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特許7706282画像生成装置、画像生成装置の制御方法及び画像生成プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-03
(45)【発行日】2025-07-11
(54)【発明の名称】画像生成装置、画像生成装置の制御方法及び画像生成プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/00 20060101AFI20250704BHJP
   G01B 11/08 20060101ALI20250704BHJP
【FI】
G01B11/00 H
G01B11/08 H
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021114503
(22)【出願日】2021-07-09
(65)【公開番号】P2023010394
(43)【公開日】2023-01-20
【審査請求日】2024-05-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】北浦 竜二
(72)【発明者】
【氏名】徳井 圭
(72)【発明者】
【氏名】吉武 謙二
【審査官】梶田 真也
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-142938(JP,A)
【文献】国際公開第2017/122641(WO,A1)
【文献】特開2002-156212(JP,A)
【文献】特開2020-187065(JP,A)
【文献】特開2020-095009(JP,A)
【文献】特開2020-150405(JP,A)
【文献】特開2001-209827(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00-11/30
21/00-21/32
G01C 1/00-15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄筋が撮像された画像において、ユーザが指定した指定位置の入力を受け付ける入力部と、
前記画像における前記指定位置に基づいて、前記画像における、前記鉄筋に関する長さを示す指標の指標位置、及び、前記鉄筋を計測する計測位置を設定する設定部と、
前記指標位置及び前記計測位置に基づいて、前記指標、及び、前記計測位置を示す計測位置情報を重畳させた画像を生成する画像生成部と
を備え、
前記設定部は、
前記指標位置に基づいて、前記計測位置を設定すること、および前記計測位置に基づいて、前記指標位置を設定することのいずれか一方を行い、
前記指標位置に基づいて、前記計測位置を設定する場合に、前記指標位置が前記画像における所定位置より上側に設定されているとき、前記指標位置の下側に前記計測位置を設定し、前記指標位置が前記所定位置より下側に設定されているとき、前記指標位置の上側に前記計測位置を設定すること、および
前記計測位置に基づいて、前記指標位置を設定する場合に、前記計測位置が前記画像における所定位置より上側に設定されているとき、前記計測位置の上側に前記指標位置を設定し、前記計測位置が前記所定位置より下側に設定されているとき、前記計測位置の下側に前記指標位置を設定することのいずれか一方を行う
ことを特徴とする画像生成装置。
【請求項2】
鉄筋が撮像された画像において、ユーザが指定した指定位置の入力を受け付ける入力部と、
前記画像における前記指定位置に基づいて、前記画像における、前記鉄筋に関する長さを示す指標の指標位置、及び、前記鉄筋を計測する計測位置を設定する設定部と、
前記指標位置及び前記計測位置に基づいて、前記指標、及び、前記計測位置を示す計測位置情報を重畳させた画像を生成する画像生成部と
を備え、
前記設定部は、
前記指標位置に基づいて、前記計測位置を設定すること、および前記計測位置に基づいて、前記指標位置を設定することのいずれか一方を行い、
前記指標位置に基づいて、前記計測位置を設定する場合に、前記指標位置が前記画像における所定位置より左側に設定されているとき、前記指標位置の右側に前記計測位置を設定し、前記指標位置が前記所定位置より右側に設定されているとき、前記指標位置の左側に前記計測位置を設定すること、および
前記計測位置に基づいて、前記指標位置を設定する場合に、前記計測位置が前記画像における所定位置より左側に設定されているとき、前記計測位置の左側に前記指標位置を設定し、前記計測位置が前記所定位置より右側に設定されているとき、前記計測位置の右側に前記指標位置を設定することのいずれか一方を行う
ことを特徴とする画像生成装置。
【請求項3】
前記画像生成部は、前記計測位置に近い側に目盛りが設けられている前記指標を重畳させた画像を生成する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像生成装置。
【請求項4】
前記設定部は、前記鉄筋の層及び前記計測位置の少なくとも一方に基づいて、前記指標の大きさ及び当該指標の目盛りの間隔の少なくとも一方を決定する
ことを特徴とする請求項1からまでの何れか一項に記載の画像生成装置。
【請求項5】
請求項1~までの何れか一項に記載の画像生成装置としてコンピュータを機能させるための画像生成プログラムであって、前記入力部、前記設定部及び前記画像生成部としてコンピュータを機能させるための画像生成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、ステレオカメラで撮像した画像データから鉄筋の径と間隔を計測し、ユーザに計測値の指標を適切に表示した画像データを生成する画像生成装置、画像生成装置の制御方法及び画像生成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ステレオカメラ等の撮像部によって、鉄筋コンクリート造の建物等における縦方向と横方向とに配置(配筋)された複数の鉄筋の画像を取得し、鉄筋を計測する計測装置が従来技術として知られている。
【0003】
特許文献1に、複数の鉄筋が配筋された鉄筋を撮像した画像から鉄筋の径又は間隔等を計測し、計測された鉄筋の寸法を確認する指標を画像に重畳し、鉄筋を計測する計測装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020―91237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複数の鉄筋のうち傾斜したり、継手が存在したりするものがある場合は、その鉄筋を含んだ鉄筋の間隔が計測位置によって異なってしまう。従来の配筋検査では、鉄筋の径又は間隔等の大きさをわかりやすく提示するため、指標としてメジャーや検尺ロッドを実際の鉄筋の上に配置して、画像を撮像している。このとき、計測位置はユーザが計測するための指標を任意の位置に配置するため、計測する位置はユーザが意図した位置となる。
【0006】
しかしながら、計測対象が撮像された画像に、電子的に指標を重畳する場合に、従来技術のような装置においては、前述の鉄筋の傾斜等によって、ユーザが意図した計測位置において算出された鉄筋径又は鉄筋間隔の値と、指標位置にある鉄筋径又は鉄筋間隔について、ユーザが指標から読み取った値とが異なってしまい、ユーザが混乱する可能性が生じる。
