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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-02
(45)【発行日】2025-07-10
(54)【発明の名称】画像形成装置及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04847 20220101AFI20250703BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20250703BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20250703BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20250703BHJP
【FI】
G06F3/04847
B41J29/42 F
G03G21/00 386
H04N1/00 350
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021037445
(22)【出願日】2021-03-09
(65)【公開番号】P2022137778
(43)【公開日】2022-09-22
【審査請求日】2023-09-20
【審判番号】
【審判請求日】2024-12-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112335
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英介
(74)【代理人】
【識別番号】100101144
【弁理士】
【氏名又は名称】神田 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100101694
【弁理士】
【氏名又は名称】宮尾 明茂
(74)【代理人】
【識別番号】100124774
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 信幸
(72)【発明者】
【氏名】瀬戸 秀基
【合議体】
【審判長】篠塚 隆
【審判官】米倉 明日香
【審判官】村松 貴士
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-159950(JP,A)
【文献】特開2017-21595(JP,A)
【文献】特開2020-100088(JP,A)
【文献】特開2020-78901(JP,A)
【文献】特開2020-74607(JP,A)
【文献】特開2020-119430(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/048-3/04895
B41J 29/00-29/70
G03G 21/00
H04N 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モードに応じた表示画面を表示する表示部と、
前記モードに応じた通知の内容を取得する取得部と、
取得した前記通知の内容を、前記モードの表示内容とともに前記表示画面に表示制御する制御部と、を備え、
前記モードには、ホーム画面を表示するモードと、前記ホーム画面から選択される機能に対応した動作モードの画面を表示するモードとが含まれ、
前記制御部は、
前記通知の内容を前記ホーム画面に表示する場合、前記ホーム画面の前記表示内容と、全ての前記モードに係る前記通知の内容とを並べて表示し、前記通知の内容を前記ホーム画面から選択された機能に対応した動作モードの画面に表示する場合、当該動作モードに係る前記通知の内容を表示することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記通知の内容を表示する領域を前記モードに応じて確保し、当該領域に通知の内容を表示することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記通知の内容を一部の前記表示内容に代えて表示し、ユーザの操作に基づき、前記一部の表示内容を表示する制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記ホーム画面を表示するモードにおいて表示する前記通知の内容の少なくとも一部を、前記動作モードの画面を表示するモードにおいて表示することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、ユーザを認証し、取得した前記通知の内容のうち、認証した前記ユーザに関連した通知の内容を表示することを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記ユーザを認証するための画面を表示制御するとき、前記通知の内容を全て取得し、当該取得した通知の内容の一部又は全てを表示制御することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記表示内容に重ねて、前記通知の内容を表示することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項8】
モードに応じた表示画面を表示する表示部を備える画像形成装置の制御方法であって、
前記モードに応じた通知の内容を取得するステップと、
取得した前記通知の内容を、前記モードの表示内容とともに前記表示画面に表示するステップと、を含み、
前記モードには、ホーム画面を表示するモードと、前記ホーム画面から選択される機能に対応した動作モードの画面を表示するモードとが含まれ、
前記通知の内容を前記ホーム画面に表示する場合、前記ホーム画面の前記表示内容と、全ての前記モードに係る前記通知の内容とを並べて表示し、前記通知の内容を前記ホーム画面から選択された機能に対応した動作モードの画面に表示する場合、当該動作モードに係る前記通知の内容を表示することを特徴とする制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複合機やプリンタといった、電子写真方式により画像を出力する画像形成装置が利用されている。また、画像形成装置に関する情報を表示させるための技術も提案されている。
【0003】
例えば、外部機器から送信された通知情報を受信し、特定の表示部の画面に表示されているUIモードを識別し、第1のUIモードを識別した場合、通知情報を第1のUIモードによる表示画面に表示させ、第2のUIモードを識別した場合、通知情報を第2のUIモードによる表示画面に表示させる情報処理装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-41526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
画像形成装置の操作画面に通知を表示する場合において、当該画像形成装置の状況に関係しない通知が発生したとき、ユーザに不必要な通知が表示されてしまう。これにより、画像形成装置の利便性が損なわれると考えられる。そのため、操作画面の表示内容に応じた通知の内容を表示するための制御が必要とされる。しかしながら、特許文献1では、そのような制御については考慮されていない。
【0006】
