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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-03
(45)【発行日】2025-07-11
(54)【発明の名称】回転電機ユニット
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20250704BHJP
   H02K 11/33 20160101ALI20250704BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
H02K11/33
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2024524330
(86)(22)【出願日】2023-05-18
(86)【国際出願番号】 JP2023018536
(87)【国際公開番号】W WO2023234044
(87)【国際公開日】2023-12-07
【審査請求日】2024-06-06
(31)【優先権主張番号】P 2022090052
(32)【優先日】2022-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100188891
【弁理士】
【氏名又は名称】丹野 拓人
(72)【発明者】
【氏名】葛城 皓太
(72)【発明者】
【氏名】別芝 範之
(72)【発明者】
【氏名】田村 憲一
(72)【発明者】
【氏名】岸和田 優
【審査官】藤島 孝太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-90233(JP,A)
【文献】特開2021-87282(JP,A)
【文献】特開2016-46913(JP,A)
【文献】国際公開第2020/066955(WO,A1)
【文献】特開2013-176193(JP,A)
【文献】国際公開第2013/118703(WO,A1)
【文献】特開2007-116840(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
H02K 11/33
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定子と、前記固定子に対して軸心回りに回転する回転子と、前記固定子に巻装される複数のコイルと、を有する回転電機と、
前記回転子の軸心に沿った軸方向において、前記回転電機と並んで配置される電力変換装置と、
冷媒が流通する第1冷却流路が形成され、前記電力変換装置を冷却する第1冷却部と、
を備え、
前記電力変換装置は、前記複数のコイルとそれぞれ電気的に接続される複数のパワーモジュールと、前記複数のパワーモジュールと電気的に接続されるコンデンサユニットと、を有し、
前記第1冷却流路は、
前記冷媒が供給される入口流路と、
前記入口流路から分岐するとともに、前記軸方向から見たときに、前記複数のパワーモジュールのうち第1群のパワーモジュールに重なる位置に形成される第1流路と、
前記入口流路から分岐するとともに、前記軸方向から見たときに、前記複数のパワーモジュールのうち前記第1群と異なる第2群のパワーモジュールに重なる位置に形成される第2流路と、
前記第1流路、前記第2流路からの前記冷媒が合流するとともに、前記第1冷却部から前記冷媒が排出される出口流路と、を有しており、
前記コンデンサユニットは、前記第1冷却部を径方向の外側から囲むように配置される、回転電機ユニット。
【請求項2】
前記複数のパワーモジュールは、前記回転子の軸心回りの周方向に配置されており、
前記第1流路は、前記入口流路から前記周方向における一方側に延び、前記第2流路は、前記入口流路から前記周方向における他方側に延びる、請求項1に記載の回転電機ユニット。
【請求項3】
冷媒が流通する第2冷却流路が形成され、前記回転電機を冷却する第2冷却部、
をさらに備え、
前記第2冷却流路は、
前記出口流路と連通する連通流路と、
前記連通流路から分岐するとともに、前記連通流路から周方向における一方側に延びる第3流路と、
前記連通流路から分岐するとともに、前記連通流路から前記周方向における他方側に延びる第4流路と、
前記第3流路及び前記第4流路からの前記冷媒が合流するとともに、前記第2冷却部から前記冷媒が排出される排出流路と、
を有する、請求項1または2に記載の回転電機ユニット。
【請求項4】
前記第1冷却部は、前記第1流路または前記第2流路に配置される複数の放熱フィンを有し、
前記軸方向から見たときに、前記複数の放熱フィンは、前記複数のパワーモジュールと重なる位置に配置される、請求項1または2に記載の回転電機ユニット。
【請求項5】
前記コンデンサユニットは、正極導体と、負極導体と、を有し、
前記正極導体は、前記コンデンサユニットにおける径方向の内側に配置される正極側被冷却部を有し、
前記負極導体は、前記コンデンサユニットにおける径方向の内側に配置される負極側被冷却部を有し、
前記第1冷却部は、前記第1冷却部における径方向の外側に配置され、前記正極側被冷却部及び前記負極側被冷却部と熱的に接続されるコンデンサ冷却部を有する、請求項1に記載の回転電機ユニット。
【請求項6】
前記第1冷却部は、前記正極側被冷却部及び前記負極側被冷却部と、前記コンデンサ冷却部との間に設けられるコンデンサ放熱部材を有する、請求項5に記載の回転電機ユニット。
【請求項7】
前記正極導体は、前記正極側被冷却部として、複数の正極側被冷却部を有し、
前記負極導体は、前記負極側被冷却部として、複数の負極側被冷却部を有し、
前記第1冷却部は、前記コンデンサ冷却部として、複数のコンデンサ冷却部を有する、請求項5または6に記載の回転電機ユニット。
【請求項8】
前記コンデンサユニットは、周方向に配置される複数のコンデンサモジュールを含む、請求項1または2に記載の回転電機ユニット。
【請求項9】
前記複数のコンデンサモジュールはそれぞれ、前記軸方向から見たときに、円弧状を有しており、
前記入口流路の少なくとも一部、及び前記出口流路の少なくとも一部は、前記複数のコンデンサモジュールの前記周方向における端部同士の間に配置され、
前記出口流路は、前記回転子の軸心を挟んで、前記入口流路と径方向の反対側に配置される、請求項8に記載の回転電機ユニット。
【請求項10】
前記電力変換装置は、前記複数のパワーモジュールと前記複数のコイルとをそれぞれ接続する複数のバスバーをさらに有する、請求項1または2に記載の回転電機ユニット。
【請求項11】
前記第1冷却部は、前記複数のパワーモジュールが取り付けられるプレートと、前記複数のバスバーと前記プレートとの間に設けられるバスバー放熱部材と、をさらに有する、請求項10に記載の回転電機ユニット。
【請求項12】
前記第1冷却部には、前記複数のコイルがそれぞれ配置される複数のコイル溝部が形成されており、
前記複数のコイル溝部には、熱伝導性を有する充填材が充填されている、請求項1または2に記載の回転電機ユニット。
【請求項13】
前記回転電機は、前記固定子と前記パワーモジュールとの間に配置され、前記回転子の中心に配置されるシャフトの回転角を検出するレゾルバ、をさらに有し、
前記第1冷却部の中央部には、前記レゾルバの信号線が挿通される挿通孔が形成されている、請求項1または2に記載の回転電機ユニット。
【請求項14】
前記コンデンサユニットは、正極導体と、負極導体と、を有し、
前記複数のパワーモジュールはそれぞれ、前記正極導体と接続される正極端子と、前記負極導体と接続される負極端子と、を有し、
前記正極導体から、前記複数のパワーモジュールのうち第1のパワーモジュールの前記正極端子及び前記負極端子を経由した、前記負極導体までの第1経路の長さが、前記正極導体から、前記複数のパワーモジュールのうち第2のパワーモジュールの前記正極端子及び前記負極端子を経由した、前記負極導体までの第2経路の長さと略同一である、請求項1または2に記載の回転電機ユニット。
【請求項15】
前記複数のパワーモジュールの全てにおいて、前記正極導体から、前記正極端子及び前記負極端子を経由した、前記負極導体までの経路の長さが略同一である、請求項14に記載の回転電機ユニット。
【請求項16】
前記第1冷却部は、前記軸方向において、前記複数のパワーモジュールよりも前記回転電機側に配置される、請求項1または2に記載の回転電機ユニット。
【請求項17】
前記コンデンサユニットと前記第1冷却部とは、径方向に対向している、請求項1または2に記載の回転電機ユニット。
【請求項18】
前記コンデンサユニットは、前記正極側被冷却部及び前記負極側被冷却部を、前記コンデンサ放熱部材に押し付ける押付部材を有する、請求項6に記載の回転電機ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、回転電機ユニットに関する。
本願は、2022年6月2日に、日本に出願された特願2022-090052号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
従来、回転電機と電力変換装置が一体化された回転電機ユニットが知られている。特許文献1においては、回転電機ユニットに、電力変換装置を冷却する冷却器が設けられている。冷却器には、冷媒が流通する冷却流路が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】日本国特許第5501257号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、複数のパワーモジュールは、冷却流路を流通する冷媒の流れに沿って配置されている。特許文献1の構造では、冷却流路の下流側の冷媒の温度が、冷却流路の上流側の冷媒の温度に比べて高くなるため、冷却流路の下流側に配置されるパワーモジュールを十分に冷却できない可能性がある。すなわち、冷却流路の上流側と下流側との間で冷媒の温度の偏りが生じるため、複数のパワーモジュールを均一的に冷却することが難しい。
【0005】
