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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-02
(45)【発行日】2025-07-10
(54)【発明の名称】車両
(51)【国際特許分類】
   B60K 1/04 20190101AFI20250703BHJP
【FI】
B60K1/04 Z
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2025073180
(22)【出願日】2025-04-25
(62)【分割の表示】P 2024044935の分割
【原出願日】2024-03-21
【審査請求日】2025-04-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】魚谷 昭夫
(72)【発明者】
【氏名】張 徳旭
(72)【発明者】
【氏名】黒山 嘉宣
(72)【発明者】
【氏名】亀崎 大介
(72)【発明者】
【氏名】藤嶋 正剛
(72)【発明者】
【氏名】高橋 祐希
【審査官】熊谷 健治
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2023-0112413(KR,A)
【文献】特開2018-188124(JP,A)
【文献】特開2019-202744(JP,A)
【文献】特表2021-507483(JP,A)
【文献】特開2024-024498(JP,A)
【文献】特開2020-196300(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 1/04
H01M 50/20
B60L 50/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗車スペースが設けられた車体と、
前記乗車スペースの下方に配置された蓄電装置と、
断熱部材と、を備え、
前記車体は、前記乗車スペースと前記蓄電装置との間に配置されると共に前記車体の骨格の一部を構成するクロス部材を含み、
前記クロス部材を覆うようにフロアカーペットが配置されており、
前記乗車スペースは、前記フロアカーペットの上方に位置しており、
前記蓄電装置は、各々が複数のセルを含む複数の蓄電スタックと、前記複数の蓄電スタックを収容するためのロアー部材およびアッパー部材と、を含み、
前記複数のセルの各々は、排気弁を含み、
前記複数のセルにおいて、前記排気弁が車両前方側に設けられたセルと、前記排気弁が車両後方側に設けられたセルとが交互に配置されており、
前記ロアー部材は、前記複数の蓄電スタックが配置される底板部材と、前記底板部材の周縁部に設けられた複数の第1壁部と、前記複数の第1壁部に囲まれる領域において前記複数の蓄電スタックが配置される領域を区画すると共に車幅方向に延在する第2壁部と、を有し、
前記ロアー部材には、上方に向けて開口する開口部が形成されており、
前記アッパー部材は、前記開口部を閉塞しており、
前記第2壁部には、前記車幅方向に延びる中空部と、前記中空部に連通すると共に前記車幅方向に並ぶ複数の穴が設けられており、
前記断熱部材の一部は、前記中空部の上方、かつ、前記クロス部材と前記アッパー部材の上面との間に配置されている、車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両に関し、特に、蓄電装置を備えた車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の蓄電装置として、国際公開第2020/134054号(特許文献1)には、複数の蓄電スタックを収容する収容ケースの一部を中空部材で構成し、当該中空部材の中空部を蓄電スタックから発生したガスの排気経路として用いる構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2020/134054号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、蓄電スタックから発生されたガスは相当程度の温度を有しており、特許文献1に記載の蓄電装置を何ら手立てなく車両に搭載した場合には、収容ケースのうち排気経路を構成する部分から乗車スペースに熱が伝達されてしまうことが懸念される。
【0005】
本開示は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本開示の目的は、蓄電装置からガスが排出された際に乗車スペースへの熱の伝達を抑制可能な車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に基づく車両は、乗車スペースが設けられた車体と、上記乗車スペースの下方に配置された蓄電装置と、を備える。上記蓄電装置は、1つ以上の蓄電スタックと、上記1つ以上の蓄電スタックを収容する収容ケースと、を含む。上記収容ケースは、上記1つ以上の蓄電スタックが配置されるロアケースと、上記1つ以上の蓄電スタックが配置される領域を区画する複数の壁部と、を有する。上記複数の壁部の内部には、上記1つ以上の蓄電スタックから排出されたガスが流通可能な排気経路が設けられている。上記複数の壁部と上記乗車スペースとの間に、断熱部材が配置されている。
【0007】
上記構成によれば、排気経路を構成する複数の壁部の各々と乗車スペースとの間に断熱部材が配置されていることにより、蓄電スタックから排出されたガスが壁部内を流通しても、当該壁部から乗車スペースに熱が伝達されることを抑制できる。