上述した課題に鑑み、本開示は、表示内容に応じた通知を表示することが可能な画像形成装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、本開示に係る画像形成装置は、モードに応じた表示画面を表示する表示部と、前記モードに応じた通知の内容を取得する取得部と、取得した前記通知の内容を、前記モードの表示内容とともに前記表示画面に表示制御する制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本開示に係る制御方法は、モードに応じた表示画面を表示する表示部を備える画像形成装置の制御方法であって、前記モードに応じた通知の内容を取得するステップと、取得した前記通知の内容を、前記モードの表示内容とともに前記表示画面に表示するステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、表示内容に応じた通知を表示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態における画像形成装置の外観斜視図である。
図2】第1実施形態における画像形成装置の機能構成を説明するための図である。
図3】第1実施形態におけるホーム画面情報の例を説明するための図である。
図4】第1実施形態における通知情報のデータ構造の例を説明するための図である。
図5】第1実施形態における画像形成装置のメイン処理の流れを説明するためのフロー図である。
図6】第1実施形態におけるホーム画面表示処理の流れを説明するためのフロー図である。
図7】第1実施形態における選択動作モード画面表示処理の流れを説明するためのフロー図である。
図8】第1実施形態における動作例を示す図である。
図9】第1実施形態における動作例を示す図である。
図10】第1実施形態における動作例を示す図である。
図11】第1実施形態における動作例を示す図である。
図12】第1実施形態における動作例を示す図である。
図13】第2実施形態における画像形成装置の機能構成を説明するための図である。
図14】第2実施形態におけるユーザ情報のデータ構造の例を説明するための図である。
図15】第2実施形態における通知情報のデータ構造の例を説明するための図である。
図16】第2実施形態における画像形成装置のメイン処理の流れを説明するためのフロー図である。
図17】第2実施形態におけるログイン画面表示処理の流れを説明するためのフロー図である。
図18】第2実施形態における動作例を示す図である。
図19】第2実施形態における動作例を示す図である。
図20】第3実施形態における動作例を示す図である。
図21】第3実施形態における動作例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本開示を実施するための一実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本開示を説明するための一例であり、特許請求の範囲に記載した発明の技術的範囲が、以下の記載に限定されるものではない。
【0012】
[1.第1実施形態]
[1.1 機能構成]
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照して説明する。図1は第1実施形態に係る画像形成装置10の外観斜視図、図2は、画像形成装置10の機能的構成を示すブロック図である。
【0013】
画像形成装置10は、コピー機能、印刷機能、スキャナ機能、メール送信機能等を有するデジタル複合機(MFP;Multi-Function Peripheral/Printer)である。図2に示すように、画像形成装置10は、制御部100と、画像入力部120と、画像形成部130と、表示部140と、操作部150と、記憶部160と、回線通信部180と、ネットワーク通信部190とを備えて構成される。
【0014】
制御部100は、画像形成装置10の全体を制御するための機能部である。制御部100は、記憶部160に記憶された各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現しており、例えば、1又は複数の演算装置(CPU(Central Processing Unit))等により構成される。
【0015】
画像入力部120は、画像形成装置10に画像データを入力する。例えば、画像入力部120は、画像を読み取って画像データを生成することが可能なスキャナ装置等により構成される。スキャナ装置は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCIS(Contact Image Sensor)等のイメージセンサによって画像を電気信号に変換し、電気信号を量子化及び符号化することでデジタルデータを生成する。なお、画像入力部120は、USB(Universal Serial Bus)メモリや、SDカード等の記憶媒体に記憶された画像データを読み出すためのインターフェイス(端子)により構成されてもよい。また、画像入力部120は、ネットワーク通信部190を介して、当該他の装置から画像データを入力してもよい。
【0016】
画像形成部130は、記録用紙等の記録媒体に対して画像を形成(印刷)する。画像形成部130は、例えば、電子写真方式を利用したレーザプリンタ等の印刷装置により構成される。画像形成部130は、例えば、図1の給紙トレイ132から記録用紙を給紙し、記録用紙の表面に画像を形成し、記録用紙を排紙トレイ134から排紙する。
【0017】
表示部140は、各種情報を表示する。表示部140は、例えば、LCD(Liquid crystal display)、有機EL(electro-luminescence)パネル、マイクロLED(Light Emitting Diode)ディスプレイ等の表示装置により構成される。
【0018】
操作部150は、画像形成装置10を使用するユーザによる操作指示を受け付ける。操作部150は、各種キースイッチや、接触(タッチ)による入力を検出するタッチセンサといった入力装置により構成されている。タッチセンサにおいて入力を検出する方式は、例えば、抵抗膜方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式といった、一般的な検出方式であればよい。なお、画像形成装置10には、表示部140と、操作部150とが一体に形成されたタッチパネルが搭載されてもよい。
【0019】
記憶部160は、画像形成装置10の動作に必要な各種プログラムや、各種データを記憶する。記憶部160は、例えば、半導体メモリであるSSD(Solid State Drive)や、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置により構成される。
【0020】
記憶部160は、ホーム画面情報162を記憶する。また、記憶部160は、記憶領域として、画面情報記憶領域164及び通知情報記憶領域166を確保する。
【0021】
ホーム画面情報162は、ホーム画面の表示内容を示す情報である。ホーム画面とは、画像形成装置10が備える機能をユーザによって選択させるための画面である。ホーム画面情報162は、例えば、図3に示すように、画像形成装置10が備える機能(例えば、「シンプルコピー」)と、当該機能を使用するためのボタンを表示するか否かを示す表示フラグ(例えば、「Yes」)とが記憶されたテーブルである。この場合、テーブルに記憶された表示フラグの内容は、画像形成装置10の管理者等によって修正(カスタマイズ)可能であってもよい。その他にも、ホーム画面情報162には、ホーム画面のレイアウトや、配色、表示要素が記憶されていてもよい。表示要素とは、画面に表示されるボタン、テキスト、フィールド、アイコン等の要素である。
【0022】
画面情報記憶領域164は、ホーム画面以外の画面の表示内容を示す情報(画面情報)が記憶される領域である。画面情報は、例えば、動作モードと、当該動作モードにおいて表示される画面の情報(例えば、レイアウト、配色、表示要素等)とが対応付けられた情報である。なお、動作モードとは、画像形成装置10が備える機能のうち特定の機能を動作させるために、画像形成装置10の内部で保持される状態である。
