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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-03
(45)【発行日】2025-07-11
(54)【発明の名称】扉用ハンドル装置
(51)【国際特許分類】
   E05B 1/00 20060101AFI20250704BHJP
【FI】
E05B1/00 311H
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021130687
(22)【出願日】2021-08-10
(65)【公開番号】P2023025439
(43)【公開日】2023-02-22
【審査請求日】2024-05-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000131511
【氏名又は名称】株式会社シブタニ
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100127340
【弁理士】
【氏名又は名称】飛永 充啓
(72)【発明者】
【氏名】川中 勝男
【審査官】桐野 将伍
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-066815(JP,A)
【文献】国際公開第2011/077727(WO,A1)
【文献】特開2006-070560(JP,A)
【文献】実開昭55-040158(JP,U)
【文献】特開平11-022266(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00-85/28
E05C 1/00-21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
扉に対して固定される台座と、
前記台座に対して軸線周りに回動可能に支持されるローラー付ハンドルと、
前記ハンドルの可回動範囲の途中に位置する所定回動位置を境として前記軸線周りの一方向側に寄った前記ハンドルを当該一方向に回転させる方へ付勢し、当該所定回動位置を境として前記軸線周りの他方向側に寄った前記ハンドルを当該他方向に回転させる方へ付勢する付勢機構と、を備える扉用ハンドル装置において、
前記付勢機構は、コイルばねと、前記コイルばねの一方の巻き端部を前記ハンドルの回動に応じて前記軸線周りに連れ回す関節部と、当該関節部による連れ回しに応じて前記コイルばねが前記台座に対して揺動するように前記コイルばねの他方の巻き端部を受けるばね支持部とを有し、
前記コイルばねが、前記所定回動位置のときに前記軸線に直交する直線方向に前記軸線から前記ばね支持部側に寄った位置にあるように配置された圧縮コイルばねからなることを特徴とする扉用ハンドル装置。
【請求項2】
扉に対して固定される台座と、
前記台座に対して軸線周りに回動可能に支持されるローラー付ハンドルと、
前記ハンドルの可回動範囲の途中に位置する所定回動位置を境として前記軸線周りの一方向側に寄った前記ハンドルを当該一方向に回転させる方へ付勢し、当該所定回動位置を境として前記軸線周りの他方向側に寄った前記ハンドルを当該他方向に回転させる方へ付勢する付勢機構と、を備える扉用ハンドル装置において、
前記付勢機構は、コイルばねと、前記コイルばねの一方の巻き端部を前記ハンドルの回動に応じて前記軸線周りに連れ回す関節部と、当該関節部による連れ回しに応じて前記コイルばねが前記台座に対して揺動するように前記コイルばねの他方の巻き端部を受けるばね支持部とを有し、
前記関節部は、前記ハンドルと第一ジョイント軸線周りに相対的に回動可能に結合されており、前記ばね支持部は、前記台座と第二ジョイント軸線周りに相対的に回動可能に結合されており、前記第一ジョイント軸線及び前記第二ジョイント軸線は、前記軸線に沿った方向であり、
前記関節部は、前記第一ジョイント軸線及び前記第二ジョイント軸線と直交する直線に沿った方向に前記コイルばねを受けるヘッドと、前記ヘッドから前記直線に沿った方向に延びる軸とを一体に有する第一リンク部材からなり、
前記ばね支持部は、前記コイルばねを前記直線に沿った方向に受けると共に前記軸と前記直線に沿った方向に相対的に滑り合う第二リンク部材からなることを特徴とする扉用ハンドル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、扉の開閉操作に用いられるハンドル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、片開き式の扉に備わるハンドル装置として、扉に対して固定される台座と、台座に対して軸線周りに回動可能に支持されるローラー付ハンドルと、ハンドルを軸線周りの方向に付勢する付勢機構とを備えるものが利用されている。
