(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-02
(45)【発行日】2025-07-10
(54)【発明の名称】トリアジン誘導体およびがんの処置におけるその使用
(51)【国際特許分類】
C07D 401/12 20060101AFI20250703BHJP
A61K 31/53 20060101ALI20250703BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20250703BHJP
A61P 11/06 20060101ALI20250703BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20250703BHJP
C07D 405/14 20060101ALI20250703BHJP
A61P 25/16 20060101ALI20250703BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20250703BHJP
C07D 253/07 20060101ALN20250703BHJP
C07D 471/04 20060101ALN20250703BHJP
【FI】
C07D401/12 CSP
A61K31/53
A61P11/00
A61P11/06
A61P43/00 111
C07D405/14
A61P25/16
A61P25/28
C07D253/07
C07D471/04 104Z
C07D471/04 108A
(21)【出願番号】P 2023572751
(86)(22)【出願日】2022-06-02
(86)【国際出願番号】 EP2022064995
(87)【国際公開番号】W WO2022253936
(87)【国際公開日】2022-12-08
【審査請求日】2025-03-26
(32)【優先日】2021-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2021-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2021-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ. ホフマン-ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN-LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】ブッシュ,レア・オレリー
(72)【発明者】
【氏名】グーバ,ヴォルフガング
(72)【発明者】
【氏名】ヤーシュケ,ゲオルク
(72)【発明者】
【氏名】メッシュ,ステファニー・カタリナ
(72)【発明者】
【氏名】パティニー-アダム,アンジェリーク
(72)【発明者】
【氏名】シュナイダー,クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】シュタイナー,サンドラ
(72)【発明者】
【氏名】トストルフ,アンドレアス・ミシェル
【審査官】高橋 直子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/234715(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/163248(WO,A1)
【文献】TSUCHIYA, Takashi et al.,Reaction of 1,2,4-Triazine 1-Oxides with Benzyne: Formation of 1,3-Benzoxazepine and 1,3,5,6-Benzoxatriazonine Derivatives,HETEROCYCLES,1996年,Vol. 43,No. 10,p. 2091,DOI: 10.3987/COM-96-7552
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Ib:
【化1】
(式中
、
R
1およびR
5、ならびにそれらが結合している原子は、ハロもしくはアルキルから独立して選択される1つもしくは2つの置換基で任意選択的に置換された、ただ一つのヘテロ原子Oを含む4~6員複素環のいずれかを形成するか、もしくは、R
1およびR
5、ならびにそれらが結合している原子は、ハロもしくはアルキルから独立して選択される1つもしくは2つの置換基で任意選択的に置換された3~6員シクロアルキル環を形成し;
R
2は、
Hであり;
R
3は、
メチルであり;
Zは、
-NH-であり;
R
4は、
アルキルで置換されたピペリジン環である)
の化合物、およびその薬学的に許容され得る塩。
【請求項2】
R
1
およびR
5
、ならびにそれらが結合している原子が、ただ一つのヘテロ原子Oを含む4~6員複素環のいずれかを形成するか、もしくは
R
1
およびR
5
、ならびにそれらが結合している原子が、3~6員シクロアルキル環を形成し;
R
2
は、Hであり;
R
3
は、メチルであり;
Zは、-NH-であり;
R
4
は、アルキルで置換されたピペリジン環である、
請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
5-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-オールである化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項4】
3-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]ビシクロ[4.2.0]オクタ-1(6),2,4-トリエン-2-オールである化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項5】
5-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]インダン-4-オールである化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項6】
治療活性物質として使用するための、請求項
1~5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
請求項
1~5のいずれか一項に記載の化合物と、治療上不活性な担体とを含む、医薬組成物。
【請求項8】
喘息またはCOPDから選択される疾患、障害もしくは症状の処置または予防のための、請求項
1~5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
アルツハイマー病およびパーキンソン病から選択される疾患、障害もしくは症状の処置または予防のための、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
喘息またはCOPDから選択される疾患、障害もしくは症状の処置または予防のための、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項11】
アルツハイマー病およびパーキンソン病から選択される疾患、障害もしくは症状の処置または予防のための、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項12】
喘息またはCOPDから選択される疾患、障害もしくは症状の処置または予防のための医薬を調製するための請求項
1~5のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項13】
アルツハイマー病およびパーキンソン病から選択される疾患、障害もしくは症状の処置または予防のための医薬を調製するための請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項14】
請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物を含む、NLRP3阻害剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、哺乳動物における治療および/または予防に有用な有機化合物、特にNLRP3阻害を調節する化合物に関する。
【0002】
本発明は、式Ib:
【化1】
(式中、
R
1は、H、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシもしくはニトリルであり;
R
5は、Hであるか、または
R
1およびR
5、ならびにそれらが結合している原子は、ハロもしくはアルキルから独立して選択される1つもしくは2つの置換基で任意選択的に置換された、ただ一つのヘテロ原子Oを含む4~6員複素環のいずれかを形成するか、もしくはR
1およびR
5、ならびにそれらが結合している原子は、ハロもしくはアルキルから独立して選択される1つもしくは2つの置換基で任意選択的に置換された3~6員シクロアルキル環を形成し;
R
2は、H、ハロ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキルであり、シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキルは、ハロまたはハロアルコキシで任意選択的に置換されており;
R
3は、H、アルキル、ハロアルキル、またはハロで任意選択的に置換されたシクロアルキルであり;
Zは、-O-、-NH-または-NHCH
2-であり;
R
4は、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、-OH、オキソ、-CO
2H、もしくはハロで任意選択的に置換されたシクロアルキルから独立して選択される1~2個の置換基で任意選択的に置換された複素環であるか、または
R
4は、アルキル、ハロ、ハロアルキルおよび-OHから独立して選択される1~3個の置換基で任意選択的に置換されたシクロアルキルである)
の新規化合物、および薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0003】
さらに、本発明は、全てのラセミ混合物、全てのそれらの対応するエナンチオマーおよび/または光学異性体を含む。
【背景技術】
【0004】
NOD様受容体(NLR)ファミリーのピリンドメイン含有タンパク質3(NLRP3)インフラマソームは炎症プロセスの構成要素であり、その異常な活性はクリオピリン関連周期性症候群(CAPS)などの遺伝性障害、多発性硬化症、2型糖尿病、アルツハイマー病、アテローム性動脈硬化症などの複合疾患において病原性である。
【0005】
NLRP3は、多くの病原体由来因子、環境因子および宿主由来因子を感知する細胞内シグナル伝達分子である。活性化されると、NLRP3はカスパーゼ活性化およびリクル-トドメイン(ASC)を含むアポト-シス関連のスペック状タンパク質に結合する。次いで、ASCは重合して、ASCスペックとして知られる大きな凝集体を形成する。次いで、重合ASCは、システインプロテアーゼカスパーゼ-1と相互作用して、インフラマソームと呼ばれる複合体を形成する。これはカスパーゼ-1の活性化をもたらし、これは炎症促進性サイトカインIL-1βおよびIL-18(それぞれプロIL-1βおよびプロIL-18と呼ばれる)の前駆体形態を切断し、それによってこれらのサイトカインを活性化する。カスパーゼ-1はまた、パイロトーシスとして公知のタイプの炎症性細胞死を媒介する。ASCスペックは、カスパーゼ-8をリクル-トして活性化することもでき、これはプロIL-1βおよびプロIL-18をプロセシングしてアポト-シス細胞死を引き起こすことができる。
【0006】
カスパーゼ-1はpro-IL-1βとpro-IL-18を切断してそれらの活性型に変換し、細胞から分泌される。活性カスパーゼ-1はまた、ガスデルミン-Dを切断してパイロトーシスを引き起こす。そのパイロトーシス細胞死経路の制御を通して、カスパーゼ-1はまた、IL-33および高移動度グル-プボックス1タンパク質(HMGB1)などのアラーミン分子の放出を媒介する。カスパーゼ-1はまた、細胞内IL-1R2を切断し、その分解をもたらし、IL-1αが遊離することを可能にする。ヒト細胞において、カスパーゼ-1はまた、IL-37のプロセシングおよび分泌を制御し得る。細胞骨格および解糖経路の成分のような他の多くのカスパーゼ-1基質は、カスパーゼ-1依存性の炎症に寄与し得る。
【0007】
NLRP3依存性ASCスペックは細胞外環境に放出され、そこでカスパーゼ-1を活性化し、カスパーゼ-1基質のプロセシングを誘導し、炎症を伝播することができる。
【0008】
NLRP3インフラマソ-ム活性化に由来する活性サイトカインは、炎症の重要な駆動因子であり、他のサイトカイン経路と相互作用して、感染や傷害に対する免疫応答を形成する。例えば、IL-1βシグナル伝達は、炎症誘発性サイトカインIL-6およびTNFの分泌を誘導する。IL-1βおよびIL-18はIL-23と相乗作用して、メモリ-CD4 Th17細胞およびT細胞受容体結合の非存在下でのγδT細胞によるIL-17産生を誘導する。IL-18およびIL-12はまた、相乗的に作用して、メモリ-T細胞およびTh1応答を駆動するNK細胞からのIFN-γ産生を誘導する。
【0009】
遺伝性CAPS疾患である、マックル-ウェルズ症候群(MWS)、家族性感冒自己炎症性症候群(FCAS)、および新生児期発症多臓器性炎症性疾患(NOMID)は、NLRP3の機能獲得型変異によって引き起こされるため、NLRP3は炎症プロセスの重要な構成要素として定義される。NLRP3はまた、特に2型糖尿病、アテロ-ム性動脈硬化症、肥満および痛風などの代謝障害を含む、多くの複合疾患の病因にも関与している。
【0010】
中枢神経系の疾患におけるNLRP3の役割が明らかになりつつあり、肺疾患もまたNLRP3の影響を受けることが示されている。さらに、NLRP3は、肝臓疾患、腎臓疾患および老化の発症において役割を果たす。これらの関連性の多くは、Nlrp3-/-マウスを用いて定義されたが、これらの疾患におけるNLRP3の特異的活性化についての洞察も存在している。2型糖尿病(T2D)において、膵臓における膵島アミロイドポリペプチドの沈着は、NLRP3およびIL-1βシグナル伝達を活性化し、細胞死および炎症をもたらす。
【0011】
いくつかの小分子がNLRP3インフラマソームを阻害することが示されている。グリブリドは、NLRP3の活性化に応答してマイクロモル濃度でIL-1β産生を阻害するが、NLRC4またはNLRP1の活性化には応答しない。以前に特徴付けられた他の弱いNLRP3阻害剤には、パルテノリド、3,4-メチレンジオキシ-β-ニトロスチレンおよびジメチルスルホキシド(DMSO)が含まれるが、これらの薬剤は効力が限定的であり、非特異的である。
【0012】
NLRP3関連疾患の現在の処置には、IL-1を標的とする生物学的薬剤が含まれる。これらは、組換えIL-1受容体拮抗薬アナキンラ、中和IL-1β抗体カナキヌマブおよび可溶性デコイIL-1受容体リロナセプトである。これらのアプローチは、CAPSの処置において成功していることが証明されており、これらの生物学的薬剤は、他のIL-1β関連疾患の臨床試験において使用されている。
【0013】
薬理学的および/または生理学的および/または物理化学的特性が向上した化合物、および/または公知の化合物の有用な代替となる化合物を提供する必要がある。
【発明の概要】
【0014】
本発明は、式Ib:
【化2】
(式中、
R
1は、H、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシもしくはニトリルであり;
R
5は、Hであるか、または
R
1およびR
5、ならびにそれらが結合している原子は、ハロもしくはアルキルから独立して選択される1つもしくは2つの置換基で任意選択的に置換された、ただ一つのヘテロ原子Oを含む4~6員複素環のいずれかを形成するか、もしくはR
1およびR
5、ならびにそれらが結合している原子は、ハロもしくはアルキルから独立して選択される1つもしくは2つの置換基で任意選択的に置換された3~6員シクロアルキル環を形成し;
R
2は、H、ハロ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキルであり、シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキルは、ハロまたはハロアルコキシで任意選択的に置換されており;
R
3は、H、アルキル、ハロアルキル、またはハロで任意選択的に置換されたシクロアルキルであり;
Zは、-O-、-NH-または-NHCH
2-であり;
R
4は、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、-OH、オキソ、-CO
2H、もしくはハロで任意選択的に置換されたシクロアルキルから独立して選択される1~2個の置換基で任意選択的に置換された複素環であるか、または
R
4は、アルキル、ハロ、ハロアルキルおよび-OHから独立して選択される1~3個の置換基で任意選択的に置換されたシクロアルキルである)
の新規化合物、および薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0015】
「アルキル」という用語は、1~6個の炭素原子の一価の直鎖または分岐飽和炭化水素基を表す。いくつかの実施形態では、別様に記載されていない場合、アルキルは、1~6個の炭素原子(C1~6-アルキル)または1~4個の炭素原子(C1~4-アルキル)を含む。C1~6-アルキルの例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、iso-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチルおよびペンチルが挙げられる。特定のアルキル基としては、メチル、エチルおよびプロピルが挙げられる。特定の数の炭素を有するアルキル残基が命名される場合、その数の炭素を有する全ての幾何異性体が包含され得る。したがって、例えば、「ブチル」には、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチルおよびt-ブチルが含まれ得、「プロピル」には、n-プロピルおよびイソプロピルが含まれ得る。
【0016】
「アルコキシ」という用語は、R’がC1~6-アルキル基である、式-O-R’の基を表す。C1~6-アルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシおよびtert-ブトキシが挙げられる。特定の例は、メトキシおよびエトキシである。
【0017】
「シクロアルキル」という用語は、単環式または多環式の飽和または部分不飽和の非芳香族炭化水素を表す。いくつかの実施形態では、別様に記載されていない限り、シクロアルキルは、3~8個の炭素原子、3~6個の炭素原子または3~5個の炭素原子を含む。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは、飽和の単環式または多環式炭化水素である。他の実施形態では、シクロアルキルは、1つまたは複数の二重結合(例えば、アリールもしくはヘテロアリール環に縮合したシクロアルキル、または1つもしくは2つの二重結合を含む非芳香族単環式炭化水素)を含む。シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、オクタヒドロペンタレニル、スピロ[3.3]ヘプタニルなどが挙げられる。二環式とは、共有した2個の炭素原子を有する2つの飽和炭素環からなる環系を意味する。単環式シクロアルキルの例は、シクロプロピル、シクロブタニル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルである。「シクロアルキル」の特定の例は、シクロプロピル、シクロブチルおよびシクロペンチルである。
【0018】
「シクロアルキルアルキル」という用語は、アルキル基の少なくとも1個の水素原子がシクロアルキル基によって置き換えられているアルキル基を表す。シクロアルキルアルキルの例としては、シクロプロピルメチル、シクロプロピルエチル、シクロプロピルブチル、シクロブチルプロピル、2-シクロプロピルブチル、シクロペンチルブチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチルおよびヒドロキシシクロプロピルメチルが挙げられる。
【0019】
「ハロゲン」、「ハライド」および「ハロ」という用語は、本明細書では互換的に使用され、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを表す。具体的なハロゲンとしては、フルオロ、クロロ等が挙げられる。
【0020】
「ハロアルキル」という用語は、C1~6-アルキル基の少なくとも1個の水素原子が同じまたは異なるハロゲン原子によって置き換えられているC1~6-アルキル基を表す。特定の例は、フルオロメチル、ジフルオロメチルおよびトリフルオロメチルである。
【0021】
「ハロアルコキシ」という用語は、C1~6-アルコキシ基の少なくとも1個の水素原子が同じまたは異なるハロゲン原子によって置き換えられているC1~6-アルコキシ基を表す。ハロアルコキシの例は、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロエトキシおよびトリフルオロエトキシである。特定の例は、トリフルオロメトキシである。
【0022】
「複素環式」という用語は、N、OおよびSから選択される1、2または3個の環ヘテロ原子を含み、残りの環原子が炭素である、4~10個の環原子または4~9個の環原子の一価の飽和もしくは部分不飽和単環式または二環式環系を示す。単環式飽和複素環の例は、オキセタニル、アゼチジニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリジニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニルまたはピペラジニルである。部分不飽和複素環の例は、ジヒドロフリル、イミダゾリニル、ジヒドロ-オキサゾリル、テトラヒドロ-ピリジニル、またはジヒドロピラニルである。複素環の特定の例は、ピペリジニル、フラニル、5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-8-イルおよび1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロインドリジン-8-イルである。
【0023】
「ヒドロキシ」という用語は、-OH基を表す。
【0024】
「ヒドロキシアルキル」という用語は、アルキル基の少なくとも1個の水素原子がヒドロキシ基によって置き換えられているアルキル基を表す。ヒドロキシアルキルの例としては、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシメチルプロピルおよびジヒドロキシプロピルが挙げられる。
【0025】
「ニトリル」という用語は、-C≡N基を表す。
【0026】
「薬学的に許容され得る塩」という用語は、生物学的にまたは別様に望ましくないものではない、遊離塩基または遊離酸の生物学的有効性および特性を保持するそれらの塩を指す。塩は、無機酸、例えば、トリフルオロ酢酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、特に塩酸、および有機酸、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、N-アセチルシステインで形成される。加えて、これらの塩は、無機塩基または有機塩基の遊離酸への添加から調製され得る。無機塩基から誘導される塩には、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウムの塩が含まれるがこれらに限定されない。有機塩基から誘導される塩には、第一級、第二級、および第三級アミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミンおよび塩基性イオン交換樹脂、例えばイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、リジン、アルギニン、N-エチルピペリジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂の塩が含まれるが、これらに限定されない。式Ibの化合物は、双性イオンの形態でも存在し得る。式Ibの化合物の特に好ましい薬学的に許容され得る塩は、ギ酸を用いて形成される塩、および塩酸塩、二塩酸塩または三塩酸塩を生じる、塩酸を用いて形成される塩である。
【0027】
略語のuMは、マイクロモルを意味し、記号μMと同等である。
【0028】
略語のuLは、マイクロリットルを意味し、記号μLと同等である。
【0029】
略語のugは、マイクログラムを意味し、記号のμgと同等である。
【0030】
式Ibの化合物は、いくつかの不斉中心を含み得、光学的に純粋なエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、例えば、ラセミ体など、光学的に純粋なジアステレオ異性体、ジアステレオ異性体の混合物、ジアステレオ異性のラセミ体またはジアステレオ異性のラセミ体の混合物の形態で存在し得る。
【0031】
Cahn-Ingold-Prelog則によれば、不斉炭素原子は、「R」または「S」立体配置のものであり得る。
【0032】
本発明の一実施形態はまた、本明細書に記載の式Ibによる化合物、およびその薬学的に許容され得る塩またはエステル、特に本明細書に記載の式Ibによる化合物、およびその薬学的に許容され得る塩、より具体的には、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0033】
本発明の一実施形態は、
R1が、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシもしくはニトリルであり;