【0008】
上記本開示に基づく車両にあっては、上記収容ケースは、上記ロアケースの開口を封止するアッパー部材を有していてもよい。上記断熱部材は、上記複数の壁部の各々と上記アッパー部材との間に配置されていてもよい。
【0009】
上記構成によれば、排気経路を流通するガスからの熱が複数の壁部の各々からアッパー部材に伝達されることを抑制し、ひいてはアッパー部材から乗車スペースに熱が伝達されることを抑制できる。
【0010】
上記本開示に基づく車両にあっては、上記乗車スペースと上記収容ケースとの間には、上記車体の骨格の一部を構成するクロス部材が配置されていてもよい。上記断熱部材の一部は、上記クロス部材と上記収容ケースとの間に設けられていてもよい。
【0011】
上記構成によれば、排気経路を流通するガスからの熱が収容ケースからクロス部材に伝達することを抑制し、ひいてはクロス部材から乗車スペースに熱が伝達されることを抑制できる。
【0012】
上記本開示に基づく車両は、上記乗車スペースと上記蓄電装置との間に配置された電気機器をさらに備えていてもよい。上記断熱部材は、上記複数の壁部のうち上記電気機器の下方に位置する部分と上記電気機器との間に配置された第1断熱部材を含んでいてもよい。
【0013】
上記構成によれば、排気経路を流通するガスからの熱が壁部から電気機器に伝達されることを抑制できる。
【0014】
上記本開示に基づく車両は、上記乗車スペースに配置された一対の前部座席と、後部座席とを備えていてもよい。上記断熱部材は、上記複数の壁部のうち上記一対の前部座席の下方に位置する部分と上記一対の前部座席との間に配置された第2断熱部材と、上記複数の壁部のうち上記後部座席の下方に位置する部分と上記後部座席との間に配置された第3断熱部材を含んでいてもよい。
【0015】
上記構成によれば、排気経路を流通するガスからの熱が壁部から一対の前部座席および後部座席に伝達されることを抑制できる。
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、蓄電装置からガスが排出された際に乗車スペースへの熱の伝達を抑制可能な車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施の形態1に係る車両を示す概略図である。
図2】実施の形態1に係る蓄電装置が車体に搭載されている様子を示す概略断面図である。
図3】実施の形態1に係る蓄電装置の概略分解斜視図である。
図4】実施の形態2に係る蓄電装置の概略分解斜視図である。
図5】実施の形態3に係る蓄電装置の概略分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本開示の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
【0019】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る車両を示す概略図である。図2は、実施の形態1に係る蓄電装置が車体に搭載されている様子を示す概略断面図である。図1および図2を参照して、実施の形態1に係る車両1について説明する。
【0020】
車両1は、モータとエンジンとの少なくとも一方の動力を用いて走行可能なハイブリッド車両、または、電気エネルギによって得られた駆動力で走行する電動車両である。
【0021】
図1に示すように、車両1は、車両本体(車体)2、前輪3、後輪4、蓄電装置10、断熱部材40、一対の前部座席71、後部座席72、電気機器73、およびフロアカーペット80を備える。車両本体2は、乗車スペースSを含んでいる。乗車スペースSは、フロアカーペット80の上方に位置している。乗車スペースSには、一対の前部座席71、後部座席72が配置されている。一対の前部座席71は、互いに間隔をあけて車両の幅方向に並んで配置されている。後部座席72は、一対の前部座席71の後方に配置されている。後部座席72は、車両の幅方向に延在している。
【0022】
蓄電装置10は、乗車スペースSの下方に配置されている。蓄電装置10は、車両本体2に固定されている。蓄電装置10は、上面10aを有する。当該上面10aは、車両室内を規定するフロア部材としても機能している。フロアカーペット80は、上面10a上に配置されている。フロアカーペット80は、後述するクロス部材9(図2参照)の上方に位置するように配置されていてもよい。電気機器73は、車両1の前方側において、フロアカーペット80と上面10aとの間に配置されている。電気機器73は、たとえば、車載ECUである。電気機器73は、たとえば、一対の前部座席71のうち助手席側に配置されている。電気機器73は、助手席側に座る乗員の足元付近に配置されている。
【0023】
断熱部材40は、後述するように蓄電装置10の内部でガスが排出された際に、ガスによる熱が乗車スペースSに伝わることを抑制する。
【0024】
図2に示すように、車両本体2は、骨格部材5を含む。骨格部材5は、一対のサイドメンバ6、および一対のサイドシル7を含む。一対のサイドシル7は、車両1の幅方向の両端側に配置されている。一対のサイドメンバ6は、距離を持って一対のサイドシル7の内側に配置されている。一対のサイドメンバ6および一対のサイドシル7は、車両1の前後方向に沿って延在している。
【0025】
一対のサイドメンバ6は、車両1の幅方向に離間している。一対のサイドメンバ6の間の隙間には、蓄電装置10の本体部35が配置されている。本体部35と一対のサイドメンバ6との間には、空隙が設けられている。これにより、車両1が側突した場合であっても、蓄電装置10に衝撃が入力されることを抑制できる。