【0003】
この種の扉用ハンドル装置は、閉扉時、扉がドア枠の戸当りに接触する状態でハンドルを軸線周りの一方向に回すと、ローラーが、ドア枠に設けられた係合部の斜面に押し当てられることにより、扉がドア枠の戸当りの方へ引き寄せられる。ハンドルを一方向に限界まで回すと、ローラーが係合部に強く接触した状態に停止する。開扉時、そのハンドルを他方向に回すと、扉の引き寄せが次第に弱まる。ハンドルを他方向に限界まで回す間に、ローラーが係合部から離れて、ドア枠に衝突不可な位置に退避させられる。
【0004】
この種の扉用ハンドル装置は、防音扉や気密扉に用いられている。防音扉や気密扉の場合、扉又はドア枠の戸当りに弾性部材が設けられる。前述の扉の引き寄せによって弾性部材が圧縮されると、扉と戸当りの密着性が高くなり、扉とドア枠間での遮音性や気密性を高めることができる。
【0005】
この種の扉用ハンドル装置の付勢機構としては、ばねの弾性力を利用してハンドルを軸線周りの一方向(扉を閉じるために回す方向)に向けて付勢するか、他方向(扉を開くために回す方向)に向けて付勢する機構が一般的である。
【0006】
ハンドルを一方向にだけ付勢可能な付勢機構を備える場合、扉が閉じた状態のとき、ハンドルが自重によって他方向に回転しようとしても、これに抵抗する付勢力によりハンドルの他方向回転が阻止されて、ドア枠の係合部に対するローラーの停止位置が適切に保たれるため、扉が自然に開くことはない。その反面、扉を開く際にハンドルの他方向回転が不足した場合、付勢力でローラーがドア枠と衝突し得る位置に保持されてしまい、これに気付かないままハンドル操作者が扉を開いてしまうと、ローラーがドア枠に衝突する可能性がある。
【0007】
一方、ハンドルを他方向にだけ付勢可能な付勢機構を備える場合、扉を開く際、付勢力でハンドルの他方向回転不足が防止されるので、ローラーとドア枠の衝突を防止することができる。その反面、扉が閉じた状態ときのローラーとドア枠の係合部の接触が不正に緩い場合、付勢力でハンドルが勝手に他方向へ回されて、扉が自然に開放する可能性がある。
【0008】
このようにハンドルを一方向又は他方向のいずれかに向けて付勢する場合、一長一短があるため、ハンドルの可回動範囲の途中に位置する所定回動位置を境として一方向側に寄ったハンドルを一方向に回転させる方へ付勢し、当該所定回動位置を境として他方向側に寄ったハンドルを他方向に回転させる方へ付勢する付勢機構が提案されている(特許文献1)。
【0009】
特許文献1に開示された付勢機構は、ハンドルに設けた永久磁石の磁力と、台座に設けた永久磁石の磁力とによる磁気吸引や磁気反発を利用して、ハンドルの可回動範囲の中間位置に対して一方向側に寄ったハンドルを一方向へ回転させる方へ付勢し、ハンドルの中間位置に対して他方向側に寄ったハンドルを他方向に回転させる方へ付勢することができる。このため、特許文献1の扉用ハンドル装置は、永久磁石を利用した簡素な構造の付勢機構により、扉の開閉時におけるローラーとドア枠の衝突を防ぐと共に、扉の自然開放を防ぐことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開2017-66815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1のように永久磁石の磁力を利用した付勢機構を扉用ハンドル装置に備えると、長期使用の間に鉄系部材等の摩耗粉や周辺環境の磁性粒子が永久磁石に吸い寄せられて、ハンドルと台座間の隙間に溜まってしまい、動作不良や外観上の汚れとなる懸念がある。
【0012】
上述の背景に鑑み、この発明が解決しようとする課題は、ばねの弾性力を用いた付勢機構により、ハンドルのローラーとドア枠の衝突を防ぐと共に、扉の自然開放を防ぐことが可能な扉用ハンドル装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を達成するため、この発明は、扉に対して固定される台座と、前記台座に対して軸線周りに回動可能に支持されるローラー付ハンドルと、前記ハンドルの可回動範囲の途中に位置する所定回動位置を境として前記軸線周りの一方向側に寄った前記ハンドルを当該一方向に回転させる方へ付勢し、当該所定回動位置を境として前記軸線周りの他方向側に寄った前記ハンドルを当該他方向に回転させる方へ付勢する付勢機構と、を備える扉用ハンドル装置において、前記付勢機構は、コイルばねと、前記コイルばねの一方の巻き端部を前記ハンドルの回動に応じて前記軸線周りに連れ回す関節部と、当該関節部による連れ回しに応じて前記コイルばねが前記台座に対して揺動するように前記コイルばねの他方の巻き端部を受けるばね支持部とを有する構成を採用したものである。
