公開番号】W WO2024250200
(87)【国際公開日】2024-12-12
【審査請求日】2023-12-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517409583
【氏名又は名称】エーエーシー マイクロテック(チャンヂョウ)カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】No.3 changcao road, Hi-TECH Industrial Zone, Wujin District, Changzhou City, Jiangsu Province, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【弁理士】
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201732
【弁理士】
【氏名又は名称】松縄 正登
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【弁理士】
【氏名又は名称】伊佐治 創
(74)【代理人】
【識別番号】100227019
【弁理士】
【氏名又は名称】安 修央
(72)【発明者】
【氏名】▲イエン▼ ▲鋒▼
(72)【発明者】
【氏名】武 晋国
(72)【発明者】
【氏名】浦 ▲暁▼峰
【審査官】眞岩 久恵
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第116184675(CN,A)
【文献】中国実用新案第205003364(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2017/010471(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/364754(US,A1)
【文献】特開2000-147387(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/02 - 7/16
G02B 23/00 -23/22
G02B 27/00 -30/60
H04N 5/222- 5/257
H04N 13/00 -17/06
H04N 23/00
H04N 23/40 -23/76
H04N 23/90 -23/959
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
VR眼鏡に適用される瞳間隔調整装置であって、前記VR眼鏡は、メガネフレーム胴体と、前記メガネフレーム胴体を貫通し且つ互いに間隔を隔てる第1取付孔及び第2取付孔と、前記第1取付孔内及び前記第2取付孔内にそれぞれ取り付けられた第1レンズモジュール及び第2レンズモジュールとを含み、
前記第1取付孔の横方向孔径及び前記第2取付孔の横方向孔径は、それぞれ前記第1レンズモジュールの直径及び前記第2レンズモジュールの直径よりも大きく、前記瞳間隔調整装置は、前記メガネフレーム胴体に固定され且つ前記第1レンズモジュールと前記第2レンズモジュールとの間に位置する駆動モジュールをさらに含み、前記駆動モジュールは、瞳間隔の調整を実現するように、前記第1レンズモジュールと前記第2レンズモジュールとを互いに向き合う方向又は離れる方向に同期して移動させるようにそれぞれ駆動するために用いられ、
前記駆動モジュールは、前記メガネフレーム胴体に固定されたフレームと、前記フレームの一方側に固定された駆動ユニットと、前記フレーム内に回動設置されつつ前記駆動ユニットに伝動接続された第1歯車部材と、前記フレーム内に回動設置され且つ前記第1歯車部材と噛み合う第2歯車部材と、前記第1歯車部材と噛み合う第1ラックと、前記第2歯車部材と噛み合う第2ラックとを含み、前記第1ラックの前記第1レンズモジュールに近接する一端は、前記第1レンズモジュールの一方側に固定され、前記第2ラックの前記第2レンズモジュールに近接する一端は、前記第2レンズモジュールの一方側に固定され、前記第1ラックと前記第2ラックとは、互いに平行であり、
前記第1歯車部材は、前記駆動ユニットの出力端に固定的に接続された第1ピン軸と、前記第1ピン軸に固定された第1歯車とを含み、前記第2歯車部材は、前記フレーム内に回動設置された第2ピン軸と、前記第2ピン軸に固定された第2歯車とを含み、前記第1歯車の歯数は、前記第2歯車の歯数よりも少ないことを特徴とする瞳間隔調整装置。
