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特許7706652半導体試験装置および半導体試験装置の性能評価方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-03
(45)【発行日】2025-07-11
(54)【発明の名称】半導体試験装置および半導体試験装置の性能評価方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/26 20200101AFI20250704BHJP
【FI】
G01R31/26 J
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2024520286
(86)(22)【出願日】2023-03-28
(86)【国際出願番号】 JP2023012568
(87)【国際公開番号】W WO2023218783
(87)【国際公開日】2023-11-16
【審査請求日】2024-05-30
(31)【優先権主張番号】P 2022079442
(32)【優先日】2022-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中西 学
(72)【発明者】
【氏名】野々村 昌也
【審査官】青木 洋平
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-161333(JP,A)
【文献】特開2014-225607(JP,A)
【文献】特開平09-064138(JP,A)
【文献】特開平02-020039(JP,A)
【文献】特開2013-124996(JP,A)
【文献】特開平11-211786(JP,A)
【文献】特開2016-111207(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体素子の電気的特性の試験が可能に形成されており、前記半導体素子を模した試験素子を用いてプローブと試験素子の接触の評価が可能な半導体試験装置であって、
前記試験素子は、
第1主表面および第2主表面を有する基板と、
前記第1主表面に形成された正極と、
前記第2主表面に形成された負極と、負極センス電極と、制御信号に応じて前記正極および前記負極の間の電気的な導通を制御する制御電極と、
を含み、
前記半導体試験装置は、
前記試験素子を固定するステージと、
前記ステージに設けられ、前記正極に接続されるステージ電極と、
前記ステージに向けて昇降するように設けられたプローブユニットと、
前記正極および前記負極の間の電圧を検知する電圧センサと、
前記正極および前記負極の間に電流を供給する電源と、
前記正極および前記負極センス電極の間の電流を検知する電流センサと、
制御装置と、
評価結果を出力する出力部と、
を備え
前記プローブユニットは、前記ステージに固定された前記試験素子の前記負極に接触する第1プローブと、前記ステージに固定された前記試験素子の前記負極センス電極に接触する第2プローブと、を含み、
前記制御装置は、
前記第1プローブの先端形状と、前記第2プローブの先端形状と、前記第1プローブおよび前記負極の間において予定されている第1予定押し当て圧力と、前記第2プローブおよび前記負極センス電極において予定されている第2予定押し当て圧力とに基づいて算出された適正電流値を記憶しており、
前記制御装置は、
前記ステージに前記試験素子を固定することで、前記正極に前記ステージ電極を接触させ、
前記ステージに前記試験素子を固定した状態で、前記プローブユニットを前記試験素子に近づけることで、前記第1プローブおよび前記負極の間の押し当て圧力が前記第1予定押し当て圧力となるように、前記第1プローブを前記負極に接触させ、
前記ステージに前記試験素子を固定した状態で、前記プローブユニットを前記試験素子に近づけることで、前記第2プローブおよび前記負極センス電極の間の押し当て圧力が前記第2予定押し当て圧力となるように、前記第2プローブを前記負極センス電極に接触させ、
前記ステージ電極と前記正極とが接触し、前記第1プローブと前記負極とが接触し、前記第2プローブと前記負極センス電極とが接触した状態で、前記正極および前記負極の間に電流を供給し、
前記電流センサからの出力値と前記適正電流値とに基づいて、前記出力値が異常であると判断すると、前記第1プローブと前記負極との接触または前記第2プローブと前記負極センス電極との接触に異常があることを、前記制御装置は前記出力部に異常を出力させる、半導体試験装置。
【請求項2】
駆動回路と、
前記正極および前記負極の間の電圧を検知する電圧センサと、
前記駆動回路に接続されると共に、前記制御電極に接触する第3プローブとをさらに備え
前記駆動回路は、前記第3プローブを通して前記制御電極に電圧を印加する、請求項1記載の半導体試験装置。
【請求項3】
半導体素子の電気的特性の試験が可能であって、前記半導体素子を模した試験素子を用いてプローブと前記試験素子の接触の評価が可能な半導体試験装置の性能評価方法であって、