【0014】
上記構成によれば、ハンドルの軸線周りの回動に応じて関節部がコイルばねの一方の巻き端部を連れ回し、当該連れ回しに応じてコイルばねが台座に対して揺動するようにコイルばねの他方の巻き端部をばね支持部が受けるので、コイルばねの弾性力でハンドルを付勢する向きをハンドルの回動に応じて変化させ、ハンドルの所定回動位置を境に、コイルばねの弾性力でハンドルを一方向又は他方向に回転させる方へ付勢する向きを切り替えることが可能である。したがって、この扉用ハンドル装置と扉とドア枠で戸口開閉装置を構成する際、扉及びドア枠に対する扉用ハンドル装置の配置を適切に決めることにより、扉が閉じた状態のとき、ドア枠に対するローラーの停止位置が適切に保たれるようにハンドルを付勢して扉の自然開放を防ぐ一方、閉じた扉を開く際にハンドルの他方向回転不足が防止されるようにハンドルを付勢してローラーとドア枠の衝突を防ぐことが可能になる。
【発明の効果】
【0015】
上述のように、この発明は、上記構成の採用により、ばねの弾性力を用いた付勢機構により、ハンドルのローラーとドア枠の衝突を防ぐと共に、扉の自然開放を防ぐことが可能な扉用ハンドル装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】この発明の第一実施形態に係る扉用ハンドル装置の付勢機構の動作を背面側から示す作用図
図2】第一実施形態に係る扉用ハンドル装置で扉をドア枠に密着させた様子を示す断面図
図3図1に示す扉用ハンドル装置の横断面図
図4】第一実施形態に係る扉用ハンドル装置の付勢機構を示す部分縦断面図
図5図2に示す扉用ハンドル装置の側面図
図6】第一実施形態に係るハンドルのリンクプレートと付勢機構の関節部を示す平面図
図7】この発明の第二実施形態に係る扉用ハンドル装置の付勢機構の動作を背面側から示す作用図
図8】(a)は図7のばね支持部付近の拡大図、(b)は第二実施形態に係るばね支持部の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0017】
この発明の一例としての第一実施形態に係る扉用ハンドル装置を添付図面に基づいて説明する。
【0018】
図1図3に示す扉用ハンドル装置1は、扉2に対して固定される台座3と、台座3に対して軸線C1周りに回動可能に支持されるハンドル4と、ハンドル4を付勢する付勢機構5と、を備える。
【0019】
以下、ハンドル4の回動中心軸である軸線C1に沿った方向のことを単に「軸方向」といい、軸線C1に直交する方向のことを単に「径方向」といい、軸線C1周りに一方向に回転する円周方向を単に「一方向」といい、軸線C1周りに一方向とは反対の他方向に回転する円周方向を単に「他方向」という。軸方向は、扉2、ドア枠6、扉用ハンドル装置1の正背方向に対応する。
【0020】
図示の扉用ハンドル装置1は、右勝手用に組み立てられたものを例示している。すなわち、片開き戸である扉2の正面(見付け面)に向かって右側に扉2の吊元側(丁番)側が位置し、左側に扉2の戸先側が位置する右勝手の扉2の正面の戸先側に台座3を配置する扉用ハンドル装置1となっている。
【0021】
台座3は、扉2に取り付けられた状態でハンドル4及び扉2に対して常に静止する部位からなり、ハンドル4からの軸方向及び径方向の荷重を支持する部位を含む。
【0022】
ハンドル4は、台座3及び扉2に対して軸線C1周りの方向に常に一体的に変位する部位からなる。ハンドル4が台座3、扉2、ドア枠6に対して軸線C1周りに回動可能な範囲は、一定に制限されている。ハンドル4の可回動範囲は、ハンドル4が一方向に限界まで回転した位置(図1において実線で描いた位置a)からハンドル4が他方向に限界まで回転した位置(図1において一点鎖線で描いた位置b)までである。図示例のハンドル4の可回動範囲は、軸線C1周りの角度で70°の範囲に設定されている。
【0023】
付勢機構5は、ハンドル4の可回動範囲の途中に位置する所定回動位置(図1において二点鎖線で描いた位置c)を境として一方向側に寄ったハンドル4を一方向に回転させる方へ付勢し、位置cを境として他方向側に寄ったハンドル4を他方向に回転させる方へ付勢する機構からなる。
【0024】
台座3は、図1図3図4に示すように、ケース本体7と、これに結合されたケース蓋8とを備える。なお、図1図3は、ケース蓋8を取り外した状態で示している。ケース本体7は、台座3の正面を形成する正面壁と、正面壁から背方に突き出た周側壁とを有し、正面壁に対して背面側で開放した形状になっている。ケース本体7は、図2に示すように、扉2の正面に締結される面付け形になっている。図4に示すケース蓋8は、ケース本体7の背面側に締結されている。