【請求項2】
前記第1ラック及び前記第2ラックは、位置ずれて配置され、且つ単位時間内に、前記第1ラックと前記第2ラックとの移動量は、同じであることを特徴とする請求項1に記載の瞳間隔調整装置。
【請求項3】
前記フレームは、前記メガネフレーム胴体の一方側に固定されたフレーム本体と、前記フレーム本体の前記第1レンズモジュールに近接する一方側から延在して形成された延在部と、前記延在部を貫通するスルーホールと、前記フレーム本体の前記メガネフレーム胴体に近接する一方側から前記メガネフレーム胴体から離間する方向に凹んで形成された凹溝と、それぞれ前記フレーム本体を貫通しつつ前記凹溝に連通する第1位置制限溝及び第2位置制限溝とを含み、前記駆動ユニットは、前記スルーホール内に固定され、前記第1歯車部材及び前記第2歯車部材は、前記凹溝内に位置し、前記第1ラック及び前記第2ラックは、それぞれ前記第1位置制限溝内及び前記第2位置制限溝内に設置されていることを特徴とする請求項1に記載の瞳間隔調整装置。
【請求項4】
前記第1ラックは、第1ラック本体と、前記第1ラック本体から前記メガネフレーム胴体に近接する方向に延在する第1支持板と、前記第1支持板から前記メガネフレーム胴体に近接する方向に延在する第1歯形構造とを含み、前記第1ラック本体の前記メガネフレーム胴体から離間する一方側は、前記第1位置制限溝の溝壁と間隔を隔てて第1隙間を形成し、前記第1支持板の前記メガネフレーム胴体から離間する一方側は、前記第1位置制限溝の溝壁と間隔を隔てて第2隙間を形成することを特徴とする請求項3に記載の瞳間隔調整装置。
【請求項5】
前記第2隙間は、前記第1隙間よりも小さいことを特徴とする請求項4に記載の瞳間隔調整装置。
【請求項6】
前記瞳間隔調整装置は、多段遊星歯車箱をさらに含み、前記多段遊星歯車箱は、入力端が前記駆動ユニットに固定的に接続され、前記多段遊星歯車箱は、出力端が前記第1歯車部材に固定的に接続され、
前記スルーホール内には、リングギア構造が設けられ、前記多段遊星歯車箱は、前記スルーホール内に設置され、前記多段遊星歯車箱は、前記リングギア構造に回動設置されていることを特徴とする請求項3に記載の瞳間隔調整装置。
【請求項7】
前記瞳間隔調整装置は、鋼片をさらに含み、前記フレーム本体には、前記第1ピン軸の一端及び前記第2ピン軸の一端に対応してそれぞれ第1座ぐり穴及び第2座ぐり穴が貫通して形成され、前記フレーム本体の前記メガネフレーム胴体から離間する一方側は、取付溝が凹んで形成され、前記鋼片は、前記取付溝内に設置され、前記第1ピン軸の他端及び前記第2ピン軸の他端は、それぞれ前記第1座ぐり穴及び前記第2座ぐり穴を貫通して設置され、前記第2ピン軸の前記鋼片に近接する一端は、前記鋼片に当接することを特徴とする請求項3に記載の瞳間隔調整装置。
【請求項8】
前記瞳間隔調整装置は、軸受をさらに含み、前記軸受は、前記第1座ぐり穴内に固定され、前記第1ピン軸は、一端が前記軸受内に固定され、他端が前記駆動ユニットの出力端に固定されていることを特徴とする請求項7に記載の瞳間隔調整装置。
【請求項9】
前記フレーム本体、前記延在部及び前記リングギア構造は、一体成形構造であることを特徴とする請求項6に記載の瞳間隔調整装置。
【請求項10】
前記フレームは、プラスチック材料製であることを特徴とする請求項1に記載の瞳間隔調整装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想現実分野に関し、特にVR眼鏡に適用される瞳間隔調整装置に関する。
【背景技術】
【0002】
仮想現実頭部装着型表示装置(VR、Virtual Reality)は、シミュレーション技術とコンピュータグラフィックス・マンマシンインタフェース技術・マルチメディア技術・センシング技術・ネットワーク技術などの複数の技術の集合体とを利用した製品であり、コンピュータ及び最新のセンサ技術を介して考案された斬新なマンマシンインタラクション手段である。VR眼鏡は、各愛好者に驚きと喜びを持たせて体験させるだけでなく、さらにその誕生と展望の未知に魅了される。
【0003】