前記試験素子は、
第1主表面および第2主表面を有する基板と、
前記第1主表面に形成された正極と、
前記第2主表面に形成された負極と、負極センス電極と、制御信号に応じて前記正極および前記負極の間の電気的な導通を制御する制御電極と、
を含み、
前記半導体試験装置は、
前記第1主表面が配置され、前記試験素子を固定するステージと、
前記ステージに設けられ、前記正極に接続されるステージ電極と、
前記ステージに向けて昇降するように設けられたプローブユニットと、
前記正極および前記負極の間の電圧を検知する電圧センサと、
前記正極および前記負極の間に電流を供給する電源と、
前記正極および前記負極センス電極の間の電流を検知する電流センサと、
制御装置と、
評価結果を出力する出力部と、
を備え、
前記プローブユニットは、前記ステージに固定された前記試験素子の前記負極に接触する第1プローブと、前記ステージに固定された前記試験素子の前記負極センス電極に接触する第2プローブと、を含み、
前記半導体試験装置の性能評価方法は、
前記第1プローブの先端形状と、前記第2プローブの先端形状と、前記第1プローブおよび前記負極の間において予定されている第1予定押し当て圧力と、前記第2プローブおよび前記負極センス電極において予定されている第2予定押し当て圧力とに基づいて算出された適正電流値を記憶するステップと、
前記ステージに前記試験素子を固定することで、前記正極に前記ステージ電極を接触させるステップと、
前記ステージに前記試験素子を固定した状態で、前記プローブユニットを前記試験素子に近づけることで、前記第1プローブおよび前記負極の間の押し当て圧力が前記第1予定押し当て圧力となるように、前記第1プローブを前記負極に接触させるステップと、
前記ステージに前記試験素子を固定した状態で、前記プローブユニットを前記試験素子に近づけることで、前記第2プローブおよび前記負極センス電極の間の押し当て圧力が前記第2予定押し当て圧力となるように、前記第2プローブを前記負極センス電極に接触させるステップと、
前記ステージ電極と前記正極とが接触し、前記第1プローブと前記負極とが接触し、前記第2プローブと前記負極センス電極とが接触した状態で、前記正極および前記負極の間に電流を供給するステップと、
前記電流センサからの出力値と前記適正電流値とに基づいて、前記出力値が異常であると判断すると、前記第1プローブと前記負極との接触または前記第2プローブと前記負極センス電極との接触に異常があることを、前記制御装置は、前記出力部に異常を出力させる、ステップと
を備えた、半導体試験装置の性能評価方法。
【請求項4】
前記試験素子は、前記正極と前記負極センス電極との間に設けられた第1抵抗と、前記正極と前記負極との間に設けられた第2抵抗とを含む、請求項に記載の半導体試験装置の性能評価方法。
【請求項5】
前記試験素子は、前記正極と前記負極センス電極との間に設けられた第1ダイオードと、前記正極と前記負極との間に設けられた第2ダイオードとをさらに備えた、請求項に記載の半導体試験装置の性能評価方法。
【請求項6】
前記第1主表面と、前記正極の表面とは凹凸形状に形成された、請求項に記載の半導体試験装置の性能評価方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体試験装置および半導体試験装置の性能評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から特開2006-337247号公報などのように、半導体素子の試験を行う半導体試験装置について各種提案されている。
【0003】
半導体素子は、たとえば、基板と、基板の下面に形成されたコレクタ電極と、基板の上面に形成されたエミッタ電極および制御電極とを含む。
【0004】
一般的に、半導体試験装置は、半導体素子が配置されるステージと、ステージの上面に配置された複数のプローブとを含む。
【0005】
ステージには、半導体素子のコレクタ電極に接触する電極が設けられている。ステージの上方に配置された複数のプローブは、半導体素子のエミッタ電極に接触する第1プローブと、制御電極に接触する第2プローブとを含む。
【0006】
半導体素子の特性を試験する際には、半導体素子をステージに配置して、コレクタ電極に第1電極を接触させる。第1プローブをエミッタ電極に接触させ、第2プローブを制御電極に接触させる。
【0007】
そして、制御電極に電圧を印加し、その後、コレクタ電極およびエミッタ電極間に電流を流して、半導体素子の試験を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2006-337247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のような半導体試験装置においては、半導体試験装置の電極および各プローブの劣化など弊害を検知することができず、半導体試験装置の性能を判定することができない。その結果、半導体素子の試験を正確に実施することができないとの課題が生じる場合がある。
【0010】
