(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-02
(45)【発行日】2025-07-10
(54)【発明の名称】収納物品管理装置及び建物、プログラム
(51)【国際特許分類】
E04F 19/08 20060101AFI20250703BHJP
B65G 1/00 20060101ALI20250703BHJP
B65G 1/137 20060101ALI20250703BHJP
E04H 1/02 20060101ALI20250703BHJP
【FI】
E04F19/08 D
B65G1/00 551A
B65G1/137 A
E04H1/02
(21)【出願番号】P 2025016858
(22)【出願日】2025-02-04
【審査請求日】2025-04-23
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】307042385
【氏名又は名称】ミサワホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【氏名又は名称】荒船 博司
(72)【発明者】
【氏名】芦野 葉那子
(72)【発明者】
【氏名】新井 稜太
(72)【発明者】
【氏名】澤 修平
(72)【発明者】
【氏名】富田 直樹
(72)【発明者】
【氏名】久田 絵央奈
(72)【発明者】
【氏名】六車 典子
(72)【発明者】
【氏名】湯淺 惇
【審査官】湯本 照基
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-155963(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0201439(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0156501(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 19/08
B65G 1/00
B65G 1/137
E04H 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物が、
収納物品のための収納スペースであり、天井高が他の部屋よりも低く設定された低天井収納室と、
前記低天井収納室に設置されて、前記低天井収納室に収納される前記収納物品を運搬する運搬装置と、を備えており、
前記収納物品には、識別手段が付属し、
前記識別手段には、前記収納物品の種類を識別するための識別情報が含まれており、
前記運搬装置によって運搬可能な状態で前記低天井収納室に収納されるとともに前記識別手段が付属した前記収納物品の管理を行うための収納物品管理装置であって、
前記収納物品が前記低天井収納室に収納される際に、前記識別手段に含まれている前記識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記運搬装置の動作を制御する運搬装置制御手段と、
前記識別情報取得手段によって前記識別情報を取得した日付である第一日付情報を監視する日付監視手段と、を備え、
前記運搬装置制御手段は、前記日付監視手段による前記第一日付情報の監視結果に基づいて前記運搬装置の動作を制御し、前記収納物品を運搬することを特徴とする収納物品管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の収納物品管理装置において、
前記識別手段は、RFIDタグであることを特徴とする収納物品管理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の収納物品管理装置において、
前記識別手段には、前記収納物品の品質管理を行うための第二日付情報が更に含まれており、
前記日付監視手段は、前記第一日付情報と前記第二日付情報を監視し、
前記運搬装置制御手段は、前記日付監視手段による前記第一日付情報及び前記第二日付情報の監視結果に基づいて前記運搬装置の動作を制御し、前記収納物品を運搬することを特徴とする収納物品管理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の収納物品管理装置において、
前記低天井収納室に収納された前記収納物品の前記識別情報と、前記収納物品の前記第一日付情報と、前記収納物品の前記第二日付情報のうち、少なくとも前記識別情報を外部に送信する識別情報送信手段を更に備えていることを特徴とする収納物品管理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の収納物品管理装置において、
前記日付監視手段は、前記低天井収納室に収納された前記収納物品のうち一定期間使用履歴のない収納物品における前記第一日付情報を抽出し、
前記識別情報送信手段は、前記日付監視手段によって抽出した前記一定期間使用履歴のない収納物品における前記第一日付情報に紐づく前記識別情報を前記外部に送信することを特徴とする収納物品管理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の収納物品管理装置において、
前記外部には、ユーザーに対し、商品の出品を伴う特定のサービスを提供するためのサービス管理サーバーが含まれていて、当該サービス管理サーバーと通信ネットワークを介して通信可能に接続されており、
前記識別情報送信手段は、前記日付監視手段によって抽出した前記一定期間使用履歴のない収納物品における前記識別情報を、前記サービス管理サーバーに送信することを特徴とする収納物品管理装置。
【請求項7】
請求項5に記載の収納物品管理装置において、
前記低天井収納室は、前記収納物品を取り出すための取り出し口を備えていて、前記運搬装置は、前記収納物品を、前記取り出し口に向かって運搬可能に配置されており、
前記運搬装置制御手段は、前記運搬装置の動作を制御し、前記一定期間使用履歴のない収納物品を前記取り出し口に向かって運搬することを特徴とする収納物品管理装置。
【請求項8】
請求項7に記載の収納物品管理装置において、
前記取り出し口には、当該取り出し口を開閉する開閉扉が設けられており、
前記開閉扉の開閉動作を制御する開閉扉制御手段を更に備えていることを特徴とする収納物品管理装置。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の収納物品管理装置によって管理される前記収納物品が収納される前記低天井収納室を備えた建物であって、
前記低天井収納室と、この低天井収納室よりも天井高が高く設定された第一部屋と、が隣接して配置されており、
前記低天井収納室は、特定階の床と、前記特定階の床の一部の上に設けられた中間床との間に形成されて、前記第一部屋よりも天井高が低く設定され、
前記低天井収納室を構成し、かつ、前記第一部屋に面する第一壁には、前記低天井収納室と前記第一部屋とを連通する出入口が形成され、
前記低天井収納室を構成する第二壁には、前記収納物品を取り出すための前記取り出し口が形成され、
前記低天井収納室には、前記収納物品を運搬するための前記運搬装置が設置され、
前記運搬装置は、前記出入口及び前記取り出し口の近傍に配置されていることを特徴とする建物。
【請求項10】
請求項9に記載の建物において、
前記第二壁は、屋外空間に面して配置されている外壁であることを特徴とする建物。
【請求項11】
請求項10に記載の建物において、
前記特定階は1階であり、前記低天井収納室は1階に設けられていることを特徴とする建物。
【請求項12】
請求項9に記載の建物において、
前記低天井収納室と、この低天井収納室よりも天井高が高く設定された第二部屋と、が隣接して配置されており、
前記第二壁は、前記第二部屋に面して配置されていることを特徴とする建物。
【請求項13】
建物が、
収納物品のための収納スペースであり、天井高が他の部屋よりも低く設定された低天井収納室と、
前記低天井収納室に設置されて、前記低天井収納室に収納される前記収納物品を運搬する運搬装置と、を備えており、
前記収納物品には、識別手段が付属し、
前記識別手段には、前記収納物品の種類を識別するための識別情報が含まれており、
前記運搬装置によって運搬可能な状態で前記低天井収納室に収納されるとともに前記識別手段が付属した前記収納物品の管理を行うための収納物品管理装置のコンピューター装置を、
前記収納物品が前記低天井収納室に収納される際に、前記識別手段に含まれている前記識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記運搬装置の動作を制御する運搬装置制御手段と、
前記識別情報取得手段によって前記識別情報を取得した日付である第一日付情報を監視する日付監視手段と、して機能させ、
前記運搬装置制御手段によって、前記日付監視手段による前記第一日付情報の監視結果に基づいて前記運搬装置の動作を制御し、前記収納物品を運搬させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納物品管理装置及び建物、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特定階の床の一部の上に設けられた中間床と特定階の床との間が低天井収納室とされた建物の一例として、特許文献1に記載のものが知られている。この建物では、中間床と上階の床との間が低天井収納室とされており、この低天井収納室に隣接して部屋が設けられている。この低天井収納室の天井高は1.4m程度であり、大人でも腰を屈めた状態で比較的容易に作業を行えるようになっている。
【0003】
また、特許文献2には、長尺なパイプ材が、低天井収納室から隣接する部屋に向かって伸ばして設置されており、このパイプ材に、ハンガーに掛けられた衣類を吊るして収納できる建物について技術が開示されている。ハンガーに掛けられた衣類は、長尺なパイプ材に沿って、低天井収納室と隣接する部屋との間で移動させることが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5219412号公報
【文献】特開2013-011083号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、低天井収納室に収納された物品は、奥の方に収納されてしまうと、そのまま使用頻度が落ちてしまう場合がある。食品の場合は、賞味期限切れとなってしまう場合があり、総じて、奥の方に収納された物品でも管理しやすく出来るようにしたいという要望があった。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、低天井収納室に収納される物品を効率良く管理できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、例えば
図1~
図15に示すように、
建物100が、
収納物品1,2,3のための収納スペースであり、天井高が他の部屋104よりも低く設定された低天井収納室101と、
前記低天井収納室101に設置されて、前記低天井収納室101に収納される前記収納物品1,2,3を運搬する運搬装置110と、を備えており、
前記収納物品1,2,3には、識別手段5が付属し、
前記識別手段5には、前記収納物品1,2,3の種類を識別するための識別情報が含まれており、
前記運搬装置110によって運搬可能な状態で前記低天井収納室101に収納されるとともに前記識別手段5が付属した前記収納物品1,2,3の管理を行うための収納物品管理装置10であって、
前記収納物品1,2,3が前記低天井収納室101に収納される際に、前記識別手段5に含まれている前記識別情報を取得する識別情報取得手段11と、
前記運搬装置110の動作を制御する運搬装置制御手段13と、
前記識別情報取得手段11によって前記識別情報を取得した日付である第一日付情報を監視する日付監視手段14と、を備え、
前記運搬装置制御手段13は、前記日付監視手段14による前記第一日付情報の監視結果に基づいて前記運搬装置110の動作を制御し、前記収納物品1,2,3を運搬することを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、収納物品1,2,3が、運搬装置110によって運搬可能な状態で低天井収納室101に収納され、運搬装置110は、運搬装置制御手段13によって制御されるため、収納物品1,2,3が低天井収納室101の奥の方に収納されていても、運搬装置110を動作させることで収納物品1,2,3を移動させることができる。そのため、収納物品1,2,3を、使用頻度が落ちないように、低天井収納室101に収納することが可能となる。さらに、収納物品1,2,3には、その種類を識別するための識別情報が含まれた識別手段5が付属しており、識別情報取得手段11によって、その識別情報を取得した上で収納物品1,2,3を低天井収納室101に収納することができる。しかも、日付監視手段14によって、識別情報取得手段11によって識別情報を取得した日付である第一日付情報を監視できるので、どの種類の収納物品1,2,3を、いつ低天井収納室101に収納したかを管理することが可能となる。これにより、収納物品1,2,3が低天井収納室101に収納されている期間を把握したり、収納期間を管理したりすることが容易になるため、低天井収納室101に収納される収納物品1,2,3を効率良く管理できることとなる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、例えば
図1~
図15に示すように、請求項1に記載の収納物品管理装置10において、
前記識別手段は、RFIDタグであることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、収納物品1,2,3の種類を識別するための識別情報が含まれている識別手段は、RFIDタグであることから、収納物品1,2,3を低天井収納室101への収納時において、識別情報取得手段11によって識別手段5に含まれている識別情報を取得する際に、識別情報取得手段11は、無線通信によって簡易に識別情報を取得できることとなる。これにより、収納物品1,2,3を低天井収納室101に収納する際の手間を軽減することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、例えば
図1~
図15に示すように、請求項1に記載の収納物品管理装置10において、
前記識別手段5には、前記収納物品3の品質管理を行うための第二日付情報が更に含まれており、
前記日付監視手段14は、前記第一日付情報と前記第二日付情報を監視し、
前記運搬装置制御手段13は、前記日付監視手段14による前記第一日付情報及び前記第二日付情報の監視結果に基づいて前記運搬装置110の動作を制御し、前記収納物品3を運搬することを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、日付監視手段14によって、品質管理を行う必要のある収納物品3の第二日付情報を監視できるので、品質管理を行うための第二日付情報の日付が近づいて来たり、その日付になったりした時に、運搬装置110を動作させることで収納物品3を移動させることができる。そのため、収納物品3の品質を低下させないように効率良く管理することが可能となる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、例えば
