(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-03
(45)【発行日】2025-07-11
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20250704BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20250704BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20250704BHJP
B65H 43/04 20060101ALI20250704BHJP
【FI】
H04N1/00 350
H04N1/00 567J
G03G21/00 386
G03G21/00 510
G03G15/00 480
B65H43/04
(21)【出願番号】P 2022001722
(22)【出願日】2022-01-07
【審査請求日】2024-09-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【氏名又は名称】冨田 雅己
(72)【発明者】
【氏名】西村 道明
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-143141(JP,A)
【文献】特開2006-305820(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G03G 15/00
G03G 21/00
B65H 43/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーの入力操作を受け付ける操作部と、
搬送路に沿って用紙を搬送する搬送部と、
ユーザーから画像データの印刷指令を受け付けたとき、前記画像データに基づき前記用紙に画像を形成する画像形成部と、
前記搬送路上の各所に設けられた用紙検知センサの検知結果に基づき、前記用紙の搬送状況を検知する用紙検知部と、
ユーザーに各種情報を表示する表示部と、
用紙の搬送時に前記用紙が詰まるジャムが発生した場合、想定される前記用紙の詰まり状況を示す予め定められた画像および前記用紙の詰まり状況を解消するために予め定められたガイダンスを記憶する記憶部と、
前記操作部、前記搬送部、前記画像形成部、前記用紙検知部、前記表示部および前記記憶部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、用紙の搬送時に前記用紙が詰まるジャムが発生した場合、前記用紙検知部の検知結果に応じて予め定められた前記用紙の詰まり状況を示す画像をユーザーに選択可能に前記表示部に表示させ、
前記画像の選択操作を前記操作部が受け付けた場合、選択された前記画像に対応する前記用紙の詰まり状況を解消するための前記ガイダンスを前記表示部に表示させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記用紙の詰まり状況を示す画像は、本体の予め定められたカバーを開いたときに前記搬送路上の各所に用紙が詰まった各種パターンの状況を示す画像である請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、ユーザーから画像データの印刷指令を受け付けた後、用紙の搬送時に前記用紙が詰まるジャムが発生した場合、前記画像データに基づく画像の印刷枚数が複数か否かを判定し、前記画像の印刷枚数が複数の場合、何枚目の印刷時に前記ジャムが発生したか、前記ジャムの発生タイミングを特定し、
前記用紙検知部の検知結果および前記ジャムの発生タイミングに応じて予め定められた前記用紙の詰まり状況を示す画像をユーザーに選択可能に前記表示部に表示させる請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、ユーザーから画像データの印刷指令を受け付けた後、用紙の搬送時に前記用紙が詰まるジャムが発生した場合、前記画像データに基づく画像の用紙サイズを特定し、
前記用紙検知部の検知結果および前記用紙サイズに応じて予め定められた前記用紙の詰まり状況を示す画像をユーザーに選択可能に前記表示部に表示させる請求項1~3のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記用紙サイズは、第1用紙サイズおよび前記第1用紙サイズよりも大きい第2用紙サイズを含み、
前記第1用紙サイズは、A4およびB5の用紙サイズを含み、
前記第2用紙サイズは、A3およびB4の用紙サイズを含む請求項4に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置に関し、より詳しくは、紙詰まりジャムの解消用のガイダンス表示機能を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複合機等の画像形成装置において、紙詰まり等のジャムやトナー切れ等のエラーの解消用のガイダンスを操作パネルに表示する機能を有するものが知られている。
【0003】
このようなジャムの解消用のガイダンス表示機能を有する画像形成装置に関連する発明として、従来、コントロールパネルにジャム発生箇所に応じた複数のジャム処理ガイダンス画面を順次表示する表示装置の発明が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0004】
また、発生したエラーに対応する構成品および確認部位の画像をカメラで取得して、エラーが発生していないときに撮影された基準画像とのパターンマッチングによる画像解析で異物(詰まっている用紙)ありと判定した場合に、前記異物を指し示す指示画像を、前記エラーを解消するための作業手順を示すガイダンス画像として、表示部に表示する画象形成装置の発明が開示されている(例えば、特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平10-107940号公報