関連技術のVR眼鏡は、メガネフレーム胴体と、メガネフレーム胴体に設置された左レンズモジュール及び右レンズモジュールと、左レンズモジュールと右レンズモジュールの瞳間隔を調整するためのねじと、メガネフレーム胴体に固定された頭部装着型構造とを含み、頭部装着型構造をユーザの頭部に置き、左右眼をそれぞれ左レンズモジュールと右レンズモジュールに対応させ、ノブを回転させて左レンズモジュールと右レンズモジュールとの間の瞳間隔を調整し、VR体験効果を向上させる。
【0004】
しかしながら、関連技術のVR眼鏡は、ねじを介してその瞳間隔を調整し、操作過程において、2つのモータを使用することによりそれぞれ機構を駆動してレンズの移動を実現し、調整精度が低く、左レンズモジュールと右レンズモジュールとの同期性が悪く、安定性が低く、ユーザ体験効果が悪く、左ねじ及び右ねじ付きの長型リードスクリューを使用して駆動し、構造形式に規制され、体積占有率が大きく、効率の損失が高い。
【0005】
したがって、新たな瞳間隔調整装置を提供して上記問題を解決する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする技術課題は、瞳間隔を自動的に同期調整することができ、調整精度が高く、体積占有率が小さく、安定性が高く、及びユーザ体験効果が良い瞳間隔調整装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記技術課題を解決するために、本発明は、VR眼鏡に適用される瞳間隔調整装置を提供し、前記VR眼鏡は、メガネフレーム胴体と、前記メガネフレーム胴体を貫通し且つ互いに間隔を隔てる第1取付孔及び第2取付孔と、前記第1取付孔内及び前記第2取付孔内にそれぞれ取り付けられた第1レンズモジュール及び第2レンズモジュールとを含み、前記第1取付孔の横方向孔径及び前記第2取付孔の横方向孔径は、それぞれ前記第1レンズモジュールの直径及び前記第2レンズモジュールの直径よりも大きく、前記瞳間隔調整装置は、前記メガネフレーム胴体に固定され且つ前記第1レンズモジュールと前記第2レンズモジュールとの間に位置する駆動モジュールをさらに含み、前記駆動モジュールは、瞳間隔の調整を実現するように、前記第1レンズモジュールと前記第2レンズモジュールとを互いに向き合う方向又は離れる方向に同期して移動させるようにそれぞれ駆動するために用いられ、
前記駆動モジュールは、前記メガネフレーム胴体に固定されたフレームと、前記フレームの一方側に固定された駆動ユニットと、前記フレーム内に回動設置されつつ前記駆動ユニットに伝動接続された第1歯車部材と、前記フレーム内に回動設置され且つ前記第1歯車部材と噛み合う第2歯車部材と、前記第1歯車部材と噛み合う第1ラックと、前記第2歯車部材と噛み合う第2ラックとを含み、前記第1ラックの前記第1レンズモジュールに近接する一端は、前記第1レンズモジュールの一方側に固定され、前記第2ラックの前記第2レンズモジュールに近接する一端は、前記第2レンズモジュールの一方側に固定され、前記第1ラックと前記第2ラックとは、互いに平行であり、
前記第1歯車部材は、前記駆動ユニットの出力端に固定的に接続された第1ピン軸と、前記第1ピン軸に固定された第1歯車とを含み、前記第2歯車部材は、前記フレーム内に回動設置された第2ピン軸と、前記第2ピン軸に固定された第2歯車とを含み、前記第1歯車の歯数は、前記第2歯車の歯数よりも少ない。
【0008】
好ましくは、前記第1ラックと前記第2ラックは、位置ずれて配置され、且つ単位時間内に、前記第1ラックと前記第2ラックとの移動量は、同じである。
【0009】
好ましくは、前記フレームは、前記メガネフレーム胴体の一方側に固定されたフレーム本体と、前記フレーム本体の前記第1レンズモジュールに近接する一方側から延在して形成された延在部と、前記延在部を貫通するスルーホールと、前記フレーム本体の前記メガネフレーム胴体に近接する一方側から前記メガネフレーム胴体から離間する方向に凹んで形成された凹溝と、それぞれ前記フレーム本体を貫通しつつ前記凹溝に連通する第1位置制限溝及び第2位置制限溝とを含み、前記駆動ユニットは、前記スルーホール内に固定され、前記第1歯車部材及び前記第2歯車部材は、前記凹溝内に位置し、前記第1ラック及び前記第2ラックは、それぞれ前記第1位置制限溝内及び前記第2位置制限溝内に設置されている。
【0010】