図1~
図15に示すように、請求項3に記載の収納物品管理装置10において、
前記低天井収納室101に収納された前記収納物品1,2,3の前記識別情報と、前記収納物品1,2,3の前記第一日付情報と、前記収納物品1,2,3の前記第二日付情報のうち、少なくとも前記識別情報を外部に送信する識別情報送信手段12を更に備えていることを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、識別情報送信手段12によって、収納物品1,2,3の識別情報と、収納物品1,2,3の第一日付情報と、収納物品1,2,3の第二日付情報のうち、少なくとも識別情報を外部に送信できるので、外部で、少なくともどのような種類の収納物品1,2,3が低天井収納室101に収納されているかを把握することが可能となる。さらに、第一日付情報を外部に送信できれば、収納物品1,2,3が低天井収納室101に収納された日付情報を外部で把握できるとともに、第二日付情報を外部に送信できれば、収納物品3の、品質管理を行うための第二日付情報を外部で把握することができる。これにより、例えば外出先や他のシステムでも低天井収納室101に収納されている収納物品1,2,3の情報を確認できるようになる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、例えば
図1~
図3に示すように、請求項4に記載の収納物品管理装置10において、
前記日付監視手段14は、前記低天井収納室101に収納された前記収納物品1,2,3のうち一定期間使用履歴のない収納物品1,2,3における前記第一日付情報を抽出し、
前記識別情報送信手段12は、前記日付監視手段14によって抽出した前記一定期間使用履歴のない収納物品1,2,3における前記第一日付情報に紐づく前記識別情報を前記外部に送信することを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、識別情報送信手段12は、日付監視手段14によって抽出した一定期間使用履歴のない収納物品1,2,3における第一日付情報に紐づく識別情報を外部に送信するので、収納物品1,2,3が低天井収納室101に収納された日付情報を外部で把握できる。これにより、例えば外出先や他のシステムでも低天井収納室101に収納されている収納物品1,2,3の第一日付情報を確認できるようになる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、例えば
図1~
図3に示すように、請求項5に記載の収納物品管理装置10において、
前記外部には、ユーザーに対し、商品の出品を伴う特定のサービスを提供するためのサービス管理サーバー50が含まれていて、当該サービス管理サーバー50と通信ネットワークを介して通信可能に接続されており、
前記識別情報送信手段12は、前記日付監視手段14によって抽出した前記一定期間使用履歴のない収納物品1,2,3における前記識別情報を、前記サービス管理サーバー50に送信することを特徴とする。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、識別情報送信手段12は、日付監視手段14によって抽出した一定期間使用履歴のない収納物品1,2,3における識別情報を、サービス管理サーバー50に送信するので、一定期間使用履歴のない収納物品1,2,3における識別情報を、商品の出品を伴う特定のサービスに対し、その商品情報として送信することが可能となる。これにより、一定期間使用履歴のない収納物品1,2,3を、いつまでも低天井収納室101に収納しておくことなく有効活用することができるので、低天井収納室101に収納された収納物品1,2,3を効率良く管理することに貢献できる。
【0019】
請求項7に記載の発明は、例えば
図1~
図11に示すように、請求項5に記載の収納物品管理装置10において、
前記低天井収納室101は、前記収納物品1,2,3を取り出すための取り出し口109を備えていて、前記運搬装置110は、前記収納物品1,2,3を、前記取り出し口109に向かって運搬可能に配置されており、
前記運搬装置制御手段13は、前記運搬装置110の動作を制御し、前記一定期間使用履歴のない収納物品1,2,3を前記取り出し口109に向かって運搬することを特徴とする。
【0020】
請求項7に記載の発明によれば、運搬装置制御手段13は、運搬装置110の動作を制御し、一定期間使用履歴のない収納物品1,2,3を取り出し口109に向かって運搬するので、一定期間使用履歴のない収納物品1,2,3を、いつまでも低天井収納室101に収納しておくことなく、取り出し口109から排出することができ、低天井収納室101に収納された収納物品1,2,3を効率良く管理することに貢献できる。
【0021】
請求項8に記載の発明は、例えば
図1~
図11に示すように、請求項7に記載の収納物品管理装置10において、
前記取り出し口109には、当該取り出し口109を開閉する開閉扉109aが設けられており、
前記開閉扉109aの開閉動作を制御する開閉扉制御手段15を更に備えていることを特徴とする。
【0022】
請求項8に記載の発明によれば、取り出し口109を開閉する開閉扉109aの開閉動作を制御する開閉扉制御手段15を備えているので、開閉扉109aの開閉動作を制御して取り出し口109を開放したり閉塞したりして、運搬装置制御手段13と共に、収納物品1,2,3が取り出し口109から排出されることを制御することができる。
【0023】
請求項9に記載の発明は、例えば
図1~
図11に示すように、請求項7又は8に記載の収納物品管理装置10によって管理される前記収納物品1,2,3が収納される前記低天井収納室101を備えた建物100であって、
前記低天井収納室101と、この低天井収納室101よりも天井高が高く設定された第一部屋104(一階部屋104)と、が隣接して配置されており、
前記低天井収納室101は、特定階の床102(一階床102)と、前記特定階の床102の一部の上に設けられた中間床103との間に形成されて、前記第一部屋104よりも天井高が低く設定され、
前記低天井収納室101を構成し、かつ、前記第一部屋104に面する第一壁106(壁106)には、前記低天井収納室101と前記第一部屋104とを連通する出入口107が形成され、
前記低天井収納室101を構成する第二壁108(外壁108)には、前記収納物品1,2,3を取り出すための前記取り出し口109が形成され、
前記低天井収納室101には、前記収納物品1,2,3を運搬するための前記運搬装置110が設置され、
前記運搬装置110は、前記出入口107及び前記取り出し口109の近傍に配置されていることを特徴とする。
【0024】
請求項9に記載の発明によれば、収納物品1,2,3を運搬するための運搬装置110が、出入口107及び取り出し口109の近傍に配置されているので、収納物品1,2,3を低天井収納室101に収納する際も、収納物品1,2,3を低天井収納室101から取り出す際も持ち運びしやすい。そのため、低天井収納室101に収納された収納物品1,2,3を効率良く管理することに貢献できる。
【0025】
請求項10に記載の発明は、例えば
図1~
図11に示すように、請求項9に記載の建物100において、
前記第二壁108は、屋外空間に面して配置されている外壁108であることを特徴とする。
【0026】
請求項10に記載の発明によれば、第二壁108は、屋外空間に面して配置されている外壁108であることから、第二壁108に形成された取り出し口109は、屋外空間に面して配置されることとなる。これにより、収納物品1,2,3を、屋外空間から取り出しやすくなる。
【0027】
請求項11に記載の発明は、例えば
図1~
図11に示すように、請求項10に記載の建物100において、
前記特定階は1階であり、前記低天井収納室101は1階に設けられていることを特徴とする。
【0028】
請求項11に記載の発明によれば、特定階は1階であり、低天井収納室101は1階に設けられているので、屋外空間から収納物品1,2,3を取り出す際に、収納物品1,2,3を安全に取り出すことができる。
【0029】
請求項12に記載の発明は、例えば
図5に示すように、請求項9に記載の建物200において、
前記低天井収納室201と、この低天井収納室201よりも天井高が高く設定された第二部屋205と、が隣接して配置されており、
前記第二壁208は、前記第二部屋205に面して配置されていることを特徴とする。
【0030】
請求項12に記載の発明によれば、低天井収納室201と、この低天井収納室201よりも天井高が高く設定された第二部屋205と、が隣接して配置されており、第二壁208は、第二部屋205に面して配置されているので、第二壁208に形成された取り出し口209は、第二部屋205に面して配置されることとなる。これにより、収納物品1,2,3を、第二部屋205から取り出しやすくなる。
【0031】
請求項13に記載の発明は、例えば
図1~
図15に示すように、
建物100が、
収納物品1,2,3のための収納スペースであり、天井高が他の部屋よりも低く設定された低天井収納室101と、
前記低天井収納室101に設置されて、前記低天井収納室101に収納される前記収納物品1,2,3を運搬する運搬装置110と、を備えており、
前記収納物品1,2,3には、識別手段5が付属し、
前記識別手段5には、前記収納物品1,2,3の種類を識別するための識別情報が含まれており、
前記運搬装置110によって運搬可能な状態で前記低天井収納室101に収納されるとともに前記識別手段5が付属した前記収納物品1,2,3の管理を行うための収納物品管理装置10のコンピューター装置を、
前記収納物品1,2,3が前記低天井収納室101に収納される際に、前記識別手段5に含まれている前記識別情報を取得する識別情報取得手段11と、
前記運搬装置110の動作を制御する運搬装置制御手段13と、
前記識別情報取得手段11によって前記識別情報を取得した日付である第一日付情報を監視する日付監視手段14と、して機能させ、
前記運搬装置制御手段13によって、前記日付監視手段14による前記第一日付情報の監視結果に基づいて前記運搬装置110の動作を制御し、前記収納物品1,2,3を運搬させることを特徴とする。
【0032】
請求項13に記載の発明によれば、収納物品1,2,3が、運搬装置110によって運搬可能な状態で低天井収納室101に収納され、運搬装置110は、運搬装置制御手段13によって制御されるため、収納物品1,2,3が低天井収納室101の奥の方に収納されていても、運搬装置110を動作させることで収納物品1,2,3を移動させることができる。そのため、収納物品1,2,3を、使用頻度が落ちないように、低天井収納室101に収納することが可能となる。さらに、収納物品1,2,3には、その種類を識別するための識別情報が含まれた識別手段5が付属しており、識別情報取得手段11によって、その識別情報を取得した上で収納物品1,2,3を低天井収納室101に収納することができる。しかも、日付監視手段14によって、識別情報取得手段11によって識別情報を取得した日付である第一日付情報を監視できるので、どの種類の収納物品1,2,3を、いつ低天井収納室101に収納したかを管理することが可能となる。これにより、収納物品1,2,3が低天井収納室101に収納されている期間を把握したり、収納期間を管理したりすることが容易になるため、低天井収納室101に収納される収納物品1,2,3を効率良く管理できることとなる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、低天井収納室に収納される物品を効率良く管理できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】収納物品管理システムのネットワーク構成例を示す図である。
【
図2】収納物品管理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】収納物品管理装置のソフトウェア構成例を示す図である。
【
図4】低天井収納室を備えた第一建物の一部を示す縦断面図である。
【
図5】低天井収納室を備えた第二建物の一部を示す平断面図である。
【
図6】低天井収納室を備えた第三建物の一部を示す平断面図である。
【
図7】第三建物の低天井収納室に設置される電動ハンガーレールを示す斜視図である。
【
図8】低天井収納室を備えた第四建物の一部を示す平断面図である。
【
図9】低天井収納室を備えた第五建物の一部を示す平断面図である。
【
図10】低天井収納室を備えた第六建物の一部を示す平断面図である。
【
図11】低天井収納室を備えた第七建物の一部を示す平断面図である。
【
図12】棚付き引戸によって低天井収納室の出入口を開閉する形態の一例を説明する正面図である。
【
図13】棚付き引戸によって低天井収納室の出入口を開閉する形態の一例を説明する平断面図である。
【
図14】収納物品管理システムのネットワーク構成の一部の変形例を示す図である。
【
図15】低天井収納室を備えた第九建物の一部を示す平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の技術的範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。なお、以下の実施形態及び図示例における方向は、あくまでも説明の便宜上設定したものである。
【0036】
<概要>
図1は、第一建物100の低天井収納室101に導入される収納物品管理システムのネットワーク構成例を示す図である。収納物品管理システムにおいては、収納物品管理装置10と、リーダライター20と、モニター30,40と、低天井収納室101内に設置された運搬装置110と、が通信ネットワークを介して通信可能に接続されている。
そして、リーダライター20によって情報の読み取り・書き込みが可能なRFIDタグ5が収納物品1,2,3に付属した状態となっており、本実施形態の収納物品管理システムにおいては、収納物品1,2,3に付与されたRFIDタグ5の情報に基づいて収納物品1,2,3の管理が可能となっていて、必要に応じて収納物品1,2,3を載せた運搬装置110を動作させる。これにより、日付管理が必要な収納物品1,2,3を、低天井収納室101内における所望の位置に移動させることができる。
【0037】
収納物品管理装置10は、低天井収納室101が設けられた第一建物100(
図4)の居住者によって使用されるコンピューター装置である。なお、第一建物100は、住宅とされている。ただし、収納物品管理装置10は、住宅に限られるものではなく、例えば低天井収納室101を設けることができる全ての建物に導入することが可能である。
【0038】
収納物品管理装置10を構成するコンピューター装置は、1台のコンピューターから構成されてもよいし、分散処理又は並列処理が可能な複数台のコンピューターから構成されてもよい。また、このコンピューターは、クラウドコンピューティングシステムであってもよい。