【文献】国際公開第2020/162081号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のジャムの解消用のガイダンス表示機能を有する画像形成装置において、ジャムの発生を各所に設けられたセンサで検知し、当該センサのオン・オフに基づいてジャム処理ガイダンス画面を順次表示していた。
【0007】
しかしながら、センサが検知できない位置でジャムが発生した場合、適切なガイダンス表示ができないこともあり、また、適切なガイダンス表示をするために専用のセンサやカメラの設置数を増やすと、かえってコストがかかってしまうという問題があった。
【0008】
この発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、その目的は、従来よりも効率よく紙詰まりジャムの解消用のガイダンス表示を行うことのできる画像形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、ユーザーの入力操作を受け付ける操作部と、搬送路に沿って用紙を搬送する搬送部と、ユーザーから画像データの印刷指令を受け付けたとき、前記画像データに基づき前記用紙に画像を形成する画像形成部と、前記搬送路上の各所に設けられた用紙検知センサの検知結果に基づき、前記用紙の搬送状況を検知する用紙検知部と、ユーザーに各種情報を表示する表示部と、用紙の搬送時に前記用紙が詰まるジャムが発生した場合、想定される前記用紙の詰まり状況を示す予め定められた画像および前記用紙の詰まり状況を解消するために予め定められたガイダンスを記憶する記憶部と、前記操作部、前記搬送部、前記画像形成部、前記用紙検知部、前記表示部および前記記憶部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、用紙の搬送時に前記用紙が詰まるジャムが発生した場合、前記用紙検知部の検知結果に応じて予め定められた前記用紙の詰まり状況を示す画像をユーザーに選択可能に前記表示部に表示させ、前記画像の選択操作を前記操作部が受け付けた場合、選択された前記画像に対応する前記用紙の詰まり状況を解消するための前記ガイダンスを前記表示部に表示させることを特徴とする画像形成装置を提供する。
【0010】
この発明において、「画像形成装置」は、トナーによる像形成に電子写真方式を用いるプリンタなどの複写(コピー)機能を有する複写機や複合機、または複写以外の機能をも含むMFP(Multifunctional Peripheral:多機能周辺装置)など、画像を形成して出力する装置である。
なお、この発明の画像形成装置は、トナー以外の媒体(例えば、インクなど)を使用して画像を形成する装置であってもよく、搬送路に沿って用紙を搬送する搬送部を有するものであれば、画像を形成する方式に限定されない。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、用紙の搬送時に前記用紙が詰まるジャムが発生した場合、用紙検知部の検知結果に応じて予め定められた用紙の詰まり状況を示す画像をユーザーに選択可能に表示部に表示させるため、従来よりも効率よく紙詰まりジャムの解消用のガイダンス表示を行うことのできる画像形成装置が実現される。
【0012】
さらに、この発明の好ましい態様について説明する。
【0013】
この発明による画像形成装置において、前記用紙の詰まり状況を示す画像は、本体の予め定められたカバーを開いたときに前記搬送路上の各所に用紙が詰まった各種パターンの状況を示す画像であってもよい。
【0014】
このようにすれば、用紙の搬送時に前記用紙が詰まるジャムが発生した場合、用紙検知部の検知結果に応じて、実際に本体カバーを開いたときに搬送路上の各所に用紙が詰まった各種パターンの状況を示す画像をユーザーに選択可能に表示部に表示させるため、従来よりも効率よく紙詰まりジャムの解消用のガイダンス表示を行うことのできる画像形成装置を実現できる。
【0015】
この発明による画像形成装置において、前記制御部は、ユーザーから画像データの印刷指令を受け付けた後、用紙の搬送時に前記用紙が詰まるジャムが発生した場合、前記画像データに基づく画像の印刷枚数が複数か否かを判定し、前記画像の印刷枚数が複数の場合、何枚目の印刷時に前記ジャムが発生したか、前記ジャムの発生タイミングを特定し、前記用紙検知部の検知結果および前記ジャムの発生タイミングに応じて予め定められた前記用紙の詰まり状況を示す画像をユーザーに選択可能に前記表示部に表示させるものであってもよい。
【0016】
このようにすれば、用紙の搬送時に前記用紙が詰まるジャムが発生した場合、用紙検知部の検知結果およびジャムの発生タイミングに応じて予め定められた用紙の詰まり状況を示す画像をユーザーに選択可能に表示部に表示させるため、従来よりも効率よく紙詰まりジャムの解消用のガイダンス表示を行うことのできる画像形成装置を実現できる。
【0017】
この発明による画像形成装置において、前記制御部は、ユーザーから画像データの印刷指令を受け付けた後、用紙の搬送時に前記用紙が詰まるジャムが発生した場合、前記画像データに基づく画像の用紙サイズを特定し、前記用紙検知部の検知結果および前記用紙サイズに応じて予め定められた前記用紙の詰まり状況を示す画像をユーザーに選択可能に前記表示部に表示させるものであってもよい。
【0018】
このようにすれば、用紙の搬送時に前記用紙が詰まるジャムが発生した場合、用紙検知部の検知結果および用紙サイズに応じて予め定められた用紙の詰まり状況を示す画像をユーザーに選択可能に表示部に表示させるため、従来よりも効率よく紙詰まりジャムの解消用のガイダンス表示を行うことのできる画像形成装置を実現できる。
【0019】
この発明による画像形成装置において、前記用紙サイズは、第1用紙サイズおよび前記第1用紙サイズよりも大きい第2用紙サイズを含み、前記第1用紙サイズは、A4およびB5の用紙サイズを含み、前記第2用紙サイズは、A3およびB4の用紙サイズを含むものであってもよい。
【0020】