本開示は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、複数のパワーモジュールを均一的に冷却することができ、冷却性能を向上できる回転電機ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る回転電機ユニットは、固定子と、前記固定子に対して軸心回りに回転する回転子と、前記固定子に巻装される複数のコイルと、を有する回転電機と、前記回転子の軸心に沿った軸方向において、前記回転電機と並んで配置される電力変換装置と、冷媒が流通する第1冷却流路が形成され、前記電力変換装置を冷却する第1冷却部と、を備え、前記電力変換装置は、前記複数のコイルとそれぞれ電気的に接続される複数のパワーモジュールと、前記複数のパワーモジュールと電気的に接続されるコンデンサユニットと、を有し、前記第1冷却流路は、前記冷媒が供給される入口流路と、前記入口流路から分岐するとともに、前記軸方向から見たときに、前記複数のパワーモジュールのうち第1群のパワーモジュールに重なる位置に形成される第1流路と、前記入口流路から分岐するとともに、前記軸方向から見たときに、前記複数のパワーモジュールのうち前記第1群と異なる第2群のパワーモジュールに重なる位置に形成される第2流路と、前記第1流路、前記第2流路からの前記冷媒が合流するとともに、前記第1冷却部から前記冷媒が排出される出口流路と、を有しており、前記コンデンサユニットは、前記第1冷却部を径方向の外側から囲むように配置される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、複数のパワーモジュールを均一的に冷却することができ、冷却性能を向上できる回転電機ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る回転電機ユニットの回路図である。
図2】実施の形態1に係る回転電機ユニットの斜視図である。
図3】実施の形態1に係る回転電機ユニットの斜視図であって、ケースを取り外した状態を示す図である。
図4図3の平面図である。
図5図4のA-A線に沿った断面図である。
図6図4のB-B線に沿った断面図である。
図7】回転電機ユニットの斜視図であって、ケース、端子台、信号コネクタ、及び制御基板を取り外した状態を示す図である。
図8図7の平面図である。
図9図8のC-C線に沿った断面図である。
図10図8のD-D線に沿った断面図である。
図11図8のE-E線に沿った断面図である。
図12】実施の形態1に係るコンデンサモジュールの斜視図である。
図13】実施の形態1に係るコンデンサモジュールの斜視図であって、収容ケースを取り外した状態を示す図である。
図14】実施の形態1に係る正極導体の斜視図である。
図15】実施の形態1に係る負極導体の斜視図である。
図16】実施の形態1に係るパワーモジュール、バスバー、電流センサ、及び樹脂部材の斜視図である。
図17】実施の形態1に係るバスバーの斜視図である。
図18】実施の形態1に係る回転電機の斜視図である。
図19】実施の形態1に係る回転電機及び冷却器の斜視図である。
図20A】実施の形態1に係るプレートの斜視図である。
図20B】実施の形態1に係るプレートの斜視図である。
図21】実施の形態1に係るベース及び冷媒入口部の斜視図である。
図22A】実施の形態1に係る内筒部の斜視図である。
図22B】実施の形態1に係る内筒部の斜視図である。
図23】実施の形態2に係るコンデンサモジュールの収容ケースの斜視図である。
図24】実施の形態2に係る回転電機ユニットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
以下、実施の形態1に係る回転電機ユニット1について、図面を参照して説明する。
図1は、回転電機ユニット1の回路図である。図2は、回転電機ユニット1の斜視図である。図2及び図19に示されるように、回転電機ユニット1は、回転電機2と、電力変換装置3と、冷却器4(第1冷却部)と、を備える。回転電機2と、電力変換装置3と、冷却器4とは、一体化されている。これにより、回転電機ユニット1の小型化を図ることができる。
なお、本明細書では、回転電機2の回転子22の軸心O(図9を参照)に沿う方向を「軸方向」という。また、軸方向から見て、回転子22の軸心Oと交差する方向を「径方向」といい、回転子22の軸心O回りに周回する方向を「周方向」という。
【0010】
最初に、図1を参照して、回転電機ユニット1の回路構成(電気的構成)を説明する。なお、本実施の形態では、回転電機ユニット1として、6相駆動方式の回転電機ユニットを例に説明する。回転電機ユニット1は、例えば、車両に搭載される。
【0011】
回転電機2は、6相(U1相、V1相、W1相、U2相、V2相、W2相)のそれぞれに対応する6つのコイル25U1、25V1、25W1、25U2、25V2、25W2を備える。なお、本明細書では、コイル25U1、25V1、25W1、25U2、25V2、25W2を、単にコイル25とも称する。
【0012】
電力変換装置3は、コンデンサユニット34と、6相(U1相、V1相、W1相、U2相、V2相、W2相)のそれぞれに対応する6つのパワーモジュール35U1、35V1、35W1、35U2、35V2、35W2と、を備える。なお、本明細書では、パワーモジュール35U1、35V1、35W1、35U2、35V2、35W2を、単にパワーモジュール35とも称する。
【0013】
電力変換装置3には、バッテリー等の直流電源Eから直流電力が入力される。電力変換装置3は、直流電源Eから出力される直流電力を交流電力に変換して回転電機2に供給する。
【0014】
コンデンサユニット34は、直流電源Eの電力変動、またはパワーモジュール35側の電力変動に対して、電圧が大きく変動しないよう安定化させる平滑コンデンサである。コンデンサユニット34は、複数(本実施の形態では、2つ)のコンデンサモジュール51を有する。各コンデンサモジュール51は、直流電源Eの正極電源端子と負極電源端子との間に接続される。各コンデンサモジュール51は、並列接続された複数のコンデンサ素子52を有する。コンデンサモジュール51は1つのコンデンサ素子52のみを有してもよい。
【0015】
各パワーモジュール35は直流電源Eの正極電源端子と負極電源端子との間に接続される。各パワーモジュール35は、上アーム側のスイッチング素子SW1及びダイオードD1と、下アーム側のスイッチング素子SW2及びダイオードD2と、を備える。スイッチング素子SW1、SW2は、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor;絶縁ベースバイポーラトランジスタ)、またはSiC(Silicon Carbide)である。スイッチング素子SW1、SW2は直列接続される。スイッチング素子SW1とスイッチング素子SW2との接続点は、対応する相のコイル25に電気的に接続される。ダイオードD1は、スイッチング素子SW1に逆方向に並列接続される。ダイオードD2は、スイッチング素子SW2に逆方向に並列接続される。
【0016】
次に、回転電機ユニット1の構造を説明する。
【0017】
<回転電機>
まず、図9図18等を参照して、回転電機2について説明する。図18は、回転電機2の斜視図である。
【0018】
図9に示されるように、回転電機2は、固定子21と、回転子22と、シャフト23と、ハウジング24と、複数のコイル25(本実施の形態では、6つのコイル25U1、25V1、25W1、25U2、25V2、25W2)と、第1、第2の軸受26a、26bと、レゾルバ27と、を備える。
【0019】
固定子21は、環状である。固定子21は、回転子22の外周を囲むように設けられる。固定子21は、ハウジング24に固定されている。
【0020】
回転子22は、固定子21の内側に設けられる。回転子22は、固定子21に対して軸心O回りに回転自在である。
【0021】
回転子22の中心には、シャフト23が配置される。シャフト23の軸方向の一方側(下側)は、回転子22の回転を、車両等に伝達する出力側である。
【0022】
ハウジング24は、固定子21、回転子22、及びシャフト23を収容する。ハウジング24は、蓋部61と、内筒部62と、外筒部63と、底部64と、を備える。
【0023】
蓋部61は、円形状の板状部材である。蓋部61は、内筒部62の上端に固定される。蓋部61は、固定子21及び回転子22を上方から覆う。図18に示されるように、蓋部61には、コイル25のコイル端末25aが挿通されるコイル貫通穴61aが形成される。6つのコイル貫通穴61aは、周方向に等間隔(60°間隔)に配置される。蓋部61には、後述する中継継手47が収容される継手収容穴61bが形成される。
【0024】
内筒部62は、円筒形状である。内筒部62は、固定子21を径方向外側から覆う。固定子21は、内筒部62に、例えば、焼き嵌めまたは圧入により固定される。
外筒部63は、円筒形状である。外筒部63は、内筒部62を径方向外側から覆う。外筒部63は、内筒部62に、例えば、焼き嵌めまたは圧入により固定される。
内筒部62及び外筒部63により、回転電機2を冷却する第2冷却部65が構成される。第2冷却部65の詳細については後述する。
【0025】
底部64は、円形状の板状部材である。底部64は、外筒部63の下端に固定される。底部64は、固定子21及び回転子22を下方から覆う。底部64には、回転電機ユニット1を車両に取り付けるための取付部64aが設けられる。
【0026】
コイル25は、固定子21に巻装される。コイル25は、例えば、固定子21に分布巻きされる。コイル25として、例えば、一辺が0.5~6.0mmの四角形状の断面を有する平角線が用いられる。各相のコイル25のコイル端末25aは、対応する相のパワーモジュール35に電気的に接続される。図18に示されるように、6つのコイル端末25aは、周方向に等間隔(60°間隔)に配置される。コイル端末25aは、コイル貫通穴61aに挿通された後、径方向外側に向けて屈曲され、その後、再度屈曲されて軸方向に延びる。
【0027】
レゾルバ27は、シャフト23の回転角を検出する。図18に示されるように、レゾルバ27は、レゾルバ固定子27aと、レゾルバ回転子27bと、レゾルバ用ハーネス27c(信号線)と、を備える。レゾルバ固定子27aは、蓋部61に固定されている。レゾルバ回転子27bは、シャフト23の上端部(非出力側の端部)に取り付けられる。