【0023】
画面情報は、予め画像形成装置10に記憶される。また、画面情報は、画像形成装置10の管理者等によって修正(カスタマイズ)可能であってもよい。
【0024】
通知情報記憶領域166は、通知に関する情報(通知情報)が記憶される領域である。本実施形態における通知とは、画像形成装置10の状態を示す情報や、管理に必要な情報であって、画像形成装置10を使用するユーザに対して報知される情報をいう。
【0025】
通知情報には、例えば、図4に示すように、通知内容(例えば、「リテンションデータがあります。」)と、当該通知内容に関連する動作モードを示す対応動作モード(例えば、「シンプルコピー」)とが記憶される。
【0026】
通知情報には、特定の動作モードと関連付けられていない通知内容が記憶されてもよい。特定の動作モードと関連付けられていない通知内容は、例えば、図4のD100に示すように、対応動作モードに特定の動作モードの情報が記憶されない通知情報によって表される。
【0027】
回線通信部180は、公衆回線(例えば、一般電話回線)を介して外部の装置と通信を行う。回線通信部180は、例えば、公衆回線に接続可能なケーブルを差し込むことが可能な端子等によって構成される。
【0028】
ネットワーク通信部190は、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)を介して外部の装置と通信を行う。ネットワーク通信部190は、例えば、有線/無線LANで利用されるNIC(Network Interface Card)等の通信装置や通信モジュールにより構成される。
【0029】
また、制御部100は、記憶部160に記憶されたプログラム実行することにより、画像処理部102及び通知情報管理部104として機能する。
【0030】
画像処理部102は、各種画像に関する処理を行う。例えば、画像処理部102は、画像入力部120によって読み取られた画像に対して、鮮鋭化処理や、階調変換処理を実行する。
【0031】
通知情報管理部104は、通知情報記憶領域166に通知情報を記憶したり、通知情報記憶領域166に記憶された通知情報を削除したりすることで、通知情報の管理を行う。
【0032】
例えば、通知情報管理部104は、画像形成装置10が正常な状態であるかを監視する。また、通知情報管理部104は、画像形成装置10が正常な状態でないときは、正常な状態でないことを示す通知情報を通知情報記憶領域166に記憶し、正常な状態に戻ったときは、対応する通知情報を通知情報記憶領域166から削除する。
【0033】
画像形成装置10が正常な状態でない場合とは、例えば、以下の場合である。
・ADF(Auto Document Feeder)のカバーやトナーカートリッジ収容部のカバーが開いているとき
・紙詰まりが生じているとき
・用紙切れが生じているとき
・トナー切れが生じているとき
・ネットワークに障害が生じているとき
【0034】
また、通知情報管理部104は、画像形成装置10の状態に基づく情報を、通知情報として通知情報記憶領域166に記憶してもよい。画像形成装置10の状態に基づく情報とは、例えば、以下のような情報である。
・トナー切れに近いとき(トナーのニアエンプティ)
・用紙切れに近いとき(用紙のニアエンド)
・ファクシミリを受信したとき
【0035】
さらに、通知情報管理部104は、画像形成装置10の使用状況に関する情報を、通知情報として通知情報記憶領域166に記憶してもよい。例えば、通知情報管理部104は、画像形成装置10が使用され始めてから所定の期間が経過するまで、画像形成装置10の操作方法や画像形成装置10が備える機能の紹介等の情報を通知情報として通知情報記憶領域166に記憶してもよい。また、通知情報管理部104は、画像形成装置10が使用され始めてから所定の期間が経過したあと、画像形成装置10の部品(例えば、感光体ドラム)の交換が必要になるといった情報を通知情報として通知情報記憶領域166に記憶してもよい。
【0036】
また、通知情報管理部104は、画像形成装置10の管理者等の操作に基づき、通知内容と当該通知内容と対応する動作モードの情報を受信し、当該受信した情報に基づく通知情報を通知情報記憶領域166に記憶してもよい。
【0037】
[1.2 処理の流れ]
本実施形態における画像形成装置10の制御部100が実行する主な処理について、図5から図7を参照して説明する。図5から図7に示した処理は、例えば、制御部100が、記憶部160に記憶されたプログラムを読み出すことにより実行される。
【0038】
また、本実施形態では、電源が投入されたときや、スリープモードや低電力モードから復帰したとき、制御部100は、動作モードを、ホーム画面を表示するモードであるホーム画面表示モードに切り替えることとして説明する。
【0039】
[1.2.1 メイン処理]
はじめに、図5に記載したメイン処理について説明する。メイン処理は、動作モードが切り替えられたときに、制御部100により実行される処理である。
【0040】
はじめに、制御部100は、画像形成装置10の動作モードがホーム画面表示モードであるか否かを判定する(ステップS100)。制御部100は、動作モードがホーム画面表示モードであると判定した場合、ホーム画面を表示部140に表示する処理であるホーム画面表示処理を実行する(ステップS100;Yes→ステップS102)。ホーム画面表示処理については後述する。
【0041】
一方、制御部100は、動作モードがホーム画面表示モードではないと判定した場合、所定の機能を動作させるモードである選択動作モードであるか否かを判定する(ステップS100;No→ステップS104)。
【0042】
選択動作モードは、ホーム画面を介してユーザによって選択された動作モードである。選択動作モードには、例えば、コピー機能を動作させるためのコピーモード、回線通信部180を介して画像を送信するファクスモード、画像入力部120を介して読み取られた画像を他の装置に送信するスキャナモード等が含まれる。
【0043】
制御部100は、動作モードが選択動作モードであると判定した場合、当該動作モードに対応する機能を動作させるための設定等を行うことが可能な画面を表示する処理である選択動作モード画面表示処理を実行する(ステップS104;Yes→ステップS106)。選択動作モード画面表示処理については後述する。
【0044】
なお、制御部100は、動作モードが選択動作モードではないと判定した場合、メイン処理を終了する(ステップS104;No)。
【0045】
[1.2.2 ホーム画面表示処理]
図6を参照して、ホーム画面表示処理について説明する。はじめに、制御部100は、記憶部160から、ホーム画面情報162を取得する(ステップS140)。さらに、制御部100は、記憶部160の通知情報記憶領域166を読み出すことで、通知情報記憶領域166に記憶されている全ての通知情報を取得する(ステップS142)。
【0046】
つづいて、制御部100は、表示部140の表示領域内に、インフォメーション領域を確保する(ステップS144)。インフォメーション領域とは、通知情報に含まれる通知内容を表示するための領域である。
【0047】
ここでは、動作モードがホーム画面を表示するホーム画面表示モードであるため、制御部100は、ホーム画面に表示される画面に応じて、インフォメーション領域を確保する。例えば、ホーム画面に、動作モードを切り替えるためにユーザによって選択されるボタン(動作モードボタン)を表示する領域が含まれる場合、制御部100は、動作モードボタンを表示する領域内に、インフォメーション領域として、所定の大きさの領域を確保する。この場合、制御部100が確保するインフォメーション領域は、ステップS142において取得した通知情報の数や通知内容の文字数(表示量)に応じた大きさであってもよいし、固定の大きさであってもよい。