【0026】
車両1の幅方向における本体部35の両側面には被固定部36が設けられている。被固定部36は、締結部材8によって一対のサイドメンバ6に固定されている。
【0027】
骨格部材5は、クロス部材9も含んでいる。クロス部材9は、蓄電装置10の上方で一方のサイドシル7から他方のサイドシル7に跨がるように設けられている。クロス部材9には、蓄電装置10が締結固定される。本実施の形態においては、クロス部材9と当該上面10aとの間には断熱部材40の一部49が配置されている態様を例示するが、クロス部材9と収容ケース120との間には断熱部材が配置されていなくてもよい。
【0028】
上述においては、骨格部材5が一対のサイドメンバ6、および一対のサイドシル7を含む場合を例示して説明したが、これに限定されない。一対のサイドシル7が、一対のサイドメンバ6の機能を兼ね備えていてもよい。この場合には、一対のサイドメンバ6を省略することができ、上述の被固定部36は、一対のサイドシル7に固定されてもよい。
【0029】
図3は、実施の形態1に係る蓄電装置の概略分解斜視図である。上述の図2および図3を参照して、蓄電装置10の詳細な構造について説明する。
【0030】
図2および図3に示すように、蓄電装置10は、蓄電モジュール100、および収容ケース120を備える。蓄電モジュール100および断熱部材40は、収容ケース20内に収容されている。
【0031】
蓄電モジュール100は、複数の蓄電スタック101を含む。複数の蓄電スタック101は、収容ケース120内において行列状に配置されている。第1方向(DR1)を列方向とし、第2方向(DR2)を行方向とした場合に、複数の蓄電スタック101は、3行2列で配置されている。なお、第1方向は、蓄電装置10を車両本体2に搭載した搭載状態において、たとえば、車両1の前後方向と平行となる。第2方向は、第1方向と直交しており、上記搭載状態において、車両1の左右方向と平行となる。複数の蓄電スタック101は、電気的に直列に接続されている。
【0032】
各蓄電スタック101は、複数の単位セル110を含んでいる。各蓄電スタック101において、複数の単位セル110は、第2方向に配列されている。複数の単位セル110は、電気的に直列に接続されている。
【0033】
単位セル110は、第1方向を長手方向とする長手形状を有する。単位セル110は、第2方向に厚みを有する扁平な直方体形状を有する。
【0034】
単位セル110は、筐体112を含んでおり、当該筐体112の内部には、単数あるいは複数の電極体が収容されている。
【0035】
筐体112内に単数の電極体が収容されている場合には、当該電極体は、上記長手方向に延在する形状を有している。当該電極体は、負極シート、セパレータ、および正極シートが積層された積層電極体であってもよいし、負極シート、セパレータ、および正極シートが巻回された巻回電極体であってもよい。
【0036】
筐体112内に複数の電極体が収容されている場合には、複数の電極体は、長手方向に並んで配置されており、直列に接続されている。この場合においても、電極体は、積層電極体であってもよいし、巻回電極体であってもよい。
【0037】
単位セル110は、ニッケル水素電池、またはリチウムイオン電池等の二次電池である。単位セル110は、液状の電解質を用いるものであってもよいし、固体状の電解質を用いるものであってもよい。単位セル110は、充放電可能なキャパシタであってもよい。
【0038】
筐体112は、たとえば、アルミニウムなどの金属材料によって形成されている。筐体112は、第1方向に配列する第1端面110aと第2端面110bと、排気弁111とを含む。排気弁111は、第1端面110aに形成されている。排気弁111は、筐体112の内圧が所定の値を超えた場合に開口し、筐体112内のガスを筐体112外に排出する。
【0039】
各蓄電スタック101において、複数の単位セル110は、第1方向の一方側および第1方向の他方側に交互に排気弁111が位置するように第2方向に配列されている。すなわち、複数の単位セル110は、第1方向の一方側および他方側の各々において、第2方向に第1端面110aと第2端面110bとが交互に並ぶように配列されている。
【0040】
収容ケース120は、アッパー部材300とロアケース200とを含む。アッパー部材300は、たとえば、下方に向けて開口する略箱形形状を有する。アッパー部材300は、天板301と、周壁302とを含む。周壁302は、天板301の外周縁部から下方に向けて延びるように形成されている。周壁302は、第1方向に配列する端壁303および端壁304と、第2方向に配列する側壁305および側壁306を含む。
【0041】
端壁303には、外部排出口311~316が形成されている。また、端壁304には、外部排出口321~326が形成されている。外部排出口311~316は端壁303を貫通する貫通孔であり、外部排出口321~326は端壁304を貫通する貫通孔である。
【0042】
ロアケース200は、複数の壁部210と、底板220と、シール部材221と、を含む。複数の壁部210と、シール部材221は、底板220の上面に設けられている。ロアケース200は、本体部35と被固定部36を含む。本体部35は、複数の壁部210と、底板220とによって構成されている。第2方向における本体部35の両側面に被固定部36が設けられている。
【0043】