このようにすれば、用紙サイズが第1用紙サイズ(A4,B5)および第2用紙サイズ(A3,B4)のときにそれぞれ想定される用紙の詰まり状況を考慮して、用紙検知部の検知結果および用紙サイズに応じて予め定められた用紙の詰まり状況を示す画像をユーザーに選択可能に表示部に表示させるため、従来よりも効率よく紙詰まりジャムの解消用のガイダンス表示を行うことのできる画像形成装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】この発明の実施形態1に係るデジタル複合機の外観を示す斜視図である。
【
図2】
図1のデジタル複合機の内部構成を示す断面図である。
【
図3】
図1に示すデジタル複合機の電気的構成を示すブロック図である。
【
図4】
図1のデジタル複合機の紙詰まり発生時のジャムの解消用のガイダンス表示処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】
図1のデジタル複合機の用紙の搬送状況と想定される用紙の詰まり状況との関係の一例を示す表である。
【
図6】
図1のデジタル複合機の用紙の詰まりの発生を知らせるメッセージの一例を示す説明図である。
図6(A)は、想定される用紙の詰まり状況が定着部で1枚のみの場合のメッセージの一例を示し、
図6(B)は、想定される用紙の詰まり状況が定着部で1枚、2次転写部で1枚の場合のメッセージの一例を示す。
【
図7】この発明の実施形態2に係るデジタル複合機の紙詰まり発生時のジャムの解消用のガイダンス表示処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】この発明の実施形態2に係るデジタル複合機の用紙の搬送状況とジョブの印刷枚数が複数枚の場合に想定される用紙の詰まり状況との関係の一例を示す表である。
【
図9】この発明の実施形態2に係るデジタル複合機の用紙の詰まりの発生を知らせるメッセージの一例を示す説明図である。
【
図10】この発明の実施形態3に係るデジタル複合機の紙詰まり発生時のジャムの解消用のガイダンス表示処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】この発明の実施形態3に係るデジタル複合機の用紙の搬送状況とジョブの印刷枚数が複数枚の場合において、用紙サイズが小サイズおよび大サイズのときにそれぞれ想定される用紙の詰まり状況との関係の一例を示す表である。
【
図12】この発明の実施形態3に係るデジタル複合機の用紙の詰まりの発生を知らせるメッセージの一例を示す説明図である。
【
図13】この発明の実施形態4に係るデジタル複合機の紙詰まり発生時のジャムの解消用のガイダンス表示処理の一例を示すフローチャートである。
【
図14】この発明の実施形態4に係るデジタル複合機の用紙の搬送状況とジョブの印刷枚数が複数枚の場合において、用紙サイズが小サイズおよび大サイズのときにそれぞれ想定される用紙の詰まり状況との関係の一例を示す表である。
【
図15】この発明の実施形態4に係るデジタル複合機の用紙の詰まりの発生を知らせるメッセージの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を用いてこの発明をさらに詳述する。なお、以下の説明は、すべての点で例示であって、この発明を限定するものと解されるべきではない。
【0023】
〔実施形態1〕
<デジタル複合機1の構成>
以下、
図1~
図3に基づき、この発明の実施形態1に係る画像形成装置の一例としてのデジタル複合機1の概要について説明する。
【0024】
図1は、この発明の実施形態1に係るデジタル複合機1の外観を示す斜視図である。
【0025】
デジタル複合機1は、複写機能やスキャナ機能、ファクシミリ機能を有し、原稿から読み取った画像データをデジタル処理して出力する装置である。
【0026】
デジタル複合機1は、印刷モードとしてコピー(複写)機能、プリント機能、FAX機能を有しており、操作パネル108(
図3)からの操作入力や、パーソナルコンピュータ(PC)等の外部装置からの印刷ジョブの受信に応じた印刷機能が、制御部100(
図3)によって選択される。
【0027】
<デジタル複合機1の内部構成>
次に、
図2に基づき、デジタル複合機1の内部的な構成を簡単に説明する。
図2は、
図1のデジタル複合機1の内部構成を示す断面図である。
【0028】
デジタル複合機1においては、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像を印刷用紙(以下、単に「用紙」ともいう)に印刷する。
あるいは、単色(例えばブラック)を用いたモノクロ画像を用紙に印刷する。
【0029】
このため、現像部12、感光体ドラム13、ドラムクリーニング部14、および帯電器15等は、それぞれ4個ずつ設けられる。
各色に応じた4種類のトナー像を形成するために、それぞれがブラック、シアン、マゼンタ、およびイエローに対応付けられて、4つの画像ステーションPa、Pb、Pc、Pdが構成されている。
【0030】
各画像ステーションPa、Pb、Pc、Pdのいずれにおいても、次のようにしてトナー像が形成される。
ドラムクリーニング部14が、感光体ドラム13表面の残留トナーを除去および回収する。
その後、帯電器15が感光体ドラム13の表面を所定の電位に均一に帯電させる。
そして、光走査部11が均一に帯電した前記表面を露光して前記表面に静電潜像を形成する。
その後、現像部12が前記静電潜像を現像する。これにより、各感光体ドラム13表面に各色のトナー像が形成される。
【0031】
また、中間転写ベルト21は矢印方向Cに周回移動する。
ベルトクリーニング部22は周回移動する中間転写ベルト21の残留トナーを除去および回収する。
各感光体ドラム13表面の各色のトナー像が中間転写ベルト21に順次転写して重ね合わせられて、中間転写ベルト21上にカラーのトナー像が形成される。
【0032】
前記用紙は、ピックアップローラ33により給紙部20内の4つある給紙トレイ18のいずれか1つから引き出されて、用紙搬送経路R1を介して2次転写部23へ給送される。
あるいは、手差トレイ19から図示しないピックアップローラ33によって給送され、用紙搬送経路R1を介して2次転写部23へ給送される。