【0025】
台座3には、図3図4に示すように、台座3を軸方向に貫通する開口9が形成されている。ケース本体7の正面壁及び周側壁とケース蓋8との間は、開口9と一連の内部空間10になっている。開口9と内部空間10は、ハンドル4の被支持部と付勢機構5を配置するための空間である。ケース本体7の正面壁とハンドル4の被支持部との間には、カラー11、すらせ部材12が配置されている。ハンドル4は、カラー11、すらせ部材12を介して台座3のケース本体7に軸方向及び径方向に支持される。カラー11、すらせ部材12は、ハンドル4の回動時の摺動性を良くするための部品である。
【0026】
ハンドル4は、図1図3に示すように、ハンドル本体13と、扉2をドア枠6に密着させるためのローラー14と、ハンドル本体13に嵌合されたリンクプレート15と、ハンドル本体13に結合されたハンドルナット16とを有する。
【0027】
ハンドル本体13は、台座3の開口9及び内部空間10に挿入された軸心部17と、台座3の外部で常に台座3の正面と軸方向に対向する外部軸部18と、外部軸部18から径方向に突き出た把持部19と、外部軸部18から径方向に把持部19とは異なる向きで突き出た締り基部20とで構成されている。
【0028】
ハンドル本体13の軸心部17にリンクプレート15の内周を嵌合した状態でハンドルナット16を軸心部17にねじ係合することにより、ハンドル本体13とリンクプレート15とハンドルナット16とが一体化されている。この一体化により、外部軸部18がカラー11を介して台座3の正面壁の正面に軸方向に支持され、軸心部17の外周がカラー11を介して台座3の開口9の内周に径方向に支持され、リンクプレート15がすらせ部材12を介して台座3の正面壁の背面に軸方向に支持される状態となり、軸線C1を中心としたハンドル4の回動軸部が構成される。
【0029】
ハンドル4は、ハンドル本体13の把持部19に一方向又は他方向のトルクを与える操作により、一方向又は他方向に回転させられる。
【0030】
ハンドル本体13の締り基部20は、ローラー14を転動可能に保持する。ローラー14は、中空筒体からなる。締り基部20は、径方向に延びる支持軸を有する。ローラー14は、その中空部の内周において締り基部20の支持軸に嵌合されている。ローラー14は、径方向の転動軸線を中心に転動することができる。
【0031】
ローラー14は、図1図2図5に示すように、ハンドル4の一方向回転によってドア枠6の係合部21に対して押し付けられ、ハンドル4の他方向回転によって係合部21から離される。
【0032】
ドア枠6は、扉2の正面戸先部22を受ける戸当り部23を有する。戸当り部23は、弾性部材24と、弾性部材24を支持するフレーム部25とを有する。弾性部材24は、フレーム部25に対して背面側に配置されている。係合部21は、フレーム部25に対して正面側に配置されている。ドア枠6とハンドル4は、係合部21とローラー14においてのみ接触し得る。その係合部21は、上方に向かって正面側に傾斜した斜面26と、水平に対する上下方向に沿った係合面27とを有する。係合部21は、受け金部材としてフレーム部25に着脱可能に設けられている。
【0033】
ローラー14がドア枠6の斜面26に押し当てられることにより、扉2の正面戸先部22がドア枠6に密着する方へ引き寄せられるため、ドア枠6の弾性部材24が扉2に押しつぶされ、扉2と弾性部材24が密着させられる。これにより、扉2とドア枠6間での遮音性や気密性を高めることができる。
【0034】
ハンドル4の一方向回転に伴ってローラー14がドア枠6の斜面26を乗り越える。ハンドル4が一方向に限界まで回転した位置aに達したとき、ローラー14は、ドア枠6の係合面27に接触した状態で停止する。
【0035】
ハンドル4のリンクプレート15は、図3図6に示すように、ハンドル4と付勢機構5間で軸線C1周りの方向のトルク伝達を行うための連結要素になっている。リンクプレート15は、環状の板材からなる。リンクプレート15には、付勢機構5と連結するための軸通穴28が形成されている。軸通穴28は、リンクプレート15の両板面間を軸方向に貫通している。リンクプレート15の内周とハンドル本体13の軸心部17には、互いに一方向及び他方向に係合可能な噛み合い部29、30が形成されている。噛み合い部29、30の係合により、ハンドル本体13とリンクプレート15は、ハンドル4の軸線C1周りの回動時に常に一体的に回動方向の変位を行うことができる。
【0036】