複数の壁部210は、一対の側壁211A,211Bと、仕切壁212と、区画壁213A,213Bと、区画壁214A,214Bとを含む。一対の側壁211A,211B、仕切壁212、区画壁213A,213B、および区画壁214A,214Bは、底板220から起立するように設けられている。一対の側壁211A,211B、区画壁213A,213B、および区画壁214A,214Bは、第1方向に延在している。一対の側壁211A,211B、区画壁213A,213B、および区画壁214A,214Bの内部には、後述するように蓄電スタック101から排出されたガスが流通可能な排気経路が設けられている。
【0044】
一対の側壁211A,211B(第1側壁、第2側壁)は、第2方向に間隔をあけて配置されている。一対の側壁211A,211Bは、第2方向における底板の両側に配置されている。
【0045】
仕切壁212は、底板220の上面において、第2方向に延びるように形成されている。仕切壁212は、第1方向L1における底板220の中央部を通るように配置されている。仕切壁212は、収容ケース120内の空間を第1方向に分割する。
【0046】
区画壁213A,214A(第1区画壁,第2区画壁)は、仕切壁212によって仕切られた収容ケース120内の第1方向の一方側の空間に配置されている。区画壁213A,214Aは、第1方向の一方側において、一対の側壁211A,211Bの間に配置されている。区画壁213A,214Aは、一対の側壁211A,211Bから離れて配置されており、かつ、第2方向に間隔をあけて配置されている。
【0047】
区画壁213A,214Aは、仕切壁212よりも第1方向の一方側に位置する収容ケース120内の空間を第2方向に分割している。具体的には、区画壁213A,214Aは、収容ケース120内の第1方向の一方側の空間を第2方向に3つに分割している。第1方向の一方側に位置する収容ケース内の空間において、一対の側壁211A,211B、および区画壁213A,214Aによって区画された各領域(第1領域291、第2領域292、第3領域293)に蓄電スタック101が配置されている。
【0048】
区画壁213B,214B(第3区画壁,第4区画壁)は、仕切壁212によって仕切られた収容ケース120内の第1方向の他方側の空間に配置されている。区画壁213B,214Bは、第1方向の他方側において、一対の側壁211A,211Bの間に配置されている。区画壁213B,214Bは、一対の側壁211A,211Bから離れて配置されており、かつ、第2方向に間隔をあけて配置されている。
【0049】
区画壁213B,214Bは、仕切壁212よりも第1方向の他方側に位置する収容ケース120内の空間を第2方向に分割している。具体的には、区画壁213B,214Bは、収容ケース120内の第1方向の他方側の空間を第2方向に3つに分割している。第1方向の他方側に位置する収容ケース内の空間において、一対の側壁211A,211B、および区画壁213B,214Bによって区画された各領域(第4領域294、第5領域295、第6領域296)に蓄電スタック101が配置されている。
【0050】
側壁211Aには、排出口275、排出口285、および側壁開口部255,265が設けられている。排出口275は、第1方向の一方側に位置する側壁211Aの端面に設けられている。排出口285は、第1方向の他方側に位置する側壁211Aの端面に設けられている。
【0051】
側壁開口部255は、第1領域291に向けて開口している。具体的には、側壁開口部255は、仕切壁212側で第1領域291に向けて開口している。側壁211Aの内部には、排気経路235(図2参照)が設けられており、側壁開口部255は、排気経路235を介して排出口275に連通している。
【0052】
側壁開口部265は、第4領域294に向けて開口している。具体的には、側壁開口部265は、仕切壁212側で第4領域294に向けて開口している。側壁211Aの内部には、当該側壁開口部265に連通する排気経路(不図示)が設けられており、側壁開口部265は、当該排気経路を介して排出口285に連通している。
【0053】
同様に、側壁211Bには、排出口276、排出口286、および側壁開口部256,266が設けられている。排出口276は、第1方向の一方側に位置する側壁211Bの端面に設けられている。排出口286は、第1方向の他方側に位置する側壁211Bの端面に設けられている。
【0054】
側壁開口部256は、第3領域293に向けて開口している。具体的には、側壁開口部256は、仕切壁212側で第3領域293に向けて開口している。側壁211Bの内部には、排気経路236(図2参照)が設けられており、側壁開口部256は、排気経路236を介して排出口276に連通している。
【0055】
側壁開口部266は、第6領域296に向けて開口している。具体的には、側壁開口部266は、仕切壁212側で第6領域296に向けて開口している。側壁211Bの内部には、当該側壁開口部266に連通する排気経路(不図示)が設けられており、側壁開口部266は、当該排気経路を介して排出口286に連通している。
【0056】
区画壁213Aには、排出口271,272、および開口部251,252が設けられている。また、区画壁213Aの内部には、排気経路231,232(図2参照)が設けられている。排出口271,272は、第1方向の一方側に位置する区画壁213Aの端面に設けられている。排出口271,272は、上下方向に並んで設けられている。排出口272は、たとえば排出口271の上方に位置している。
【0057】
開口部251は、第2方向の一方側に位置する区画壁213Aの側面に設けられている。開口部251は、第1領域291に向けて開口している。開口部251は、排気経路231を介して排出口271に連通している。
【0058】