【0028】
レゾルバ27の検出結果は、レゾルバ用ハーネス27cを介して、後述する電力変換装置3の制御基板36へ出力される。レゾルバ用ハーネス27cは、レゾルバ固定子27aから引き出され、制御基板36に向けて延び、制御基板36に接続される。レゾルバ用ハーネス27cは、パワーモジュール35が配置される部分を避けて延びる。これにより、レゾルバ用ハーネス27cに、パワーモジュール35に起因するノイズが伝わることを防止でき、シャフト23の回転角の検出精度を向上できる。
【0029】
シャフト23の上端部(非出力側の端部)には、第1の軸受26aが設けられる。第1の軸受26aは、蓋部61に固定されている。シャフト23の下端部(出力側の端部)には、第2の軸受26bが設けられる。第2の軸受26bは、底部64に固定されている。第1の軸受26a及び第2の軸受26bは、シャフト23を回転自在に支持する。
【0030】
<電力変換装置>
次に、図2~17を参照して、電力変換装置3について説明する。
図2図3図7等に示されるように、電力変換装置3は、ケース31と、端子台32(第2の外部接続部)と、信号コネクタ33(第1の外部接続部)と、コンデンサユニット34と、制御基板36と、複数のパワーモジュール35(本実施の形態では、6つのパワーモジュール35U1、35V1、35W1、35U2、35V2、35W2)と、複数(本実施の形態では、6つ)のバスバー37と、複数(本実施の形態では、6つ)の電流センサ38と、複数(本実施の形態では、6つ)の樹脂部材39と、を備える。
【0031】
ケース31は、コンデンサユニット34、パワーモジュール35、制御基板36等の電子部品を上方から覆う。これにより、これら電子部品と、回転電機ユニット1の周辺に搭載される部品との絶縁性を確保し、回転電機ユニット1の外部から異物が侵入することを防ぐ。
【0032】
端子台32は、ケース31の上面に設けられる。端子台32は、直流電源Eとコンデンサユニット34とを接続する。端子台32は、電力変換装置3と外部電源である直流電源Eとを接続する第2の外部接続部である。端子台32は、正極側接続端子32aと、負極側接続端子32bと、収容ケース32cと、を有する。
【0033】
正極側接続端子32aは、直流電源Eの正極電源端子、及び後述するコンデンサユニット34の2つのコンデンサモジュール51の正極導体54に接続される。
負極側接続端子32bは、直流電源Eの負極電源端子、及び後述するコンデンサユニット34の2つのコンデンサモジュール51の負極導体55に接続される。
収容ケース32cは、正極側接続端子32a及び負極側接続端子32bを収容する。
【0034】
図3に示されるように、正極側接続端子32aの上面部は、収容ケース32cから露出しており、この上面部に直流電源Eの正極電源端子が接続される。正極側接続端子32aの周方向における両側面は、収容ケース32cから露出しており、これらの側面に、2つのコンデンサモジュール51の正極導体54がそれぞれ接続される。
負極側接続端子32bの上面部は、収容ケース32cから露出しており、この上面部に直流電源Eの負極電源端子が接続される。負極側接続端子32bの周方向における両側面は、収容ケース32cから露出しており、これらの側面に、2つのコンデンサモジュール51の負極導体55がそれぞれ接続される。
【0035】
信号コネクタ33は、ケース31の上面に設けられる。信号コネクタ33は、制御基板36と電気的に接続される。信号コネクタ33は、車両等に搭載される外部の制御装置と電力変換装置3との間で各種信号の受け渡しに用いられる。信号コネクタ33は、電力変換装置3と外部の制御装置とを接続する第1の外部接続部である。
【0036】
図4に示されるように、軸方向から見たときに、回転子22の軸心Oに対して信号コネクタ33が配置される側を前方側と称し、その反対側を後方側と称する。信号コネクタ33は、回転電機ユニット1の前方側に配置される。端子台32は、回転電機ユニット1の後方側に配置される。
【0037】
コンデンサユニット34について、図7、8、12~15を参照して説明する。
図8に示されるように、コンデンサユニット34は、電力変換装置3の外周部に配置される。軸方向から見たときに、コンデンサユニット34は、周方向に延びる。コンデンサユニット34は、蓋部61に固定される。
【0038】
コンデンサユニット34は、周方向に配置される2つのコンデンサモジュール51を有する。2つのコンデンサモジュール51のうち一方は、6つのパワーモジュール35のうち半数のパワーモジュール35(例えば、パワーモジュール35U1、35V1、35W1)に対応して設けられ、他方は、もう半数のパワーモジュール35(例えば、パワーモジュール35U2、35V2、35W2)に対応して設けられる。軸方向から見たときに、各コンデンサモジュール51は、周方向に延びる円弧状を有する。2つのコンデンサモジュール51は同一形状である。2つのコンデンサモジュール51の周方向における端部同士の間には、隙間が形成されている。
【0039】
図12及び図13に示されるように、コンデンサモジュール51は、複数のコンデンサ素子52と、収容ケース53と、正極導体54と、負極導体55と、を有する。
【0040】
収容ケース53は、複数のコンデンサ素子52、正極導体54の一部、及び負極導体55の一部を収容する。この状態で、収容ケース53の内部に樹脂が充填されることにより、収容ケース53に収容された各部品が固定される。なお、収容ケース53において、コンデンサ素子52は、下端部に正極が、上端部に負極が位置するよう配置される。
【0041】
収容ケース53の下部には、コンデンサモジュール51を蓋部61に取り付けるための複数の取付部53aが形成される。取付部53aは、収容ケース53の外周面から径方向外側に突出する突起である。取付部53aにはボルト穴が形成されており、このボルト穴にボルト53b(図8を参照)を締結することにより、コンデンサモジュール51が蓋部61に取り付けられる。
【0042】
図14は、正極導体54の斜視図である。図15は、負極導体55の斜視図である。正極導体54及び負極導体55は、板状部材により形成される。正極導体54及び負極導体55の材料として、例えば、無酸素銅が用いられる。材料のコスト削減、入手性の向上等のために、正極導体54及び負極導体55の材料として、タフピッチ銅が用いられてもよい。また、正極導体54及び負極導体55の板厚は、例えば、0.5~2.5mmである。
【0043】
正極導体54は、端子台32の正極側接続端子32a、及び後述するパワーモジュール35の正極端子35bに接続される。正極導体54は、複数(本実施の形態では、3つ)の第1正極端部54aと、第2正極端部54bと、複数の第3正極端部54cと、正極側接続部54dと、複数(本実施の形態では、3つ)の正極側被冷却部54eと、を有する。
【0044】
3つの第1正極端部54aは、上記半数(3つ)のパワーモジュール35にそれぞれ対応して設けられる。第1正極端部54aは、対応するパワーモジュール35の正極端子35bに接続される。3つの第1正極端部54aは、周方向に等間隔(60°間隔)に配置される。3つの第1正極端部54aは、同一形状である。第1正極端部54aは、収容ケース53の上部から引き出される。図8に示されるように、第1正極端部54aは、対応するパワーモジュール35の正極端子35bと径方向に対向するよう配置される。
【0045】
第2正極端部54bは、端子台32の正極側接続端子32aに接続される。第2正極端部54bは、収容ケース53の上部から引き出される。図3に示されるように、第2正極端部54bは、正極側接続端子32aの側面と対向するよう配置される。第2正極端部54bの先端部にはボルト穴が形成されており、このボルト穴にボルト54fを締結することにより、第2正極端部54bが正極側接続端子32aの側面に固定される。
【0046】
複数の第3正極端部54cは、複数のコンデンサ素子52にそれぞれ対応して設けられる。第3正極端部54cは、コンデンサ素子52の下端部に、例えば半田付けにより固定される。これにより、第3正極端部54cは、コンデンサ素子52の下端部に設けられる正極と接続される。第3正極端部54cは、収容ケース53に収容される。
【0047】
正極側接続部54dは、第1正極端部54aと、第2正極端部54bと、第3正極端部54cとを電気的に接続する。正極側接続部54dは、収容ケース53に収容される。
【0048】
正極側接続部54dは、複数の第1直線部54d1と、複数の第1曲げ部54d2と、第1接続端部54d3と、を有する。複数の第1直線部54d1は、例えば板状部材を折曲することにより形成されており、全体として略周方向に延びるよう形成される。複数の第1曲げ部54d2は、複数の第1直線部54d1同士を接続する。第1接続端部54d3は、周方向の一方側に配置される第1直線部54d1と接続されており、この第1直線部54d1に対して径方向の外側に向けて折曲されている。
【0049】
正極導体54は、別体の第1正極端部54a、第2正極端部54b、及び第3正極端部54cが、正極側接続部54dと接合されて形成されている。第1正極端部54aは、第1直線部54d1の上端部に接合されている。第2正極端部54bは、第1接続端部54d3の上端部に接合されている。第3正極端部54cは、第1直線部54d1の下端部に接合されている。
【0050】
正極側被冷却部54eは、第1正極端部54aから下方に延びるように設けられる。正極側被冷却部54eは、第1正極端部54aと一体的に形成される。正極側被冷却部54eは、第1正極端部54aと別体に形成されていてもよい。
図12に示されるように、正極側被冷却部54eは、コンデンサモジュール51における径方向の内側に配置される。正極側被冷却部54eは、収容ケース53の外側に配置される。正極側被冷却部54eは、冷却器4と熱的に接続される。
【0051】
負極導体55は、端子台32の負極側接続端子32b、及び後述するパワーモジュール35の負極端子35cに接続される。負極導体55は、複数(本実施の形態では、3つ)の第1負極端部55aと、第2負極端部55bと、複数の第3負極端部55cと、負極側接続部55dと、複数(本実施の形態では、3つ)の負極側被冷却部55eと、を有する。