【0007】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、計測対象が撮像された画像に、電子的に指標を重畳する場合において、指標位置及び計測位置をユーザが意図した通りに配置し、指標から適切な値を読み取り可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る画像生成装置は、鉄筋が撮像された画像において、ユーザが指定した指定位置の入力を受け付ける入力部と、前記画像における前記指定位置に基づいて、前記画像における、前記鉄筋に関する長さを示す指標の指標位置、及び、前記鉄筋を計測する計測位置を設定する設定部と、前記指標位置及び前記計測位置に基づいて、前記指標、及び、前記計測位置を示す計測位置情報を重畳させた画像を生成する画像生成部とを備える。
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る画像生成装置の制御方法は、画像生成装置が、鉄筋が撮像された画像において、ユーザが指定した指定位置の入力を受け付けることと、前記画像生成装置が、前記画像における前記指定位置に基づいて、前記画像における、前記鉄筋に関する長さを示す指標の指標位置、及び、前記鉄筋を計測する計測位置を設定することと、前記画像生成装置が、前記指標位置及び前記計測位置に基づいて、前記指標、及び、前記計測位置を示す計測位置情報を重畳させた画像を生成することとを含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、計測対象が撮像された画像に、電子的に指標を重畳する場合において、指標位置及び計測位置をユーザが意図した通りに配置し、指標から適切な値を読み取り可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態1に係る計測装置の構成を示す機能ブロック図である。
図2】入力部に入力される、鉄筋の画像の一例を示す図である。
図3】鉄筋が傾斜している場合における計測位置の設定を示す図である。
図4】鉄筋間に継手がある場合における計測位置の設定を示す図である。
図5】指標を配置した画像の一例である。
図6】指標を配置した画像の一例である。
図7】指標を配置した画像の一例である。
図8】指標を配置した画像の一例である。
図9】指標を配置した画像の一例である。
図10】指標の一例を説明するための図である。
図11】実施形態1に係る計測装置の制御方法の例を表すフローチャートである。
図12】計測位置、及び目盛りの位置の設定方法の例を示すフローチャートである。
図13】実施形態2に係る計測装置の構成を示す機能ブロック図である。
図14】実施形態2に係る計測装置の制御方法の例を表すフローチャートである。
図15】指標位置、及び目盛りの位置の設定方法の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る各実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。各図面は、本発明の原理に則った具体的な実施形態を示すに過ぎない。これらは本発明の理解のために用意されたに過ぎず、本発明を限定的に解釈させるためのものではない。また、各図面に図示される各要素は、本発明の理解を深めるために誇張して記載されているので、実際の各要素の間隔及び大きさとは異なる。
【0013】
以下の説明において、ある図面においてある要素に付された符号と同じ符号が他の図面内の同一の要素にも付されている場合、当該同一の要素の構成及び機能等は当該ある要素と同一であるため、当該同一の要素についての詳細な説明を省略する。
【0014】
〔実施形態1〕
本発明に係る実施形態について、図面に基づき以下に説明する。
【0015】
<計測装置100>
図1は、第1の実施形態に係る計測装置100の構成を示す機能ブロック図である。計測装置100は、鉄筋の画像を撮像し、撮像した画像に後述する指標等を重畳して表示する装置である。図1に示すように、計測装置100は、撮像部8及び画像生成装置1を備えている。
【0016】
[撮像部8]
撮像部8は、少なくとも静止画像を撮像可能なカメラであって、例えばステレオカメラとして実現される。撮像部8は、鉄筋の画像を撮像し、撮像した画像を、画像生成装置1の入力部2に供給する。
【0017】
[画像生成装置1]
図1に示すように、画像生成装置1は、入力部2、設定部3、画像生成部4、計測部5、記憶部6及び表示部7を備えている。
【0018】
本実施形態の画像生成装置1は、撮像部8で鉄筋が撮像された画像に対してユーザが指定した指定位置に基づいて、鉄筋に関する長さを示す指標、及び鉄筋を計測する計測位置を示す計測位置情報を重畳させた画像を生成する。また画像生成装置1は、タブレット等の携帯端末又はパソコン等として実現され得る。また、画像生成装置1は、鉄筋を有する建物とは遠隔地に設けられ、ネットワークを介して画像が入力される構成であってもよい。
【0019】
なお、上述の例では、画像生成装置1は撮像部8を備えていないが、本実施形態では、画像生成装置1は、撮像部8を備えていてもよい。
【0020】
(入力部2)
入力部2は、画像生成装置1に対する入力を受け付けるインターフェースである。入力部2は、撮像部8で1又は複数の鉄筋が撮像された画像の入力を受け付ける。また、入力部2は、ユーザが指定した指定位置の入力を受け付ける。本実施形態において、ユーザが指定する指定位置は、指標を示す画像の位置である指標位置に対応する。また、本開示においては、前記指標を示す画像を、単に「指標」と呼称することもある。
【0021】
入力部2による指定位置の入力は、例えば、マウスやタッチパネルを使用して、画像上の2点をユーザが指定し、2点を結ぶ直線や線分を指定位置とすることによって行われる。
【0022】
他の例としては、計測位置を示す線分や直線をオブジェクトとして画像上に重畳し、位置や角度を調整し、決定ボタン押下やダブルクリック等の決定動作で計測位置を入力する。計測位置の調整は、ユーザが指定した点や、直線や線分の端点を選択して移動したり、直線や線分を移動したり、直線や線分の移動量や回転角を入力したりすることで行う。
【0023】
図2は、入力部2に入力される、鉄筋の画像の一例を示す図である。図2及び後述する図3等に示す画像に含まれる鉄筋の層は1層である。ここで、鉄筋の層とは、略同一平面上に位置する鉄筋の集合、又は前記鉄筋の集合を含む範囲を意味する。換言すれば、図2等の画像に含まれる鉄筋は、略同一平面上に位置している。なお、鉄筋の層は、一定範囲の厚みを有するものであってもよい。
【0024】
図2の画像においては、縦鉄筋10、縦鉄筋11、横鉄筋12、横鉄筋13、及び、横鉄筋14が配置されている。このとき、横鉄筋13と横鉄筋14は継手となっており、縦鉄筋10は、縦鉄筋11に対して左に傾斜している。画像生成装置1は、図2に例示する前記画像を、ディスプレイ等の外部の表示装置、又は自装置が有するディスプレイ等を用いてユーザに提示し、ユーザは入力部2を介して指定位置を入力する。
【0025】