【0033】
用紙搬送経路R1には、用紙を一旦停止させて用紙の先端を揃えるPSローラ34が配置されている。
また、用紙の給紙を促す給紙ローラ35等が配置されている。
PSローラ34は、用紙を一旦停止させた後、中間転写ベルト21と転写ローラ23a間のニップ域へトナー像の転写タイミングに合わせて用紙を搬送する。
【0034】
2次転写部23の転写ローラ23aと中間転写ベルト21との間にはニップ域が形成される。
用紙が前記ニップを通過するとき、中間転写ベルト21の表面に形成されたカラーのトナー像が用紙に転写される。
【0035】
用紙は、前記ニップ域を通過した後、定着部17の加熱ローラ24と加圧ローラ25との間に挟まれて加熱および加圧される。
この加熱および加圧により、カラーのトナー像が用紙上に定着される。
【0036】
定着部17を通過した用紙は、排出ローラ36aまたは36bを経て排出トレイ39aまたは39bへ排出される。
【0037】
用紙の排出先は、後述する制御部100によって制御され、図示しない切替え機構によって排出トレイ39aおよび39bの何れかへ用紙が導かれるように搬送経路が切替えられる。
【0038】
用紙の搬送経路の切替え機構は、画像形成装置の技術分野で周知であるので詳細な図示を省略している。
【0039】
続いて、
図3に基づき、デジタル複合機1の電気的な構成を説明する。
【0040】
図3は、
図1に示すデジタル複合機1の電気的構成を示すブロック図である。
図3に示すように、デジタル複合機1は、制御部100、通信部101、画像データ取得部102、画像処理部103、記憶部104、画像形成部105、搬送部106、用紙検知部107および操作パネル108を備える。
【0041】
以下、デジタル複合機1の各構成要素を説明する。
【0042】
制御部100は、デジタル複合機1を統合的に制御するものであって、CPU、RAM、ROM、各種のインターフェース回路等からなる。
【0043】
制御部100は、デジタル複合機1全体の動作をコントロールするために、各センサの検知、モーター、クラッチ、操作パネル108等、あらゆる負荷の監視・制御を行う。
【0044】
通信部101は、有線または無線のネットワークを介して、外部のコンピュータや携帯情報端末等の情報処理装置やファクシミリ装置との通信をおこない、メールやFAXなどの種々のデータをこれら外部の装置と送受信する部分である。
【0045】
画像データ取得部102は、原稿台に置かれた原稿や原稿トレイから搬送されてきた原稿を検知して読み取り、画像データを生成する部分である。
また、外部の情報処理装置(不図示)またはファクシミリ装置(不図示)等で生成された画像データを取得する部分である。
【0046】
画像処理部103は、画像データ取得部102によって生成または取得された画像データを操作部1082からの指令に従い、拡大・縮小等の出力に適するように処理を行う部分である。
【0047】
記憶部104は、デジタル複合機1の各種機能を実現するために必要な情報や、制御プログラムなどを記憶する素子や記憶媒体である。例えば、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory等の半導体素子、ハードディスク、フラッシュ記憶部、SSD等の記憶媒体が用いられる。
【0048】
なお、データを保持する領域がハードディスクドライブで、プログラムを保持する領域がフラッシュ記憶部で構成するといったように、プログラムとデータが異なる装置に保持されてもよい。
【0049】
画像形成部105は、画像データ取得部102によって生成または取得され、画像処理部103によって処理された画像データを用紙上に印刷出力する部分である。
【0050】
画像形成部105は、
図2における光走査部11、現像部12、感光体ドラム13、ドラムクリーニング部14および帯電器15に係る電気的構成要素を含んで構成される。
画像形成部105は、さらに中間転写ベルト21、定着部17、用紙搬送経路R1、給紙部20、および排出トレイ39a、39bに係る電気的構成要素を含んで構成される。
【0051】
搬送部106は、給紙部20内の給紙トレイ18、手差トレイ19および原稿セット台に格納された用紙を画像形成部105まで搬送し、印刷後、排出トレイ39a、39bから排出する部分である。
【0052】
用紙検知部107は、用紙の搬送路上の予め定められた位置に設けられた複数の用紙検知センサからなり、用紙の搬送状況や紙詰まりを検知する部分である。
【0053】
操作パネル108は、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)を備えたユニットであり、表示部1081および操作部1082を備える。
【0054】
表示部1081は、各種情報の表示を行う部分である。
表示部1081は、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、ELディスプレイなどで構成され、オペレーティングシステムやアプリケーションソフトウェアが処理状態など電子的なデータを表示するためのモニタやラインディスプレイなどの表示装置である。
制御部100は、表示部1081を通じて、デジタル複合機1の動作および状態の表示を行う。
【0055】
操作部1082は、タッチパネルおよび電源キー等の物理的な操作キーからなり、ユーザーからの指令を受け付ける部分でもある。
【0056】
<デジタル複合機1の紙詰まり発生時のジャムの解消用のガイダンス表示処理>
次に、
図4~
図8に基づき、デジタル複合機1の紙詰まり発生時のジャムの解消用のガイダンス表示処理について説明する。
図4は、
図1のデジタル複合機1の紙詰まり発生時のジャムの解消用のガイダンス表示処理の一例を示すフローチャートである。
【0057】
図4において、紙詰まりに起因するジャムが発生した場合を想定する。
【0058】
紙詰まりに起因するジャムが発生したとき、ステップS1において、制御部100は、用紙検知部107によって検知された用紙の搬送状況を特定する(ステップS1)。
【0059】
図5は、