【0052】
3つの第1負極端部55aは、上記半数(3つ)のパワーモジュール35にそれぞれ対応して設けられる。第1負極端部55aは、対応するパワーモジュール35の負極端子35cに接続される。3つの第1負極端部55aは、周方向に等間隔(60°間隔)に配置される。3つの第1負極端部55aは、同一形状である。第1負極端部55aは、収容ケース53の上部から引き出される。図8に示されるように、第1負極端部55aは、対応するパワーモジュール35の負極端子35cと径方向に対向するよう配置される。
【0053】
第2負極端部55bは、端子台32の負極側接続端子32bに接続される。第2負極端部55bは、収容ケース53の上部から引き出される。図3に示されるように、第2負極端部55bは、負極側接続端子32bの側面と対向するよう配置される。第2負極端部55bの先端部にはボルト穴が形成されており、このボルト穴にボルト55fを締結することにより、第2負極端部55bが負極側接続端子32bの側面に固定される。
【0054】
複数の第3負極端部55cは、複数のコンデンサ素子52にそれぞれ対応して設けられる。第3負極端部55cは、コンデンサ素子52の上端部に、例えば半田付けにより固定される。これにより、第3負極端部55cは、コンデンサ素子52の上端部に設けられる負極と接続される。第3負極端部55cは、収容ケース53に収容される。
【0055】
負極側接続部55dは、第1負極端部55aと、第2負極端部55bと、第3負極端部55cとを電気的に接続する。負極側接続部55dは、収容ケース53に収容される。
【0056】
負極側接続部55dは、複数の第2直線部55d1と、複数の第2曲げ部55d2と、第2接続端部55d3と、を有する。複数の第2直線部55d1は、例えば板状部材を折曲することにより形成されており、全体として略周方向に延びるよう形成される。複数の第2曲げ部55d2は、複数の第2直線部55d1同士を接続する。第2接続端部55d3は、周方向の一方側に配置される第2直線部55d1と接続されており、この第2直線部55d1に対して径方向の外側に向けて折曲されている。
【0057】
負極導体55は、別体の第1負極端部55a、第2負極端部55b、及び第3負極端部55cが、負極側接続部55dと接合されて形成されている。第1負極端部55aは、第2直線部55d1の上端部に接合されている。第2負極端部55bは、第2接続端部55d3の上端部に接合されている。第3負極端部55cは、第2直線部55d1の上端部に接合されている。
【0058】
負極側被冷却部55eは、第1負極端部55aから下方に延びるように設けられる。負極側被冷却部55eは、第1負極端部55aと一体的に形成される。負極側被冷却部55eは、第1負極端部55aと別体に形成されていてもよい。
図12に示されるように、負極側被冷却部55eは、コンデンサモジュール51における径方向の内側に配置される。負極側被冷却部55eは、収容ケース53の外側に配置される。負極側被冷却部55eは、冷却器4と熱的に接続される。
【0059】
図7、8、16を参照して、パワーモジュール35について説明する。
図7及び図8に示されるように、6つのパワーモジュール35は、電力変換装置3の中央部に配置される。軸方向から見たときに、6つのパワーモジュール35は、コンデンサユニット34に径方向の外側から囲まれる。6つのパワーモジュール35は、周方向に等間隔(60°間隔)に配置される。パワーモジュール35U1、35V1、35W1、35U2、35V2、35W2は、周方向にこの順に配置される。したがって、同じ相のパワーモジュール35(例えば、U1相とU2相のパワーモジュール35U1、35U2)は、径方向に対向するよう配置される。
【0060】
図16に示されるように、各パワーモジュール35は、本体部35aと、正極端子35bと、負極端子35cと、出力端子35dと、上アーム側の信号端子35eと、下アーム側の信号端子35fとを有する。パワーモジュール35は、後述する冷却器4のプレート41に固定される。
【0061】
本体部35aは、軸方向から見たときに、略矩形状を有する。本体部35aは、上アーム側のスイッチング素子SW1及びダイオードD1と、下アーム側のスイッチング素子SW2及びダイオードD2と、を備える。本体部35aの角部には、上アーム側の信号端子35eを固定するための突起部35a1が設けられる。
【0062】
正極端子35b、負極端子35c、出力端子35d、上アーム側の信号端子35e、及び下アーム側の信号端子35fは、板状部材である。
正極端子35b、負極端子35c、出力端子35d、上アーム側の信号端子35e、及び下アーム側の信号端子35fの材料として、例えば、無酸素銅が用いられる。材料のコスト削減、入手性の向上等のために、正極端子35b、負極端子35c、出力端子35d、上アーム側の信号端子35e、及び下アーム側の信号端子35fの材料として、タフピッチ銅が用いられてもよい。また、正極端子35b、負極端子35c、出力端子35d、上アーム側の信号端子35e、及び下アーム側の信号端子35fの板厚は、例えば、0.5~1.5mmである。
【0063】
図8に示されるように、正極端子35bは、第1正極端部54aと対向するように配置される。正極端子35bは、第1正極端部54aに直接接続される。なお、直接接続されるとは、正極端子35bと第1正極端部54aとが、ワイヤ等を使用せずに、互いに接触して接続されることをいう。正極端子35bと第1正極端部54aとの接続には、例えば、抵抗溶接、超音波接合、TIG溶接、レーザー溶接が用いられる。軸方向から見て、第1正極端部54aと正極端子35bとの接続部は、収容ケース53と本体部35aとの間に位置している。
【0064】
負極端子35cは、第1負極端部55aと対向するように配置される。負極端子35cは、第1負極端部55aに直接接続される。なお、直接接続されるとは、負極端子35cと第1負極端部55aとが、ワイヤ等を使用せずに、互いに接触して接続されることをいう。負極端子35cと第1負極端部55aとの接続には、例えば、抵抗溶接、超音波接合、TIG溶接、レーザー溶接が用いられる。軸方向から見て、第1負極端部55aと負極端子35cとの接続部は、収容ケース53と本体部35aとの間に位置している。
【0065】
本実施の形態では、コンデンサユニット34の正極導体54から、パワーモジュール35の正極端子35b及び負極端子35cを経由した、コンデンサユニット34の負極導体55までの経路の長さが、全てのパワーモジュール35で略同一となるように、コンデンサユニット34及びパワーモジュール35が設けられている。すなわち、コンデンサユニット34とパワーモジュール35との接続経路の長さが、全てのパワーモジュール35で略同一となっている。ここで、上記経路の長さが略同一であるとは、正極導体54から、正極端子35b及び負極端子35cを経由した、負極導体55までの経路の全長に対して、各パワーモジュール35間での上記経路長さの差異が、±5%の範囲内であることを意味する。これにより、それぞれのパワーモジュール35に発生するサージ電圧を均等にできる。したがって、パワーモジュール35に大容量の電流を入力することが可能となり、回転電機ユニット1の高出力化が可能となる。
【0066】
なお、本開示では、少なくとも2つのパワーモジュール35について、コンデンサユニット34とパワーモジュール35との接続経路の長さが略同一となっていればよい。この場合であっても、これら2つのパワーモジュール35に発生するサージ電圧を均等にできる。したがって、パワーモジュール35に大容量の電流を入力することが可能となり、回転電機ユニット1の高出力化が可能となる。
【0067】
また、正極端子35bは、第1正極端部54aに直接接続され、負極端子35cは、第1負極端部55aに直接接続される。すなわち、コンデンサユニット34とパワーモジュール35とは、最短経路で接続されている。これにより、コンデンサユニット34とパワーモジュール35との接続経路のインダクタンスを低減でき、パワーモジュール35に発生するサージ電圧を抑制できる。したがって、パワーモジュール35に、より大容量の電流を入力することが可能となり、回転電機ユニット1の更なる高出力化が可能となる。
【0068】
出力端子35dは、バスバー37を介して、コイル25のコイル端末25aに接続される。
全てのパワーモジュール35において、出力端子35dは、軸心Oと、正極端子35bと負極端子35cとの隙間の中間位置とを通る仮想線に対して線対称となるよう配置される。すなわち、出力端子35dは、径方向から見たときに、出力端子35dの中心位置が、正極端子35bと負極端子35cとの隙間の中間位置と一致するよう、配置される。これにより、全てのパワーモジュール35において、正極導体54からコイル端末25aまで、及び負極導体55からコイル端末25aまでの接続経路の配線抵抗が均一となる。したがって、複数のパワーモジュール35の間で、パワーモジュール35を流れる電流に偏りが生じることを防止できる。
【0069】
上アーム側の信号端子35eは、上アーム側のスイッチング素子SW1及びダイオードD1と接続される。下アーム側の信号端子35fは、下アーム側のスイッチング素子SW2及びダイオードD2と接続される。上アーム側の信号端子35e及び下アーム側の信号端子35fは、制御基板36と接続される。図3に示されるように、上アーム側の信号端子35e及び下アーム側の信号端子35fは、制御基板36に直接取り付けられる。
【0070】
図8、16、17を参照して、バスバー37について説明する。
各バスバー37は、対応する相のパワーモジュール35とコイル25とを接続する。図8に示されるように、バスバー37は、周方向に隣り合うパワーモジュール35同士の間に配置される。
【0071】
図17に示されるように、バスバー37は、板状部材である。バスバー37の材料として、例えば、無酸素銅が用いられる。バスバー37の材料として、材料のコスト削減、入手性の向上等のために、タフピッチ銅が用いられてもよい。バスバー37の板厚は、例えば、0.5~2.5mmである。
【0072】