入力部2は、ユーザが画像上で計測したい位置の座標を直接指定して入力する構成に限定されず、指標が表示されている場合においては、動かしたい指標又は計測位置情報を選択し、その指標等を移動させることで、計測位置を指定するようにしても構わない。また、入力部2がタッチパネルとして実現される場合、指標等をドラッグすることによって移動させることが可能であってもよい。このとき、新たに入力された計測位置に対して、上記で説明した処理と同様にして、間隔の計測値等を算出し、指標を表示する。なお、上述の移動中も、移動中の位置を計測位置として、間隔を算出し、指標等を計測結果画面に重畳しても構わない。また、当該構成においては、例えば指標の移動に伴い、指標に対する計測位置情報の相対的な位置が変更されるか固定されるかを、ユーザ操作によって切り替え可能であってもよい。
【0026】
このようにすることで、指標位置又は計測位置を直接指定する必要がなく、現実の検尺ロッド等の計測と同じように、より簡易に計測位置を変更することができ、好適である。
【0027】
なお、指標又は計測位置情報を移動させる場合、鉄筋位置情報を用いて、現在の指標の表示位置に最も近い場所の鉄筋の長手方向の位置に沿うように指標の移動位置を制限しても構わない。また、画像上の鉄筋のある位置を指定して、その付近を指標位置又は計測位置としても構わないし、計測対象の鉄筋群の消失点を求め、指標の長手方向を、消失点方向となるように調整しても構わない。このようにすることにより、鉄筋に対して角度をつけて撮像したような画像に対して計測位置を設定する作業が容易となり、好適である。なお、指標位置及び計測位置の入力方法は一例であり、他の方法でも構わない。
【0028】
(設定部3)
設定部3は、入力部2に入力された画像における指定位置に基づいて、前記画像における鉄筋に関する長さを示す指標の指標位置、及び、前記鉄筋を計測する計測位置を設定する。
【0029】
まず、設定部3は、指定位置に基づいて指標位置を設定する。例えば設定部3は、指標の外周の一部が、指定位置を示す直線や線分に重畳するように指標位置を設定する構成であってもよい。或いは設定部3は、指標の中心を通る直線が、指定位置を示す直線や線分に重畳するように指標位置を設定する構成であってもよい。また、例えば指定位置が点で示される構成において、設定部3は、前記の点が指標の所定の角に重畳するように指標位置を設定してもよい。これにより、計測対象が撮像された画像に、電子的に指標を重畳する場合において、指標位置及び計測位置をユーザが意図した通りに配置可能となる。
【0030】
次に、設定部3は、設定した指標位置に基づいて、計測位置を設定する。指標位置に基づいて計測位置が自動的に設定されることにより、ユーザが指標位置と計測位置とを個別に指定せずとも、指標位置及び計測位置をユーザが意図した通りに配置可能となる。また、例えば設定部3は、指標位置の目盛りに隣接する位置を計測位置として設定してもよい。
【0031】
計測位置の設定においては、計測する対象の鉄筋の方向をユーザが指定しても構わない。しかし、縦鉄筋と横鉄筋は略直交していることを考慮し、ユーザが指定した指定位置の方向に基づいて、自動で計測する対象の鉄筋の方向を決定すると、ユーザの作業量を減少させることができ好適である。
【0032】
図3は、鉄筋が傾斜している場合における計測位置の設定を示す図である。図3において、点15及び16と、点17及び18とは、ユーザが指定した指定位置の一例をそれぞれ示している。縦鉄筋10が左に傾斜しているため、縦鉄筋の間隔を計測すると、計測位置によって計測結果が異なる。例えば、点15と点16との鉄筋間隔と、点17と点18との鉄筋間隔は異なる。また、矢印35は、鉄筋径の一例を示している。
【0033】
また、図4は、鉄筋間に継手がある場合における鉄筋間隔の計測を示す図である。図4において、点19及び20と、点21及び22と、点23及び24とは、ユーザが指定した指定位置の一例をそれぞれ示している。横鉄筋13と横鉄筋14は継手となっているため、横鉄筋の間隔を計測すると、計測位置によって計測結果が異なる。例えば、継手を含まない位置の点19と点20との間隔と、継手を含む位置の点21と点22との間隔とは異なり、継手を含まない位置の点19と点20の間隔と、継手を含まない位置の点23と点24の間隔とは異なる。
【0034】
上述したように、計測対象となる鉄筋が同一であっても、鉄筋の位置によっては鉄筋に関する長さが異なる場合がある。指標及び計測位置情報が指定位置に基づく位置に重畳される本開示の構成によって、何れの個所における鉄筋に関する長さを計測対象とするかを、ユーザが容易に把握することができる。
【0035】
なお、図3及び図4では、鉄筋間隔を鉄筋の右端及び上端のエッジから計測する例を示したが、設定部3は、鉄筋の左端や下端のエッジにおいて計測位置を設定してもよいし、鉄筋の中心や計測処理で定める任意の鉄筋位置において計測位置を設定してもよい。
【0036】
また、設定部3は、指標位置が画像における所定位置より上側に設定されている場合、指標位置の下側に計測位置を設定してもよい。また、設定部3は、指標位置が前記所定位置より下側に設定されている場合、指標位置の上側に計測位置を設定してもよい。
【0037】
通常、鉄筋は、略等間隔で配置されており、正対した状態で鉄筋を撮像すると鉄筋間隔は略等間隔になり、傾いた状態で鉄筋を撮像すると、撮像部8から遠方である位置ほど鉄筋間隔が短くなる。
【0038】
したがって、計測対象の鉄筋を含む鉄筋を撮像する場合、通常、計測対象の鉄筋の鉄筋間隔等を正確に計測できるように、計測対象の鉄筋が画像の中心に配置されるように撮像することが多い。そのため、画像の中央に指標を配置すると、計測対象の鉄筋を塞いでしまう可能性がある。
【0039】
これに対し、上述のように設定部3が計測位置を設定することによって、指標が画像の上部又は下部に配置されやすくなり、計測対象の鉄筋が存在する可能性の高い画像中央が指標によって塞がれることを防いで、画像の視認性を向上させることができる。
【0040】
図5は、縦鉄筋に対する鉄筋間隔の計測において、指標を配置した画像の一例である。図5において、指標25は、指標の一例を示しており、計測位置情報27は、計測位置情報の一例を示している。ここで、設定部3は、指標25の指標位置、及び計測位置情報27の計測位置の設定を行っている。また、上述したように、点15及び点16は、ユーザが指定した指定位置の一例を示している。所定位置が画像中心であるものとすると、指標25の指標位置は、所定位置より上側に位置するため、設定部3は、計測位置情報27が配置される計測位置を、図5に例示するように指標位置の下側に設定する。また、図5及び後述する図6等において、設定部3は、指標値の目盛りに隣接する位置を計測位置として設定している。なお、指標の例、及び指標における目盛りの表示位置を変更する処理例については後述する。
【0041】
また、図6は、縦鉄筋に対する鉄筋間隔の計測において、指標を配置した画像の一例である。図6において、計測位置情報26は、計測位置情報の一例を示している。また、点36及び点37は、ユーザが指定した指定位置の一例を示している。ここで、設定部3は、指標25の指標位置、及び計測位置情報26の計測位置の設定を行っている。位置が画像中心であるものとすると、指標位置は、所定位置より下側に位置するため、設定部3は、計測位置情報26が配置される計測位置を、図6に例示するように指標位置の上側に設定する。
【0042】