図1のデジタル複合機1の用紙の搬送状況と想定される用紙の詰まり状況との関係の一例を示す表である。
【0060】
実施形態1において、用紙の搬送状況を検知するために複数の用紙検知センサが用紙搬送経路R1上の各所に設けられている。
【0061】
実施形態1では、ピックアップローラ33と給紙ローラ35の間に1つ、給紙ローラ35に1つ、PSローラ34に1つ、給紙ローラ35とPSローラ34の間に1つ、定着部17に1つ、PSローラ34と定着部17の間に1つの用紙検知センサが設けられているものとする。
【0062】
制御部100は、これらの用紙検知センサの検知結果に基づき、用紙の搬送状況および当該用紙の搬送状況から想定される用紙の詰まり状況を特定する。
【0063】
(用紙が定着部17に滞留の場合)
例えば、用紙検知部107が定着部17で用紙を検知した場合、制御部100は、用紙が定着部17に滞留した状態にあるものとして、想定される用紙の詰まり状況が定着部17に1枚あるものとする。
【0064】
(用紙が定着部17に未達の場合)
用紙検知部107がPSローラ34と定着部17の間で用紙を検知した場合、制御部100は、用紙が定着部17に未達の状態にあるものとして、想定される用紙の詰まり状況が2次転写部23に1枚あるもの特定する。
【0065】
(用紙がPSローラ34に滞留の場合)
用紙検知部107がPSローラ34で用紙を検知した場合、制御部100は、用紙がPSローラ34に滞留した状態にあるものとして、想定される用紙の詰まり状況が2次転写部23に1枚あるものとする。
【0066】
(用紙がPSローラ34に未達の場合)
用紙検知部107が給紙ローラ35とPSローラ34の間で用紙を検知した場合、制御部100は、用紙がPSローラ34に未達の状態にあるものとして、想定される用紙の詰まり状況が給紙部20に1枚あるものとする。
【0067】
(用紙が給紙ローラ35に滞留の場合)
用紙検知部107が給紙ローラ35で用紙を検知した場合、制御部100は、用紙が給紙ローラ35に滞留した状態にあるものとして、想定される用紙の詰まり状況が給紙部20に1枚あるものとする。
【0068】
(用紙が給紙ローラ35に未達の場合)
用紙検知部107がピックアップローラ33と給紙ローラ35の間で用紙を検知した場合、制御部100は、用紙が給紙ローラ35に未達の状態にあるものとして、想定される用紙の詰まり状況が給紙部20に1枚あるものとする。
【0069】
次に、ステップS2において、制御部100は、用紙の搬送状況別に用紙の詰まり状況の候補画像を表示部1081に表示させる(ステップS2)。
【0070】
図6は、
図1のデジタル複合機1の用紙の詰まりの発生を知らせるメッセージの一例を示す説明図である。
【0071】
図6(A)は、想定される用紙の詰まり状況が定着部17で1枚のみの場合のメッセージの一例を示す。
【0072】
図6(A)の例では、「紙詰まりが発生しました。以下の画像の位置で紙詰まりが発生した可能性があります。画像を選択すると、紙を取り除くためのガイダンスが始まります。」というメッセージとともに、定着部17で紙詰まりが発生した画像が表示される。
【0073】
ユーザーが画像を選択すると、制御部100は、当該画像に対応した紙を取り除くためのガイダンスを始める。
【0074】
図6(B)は、想定される用紙の詰まり状況が定着部17で1枚、2次転写部23で1枚の場合のメッセージの一例を示す。
【0075】
図6(B)の例では、「紙詰まりが発生しました。本体カバーを開けて機内の用紙の状態に近い画像を選択してください。画像を選択すると、紙を取り除くためのガイダンスが始まります。」というメッセージとともに、定着部17および2次転写部23で紙詰まりがそれぞれ発生した画像が表示される。
【0076】
図6(B)の左側の画像は、2枚の小サイズ(例えば、A4用紙など)の用紙がそれぞれ定着部17および2次転写部23で詰まった場合の画像を示す。
一方、
図6(B)の右側の画像は、1枚の大サイズ(例えば、A3用紙など)の用紙が定着部17から2次転写部23にわたって詰まった場合の画像を示す。
【0077】
この場合、2枚の小サイズの用紙が詰まったのか、それとも1枚の大サイズの用紙が詰まったのか、想定される用紙の詰まり状況がいずれであるのかを特定するため、ユーザーは本体カバーを開けてデジタル複合機1内の用紙の状態に近い画像を選択する。
【0078】
ユーザーが画像を選択すると、制御部100は、当該画像に対応した紙を取り除くためのガイダンスを始める。
【0079】
次に、
図4のステップS3において、制御部100は、ユーザーが候補画像を選択したか否かを判定する(ステップS3)。
【0080】
ユーザーが候補画像を選択した場合(ステップS3の判定がYesの場合)、ステップS4において、制御部100は、選択された画像に対応した用紙の詰まり解消用のガイダンスを表示部1081に表示させる(ステップS4)。
【0081】
次に、ステップS5において、ユーザーが用紙を取り除く作業をした後、本体カバーが閉められると(ステップS5)、続くステップS6において、制御部100は、詰まった用紙が全て取り除かれたか否かを用紙検知部107の検知結果に基づき判定する(ステップS6)。
【0082】
詰まった用紙が全て取り除かれた場合(ステップS6の判定がYesの場合)、制御部100は、ジャムの解消用のガイダンス表示処理を終了して、予め定められたウォームアップ動作を開始する。
【0083】
一方、詰まった用紙が全て取り除かれていない場合(ステップS6の判定がNoの場合)、制御部100は、ステップS2に処理を戻す。
【0084】
なお、2以上の位置で紙詰まりが発生している場合、制御部100は、用紙が取り除かれた位置に対応する画像を消去し、まだ用紙が取り除かれていない位置に対応する画像のみを表示部1081に表示させる。
【0085】
このようにして、用紙の搬送時に前記用紙が詰まるジャムが発生した場合、用紙検知部107の検知結果に応じて予め定められた用紙の詰まり状況を示す画像をユーザーに選択可能に表示部1081に表示させるため、従来よりも効率よく紙詰まりジャムの解消用のガイダンス表示を行うことのできるデジタル複合機1を実現できる。