バスバー37は、出力端子35dと接続される第1端子37aと、コイル端末25aと接続される第2端子37bと、を有する。
【0073】
第1端子37aは、バスバー37の一方側の端部に設けられる。図16に示されるように、第1端子37aは、出力端子35dと対向するように配置される。第1端子37aは、出力端子35dに直接接続される。なお、直接接続されるとは、第1端子37aと出力端子35dとが、ワイヤ等を使用せずに、互いに接触して接続されることをいう。第1端子37aと出力端子35dとの接続には、例えば、抵抗溶接、超音波接合、TIG溶接、レーザー溶接が用いられる。図8に示されるように、軸方向から見て、第1端子37aと出力端子35dとの接続部は、本体部35aよりも径方向内側に位置している。
【0074】
第2端子37bは、バスバー37の他方側の端部に設けられる。図16に示されるように、第2端子37bは、コイル端末25aと対向するように配置される。第2端子37bは、コイル端末25aに直接接続される。なお、直接接続されるとは、第2端子37bとコイル端末25aとが、ワイヤ等を使用せずに、互いに接触して接続されることをいう。第2端子37bとコイル端末25aとの接続には、例えば、抵抗溶接、超音波接合、TIG溶接、レーザー溶接が用いられる。図8に示されるように、軸方向から見て、第2端子37bとコイル端末25aとの接続部は、本体部35aよりも径方向外側に位置している。
【0075】
バスバー37には、切欠き部37cが形成される。切欠き部37cは、バスバー37のうち、パワーモジュール35の下アーム側の信号端子35fと対向する領域を切り欠くよう形成される。切欠き部37cは、バスバー37と下アーム側の信号端子35fとの間に隙間を形成するために設けられる。例えば、バスバー37と下アーム側の信号端子35fとが2.0~5.0mm離間するように、切欠き部37cが形成される。これにより、バスバー37と下アーム側の信号端子35fとの絶縁性を確保することができる。
【0076】
バスバー37には、固定用貫通穴37dが形成される。図16に示されるように、固定用貫通穴37dには、プレート41に取り付けられる固定柱41gが挿通される。
【0077】
各バスバー37には、電流センサ38が設けられる。バスバー37は、電流センサ38のコアの内側空間に挿通される。電流センサ38は、バスバー37を流れる電流を検出する。電流センサ38は、制御基板36と接続される信号端子38aを有する。
電流センサ38の検出結果は、信号端子38aから制御基板36に出力される。図3に示されるように、信号端子38aは、制御基板36に直接取り付けられる。これにより、耐ノイズ性が向上し、電流センサ38によるバスバー37の電流値の検出精度が向上する。
【0078】
図16に示されるように、バスバー37及び電流センサ38は、樹脂部材39に覆われる。なお、信号端子38aは、樹脂部材39から露出している。樹脂部材39は、バスバー37と電流センサ38とを一体的に保持する。樹脂部材39の材料として、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)が用いられる。樹脂部材39は、制御基板36とともに、ボルト41f3(図4を参照)によってプレート41に固定される。
【0079】
図3及び図4を参照して、制御基板36について説明する。
制御基板36は、多角形状を有する。制御基板36は、電力変換装置3の中央部に配置される。図4に示されるように、軸方向から見たときに、制御基板36は、コンデンサユニット34に径方向の外側から囲まれる。制御基板36は、ボルト41f1、41f3により、プレート41に対して固定される。
【0080】
制御基板36には、上アーム側の信号端子35e、下アーム側の信号端子35f、及び信号端子38aが直接接続される。制御基板36には、信号コネクタ用プラグを介して信号コネクタ33が接続される。制御基板36の中央部には、レゾルバ用ハーネス27cが挿通されるハーネス挿通穴36aが形成される。制御基板36には、レゾルバ用ハーネス27cを介して、レゾルバ27の検出結果が入力される。制御基板36は、車両等に搭載される外部の制御装置から入力される制御指令に基づいてパワーモジュール35を制御する。
【0081】
<冷却器>
図5、6、9、11、19~21等を参照して、冷却器4について説明する。
冷却器4は、電力変換装置3を冷却する。図5に示されるように、冷却器4は、コンデンサモジュール51(コンデンサユニット34)の径方向の内側に配置される。冷却器4は、蓋部61に固定される。
図19は、冷却器4及び回転電機2の斜視図である。図19に示されるように、冷却器4は、プレート41と、ベース42と、冷媒入口部43と、第1放熱部材44(バスバー放熱部材)と、第2放熱部材45(コンデンサ放熱部材)と、を有する。
【0082】
図20A及び20Bは、プレート41の斜視図である。図20A及び20Bに示されるように、プレート41は、略多角形の板状部材である。例えば、プレート41の材質は、アルミニウムである。プレート41の材質は、適宜変更してもよい。プレート41の第1面41aには、パワーモジュール35が取り付けられる。パワーモジュール35は、プレート41の第1面41aに、例えばはんだ付けにより固定される。パワーモジュール35は、プレート41と熱的に接続される。
【0083】
図20Aに示されるように、プレート41の第1面41aには、有底の第1取付孔41h1、第2取付孔41h2、及び第3取付孔41h3が設けられている。
【0084】
第1取付孔41h1には、制御基板36をプレート41に対して固定するための固定柱41g(図8を参照)が取り付けられる。固定柱41gの上端は、制御基板36の下面に当接される。この状態で、制御基板36と固定柱41gとをボルト41f1(図4を参照)で固定することにより、制御基板36がプレート41に対して固定される。また、図16に示されるように、固定柱41gには、バスバー37に形成された固定用貫通穴37dが挿通され、これによりバスバー37がプレート41に対して固定される。
【0085】
第2取付孔41h2には、樹脂部材39をプレート41に固定するためのボルト41f2(図8を参照)が取り付けられる。
【0086】
第3取付孔41h3には、制御基板36及び樹脂部材39をプレート41に固定するためのボルト41f3(図4を参照)が取り付けられる。樹脂部材39の上端は、制御基板36の下面に当接される。この状態で、制御基板36、樹脂部材39、及びプレート41を、ボルト41f3で締結することにより、制御基板36及び樹脂部材39がプレート41に対して固定される。
【0087】
図20Bに示されるように、プレート41の第2面41bには、放熱フィン41cが設けられる。図11に示されるように、放熱フィン41cは、パワーモジュール35と、軸方向に重なる位置に配置される。プレート41の第2面41bは、ベース42に固定される。
【0088】
プレート41には、レゾルバ用ハーネス27cが挿通されるハーネス貫通穴41d(挿通孔)が形成される。プレート41の外周面には、コイル端末25aが配置されるコイル溝部41eが形成される。6つのコイル溝部41eが、周方向に等間隔(60°間隔)に配置される。
【0089】
図19に示されるように、プレート41の第1面41aには、第1放熱部材44が設けられている。第1放熱部材44は、六角形状である。図11に示されるように、第1放熱部材44は、プレート41とバスバー37との間に配置される。バスバー37は、第1放熱部材44を介して、プレート41と熱的に接続される。
【0090】
図21は、ベース42及び冷媒入口部43の斜視図である。図21に示されるように、ベース42は、第1面42aと、第2面と、複数の側面とを有する略多角形状である。例えば、ベース42の材質は、アルミニウムである。ベース42の材質は、適宜変更してもよい。図11に示されるように、ベース42は、コンデンサモジュール51(コンデンサユニット34)に、径方向の外側から囲まれる。ベース42の側面は、コンデンサモジュール51と径方向に対向する。
ベース42の第1面42aには、プレート41が固定される。ベース42の第2面は、蓋部61に固定される。
【0091】
ベース42の中央部には、レゾルバ用ハーネス27cが挿通されるハーネス貫通穴42b(挿通孔)が形成される。ベース42の側面には、軸方向に延びるコイル溝部42cが形成される。図19に示されるように、コイル溝部42cには、コイル端末25aが配置される。6つのコイル溝部42cが、周方向に等間隔(60°間隔)に形成される。コイル溝部42cには、熱伝導性を有する充填剤49が充填されている。コイル端末25aは、充填剤49により、コイル溝部42cに固定されている。コイル端末25aは、充填剤49を介して、ベース42と熱的に接続される。コイル端末25aにて発生する熱を、充填剤49を介してベース42へ放出することにより、コイル25を冷却することができる。
【0092】
ベース42の側面には、コンデンサモジュール51を冷却するコンデンサ冷却部42eが設けられる。図19に示されるように、コンデンサ冷却部42eには、第2放熱部材45が設けられる。第2放熱部材45は、矩形状である。
【0093】
図6に示されるように、第2放熱部材45は、正極導体54の正極側被冷却部54e及び負極導体55の負極側被冷却部55eと径方向に対向するよう設けられる。正極側被冷却部54e及び負極側被冷却部55eは、第2放熱部材45に接触しており、第2放熱部材45を介して、コンデンサ冷却部42eと熱的に接続される。
【0094】
図19に戻り、冷媒入口部43は、ベース42の側面に取り付けられる。冷媒入口部43は、ベース42から径方向の外側に突出して設けられる。冷媒入口部43は、ベース42と一体に形成される。冷媒入口部43の内部には、冷媒が流通する流路が形成される。冷媒入口部43は、外部から冷媒が供給される第1継手46と接続される。冷媒入口部43及び第1継手46は、回転電機ユニット1の前方側に配置される。
【0095】