また、設定部3は、指標位置が画像における所定位置より左側に設定されている場合、指標位置の右側に計測位置を設定してもよい。また、設定部3は、指標位置が前記所定位置より右側に設定されている場合、指標位置の左側に計測位置を設定してもよい。これにより、指標が画像の左側又は右側に配置されやすくなり、計測対象の鉄筋が存在する可能性の高い画像中央が、指標によって塞がれることを防いで、画像の視認性を向上させることができる。
【0043】
図7は、横鉄筋に対する鉄筋間隔の計測において、指標を配置した画像の一例である。図7において、計測位置情報29は、計測位置情報の一例を示している。ここで、設定部3は、指標25の指標位置、及び計測位置情報28の計測位置の設定を行っている。また、点38及び点39は、ユーザが指定した指定位置の一例を示している。所定位置が画像中心であるものとすると、指標位置は、所定位置より左側に位置するため、設定部3は、計測位置情報28が配置される計測位置を、図7に例示するように指標位置の右側に設定する。
【0044】
また、図8は、横鉄筋に対する鉄筋間隔の計測において、指標を配置した画像の一例である。図8において、計測位置情報29は、計測位置情報の一例を示している。ここで、設定部3は、指標25の指標位置、及び計測位置情報29の計測位置の設定を行っている。また、点40及び点41は、ユーザが指定した指定位置の一例を示している。所定位置が画像中心であるものとすると、指標位置は、所定位置より右側に位置するため、設定部3は、計測位置情報29が配置される計測位置を、図8に例示するように指標位置の左側に設定する。
【0045】
ここで、上述した所定位置は、画像における特定の位置に限定されず、例えば画像中央であってもよいし、入力部2を介してユーザが任意に設定可能な構成であってもよい。
【0046】
また、上述した所定位置は、鉄筋の方向ごとに設けられていてもよい。例えば、設定部3は、縦鉄筋に対して指標を配置する場合、第1の所定位置と指標位置とを比較し、横鉄筋に対して指標を配置する場合、第2の所定位置と指標位置とを比較する構成でもよい。これにより、鉄筋の方向ごとに好適な指標位置を設定することができる。また、前記の構成において、設定部3は、縦鉄筋に対して指標を配置する場合、指標位置が画像内における第1の所定位置より上側にあるとき、計測位置情報を指標位置の下側に配置し、かつ、目盛りが指標の下側となるようにする。また、設定部3は、指標位置が画像内における第1の所定位置より下側にあるとき、計測位置情報を指標位置の上側に配置し、かつ、目盛りが指標の上側となるようにする。
【0047】
また、前記の構成において、設定部3は、横鉄筋に対して指標を配置する場合、指標位置が画面内における第2の所定位置より左側にあるとき、計測位置情報を指標位置の右側に配置し、かつ、目盛りが指標の右側となるようにする。また、指標位置が画面内における第2の所定位置より右にあるときは、計測位置情報を指標位置の左側に配置し、かつ、目盛りが指標の左側となるようにする。
【0048】
また、画像中心領域においては、指標の向きを変更しても遮蔽領域の変化が少ない場合もあるため、中心から所定距離だけ離れた位置を所定位置としてもよい。これにより、画像中心領域と画像周辺領域とで指標位置について異なる制御を行うことができる。例えば、所定位置を画像中心からαだけ離れた上下の位置とすると、縦鉄筋に対する計測において、画像中心からαより上側に指標位置がある場合、設定部3が計測位置を指標の下側に配置し、画像生成部4が指標の目盛りを下側にして画像を生成する。
【0049】
一方、画像中心からαより下側に指標位置がある場合、設定部3が計測位置を指標の上側に配置し、画像生成部4が指標の目盛りを上側にして画像を生成する。
【0050】
また、画像中心から±α以内の領域では、指標位置から任意の方向で計測位置を配置することが可能である。例えば、ユーザが調整する中で、指標が画像中心から±αの外側の領域になったときに計測位置の方向を変更し、指標が画像中心から±αの内側の領域になったときに計測位置の方向を初期設定の所定方向から変更しない構成としてもよい。これにより、例えば指標位置が画像周辺領域である場合にのみ計測位置の方向を変更する制御が可能となる。
【0051】
上述した計測位置の設定方法によれば、鉄筋間隔等を計測する画面上の計測位置を指標位置に応じて調整することにより、指標位置と計測位置との関係をよりわかりやすく表示することができる。特に、鉄筋に傾斜や継手がある場合、計測位置と指標位置とが略一致するため、好適である。
【0052】
なお、設定部3は、鉄筋の層及び計測位置の少なくとも一方に基づいて、指標の大きさ及び当該指標の目盛りの間隔の少なくとも一方を決定してもよい。これにより、指標が何れの鉄筋に対応するかを把握しやすくなるため、指標から適切な値を読み取ることが可能となる。
【0053】
図9は、縦鉄筋の長さの計測において、指標を配置した画像の一例である。図9の例において、縦鉄筋10、縦鉄筋11、横鉄筋12、横鉄筋13及び横鉄筋14は、鉄筋の層における第1層に対応し、縦鉄筋31及び縦鉄筋32は、鉄筋の層における第2層に対応する。第1層に対応する鉄筋は、第1平面上に概ね位置し、第2層に対応する鉄筋は、第1平面よりも奥側に位置する第2平面上に概ね位置する。また、点42及び点43は、ユーザが指定した指定位置の一例を示している。
【0054】
また、計測位置情報33及び指標30は、縦鉄筋32の長さを示すものとして配置されている。ここで、設定部3は、指標30の指標位置、及び計測位置情報33の計測位置の設定を行っている。指標30は、第1層に対応する鉄筋に関する長さを示す場合よりも、目盛りの間隔が大まかに設定されている。
【0055】
また、図9において、鉄筋32の長さを計測するのか、或いは鉄筋12と鉄筋13との鉄筋間隔を計測するのかは、例えばユーザが指定位置を入力する場合における2点の指定位置に応じて区別される。また、何れの鉄筋の層に対応する鉄筋について、鉄筋に関する長さを計測するのかは、入力部2を介してユーザが指定可能な構成であってもよい。また、設定部3は、異なる鉄筋の層に対応する複数の鉄筋を対象として、単一の指標位置と計測位置とを設定可能であってもよい。
【0056】
また、設定部3が複数の鉄筋の層を検出する構成は、特定の構成に限定されず、例えば下記の処理によって検出を行ってもよい。
【0057】
(1)設定部3は、すべてが見えている鉄筋の手前のエッジを含む1層目の平面を求める。
【0058】
(2)1層目の平面から法線方向に所定の距離にあるエッジ(すなわち、1層目の鉄筋におけるエッジであって、奥側のもう1つのエッジ)を除く。
【0059】
(3)残りのエッジの三次元位置から2層目の鉄筋の位置と、2層目の平面とを求める。
【0060】
上述したように、指標が対応している鉄筋の層、又は計測位置に基づいて、指標の大きさ又は目盛りの間隔を設定部3が設定することによって、何れの鉄筋について鉄筋に関する長さを計測しているかが把握しやすくなる。
【0061】
(画像生成部4)
画像生成部4は、指標位置及び計測位置に基づいて、指標及び計測位置情報を重畳させた画像を生成する。また、画像生成部4が生成する画像データは、ディスプレイに表示するための信号であっても、画像として保存されるファイルでも構わない。
【0062】