R5が、Hであるか;または
R1およびR5、ならびにそれらが結合している原子が、ただ一つのヘテロ原子Oを含む5員複素環のいずれかを形成するか、もしくは
R1およびR5、ならびにそれらが結合している原子が、4~5員シクロアルキル環を形成する、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0034】
本発明の一実施形態は、
R1が、ハロアルキルもしくはハロアルコキシであり;
R5が、Hであるか;または
R1およびR5、ならびにそれらが結合している原子が、ただ一つのヘテロ原子Oを含む5員複素環のいずれかを形成するか、もしくは
R1およびR5、ならびにそれらが結合している原子が、4~5員シクロアルキル環を形成する、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0035】
本発明の一実施形態は、
R1が、ハロアルキルであり;
R5が、Hであるか;または
R1およびR5、ならびにそれらが結合している原子が、ただ一つのヘテロ原子Oを含む5員複素環のいずれかを形成するか、もしくは
R1およびR5、ならびにそれらが結合している原子が、4員シクロアルキル環を形成する、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0036】
本発明の一実施形態は、R1が、H、ハロ、ハロアルキルまたはシクロアルコキシである、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0037】
本発明の一実施形態は、R1が、ハロ、アルキル、またはハロアルキルである、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0038】
本発明の一実施形態は、R1が、F、Cl、OCF3、CF3またはCH3である、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0039】
本発明の一実施形態は、R1が、CF3である、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0040】
本発明の一実施形態は、R2が、H、ハロ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキルアルキルであり、シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキルが、ハロで任意選択的に置換されている、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0041】
本発明の一実施形態は、R2が、H、ハロ、アルキル、ハロアルキルまたはシクロアルキルであり、シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキルが、ハロで任意選択的に置換されている、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0042】
本発明の一実施形態は、R2が、H、ハロ、アルキルまたはハロアルキルである、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0043】
本発明の一実施形態は、R2が、H、ハロ、またはアルキルである、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0044】
本発明の一実施形態は、R2がHまたはアルキルである、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0045】
本発明の一実施形態は、R2がアルキルである、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0046】
本発明の一実施形態は、R2がHである、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0047】
本発明の一実施形態は、R3が、H、アルキルまたはハロアルキルである、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0048】
本発明の一実施形態は、R3がHまたはアルキルである、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0049】
本発明の一実施形態は、R3がHである、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0050】
本発明の一実施形態は、R3がアルキルである、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0051】
本発明の一実施形態は、R3がメチルである、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0052】
本発明の一実施形態は、R4が、
1個もしくは2個のヘテロ原子Nを含む6~9員複素環;または
アルキルおよび-OHから独立して選択される1~2個の置換基で置換された、1個のヘテロ原子Nを含む6員複素環;または
アルキルおよび-OH-から独立して選択される1~2個の置換基で置換された4~6員シクロアルキルである、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0053】
本発明の一実施形態は、R4が、
ただ一つのヘテロ原子Nを含む9員複素環;または
1個のアルキル置換基で置換された、1個のヘテロ原子Nを含む6員複素環である、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0054】
本発明の一実施形態は、R4が、メチルピペリジルまたはエチルピペリジルである、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0055】
本発明の一実施形態は、R4が、アルキルで任意選択的に置換された複素環、またはアルキルおよび-OHから選択される1~2個の置換基で任意選択的に置換されたシクロアルキル環である、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0056】
本発明の一実施形態は、R4が、アルキルで任意選択的に置換された複素環である、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0057】
本発明の一実施形態は、R4がアルキルで置換された1個のヘテロ原子を含む複素環である、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0058】
本発明の一実施形態は、R4が、アルキルおよび-OHで置換されたエチルピペリジンまたはシクロブタンのいずれかである、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0059】
本発明の一実施形態は、R4がエチルピペリジンである、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0060】
本発明の一実施形態は、Zが-O-または-NH-である、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0061】
本発明の一実施形態は、Zが-NH-である、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0062】
本発明の一実施形態は、R1およびR5、ならびにそれらが結合している原子が、ハロもしくはアルキルから独立して選択される1個または2個の置換基で任意選択的に置換された、ただ一つのヘテロ原子Oを含む4~6員複素環のいずれかを形成するか、または、R1およびR5、ならびにそれらが結合している原子が、ハロもしくはアルキルから独立して選択される1個または2個の置換基で任意選択的に置換された3~6員シクロアルキル環を形成する、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0063】
本発明の一実施形態は、R1およびR5、ならびにそれらが結合している原子が、ただ一つのヘテロ原子Oを含む4~6員複素環のいずれかを形成するか、または、R1およびR5、ならびにそれらが結合している原子が3~6員シクロアルキル環を形成する、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0064】
本発明の一実施形態は、R1およびR5、ならびにそれらが結合している原子が、ただ一つのヘテロ原子Oを含む5員複素環を形成する、本明細書に記載の式Ibによる化合物を提供する。
【0065】
本発明の一実施形態は、
R1が、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシもしくはニトリルであり;
R5が、Hであるか;または
R1およびR5、ならびにそれらが結合している原子が、ただ一つのヘテロ原子Oを含む5員複素環のいずれかを形成するか、もしくは
R1およびR5、ならびにそれらが結合している原子が、4~5員シクロアルキル環を形成し;
R2が、H、ハロまたはアルキルであり;
R3は、H、アルキルまたはハロアルキルであり;
Zが、-NH-であり;
R4が、
1個もしくは2個のヘテロ原子Nを含む6~9員複素環;または
アルキルおよび-OHから独立して選択される1~2個の置換基で置換された、1個のヘテロ原子Nを含む6員複素環;または
アルキルおよび-OH-から独立して選択される1~2個の置換基で置換された4~6員シクロアルキルである、本明細書に記載の式Ibによる化合物、およびその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0066】
本発明の一実施形態は、
R1が、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシもしくはニトリルであり;
R5が、Hであるか;または
R1およびR5、ならびにそれらが結合している原子が、ただ一つのヘテロ原子Oを含む5員複素環のいずれかを形成するか、もしくは
R1およびR5、ならびにそれらが結合している原子が、4~5員シクロアルキル環を形成し;
R2が、Hであり;
R3が、アルキルであり;
Zが、-NH-であり;
R4が、
ただ一つのヘテロ原子Nを含む9員複素環;または
1個のアルキル置換基で置換された、1個のヘテロ原子Nを含む6員複素環である、本明細書に記載の式Ibによる化合物、およびその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0067】
本発明の一実施形態は、
R1が、ハロアルキルもしくはハロアルコキシであり;
R5が、Hであるか;または
R1およびR5、ならびにそれらが結合している原子が、ただ一つのヘテロ原子Oを含む5員複素環のいずれかを形成するか、もしくは
R1およびR5、ならびにそれらが結合している原子が、4~5員シクロアルキル環を形成し;
R2が、Hであり;
R3が、アルキルであり;
Zが、-NH-であり;
R4が、メチルピペリジルまたはエチルピペリジルである、本明細書に記載の式Ibによる化合物、およびその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0068】
本発明の一実施形態は、
R1が、ハロアルキルであり;
R5が、Hであるか;または
R1およびR5、ならびにそれらが結合している原子が、ただ一つのヘテロ原子Oを含む5員複素環のいずれかを形成するか、もしくは
R1およびR5、ならびにそれらが結合している原子が、4員シクロアルキル環を形成し;
R2が、Hであり;
R3が、アルキルであり;
Zが、-NH-であり;
R4が、エチルピペリジルである、本明細書に記載の式Ibによる化合物、およびその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0069】
本発明の一実施形態は、
R1およびR5、ならびにそれらが結合している原子が、ハロもしくはアルキルから独立して選択される1つもしくは2つの置換基で任意選択的に置換された、ただ一つのヘテロ原子Oを含む4~6員複素環のいずれかを形成するか、もしくは、R1およびR5、ならびにそれらが結合している原子が、ハロもしくはアルキルから独立して選択される1つもしくは2つの置換基で任意選択的に置換された3~6員シクロアルキル環を形成し;
R2が、Hであり;
R3が、メチルであり;
Zが、-NH-であり;
R4が、アルキルで置換されたピペリジン環である、本明細書に記載の式Ibによる化合物、およびその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0070】
本発明の一実施形態は、
R1およびR5、ならびにそれらが結合している原子が、ただ一つのヘテロ原子Oを含む4~6員複素環のいずれかを形成するか、または、R1およびR5、ならびにそれらが結合している原子が、3~6員シクロアルキル環を形成し:
R2が、Hであり;
R3が、メチルであり;
Zが、-NH-であり;
R4が、アルキルで置換されたピペリジン環である、本明細書に記載の式Ibによる化合物、およびその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0071】
本発明の一実施形態は、式Iの化合物が式Ibの化合物である、式Iによる化合物を提供する。
【化3】
【0072】
式Ibの化合物は、いくつかの不斉中心を含み得、光学的に純粋なエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、例えば、ラセミ体など、光学的に純粋なジアステレオ異性体、ジアステレオ異性体の混合物、ジアステレオ異性のラセミ体またはジアステレオ異性のラセミ体の混合物の形態で存在し得る。
【0073】
また、本発明の実施形態は、本明細書に記載の式Iによる化合物、およびその薬学的に許容され得る塩またはエステル、特に本明細書に記載の式Iによる化合物、およびその薬学的に許容され得る塩、より具体的には、本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0074】
本発明の一実施形態は、
R1が、H、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、もしくはニトリルであり;
R2が、H、ハロ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキルであり、シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキルは、ハロまたはハロアルコキシで任意選択的に置換されており;
R3が、H、アルキル、ハロアルキル、またはハロで任意選択的に置換されたシクロアルキルであり;
Zが、-O-、-NH-または-NHCH2-であり;
R4が、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、-OH、オキソ、-CO2H、もしくはハロで任意選択的に置換されたシクロアルキルから独立して選択される1~2個の置換基で任意選択的に置換された複素環であるか、または
R4が、アルキル、ハロ、ハロアルキルおよび-OHから独立して選択される1~3個の置換基で任意選択的に置換されたシクロアルキルである、本明細書に記載の式Iによる化合物、および薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0075】
本発明の一実施形態は、
R1が、H、ハロ、アルキル、ハロアルキル、またはハロアルコキシであり;
R2が、H、ハロ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキルであり、シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキルが、ハロまたはハロアルコキシで任意選択的に置換されており;
R3が、H、アルキル、ハロアルキル、またはハロで任意選択的に置換されたシクロアルキルであり;
Zが、-O-、-NH-または-NHCH2-であり;
R4が、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、-OH、オキソ、-CO2H、もしくはハロで任意選択的に置換されたシクロアルキルから独立して選択される1~2個の置換基で任意選択的に置換された複素環であるか、または
R4が、アルキル、ハロ、ハロアルキルおよび-OHから独立して選択される1~3個の置換基で任意選択的に置換されたシクロアルキルである、本明細書に記載の式Iによる化合物、および薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0076】
本発明の一実施形態は、R1が、H、ハロ、ハロアルキルまたはシクロアルコキシである、本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0077】
本発明の一実施形態は、R1が、ハロ、アルキル、またはハロアルキルである、本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0078】
本発明の一実施形態は、R1が、F、Cl、OCF3、CF3またはCH3である、本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0079】
本発明の一実施形態は、R1が、CF3である、本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0080】
本発明の一実施形態は、R2が、H、ハロ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキルアルキルであり、シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキルがハロで任意選択的に置換されている、本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0081】
本発明の一実施形態は、R2が、H、ハロ、アルキル、ハロアルキルまたはシクロアルキルであり、シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキルがハロで任意選択的に置換されている、本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0082】
本発明の一実施形態は、R2が、H、ハロ、アルキルまたはハロアルキルである、本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0083】
本発明の一実施形態は、R2がHまたはアルキルである、本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0084】
本発明の一実施形態は、R2がアルキルである、本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0085】
本発明の一実施形態は、R2がHである、本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0086】
本発明の一実施形態は、R3が、H、アルキルまたはハロアルキルである、本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0087】
本発明の一実施形態は、R3がHまたはアルキルである、本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0088】
本発明の一実施形態は、R3がHである、本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0089】
本発明の一実施形態は、R3がメチルである、本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0090】
本発明の一実施形態は、R4が、アルキルで任意選択的に置換された複素環、またはアルキルおよび-OHから選択される1~2個の置換基で任意選択的に置換されたシクロアルキル環である、本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0091】
本発明の一実施形態は、R4が、アルキルで任意選択的に置換された複素環である、本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0092】
本発明の一実施形態は、R4がアルキルで置換された1個のヘテロ原子を含む複素環である、本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0093】
本発明の一実施形態は、R4が、アルキルおよび-OHで置換されたエチルピペリジンまたはシクロブタンのいずれかである、本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0094】
本発明の一実施形態は、R4が、エチルピペリジンである、本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0095】
本発明の一実施形態は、Zが、-O-または-NH-である、本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0096】
本発明の一実施形態は、Zが、-NH-である、本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0097】
本発明の一実施形態は、
R1が、Cl、OCF3、アルキルまたはハロアルキルであり;
R2が、Fで任意選択的に置換されたH、ハロ、アルキル、ハロアルキルまたはシクロアルキルであり;
R3が、Fで任意選択的に置換されたH、アルキル、ハロアルキルまたはシクロアルキルであり;
Zが、O、または-NH-であり;
R4が、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、-OH、オキソ、-CO2H、もしくはハロで任意選択的に置換されたシクロアルキルから独立して選択される1~2個の置換基で任意選択的に置換された複素環であるか、または
R4が、アルキル、ハロ、ハロアルキルおよび-OHから独立して選択される1~3個の置換基で任意選択的に置換されたシクロアルキルである、本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0098】
本発明の一実施形態は、
R1が、Cl、CH3、OCF3、またはCF3であり;
R2が、H、ハロ、アルキルまたはハロアルキルであり;
R3が、H、アルキルまたはハロアルキルであり;
Zが、O、または-NH-であり;
R4が、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、-OH、オキソ、-CO2H、もしくはハロで任意選択的に置換されたシクロアルキルから独立して選択される1~2個の置換基で任意選択的に置換された1個のヘテロ原子を含む複素環であるか;または
R4が、アルキル、ハロ、ハロアルキルおよび-OHから独立して選択される1~3個の置換基で任意選択的に置換されたシクロアルキルである、本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0099】
本発明の一実施形態は、
R1が、Cl、CH3、OCF3、またはCF3であり;
R2が、H、ハロ、アルキルまたはハロアルキルであり;
R3が、H、アルキルまたはハロアルキルであり;
Zが、O、または-NH-であり;
R4が、ハロ、アルキルまたはハロアルキルから独立して選択される1~2個の置換基で任意選択的に置換された1個のヘテロ原子を含む複素環である、本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0100】
本発明の一実施形態は、
R1が、Cl、CH3、OCF3、またはCF3であり;
R2が、H、ハロ、アルキルまたはハロアルキルであり;
R3が、H、アルキルまたはハロアルキルであり;
Zが、-NH-であり;
R4が、ハロ、アルキルまたはハロアルキルから独立して選択される1~2個の置換基で任意選択的に置換された1個のヘテロ原子を含む複素環である、本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0101】
本発明の一実施形態は、
R1が、ハロまたはハロアルキルであり;
R2が、Hまたはアルキルであり;
R3が、Hまたはアルキルであり;
Zが、-NH-であり;
R4が、アルキルで置換された1個のヘテロ原子を含む複素環であるか、またはR4が、アルキルおよび-OHから独立して選択される1~2個の置換基で置換されたシクロアルキル環である、本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0102】
本発明の一実施形態は、
R1が、ハロまたはCF3であり;
R2が、Hまたはメチルであり;
R3が、Hまたはメチルであり;
Zが、-NH-であり;
R4が、アルキルで置換されたピペリジン環またはアルキルおよび-OHから選択される1~2個の置換基で置換されたシクロブタン環である、本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0103】
本発明の一実施形態は、
R1が、CF3またはClであり;
R2が、Hであり;
R3が、メチルであり、
Zが、-NH-であり;
R4が、アルキルで置換されたピペリジン環である、本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0104】
本発明の一実施形態は、
R1が、CF3であり;
R2が、Hであり;
R3が、メチルであり、
Zが、-NH-であり;