好ましくは、前記第1ラックは、第1ラック本体と、前記第1ラック本体から前記メガネフレーム胴体に近接する方向に延在する第1支持板と、前記第1支持板から前記メガネフレーム胴体に近接する方向に延在する第1歯形構造とを含み、前記第1ラック本体の前記メガネフレーム胴体から離間する一方側は、前記第1位置制限溝の溝壁と間隔を隔てて第1隙間を形成し、前記第1支持板の前記メガネフレーム胴体から離間する一方側は、前記第1位置制限溝の溝壁と間隔を隔てて第2隙間を形成する。
【0011】
好ましくは、前記第2隙間は、前記第1隙間よりも小さい。
【0012】
好ましくは、前記瞳間隔調整装置は、多段遊星歯車箱をさらに含み、前記多段遊星歯車箱は、その入力端が前記駆動ユニットに固定的に接続され、前記多段遊星歯車箱は、出力端が前記第1歯車部材に固定的に接続され、
前記スルーホール内には、リングギア構造が設けられ、前記多段遊星歯車箱は、前記スルーホール内に設けられ、前記多段遊星歯車箱は、前記リングギア構造に回動設置されている。
【0013】
好ましくは、前記瞳間隔調整装置は、鋼片をさらに含み、前記フレーム本体には、前記第1ピン軸の一端及び前記第2ピン軸の一端に対応してそれぞれ第1座ぐり穴及び第2座ぐり穴が貫通して形成され、前記フレーム本体の前記メガネフレーム胴体から離間する一方側は、取付溝が凹んで形成され、前記鋼片は、前記取付溝内に設置され、前記第1ピン軸の他端及び前記第2ピン軸の他端は、それぞれ前記第1座ぐり穴及び前記第2座ぐり穴を貫通して設置され、前記第2ピン軸の前記鋼片に近接する一端は、前記鋼片に当接する。
【0014】
好ましくは、前記瞳間隔調整装置は、軸受をさらに含み、前記軸受は、前記第1座ぐり穴内に固定され、前記第1ピン軸は、一端が前記軸受内に固定され、他端が前記駆動ユニットの出力端に固定されている。
【0015】
好ましくは、前記フレーム本体、前記延在部及び前記リングギア構造は、一体成形構造である。
【0016】
好ましくは、前記フレームは、プラスチック材料製である。
【発明の効果】
【0017】
関連技術に比べて、本発明の瞳間隔調整装置において、第1ラックの第1レンズモジュールに近接する一端は、第1レンズモジュールの一方側に固定され、第2ラックの第2レンズモジュールに近接する一端は、第2レンズモジュールの一方側に固定され、第1ラックと第2ラックとは、互いに平行であり、第1歯車部材は、駆動ユニットに固定された第1ピン軸と、第1ピン軸に固定された第1歯車とを含み、第2歯車部材は、フレームに回動設置された第2ピン軸と、第2ピン軸に固定された第2歯車とを含み、第1歯車の歯数は、第2歯車の歯数より小さく、駆動ユニットの出力端を介して第1ピン軸を駆動して回動させることにより第1歯車を回転させ、第1歯車の回転により第1ラックと第2歯車をそれぞれ回転させることで、これにより第2ラックも第2歯車の回転に伴って第1ラックと第2ラックとを互いに向き合う方向又は離れる方向に同期して移動させることを実現し、第1レンズモジュールと第2レンズモジュールの瞳間隔の自動調整を実現し、調整精度が高く、体積占有率が小さく、安定性が高く、及びユーザ体験効果が良い。
【0018】
本発明の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下に実施例に必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下に説明する図面は、本発明のいくつかの実施例だけであり、当業者にとって、創造的労働を要しない前提で、更にこれらの図面に基づいて他の図面を取得することができ、具体的な内容は以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明に係るVR眼鏡の構造模式図である。
図2図1に係る分解図である。
図3】本発明に係る瞳間隔調整装置の構造模式図である。
図4図3に係る分解図。
図5図3に係るA-A線断面図である。
図6図3に係るB-B線断面図である。
図7図3に係るC-C線断面図である。
図8図5に係るDの部分拡大図である。
図9図3に係るフレームの構造模式図である。
図10】本発明に係る瞳間隔調整装置の状態図1である。