本開示は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、半導体素子の試験をする半導体試験装置において、半導体試験装置の性能評価をすることができる半導体試験装置および半導体試験装置の性能評価方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示の半導体試験装置は、半導体素子の電気的特性の試験が可能に形成されており、半導体素子を模した試験素子を用いて性能評価が可能な半導体試験装置であって、試験素子は、第1主表面および第2主表面を有する基板と、第1主表面に形成された正極と、第2主表面に形成された負極と、負極センス電極と、制御信号に応じて正極および負極の間の電気的な導通を制御する制御電極とを含み、半導体試験装置は、半導体素子を固定するステージと、ステージに設けられ、正極に接続されるステージ電極と、正極および負極の間の電圧を検知する電圧センサと、正極および負極の間に電流を供給する電源と、正極および負極センス電極の間の電流を検知する電流センサとを備える。この半導体試験装置は、電流センサの測定値に基づいて、半導体試験装置が健全であるか否かの性能評価をすることができる。
【0012】
本開示の半導体試験装置の性能評価方法は、半導体素子の電気的特性の試験が可能であって、半導体素子を模した試験素子を用いて性能評価が可能な半導体試験装置の性能評価方法であって、試験素子は、第1主表面および第2主表面を有する基板と、第1主表面に形成された正極と、第2主表面に形成された負極と、負極センス電極と、制御信号に応じて正極および負極の間の電気的な導通を制御する制御電極とを含み、半導体試験装置は、第1主表面が配置され、正極に接続されるステージと、正極および負極の間の電圧を検知する電圧センサと、正極および負極の間に電流を供給する電源と、正極および負極センス電極の間の電流を検知する電流センサとを備える。半導体試験装置の性能評価方法は、制御電極に電圧を印加するステップと、正極および負極の間に電流を供給するステップと、電圧センサによって負極および正極の間の電位差を検知した状態において、電流センサが正極および負極センス電極の間の電流を取得するステップと、を備える。この半導体試験装置の性能評価方法は、電流センサの測定値に基づいて、半導体試験装置が健全であるか否かの性能評価をすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本開示の半導体試験装置および半導体試験装置の性能評価方法によれば、半導体素子の試験をする半導体試験装置において、半導体試験装置の性能評価をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施の形態1に係る半導体試験装置1を示す断面図である。
図2】半導体試験装置1の性能試験を判定するためのフロー図である。
図3】半導体素子70の特性試験を行う試験ステップを模式的に示す図である。
図4】半導体試験装置1および試験素子60Aを示す断面図である。
図5】主表面68(はんだ面)側から見たときにおける試験素子60Aの平面図である。
図6】主表面(部品面)69側から見たときにおける試験素子60Aの平面図である。
図7】半導体試験装置1および試験素子60Bを示す断面図である。
図8】実施の形態4に係る半導体試験装置1および試験素子60Cを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態1に係る半導体試験装置1を示す断面図である。半導体試験装置1は、試験素子60を用いて半導体試験装置1の性能評価を実施する。
【0016】
試験素子60は、IGBT(Insulated Gate Bipolor Transistor)やMOSFEAT(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)などの半導体素子を模擬して作成された素子である。
【0017】
試験素子60は、基板61と、コレクタ電極(正極)62と、電圧センス電極63と、制御電極64と、エミッタ電極(負極)65と、電圧センス電極66と、電流センス電極67とを含む。
【0018】
基板61は主表面68および主表面69を含み、主表面68および主表面69は基板61の厚さ方向に配列している。
【0019】
コレクタ電極62および電圧センス電極63は、主表面68に形成されている。制御電極64と、エミッタ電極65と、電圧センス電極66と、電流センス電極67とは、主表面69に形成されている。
【0020】
なお、図1に示す例においては、試験素子60はIGBTを模した素子である。このため、コレクタ電極62は、面形状に形成されている。
【0021】
半導体試験装置1は、制御装置2と、駆動回路3と、ステージ10と、プローブアッセンブリ20と、電圧センサ30と、定電流源40と、電流センサ50と、抵抗55とを備える。
【0022】
ステージ10は、ステージ本体11と、電極12と、センス電極13と、固定装置14とを含む。
【0023】