R4が、アルキルで置換されたピペリジン環である、本明細書に記載の式Iによる化合物を提供する。
【0105】
本明細書に記載の式Ibの化合物の特定の例は、
2-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-1,2,4-トリアジン-6-イル]-3-メチル-5-(トリフルオロメチル)フェノール;
5-クロロ-2-[3-[(1-エチル-3-ピペリジル)アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]フェノール;
2-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール;
2-[3-[(3-ヒドロキシ-3-メチル-シクロブチル)アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール;
5-クロロ-2-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]フェノール;
2-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-フルオロ-フェノール;
5-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-オール
およびそれらの薬学的に許容され得る塩から選択される。
【0106】
本明細書に記載の式Ibの化合物の他の特定の例は、
3-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]ビシクロ[4.2.0]オクタ-1(6),2,4-トリエン-2-オール;
2-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェノール;
2-[3-[[(3Rまたは3S)-1-tert-ブチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール;
2-[3-[[(3Sまたは3R)-1-tert-ブチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール;
4-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-3-ヒドロキシ-ベンゾニトリル;
2-[3-[[(3R,5S)-5-フルオロ-1-メチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール;
2-[5-メチル-3-(5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-8-イルアミノ)-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール;
5-フルオロ-2-[5-メチル-3-[[(3R)-1-メチル-3-ピペリジル]アミノ]-1,2,4-トリアジン-6-イル]フェノール;
5-クロロ-2-[5-メチル-3-[[(3R)-1-メチル-3-ピペリジル]アミノ]-1,2,4-トリアジン-6-イル]フェノール;
2-[5-メチル-3-[[(3R)-3-ピペリジル]アミノ]-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール;
2-[5-メチル-3-[[(3R)-1-メチル-3-ピペリジル]アミノ]-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール;
2-[3-[[(1R,2R)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール;
2-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-3-メチル-5-(トリフルオロメチル)フェノール;
2-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメトキシ)フェノール;
(3S,5R)-1-エチル-5-[[6-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-3-イル]アミノ]ピペリジン-3-オール;
(3S,5R)-1-エチル-5-[[6-[2-ヒドロキシ-6-メチル-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-3-イル]アミノ]ピペリジン-3-オール;
5-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]インダン-4-オール
2-[5-メチル-3-[[rac-(8S,8aR)-1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロインドリジン-8-イル]アミノ]-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール;
2-[5-メチル-3-[[rac-(8S,8aS)-1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロインドリジン-8-イル]アミノ]-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール;
2-[3-[[(8R,8aSまたは8S,8aR)-1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロインドリジン-8-イル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-3-メチル-5-(トリフルオロメチル)フェノール;
2-[3-[[(8S,8aRまたは8R,8aS)-1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロインドリジン-8-イル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-3-メチル-5-(トリフルオロメチル)フェノール;
2-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール;
2-[3-[[(6Sまたは6R,8aSまたは8aR)-1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロインドリジン-6-イル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール;
2-[3-[[(6Rまたは6S,8aSまたは8aR)-1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロインドリジン-6-イル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール;
2-[3-[[(6Sまたは6R,8aRまたは8aS)-1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロインドリジン-6-イル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール;
2-[3-[[(6Rまたは6S,8aRまたは8aS)-1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロインドリジン-6-イル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール
およびそれらの薬学的に許容され得る塩から選択される。
【0107】
本明細書に記載の式Ibの化合物の好ましい例は、5-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-2、3-ジヒドロベンゾフラン-4-オール、またはその薬学的に許容され得る塩である。
【0108】
本明細書に記載の式Ibの化合物の他の好ましい例は、
2-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール;
5-クロロ-2-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]フェノール;
2-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-フルオロ-フェノール;
5-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-オール;
3-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]ビシクロ[4.2.0]オクタ-1(6),2,4-トリエン-2-オール;
4-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-3-ヒドロキシ-ベンゾニトリル;
5-クロロ-2-[5-メチル-3-[[(3R)-1-メチル-3-ピペリジル]アミノ]-1,2,4-トリアジン-6-イル]フェノール;
2-[5-メチル-3-[[(3R)-1-メチル-3-ピペリジル]アミノ]-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール;
2-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメトキシ)フェノール;
5-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]インダン-4-オール;
2-[3-[[(8R,8aS)-1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロインドリジン-8-イル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-3-メチル-5-(トリフルオロメチル)フェノール
およびそれらの薬学的に許容され得る塩から選択される。
【0109】
本明細書に記載の式Ibの化合物のより好ましい例は、
2-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール;
5-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-オール;
3-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]ビシクロ[4.2.0]オクタ-1(6),2,4-トリエン-2-オール;
2-[5-メチル-3-[[(3R)-1-メチル-3-ピペリジル]アミノ]-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール;
2-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメトキシ)フェノール;
5-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]インダン-4-オール
およびそれらの薬学的に許容され得る塩から選択される。
【0110】
本明細書に記載の式Ibの化合物の最も好ましい例は、
2-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール;
5-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-オール;
3-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]ビシクロ[4.2.0]オクタ-1(6),2,4-トリエン-2-オール
およびそれらの薬学的に許容され得る塩から選択される。
【0111】
本明細書に記載の式Iの化合物の特定の例は、
2-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-1,2,4-トリアジン-6-イル]-3-メチル-5-(トリフルオロメチル)フェノール;
5-クロロ-2-[3-[(1-エチル-3-ピペリジル)アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]フェノール;
2-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール;
2-[3-[(3-ヒドロキシ-3-メチル-シクロブチル)アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール;
5-クロロ-2-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]フェノール;
2-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-フルオロ-フェノール
およびそれらの薬学的に許容され得る塩から選択される。
【0112】
本明細書に記載の式Iの化合物の製造のための方法は、本発明の対象である。
【0113】
式Iの化合物の合成は、例えば、スキーム1に従って達成し得る。
【0114】
本明細書に記載の式Ibの化合物の製造のための方法は、本発明の対象である。
【0115】
式Iの化合物の合成は、例えば、スキーム3に従って達成し得る。
【0116】
トリアジン化合物の一般的な合成スキーム:
式Iの化合物は、上記の方法の変形および以下のスキーム1に従って調製され得る。出発物質は市販されているか、または公知の方法に従って調製され得る。
【0117】
【0118】
本発明の式Iの化合物の合成は、スキーム1に示される一般的な合成に従って合成される。
【0119】
Xが臭素、塩素またはヨウ素などのハロゲン原子、より好ましくは塩素である式(III)の市販の構成要素は、式(IV)の化合物を調製するために求核芳香族置換に供することができる。求核芳香族置換は、適当なアミンZ-R4(式中、ZおよびR4は、一般式Iについて与えられる意味を有し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)または当業者に一般的で既知のおよび/または市販されているトリメチルアミンとしての塩基の存在下で行われる)を用いて行われる。通常、溶媒として1,4-ジオキサンを使用したが、ジメチルスルホキシド(DMSO)またはN-メチル-2-ピロリジン(NMP)などの溶媒も適している。Buchwald-Hartwigアミノ化と同様の他の方法を使用することができる。左辺を一般式(IV)の化合物に添加し、パラジウム触媒およびボロン酸またはボロン酸ピナコールエステル、例えば4または4bの存在下で、当業者に周知の標準条件に従って鈴木クロスカップリングを使用して式(V)の化合物を形成する。最終工程において、メチルエーテル基をジクロロメタン中の三臭化ホウ素(BBr3)で切断して、一般式Iの化合物を送達する。以下、例示した各化合物の具体例をより詳細に説明する。
【0120】
【0121】
XがNH2である場合、式(II)の構成要素も、Sandmeyer型反応によって調製して、X=Clである構成要素(III)を得た。具体例は、例示した化合物ごとに以下に記載する。
【0122】
さらに、アミンZ-R4およびR4が、例えば、tert-ブチルオキシカルボニル(BOC)保護基を含有する場合、TFA(トリフルオロ酢酸)を使用して、実施例1について記載した初期段階またはメチルエーテル開裂中の最終段階のいずれかで追加の脱保護工程を行った。
【0123】
【0124】
本発明の式Ibの化合物の合成は、スキーム3に示される一般的な合成に従って合成され、式中、R’は、H、または当業者に公知の保護基、例えばSEM、ベンジル、またはフェノールのための任意の他の適切な保護基であり得る。R’=Hの場合、VaはIbに等しい。
【0125】
したがって、本発明は、本発明の方法に従って製造された場合の、本発明による化合物に関する。
【0126】
本発明の一実施形態は、パラジウム触媒およびボロン酸またはボロン酸ピナコールエステルの存在下で、IVの化合物を式Vの化合物とする反応(式中、R
1、R
2、R
3、R
4およびZは、上に定義されるとおりである)を含む、上に定義される式Iの化合物を調製する方法である。
【化7】
【0127】
本発明の一実施形態は、IIの化合物をIIIの化合物とする反応を含む、上で定義した式Iの化合物を調製する方法である。
【化8】
【0128】
本発明の一実施形態は、パラジウム触媒およびボロン酸またはボロン酸ピナコールエステルの存在下で、IVの化合物を式Vaの化合物とする反応を含む(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5およびZは、上に定義されるとおりである)、上に定義される式Ibの化合物を調製する方法である。
【化9】
【0129】
本発明の一実施形態は、IIの化合物をIIIの化合物とする反応を含む、上で定義した式Ibの化合物を調製する方法である。
【化10】
【0130】
本発明の別の実施形態は、本発明の化合物および治療上不活性な担体、希釈剤または賦形剤を含有する医薬組成物または医薬、ならびにこのような組成物および医薬を調製するための、本発明の化合物を使用する方法を提供する。一例では、式Ibの化合物は、周囲温度、適切なpHで、および所望の程度の純度で、生理学的に許容され得る担体、すなわち、用いられる投与量および濃度でレシピエントに対して非毒性である担体と混合することによって、ガレヌス投与形態に配合され得る。製剤のpHは、特定の用途および化合物の濃度に主に依存するが、好ましくは約3~約8の範囲である。一例では、式Ibの化合物は、pH5の酢酸緩衝液に配合される。別の実施形態では、式Ibの化合物は無菌である。化合物は、例えば、固体または非晶質組成物として、凍結乾燥製剤として、または水溶液として貯蔵され得る。
【0131】
組成物は、良好な医療行為と一致した様式で配合、投薬、および投与される。これに関連して考慮すべき要因としては、処置される特定の障害、処置される特定の哺乳動物、個々の患者の臨床症状、障害の原因、薬剤の送達部位、投与方法、投与スケジュール、および医師に公知な他の要因が挙げられる。
【0132】
本発明の化合物は、経口、局所(頬側および舌下を含む)、直腸、膣、経皮、非経口、皮下、腹腔内、肺内、皮内、髄腔内および硬膜外および鼻腔内、ならびに局所処置が所望される場合、病巣内投与を含む任意の適切な手段によって投与され得る。非経口注入としては、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内、または皮下投与が挙げられる。
【0133】
本発明の化合物は、例えば、錠剤、粉末、カプセル剤、溶液、分散液、懸濁液、シロップ、スプレー剤、坐剤、ジェル、乳濁液、パッチなどの任意の簡便な投与形態で投与され得る。そのような組成物は、医薬製剤における従来の構成要素、例えば、希釈剤、担体、pH調整剤、甘味剤、増量剤およびさらなる活性剤を含み得る。
【0134】
典型的な製剤は、本発明の化合物および担体または賦形剤を混合することによって調製される。好適な担体および賦形剤は当業者に周知であり、例えば、Ansel,Howard C.,et al.,Ansel’s Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems.Philadelphia:Lippincott,Williams&Wilkins,2004;Gennaro,Alfonso R.,et al.Remington:The Science and Practice of Pharmacy.Philadelphia:Lippincott,Williams&Wilkins,2000;およびRowe,Raymond C.Handbook of Pharmaceutical Excipients.Chicago,Pharmaceutical Press,2005に詳細に記載されている。製剤はまた、薬物(すなわち、本発明の化合物またはその医薬組成物)の的確な提示を提供する、または医薬製品(すなわち、医薬)の製造を補助するために、1種以上の緩衝剤、安定化剤、界面活性剤、湿潤剤、潤滑剤、乳化剤、懸濁化剤、防腐剤、抗酸化剤、乳白剤(opaquing agent)、流動促進剤、加工助剤、着色剤、甘味剤、芳香剤、香味剤、希釈剤および他の既知の添加剤も含み得る。
【0135】
式Ibの化合物、およびその薬学的に許容され得る塩は、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬質ゼラチンカプセル剤、注射溶液または局所製剤の生産のための薬学的に不活性な、無機または有機アジュバントと共に処理することができる。ラクトース、コーンスターチまたはその誘導体、タルク、ステアリン酸またはその塩などは、例えば、錠剤、糖衣錠および硬質ゼラチンカプセル剤のためのそのようなアジュバントとして、使用され得る。
【0136】
式Iの化合物、およびその薬学的に許容され得る塩は、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬質ゼラチンカプセル剤、注射溶液または局所製剤の生産のための薬学的に不活性な、無機または有機アジュバントと共に処理することができる。ラクトース、コーンスターチまたはその誘導体、タルク、ステアリン酸またはその塩などは、例えば、錠剤、糖衣錠および硬質ゼラチンカプセル剤のためのそのようなアジュバントとして、使用され得る。
【0137】
軟質ゼラチンカプセル剤に適したアジュバントは、例えば、植物油、ワックス、脂肪、半固体物質、および液状ポリオールなどである。
【0138】
溶液およびシロップの製造に適したアジュバントは、例えば、水、ポリオール、サッカロース、逆糖、グルコースなどである。
【0139】
注射液に適したアジュバントは、例えば、水、アルコール、ポリオール、グリセロール、植物油などである。
【0140】
坐剤に適したアジュバントは、例えば、天然または硬化油、ワックス、脂肪、半固体または液体ポリオールなどである。
【0141】
局所眼用製剤に適したアジュバントは、例えば、シクロデキストリン、マンニトールまたは当技術分野で公知の多くの他の担体および賦形剤である。
【0142】
さらに、医薬製剤は、防腐剤、可溶化剤、粘度増加物質、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味剤、着色剤、着香剤、浸透圧を変化させるための塩、緩衝剤、マスキング剤、または抗酸化剤を含み得る。それらはまた、更に他の治療上価値のある物質を含有し得る。
【0143】
投与量は広範に変動され得、当然、各特定の場合における個々の要件に適合され得る。一般に、経口投与の場合、体重1kgあたり約0.1mg~20mg、好ましくは体重1kgあたり約0.5mg~4mg(例えば、1人あたり約300mg)の1日投与量は、好ましくは1~3回の個別投与に分けられ、これは、適切であれば、例えば、同量からなり得る。局所投与の場合、製剤は、0.001重量%~15重量%の医薬を含み得、0.1および25mgの間であり得る必要な投与は、1日あたりまたは1週間あたりの単回投与によって、1日あたりの複数回投与(2~4回)によって、または1週間あたりの複数回投与によってのいずれかで投与され得る。しかしながら、これが示されていると示されている場合には、本明細書に与えられている上限または下限を超え得ることは明らかであろう。
【0144】
本発明の一実施形態は、治療活性物質として使用するための、本明細書に記載の式Ibによる化合物である。
【0145】
本発明の一実施形態は、疾患、障害もしくは症状の処置または予防において使用するための本明細書に記載の式Ibによる化合物であって、前記疾患、障害または症状がNLRP3阻害に応答性である、化合物である。
【0146】
本発明の一実施形態は、疾患、障害もしくは症状の処置または予防のための本明細書に記載の式Ibによる化合物であって、前記障害または症状がNLRP3阻害に応答性である、化合物である。
【0147】
本発明の一実施形態は、治療活性物質として使用するための、本明細書に記載の式Iによる化合物である。
【0148】
本発明の一実施形態は、疾患、障害もしくは症状の処置または予防において使用するための本明細書に記載の式Iによる化合物であって、前記疾患、障害または症状がNLRP3阻害に応答性である、化合物である。
【0149】
本発明の一実施形態は、疾患、障害もしくは症状の処置または予防のための本明細書に記載の式Iによる化合物であって、前記障害または症状がNLRP3阻害に応答性である、化合物である。
【0150】
本明細書で使用される場合、「NLRP3阻害」という用語は、NLRP3の活性レベルの完全または部分的な減少を指し、例えば、活性NLRP3の阻害および/またはNLRP3の活性化の阻害を含む。
【0151】
多数の異なる障害に関連して、またはその結果として生じる炎症応答におけるNLRP3誘導性IL-1およびIL-18の役割についての証拠がある(Menuら、Clinical and Experimental Immunology、166:1-15、2011;Strowigら、Nature、481:278~286、2012)。
【0152】
一実施形態では、疾患、障害または症状は、以下から選択される:
(i)炎症;
(ii)自己免疫疾患;
(iii)がん
(iv)感染症;
(v)中枢神経系疾患;
(vi)代謝性疾患;
(vii)心血管疾患;
(viii)呼吸器疾患;
(ix)肝疾患;
(x)腎疾患;
(xi)眼疾患;
(xii)皮膚疾患;
(xiii)リンパ症状;
(xiv)心理学的障害;
(xv)移植片対宿主病;
(xvi)異痛症;
(xvii)糖尿病に関連する症状;および
(xviii)個体がNLRP3において生殖系列または体細胞非サイレント変異を有すると判定された任意の疾患。
【0153】
別の実施形態では、疾患、障害または症状は、以下から選択される:
(i)がん
(ii)感染症;
(iii)中枢神経系疾患;
(iv)心血管疾患;
(v)肝疾患;
(vi)眼疾患;または
(vii)皮膚疾患。
【0154】