なお、本実施形態の収納物品管理装置10はサーバー装置であってもよい。その場合、第一建物100の居住者は、PC、スマートフォン、タブレット端末等の情報通信端末を使用し、ホームゲートウェイを通じて、サーバー装置である収納物品管理装置10にアクセスできる。これにより、宅内はもちろんのこと、例えば外出先からでも収納物品の管理を行うことが可能となる。
【0039】
また、この収納物品管理装置10は、低天井収納室101内に設置された運搬装置110と通信可能に接続されている。本実施形態においては通信線110aによって有線接続されているものとするが、無線接続されてもよい。
【0040】
RFIDタグ5は、リーダライター20と無線通信を行うために必要な回路を有するICチップであり、収納物品1,2,3の管理に必要な情報の書き込みと読み取りが可能なメモリー領域を有している。
このようなRFIDタグ5は、タグ(札)のような形態であってもよいし、粘着シールによって物品に貼り付けできる形態であってもよい。また、収納物品1,2,3の一部に内蔵されてもよい。
【0041】
RFIDタグ5のメモリー領域に記憶されている情報には、収納物品1,2,3の種類を識別するための識別情報と、品質管理を行うための日付情報である第二日付情報と、が含まれている。第二日付情報としては、例えば食品の賞味期限(消費期限)、ペットフードの賞味期限(消費期限)、ワイン・酒類の賞味期限(消費期限)、乾電池・電子機器用バッテリーの使用期限、医薬品・サプリメントの使用期限、化粧品・スキンケア製品の使用期限、家庭用洗剤・消臭剤の使用期限、消火器の使用期限、スポーツ用具を始めとするゴム製品の使用期限等が挙げられる。
なお、収納物品1,2,3の種類とは、例えば、商品名、品番、品目等の情報、物品のカテゴリーに係る情報などを指し、これらは番号化されて、識別番号としてメモリー領域に記憶されている。
【0042】
リーダライター20は、RFIDタグ5のメモリー領域に記憶されている情報の読み取りと、メモリー領域への書き込みを行うための装置であり、上記のような専用の周波数帯の送受信が可能となっている。また、リーダライター20は、スマートフォン等の情報通信端末と接続し(例えば、物理的に装着して有線接続する、あるいは、ペアリングで無線接続することを指す。)、情報通信端末にインストールされている専用のアプリケーションを用いて、RFIDタグ5におけるメモリー領域内の情報の読み取りと、メモリー領域への情報の書き込みができるように設定されている。つまり、リーダライター20と情報通信端末とを一体的に用いることが可能となっている。リーダライター20と通信可能に接続される情報通信端末としては、収納物品管理装置10であってもよいし、モニター30,40であってもよい。
なお、リーダライター20が、情報通信端末と接続して用いられる場合は、必ずしも
図1に示すようなハンディー型のデバイス形状である必要はなく、低天井収納室101における壁面又は天井に常時設置されていてもよい。また、リーダライター20の数は、複数であってもよい。
さらに、リーダライター20は、本実施形態においては情報の書き込み機能も更に有しているが、書き込み機能は無く、読み取り専用のリーダーであってもよい。
【0043】
モニター30,40は、リーダライター20によって読み取られたRFIDタグ5の情報を表示するためのものであり、本実施形態においてはスマートフォン、タブレット端末等の情報通信端末によって構成されている。ただし、これに限られるものではなく、専用のモニター装置によって構成されていてもよい。
また、このモニター30,40は、リーダライター20と一体的に用いることが可能となっている。そのため、モニター30,40では、低天井収納室101内に収納されている収納物品1,2,3についての情報を確認することが可能となっている。
【0044】
本実施形態のモニター30,40は、収納物品管理装置10とは別個体の情報通信端末であるスマートフォン、タブレット端末等によって構成されているものとする。つまり、収納物品管理装置10を構成している情報通信端末と、モニター30,40を構成している情報通信端末と、が連繋している状態となっている。
第一モニター30としてはタブレット端末が採用されており、主に宅内で使用される。第一モニター30は、普段は壁106の出入口107付近に壁付け設置されたホルダーによって保持されているが、ホルダーから自由に取り出すことができ、収納物品管理装置10におけるモニター以外の用途にも使用することができる。
一方、第二モニター40は、居住者が所持・使用する個人のスマートフォンが採用されており、宅内だけでなく、外出先にも持ち運びされるものとなっている。
本実施形態においては、このような第一モニター30及び第二モニター40が、通信ネットワークを介して収納物品管理装置10と通信可能に接続されており、リーダライター20で読み取った収納物品1,2,3の情報を表示したり、反対に、RFIDタグ5に書き込む情報の入力を行ったりすることができる。さらに、運搬装置110の動作を制御することも可能となっている。
【0045】
なお、本実施形態のモニター30,40は、上記のように収納物品管理装置10とは別個体の情報通信端末であるスマートフォン、タブレット端末等によって構成されているとしたが、これに限られるものではない。つまり、モニター30,40は、収納物品管理装置10に付属する表示手段として機能する単なるモニター装置(ディスプレイ)であってもよい。
【0046】
また、反対に、スマートフォン、タブレット端末等の情報通信端末そのものを収納物品管理装置10として採用し、当該情報通信端末における表示手段(タッチパネルディスプレイ)を、本実施形態のモニター30,40として取り扱うようにしてもよい。そして、このようなスマートフォン、タブレット端末等の情報通信端末によって構成された収納物品管理装置10と、低天井収納室101の壁106に設置されたリーダライター20をペアリングして通信可能に接続するとともに、運搬装置110の動作を制御できるようにすれば、比較的少ない構成要素で収納物品管理システムを構築することができる。
【0047】
通信ネットワークは、電話回線網、ISDN回線網、光ファイバー、移動体通信網、通信衛星回線、CATV回線網、その他の専用線等の各種通信回線網と、それらを接続するインターネットサービスプロバイダ(すなわち、インターネット)等を含んでいてもよい。また、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)、WiFi(Wireless Fidelity)、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)等の様々な通信網が互いに通信可能に接続された集合的な通信網であってもよい。また、接続の形態について、有線、無線及び有線と無線の混在を問わない。
【0048】
収納物品管理装置10と運搬装置110との通信は、本実施形態においては通信線110aを通じて行われるが、これに限られるものではなく、無線通信で行われてもよい。
【0049】
RFIDタグ5とリーダライター20との通信では、所謂RFID(radio frequency identification)による無線通信が採用されている。RFID通信としては、LF(Low Frequency)帯、HF(High Frequency)帯、UHF(Ultra High Frequency)帯、マイクロ波帯の4種類の周波数帯のうちいずれかが使用される。リーダライター20をRFIDタグ5に近づけることが可能な場合には、通信範囲の狭いLF帯又はHF帯が採用可能であるが、リーダライター20をRFIDタグ5に近づけることができない場合には、通信範囲の広いUHF帯又はマイクロ波帯が採用される。
なお、RFIDには、NFC(Near Field Communication:近距離無線通信)も含まれるものとする。すなわち、NFCは、周波数帯として上記のHF帯を利用している。特にNFCを利用する場合は、RFIDタグを、NFCタグと読み替えてもよいものとする。
【0050】
低天井収納室101に収納される物品は、例えば衣類1、収納ユニット2、食品3が挙げられるが、その他にも例えば子供の玩具、書籍、生活用品等、特に限定されるものではない。そして、これら収納物品には、RFIDタグ5が付属した状態となっている。
【0051】
衣類1は、
図1に示すようにハンガー1aに掛けられた状態で低天井収納室101に収納されてもよいし、ハンガー1aに掛けられない状態で収納されてもよい。
また、衣類1の場合、RFIDタグ5が衣類1そのものに付属していてもよいし、
図1に示すようにハンガー1aに付属していてもよい。ハンガー1aに掛けられた状態で衣類1が収納される場合は、衣類1とハンガー1aのいずれか一方にRFIDタグ5が付属している状態とされる。
【0052】
衣類1ごとに付属したRFIDタグ5のメモリー領域に記憶されている情報には、衣類1の種類(例えばシャツ、コート、スーツ、子供服、制服、帽子、マフラー等)を識別するための識別情報と、衣類1のサイズを示すサイズ情報と、が少なくとも含まれている。季節ものを識別するための季節識別情報が含まれていてもよい。
【0053】
収納ユニット2は、本実施形態においては、いわゆるハンガーボックスが採用されているが、これに限られるものではなく、例えば折りたたみコンテナ、蓋付き収納ケース等が採用されてもよい。
収納ユニット2は、物品を出し入れする出し入れ口2aと、その出し入れ口2aを開閉する開閉蓋2bと、を備えている。そして、RFIDタグ5は、例えば、収納ユニット2の内部に収納される収納物品の重量の影響を受けにくい天面板部2cに内蔵されている。
収納ユニット2に収納される衣類1又はハンガー1aには、RFIDタグ5が付属していてもよいし、付属していなくてもよい。
【0054】
収納ユニット2ごとに付属したRFIDタグ5のメモリー領域に記憶されている情報には、収納ユニット2の内容物を識別するための識別情報と、が少なくとも含まれている。内容物を識別するために、収納ユニット2には、類似するカテゴリーの収納物品を収納することが望ましい(衣類同士、食品同士など)。もしくは、第二日付情報の近しい収納物品同士を、同じ収納ユニット2に収納するようにしてもよい。
【0055】
食品3は、包装袋3aによって包装された状態で低天井収納室101に収納されてもよいし、包装袋3aに包装されない状態で収納されてもよい。
食品3の場合、RFIDタグ5は、包装袋3aに付属した状態とされることが望ましいが、これに限られるものではなく、食品3自体に付属した状態とされてもよい。
【0056】
食品3ごとに付属したRFIDタグ5のメモリー領域に記憶されている情報には、食品3の種類(缶・瓶・ペットボトル飲料、酒類、油脂類、各種調味料、菓子類、米、粉物、茶葉等々)を識別するための識別情報と、食品3の第二日付情報である賞味期限情報(消費期限情報)と、が少なくとも含まれている。
【0057】
<第一建物の構成>
図4は、第一建物100の一部を示す縦断面図であり、第一建物100は、低天井収納室101を備えている。
低天井収納室101とは、一階床102と、この一階床102の一部の上に設けられた中間床103との間に設けられた天井高0.8m~1.4mの空間を指している。本実施形態においては、低天井収納室101の天井高は1.4mとされている。
低天井収納室101は、一階部屋104に隣接して配置されており、低天井収納室101の上には、中間床103を床とする中間部屋105が設けられている。
【0058】
一階部屋104と、低天井収納室101及び中間部屋105は、壁106によって仕切られている。壁106には、低天井収納室101と一階部屋104との間を行き来するための出入口107が形成されており、出入口107は、開閉扉107aによって開閉される。なお、屋内側の開閉扉107aの開閉方式は、特に限定されるものではないが、本実施形態においては引戸(引き込み戸)が採用されている。
【0059】
低天井収納室101及び中間部屋105は、外壁108によって屋外空間と隔てられており、外壁108には、低天井収納室101と屋外空間とを連通する取り出し口109(すなわち、取り出し口)が形成されている。取り出し口109は、開閉扉109aによって開閉される。なお、屋外側の開閉扉109aの開閉方式は、特に限定されるものではないが、本実施形態においては、屋外側に向かって開く開き戸が採用されている。
【0060】
本実施形態に採用されている開閉扉107a,109aのうち、少なくとも取り出し口109側の開閉扉109aは、外壁108に対して開閉扉109aを回転軸の軸周りに開閉動作させる駆動装置と、駆動装置の動作を制御する駆動制御部と、を備えている。
そして、駆動制御部は、通信ネットワークを介して収納物品管理装置10と通信可能に接続されており、収納物品管理装置10からの制御信号を受け付けて、駆動装置の動作を制御可能に設定されている。駆動装置は、図示しない電力供給部から電力供給を受けている。
【0061】
低天井収納室101の床(一階床102のうち低天井収納室101内の部分)には、運搬装置110が設置されている。本実施形態の運搬装置110は、ベルトコンベヤーが採用されており、出入口107から取り出し口109に向かって配置されている。すなわち、ベルトコンベヤー110は、出入口107及び取り出し口109の近傍に配置されている。
ベルトコンベヤー110は、駆動部と、収納物品が載せられるベルトと、ベルトが巻き回されて、駆動部の動力をベルトに伝える複数のプーリーと、複数のプーリーを回転自在に支持する支持フレームと、駆動部の動作を制御する駆動制御部と、を備えている。
そして、駆動制御部は、通信線110aを介して収納物品管理装置10と通信可能に接続されており、収納物品管理装置10からの制御信号を受け付けて、駆動部の動作を制御可能に設定されている。駆動部は、図示しない電力供給部から電力供給を受けている。
【0062】
なお、収納物品管理装置10とモニター30,40が通信可能に接続されて連繋している場合には、運搬装置110とモニター30,40とが通信線110a又はその他の通信ネットワークを介して通信可能に接続されていてもよい。つまり、その場合、駆動制御部は、通信線110a又はその他の通信ネットワークを介してモニター30,40と通信可能に接続されており、モニター30,40からの制御信号を受け付けて、駆動部の動作を制御可能に設定されている。
【0063】
低天井収納室101に収納される収納物品は、本実施形態においては、収納ユニット2とされており、収納ユニット2は、ベルトコンベヤー110の上に載せられた状態で、低天井収納室101に収納されている。そのため、居住者は、低天井収納室101の奥まで入って行かなくても、収納ユニット2を低天井収納室101の奥まで運搬することができる。
【0064】
また、ベルトコンベヤー110は、出入口107から取り出し口109に向かう方向に収納ユニット2を運搬可能であるだけでなく、反対方向にも収納ユニット2を運搬可能となっている。そのため、一階部屋104から低天井収納室101内に収納した収納ユニット2を、一階部屋104側に運搬し、出入口107から一階部屋104側に取り出すことも可能となっている。
【0065】