開口部252は、第2方向の他方側に位置する区画壁213Aの側面に設けられている。開口部252は、第2領域292に向けて開口している。開口部252は、排気経路232を介して排出口272に連通している。
【0059】
区画壁214Aには、排出口273,274、および開口部253,254が設けられている。また、区画壁214Aの内部には、排気経路233,234(図2参照)が設けられている。排出口273,274は、第1方向の一方側に位置する区画壁214Aの端面に設けられている。排出口273,274は、上下方向に並んで設けられている。排出口274は、たとえば排出口273の上方に位置している。
【0060】
開口部253は、第2方向の一方側に位置する区画壁214Aの側面に設けられている。開口部253は、第2領域292に向けて開口している。開口部253は、排気経路233を介して排出口273に連通している。
【0061】
開口部254は、第2方向の他方側に位置する区画壁214Aの側面に設けられている。開口部254は、第3領域293に向けて開口している。開口部254は、排気経路234を介して排出口274に連通している。
【0062】
区画壁213Bには、排出口281,282、および開口部261,262が設けられている。また、区画壁213Bの内部には、区画壁213A同様に、2つの排気経路(不図示)が設けられている。排出口281,282は、第1方向の他方側に位置する区画壁213Bの端面に設けられている。排出口281,282は、上下方向に並んで設けられている。排出口282は、たとえば排出口281の上方に位置している。
【0063】
開口部261は、第2方向の一方側に位置する区画壁213Bの側面に設けられている。開口部261は、第4領域294に向けて開口している。開口部261は、上述の2つの排気経路のうち一方の排気経路を介して排出口281に連通している。
【0064】
開口部262は、第2方向の他方側に位置する区画壁213Bの側面に設けられている。開口部262は、第5領域295に向けて開口している。開口部262は、上述の2つの排気経路のうち他方の排気経路を介して排出口282に連通している。
【0065】
区画壁214Bには、排出口283,284、および開口部263,264が設けられている。また、区画壁214Bの内部には、区画壁214A同様に2つの排気経路(不図示)が設けられている。排出口283,284は、第1方向の他方側に位置する区画壁214Bの端面に設けられている。排出口283,284は、上下方向に並んで設けられている。排出口284は、たとえば排出口283の上方に位置している。
【0066】
開口部263は、第2方向の一方側に位置する区画壁214Bの側面に設けられている。開口部263は、第6領域296に向けて開口している。開口部263は、上述の2つの排気経路のうち一方の排気経路を介して排出口283に連通している。
【0067】
開口部264は、第2方向の他方側に位置する区画壁214Bの側面に設けられている。開口部264は、第6領域296に向けて開口している。開口部264は、上述の2つの排気経路のうち他方の排気経路を介して排出口284に連通している。
【0068】
なお、上述のアッパー部材300の端壁303に設けられた外部排出口311~316は、それぞれ上述の排出口271~276に連通する。同様に、アッパー部材300の端壁304に設けられた外部排出口321~326は、それぞれ上述の排出口281~286に連通する。
【0069】
シール部材221は、仕切壁212の下部と底板220との間の隙間を封止している。シール部材221は、仕切壁212の下面が有する外周縁部のうち第2方向に延びる部分に沿って設けられている。シール部材221は、後述するように第1方向の一方側に配置された複数の蓄電スタック101の少なくともいずれかからガスが発生した場合に、当該ガスとともに排出されるデブリや電解液が第1方向の他方側に位置する第4領域294から第6領域296に向かうことを抑制する。また、第1方向の他方側に配置された複数の蓄電スラック101のすくなくともいずれかからガスが発生した場合も同様に、デブリや電解液が第1方向の一方側に位置する第1領域291から第3領域293に向かうことを抑制する。これにより、電解液またはデブリを介して第1方向に並ぶ蓄電スタック101が短絡することを抑制できる。
【0070】
断熱部材40は、複数の壁部210と乗車スペースSとの間に配置されている。具体的には、断熱部材40は、複数の壁部210とアッパー部材300との間に配置されている。断熱部材40は、第1部分41、第2部分42、第3部分43、および第4部分44を含む。第1部分41、第2部分42、第3部分43、および第4部分44は、第1方向に沿って延在している。第1部分41、第2部分42、第3部分43、および第4部分44は、互いに間隔をあけて第2方向に並んだ配置されている。
【0071】
第1部分41は、側壁211Aの上面に配置される。第1部分41は、側壁211Aの内部に設けられた排気経路の上方に位置している。第2部分42は、区画壁213Aの上面および区画壁213Bの上面に跨がって配置される。第2部分42は、区画壁213Aおよび区画壁213Bの内部に設けられた排気経路の上方に位置している。第3部分43は、区画壁214Aの上面および区画壁214Bの上面に跨がって配置される。第3部分43は、区画壁214Aおよび区画壁214Bの内部に設けられた排気経路の上方に位置している。第4部分44は、側壁211Bの上面に配置されている。第4部分44は、側壁211Bの内部に設けられた排気経路の上方に位置している。
【0072】