本発明のさらなる典型的な実施形態では、疾患、障害または症状は、炎症である。処置または予防され得る炎症の例としては、以下に関連して、または以下の結果として生じる炎症反応が挙げられる:
(i)接触過敏症、水疱性類天疱瘡、日焼け、乾癬、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎、脂漏性皮膚炎、扁平苔癬、強皮症、天疱瘡、表皮水疱症、蕁麻疹、紅斑、または脱毛症などの皮膚症状;
(ii)変形性関節症、全身性若年性特発性関節炎、成人発症スティル病、再発性多発性軟骨炎、関節リウマチ、若年性慢性関節炎、痛風、または血清反応陰性脊椎関節症(例えば、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎またはライターの疾患)などの関節症状;
(iii)多発性筋炎または重症筋無力症などの筋肉症状;
(iv)炎症性腸疾患(クローン病および潰瘍性大腸炎を含む)、大腸炎、胃潰瘍、セリアック病、直腸炎、膵炎、好酸球性胃腸炎、肥満細胞症、抗リン脂質症候群などの胃腸管症状、または腸から離れた影響を及ぼし得る食品関連アレルギー(例えば、片頭痛、鼻炎または湿疹);
(v)慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息(好酸球性、気管支性、アレルギー性、内因性、外因性または粉塵性喘息、特に慢性または難治性喘息、例えば後期喘息および気道過敏性を含む)、気管支炎、鼻炎(急性鼻炎、アレルギー性鼻炎、萎縮性鼻炎、慢性鼻炎、カゼオーサ性鼻炎、肥厚性鼻炎、パンレンタ性鼻炎、乾性鼻炎、薬物性鼻炎、膜性鼻炎、季節性鼻炎、例えば、花粉症および血管運動性鼻炎を含む)、副鼻腔炎、特発性肺線維症(IPF)、サルコイドーシス、農夫肺、珪肺、石綿肺、火山灰誘発性炎症、成人呼吸窮迫症候群、過敏性肺臓炎、または特発性間質性肺炎などの呼吸器系症状;
(vi)アテローム性動脈硬化症、ベーチェット病、血管炎、またはウェゲナー肉芽腫症などの血管症状;
(vii)全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、全身性硬化症、橋本甲状腺炎、I型糖尿病、特発性血小板減少性紫斑病、またはグレーブス病などの自己免疫症状;
(viii)ブドウ膜炎、アレルギー性結膜炎、または春期結膜炎などの眼の症状;
(ix)多発性硬化症または脳脊髄炎などの神経症状;
(x)後天性免疫不全症候群(AIDS)、急性もしくは慢性細菌感染症、急性もしくは慢性寄生虫感染症、急性もしくは慢性ウイルス感染症、急性もしくは慢性真菌感染症、髄膜炎、肝炎(A、BもしくはC、または他のウイルス性肝炎)、腹膜炎、肺炎、喉頭蓋炎、マラリア、出血性デング熱、リーシュマニア症、連鎖球菌性筋炎、結核菌(結核菌およびHIVの同時感染を含む)、マイコバクテリウム・アビウム・イントラセルレア、ニューモシスティス・カリニ肺炎、精巣炎/エピディミティス、レジオネラ、ライム病、インフルエンザA、エプスタイン・バーウイルス感染症、ウイルス性脳炎/無菌性髄膜炎、または骨盤内炎症性疾患などの感染症または感染症関連症状;
(xi)メサンギウム増殖性糸球体腎炎、腎症候群、腎炎、糸球体腎炎、肥満関連糸球体症、急性腎不全、急性腎障害、尿毒症、腎炎症候群、慢性結晶性腎症を含む腎線維症、または腎性高血圧などの腎症状;
(xii)キャッスルマン病などのリンパ症状;
(xiii)高IgE症候群、肝芽腫性ハンセン病、家族性血球貪食性リンパ組織球増加症、または移植片対宿主病などの免疫系の症状、またはそれに関与する症状;
(xiv)慢性活動性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、アルコール誘発性肝炎、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、アルコール性脂肪性肝疾患(AFLD)、アルコール性脂肪性肝炎(ASH)、原発性胆汁性肝硬変、劇症肝炎、肝線維症、または肝不全などの肝症状;
(xv)上記のがんを含むがん;
(xvi)熱傷、創傷、外傷、出血または脳卒中;
(xvii)放射線暴露;
(xviii)2型糖尿病(T2D)、アテローム性動脈硬化症、肥満、痛風または偽痛風などの代謝性疾患;および/または
(xix)炎症性痛覚過敏、骨盤痛、異痛症、神経障害性疼痛、またはがん誘発性骨痛などの疼痛。
【0155】
本発明の一実施形態は、以下から選択される疾患、障害もしくは症状の処置または予防のための本明細書に記載の式Ibによる化合物である:
(i)炎症;
(ii)自己免疫疾患;
(iii)がん;
(iv)感染症;
(v)中枢神経系疾患;
(vi)代謝性疾患;
(vii)心血管疾患;
(viii)呼吸器疾患;
(ix)肝疾患;
(x)腎疾患;
(xi)眼疾患;
(xii)皮膚疾患;
(xiii)リンパ症状;
(xiv)心理学的障害;
(xv)移植片対宿主病;
(xvi)異痛症;
(xvii)糖尿病に関連する症状;および
(xviii)個体がNLRP3において生殖系列または体細胞非サイレント変異を有すると判定された任意の疾患。
【0156】
本発明の一実施形態は、アルツハイマー病およびパーキンソン病から選択される疾患、障害もしくは症状の処置または予防における本明細書に記載の式Ibによる化合物の使用である。
【0157】
本発明の一実施形態は、喘息またはCOPDから選択される疾患、障害もしくは症状の処置または予防において使用するための、本明細書に記載の式Ibによる化合物の使用である。
【0158】
本発明の一実施形態は、炎症性腸疾患(クローン病および潰瘍性大腸炎を含む)から選択される疾患、障害もしくは症状の処置または予防において使用するための本明細書に記載の式Ibによる化合物の使用である。
【0159】
本発明の一実施形態は、アルツハイマー病およびパーキンソン病から選択される疾患、障害もしくは症状の処置または予防のための本明細書に記載の式Ibによる化合物である。
【0160】
本発明の一実施形態は、喘息またはCOPDから選択される疾患、障害もしくは症状の処置または予防のための本明細書に記載の式Ibによる化合物である。
【0161】
本発明の一実施形態は、炎症性腸疾患(クローン病および潰瘍性大腸炎を含む)から選択される疾患、障害もしくは症状の処置または予防のための本明細書に記載の式Ibによる化合物である。
【0162】
本発明の一実施形態は、アルツハイマー病およびパーキンソン病から選択される疾患、障害もしくは症状の処置または予防のための医薬を調製するための本明細書に記載の式Ibによる化合物の使用である。
【0163】
本発明の一実施形態は、喘息またはCOPDから選択される疾患、障害もしくは症状の処置または予防のための医薬を調製するための本明細書に記載の式Ibによる化合物の使用である。
【0164】
本発明の一実施形態は、炎症性腸疾患(クローン病および潰瘍性大腸炎を含む)から選択される疾患、障害もしくは症状の処置または予防のための医薬を調製するための本明細書に記載の式Ibによる化合物の使用である。
【0165】
本発明の一実施形態は、アルツハイマー病およびパーキンソン病から選択される疾患、障害もしくは症状の処置または予防の方法であって、有効量の本明細書に記載の式Ibによる化合物を投与することを含む方法である。
【0166】
本発明の一実施形態は、喘息またはCOPDから選択される疾患、障害もしくは症状の処置または予防の方法であって、有効量の本明細書に記載の式Ibによる化合物を投与することを含む方法である。
【0167】
本発明の一実施形態は、炎症性腸疾患(クローン病および潰瘍性大腸炎を含む)から選択される疾患、障害もしくは症状の処置または予防の方法であって、有効量の本明細書に記載の式Ibによる化合物を投与することを含む方法である。
【0168】
本発明の一実施形態は、有効量の本明細書に記載の式Ibによる化合物を投与することを含む、NLRP3を阻害する方法に関する。
【0169】
記載される方法のいずれか1つに従って製造される場合の、本明細書に記載の式Ibの化合物もまた、本発明の一実施形態である。
【0170】
本発明の一実施形態は、本明細書に記載の式Ibによる化合物および治療上不活性な担体を含む医薬組成物である。
【0171】
本発明の一実施形態は、以下から選択される疾患、障害もしくは症状の処置または予防のための本明細書に記載の式Iによる化合物である:
(i)炎症;
(ii)自己免疫疾患;
(iii)がん;
(iv)感染症;
(v)中枢神経系疾患;
(vi)代謝性疾患;
(vii)心血管疾患;
(viii)呼吸器疾患;
(ix)肝疾患;
(x)腎疾患;
(xi)眼疾患;
(xii)皮膚疾患;
(xiii)リンパ症状;
(xiv)心理学的障害;
(xv)移植片対宿主病;
(xvi)異痛症;
(xvii)糖尿病に関連する症状;および
(xviii)個体がNLRP3において生殖系列または体細胞非サイレント変異を有すると判定された任意の疾患。
【0172】
本発明の一実施形態は、アルツハイマー病およびパーキンソン病から選択される疾患、障害もしくは症状の処置または予防における本明細書に記載の式Iによる化合物の使用である。
【0173】
本発明の一実施形態は、喘息またはCOPDから選択される疾患、障害もしくは症状の処置または予防において使用するための、本明細書に記載の式Iによる化合物の使用である。
【0174】
本発明の一実施形態は、アルツハイマー病およびパーキンソン病から選択される疾患、障害もしくは症状の処置または予防のための本明細書に記載の式Iによる化合物である。
【0175】
本発明の一実施形態は、喘息またはCOPDから選択される疾患、障害もしくは症状の処置または予防のための本明細書に記載の式Iによる化合物である。
【0176】
本発明の一実施形態は、アルツハイマー病およびパーキンソン病から選択される疾患、障害もしくは症状の処置または予防のための医薬を調製するための本明細書に記載の式Iによる化合物の使用である。
【0177】
本発明の一実施形態は、喘息またはCOPDから選択される疾患、障害もしくは症状の処置または予防のための医薬を調製するための本明細書に記載の式Iによる化合物の使用である。
【0178】
本発明の一実施形態は、アルツハイマー病およびパーキンソン病から選択される疾患、障害もしくは症状の処置または予防のため方法であって、有効量の本明細書に記載の式Iによる化合物を投与することを含む方法である。
【0179】
本発明の一実施形態は、喘息またはCOPDから選択される疾患、障害もしくは症状の処置または予防の方法であって、有効量の本明細書に記載の式Iによる化合物を投与することを含む方法である。
【0180】
本発明の一実施形態は、有効量の本明細書に記載の式Iによる化合物を投与することを含む、NLRP3を阻害する方法に関する。
【0181】
記載されるプロセスのいずれか1つに従って製造された場合の、本明細書に記載の式Iの化合物もまた、本発明の一実施形態である。
【0182】
本発明の一実施形態は、本明細書に記載の式Iによる化合物および治療上不活性な担体を含む医薬組成物である。
【0183】
アッセイ手順
NLRP3およびパイロトーシス
NLRP3の活性化が細胞パイロトーシスをもたらし、この特徴が臨床疾患の発現において重要な役割を果たすことは十分に確立されている(Yan-gang Liuら、Cell Death&Disease、2017、8(2)、e2579;Alexander Wreeら、Hepatology、2014、59(3)、898~910;Alex Baldwinら、Journal of Medicinal Chemistry、2016,59(5)、1691-1710;Ema Ozakiら、Journal of Inflammation Research、2015、8、15~27;Zhen Xie&Gang Zhao、Neuroimmunology Neuroinflammation、2014、1(2)、60-65;Mattia Coccoら、Journal of Medicinal Chemistry、2014、57(24)、10366~10382;T.Satohら、Cell Death&Disease、2013、4、e644)。したがって、NLRP3の阻害剤は、パイロトーシス、ならびに細胞からの炎症促進性サイトカイン(例えばIL-1β)の放出を遮断することが予想される。
【0184】
THP-1細胞:培養および調製
THP-1細胞(ATCC番号TIB-202)を、10%ウシ胎児血清(FBS)(Sigma番号F0804)中、1mMピルビン酸ナトリウム(Sigma番号S8636)およびペニシリン(100単位/ml)/ストレプトマイシン(0.1mg/ml)(Sigma番号P4333)を補充したL-グルタミン(Gibco番号11835)を含有するRPMI中で増殖させた。細胞を定期的に継代し、コンフルエント(約106細胞/ml)まで増殖させた。実験の当日に、THP-1細胞を回収し、RPMI培地(FBSなし)に再懸濁した。次いで、細胞を計数し、生存率(>90%)をトリパンブルー(Sigma番号T8154)によって確認した。適切な希釈を行い、625,000細胞/mlの濃度を得た。この希釈細胞溶液にLPS(Sigma番号L4524)を添加して、1μg/mlの最終アッセイ濃度(FAC)を得た。最終調製物40μlを96ウェルプレートの各ウェルに分注した。このようにして作製したプレートを化合物スクリーニングに用いた。
【0185】
THP-1細胞パイロトーシスアッセイ
化合物スクリーニングについては、以下の方法の段階的アッセイに従った。
1. 96ウェルのポリ-D-リジン(VWR番号734-0317)で被覆された黒色壁透明底細胞培養プレート中の40μlのRPMI培地(FBSなし)中に1.0μg/mlのLPSを含有するTHP-1細胞(25,000細胞/ウェル)を播種する
2. 5μlの化合物(10μMの最高用量を用いた8ポイントの半対数希釈)またはビヒクル(DMSO 0.1% FAC)を適切なウェルに添加する
3. 37℃、5% CO2で3時間インキュベートする
4. 5μlのニゲリシン(Sigma番号N7143)(FAC5μM)を全てのウェルに加える
5. 37℃、5% CO2で1時間インキュベートする
6. インキュベーション期間の終わりに、プレートを300xgで3分間回転させ、上清を除去する。
7. 次いで、50μlのレサズリン(Sigma番号R7017)(FBSを含まないRPMI培地中のFAC 100μM レサズリン)を添加し、プレートを37℃および5%CO2で、さらに1~2時間インキュベートする。
8. プレートをEnvisionリーダーでEx 560nmおよびEm 590nmで読み取った。
9. IC50データを非線形回帰方程式に当てはめる(対数阻害剤対応答変数勾配4パラメータ)
【0186】
パイロトーシスアッセイの結果を、THP IC50として以下の表1に要約する。
【0187】
ヒト全血IL-1β放出アッセイ
全身送達のためには、化合物が血流内に存在する場合にNLRP3を阻害する能力が非常に重要である。このため、以下のプロトコルに従って、ヒト全血中の多数の化合物のNLRP3阻害活性を調べた。
【0188】
Li-ヘパリン管中のヒト全血を、ボランティアドナー集団から健康なドナーから得た。
1. 96ウェル平底細胞培養プレート(Corning番号3585)中に1μg/mlのLPSを含有する80μlの全血をプレートアウトする
2. 10μlの化合物(10μMの最高用量での8点半対数希釈)またはビヒクル(DMSO 0.1% FAC)を適切なウェルに加える。
3. 37℃、5% CO2で3時間インキュベートする
4. 10μlのニゲリシン(Sigma番号N7143)(10μM FAC)を全てのウェルに添加する。
5. 37℃、5% CO2で1時間インキュベートする
6. インキュベーション期間の終わりに、プレートを300×gで5分間回転させて細胞をペレット化し、20μlの上清を除去し、IL-1β分析のために96ウェルv底プレートに加える(注記:上清を含むこれらのプレートは、後の日に分析するために-80℃で保存することができる)。
7. IL-1βは、製造業者のプロトコル(Perkin Elmer-AlphaLisa IL-1 Kit AL220F-5000)に従って測定した。
8. IC50データを非線形回帰方程式に当てはめる(対数阻害剤対応答変数勾配4パラメータ)
【0189】
ヒト全血アッセイの結果をHWB IC50として以下の表1に要約する。
【0190】
hERGスクリーニングアッセイ
細胞
【0191】
CHOクレロックスhERG細胞株(ATCC参照番号PTA-6812、雌チャイニーズハムスター細胞)を作製し、Rocheで検証した。すぐに使用可能な凍結即時CHO-hERG細胞をEvotec(ドイツ)で凍結保存し、実験に直接使用した。
【0192】
実験溶液
細胞外溶液は、(mM単位で)NaCl 150;KCl 4;CaCl2 1;MgCl2 1;HEPES 10を含有し、NaOHによるpH7.2~7.4、浸透圧モル濃度290~330mOsm。内部溶液は、(mM単位で):KCl、10;KF,100;NaCl、10;HEPES,10;EGTA、20を含有し、KOHによるpH=7.0~7.4、浸透圧モル濃度260~300mOsm。
【0193】
電気生理学
hERG K+-電流パラメータに対する化合物の効果を、少なくとも4つの細胞において2つの濃度で評価することになる。
【0194】
hERG試験は、自動パッチクランプシステムSynchroPatch(登録商標)384(Nanion Technologies GmbH、ドイツ)を用いて行う。K+電流は、35~37℃で全細胞構成でパッチボルテージクランプ法を用いて測定される。
【0195】
細胞を-80mVの静止電圧に保持し、
図1に示す電圧パターンで刺激して、0.1Hz(6bpm)の刺激周波数でhERGチャネルを活性化し、外向きにIKhERG電流を伝導させた。
【0196】
データ分析
IKhERGの振幅を各薬物濃度で記録し、ビヒクル対照値(100%とする)と比較して端数ブロックを定義した。濃度-反応データを以下の関係で適合させた:
【表1】
【0197】
濃度-反応曲線を、EworkBook suite(ID Business Solutions Ltd、英国)を使用した非線形回帰分析によって当てはめた。データ適合は、4パラメータ・ロジスティック・モデル(fit=(A+(B/(1+((x/C)^D))))、式中、A=0、B=100である)を用いて行った。
【表2】
【表3】
【0198】
これより、限定的な特徴を有しない以下の実施例によって本発明を説明する。
【0199】
調製例がエナンチオマーの混合物として得られる場合、純粋なエナンチオマーは、本明細書に記載されている方法によって、または当技術分野の当業者に公知の方法、例えばキラルクロマトグラフィーまたは結晶化によって得られ得る。
【0200】
【0201】
分析方法
NMRスペクトルは、TopSpinプログラム制御下で、ICON-NMRを使用してBruker 400 MHz分光計で実行した。スペクトルは、特に明記しない限り、298Kで測定し、溶媒共鳴を基準とした。
【0202】
LC-MS方法:SHIMADZU LCMS-2020、Agilent 1200 LC/G1956A MSDおよびAgilent 1200\G6110A、Agilent 1200 LC&Agilent 6110 MSDを使用する。移動相:A:水中0.025% NH3・H2O(v/v);B:アセトニトリル。カラム:Kinetex EVO C18 2.1×30mm、5μm。
【0203】
精製方法(工程E)
自動逆相カラムクロマトグラフィーは、Gilson-322ポンプモジュール、Gilson-156 UV光度計検出ユニットおよびGilson-281フラクションコレクタによって駆動されるGilson GX-281システムを使用して行った。
Phenomenex Gemini:75*30mm*3um
pH(水(0.1% TFA)-ACN):3~4
平均粒径:3μm
使用前に100% MeCN(2分間)でカラムをコンディショニングし、次いで1% MeCN(0.8分間)にした。流量=25mL/分
【0204】
【0205】
精製方法(工程F)
自動逆相カラムクロマトグラフィーは、Gilson-322ポンプモジュール、Gilson-156 UV光度計検出ユニットおよびGilson-281フラクションコレクタによって駆動されるGilson GX-281システムを使用して行った。
Phenomenex Gemini:75*30mm*3um
pH(水(0.1% TFA)-ACN):3~4
平均粒径:3μm
使用前に100% MeCN(2分間)でカラムをコンディショニングし、次いで1% MeCN(0.8分間)にした。流量=25mL/分
【0206】
分離操作:
【表6】
検出波長:220および254nm。それぞれ新しい実行の前に、コンディショニング方法を用いてカートリッジを洗浄した。
【図面の簡単な説明】
【0207】
【
図1】35~37℃で外向きのK
+電流を誘発するために使用されるパルスパターン。
【実施例】
【0208】
別様に指定のない場合、全ての実施例および中間体は、窒素雰囲気下で調製された。
【0209】
実施例1:2-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-1,2,4-トリアジン-6-イル]-3-メチル-5-(トリフルオロメチル)フェノール;2,2,2-トリフルオロ酢酸
【化11】
【0210】
工程A:6-ブロモ-3-クロロ-1,2,4-トリアジン
【化12】
【0211】
6-ブロモ-1,2,4-トリアジン-3-アミン(5.0g、29mmol、1当量)を含むACN(100mL)の溶液に、tert-亜硝酸ブチル(4.7g、46mmol、1.6当量)およびCuCl(3.7g、37mmol、1.3当量)を添加した。混合物を70℃で2時間撹拌した。その残渣を真空中で濃縮し、カラムクロマトグラフィー(PE:EtOAc=1:0~10:1)によって精製し、標題化合物(1.6g、収率29%)を黄色油として得た。
【0212】
工程B:(R)-tert-ブチル3-((6-ブロモ-1,2,4-トリアジン-3-イル)アミノ)ピペリジン-1-カルボキシレート
【化13】
【0213】
tert-ブチル(3R)-3-アミノピペリジン-1-カルボキシレート(620mg、3.1mmol、1.2当量)を含むDMSO(5mL)の溶液に、DIEA(1.0mL、5.7mmol、2.2当量)および6-ブロモ-3-クロロ-1,2,4-トリアジン(500mg、2.6mmol、1当量)を添加した。混合物を20℃で2時間撹拌した。混合物を水(100mL)に注ぎ、EtOAc(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フィルタにかけ、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を分取TLC(SiO2、PE/EtOAc=5/1)によって精製し、標題化合物(590mg、収率64%)を黄色固体として得た。LCMS:m/z 304.0,[M-C4H9+2+H]+,ESI pos.
【0214】
工程C:6-ブロモ-N-[(3R)-3-ピペリジル]-1,2,4-トリアジン-3-アミン;2,2,2-トリフルオロ酢酸
【化14】
【0215】
tert-ブチル(3R)-3-[(6-ブロモ-1,2,4-トリアジン-3-イル)アミノ]ピペリジン-1-カルボキシラート(490mg、1.4mmol、1当量)を含むCH2Cl2(4mL)の溶液に、TFA(1.0mL)を添加した。混合物を20℃で2時間撹拌した。反応物を減圧下で濃縮して、標題化合物を黄色ゴム(TFA塩、500mg)として得た。LCMS:m/z 258.0[M+H]+,ESI pos.
【0216】
工程D:6-ブロモ-N-[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]-1,2,4-トリアジン-3-アミン
【化15】
【0217】
6-ブロモ-N-[(3R)-3-ピペリジル]-1,2,4-トリアジン-3-アミンの溶液に、2,2,2-トリフルオロ酢酸(100mg、0.3mmol、1当量)を含むACN(1mL)に、K2CO3(74mg、0.5mmol、2当量)および臭化エチル(0.02mL、0.3mmol、1.1当量)を添加した。反応混合物を20℃で16時間撹拌した。次いで、水(1mL)を混合物に添加し、逆相フラッシュ(0.1% TFA水性-ACN条件)によって精製して、標題化合物(20mg、収率25%)を黄色固体として得た。
LCMS:m/z 286.0[M+H]+,ESI pos.
【0218】
工程E:N-[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]-6-[2-メトキシ-6-メチル-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-3-アミン;2,2,2-トリフルオロ酢酸
【化16】
【0219】
1,4-ジオキサン(5mL)および水(1mL)中の2-[2-メトキシ-6-メチル-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(320mg、1.0mmol、1.6当量)、6-ブロモ-N-[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]-1,2,4-トリアジン-3-アミン;2,2,2-トリフルオロ酢酸(250mg、0.6mmol、1当量)およびK2CO3(463mg、4.4mmol、7当量)の混合物を脱気し、窒素で3回パージし、Pd(dppf)Cl2(153mg、0.2mmol、0.3当量)を混合物に添加した。混合物を100℃で12時間撹拌した。次いで、水(1mL)を混合物に添加した。残渣を逆相フラッシュ(0.1% TFA条件)2回および分取HPLC(方法:カラム3_Phenomenex Luna C18 75*30mm*3um;条件:水(0.1% TFA)-ACN;開始B 28 終了B 48;勾配時間(分):7;100% B;ホールド時間(分):2;流速(ml/min):25)によって精製し、標題化合物を黄色固体として得た(TFA塩、12mg、収率4%)。LCMS:m/z 396.3[M+H]+,ESI pos.