画像に重畳される指標は、あらかじめ画像生成装置1が保持している画像データを、画像生成部4が変換させて重畳させたり、画像に直接描画したりすることで実現される。指標は、例えば、3次元のオブジェクトであり、図10に示す検尺ロッド等である。図10の検尺ロッドは、長手方向が56cmで、幅が5cmで、目盛間隔が1mmで、目盛りが50cmまであるが、他のサイズでも他の種類でも構わないし、複数の画像データを保持して状況に応じて選択するようにしてもよい。例えば、画像生成部4は、計測された鉄筋間隔や計測範囲に基づいて、目盛間隔や、幅が異なる指標を重畳することで、計測対象となる鉄筋の配置に適した指標を重畳させることができ、好適である。つまり、画像生成部4は、鉄筋間隔が細かい場合は、0.5mm間隔の目盛りとしたり、計測範囲が広い場合は、2mm間隔の目盛りとしたり、計測する方向と同じ方向の鉄筋間隔が狭い場合は、幅が狭い指標を使用する。
【0063】
上述した画像データの変換は、計測対象とする鉄筋の3次元情報に基づいて行う。例えば、計測する対象となる鉄筋の3次元直線群から鉄筋の層を算出し、算出された3次元平面に配置されるように画像データを変換し、鉄筋の画像上へ重畳する。なお、画像生成部4は、複数の指標を1つの画像に重畳しても良く、縦鉄筋と横鉄筋に対する指標を1つの画像に重畳してもよい。
【0064】
また、画像生成部4が画面上にオブジェクトを描画する場合は、描画する指標等の情報を計測対象とする鉄筋が存在する3次元平面に描画するように、形状や目盛りの始点や終点等を座標変換し、その情報に基づいて画像上に描画し、指標等を重畳する。
【0065】
また、画像生成部4は、計測位置に近い側に目盛りが設けられている指標を画像に重畳させることが望ましい。即ち、画像生成部4は、指標位置の下側に計測位置が設定されている場合、指標の下側に目盛りを設けることが望ましく、指標位置の上側に計測位置が設定されている場合、指標の上側に目盛りを設けることが望ましい。また、指標位置の右側に計測位置が設定されている場合、指標の右側に目盛りを設けることが望ましく、指標位置の左側に計測位置が設定されている場合、指標の左側に目盛りを設けることが望ましい。これにより、計測位置における計測結果が把握しやすくなる。また、目盛りの位置は、設定部3が設定する構成であってもよい。
【0066】
なお、目盛りの位置は、計測位置と完全に一致する必要はなく、ユーザが指標の目盛りと計測位置とが同程度と認識できる位置であっても構わない。また、図10の指標は片側に目盛りがある検尺ロッドであったが、両側に目盛りを設けた指標にすることも可能だが、計測位置側に対応する目盛りが明確になるようにしておく必要がある。例えば、補助的な目盛りは、薄い色で示したり、破線により示したり、目盛りの長さを短くしたり、ユーザが直感的に補助的な目盛りであると認識できるようにすると、計測位置側に対応する指標の目盛り位置が明確になり、計測位置を明確に視認することが可能となる。これにより、指標から適切な値を読み取ることが可能となる。また、特に指標の両側に目盛りが設けられている構成の場合、画像生成部4は、指標位置に対する計測位置の方向を示す矢印等のオブジェクトを画像に重畳させてもよい。これにより、ある指標に対応する計測位置情報を容易に識別することができる。
【0067】
(計測部5)
計測部5は、画像における鉄筋の3次元位置を算出し、計測位置における鉄筋に関する長さを計測する。ここで、鉄筋に関する長さとは、例えば鉄筋の長手方向の長さ、鉄筋径、又は鉄筋間隔である。
【0068】
鉄筋の3次元位置を算出する処理に関連して、鉄筋径又は鉄筋間隔の計測の基準となる鉄筋エッジは従来のエッジ検出方法で検出可能である。また、SоbelフィルタやCannyフィルタを使用して画像のエッジを検出し、検出されたエッジからHough変換
等により直線群を検出し、鉄筋エッジを示す直線を検出することができる。また、鉄筋エッジの3次元座標は、検出された鉄筋エッジの視差を算出し、撮像部8のカメラパラメータに基づいて算出することができる。視差の算出も従来の方法で算出可能であり、例えば、SADやSSDといった評価関数を使用してブロックマッチングにより、基準画像に対する参照画像での対応点を算出することで実現できる。
【0069】
また、鉄筋に関する長さを計測する処理においては、鉄筋エッジを示す画像上の直線や、鉄筋エッジの3次元座標に基づいて計測を行うが、各計測も従来の方法を適用することが可能である。例えば計測部5は、鉄筋エッジを示す画像上の直線からの距離が所定範囲内のエッジ群の3次元座標に基づいて3次元直線を算出し、隣接する3次元直線の距離から鉄筋径を算出する。例えば計測部5は、鉄筋エッジの組み合わせのうち、互いに沿うように存在する2つの鉄筋エッジの三次元直線間の距離を鉄筋径として算出してもよい。また、計測部5は、当該2つの鉄筋エッジのそれぞれの周辺の点の三次元座標を算出し、当該点同士の間の距離を鉄筋径として算出してもよい。
【0070】
また、計測部5は、鉄筋位置を示す3次元直線を算出し、隣接する鉄筋位置を示す3次元直線から鉄筋間隔を算出する。例えば計測部5は、上述の2つの鉄筋エッジの中心を通る軸を鉄筋の中心軸として算出し、隣接する鉄筋の中心軸間の距離を鉄筋間隔として算出してもよい。この場合、計測部5は、横鉄筋および縦鉄筋ごとに鉄筋間隔の平均値を算出してもよい。
【0071】
なお、計測部5は、互いに異なる層の鉄筋同士における鉄筋間隔を算出する場合、各鉄筋の層に対応する平面間の距離を鉄筋間隔として算出してもよい。
【0072】
計測位置は、撮像された画像の中心、鉄筋間の中心、又は鉄筋上等の各位置に設定することが可能だが、鉄筋径や鉄筋間隔の計測結果のみを提示すると、ユーザが想定している計測位置と、実際の計測位置が一致していることが分からない。
【0073】
一方で、図5図9に示す構成によれば、ユーザが想定している計測位置と、実際の計測位置が一致していることを容易に把握することができる。鉄筋径や鉄筋間隔は、計測する位置によって計測結果が異なる可能性があるため、後述するように、指標及び計測位置情報を画像に重畳させることによって、実際の計測位置がユーザの想定通りであるかを容易に確認することが可能となる。また、計測部5による計測結果を示す数値が画面に表示される構成でもよい。
【0074】
なお、撮像部8で撮像された画像を使用して計測する構成に限定されず、距離情報を取得するセンサを使用しても同様の効果が得られる。例えば、カラー画像を撮像するカメラと、距離情報を取得するTOFセンサを使用し、画像情報と距離情報を画像生成装置1に入力し、計測部5で3次元座標を算出して鉄筋の計測を行ってもよい。
【0075】
(記憶部6)
記憶部6は、少なくとも一時的に情報を保存する記憶装置である。記憶部6は、フラッシュメモリやハードディスク等として実現され得る。例えば記憶部6は、画像生成部4が生成した画像、及び画面に表示されるオブジェクトを保存する。なお、記憶部6は、計測装置100と接続される記憶装置として実現される構成であってもよい。
【0076】
(表示部7)
表示部7は、テキスト又は動画像等を表示するディスプレイである。表示部7は、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等として実現され得る。なお、入力部2がタッチパネルとして実現される場合、当該タッチパネルが表示部7としても動作する。また、表示部7は、計測装置100と接続される表示装置として実現される構成であってもよい。
【0077】
(計測装置100の制御方法)
