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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-02
(45)【発行日】2025-07-10
(54)【発明の名称】ガレクチン-3の低分子阻害剤
(51)【国際特許分類】
   C07D 405/14 20060101AFI20250703BHJP
   C07D 471/04 20060101ALI20250703BHJP
   A61K 31/4192 20060101ALI20250703BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20250703BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20250703BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20250703BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20250703BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20250703BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20250703BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20250703BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20250703BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20250703BHJP
   A61P 13/08 20060101ALI20250703BHJP
   A61P 13/10 20060101ALI20250703BHJP
   A61P 13/02 20060101ALI20250703BHJP
   A61P 19/00 20060101ALI20250703BHJP
   A61P 1/18 20060101ALI20250703BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20250703BHJP
【FI】
C07D405/14 CSP
C07D471/04 106C
A61K31/4192
A61P1/16
A61P9/00
A61P11/00
A61P35/00
A61P35/02
A61P29/00
A61P27/02
A61P1/04
A61P13/12
A61P13/08
A61P13/10
A61P13/02
A61P19/00
A61P1/18
A61P17/00
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022567342
(86)(22)【出願日】2021-05-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-14
(86)【国際出願番号】 US2021030540
(87)【国際公開番号】W WO2021226002
(87)【国際公開日】2021-11-11
【審査請求日】2024-05-02
(31)【優先権主張番号】63/020,041
(32)【優先日】2020-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391015708
【氏名又は名称】ブリストル-マイヤーズ スクイブ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL-MYERS SQUIBB COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100162684
【弁理士】
【氏名又は名称】呉 英燦
(74)【代理人】
【識別番号】100126778
【弁理士】
【氏名又は名称】品川 永敏
(72)【発明者】
【氏名】ジャラガム,プラサダ ラオ
(72)【発明者】
【氏名】ナイル,サティーシュ ケサバン
(72)【発明者】
【氏名】ナラ,スシール ジェタナンド
(72)【発明者】
【氏名】パンダ,マノランジャン
(72)【発明者】
【氏名】デバステール,プラティク
(72)【発明者】
【氏名】レゲイロ-レン,アリシア
【審査官】高橋 直子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/209255(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/209276(WO,A1)
【文献】国際公開第2010/126435(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/241461(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の化合物1~22から選択される化合物またはその医薬的に許容される塩。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【請求項2】
請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、および1以上の医薬的に許容される担体を含む、組成物。
【請求項3】
臓器(肝臓、腎臓、肺、心臓、および皮膚を含む)の線維症、肝臓疾患および症状(急性肝炎、慢性肝炎、肝線維症、肝硬変、門脈圧亢進症、再生不全、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、肝不全、および肝血流障害を含む)、細胞増殖性疾患、細胞増殖性がん、および細胞増殖性症状(固形腫瘍、固形腫瘍転移、血管線維腫、骨髄腫、多発性骨髄腫、カポジ肉腫、白血病、慢性リンパ性白血病(CLL)およびがん細胞の浸潤転移を含む)、炎症性疾患および症状(乾癬、腎症、および肺炎を含む)、消化管疾患および症状(過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD)、および異常膵臓分泌を含む)、腎臓疾患および症状、尿路関連疾患および症状(良性前立腺肥大症または神経因性膀胱関連疾患、脊髄腫瘍、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、および糖尿病関連症状を含む)、下部尿路疾患および症状(下部尿路閉塞を含む)、下部尿路の炎症性疾患および症状(排尿障害および頻尿を含む)、膵臓疾患および症状、異常血管形成関連疾患および症状(動脈閉塞症を含む)、強皮症、脳関連疾患および症状(脳梗塞および脳出血を含む)、神経障害性疼痛および末梢性ニューロパチー、眼疾患および症状(加齢黄斑変性症(AMD)、糖尿病性網膜症、増殖性硝子体網膜症(PVR)、瘢痕性類天疱瘡、および緑内障濾過手術後瘢痕を含む)を治療するための薬剤であって、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩を含む、薬剤。
【請求項4】
疾患または症状が、腎線維症、肺線維症、肝線維症、動脈性線維症、または全身性硬化症である、請求項3の薬剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年5月5日出願の米国仮出願番号第63/020,041号に対する優先権を主張するものであって、その全てを参照により本明細書に組み込むものである。
【背景技術】
【0002】
ガレクチン-3(Gal-3)は、約30KDaのβ-ガラクトシド結合レクチン(Cell 76: 597-598)であり、炎症および繊維症過程の調整に関与している(Immunological Reviews 230: 160-171)。炎症および繊維症が制御されていない状態では、Gal-3は、線維芽細胞増殖および形質転換を促進し、コラーゲン産生を仲介する(Circulation 110:3121-3128)。
【0003】
Gal-3は、多くの細胞部位(例えば細胞質、核、および細胞表面)に局在する。また、Gal-3は、マクロファージおよび単球を中心に様々な細胞から血流中に分泌される(J Pharmacol Exp Ther 351:336-343)。多数の臓器(例えば肺(Am J. Respir. Crit. Care Med. 185: 537-546)、肝臓(PNAS 103:5060-5065)および腎臓(Am. J. Pathol. 172:288-298))での繊維症進行にGal-3が関与することを支持する文献において、複数の証拠が存在する。また、Gal-3は、心不全のバイオマーカーとしても知られており、Gal-3の調節が心不全の治療に利用できる可能性があることが示されている(Curr. Heart Fail. Rep. 7:1-8)。Gal-3は、血管新生、アポトーシス経路、および転移経路において重大な役割を果たす細胞増殖および分化に関与している(Galectin-3C: Human Lectin for Treatment of Cancer. ACS Symposium Series, Vol. 1115. Chapter 12, 195-23)ため、Gal-3の調節が、がんの治療に用いられ得る。近年、Gal-3抑制剤を免疫療法と組み合わせて用いると、良好な効果が得られることが証明された(Galectin Therapeutics. Press Release, February 7, 2017)。
【0004】
複数の文献および特許出願では、抗線維化剤として研究されているGal-3の合成抑制剤が記載されている。そのような研究の最近の例として、WO2005113568、WO2005113569、WO2014067986、WO2017080973、WO2016120403、US20140099319およびWO2018209255がある。
【0005】
(本発明の詳細)
本開示は、Gal-3を阻害する本発明の化合物に関するものであり、医薬的に許容される塩、当該化合物を含む組成物、ならびに当該化合物および組成物の使用および製造方法を含む。
【0006】
第1態様において、本発明は、とりわけ、式(I)または式(II):
【化1】
[式中、
Xは、独立して-C(O)-、-CH2-、および-CH2C(O)-から選択され;
Ar1は、独立してフェニルまたはナフチルであり;およびここで各環部分はシアノ、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル、およびC1-4ハロアルコキシから選択される1~5個の置換基で置換され;
R1は、独立してH、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、および-CH2C(O)OHから選択され;
R2は、独立してH、0~1個のOHで置換されたC1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、-(CH2)0-2-C3-6シクロアルキル、および0~3個のハロゲンで置換された-(CH2)0-2-フェニルから選択され;
R3は、独立してC3-6シクロアルキルまたは4~7個の環原子を含み、そのうち1~2個の環原子はそれぞれ独立してN、N(R 5B)、およびO、およびSから選択されるヘテロシクロアルキルであり;ここで前記環部分は0~1個のR5および1個のR5Aで置換され;
R5は、独立してOH、シアノ、ハロゲン、C1-4ハロアルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルコキシ、および0~1個のOHで置換されたC1-4アルキルであり;
R5Aは、独立して
【化2】
および
【化3】
から選択される二環から選択され;
ここで上記二環は0~2個のR5Cで置換され;
R5Bは、独立して
【化4】
、またはシアノ、ハロゲン、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル、C1-4ハロアルコキシから選択される0~2個の置換基で置換されたフェニルであり;
R5Cは、独立してシアノ、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル、およびC1-4ハロアルコキシから選択され;
R5Dは、独立してR5C
【化5】
、フェニル、ナフチル、ピリジニル、およびピリミジニルから選択され、ここで各環部分は、シアノ、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル、C1-4ハロアルコキシから選択される0~2個の置換基で置換され;
R5Eは、独立してH、C1-4アルキル、Bn、-C(O)(C1-4アルキル)、-C(O)O(C1-4アルキル)、および
【化6】
から選択され;および
R5Fは、独立して-NH-フェニルであり、ここで当該フェニルはシアノ、ハロゲン、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル、C1-4ハロアルコキシから選択される0~2個の置換基で置換される]
の化合物またはその医薬的に許容される塩を提供する。
【0007】
第1態様の範囲内の第2態様において、式中、
Xが、-C(O)-であり;およびAr1が、1~3個のハロゲンで置換されたフェニルである。
【0008】
第1または第2態様の範囲内の別の態様において、式中、
Ar1が、1~3個のFで置換されたフェニルである。
【0009】
第1または第2態様の範囲内の別の態様において、化合物は、式(I)である。
【0010】
第1または第2態様の範囲内の別の態様において、化合物は、式(II)である。
【0011】
第1または第2態様の範囲内の第3態様において、式中、
R3が、独立してC5-6シクロアルキルまたは4~6個の環原子を含み、そのうち1~2個の環原子はそれぞれ独立してN(R 5B)、N(R 5E)、およびOから選択されるヘテロシクロアルキルであり;ここで前記環部分はそれぞれ0~1個のR5および1個のR5Aで置換される。
【0012】
第1~第3態様の範囲内の第4態様において、式中、
R3が、独立してH、
【化7】
から選択される。
【0013】
第1~第4態様の範囲内の第5態様において、式中、
R3が、独立して
【化8】
から選択される。
【0014】
第1~第4態様の範囲内の第6態様において、式中、
R3が、独立して
【化9】
から選択される。
【0015】
第1~第4態様の範囲内の別の態様において、式中、
R3が、独立して
【化10】
から選択される。
【0016】
第1~第4態様の範囲内の第7態様において、式中、
R1が、独立してHまたはC1-4アルキルであり;および
R2が、独立してH、0~1個のOHで置換されたC1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、-(CH2)0-1-シクロプロピル、および-CH2-(0~2個のハロゲンで置換されたフェニル)から選択される。
【0017】
第1~第5態様の範囲内の第8態様において、式中、
R1が、独立してHまたはCH3であり;および
R2が、独立してH、CH3、-CH2CH3、-CH2CH2OH、-CH2CHF2、シクロプロピルおよびシクロプロピルメチルから選択される。
【0018】
第1~第6態様の範囲内の別の態様において、式中、R1が、Hである。
【0019】
第1~第6態様の範囲内の別の態様において、式中、R1が、CH3である。
【0020】
別の態様において、本発明は、例示された実施例またはその医薬的に許容される塩から選択される化合物を提供する。
【0021】
別の態様において、本発明は、例示された実施例またはその医薬的に許容される塩から選択される化合物を提供する。
【0022】
特に断りのない限り、上記の用語は以下の意味を持つ。「アルキル」は、1~6個の炭素を有する直鎖または分岐鎖アルキル基を意味する。「シクロアルキル」は、3~7個の炭素を有する単環を意味する。炭化水素部分の用語(例えばアルコキシ)は、1~6個の炭素を有する炭化水素部分の直鎖および分岐鎖異性体を含む。「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードを含む。「ハロアルキル」および「ハロアルコキシ」は、モノハロゲンから過ハロゲンの全てのハロゲン化異性体を含む。「アリール」は、5~12個の炭素原子を有し、1個または両方の環が芳香族である単環または二環芳香環システムを意味する。アリール基の代表例には、以下に限らないが、インダニル、インデニル、ナフチル、フェニル、およびテトラヒドロナフチルが挙げられる。「ヘテロアリール」は、窒素、酸素、および硫黄から独立して選択される1~5個のヘテロ原子を有する、5~7員の単環または8~11員の二環芳香環システムを意味する。結合位置が明記されていない場合、当該分野の専門家によって理解されるいずれかの適当な位置で結合が起こり得る。置換基および結合パターンの組み合わせは、当該分野の専門家によって理解される安定な化合物を生じるもののみである。括弧および複数の括弧でくくられた用語は、当業者に対して結合関係を明確にすることを目的としている。例えば、((R)アルキル)のような用語は、置換基Rでさらに置換されたアルキル置換基を意味する。
【0023】
本発明は、該化合物の全ての医薬的に許容される塩形態が含まれる。医薬的に許容される塩とは、対イオンが化合物の生理活性または毒性に有意に寄与せず、したがって薬理学的同等物として機能するものである。これらの塩は、市販の試薬を用いた一般的な有機化学技術に従って製造することができる。アニオン塩形態の一部として、酢酸塩、アシストレート、ベシル酸塩、臭化物塩、塩化物塩、クエン酸塩、フマル酸塩、グルクロン酸塩、臭化水素塩、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヨウ化物塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メシル酸塩、硝酸塩、パモ酸塩、リン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、およびキシナホ酸塩が挙げられる。カチオン塩形態の一部として、アンモニウム塩、アルミニウム塩、ベンザチン塩、ビスマス塩、カルシウム塩、コリン塩、ジエチルアミン塩、ジエタノールアミン塩、リチウム塩、マグネシウム塩、メグルミン塩、4-フェニルシクロヘキシルアミン塩、ピペラジン塩、カリウム塩、ナトリウム塩、トロメタミン塩、および亜鉛塩が挙げられる。
【0024】
本発明の化合物の一部は、立体異性体の形態で存在する。本発明は、エナンチオマーおよびジアステレオマーを含む、化合物の全ての立体異性体の形態を包含する。立体異性体を製造および分離する方法は、当該分野で公知である。本発明は、該化合物の全ての互変異性体形態を含む。本発明は、アトロプ異性体および回転異性体を含む。
【0025】
本発明は、本発明の化合物に含まれる原子の全ての同位体を含むことを意図する。同位体には、原子番号が同一であるが質量数が異なる原子が含まれる。一般的な例として、以下に限定されないが、水素の同位体には重水素およびトリチウムが含まれる。炭素の同位体には13Cおよび14Cが含まれる。同位体で標識された本発明の化合物は、一般に当業者に公知の従来の技法、または本明細書に記載されたものと類似の方法によって、他で用いられる非標識試薬の代わりに適当な同位体標識試薬を用いて製造することができる。そのような化合物は、例えば、生物活性の決定における標準物質および試薬として、様々な潜在的用途を有しうる。安定な同位体の場合、そのような化合物は、生物学的、薬理学的、または薬物動態学的特性を有利に修飾させる能力を有しうる。
【0026】
生物学的方法
Gal-3 HTRFアッセイ
アッセイ緩衝液組成物:
25mM HEPES、100mM NaCl、0.005%Tween20、無菌水に加えて調製した0.05%BSA(試薬は全てSigmaから購入)
コントロール:
ポジティブコントロール: 100%DMSO(1μL)+HisタグhGal-3(20μL)+B-ASF(20μL)+抗Hisテルビウム抗体(5μL)+Strep d2抗体(5μL)
ネガティブコントロール: 100%DMSO(1μL)+HisタグhGal-3(20μL)+抗Hisテルビウム抗体(5μL)+Strep d2抗体(5μL)
【表1】
プロトコール:
Gal-3アッセイは、室温下、384白色OptiPlate中、250~300rpmで軽く揺すりながら3回反復して行った。ストック溶液の原液から、2.525倍希釈した実験用溶液でHisタグ組み換えヒトGal-3(hGal-3)溶液およびB-ASF溶液を調製した。実験用溶液で調整したhGal-3(20μL、15nM)およびB-ASF(20μL、15nM)をプレートに加えた。ネガティブコントロールでは、hGal-3のみを加えた。100%DMSOに溶解した化合物用に、実験用溶液の50倍希釈の範囲の濃度を調製した。1ウェルあたり20μLのhGal-3で予め30分間インキュベートしたウェルに、化合物の一部(1μL)を加えた。次いで20μLのB-ASFを加え、さらに1時間インキュベートした。シグナルを検出するために、5μL(最終濃度は1.0nM)のテルビウム標識抗His抗体を加え、30分間インキュベートし、続いて5μL(最終濃度は20nM)のストレプトアビジンd2を加え、さらに1時間インキュベートした。本アッセイのシグナルは、HTRFスクリーンプロトコル(励起波長=340nm、蛍光波長=615nm/665nm)を用いてEnvision 2104 Multilabel Readerで検出した。データはToolsetおよびCurve Masterを用いて分析した。結果(IC50(μM))は、実験セクションに記載されている。報告した全てのIC50値は、特に断りが無い限り、HTRFアッセイを用いて算出した。
【0027】
Gal-3 ELISAアッセイ
使用するもの:
1. コーティング緩衝液: リン酸緩衝食塩水(1x)-PBS
この溶液は、Sigma Aldrichから購入したPBS(カタログ番号: P3813-5x10Pak)の1パックを1LのMilli-Q水に溶解して調製した。
2. アシアロフェツイン: 胎児ウシ血清由来、タイプII、Sigma Aldrich(カタログ番号: A1908-50MG)
3. 胎児ウシ血清: Invitrogen(カタログ番号: 26400-044-500mL)
4. Tween-20: Sigma Aldrich(カタログ番号: P1379-250mL)
5. OptEIA酵素試薬ストレプトアビジン-HRP: BD(カタログ番号: 554066)
6. 硫酸: Sigma Aldrich(カタログ番号: 25,810-5)
7. パラホルムアルデヒド: Sigma Aldrich(カタログ番号: P6148-500G)
8. TMB基質: BD Biosciences(カタログ番号: 555214)
9. ビオチン標識hGal-3-A 0.82mg/mLストック溶液(28.6kDa、28.6713μM): プロテオミクスグループにより室内合成
この溶液は、滴定に用いた。
10. TD-139(EXT-001109-01-001): 低分子室内合成
これは、hGal-3正規化結合アッセイにおいて低分子スクリーニングの内部標準として用いた。
【0028】
A.プロトコール
a. プレートのコーティング:
濃度15nMのASFを1xPBSで調製し、プレートマップに従って96ウェル平底nuncプレート(Nuncイムノプレート、Maxisorp、カタログ番号: 439454)に注入し、トップシールで密封後、終夜4℃でインキュベートした。
b.プレートの固定およびブロッキング:
アッセイの日、コーティング溶液を除去し、プレートに100μLの2%パラホルムアルデヒド溶液を加えて固定し、37℃で30分間インキュベートした。300μLの洗浄用緩衝液(0.05%Tween-20含有PBS)で3回洗浄し、脱水乾燥し、ブロッキングに移った。10%FBSでプレートをブロッキングし、1時間室温でインキュベートした。その後、プレートを300μLの洗浄用緩衝液(0.05%Tween-20含有PBS)で3回洗浄した。
【0029】
B.インキュベーション:
洗浄したプレートを脱水乾燥後、100μLの試験化合物を、プレートマップで明示した様々な濃度で(濃度15nMのヒトガレクチン-3(hGal-3)またはマウスガレクチン-3(mGal-3)を1時間室温で予めインキュベート済みの)プレートに加えた。データの正確性および再現性を保証するためにプレート複数枚に対して行った。
これらのプレートを室温で1時間インキュベートし、洗浄用緩衝液で5回洗浄し、脱水乾燥し、100μLのストレプトアビジンHRP(1:1000希釈)を加え、1時間室温でインキュベートし、洗浄用緩衝液で7回洗浄した。
【0030】
C.検出:
洗浄したプレートを脱水乾燥後、100μLのTMB基質を各ウェルに加え、15分室温でインキュベートした。その後、反応を2N硫酸で停止させ、プレートをSpectraMax(450nm)で読み込んだ。
【0031】
結果:
コントロールの平均値で正規化後、コントロールウェルに対して得られた出力値(OD)をプロットし、プログラム化合物の50%阻害濃度の常用対数値(Log IC50)を分析した。
【0032】
まとめ:
プログラム化合物のIC50値を報告書に示した(Curve masterのコンパイルによるエクセル形式で添付)。コントロールプレートTD-139では、hGal-3およびmGal-3はそれぞれ10.3nMおよび108.12nMのIC50値であった。同じものを片対数グラフにプロットした。
【0033】
(医薬組成物および使用法)
本発明の化合物は、Gal-3を抑制する。したがって、本発明の別の態様は、治療上有効量の本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩、および医薬的に許容される担体を含む医薬組成物である。
【0034】