【0220】
工程F:2-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-1,2,4-トリアジン-6-イル]-3-メチル-5-(トリフルオロメチル)フェノール;2,2,2-トリフルオロ酢酸
【化17】
【0221】
N-[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]-6-[2-メトキシ-6-メチル-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-3-アミン;2,2,2-トリフルオロ酢酸(40mg、0.08mmol、1当量)を含むCH2Cl2(1mL)の溶液に、BBr3(0.07mL、0.8mmol、10当量)を-70℃で添加した。混合物を20℃で1時間撹拌した。次いで、氷水(1mL)を混合物に添加し、NH3・H2Oを用いてpHを約pH8に調整し、混合物を凍結乾燥した。残渣を分取HPLC(カラム3_Phenomenex Luna C18 75*30mm*3μm;条件:水(0.1% TFA)-ACN;開始B 23 終了B 43;勾配時間(分):7;100% B;ホールド時間(分):2;流速(mL/min):25)によって精製し、標題化合物を黄色固体として得た(TFA塩、25mg、収率63%)。LCMS:m/z 382.2[M+H]+,ESI pos.
【0222】
実施例2:5-クロロ-2-[3-[(1-エチル-3-ピペリジル)アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]フェノール(rac)
【化18】
【0223】
工程A:6-クロロ-N-(1-エチル-3-ピペリジル)-5-メチル-1,2,4-トリアジン-3-アミン
【0224】
1,4-ジオキサン(3mL)中の3,6-ジクロロ-5-メチル-1,2,4-トリアジン(CAS番号132434-82-3、150mg、0.915mmol、1.0当量)および1-エチルピペリジン-3-アミン(CAS番号6789-94-2、196μL、1.37mmol、1.5当量)の混合物に、DIEA(160μL、1.37mmol、1.03当量)を添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物をEtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄した。水層をEtOAcで2回逆抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。粗生成物をISOLUTE HM-Nに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、12g、EtOAc定組成)によって精製して、標題化合物(221mg、微量のジクロロメタン)を淡黄色固体として得た。m/z 256.1[M+H]+,ESI pos.
【0225】
工程B:6-クロロ-N-(1-エチル-3-ピペリジル)-5-メチル-1,2,4-トリアジン-3-アミン(rac)
【化19】
【0226】
1,4-ジオキサン(0.9mL)および水(0.5mL)中の上述の6-クロロ-N-(1-エチル-3-ピペリジル)-5-メチル-1,2,4-トリアジン-3-アミン(40mg、0.156mmol、1.0当量)、(4-クロロ-2-ヒドロキシ-フェニル)ボロン酸(CAS番号1238196-66-1、45.7mg、0.265mmol、1.7当量)、炭酸カリウム(103mg、0.747mmol、4.8当量)および1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(ii)ジクロリドジクロロメタン錯体(14.8mg、0.018mmol、0.116当量)の混合物に、アルゴンでフラッシュし、90℃で4時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、EtOAcおよび水で抽出した。水層をEtOAcで逆抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、セライトパッドでフィルタにかけ、真空中で濃縮した。粗生成物を分取HPLC(カラム:Gemini NX、12nm、5μm、100×30mm;条件:ACN/水+0.1% TEA;APS運転時間15分、勾配20-40-55-100 水中のACN)によって精製して、標題化合物(19.9mg、収率33%)を灰色固体として得た。m/z 348.3[M+H]+,ESI pos。
【0227】
実施例3:2-[3-[(3-ヒドロキシ-3-メチル-シクロブチル)アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール
【化20】
【0228】
工程A:3-[(6-クロロ-5-メチル-1,2,4-トリアジン-3-イル)アミノ]-1-メチル-シクロブタノール
【0229】
実施例3と同様に:1,4-ジオキサン(4mL)中の3,6-ジクロロ-5-メチル-1,2,4-トリアジン(CAS番号132434-82-3、200mg、1.22mmol、1.0当量)および3-アミノ-1-メチル-シクロブタノール塩酸塩(CAS番号1820687-11-3、251.7mg、1.83mmol、1.5当量)の混合物に、DIEA(639μL、3.66mmol、3当量)を添加した。反応混合物を室温で3日間撹拌した。反応混合物をEtOAcおよび水で抽出した。有機層をブラインで洗浄した。水層をEtOAcで4回逆抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。粗生成物(317mg)をISOLUTE HM-Nに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、12g、n-ヘプタン/EtOAc、EtOAc勾配0~80%)によって精製して、標題化合物(159.4mg、純度90%)を黄色固体として得た。m/z 229.1[M+H]+,ESI pos.
【0230】
工程B:3-[(6-クロロ-5-メチル-1,2,4-トリアジン-3-イル)アミノ]-1-メチル-シクロブタノール
【化21】
【0231】
1,4-ジオキサン(1.9mL)および水(0.9mL)中の上述の3-[(6-クロロ-5-メチル-1,2,4-トリアジン-3-イル)アミノ]-1-メチル-シクロブタノール(80mg、0.315mmol、1.0当量)、[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]ボロン酸(CAS番号1072951-50-8、109.9mg、0.534mmol、1.7当量)ボロン酸、炭酸カリウム(207.9mg、1.50mmol、4.8当量)および1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(ii)ジクロリドジクロロメタン錯体(29.7mg、0.036mmol、0.116当量)の混合物に、アルゴンでフラッシュし、90℃で16時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、EtOAcで抽出した。水層をEtOAcで逆抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、セライトパッドでフィルタにかけ、真空中で濃縮した。粗生成物(297mg)を分取HPLC(カラム:カラムアキラル100 PEI、5μm、250×20mm;条件:35% MeOH;SFC)によって精製して、標題化合物(98.9mg、収率78%)を灰色固体として得た。m/z 355.2[M+H]+,ESI pos.
【0232】
実施例4:2-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール
【化22】
【0233】
工程A:6-クロロ-N-[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-3-アミン
【化23】
【0234】
1,4-ジオキサン(20mL)中の3,6-ジクロロ-5-メチル-1,2,4-トリアジン(CAS番号132434-82-3、1.00g、6.1mmol、1.0当量)および[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミン(CAS番号1020396-26-2、1.24g、9.15mmol、1.5当量)アミンの混合物に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(814mg、1.1mL、6.3mmol、1.03当量)を添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物は、
ジクロロメタンおよび水で抽出した。有機層をブラインで洗浄した。水層をジクロロメタンで2回逆抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。粗生成物をISOLUTE HM-Nに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、40g、勾配ジクロロメタン中0%~10%メタノール)によって精製して、標題化合物(1.32g、収率80%)を緑色固体として得た。m/z 256.3[M+H]+,ESI pos.
【0235】
工程B:2-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール
【化24】
【0236】
1,4-ジオキサン(6mL)および水(3mL)中の上述の6-クロロ-N-[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-3-アミン(実施例4、工程A)(280mg、1.04mmol、1.0当量)、[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]ボロン酸(CAS番号1072951-50-8、365mg、1.77mmol、1.7当量)ボロン酸、炭酸カリウム(690mg、4.99mmol、4.8当量)および1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(ii)ジクロリドジクロロメタン錯体(98mg、0.120mmol、0.115当量)の混合物を、アルゴンでフラッシュし、85℃で16時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、EtOAcおよび半飽和NH4Cl水溶液で抽出した。水層をEtOAcで逆抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。粗生成物をISOLUTE HM-Nに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、25g、勾配ジクロロメタン中0%~10%メタノール)によって精製した。残渣をISOLUTE HM-Nに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、25g、勾配ジクロロメタン中0%~100%(ジクロロメタン:メタノール:NH4OH 9:1:0.05))によって再精製した。生成物を含有する全ての画分を合わせ、真空中で濃縮した。残渣をEtOAc/ヘプタンを用いてトリチュレーションすると、標題化合物(246mg、収率61%)を灰白色粉末として得た。m/z 382.3[M+H]+,ESI pos.
【0237】
実施例5:5-クロロ-2-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]フェノール
【化25】
【0238】
1,4-ジオキサン(6mL)および水(3mL)中の6-クロロ-N-[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-3-アミン(実施例4、工程A)(280mg、1.04mmol、1当量)、(4-クロロ-2-ヒドロキシフェニル)ボロン酸(CAS番号1238196-66-1、305mg、1.77mmol、1.7当量)、炭酸カリウム(690mg、4.99mmol、4.8当量)および1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(ii)ジクロリドジクロロメタン錯体(98mg、0.120mmol、0.115当量)の混合物を、アルゴンでフラッシュし、85℃で一晩撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、EtOAcおよび半飽和NH4Cl水溶液で抽出した。水層をEtOAcで逆抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。粗生成物をISOLUTE HM-Nに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、25g、勾配ジクロロメタン中0%~10%メタノール)によって精製した。残渣をISOLUTE HM-Nに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、12g、勾配ジクロロメタン中0%~60%(ジクロロメタン:メタノール:NH4OH 9:1:0.05))によって再精製した。生成物を含有する全ての画分を合わせ、真空中で濃縮した。残渣をEtOAc/ヘプタンを用いてトリチュレーションすると、標題化合物(204mg、収率55%)を灰白色粉末として得た。m/z 348.3[M+H]+,ESI pos
【0239】
実施例6:2-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-フルオロ-フェノール
【化26】
【0240】
1,4-ジオキサン(1.8mL)および水(0.900mL)中の上述の6-クロロ-N-[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-3-アミン(実施例4、工程A)-5-メチル-1,2,4-トリアジン-3-アミン(80mg、0.313mmol、1当量)、(4-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)ボロン酸(CAS番号850568-00-2、85mg、0.545mmol、1.74当量)、炭酸カリウム(205mg、1.48mmol、4.74当量)および1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(ii)ジクロリドジクロロメタン錯体(29mg、0.036mmol、0.114当量)の混合物を、アルゴンでフラッシュし、90℃で2時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、EtOAcおよび水で抽出した。水層をEtOAcで逆抽出した。有機層を水で2回およびブラインで1回洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。粗生成物をISOLUTE HM-Nに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、12g、勾配0%~10%(ジクロロメタン中メタノール)によって精製して、標題化合物(50mg、収率46%)を褐色固体として得た。m/z 332.3[M+H]+,ESI pos
【0241】
実施例7:5-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-オール
【化27】
【0242】
工程A:5-ブロモ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-オール
【0243】
2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-オール(CAS番号144822-82-2、2.00g、14.7mmol、1当量)のメタノール(40mL)中溶液に、ピリジントリブロミド(4.70g、14.7mmol、1当量)を-40℃で添加した。得られた混合物を-40℃で0.5時間撹拌した後、20℃に加温し、16時間撹拌した。反応完了後、反応混合物をEtOAc(100mL)に溶解した。有機層を1N塩酸(100mL×2)、続いてブライン(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フィルタにかけ、濾液を減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、PE:EtOAc=15:1~10:1)によって精製して、標題化合物(1.90g、収率60%)を黄色固体として得た。LCMS:m/z 212.8[M-H]-,ESI neg.
【0244】
工程B:2-[(5-ブロモ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)オキシメトキシ]エチル-トリメチルシラン
【0245】
ACN(20mL)中の5-ブロモ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-オール(実施例7、工程A)(1.00g、4.65mmol、1.0当量)の溶液に、K2CO3(1.29g、9.3mmol、2.0当量)を添加した。混合物を20℃で0.5時間撹拌し、2-(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド(0.99mL、5.58mmol、1.2当量)を混合物に滴下により添加した。混合物を20℃で2時間撹拌した。TLC(PE:EtOAc=10:1)は、出発物質が消費され、別の主スポットが形成されたことを示した。混合物を水(100mL)でクエンチし、EtOAc(100mL×3)で抽出した。有機相をブライン(150mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フィルタにかけ、濾液を減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、PE:EtOAc=20:1~15:1)によって精製すると、標題化合物(1.30g、収率81%)を黄色油として得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=7.30(d,1H),6.49(d,1H),5.19(s,2H),4.54(t,2H),3.87-3.74(m,2H),3.32-3.26(m,2H),0.94-0.86(m,2H),-0.01--0.05(m,9H).
【0246】
工程C:トリメチル-[2-[[5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル]オキシメトキシ]エチル]シラン
【0247】
2-[(5-ブロモ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)オキシメトキシ]エチル-トリメチルシラン(1.20g、3.48mmol、1.0当量)の酢酸イソプロピル(20mL)中溶液に、ビス(ピナコラト)ジボロン(1.06g、4.17mmol、1.2当量)、無水AcOK(0.75g、7.65mmol、2.2当量)、Xphos(166mg、0.350mmol、0.100当量)およびXPhos Pd G3(295mg、0.350mmol、0.100当量)を添加した。混合物をN2で3回脱気し、N2下、80℃で12時間撹拌した。TLC(PE:EtOAc=20:1)は、出発物質が消費され、1つの新たなスポットが検出されたことを示した。混合物を水(30mL)でクエンチし、EtOAc(30mL×3)で抽出した。有機相をブライン(30mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フィルタにかけ、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を最初にカラムクロマトグラフィー(SiO2、PE:EtOAc=80:1~50:1)、引き続いて逆相フラッシュ(CombiFlash 0.1% NH3.H2O水性ACN)によって精製し、続けて凍結乾燥を行うと、標題化合物(288.3mg、収率20%)を無色油として得た。LCMS:m/z 393.1[M+H]+,ESI pos.
【0248】
工程D:N-[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]-5-メチル-6-[4-(2-トリメチルシリルエトキシメトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル]-1,2,4-トリアジン-3-アミン
【0249】
1,4-ジオキサン(1mL)および水(0.5mL)中の前述の6-クロロ-N-[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-3-アミン(実施例4、工程A)(25mg、0.098mmol、1.0当量)、トリメチル-[2-[[6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル]オキシメトキシ]エチル]シラン(53.7mg、0.137mmol、1.4当量)、炭酸カリウム(60.8mg、0.440mmol、4.5当量)および1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(ii)ジクロリドジクロロメタン錯体(CAS番号95464-05-4、9.58mg、0.012mmol、0.120当量)の混合物を、アルゴンでフラッシュし、90℃で6時間および23℃で10時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、水(10mL)および飽和NH4Cl水溶液(10mL)でクエンチし、次いで、ジクロロメタン(2×40mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。粗生成物を褐色油(85mg、純度70%)として得て、さらに精製することなく次の工程に直接使用した。LCMS:m/z 486.4[M+H]+,ESI pos.
【0250】
工程E:5-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-オール
【0251】
N-[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]-5-メチル-6-[4-(2-トリメチルシリルエトキシメトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル]-1,2,4-トリアジン-3-アミン(85mg、0.123mmol、1当量)のジクロロメタン中溶液に、エクストラドライ(5mL)およびメタノール(1mL)を、室温でジオキサン中4M HCl(123μL、0.49mmol、4当量)を添加した。混合物を23℃で2時間撹拌した。反応完了後、混合物をジクロロメタン(20mL)、氷水(20mL)および飽和NaHCO3(20mL)で希釈した。次いで、ジクロロメタン(3×20mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をNa2SO4上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。粗褐色材料をRP HPLC(カラム:Gemini NX、12nm、5μm、100×30mm、アセトニトリル/水+0.1トリエチルアミン)を使用して精製して、標題化合物(12mg、27%)を淡黄色非晶質凍結乾燥固体として得た。LCMS:m/z 356.3[M+H]+,ESI pos.
【0252】
実施例8:3-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]ビシクロ[4.2.0]オクタ-1(6),2,4-トリエン-2-オール
【化28】
【0253】
工程A:2-[(3-ブロモ-2-ビシクロ[4.2.0]オクタ-1,3,5トリエニル)オキシメトキシ]エチル-トリメチル-シラン
【0254】
3-ブロモビシクロ[4.2.0]オクタ-1,3,5トリエン-2-オール(国際公開第2021150574号、195mg、0.98mmol、1.0当量)のDMF(5mL)中溶液に、炭酸カリウム(302mg、2.19mmol、2.20当量)を室温で添加した。得られた混合物を超音波処理し、次いで、2-(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド(200μL、1.13mmol、1.15当量)を添加し、反応混合物を室温で16時間撹拌した。次いで、炭酸カリウム(140mg、1.01mmol、1.03当量)、引き続いて2-(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド(0.1mL、0.570mmol、0.58当量)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(50mL)および50v%ブライン(100mL)で希釈し、分離した水層をEtOAc(2×50mL)でさらに抽出した。合わせた有機層を50v%ブライン(100mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、フィルタにかけ、濃縮した。粗反応混合物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(40g、0~20%MTBE:イソヘキサン)によって精製して、標題化合物(345.0mg、収率100%)を無色油として得た。1H NMR(500MHz,DMSO)δ 7.39(d,1H),6.67(d,1H),5.27(s,2H),3.72(dd,2H),3.28(dd,2H),3.05(dd,2H),0.91-0.85(m,2H),-0.05(s,9H).LCMS イオン化なし。
【0255】
工程B:トリメチル-[2-[[3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2-ビシクロ[4.2.0]オクタ-1,3,5トリエニル]オキシメトキシ]エチル]シラン
【0256】
酢酸イソプロピル(8mL)中の2-[(3-ブロモ-2-ビシクロ[4.2.0]オクタ-1,3,5トリエニル)オキシメトキシ]エチル-トリメチル-シラン(103.0mg、0.270mmol、1当量)、ビス(ピナコラト)ジボロン(81.0mg、0.320mmol、1.2当量)および酢酸カリウム(111.0mg、1.13mmol、4.25当量)を、スパージした(超音波処理しながら窒素を10分間バブリングした)。XPhos Pd G3(46.0mg、0.05mmol、0.05当量)およびXPhos(11.0mg、0.02mmol、0.02当量)を添加し、反応混合物を90℃で16時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(40g、0~20%MTBE:イソヘキサン)によって精製して、標題化合物(199mg、収率41%)を淡黄色油として得た。1H NMR(500MHz,CDCl3)δ 7.57(d,1H),6.71(d,1H),5.25(s,2H),3.81-3.71(m,2H),3.30(dd,2H),3.18-3.05(m,2H),1.33(s,12H),0.97-0.92(m,2H),-0.03(s,9H).LCMS イオン化なし。
【0257】
工程C:N-[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]-5-メチル-6-[2-(2-トリメチルシリルエトキシメトキシ)-3-ビシクロ[4.2.0]オクタ-1(6),2,4-トリエニル]-1,2,4-トリアジン-3-アミン
1,4-ジオキサン(2.52mL)および水(1.26mL)中の前述の6-クロロ-N-[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-3-アミン(実施例4、工程A)(53mg、0.197mmol、1.0当量)、トリメチル-[2-[[3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2-ビシクロ[4.2.0]オクタ-1(6),2,4-トリエニル]オキシメトキシ]エチル]シラン(実施例4、工程B)(103.74mg、0.276mmol、1.4当量)、炭酸カリウム(122.4mg、0.886mmol、4.5当量)の混合物。混合物をアルゴンでフラッシュし、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(ii)ジクロリドジクロロメタン錯体(CAS番号95464-05-4、24.1mg、0.030mmol、0.120当量)を、アルゴンで再びフラッシュした。得られた混合物を90℃で5時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、水(10mL)および飽和NH4Cl水溶液(10mL)でクエンチし、次いで、ジクロロメタン(2×40mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。粗生成物(200mg)をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、12g、ヘプタン:EtOAc=0~50% EtOAc、続いてEtOAc:MeOH=9:1)によって精製して、標題化合物(75mg、78%)を淡褐色油として得た。LCMS:m/z 470.7[M+H]+,ESI pos.