図11】本発明に係る瞳間隔調整装置の状態図2である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下は本発明の実施例における図面を参照して、本発明の実施例における技術案を明確で、完全に説明し、明らかなように、記述される実施例は本発明の一部の実施例だけであり、全ての実施例ではない。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をせずに得ることができる全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に含まれる。
【0021】
図1図11に示すとおり、本発明は、VR眼鏡に適用される瞳間隔調整装置100を提供し、前記VR眼鏡は、メガネフレーム胴体1と、メガネフレーム胴体1を貫通し且つ互いに間隔を隔てる第1取付孔4及び第2取付孔5と、第1取付孔4内及び第2取付孔5内にそれぞれ取り付けられた第1レンズモジュール2及び第2レンズモジュール3とを含み、前記第1取付孔4の横方向孔径及び前記第2取付の横方向孔径は、それぞれ前記第1レンズモジュール2の直径及び前記第2レンズモジュール3の直径よりも大きい。前記瞳間隔調整装置100は、前記メガネフレーム胴体1に固定され且つ前記第1レンズモジュール2と前記第2レンズモジュール3との間に位置する駆動モジュール6をさらに含み、前記駆動モジュール6は、瞳間隔の調整を実現するように、前記第1レンズモジュール2と前記第2レンズモジュール3とを互いに向き合う方向又は離れる方向に同期して移動させるようにそれぞれ駆動するために用いられる。駆動モジュール6は、第1レンズモジュール2と第2レンズモジュール3とが互いに向き合う方向又は離れる方向に移動するように駆動することにより、レンズの左右眼の瞳間隔の同期調整の実現を容易にする。
【0022】
VR眼鏡は、前記メガネフレーム胴体1に固定されたアイカップ105と、前記メガネフレーム胴体1の両側に相対的に固定された固定柱101と、前記固定柱101に嵌設されたストッパ104と、固定柱101の前記ストッパ104から離間する一方側に嵌設されたヘッドセット102と、前記ヘッドセット102を前記固定柱101に固定するロック部材103とをさらに含み、ヘッドセット102を使用者の頭部に置き、左右眼をそれぞれ第1レンズモジュール2と第2レンズモジュール3に対応させ、ロック部材103を介して固定する。
【0023】
メガネフレーム胴体1の駆動モジュール6から離間する一方側にメガネカバーが設置され、保護効果を奏する。
【0024】
前記駆動モジュール6は、前記メガネフレーム胴体1の一方側に固定されたフレーム61と、前記フレーム61の一方側に固定された駆動ユニット62と、前記フレーム61内に回動設置されつつ前記駆動ユニット62に伝動接続された第1歯車部材63と、前記フレーム61内に回動設置され且つ前記第1歯車部材63と噛み合う第2歯車部材64と、前記第1歯車部材63と噛み合う第1ラック65と、前記第2歯車部材64と噛み合う第2ラック66とを含み、前記第1ラック65の前記第1レンズモジュール2に近接する一端は、前記第1レンズモジュール2の一方側に固定され、前記第2ラック66の前記第2レンズモジュール3に近接する一端は、前記第2レンズモジュール3の一方側に固定され、前記第1ラック65と前記第2ラック66とは、互いに平行である。ラックの平行設計により、駆動構造の体積を著しく減らし、適用シーンを多くする。
【0025】
好ましくは、フレーム61は、メガネフレーム胴体1に取り外し可能に固定的に接続されることにより、駆動モジュール6のメンテナンス又は交換を容易にする。また、フレーム61は、メガネフレーム胴体1の一方側にねじを介して固定的に接続されている。
【0026】
好ましくは、駆動ユニット62は、ステッピングモータ、駆動モータなどであり、本発明の駆動ユニット62は、ステッピングモータを選択し、ソフトウェアを介してパルス周波数を変化させることにより、レンズの調整速度を制御し、ユーザ体験を向上させることができる。しかしながら、この駆動モータは、ステッピングモータに限定されるものではなく、駆動及びコストのニーズなどの配慮に応じてブラシ付きモータなどの他のモータの形態を用いてもよい。
【0027】
本実施形態において、瞳間隔調整装置100は、フレキシブル回路板16をさらに含み、フレキシブル回路板16は、ステッピングモータと電気接続され、電源を入力するために用いられ、モータ駆動を実現する。
【0028】