本発明の別の態様は、臓器(例えば肝臓、腎臓、肺、心臓および皮膚)の線維症、肝臓疾患および病状(例えば急性肝炎、慢性肝炎、肝線維症、肝硬変、門脈圧亢進症、肝再生不全、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、肝機能低下、および肝血流障害)、細胞増殖性疾患、およびがん疾患(例えば固形腫瘍、固形腫瘍転移、血管線維腫、骨髄腫、多発性骨髄腫、カポジ肉腫、白血病、慢性リンパ性白血病(CLL)およびがん細胞の浸潤転移)、炎症性疾患および病状(例えば乾癬、腎症、および肺炎)、消化管疾患および病状(例えば過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD)、および異常膵液分泌)、腎臓疾患および病状、尿路関連疾患および病状(例えば良性前立腺肥大症、または神経因性膀胱関連疾患、脊髄腫瘍、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄、および糖尿病関連症状)、下部尿路疾患および病状(例えば下部尿路閉塞)、下部尿路炎症性疾患および病状(例えば排尿障害および頻尿)、膵臓疾患および病状、血管形成異常関連疾患および病状(例えば動脈閉塞症)、強皮症、脳関連疾患および病状(例えば脳梗塞および脳出血)、神経障害性疼痛および末梢神経障害、眼疾患および病状(例えば加齢黄斑変性症(AMD)、糖尿病性網膜症、増殖性硝子体網膜症(PVR)、瘢痕性類天疱瘡、および緑内障濾過手術瘢痕)から選択される疾患または病状に罹患している患者を、本発明の化合物で治療する方法である。
【0035】
本発明の別の態様は、腎線維症、肺線維症、肝線維症、動脈線維症および全身性硬化症を治療する方法であって、患者に本発明の化合物を投与することを特徴とする方法である。
【0036】
本発明の別の態様は、臓器(例えば肝臓、腎臓、肺、心臓および皮膚)の線維症を治療する方法であって、患者に本発明の化合物を投与することを特徴とする方法である。
【0037】
本発明の別の態様は、肝臓の疾患および病状(例えば急性肝炎、慢性肝炎、肝線維症、肝硬変、門脈圧亢進症、肝再生不全、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、肝機能不全、および肝血流障害)を治療する方法であって、患者に本発明の化合物を投与することを特徴とする方法である。
【0038】
本発明の別の態様は、細胞増殖性疾患、およびがん疾患(例えば固形腫瘍、固形腫瘍の転移、血管線維腫、骨髄腫、多発性骨髄腫、カポジ肉腫、白血病、慢性リンパ性白血病(CLL)およびがん細胞の浸潤転移)を治療する方法であって、患者に本発明の化合物を投与することを特徴とする方法である。

【0039】
本発明の別の態様は、炎症性疾患および病状(例えば乾癬、腎症、および肺炎)を治療する方法であって、患者に本発明の化合物を投与することを特徴とする方法である。
【0040】
本発明の別の態様は、消化管の疾患および病状(例えば過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD)、および膵臓分泌異常)を治療する方法であって、患者に本発明の化合物を投与することを特徴とする方法である。
【0041】
本発明の別の態様は、腎臓の疾患および病状を治療する方法であって、患者に本発明の化合物を投与することを特徴とする方法である。
【0042】
本発明の別の態様は、尿路関連の疾患および病状(例えば良性前立腺肥大症、または神経因性膀胱、脊髄腫瘍、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症に関する症状、および糖尿病に由来する症状)を治療する方法であって、患者に本発明の化合物を投与することを特徴とする方法である。
【0043】
本発明の別の態様は、下部尿路の疾患および病状(例えば下部尿路閉塞)、下部尿路の炎症性疾患および病状(例えば排尿障害および頻尿)を治療する方法であって、患者に本発明の化合物を投与することを特徴とする方法である。
【0044】
本発明の別の態様は、膵臓の疾患および病状を治療する方法であって、患者に本発明の化合物を投与することを特徴とする方法である。
【0045】
本発明の別の態様は、血管形成異常関連の疾患および病状(例えば動脈閉塞症)を治療する方法であって、患者に本発明の化合物を投与することを特徴とする方法である。
【0046】
本発明の別の態様は、脳関連疾患および病状(例えば脳梗塞および脳出血)を治療する方法であって、患者に本発明の化合物を投与することを特徴とする方法である。
【0047】
本発明の別の態様は、神経障害性疼痛および末梢神経障害を治療する方法であって、患者に本発明の化合物を投与することを特徴とする方法である。
【0048】
本発明の別の態様は、眼疾患および病状(例えば加齢黄斑変性症(AMD)、糖尿病網膜症、増殖性硝子体網膜症(PVR)、瘢痕性類天疱瘡、および緑内障濾過手術瘢痕)を治療する方法であって、患者に本発明の化合物を投与することを特徴とする方法である。
【0049】
本発明の化合物は、Gal-3が関係する病状の治療および/または予防に使用され得る。
【0050】
本発明の化合物は、Gal-3の生理活性の抑制が有用である病状(例えばGal-3受容体が関与する疾患)、Gal-3の生理活性の抑制が疾患の病因または病理に関与するか、または疾患の少なくとも1つの症状に関連する、病状の治療および/または予防薬の製造に使用され得る。
【0051】
本発明の化合物は、単体、本発明の他の化合物との組み合わせ、または1個以上、好ましくは1~2個の他の薬剤との組み合わせで用いられ得る。
【0052】
「治療上有効量」は、痛みの分野の専門家によって理解される有意な改善を、患者に提供するために必要な薬剤量を意味する。
【0053】
「患者」は、痛みに苦しむ人であり、その分野の専門家によって治療にふさわしいと理解される人を意味する。
【0054】
「治療」、「セラピー」、「レジメン」、およびこの分野の専門家に理解される関連用語が用いられる。
【0055】
本発明の化合物は、一般に、治療上有効量の本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩、および医薬的に許容される担体を含む医薬組成物として提供され、従来の賦形剤を含み得る。治療上有効量とは、患者の有意な改善を得るのに必要な量である。医薬的に許容される担体とは、許容される安全性プロファイルを有する従来既知の担体である。組成物は、一般的な固体および液体形態(例えばカプセル、錠剤、ロゼンジ、および粉末ならびに液体懸濁液、シロップ、エリキシル剤、および溶液など)を全て包含する。組成物は、一般的な製剤技術を用いて製造され、従来の賦形剤(例えば結合剤および湿潤剤)およびビークル(例えば水およびアルコール)は、一般に組成物に用いられる。例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences、17th edition、Mack Publishing Company、Easton、PA(1985)を参照のこと。
【0056】
固形組成物は、通常、投与量あたり約1~1000mgの有効成分を有する投与単位および組成物で製剤化されるのが好ましい。投薬量の一部の例として1mg、10mg、100mg、250mg、500mg、および1000mgがある。一般に、他の抗レトロウイルス薬は、臨床的に使用される種類の薬剤に類似の単位範囲で存在する。それは、一般に0.25~1000mg/ユニットである。
【0057】
液体組成物は、通常、単位投与範囲で存在する。一般に、液体組成物は、1~100mg/mLの投与単位範囲となり得る。投薬量の一部の例として1mg/mL、10mg/mL、25mg/mL、50mg/mL、および100mg/mLがある。
【0058】
本発明は、従来の投与方法を全て包含するが、経口および非経口の方法が好ましい。一般に、投薬レジメンは、臨床的に用いられる他の薬剤に類似する。一般に、一日量は、1-100mg/kg(体重)である。一般に、化合物は、より経口的であり、より非経口的でないものが求められている。しかしながら、特定の投薬レジメンは通常の医学的判断に従って医師が決定する。
【0059】
(化学的メソッド)
本開示が前述の実例に限定されないこと、および本開示の不可欠な特性から離れることなく他の特定の形態で具現化され得ることは当業者に明白である。それ故、実施例は、あらゆる点で限定ではなく例示として、前述の実施例よりむしろ本請求項に対する参考として考慮されるべきであり、それ故、意味および請求項の等価な範囲内の全ての変更が包含されることが意図される。
【0060】
(セクションA)
LCMS分析は、Waters TUVおよびSQ質量分析計を取り付けたWaters Acquity UPLCシステム(カラム: BEH C18 2.1x50mm; 移動相A: 0.05%TFA水溶液; 移動相B: アセトニトリル(0.05%TFA含有); グラジエント: 2~98%Bで1.6分かけて溶出; 流速: 0.8mL/分)で行った。
HPLC分析は、SPD-10AV UV検出器を取り付けたShimadzu LC10-AT HPLCシステム(カラム: YMC S5 Combiscreen ODS 4.6x50mm; 移動相A: 5:95 アセトニトリル:水(0.1%TFA含有); 移動相B: 95:5 アセトニトリル:水(0.1%TFA含有); グラジエント: 0~100%Bで40分かけて溶出し、次いで100%Bで1分間溶出; 流速: 1mL/分)で行った。
分取HPLC精製は、SPD 20 UV検出器を取り付けたShimadzu LC-8分取HPLCシステムを用いて行った。詳細な条件は実験方法に記載する。
【0061】
製造方法
各実施例および中間体で報告した分析LC-MS/HPLC保持時間には、以下の一般的な分析LCMS/HPLC条件の1つを用いる。
LCMS条件:
方法A: カラム: Ascentis Express C18(50x2.1mm)、2.7μm; 移動相A: 5:95
アセトニトリル:水(10mM NH4OAc含有); 移動相B: 95:5 アセトニトリル:水(10mM NH4OAc含有); 温度: 50℃; グラジエント: 0~100%Bで3分かけて溶出
方法B: カラム: Ascentis Express C18(50x2.1mm)、2.7μm; 移動相A: 5:95 アセトニトリル:水(0.1%TFA含有); 移動相B: 95:5 アセトニトリル:水(0.1%TFA含有); 温度: 50℃; グラジエント:0~100%Bで3分かけて溶出; 流速: 1.1mL/分
方法C: カラム: KINETEX-XB-C18(75 X 3mm, 2.6μm); 移動相A: 10mM NH4COOH水溶液:ACN(98:02); 移動相B: 10mM NH4COOH水溶液:ACN(02:98); グラジエント=20~100%Bで4分かけて溶出; 流速: 1.1mL/分; 検出: UV(254nm)
方法D: カラム: Waters Acquity UPLC BEH C18(2.1 x 50 mm)、1.7μ; 移動相A: 0.1%TFA水溶液; 移動相B: 0.1%TFA/ACN; グラジエント=20~90%Bで1.1分かけて溶出後、次いで90%Bで0.6分間溶出; 温度: 50℃; 流速: 0.7mL/分; 検出: UV(220nm)
方法E: カラム: Waters Acquity UPLC BEH C18(2.1 x 50 mm)、1.7μ、移動相A: 5mM NH4OAc:アセトニトリル(95:5); 移動相B: 5mM NH4OAc:ACN(5:95)、グラジエント=20~90%Bで1.1分かけて溶出後、次いで90%Bで0.6分間溶出; 温度: 50℃; 流速: 0.7mL/分; 検出: UV(220nm)
方法F: カラム: ZORBAX SB-C18(50 X 4.6mm, 5.0μm); 移動相A: 10mM NH4COOH水溶液:ACN(98:02); 移動相B : 10mM NH4COOH水溶液:ACN(02:98); グラジエント=30~100%Bで4分かけて溶出; 流速: 1.5mL/分; 検出: UV(254nm)
【0062】
分取HPLC条件
方法A: カラム: Waters XBridge C18、19 x 150mm、粒子径: 5μm; 移動相A: 10mM NH4OAc; 移動相B: アセトニトリル; グラジエント: 15~50%でB20分かけて溶出後、次いで100%Bで5分間溶出; 流速: 15mL/分
方法B: カラム: Inertsil ODS(250*19)mm、粒子径: 5μm; 移動相A: 10mM NH4OAc(pH 4.5); 移動相B: ACN; グラジエント: 30~50%Bで27分かけて溶出後、次いで100%Bで5分間溶出; 流速: 17mL/分
方法C: カラム: Symmetry C8(300mm x 19mm)、粒子径: 7μm; 移動相A: 10mM NH4OAc(pH 4.5); 移動相B: ACN; グラジエント: 50~70%Bで24分かけて溶出後、次いで100%Bで5分間溶出; 流速: 17mL/分
方法D: カラム: Inertsil ODS(250*19)mm、粒子径: 5μm; 移動相A: 10mM NH4OAc(pH 4.5); 移動相B: ACN; グラジエント: 25~60%Bで20分かけて溶出後、次いで100%Bで5分間溶出; 流速: 30mL/分
方法E: カラム: Lux-cellulose C4(250 X 21.2)mm、粒子径: 5μm; 移動相A: 0.1%DEA/MeOH ; グラジエント: 100%Aで20分かけて溶出後、次いで100%Bで5分間溶出; 流速: 19mL/分
方法F: カラム: Lux-cellulose C2(250 X 21.2)mm、粒子径: 5μm; 移動相A: 10mMぎ酸アンモニウム; 移動相B: ACN:MeOH(1:1); グラジエント: 80%Bで20分かけて溶出後、次いで100%Bで5分間溶出; 流速: 19mL/分
【0063】
カルボン酸中間体の合成:
【化11】
【0064】
ステップ1: (2R,3R,4S,5R,6R)-メチル3,4,5-トリヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキシレートの合成
β-D-ガラクトースペンタアセテートから文献の方法に従って合成した(文献: Synthesis, 2007, 6, 845-852および本明細書で引用されている参考文献)。
【0065】
ステップ2: (2S,4aR,6R,7R,8R,8aR)-メチル7,8-ジヒドロキシ-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキシレートの合成
p-トルエンスルホン酸一水和物(1.199g、6.30mmol)をAr雰囲気下、室温で(2R,3R,4S,5R,6R)-メチル3,4,5-トリヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキシレート(29g、90mmol)およびベンズアルデヒドジメチルアセタール(33.8mL、225mmol)/アセトニトリル(563mL)の撹拌懸濁液に加え、Arで3回脱気し、2分間ソニケーションを行った。次いで、この反応混合物を室温で4時間撹拌し、TEA(5.77mL、41.4mmol)でクエンチし、10分間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を減圧濃縮し、粗製生成物を得た。これをシリカゲルクロマトグラフィー(50~100%のEtOAc/n-ヘキサン)で精製し、表題化合物(16.3g、52.5mmol、58%)を白色固体として得た。1H NMR(400MHz、クロロホルム-d): δ 7.53-7.49(m, 2H), 7.40-7.36(m, 3H), 5.57(s, 1H), 4.39(dd, J=12.5, 1.5Hz, 1H), 4.28(dd, J=4.0, 1.0Hz, 1H), 4.15-4.05(m, 2H), 3.87-3.84(m, 4H), 3.73(td, J=9.0, 4.0Hz, 1H), 3.56(q, J=1.5Hz, 1H), 3.24(d, J=2.5Hz, 1H), 2.63(d, J=8.5Hz, 1H)
【0066】
ステップ3: (2S,4aR,6R,7S,8S,8aS)-メチル-7-アセトキシ-2-フェニル-8-(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)ヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキシレートの合成
(2S,4aR,6R,7R,8R,8aR)-メチル7,8-ジヒドロキシ-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキシレート(17.3g、55.8mmol)/DCM(180mL)の溶液に、ピリジン(18.04mL、223mmol)を-15℃で加え、混合物を10分間撹拌した。トリフル酸無水物(8.48mL、50.2mmol)をアルゴン雰囲気下、15分かけて滴下して加え、混合物を-15℃で1時間撹拌した。この反応混合物を2時間かけて室温に戻し、塩化アセチル(4.76mL、66.9mmol)を0℃で加え、室温に加温し、10時間撹拌した。DCM(300mL)を加え、溶液を0.7N HCl(150mL)、飽和炭酸水素ナトリウム(2x100mL)および食塩水で洗浄し、有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧除去し、シリカゲルクロマトグラフィー(30~80%EtOAc/n-ヘキサン)で精製し、表題化合物を白色固体として得た(14g、28.9mmol、52%); 1H NMR(400MHz、クロロホルム-d): δ 7.53(dd, J=7.4, 2.1Hz, 2H), 7.44-7.36(m, 3H), 5.64(d, J=9.9Hz, 1H), 5.60(s, 1H), 5.00(dd, J=9.9, 3.6Hz, 1H), 4.53(d, J=3.6Hz, 1H), 4.42(dd, J=12.8, 1.5Hz, 1H), 4.08(dd, J=12.8, 1.5Hz, 1H), 4.03(d, J=9.9Hz, 1H), 3.77(s, 3H), 3.59(d, J=1.0Hz, 1H), 2.10(s, 3H)
【0067】
ステップ4: (2S,4aR,6R,7R,8R,8aR)-メチル-7-アセトキシ-8-ヒドロキシ-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキシレートの合成
(2S,4aR,6R,7S,8S,8aS)-メチル-7-アセトキシ-2-フェニル-8-(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)ヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキシレート(32g、66.1mmol)/DMF(320mL)の溶液に、テトラブチルアンモニウム硝酸塩(50.3g、165mmol)を加え、アルゴンで2回置換し、混合物を50℃で6時間加熱した。次いでこの反応混合物をEtOAc(500mL)で希釈し、水(4 x 200mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(60~100%EtOAc/n-ヘキサン)で精製し、表題化合物を黄色固体として得た(15g、42.6mmol、64%); 1H NMR(400MHz、クロロホルム-d): δ 7.55-7.51(m, 2H), 7.42-7.36(m, 3H), 5.55(s, 1H), 5.39(dd, J=10.3, 2.8Hz, 1H), 4.45(d, J=10.3Hz, 1H), 4.37(dd, J=12.8, 1.5Hz, 1H), 4.23(t, J=3.1Hz, 1H), 4.16-4.13(m, 1H), 4.05(dd, J=12.8, 2.0Hz, 1H), 3.79(d, J=1.5Hz, 1H), 3.75(s, 3H), 2.10(s, 3H)
【0068】
ステップ5: (2S,4aR,6R,7S,8R,8aS)-メチル-7-アセトキシ-2-フェニル-8-(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)ヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキシレートの合成
(2S,4aR,6R,7R,8R,8aR)-メチル7-アセトキシ-8-ヒドロキシ-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキシレート(2.3g、6.53mmol)/DCM(20mL)の溶液に、ピリジン(2.112mL、26.1mmol)を加え、混合物を-15℃に冷却し、続いてトリフル酸無水物(1.654mL、9.79mmol)をアルゴン雰囲気下で滴下して加え、-15℃で1時間撹拌した。この反応混合物を室温に加温し、2時間撹拌した。次いでこの反応混合物をDCM(200mL)で希釈し、0.7N塩酸(50mL)、NaHCO3水溶液(2x50mL)、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧除去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(30~80%EtOAc/n-ヘキサン)で精製し、表題化合物を固体として得た(1.2g、2.477mmol、38%); 1H NMR(400MHz、クロロホルム-d): δ 7.54-7.49(m, 2H), 7.43-7.38(m, 3H), 5.60(s, 1H), 5.54(dd, J=10.5, 3.0Hz, 1H), 5.28(t, J=3.3Hz, 1H), 4.43-4.37(m, 2H), 4.30(dd, J=3.5, 1.0Hz, 1H), 4.11(dd, J=12.8, 1.5Hz, 1H), 3.80(s, 3H), 3.78(d, J=1.5Hz, 1H), 2.10(s, 3H)
【0069】
ステップ6: (2S,4aR,6R,7R,8S,8aR)-メチル-7-アセトキシ-8-アジド-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキシレートの合成
(2S,4aR,6R,7S,8R,8aS)-メチル-7-アセトキシ-2-フェニル-8-(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)ヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキシレート(1.8g、41.3mmol)/DMF(18mL)の溶液に、テトラブチルアンモニウムアジド(3.17g、11.15mmol)を一度に加えた。この混合物をArで置換し、50℃で5時間加熱し、EtOAc(200mL)で希釈し、水(3x100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(50~90%EtOAc/n-ヘキサン)で精製し、表題化合物を灰白色固体として得た(1.2g、3.18mmol、86%)。LC-MS[M+18]+=395.2、{方法C: tR=2.37分}; 1H NMR(300MHz、クロロホルム-d): δ 7.53(dd, J=7.2, 2.3Hz, 2H), 7.42-7.33(m, 3H), 5.60(s, 1H), 5.58-5.51(m, 1H), 4.40-4.33(m, 2H), 4.06(dd, J=12.7, 1.7Hz, 1H), 3.99(d, J=9.8Hz, 1H), 3.76(s, 3H), 3.50(s, 1H), 3.41(dd, J=10.4, 3.2Hz, 1H), 2.11(s, 3H)
【0070】
ステップ7: (4aR,6R,7R,8S,8aR)-メチル7-アセトキシ-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキシレートの合成
(4aR,6R,7R,8S,8aR)-メチル7-アセトキシ-8-アジド-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキシレート(1.2g、3.18mmol)/DMF(50mL)および水(10.00mL)の溶液に、1-エチニル-3-フルオロベンゼン(1.146g、9.54mmol)、アスコルビン酸ナトリウム(0.693g、3.50mmol)および硫酸銅(II)五水和物(0.715g、2.86mmol)を順に加えた。反応混合物を窒素で10分間脱気し、80℃で1時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、水(60mL)およびDCM(50mL)で希釈し、1時間撹拌した。反応混合物をセライト濾過し、DCM(100mL)で洗浄し、濾液を回収した。有機層を分離し、水層をDCM(2 x 100mL)で再抽出し、有機層をあわせて水(400mL)、食塩水(100mL)で洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮した。得られた粗製残渣にジエチルエーテルを加え、固体をブフナー漏斗で濾過し、表題化合物(1.1g、2.211mmol、69.5%収率)を白色固体になるまで1時間乾燥させた。LCMS[M+H]+=498.2 {方法C: tR=2.71分}; 1H NMR(400MHz、CDCl3):δ ppm 8.07(s, 1H), 7.54-7.50(m, 2H), 7.48-7.35(m, 6H), 7.05-6.99(m, 1H), 5.90(dd, J=11.1, 9.6Hz, 1H), 5.52(s, 1H), 5.21(dd, J=11.1, 3.4Hz, 1H), 4.51-4.47(m, 2H), 4.23(d, J=9.5Hz, 1H), 4.12(dd, J=12.8, 1.8Hz, 1H), 3.81(s, 3H), 3.80-3.78(m, 1H), 1.87(s, 3H)
【0071】
ステップ8: (4aR,6R,7R,8R,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボン酸の合成