【0086】
〔実施形態2〕
<この発明の実施形態2のデジタル複合機1の紙詰まり発生時のジャムの解消用のガイダンス表示処理>
次に、
図7~
図9に基づき、この発明の実施形態2のデジタル複合機1における紙詰まり発生時のジャムの解消用のガイダンス表示処理について説明する。
【0087】
実施形態2のデジタル複合機1の構成は、実施形態1のデジタル複合機1の構成(
図1~3)と同様であるため、説明を省略する。
【0088】
図7は、この発明の実施形態2に係るデジタル複合機1の紙詰まり発生時のジャムの解消用のガイダンス表示処理の一例を示すフローチャートである。
【0089】
なお、
図7のステップS11およびS14~S18の処理は、それぞれ
図4(実施形態1)のステップS1~S6の処理に対応するため、説明を省略する。
【0090】
ここでは、実施形態1に記載のない
図7のステップS12およびS13の処理について説明する。
【0091】
図7のステップS11において、用紙検知部107によって検知された用紙の搬送状況を特定した後(ステップS11)、ステップS12において、制御部100は、ジョブの内容(印刷枚数)を特定する(ステップS12)。
【0092】
続くステップS13において、制御部100は、当該ジョブの何枚目の印刷時にジャムが発生したか、ジャムの発生タイミングを特定する(ステップS13)。
【0093】
実施形態2において、実施形態1と同様に用紙検知センサが設けられているものとし、制御部100は、用紙検知センサの検知結果に基づき、用紙の搬送状況を特定する。
【0094】
実施形態1と異なる点は、制御部100が、用紙検知部107の検知結果だけでなく、ジャムの発生時のジョブの印刷枚数およびジャムの発生タイミングも参照して、想定される用紙の詰まり状況を特定する点である。
【0095】
図8は、この発明の実施形態2に係るデジタル複合機1の用紙の搬送状況とジョブの印刷枚数が複数枚の場合に想定される用紙の詰まり状況との関係の一例を示す表である。
【0096】
なお、ジョブの印刷枚数が1枚のみの場合は、実施形態1(
図5)と同様であるため、説明を省略する。
【0097】
以下、ジョブの印刷枚数が複数枚の場合について説明する。
【0098】
(用紙が定着部17に滞留の場合)
図8の例において、用紙検知部107が定着部17で用紙を検知した場合、制御部100は、用紙が定着部17に滞留した状態にあるものとして、さらにジョブの発生タイミングを特定する。
【0099】
1枚目~ジョブの途中でジャムが発生した場合、制御部100は、想定される用紙の詰まり状況が定着部17に1枚、給紙部20に1枚あるものとする。
【0100】
なお、想定される用紙の詰まり状況は、デジタル複合機1の用紙の搬送速度に応じて、適宜変更してもよい。
【0101】
また、最終紙の印刷時にジャムが発生した場合、制御部100は、想定される用紙の詰まり状況が定着部17に1枚あるものとする。
【0102】
(用紙が定着部17に未達の場合)
用紙が定着部17に未達の状態で1枚目~ジョブの途中でジャムが発生した場合、制御部100は、想定される用紙の詰まり状況が2次転写部23に1枚、給紙部20に1枚あるものとする。
【0103】
また、最終紙の印刷時にジャムが発生した場合、制御部100は、想定される用紙の詰まり状況が2次転写部23に1枚あるものとする。
【0104】
(用紙がPSローラ34に滞留の場合)
用紙がPSローラ34に滞留した状態で、1枚目でジャムが発生した場合、制御部100は、想定される用紙の詰まり状況が2次転写部23に1枚、給紙部20に1枚あるものとする。
【0105】
また、2枚目~ジョブ途中でジャムが発生した場合、制御部100は、想定される用紙の詰まり状況が定着部17に1枚、2次転写部23に1枚、給紙部20に1枚あるものとする。
【0106】
また、最終紙でジャムが発生した場合、制御部100は、想定される用紙の詰まり状況が定着部17に1枚、2次転写部23に1枚あるものとする。
【0107】
(用紙がPSローラ34に未達の場合)
用紙がPSローラ34に未達の状態で、1枚目でジャムが発生した場合、制御部100は、想定される用紙の詰まり状況が給紙部20に1枚あるものとする。
【0108】
また、ジョブ途中~最終紙の印刷時にジャムが発生した場合、制御部100は、想定される用紙の詰まり状況が定着部17に1枚、給紙部20に1枚あるものとする。
【0109】
(用紙が給紙ローラ35に滞留の場合)
用紙検知部107が給紙ローラ35に滞留の状態で、1枚目でジャムが発生した場合、制御部100は、想定される用紙の詰まり状況が給紙部20に1枚あるものとする。
【0110】
また、ジョブ途中~最終紙の印刷時にジャムが発生した場合、制御部100は、想定される用紙の詰まり状況が定着部17に1枚、給紙部20に1枚あるものとする。
【0111】
(用紙が給紙ローラ35に未達の場合)
用紙が給紙ローラ35に未達の状態で、1枚目でジャムが発生した場合、制御部100は、想定される用紙の詰まり状況が給紙部20に1枚あるものとする。
【0112】
また、ジョブ途中~最終紙の印刷時にジャムが発生した場合、制御部100は、想定される用紙の詰まり状況が定着部17に1枚、給紙部20に1枚あるものとする。
【0113】
図9は、
図1のデジタル複合機1の用紙の詰まりの発生を知らせるメッセージの一例を示す説明図である。
【0114】
想定される用紙の詰まり状況が定着部17に1枚、給紙部20に1枚の場合、
図9に示すように、「紙詰まりが発生しました。以下の画像の位置で紙詰まりが発生した可能性があります。画像を選択すると、紙を取り除くためのガイダンスが始まります。」というメッセージとともに、定着部17および給紙部20でそれぞれ紙詰まりが発生した画像が表示される。
【0115】
このようにして、用紙の搬送時に前記用紙が詰まるジャムが発生した場合、用紙検知部107の検知結果およびジャムの発生タイミングに応じて予め定められた用紙の詰まり状況を示す画像をユーザーに選択可能に表示部1081に表示させるため、従来よりも効率よく紙詰まりジャムの解消用のガイダンス表示を行うことのできるデジタル複合機1を実現できる。