第1レンズモジュール2は、第1鏡筒21と、第1鏡筒21内に固定された第1レンズ群22と、前記第1鏡筒21の外壁から突出して延在する第1接続部23とを含み、第2レンズモジュール3は、第2鏡筒31と、第2鏡筒31内に固定された第2レンズ群32と、前記第2鏡筒31の外壁から突出して延在する第2接続部33とを含み、第1ラック65の末端は、前記第1接続部23に係着固定され、第2ラック66の末端は、前記第2接続部33に係着固定されている。第一ラック65は、前記第一接続部23に垂直に設置され、第二ラック66は、第二接続部33に垂直に設置されている。
【0029】
前記第1歯車部材63は、前記駆動ユニット62の出力端に固定的に接続された第1ピン軸631と、前記第1ピン軸631に固定された第1歯車632とを含み、前記第2歯車部材64は、前記フレーム61に回動設置された第2ピン軸641と、前記第2ピン軸641に固定された第2歯車642とを含み、前記第1歯車632の歯数は、前記第2歯車642の歯数より小さい。第1ラック65及び第2ラック66が同一の駆動ユニット62を用いて駆動することで、一端の速度が完全に同じであることにより、左右眼の瞳間隔を互いに向き合う方向又は離れる方向に同期して調整することを保証し、第1レンズモジュール2及び第2レンズモジュール3の瞳間隔の自動調整を実現し、調整精度が高く、体積占有率が小さく、全体の重量が軽く、安定性が高く、及びユーザ体験効果が良い。
【0030】
本実施形態において、前記第1ラック65と前記第2ラック66とは、近接して位置ずれて配置され、且つ単位時間内に、前記第1ラック65と前記第2ラック66との移動量は、同じである。第2歯車642の導入と2つのラックが位置ずれて配置されることにより、第1ラック65と第2ラック66の駆動部は、逆方向に沿って同期して等速度で駆動することを実現する。
【0031】
第二歯車642に設けられた歯数を第一歯車632の歯数よりも大きく設定し、合理的なモジュールと歯数差によって、第一歯車632の歯先円は、第二ラック66の歯先と接触せず、且つ一定の隙間が形成されている。第2ラック66は、第2歯車642と噛み合って伝動を実現し、左右に移動する時に、第1歯車632と干渉せず、体積の小型化を実現する。
【0032】
第一歯車632及び第二歯車642の歯数の要求に対して、歯数の設計原理は、以下の通りである。歯車、ラックのモジュールをm、第1歯車632の歯数をZ、第2歯車642の歯数をZとし、第1歯車632が1回転する時に、第1ラック65の移動量は、S=m*Zであり、第2歯車642の回転回数は、Z/Zであり、対応する第2ラック66の移動量は、S=m*Z*Z/Z=m*Zであるため、2つのラックの単位時間内の移動量が等しく、移動速度が完全に同じであることにより、瞳間隔の同期調整の効果を実現する。
【0033】
本実施形態において、前記フレーム61は、前記メガネフレーム胴体1の一方側に固定されたフレーム本体611と、前記フレーム本体611の第1レンズモジュール2に近接する一方側から延在して形成された延在部612と、前記延在部612を貫通するスルーホール614と、前記フレーム本体611のメガネフレーム胴体1に近接する一方側から前記メガネフレーム胴体1から離間する方向に凹んで形成された凹溝613と、それぞれ前記フレーム本体611を貫通しつつ前記凹溝613に連通する第1位置制限溝615及び第2位置制限溝616とを含み、前記駆動ユニット62は、前記スルーホール614内に固定され、前記第1歯車部材63及び前記第2歯車部材64は、前記凹溝613内に位置し、前記第1ラック65及び前記第2ラック66は、それぞれ前記第1位置制限溝615及び前記第2位置制限溝616内に設置されている。第一位置制限溝615及び第二位置制限溝616は、それぞれ第一ラック65及び第二ラック66の左右移動を制限するために用いられることにより、レンズの安定な駆動を保証する。フレーム本体611は、密閉式構造を採用して設置され、フレーム本体611に第1位置制限溝615及び前記第2位置制限溝616が設置され、それにより、フレーム本体611の構造強度を効果的に保証し、駆動及び機械的な衝撃時の構造信頼性を向上させることができる。
【0034】