図1図4に示す付勢機構5は、ハンドル4と第一ジョイント軸線C2周りに相対的に回動可能に結合された関節部31と、台座3と第二ジョイント軸線C3周りに相対的に回動可能に結合されたばね支持部32と、関節部31とばね支持部32との間に介在するコイルばね33とを有する。
【0037】
関節部31は、第一ジョイント軸34によってリンクプレート15と連結された単体の第一リンク部材からなる。ばね支持部32は、第二ジョイント軸35によってケース本体7、ケース蓋8と連結された単体の第二リンク部材からなる。コイルばね33は、圧縮コイルばねからなる。
【0038】
第一ジョイント軸線C2は、第一ジョイント軸34の中心軸線に一致する。第二ジョイント軸線C3は、第二ジョイント軸35の中心軸線に一致する。第一ジョイント軸線C2及び第二ジョイント軸線C3は、軸方向に設定されている。以下、第一ジョイント軸線C2及び第二ジョイント軸線C3と直交する仮想の直線Lに沿った方向を直線L方向という。
【0039】
関節部31は、コイルばね33の一方の巻き端部を受けるヘッド36と、第一ジョイント軸34に嵌め合う軸通穴37と、リンクプレート15の軸通穴28付近を差し込むスリット38と、ヘッド36から直線L方向に延びる軸39とを一体に有する。
【0040】
ヘッド36は、直線L方向に第二ジョイント軸線C3側に向かって小径となる段付き軸状になっている。ヘッド36の大径側軸部は、コイルばね33の一方の巻き端部を直線L方向に受ける。ヘッド36の小径側軸部は、コイルばね33をつる巻き径方向に支持し、かつコイルばね33の内側を直線L方向に案内する。
【0041】
関節部31の軸通穴37及びスリット38は、ヘッド36の大径側軸部に形成されている。その軸通穴37は、ヘッド36の大径側軸部を軸方向に貫通し、かつ軸方向の穴中心線をもった段付き穴状に形成されている。スリット38は、軸通穴37の大径穴部と直交するように径方向に延びる空間を形成し、リンクプレート15の軸通穴28周囲の両板面を軸方向に受ける。
【0042】
第一ジョイント軸34は、一本の段付き軸からなる。第一ジョイント軸34の大径軸部は、関節部31及びリンクプレート15の両軸通穴37、28に嵌合する。第一ジョイント軸34の小径軸部は、軸通穴37の小径穴部に嵌合する。第一ジョイント軸34の小径軸部を軸通穴37の小径穴部から食み出たところで加締めることにより、第一ジョイント軸34は、ヘッド36及びリンクプレート15に対して軸方向に一定の位置を保つように抜け止めされて、ハンドル4の軸線C1周りの回動時に常にリンクプレート15と一体的に軸線C1周りに変位可能な状態になると共に、関節部31とリンクプレート15は、相対的に第一ジョイント軸線C2周りに揺動可能な状態に連結されている。
【0043】
関節部31の軸39は、コイルばね33の内側に通されており、その反ヘッド36側の軸部分においてばね支持部32と組み合わされている。関節部31の反ヘッド36側は、ばね支持部32によって直線L方向に案内される。
【0044】
ばね支持部32は、コイルばね33の他方の巻き端部を受ける平坦面40と、ばね支持部32を平坦面40から直線L方向に貫通するスライド穴41と、スライド穴41と直交するように軸方向に延びる軸通穴42とを一体に有する。
【0045】
ばね支持部32の平坦面40は、コイルばね33の他方の巻き端部を直線L方向に受ける。ばね支持部32のスライド穴41には、関節部31の軸39が通されている。ばね支持部32は、スライド穴41において相対的に軸39と直線L方向に滑り合うことができる。第二ジョイント軸35、ばね支持部32の軸通穴42は、スライド穴41に軸39を貫通させるため、スライド穴41によってケース本体7の正面壁側とケース蓋8側とに第二ジョイント軸線C3方向に二分されている。第二ジョイント軸35の一方の分割軸部35aは、ケース本体7の正面壁に一体に形成されている。第二ジョイント軸35の他方の分割軸部35bは、ケース蓋8に形成されたピン穴43に対する圧入により、ケース蓋8に固定されている。ばね支持部32の軸通穴42を一方の分割軸部35aに嵌合させ、ケース蓋8に固定した他方の分割軸部35bをピン穴43に嵌合させ、ケース蓋8をケース本体7に締結することにより、ばね支持部32は、台座3、ハンドル4及びコイルばね33に対して常に直線L方向に移動不可かつ相対的に台座3と第二ジョイント軸線C3周りに揺動可能な状態に連結されている。
【0046】
コイルばね33は、関節部31のヘッド36とばね支持部32の平坦面40とにより、コイルばね33のつる巻き軸線の向きを直線L方向とするように保持されている。
【0047】