ステージ本体11は平坦面状の載置面15を含む。載置面15には、電極12とセンス電極13とが設けられている。
【0024】
固定装置14は、載置面15の上面に配置される試験素子や半導体素子を吸着して、試験素子や半導体素子を載置面15の上面に固定する装置である。固定装置14は、ステージ本体11に形成された吸引管16と、吸引管16に接続された吸気装置とを含む。載置面15には吸引管16の吸引口17が形成されており、吸気装置は図示されていない。
【0025】
電極12は、複数のプローブを含む。プローブアッセンブリ20は、ステージ10の上方に配置されており、プローブアッセンブリ20は上下方向に移動できるように形成されている。
【0026】
プローブアッセンブリ20は、制御プローブ24と、エミッタプローブ25と、電圧センスプローブ26と、電流センスプローブ27とを含む。なお、この図1に示す例においては、エミッタプローブ25が複数設けられている。
【0027】
電圧センサ30は、センス電極13および電圧センスプローブ26に接続されている。具体的には、電圧センサ30の正極端子はセンス電極13に接続されており、電圧センサ30の負極端子は電圧センスプローブ26に接続されている。
【0028】
定電流源40は正極線56を通して電極12に接続されており、定電流源40は負極線57を通して抵抗55に接続されている。抵抗55は定電流源40および電流センサ50に接続されている。電流センサ50は、抵抗55および電流センスプローブ27に接続されている。抵抗55は、たとえば、200Ωである。
【0029】
定電流源40および抵抗55の間の結点59において、負極線58が接続されており、負極線58は、複数のエミッタプローブ25の各々に接続されている。駆動回路3は制御プローブ24に接続されている。
【0030】
制御装置2は、駆動回路3とステージ10とプローブアッセンブリ20と定電流源40との駆動を制御しており、制御装置2は電圧センサ30および定電流源40からの出力値を取得している。
【0031】
ここで、正常な試験素子60を用いて、半導体試験装置1を駆動させて場合について説明する。
【0032】
制御装置2は、ステージ10の固定装置14を駆動して、所定位置に配置された試験素子60を固定する。
【0033】
試験素子60が吸引固定されることで、電極12はコレクタ電極62に接続され、センス電極13は、電圧センス電極63に接続される。
【0034】
電極12は、複数のプローブを含むため、電極12およびコレクタ電極62の間の接触抵抗がばらつくことが抑制されている。
【0035】
たとえば、電極12が面形状に形成されている場合には、面形状の電極12および面形状のコレクタ電極62が接触することになる。この場合、基板61の反り具合や電極12およびコレクタ電極62の間への異物の混入などにより、電極12およびコレクタ電極62の間の接触抵抗がバラツキ易い。その一方で、電極12を複数のプローブで形成することで、上記のような接触抵抗のバラツキが生じることを抑制することができる。
【0036】
制御装置2は、プローブアッセンブリ20を下降させる。これにより、制御プローブ24と制御電極64とが接触し、エミッタ電極65とエミッタプローブ25とが接触する。同様に、電圧センス電極66と電圧センスプローブ26とが接触し、電流センスプローブ27と電流センス電極67とが接触する。
【0037】
制御装置2は、駆動回路3を駆動して、制御プローブ24を通して、制御電極64に所定電圧を印加し、制御装置2は定電流源40を駆動する。
【0038】
これにより、コレクタ電極62およびエミッタ電極65と、コレクタ電極62および電圧センス電極66と、コレクタ電極62および電流センス電極67との間で電気的な導通経路が形成される。
【0039】
同様に、電圧センス電極63およびエミッタ電極65と、電圧センス電極63および電圧センス電極66と、電圧センス電極63および電流センス電極67との間で電気的な導通経路が形成される。
【0040】
電圧センサ30は、センス電極13と、電圧センスプローブ26との間の電圧を検知している。電圧センサ30内の内部抵抗は、数メガΩであり、電圧センスプローブ26には殆ど流れず、測定誤差が小さく抑えられている。これにより、電圧センサ30は、電圧センス電極63および電圧センス電極66の間の電位差を正確に測定することができる。
【0041】
コレクタ電極62およびエミッタ電極65の間の飽和電圧をVce(sat)とすると、電圧センス電極63および電圧センス電極66の間の電位差は飽和電圧(Vcs(sat))であり、電圧センサ30は飽和電圧Vce(sat)を正確に測定することができる。
【0042】
なお、上記の例においては、電圧センス電極66はエミッタ電極65と別体に形成されているが、エミッタ電極65および電圧センス電極66を一体的に形成するようにしてもよい。
【0043】
定電流源40からの電流は、電極12とコレクタ電極62とエミッタ電極65とエミッタプローブ25とを順次通る電流経路R1と、電極12とコレクタ電極62と電流センス電極67と電流センスプローブ27と電流センサ50と抵抗55とを順次通る電流経路R2とを流れる。