(4aR,6R,7R,8S,8aR)-メチル7-アセトキシ-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキシレート(2g、4.02mmol)/テトラヒドロフラン(20mL)および水(10mL)の撹拌溶液に、水酸化リチウム(0.48g、20.10mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応が完了したことをLCMSで確認後、テトラヒドロフランを減圧除去し、得られた残渣を水(100mL)で希釈し、1.5N塩酸を用いてpH約2~3に調整した。沈殿した固体を濾過し、水で洗浄し、減圧乾燥し、表題化合物を得た(1.8g、定量)。LCMS[M+H]+=442.2、{方法C: tR=3.31分}; 1H NMR(400MHz、MeOH-d4)δ ppm 8.46(s, 1H), 7.56(dt, J=10.2, 2.2Hz, 2H), 7.49-7.40(m, 3H), 7.37-7.30(m, 3H), 7.09(td, J=8.4, 2.3Hz, 1H), 5.56(s, 1H), 5.12(dd, J=10.5, 3.5Hz, 1H), 4.62(t, J=10.0Hz, 1H), 4.54(d, J=3.5Hz, 1H), 4.37(d, J=12.5Hz, 1H), 4.18(dd, J=12.5, 1.5Hz, 1H), 4.06(d, J=9.5Hz, 1H), 3.89(s, 1H)
【0072】
C2-メトキシカルボン酸中間体の合成:
【化12】
【0073】
ステップ1: (4aR,6R,7R,8R,8aR)-メチル8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキシレートの合成
(4aR,6R,7R,8R,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボン酸(1.55g、3.51mmol)/DMF(10mL)の撹拌溶液に、K2CO3(4.85g、35.1mmol)、続いてMeI(1.976mL、31.6mmol)を加え、室温で16時間撹拌した。LCMSで反応が完了したことを確認後、反応を氷水(100mL)でクエンチし、10分間撹拌した。得られた固体を濾過し、水で洗浄し、減圧乾燥し、表題化合物を灰白色固体として得た(1.45g、91%)。LCMS[M+H]+=456.2、{方法F: tR=1.95分}; 1H NMR(400MHz、MeOH-d4)δ ppm 8.41(s, 1H), 7.58(d, J=8.0Hz, 1H), 7.55-7.50(m, 1H), 7.47-7.40(m, 3H), 7.37-7.32(m, 3H), 7.07(td, J=8.3, 2.5Hz, 1H), 5.56(s, 1H), 5.11(dd, J=11.0, 3.5Hz, 1H), 4.68-4.61(m, 1H), 4.53(d, J=2.5Hz, 1H), 4.32-4.26(m, 1H), 4.20-4.13(m, 2H), 3.89(s, 1H), 3.82(s, 3H)
【0074】
ステップ2: (4aR,6R,7R,8R,8aR)-メチル8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-メトキシ-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキシレートの合成
(4aR,6R,7R,8R,8aR)-メチル8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキシレート(1.45g、3.18mmol)/DMF(20mL)の撹拌溶液に、4A MS(1g)を加え、10分間室温で撹拌した。次いで、酸化銀(3.69g、15.92mmol)およびMeI(0.1mL、15.92mmol)を順に加え、室温で16時間撹拌した。反応物をセライト濾過し、過剰のDCM(20mL)で洗浄し、濾液を減圧濃縮し、(4aR,6R,7R,8R,8aR)-メチル8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-メトキシ-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキシレートを灰白色固体として得た(1.3g、87%)。これを精製せずにそのまま次のステップに用いた。LCMS[M+H]+=470.2、{方法F: tR=2.15分}; 1H NMR(400MHz、MeOH-d4) δ ppm 8.59(s, 1H), 7.62-7.58(m, 1H), 7.55(dt, J=10.0, 2.0Hz, 1H), 7.50-7.42(m, 3H), 7.40-7.35(m, 3H), 7.08(td, J=8.4, 2.3Hz, 1H), 5.58(s, 1H), 5.19(dd, J=10.5, 3.5Hz, 1H), 4.50(d, J=2.5Hz, 1H), 4.47-4.43(m, 1H), 4.29(dd, J=12.8, 1.8Hz, 1H), 4.19-4.13(m, 2H), 3.87(s, 1H), 3.84(s, 3H), 3.12(s, 3H)
【0075】
ステップ3: (4aR,6R,7R,8R,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-メトキシ-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボン酸の合成
(4aR,6R,7R,8R,8aR)-メチル8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-メトキシ-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキシレート(1.3g、2.8mmol)/テトラヒドロフラン(50mL)および水(50mL)の撹拌溶液に、水酸化リチウム(0.33g、13.85mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。反応が完了したことをLCMSで確認後、溶媒を減圧除去した。次いで得られた残渣を水(100mL)で希釈し、1.5N塩酸を用いてpHを約2~3に調整した。沈殿した固体を濾過し、水で洗浄し、減圧乾燥し、表題化合物を灰白色固体として得た(1.1g、85%)。LCMS[M+H]+=456.2; {方法F: tR=0.64分}; 1H NMR(400MHz、MeOH-d4) δ ppm 8.58(s, 1H), 7.61(d, J=6.5Hz, 1H), 7.55(dd, J=10.0, 2.5Hz, 1H), 7.50-7.41(m, 3H), 7.36(d, J=3.5Hz, 3H), 7.11-7.04(m, 1H), 5.58(s, 1H), 5.16(dd, J=11.0, 3.5Hz, 1H), 4.50(d, J=3.0Hz, 1H), 4.42-4.35(m, 1H), 4.34-4.29(m, 1H), 4.16(dd, J=12.8, 1.8Hz, 1H), 4.06(d, J=9.0Hz, 1H), 3.84(s, 1H), 3.18(s, 3H)
【0076】
C2-デオキシカルボン酸中間体の合成(例えば(4aR,6R,8R,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボン酸)
【化13】
【0077】
ステップ1: (4aR,6R,7R,8S,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-((メチルスルホニル)オキシ)-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボン酸メチルの合成
(4aR,6R,7R,8R,8aR)-メチル8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキシレート(300mg、0.66mmol)/ピリジン(4mL)の撹拌溶液に、メシルクロリド(0.13mL、1.71mmol)を0℃で加え、6時間撹拌した。この反応混合物を氷水でクエンチし、5分間撹拌した。得られた固体を濾過し、過剰の水で洗浄し、乾燥し、表題化合物を灰白色固体として得た(0.26g、72%)。LCMS[M+H]+=534.2、{方法C : tR=1.990分}
【0078】
ステップ2: (4aR,8R,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-フェニル-4,4a,8,8a-テトラヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボン酸メチルの合成
(4aR,6R,7R,8S,8aR)-メチル8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-((メチルスルホニル)オキシ)-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキシレート(260mg、0.487mmol)/2,6-ルチジン(25mL)の溶液に、酸化アルミニウム(塩基性)(2.5g、24.37mmol)を室温で加え、50℃で16時間加熱した。溶媒を減圧除去し、粗製残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(2~3%MeOH/DCM)で精製し、表題化合物を淡黄色固体として得た(0.19g、83%)。LCMS[M+1]+=438.2、{方法C : tR=1.966分}; 1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ ppm 7.93(s, 1H), 7.50-7.56(m, 2H), 7.28-7.41(m, 6H), 7.00-7.05(m, 1H), 6.00-6.04(m, 1H), 5.96-5.99(m, 1H), 5.57(s, 1H), 4.64(dd, J=12.8, 1.8Hz, 1H), 4.50-4.54(m, 1H), 4.29-4.34(m, 1H), 4.12-4.20(m, 1H), 3.85(s, 3H)
【0079】
ステップ3: (4aR,6R,8R,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボン酸メチルの合成
(4aR,8R,8aR)-メチル8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-フェニル-4,4a,8,8aテトラヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキシレート(0.22g、0.503mmol)/EtOAc(8mL)の脱気溶液に、パラジウム/炭素(10%w/w、50%湿潤、54mg、0.05mmol)を加え、室温で水素雰囲気(~1atm)下、12時間撹拌した。この反応混合物をセライト濾過し、過剰のEtOAc/MeOH(1:1、30mL)で洗浄し、濾液を減圧濃縮し、表題化合物(0.2g、90%)を灰白色固体として得た。LC/MS [M+H]+=440.2、{方法B: tR=1.25分}; 1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ ppm 7.94(s, 1H), 7.48-7.56(m, 2H), 7.34-7.44(m, 6H), 6.96-7.11(m, 1H), 5.54(s, 1H), 5.13-5.26(m, 1H), 4.50(dd, J=12.5, 1.5Hz, 1H), 4.27-4.42(m, 2H), 4.03-4.20(m, 1H), 3.82(s, 3H), 3.70(d, J=1.5Hz, 1H), 2.58-2.69(m, 1H), 2.34-2.42(m, 1H)
【0080】
ステップ4: (4aR,6R,8R,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボン酸の合成
(4aR,6R,8R,8aR)-メチル8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキシレート(0.2g、0.455mmol)/THF(8mL)の撹拌溶液に、水(2.0mL)、LiOH(0.044g、1.821mmol)を室温で加え、2時間撹拌を続けた。反応が完了したことをLCMSで確認後、テトラヒドロフランを減圧除去した。得られた残渣を水(100mL)で希釈し、1.5N塩酸を用いてpHを約2~3に調整した。沈殿した固体を濾過し、水で洗浄し、減圧乾燥し、表題化合物(0.17g、88%)を灰白色固体として得た。LC/MS [M+H]+=426.2、{方法A : tR=0.79分}
【0081】
実施例1aおよび1b: (2R,3R,4S,5R,6R)-4-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-((1S,2R,3R)-3-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-ヒドロキシシクロヘキシル)-5-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-3-メトキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミド(異性体1および異性体2)の合成
【化14】
【0082】
ステップ1: 3-アジドシクロヘキサ-1-エンの合成
3-ブロモシクロヘキサ-1-エン(7.1mL、62.1mmol)/CCl4(100mL)および水(100mL)の混合溶媒の撹拌溶液に、アジ化ナトリウム(14.1g、217mmol)を室温で加え、48時間撹拌した。水層を分離し、DCM(2X50mL)で抽出した。有機抽出物を合わせて水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、3-アジドシクロヘキサ-1-エン(6.6g、86%)を淡黄色液体として得た。1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ ppm 5.94-6.07(m, 1H), 5.66-5.75(m, 1H), 3.83-3.92(m, 1H), 1.96-2.17(m, 2H), 1.84-1.94(m, 1H), 1.69-1.80(m, 2H), 1.57-1.68(m, 1H)
【0083】
ステップ2: (1R,2R,6S)-2-アジド-7-オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン(ラセミ体)の合成
3-アジドシクロヘキサ-1-エン(5.5g、44.7mmol)/ジクロロメタン(200mL)の溶液に、DCM(20mL)に溶解したmCPBA(15.4g、67.0mmol)を0℃で加え、室温に戻し、16時間撹拌した。この反応混合物を0℃に冷却し、沈殿した固体を濾過し、DCM(50mL)で洗浄した。濾液を飽和Na2SO3溶液、10%NaHCO3水溶液、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、粗製生成物を得た。得られた粗製残渣をフラッシュクロマトグラフィー(0~2%EtOAc/n-ヘキサン)で精製し、(1R,2R,6S)-2-アジド-7-オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン(1.9g、30%、シス異性体)および(1S,2R,6R)-2-アジド-7-オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン(2.9g、46%、トランス異性体)を得た。
シス異性性体: 1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ ppm 3.50-3.66(m, 1H), 3.32(dd, J=4.0, 2.0Hz, 1H), 3.25-3.28(m, 1H), 1.77-1.97(m, 2H), 1.58-1.74(m, 3H), 1.19-1.38(m, 1H)
トランス異性体: 1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ ppm 3.83(t, J=6.8Hz, 1H), 3.19-3.28(m, 1H), 3.09(d, J=3.5Hz, 1H), 1.97-2.08(m, 1H), 1.76-1.93(m, 2H), 1.45-1.53(m, 1H), 1.28-1.40(m, 2H)
【0084】
ステップ3: 1-((1S,2R,6R)-7-オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン-2-イル)-4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール(ラセミ体)の合成
(1S,2R,6R)-2-アジド-7-オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン(0.5g、3.59mmol)/DMF(5mL)および水(1.5mL)の溶液に、アスコルビン酸ナトリウム(0.71g、3.59mmol)、硫酸銅(II)五水和物(0.81g、3.23mmol)および3-フルオロフェニルアセチレン(1.7mL、14.37mmol)を室温で加え、85℃で30分間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、1:1のDCM(50mL)および水(50mL)で希釈し、室温で15分間撹拌した。この反応混合物をセライト濾過し、DCM(20mL)で洗浄し、濾液から有機層を分離し、水層をDCM(2x20mL)で再抽出した。有機抽出物を合わせて、水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、粗製残渣を得た。得られた粗製残渣をフラッシュクロマトグラフィー(40~50%EtOAc/n-ヘキサン)で精製し、1-((1S,2R,6R)-7-オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン-2-イル)-4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール(0.53g、57%)を淡黄色固体として得た。LC/MS [M+H]+=260.2、tR=2.266分(方法C)
【0085】
ステップ4: (1R,2R,6S)-2-アジド-6-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)シクロヘキサノール(ラセミ体)の合成
1-((1R,2S,6S)-7-オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン-2-イル)-4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール(200mg、0.771mmol)/MeOH(16mL)および水(4.00mL)の溶液に、塩化アンモニウム(103mg、1.928mmol)およびアジ化ナトリウム(251mg、3.86mmol)を室温で加え、75℃で16時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、MeOHを減圧除去し、EtOAc(3X25mL)で抽出した。有機抽出物を合わせて水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、粗製残渣を得た。得られた粗製残渣をフラッシュクロマトグラフィー(20~25%EtOAc/n-ヘキサン)で精製し、(1R,2R,6S)-2-アジド-6-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)シクロヘキサノール(0.22g、98%)を灰白色固体として得た。LC/MS [M+H]+=303.2、tR=1.699分(方法F)
【0086】
ステップ5: (1S,2R,6S)-2-アミノ-6-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)シクロヘキサノール(ラセミ体)の合成
(1R,2R,6S)-2-アジド-6-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)シクロヘキサノール(210mg、0.695mmol)/MeOH(20mL)の脱気溶液に、パラジウム/炭素(10%w/w、50%湿潤、74mg、0.069mmol)を加え、水素雰囲気(~1atm)下、室温で2時間撹拌した。この反応混合物をセライト濾過し、過剰のMeOH(10mL)で洗浄し、濾液を減圧濃縮し、(1S,2R,6S)-2-アミノ-6-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)シクロヘキサノール(170mg、71%)を得た。LC/MS [M+H]+=277.0、tR=1.255分(方法F)
【0087】
ステップ6: ((2R,3R,4S,5R,6R)-4-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-((1R,2S,3S)-3-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-ヒドロキシシクロヘキシル)-5-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-3-メトキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミドの合成
(2S,4aR,6R,7R,8R,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-メトキシ-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボン酸(50mg、0.110mmol)(50mg、0.110mmol)/DMF(2mL)の溶液に、DIPEA(0.06mL、0.329mmol)およびHATU(62.6mg、0.165mmol)を室温で加え、15分間撹拌した。次いで(1S,2R,6S)-2-アミノ-6-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)シクロヘキサノール(36.4mg、0.132mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。この反応混合物を氷冷水(10mL)でクエンチし、15分間撹拌した。得られた固体を濾過し、過剰の水で洗浄し、残渣を乾燥させ、粗製残渣をジアステレオマー混合物として得た。得られた粗製残渣をさらに分取HPLC[方法F]で精製し、2つの異性体を得た。
異性体1: 20mg、21%収率; LC/MS [M+H]+=714.2、tR=2.897分(方法C)
異性体2: 15mg、19%収率; LC/MS [M+H]+=714.2、tR=2.878分(方法C)
【0088】
ステップ7: ((4aR,6R,7R,8R,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-((1S,2R,3R)-3-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-ヒドロキシシクロヘキシル)-7-メトキシ-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド(20mg、0.028mmol、異性体1)/70%酢酸(5mL)の溶液を終夜70℃で撹拌し、室温に冷却し、溶媒を減圧除去し、粗製残渣を得た。得られた粗製生成物を分取LCMS(方法A)で精製し、実施例1aを白色固体として得た(4.5mg、25%収率)。LCMS[M+H]+=626.2、[tR=1.688分、方法A]および[tR=1.710分、方法B]; 1H NMR(400MHz、MeOH-d4)δ ppm 8.59(s, 1H), 8.39(s, 1H), 7.66(dd, J=7.8, 4.2Hz, 2H), 7.62-7.56(m, 2H), 7.49-7.41(m, 2H), 7.08(m, 2H), 4.91(dd, J=10.8, 2.7Hz, 1H), 4.57-4.44(m, 1H), 4.28-4.21(m, 1H), 4.11(d, J=2.7Hz, 1H), 4.03-3.89(m, 3H), 3.82-3.77(m, 2H), 3.75-3.69(m, 1H), 3.19-3.12(m, 3H), 2.24-2.12(m, 2H), 2.05(d, J=11.7Hz, 1H), 1.95(d, J=13.2Hz, 1H), 1.68-1.54(m, 2H); hGal3 IC50(ELISA)=0.7μM; hGal3 IC50(HTRF)= 0.29μM
【0089】
実施例1b: ((4aR,6R,7R,8R,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-((1S,2R,3R)-3-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-ヒドロキシシクロヘキシル)-7-メトキシ-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド(15mg、0.021mmol、異性体2)/70%酢酸(5mL)の溶液を終夜70℃で撹拌し、室温に冷却し、溶媒を減圧除去し、粗製残渣を得た。得られた粗製生成物を分取LCMS(方法A)で精製し、実施例1bを白色固体として得た(1.1mg、8%収率)。LCMS[M+H]+=626.2、[tR=1.690分、方法A]および[tR=1.688分、方法B]; 1H NMR(400MHz、MeOH-d4)δ ppm 8.63(s, 1H), 8.40(s, 1H), 7.72-7.57(m, 4H), 7.51-7.42(m, 2H), 7.13-7.05(m, 2H), 4.93(dd, J=10.8, 2.7Hz, 1H), 4.58-4.45(m, 1H), 4.27(t, J=9.9Hz, 1H), 4.12(d, J=2.4Hz, 1H), 4.02-3.89(m, 3H), 3.85-3.79(m, 2H), 3.77-3.71(m, 1H), 3.20(s, 3H), 2.26-2.14(m, 2H), 2.12 (br. s., 1H), 1.98(d, J=11.5Hz, 1H), 1.71-1.59(m, 2H); hGal3 IC50(ELISA)=16μM
【0090】
表1の実施例を合成手順において1-フルオロ-3-エチニルベンゼンを適当なアセチレンに置き換えて、実施例1aおよび1bと同様の方法で製造した。
【表2】
【表3】
【0091】