本実施形態のベルトコンベヤー110は、低天井収納室101内に居住者が立ち入るスペースが確保された状態で配置されている。そのため、居住者は、隣接する一階部屋104で収納ユニット2への収納物品の出し入れ作業を行うことができるとともに、低天井収納室101内でも、同様の作業を行うことができる。そのため、本実施形態のベルトコンベヤー110は、居住者の出入り、収納物品の出し入れを考慮し、出入口107の目の前には配置されておらず、出入口107を避けて配置されている。例えば、出入口107の脇に配置されている。そして、ベルトコンベヤー110は、そのような出入口107の近傍から取り出し口109に向かって、例えば直線状に配置されているが、必ずしも直線状に配置されていなくてもよい。すなわち、居住者が立ち入るスペースを確保した状態で、例えば複数の曲折部を有して蛇行するように、低天井収納室101内の残りのスペースに満遍なく配置されてもよい。
一方、ベルトコンベヤー110の取り出し口109側の端部は、取り出し口109のなるべく近傍に配置されていることが望ましい。これにより、屋外側から収納物品1,2,3を取り出す際に、わざわざ低天井収納室101内に入る必要がないので、収納物品1,2,3を取り出しやすい。
【0066】
なお、本実施形態の運搬装置は、ベルトコンベヤー110が採用されているが、これに限られるものではなく、ローラーコンベヤー、スラットコンベヤー、又は車輪等の走行手段を有するその他の運搬装置が適宜採用されてもよい。
【0067】
<ハードウェア構成>
図2は、本実施形態に係る収納物品管理装置10のハードウェア構成例を示す図である。収納物品管理装置10は、CPU(Central Processing Unit)10a、ROM(Read Only Memory)10b、RAM(Random Access Memory)10c、HDD(Hard Disk Drive)10d、及び通信モジュール10eを有する。
【0068】
CPU10aは、各種プログラムの実行や演算処理を行う。ROM10bは、起動時に必要なプログラムなどが記憶されている。RAM10cは、CPU10aでの処理を一時的に記憶したり、データを記憶したりする作業エリアである。HDD10dは、各種データ及びプログラムを格納する。通信モジュール10eは、通信ネットワークを介して他装置との通信を行う。
【0069】
<ソフトウェア構成>
図3は、本実施形態に係る収納物品管理装置10のソフトウェア構成例を示す図である。収納物品管理装置10は、主な機能部として、タグ情報取得部11(すなわち、識別情報取得手段)と、タグ情報送信部12(すなわち、識別情報送信手段)と、運搬装置制御部13(すなわち、運搬装置制御手段)と、日付監視部14(すなわち、日付監視手段)と、開閉扉制御部15(すなわち、開閉扉制御手段)と、記憶部16(すなわち、記憶手段)と、を備えている。これら各機能部は、適宜連動して動作するように設定されている。
【0070】
タグ情報取得部11は、収納物品1,2,3に付属するRFIDタグ5に含まれている識別情報及び第二日付情報を装置10内に取得する機能を有している。識別情報及び第二日付情報の取得は、収納物品1,2,3を、低天井収納室101内に収納する際に自動的に行われるものとする。
上記のように、識別情報には、収納物品1,2,3の種類を識別するための情報が含まれている。そのため、タグ情報取得部11によって識別情報を取得すると、低天井収納室101に収納された収納物品1,2,3の種類を識別することが可能となる。
また、第二日付情報は、上記のように、その収納物品の品質管理を行うための日付情報であるため、品質管理を行う必要がある収納物品3にのみ付与されている情報である。そのため、品質管理を行う必要がない収納物品1,2には付与されていない。したがって、タグ情報取得部11によって識別情報を取得した際に、その収納物品が、品質管理を行う必要があるもの(例えば食品3など)であった場合には、第二日付情報を同時に取得できるようになっている。
タグ情報取得部11によって取得した識別情報及び第二日付情報は、後述する識別情報管理データベース16a及び日付情報管理データベース16bに記憶される。
【0071】
なお、タグ情報取得部11によって、収納物品1,2,3に付属するRFIDタグ5に含まれている識別情報を取得するタイミングは、収納物品1,2,3を低天井収納室101に収納するタイミングでもある。したがって、収納物品1,2,3を低天井収納室101に収納する際には、リーダライター20によって、RFIDタグ5のメモリー領域の内容を読み取るタイミングでもあり、このときに、収納物品1,2,3が低天井収納室101に収納された日付情報である第一日付情報が発生することになる。収納物品管理装置10は、リーダライター20によって、RFIDタグ5のメモリー領域の内容を読み取ったことを契機にして、第一日付情報を取得できるようになっており、このような第一日付情報は、後述のように、日付情報管理データベース16bに記憶される。
【0072】
タグ情報送信部12は、タグ情報取得部11によって取得した識別情報と、第一日付情報と、識別情報と共にタグ情報取得部11によって取得した第二日付情報のうち、少なくとも識別情報を外部に送信する機能を有している。
タグ情報送信部12は、複数のタイミングで、少なくとも識別情報を送信する。このような複数のタイミングとしては、例えば、収納物品1,2,3を低天井収納室101に初めて収納した時と、日付監視部14による収納物品1,2,3の監視の結果が出された時と、ユーザーからの要求を受け付けた時と、が挙げられる。なお、ユーザーからの要求は、モニター30,40を通じて受け付けることができる。
【0073】
また、タグ情報送信部12によって識別情報は、収納物品管理装置10が通信ネットワークを介して通信可能に接続されている所定の送信先に送信される。送信先としては、モニター30,40の他に、外部のサービス管理サーバー50が挙げられる。
【0074】
第一モニター30としては、上記のように、主に宅内で使用されるタブレット端末が採用されている。第二モニター40としては、上記のように、居住者が所持・使用する個人のスマートフォンが採用されている。
収納物品1,2,3を低天井収納室101に初めて収納した時は、識別情報と、その日付情報である第一日付情報がモニター30,40に対して送信され、ユーザーは、それをモニター30,40で確認できる。収納物品が食品3である場合は、賞味期限情報である第二日付情報もモニター30,40に対して送信され、ユーザーは、第二日付情報もモニター30,40で確認できる。
ユーザーからモニター30,40を通じて要求を受け付けた時は、識別情報と、収納物品1,2,3を低天井収納室101に収納した日付情報である第一日付情報と、賞味期限情報である第二日付情報と、がモニター30,40に対して送信され、ユーザーは、それをモニター30,40で確認できる。これにより、ユーザーは、例えば第一モニター30によって収納物品1,2,3を確認しながら買い物の内容を検討したり、外出先で第二モニター40(スマートフォン)によって収納物品1,2,3を確認しながら買い物の内容を検討したりすることができる。
【0075】
さらに、外部のサービス管理サーバー50は、収納物品1,2,3の出品を伴う特定のサービスを提供するためのサーバー装置であり、ユーザーが登録している外部サービスである。要するに、この外部サービスは、フリーマーケットアプリ(フリマアプリ)を提供しており、サービス管理サーバー50は、フリマアプリで個人間売買される物品を管理するための売買管理サーバー(出品情報登録装置)である。本実施形態においては、収納物品管理装置10と、このサービス管理サーバー50が通信可能に接続されているため、ユーザーが低天井収納室101に収納していた収納物品1,2,3の識別情報を、サービス管理サーバー50に対し、出品物として登録することが可能となっている。その際には、日付監視部14による日付の監視(後述するスケジューリング機能の利用)を確実に行うものとし、出品前には、アラートも発するようにしてユーザーに事前確認をした上で出品を行うものとする。
【0076】
運搬装置制御部13は、運搬装置110の動作を制御する機能を有している。より詳細に説明すると、運搬装置110における駆動部の動作を制御する駆動制御部と通信ネットワーク(通信線110a)を介して通信し、駆動制御部に対して制御信号を送信することによって運搬装置110を動作させるものである。ベルトコンベヤー110である本実施形態の運搬装置110は、オン・オフ制御と、コンベヤーベルトの正転・反転の動作のみが可能となっている。なお、オン・オフ制御は、複数のプーリーの回転動作のオン・オフを指すものとし、電源のオン・オフを指すものではない。
【0077】
日付監視部14は、タグ情報取得部11によって収納物品1,2,3の識別情報を取得したタイミングで当該識別情報を取得した日付である第一日付情報の監視を開始する機能と、収納物品1,2,3が低天井収納室101に収納されてからの日数を監視する機能と、収納物品1,2,3ごとに収納期間を設定する機能と、収納物品1,2,3ごとに収納期限を設定する機能と、を少なくとも有している。すなわち、日付監視部14は、収納物品1,2,3を低天井収納室101に収納した日付である第一日付情報を取得する第一日付情報取得機能と、低天井収納室101に収納された収納物品1,2,3について日数カウント機能と、日数カウントが開始された収納物品1,2,3についてスケジューリング機能と、を有していることとなる。スケジューリング機能には、スヌーズ、アラート等の機能も含まれており、タグ情報送信部12を始めとする他の機能部と連動することにより、日付監視部14による日付監視結果を外部に送信できるようになっている。上記の日付監視結果とは、日数カウント機能によってカウントされた収納物品1,2,3の収納日数、スケジューリング機能によって予め設定された設定日を迎えた収納物品1,2,3についての通知などを指す。
したがって、日付情報には、収納物品1,2,3が低天井収納室101に収納された日付である第一日付情報と、食品3である収納物品の賞味期限情報(消費期限情報)である第二日付情報だけでなく、日付監視部14の日数カウント機能によってカウントされた日数の情報(以下、日数情報)、スケジューリング機能によって予め設定された設定日の情報(以下、設定日情報)も含まれているものとする。
なお、日数カウント機能による日数情報については、収納物品1,2,3が低天井収納室101に収納された第一日付情報に基づいて簡易に導き出すことができる。そのため、日数カウント機能は、収納物品1,2,3を低天井収納室101に収納した時点で自動的に作動し始める機能である。
一方、スケジューリング機能による設定日情報については、ユーザーによる設定作業が必要となっている。もしくは、低天井収納室101に収納される収納物品1,2,3全てに、スケジューリング機能によって自動的に設定日情報を付加して、日付の監視(スケジュール管理)を行うようにしてもよい。自動的に行う際には、事前に、収納期間(具体的な期間)を設定するのか、収納期限(具体的な期限日)を設定するのか、を決定しておく必要がある。つまり、収納物品1,2,3を低天井収納室101に収納するときに、リーダライター20によってRFIDタグ5を読み取った際に、第一日付情報の監視が開始されるが、日付監視部14は、このタイミングで自動的に設定日情報を付加し、日付の監視を行うようにする。
【0078】
すなわち、日付監視部14としては、様々な実施形態を取ることができる。例えば、タイムスタンプを用いた監視方法、カレンダー機能を用いた監視方法、定期的なスキャンを行う監視方法などが挙げられる。タイムスタンプを用いた監視方法では、識別情報を取得した時点でのタイムスタンプを記録し、その後の経過時間を監視する。カレンダー機能を用いた監視方法では、特定の日付に基づいてアラートを設定し、指定された日付が近づいた際に通知を行う。定期的なスキャンを行う監視方法では、一定の間隔で収納物品1,2,3の状態をスキャンし、日付情報を更新する。これらの監視方法を組み合わせることで、より精度の高い日付監視が可能となる。
【0079】
開閉扉制御部15は、開閉扉109a(開閉扉107a)の動作を制御する機能を有している。より詳細に説明すると、開閉扉109aにおける駆動装置の動作を制御する駆動制御部と通信ネットワークを介して通信し、駆動制御部に対して制御信号を送信することによって開閉扉109aを動作させるものである。開閉扉109aは、当該開閉扉109aの、外壁108に対する開閉動作が可能となっている。また、開閉扉109aにおける電子ロックの制御も収納物品管理装置10から行うことができるものとしてもよい。
【0080】
記憶部16は、識別情報管理データベース16aと、日付情報管理データベース16bと、その他のデータ・プログラム等を記憶している記憶領域16cと、を備えている。
【0081】
識別情報管理データベース16aは、タグ情報取得部11によって取得した収納物品1,2,3の識別情報が記憶されている。収納物品1,2,3の種類は数多く存在するため、収納物品1,2,3ごとにデータベース化されて記憶されている。
識別情報管理データベース16aに記憶されている収納物品1,2,3の識別情報は、同時に日付情報管理データベース16bに記憶された収納物品1,2,3の日付情報(第一日付情報、第二日付情報)と紐づけられた状態となっている。そのため、識別情報管理データベース16aから、任意の収納物品1,2,3における識別情報を抽出すると、これに紐づく日付情報も抽出することが可能となる。これにより、どのような収納物品を、いつ低天井収納室101に収納したかを、ユーザーがすぐに把握することが可能となる。
【0082】
日付情報管理データベース16bは、タグ情報取得部11によって取得した収納物品1,2,3の日付情報(第一日付情報、第二日付情報、日数情報、設定日情報)が記憶されている。数多く存在する収納物品1,2,3の種類ごとに対応する日付情報であるため、識別情報と同様、データベース化されて記憶されている。
日付情報管理データベース16bに記憶されている収納物品1,2,3の日付情報は、同時に識別情報管理データベース16aに記憶された収納物品1,2,3の識別情報と紐づけられた状態となっている。そのため、日付情報管理データベース16bから、任意の収納物品1,2,3における日付情報を抽出すると、これに紐づく識別情報も抽出することが可能となる。これにより、いつ、どのような収納物品を低天井収納室101に収納したかを、すぐに把握することが可能となる。
なお、日付監視部14のスケジューリング機能によって設定日情報を付加する場合は、この日付情報管理データベース16bに記憶されている第一日付情報に紐づける形で設定日情報を登録して、日付情報管理データベース16bに記憶させておくようにする。つまり、日付情報管理データベース16bには、収納物品1,2,3が低天井収納室101に収納された第一日付情報と、日付監視部14のスケジューリング機能によって任意に付加された設定日情報と、が記憶されることとなる。
また、上記のように、スケジューリング機能による設定日情報の付加を自動的に行う設定とした場合は、事前に設定されたとおりの設定日情報が、日付情報管理データベース16bに記憶される。
【0083】
その他のデータ・プログラム等を記憶している記憶領域16cは、識別情報管理データベース16a、日付情報管理データベース16bを除く各データと、収納物品管理装置10の動作に必要なプログラムが記憶されている。当該その他の記憶領域16c中には、例えば、建物100の居住者に係る情報(例えばアカウント情報等)、収納物品管理装置10と連携している各種デバイスに係る情報等が記憶されている。