【0044】
抵抗55は、たとえば、200Ωである。これにより、電流経路R2を流れる電流量は、電流経路R1を流れる電流量の1/10000程度である。
【0045】
コレクタ電極62および電流センス電極67の間の飽和電圧をVcs(sat)とし、電流センサ50の測定値を電流量Isとし、抵抗55の抵抗値をR3とすると、下記式(1)が成立する。
Vce(sat)=Vcs(sat)+Is×R3・・・(1)
たとえば、200(A)の電流を通電した際の飽和電圧Vce(sat)が1.5(V)、電流センス電極67に数(mA)通電したときのVcs(sat)が1(V)であったとする。抵抗3が200Ωの場合には、上記式(1)は下記式(2)となる。
1.5(V)=1(V)+Is×200(Ω)・・・(2)
その結果、Is=2.5(mA)である。
【0046】
このように、試験素子60においては、電流センス電極67をエミッタ電極65と別体に設けると共に、電流センス電極67を通る電流経路R2に抵抗55を設けることで、電流経路R2を通る電流量(Is)は、電流経路R1を通る電流量の1/10000程度となるように設定することができる。
【0047】
図2は、半導体試験装置1の性能試験を判定するためのフロー図である。
準備ステップ(S10)は、試験素子60を載置面15の所定位置に配置するステップと、制御装置2が固定装置14を駆動するステップとを含む。
【0048】
この準備ステップにおいて、試験素子60のエミッタ電極65と半導体試験装置1の電極12とが良好に接触し、エミッタ電極65とセンス電極13とが良好に接触する。
【0049】
プローブ接触ステップ(S20)は、プローブアッセンブリ20が下降して、半導体試験装置1の各プローブが試験素子60の各電極に接触するステップである。
【0050】
具体的には、制御プローブ24と制御電極64とが接触し、エミッタ電極65とエミッタプローブ25とが接触する。同様に、電圧センス電極66と電圧センスプローブ26とが接触し、電流センスプローブ27と電流センス電極67とが接触する。
【0051】
通電ステップ(S30)は、制御電極64に所定電圧を印加するステップと、定電流源40を駆動させて電流経路R1,R2に定電流を通電させるステップとを含む。なお、定電流源40は、200(A)の定電流を供給する。
【0052】
電流検知ステップ(S40)は、電流センサ50が電流量を測定するステップである。なお、電流センサ50は、測定した電流量を制御装置2に送信する。
【0053】
判定ステップ(S50)は、電流センサ50が測定した電流量が所定の要件(規格)を満たすかを判断する。ここで、所定の要件は、予め電流量(Is)としての適正値を設定し、測定ばらつきを考慮した要件とすることができる。たとえば、複数の試験素子60を用いて、複数回測定し、その測定結果に基づいて、適正値からの乖離量を算出する。そして、所定の要件として、たとえば、電流量(Is)が適正値を基準として所定範囲内であることや、基準値からの乖離量が所定範囲内であることを採用することができる。
【0054】
ここで、電流量(Is)の適正値の算出方法について説明する。
まず、電流経路R1においてエミッタ電極65およびエミッタプローブ25の間の接触抵抗を接触抵抗R11とし、電流経路R2において電流センス電極67および電流センスプローブ27の間の接触抵抗を接触抵抗R12とし、抵抗55の抵抗値を抵抗値R3とする。電流経路R1および電流経路R2の電位差は等しいため、下記式(3)が成立する。
(200(A)―Is)×R11=Is×(R3+R12)・・・(3)
接触抵抗R11は、エミッタ電極65およびエミッタプローブ25の材質と、エミッタプローブ25の先端のプローブ径と、エミッタプローブ25の形状と、エミッタプローブ25の先端の押し当て圧力などによって、算出することができる。
【0055】
下記数1は、接触抵抗R11を算出する式である。
【0056】
【数1】
【0057】
なお、ρ(25)は、エミッタプローブ25の抵抗を示す。E(25)は、エミッタプローブ25の弾性係数を示す。P(25)は、エミッタプローブ25の先端の押し当て圧力を示す。R(25)は、エミッタプローブ25の先端の曲率半径を示す。
【0058】
同様に、接触抵抗R12は、電流センス電極67および電流センスプローブ27の材質と、電流センスプローブ27のプローブ径、押し当て圧力などによって算出することができる。下記数2は、接触抵抗R12を算出する式である。
【0059】
【数2】
【0060】
なお、ρ(27)は、電流センスプローブ27の抵抗を示す。E(27)は電流センスプローブ27の弾性係数を示す。P(27)は、電流センスプローブ27の先端の押し当て圧力を示す。R(27)は、電流センスプローブ27の先端の曲率半径を示す。
【0061】
そして、数1および数2において、エミッタプローブ25および電流センスプローブ27の各抵抗および弾性係数は予め測定することで取得することができる。そして、エミッタプローブ25および電流センスプローブ27の押し当て圧力は予め設定することができる。