実施例6aおよび6b: (2R,3R,4S,5R,6R)-4-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-((1R,2S,3S)-3-(5-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-ヒドロキシシクロヘキシル)-5-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-3-メトキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミド(異性体1および異性体2)の合成
【化15】
【0092】
ステップ1: 1-((1R,2S,6S)-7-オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン-2-イル)-5-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール(ラセミ体)の合成
(1R,2S,6S)-2-アジド-7-オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン(100mg、0.719mmol)および3-フルオロフェニルアセチレン(0.34mL、2.87mmol)/トルエン(3mL)の撹拌溶液に、クロロ(1,5-シクロオクタジエン)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(8.19mg、0.022mmol)を加え、85℃で4時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、溶媒を減圧除去し、粗製残渣を得た。得られた粗製残渣をフラッシュクロマトグラフィー(40~50%EtOAc/n-ヘキサン)で精製し、表題化合物(175mg、92%)を灰白色固体として得た。LC/MS [M+H]+=260.2、tR=2.12分(方法C)
【0093】
ステップ2: (1R,2R,6S)-2-アジド-6-(5-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)シクロヘキサノール(ラセミ体)の合成
1-((1R,2S,6S)-7-オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン-2-イル)-5-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール(170mg、0.656mmol)/MeOH(8mL)および水(2mL)の溶液に、塩化アンモニウム(88mg、1.639mmol)およびアジ化ナトリウム(213mg、3.28mmol)を室温で加え、75℃で16時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、MeOHを減圧除去し、EtOAc(3X25mL)で抽出した。有機抽出物を合わせて水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、粗製残渣を得た。得られた粗製残渣をフラッシュクロマトグラフィー(20~25%EtOAc/n-ヘキサン)で精製し、表題化合物(0.15g、72%)を褐色固体として得た。LC/MS [M+H]+=303.5、tR=1.10分(方法E)
【0094】
ステップ3: (1S,2R,6S)-2-アミノ-6-(5-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)シクロヘキサノール(ラセミ体)の合成
(1R,2R,6S)-2-アジド-6-(5-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)シクロヘキサノール(150mg、0.496mmol)/MeOH(10mL)の脱気溶液に、パラジウム/炭素(10%w/w、50%湿潤、53mg、0.050mmol)を加え、室温で水素雰囲気(~1atm)下、2時間撹拌した。この反応混合物をセライト濾過し、過剰MeOH(10mL)で洗浄し、濾液を減圧濃縮し、表題化合物(68mg、40%)を得た。LC/MS [M+H]+=277.2、tR=1.18分(方法F)
【0095】
ステップ4: (4aR,6R,7R,8R,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-((1R,2S,3S)-3-(5-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-ヒドロキシシクロヘキシル)-7-メトキシ-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミドの合成
((4aR,6R,7R,8R,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-メトキシ-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボン酸(50mg、0.110mmol)/DMF(2mL)の溶液に、DIPEA(0.06mL、0.329mmol)およびHATU(62.6mg、0.165mmol)を室温で加え、15分間撹拌した。次いで(1S,2R,6S)-2-アミノ-6-(5-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)シクロヘキサノール(36.4mg、0.132mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。この反応混合物を氷冷水(10mL)でクエンチし、15分間撹拌した。得られた固体を濾過し、過剰の水で洗浄し、得られた残渣を乾燥させ、粗製残渣をジアステレオマー混合物として得た。得られた粗製残渣をさらに分取HPLC[方法E]で精製し、異性体1および異性体2を得た。
異性体1: 10mg、13%収率; LC/MS [M+H]+=714.2、tR=2.461分(方法F)
異性体2: 15mg、17%収率; LC/MS [M+H]+=714.2、tR=2.457分(方法F)
【0096】
ステップ5: ((4aR,6R,7R,8R,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-((1R,2S,3S)-3-(5-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-ヒドロキシシクロヘキシル)-7-メトキシ-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド(異性体1、10mg、0.014mmol)を70%酢酸(3mL、52.4mmol)に懸濁し、70℃で16時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、減圧濃縮し、粗製残渣を得た。この粗製残渣を分取HPLC[方法A]で精製し、実施例6aである、(2R,3R,4S,5R,6R)-4-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-((1R,2S,3S)-3-(5-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-ヒドロキシシクロヘキシル)-5-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-3-メトキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミド(異性体1、2.9mg、33%)を得た。LC/MS [M+H]+=626.1、tR=1.667分(方法A); 1H NMR(400MHz、MeOH-d4)δ ppm 8.63(s, 1H), 7.80(s, 1H), 7.70(d, J=7.8Hz, 1H), 7.66-7.54(m, 2H), 7.51-7.38(m, 3H), 7.29(td, J=8.6, 2.4Hz, 1H), 7.10(td, J=8.6, 2.4Hz, 1H), 4.93(dd, J=10.6, 2.8Hz, 1H), 4.38-4.30(m, 1H), 4.29-4.16(m, 2H), 4.12(d, J=2.7Hz, 1H), 3.94(d, J=9.3Hz, 1H), 3.92-3.79(m, 3H), 3.77-3.69(m, 1H), 3.19(s, 3H), 2.28-2.16(m, 1H), 2.06(d, J=10.8Hz, 2H), 1.89(d, J=13.4Hz, 1H), 1.67-1.44(m, 2H); hGal3 IC50=27μM
実施例6b: (2S,4aR,6R,7R,8R,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-((1R,2S,3S)-3-(5-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-ヒドロキシシクロヘキシル)-7-メトキシ-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド(異性体2、15mg、0.021mmol)を70%酢酸(5mL、87mmol)に懸濁し、70℃で16時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、減圧濃縮し、粗製残渣を得た。得られた粗製残渣を分取HPLC[方法A]で精製し、(2R,3R,4S,5R,6R)-4-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-((1R,2S,3S)-3-(5-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-ヒドロキシシクロヘキシル)-5-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-3-メトキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミド(異性体2、5.5mg、42%)を得た。LC/MS [M+H]+=626.1、tR=1.683分(方法A); 1H NMR(400MHz、MeOH-d4)δ ppm 8.61(s, 1H), 7.81(s, 1H), 7.68(d, J=8.1Hz, 1H), 7.65-7.55(m, 2H), 7.51-7.40(m, 3H), 7.32-7.26(m, 1H), 7.14-7.07(m, 1H), 4.92(dd, J=10.9, 3.1Hz, 1H), 4.39-4.31(m, 1H), 4.29-4.16(m, 2H), 4.12(d, J=2.7Hz, 1H), 3.94(d, J=9.3Hz, 1H), 3.90 (br. s., 1H), 3.85-3.79(m, 2H), 3.77-3.72(m, 1H), 3.17(s, 3H), 2.28-2.16(m, 1H), 2.11-1.98(m, 2H), 1.88(d, J=13.7Hz, 1H), 1.63-1.47(m, 2H); hGal3 IC50=0.90μM
【0097】
インダゾール誘導体の合成スキーム:
【化16】
【0098】
ステップ1: (1R,2R,6S)-2-アジド-6-(4-フルオロ-1H-インダゾール-1-イル)シクロヘキサノールおよび(1R,2R,6S)-2-アジド-6-(4-フルオロ-2H-インダゾール-2-イル)シクロヘキサノール(ラセミ体)の合成
(1S,2R,6R)-2-アジド-7-オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン(300mg、2.156mmol)および4-フルオロ-1H-インダゾール(308mg、2.264mmol)/DMSO(3mL)の溶液に、DBU(0.975mL、6.47mmol)を室温で加え、100℃で16時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(3x30mL)で抽出し、水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、粗製生成物を得た。得られた粗製残渣を分取HPLC(方法B)で精製し、N1-位置異性体の(1R,2R,6S)-2-アジド-6-(4-フルオロ-1H-インダゾール-1-イル)シクロヘキサノール(120mg、20%)およびN2-位置異性体の(1R,2R,6S)-2-アジド-6-(4-フルオロ-2H-インダゾール-2-イル)シクロヘキサノール(150mg、20%)を得た。
N1-位置異性体: 1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ ppm 8.12(d, J=0.8Hz, 1H), 7.16-7.39(m, 2H), 6.76-6.83(m, 1H), 4.29-4.38(m, 1H), 4.15-4.23(m, 1H), 3.48-3.57(m, 1H), 2.39(d, J=3.5Hz, 1H), 2.13-2.20(m, 1H), 2.04-2.11(m, 1H), 1.94-2.00(m, 1H), 1.43-1.68(m, 3H); LC/MS [M+H]+=276.2、tR=1.98分(方法F)
N2-位置異性体: 1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ ppm 8.06(d, J=0.8Hz, 1H), 7.43(s, 1H), 7.11-7.25(m, 1H), 6.66-6.73(m, 1H), 4.19-4.36(m, 1H), 4.06(t, J=9.6Hz, 1H), 3.46-3.57(m, 1H), 2.20-2.26(m, 1H), 2.09-2.17(m, 2H), 1.96-2.02(m, 1H), 1.50-1.59(m, 2H); LC/MS [M+H]+=276.2、tR=2.12分(方法C)
【0099】
ステップ2: (1S,2R,6S)-2-アミノ-6-(4-フルオロ-1H-インダゾール-1-イル)シクロヘキサノール(ラセミ体)の合成
(1R,2R,6S)-2-アジド-6-(4-フルオロ-1H-インダゾール-1-イル)シクロヘキサノール(100mg、0.363mmol)/MeOH(5mL)の脱気溶液に、パラジウム/炭素(10%w/w、39mg、0.036mmol)を加え、室温で水素雰囲気(~1atm)下、2時間撹拌した。この反応混合物をセライト濾過し、過剰MeOH(10mL)で洗浄し、濾液を減圧濃縮し、(1S,2R,6S)-2-アミノ-6-(4-フルオロ-1H-インダゾール-1-イル)シクロヘキサノール(65mg、62%)を得た。LC/MS [M+H]+=250.0、tR=1.26分(方法F)
【0100】
ステップ3: (4aR,6R,7R,8R,8aR)-N-((1R,2S,3S)-3-(4-フルオロ-1H-インダゾール-1-イル)-2-ヒドロキシシクロヘキシル)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-メトキシ-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミドの合成
(4aR,6R,7R,8R,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-メトキシ-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボン酸(50mg、0.110mmol)/DMF(5mL)の溶液に、DIPEA(0.19mL、1.098mmol)およびHATU(83mg、0.220mmol)を室温で加え、15分間撹拌した。次いで(1S,2R,6S)-2-アミノ-6-(4-フルオロ-1H-インダゾール-1-イル)シクロヘキサノール(ラセミ体、28mg、0.110mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。この反応混合物を氷冷水(10mL)でクエンチし、15分間撹拌した。得られた固体を濾過し、過剰の水で洗浄し、残渣を乾燥させ、粗製残渣をジアステレオマー混合物として得た。この粗製残渣を分取HPLC[方法E]で精製し、異性体1および異性体2を得た。
異性体1: 21mg、27%収率; LC/MS [M+H]+=687.2、tR=2.54分(方法F)
異性体2: 20mg、26%収率; LC/MS [M+H]+=6872、tR=2.55分(方法F)
【0101】
ステップ4: (2R,3R,4S,5R,6R)-N-((1R,2S,3S)-3-(4-フルオロ-1H-インダゾール-1-イル)-2-ヒドロキシシクロヘキシル)-4-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-5-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-3-メトキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミド(異性体1および2)の合成
(4aR,6R,7R,8R,8aR)-N-((1R,2S,3S)-3-(4-フルオロ-1H-インダゾール-1-イル)-2-ヒドロキシシクロヘキシル)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-メトキシ-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド(異性体1、20mg、0.029mmol)を70%酢酸(5mL)に懸濁し、70℃で16時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、減圧濃縮し、粗製残渣を得た。得られた粗製残渣を分取HPLC[方法A]で精製し、実施例7aである(2R,3R,4S,5R,6R)-N-((1R,2S,3S)-3-(4-フルオロ-1H-インダゾール-1-イル)-2-ヒドロキシシクロヘキシル)-4-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-5-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-3-メトキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミド(異性体1、7.8mg、45%)を得た。LC/MS [M+H]+=599.1、tR=1.77分(方法A); 1H NMR(400MHz、MeOH-d4)δ= 8.60(s, 1H), 8.14(s, 1H), 7.68(d, J=8.1Hz, 1H), 7.62(d, J=10.3Hz, 1H), 7.49-7.43(m, 2H), 7.39-7.34(m, 1H), 7.12-7.07(m, 1H), 6.83-6.81(m, 1H), 4.93(dd, J=10.9, 2.8Hz, 1H), 4.57 (br.s, 1H), 4.27-4.12(m, 1H), 4.13-4.05(m, 3H), 4.03(d, J=9.3Hz, 1H), 3.93-3.73(m, 3H), 3.16(s, 3H), 2.16-1.92(m, 4H), 1.71-1.52(m, 2H); hGal3 IC50=0.64μM
実施例7b: 実施例7a(異性体1)に記載の方法と同じ方法で、(4aR,6R,7R,8R,8aR)-N-((1R,2S,3S)-3-(4-フルオロ-1H-インダゾール-1-イル)-2-ヒドロキシシクロヘキシル)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-メトキシ-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド(異性体2、20mg、0.029mmol)を用いて製造した。得られた粗製残渣を分取HPLC[方法A]で精製し、(2R,3R,4S,5R,6R)-N-((1R,2S,3S)-3-(4-フルオロ-1H-インダゾール-1-イル)-2-ヒドロキシシクロヘキシル)-4-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-5-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-3-メトキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミド(異性体2、8.1mg、46%)を得た。LC/MS [M+H]+=599.1、tR=1.747分(方法A); 1H NMR(400MHz、MeOH-d4)δppm 8.63(s, 1H), 8.13(s, 1H), 7.70(d, J=7.8Hz, 1H), 7.64(d, J=10.3Hz, 1H), 7.50-7.43(m, 2H), 7.38-7.33(m, 1H), 7.12-7.07(m, 1H), 6.82-6.80(m, 1H), 4.93(dd, J=10.6, 2.8Hz, 1H), 4.60-4.47(m, 1H), 4.28(t, J=10.0Hz, 1H), 4.15-3.98(m, 3H), 3.94(d, J=9.3Hz, 1H), 3.87-3.76(m, 2H), 3.76-3.67(m, 1H), 3.18(s, 3H), 2.22-1.89(m, 4H), 1.77-1.56(m, 2H); hGal3 IC50=23μM
【0102】
実施例8: (2R,3R,4S,5R,6R)-N-((1R,2S,3S)-3-(4-フルオロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-ヒドロキシシクロヘキシル)-4-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-5-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-3-メトキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミドの合成
【化17】
【0103】
ステップ1: (1S,2R,6S)-2-アミノ-6-(4-フルオロ-2H-インダゾール-2-イル)シクロヘキサノール(ラセミ体)の合成
(1R,2R,6S)-2-アジド-6-(4-フルオロ-2H-インダゾール-2-イル)シクロヘキサノール(150mg、0.545mmol))/MeOH(10mL)の脱気溶液に、パラジウム/炭素(10%w/w、58mg、0.054mmol)を加え、室温で水素雰囲気(~1atm)下、2時間撹拌した。この反応混合物をセライト濾過し、過剰MeOH(10mL)で洗浄し、濾液を減圧濃縮し、表題化合物(80mg、45%)を灰白色固体として得た。LC/MS [M+H]+=250.2、tR=0.74分(方法C)
【0104】
ステップ2: (4aR,6R,7R,8R,8aR)-N-((1R,2S,3S)-3-(4-フルオロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-ヒドロキシシクロヘキシル)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-メトキシ-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミドの合成
(4aR,6R,7R,8R,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-メトキシ-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボン酸(50mg、0.110mmol)/DMF(5mL)の溶液に、DIPEA(0.19mL、1.098mmol)およびHATU(83mg、0.220mmol)を室温で加え、15分間撹拌した。次いで(1S,2R,6S)-2-アミノ-6-(4-フルオロ-2H-インダゾール-2-イル)シクロヘキサノール(ラセミ体、27.4mg、0.110mmol)を室温で加え、1時間撹拌した。この反応混合物を氷冷水(10mL)でクエンチし、15分間撹拌した。得られた固体を濾過し、過剰の水で洗浄し、残渣を乾燥させ、粗製残渣をジアステレオマー混合物として得た。この粗製残渣をさらに分取HPLC[方法E]で精製し、異性体1および異性体2を得た。
異性体1: 10mg、13%収率; LC/MS [M+H]+=687.0、tR=2.318分(方法F)
異性体2: 12mg、15%収率; LC/MS [M+H]+=687.2、tR=2.328分(方法F)
【0105】
ステップ3:(4aR,6R,7R,8R,8aR)-N-((1R,2S,3S)-3-(4-フルオロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-ヒドロキシシクロヘキシル)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-メトキシ-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド(異性体1、10mg、0.015mmol)を70%酢酸(5mL)に懸濁し、70℃で16時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、減圧濃縮し、粗製残渣を得た。この粗製残渣を分取HPLC[方法A]で精製し、実施例8の(2R,3R,4S,5R,6R)-N-((1R,2S,3S)-3-(4-フルオロ-2H-インダゾール-2-イル)-2-ヒドロキシシクロヘキシル)-4-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-5-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-3-メトキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミド(1.6mg、18%)を得た。LC/MS [M+H]+=599.1、tR=1.685分(方法A); 1H NMR(400MHz、MeOH-d4)δ=8.60(s, 1H), 8.37(s, 1H), 7.67(d, J=7.6Hz, 1H), 7.61(d, J=10.0Hz, 1H), 7.50-7.41(m, 2H), 7.29-7.21(m, 1H), 7.09(t, J=8.4Hz, 1H), 6.72(dd, J=10.5, 7.6Hz, 1H), 4.92(dd, J=10.8, 2.4Hz, 1H), 4.46 (br. s., 1H), 4.25(t, J=9.9Hz, 1H), 4.12(d, J=2.2Hz, 1H), 4.07-3.91(m, 3H), 3.86-3.67(m, 3H), 3.17(s, 3H), 2.31-2.13(m, 2H), 2.10-1.90(m, 2H), 1.72-1.55(m, 2H); hGal3 IC50=0.57μM