【0048】
つづいて、制御部100は、ステップS144において確保したインフォメーション領域に、ステップS142において取得した通知情報に記憶された通知の内容を表示する(ステップS146)。また、制御部100は、ステップS140において取得したホーム画面情報162に基づき、表示部140にホーム画面を表示する(ステップS148)。これにより、動作モードボタンや、テキストや、アイコンといった表示要素が表示部140に表示される。このとき、制御部100は、インフォメーション領域を確保している場合は、当該確保したインフォメーション領域に応じたホーム画面を表示する。例えば、動作モードボタンを表示する領域内にインフォメーション領域が確保されている場合、制御部100は、動作モードボタンを表示する領域のうち、インフォメーション領域ではない領域に、動作モードボタンを表示する。これにより、ホーム画面には、動作モードボタンと、通知の内容とが、並べて表示される。
【0049】
制御部100は、ステップS100からステップS148までの処理を実行することにより、ホーム画面の表示内容(例えば、動作モードボタン等の表示要素)と、通知の内容とを、表示部140に表示することができる。
【0050】
つづいて、制御部100は、動作モードボタンがユーザによって選択されたか否かを判定する(ステップS150)。例えば、制御部100は、操作部150を介して、動作モードボタンが表示された領域に対してタッチする操作が入力された場合、動作モードボタンが選択されたと判定する。
【0051】
制御部100は、動作モードボタンが選択されたと判定した場合、選択された動作モードボタンに対応した動作モードに切り替える(ステップS150;Yes→ステップS152)。
【0052】
[1.2.3 選択動作モード画面表示処理]
図7を参照して、選択動作モード画面表示処理について説明する。はじめに、制御部100は、記憶部160の画面情報記憶領域164から、画像形成装置10の動作モードに対応する画面情報を取得する(ステップS170)。
【0053】
つづいて、制御部100は、画像形成装置10の動作モードに基づく通知情報を取得する(ステップS172)。例えば、制御部100は、記憶部160の通知情報記憶領域166から、以下の通知情報を取得する。
(1)対応動作モードが現在の動作モードと一致する通知情報
(2)特定の動作モードと関連付けられていない通知情報
【0054】
つづいて、制御部100は、インフォメーション領域を確保する(ステップS174)。ここで、ステップS174においては、動作モードは、画像形成装置10が備える所定の機能を動作させるための動作モードである。そのため、制御部100は、ホーム画面のような動作モードボタンを表示する画面とは異なり、当該機能の設定を変更する指示や、処理の実行の指示を受け付けるための画面を表示する。
【0055】
例えば、制御部100は、ステップS170において取得した画面情報に基づき画面を表示するとき、動作モードボタンを表示する領域の代わりに、設定を行うためのボタン等の要素が表示(配置)する領域を確保する。したがって、制御部100は、ステップS170において取得した画面情報に基づき画面を表示する場合、ボタン等の要素が表示(配置)される領域とは異なる場所に、インフォメーション領域を確保する。例えば、制御部100は、ボタン等の要素が表示(配置)される領域の上側に位置に、インフォメーション領域を確保する。
【0056】
つづいて、制御部100は、ステップS174において確保したインフォメーション領域に、ステップS172において取得した通知情報に記憶された通知の内容を表示する(ステップS176)。
【0057】
また、制御部100は、ステップS170において取得した画面情報に基づき、表示部140に動作モードの画面を表示する(ステップS178)。例えば、制御部100は、レイアウトの情報に基づき表示要素を配置したり、配色の情報に基づき表示要素を装飾したりする。
【0058】
制御部100は、ステップS170からステップS178までの処理を実行することにより、ユーザによって選択された機能に対応する動作モード(選択動作モード)の表示内容(例えば、設定を行うためのボタン等の表示要素)と、通知の内容とを、表示部140に表示することができる。また、制御部100は、ステップS174において、選択動作モードに対応する表示画面に応じてインフォメーション領域を確保するため、適切な位置に通知を表示することが可能となる。
【0059】
つづいて、制御部100は、表示部140にホーム画面表示モードに切り替えるためのホームボタンを表示する(ステップS180)。また、制御部100は、ホームボタンがユーザによって選択されたと判定した場合は、画像形成装置10の動作モードをホーム画面表示モードに切り替える(ステップS182;Yes→ステップS184)。
【0060】
[1.3 動作例]
つづいて、図8から図10を参照して、本実施形態における動作例を説明する。図8は、表示部140に表示されるホーム画面W100の画面例を示した図である。ホーム画面W100には、現在の動作モードや画像形成装置10の状態を表示するステータス領域E100と、動作モードボタンを表示する領域E102とが含まれる。
【0061】
ステータス領域E100には、画像形成装置10の状態に基づく一時的な情報が表示されてもよい。ステータス領域E100に表示される情報は、例えば、実行予定のジョブの数や種類や、実行が完了したジョブの内容である。
【0062】
また、領域E102に、全ての動作モードボタンが表示しきれない場合は、領域E102に表示される動作モードボタンが切り替えられるようにしてもよい。例えば、表示部140に表示される動作モードボタンの表示を切り替えるためのボタンB100が、ホーム画面W100に含まれていてもよい。
【0063】
図9(a)は、通知の内容が表示される場合に表示部140に表示されるホーム画面W110の画面例を示した図である。ホーム画面W110には、動作モードボタンを表示する領域E110に加えて、インフォメーション領域E112が確保される。インフォメーション領域E112には、画像形成装置10に記憶されている全ての通知の内容が表示される。
【0064】
なお、全ての通知の内容がホーム画面W110に表示できない場合は、インフォメーション領域E112をスクロール可能な領域とし、ユーザのスクロール操作に応じて、通知の内容が表示されるようにしてもよい。また、インフォメーション領域E112に表示される通知の内容が切り替えられるようにしてもよい。
【0065】
また、インフォメーション領域E112が確保されたことにより、ホーム画面W110に表示可能な動作モードボタンの数が減少する場合がある。例えば、図8に示したホーム画面W100では、領域E102に、8個の動作モードボタンが表示される。一方、図9(a)に示したホーム画面W110では、領域E110に、4個の動作モードボタンが表示される。この場合、領域E110に表示されなくなった動作モードボタンは、領域E110に表示される動作モードボタンの表示を切り替えるためのボタンB110によって表示されるようにしてもよい。つまり、ホーム画面に表示される動作モードボタンは、ユーザの操作に基づいて切り替えられるようにしてもよい。
【0066】