【0084】
なお、各機能部は、収納物品管理装置10を構成するコンピューターのCPU10a、ROM10b、RAM10c等のハードウェア資源上で実行されるプログラムによって実現されるものである。これらの機能部は、「手段」、「モジュール」、「ユニット」、又は「回路」に読み替えてもよい。また、各機能部は、収納物品管理装置10だけではなく、複数のサーバー装置に機能を分散させ、相互に通信ネットワークを介して通信可能とすることで、収納物品管理装置10と同様の機能を実現してもよい。また、記憶部16の各DBは、通信ネットワークの外部記憶装置に配置することも可能である。また、コンピュータープログラム及びアプリケーションプログラムは、コンピューターが読み取り可能な記憶媒体に格納されていてもよい。
【0085】
<収納物品の収納・取り出しの流れ>
次に、収納物品1,2,3を低天井収納室101に収納する場合と、低天井収納室101から取り出す場合について説明する。
なお、本実施形態において、低天井収納室101に収納される収納物品は、上記のように収納ユニット2とされているため、以下では、収納ユニット2を、低天井収納室101に収納される収納物品として説明する。
【0086】
新規に収納ユニット2を収納する場合は、収納ユニット2内に物品(例えば衣類)を収納し、収納し終えたら、RFIDタグ5をリーダライター20によって読み取らせるようにしながら、収納ユニット2を低天井収納室101に収納する。その際、収納ユニット2は、ベルトコンベヤーである運搬装置110の上に載せられた状態で低天井収納室101に収納する。RFIDタグ5をリーダライター20によって読み取らせると、タグ情報取得部11が収納ユニット2の識別情報を取得し、取得した識別情報は、識別情報管理データベース16aに記憶される。
【0087】
ここで、収納ユニット2のRFIDタグ5をリーダライター20によって読み取らせるようにしながら、収納ユニット2を低天井収納室101に収納した段階では、識別情報としては、収納ユニット2そのものの個体(収納容器自体)を識別する識別番号のみが記録されているだけである。そのため、収納ユニット2の内容物を特定できるようにしたい場合は、リーダライター20の書き込み機能を利用し、内容物についての情報を記録する。内容物の情報は、RFIDタグ5に書き込みされる。ただし、情報量が多い場合には、識別情報と、内容物の情報とが紐づけられた状態で、その他の記憶領域16cに記憶されてもよい。
【0088】
また、収納ユニット2のRFIDタグ5をリーダライター20によって読み取らせたタイミングで、日付監視部14による日付情報の監視がすぐさま開始される。すなわち、収納ユニット2が低天井収納室101に収納された日付情報である第一日付情報が、識別情報と紐づけられた状態で日付情報管理データベース16bに記憶される。
なお、収納ユニット2の内容物が食品である場合、もしくは品質管理を行う必要のある物品の場合には、期限管理を怠らないためにも、事前にしっかりと、RFIDタグ5に第二日付情報が含まれるように処理しておくことが望ましい。リーダライター20の書き込み機能によって後から第二日付情報を書き込むことも可能となっている。
【0089】
なお、日付監視部14の日数カウント機能による日数情報は、モニター30,40を通じていつでも確認することができる。
また、日付監視部14のスケジューリング機能による設定日情報の設定作業は、事前に行うようにしてもよいし、収納ユニット2の収納作業が完了してから行うようにしてもよい。ここでは、収納ユニット2を低天井収納室101に収納したときに、同時に、自動的に設定日情報の設定も行っているものとし、例えば、収納期間2年の設定を行ったものとする。
【0090】
一つ目の収納ユニット2の収納が終わったら、運搬装置制御部13によって運搬装置110を制御することで、当該一つ目の収納ユニット2を収納ユニットひとつ分だけ移動させる。そして、二つ目の収納ユニット2の収納作業を行う。二つ目の収納ユニット2における収納作業は、一つ目の収納ユニット2の収納作業と同様であるため説明を省略する。また、三つ目以降の収納ユニット2における収納作業も、一つ目の収納ユニット2の収納作業と同様であるため説明を省略する。
以上のようにして、収納物品である収納ユニット2の収納作業が完了する。
【0091】
収納ユニット2の入れ替えを行う場合は、運搬装置制御部13によって運搬装置110を制御することで、運搬装置110の上に載せられている複数の収納ユニット2を適宜移動させて入れ替えを行うようにする。
【0092】
収納ユニット2の内容物が変更された場合は、リーダライター20によってRFIDタグ5におけるメモリー領域の書き換えを行う。もしくは、識別情報管理データベース16aに記憶されている識別情報の更新を行うようにする。識別情報が変更された内容物については、対応する日付情報(第一日付情報、第二日付情報)も同時に更新されるものとする。
【0093】
低天井収納室101に収納された収納ユニット2を取り出す際は、もちろん、ユーザー自身が出入口107から低天井収納室101内に入り込み、収納ユニット2を持ち運んで取り出すようにしてもよい。
その他にも、運搬装置制御部13によって運搬装置110を制御することで、運搬装置110の上に載せられている複数の収納ユニット2を運搬して、出入口107まで移動させる方法を採ってもよい。
【0094】
また、開閉扉制御部15によって取り出し口109の開閉扉109aを制御することで、取り出し口109を開放し、その状態のまま、運搬装置制御部13によって運搬装置110を制御することで収納ユニット2を移動させると、収納ユニット2を取り出し口109から排出することができる。ユーザーが取り出し口109の前(屋外空間)で待機しておけば、取り出し口109から排出された収納ユニット2を受けることができる。もしくは、取り出し口109の前に、取り出し口109から排出される収納ユニット2が載置される置き台(図示省略)を用意しておいてもよい。
【0095】
なお、取り出し口109から排出された収納ユニット2は、低天井収納室101に収納された順番が最も早く、一定期間(ここでは、設定収納期間の2年)使用履歴のないものとなっている。そのため、収納ユニット2の識別情報は、タグ情報送信部12によってサービス管理サーバー50に送信されてもよい。その場合、収納ユニット2の取り出し作業は、ユーザーではなく、運送業者が行うようにしてもよい。
収納ユニット2の識別情報が、タグ情報送信部12によってサービス管理サーバー50に送信される場合は、念のため、事前にユーザーに対して通知が行われるものとする。
【0096】
以上のようにして収納ユニット2の取り出しが行われる。
一定期間使用履歴のない収納ユニット2における識別情報の送信先は、外部のサービス管理サーバー50でなくともよく、モニター30,40のみであってもよい。
【0097】
<実施形態の効果>
本実施形態によれば、以下のような優れた効果を奏する。
すなわち、収納物品1,2,3が、運搬装置110によって運搬可能な状態で低天井収納室101に収納され、運搬装置110は、運搬装置制御部13によって制御されるため、収納物品1,2,3が低天井収納室101の奥の方に収納されていても、運搬装置110を動作させることで収納物品1,2,3を移動させることができる。そのため、収納物品1,2,3を、使用頻度が落ちないように、低天井収納室101に収納することが可能となる。さらに、収納物品1,2,3には、その種類を識別するための識別情報が含まれたRFIDタグ5が付属しており、タグ情報取得部11によって、その識別情報を取得した上で収納物品1,2,3を低天井収納室101に収納することができる。しかも、日付監視部14によって、タグ情報取得部11によって識別情報を取得した日付である第一日付情報を監視できるので、どの種類の収納物品1,2,3を、いつ低天井収納室101に収納したかを管理することが可能となる。これにより、収納物品1,2,3が低天井収納室101に収納されている期間を把握したり、収納期間を管理したりすることが容易になるため、低天井収納室101に収納される収納物品1,2,3を効率良く管理できることとなる。
【0098】
また、日付監視部14によって、品質管理を行う必要のある収納物品3の第二日付情報を監視できるので、品質管理を行うための第二日付情報の日付が近づいて来たり、その日付になったりした時に、運搬装置110を動作させることで収納物品3を移動させることができる。そのため、収納物品3の品質を低下させないように効率良く管理することが可能となる。
【0099】
また、タグ情報送信部12によって、収納物品1,2,3の識別情報と、収納物品1,2,3の第一日付情報と、収納物品1,2,3の第二日付情報のうち、少なくとも識別情報を外部に送信できるので、外部で、少なくともどのような種類の収納物品1,2,3が低天井収納室101に収納されているかを把握することが可能となる。さらに、第一日付情報を外部に送信できれば、収納物品1,2,3が低天井収納室101に収納された日付情報を外部で把握できるとともに、第二日付情報を外部に送信できれば、収納物品3の、品質管理を行うための第二日付情報を外部で把握することができる。これにより、例えば外出先や他のシステムでも低天井収納室101に収納されている収納物品1,2,3の情報を確認できるようになる。
【0100】
また、タグ情報送信部12は、日付監視部14によって抽出した一定期間使用履歴のない収納物品1,2,3における第一日付情報に紐づく識別情報を外部に送信するので、収納物品1,2,3が低天井収納室101に収納された日付情報を外部で把握できる。これにより、例えば外出先や他のシステムでも低天井収納室101に収納されている収納物品1,2,3の第一日付情報を確認できるようになる。
【0101】
また、タグ情報送信部12は、日付監視部14によって抽出した一定期間使用履歴のない収納物品1,2,3における識別情報を、サービス管理サーバー50に送信するので、一定期間使用履歴のない収納物品1,2,3における識別情報を、商品の出品を伴う特定のサービスに対し、その商品情報として送信することが可能となる。これにより、一定期間使用履歴のない収納物品1,2,3を、いつまでも低天井収納室101に収納しておくことなく有効活用することができるので、低天井収納室101に収納された収納物品1,2,3を効率良く管理することに貢献できる。
【0102】
また、運搬装置制御部13は、運搬装置110の動作を制御し、一定期間使用履歴のない収納物品1,2,3を取り出し口109に向かって運搬するので、一定期間使用履歴のない収納物品1,2,3を、いつまでも低天井収納室101に収納しておくことなく、取り出し口109から排出することができ、低天井収納室101に収納された収納物品1,2,3を効率良く管理することに貢献できる。
【0103】
また、取り出し口109を開閉する開閉扉109aの開閉動作を制御する開閉扉制御部15を備えているので、開閉扉109aの開閉動作を制御して取り出し口109を開放したり閉塞したりして、運搬装置制御部13と共に、収納物品1,2,3が取り出し口109から排出されることを制御することができる。
【0104】
また、収納物品1,2,3を運搬するための運搬装置110が、出入口107及び取り出し口109の近傍に配置されているので、収納物品1,2,3を低天井収納室101に収納する際も、収納物品1,2,3を低天井収納室101から取り出す際も持ち運びしやすい。そのため、低天井収納室101に収納された収納物品1,2,3を効率良く管理することに貢献できる。
【0105】
また、取り出し口109が形成された壁108は、屋外空間に面して配置されている外壁108であることから、この外壁108に形成された取り出し口109は、屋外空間に面して配置されることとなる。これにより、収納物品1,2,3を、屋外空間から取り出しやすくなる。
【0106】
また、特定階は1階であり、低天井収納室101は1階に設けられているので、屋外空間から収納物品1,2,3を取り出す際に、収納物品1,2,3を安全に取り出すことができる。
【0107】
また、近年、SDGs(Sustainable Development Goals)の目標達成が求められており、建築業界においても様々な取り組みが進められている。本実施形態の収納物品管理装置10は、低天井収納室101に収納される収納物品1,2,3を効率良く管理できるようになるので、低天井収納室101を備えた住宅である建物100の快適性向上に貢献できる。さらに、屋外空間に面して配置されている取り出し口109の開閉扉109aを開閉扉制御部15によって管理できて防犯性の向上にも貢献している。このことから、本実施形態の収納物品管理装置10は、住み続けられる街づくりに貢献でき、SDGsの目標達成に貢献できることとなる(目標11)。
【0108】
〔変形例〕
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。以下、変形例について説明する。以下に挙げる変形例は可能な限り組み合わせてもよい。また、以下の各変形例において、上述の実施形態と共通する要素については、共通の符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
【0109】
〔変形例1〕
図5は、低天井収納室201を備えた第二建物200の一部を示す平断面図である。第二建物200は複数階建てであり、低天井収納室101が設けられた階(特定階)は、例えば1階よりも上に位置する階であるものとする。本変形例においては2階とするが、これに限られるものではなく、1階でもよい。
【0110】
低天井収納室201は、二階床202と、この二階床202の一部の上に設けられた中間床(図示省略)との間に設けられた天井高0.8m~1.4mの空間を指している。本変形例においては、低天井収納室201の天井高は1.4mとされている。
低天井収納室201は、第一部屋204と第二部屋205に隣接して配置されている。より詳細には、第一部屋204と第二部屋205との間に挟まれた位置に、低天井収納室201が配置されている。
また、低天井収納室201の上には、中間床を床とする中間部屋(図示省略)が設けられている。
【0111】
第一部屋204と、低天井収納室201及び中間部屋は、第一壁206によって仕切られている。第一壁206には、低天井収納室201と第一部屋204との間を行き来するための第一開口部207が形成されており、第一開口部207は、開閉扉207aによって開閉される。なお、開閉扉207aの開閉方式は、特に限定されるものではないが、本変形例においては、引き分け式の2枚の引戸が採用されている。
【0112】
第二部屋205と、低天井収納室201及び中間部屋は、第二壁208によって仕切られている。第二壁208には、低天井収納室201と第二部屋205との間を行き来するための第二開口部209が形成されており、第二開口部209は、開閉扉209aによって開閉される。なお、開閉扉209aの開閉方式は、特に限定されるものではないが、本変形例においては、引き分け式の2枚の引戸が採用されている。
【0113】
本変形例に採用されている開閉扉207a,209aのうち、少なくとも第二部屋205側に面している開閉扉209aは、戸本体を、引戸レールに沿って移動させる駆動装置と、駆動装置の動作を制御する駆動制御部と、を備えている。