【0106】
実施例9aおよび9b: (2R,3R,4S,5R,6R)-4-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-((1S,2R,3R)-3-(3-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-2-ヒドロキシシクロヘキシル)-5-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-3-メトキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミド異性体1および2の合成
【化18】
【0107】
ステップ1: (1R,2R,6S)-2-アジド-6-(3-ブロモ-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)シクロヘキサノール(ラセミ体)の合成
(1S,2R,6R)-2-アジド-7-オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン(200mg、1.437mmol)および3-ブロモ-1H-1,2,4-トリアゾール(213mg、1.437mmol)/DMSO(2mL)の溶液に、DBU(0.650mL、4.31mmol)を加え、100℃で16時間加熱した。LCMSで反応が完了したことを確認後、反応物質をEtOAc(20mL)および水(20mL)で希釈し、有機層を分離し、水層をEtOAc(2x10mL)で再抽出した。有機抽出層を合わせて食塩水(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒を減圧除去し、得られた粗製物をフラッシュクロマトグラフィー(60~120mesh; シリカカラム、50~60%酢酸エチル/石油エーテル)で精製し、精製後に濃縮し、(1R,2R,6S)-2-アジド-6-(3-ブロモ-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)シクロヘキサノール(143mg、0.5mmol、35%)を灰白色固体として得た。LCMS[M+2]+=289.0、{方法F、tR:1.030分、検出: ELSD}
【0108】
ステップ2: (1R,2R,6S)-2-アジド-6-(3-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)シクロヘキサノール(ラセミ体)の合成
(1R,2R,6S)-2-アジド-6-(3-ブロモ-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)シクロヘキサノール(110mg、0.383mmol)、(3-フルオロフェニル)ボロン酸(64.3mg、0.460mmol)/1,4-ジオキサン(3mL)および水(0.450mL)の溶液に、K2CO3(116mg、0.843mmol)を加えた。この反応混合物をN2で脱気し、Pd(Ph3P)4(22.14mg、0.019mmol)をN2下で加えた。バイアルを密封して95℃で16時間加熱し、室温に冷却し、溶媒を減圧除去し、粗製残渣を得た。これをフラッシュクロマトグラフィー(60~120シリカゲル、80~90%酢酸エチル/石油エーテル)で精製し、(1R,2R,6S)-2-アジド-6-(3-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)シクロヘキサノール(58mg、47%)を灰白色固体として得た。LCMS[M+H]+=303.2、tR:2.256分{方法C}
【0109】
ステップ3: (1S,2R,6S)-2-アミノ-6-(3-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)シクロヘキサノール(ラセミ体)の合成
(1R,2R,6S)-2-アジド-6-(3-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)シクロヘキサノールを用いて実施例1aのステップ5に記載の方法と同様の方法で製造し、(1S,2R,6S)-2-アミノ-6-(3-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)シクロヘキサノール(0.048g、87%収率)を灰白色固体として得た。LCMS[M+H]+=277.2 {tR:0.730分、方法E}
【0110】
ステップ4: (4aR,6R,7R,8R,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-((1R,2S,3S)-3-(3-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-2-ヒドロキシシクロヘキシル)-7-メトキシ-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミドの合成
実施例1aのステップ6に記載の方法と同様の方法で、(1S,2R,6S)-2-アミノ-6-(3-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)シクロヘキサノール(33.4mg、0.121mmol)および(4aR,6R,7R,8R,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-メトキシ-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボン酸(0.05g、0.110mmol)を用いて製造した。得られた粗製物をフラッシュクロマトグラフィー(60~120シリカゲル、6~10%MeOH/CHCl3)で精製し、(4aR,6R,7R,8R,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-((1R,2S,3S)-3-(3-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-2-ヒドロキシシクロヘキシル)-7-メトキシ-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド(異性体1、0.020g、24%収率)および(4aR,6R,7R,8R,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-((1R,2S,3S)-3-(3-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-2-ヒドロキシシクロヘキシル)-7-メトキシ-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド(異性体2、0.024g、22%収率)を得た。LCMS[M+H]+=714.2 {方法F、異性体1: tR:2.375/異性体2: 2.350}
【0111】
ステップ5: (4aR,6R,7R,8R,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-((1R,2S,3S)-3-(3-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-2-ヒドロキシシクロヘキシル)-7-メトキシ-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド(異性体1、20mg、0.028mmol)/ジクロロメタン(1mL)の撹拌溶液に、トリフルオロ酢酸(0.15mL、1.947mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。次いで溶媒を減圧除去し、粗製物を分取HPLC{方法A}で精製した。所望のフラクションを減圧濃縮し、実施例9a:(2R,3R,4S,5R,6R)-4-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-((1S,2R,3R)-3-(3-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-2-ヒドロキシシクロヘキシル)-5-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-3-メトキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミド(異性体1、4.8mg、27.4%収率)を灰白色固体として得た。LCMS[M+H]+=626.1、[tR=1.682分、方法A]および[tR=1.691分、方法B]; 1H NMR(400MHz、MeOH-d4)δ ppm 8.61(s, 1H), 8.50(s, 1H), 7.88(d, J=7.8Hz, 1H), 7.76(d, J=10.3Hz, 1H), 7.67(d, J=7.8Hz, 1H), 7.62(d, J=10.0Hz, 1H), 7.53-7.42(m, 2H), 7.17(td, J=8.4, 2.3Hz, 1H), 7.13-7.06(m, 1H), 4.92(dd, J=10.8, 2.9Hz, 1H), 4.36-4.22(m, 2H), 4.12(d, J=2.9Hz, 1H), 4.02-3.88(m, 3H), 3.85-3.78(m, 2H), 3.76-3.70(m, 1H), 3.18(s, 3H), 2.22-2.12(m, 2H), 2.08-2.02(m, 1H), 1.98-1.92(m, 1H), 1.68-1.52(m, 2H); hGal3 IC50=0.5μM
実施例9b: 実施例9aに記載の方法と同様の方法で製造し、ステップ5で(4aR,6R,7R,8R,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-((1R,2S,3S)-3-(3-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-2-ヒドロキシシクロヘキシル)-7-メトキシ-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド(異性体2、0.024g、0.034mmol)を用いた。得られた粗製物を分取HPLC{方法A}で精製し、所望のフラクションを減圧濃縮し、(2R,3R,4S,5R,6R)-4-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-((1S,2R,3R)-3-(3-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-2-ヒドロキシシクロヘキシル)-5-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-3-メトキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミド(異性体2、1.01mg、4.5%収率)を灰白色固体として得た。LCMS[M+H]+=626.1、[tR=1.661分、方法A]および[tR=1.668分、方法B]; 1H NMR(400MHz、MeOH-d4)δ ppm 8.63(s, 1H), 8.49(s, 1H), 7.87(d, J=7.6Hz, 1H), 7.75(d, J=10.3Hz, 1H), 7.70(d, J=7.3Hz, 1H), 7.63(d, J=11.0Hz, 1H), 7.51-7.44(m, 2H), 7.20-7.07(m, 2H), 4.94-4.90(m, 1H), 4.35-4.24(m, 2H), 4.12(d, J=3.4Hz, 1H), 3.97-3.86(m, 3H), 3.84-3.79(m, 2H), 3.76-3.70(m, 1H), 3.20(s, 3H), 2.22-2.06(m, 4H), 1.94 (br. s., 1H), 1.65-1.57(m, 1H); hGal3 IC50=>100μM
【0112】
シクロヘキシルNメチル類似体:
【化19】
【0113】
ステップ1: 1-((1S,2R,6R)-7-オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン-2-イル)-4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール(ラセミ体)の合成
(1S,2R,6R)-2-アジド-7-オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン(0.5g、3.59mmol)/DMF(5mL)および水(1.5mL)の溶液に、アスコルビン酸ナトリウム(0.71g、3.59mmol)、硫酸銅(II)五水和物(0.81g、3.23mmol)および3-フルオロフェニルアセチレン(1.7mL、14.37mmol)を室温で加え、85℃で30分間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、1:1のDCM(50mL)および水(50mL)で希釈し、室温で15分間撹拌した。この反応混合物をセライト濾過し、DCM(20mL)で洗浄した。濾液から有機層を分離し、水層をDCM(2x20mL)で再抽出した。有機抽出物を合わせて水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、粗製残渣を得た。得られた粗製残渣をフラッシュクロマトグラフィー(40~50%EtOAc/n-ヘキサン)で精製し、1-((1S,2R,6R)-7-オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン-2-イル)-4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール(0.53g、57%)を淡黄色固体として得た。LC/MS [M+H]+=260.2、tR=2.266分(方法C)
【0114】
ステップ2: (1R,2R,6S)-2-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-6-(メチルアミノ)シクロヘキサノール(ラセミ体)の合成
密封したチューブで、1-((1S,2R,6R)-7-オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン-2-イル)-4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール(110mg、0.424mmol)およびメタンアミン(33%エタノール溶液、5mL、0.424mmol)を65℃で16時間加熱し、室温に冷却し、溶媒を減圧除去し、粗製残渣を得た。得られた粗製残渣をn-ペンタンでトリチュレートし、乾燥し、(1R,2R,6S)-2-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-6-(メチルアミノ)シクロヘキサノール(109mg、88%)を得た。LC/MS [M+H]+=291.0、tR=1.372分(方法F)
【0115】
ステップ3: (4aR,6R,7R,8R,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-((1S,2R,3R)-3-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-ヒドロキシシクロヘキシル)-7-メトキシ-N-メチル-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミドの合成
((2S,4aR,6R,7R,8R,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-メトキシ-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボン酸(50mg、0.11mmol)/DMF(2mL)の溶液に、DIPEA(0.06mL、0.33mmol)およびHATU(63mg、0.16mmol)を室温で加え、15分間撹拌した。次いで(1R,2R,6S)-2-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-6-(メチルアミノ)シクロヘキサノール(35.1mg、0.121mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。この反応混合物を氷冷水(10mL)でクエンチし、15分間撹拌した。得られた固体を濾過し、過剰の水で洗浄し、残渣を乾燥し、粗製残渣をジアステレオマー混合物として得た。この粗製残渣をさらに分取SFCで精製し、異性体1および異性体2を得た。
【0116】
分取SFC条件
カラム/サイズ: Chiralcel OD-H(250 X 21)mm,5u
%CO2: 60%
%共溶媒: 40%MeOH(0.2%DEA含有)
総流速: 80.0g/分
背圧: 100bar
温度: 25℃
UV: 242nm
異性体1: 35mg、37%収率; LC/MS [M+H]+=728.2、tR=3.178分(方法C)
異性体2: 25mg、31%収率; LC/MS [M+H]+=728.0、tR=2.635分(方法F)
【0117】
実施例10a:(2S,4aR,6R,7R,8R,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-((1S,2R,3R)-3-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-ヒドロキシシクロヘキシル)-7-メトキシ-N-メチル-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド(異性体1、35mg、0.048mmol)を70%酢酸(5mL)に懸濁し、70℃で16時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、減圧濃縮し、粗製残渣を得た。この粗製残渣を分取HPLC[方法A]で精製し、((2R,3R,4S,5R,6R)-4-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-((1S,2R,3R)-3-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-ヒドロキシシクロヘキシル)-5-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-3-メトキシ-N-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミド(異性体1、9.3mg、30%)を灰白色固体として得た。LC/MS[M+H]+=640.2、tR=1.788分(方法A); 1H NMR(400MHz、MeOH-d4)δ ppm 8.71, 8.70(two singlets, 1H), 8.53, 8.42(two singlets, 1H), 7.76-7.57(m, 4H), 7.53-7.42(m, 2H), 7.15-7.05(m, 2H), 5.03-4.96(m, 1H), 4.76-4.66(m, 1H), 4.58(m, 1H), 4.55-4.35(m, 3H), 4.34-4.04(m, 4H), 3.21, 3.00(two singlets, 3H), 3.13, 3.11(two singlets, 3H), 2.27-2.09(m, 2H), 2.04-1.90(m, 2H), 1.85(m, 2H){回転異性体混合物}; hGal3 IC50=5.5μM
【0118】
実施例10b:((2S,4aR,6R,7R,8R,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-((1S,2R,3R)-3-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-ヒドロキシシクロヘキシル)-7-メトキシ-N-メチル-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド(異性体2、25mg、0.034mmol)を70%酢酸(5mL、87mmol)に懸濁し、70℃で16時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、減圧濃縮し、粗製残渣を得た。この粗製残渣を分取HPLC[方法A]で精製し、((2R,3R,4S,5R,6R)-4-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-((1S,2R,3R)-3-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-ヒドロキシシクロヘキシル)-5-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-3-メトキシ-N-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミド(異性体2、2.2mg、10%)を得た。LC/MS [M+H]+=640.2、tR=1.78分(方法A); 1H NMR(400MHz、MeOH-d4)δ ppm 8.72, 8.71(two singlets, 1H), 8.47, 8.45(two singlets, 1H), 7.75-7.57(m, 4H), 7.53-7.43(m, 2H), 7.10(t, J=8.4Hz, 2H), 5.03-4.95(m, 1H), 4.65-4.49(m, 3H), 4.47-4.40(m, 1H), 4.21-4.00(m, 2H), 3.94-3.84(m, 1H), 3.83-3.64(m, 2H), 3.21, 2.98(two singlets, 3H), 3.14, 3.11(two singlets, 3H), 2.28-2.11(m, 2H), 2.10-1.95(m, 2H), 1.94-1.64(m, 2H); [回転異性体混合物]; hGal3 IC50=0.091μM
【0119】
表2の実施例は、合成手順においてメチルアミンを適当なアルキルアミンに置き換えて、実施例10aおよび10bと同様の方法で製造した。
【表4】
【表5】
【0120】
実施例16aおよび16b: (2R,3R,4S,5R,6R)-4-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-((3R,4S,5S)-5-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-4-ヒドロキシピペリジン-3-イル)-5-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-3-メトキシ-N-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミド(異性体1および2)の合成
【化20】
【0121】
ステップ1: tert-ブチル(1S,5R,6R)-5-ヒドロキシ-7-オキサ-3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3-カルボキシレート(ラセミ体)の合成
N-Boc-3-ヒドロキシ-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン(500mg、2.51mmol)/DCM(25mL)の溶液に、N2下、0℃で重炭酸ナトリウム(211mg、2.51mmol)、続いてmCPBA(928mg、3.76mmol)/DCM(3mL)を加え、室温に加温し、24時間撹拌した。この反応混合物をDCM(100mL)で希釈し、セライト濾過し、濾液を飽和Na2SO3(2x50mL)、飽和NaHCO3(2x50mL)および飽和NaCl(25mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮し、得られた粗製残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(40%→50%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、表題化合物を白色固体として得た(430mg、80%収率); 1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ 4.01 (br.s, 1H), 3.92-3.44(m, 5H), 3.10(dd, J=12.8, 7.2Hz, 1H), 1.29(s, 9H) (回転異性体混合物)
【0122】
ステップ2: tert-ブチル(1S,5S,6R)-5-アジド-7-オキサ-3-アザビシクロ[4.1.0]
ヘプタン-3-カルボキシレート(ラセミ体)の合成
(1S,5R,6R)-tert-ブチル5-ヒドロキシ-7-オキサ-3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3-カルボキシレート(325mg、1.510mmol)/THF(50mL)の撹拌溶液に、トリフェニルホスフィン(792mg、3.02mmol)を加え、0℃に冷却した。N2下でDEAD(0.478mL、3.02mmol)およびDPPA(0.651mL、3.02mmol)を順に加え、室温に加温し、16時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、得られた粗製残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(10%→15%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、表題化合物を淡黄色油状物として得た(230mg、64%収率); 1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ 4.09-3.82(m, 2H), 3.62-3.38(m, 4H), 3.17(dd, J=13.1, 3.3Hz, 1H), 1.40(s, 9H) (回転異性体混合物)