冷却器4には、冷媒が流通する第1冷却流路が形成される。冷媒としては、例えば、水(冷却水)が用いられる。図21に示されるように、第1冷却流路は、入口流路P1と、第1流路P2と、第2流路P3と、出口流路P4と、を有する。入口流路P1には、第1継手46から冷媒が供給される。第1流路P2、第2流路P3は、入口流路P1から分岐する。第1流路P2は、軸方向から見たときに、6つのパワーモジュール35のうち半数のパワーモジュール35(具体的には、パワーモジュール35U1、35V1、35W1)に重なる位置に形成される。第1流路P2は、入口流路P1から周方向における一方側に延びる。第2流路P3は、軸方向から見たときに、6つのパワーモジュール35のうちもう半数のパワーモジュール35(具体的には、パワーモジュール35U2、35V2、35W2)に重なる位置に形成される。第2流路P3は、入口流路P1から周方向における他方側に延びる。出口流路P4は、第1流路P2、第2流路P3からの冷媒が合流する。出口流路P4は、第2冷却部65の内部に形成される第2冷却流路と連通している。
【0096】
ベース42には、冷媒供給口42fと、環状溝部42gと、冷媒排出口42hと、が設けられる。
【0097】
冷媒供給口42fは、ベース42の周壁を径方向に貫通する孔である。冷媒供給口42fの一端には、冷媒入口部43が接続される。冷媒供給口42fの他端は、環状溝部42gに接続される。冷媒入口部43及び冷媒供給口42fは、入口流路P1として用いられる。
【0098】
冷媒排出口42hは、ベース42の周壁を径方向に貫通する孔である。冷媒排出口42hは、冷媒供給口42fに対して周方向の反対側に配置される。冷媒排出口42hの一端は、環状溝部42gに接続される。冷媒排出口42hの他端は、中継継手47に接続される。中継継手47は、冷媒排出口42hと、後述する内筒部62の開口部62cとを接続する。冷媒排出口42h及び中継継手47は、出口流路P4として用いられる。
【0099】
図8に示されるように、冷媒入口部43は、コンデンサモジュール51の周方向における端部同士の2つの隙間のうち、前方側の隙間に配置される。冷媒排出口42h及び中継継手47は、コンデンサモジュール51の周方向における端部同士の2つの隙間のうち、後方側の隙間に配置される。すなわち、入口流路P1の少なくとも一部、及び出口流路P4の少なくとも一部は、コンデンサモジュール51の周方向における端部同士の間に配置される。出口流路P4は、軸心Oを挟んで、入口流路P1と径方向の反対側に配置される。
【0100】
環状溝部42gは、ベース42の第1面42aに形成される。環状溝部42gは、周方向に延びており、軸方向から見て環状である。環状溝部42gは、ハーネス貫通穴42bを避けて形成される。冷媒供給口42f及び冷媒排出口42hは、環状溝部42gの径方向外側の側面に開口する。
【0101】
環状溝部42gは、冷媒供給口42fと冷媒排出口42hとに挟まれる一方側の部分である第1溝部42g1と、冷媒供給口42fと冷媒排出口42hとに挟まれる他方側の部分である第2溝部42g2と、を有する。第1溝部42g1は、6つのパワーモジュール35のうち半数のパワーモジュール35(具体的には、パワーモジュール35U1、35V1、35W1)の下方に設けられる。第2溝部42g2は、6つのパワーモジュール35のうちもう半数のパワーモジュール35(具体的には、パワーモジュール35U2、35V2、35W2)の下方に設けられる。
【0102】
第1溝部42g1と、プレート41の第2面41bとにより、第1流路P2が形成される。第2溝部42g2と、プレート41の第2面41bとにより、第2流路P3が形成される。図11に示されるように、放熱フィン41cは、環状溝部42gの内部(すなわち、第1流路P2または第2流路P3)に配置される。
【0103】
第1継手46から供給される冷媒は、入口流路P1を通って、第1流路P2と、第2流路P3とに分岐される。パワーモジュール35U1、35V1、35W1にて発生する熱は、放熱フィン41cを介して、第1流路P2を流れる冷媒と熱交換される。これにより、パワーモジュール35U1、35V1、35W1が冷却される。パワーモジュール35U2、35V2、35W2にて発生する熱は、放熱フィン41cを介して、第2流路P3を流れる冷媒と熱交換される。これにより、パワーモジュール35U2、35V2、35W2が冷却される。
【0104】
コンデンサモジュール51の正極側被冷却部54e及び負極側被冷却部55eは、第2放熱部材45を介して、コンデンサ冷却部42eと熱的に接続されている。コンデンサモジュール51(コンデンサ素子52)にて発生する熱は、正極側被冷却部54e及び負極側被冷却部55eに伝達され、コンデンサ冷却部42e及び第2放熱部材45を介して、第1流路P2及び第2流路P3を流れる冷媒と熱交換される。これにより、コンデンサモジュール51が冷却される。
【0105】
バスバー37は、第1放熱部材44を介して、プレート41と熱的に接続されている。バスバー37にて発生する熱は、第1放熱部材44及びプレート41を介して、第1流路P2及び第2流路P3を流れる冷媒と熱交換される。これにより、バスバー37が冷却される。
【0106】
その後、第1流路P2、第2流路P3からの冷媒は、出口流路P4にて合流し、第2冷却部65へ向けて排出される。
【0107】
<第2冷却部>
図9、22を参照して、第2冷却部65について説明する。
図9に示されるように、内筒部62と外筒部63とにより、第2冷却部65が構成される。第2冷却部65には、冷媒が流通する第2冷却流路が形成される。第2冷却流路は、内筒部62の外周面と外筒部63の内周面との間に形成される。
【0108】
図22A及び22Bは、内筒部62の斜視図である。図22A及び22Bに示されるように、内筒部62は、円筒形状の本体部62aと、本体部62aの上端から径方向外側に突出するフランジ部62bとを有する。フランジ部62bには、開口部62cが形成されている。図9に示されるように、冷媒排出口42hと開口部62cとは、中継継手47により接続されている。
【0109】
第2冷却流路は、連通流路P5と、第3流路P6と、第4流路P7と、排出流路P8と、を有する。連通流路P5は、出口流路P4と連通する。第3流路P6及び第4流路P7は、連通流路P5から分岐する。第3流路P6は、連通流路P5から周方向における一方側に延びる。第4流路P7は、連通流路P5から周方向における他方側に延びる。排出流路P8は、第3流路P6及び第4流路P7からの冷媒が合流する。冷媒は、排出流路P8から外部に排出される。
【0110】
本体部62aの外周面には、第1溝部62dと、第2溝部62eと、第3溝部62fと、第4溝部62gと、が形成される。
【0111】
第1溝部62dは、開口部62cの下方に形成される。第1溝部62dは、軸方向に延びる。第1溝部62dの上端は、開口部62cに連通する。第1溝部62dの下端は閉塞されている。外筒部63の内周面と、第1溝部62dとにより、連通流路P5が形成される。
【0112】
第2溝部62eは、第1溝部62dに対して周方向の反対側に形成される。第2溝部62eは、軸方向に延びる。第2溝部62eの上端及び下端は閉塞している。第2溝部62eと、外筒部63の内周面とにより、排出流路P8が形成される。
【0113】
第3溝部62fは、第1溝部62d及び第2溝部62eと接続される。第3溝部62fは、第1溝部62dから第2溝部62eまで、周方向における一方側に延びる。複数の第3溝部62fが、軸方向に間隔をあけて形成される。第3溝部62fと、外筒部63の内周面とにより、第3流路P6が形成される。
【0114】
第4溝部62gは、第1溝部62d及び第2溝部62eと接続される。第4溝部62gは、第1溝部62dから第2溝部62eまで、周方向における他方側に延びる。複数の第4溝部62gが、軸方向に間隔をあけて形成される。第4溝部62gと、外筒部63の内周面とにより、第4流路P7が形成される。
【0115】
図9に示されるように、外筒部63の下端部には、外筒部63の周壁を径方向に貫通する開口部63aが形成される。開口部63aは、第2溝部62eと連通している。開口部63aは、外部へ冷媒を排出する第2継手48に接続される。なお、第2継手48は、回転電機ユニット1の前方側に配置される。
【0116】
冷却器4の冷媒排出口42hから排出された冷媒は、中継継手47及び開口部62cを介して連通流路P5に流入する。冷媒は、連通流路P5を、開口部62cから、軸方向の下方に向けて(すなわち、出力側に向けて)流れつつ、第3流路P6と第4流路P7とに分岐される。第3流路P6を流れる冷媒は、回転電機2のうち、周方向の一方側の半分を冷却する。第4流路P7を流れる冷媒は、回転電機2のうち、周方向の他方側の半分を冷却する。複数の第3流路P6及び第4流路P7が軸方向に間隔をあけて設けられているため、第2冷却部65による回転電機2の冷却効率が向上する。その後、第3流路P6及び第4流路P7からの冷媒は、排出流路P8にて合流し、排出流路P8を下方に流れ、開口部63a及び第2継手48を介して外部に排出される。
【0117】
以上説明したように、回転電機ユニット1は、回転電機2と、電力変換装置3と、冷媒が流通する第1冷却流路が形成され、電力変換装置3を冷却する冷却器4と、を備える。電力変換装置3は、複数のパワーモジュール35と、コンデンサユニット34と、を有する。第1冷却流路は、冷媒が供給される入口流路P1と、入口流路P1から分岐するとともに、軸方向から見たときに、複数のパワーモジュール35のうち第1群のパワーモジュール35に重なる位置に形成される第1流路P2と、入口流路P1から分岐するとともに、軸方向から見たときに、複数のパワーモジュール35のうち第1群と異なる第2群のパワーモジュール35に重なる位置に形成される第2流路P3と、第1流路P2、第2流路P3からの冷媒が合流するとともに、冷却器4から冷媒が排出される出口流路P4と、を有する。コンデンサユニット34は、冷却器4を径方向の外側から囲むように配置される。