【0062】
このため、半導体試験装置1の性能評価を実施する前に、接触抵抗R11および接触抵抗R12を算出することができる。
【0063】
そして、上記式(3)と、接触抵抗R11,R12とから電流量(Is)の適正値を算出することができる。
【0064】
制御装置2には、電流量(Is)の適正値と、上記の所定の要件に関する情報とが格納されている。
【0065】
判定ステップ(S50)において、制御装置2は、電流検知ステップ(S40)にて電流センサ50から取得した電流量が、所定の要件を満たすか否かを判断する。
【0066】
ここで、電流センサ50が測定した電流量が所定の要件を満たさない場合としては、たとえば、試験素子60の固定位置がずれている場合や、エミッタプローブ25や電流センスプローブ27の先端部が摩耗しているなどの場合、エミッタプローブ25および電流センスプローブ27の押し当て圧力が適正でない場合などが考えられる。
【0067】
そこで、制御装置2は、判定ステップ(S50)において、電流センサ50が測定した電流量が所定の要件を満たさないと判断すると(S50にてNo)、制御装置2は、半導体試験装置1が不健全であると判断して、調整処理(S60)を実施する。
【0068】
調整処理としては、たとえば、作業者に半導体試験装置1が不健全である旨の通知をすることと、エミッタプローブ25および電流センスプローブ27の押し当て圧力の調整する処理などが含まれる。
【0069】
その一方で、制御装置2は、電流センサ50が測定した電流量が所定の要件を満すと判断すると(S50にてYes)、制御装置2は半導体試験装置1が健全であると判断する。
【0070】
そして、制御装置2は、半導体素子70の特性試験を実施する試験ステップ(S70)へ移行する。
【0071】
図3は、半導体素子70の特性試験を行う試験ステップを模式的に示す図である。
試験素子60は、半導体素子70を模して作成されており、半導体素子70は試験素子60と同様に構成されている。
【0072】
半導体素子70は、基板71と、コレクタ電極72と、電圧センス電極73と、制御電極74と、エミッタ電極75と、電圧センス電極76と、電流センス電極77とを含む。
【0073】
基板71は主表面78および主表面79を含み、主表面78および主表面79は基板71の厚さ方向に配列している。
【0074】
コレクタ電極72および電圧センス電極73は、主表面78に形成されている。制御電極74と、エミッタ電極75と、電圧センス電極76と、電流センス電極77とは、主表面79に形成されている。
【0075】
そして、半導体試験装置1は、ステージ10の載置面15に半導体素子70を吸着固定する。そして、半導体試験装置1は、制御プローブ24と制御電極74とが接触し、エミッタ電極75とエミッタプローブ25とを接触させる。同様に、電圧センス電極76と電圧センスプローブ26とを接触させ、電流センスプローブ27と電流センス電極77とを接触させる。そして、制御電極74に所定電圧を印加などして、半導体素子70の特性試験を実施する。
【0076】
このように、本実施の形態1に係る半導体試験装置1によれば、半導体試験装置1の健全性を確認したうえで、半導体素子70の特性試験を実施することができる。
【0077】
実施の形態2.
図4は、半導体試験装置1および試験素子60Aを示す断面図である。
【0078】
試験素子60Aは、試験素子60の構成に加えて、抵抗80および抵抗81を含む。抵抗80は、コレクタ電極62と、エミッタ電極65および電圧センス電極66の間に形成されている。抵抗81は、コレクタ電極62と、電流センス電極67との間に形成されている。
【0079】
図5は、主表面68(はんだ面)側から見たときにおける試験素子60Aの平面図であり、図6は、主表面(部品面)69側から見たときにおける試験素子60Aの平面図である。
【0080】
主表面68には、コレクタ電極62と、電圧センス電極63と、導体パターン91Aとが形成されている。
【0081】
主表面69には、エミッタ電極65と、導体パターン91Bと、電流センス電極67と、抵抗80,81が形成されている。
【0082】
なお、図5および図6に示す例においては、電圧センス電極63はコレクタ電極62と一体化しており、制御電極64は図示されていない。基板61には、主表面68から主表面69に貫通するスルーホール95Aおよびスルーホール95Bが形成されている。スルーホール95A内には、導電部材96Aが形成されており、スルーホール95B内には、導電部材96Bが形成されている。導電部材96A,96Bは、ドリル穴をめっきすることで形成されている。なお、スルーホール95A,95Bは、複数形成されており、導電部材96A,96Bも複数形成されている。
【0083】
主表面68において、コレクタ電極62は導電部材96Aに接続されている。主表面69において、導電部材96Aに抵抗80が接続されており、抵抗80に導体パターン91Bが接続されている。導体パターン91Bは、エミッタ電極65が接続されている。このため、コレクタ電極62は、導電部材96Aと、抵抗80と、導体パターン91Bとを通して、エミッタ電極65に接続されている。