上述において、たとえば、第1領域291に配置された蓄電スタック101からガスが排出された場合には、当該第1領域291に向けて開口する開口部251および側壁開口部255にガスが導入される。開口部251および側壁開口部255に導入されたガスは、排気経路231,235、および排出口271,275を通って、上記外部排出口311,315から収容ケース120の外部に排出される。
【0073】
第2領域292に配置された蓄電スタック101からガスが排出された場合には、当該第2領域292に向けて開口する開口部252,253にガスが導入される。開口部252,253に導入されたガスは、排気経路232,233、および排出口272,273を通って、上記外部排出口312,313から収容ケース120の外部に排出される。
【0074】
第3領域293に配置された蓄電スタック101からガスが排出された場合には、当該第3領域293に向けて開口する開口部254および側壁開口部256にガスが導入される。開口部254および側壁開口部256に導入されたガスは、排気経路234,236、および排出口274,276を通って、上記外部排出口314,316から収容ケース120の外部に排出される。
【0075】
第4領域294から第6領域296に配置された蓄電スタック101からガスが排出された場合には、上述同様に、側壁211A,211Bおよび区画壁213B,214Bに設けられた排気経路、ならびに、排出口281~286を通って、上記外部排出口321~326から収容ケース120の外部に排出される。
【0076】
以上のように本実施の形態に係る車両1においては、複数の蓄電スタック101のいずれかから相当程度高温のガスが排出された場合には、側壁211A,211Bおよび区画壁213A,213B,214A,214Bに設けられた排気経路のうちいずれかを通ってガスが収容ケース120の外部に排出される。ここで、上述のように、排気経路が設けられた複数の壁部210(側壁211A,211Bおよび区画壁213A,213B,214A,214B)と乗車スペースSとの間に断熱部材40が配置されることにより、排気経路を流通するガスからの熱が乗車スペースSに伝達されることを抑制できる。
【0077】
また、上述のようにアッパー部材300と複数の壁部210との間に断熱部材40が配置されている場合には、排気経路を流通するガスからの熱が複数の壁部210の各々からアッパー部材300に伝達されることを抑制し、ひいてはアッパー部材300から乗車スペースSに熱が伝達されることを抑制できる。
【0078】
さらに、上述のように、断熱部材40の一部が、クロス部材9と収容ケース120(より特定的には、アッパー部材300)との間に配置されることにより、排気経路を流通するガスからの熱が収容ケース120からクロス部材9に伝達することを抑制し、ひいてはクロス部材9から乗車スペースSに熱が伝達されることを抑制できる。
【0079】
(実施の形態2)
図4は、実施の形態2に係る蓄電装置の概略分解斜視図である。図4を参照して、実施の形態2に係る蓄電装置10Aについて説明する。
【0080】
図4に示すように、実施の形態2に係る蓄電装置10Aは、実施の形態1に係る蓄電装置10と比較した場合に、収容ケース120の構成、蓄電スタック101の個数、ならびに、断熱部材40Aの形状および配置が主として相違する。その他の構成についてはほぼ同様である。
【0081】
実施の形態2に係る蓄電装置10Aにおいては、2つの蓄電スタック101が第1方向に間隔をあけて配置されている。ロアケース200は、上方に向けて開口する略箱形形状を有する。アッパー部材300は、略板状形状を有し、ロアケース200の開口を閉塞する。
【0082】
ロアケース200は、複数の壁部210、および底板220を含む。複数の壁部210は、側壁211A,211B、区画壁215A、215Bおよび端壁211Dを含む。ロアケース200は、端壁211Cをさらに含む。端壁211Cは、外部排出口310A,310Bが設けられている。これら側壁211A,211B、区画壁215A、215Bおよび端壁211D、211Cの内部には、排気経路が設けられている。
【0083】
側壁211A,211B、および端壁211C,211Dは、底板220の外縁部から起立するように設けられている。2つの区画壁215A,215Bは、第1方向に間隔をあけて配置されている。区画壁215Aは、区画壁215Bよりも第1方向の一方側に位置する。区画壁215Bは、第1方向における底板220の略中央部に配置されている。区画壁215A,215Bは、第2方向に沿って延在している。2つの区画壁215A,215Bは、底板220上に配置され、収容ケース20内の空間を第2方向に3つに仕切っている。
【0084】
2つの蓄電スタック101のうち第1方向の一方側に位置する蓄電スタック101は、側壁211A,211B、2つの区画壁215A,215Bによって区画された第1領域291に配置されている。
【0085】
2つの蓄電スタック101のうち第1方向の他方側に位置する蓄電スタック101は、側壁211A、211B、区画壁215B、および端壁211Dによって区画された第2領域292に配置されている。
【0086】
区画壁215Aには、第1領域291に向けて開口する複数の開口部251Aが設けられている。区画壁215Bには、第1領域291に向けて開口する複数の開口部251Bおよび第2領域292に向けて開口する複数の開口部252Aが設けられている。端壁211Dには、第2領域292に向けて開口する複数の開口部252Bが設けられている。
【0087】