そして、駆動制御部は、通信ネットワークを介して収納物品管理装置10と通信可能に接続されており、収納物品管理装置10からの制御信号を受け付けて、駆動装置の動作を制御可能に設定されている。駆動装置は、図示しない電力供給部から電力供給を受けている。より詳細には、開閉扉209aの駆動制御部は、収納物品管理装置10の開閉扉制御部15によって制御される。
【0114】
低天井収納室201の床には、運搬装置(図示省略)が設置されている。本変形例の運搬装置はベルトコンベヤーが採用されており、第一開口部207から第二開口部209に向かって配置されている。すなわち、ベルトコンベヤーは、第一開口部207及び第二開口部209の近傍に配置されている。
ベルトコンベヤーは、駆動部と、収納物品が載せられるベルトと、ベルトが巻き回されて、駆動部の動力をベルトに伝える複数のプーリーと、複数のプーリーを回転自在に支持する支持フレームと、駆動部の動作を制御する駆動制御部と、を備えている。
そして、駆動制御部は、通信線110aを介して収納物品管理装置10と通信可能に接続されており、収納物品管理装置10からの制御信号を受け付けて、駆動部の動作を制御可能に設定されている。駆動部は、図示しない電力供給部から電力供給を受けている。より詳細には、ベルトコンベヤーの駆動制御部は、収納物品管理装置10の運搬装置制御部13によって制御される。
【0115】
低天井収納室201に収納される収納物品は、本変形例においては、収納ユニット2とされており、収納ユニット2は、ベルトコンベヤーの上に載せられた状態で、低天井収納室201に収納されている。そのため、居住者は、低天井収納室201の奥まで入って行かなくても、収納ユニット2を低天井収納室201の奥まで運搬することができる。
【0116】
また、ベルトコンベヤーは、第一開口部207から第二開口部209に向かう方向に収納ユニット2を運搬可能となっている。ただし、これに限られるものではなく、反対方向にも収納ユニット2を運搬可能となっている。そのため、第一部屋204から低天井収納室201内に収納した収納ユニット2を、第一部屋204側に運搬し、第一開口部207から第一部屋204側に取り出すことも可能となっている。
【0117】
本実施形態のベルトコンベヤーは、低天井収納室201内に居住者が立ち入るスペースが確保された状態で配置されている。そのため、居住者は、隣接する第一部屋204で収納ユニット2への収納物品の出し入れ作業を行うことができるとともに、低天井収納室201内でも、同様の作業を行うことができる。
一方、ベルトコンベヤーの第二開口部209側の端部は、第二開口部209のなるべく近傍に配置されていることが望ましい。これにより、第二部屋205側から収納ユニット2を取り出す際に、わざわざ低天井収納室201内に入る必要がないので、収納ユニット2を取り出しやすい。
【0118】
低天井収納室201に対し、新規に収納ユニット2を収納する場合は、収納ユニット2内に物品(例えば衣類)を収納し、収納し終えたら、RFIDタグ5をリーダライター20によって読み取らせるようにしながら、収納ユニット2を低天井収納室201に収納する。その際、収納ユニット2は、ベルトコンベヤーの上に載せられた状態で低天井収納室201に収納する。RFIDタグ5をリーダライター20によって読み取らせると、タグ情報取得部11が収納ユニット2の識別情報を取得し、取得した識別情報は、識別情報管理データベース16aに記憶される。同じタイミングで、日付監視部14による日付情報の監視もすぐさま開始される。すなわち、収納ユニット2が低天井収納室201に収納された日付情報である第一日付情報が、識別情報と紐づけられた状態で日付情報管理データベース16bに記憶される。そして、複数の収納ユニット2の収納作業は、順繰りに行われて、収納物品である収納ユニット2の収納作業が完了する。
【0119】
低天井収納室201に収納された収納ユニット2を取り出す際は、ユーザー自身が収納ユニット2を持ち出して取り出すか、ベルトコンベヤーによって第一開口部207側に収納ユニット2を運搬するか、ベルトコンベヤーによって第二開口部209側に収納ユニット2を運搬するか、いずれかの方法が採られる。
ベルトコンベヤーによって第二開口部209側に収納ユニット2を運搬する場合は、開閉扉制御部15によって第二開口部209の開閉扉209aを制御することで、第二開口部209を開放し、その状態のまま、運搬装置制御部13によってベルトコンベヤーを制御することで収納ユニット2を移動させると、収納ユニット2を第二開口部209から排出することができる。ユーザーが第二開口部209の前(第二部屋205)で待機しておけば、第二開口部209から排出された収納ユニット2を受けることができる。もしくは、第二部屋205を、低天井収納室201から排出された収納ユニット2を一時的に保管する仮置き場として使用してもよい。
以上のようにして収納ユニット2の取り出しが行われる。
一定期間使用履歴のない収納ユニット2における識別情報の送信先は、外部のサービス管理サーバー50又はモニター30,40とされている。
【0120】
本変形例によれば、運搬装置の流れを利用し、第一開口部207から収納物品1,2,3を収納し、第二開口部209から収納物品1,2,3を取り出す収納の流れを作り出すことで、第二開口部209を収納物品1,2,3の取り出し口として機能させることができる。そして、低天井収納室201と、この低天井収納室201よりも天井高が高く設定された第二部屋205と、が隣接して配置されており、第二壁208は、第二部屋205に面して配置されているので、第二壁208に形成された取り出し口である第二開口部209は、第二部屋205に面して配置されることとなる。これにより、収納物品1,2,3を、第二部屋205から取り出しやすくなる。
【0121】
〔変形例2〕
図6は、低天井収納室301を備えた第三建物300の一部を示す平断面図である。本変形例の低天井収納室301は、第三建物300における特定階の床302と、この特定階の床302の一部の上に設けられた中間床(図示省略)との間に設けられた天井高0.8m~1.4mの空間を指している。本変形例においては、低天井収納室301の天井高は1.4mとされている。
低天井収納室301は、通常の天井高に設定された第一部屋304に隣接して配置されており、低天井収納室301の上には、図示はしないが、中間床を床とする中間部屋が設けられている。
【0122】
第一部屋304と、低天井収納室301及び中間部屋は、第一壁306によって仕切られている。第一壁306には、低天井収納室301と第一部屋304との間を行き来するための出入口である第一開口部307が形成されており、第一開口部307は、開閉扉307aによって開閉される。なお、開閉扉307aの開閉方式は、特に限定されるものではないが、本実施形態においては引戸(引き込み戸)が採用されている。
【0123】
そして、本変形例の運搬装置は、低天井収納室301の天井に設置される物干し装置350とされている。
物干し装置350は、電気を動力源とした電動物干し装置であり、
図7に示すように、衣類を干すハンガー1aなどの物干し用器具が吊り下げられる吊り下げ部351と、低天井収納室301の天井に取り付けられて吊り下げ部351を支持する支持部352と、駆動部353と、を備える。
【0124】
吊り下げ部351は、複数のレール351aと、複数のハンガーランナー351bと、複数のレールジョイント351cと、を備えている。
複数のレール351aは、複数のハンガーランナー351bの移動経路を構成するものであり、支持部352によって天井に取り付けられ、かつ、低天井収納室301内に満遍なく配置されている。なお、
図7に示す例においては、レール351aの端部に、複数のハンガーランナー351bの移動を規制するとともに、駆動部353が装着される被装着部となるエンド部354が設けられているが、本変形例においては、このエンド部354が排除されており、複数のレール351aがレールジョイント351cで接続されることで無端状に一体的に形成されている。レールジョイント351cとは、レール351aの長さが足りず、レール351aを継ぎ足す場合に用いられるものであり、複数のハンガーランナー351bの走行を妨げない状態で、一方のレール351aと他方のレール351aとを接続できる。なお、駆動部353は、ハンガー1aなどの物干し用器具の移動を阻害しない状態で配線されて、低天井収納室301内の壁面に取り付けられている。
本変形例における複数のレール351aは、180度の方向転換を可能とする曲折部が7か所、90度の方向転換を可能とする曲折部が2か所ある状態となっていて、これにより、低天井収納室301内に満遍なく配置されている。
複数のハンガーランナー351bは、ハンガーや物干し器具等が引っ掛けられ、一体化された複数のレール351aの長さ方向に沿って移動するものである。なお、これら複数のハンガーランナー351bは、駆動部353によってレール351aに沿って走行駆動する。
【0125】
支持部352は、レール351aの上端部に、レール351aの長さ方向両側に係合するように装着されている。また、支持部352は、レール351aの長さ方向に間隔を空けて複数設けられている。
この支持部352は、レール351aの両側面よりも側方に突出する部位352aを備えており、当該突出する部位352aがビス等の取付具により天井に取り付けられることで、物干し装置350全体を天井に取り付けることができるようになっている。
【0126】
駆動部353は、電気を駆動源とし、複数のハンガーランナー351bの走行を制御することが可能となっている。より具体的には、複数のハンガーランナー351bを、一体化された複数のレール351aに沿って走行させることができる。
そして、この駆動部353は、図示しない駆動制御部が、収納物品管理装置10の運搬装置制御部13によって制御されることで動作するようになっており、収納物品管理装置10(モニター30,40)からの操作によって複数のハンガーランナー351bを移動できる構成となっている。
【0127】
本変形例においては、収納物品が衣類1とされており、ハンガー1aに掛けられて低天井収納室301に収納される。RFIDタグ5は、衣類1自体に付属していてもよいし、ハンガー1aに付属していてもよい。RFIDタグ5には、衣類1の識別情報が含まれており、衣類1が低天井収納室301に収納される際に、タグ情報取得部11が識別情報を取得したタイミングで、日付監視部14によって第一日付情報の監視が開始される。
【0128】
また、例えば複数のハンガーランナー351bは、ハンガー1aが引っ掛けられたことを検知する吊りセンサーを備えている。
そして、収納物品管理装置10は、その他の記憶領域16cに対し、どのハンガーランナー351bにハンガー1aが引っ掛けられて、かつ、そのハンガー1aに掛けられている衣類1の識別情報を紐づけて記憶する収納位置記憶手段(図示省略)を備えているものとする。
さらに、収納物品管理装置10は、
図6に示すような平面投影図をモニター30,40に表示し、その上で、ユーザーからの位置表示要求を受け付けて、平面投影図上に、該当する識別番号の衣類1が掛かっているハンガーランナー351bの位置を特定する平面投影表示手段(図示省略)を備えているものとする。位置の特定は、
図6中の符号1a-Aで示すように、例えば表示されるハンガー1aの色を他と異なるものにする、あるいは点滅させる、といった視覚的な効果を発揮するものが好ましい。
収納物品管理装置10が、このような収納位置記憶手段と平面投影表示手段を、機能部として備えていることで、低天井収納室301に収納されている衣類1の位置が一目で分かるようになるので、低天井収納室301に収納される衣類1を効率良く管理することができる。
【0129】
本変形例によれば、運搬装置である物干し装置350が、無端状に形成されたレール351aを備えているので、収納物品である衣類1が低天井収納室301の奥の方に収納されていても、物干し装置350を動作させることで衣類1を移動させることができる。そのため、衣類1を、使用頻度が落ちないように、低天井収納室301に収納することが可能となり、低天井収納室301に収納される衣類1を効率良く管理できることとなる。
【0130】
〔変形例3〕
図8は、低天井収納室401を備えた第四建物400の一部を示す平断面図である。本変形例の低天井収納室401は、第四建物400における特定階の床402と、この特定階の床402の一部の上に設けられた中間床(図示省略)との間に設けられた天井高0.8m~1.4mの空間を指している。本変形例においては、低天井収納室401の天井高は1.4mとされている。
低天井収納室401は、通常の天井高に設定された第一部屋404に隣接して配置されており、低天井収納室401の上には、図示はしないが、中間床を床とする中間部屋が設けられている。
【0131】
第一部屋404と、低天井収納室401及び中間部屋は、第一壁406によって仕切られている。第一壁406には、低天井収納室401と第一部屋404との間を行き来するための出入口である第一開口部407が形成されており、第一開口部407は、開閉扉407aによって開閉される。なお、開閉扉407aの開閉方式は、特に限定されるものではないが、本実施形態においては引戸(引き込み戸)が採用されている。
【0132】
そして、本変形例の運搬装置は、複数の移動台車450とされている。具体的には、8台の移動台車450が、低天井収納室401内の床402上に、走行可能な状態で設けられている。
8台の移動台車450は、「8パズル」等と呼称されるスライドパズルのような並べ替え動作が可能となっている。そのため、移動台車450は、全て同一の縦横面積を有しているとともに、同一の高さに設定されており、駆動部によって駆動する車輪を備えて構成されている。
駆動部は、電気を駆動源とし、移動台車450の走行移動を制御することが可能となっている。より具体的には、車輪の駆動部を動作させて移動台車450を移動させるとともに、車輪の向きを変更して移動台車450の進む方向を制御できるようになっている。
これら8台の移動台車450は、収納物品管理装置10(モニター30,40)からの操作によって連動して移動できるように設定されている。
【0133】
本変形例においては、収納物品が収納ユニット2とされており、移動台車450に載せられた状態で低天井収納室401に収納される。RFIDタグ5は、収納ユニット2自体に付属していてもよいし、収納ユニット2の内容物に付属していてもよい。RFIDタグ5には、収納ユニット2又は内容物の識別情報が含まれており、収納ユニット2が低天井収納室401に収納される際に、タグ情報取得部11が識別情報を取得したタイミングで、日付監視部14によって第一日付情報の監視が開始される。
【0134】
本変形例によれば、8台の移動台車450に載せられた収納ユニット2が、収納物品管理装置10(モニター30,40)からの操作によって連動して移動し、ユーザーからの要求を受け付けて、指定された収納ユニット2を、第一開口部407まで自動的に移動できるようになっている。そのため、収納ユニット2の内容物を、使用頻度が落ちないように、低天井収納室401に収納することが可能となり、低天井収納室401に収納される収納ユニット2を効率良く管理できることとなる。
【0135】
〔変形例4〕