【0258】
工程D:3-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]ビシクロ[4.2.0]オクタ-1(6),2,4-トリエン-2-オール
【0259】
N-[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]-5-メチル-6-[4-(2-トリメチルシリルエトキシメトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-イル]-1,2,4-トリアジン-3-アミン(75mg、0.160mmol、1当量)のジクロロメタン(4mL)およびメタノール(1mL)中溶液に、ジオキサン中4M HCl(399.2μL、1.60mmol、10当量)を室温で添加した。混合物を23℃で16時間撹拌した。反応完了後、混合物をジクロロメタン(20mL)、氷水(20mL)および飽和NaHCO3(20mL)で希釈した。合わせた有機抽出物をNa2SO4上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。粗物質(77mg)をRP HPLC(カラム:YMC-triart C18、12nm、5μm、100×30mm、アセトニトリル/水+0.1トリエチルアミン)を使用して精製して、標題化合物(32mg、59%)灰白色非晶質凍結乾燥固体を得た。LCMS:m/z 340.2[M+H]+,ESI pos.
【0260】
実施例9:2-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェノール
【化29】
【0261】
工程A:2-ブロモ-6-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)アニリン
【0262】
市販の2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)アニリン(25.0g、140mmol、1.00当量)を含むDMF(300mL)の溶液に、NBS(26.1g、147mmol、1.05当量)を-10℃で添加した。混合物を25℃で12時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(500mL)で希釈し、抽出した。有機相をブライン(500mL×3)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=1/0~10/1)によって精製して、標題化合物(36.0g、収率99.9%)を黄色油として得た。LCMS:m/z 257.9[M+H]+,ESI pos.
【0263】
工程B:2-フルオロ-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-4-(トリフルオロメチル)アニリン
【0264】
化合物2-ブロモ-6-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)アニリン(30.0g、116mmol、1.00当量)のジオキサン(500mL)中溶液に、4,4,5,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(59.1g、233mmol、2.00当量)、KOAc(28.5g、291mmol、2.50当量)およびPd(dppf)Cl2.CH2Cl2(9.50g、11.6mmol、0.10当量)を、N2下で添加した。混合物を100℃で3時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮した。残渣をEtOAc(1000mL)で希釈し、抽出した。有機相をブライン(1000mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、フィルタにかけて、真空中で濃縮して、標題化合物(45.0g)を黒色油として得、これを次の工程で直接使用した。LCMS:m/z 306.1[M+H]+,ESI pos.
【0265】
工程D:2-アミノ-3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェノール
【0266】
上述の2-フルオロ-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-4-(トリフルオロメチル)アニリン(45.0g、148mmol、1.00当量)のTHF(600mL)中溶液に、NaOH(2M、221mL、3.00当量)およびH2O2(100g、885mmol、85.0mL、純度30.0%、6.00当量)を、0℃で添加し、反応物を25℃で3時間撹拌した。反応物をEtOAc(1500mL)で希釈し、抽出した。有機相をNa2SO3水溶液(1500mL×3)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、フィルタにかけ、減圧下で濃縮して残渣を得た。粗生成物を逆相HPLC(0.1%ギ酸条件)によって精製して、標題化合物(11.0g、収率38%)を褐色固体として得た。LCMS:m/z 196.0[M+H]+,ESI pos.
【0267】
工程E:3-フルオロ-2-ヨード-5-(トリフルオロメチル)フェノール
【0268】
化合物2-アミノ-3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェノール(11.0g、56.4mmol、1.00当量)およびH2SO4(40.5g、404mmol、22.0mL、7.17当量)のH2O(200mL)およびアセトン(50.0mL)中溶液に、NaNO2(7.78g、113mmol、2.00当量)を、0℃で添加し、反応物を0℃で30分間撹拌した。次いで、CuI(26.8g、141mmol、2.50当量)およびNaI(21.1g、141mmol、2.50当量)を0℃で反応物に添加し、反応物を0℃で1.5時間撹拌した。反応完了後、水(500mL)を反応混合物に添加した。水相をEtOAc(300mL×2)で洗浄した。合わせた有機層をブライン(300mL×2)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、フィルタにかけ、減圧下で濃縮して残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=1/0~10/1)によって精製して、標題化合物(20.0 g)を褐色油として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=7.04(s,1H),6.89(dd,1H),6.76(s,1H).
【0269】
工程F:1-(エトキシメトキシ)-3-フルオロ-2-ヨード-5-(トリフルオロメチル)ベンゼン
【0270】
DMF(200mL)中の化合物3-フルオロ-2-ヨード-5-(トリフルオロメチル)フェノール(20.0g、65.4mmol、1.00当量)およびクロロメトキシエタン(9.27g、98.0mmol、9.09mL、1.50当量)の溶液に、Cs2CO3(31.9g、98.0mmol、1.50当量)を添加し、混合物を25℃で2時間撹拌した。反応後、EtOAc(500mL)を添加し、相を分離し、抽出した。有機相をブライン(500mL×3)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、フィルタにかけ、減圧下で濃縮して残渣を得、これをカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=1/0~10/1)によって精製して、標題化合物(10.0g、収率42%)を無色油として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3):δ=7.15(s,1H),7.00(dd,1H),5.36(s,2H),3.78(q,2H),1.24(t,3H).
【0271】
工程G:2-[2-(エトキシメトキシ)-6-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン
【0272】
1-(エトキシメトキシ)-3-フルオロ-2-ヨード-5-(トリフルオロメチル)ベンゼン(10.0g、27.5mmol、1.00当量)および2-イソプロポキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(15.3g、82.4mmol、16.8mL、3.00当量)のTHF(100mL)中溶液に、n-BuLi(2.50M、27.5mL、2.50当量)を-70℃で添加し、反応物を-70℃で1時間撹拌した。反応完了後、はNH4Cl水溶液(300mL)を添加し、混合物を10分間撹拌し、EtOAc(200mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(300mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、フィルタにかけ、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣を分取HPLC(カラム:Welch Ultimate XB-CN 250*50*10μm;移動相:[ヘキサン-EtOH];B%:0%-0%、7分)によって精製し、標題化合物(7.00g、収率60%、純度86.3%)を白色固体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3):δ=7.10(s,1H),6.94(d,1H),5.24(s,2H),3.73(q,2H),1.39(s,12H),1.22(t,3H).
【0273】
工程H:6-[2-(エトキシメトキシ)-6-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-N-[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-3-アミン
【0274】
1,4-ジオキサン(1.6mL)および水(0.4mL)中の前述の6-クロロ-N-[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-3-アミン(実施例4、工程A)(67mg、0.262mmol、1当量)、2-[2-(エトキシメトキシ)-6-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(221.9mg、0.524mmol、2当量)、炭酸カリウム(144.8mg、1.05mmol、4当量)の混合物。混合物を、アルゴンで5分間フラッシュし、SPhos Pd G3(CAS番号1445085-82-4、0.66mg、0.039mmol、0.150当量)を再びアルゴンでフラッシュした。混合物をマイクロ波中120℃で2時間撹拌した。反応完了後、反応混合物を室温に冷却し、水(30mL)および飽和NH4Cl水溶液(30mL)でクエンチし、次いで、ジクロロメタン(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。粗生成物(140mg、褐色油、純度80%)を次の工程に供した。LCMS:m/z 458.5[M+H]+,ESI pos.
【0275】
工程I:2-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェノール
【0276】
上述の6-[2-(エトキシメトキシ)-6-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-N-[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-3-アミン(実施例9、工程H)(140mg、0.245mmol、1当量)およびジクロロメタン(5mL)の溶液に、氷冷下でTFA(566μL、7.34mmol、30当量)を滴下添加した。反応混合物を0°~+23℃で4時間撹拌した。完全に変換した後、溶媒を蒸発させた。得られた残渣を飽和ジクロロメタン(30mL)に溶解した。NaHCO3溶液(30mL)を添加し、抽出した。有機相を分離し、水(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄した。水相をジクロロメタン(2×30mL)で逆抽出した。合わせた有機層をNa2SO4上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。残渣(190mg)をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、12g、勾配ジクロロメタン中0%~100%(ジクロロメタン:MeOH:NH4OH 110:10:1))によって精製した後、分取RP-HPLC(カラム:YMC-Triart C18、12nm、5μm、100×30mm、アセトニトリル/水+0.1トリエチルアミン)でさらに精製して、標題化合物(51mg、50%)を灰白色非晶質凍結乾燥固体として得た。LCMS:m/z 400.4[M+H]+,ESI pos.
【0277】
実施例10および11:2-[3-[[(3R)-1-tert-ブチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノールおよび2-[3-[[(3S)-1-tert-ブチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール
【化30】
【0278】
工程A:(rac)-N-(1-tert-ブチル-3-ピペリジル)-6-クロロ-5-メチル-1,2,4-トリアジン-3-アミン
【0279】
市販の3,6-ジクロロ-5-メチル-1,2,4-トリアジン(CAS番号132434-82-3、250mg、1.45mmol、1.0当量)と市販の(1-tert-ブチル-3-ピペリジル)アミン;塩酸塩(CAS番号2243513-25-7、418.7mg、2.17mmol、1.50当量)の混合物の1,4-ジオキサン(4.75mL)中混合物に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(514μL、2.94mmol、2.03当量)を添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した後、80℃で22時間撹拌した。反応完了後、反応混合物を室温に冷却し、ジクロロメタンおよび水で抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄した。合わせた有機層をNa2SO4上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。粗生成物をISOLUTE HM-Nに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、40g、勾配ジクロロメタン中0%~10%メタノール)によって精製すると、標題生成物(273mg、66%)が緑色粘性油として得られた。LCMS:m/z 284.3[M+H]+,ESI pos.
【0280】
工程B:2-[3-[(1-tert-ブチル-3-ピペリジル)アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール
【0281】
1,4-ジオキサン(5.5mL)および水(2.75mL)中の上述の(rac)-N-(1-tert-ブチル-3-ピペリジル)-6-クロロ-5-メチル-1,2,4-トリアジン-3-アミン(273mg、0.962mmol、1.0当量)、[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]ボロン酸(336.8mg、1.64mmol、1.7当量)、炭酸カリウム(638.1mg、4.62mmol、4.8当量)および1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(ii)ジクロリドジクロロメタン錯体(90.3mg、0.111mmol、0.115当量)の混合物を、アルゴンでフラッシュし、85℃で5時間撹拌した。完全に変換した後、反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチル(30mL)および半飽和NH4Cl溶液(4mL)で抽出した。水層を酢酸エチル(30mL)で逆抽出した。有機層を水(4mL)およびブライン(4mL)で洗浄した。合わせた有機層をNa2SO4上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。粗物質をISOLUTE HM-Nに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、12g、ジクロロメタン中MeOH 0~10%)によって精製して、標題生成物(316mg、80%)を淡褐色固体として得た。LCMS:m/z 410.5[M+H]+,ESI pos.
【0282】
粗物質をキラルHPLC(カラム:chiralcel OJ、MeOH 5%+0.2%トリメチルアミン、SFC)に供すると、第1のエナンチオマー10を淡褐色固体(144mg、100% ee、6% MeOH含有)として、第2のエナンチオマー11を淡褐色固体(116mg、90% ee、10% MeOH含有)として得た。
【0283】
旋光度:
実施例10:[α]20D=-17.47(c=0.161g/100mL,MeOH)
実施例11:[α]20D=+18.58(c=0.120g/100mL,MeOH)
【0284】
実施例12:4-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-3-ヒドロキシ-ベンゾニトリル
【化31】
【0285】
1,4-ジオキサン(2.8mL)および水(1.4mL)中の上述の6-クロロ-N-[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-3-アミン(実施例4、工程A)(120mg、0.469mmol、1当量)、市販の4-シアノ-2-ヒドロキシ-フェニル)ボロン酸(CAS番号n/a、130.29mg、0.800mmol、1.7当量)、炭酸カリウム(311.3mg、2.25mmol、4.8当量)および1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(ii)ジクロリドジクロロメタン錯体(44.2mg、0.054mmol、0.115当量)の混合物をアルゴンでフラッシュし、85℃で一晩撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、約15mLのEtOAcおよび約15mLの半飽和NH4Cl溶液で抽出した。水層を約15mLのEtOAcで逆抽出した。有機層を約10mLの水および約10mLのブラインで洗浄した。合わせた有機層をNs2SO4上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。粗生成物をISOLUTE HM-Nに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、4g、勾配ジクロロメタン中0%~10%メタノール)によって精製して、標題化合物(120mg、72%)を淡褐色粉末として得た。LCMS:m/z 333.9[M+H]+,ESI pos.
【0286】
実施例13:2-[3-[[(3R,5S)-5-フルオロ-1-メチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール
【化32】
【0287】
工程A:N-[(3R,5S)-5-フルオロ-1-メチル-3-ピペリジル]カルバミン酸tert-ブチルエステル
【0288】
市販のN-[(3R,5S)-5-フルオロ-3-ピペリジル]カルバミン酸tert-ブチルエステル(CAS番号1363378-08-8、469mg、2.15mmol、1.0当量)のテトラヒドロフラン中溶液に、エクストラドライ(10mL)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(938μL、5.37mmol、2.5当量)を添加し、続いてヨードメタン(161.2μL、2.58mmol、1.2当量)を滴下した。溶液を40℃で一晩撹拌した。反応混合物を氷水(10mL)および飽和NaHCO3(30mL)溶液に注ぎ入れ、酢酸エチル(2×80mL)で抽出した。有機層を水(30mL)およびブライン(30mL)で洗浄した。合わせた有機抽出物をNa2SO4上で乾燥させ、濾別し、真空中で濃縮して、所望の粗生成物(461mg、88%)を淡黄色固体として得、これを次の工程のように使用した。LCMS:m/z 233.1[M+H]+,ESI pos.
【0289】
工程B:[(3R,5S)-5-フルオロ-1-メチル-3-ピペリジル]アミン
【0290】
上記のN-[(3R,5S)-5-フルオロ-1-メチル-3-ピペリジル]カルバミン酸tert-ブチルエステル(実施例13、工程A)(461mg、1.89mmol、1当量)のジクロロメタン(10mL)およびメタノール(5mL)中溶液に、ジオキサン中4M HCl(3.77mL、15.1mmol、8当量)を滴下添加した。淡黄色反応溶液を23℃で16時間撹拌した。次いで、反応混合物を真空中で濃縮し、高真空中50℃で1時間乾燥させると、所望の標題化合物(369mg、1:1塩化水素)を淡黄色固体として得て、これを次の工程に直接使用した。LCMS:m/z 133.1[M+H]+,ESI pos.
【0291】
工程C:6-クロロ-N-[(3R,5S)-5-フルオロ-1-メチル-3-ピペリジル]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-3-アミン
【0292】
前述の[(3R,5S)-5-フルオロ-1-メチル-3-ピペリジル]アミンの混合物に;1,4-ジオキサン中塩酸塩(実施例13、工程B)(359.9mg、2.13mmol、1.4当量)、エクストラドライ(10mL)およびN,N-ジメチルホルムアミド(2mL)を周囲温度でN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.33mL、7.62mmol、5.0当量)に添加して、淡黄色溶液を得た。23℃で10分間撹拌した後、市販の3,6-ジクロロ-5-メチル-1,2,4-トリアジン(CAS番号132434-82-3、250mg、1.52mmol、1.0当量)を添加し、反応混合物を23℃で60時間撹拌した。反応完了後、主な量の溶媒を蒸発させ、次いで、反応混合物を半飽和NaHCO3溶液(80mL)でクエンチし、酢酸エチル(2×80mL)で抽出した。有機層を水(60mL)およびブライン(60mL)で洗浄した。合わせた有機抽出物をNa2SO4上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空で濃縮した。粗物質をISOLUTE HM-Nに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、12g、ヘプタン中0~50%酢酸エチル;次いで、酢酸エチル:メタノール9:1)によって精製して、標題化合物(271mg、65%)を淡黄色固体として得た。LCMS:m/z 260.2[M+H]+,ESI pos.
【0293】
工程D:2-[3-[[(3R,5S)-5-フルオロ-1-メチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール
【0294】
1,4-ジオキサン(1.9mL)および水(0.9mL)中の上述の6-クロロ-N-[(3R,5S)-5-フルオロ-1-メチル-3-ピペリジル]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-3-アミン(実施例13、工程C)-5-メチル-1,2,4-トリアジン-3-アミン(72mg、0.277mmol、1.0当量)、[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]ボロン酸(91.3mg、0.444mmol、1.6当量)、炭酸カリウム(1.25mmol、4.5当量)の混合物を、アルゴンで2分間フラッシュした後、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(ii)ジクロリドジクロロメタン錯体(27.2mg、0.033mmol、0.120当量)をフラッシュした。得られた混合物を90℃で16時間撹拌した。完全に変換した後、反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチル(2×20mL)および半飽和NH4Cl溶液(20mL)で抽出した。有機層を水(30mL)およびブライン(30mL)で洗浄した。合わせた有機層をNa2SO4上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。粗物質をISOLUTE HM-Nに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、25g、ヘプタン中0~50%酢酸エチル;次いで、酢酸エチル:メタノール9:1)によって精製し、引き続いて酢酸エチル/ヘプタン1:1を用いて結晶化させて、標題生成物(39mg、35%)を白色固体として得た。LCMS:m/z 386.2[M+H]+,ESI pos.
【0295】
実施例14:2-[5-メチル-3-(5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-8-イルアミノ)-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール
【化33】
【0296】
工程A:(6-クロロ-5-メチル-1,2,4-トリアジン-3-イル)-(5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-8-イル)アミン
【0297】
市販の3,6-ジクロロ-5-メチル-1,2,4-トリアジン(CAS番号132434-82-3、71mg、0.433mmol、1当量)と市販の5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-8-イルアミンの混合物に;1,4-ジオキサン中二塩酸塩(CAS番号2408962-15-0、136.45mg、0.649mmol、1.5当量)、エクストラドライ(2mL)を室温でN-エチルジイソプロピルアミン(233.8μL、1.34mmol、3.1当量)に添加した。反応混合物を23℃で16時間撹拌した。生成物が形成されなかったため、反応混合物を80℃で2時間加熱した。LCMSは最小の変換を示したので、混合物を密封管に移して100℃で1時間マイクロ波反応を行った。LCMSは、生成物を示したが、依然として主に出発物質を示した。したがって、さらなるN-エチルジイソプロピルアミン(233.8μL、1.34mmol、3.1当量)を添加し、次いで、混合物を120℃で90分間、さらに120℃で60分間マイクロ波照射した。生成物へのより多くの変換が形成されたので、反応を停止した。反応混合物をジクロロメタン(30mL)および水(30mL)で抽出した。有機層をブライン(30mL)で洗浄した。水層をジクロロメタン(2×30mL)で逆抽出した。合わせた有機層をNa2SO4上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。粗生成物をISOLUTE HM-Nに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、12g、勾配ジクロロメタン中0%~10%メタノール)によって精製して、標題化合物(23mg、20%)を褐色固体として得た。LCMS:m/z 265.1([{35Cl}M+H]+),267.1([{37Cl }M+H]+),ESI pos.