ここで、インフォメーション領域E112が確保されたことにより表示されなくなる動作モードボタンは、例えば、動作モードボタンの表示順に従って画像形成装置10(制御部100)によって自動的に決定される。なお、ホーム画面情報162に、機能毎の優先度を記憶させ、優先度が高い機能に対応する動作モードボタンは、インフォメーション領域E112が確保されても、優先的に表示させるようにしてもよい。この場合、優先度が低い機能に対応する動作モードボタンを表示させるためには、ユーザによる操作が必要となる。
【0067】
図9(b)は、図9(a)における動作モードボタンの表示を切り替えるためのボタンB110が選択された場合に表示部140に表示されるホーム画面W120の画面例である。このようにして、ホーム画面に表示される動作モードボタンのページが切り替わる。
【0068】
なお、インフォメーション領域E122は、ページが切り替わっても確保されたままでもよいし、ページが切り替わったタイミングで開放されてもよい。また、インフォメーション領域E122は、2ページ目以降では確保されなくてもよいし、1ページ目の大きさと比べて小さい領域であってもよい。
【0069】
図10は、ユーザによって動作モードボタンが選択された後に表示部140に表示される画面W130の画面例を示した図である。画面W130は、シンプルコピーモードという動作モードの画面である。ユーザは、画面W130を介して、シンプルコピーという機能に関する設定を行うことが可能である。
【0070】
また、図10に示すように、インフォメーション領域E130は、設定を行うためのボタン等が表示されている部分の上に確保される。このように、インフォメーション領域E130は、動作モードの設定の操作を損なわないように確保される。
【0071】
インフォメーション領域E130には、シンプルコピーモードに対応する通知の内容が表示される。このように、特定の動作モードに対応する画面には、ホーム画面と比べて、当該動作モードに関連する通知の内容のみが引き続き表示される。
【0072】
なお、インフォメーション領域E130に表示される通知の内容の表示態様は、通知される内容の数やユーザによる操作によって、適宜変更されてもよい。例えば、動作モードに対応する通知の内容がインフォメーション領域E130に全て表示できない場合、インフォメーション領域E130の表示態様やインフォメーション領域E130に表示される通知の内容は、ユーザの操作によって切り替わるようにしてもよい。例えば、インフォメーション領域E130は、ユーザの操作(例えば、タッチ操作やピンチアウト操作)に応じて、一時的にインフォメーション領域E130を拡大して表示(動作モードの設定を行うためのボタン等に重畳表示)されてもよい。この場合、拡大表示されたインフォメーション領域E130には、拡大される前に表示されていた通知の内容の数よりも多い数の通知の内容が表示されてもよい。また、通知の内容が複数のページに分割され、インフォメーション領域E130にページの切り替えを行うためのボタンが表示されてもよい。この場合、インフォメーション領域E130に表示される通知の内容は、ページの切り替えを行うためのボタンに対するユーザの操作に応じて切り替わる。
【0073】
なお、インフォメーション領域E130に表示される通知の内容は、一定の時間が経過する度に、自動的に切り替わってもよい。また、インフォメーション領域E130がスクロール可能な領域であってもよい。
【0074】
また、インフォメーション領域E130は画面W130の上部分に確保されなくてもよく、例えば、画面W130の右部分、左部分、下部分に確保されてもよい。
【0075】
このように、ホーム画面がユーザによって選択された動作モードの画面に切り替えられた場合、通知の内容は、ホーム画面と動作モードの画面とにおいて同じ位置に表示されてもよいし、別の場所に表示されてもよい。動作モードの画面において、通知の内容がホーム画面と別の場所に表示される場合は、動作モードの画面において、ユーザの操作を受付け不可にしない位置に通知が表示される。
【0076】
また、ホーム画面と、ユーザによって選択された動作モードの画面とにおいて、同じ内容の通知が表示される場合、当該通知の内容は、同じ背景色や形状の図形の上に表示されたり、同じアイコンが表示されたりすることで、同じ表示態様で表示されてもよい。このように、ホーム画面と、遷移後の画面とにおいて、同じ通知の内容を、同じ態様により表示することで、ユーザに同じ情報が表示されていることを認識させることができる。
【0077】
[1.4 本実施形態の変形例]
つづいて、本実施形態の変形例として、通知の内容に優先度が設定され、当該優先度に応じて通知の内容が表示される例について説明する。
【0078】
はじめに、通知の内容の種類ごとに表示レベルを設定する例を説明する。この例では、記憶部160には、図11(a)に示すように、通知の内容の種類(例えば、「リテンションデータがないことの通知」)と、表示レベル(例えば、「表示する(強調)」)とが対応付けられたテーブル(表示レベルテーブル)が記憶される。
【0079】
表示レベルは、例えば、「表示する(強調)」「表示する」「表示しない」の何れかが記憶される。表示レベルは、画像形成装置10の管理者等により設定される。
【0080】
また、制御部100は、ホーム画面表示処理のステップS146や、選択動作モード画面表示処理のステップS176において、表示レベルテーブルに応じて、通知の内容を表示する。
【0081】
例えば、制御部100は、表示レベルが「表示する(強調)」又は「表示する」に設定された通知の種類に対応する通知の内容のみを表示する制御を行う。また、制御部100は、表示レベルが「表示する(強調)」に設定された通知の種類に対応する通知の内容は、表示レベルが「表示する」に設定された通知の種類に対応する通知の内容よりも目立つ表示にしてもよい。さらに、制御部100は、表示レベルが「表示する(強調)」に設定された通知の種類に対応する通知の内容を優先的に表示してもよい。
【0082】
図11(b)は、通知の内容が表示レベルテーブルに基づいて表示部140に表示される場合のホーム画面W140の画面例を示した図である。ホーム画面W140には、インフォメーション領域E140が確保され、表示レベルが「表示する(強調)」又は「表示する」に設定された通知の種類に対応した通知の内容が表示される。
【0083】
また、表示レベルに応じて、通知の内容が強調されて表示されたり、通知の内容が並び替えられて表示されたりする。この結果、「表示する(強調)」に設定された通知の種類に対応する通知の内容が、ユーザによって視認されやすい態様で表示される。
【0084】
このように、画像形成装置10の管理者等は、通知の種類に応じて、通知の表示のレベルを制御することができる。例えば、画像形成装置10の管理者等は、ユーザに特に見てもらう必要のある通知を、目立たせて表示させることが可能となる。
【0085】
つづいて、別の例として、通知の内容ごとに優先度を設定する例を説明する。この例では、通知情報には、図12(a)に示すように、通知の内容及び対応動作モードの他に、種別(例えば、「情報」)と、優先度(例えば、「20」)とが記憶される。
【0086】
種別は、通知の内容の種別を示す情報であり、例えば、「エラー」「情報」「案内」といった情報が記憶される。また、優先度は数値が記憶される。図12(a)の例では、数値が小さいほど優先度が高いことを示す。優先度は、画像形成装置10の管理者等によって設定されてもよいし、種別に対応して自動的に設定されてもよいし、通知の内容に応じて自動的に設定されてもよい。
【0087】
また、制御部100は、ホーム画面表示処理のステップS146や、選択動作モード画面表示処理のステップS176において、種別や優先度に応じて通知の内容を表示する。
【0088】