本実施形態において、前記第1ラック65は、第1ラック本体651と、前記第1ラック本体651から前記メガネフレーム胴体1に近接する方向に延在する第1支持板652と、前記第1支持板652から前記メガネフレーム胴体1に近接する方向に延在する第1歯形構造653とを含み、前記第1ラック本体651の前記メガネフレーム胴体1から離間する一方側と前記第1位置制限溝615の溝壁と間隔を隔てて第1隙間7を形成し、前記第1支持板652の前記メガネフレーム胴体1から離間する一方側と前記第1位置制限溝615の溝壁と間隔を隔てて第2隙間8を形成する。
【0035】
本実施形態において、前記第2ラック66は、第2ラック本体661と、前記第2ラック本体661から前記メガネフレーム胴体1に近接する方向に延在する第2支持板662と、前記第2支持板662から前記メガネフレーム胴体1に近接する方向に延在する第2歯形構造663とを含み、前記第2ラック本体661の前記メガネフレーム胴体1から離間する一方側と前記第2位置制限溝615の溝壁と間隔を隔てて第1隙間7を形成し、前記第2支持板662の前記メガネフレーム胴体1から離間する一方側と前記第2位置制限溝615の溝壁と間隔を隔てて第2隙間8を形成する。
【0036】
本実施形態において、前記第2隙間8は、前記第一隙間7よりも小さい。第2隙間8におけるフレーム本体611を拘束箇所とすることで、フレーム本体611の構造強度をさらに向上させる。
【0037】
本実施形態において、前記瞳間隔調整装置100は、多段遊星歯車箱9をさらに含み、前記多段遊星歯車箱9の入力端は、前記駆動ユニット62に固定的に接続され、前記多段遊星歯車箱9の出力端は、前記第1歯車部材63に固定的に接続され、駆動負荷と速度のニーズに応じて、多段遊星歯車箱9は、異なる段数に設計されてもよく、前記スルーホール614内には、リングギア構造10が設けられ、前記多段遊星歯車箱9は、前記スルーホール614内に設置され、前記多段遊星歯車箱9は、前記リングギア構造10に回動設置されている。駆動ユニット62の出力端を介して多段遊星歯車箱9をリングギア構造10内に回動させ、制御精度が高く、駆動効果が良い。
【0038】
多段遊星歯車箱9は、2段、3段、4段などを含み、具体的な段数、伝動比に限定されない。非常に高い制御精度を達成し、ユーザ体験を向上させることができる。好ましくは、多段遊星歯車箱9は、3段遊星歯車箱であり、移動精度が±5um或いはそれより低い程度に達し、効果がより良い。
【0039】
第1歯車部材63の第1ピン軸631を多段遊星歯車箱9の出力端に接続することで、駆動ユニット62を介して多段遊星歯車箱9を駆動して第1ピン軸631を回転させ、それにより、第1歯車632を駆動して回転させる。第1歯車632が時計回りに回転する時に、前記第1歯車632と噛み合う第2歯車642が反時計回りに回転し、第1ラック65は、左に移動し、第2ラック66は、右に移動し、第1レンズモジュール2と第2レンズモジュール3とは、互いに向き合う方向に運動し、第1歯車632が反時計回りに回転する時に、第1レンズモジュール2と第2レンズモジュール3とは、互いに離れる方向に運動し、自動瞳間隔調整機能を実現する。
【0040】
本実施形態において、前記瞳間隔調整装置100は、鋼片11をさらに含み、前記フレーム本体611には、前記第1ピン軸631の一端及び前記第2ピン軸641の一端に対応してそれぞれ第1座ぐり穴12及び第2座ぐり穴13が貫通して形成され、前記フレーム本体611の前記メガネフレーム胴体1から離間する一方側は、取付溝14が前記メガネフレーム胴体1から離間して凹んで形成され、前記鋼片11は、前記取付溝14内に設置され、前記第1ピン軸631の他端及び前記第2ピン軸641の他端は、それぞれ前記第1座ぐり穴12及び前記第2座ぐり穴13を貫通して設置され、前記第2ピン軸641の鋼片11に近接する一端は、前記鋼片11に当接する。
【0041】
本実施形態において、前記瞳間隔調整装置100は、軸受15をさらに含み、前記軸受15は、前記第1座ぐり穴12内に固定され、第1ピン軸631は、一端が溶接により当該軸受15の内輪に固定され、他端が同時に軸受で支持され、その頭部が遊星歯車箱の出力端の内側に挿入されてフラット構造により接合される。また、鋼片11は、取付溝14を介してフレーム本体611に固定され、それにより、鋼片11の側面は、第2ピン軸641及び第1ピン軸631を固定した軸受に対して位置決めを行い、第1ピン軸631は、落下などの機械的衝撃環境下での緩むこと又は抜けることを防止し、安全性が良好である。
【0042】