冷却器4により、電力変換装置3を冷却することができる。また、冷媒が、第1流路P2と第2流路P3とに分岐されて流通する。したがって、冷却流路を分岐せずに、1系統の冷却流路上に複数のパワーモジュール35を配置する場合と比べて、冷却流路の上流側と下流側との間で冷媒の温度が偏ることを抑制できる。したがって、複数のパワーモジュール35を均一的に冷却することができ、回転電機ユニット1の冷却性能を向上できる。また、この結果、パワーモジュール35に大容量の電流を入力することが可能となり、回転電機ユニット1の高出力化が可能となる。さらに、コンデンサユニット34が、冷却器4を径方向の外側から囲むように配置されるため、例えばコンデンサユニットを冷却器の上方に配置する場合に比べて、回転電機ユニット1を軸方向において小型化することができる。
【0118】
また、複数のパワーモジュール35は、周方向に配置されている。第1流路P2は、入口流路P1から周方向における一方側に延び、第2流路P3は、入口流路P1から周方向における他方側に延びる。
これにより、複数のパワーモジュール35を、より均一的かつ効率的に冷却することができる。
【0119】
また、回転電機ユニット1は、冷媒が流通する第2冷却流路が形成され、回転電機2を冷却する第2冷却部65、をさらに備える。第2冷却流路は、出口流路P4と連通する連通流路P5と、連通流路P5から分岐するとともに、連通流路P5から周方向における一方側に延びる第3流路P6と、連通流路P5から分岐するとともに、連通流路P5から周方向における他方側に延びる第4流路P7と、第3流路P6及び第4流路P7からの冷媒が合流するとともに、第2冷却部65から冷媒が排出される排出流路P8と、を有する。
冷却器4の第1冷却流路と第2冷却部65の第2冷却流路とが回転電機ユニット1内で連通しているため、回転電機ユニット1を小型化できる。さらに、第3流路P6を流れる冷媒によって、回転電機2のうち、周方向の一方側の半分を冷却し、第4流路P7を流れる冷媒によって、回転電機2のうち、周方向の他方側の半分を冷却できるため、第2冷却部65による回転電機2の冷却効率が向上する。
【0120】
また、冷却器4は、第1流路P2または第2流路P3に配置される複数の放熱フィン41cを有する。軸方向から見たときに、複数の放熱フィン41cは、複数のパワーモジュール35と重なる位置に配置される。
これにより、冷却器4による、パワーモジュール35の冷却効率が向上する。この結果、パワーモジュール35に大容量の電流を入力することが可能となり、回転電機ユニット1の高出力化が可能となる。
【0121】
また、コンデンサユニット34は、正極導体54と、負極導体55と、を有する。正極導体54は、コンデンサユニット34における径方向の内側に配置される正極側被冷却部54eを有する。負極導体55は、コンデンサユニット34における径方向の内側に配置される負極側被冷却部55eを有する。冷却器4は、冷却器4における径方向の外側に配置され、正極側被冷却部54e及び負極側被冷却部55eと熱的に接続されるコンデンサ冷却部42eを有する。
コンデンサユニット34は、コンデンサユニット34における径方向の内側に配置され、コンデンサ冷却部42eと熱的に接続される正極側被冷却部54e及び負極側被冷却部55eを有する。これにより、コンデンサユニット34を径方向の内側から冷却することができる。また、例えばコンデンサユニットを軸方向の上側から冷却する場合と比べて、コンデンサユニット34を冷却する面積を広く設けることが可能となる。この結果、冷却器4による、コンデンサユニット34の冷却性能を向上でき、回転電機ユニット1の高出力化が可能となる。
また、正極導体54及び負極導体55が熱伝導率の高い銅製である場合、コンデンサユニット34の冷却性能がより向上し、回転電機ユニット1の高出力化が可能となる。
また、電流の流通経路ではない正極側被冷却部54e及び負極側被冷却部55eを用いて、コンデンサユニット34を冷却するため、コンデンサユニット34とパワーモジュール35との接続経路のインダクタンスが増加せず、パワーモジュール35に発生するサージ電圧を抑制できる。したがって、パワーモジュール35に、より大容量の電流を入力することが可能となり、回転電機ユニット1の更なる高出力化が可能となる。
【0122】
また、冷却器4は、正極側被冷却部54e及び負極側被冷却部55eと、コンデンサ冷却部42eとの間に設けられる第2放熱部材45を有する。
これにより、冷却器4による、コンデンサユニット34の冷却効率が向上する。
【0123】
また、正極導体54は、複数の正極側被冷却部54eを有し、負極導体55は、複数の負極側被冷却部55eを有し、冷却器4は、複数のコンデンサ冷却部42eを有する。
これにより、冷却器4による、コンデンサユニット34の冷却性能が更に向上する。
【0124】
また、コンデンサユニット34は、周方向に配置される複数のコンデンサモジュール51を含む。
これにより、コンデンサモジュール51の各部材を成型するための金型等を小型化できるため、製造コストの低減が可能となる。また、コンデンサユニット34を複数のコンデンサモジュール51として運搬できるため、コンデンサユニット34が1つのコンデンサモジュールにより形成されている場合と比べて、例えば、運搬時にコンデンサユニット34を収容するトレイの省スペース化を図ることができ、運搬コストの低減が可能となる。
【0125】
また、複数のコンデンサモジュール51はそれぞれ、軸方向から見たときに、円弧状を有する。入口流路P1の少なくとも一部、及び出口流路P4の少なくとも一部は、複数のコンデンサモジュール51の周方向における端部同士の間に配置される。出口流路P4は、回転子22の軸心Oを挟んで、入口流路P1と径方向の反対側に配置される。
入口流路P1の少なくとも一部、及び出口流路P4の少なくとも一部が、複数のコンデンサモジュール51の周方向における端部同士の間に配置されるため、回転電機ユニット1の小型化が可能となる。また、入口流路P1における冷媒の流通方向と、出口流路P4における冷媒の流通方向とを直線状に配置することができるため、入口流路P1及び出口流路P4における圧力損失を低減することができ、冷却器4の冷却性能を向上できる。
【0126】
また、電力変換装置3は、複数のパワーモジュール35と複数のコイル25とをそれぞれ接続する複数のバスバー37をさらに有する。
これにより、バスバー37を用いて、パワーモジュール35とコイル25とを容易に電気的に接続することができる。
【0127】
また、冷却器4は、複数のパワーモジュール35が取り付けられるプレート41と、複数のバスバー37とプレート41との間に設けられる第1放熱部材44と、をさらに有する。
冷却器4により、バスバー37を冷却できる。したがって、バスバー37に、より大容量の電流を入力することが可能となり、回転電機ユニット1の更なる高出力化が可能となる。
【0128】
また、冷却器4には、複数のコイル25がそれぞれ配置される複数のコイル溝部42cが形成されている。複数のコイル溝部42cには、熱伝導性を有する充填剤49が充填されている。
コイル25にて発生する熱が、充填剤49を介して、冷却器4と熱交換されるため、冷却器4によってコイル25を冷却することができる。したがって、コイル25に大容量の電流を入力することが可能となり、回転電機ユニット1の高出力化が可能となる。また、充填剤49により、コイル25をコイル溝部42cに固定することができる。したがって、回転電機ユニット1の振動、回転電機ユニット1に加わる外力等によって、コイル25が破損したり、コイル25とパワーモジュール35との電気的な接続不良が生じたりすることを抑制でき、回転電機ユニット1の信頼性を向上できる。
【0129】
また、冷却器4の中央部には、レゾルバ27のレゾルバ用ハーネス27cが挿通されるハーネス貫通穴41d、42bが形成されている。
レゾルバ用ハーネス27cを冷却器4の中央部に配置することができるため、複数のパワーモジュール35を、例えば周方向に等間隔に配置することができ、パワーモジュール35の配置の自由度が向上する。したがって、例えば、複数のパワーモジュール35をより近接させて配置することができるなど、電力変換装置3における部材の実装密度を向上させることができ、回転電機ユニット1の小型化が可能となる。
【0130】
また、コンデンサユニット34は、正極導体54と、負極導体55と、を有する。パワーモジュール35は、正極端子35bと、負極端子35cと、を有する。正極導体54から、複数のパワーモジュール35のうち第1のパワーモジュール35の正極端子35b及び負極端子35cを経由した、負極導体55までの第1経路の長さが、正極導体54から、複数のパワーモジュール35のうち第2のパワーモジュール35の正極端子35b及び負極端子35cを経由した、負極導体55までの第2経路の長さと略同一である。なお、第1経路の長さが第2経路の長さと略同一であるとは、第1経路の全長に対して、第1経路の長さと第2経路の長さとの差が、±5%の範囲内であることを意味する。
これにより、第1のパワーモジュール35及び第2のパワーモジュール35に発生するサージ電圧を均等にできる。したがって、パワーモジュール35に大容量の電流を入力することが可能となり、回転電機ユニット1の高出力化が可能となる。
【0131】
また、複数のパワーモジュール35の全てにおいて、正極導体54から、正極端子35b及び負極端子35cを経由した、負極導体55までの経路の長さが略同一である。
これにより、全てのパワーモジュール35について、それぞれのパワーモジュール35に発生するサージ電圧を均等にできる。したがって、パワーモジュール35に、より大容量の電流を入力することが可能となり、回転電機ユニット1の更なる高出力化が可能となる。
【0132】
また、冷却器4は、軸方向において、複数のパワーモジュール35よりも回転電機2側に配置される。
これにより、回転電機2から発生する熱を冷却器4で遮断することができるため、回転電機2から発生する熱がパワーモジュール35に伝わることを防止できる。したがって、パワーモジュール35に大容量の電流を入力することが可能となり、回転電機ユニット1の高出力化が可能となる。
【0133】
また、コンデンサユニット34と冷却器4とは、径方向に対向している。
これにより、冷却器4は、軸方向でパワーモジュール35を冷却し、径方向でコンデンサユニット34を冷却することができる。したがって、例えばコンデンサユニットを冷却器と軸方向に並んで配置する場合に比べて、回転電機ユニット1を軸方向において小型化することができる。
【0134】
実施の形態2.