図12(b)は、通知の内容が表示レベルテーブルに基づいて表示部140に表示されるホーム画面W150の画面例を示した図である。ホーム画面W150には、インフォメーション領域E150が確保され、種別や優先度に応じて通知の内容が表示される。
【0089】
例えば、優先度が高い通知の内容ほど優先的に表示されたり、種別に応じた表示態様により通知の内容が表示されたりする。また、通知の内容は、種別毎に並び替えられて表示されてもよい。
【0090】
なお、本実施形態では、インフォメーション領域が自動的に確保されることとして説明したが、別の方法によりインフォメーション領域が確保されてもよい。例えば、画像形成装置10のホーム画面や所定の動作モードの画面に、通知の内容を表示するウィジェットが配置できるようにする。この場合、画像形成装置10は、当該通知の内容を表示するウィジェットが配置された領域を、インフォメーション領域として確保する。このようにすることで、ユーザは、通知の内容が表示される位置や大きさを、自由に設定することが可能となる。
【0091】
このように、本実施形態によれば、ホーム画面や所定の機能が使用される場合に表示される画面において、表示される画面に関連した通知の内容を、適切な位置に表示することが可能となる。
【0092】
特に、ホーム画面では通知の内容を全て表示するが、所定の機能に対応する画面では当該機能に関連する通知のみが表示され、他の通知は非表示にされる。これにより、本実施形態の画像形成装置は、ユーザに対して、不要な情報を与えることなく、注目すべき情報のみに注意を向けさせることができる。この結果、ユーザは、必要な対応や手順を明確にすることができ、誤動作となる操作を低減させることができる。
【0093】
例えば、本実施形態における画像形成装置は、コピー機能が使用される場合において、ネットワーク機能が使用できないときは、ネットワーク機能が使用できないことを内容とした通知を非表示にする。これにより、ユーザに対して、コピー機能を使用するためにネットワークの状態を考慮する必要があるといった誤解がされることを防止し、作業の遅延や誤操作がされる可能性を低減させることができる。
【0094】
また、所定の機能に対応する画面に当該機能に関連する通知の内容が表示されるため、ユーザは、ホーム画面に表示された通知の内容を見落としても、選択した機能を使用するときに、通知に気づくことができる。
【0095】
一方で、所定の機能に対応する画面には、当該機能に関連しない通知の内容は表示されない。したがって、ユーザは、所定の機能を使用する場合において、通知の内容と使用する機能とが関連しているか否かを判断する必要がなくなる。
【0096】
このようにして、本実施形態の画像形成装置は、表示部に表示される画面に応じて、適切に通知の内容を表示させることが可能となる。
【0097】
[2.第2実施形態]
つづいて第2実施形態について説明する。第2実施形態は第1実施形態と異なり、動作モード及びユーザに応じて、通知の内容を表示する実施形態である。本実施形態は、第1実施形態の図2図13に、第1実施形態の図5図16に、それぞれ置き換えたものである。なお、同一の機能部及び処理には同一の符号を付し、説明については省略する。
【0098】
[2.1 機能構成]
図13を参照して、本実施形態における画像形成装置12の機能構成を説明する。画像形成装置12は、第1実施形態における画像形成装置10と異なり、記憶部160に、さらにユーザ情報記憶領域168が確保される。
【0099】
ユーザ情報記憶領域168は、画像形成装置12を使用するユーザの情報(ユーザ情報)が記憶される領域である。ユーザ情報には、例えば、図14に示すように、ユーザを識別するための情報であるログイン名(例えば、「userA」)と、パスワード(例えば、「abc123」)と、ユーザ名(例えば、「John Smith」)と、ユーザ種別(例えば、「一般ユーザ」)とが記憶される。
【0100】
本実施形態では、ユーザ種別には、「一般ユーザ」「管理者」の何れかの情報が記憶されるとして説明する。なお、ユーザ種別は、「一般ユーザ」「管理者」以外の情報が記憶されてもよい。
【0101】
つづいて、図15を参照して、本実施形態における通知情報について説明する。本実施形態における通知情報は、第1実施形態における通知情報とは異なり、さらに、対象ユーザ(例えば、「管理者」)が記憶される。なお、本実施形態では、対象ユーザには、ユーザ種別又はログイン名の何れかが記憶される。
【0102】
[2.2 処理の流れ]
[2.2.1 メイン処理]
本実施形態における画像形成装置12の制御部100が実行する主な処理について、図16及び図17を参照して説明する。なお、本実施形態では、スリープモードや低電力モードから復帰したとき、制御部100は、動作モードを、ログイン画面を表示するモードであるログイン画面表示モードに切り替えることとして説明する。
【0103】
はじめに、図16に記載したメイン処理について説明する。本実施形態では、制御部100は、ログイン画面表示モードであるか否かを判定する(ステップS200)。制御部100は、動作モードがログイン画面表示モードであると判定した場合、ログイン画面を表示部140に表示する処理であるログイン画面表示処理を実行する(ステップS200;Yes→ステップS202)。ログイン画面表示処理については後述する。
【0104】
また、制御部100は、ユーザによってログアウト操作がされた場合、当該ユーザをログアウトする処理を実行し、さらに、動作モードをログイン画面表示モードに切り替える(ステップS204;Yes→ステップS206→ステップS208)。
【0105】
[2.2.2 ログイン画面表示処理]
図17を参照して、ログイン画面表示処理について説明する。はじめに、制御部100は、記憶部160の通知情報記憶領域166を読み出すことで、通知情報記憶領域166に記憶されている全ての通知情報を取得する(ステップS220)。
【0106】
つづいて、制御部100は、表示部140の表示領域内に、インフォメーション領域を確保する(ステップS222)。ステップS222においては、動作モードは、ログイン画面を表示するログイン画面表示モードである。そのため、制御部100は、動作モードボタンを表示する領域や、機能の設定を変更の指示等を受け付けるボタン等を表示する領域の代わりに、認証に用いられる情報(例えば、ログイン名とパスワード)を入力するための入力欄を表示する領域を確保する。そこで、制御部100は、認証に用いられる情報を入力するための入力欄を表示する領域とは異なる場所に、インフォメーション領域を確保する。例えば、制御部100は、入力欄を表示する領域を表示部140の表示領域の左側に確保し、インフォメーション領域を表示部140の表示領域の右側に確保する。これにより、制御部100は、入力欄と通知の内容とを、左右に並べて表示することができる。
【0107】
つづいて、制御部100は、ステップS222において確保したインフォメーション領域に、ステップS220において取得した通知情報に記憶された通知の内容を表示する(ステップS224)。
【0108】
つづいて、制御部100は、表示部140の表示領域内に、認証に用いられる情報(例えば、ログイン名とパスワード)を入力するための入力欄と、認証を実行するために用いられる認証ボタンとを表示する(ステップS226)。
【0109】
つづいて、制御部100は、ユーザによって認証ボタンが選択されたとき、入力欄に入力された情報に基づき認証を行い、認証が成功したか否かを判定する(ステップS228)。例えば、制御部100は、ユーザによって入力されたログイン名とパスワードとが、ユーザ情報記憶領域168に記憶された何れかのユーザ情報と一致するか否かを判定する。ユーザによって入力されたログイン名とパスワードとが、ユーザ情報記憶領域168に記憶された何れかのユーザ情報と一致すると判定した場合、制御部100は、認証が成功したと判定する。