続いて、本実施形態に係る計測装置100の制御方法(画像生成装置の制御方法)について説明する。図11は、本実施形態に係る画像生成装置1によって実行される計測装置100の制御方法の例を表すフローチャートである。図11のフローチャートに示す処理は、撮像部8が撮像した鉄筋の画像が入力部2に入力された場合、又は前記の場合において計測装置100における画像生成装置1に対して所定の指示が入力されたときに開始される。
【0078】
画像生成装置1が、外部の表示装置等を介して画像をユーザに提示し、入力部2は、鉄筋が撮像された画像において、ユーザが指定した指定位置の入力を受け付ける(S1)。また、計測部5は、画像における鉄筋の3次元位置を算出する。
【0079】
設定部3は、ユーザが指定した指定位置に基づいて、画像における指標位置を設定する(S2)。
【0080】
設定部3は、指標位置に基づいて、画像における計測位置を設定する(S3)。指標位置が指定位置に基づくので、計測位置は、間接的に指定位置に基づいている。
【0081】
画像生成部4は、設定部3が設定した指標位置及び計測位置に基づいて、指標及び計測位置情報を重畳させた画像を生成する(S4)。また、画像生成装置1は、生成した画像を、表示部7に表示させる。具体的には、まず画像生成部4が、指標を生成した上で、指標位置に指標を重畳させ、且つ計測位置に計測位置情報を重畳させた画像を生成し、記憶部6に格納する。また、計測部5が、計測位置における鉄筋に関する長さを計測する。次に、画像生成装置1は、生成した画像であって、計測部5による計測結果を適宜含む画像を、表示部7に表示させる。
【0082】
(計測位置の設定方法)
続いて、図11の工程S3に対応する処理であって、設定部3が計測位置を設定する処理の詳細について説明する。図12は、計測位置の設定方法の例を示すフローチャートである。
【0083】
設定部3は、指標が横方向に配置されるか否かを判定する(S100)。ここで、指標が横方向に配置されるとは、例えば目盛りが画像の横方向に設けられるように、横方向を長手方向として指標が配置されることを意味している。
【0084】
設定部3は、指標が横方向に配置されると判定した場合(S100でYES)、続いて指標位置が所定位置よりも上側に位置するか否かを判定する(S101)。
【0085】
設定部3は、指標位置が所定位置よりも上側に位置すると判定した場合(S101でYES)、指標位置の下側に計測位置を設定する(S102)。工程S102の処理に続いて、設定部3は、指標位置の下側となる計測位置に合わせ、指標の目盛りの位置を、指標の下側に設定する(S103)。ここで、図5は、工程S102及びS103の処理に対応する。以上のようにして、設定部3は、計測位置を算出後、指標位置及び計測位置に応じて、目盛りの位置を変えることにより、計測位置がより近い位置に、指標の目盛りが表示されるため、好適である。
【0086】
また、設定部3は、指標位置が所定位置よりも下側に位置すると判定した場合(S101でNO)、指標位置の上側に計測位置を設定する(S104)。工程S104の処理に続いて、設定部3は、指標位置の上側となる計測位置に合わせ、指標の目盛りの位置を、指標の上側に設定する(S105)。ここで、図6は、工程S104及びS105の処理に対応する。
【0087】
また、S100の判定において、設定部3は、指標が横方向に配置されず、縦方向に配置されると判定した場合(S100でNO)、続いて指標位置が所定位置よりも左側に位置するか否かを判定する(S106)。
【0088】
設定部3は、指標位置が所定位置よりも左側に位置すると判定した場合(S106でYES)、指標位置の右側に計測位置を設定する(S107)。工程S107の処理に続いて、設定部3は、指標位置の右側となる計測位置に合わせ、指標の目盛りの位置を、指標の右側に設定する(S108)。ここで、図7は、工程S107及びS108の処理に対応する。
【0089】
また、設定部3は、指標位置が所定位置よりも右側に位置すると判定した場合(S106でNO)、指標位置の左側に計測位置を設定する(S109)。工程S109の処理に続いて、設定部3は、指標位置の左側となる計測位置に合わせ、指標の目盛りの位置を、指標の左側に設定する(S110)。ここで、図8は、工程S109及びS110の処理に対応する。
【0090】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、重複する説明を繰り返さない。
【0091】
<計測装置100X>
図13は、第2の実施形態に係る計測装置100Xの構成を示す機能ブロック図である。計測装置100Xは、撮像部8と画像生成装置1Xとを備えている。画像生成装置1Xは、設定部3に代わり設定部3Xを備えている点において、図1に示す画像生成装置1と相違する。
【0092】
(設定部3X)
設定部3Xは、設定部3と同等の機能を有し、入力部2に入力された画像における指定位置に基づいて、前記画像における鉄筋に関する長さを示す指標の指標位置、及び、前記鉄筋を計測する計測位置を設定する。ただし、設定部3Xは、指定位置に基づいて、指標位置よりも先に計測位置を設定する。また、設定部3Xは、設定した計測位置に基づいて、指標位置を設定する。計測位置に基づいて指標位置が自動的に設定されることにより、ユーザが指標位置と計測位置とを個別に指定せずとも、指標位置及び計測位置をユーザが意図した通りに配置可能となる。また、例えば設定部3Xは、計測位置に隣接する位置を、指標位置の目盛りの位置として設定してもよい。計測位置から所定距離だけ離れた近傍に指標位置を設定してもよい。
【0093】
また、計測位置に基づいて図10の指標を重畳する場合、指標の短手方向の中心を計測位置に合わせてしまうと、指標の目盛り位置と計測位置が異なってしまい、ユーザが指標により読み取る計測値と、計測位置での計測値が異なることになる。そこで、設定部3Xは、計測位置の近傍に指標の目盛りが重畳されるように、指標を画像に重畳する。これにより、計測位置と指標による計測値の読み取り位置が一致し、ユーザが明確に計測位置を読み取ることが可能となる。
【0094】
また、設定部3Xは、計測位置が前記画像における所定位置より上側に設定されている場合、図5に例示するように、計測位置の上側に前記指標位置を設定してもよい。つまり図5の例の場合、設定部3Xは、計測位置情報27の上側に指標25の指標位置を設定してもよい。また、設定部3Xは、計測位置が前記所定位置より下側に設定されている場合、図6に例示するように、計測位置の下側に指標位置を設定してもよい。つまり、図6の例の場合、設定部3Xは、計測位置情報26の下側に指標25の指標位置を設定してもよい。これにより、指標が画像の上部又は下部に配置されやすくなり、計測対象の鉄筋が存在する可能性の高い画像中央が、指標によって塞がれることを防いで、画像の視認性を向上させることができる。
【0095】
また、設定部3Xは、計測位置が画像における所定位置より左側に設定されている場合、図7に例示するように、計測位置の左側に指標位置を設定してもよい。つまり図7の例の場合、設定部3Xは、計測位置情報28の左側に指標25の指標位置を設定してもよい。また、計測位置が前記所定位置より右側に設定されている場合、図8に例示するように、計測位置の右側に指標位置を設定してもよい。つまり図8の例の場合、設定部3Xは、計測位置情報29の右側に指標25の指標位置を設定してもよい。これにより、指標が画像の左側又は右側に配置されやすくなり、計測対象の鉄筋が存在する可能性の高い画像中央が、指標によって塞がれることを防いで、画像の視認性を向上させることができる。