【0298】
工程B:2-[5-メチル-3-(5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-8-イルアミノ)-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール
【0299】
上述の(6-クロロ-5-メチル-1,2,4-トリアジン-3-イル)-(5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-8-イル)アミン(実施例14、工程A)(23mg、86.9μmol、1.0当量)および[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]ボロン酸(30.4mg、147.7μmol、1.7当量)および炭酸カリウム(48.0mg、347.6μmol、4.0当量)の混合物を1,4-ジオキサン(1000μL)および水(500μL)に溶解した。密封可能な管をアルゴンでフラッシュして、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(ii)ジクロリドジクロロメタン錯体(8.51mg、10.4μmol、0.120当量)を添加した。アルゴンで再度フラッシュして、密封管を90℃で6時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、水(10mL)および飽和NH4Clゾル(10mL)でクエンチし、次いで、ジクロロメタン(2×40mL)で抽出した。有機層をブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾別し、真空中で濃縮した。粗物質を分取RP HPLC(カラム:YMC-Triart C18、12nm、5μm、100×30mm、溶離液:アセトニトリル/水+0.1 HCOOH)によって精製し、引き続いて一晩凍結乾燥すると、所望の標題化合物(3.5mg、10%)を白色非晶質凍結乾燥固体として得た。LCMS:m/z 391.3[M+H]+,ESI pos.
【0300】
実施例15:5-フルオロ-2-[5-メチル-3-[[(3R)-1-メチル-3-ピペリジル]アミノ]-1,2,4-トリアジン-6-イル]フェノール
【化34】
【0301】
工程A:6-クロロ-5-メチル-N-[(3R)-1-メチル-3-ピペリジル]-1,2,4-トリアジン-3-アミン
【0302】
1,4-ジオキサン(8.0mL)中の3,6-ジクロロ-5-メチル-1,2,4-トリアジン(CAS番号132434-82-3、400mg、2.44mmol、1.0当量)および(3R)-1-メチルピペリジン-3-アミン(CAS番号1001353-92-9、418mg、3.66mmol、1.5当量)の混合物に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(326mg、0.440mL、2.52mmol、1.03当量)を添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタンおよび水で抽出した。有機層をブラインで洗浄した。水層をジクロロメタンで2回逆抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。粗生成物をISOLUTE HM-Nに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、25g、勾配ジクロロメタン中0%~5%メタノール)によって精製して、標題化合物(290mg、収率47%)を褐色固体として得た。LCMS:m/z 242.2[M+H]+,ESI pos.
【0303】
工程B:5-フルオロ-2-[5-メチル-3-[[(3R)-1-メチル-3-ピペリジル]アミノ]-1,2,4-トリアジン-6-イル]フェノール
【0304】
1,4-ジオキサン(1.2mL)および水(0.300mL)中の6-クロロ-5-メチル-N-[(3R)-1-メチル-3-ピペリジル]-1,2,4-トリアジン-3-アミン(実施例15、工程A)(80mg、0.31mmol、1.0当量)、(4-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)ボロン酸(CAS番号850568-00-2、77mg、0.49mmol、1.57当量)、炭酸セシウム(326mg、1.00mmol、3.18当量)およびXPhos Pd G3(30mg、0.04mmol、0.11当量)の混合物をアルゴンでフラッシュし、90℃で16時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチルおよび半飽和NH4Cl水溶液で抽出した。水層を酢酸エチルで逆抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。粗生成物をISOLUTE HM-Nに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、12g、勾配ジクロロメタン中0%~20%メタノール)によって精製した。生成物を含有する全ての画分を合わせ、真空中で濃縮した。残渣をISOLUTE HM-Nに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、12g、勾配ジクロロメタン中0%~50%(ジクロロメタン:メタノール:NH4OH 9:1:0.05))によって再精製して、標題化合物(42mg、収率40%)を黄色固体として得た。LCMS:m/z 318.3[M+H]+,ESI pos.
【0305】
実施例16:5-クロロ-2-[5-メチル-3-[[(3R)-1-メチル-3-ピペリジル]アミノ]-1,2,4-トリアジン-6-イル]フェノール
【化35】
【0306】
1,4-ジオキサン(2.2mL)および水(1.1mL)中の6-クロロ-5-メチル-N-[(3R)-1-メチル-3-ピペリジル]-1,2,4-トリアジン-3-アミン(実施例15、工程A)(95mg、0.37mmol、1.0当量)、(4-クロロ-2-ヒドロキシフェニル)ボロン酸(CAS番号1238196-66-1、109mg、0.63mmol、1.69当量)、炭酸カリウム(248mg、1.79mmol、4.81当量)および1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(ii)ジクロリドジクロロメタン錯体(35mg、0.04mmol、0.11当量)の混合物を、アルゴンでフラッシュし、90℃で5時間および室温で16時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルおよび半飽和NH4Cl水溶液で抽出した。水層を酢酸エチルで2回逆抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。粗生成物をISOLUTE HM-Nに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、12g、勾配ジクロロメタン中0%~10%メタノール)によって精製した。残渣をISOLUTE HM-Nに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(Si-アミン、12g、勾配酢酸エチル中0%~10%メタノール)によって再精製して、標題化合物(71mg、収率54%)を淡褐色固体として得た。LCMS:m/z 334.3[M+H]+,ESI pos.
【0307】
実施例17:2-[5-メチル-3-[[(3R)-3-ピペリジル]アミノ]-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール
【化36】
【0308】
工程A:tert-ブチル(3R)-3-[(6-クロロ-5-メチル-1,2,4-トリアジン-3-イル)アミノ]ピペリジン-1-カルボキシレート
【0309】
1,4-ジオキサン(3.6mL)中の3,6-ジクロロ-5-メチル-1,2,4-トリアジン(CAS番号132434-82-3、180mg、1.10mmol、1.0当量)および市販のtert-ブチル(3R)-3-アミノピペリジン-1-カルボキシレート(CAS番号188111-79-7、330mg、1.65mmol、1.5当量)の混合物に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(148mg、0.200mL、1.15mmol、1.04当量)を添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタンおよび水で抽出した。有機層をブラインで洗浄した。水層をジクロロメタンで2回逆抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。粗生成物をISOLUTE HM-Nに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、12g、勾配ヘプタン中0%~40%酢酸エチル)によって精製した。生成物を含有する全ての画分を合わせ、真空中で濃縮すると、標題化合物(351mg、収率93%)を黄色油として得た。LCMS:m/z 328.3[M+H]+,ESI pos.
【0310】
工程B:tert-ブチル(3R)-3-[[6-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-1,2,4トリアジン-3-イル]アミノ]ピペリジン-1-カルボキシレート
【0311】
1,4-ジオキサン(2.0mL)および水(1.0mL)中のtert-ブチル(3R)-3-[(6-クロロ-5-メチル-1,2,4トリアジン-3-イル)アミノ]ピペリジン-1-カルボキシレート(実施例17、工程A)(100mg、0.29mmol、1.0当量)、[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]ボロン酸(CAS番号1072951-50-8、115mg、0.56mmol、1.93当量)、炭酸カリウム(220mg、1.59mmol、5.49当量)および1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(ii)ジクロリドジクロロメタン錯体(30mg、0.04mmol、0.13当量)の混合物をアルゴンでフラッシュし、90℃で16時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチルおよび半飽和NH4Cl水溶液で抽出した。水層を酢酸エチルで逆抽出した。有機層を水で1回およびブラインで1回洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。粗生成物をISOLUTE HM-Nに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、12g、勾配ヘプタン中0%~40%酢酸エチル)によって精製した。生成物を含有する全ての画分を合わせ、濃縮すると、標題化合物(105mg、収率76%)を黄色気泡体として得た。LCMS:m/z 454.4[M+H]+,ESI pos.
【0312】
工程C:2-[5-メチル-3-[[(3R)-3-ピペリジル]アミノ]-1,2,4トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール
【0313】
tert-ブチル(3R)-3-[[6-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-1,2,4トリアジン-3-イル]アミノ]ピペリジン-1-カルボキシラート(実施例17、工程B)(100mg、0.21mmol、1.0当量)を含むジクロロメタン(0.55mL)およびメタノール(0.27mL)の溶液に、ジオキサン中4M HCl水溶液(528mg、0.440mL、1.76mmol、8.4当量)を滴下添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮した。残渣をジクロロメタン/メタノール(19:1)と飽和NaHCO3溶液水溶液の混合物で抽出した。水層をジクロロメタン/メタノール(19:1)の混合物で2回、ジクロロメタン/メタノール(9:1)の混合物で3回逆抽出した。合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮し、標題化合物(70mg、収率85%)を黄色気泡体として得た。LCMS:m/z 354.3[M+H]+,ESI pos.
【0314】
実施例18:2-[5-メチル-3-[[(3R)-1-メチル-3-ピペリジル]アミノ]-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール
【化37】
【0315】
1,4-ジオキサン(2.0mL)および水(1.0mL)中の6-クロロ-5-メチル-N-[(3R)-1-メチル-3-ピペリジル]-1,2,4-トリアジン-3-アミン(実施例15、工程A)(90mg、0.35mmol、1.0当量)、[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]ボロン酸(CAS番号1072951-50-8、124mg、0.60mmol、1.7当量)、炭酸カリウム(235mg、1.7mmol、4.81当量)および1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(ii)ジクロリドジクロロメタン錯体(34mg、0.04mmol、0.12当量)の混合物をアルゴンでフラッシュし、90℃で16時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルおよび半飽和NH4Cl水溶液で抽出した。水層を酢酸エチルで2回逆抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。粗生成物をISOLUTE HM-Nに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、12g、勾配ジクロロメタン中0%~10%メタノール)によって精製した。生成物を含有する全ての画分を合わせ、真空中で濃縮した。残渣を酢酸エチル/ヘプタン(約1:1)を用いてトリチュレーションして、標題化合物(24mg、収率18%)を灰白色粉末として得た。LCMS:m/z 368.3[M+H]+,ESI pos.
【0316】
実施例19:2-[3-[[(1R,2R)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール
【化38】
【0317】
工程A:(1R,2R)-2-[(6-クロロ-5-メチル-1,2,4-トリアジン-3-イル)アミノ]シクロヘキサノール
【0318】
1,4-ジオキサン(4.0mL)中の3,6-ジクロロ-5-メチル-1,2,4-トリアジン(CAS番号132434-82-3、200mg、1.22mmol、1.0当量)および市販の(1R,2R)-2-アミノシクロヘキサノール塩酸塩(CAS番号13374-31-7、277mg、1.83mmol、1.5当量)の混合物に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(636mg、0.860mL、4.92mmol、4.04当量)を添加した。反応混合物を室温で5日間撹拌した。反応混合物をジクロロメタンおよび水で抽出した。有機層をブラインで洗浄した。水層をジクロロメタンで2回逆抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。粗生成物をISOLUTE HM-Nに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、25g、勾配ジクロロメタン中0%~5%メタノール)によって精製して、標題化合物(178mg、収率57%)を淡褐色固体として得た。LCMS:m/z 243.1[M+H]+,ESI pos.
【0319】
工程B:2-[3-[[(1R,2R)-2-ヒドロキシシクロヘキシル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール
【0320】
1,4-ジオキサン(2.2mL)および水(1.1mL)中の(1R,2R)-2-[(6-クロロ-5-メチル-1,2,4-トリアジン-3-イル)アミノ]シクロヘキサノール(実施例19、工程A)(96mg、0.38mmol、1.0当量)、[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]ボロン酸(CAS番号1072951-50-8、132mg、0.64mmol、1.71当量)、炭酸カリウム(250mg、1.81mmol、4.81当量)および1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(ii)ジクロリドジクロロメタン錯体(36mg、0.04mmol、0.12当量)の混合物をアルゴンでフラッシュし、85℃で16時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチルおよび半飽和NH4Cl水溶液で抽出した。水層を酢酸エチルで逆抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。粗生成物をISOLUTE HM-Nに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、12g、勾配ジクロロメタン中0%~5%メタノール)によって精製した。生成物を含有する全ての画分を合わせ、真空中で濃縮した。残渣を酢酸エチルでトリチュレーションして、標題化合物(87mg、収率60%)を灰白色粉末として得た。LCMS:m/z 369.2[M+H]+,ESI pos.
【0321】
実施例21:2-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-3-メチル-5-(トリフルオロメチル)フェノール
【化39】
【0322】
1,4-ジオキサン(0.80mL)および水(0.20mL)中の6-クロロ-N-[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-3-アミン(実施例4、工程A)(60mg、0.22mmol、1.0当量)、3-メチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)フェノール(CAS番号2557358-38-8、100mg、0.33mmol、1.49当量)、炭酸セシウム(220mg、0.68mmol、3.03当量)およびXPhos Pd G3(20mg、0.02mmol、0.11当量)の混合物をアルゴンでフラッシュし、100℃で2時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチルおよび半飽和NH4Cl水溶液で抽出した。水層を酢酸エチルで逆抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。粗生成物をISOLUTE HM-Nに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、12g、勾配ジクロロメタン中0%~100%(ジクロロメタン:メタノール:NH4OH 9:1:0.05))によって精製して、標題化合物(67mg、収率72%)を褐色気泡体として得た。LCMS:m/z 396.3[M+H]+,ESI pos.
【0323】
実施例22:2-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメトキシ)フェノール
【化40】
【0324】
1,4-ジオキサン(1.2mL)および水(0.30mL)中の6-クロロ-N-[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-3-アミン(実施例4、工程A)(70mg、0.26mmol、1.0当量)、[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]ボロン酸(CAS番号1309768-22-6、90mg、0.41mmol、1.56当量)、炭酸セシウム(257mg、0.79mmol、3.03当量)およびXPhos Pd G3(24mg、0.03mmol、0.11当量)の混合物をアルゴンでフラッシュし、100℃で3時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、次いで酢酸エチルおよび水で抽出した。水層を酢酸エチルで逆抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。粗生成物をISOLUTE HM-Nに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、12g、勾配ジクロロメタン中0%~10%メタノール)によって精製した。生成物を含有する全ての画分を合わせ、真空中で濃縮した。残渣をISOLUTE HM-Nに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、12g、ジクロロメタン中勾配0%~100%(ジクロロメタン:メタノール:NH4OH 9:1:0.05))によって再精製した。生成物を含有する全ての画分を合わせ、真空中で濃縮した。残渣を酢酸エチル/ヘプタンを用いてトリチュレーションして、標題化合物(28mg、収率26%)を淡黄色粉末として得た。LCMS:m/z 398.3[M+H]+,ESI pos.
【0325】
実施例23:(3S,5R)-1-エチル-5-[[6-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-3-イル]アミノ]ピペリジン-3-オール
【化41】
【0326】
工程A:tert-ブチル(3R,5S)-3-[(6-クロロ-5-メチル-1,2,4-トリアジン-3-イル)アミノ]-5-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボキシレート
【0327】
1,4-ジオキサン(5.0mL)中の3,6-ジクロロ-5-メチル-1,2,4-トリアジン(CAS番号132434-82-3、250mg、1.52mmol、1.0当量)およびtert-ブチル(3R,5S)-3-アミノ-5-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート(CAS番号1932513-59-1、396mg、1.83mmol、1.2当量)の混合物に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(204mg、0.275mL、1.57mmol、1.03当量)を添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物に、N,N-ジメチルホルムアミド(0.50mL)を添加した。反応物を室温で16時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタンおよび水で抽出した。有機層をブラインで洗浄した。水層をジクロロメタンで2回逆抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。粗生成物をISOLUTE HM-Nに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、24g、勾配ヘプタン中0%~100%酢酸エチル)によって精製して、標題化合物(443mg、収率80%)を黄色油として得た。LCMS:m/z 344.2[M+H]+,ESI pos.
【0328】
工程B:(3S,5R)-5-[(6-クロロ-5-メチル-1,2,4-トリアジン-3-イル)アミノ]ピペリジン-3-オール塩酸塩
【0329】
tert-ブチル(3R,5S)-3-[(6-クロロ-5-メチル-1,2,4-トリアジン-3-イル)アミノ]-5-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボキシラート(実施例23、工程A)(338mg、0.93mmol、1.0当量)のジクロロメタン(3.6mL)およびメタノール(1.8mL)中溶液に、ジオキサン中4M HCl(3.0mL、12mmol、12.85当量)を滴下添加した。反応物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮して、標題化合物(388mg、収率96%、純度65%)を黄色気泡体として得て、これをさらに精製することなく使用したLCMS:m/z 244.1[M+H]+,ESI pos.
【0330】
工程C:(3S,5R)-5-[(6-クロロ-5-メチル-1,2,4-トリアジン-3-イル)アミノ]-1-エチル-ピペリジン-3-オール
【0331】
(3S,5R)-5-[(6-クロロ-5-メチル-1,2,4-トリアジン-3-イル)アミノ]ピペリジン-3-オール塩酸塩(実施例23、工程B)(385mg、0.89mmol、1.0当量、純度65%)のジクロロメタン(3.9mL)中懸濁液に、氷浴冷却下で酢酸ナトリウム(149mg、1.82mmol、2.03当量)、引き続いてアセトアルデヒド(101mg、0.130mL、2.3mmol、2.58当量)を添加した。ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(285mg、1.34mmol、1.51当量)を0℃で添加し、反応混合物を0℃で15分間および室温で4時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO3溶液で慎重に塩基性化し、ジクロロメタンで3回抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。粗生成物をISOLUTE HM-Nに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、12g、ジクロロメタン0%~10%メタノール)によって精製して、標題化合物(85mg、収率33%)を橙色気泡体として得た。LCMS:m/z 272.1[M+H]+,ESI pos.
【0332】
工程D:(3S,5R)-1-エチル-5-[[6-[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-3-イル]アミノ]ピペリジン-3-オール
【0333】
(3S,5R)-5-[(6-クロロ-5-メチル-1,2,4-トリアジン-3-イル)アミノ]-1-エチル-ピペリジン-3-オール(実施例23、工程C)(85mg、0.30mmol、1.0当量)、[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]ボロン酸(CAS番号1072951-50-8、105mg、0.51mmol、1.72当量)および炭酸カリウム(198mg、1.43mmol、4.82当量)の1,4-ジオキサン(1.32mL)および水(0.33mL)中溶液に、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(ii)ジクロリドジクロロメタン錯体(28mg、0.03mmol、0.12当量)を添加した。アルゴン下、90℃で16時間撹拌する。反応混合物を室温に冷却し、次いで酢酸エチルおよび半飽和NH4Cl水溶液で抽出した。水層を酢酸エチルで2回逆抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。粗生成物をISOLUTE-HM-Nに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、12g、勾配ジクロロメタン中0%~100%(ジクロロメタン:メタノール:NH4OH 9:1:0.05))によって精製した。生成物を含有する全ての画分を合わせ、真空中で濃縮した。残渣を酢酸エチル/ヘプタンを用いてトリチュレーションすると、標題化合物(51mg、収率41%)を淡褐色粉末として得た。LCMS:m/z 398.3[M+H]+,ESI pos.