本実施形態において、第1ピン軸631及び第1歯車632は、フラット構造を採用して嵌合し、出力は、第1歯車632を回転させることを保証する。第2ピン軸641も、鋼片11を介して固定されて位置制限され、鋼片11の上方とフレーム本体611とは、接着剤を介して固定されたことにより、鋼片11が受ける衝撃力は、軸方向とするため、高い信頼性が確保される。
【0043】
前記第1ピン軸631は、一端が溶接により前記軸受15内に固定されている。前記第1ピン軸631は、他端が前記駆動ユニット62の出力端に固定されている。第1ピン軸631の尾部は、ボール軸受を採用して固定され、特殊に設計された鋼片11で固定される。第2ピン軸641は、フレーム本体611としまり嵌めの形態により組み立てられつつ、鋼片11によって外部密閉されてもよい。動作過程において、第2ピン軸641は、第2歯車642と一緒に回転せず、ピン軸の両端が軸受15で固定される必要があることを完全になくし、ピン軸と軸受15との間の摩擦力を低減し、軸受15とフレーム本体611との組み立てによる部品の数及び組立コストを減らし、部品が多い場合の幾何公差が大きくなることを防止し、精度及び効率が高い。
【0044】
本実施形態において、前記フレーム本体611、前記延在部612及び前記リングギア構造10は、一体成形構造である。構造体積を効果的に簡略化し、組み立ての難しさ及び部品コストを低減する。
【0045】
本実施形態において、前記フレーム61は、プラスチック材料製である。機構の重量を減らすことができ、モジュールの稼働騒音の低減に寄与する。頭部装着型VR眼鏡のストレスを低減し、体験感を向上させる。
【0046】
なお、示された第1歯車/ラック、第2歯車/ラックが入れ替わる時に、即ち、駆動ユニットが現在の第2歯車に接続される時に、同様に本発明の技術的効果を実現でき、本発明の保護範囲に属する。
【0047】
関連技術に比べて、本発明の瞳間隔調整装置において、第1ラックの第1レンズモジュールに近接する一端は、第1レンズモジュールの一方側に固定され、第2ラックの第2レンズモジュールに近接する一端は、第2レンズモジュールの一方側に固定され、第1ラックと第2ラックとは、平行であり、第1歯車部材は、駆動ユニットに固定された第1ピン軸と、第1ピン軸に固定された第1歯車とを含み、第2歯車部材は、フレームに回動設置された第2ピン軸と、第2ピン軸に固定された第2歯車とを含み、第1歯車の歯数は、第2歯車の歯数より小さく、駆動ユニットが第1ピン軸を駆動して回動させることにより第1歯車を回転させ、第1歯車の回転により第1ラックと第2歯車をそれぞれ回転させることで、それにより、第2ラックも第2歯車の回転に伴って第1ラックと第2ラックとを互いに向き合う方向又は離れる方向に同期して移動させることを実現し、第1レンズモジュールと第2レンズモジュールの瞳間隔の自動調整を実現し、調整精度が高く、体積占有率が小さく、安定性が高く、及びユーザ体験効果が良い。
【0048】
以上は本発明の実施形態に過ぎず、当業者であれば本発明の思想を逸脱することなく改良を加えることができるが、これらは全て本発明の保護範囲に属すると指摘すべきだ。
【要約】
【課題】本発明は、VR眼鏡に適用される瞳間隔調整装置を提供する。
【解決手段】VR眼鏡は、メガネフレーム胴体と第1レンズモジュールと第2レンズモジュールとを含み、瞳間隔調整装置は、メガネフレーム胴体に固定され且つ第1レンズモジュールと第2レンズモジュールとの間に位置する駆動モジュールをさらに含み、駆動モジュールは、瞳間隔の調整を実現するように、第1レンズモジュールと第2レンズモジュールとを互いに向き合う方向又は離れる方向に同期して移動させるようにそれぞれ駆動するために用いられ、駆動モジュールは、フレーム、駆動ユニット、第1歯車部材、第2歯車部材、第1ラック及び第2ラックを含み、第1ラックの第1レンズモジュールに近接する一端は、第1レンズモジュールの一方側に固定され、第2ラックの第2レンズモジュールに近接する一端は、第2レンズモジュールの一方側に固定され、第1ラックと第2ラックとは、互いに平行である。関連技術に比べて、本発明の瞳間隔調整装置は、瞳間隔を自動的に同期調整することができ、調整精度が高く、体積占有率が小さく、駆動効率が高く、安定性が高く、及びユーザ体験効果が良い。
【選択図】図3

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