【0096】
ここで、上述した所定位置は、画像における特定の位置に限定されず、例えば画像中央であってもよいし、入力部2を介してユーザが任意に設定可能な構成であってもよい。
【0097】
また、上述した所定位置は、鉄筋の方向ごとに設けられていてもよい。例えば、設定部3Xは、縦鉄筋に対して計測位置情報を配置する場合、第1の所定位置と計測位置とを比較し、横鉄筋に対して計測位置情報を配置する場合、第2の所定位置と計測位置とを比較する構成でもよい。これにより、鉄筋の方向ごとに好適な計測位置を設定することができる。また、前記の構成において、設定部3Xは、縦鉄筋に対して計測位置情報を配置する場合、計測位置が画像内における第1の所定位置より上側にあるとき、指標を計測位置の上側に配置し、かつ、目盛りが指標の下側となるようにする。また、設定部3Xは、計測位置が画像内における第1の所定位置より下側にあるとき、指標を計測位置の下側に配置し、かつ、目盛りが指標の上側となるようにする。
【0098】
また、前記の構成において、設定部3Xは、横鉄筋に対して計測位置情報を配置する場合、計測位置が画面内における第2の所定位置より左側にあるとき、指標を計測位置の左側に配置し、かつ、目盛りが指標の右側となるようにする。また、計測位置が画面内における第2の所定位置より右にある場合は、指標を計測位置の右側に配置し、かつ、目盛りが指標の左側となるようにする。
【0099】
また、鉄筋の位置によっては、画像中心領域に計測対象の鉄筋を配置することが難しい場合もある。そのため、例えば、画像中心から所定距離だけ離れた位置を所定位置としてもよい。これにより、鉄筋の位置に応じて、画像の視認性を好適に向上させることができる。例えば、所定位置を画像中心からαだけ離れた上下の位置とすると、縦鉄筋に対する計測において、画像中心からαより上側に計測位置がある場合、設定部3Xが指標位置を計測位置情報の上側に配置し、画像生成部4が指標の目盛りを下側にして画像を生成する。
【0100】
一方、画像中心からαより下側に計測位置がある場合、設定部3が指標位置を計測位置情報の上側に配置し、画像生成部4が指標の目盛りを上側にして画像を生成する。
【0101】
また、画像中心から±α以内の領域では、計測位置から任意の方向で指標位置を配置することが可能である。例えば、ユーザが調整する中で、計測位置情報が画像中心から±αの外側の領域になったときに指標位置の方向を変更し、計測位置情報が画像中心から±αの内側の領域になったときに指標位置の方向を初期設定の所定方向から変更しない構成としてもよい。これにより、例えば、鉄筋の位置に応じて画像の視認性を好適に向上させることができる。また、計測位置が画像周辺領域である場合にのみ指標位置の方向を変更する制御が可能となる。
【0102】
上述した指標位置の設定方法によれば、鉄筋間隔等を計測する画面上の指標位置を計測位置に応じて調整することにより、指標位置と計測位置との関係をよりわかりやすく表示することができる。特に、鉄筋に傾斜や継手がある場合、計測位置と指標位置とが略一致するため、好適である。
【0103】
(計測装置100Xの制御方法)
続いて、本実施形態に係る計測装置100Xの制御方法(画像生成装置の制御方法)について説明する。図14は、本実施形態に係る画像生成装置1Xによって実行される計測装置100Xの制御方法の例を表すフローチャートである。図14のフローチャートに示す処理は、鉄筋の画像が入力部2に入力された場合、又は前記の場合において計測装置100Xにおける画像生成装置1Xに対して所定の指示が入力されたときに開始される。
【0104】
画像生成装置1Xが、外部の表示装置等を介して画像をユーザに提示し、入力部2は、鉄筋が撮像された画像において、ユーザが指定した指定位置の入力を受け付ける(S11)。また、計測部5は、画像における鉄筋の3次元位置を算出する。
【0105】
設定部3Xは、ユーザが指定した指定位置に基づいて、画像における計測位置を設定する(S12)。
【0106】
設定部3Xは、計測位置に基づいて、画像における指標位置を設定する(S13)。計測位置が指定位置に基づくので、指標位置は、間接的に指定位置に基づいている。
【0107】
画像生成部4は、S4の工程と同様に、設定部3Xが設定した指標位置及び計測位置に基づいて、指標及び計測位置情報を重畳させた画像を生成する(S14)。また、画像生成装置1Xは、生成した画像を、表示部7に表示させる。具体的には、まず画像生成部4が、指標を生成した上で、指標位置に指標を重畳させ、且つ計測位置に計測位置情報を重畳させた画像を生成し、記憶部6に格納する。また、計測部5が、計測位置における鉄筋に関する長さを計測する。次に、画像生成装置1は、生成した画像であって、計測部5による計測結果を適宜含む画像を、表示部7に表示させる。
【0108】
(計測位置の設定方法)
続いて、図14におけるS13の工程に対応する処理であって、設定部3Xが指標位置を設定する処理の詳細について説明する。図15は、指標位置の設定方法の例を示すフローチャートである。
【0109】
設定部3Xは、計測が横方向になされるか否かを判定する(S200)。ここで、計測が横方向であるとは、例えば計測位置が画像の横方向に設けられることを意味している。
【0110】
設定部3Xは、計測が横方向になされると判定した場合(S200でYES)、続いて計測位置が所定位置よりも上側に位置するか否かを判定する(S201)。
【0111】
設定部3Xは、計測位置が所定位置よりも上側に位置すると判定した場合(S201でYES)、計測位置の上側に指標位置を設定する(S202)。S202の処理に続いて、設定部3Xは、指標位置の下側となる計測位置に合わせ、指標の目盛りの位置を、指標の下側に設定する(S203)。また、設定部3Xは、計測位置が所定位置よりも下側に位置すると判定した場合(S201でNO)、計測位置の下側に指標位置を設定する(S204)。S204の処理に続いて、設定部3Xは、指標位置の上側となる計測位置に合わせ、指標の目盛りの位置を、指標の上側に設定する(S205)。
【0112】
また、S200の判定において、設定部3Xは、計測が横方向になされず、縦方向になされると判定した場合(S200でNO)、続いて計測位置が所定位置よりも左側に位置するか否かを判定する(S206)。
【0113】
設定部3Xは、計測位置が所定位置よりも左側に位置すると判定した場合(S206でYES)、計測位置の左側に指標位置を設定する(S207)。S207の処理に続いて、設定部3Xは、指標位置の右側となる計測位置に合わせ、指標の目盛りの位置を、指標の右側に設定する(S208)。
また、設定部3Xは、計測位置が所定位置よりも右側に位置すると判定した場合(S206でNO)、計測位置の右側に指標位置を設定する(S209)。S209の処理に続いて、設定部3Xは、指標位置の左側となる計測位置に合わせ、指標の目盛りの位置を、指標の左側に設定する(S210)。
【0114】
なお、S200の判定において計測の向きが横方向と縦方向との丁度中間である斜め方向である場合、又はS201若しくはS206の判定において指標位置と所定位置とが一致している場合、分岐先となる何れの処理が続いて実行される構成であってもよい。
【0115】