【0334】
実施例24:(3S,5R)-1-エチル-5-[[6-[2-ヒドロキシ-6-メチル-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-3-イル]アミノ]ピペリジン-3-オール
【化42】
【0335】
1,4-ジオキサン(0.80mL)および水(0.20mL)中の(3S,5R)-5-[(6-クロロ-5-メチル-1,2,4-トリアジン-3-イル)アミノ]-1-エチル-ピペリジン-3-オール(実施例23、工程C)(55mg、0.18mmol、1.0当量)、[2-ヒドロキシ-6-メチル-4-(トリフルオロメチル)フェニル]ボロン酸(CAS番号2557358-06-0、60mg、0.26mmol、1.42当量)、炭酸セシウム(179mg、0.55mmol、3.02当量)およびXPhos Pd G3(18mg、0.021mmol、0.12当量)の混合物をアルゴンでフラッシュし、100℃で2.75時間撹拌した。反応混合物に、室温で[2-ヒドロキシ-6-メチル-4-(トリフルオロメチル)フェニル]ボロン酸(CAS番号2557358-06-0、21mg、0.09mmol、0.50当量)およびXPhos Pd G3(6mg、0.01mmol、0.04当量)を添加した。混合物をアルゴンでフラッシュし、100℃で1.25時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、次いで酢酸エチルおよび水で抽出した。水層を酢酸エチルで逆抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。粗生成物をISOLUTE HM-Nに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、12g、ジクロロメタン中勾配0%~100%(ジクロロメタン:メタノール:NH4OH 9:1:0.05))によって精製して、標題化合物(49mg、収率59%、純度90%)を橙色固体として得た。LCMS:m/z 412.3[M+H]+,ESI pos.
【0336】
実施例25:5-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]インダン-4-オール
【化43】
【0337】
工程A:2-(4-ベンジルオキシインダン-5-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン
【0338】
4-ベンジルオキシ-5-ブロモ-インダン(CAS番号2676863-60-6、538mg、1.51mmol、1.00当量、純度85%)および2-イソプロポキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(465mg、0.510mL、2.5mmol、1.66当量)のテトラヒドロフラン(6.5mL)溶液に、n-ブチルリチウムの1.6Mヘキサン溶液(1.9mL、3.04mmol、2.02当量)を-76℃で滴下添加した(内部温度を-68℃未満に維持)。-76℃で3時間撹拌する。反応混合物を-60℃に加温し、飽和NH4Cl水溶液で-60℃でクエンチし、室温に加温し、次いで、酢酸エチルおよび飽和NH4Cl水溶液で抽出した。水層を酢酸エチルで逆抽出した。有機層をブラインで洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。粗生成物をISOLUTE HM-Nに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、25g、勾配ヘプタン中0%~10%酢酸エチル)によって精製して、標題化合物(391mg、収率70%)を無色油として得た。LCMS:m/z 351.2[M+H]+,ESI pos.
【0339】
工程B:5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)インダン-4-オール
【0340】
酢酸エチル(4.8mL)中の上述の2-(4-ベンジルオキシインダン-5-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(実施例25、工程A)(388mg、1.05mmol、1.00当量)の溶液を交互に3回除き、アルゴンでフラッシュした。活性炭担持パラジウム、10% Pd基礎(39mg、0.037mmol、0.04当量)を慎重に添加した。反応フラスコを排気し、アルゴンでフラッシュし、排気し、水素でフラッシュした。反応混合物を水素雰囲気(バルーン)下、室温で16時間撹拌した。反応混合物をフィルタにかけ、酢酸エチル/メタノールで十分にすすいだ。濾液を真空中で濃縮すると、標題化合物(286mg、定量的収率)を灰白色固体として得た。LCMS:m/z 261.2[M+H]+,ESI pos.
【0341】
工程C:5-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]インダン-4-オール
【0342】
1,4-ジオキサン(1.8mL)および水(0.90mL)中の6-クロロ-N-[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-3-アミン(実施例4、工程A)(80mg、0.29mmol、1.00当量)、5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)インダン-4-オール(実施例25、工程B)(129mg、0.47mmol、1.60当量)、炭酸カリウム(187mg、1.35mmol、4.60当量)および1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(ii)ジクロリドジクロロメタン錯体(36mg、0.044mmol、0.15当量)の混合物にアルゴンでフラッシュし、100℃で2.5時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、次いで、酢酸エチルおよび水で抽出した。水層を酢酸エチルで逆抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。粗生成物をISOLUTE HM-Nに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、12g、勾配ジクロロメタン中0%~10%メタノール)によって精製した。残渣を酢酸エチル/ヘプタンを用いてトリチュレーションした。濾液を真空中で濃縮すると、標題化合物(69mg、収率63%)を褐色固体として得た。LCMS:m/z 354.3[M+H]+,ESI pos.
【0343】
実施例26および27:2-[5-メチル-3-[[rac-(8S,8aR)-1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロインドリジン-8-イル]アミノ]-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノールおよび2-[5-メチル-3-[[rac-(8S,8aS)-1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロインドリジン-8-イル]アミノ]-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール
【化44】
【0344】
工程A:(6-クロロ-5-メチル-1,2,4トリアジン-3-イル)-インドリジジン-8-イル-アミン
【0345】
市販の3,6-ジクロロ-5-メチル-1,2,4-トリアジン(CAS番号132434-82-3、277mg、1.69mmol、1.0当量)および市販のインドリジジン-8-イルアミン(374mg、2.53mmol、1.5当量)の1,4-ジオキサン中溶液に、エクストラドライ(6mL)を室温でN-エチルジイソプロピルアミン(303μL、1.74mmol、1.03当量)を添加すると、褐色透明溶液が得られた。反応混合物を23℃で16時間撹拌した。反応完了後、反応混合物をジクロロメタン(30mL)および水(30mL)で抽出した。有機層をブライン(30mL)で洗浄した。水層をジクロロメタン(2×30mL)で逆抽出した。合わせた有機層をNa2SO4上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。粗生成物をISOLUTE HM-Nに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、25g、勾配ジクロロメタン中0%~10%メタノール)によって精製して、標題化合物を、2つの画分:第1の画分(255mg、55%)として淡褐色ゴムとして得て、第2の画分(37mg、8%)として淡褐色油として得た。LCMS:m/z 268.2([{35Cl}M+H]+),270.1([{37Cl }M+H]+),ESI pos.
【0346】
工程B:2-[5-メチル-3-[[rac-(8S,8aR)-1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロインドリジン-8-イル]アミノ]-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール
【化45】
【0347】
前述の(実施例26/27、工程A、画分1)(6-クロロ-5-メチル-1,2,4-トリアジン-3-イル)-インドリジジン-8-イル-アミン(255mg、0.952mmol、1.00当量)および[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]ボロン酸(333mg、1.62mmol、1.70当量)および炭酸カリウム(632mg、4.57mmol、4.80当量)の混合物を、1,4-ジオキサン(6mL)および水(3mL)に溶解した。密封可能な管にアルゴンでフラッシュし、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(ii)ジクロリドジクロロメタン錯体(93mg、0.114mmol、0.120当量)を添加した。アルゴンで再度フラッシュして、密封管を90℃で3時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、水(10mL)および飽和NH4Cl溶液(10mL)でクエンチし、次いで、ジクロロメタン(2×40mL)で抽出した。有機層をブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾別し、真空中で濃縮した。粗生成物をISOLUTE HM-Nに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、40g、勾配ジクロロメタン中0%~10%メタノール)によって精製した後、tert-ブチルメチルエーテル(5mL)中でトリチュレーションして、標題化合物(実施例26)(226mg、収率57%)を灰白色固体として得た。LCMS:m/z 394.1[M+H]+,ESI pos.
【0348】
工程C:2-[5-メチル-3-[[rac-(8S,8aS)-1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロインドリジン-8-イル]アミノ]-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール
【化46】
【0349】
上述の(実施例26/27、工程A、画分2、)(6-クロロ-5-メチル-1,2,4-トリアジン-3-イル)-インドリジジン-8-イル-アミン(37mg、138.2μmol、1.00当量)および[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]ボロン酸(48.4mg、235μmol、1.70当量)および炭酸カリウム(91.7mg、663.3μmol、4.80当量)の混合物を、1,4-ジオキサン(871μL)および水(435μL)に溶解した。密封可能な管にアルゴンでフラッシュし、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(ii)ジクロリドジクロロメタン錯体(13.5mg、16.6μmol、0.120当量)を添加した。アルゴンで再度フラッシュして、密封管を90℃で3時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、水(10mL)および飽和NH4Clゾル(10mL)でクエンチし、次いで、ジクロロメタン(2×40mL)で抽出した。有機層をブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾別し、真空中で濃縮した。粗生成物をISOLUTE HM-Nに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、12g、勾配ジクロロメタン中0%~10%メタノール)、引き続いて分取HPLCによって精製して、標題化合物(実施例27)(22mg、38%)を淡褐色気泡体として得た。相対立体化学は帰属されたが、この時点では検証されなかった。
【0350】
実施例28および29:2-[3-[[(8R,8aS)-1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロインドリジン-8-イル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノールおよび2-[3-[[(8S,8aR)-1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロインドリジン-8-イル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール
【化47】
【0351】
前述の標題化合物(実施例26)(92mg、0.234mmol、1.00当量)をキラル分取HPLC(SFC、カラムキラルLux C4、5μm、250×20mm;方法:25% iPrOH+DEA;120バールのBPR、90mL/分)に供すると、エナンチオピュアな実施例28を灰白色固体(41mg、rt=1.706分、100%ee)として、エナンチオピュアな実施例29を灰白色固体(38mg、rt=2.184分、100%ee)としての2つの画分を得た。
【0352】
実施例30:2-[3-[[(3R)-1-エチル-3-ピペリジル]アミノ]-5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール;2,2,2-トリフルオロ酢酸
【化48】
【0353】
工程A:5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン
【0354】
NaOAc(9.53g、70.0mmol、2.1当量)の水(36mL)中の溶液に、市販の1,1-ジブロモ-3,3,3-トリフルオロアセトン(CAS番号431-67-4、9.0g、33.4mmol、1.0当量)を添加し、次いで、100℃で30分間撹拌し、次いで、20℃に冷却し、市販の[(E)-アミノカルボノヒドラゾノイル]アンモニウム;ヒドロン;カーボネート(CAS番号2582-30-1、4.54g、33.4mmol、1.0当量)を20℃で小分けにして添加し、20℃で3時間撹拌した。NaOH(水中16.7mL、66.7mmol、2.0当量、4M)を添加し(pHを約10に調整し)、次いで、20℃で36時間撹拌した。反応溶液を水(200mL)で希釈し、酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(200mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フィルタにかけ、減圧下で濃縮した。残渣をカラム(シリカゲル、石油エーテル:酢酸エチル=1:0~3:1)によって精製して、標題化合物(500mg、収率9%)を白色固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 9.07(s,1H),8.00(br.s,2H).
【0355】
工程B:6-ブロモ-5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン
【0356】
5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン(300.0mg、1.83mmol、1.0当量)のDMF(6mL)中溶液に、NBS(388.1mg、2.19mmol、1.2当量)を添加し、次いで、20℃で2時間撹拌した。反応溶液を水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(30mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フィルタにかけ、濾液を減圧下で濃縮した。粗生成物をカラム(シリカゲル、石油エーテル:EtOAc=1:0~2:1)によって精製して、標題化合物(220mg、収率50%)を黄色固体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 5.94(br.s,2H).
【0357】
工程C:2-(3-アミノ-5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-トリアジン-6-イル)-5-(トリフルオロメチル)フェノール
【0358】
6-ブロモ-5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン(170mg、0.7mmol、1.0当量)の1,4-ジオキサン(2mL)および水(0.500mL)中溶液に、(2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)ボロン酸(172.9mg、0.84mmol、1.2当量)、Na2CO3(185.4mg、1.75mmol、2.5当量)、次いでPd(dppf)Cl2(102.4mg、0.14mmol、0.2当量)を添加した。反応混合物をN2雰囲気下、100℃で2時間撹拌した。反応混合物を25℃に冷却し、水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フィルタにかけ、濾液を減圧下で濃縮した。残渣をカラム(シリカゲル、石油エーテル:酢酸エチル=1:0~2:1)によって精製して、標題化合物(180mg、収率79%)を黄色固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 10.50(br.s,1H),8.08(br.s,2H),7.54(d,1H),7.27(dd,1H),7.18(s,1H).
【0359】
工程D:2-(3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-トリアジン-6-イル)-5-(トリフルオロメチル)フェノール
【0360】
2-(3-アミノ-5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-トリアジン-6-イル)-5-(トリフルオロメチル)フェノール(90.0mg、0.28mmol、1.0当量)、CuCl(82.5mg、0.83mmol、3.0当量)、LiCl(23.5mg、0.56mmol、2.0当量)、ベンジル(トリエチル)アザニウムの混合物に;MeCN(3mL)中塩化物(240.3mg、1.05mmol、3.8当量)に亜硝酸tert-ブチル(143.1mg、1.39mmol、5.0当量)を25℃で添加し、次いで、混合物をN2下、70℃で1時間撹拌した。混合物をフィルタにかけ、濾液を減圧下で濃縮した。粗生成物を分取TLC(石油エーテル:酢酸エチル=4:1、Rf=0.5)によって精製して、標題化合物(20.0mg、収率21%)を黄色油として得た。LCMS:m/z 436.3[M+H]+,ESI pos.
【0361】
実施例31、32、33および34:2-[3-[[(6Sまたは6R,8aSまたは8aR)-1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロインドリジン-6-イル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール;2-[3-[[(6Rまたは6S,8aSまたは8aR)-1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロインドリジン-6-イル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール;2-[3-[[(6Sまたは6R,8aRまたは8aS)-1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロインドリジン-6-イル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノールおよび2-[3-[[(6Rまたは6S,8aRまたは8aS)-1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロインドリジン-6-イル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール
【化49】
【0362】
工程A:N-(6-クロロ-5-メチル-1,2,4-トリアジン-3-イル)-1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロインドリジン-6-アミン
【0363】
1,4-ジオキサン(4.9mL)中の市販の3,6-ジクロロ-5-メチル-1,2,4-トリアジン(CAS番号132434-82-3、260mg、1.51mmol、1.00当量)および市販のインドリジジン-6-アミン(1824202-77-8、316.8mg、2.26mmol、1.50当量)の混合物に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(201mg、272μL、1.56mmol、1.033当量)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物をジクロロメタンおよび水で抽出した。有機層をブラインで洗浄した。水層をジクロロメタンで2回逆抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。粗生成物をISOLUTE HM-Nに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、24g、勾配ジクロロメタン中0%~10%メタノール)によって精製して、標題化合物を2つの画分:第1の画分(124mg、収率29%)として緑色固体として、および第2の画分(80mg、収率19%)として淡緑色粉末として得た。LCMS:m/z 268.3[M+H]+,ESI pos.
【0364】
工程B:2-[3-[[(6Sまたは6R,8aSまたは8aR)-1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロインドリジン-6-イル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール;2-[3-[[(6Rまたは6S,8aSまたは8aR)-1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロインドリジン-6-イル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール;2-[3-[[(6Sまたは6R,8aRまたは8aS)-1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロインドリジン-6-イル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノールおよび2-[3-[[(6Rまたは6S,8aRまたは8aS)-1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロインドリジン-6-イル]アミノ]-5-メチル-1,2,4-トリアジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール
【0365】
上記のN-(6-クロロ-5-メチル-1,2,4-トリアジン-3-イル)-インドリジジン-6-イル-アミン(工程A、画分1)(124mg、0.463mmol、1.00当量)および[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]ボロン酸(138.3mg、0.672mmol、1.45当量)の1,4-ジオキサン中溶液に、エクストラドライ(1.8mL)および水(0.45mL)をアルゴン炭酸セシウム(434.6mg、1.33mmol、2.88当量)下で添加し、続いてメタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)(38.4mg、0.045mmol、0.098当量)を添加した。反応混合物をアルゴンでフラッシュし、100℃で1時間撹拌した。色が暗緑色から暗褐色へ変化した。反応混合物を室温に冷却し、約5mLのEtOAcおよび約5mLの水で抽出した。水層を約5mLのEtOAcで逆抽出した。有機層を約5mLの水および約5mLのブラインで洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。粗生成物をISOLUTE HM-Nに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、12g、DCM中MeOH 0~5%)によって精製すると、2つの画分の黄色粉末:第1のもの(56mg、31%)および第2のもの(24mg、13%)が得られた。LCMS(両方の画分):m/z 394.3[M+H]+,ESI pos.
【0366】
別のフラスコ内で:上記の(工程A、画分2)N-(6-クロロ-5-メチル-1,2,4-トリアジン-3-イル)-インドリジジン-6-イル-アミン(80mg、0.284mmol、1.0当量)および[2-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]ボロン酸(84.8mg、0.412mmol、1.45当量)の1,4-ジオキサン中溶液に、エクストラドライ(0.95mL)および水(0.24mL)をアルゴン下で添加し、炭酸セシウム(266.3mg、0.817mmol、2.88当量)、続いてメタンスルホナート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)(23.5mg、0.028mmol、0.098当量)を添加した。反応混合物をアルゴンでフラッシュし、90℃で18時間撹拌した。色が褐色から暗褐色に変化した。反応混合物を室温に冷却し、約5mLの酢酸エチルおよび約5mLの水で抽出した。水層を約5mLの酢酸エチルで逆抽出した。有機層を約5mLの水および約5mLのブラインで洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、4g、DCM中ヘプタン/MeOH 0~10%)によって精製して、標題化合物を2つの画分を黄色粉末:第1の画分(37mg、収率33%)および第2の画分(18mg、収率16%)として得た。LCMS:m/z 394.4[M+H]+,ESI pos.
【0367】
最終段階で、上記の2つの画分(37mg)および(56mg)を合わせ、SFC分離(カラムキラルO J-H、5μm、250×20mm;10% iPrOH+0.2%ジエチルアミン)に供すると、2つの新しい鏡像異性的画分:第1のものは灰白色粉末(30mg、51%)としての実施例31、および第2のものは白色粉末(35mg、60%)としての実施例32が得られた。この段階では、相対立体化学は調査しなかった。
【0368】
さらに、上で言及した他の2つの左画分(24mg)および(18mg)を合わせ、RP分離(カラム:Gemini N X、12nm、5μM、100×30mm;CAN/水+0.1%トリメチルアミン)に供して、白色粉末実施例34(8mg、13%)および実施例33(12mg、20%)の両方として2つのさらなる鏡像異性的に純粋な画分を得た。この段階では、相対立体化学は調査しなかった。
【0369】
参考例RE-A:2-[6-[(1-エチル-3-ピペリジル)アミノ]-4-メチル-ピリダジン-3-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェノール
【0370】
RE-Aは、国際公開第20200234715号に記載されているように合成した。
【0371】
実施例A’
式Ibの化合物は、以下の組成の錠剤を生産するために、有効成分として、それ自体公知の様式で使用され得る:
錠剤あたり
有効成分 200mg
微結晶セルロース 155mg
コーンスターチ 25mg
タルク 25mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 20mg
425mg
【0372】
実施例B’
式Ibの化合物は、以下の組成のカプセル剤を生産するために、有効成分として、それ自体公知の様式で使用され得る:
カプセル剤あたり
有効成分 100.0mg
コーンスターチ 20.0mg
ラクトース 95.0mg
タルク 4.5mg
ステアリン酸マグネシウム 0.5mg
220.0mg
【0373】
実施例A
式Iの化合物は、以下の組成の錠剤を生産するために、有効成分として、それ自体公知の様式で使用され得る:
錠剤あたり
有効成分 200mg
微結晶セルロース 155mg
コーンスターチ 25mg
タルク 25mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 20mg
425mg
【0374】
実施例B
式Iの化合物は、以下の組成のカプセル剤を製造するために、有効成分として、それ自体公知の様式で使用することができる。
カプセル剤あたり
有効成分 100.0mg
コーンスターチ 20.0mg
ラクトース 95.0mg
タルク 4.5mg
ステアリン酸マグネシウム 0.5mg
220.0mg