【0123】
ステップ3: tert-ブチル(1S,5S,6R)-5-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-オキサ-3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3-カルボキシレート(ラセミ体)の合成
(1R,5R,6S)-tert-ブチル5-アジド-7-オキサ-3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3-カルボキシレート(1.6g、6.66mmol)/DMF(30mL)および水(7.50mL)の溶液に、アスコルビン酸ナトリウム(1.319g、6.66mmol)、硫酸銅(II)五水和物(1.496g、5.99mmol)および3-フルオロフェニルアセチレン(3.08mL、26.6mmol)を順に室温で加えた。この反応混合物をN2で5分間脱気し、85℃で30分間加熱した。混合物を室温に冷却し、氷冷水(100mL)で希釈し、15分間撹拌し、固体を得た。得られた固体を濾過し、DCM(100mL)に懸濁し、セライト濾過し、過剰DCMで洗浄した。濾液を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。得られた残渣をシリカゲル(40%→80%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、表題化合物(1.1g、46%収率)を白色固体として得た。1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ 7.83 (br.s, 1H), 7.59-7.55(m, 2H), 7.42-7.38(m, 1H), 7.10-7.07(m, 1H), 5.18-5.06(m, 1H), 4.34-4.29(m, 1H), 3.93-3.45(m, 5H), 1.47-1.11(m, 9H) (回転異性体混合物); LC/MS [M+H]+=361.0、tR=2.01分(方法E)
【0124】
ステップ4: (3S,4S,5R)-tert-ブチル3-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-4-ヒドロキシ-5-(メチルアミノ)ピペリジン-1-カルボキシレート(ラセミ体)の合成
密封したチューブ中、(1S,5S,6R)-tert-ブチル5-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-オキサ-3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3-カルボキシレート(100mg、0.277mmol)/メタンアミン(33%エタノール溶液、5mL、0.277mmol)を65℃で16時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、溶媒を減圧除去し、粗製残渣を得た。得られた粗製残渣をペンタンでトリチュレートし、減圧乾燥し、(3S,4S,5R)-tert-ブチル3-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-4-ヒドロキシ-5-(メチルアミノ)ピペリジン-1-カルボキシレート(105mg、94%)を得た。LCMS[M+H]+=392.2{方法C: tR=1.855分}
【0125】
ステップ5: (4aR,6R,7R,8R,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-メトキシ-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボン酸(50mg、0.110mmol)/DMF(2mL)の撹拌溶液に、DIPEA(0.058mL、0.329mmol)およびHATU(62.6mg、0.165mmol)を順に室温で加え、15分間撹拌した。次いで(3S,4S,5R)-tert-ブチル3-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-4-ヒドロキシ-5-(メチルアミノ)ピペリジン-1-カルボキシレート(47.3mg、0.121mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。この反応混合物を氷水でクエンチし、15分間撹拌した。得られた固体を濾過し、乾燥し、粗製残渣を得た。得られた粗製残渣をシリカゲル(5~10%MeOH/クロロホルム)で精製し、tert-ブチル(3S,4S,5R)-3-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-5-((4aR,6R,7R,8R,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-メトキシ-N-メチル-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレートをジアステレオマー混合物として得た。これをさらにキラルSFCで精製し、2つの異性体を得た。
【0126】
分取SFC方法詳細:
カラム/サイズ: Chiralcel OJ-H(250 X 21)mm,5u
%CO2: 70%
%共溶媒: 30%IPA+ACN
総流速: 70.0g/分
背圧: 100bar
温度: 25℃
UV: 244nm
【0127】
分析キラルSFC条件:
分析カラム: Chiralcel OJH(250 X 4.6)mm,5u
BPR圧力: 100bars
温度: 22.3℃
流速: 2.8g/分
移動相: CO2/IPA+ACN(70/30)
検出波長: UV 200~400nm
異性体1:(30mg、31%収率); キラルSFC tR=1.8分; LCMS[M+H]+=829.0{方法F: tR=2.855分};
異性体2:(28mg、31%収率); キラルSFC tR=5.15分; LCMS[M+H]+=829.0{方法F: tR=3.0分};
【0128】
ステップ6: (3S,4S,5R)-tert-ブチル3-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-5-((4aR,6R,7R,8R,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-メトキシ-N-メチル-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート(異性体1、30mg、0.036mmol)/ジクロロメタン(1mL)の溶液に、トリフルオロ酢酸(0.15mL、1.947mmol)を加え、混合物を室温で2時間撹拌した。次いで、溶媒を減圧除去し、粗製残渣を得た。粗製物質を分取HPLC(方法A)で精製し、実施例16aの(2R,3R,4S,5R,6R)-4-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-((3R,4S,5S)-5-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-4-ヒドロキシピペリジン-3-イル)-5-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-3-メトキシ-N-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミド(異性体1、10.6mg、47%収率)を灰白色固体として得た。LCMS[M+H]+=641.3{方法A: tR=1.520}; 1H NMR(400MHz、MeOH-d4)δ ppm 8.72, 8.68(two singlets, 1H), 8.45(m, 1H), 7.74-7.55(m, 4H), 7.51-7.41(m, 2H), 7.14-7.04(m, 2H), 4.97(dd, J=10.6, 2.8Hz, 1H), 4.67-4.49(m, 2H), 4.48-4.24(m, 3H), 4.10(dd, J=7.9, 2.6Hz, 1H), 3.95(dd, J=8.4, 3.8Hz, 1H), 3.89-3.76(m, 2H), 3.74-3.68(m, 1H), 3.43-3.35(m, 1H), 3.23, 3.00(two singlets, 3H), 3.22-3.16(m, 1H), 3.14-3.10(m, 3H), 3.09-3.01(m, 1H)[*回転異性体混合物]; hGal3 IC50=3.5μM
【0129】
実施例16b: (3S,4S,5R)-tert-ブチル3-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-5-((4aR,6R,7R,8R,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-メトキシ-N-メチル-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート(異性体2、28mg、0.034mmol)/ジクロロメタン(1mL)の溶液に、トリフルオロ酢酸(0.15mL、1.947mmol)を室温で加え、2時間撹拌した。次いで、溶媒を減圧除去し、粗製残渣を得た。粗製物質を分取LC/MS(方法A)で精製し、(2R,3R,4S,5R,6R)-4-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-((3R,4S,5S)-5-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-4-ヒドロキシピペリジン-3-イル)-5-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-3-メトキシ-N-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミド(異性体2、12.4mg、0.019mmol、57%)を灰白色固体として得た。LCMS[M+H]+=641.1{方法A: tR=1.517}; 1H NMR(400MHz、MeOH-d4)δ ppm 8.71, 8.68(two singlets, , 1H), 8.53, 8.51(two singlets, 1H), 7.73-7.57(m, 4H), 7.51-7.42(m, 2H), 7.14-7.05(m, 2H), 4.97(dt, J=10.3, 3.4Hz, 1H), 4.57-4.37(m, 2H), 4.30-4.21(m, 1H), 4.08(dd, J=7.5, 2.3Hz, 1H), 4.01-3.96(m, 1H), 3.90-3.67(m, 5H), 3.50-3.41(m, 2H), 3.27, 3.00(two singlets, 3H), 3.13-3.10(m, 3H), 3.04(m, 1H){回転異性体混合物}; hGal3 IC50=0.044μM
【0130】
実施例17aおよび17b: (2R,4R,5R,6R)-4-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-((3R,4S,5S)-5-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-4-ヒドロキシピペリジン-3-イル)-5-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-N-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミド(異性体1および2)の合成
【化21】
【0131】
ステップ1: tert-ブチル(3S,4S,5R)-3-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-5-((4aR,6R,8R,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-メチル-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレートの合成
(4aR,6R,8R,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボン酸(50mg、0.118mmol)/DMF(2mL)の撹拌溶液に、DIPEA(0.062mL、0.353mmol)およびHATU(67.0mg、0.176mmol)を室温で順に加え、15分間撹拌した。次いで(3S,4S,5R)-tert-ブチル3-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-4-ヒドロキシ-5-(メチルアミノ)ピペリジン-1-カルボキシレート(50.6mg、0.129mmol)を加え、室温で1時間撹拌し、この反応混合物を氷水でクエンチし、15分間撹拌した。得られた固体を濾過し、乾燥し、粗製残渣を得た。得られた粗製残渣をシリカゲル(5~10%MeOH/クロロホルム)で精製し、(3S,4S,5R)-tert-ブチル3-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-5-((4aR,6R,8R,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-メチル-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレートをジアステレオマー混合物として得た。これをさらにキラルSFCで精製し、2つの異性体を得た。
【0132】
分取SFC方法詳細:
カラム/サイズ: Chiralcel OJ-H(250 X 21)mm,5u
%CO2: 80%
%共溶媒: 20%IPA+ACN
総流速: 70.0g/分
背圧: 100bar
温度: 25℃
UV: 244nm
【0133】
分析キラルSFC条件:
分析カラム: Chiralcel OJH(250 X 4.6)mm,5u
BPR圧力: 100bars
温度: 22.3℃
流速: 3g/分
移動相: CO2/IPA+ACN(75/25)
検出波長: UV 200~400nm
異性体1:(28mg、0.035mmol、30%); キラルSFC tR=3.74分; LCMS[M+H]+=799.1{方法F: tR=3.888分}
異性体2:(29mg、0.034mmol、29%); キラルSFC tR=5.91分; LCMS[M+H]+=799.2{方法F: tR=3.505分}
【0134】
ステップ2: (3S,4S,5R)-tert-ブチル3-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-5-((4aR,6R,8R,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-メチル-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート(異性体1、28mg、0.035mmol)/DCM(1mL)の溶液に、トリフルオロ酢酸(0.15mL、1.947mmol)を室温で加え、2時間撹拌した。次いで、溶媒を減圧除去し、粗製残渣を得た。粗製物質を分取HPLC(方法A)で精製し、実施例17aの(2R,4R,5R,6R)-4-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-((3R,4S,5S)-5-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-4-ヒドロキシピペリジン-3-イル)-5-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-N-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミド(異性体1、10.9mg、50%)を灰白色固体として得た。LCMS[M+H]+=611.3{方法A: tR=1.257}; 1H NMR(400MHz、MeOH-d4) δ ppm 8.53-8.46(m, 2H), 7.71-7.59(m, 4H), 7.52-7.42(m, 2H), 7.15-7.06(m, 2H), 5.13(d, J=12.5Hz, 1H), 4.81-4.74(m, 1H), 4.68(dd, J=9.2, 6.5Hz, 1H), 4.56-4.35(m, 2H), 4.14(s, 1H), 4.01-3.56(m, 5H), 3.48-3.36(m, 1H), 3.25, 3.00(two singlets, 3H), 3.06(q, J=7.3Hz, 1H), 2.91-2.79(m, 1H), 2.25-2.14(m, 1H){回転異性体混合物}; hGal3 IC50=5.2μM
【0135】
実施例17b: (3S,4S,5R)-tert-ブチル3-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-5-((4aR,6R,8R,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-メチル-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート(異性体2、29mg、0.036mmol)/DCM(1mL)の溶液に、トリフルオロ酢酸(0.15mL、1.947mmol)を室温で加え、2時間撹拌した。次いで、溶媒を減圧除去し、粗製残渣を得た。粗製物質を分取LC/MS(方法A)で精製し、((2R,4R,5R,6R)-4-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-((3R,4S,5S)-5-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-4-ヒドロキシピペリジン-3-イル)-5-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-N-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミド(異性体2、6.7mg、0.011mmol、30%)を灰白色固体として得た。LCMS[M+H]+=611.3{方法A: tR=1.255}; 1H NMR(400MHz、MeOH-d4)δ ppm 8.54-8.46(m, 2H), 7.70-7.57(m, 4H), 7.51-7.41(m, 2H), 7.14-7.05(m, 2H), 5.15-5.06(m, 1H), 4.95-4.86(m, 1H), 4.74-4.61(m, 1H), 4.48-4.41(m, 1H), 4.32(td, J=10.9, 4.3Hz, 1H), 4.10(s, 1H), 4.01-3.70(m, 5H), 3.57-3.43(m, 1H), 3.24, 2.99(two singlets, 3H), 3.05(q, J=7.4Hz, 1H), 2.85-2.69(m, 1H), 2.32-2.15(m, 1H){回転異性体混合物}; hGal3 IC50=0.13μM
【0136】
実施例18aおよび18b: (2R,3R,4S,5R,6R)-4-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-((3S,4R,5R)-5-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-4-ヒドロキシピペリジン-3-イル)-3,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-N-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミド(異性体1および2)の合成
【化22】
【0137】
ステップ1: (4aR,6R,7R,8R,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボン酸(50mg、0.113mmol)/DMF(2mL)の撹拌溶液に、DIPEA(0.059mL、0.340mmol)およびHATU(64.6mg、0.170mmol)を室温で順に加え、15分間撹拌した。次いで(3S,4S,5R)-tert-ブチル3-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-4-ヒドロキシ-5-(メチルアミノ)ピペリジン-1-カルボキシレート(48.8mg、0.125mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。この反応混合物を氷水でクエンチし、15分間撹拌した。得られた固体を濾過し、乾燥し、粗製残渣を得た。得られた粗製残渣をシリカゲル(5~10%MeOH/クロロホルム)で精製し、(3S,4S,5R)-tert-ブチル3-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-5-((4aR,6R,7R,8R,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-ヒドロキシ-N-メチル-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレートをジアステレオマー混合物として得た。これをさらに分取HPLC(方法C)で精製し、2つの異性体を得た。
【0138】
分析HPLC条件:
分析カラム: Symmetry C9(250 X 4.6)mm,5u
移動相A: 0.1%TFA水溶液
移動相B: ACN
流速: 1mL/分
グラジエント: 20~100%Bで20分かけて溶出後、次いで100%Bで10分間溶出
検出波長: UV 200~400nm
異性体1: (25mg、0.030mmol、27%); HPLC tR=16.083分; LCMS[M+H]+=815.0{方法F: tR=2.683分}
異性体2: (21mg、0.025mmol、22%); HPLC tR=16.700分; LCMS[M+H]+=815.2{方法F: tR=3.98分}
【0139】
ステップ2: (3S,4S,5R)-tert-ブチル3-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-5-((4aR,6R,7R,8R,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-ヒドロキシ-N-メチル-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート(異性体1、25mg、0.031mmol)/DCM(1mL)の溶液に、トリフルオロ酢酸(0.15mL、1.947mmol)を室温で加え、2時間撹拌した。次いで、溶媒を減圧除去し、粗製残渣を得た。粗製物質を分取HPLC(方法D)で精製し、実施例18aの(2R,3R,4S,5R,6R)-4-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-((3R,4S,5S)-5-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-4-ヒドロキシピペリジン-3-イル)-3,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-N-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミド(異性体1、8mg、41%収率)を灰白色固体として得た。LCMS[M+H]+=627.2{方法C: tR=1.500}; 1H NMR(400MHz、MeOH-d4)δ ppm 8.44, 8.43(two singlets, 1H), 8.36, 8.34(two singlets, 1H), 7.70-7.56(m, 4H), 7.50-7.41(m, 2H), 7.13-7.04(m, 2H), 4.98-4.90(m, 1H), 4.80-4.75(m, 1H), 4.65-4.50(m, 2H), 4.44(d, J=9.0Hz, 1H), 4.37-4.28(m, 1H), 4.23(td, J=10.7, 4.8Hz, 1H), 4.14(d, J=2.5Hz, 1H), 4.01(dd, J=8.3, 3.8Hz, 1H), 3.93-3.77(m, 2H), 3.75-3.69(m, 2H), 3.43-3.34(m, 1H), 3.24(s, 1H), 3.22-3.12(m, 2H)[*回転異性体混合物]; hGal3 IC50=1.8μM
【0140】
実施例18b: (3S,4S,5R)-tert-ブチル3-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-5-((4aR,6R,7R,8R,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-ヒドロキシ-N-メチル-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド)-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート(異性体2、16mg、0.020mmol)/DCM(1mL)の溶液に、トリフルオロ酢酸(0.15mL、1.947mmol)を室温で加え、2時間撹拌した。次いで溶媒を減圧除去し、粗製残渣を得た。粗製物質を分取LC/MS(方法A)で精製し、(2R,3R,4S,5R,6R)-4-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-((3R,4S,5S)-5-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-4-ヒドロキシピペリジン-3-イル)-3,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-N-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミド(異性体2、2.8mg、22%)を灰白色固体として得た。LCMS[M+H]+=627.1{方法A: tR=1.517}; 1H NMR(400MHz、MeOH-d4)δ ppm 8.55(d, J=2.9Hz, 1H), 8.53(d, J=2.4Hz, 1H), 7.72-7.66(m, 2H), 7.64(d, J=7.6Hz, 2H), 7.53-7.44(m, 2H), 7.16-7.07(m, 2H), 4.97(dd, J=10.6, 2.8Hz, 1H), 4.80-4.73(m, 1H), 4.48-4.39(m, 2H), 4.16(d, J=3.4Hz, 1H), 4.05(d, J=5.4Hz, 1H), 3.94-3.70(m, 6H), 3.55-3.46(m, 1H), 3.29, 3.02(two singlets, 3H), 3.06(d, J=7.8Hz, 1H){回転異性体混合物}; hGal3 IC50=0.05μM