【0110】
つづいて、制御部100は、認証したユーザをログインさせるための処理を実行する(ステップS228;Yes→ステップS230)。さらに、制御部100は、動作モードをホーム画面表示モードに切り替える(ステップS232)。
【0111】
[2.2.3 ホーム画面表示処理及び選択動作モード画面表示処理]
本実施形態では、第1実施形態において説明したホーム画面表示処理のステップS142において、通知情報記憶領域166に記憶された通知情報のうち、ログインしたユーザに関連する通知情報を取得する処理を実行する。
【0112】
ログインしたユーザに関連する通知情報は、以下の通知情報である。
(1)ログインしたユーザのユーザ種別が管理者である場合:全ての通知情報
(2)ログインしたユーザのユーザ種別が一般ユーザである場合:ユーザ種別が「一般ユーザ」である通知情報及びログインしたユーザのログイン名と同じログイン名が記憶された通知情報
【0113】
また、本実施形態では、第1実施形態において説明した選択動作モード表示処理のステップS172において、通知情報記憶領域166に記憶された通知情報のうち、ログインしたユーザに関連する通知情報であって、動作モードに基づく通知情報を取得する。
【0114】
上述した処理が実行されることにより、ホーム画面や、ユーザによって選択された動作モードの画面においては、当該ユーザに関連する通知の内容が表示される。
【0115】
[2.3 動作例]
つづいて、図18および図19を参照して、本実施形態における動作例を説明する。図18は、表示部140に表示されるログイン画面W200の画面例を示した図である。ログイン画面W200には、入力欄及び認証ボタンが表示される領域E200と、インフォメーション領域E202とが含まれる。これにより、ユーザは認証の操作を行うとき、通知の内容を確認することができる。
【0116】
図19は、表示部140に表示されるホーム画面を示した図である。図19(a)は、ユーザ種別が「管理者」であるユーザがログインした場合に表示されるホーム画面W210の表示例である。ホーム画面W210には、インフォメーション領域E210が確保される。一方、図19(b)は、ユーザ種別が「一般ユーザ」であるユーザがログインした場合に表示されるホーム画面W220の表示例である。ホーム画面W220には、インフォメーション領域E220が確保される。
【0117】
ここで、インフォメーション領域E210には、画像形成装置12に記憶された全ての通知の内容が表示される。したがって、画像形成装置12の管理者は、ユーザに通知される内容を全て把握することが可能となる。一方、インフォメーション領域E220には、画像形成装置12に記憶された全ての通知の内容のうち、認証されたユーザに関連する通知の内容だけが表示される。したがって、画像形成装置12を使用する一般ユーザは、ユーザに関連する内容だけを把握することが可能となる。
【0118】
なお、画像形成装置12は、ユーザ認証機能の有効又は無効を切り替えられてもよい。ユーザ認証機能が有効である場合は、画像形成装置12は第2実施形態において説明した処理を実行し、ユーザ認証機能が無効である場合は、画像形成装置12は第1実施形態において説明した処理を実行すればよい。
【0119】
また、本実施形態では、画像形成装置12がユーザの認証を行うこととして説明したが、ユーザの認証は、画像形成装置12と接続された装置(例えば、認証サーバ)によって行われてもよい。
【0120】
本実施形態の画像形成装置によれば、ログイン画面に通知の内容が表示されるため、ユーザはログインする前に、画像形成装置の状態を把握することができる。また、ユーザは、通知の内容に基づき、適切な操作を行うことができる。例えば、用紙が切れていた場合、ユーザは、用紙を補充してからログインすることができる。また、ネットワークの状態が悪い場合、ユーザは、画像形成装置の管理者に報告するといったことができる。
【0121】
また、本実施形態の画像形成装置によれば、ログイン画面からホーム画面に表示が切り替わったとき、ログインしたユーザに応じた通知の内容のみが表示され、ユーザに関連しない通知の内容は非表示に成る。この結果、本実施形態の画像形成装置は、ユーザに対して、不要な情報を与えることなく、注目すべき情報のみに注意を向けさせることができる。この結果、本実施形態の画像形成装置は、ユーザに対して、必要な対応や手順を明確にすることができ、誤動作となる操作を低減させることができる。
【0122】
例えば、アプリケーションやファームウェアのアップデート情報がログイン画面に表示されている場合において、ログインしたユーザが管理者でないときは、アプリケーション等のアップデート情報は表示されなくなる。これにより、本実施形態の画像形成装置は、ユーザに対して、アプリケーション等のアップデートをしなければ、画像形成装置の機能を利用できないといった誤解がされることを防止し、作業の遅延や誤操作がされる可能性を低減させることができる。
【0123】
[3.第3実施形態]
つづいて、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、インフォメーション領域が、ユーザの操作を受付け不可にする(ブロックする)場所に確保される実施形態である。本実施形態は、第1実施形態及び第2実施形態の何れにも適用することが可能である。
【0124】
本実施形態では、所定の機能が利用できない場合、当該機能を使用するために選択される表示要素の上にインフォメーション領域が確保される。また、当該インフォメーション領域に、当該機能を利用できない原因や対処方法を含む通知の内容が表示される。
【0125】
具体的には、制御部100は、ホーム画面表示処理のステップS144において、ステップS142において取得した通知情報に記憶された通知の内容が、所定の機能が利用できないことを示す内容であるか否かを判定する。そして、制御部100は、通知の内容が所定の機能が利用できないことを示す内容である場合、当該所定の機能を利用するために選択される表示要素が表示される場所に重なるように、インフォメーション領域を確保する。さらに、制御部100は、ステップS146において、ステップS144において確保したインフォメーション領域に、所定の機能が利用できないことを示す通知の内容を表示する。
【0126】
なお、制御部100は、上述した処理と同様の処理を、選択動作モード画面表示処理のステップS174~ステップS176においても実行する。
【0127】
つづいて、図20および図21を参照して、本実施形態における実施例を説明する。図20(a)は、インフォメーション領域E300(通知の内容を表示するウィジェット)が、動作モードボタンに重なる位置に確保された場合に表示部140に表示されるホーム画面W300の画面例を示す図である。
【0128】
例えば、シンプルコピー機能が利用できない場合(例えば、ソフトウェアアップデートが実行中の場合や用紙が切れている場合)、シンプルコピーの動作モードボタンの上に、インフォメーション領域が確保される。これにより、ユーザは、シンプルコピーの動作モードボタンを選択することができなくなる。この結果、画像形成装置10又は画像形成装置12は、シンプルコピー機能を利用するモードに移行できなくなる。
【0129】
なお、図20(a)に示すように、インフォメーション領域は、2以上確保されてもよい。例えば、動作モードボタン上に確保されたインフォメーション領域E300とは別に、動作モードボタンと重ならない位置にインフォメーション領域E302が確保されてもよい。この場合、インフォメーション領域E302には、ユーザの操作を受付け不可にする必要がない通知の内容が表示される。