以上のようにして、設定部3Xは、指標位置を算出後、指標位置及び計測位置に応じて、目盛りの位置を変えることにより、計測位置がより近い位置に、指標の目盛りが表示されるため、好適である。
【0116】
各実施形態の各処理は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)によるソフトウェア処理、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)によるハードウェア処理によって実現することができる。
【0117】
また、各実施形態で説明した機能を実現する方法は、プログラムとして提供することもできる。プログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませたり、インターネットからダウンロードしたりして実行することにより各部の処理を行ってもよい。尚、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0118】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
【0119】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【0120】
〔ソフトウェアによる実現例〕
画像生成装置(1、1X)(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各制御ブロック(特に入力部2、設定部(3、3X)、計測部5及び画像生成部4)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0121】
この場合、上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0122】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1又は複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線又は無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0123】
また、上記各制御ブロックの機能の一部又は全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0124】
また、上記各実施形態で説明した各処理は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この場合、AIは上記制御装置で動作するものであってもよい
し、他の装置(例えばエッジコンピュータ又はクラウドサーバ等)で動作するものであってもよい。
【0125】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る画像生成装置は、鉄筋が撮像された画像において、ユーザが指定した指定位置の入力を受け付ける入力部と、前記画像における前記指定位置に基づいて、前記画像における、前記鉄筋に関する長さを示す指標の指標位置、及び、前記鉄筋を計測する計測位置を設定する設定部と、前記指標位置及び前記計測位置に基づいて、前記指標、及び、前記計測位置を示す計測位置情報を重畳させた画像を生成する画像生成部とを備える構成である。
【0126】
本発明の態様2に係る画像生成装置は、上記の態様1において、前記設定部は、前記指標位置に基づいて、前記計測位置を設定か、又は、前記計測位置に基づいて、前記指標位置を設定するする構成としてもよい。
【0127】
本発明の態様3に係る画像生成装置は、上記の態様2において、前記設定部は、前記指標位置に基づいて、前記計測位置を設定する場合において、前記指標位置が前記画像における所定位置より上側に設定されているとき、前記指標位置の下側に前記計測位置を設定し、前記指標位置が前記所定位置より下側に設定されているとき、前記指標位置の上側に前記計測位置を設定し、前記計測位置に基づいて、前記指標位置を設定する場合において、前記計測位置が前記画像における所定位置より上側に設定されているとき、前記計測位置の上側に前記指標位置を設定し、前記計測位置が前記所定位置より下側に設定されているとき、前記計測位置の下側に前記指標位置を設定する構成としてもよい。
【0128】
本発明の態様4に係る画像生成装置は、上記の態様2において、前記設定部は、前記指標位置に基づいて、前記計測位置を設定する場合において、前記指標位置が前記画像における所定位置より左側に設定されているとき、前記指標位置の右側に前記計測位置を設定し、前記指標位置が前記所定位置より右側に設定されているとき、前記指標位置の左側に前記計測位置を設定し、前記計測位置に基づいて、前記指標位置を設定する場合において、前記計測位置が前記画像における所定位置より左側に設定されているとき、前記計測位置の左側に前記指標位置を設定し、前記計測位置が前記所定位置より右側に設定されているとき、前記計測位置の右側に前記指標位置を設定する構成としてもよい。
【0129】
本発明の態様5に係る画像生成装置は、上記の態様1から4までの何れかにおいて、前記画像生成部は、前記計測位置に近い側に目盛りが設けられている前記指標を重畳させた画像を生成する構成としてもよい。
【0130】
本発明の態様6に係る画像生成装置は、上記の態様1から5までの何れかにおいて、前記設定部は、前記鉄筋の層及び前記計測位置の少なくとも一方に基づいて、前記指標の大きさ及び当該指標の目盛りの間隔の少なくとも一方を決定する構成としてもよい。
【0131】
本発明の態様7に係る画像生成装置の制御方法は、画像生成装置が、鉄筋が撮像された画像において、ユーザが指定した指定位置の入力を受け付けることと、前記画像生成装置が、前記画像における前記指定位置に基づいて、前記画像における、前記鉄筋に関する長さを示す指標の指標位置、及び、前記鉄筋を計測する計測位置を設定することと、前記画像生成装置が、前記指標位置及び前記計測位置に基づいて、前記指標、及び、前記計測位置を示す計測位置情報を重畳させた画像を生成することとを含む方法である。
【0132】
本発明の態様8に係る画像生成プログラムは、上記の態様1~6までの何れかに記載の画像生成装置としてコンピュータを機能させるための画像生成プログラムであって、前記入力部、前記設定部及び前記画像生成部としてコンピュータを機能させる構成である。
【0133】
本発明の各態様に係る画像生成装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記画像生成装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより上記画像生成装置をコンピュータにて実現させる画像生成装置の画像生成プログラム、及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【0134】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0135】
1、1X 画像生成装置
2 入力部
3、3X 設定部
4 画像生成部
5 計測部
100、100X 計測装置
図1
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