【0116】
〔実施形態3〕
<この発明の実施形態3のデジタル複合機1の紙詰まり発生時のジャムの解消用のガイダンス表示処理>
次に、
図10~
図12に基づき、この発明の実施形態3のデジタル複合機1における紙詰まり発生時のジャムの解消用のガイダンス表示処理について説明する。
【0117】
実施形態3のデジタル複合機1の構成は、実施形態1のデジタル複合機1の構成(
図1~3)と同様であるため、説明を省略する。
【0118】
図10は、この発明の実施形態3に係るデジタル複合機1の紙詰まり発生時のジャムの解消用のガイダンス表示処理の一例を示すフローチャートである。
【0119】
なお、
図10のステップS21およびS23~S28の処理は、それぞれ
図7(実施形態2)のステップS11およびS13~S18の処理に対応するため、説明を省略する。
【0120】
ここでは、実施形態2と異なる
図10のステップS22の処理について説明する。
【0121】
図10のステップS21において、用紙検知部107によって検知された用紙の搬送状況を特定した後(ステップS21)、ステップS22において、制御部100は、ジョブの内容(用紙サイズおよび印刷枚数)を特定する(ステップS22)。
【0122】
実施形態3において、実施形態1および2と同様に用紙検知センサが設けられているものとし、制御部100は、用紙検知センサの検知結果に基づき、用紙の搬送状況を特定する。
【0123】
実施形態1および2と異なる点は、制御部100が、用紙検知部107の検知結果だけでなく、ジャムの発生時のジョブの用紙サイズ、印刷枚数およびジャムの発生タイミングも参照して、想定される用紙の詰まり状況を特定する点である。
【0124】
図11は、この発明の実施形態3に係るデジタル複合機1の用紙の搬送状況とジョブの印刷枚数が複数枚の場合において、用紙サイズが小サイズおよび大サイズのときにそれぞれ想定される用紙の詰まり状況との関係の一例を示す表である。
【0125】
ここで、小サイズは、A4,B5,LT等、予め定められた用紙のサイズである。
また、大サイズは、A3,B4,WLT等、予め定められた用紙のサイズである。
LT、WLTはインチ系用紙の呼称で、それぞれLT:11×8.5[inch]、WLT:17×11[inch]のサイズの用紙を指す。
【0126】
なお、ジョブの印刷枚数が1枚のみの場合は、用紙サイズによらず、実施形態1(
図5)と同様であるため、説明を省略する。
【0127】
以下、ジョブの印刷枚数が複数枚の場合について説明する。
【0128】
(用紙が定着部17に滞留の場合)
図10の例において、用紙検知部107が定着部17で用紙を検知した場合、制御部100は、用紙が定着部17に滞留した状態にあるものとして、さらにジョブの発生タイミングを特定する。
【0129】
1枚目~ジョブの途中でジャムが発生した場合、制御部100は、用紙サイズが小サイズの場合は、想定される用紙の詰まり状況が定着部17に1枚、給紙部20に1枚あり、用紙サイズが大サイズの場合は、定着部17から2次転写部23にかけて1枚の用紙が滞留しているものとする。
【0130】
また、最終紙の印刷時にジャムが発生した場合、制御部100は、用紙サイズによらず、想定される用紙の詰まり状況が定着部17に1枚あるものとする。
【0131】
(用紙が定着部17に未達の場合)
用紙が定着部17に未達の状態で1枚目~ジョブの途中でジャムが発生した場合、制御部100は、用紙サイズが小サイズの場合は、想定される用紙の詰まり状況が2次転写部23に1枚、給紙部20に1枚あり、用紙サイズが大サイズの場合は、2次転写部23から給紙部20にかけて1枚の用紙が滞留している(ただし、給紙先による)ものとする。
【0132】
ここで、「給紙先による」とは、最上段の用紙トレイからの給紙の場合は、次用紙の給紙が始まっていない可能性が高いためこの場合のジャム紙は上記の1枚となるが、最下段の給紙トレイからの給紙の場合は、次用紙の給紙が始まっている場合があり、給紙部にもう1枚の用紙が残っている可能性があることを示している。
【0133】
また、最終紙の印刷時にジャムが発生した場合、制御部100は、用紙サイズによらず、想定される用紙の詰まり状況が2次転写部23に1枚あるものとする。
【0134】
(用紙がPSローラ34に滞留の場合)
用紙がPSローラ34に滞留した状態で、1枚目でジャムが発生した場合、制御部100は、想定される用紙の詰まり状況が、用紙サイズが小サイズの場合は、2次転写部23に1枚、給紙部20に1枚あり、用紙サイズが大サイズの場合は、2次転写部23から給紙部20にかけて1枚の用紙が滞留している(ただし、給紙先による)ものとする。
【0135】
また、2枚目~ジョブ途中でジャムが発生した場合、制御部100は、想定される用紙の詰まり状況が、用紙サイズが小サイズの場合は、定着部17に1枚、2次転写部23に1枚、給紙部20に1枚あり、用紙サイズが大サイズの場合は、2次転写部23から給紙部20にかけて1枚の用紙が滞留している(ただし、給紙先による)ものとする。
【0136】
また、最終紙でジャムが発生した場合、制御部100は、想定される用紙の詰まり状況が、用紙サイズが小サイズの場合は、定着部17に1枚、2次転写部23に1枚あり、用紙サイズが大サイズの場合は、2次転写部23に1枚あるものとする。
【0137】
(用紙がPSローラ34に未達の場合)
用紙がPSローラ34に未達の状態で、1枚目でジャムが発生した場合、制御部100は、用紙サイズによらず、想定される用紙の詰まり状況が給紙部20に1枚あるものとする。
【0138】
また、ジョブ途中~最終紙の印刷時にジャムが発生した場合、制御部100は、用紙サイズによらず、想定される用紙の詰まり状況が定着部17に1枚、給紙部20に1枚あるものとする。
【0139】
(用紙が給紙ローラ35に滞留の場合)
用紙検知部107が給紙ローラ35に滞留の状態で、1枚目でジャムが発生した場合、制御部100は、用紙サイズによらず、想定される用紙の詰まり状況が給紙部20に1枚あるものとする。
【0140】