図9は、低天井収納室501を備えた第五建物500の一部を示す平断面図である。本変形例の低天井収納室501は、第五建物500における特定階の床502と、この特定階の床502の一部の上に設けられた中間床(図示省略)との間に設けられた天井高0.8m~1.4mの空間を指している。本変形例においては、低天井収納室501の天井高は1.4mとされている。
低天井収納室501は、第一部屋504と第二部屋505に隣接して配置されている。より詳細には、第一部屋504と第二部屋505との間に挟まれた位置に、低天井収納室501が配置されている。
また、低天井収納室501の上には、中間床を床とする中間部屋(図示省略)が設けられている。
【0136】
第一部屋504と、低天井収納室501及び中間部屋は、第一壁506によって仕切られている。第一壁506には、低天井収納室501と第一部屋504との間を行き来するための第一開口部507が形成されており、第一開口部507は、開閉扉によって開閉されてもよい。
【0137】
第二部屋505と、低天井収納室501及び中間部屋は、第二壁508によって仕切られている。第二壁508には、低天井収納室501と第二部屋505との間を行き来するための第二開口部509が形成されており、第二開口部509は、開閉扉によって開閉されてもよい。
【0138】
低天井収納室501の床には、運搬装置510が設置されている。本変形例の運搬装置510はベルトコンベヤーシステムが採用されており、低天井収納室501内を周回可能に配置されている。すなわち、本変形例の運搬装置510であるベルトコンベヤーシステムは、直線部用のコンベヤーと、低天井収納室501の四隅で収納ユニット2の移動方向を90度変更可能なコーナー部用コンベヤーを備えている。
ベルトコンベヤーシステムにおける各部のコンベヤーは、駆動部と、収納物品が載せられるベルトと、ベルトが巻き回されて、駆動部の動力をベルトに伝える複数のプーリーと、複数のプーリーを回転自在に支持する支持フレームと、駆動部の動作を制御する駆動制御部と、を備えている。
そして、駆動制御部は、通信線110aを介して収納物品管理装置10と通信可能に接続されており、収納物品管理装置10からの制御信号を受け付けて、駆動部の動作を制御可能に設定されている。駆動部は、図示しない電力供給部から電力供給を受けている。より詳細には、各部のベルトコンベヤーの駆動制御部は、収納物品管理装置10の運搬装置制御部13によって制御される。
また、ベルトコンベヤーシステムの中央には、当該ベルトコンベヤーシステムのコアである機械部511が配置されている。
【0139】
低天井収納室501に収納される収納物品は、本変形例においては、収納ユニット2とされており、収納ユニット2は、運搬装置510の上に載せられた状態で、低天井収納室501に収納されている。そのため、居住者は、低天井収納室501の奥まで入って行かなくても、収納ユニット2を低天井収納室501の奥まで運搬することができる。
【0140】
また、運搬装置510は、低天井収納室501内を周回する形で収納ユニット2を運搬可能となっている。そのため、第一部屋504から低天井収納室501内に収納した収納ユニット2を、第二部屋505側に運搬して第二開口部509から第二部屋505に取り出すこともできるし、第一部屋504側に運搬し、再び、第一開口部507から第一部屋504側に取り出すことも可能となっている。
【0141】
本変形例によれば、運搬装置510であるベルトコンベヤーシステムが、低天井収納室501内を周回可能に構成されているので、収納物品である収納ユニット2が低天井収納室501の奥の方に収納されていても、運搬装置510を動作させることで収納ユニット2を移動させることができる。そのため、収納ユニット2の内容物を、使用頻度が落ちないように、低天井収納室501に収納することが可能となり、低天井収納室501に収納される収納ユニット2の内容物を効率良く管理できることとなる。
【0142】
〔変形例5〕
図10は、低天井収納室601を備えた第六建物600の一部を示す平断面図である。本変形例の低天井収納室601は、第六建物600における特定階の床602と、この特定階の床602の一部の上に設けられた中間床(図示省略)との間に設けられた天井高0.8m~1.4mの空間を指している。本変形例においては、低天井収納室601の天井高は1.4mとされている。
低天井収納室601は、通常の天井高に設定された第一部屋604に隣接して配置されており、低天井収納室601の上には、図示はしないが、中間床を床とする中間部屋が設けられている。
【0143】
第一部屋604と、低天井収納室601及び中間部屋は、第一壁606によって仕切られている。第一壁606には、低天井収納室601と第一部屋604との間を行き来するための出入口である第一開口部607が形成されており、第一開口部607は、開閉扉607aによって開閉される。なお、開閉扉607aの開閉方式は、特に限定されるものではないが、引き分け式の2枚の引戸が採用されている。
【0144】
低天井収納室601の床には、運搬装置610が設置されている。本変形例の運搬装置610はベルトコンベヤーシステムが採用されており、低天井収納室601内に満遍なく配置されている。すなわち、本変形例の運搬装置610であるベルトコンベヤーシステムは、直線部用のコンベヤーと、180度の方向転換を可能とする曲折部用のコンベヤーが3か所、90度の方向転換を可能とする曲折部用のコンベヤーが2か所ある状態となっていて、これにより、低天井収納室601内に満遍なく配置されている。
ベルトコンベヤーシステムにおける各部のコンベヤーは、駆動部と、収納物品が載せられるベルトと、ベルトが巻き回されて、駆動部の動力をベルトに伝える複数のプーリーと、複数のプーリーを回転自在に支持する支持フレームと、駆動部の動作を制御する駆動制御部と、を備えている。
そして、駆動制御部は、通信線110aを介して収納物品管理装置10と通信可能に接続されており、収納物品管理装置10からの制御信号を受け付けて、駆動部の動作を制御可能に設定されている。駆動部は、図示しない電力供給部から電力供給を受けている。より詳細には、各部のベルトコンベヤーの駆動制御部は、収納物品管理装置10の運搬装置制御部13によって制御される。
【0145】
低天井収納室501に収納される収納物品は、本変形例においては、収納ユニット2とされており、収納ユニット2は、運搬装置610の上に載せられた状態で、低天井収納室601に収納されている。そのため、居住者は、低天井収納室601の奥まで入って行かなくても、収納ユニット2を低天井収納室601の奥まで運搬することができる。
【0146】
また、運搬装置610は、低天井収納室601内に満遍なく収納ユニット2を運搬可能となっている。そのため、第一部屋604から低天井収納室601内の奥の方に収納した収納ユニット2を、第一部屋604側に運搬し、再び、第一開口部607から第一部屋604側に取り出すことも可能となっている。
【0147】
本変形例によれば、運搬装置610であるベルトコンベヤーシステムが、低天井収納室601内に満遍なく配置されるように構成されているので、収納物品である収納ユニット2が低天井収納室601の奥の方に収納されていても、運搬装置610を動作させることで収納ユニット2を移動させることができる。そのため、収納ユニット2の内容物を、使用頻度が落ちないように、低天井収納室601に収納することが可能となり、低天井収納室601に収納される収納ユニット2の内容物を効率良く管理できることとなる。
【0148】
〔変形例6〕
図11は、低天井収納室701を備えた第七建物700の一部を示す平断面図である。本変形例の低天井収納室701は、第七建物700における一階の床702と、この一階の床702の一部の上に設けられた中間床(図示省略)との間に設けられた天井高0.8m~1.4mの空間を指している。本変形例においては、低天井収納室701の天井高は1.4mとされている。
低天井収納室701は、通常の天井高に設定された第一部屋704に隣接して配置されており、低天井収納室701の上には、図示はしないが、中間床を床とする中間部屋が設けられている。
【0149】
本変形例の第一部屋704は、ダイニングルームとキッチンの機能を一室に併存させた居室とされており、この居室である第一部屋704には、コンロ付き流し台一体型テーブル704aが設置されている。
【0150】
本変形例の低天井収納室701は、複数の仕切壁705a,705b,705c,705dによって三つの領域に仕切られている。
複数の仕切壁のうち第一仕切壁705aは、建物700の北側の設けられた外壁と一体形成された外壁とされている。
第二仕切壁705b、第三仕切壁705c、第四仕切壁705dは、平面視において第一仕切壁705aと平行に配置されているとともに、互いに等間隔に配置されている。
低天井収納室701は、これら複数の仕切壁705a,705b,705c,705dによって、第一低天井収納室701aと、第二低天井収納室701bと、第三低天井収納室701cと、を備えている。
【0151】
第一部屋704と、低天井収納室701(701a,701b,701c)及び中間部屋は、内壁である第一壁706によって仕切られている。
さらに、低天井収納室701(701a,701b,701c)及び中間部屋は、外壁である第二壁708によって屋外空間と隔てられている。
屋内側の第一壁706には、低天井収納室701(701a,701b,701c)と第一部屋704との間を行き来するための出入口である複数の屋内側開口部707a,707b,707cが形成されている。
屋外側の第二壁708には、低天井収納室701(701a,701b,701c)と屋外空間とを連通する複数の屋外側開口部709a,709b,709cが形成されている。
【0152】
複数の屋内側開口部707a,707b,707cには、第一低天井収納室701aと第一部屋704との間を行き来するための第一屋内側開口部707aと、第二低天井収納室701bと第一部屋704との間を行き来するための第二屋内側開口部707bと、第三低天井収納室701cと第一部屋704との間を行き来するための第三屋内側開口部707cと、が含まれている。
そして、第一屋内側開口部707aは、開閉扉707D1によって開閉され、第二屋内側開口部707bは、開閉扉707D2によって開閉され、第三屋内側開口部707cは、開閉扉707D3によって開閉される。
これら開閉扉707D1,707D2,707D3の開閉方式は、特に限定されるものではないが、本変形例においては片側2枚の4枚折戸が採用されている。
【0153】
複数の屋外側開口部709a,709b,709cには、第一低天井収納室701aと屋外空間とを連通する第一屋外側開口部709aと、第二低天井収納室701bと屋外空間とを連通する第二屋外側開口部709bと、第三低天井収納室701cと屋外空間とを連通する第三屋外側開口部709cと、が含まれている。
そして、第一屋外側開口部709aは、開閉扉709S1によって開閉され、第二屋外側開口部709bは、開閉扉709S2によって開閉され、第三屋外側開口部709cは、開閉扉709S3によって開閉される。
これら開閉扉709S1,709S2,709S3としては、特に限定されるものではないが、本変形例においては電動シャッター装置が採用されている。電動シャッター装置である開閉扉709S1,709S2,709S3は、開閉扉制御部15によって制御可能に構成されている。
【0154】
以上のように構成された第七建物700に対し、本変形例においては、自律移動式のサービスモジュール710がビルトインできる構成となっている。
サービスモジュール710は、複数の車輪と、複数の車輪を回転させてサービスモジュール710を走行移動させるための駆動部と、サービスモジュール710の進行方向を制御するためのステアリング制御部と、ブレーキを制御するブレーキ制御部と、各種センサーと、前照灯等の照明装置と、外部装置(収納物品管理装置10、サービスモジュール710の提供元のサーバー)との通信を行うための通信モジュールと、これらを統括する制御ユニットと、を少なくとも備えて、公道を自律移動可能に構成されている。なお、駆動部は電気を駆動源としており、蓄電池を備えている。
また、サービスモジュール710は、一階の床702よりも高い位置であって、かつ車体の前端部又は後端部に設けられたハッチ710aを備えている。
【0155】
サービスモジュール710は、第一低天井収納室701aと、第二低天井収納室701bと、第三低天井収納室701cのそれぞれにビルトイン可能となっている。
すなわち、収納物品管理装置10は、サービスモジュール710との間で通信ネットワークを介して通信を行い、サービスモジュール710が第七建物700に近づいたら、開閉扉制御部15によって屋外側の開閉扉709S1(709S2,709S3)を制御して、屋外側開口部707a(707b,707c)を開放する。
サービスモジュール710は、屋外側開口部707a(707b,707c)が開放されたことを検知したら、低天井収納室701a(701b,701c)内に進入し、低天井収納室701a(701b,701c)内に張り出した床702に接触しない位置で停止する。
収納物品管理装置10は、サービスモジュール710が低天井収納室701a(701b,701c)内に入って停止したら、屋外側の開閉扉709S1(709S2,709S3)を制御して、屋外側開口部707a(707b,707c)を閉塞する。
ユーザーは、第一部屋704から、開閉扉707D1(707D2,707D3)を開けて、屋内側開口部707a(707b,707c)を開放し、第一部屋704側に、サービスモジュール710を露出させる。
サービスモジュール710を使用する際は、ハッチ710aを開けて、サービスモジュール710の内部又は内容物を使用する。
なお、ハッチ710aは、本変形例においては観音開き式とされており、全開放しても第一部屋704に突出しにくいため好ましい。また、屋内側の開閉扉707D1(707D2,707D3)も折戸であり、突出寸法が抑えられるため好ましい。
【0156】
収納物品管理装置10は、サービスモジュール710を第七建物700に派遣する提供元のサーバー(例えばサービス管理サーバー50)と、通信ネットワークを介して通信可能に接続されている。提供元のサーバーは、例えばユーザーに対して、特定のサービスを提供するための事業者又は当該事業者に委託されている業者が管理しており、特定のサービスに関する情報が収納物品管理装置10に対して配信されている。なお、本変形例において、ユーザーは、事業者から特定のサービスを受けることを前提としている。
【0157】
特定のサービスとしては、例えば食料品の配送サービス、冷蔵・冷凍スペース拡張サービス、宅配クリーニングサービス、ゴミ回収サービス、フリマアプリ向け物品回収サービス等、様々なサービスが挙げられる。
食料品の配送サービスは、例えば比較的保存の利く食料品をメインとした配送サービスである。
冷蔵・冷凍スペース拡張サービスは、例えば一時的に冷蔵スペース、冷凍スペースを拡張したいという要望に応えるためのサービスである。
宅配クリーニングサービスは、クリーニングに出したい衣類をサービスモジュール710に収納し、クリーニングに出していた衣類が別のサービスモジュール710で戻ってくるように循環するサービスである。