コイルばね33は、ハンドル4の可回動範囲の全域において直線L方向の弾性力を関節部31とばね支持部32に与えることができるように予め圧縮された状態で関節部31とばね支持部32間に介在させられている。コイルばね33の弾性力は、関節部31、第一ジョイント軸34、リンクプレート15、ハンドル本体13の順に伝わる。
【0048】
関節部31とコイルばね33とばね支持部32とが、直線L方向に可変長なリンクとなる。このリンクをハンドル4側に連結する対偶は、第一ジョイント軸線C2周りの回動の自由度1をもつようにリンクプレート15と、第一ジョイント軸34と、ヘッド36とで構成される一方、このリンクを台座3側に連結する対偶は、第二ジョイント軸線C3周りの回動及び直線L方向の滑りの自由度2をもつように関節部31の軸39と、ばね支持部32と、第二ジョイント軸35とで構成される。
【0049】
図1に示すように、ハンドル4が軸線C1周りに回動するに連れて、関節部31は、ハンドル4側の第一ジョイント軸34に連れ回される一方、ばね支持部32は、ハンドル4に対して軸線C1周りに回動することができない。すなわち、第一ジョイント軸線C2はハンドル4の回動と一体的に移動するが、第二ジョイント軸線C3は、ハンドル4及び台座3に対して一定の位置にあり続ける。このため、ハンドル4が軸線C1周りに回動するに連れて、関節部31がコイルばね33の一方の巻き端部を連れ回し、そのコイルばね33の他方の巻き端部から第二ジョイント軸線C3周りのトルクが与えられるばね支持部32が第二ジョイント軸線C3周りに回動して、ばね支持部32でコイルばね33の他方の巻き端部を支持する向きが変化する。このため、関節部31、コイルばね33及びばね支持部32は、第一ジョイント軸線C2を中心としてハンドル4と相対的に揺動しつつ、第二ジョイント軸線C3を中心として台座3と相対的に揺動する。この揺動に伴い、関節部31の軸39とばね支持部32のスライド穴41が相対的に直線L方向に滑り合って関節部31とばね支持部32との間の直線L方向の距離が変化するため、コイルばね33の圧縮量(弾性力)が変化する。ハンドル4が所定回動位置(位置c)にあるとき、直線L方向が軸線C1と直交する向きにあって、コイルばね33の圧縮量が最大となり、ハンドル4が位置cから一方向側又は他方向側に遠ざかる程にコイルばね33の圧縮量が小さくなる。
【0050】
また、ハンドル4には、コイルばね33の弾性力と、直線L方向と、軸線C1~C3の位置関係とに対応した方向及び大きさのトルクが作用する。このトルクは、直線Lの延長上に軸線C1が位置する位置cを境としてハンドル4が一方向側に寄ると、ハンドル4を一方向に回転させる方向となり、位置cを境としてハンドル4が他方向側に寄ると、ハンドル4を他方向に回転させる方向となる。このように、コイルばね33の弾性力でハンドル4を一方向又は他方向に回転させる方へ付勢する向きは、ハンドル4の軸線C1周りの回動に応じて関節部31とばね支持部32とコイルばね33とが台座3及びハンドル4に対して揺動することにより、位置cを境として切り替わる。
【0051】
その位置cは、ハンドル4の可回動範囲を二等分した中間位置よりも一方向側に寄った位置に設定されている。より具体的には、位置cは、ローラー14がドア枠6の斜面26から他方向側に外れかつ扉2の戸先からドア枠6側に突出しているハンドル回動位置に設定されている。図示例の位置cは、ハンドル4が一方向に限界まで回転した位置(位置a)からハンドル4が他方向に25°回転した位置、換言すれば、ハンドル4が他方向に限界まで回転した位置(位置b)から一方向に45°回転した位置となっている。
【0052】
コイルばね33の弾性力に基いてハンドル4に作用する一方向トルクと他方向トルクの大きさは、それぞれハンドル4の自重によるトルクに抗してハンドル4を対応の位置a又は位置bに保つことができるように可能な大きさに設定されている。
【0053】
扉2を閉じる操作者(図示省略)は、ドア枠6の弾性部材24に扉2を密着させる際、位置bのハンドル4を一方向に回すことになる(以下、図1図2図5を適宜参照のこと。)。ハンドル4が位置bから位置cまで一方向に回転する間、付勢機構5が抵抗するので、この抵抗に勝つように操作者がハンドル4を勢いよく回す。続いて、ハンドル4が位置cから位置aまで一方向に回転する間、付勢機構5による一方向トルクがハンドル4に作用し、操作者の手動ハンドル回し操作に対する助勢が増していく。この間にローラー14が斜面26を乗り越えて係合面27に達する。ハンドル4が位置aに達した時点では、付勢機構5による一方向トルクが締り基部20の自重による他方向トルクに勝っており、ハンドル4を位置aに保持可能な状態になっているので、操作者がハンドル4から手を離しても、ハンドル4の自重による他方向トルクでハンドル4が勝手に他方向に回転することはない。これにより、ドア枠6に対するローラー14の停止位置が適切に保たれて、扉2の自然開放が防止される。