複数の開口部251Aは、第1方向の一方側に位置する蓄電スタック101が有する第1方向の一方側の端面に設けられた複数の排気弁111に対向している。複数の開口部251Bは、第1方向の一方側に位置する蓄電スタック101が有する第1方向の他方側の端面に設けられた複数の排気弁111に対向している。これにより、排気弁111から排出されたガスを直接開口部251A、251Bから区画壁215A、215B内に導入することができる。区画壁215A,215B内に導入されたガスは、排気経路を通って外部排出口310A,310Bから排出される。
【0088】
複数の開口部252Aは、第1方向の他方側に位置する蓄電スタック101が有する第1方向の一方側の端面に設けられた複数の排気弁111に対向している。複数の開口部252Bは、第1方向の他方側に位置する蓄電スタック101が有する第1方向の他方側の端面に設けられた複数の排気弁111に対向している。これにより、排気弁111から排出されたガスを直接開口部252A、252Bから区画壁215B、端壁211D内に導入することができる。区画壁215B、端壁211D内に導入されたガスは、排気経路を通って外部排出口310A,310Bから排出される。
【0089】
断熱部材40Aは、略枠状形状を有し、複数の壁部210の上面に配置されている。断熱部材40Aは、第1部分41A、第2部分41B、第3部分41C、第4部分41D、第5部分41E、第6部分41Fを含む。
【0090】
第1部分41Aは、側壁211Aの上面に配置される。第1部分41は、側壁211Aの内部に設けられた排気経路の上方に位置している。第2部分41Bは、側壁211Bの上面に配置されている。第2部分41Bは、側壁211Bの内部に設けられた排気経路の上方に位置している。第3部分41Cは、端壁211Cの上面に配置される。第3部分41Cは、端壁211Cの内部に設けられた排気経路の上方に位置している。
【0091】
第4部分41Dは、端壁211Dの上面に配置される。第4部分41Dは、端壁211Dの内部に設けられた排気経路の上方に位置している。第5部分41Eは、区画壁215Aの上面に配置される。第5部分41Eは、区画壁215Aの内部に設けられた排気経路の上方に位置している。第6部分41Fは、区画壁215Bの上面に配置される。第6部分41Fは、区画壁215Bの内部に設けられた排気経路の上方に位置している。
【0092】
以上のように構成される場合であっても、実施の形態2に係る蓄電装置10Aを備えた車両にあっては、実施の形態1に係る車両1とほぼ同様の効果が得られる。
【0093】
(実施の形態3)
図5は、実施の形態3に係る蓄電装置の概略分解斜視図である。図5を参照して、実施の形態3に係る蓄電装置10Bについて説明する。
【0094】
実施の形態3に係る蓄電装置10Bは、実施の形態1に係る蓄電装置10と比較した場合に、収容ケース120の構成、蓄電スタック101の個数、ならびに、断熱部材40Bの形状および配置が主として相違する。その他の構成についてはほぼ同様である。
【0095】
実施の形態3に係る蓄電装置10Bにあっては、4つの区画壁215によって収容ケース120内が5つの領域に仕切られており、5つの蓄電スタック101が第2方向に間隔をあけて配置されている。5つの蓄電スタック101は、一対の側壁211A、211B、複数の区画壁215および一対の端壁211C,211Dによって区画された5つの領域にそれぞれ配置されている。なお、蓄電スタック101の個数は5つに限定されず、単数であってもよいし、2つ以上であってもよい。区画壁215の個数は、蓄電スタック101の個数に応じて適宜設定することができる。なお、蓄電スタック101は、行列状に配置されてもよい。
【0096】
各蓄電スタック101においては、当該蓄電スタック101に含まれる複数の単位セル110の第1端面110aが第1方向の他方側を向くように、複数の蓄電スタック101が第2方向に配列されている。すなわち、各蓄電スタック101においては、複数の排気弁111の全てが、第1方向の他方側を向いている。複数の排気弁111は、交互に上下方向にずれた状態で第2方向に並んでいる。
【0097】
各区画壁215には、各区画壁に対して第1方向の一方側に位置する領域に向けて開口する複数の開口部25h1,25h2が設けられている。端壁211Dにおいても、当該端壁211Dに対して第1方向の一方側に位置する領域に向けて開口する複数の開口部25h1,25h2が設けられている。複数の開口部25h1,25h2は、交互に上下方向にずれた状態で第2方向に並んでいる。複数の開口部25h1,25h2は、第1方向の一方側に位置する蓄電スタック101に含まれる複数の排気弁111に対向している。これにより、排気弁111から排出されたガスを直接開口部25h1、25h2から区画壁215または端壁211D内に導入することができる。区画壁215、端壁211D内に導入されたガスは、排気経路を通って外部排出口310A,310Bから排出される。
【0098】
断熱部材40Bは、第1断熱部材45、第2断熱部材46、および第3断熱部材47を含む。
【0099】
第1断熱部材45は、複数の壁部210のうち電気機器73(図1参照)の下方に位置する部分と電気機器73との間に配置されている。より特定的には、第1断熱部材45は、複数の壁部210のうち電気機器73(図1参照)の下方に位置する部分とアッパー部材300との間に配置されている。第1断熱部材45は、略U字形状を有する。
【0100】
なお、本実施の形態においては、電気機器73は、助手席側に座る乗員の足元付近に配置された車載ECUである場合を例示して説明するが、電子機器73の配置は、上記に限定されず、運手席に座る乗員の足元付近に配置されていてもよい。