【0141】
実施例19: (2R,3R,4S,5R,6R)-4-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-((3S,4R,5R)-5-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-4-ヒドロキシ-1-メチルピペリジン-3-イル)-5-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-3-メトキシ-N-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミドの合成
【化23】
【0142】
ステップ1: (1R,5R,6S)-5-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-オキサ-3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン(ホモキラル)の合成
tert-ブチル(1R,5R,6S)-5-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-オキサ-3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3-カルボキシレート(100mg、0.277mmol)/ジクロロメタン(5mL)の撹拌溶液に、4Aモレキュラー・シーブ(100mg)およびBF3・OEt2(0.105mL、0.832mmol)を室温で順に加え、30分間撹拌した。この反応混合物をセライト濾過し、過剰DCM(20mL)で洗浄し、濾液を減圧濃縮し、(1R,5R,6S)-5-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-オキサ-3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン(70mg、83%収率)を淡黄色油状物として得た。LCMS[M+H]+=261.4{方法E: tR=0.90分}
【0143】
ステップ2: (1R,5R,6S)-5-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチル-7-オキサ-3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタンの合成
(1R,5R,6S)-5-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-オキサ-3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン(70mg、0.269mmol)/MeOH(5mL)の撹拌溶液に、パラホルムアルデヒド(40.4mg、1.345mmol)およびAcOH(0.1mL)を加え、10分間室温で撹拌した。次いでシアノ水素化ホウ素ナトリウム(16.90mg、0.269mmol)を加え、室温で16時間撹拌した。MeOHを減圧除去し、得られた粗製残渣を10%MeOH/DCM(2X30mL)で抽出し、水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(20~50%EtOAc/n-ヘキサン)で精製し、(1R,5R,6S)-5-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチル-7-オキサ-3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン(70mg、92%収率)を灰白色固体として得た。LCMS[M+H]+=275.2{方法C: tR=1.828分}
【0144】
ステップ3: (3R,4R,5S)-3-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-1-メチル-5-(メチルアミノ)ピペリジン-4-オールの合成
密封したチューブ中、(1R,5R,6S)-5-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3-メチル-7-オキサ-3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン(70mg、0.255mmol)/メタンアミン(33%エタノール溶液、5mL、0.255mmol)を65℃で16時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、溶媒を減圧除去し、表題化合物(65mg、81%収率)を褐色固体として得た。LCMS[M+H]+=306.2{方法C: tR=0.833分}
【0145】
ステップ4: (4aR,6R,7R,8R,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-((3S,4R,5R)-5-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-4-ヒドロキシ-1-メチルピペリジン-3-イル)-7-メトキシ-N-メチル-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミドの合成
(4aR,6R,7R,8R,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-メトキシ-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボン酸(30mg、0.066mmol)/DMF(2mL)の撹拌溶液に、DIPEA(0.035mL、0.198mmol)およびHATU(37.6mg、0.099mmol)を室温で順に加え、15分間撹拌した。次いで(3R,4R,5S)-3-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-1-メチル-5-(メチルアミノ)ピペリジン-4-オール(24.14mg、0.079mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。この反応混合物を氷水でクエンチし、15分間撹拌した。得られた固体を濾過し、乾燥し、表題化合物(35mg、55%収率)を褐色固体として得た。LCMS[M+H]+=743.2{方法C: tR=2.88分}
【0146】
ステップ5: (4aR,6R,7R,8R,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-((3S,4R,5R)-5-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-4-ヒドロキシ-1-メチルピペリジン-3-イル)-7-メトキシ-N-メチル-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド(30mg、0.040mmol)/ジクロロメタン(3mL)の溶液に、トリフルオロ酢酸(0.5mL、6.49mmol)を室温で加え、2時間撹拌した。次いで、溶媒を減圧除去し、粗製残渣を得た。粗製物質を分取HPLC(方法D)で精製し、実施例19の(2R,3R,4S,5R,6R)-4-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-((3S,4R,5R)-5-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-4-ヒドロキシ-1-メチルピペリジン-3-イル)-5-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-3-メトキシ-N-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミド(18.7mg、0.029mmol、71%)を灰白色固体として得た。LCMS[M+H]+=655.1{方法A: tR=1.685分}; 1H NMR(400MHz、MeOH-d4)δ ppm 8.62, 8.59(two singlets, 1H), 8.41, 8.38(two singlets, 1H), 7.63-7.48(m, 4H), 7.42-7.33(m, 2H), 7.05-6.96(m, 2H), 4.88(dd, J=10.1, 3.1Hz, 1H), 4.54-4.47(m, 1H), 4.41-4.23(m, 3H), 4.01(d, J=2.9Hz, 1H), 3.89(d, J=3.2Hz, 1H), 3.81-3.74(m, 2H), 3.71-3.59(m, 4H), 3.17-3.15(m, 3H), 3.05-2.86(m, 6H), 2.75(s, 1H){回転異性体混合物}; hGal3 IC50=0.02μM
【0147】
実施例20aおよび20b: (2R,3R,4S,5R,6R)-4-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-((3R,4S,5S)-5-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-4-ヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)-5-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-3-メトキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミド(異性体1および2)の合成
【化24】
【0148】
ステップ1: 3-アジド-3,6-ジヒドロ-2H-ピランの合成
3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-3-オール(1g、9.99mmol)/DCM(50mL)の撹拌溶液に、N2下、0℃でトリエチルアミン(2.78mL、19.98mmol)およびメシルクロリド(0.934mL、11.99mmol)を順に加え、30分間撹拌した。次いでこの反応混合物をDCM(100mL)で抽出し、水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。得られた粗製メシル酸塩をDMSO(10mL)に溶解し、アジ化ナトリウム(2.74g、42.1mmol)を加え、室温で16時間撹拌した。この反応混合物をEtOAc(3x50mL)で抽出し、水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧除去し、粗製残渣を得た。これをフラッシュクロマトグラフィー(15~20%EtOAc/n-ヘキサン)で精製し、3-アジド-3,6-ジヒドロ-2H-ピラン(0.75g、5.95mmol、71%)を得た。1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ ppm 6.07-6.22(m, 1H), 5.84-5.97(m, 1H), 4.18-4.25(m, 1H), 4.07-4.15(m, 1H), 3.96(ddd, J=12.0, 3.0, 1.0Hz, 1H), 3.81-3.86(m, 1H), 3.55 (br.s, 1H)
【0149】
ステップ2: 1-(3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-3-イル)-4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾールの合成
3-アジド-3,6-ジヒドロ-2H-ピラン(0.74g、5.91mmol)/DMF(10mL)および水(3mL)の溶液に、アスコルビン酸ナトリウム(1.172g、5.91mmol)、硫酸銅(II)五水和物(1.329g、5.32mmol)および3-フルオロフェニルアセチレン(2.73mL、23.66mmol)を加え、N2で10分間脱気し、85℃で15分間加熱した。次いでこの反応混合物を室温に冷却し、DCM(50mL)/水(50mL)で希釈し、30分間撹拌した。有機層を分離し、水層をDCM(2x30mL)で再抽出し、有機抽出層を合わせて水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。得られた粗製残渣をフラッシュクロマトグラフィー(35~50%EtOAc/n-ヘキサン)で精製し、表題化合物(1.36g、5.45mmol、92%)を淡黄色固体として得た。LCMS[M+H]+=246.2{方法C: tR=2.006分}
【0150】
ステップ3: (3S,4R,5S)-5-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4-ジオール(ラセミ体)の合成
1-(3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-3-イル)-4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール(0.4g、1.631mmol)/アセトン(4mL)および水(1mL)の撹拌溶液に、4-メチルモルホリン-N-オキシド(0.287g、2.446mmol)および四酸化オスミウム(2.048mL、0.163mmol、2.5%w/vのt-ブタノール溶液)を室温で加え、14時間撹拌した。この反応混合物を飽和Na2SO3溶液でクエンチし、アセトンを減圧除去し、粗製残渣を得た。得られた粗製残渣をEtOAc(2X100mL)で抽出し、水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。得られた粗製残渣をフラッシュクロマトグラフィー(80~100%EtOAc/n-ヘキサン)で精製し、表題化合物(0.25g、0.895mmol、55%)を得た。LCMS[M+H]+=280.2{方法C: tR=1.025分}
【0151】
ステップ4: (3aS,7S,7aR)-7-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)テトラヒドロ-3aH-[1,3,2]ジオキサチオロ[4,5-c]ピラン 2,2-ジオキシド(ラセミ体)の合成
(3S,4R,5S)-5-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4-ジオール(0.25g、0.895mmol)/DCM(10mL)の撹拌溶液に、TEA(0.250mL、1.790mmol)を室温で加え、5分間撹拌した。次いでこの反応混合物を0℃に冷却し、N2下でSOCl2(0.131mL、1.790mmol)を加え、室温に戻し、室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、粗製物をEtOAc(2 X 50mL)で抽出し、水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧除去し、粗製残渣をフラッシュクロマトグラフィー(60~95%EtOAc/n-ヘキサン)で精製し、表題化合物(0.23g、0.707mmol、79%)を得た。LCMS[M+H]+=326.4{方法E: tR=1.08分}
【0152】
ステップ5: (3aS,7S,7aR)-7-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)テトラヒドロ-3aH-[1,3,2]ジオキサチオロ[4,5-c]ピラン 2,2-ジオキシド(ラセミ体)の合成
(3aS,7S,7aR)-7-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)テトラヒドロ-3aH-[1,3,2]ジオキサチオロ[4,5-c]ピラン2-オキシド(0.2g、0.615mmol)/アセトニトリル(3mL)および水(1mL)の撹拌溶液に、過ヨウ素酸ナトリウム(0.263g、1.230mmol)および塩化ルテニウム(III)水和物(0.014g、0.061mmol)を室温で加え、12時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、粗製物をEtOAc(2 X 50mL)で抽出し、水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧除去し、粗製残渣をフラッシュクロマトグラフィー(80~100%of EtOAc/n-ヘキサン)で精製し、表題化合物(160mg、0.469mmol、76%)を得た。LCMS[M+H]+=342.2{方法F: tR=2.028分}
【0153】
ステップ6: (3R,4R,5S)-3-アジド-5-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール(ラセミ体)の合成
(3aS,7S,7aR)-7-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)テトラヒドロ-3aH-[1,3,2]ジオキサチオロ[4,5-c]ピラン2,2-ジオキシド(160mg、0.469mmol)/DMF(4mL)の撹拌溶液に、アジ化ナトリウム(122mg、1.875mmol)を室温で加え、60℃で3時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、溶媒を減圧除去し、粗製残渣を得た。得られた粗製残渣をTHF(2mL)に溶解し、1mLのストック溶液[H2SO4(1mL)+水(0.4mL)+THF(8.6mL)]を0℃で加え、30分間撹拌した。この反応混合物をNaHCO3で塩基性化し、セライト濾過し、過剰のEtOAcで洗浄し、濾液を減圧濃縮し、粗製残渣を得た。これをフラッシュクロマトグラフィー(60~95%EtOAc/n-ヘキサン)で精製し、表題化合物(90mg、0.296mmol、63%)を得た。LCMS[M+H]+=305.2{方法C: tR=1.94分}
【0154】
ステップ7: (3R,4S,5S)-3-アミノ-5-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール(ラセミ体)の合成
(3R,4R,5S)-3-アジド-5-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール(90mg、0.296mmol)/MeOH(4mL)の撹拌溶液に、10%Pd/C(6.30mg、0.030mmol)を加え、水素雰囲気下、室温で16時間撹拌した。この反応混合物をセライト濾過し、過剰のMeOHで洗浄し、濾液を濃縮し、表題化合物(60mg、0.216mmol、73%)を得た。LCMS[M+H]+=279.5{方法E: tR=0.72分}
【0155】
ステップ8: (3R,4S,5S)-3-アミノ-5-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール(45.8mg、0.165mmol)/DMF(2mL)の撹拌溶液に、、DIPEA(0.192mL、1.098mmol)を室温で加えた。5分後、(4aR,6R,7R,8R,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-メトキシ-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボン酸(50mg、0.110mmol)およびHATU(104mg、0.274mmol)を加え、この反応混合物を室温で12時間撹拌し、次いで氷冷水で希釈し、10分間撹拌した。得られた固体を濾過し、乾燥し、(4aR,6R,7R,8R,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-((3R,4S,5S)-5-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-4-ヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)-7-メトキシ-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミドを含む粗製残渣をジアステレオマー混合物として得た。得られた粗製残渣を分取HPLCで精製し、2つのジアステレオマーを分離した。
【0156】
分取HPLC方法詳細: カラム :Lux-cellulose C4(250 X21.2)mm、5μm; 移動相A/移動相B: 0.1%DEA/MeOH; 流速: 19mL/分; 時間(分)/ %B: 0/100、20/100
異性体1:(20mg、0.028mmol、25.5%収率); LCMS[M+H]+=716.0{方法F: tR=2.287分}
異性体2:(18mg、0.025mmol、22.91%収率); LCMS[M+H]+=716.0{方法F: tR=2.30分}
【0157】
ステップ9:(4aR,6R,7R,8R,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-((3R,4S,5S)-5-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-4-ヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)-7-メトキシ-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド(異性体1、20mg、0.028mmol)を80%酢酸(1mL)に懸濁し、70℃で14時間加熱した。次いで、反応混合物を室温に冷却し、溶媒を減圧除去し、粗製残渣を得た。粗製物質を分取HPLC[方法A]で精製し、実施例20aの(2R,3R,4S,5R,6R)-4-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-((3R,4S,5S)-5-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-4-ヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)-5-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-3-メトキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミド(異性体1、5mg、7.89μmol、28%)を得た。LCMS[M+H]+=628.1{方法A: tR=1.618分}; 1H NMR(400MHz、MeOH-d4)δ=8.63(s, 1H), 8.48(s, 1H), 7.70(dd, J=7.7, 3.1Hz, 2H), 7.66-7.61(m, 2H), 7.53-7.46(m, 2H), 7.13(td, J=8.1, 4.0Hz, 2H), 4.95(dd, J=10.6, 2.8Hz, 1H), 4.67(d, J=4.4Hz, 1H), 4.35-4.25(m, 3H), 4.21(dd, J=10.3, 4.9Hz, 1H), 4.15(d, J=2.7Hz, 1H), 4.11-4.05(m, 1H), 4.03-3.94(m, 2H), 3.87-3.81(m, 2H), 3.79-3.73(m, 1H), 3.47(t, J=10.9Hz, 1H), 3.20(s, 3H); hGal3 IC50=36μM
【0158】
実施例20b:(2R,3R,4S,5R,6R)-4-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-((3R,4S,5S)-5-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-4-ヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)-5-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-3-メトキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミド(異性体2、5.5mg、8.76μmol、34.8%収率)をステップ9の実施例20aに用いた方法と同じ方法に従って、(4aR,6R,7R,8R,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-((3R,4S,5S)-5-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-4-ヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)-7-メトキシ-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド(異性体2)を出発物質として用いて製造した。LCMS[M+H]+=628.1{方法A: tR=1.610分}; 1H NMR(400MHz、MeOH-d4)δ=8.63(s, 1H), 8.48(s, 1H), 7.70(dd, J=7.7, 3.1Hz, 2H), 7.66-7.61(m, 2H), 7.53-7.46(m, 2H), 7.13(td, J=8.1, 4.0Hz, 2H), 4.95(dd, J=10.6, 2.8Hz, 1H), 4.67(d, J=4.4Hz, 1H), 4.35-4.25(m, 3H), 4.21(dd, J=10.3, 4.9Hz, 1H), 4.15(d, J=2.7Hz, 1H), 4.11-4.05(m, 1H), 4.03-3.94(m, 2H), 3.87-3.81(m, 2H), 3.79-3.73(m, 1H), 3.47(t, J=10.9Hz, 1H), 3.20(s, 3H); hGal3 IC50=0.09μM
【0159】