【0054】
一方、ドア枠6に密着させられた扉2を開く操作者は、位置aのハンドル4を他方向に回すことになる。ハンドル4が位置aから位置cまで他方向に回転する間、付勢機構5が抵抗するので、この抵抗に勝つように操作者がハンドル4を勢いよく回す。この間にローラー14が係合面27から斜面26を下って斜面26から外れ、弾性部材24の弾性復元に伴って扉2が小さく開くが、ローラー14は、依然として扉2の戸先からドア枠6側に突出している。続いて、ハンドル4が位置cから位置bまで他方向に回転する間、付勢機構5による他方向トルクがハンドル4に作用し、操作者の手動ハンドル回し操作に対する助勢が増していく。この間に、ローラー14は、扉2の戸先からドア枠6側に突出しない位置、つまりドア枠6と衝突不可な位置となる。ハンドル4が位置bに達した時点では、付勢機構5による他方向トルクが把持部19の自重による一方向トルクに勝っており、ハンドル4を位置bに保持可能な状態になっているので、操作者がハンドル4から手を離しても、把持部19の自重による一方向トルクでハンドル4が勝手に一方向に回転することはない。これにより、ハンドル4の他方向回転不足が防止されて、ハンドル4のローラー14とドア枠6の衝突が防止される。
【0055】
特に、防音扉、気密扉等の厚く重い扉2の開放を急ぐ操作者の場合、弾性部材24の弾性復元による扉2の小開放が停止したことを扉2のロック解除完了と勘違いし、ハンドル4の手動回し操作を位置c直近で止めてしまい、そのまま扉2の正面に体当たりして扉2を乱暴に押し開けようとする可能性がある。このように乱暴な開扉操作が行われたときでも、その扉2の小開放停止位置(すなわちローラー14が斜面26から外れて扉2を引き寄せない位置)かつローラー14が扉2の戸先からドア枠6側に突出している位置(すなわち扉2を開くとローラー14がドア枠6と衝突し得る位置)である位置cを境として付勢機構5による他方向トルクがハンドル4に作用するため、ハンドル4の他方向回転不足を効果的に防止してローラー14とドア枠6の衝突防止を図ることができる。
【0056】
その位置c近傍では第一ジョイント軸34から弾性力をリンクプレート15に伝える接触部と軸線C1との間でのモーメントアームが比較的短くなるが、位置cで第一ジョイント軸線C2と第二ジョイント軸線C3間の距離が最短になってコイルばね33の弾性力が最大になるため、位置c近傍であっても、付勢機構5による他方向トルクを把持部19の自重による一方向トルクよりも大きくすることが可能である。これにより、前述の扉2の小開放停止の直後に操作者がハンドル4から手を離したときでも、速やかに付勢機構5によってハンドル4が他方向回転させられる。
【0057】
なお、図示例では、右勝手用に組み立てられた扉用ハンドル装置1を例示したが、この扉用ハンドル装置1は、リンクプレート15の向きを正背方向に入れ替えてハンドル本体13に噛み合わせ、関節部31~コイルばね33の向きを正背方向に入れ替え、台座3の図1中左側に設けられた分割軸部35a、ケース蓋のピン穴(図示省略)を用いて台座3と第二ジョイント軸で連結することにより、左勝手用に組み立てることも可能になっている。
【0058】
この扉用ハンドル装置1は、上述のように、付勢機構5がコイルばね33と、コイルばね33の一方の巻き端部をハンドル4の回動に応じて軸線C1周りに連れ回す関節部31と、関節部31によるコイルばね33の一方の巻き端部の連れ回しに応じてコイルばね33が台座3に対して揺動するようにコイルばね33の他方の巻き端部を受けるばね支持部32とを有するものなので、コイルばね33の弾性力でハンドル4を付勢する向きをハンドル4の軸線C1周りの回動に応じて変化させ、ハンドル4の所定回動位置(位置c)を境に、コイルばね33の弾性力でハンドル4を一方向又は他方向に回転させる方へ付勢する向きを切り替えることができる。したがって、この扉用ハンドル装置1と扉2とドア枠6で戸口開閉装置を構成する際、扉2及びドア枠6に対する扉用ハンドル装置1の配置を適切に決めることにより、扉2が閉じた状態のとき、ドア枠6に対するローラー14の停止位置が適切に保たれるようにハンドル4を付勢して扉2の自然開放を防ぐ一方、閉じた扉2を開く際にハンドル4の他方向回転不足が防止されるようにハンドル4を付勢してローラー14とドア枠6の衝突を防ぐことが可能になる。
【0059】