【0101】
また、電気機器73に、カーナビゲーション・システムが含まれていてもよい。この場合には、カーナビゲーション・システムは、一対の前部座席71の間の前方側(第1方向の一方側)に配置される。上記第1断熱部材45は、複数の壁部210のうちカーナビゲーション・システムの下方に位置する部分と当該カーナビゲーション・システムとの間に配置されていてもよい。
【0102】
第2断熱部材46は、複数の壁部210のうち一対の前部座席71(図1参照)の下方に位置する部分と一対の前部座席71との間に配置されている。より特定的には、第2断熱部材46は、複数の壁部210のうち一対の前部座席71の下方に位置する部分とアッパー部材300との間に配置されている。
【0103】
第2断熱部材46は、一対の前部座席71の一方の下方に位置する第1部分46Aと、一対の前部座席71の他方に位置する第2部分46Bとを含む。第1部分46Aおよび第2部分46Bは、略U字形状を有する。第1部分46Aおよび第2部分46Bは、互いに独立して配置されている。第1部分46Aおよび第2部分46Bは、U字形状の開口部が互いに向かいあうように第2方向に間隔をあけて配置されている。
【0104】
第3断熱部材47は、複数の壁部210のうち後部座席72(図1参照)の下方に位置する部分と後部座席72との間に配置されている。より特定的には、第3断熱部材47は、複数の壁部210のうち後部座席72の下方に位置する部分とアッパー部材300との間に配置されている。第3断熱部材47は、略枠状形状を有する。第3断熱部材47は、端壁211Dの上面と、当該端壁211Dに最も近い区画壁215の上面と、一対の側壁211A,211Bのうち端壁211Dと当該端壁211Dに最も近い区画壁215とを接続している部分の上面に配置されている。
【0105】
以上のように構成される場合であっても、実施の形態3に係る蓄電装置10Bを備えた車両にあっては、実施の形態1に係る車両1とほぼ同様の効果が得られる。また、断熱部材40Bが第1断熱部材45を備えることにより、排気経路を流通するガスからの熱が壁部210から電気機器73に伝達されることを抑制できる。加えて、断熱部材40Bが第2断熱部材46および第3断熱部材47を備えることにより、排気経路を流通するガスからの熱が、壁部210から一対の前部座席71および後部座席72に伝達されることを抑制できる。
【0106】
なお、上述の実施の形態1から3においては、搭載状態において、第1方向が車両の前後方向に平行となり、第2方向が車両の幅方向に平行となる場合を例示して説明したが、これに限定されない。搭載状態において、第1方向が車両の幅方向に平行となり、第2方向が車両の前後方向と平行となってもよい。
【0107】
以上、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0108】
1 車両、2 車両本体、3 前輪、4 後輪、5 骨格部材、6 サイドメンバ、7 サイドシル、8 締結部材、9 クロス部材、10,10A,10B 蓄電装置、10a 上面、25h1,25h2 開口部、35 本体部、36 被固定部、40,40A,40B 断熱部材、41,41A 第1部分、41B 第2部分、41C 第3部分、41D 第4部分、41E 第5部分、41F 第6部分、42 第2部分、43 第3部分、44 第4部分、45 第1断熱部材、46 第2断熱部材、46A 第1部分、46B 第2部分、47 第3断熱部材、49 断熱部材の一部、71 前部座席、72 後部座席、73 電気機器、80 フロアカーペット、100 蓄電モジュール、101 蓄電スタック、110 単位セル、110a 第1端面、110b 第2端面、111 排気弁、112 筐体、120 収容ケース、200 ロアケース、210 壁部、211A,211B 側壁、211C,211D 端壁、212 仕切壁、213A,213B,214A,214B,215,215A,215B 区画壁、220 底板、221 シール部材、231,232,233,234,235,236 排気経路、251,251A,251B,252,252A,252B,253,254 開口部、255,256 側壁開口部、261,262,263,264 開口部、265,266 側壁開口部、271,272,273,274,275,276 排出口、281,282,283,284,286 排出口、291 第1領域、292 第2領域、293 第3領域、294 第4領域、295 第5領域、296 第6領域、300 アッパー部材、301 天板、302 周壁、303,304 端壁、305,306 側壁、310A,310B,311,312,313,314,315,316,321,326 外部排出口、S 乗車スペース。
【要約】
【課題】蓄電装置からガスが排出された際に乗車スペースへの熱の伝達を抑制可能な車両を提供する。
【解決手段】車両1は、乗車スペースSが設けられた車体2と、乗車スペース2の下方に配置された蓄電装置10と、を備え、蓄電装置10は、1つ以上の蓄電スタック101と、1つ以上の蓄電スタック101を収容する収容ケース120と、を含み、収容ケース120は、1つ以上の蓄電スタック101が配置されるロアケース200と、1つ以上の蓄電スタック101が配置される領域を区画する複数の壁部210と、を有し、複数の壁部210の内部には、1つ以上の蓄電スタック101から排出されたガスが流通可能な排気経路が設けられており、複数の壁部210と乗車スペースとの間に、断熱部材40が配置されている。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5