【0130】
また、画像形成装置12は、ホーム画面においては通知の内容をユーザの操作を受付け不可にしない位置に表示し、ユーザによって選択された動作モードの画面では、通知の内容をユーザの操作を受付け不可にする位置に表示してもよい。
【0131】
例えば、シアントナーが切れている場合、ホーム画面にはおいて、コピー機能を使用するためのボタン(例えば、シンプルコピーの動作モードボタン)は通常通りに表示され、当該ボタンとは別の位置に、シアントナーが切れている通知が表示される。一方、図20(b)に示すように、表示部140に表示される、シンプルコピーの動作モードに対応する画面W310においては、インフォメーション領域E310が、カラーコピーのスタートボタンの上に確保される。これにより、ユーザは、カラーコピーの機能の実行ができなくなる。また、ユーザは、スタートボタン上の通知を確認することで、シアントナーが切れていることを把握することができる。
【0132】
図21は、ファクスを受信した場合に所定の操作を行わないとファクスを新規に送信ができない画像形成装置10又は画像形成装置12において、ファクスを受信したときに表示部140に表示されるホーム画面W320を示した画面例である。図21(a)に示したように、ホーム画面W320において、ファクスを送信するための動作モードボタンの上にインフォメーション領域E320が確保される。これにより、画像形成装置10又は画像形成装置12を使用するユーザは、ファクスを受信する操作等の所定の操作を行わない限り、新規のファクスの送信ができなくなる。
【0133】
また、ファクスを受信した場合に所定の操作を行わないとファクスを新規に送信ができない画像形成装置10又は画像形成装置12において、ファクスを受信したとき、ホーム画面全体にインフォメーション領域が確保されてもよい。この場合、表示部140に表示されるホーム画面として、図21(b)に示すようなホーム画面W330が表示される。これにより、画像形成装置12を使用するユーザは、ファクスの送信以外の機能も使用できなくなる。このように、画像形成装置10又は画像形成装置12は、所定の操作がされるまで、ユーザに対して一切の機能を使用できなくするようにすることで、通知の内容をユーザに確認させる処理を実行してもよい。
【0134】
なお、特定のユーザに対する通知の内容に基づいて、インフォメーション領域が確保されてもよい。例えば、ファクスを受信した場合に所定の操作を行わないとファクスを新規に送信ができない画像形成装置12において、ファクスを受信したユーザのホーム画面として、図21(a)におけるホーム画面W320や図21(b)におけるホーム画面W330が表示されてもよい。一方、ファクスを受信していないユーザのホーム画面として、通常のホーム画面、すなわち、ファクスを送信するための動作モードボタンの上にインフォメーション領域が確保されないホーム画面が表示されてもよい。
【0135】
また、ログイン画面が表示される場合は、通知の内容によっては、意図的にユーザのログイン操作を受付け不可にする位置に通知の内容が表示されてもよい。
【0136】
本実施形態によれば、画像形成装置の状態や外部からの入力状況と、ユーザが行おうとしている操作との因果関係を明示的に示すことが可能となる。
【0137】
[4.第4実施形態]
つづいて、第4実施形態について説明する。第4実施形態は、機械学習の手法を用いて、通知の内容に関連する動作モードやユーザを判定する実施形態である。本実施形態は、第1実施形態から第3実施形態の何れにも適用することができる。
【0138】
本実施形態では、通知情報として、通知の内容のみを記憶する。その代わりに、本実施形態では、記憶部160には、通知の内容と対応動作モードとの関係を学習させた学習済みモデルをさらに記憶させる。
【0139】
また、本実施形態では、制御部100は、選択動作モード画面表示処理のステップS172において、通知情報記憶領域166に記憶された通知の内容を全て取得する。
【0140】
さらに、制御部100は、ステップS176において、学習済みモデルを用いて、通知の内容毎に対応動作モードを判定し、当該判定された対応動作モードが現在の動作モードと一致する通知の内容を、インフォメーション領域に表示する。
【0141】
このようにして、制御部100は、通知の内容に対応する動作モード(対応動作モード)を、学習済みモデルを用いて判定することができる。なお、同様の方法により、制御部100は、通知の内容に対応するユーザの種別を判定してもよい。この場合、記憶部160に、通知の内容とユーザ種別との関係を学習させた学習済みモデル(例えば、通知の内容と当該通知の内容が一般ユーザに対する通知であるか否かを学習させた学習済みモデル)を記憶させる。また、制御部100は、通知の内容を表示するとき、当該通知の内容が一般ユーザに対するものであるのか否かといった判定を学習済みモデルを用いて行い、当該通知の内容が、ログインしているユーザに関連する通知の内容であるか否かを判定する。
【0142】
このように、機械学習の手法を用いて、通知の内容に対応する動作モード等を判定することにより、通知の内容と対応動作モードとを対応付けたテーブルを予め用意する必要がなくなる。また、管理者等が独自の通知の内容を追加する場合であっても、動作モードを指定する必要がなくなる。
【0143】
[5.変形例]
本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0144】
また、上述した実施形態は、説明の都合上、それぞれ別に説明している部分があるが、技術的に可能な範囲で組み合わせて実行してもよいことは勿論である。
【0145】
また、実施形態において各装置で動作するプログラムは、上述した実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的に一時記憶装置(例えば、RAM)に蓄積され、その後、各種ROM(Read Only Memory)やHDD等の記憶装置に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。
【0146】
ここで、プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROMや、不揮発性のメモリカード等)、光記録媒体・光磁気記録媒体(例えば、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto Optical Disc)、MD(Mini Disc)、CD(Compact Disc)、BD (Blu-ray(登録商標) Disk) 等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等の何れであってもよい。また、ロードしたプログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本発明の機能が実現される場合もある。
【0147】
また、市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本発明に含まれるのは勿論である。
【符号の説明】
【0148】
10、12 画像形成装置
100 制御部
102 画像処理部
104 通知情報管理部
120 画像入力部
130 画像形成部
140 表示部
150 操作部
160 記憶部
162 ホーム画面情報
164 画面情報記憶領域
166 通知情報記憶領域
168 ユーザ情報記憶領域
180 回線通信部
190 ネットワーク通信部
図1
図2
図3
図4
図5
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