【0084】
主表面68において、導体パターン91Aは、コレクタ電極62および導電部材96Bとを接続している。主表面69において、導電部材96Bは抵抗81に接続されており、抵抗81は、電流センス電極67に接続されている。
【0085】
このため、コレクタ電極62は、導体パターン91Aと、導電部材96Bと、抵抗81とを通して、電流センス電極67に接続されている。なお、導体パターン91A,91Bは銅などで形成された配線パターンである。
【0086】
図4において、抵抗80は、コレクタ電極62およびエミッタ電極65の間の飽和電圧をVce(sat)を模擬している。抵抗81は、コレクタ電極62および電流センス電極67の間の飽和電圧をVcs(sat)を模擬している。
【0087】
たとえば、半導体試験装置1を用いて、半導体素子に電流を200(A)流した時、Vce(sat)が1.5(V)であった場合、抵抗80は7.5(mΩ)が好ましい。また、半導体素子のVcs(sat)が1(V)で、電流センス電極67を流れる電流量が2(mA)である場合、抵抗81は500(Ω)が好ましい。
【0088】
電流センスプローブ27を流れる電流経路R1はセンス電流を想定しているため、上記のように抵抗80および抵抗81を設定することで、エミッタプローブ25を流れる電流経路R2に比べて、電流経路R1の電流容量を小さくすることができる。例えば抵抗55が200(Ω)で、半導体試験装置1の定格電流が500(A)であった場合、抵抗55の電力は100(kW)である。半導体試験装置1は定常的に電流を流す装置ではないため、100(kW)の抵抗である必要は必ずしもないが、大電力抵抗が必要である。しかし、電流センスプローブ27を流れる電流経路がセンス電流のみであるとすれば、大電力抵抗を準備する必要がなく、コスト面でも、設計面でも有利である。
【0089】
さらに、また、試験素子60Aにおけるセンス電流の測定値と、半導体素子70のセンス電流を近い値とすることができる。これにより、上記の判定ステップ(S50)の所定の要件(規格)を設定しやすく、所定の要件(規格)からの乖離が検出しやすい利点がある。
【0090】
さらに、上記式(3)において、電流センスプローブ27に流れる電流量(Is)は、接触抵抗R11と抵抗値R3の和、と接触抵抗R12の比で電流センスプローブ27に流れる電流が決まるため、接触抵抗R12が大きくなると、想定している電流量(Is)に比べて大きな電流が電流センスプローブ27の電流経路に流れる可能性がある。
【0091】
その一方で、試験素子60Aのように、抵抗81を設けることで、電流センスプローブ27に流れる電流量が過大なることを抑制することができる。
【0092】
なお、試験素子60Aを用いて、半導体試験装置1の性能試験を判定するためのフローは、上記実施の形態1と同様である。
【0093】
実施の形態3.
図7は、半導体試験装置1および試験素子60Bを示す断面図である。
【0094】
試験素子60Bは、試験素子60の構成に加えて、ダイオード85およびダイオード86を備える。
【0095】
ダイオード85は、コレクタ電極62およびエミッタ電極65の間に接続されており、ダイオード86は、コレクタ電極62および電流センス電極67の間に接続されている。
【0096】
ダイオード85は、コレクタ電極62およびエミッタ電極65の間の飽和電圧Vce(sat)を模擬している。
【0097】
ダイオード86は、コレクタ電極62および電流センス電極67の間の飽和電圧Vcs(sat)を模擬している。
【0098】
例えば、半導体試験装置1をもちいて試験する半導体素子に電流を200(A)流した時、Vce(sat)が1.5(V)であった場合、ダイオード85の順方向電圧(Vf)は1.5(V)が好ましい。また、半導体素子のVcs(sat)が1(V)で、電流センスプローブ27に流れる電流量(Is)が2(mA)である場合、ダイオード86の順方向電圧(Vf)は1.5(V)が好ましい。これにより、電流センスプローブ27を流れる電流経路はセンス電流を想定しているため、エミッタプローブ25を流れる電流経路に比べて、電流容量が小さく設計することができる。
【0099】
試験する半導体素子70の品種ごとにコレクタ電流とセンス電流の比を模擬した基板41を製作することで、より細かく半導体試験装置1の健全性を確認することができる。
【0100】
ダイオード85およびダイオード86は、順方向電圧Vfが低く、順方向電圧Vfの種類が多いショットキーバリアダイオードなどを用いることで、より正確に半導体素子70のコレクタ電流とセンス電流の比を模擬することができる。
【0101】
これにより、電流が変化した場合の順方向電圧Vfの変動が抵抗の電圧変動に比べて小さいため、より半導体試験装置1の健全性を確認しやすくなる。
【0102】
なお、試験素子60Bを用いて、半導体試験装置1の性能試験を判定するためのフローは、上記実施の形態1と同様である。
実施の形態4.