ゴミ回収サービスは、第七建物700から排出される全てのゴミをサービスモジュール710で回収し、空のゴミ回収用サービスモジュール710を第七建物700に戻すサービスである。
フリマアプリ向け物品回収サービスは、フリマアプリに出品される物品を収納し、所定のタイミングで出品代行業者に発送するサービスである。
【0158】
いずれのサービスの場合も、サービスモジュール710に物品を収納する場合は、その物品に付属しているRFIDタグ5の識別情報をリーダライター20によって読み取り、さらに、日付監視部14によって第一日付情報の監視を行うようにする。第一日付情報の監視結果に基づいて、サービスモジュール710が各低天井収納室701a,701b,701cから出発するタイミングが決められ、その情報が通信ネットワークを介して、サービスの提供元のサーバーに送信されることで、新しいサービスモジュール710の到着も同じタイミングで行うことが可能となる。
また、食料品の配送サービスでは、配送されてきた食料品のRFIDタグ5に既に第二日付情報が付加されており、第七建物700に到着した時に、リーダライター20によって第二日付情報を読み取ることができるような構成となっている。
【0159】
本変形例によれば、サービスモジュール710が各低天井収納室701,701b,701cにビルトインできることで、様々な外部サービスを第七建物700に導入できるので、各低天井収納室701,701b,701cの活用度を高めることができる。これにより、各低天井収納室701,701b,701cは、単なる収納スペースとしての役割だけでなく、第七建物700及び居住者と外部サービスとを繋げるハブとしての役割を担うことになり、第七建物700の居住快適性を向上させることに貢献できる。
【0160】
〔変形例7〕
図12は、棚付き引戸810によって低天井収納室801の出入口である第一開口部807を開閉する形態の一例を説明する正面図である。また、
図13は、棚付き引戸810によって低天井収納室801の出入口である第一開口部807を開閉する形態の一例を説明する平断面図である。
【0161】
本変形例の低天井収納室801は、第八建物800における特定階の床802と、この特定階の床802の一部の上に設けられた中間床(図示省略)との間に設けられた天井高0.8m~1.4mの空間を指している。本変形例においては、低天井収納室801の天井高は1.4mとされている。
低天井収納室801は、通常の天井高に設定された第一部屋804に隣接して配置されており、低天井収納室801の上には、図示はしないが、中間床を床とする中間部屋が設けられている。
【0162】
第一部屋804と、低天井収納室801及び中間部屋は、第一壁806によって仕切られている。第一壁806には、低天井収納室801と第一部屋804との間を行き来するための出入口である第一開口部807が形成されており、第一開口部807は、開閉扉810によって開閉される。この開閉扉810が、上記の棚付き引戸810とされている。
【0163】
棚付き引戸810は、収納棚として開放された箇所が第一部屋804に面して配置されている。そして、棚付き引戸810によって第一開口部807を閉塞している状態において、当該棚付き引戸810の第一部屋804側面は、第一壁806の第一部屋804側面と面一の状態となっている。
【0164】
また、棚付き引戸810は、第一壁806における第一開口部807の上縁部を構成する天面に取り付けられた引戸レール(図示省略)に沿って移動可能に構成されている。
引戸レールによる棚付き引戸810の移動の軌跡は、
図13に示すように、一旦、低天井収納室801内に棚付き引戸810を押し込んでから、横方向にスライド移動させるものとなっている。
【0165】
第一壁806には、棚付き引戸810を引き込む控え部分としての凹部806aが形成されており、棚付き引戸810を開けたときに、当該棚付き引戸810の前面部分が納まるようになっている。換言すれば、第一壁806は、凹部806aを有することによって、棚付き引戸810が納まる控え壁部分を有していることとなる。
【0166】
本変形例によれば、棚付き引戸810は、その前面部分に、収納棚として開放された箇所を有しているので、低天井収納室801内に収納されない他の物品を収納することができる。さらに、低天井収納室801と、この低天井収納室801に隣接する通常の天井高に設定された第一部屋804とを隔てる第一壁806には、棚付き引戸810を引き込むための凹部806aが形成されているので、棚付き引戸810を開けたときに、当該棚付き引戸810が低天井収納室801内に突き出す寸法を抑制できる。これにより、低天井収納室801内の収納スペースを有効活用できるので、低天井収納室401に収納される収納物品1,2,3を効率良く管理することに貢献できることとなる。
【0167】
なお、本変形例における棚付き引戸810及び第一壁806における凹部806aの構造は、上記の実施形態及び各変形例のうち屋内側に設けられる開閉扉及び第一壁の構造として適用可能となっている。すなわち、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記の実施形態及び各変形例のうち屋内側に設けられる開閉扉及び第一壁の構造を、本変形例における棚付き引戸810及び第一壁806における凹部806aの構造に変更してもよい。
【0168】
〔変形例8〕
上記の実施形態において運搬装置はベルトコンベヤー110が採用されていたが、上記の各変形例を含め、運搬装置は様々な形態を取ることができる。例えば、レールに沿って移動するキャリア型の運搬装置、床面を自走するロボット型の運搬装置、天井に設置されたレールに沿って移動するクレーン型の運搬装置などが挙げられる。キャリア型の運搬装置は、収納物品を載せるためのプラットフォームを備え、レールに沿って前後左右に移動することができる。ロボット型の運搬装置は、床面に設置されたセンサーを利用して自律的に移動し、収納物品を目的の位置まで運搬する。クレーン型の運搬装置は、天井に設置されたレールに沿って移動し、吊り下げられたフックやグリッパーを用いて収納物品を持ち上げて運搬する。これらの運搬装置は、収納物品の種類や配置に応じて適切に選択される。
【0169】
また、以上のような運搬装置の動作を制御する運搬装置制御部13としては、運搬装置の動作を制御するための具体的な制御方法やアルゴリズムを備えている。例えば、PID制御(比例・積分・微分制御、PID:Proportional-Integral-Differential)を用いた位置制御、フィードフォワード制御を用いた速度制御、機械学習アルゴリズムを用いた最適経路探索などが挙げられる。PID制御では、目標位置と現在位置の誤差を基に運搬装置の動作を調整する。フィードフォワード制御では、予め設定された速度プロファイルに基づいて運搬装置の速度を制御する。機械学習アルゴリズムでは、過去の運搬データを学習し、最適な経路をリアルタイムで計算する。これらの制御方法を組み合わせることで、運搬装置の動作を効率的かつ正確に制御することができる。
【0170】
〔変形例9〕
RFIDタグには、読み取り専用の「リードオンリー型」、一度だけデータの書き込みが可能な「ライトワンス型」、何度でもデータの書き込み・書き換えが可能な「リードライト型」の種類がある。ライトワンス型は、例えば工場で製造された製造物を特定の輸送先に輸送する場合などの用途で一度限り用いられるものであり、上記の実施形態においては、リードオンリー型又はリードライト型が用いられているものとする(好適には、リードライト型が用いられている)。ただし、ライトワンス型が用いられることを制限するものではない。
【0171】
本変形例のRFIDタグ5としては、リードライト型が用いられている。RFIDタグ5は、例えば商品の販売店舗から購入した時に付属していたRFIDタグをそのまま利用することが可能となっている。販売事業者によっては、リードライト型であっても、RFIDタグ5にパスワードをかけて、データの書き換えを防止している場合がある。
【0172】
そのような場合、本変形例においては、
図14に示すように、収納物品管理装置10のタグ情報取得部11によって、リーダライター20によって読み込んだRFIDタグ5の識別情報の中から、パスワードに係る情報を抽出することができる。すなわち、本変形例の収納物品管理装置10は、パスワード情報抽出手段(プログラム)を有しているものとする。さらに、収納物品管理装置10は、抽出したパスワードに係る情報を、タグ情報送信部12によって、販売事業者が管理する販売事業者サーバー60に送信することができる。
【0173】
販売事業者サーバー60からはパスワード解除に係る情報が送信される。収納物品管理装置10は、当該パスワード解除に係る情報を取得することができ、取得したパスワード解除に係る情報をリーダライター20に送信することができる。すなわち、収納物品管理装置10は、外部からパスワード解除に係る情報を取得する手段と、その情報をリーダライター20に送信する手段と、を有している。
【0174】
リーダライター20では、RFIDタグ5におけるデータの書き換えを行う際に、まず、取得したパスワード解除に係る情報によってRFIDタグ5のパスワードを解除する。つまり、パスワードを入力する。その上で、データの書き換えを行うようにする。
【0175】
本変形例によれば、商品の販売店舗から購入した時に付属していたRFIDタグをそのまま利用することが可能となるので、RFIDタグ5の調達・購入にかかる費用を軽減することができる。また、RFIDタグ5にパスワードがかかっている場合であっても、販売事業者サーバー60にアクセスしてパスワード解除に係る情報を取得し、リーダライター20に送信できるので、RFIDタグ5にかかっているパスワードを解除した上でRFIDタグ5のデータの書き換え行うことができる。そのため、パスワードがかかっているRFIDタグ5でも再利用することができて、RFIDタグ5の調達・購入にかかる費用を軽減することができる。
【0176】
〔変形例10〕
図15は、収納物品(例えば収納ユニット2)の収納時及び取り出しを、複数のリーダライター20a,20bによって検知する例を説明する図である。複数のリーダライター20a,20bは、第九建物900における低天井収納室901の出入口である第一開口部907に設けられている。
【0177】
本変形例の低天井収納室901は、第九建物900における特定階の床902と、この特定階の床902の一部の上に設けられた中間床(図示省略)との間に設けられた天井高0.8m~1.4mの空間を指している。本変形例においては、低天井収納室801の天井高は1.4mとされている。
低天井収納室801は、通常の天井高に設定された第一部屋904に隣接して配置されており、低天井収納室801の上には、図示はしないが、中間床を床とする中間部屋が設けられている。
【0178】
第一部屋904と、低天井収納室901及び中間部屋は、第一壁906によって仕切られている。第一壁906には、低天井収納室901と第一部屋904との間を行き来するための出入口である上記の第一開口部907が形成されている。
また、第一開口部907は、第一壁906における一方の開口側縁部から低天井収納室901内に突出する第一袖壁部906aと、他方の開口側縁部から低天井収納室901内に突出する第二袖壁部906bとの間に形成された状態となっている。すなわち、第一壁906の厚み分だけでなく、第一袖壁部906a及び第二袖壁部906bの奥行方向への長さ分長くなった、あたかも通路のような出入口となっている。ただし、これに限られるものではなく、袖壁部は、いずれか一方のみでもよい。
【0179】
複数のリーダライター20a,20bは、第一袖壁部906aと第二袖壁部906bのうち、いずれか一方の袖壁部(本変形例では第一袖壁部906a)の表面に取り付けられている。そして、平面視において、複数のリーダライター20a,20bのうち一つのリーダライター20a(以下、第一リーダライター20a)は第一部屋904側に配置されていて、他の一つのリーダライター20b(以下、第二リーダライター20b)は、第一リーダライター20aよりも低天井収納室901側に配置されている。
【0180】
第一リーダライター20aと第二リーダライター20bを、上記のように、第一部屋904側と低天井収納室901側に複数配置することで、収納ユニット2を、第一部屋904から低天井収納室901に収納するときには、まず、第一リーダライター20aが、収納ユニット2に付属したRFIDタグ5の識別情報を読み込んで、その後に、第二リーダライター20bがRFIDタグ5の識別情報を読み込むことになる。
一方、収納ユニット2を、低天井収納室901から第一部屋904に移動させる、すなわち、収納ユニット2を取り出すときには、まず、第二リーダライター20bが、収納ユニット2に付属したRFIDタグ5の識別情報を読み込んで、その後に、第一リーダライター20aがRFIDタグ5の識別情報を読み込むことになる。
要するに、複数のリーダライター20a,20bを、第一部屋904側と低天井収納室901側に複数配置することで、収納ユニット2の識別情報を読み込みながら、収納ユニット2の移動方向を把握することができる
【0181】
本変形例によれば、低天井収納室901に収納される収納物品を管理する上で効率が良くなる。さらに、出入口である第一開口部907において二重でRFIDタグ5の識別情報を読み込むため、RFIDタグ5の識別情報の取得漏れを防ぎやすくなる、という利点もある。
なお、複数のリーダライター20a,20bは、第一部屋904側と低天井収納室901側の二つだけでなく、高さ方向に間隔を空けて配置された他のリーダライターが設けられてもよい。また、第二袖壁部906bの、第一部屋904側端部と低天井収納室901側端部との間の中央部に、他のリーダライターが設けられてもよい。
【符号の説明】
【0182】
1 衣類
1a ハンガー
2 収納ユニット
2a 出し入れ口
2b 開閉蓋
2c 天面板部
3 食品
3a 包装袋
5 RFIDタグ
10 収納物品管理装置
11 タグ情報取得部
12 タグ情報送信部
13 運搬装置制御部
14 日付監視部
15 開閉扉制御部
16 記憶部
16a 識別情報管理データベース
16b 日付情報管理データベース
16c その他の記憶領域
20 リーダライター
30 第一モニター
40 第二モニター
50 外部サービス管理サーバー
100 第一建物
101 低天井収納室
102 一階床
103 中間床
104 一階部屋
105 中間部屋
106 壁
107 出入口
107a 開閉扉
108 外壁
109 取り出し口
109a 開閉扉
110 運搬装置
110a 通信線
【要約】
【課題】低天井収納室に収納される物品を効率良く管理できるようにする。
【解決手段】運搬装置110によって運搬可能な状態で低天井収納室101に収納されるとともに識別手段5が付属した収納物品1,2,3の管理を行うための収納物品管理装置10であって、収納物品が低天井収納室に収納される際に、識別手段に含まれている識別情報を取得する識別情報取得手段11と、運搬装置110の動作を制御する運搬装置制御手段13と、識別情報取得手段によって識別情報を取得した日付である第一日付情報を監視する日付監視手段14と、を備え、運搬装置制御手段は、日付監視手段による第一日付情報の監視結果に基づいて運搬装置の動作を制御し、収納物品1,2,3を運搬する。
【選択図】
図1