また、この扉用ハンドル装置1は、関節部31がハンドル4と第一ジョイント軸線C2周りに相対的に回動可能に結合されており、ばね支持部32が台座3と第二ジョイント軸線C3周りに相対的に回動可能に結合されており、第一ジョイント軸線C2及び第二ジョイント軸線C3が軸線C1に沿った方向であり、関節部31が第一ジョイント軸線C2及び第二ジョイント軸線C3と直交する直線Lに沿った方向にコイルばね33を受けるヘッド36と、ヘッド36から直線Lに沿った方向に延びる軸39とを一体に有する第一リンク部材からなり、ばね支持部32がコイルばね33を直線Lに沿った方向に受けると共に軸39と直線Lに沿った方向に相対的に滑り合う第二リンク部材からなるので、ハンドル4の軸線C1周りの回動に応じて関節部31とばね支持部32とコイルばね33が第一ジョイント軸線C2を中心にハンドル4に対して揺動しかつ第二ジョイント軸線C3を中心に台座3に対して揺動して、コイルばね33の弾性力でハンドル4を付勢する向きが変化する。これにより、この扉用ハンドル装置1は、三個の部材(31~33)で直線Lに沿った方向に可変長なリンクを構成し、このリンクを二つの対偶で台座3、ハンドル4に連結する簡素なリンク機構によって付勢機構5を実現することができる。
【0060】
第一実施形態においては、付勢機構5のばね支持部32を台座3に対して回動可能に設けた例を示したが、ばね支持部を台座に固定しても付勢機構を実現することは可能である。その一例としての第二実施形態を図7図8に示す。なお、以下では、第一実施形態との相違点を述べるに留める。
【0061】
第二実施形態に係る付勢機構50のばね支持部51は、上方側に向かって70°の開き角を成す一対の軸規制面52、53と、下方側に向かって70°の開き角を成す一対の軸規制面54、55とを一体に有する筒部材からなる。ばね支持部51は、ケース本体7の背面に対してねじ止めにより固定されている。
【0062】
関節部31の軸39は、上方側の一対の軸規制面52、53間の空間と、下方側の一対の軸規制面54、55間の空間とに通されている。上方側の軸規制面53と下方側の軸規制面54は、互いに第一方向に沿っており、上方側の軸規制面52と下方側の軸規制面55は、互いに第二方向(第一方向と70°の交差角を成す方向)に沿っている。このため、軸39は、ハンドル4の位置a~位置b間の回動に応じて台座3側のばね支持部51に対して揺動することができる。
【0063】
ばね支持部51の平坦面56は、ハンドル4が位置cにあるときにコイルばね33のつる巻き軸線に対して直角な方向に沿うように延びている。したがって、平坦面56は、ハンドル4が位置cにあるとき、コイルばね33の他方の巻き端部を平坦面56に対して直角な向きに受けることができ、ハンドル4が位置a、b等の位置c以外の回動位置にあるとき、コイルばね33の他方の巻き端部をハンドル4の位置cからの回動量に対応の斜め方向に受けることができる。
【0064】
ハンドル4の回動に応じて関節部31がコイルばね33の一方の巻き端部を連れ回す際、上方側の軸規制面52と下方側の軸規制面54とが成す山形の稜部、又は上方側の軸規制面53と下方側の軸規制面55とが成す山形の稜部が軸39を支えて軸39の揺動を規制する。平坦面56で前述のように受けられているコイルばね33は、その軸39の揺動に伴い、概ね第一実施形態の第二ジョイント軸線C3の位置相当を中心に台座3に対して揺動することができる。したがって、第二実施形態においても、第一実施形態と同じく、ハンドル4の回動に応じて、コイルばね33の弾性力でハンドル4を付勢する向きが変化する。
【0065】
このように、第二実施形態に係る付勢機構50は、ばね支持部51が台座3に固定されているので、第一実施形態の付勢機構に比して簡素な構造にすることができる。
【0066】
一方、図1に示す第一実施形態に係る付勢機構5は、ハンドル4の回動時、常にコイルばね33の他方の巻き端部を一定の向きに受けることができるため、第二実施形態に比してコイルばね33の揺動や圧縮が安定する。したがって、構造の簡素化を優先する場合は、第二実施形態を採用し、動作の安定性や耐久性を優先する場合は第一実施形態を採用すればよい。
【0067】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。したがって、本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0068】
1 扉用ハンドル装置
2 扉
3 台座
4 ハンドル
5、50 付勢機構
14 ローラー
31 関節部
32、51 ばね支持部
33 コイルばね
34 第一ジョイント軸
35 第二ジョイント軸
36 ヘッド
39 軸
40 平坦面
41 スライド穴
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8