図8は、実施の形態4に係る半導体試験装置1および試験素子60Cを示す断面図である。試験素子60Cの構成は、実施の形態1の試験素子60に近似した構成である。試験素子60Cは、主表面68Cと、コレクタ電極62Cと、電圧センス電極63Cとを含み、当該構成以外の構成は試験素子60の構成と実質的に同じである。
【0103】
主表面68Cは凹凸形状に形成されている。コレクタ電極62Cおよび電圧センス電極63Cは、主表面68Cに形成されている。コレクタ電極62Cおよび電圧センス電極63Cは、ニッケルなどの下地層と、下地層の表面に形成された金メッキ層とを含む。金メッキ層の膜厚は、たとえば、数μmである。コレクタ電極62Cおよび電圧センス電極63Cも、主表面68Cと同様に凹凸形状に形成されている。主表面68C、コレクタ電極62Cおよび電圧センス電極63Cは、たとえば、クラウン状に加工されている。
【0104】
一般的に、半導体の試験は、クリーンルーム内で実施される。そのため、ステージ10上に乗る異物サイズは数100μm程度である。上記のような異物が主表面68Cおよび載置面15の間に挟み込まれた場合に、主表面68C、コレクタ電極62Cおよび電圧センス電極63Cの凹内に入り込むように、主表面68C、コレクタ電極62Cおよび電圧センス電極63Cの表面粗さが設定されている。主表面68C、コレクタ電極62Cおよび電圧センス電極63Cの算術平均粗さRaは、たとえば、500μm以上1000μm以下である。
【0105】
主表面68C、コレクタ電極62Cおよび電圧センス電極63Cに凹凸形状を形成する際には、まず、凹凸形状が形成されていない主表面に、コレクタ電極62Cの下地層と、電圧センス電極63Cの下地層を形成する。
【0106】
コレクタ電極62Cおよび電圧センス電極63Cの下地層を形成した後に、主表面と各下地層に、たとえば、サンドブラスト加工を施す。これにより、凹凸形状が形成された主表面68Cが形成されると共に、各下地層に凹凸形状が形成される。その後、各下地層に金メッキ層を形成することで、凹凸形状が形成されたコレクタ電極62Cおよび電圧センス電極63Cを形成することができる。
【0107】
なお、コレクタ電極62Cおよび電圧センス電極63Cを形成した後に、サンドブラスト処理を施したとする。この場合、コレクタ電極62Cおよび電圧センス電極63Cの金メッキ層の膜厚は数μm程度であるため、サンドブラスト処理によって、金メッキ層が剥離して、下地層が露出するおそれがある。その一方で、上記の方法によれば、各コレクタ電極62Cおよび電圧センス電極63Cの下地層が露出することを抑制することができる。
【0108】
上記のように構成された試験素子60Cを用いて、半導体試験装置1の性能試験を行う際には、試験素子60Cが半導体試験装置1の載置面15に配置される。そして、コレクタ電極62Cおよびステージ電極12が接触し、センス電極13および電圧センス電極63Cが接触する。
【0109】
この際、クリーンルーム内の異物が載置面15および試験素子60Cの間に挟み込まれる場合がある。本実施の形態4の試験素子60Cにおいては、主表面68C、コレクタ電極62Cおよび電圧センス電極63Cの表面は凹凸形状に形成されているため、異物が当該凹部内に入り込みやすい。
【0110】
その結果、異物が載置面15および試験素子60Cの間に挟みこまれた状態におけるステージ電極12およびコレクタ電極62Cの間の接触抵抗と、異物が載置面15および試験素子60Cの間に挟みこまれていない状態におけるステージ電極12およびコレクタ電極62Cの間の接触抵抗に差が生じることを抑制することができる。同様に、センス電極13および電圧センス電極63Cの間の接触抵抗に差が生じることを抑制することができる。
【0111】
異物の有無にかかわらず、ステージ電極12およびコレクタ電極62Cの接触抵抗の変動を抑制することができるため、電流経路R1を流れる電流量および電流経路R2を流れる電流量の比が変動することを抑制することができる。
【0112】
このように、試験素子60Cを用いて、半導体試験装置1の性能試験を実施することで、半導体試験装置1の性能を良好に検査することができる。なお、試験素子60Cを用いて、半導体試験装置1の性能試験を判定するためのフローは、上記実施の形態1と同様である。
【0113】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示により示される技術的範囲は、上記した実施の形態ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0114】
1 半導体試験装置、2 制御装置、3 駆動回路、10 ステージ、11 ステージ本体、12 電極1、13 センス電極、14 固定装置、16 吸引管、17 吸引口、20 プローブアッセンブリ、22 プローブ、24 制御プローブ、25 エミッタプローブ、26 電圧センスプローブ、27 電流センスプローブ、30 電圧センサ、40 定電流源、50 電流センサ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8