また、ジョブ途中~最終紙の印刷時にジャムが発生した場合、制御部100は、用紙サイズによらず、想定される用紙の詰まり状況が定着部17に1枚、給紙部20に1枚あるものとする。
【0141】
(用紙が給紙ローラ35に未達の場合)
用紙が給紙ローラ35に未達の状態で、1枚目でジャムが発生した場合、制御部100は、用紙サイズによらず、想定される用紙の詰まり状況が給紙部20に1枚あるものとする。
【0142】
また、ジョブ途中~最終紙の印刷時にジャムが発生した場合、制御部100は、用紙サイズによらず、想定される用紙の詰まり状況が定着部17に1枚、給紙部20に1枚あるものとする。
【0143】
図12は、この発明の実施形態3に係るデジタル複合機1の用紙の詰まりの発生を知らせるメッセージの一例を示す説明図である。
【0144】
用紙サイズが大サイズであり、想定される用紙の詰まり状況が定着部17および2次転写部23に1枚の場合、
図12に示すように、「紙詰まりが発生しました。以下の画像の位置で紙詰まりが発生した可能性があります。画像を選択すると、紙を取り除くためのガイダンスが始まります。」というメッセージとともに、定着部17から2次転写部23にわたって紙詰まりが発生した画像が表示される。
【0145】
このようにして、用紙の搬送時に前記用紙が詰まるジャムが発生した場合、用紙検知部107の検知結果および用紙サイズに応じて予め定められた用紙の詰まり状況を示す画像をユーザーに選択可能に表示部1081に表示させるため、従来よりも効率よく紙詰まりジャムの解消用のガイダンス表示を行うことのできるデジタル複合機1を実現できる。
【0146】
〔実施形態4〕
<この発明の実施形態4のデジタル複合機1の紙詰まり発生時のジャムの解消用のガイダンス表示処理>
次に、
図13~
図15に基づき、この発明の実施形態4のデジタル複合機1における紙詰まり発生時のジャムの解消用のガイダンス表示処理について説明する。
【0147】
実施形態4のデジタル複合機1の構成は、実施形態1のデジタル複合機1の構成(
図1~3)と同様であるため、説明を省略する。
【0148】
図13は、この発明の実施形態4に係るデジタル複合機1の紙詰まり発生時のジャムの解消用のガイダンス表示処理の一例を示すフローチャートである。
【0149】
なお、
図13のステップS31~S36の処理は、それぞれ
図4(実施形態1)のステップS1~S6の処理に対応するため、説明を省略する。
【0150】
実施形態4において、実施形態1と同様に用紙検知センサが設けられているものとし、制御部100は、用紙検知センサの検知結果に基づき、用紙の搬送状況を特定する。
【0151】
実施形態1と異なる点は、制御部100が、ジャムの発生時のジョブの内容は参照せず、用紙サイズが小サイズ・大サイズの場合、ジョブの印刷枚数が1枚のみ・複数枚の場合に想定される用紙の詰まり状況の候補画像をすべてユーザーに表示して選択させる点である。
【0152】
図14は、この発明の実施形態4に係るデジタル複合機1の用紙の搬送状況とジョブの印刷枚数が複数枚の場合において、用紙サイズが小サイズおよび大サイズのときにそれぞれ想定される用紙の詰まり状況との関係の一例を示す表である。
【0153】
図14の表は、
図5(実施形態1)の表(ジョブの印刷枚数が1枚のみの場合)、
図8(実施形態2)の表(ジョブの印刷枚数が複数枚の場合)、
図11(実施形態3)の表(ジョブの印刷枚数が複数枚で、用紙サイズが小サイズおよび大サイズを含む場合)をすべて統合した表である。
【0154】
図15は、この発明の実施形態4に係るデジタル複合機1の用紙の詰まりの発生を知らせるメッセージの一例を示す説明図である。
【0155】
用紙の搬送状況が定着部17に滞留の場合、ジョブの印刷枚数(複数枚・1枚のみ)、ジャムの発生タイミング(1枚目~ジョブ途中・最終紙・1枚目)、用紙サイズ(小サイズ・大サイズ)に応じて、
図14の表にしたがってさまざまな想定される用紙の詰まり状況が考えられる。
【0156】
この場合、
図15に示すように、「紙詰まりが発生しました。本体カバーを開けて機内の用紙の状態に近い画像を選択してください。画像を選択すると、紙を取り除くためのガイダンスが始まります。」というメッセージとともに、3種類の紙詰まりが発生した候補画像が表示される。
【0157】
そこで、ユーザーは本体カバーを開けて、3種類の候補画像のうち、実際の機内の用紙の状態に近い画像を選択する。
【0158】
このようにして、用紙の搬送時に前記用紙が詰まるジャムが発生した場合、用紙検知部107の検知結果、ジョブの印刷枚数、ジョブの発生タイミングおよび用紙サイズに応じて想定される用紙の詰まり状況を示す画像をユーザーに選択可能に表示部1081に表示させるため、従来よりも効率よく紙詰まりジャムの解消用のガイダンス表示を行うことのできるデジタル複合機1を実現できる。
【0159】
この発明の好ましい態様には、上述した複数の態様のうちの何れかを組み合わせたものも含まれる。
前述した実施の形態の他にも、この発明について種々の変形例があり得る。それらの変形例は、この発明の範囲に属さないと解されるべきものではない。この発明には、請求の範囲と均等の意味および前記範囲内でのすべての変形とが含まれるべきである。
【符号の説明】
【0160】
1:デジタル複合機、 11:光走査部、 12:現像部、 13:感光体ドラム、 14:ドラムクリーニング部、 15:帯電器、 17:定着部、 18:給紙トレイ、 19:手差トレイ、 20:給紙部、 21:中間転写ベルト、 22:ベルトクリーニング部、 23:2次転写部、 23a:転写ローラ、 24:加熱ローラ、 25:加圧ローラ、 33:ピックアップローラ、 34:PSローラ、 35:給紙ローラ、 36a,36b:排出ローラ、 39a,39b:排出トレイ、 100:制御部、 101:通信部、 102:画像データ取得部、 103:画像処理部、 104:記憶部、 105:画像形成部、 106:搬送部、 107:用紙検知部、 108:操作パネル、 111:原稿読取部、 112:原稿搬送部、 1081:表示部、 1082:操作部、 C:矢印方向、 Pa,Pb,Pc,Pd:画像ステーション、 R1:用紙搬送経路