実施例21: (2R,3R,4S,5R,6R)-4-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-((3R,4S,5S)-5-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-4-ヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)-5-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-3-メトキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミドの合成
【化25】
ステップ1: N-(3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-3-イル)-N-メチル-4-ニトロベンゼンスルホンアミド(ラセミ体)の合成
3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-3-オール(1.667g、16.65mmol)、N-メチル-4-ニトロベンゼンスルホンアミド(3.0g、13.88mmol)/THF(30mL)の撹拌溶液に、トリフェニルホスフィン(7.28g、27.8mmol)およびDIAD(5.40mL、27.8mmol)を0℃で加え、室温に加温し、18時間撹拌した。この反応混合物をEtOAc(3X 50mL)で抽出し、水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。得られた粗製残渣をフラッシュクロマトグラフィー(0~30%EtOAc/n-ヘキサン)で精製し、表題化合物(4g、13.41mmol、97%)を灰白色固体として得た。1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ ppm 8.34-8.41(m, 2H), 7.97-8.08(m, 2H), 6.02-6.09(m, 1H), 5.36-5.42(m, 1H), 4.37-4.43(m, 1H), 4.08-4.15(m, 1H), 3.96-4.04(m, 1H), 3.76(d, J=4.0Hz, 2H), 2.92(s, 3H)
【0160】
ステップ2: N-((3S,4R,5S)-4,5-ジヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)-N-メチル-4-ニトロベンゼンスルホンアミド(ラセミ体)の合成
N-(3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-3-イル)-N-メチル-4-ニトロベンゼンスルホンアミド(4.0g、13.41mmol)/アセトン(50mL)および水(13.33mL)の撹拌溶液に、4-メチルモルホリン-N-オキシド(2.356g、20.11mmol)および四酸化オスミウム(5.05mL、0.402mmol、2.5%w/vのt-ブタノール)を室温で加え、16時間撹拌した。この反応混合物を飽和Na2SO3溶液でクエンチし、アセトンを減圧除去し、粗製残渣を得た。得られた粗製物をEtOAc(2x100mL)で抽出し、水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(80~100%EtOAc/n-ヘキサン)で精製し、表題化合物(3.5g、10.53mmol、79%)を灰白色固体として得た。1H NMR(300MHz、DMSO-d6)δ ppm 8.36(d, J=8.7Hz, 2H), 8.06(d, J=8.7Hz, 2H), 4.75(d, J=4.2Hz, 1H), 4.53(d, J=6.4Hz, 1H), 3.98 (br td, J=10.6, 4.9Hz, 1H), 3.50-3.70(m, 4H), 3.24-3.37(m, 2H, 水ピークと重複), 2.79(s, 3H)
【0161】
ステップ3: N-((3aS,7S,7aR)-2,2-ジオキシドテトラヒドロ-3aH-[1,3,2]ジオキサチオロ[4,5-c]ピラン-7-イル)-N-メチル-4-ニトロベンゼンスルホンアミド(ラセミ体)の合成
N-((3S,4R,5S)-4,5-ジヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)-N-メチル-4-ニトロベンゼンスルホンアミド(3.5g、10.53mmol)/DCM(30mL)の撹拌溶液に、TEA(2.94mL、21.06mmol)および塩化チオニル(1.537mL、21.06mmol)を0℃で順に加え、1時間撹拌した。次いでこの反応混合物をDCM(2x75mL)で抽出し、水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧除去して残渣を得て、これをさらに精製せずに次のステップに用いた。N-メチル-4-ニトロ-N-((3aS,7S,7aR)-2-オキシドテトラヒドロ-3aH-[1,3,2]ジオキサチオロ[4,5-c]ピラン-7-イル)ベンゼンスルホンアミド(3.8g、10.04mmol)/アセトニトリル(100mL)および水(66.7mL)の撹拌溶液に、過ヨウ素酸ナトリウム(4.30g、20.09mmol)および塩化ルテニウム(III)水和物(0.163g、0.036mmol)を順に0℃で加えた。次いでこの反応混合物を室温に戻し、12時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、粗製残渣を得て、粗製物をEtOAc(150mL)で抽出し、水(100mL)、飽和NaHSO4溶液(3x50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、溶媒を減圧除去し、粗製残渣を得た。これをフラッシュクロマトグラフィー(70~100%EtOAc/n-ヘキサン)で精製し、N-((3aS,7S,7aR)-2,2-ジオキシドテトラヒドロ-3aH-[1,3,2]ジオキサチオロ[4,5-c]ピラン-7-イル)-N-メチル-4-ニトロベンゼンスルホンアミド(3.5g、8.87mmol、88%)を灰白色固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ ppm 8.42(d, J=9.0Hz, 2H), 8.06-8.10(m, 2H), 5.55-5.61(m, 1H), 5.38-5.42(m, 1H), 4.23-4.32(m, 2H), 3.76(dd, J=14.8, 1.8Hz, 1H), 3.62-3.68(m, 1H), 3.48-3.55(m, 1H), 2.89(s, 3H)
【0162】
ステップ4: N-((3S,4S,5R)-5-アジド-4-ヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)-N-メチル-4-ニトロベンゼンスルホンアミド(ラセミ体)の合成
N-((3aS,7S,7aR)-2,2-ジオキシドテトラヒドロ-3aH-[1,3,2]ジオキサチオロ[4,5-c]ピラン-7-イル)-N-メチル-4-ニトロベンゼンスルホンアミド(0.7g、1.775mmol)/DMF(15mL)の撹拌溶液に、アジ化ナトリウム(0.462g、7.10mmol)を室温で加え、60℃で2時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、溶媒を減圧除去し、粗製残渣を得た。得られた粗製残渣をTHF(8.6mL)に溶解し、水(0.4mL)およびH2SO4(1mL)を0℃で加え、30分間撹拌した。この反応混合物を固体NaHCO3で塩基性化し、セライト濾過し、過剰EtOAcで洗浄した。濾液を減圧濃縮し、粗製残渣を得た。これをフラッシュクロマトグラフィー(30~50%EtOAc/n-ヘキサン)で精製し、表題化合物(0.5g、1.352mmol、76%)を得た。LCMS[M+18]+=375.2{方法C: tR=1.917分}
【0163】
ステップ5: N-((3S,4S,5R)-5-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-4-ヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)-N-メチル-4-ニトロベンゼンスルホンアミド(ラセミ体)の合成
N-((3S,4S,5R)-5-アジド-4-ヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)-N-メチル-4-ニトロベンゼンスルホンアミド(2.2g、6.16mmol)/DMF(20mL)および水(5.00mL)の溶液に、アスコルビン酸ナトリウム(1.220g、6.16mmol)、硫酸銅(II)五水和物(1.383g、5.54mmol)および1-エチニル-3-フルオロベンゼン(2.85mL、24.63mmol)を室温で加え、N2で10分間脱気し、80℃で30分間加熱した。次いでこの反応混合物を室温に冷却し、DCM(100mL)/水(100mL)で希釈し、30分間撹拌し、有機層を分離し、水層をDCM(2x50mL)で再抽出した。有機抽出層を合わせて水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。得られた粗製残渣をフラッシュクロマトグラフィー(0~15%MeOH/DCM)で精製し、N-((3S,4S,5R)-5-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-4-ヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)-N-メチル-4-ニトロベンゼンスルホンアミド(2.1g、4.40mmol、71%)を灰白色固体として得た。LCMS[M+H]+=478.2{方法C: tR=2.453分}
【0164】
ステップ6: (3R,4R,5S)-3-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-5-(メチルアミノ)テトラヒドロ-2H-ピラン-4-オールの合成
N-((3S,4S,5R)-5-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-4-ヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)-N-メチル-4-ニトロベンゼンスルホンアミド(1g、2.094mmol)/アセトン(10mL)の溶液に、炭酸カリウム(0.868g、6.28mmol)およびベンゼンチオール(0.346g、3.14mmol)を室温で順に加え、16時間撹拌した。次いで溶媒を減圧除去し、粗製残渣を得た。これをフラッシュクロマトグラフィー(0~20%MeOH(10%アンモニア)/DCM)で精製し、(3R,4R,5S)-3-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-5-(メチルアミノ)テトラヒドロ-2H-ピラン-4-オールをラセミ体混合物として得た。
【0165】
ラセミ体混合物をさらにSFCで精製し、エナンチオマーを分離した。
分取キラルHPLC条件:
分取カラム: Chiralpak IA(250 X 30)mm,5um
BPR圧力: 100bars
温度: 25℃
流速: 60g/分
移動相: CO2/0.2%DEA+MeOH(70/30)
検出波長: 245nm
サンプル調整: 10mg/MeOH(1mL)
【0166】
分析キラルHPLC条件:
分析カラム: Chiralpak IA(250 X 30)mm,5um
BPR圧力: 100bars
温度: 30℃
流速: 3g/分
移動相: CO2/0.2%DEA+MeOH(70/30)
検出波長: UV 200~400nm
【0167】
エナンチオマー1(副生成物): 0.15g:キラルHPLC tR=3.63分; LCMS[M+H]+=293.2{方法C: tR=0.934分}
エナンチオマー2(目的物): 0.18g:キラルHPLC tR=5.77分; LCMS[M+H]+=293.1{方法C: tR=0.941分}
【0168】
ステップ7: (4aR,6R,7R,8R,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-メトキシ-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボン酸(200mg、0.439mmol)/DMF(5mL)の撹拌溶液に、HATU(334mg、0.878mmol)、DIPEA(0.767mL、4.39mmol)および(3R,4R,5S)-3-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-5-(メチルアミノ)テトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール(エナンチオマー2、128mg、0.439mmol)を室温で順に加え、16時間撹拌した。この反応混合物を氷冷水(100mL)に注ぎ、10分間撹拌した。得られた固体を濾過し、乾燥し、粗製残渣を得た。これをさらにフラッシュクロマトグラフィー(0~10%MeOH/DCM)で精製し、(4aR,6R,7R,8R,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-((3S,4R,5R)-5-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-4-ヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)-7-メトキシ-N-メチル-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド(0.195g、0.259mmol、59%)を灰白色固体として得た。LCMS[M+H]+=730.2{方法C: tR=3.051分}
【0169】
ステップ8:(4aR,6R,7R,8R,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-((3S,4R,5R)-5-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-4-ヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)-7-メトキシ-N-メチル-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド(195mg、0.267mmol)を70%酢酸(10mL)に懸濁し、70℃で16時間加熱した。次いで反応混合物を室温に冷却し、溶媒を減圧除去し、粗製残渣を得た。得られた粗製残渣を分取HPLC(方法B)で精製し、実施例21の(2R,3R,4S,5R,6R)-4-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-N-((3S,4R,5R)-5-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-4-ヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)-5-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-3-メトキシ-N-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミド(0.095g、0.148mmol、55%)を灰白色固体として得た。LCMS[M+H]+=642.2{方法C: tR=1.95}; 1H NMR(400MHz、MeOH-d4)δ ppm 8.70(d, J=8.5Hz, 1H), 8.49(d, J=8.0Hz, 1H), 7.57-7.71(m, 4H), 7.43-7.49(m, 2H), 7.06-7.12(m, 2H), 4.98 (br d, J=8.0Hz, 1H), 4.62-4.78(m, 1H), 4.41-4.60(m, 3H), 4.06-4.26(m, 3H), 3.65-4.01(m, 6H), 2.99-3.26(m, 6H)[*回転異性体混合物]; hGal3 IC50=0.03μM
【0170】
実施例22: (2R,3R,4S,5R,6R)-N-((3S,4R,5R)-5-(5-フルオロ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-1-イル)-4-ヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)-4-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-5-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-3-メトキシ-N-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミド(異性体1および2)の合成
【化26】
【0171】
ステップ1: 5-フルオロ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン(67.8mg、0.494mmol)/THF(3mL)の撹拌溶液に、18-クラウン-6(171mg、0.647mmol)およびNaH(25.9mg、0.647mmol、60%w/w)を室温で加え、80℃で10分間還流した。次いでN-((3aS,7S,7aR)-2,2-ジオキシドテトラヒドロ-3aH-[1,3,2]ジオキサチオロ[4,5-c]ピラン-7-イル)-N-メチル-4-ニトロベンゼンスルホンアミド(150mg、0.380mmol)/THF(3mL)を5分かけて滴下して加え、80℃で16時間還流した。反応混合物を0℃に冷却し、濃塩酸(約pH=1)で酸性化し、さらに80℃で2時間還流した。この反応混合物を室温に冷却し、10%NaHCO3水溶液で中和し、EtOAc(2 X 25mL)で抽出した。有機抽出物を合わせて水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。得られた粗製残渣をフラッシュクロマトグラフィー(60~80%EtOAc/n-ヘキサン)で精製し、N-((3S,4S,5R)-5-(5-フルオロ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-1-イル)-4-ヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)-N-メチル-4-ニトロベンゼンスルホンアミドをラセミ体として得た。ラセミ体をさらにキラルSFCで精製し、純粋なエナンチオマー1およびエナンチオマー2を得た。
【0172】
分取キラルHPLC条件:
分取カラム: Chiralpak ADH(250 X 30)mm,5um
BPR圧力: 100bars
温度: 25℃
流速: 60g/分
移動相: CO2/0.4%DEA+EtOH(60/40)
検出波長: 245nm
サンプル調整: 10mg/MeOH(1mL)
【0173】
分析キラルHPLC条件:
分析カラム: Chiralpak ADH(250 X 4.6)mm,5um
BPR圧力: 100bars
温度: 25℃
流速: 3g/分
移動相: CO2/0.4%DEA+EtOH(60/40)
検出波長: UV 200~400nm
【0174】
エナンチオマー1:(50mg、0.111mmol、29.1%収率);キラルHPLC tR=5.59分; LCMS[M+H]+= 452.2{方法C: tR=2.352分}
エナンチオマー2: (50mg、0.111mmol、29.1%収率);キラルHPLC tR=8.23分; LCMS[M+H]+= 452.2{方法C: tR=2.353分}
【0175】
ステップ2: N-((3S,4S,5R)-5-(5-フルオロ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-1-イル)-4-ヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)-N-メチル-4-ニトロベンゼンスルホンアミド(エナンチオマー1、50mg、0.111mmol)/アセトン(2mL)の撹拌溶液に、K2CO3(45.9mg、0.332mmol)、続いてチオフェノール(0.031mL、0.299mmol)を室温で加え、2時間撹拌し、次いで溶媒を減圧除去し、粗製残渣を得た。得られた粗製物をフラッシュクロマトグラフィー(5~15%MeOH(5%NH3)/CHCl3)で精製し、(3R,4R,5S)-3-(5-フルオロ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-1-イル)-5-(メチルアミノ)テトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール(20mg、0.075mmol、68%)を得た。LCMS[M+H]+=267.2{方法D: tR=0.57分}
【0176】
ステップ3: (4aR,6R,7R,8R,8aR)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-メトキシ-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボン酸(25mg、0.055mmol)および(3R,4R,5S)-3-(5-フルオロ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-1-イル)-5-(メチルアミノ)テトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール(14.62 mg、0.055mmol)/DMF(0.6mL)の撹拌溶液に、DIPEA(0.048mL、0.274mmol)およびHATU(31.3mg、0.082mmol)を室温で順に加え、16時間撹拌した。次いでこの反応混合物を氷冷水(20mL)で希釈し、10分間撹拌した。得られた固体を濾過し、乾燥し、(4aR,6R,7R,8R,8aR)-N-((3S,4R,5R)-5-(5-フルオロ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-1-イル)-4-ヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-メトキシ-N-メチル-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド(25mg、0.036mmol、65%)を得た。LCMS[M+H]+=704.4{方法D: tR=1.28分}
【0177】
ステップ4:(4aR,6R,7R,8R,8aR)-N-((3S,4R,5R)-5-(5-フルオロ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-1-イル)-4-ヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)-8-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-メトキシ-N-メチル-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド(30mg、0.043mmol)を70%酢酸(10mL)に懸濁し、75℃で16時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、分取HPLC(方法A)で精製し、実施例22aの(2R,3R,4S,5R,6R)-N-((3S,4R,5R)-5-(5-フルオロ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-1-イル)-4-ヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)-4-(4-(3-フルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-5-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-3-メトキシ-N-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミド(異性体1、13.4mg、0.022mmol、51%)を得た。LCMS[M+H]+=616.1{方法A: tR=1.54分}; 1H NMR(400MHz、MeOH-d4)δ=8.71(d, J=7.0Hz, 1H), 8.52(dt, J=6.5, 2.0Hz, 1H), 8.15(d, J=3.0Hz, 1H), 7.97(dt, J=8.4, 3.1Hz, 1H), 7.70(d, J=8.0Hz, 1H), 7.67-7.60(m, 1H), 7.47(td, J=7.9, 5.8Hz, 1H), 7.09(td, J=8.5, 2.5Hz, 1H), 5.16-4.95(m, 2H), 4.79-4.65(m, 1H), 4.58-4.51(m, 1H), 4.46-4.41(m, 1H), 4.25-4.13(m, 2H), 4.09-3.88(m, 3H), 3.88-3.65(m, 4H), 3.26(s, 1H), 3.12(s, 2H), 3.09(s, 2H), 3.01(s, 1H); hGal3 IC50=>10μM
【0178】
実施例22b: 実施例22aに記載の方法と同じ方法で、ステップ2においてエナンチオマー2を出発物質として用いて製造した。LCMS[M+H]+=616.1{方法A : tR=1.54分}; 1H NMR(400MHz、MeOH-d4)δ ppm 8.67-8.75(m, 1H), 8.39-8.53(m, 1H), 8.13-8.22(m, 1H), 7.98(d, J=2.5Hz, 1H), 7.38-7.80(m, 3H), 7.02-7.17(m, 1H), 5.18-5.32(m, 1H), 4.92-5.12(m, 2H), 4.71-4.82(m, 2H), 4.38-4.49(m, 1H), 3.66-4.15(m, 8H), 3.27(s, 1H), 3.09-3.12(m, 3H), 3.04(s, 2H)(回転異性体混合物); hGal3 IC50=0.04