次に、実施の形態2に係る回転電機ユニット1について説明する。本実施の形態に係る回転電機ユニットは、基本的な構成は実施の形態1の回転電機ユニット1と同様であるため、異なる点を中心に説明する。図23は、本実施の形態に係るコンデンサモジュール51の収容ケース53Aの斜視図である。図24は、本実施の形態に係る回転電機ユニット1の断面図であって、図8のE-E線に沿った断面図である。
【0135】
図23に示されるように、収容ケース53Aは、本体部531と、本体部531に固定される複数の押付部材532と、を有する。押付部材532は、本体部531の径方向内側を向く面に設けられている。押付部材532は、弾性を有する。押付部材532の上端部は、本体部531の径方向内側を向く面に固定されている。押付部材532の下端部には、径方向内側に向けて突出する突起が設けられている。本体部531および押付部材532の材質は、例えば、樹脂である。本体部531および押付部材532は、一体成型されている。なお、押付部材532は、本体部531の径方向内側を向く面に、接着剤を用いて取り付けられてもよい。
【0136】
図24に示されるように、押付部材532の径方向内側には、正極側被冷却部54e及び負極側被冷却部55eが配置される。より具体的には、本体部531と、押付部材532と、正極側被冷却部54eまたは負極側被冷却部55eと、第2放熱部材45と、ベース42(コンデンサ冷却部42e)とは、径方向の外側から内側に向かい、この順で配置される。押付部材532の下端部は、正極側被冷却部54e及び負極側被冷却部55eに径方向外側から当接する。このとき、押付部材532の下端部は、径方向外側に向けて弾性変形されている。押付部材532の弾性力により、正極側被冷却部54e及び負極側被冷却部55eは、第2放熱部材45に押し付けられている。
【0137】
以上説明したように、本実施の形態では、コンデンサユニット34は、正極側被冷却部54e及び負極側被冷却部55eを、第2放熱部材45に押し付ける押付部材532を有する。これにより、正極側被冷却部54e及び負極側被冷却部55eと、第2放熱部材45との密着性が向上するため、コンデンサユニット34の冷却性能を向上でき、回転電機ユニット1の高出力化が可能となる。
【0138】
なお、本開示の技術的範囲は前記実施の形態に限定されず、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0139】
例えば、回転電機ユニット1は、6相以上の多相駆動方式の回転電機ユニットであってもよい。
コンデンサユニット34は、1つのコンデンサモジュール51のみで構成されていてもよい。コンデンサユニット34は、3つ以上のコンデンサモジュール51を有していてもよい。
【0140】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0141】
(付記1)
固定子と、前記固定子に対して軸心回りに回転する回転子と、前記固定子に巻装される複数のコイルと、を有する回転電機と、
前記回転子の軸心に沿った軸方向において、前記回転電機と並んで配置される電力変換装置と、
冷媒が流通する第1冷却流路が形成され、前記電力変換装置を冷却する第1冷却部と、
を備え、
前記電力変換装置は、前記複数のコイルとそれぞれ電気的に接続される複数のパワーモジュールと、前記複数のパワーモジュールと電気的に接続されるコンデンサユニットと、を有し、
前記第1冷却流路は、
前記冷媒が供給される入口流路と、
前記入口流路から分岐するとともに、前記軸方向から見たときに、前記複数のパワーモジュールのうち第1群のパワーモジュールに重なる位置に形成される第1流路と、
前記入口流路から分岐するとともに、前記軸方向から見たときに、前記複数のパワーモジュールのうち前記第1群と異なる第2群のパワーモジュールに重なる位置に形成される第2流路と、
前記第1流路、前記第2流路からの前記冷媒が合流するとともに、前記第1冷却部から前記冷媒が排出される出口流路と、を有しており、
前記コンデンサユニットは、前記第1冷却部を径方向の外側から囲むように配置される、回転電機ユニット。
【0142】
(付記2)
前記複数のパワーモジュールは、前記回転子の軸心回りの周方向に配置されており、
前記第1流路は、前記入口流路から前記周方向における一方側に延び、前記第2流路は、前記入口流路から前記周方向における他方側に延びる、付記1に記載の回転電機ユニット。
【0143】
(付記3)
冷媒が流通する第2冷却流路が形成され、前記回転電機を冷却する第2冷却部、
をさらに備え、
前記第2冷却流路は、
前記出口流路と連通する連通流路と、
前記連通流路から分岐するとともに、前記連通流路から周方向における一方側に延びる第3流路と、
前記連通流路から分岐するとともに、前記連通流路から前記周方向における他方側に延びる第4流路と、
前記第3流路及び前記第4流路からの前記冷媒が合流するとともに、前記第2冷却部から前記冷媒が排出される排出流路と、
を有する、付記1または2に記載の回転電機ユニット。
【0144】
(付記4)
前記第1冷却部は、前記第1流路または前記第2流路に配置される複数の放熱フィンを有し、
前記軸方向から見たときに、前記複数の放熱フィンは、前記複数のパワーモジュールと重なる位置に配置される、付記1~3のいずれか一つに記載の回転電機ユニット。
【0145】
(付記5)
前記コンデンサユニットは、正極導体と、負極導体と、を有し、
前記正極導体は、前記コンデンサユニットにおける径方向の内側に配置される正極側被冷却部を有し、
前記負極導体は、前記コンデンサユニットにおける径方向の内側に配置される負極側被冷却部を有し、
前記第1冷却部は、前記第1冷却部における径方向の外側に配置され、前記正極側被冷却部及び前記負極側被冷却部と熱的に接続されるコンデンサ冷却部を有する、付記1~4のいずれか一つに記載の回転電機ユニット。
【0146】
(付記6)
前記第1冷却部は、前記正極側被冷却部及び前記負極側被冷却部と、前記コンデンサ冷却部との間に設けられるコンデンサ放熱部材を有する、付記5に記載の回転電機ユニット。
【0147】
(付記7)
前記正極導体は、前記正極側被冷却部として、複数の正極側被冷却部を有し、
前記負極導体は、前記負極側被冷却部として、複数の負極側被冷却部を有し、
前記第1冷却部は、前記コンデンサ冷却部として、複数のコンデンサ冷却部を有する、付記5または6に記載の回転電機ユニット。
【0148】
(付記8)
前記コンデンサユニットは、周方向に配置される複数のコンデンサモジュールを含む、付記1~7のいずれか一つに記載の回転電機ユニット。
【0149】
(付記9)
前記複数のコンデンサモジュールはそれぞれ、前記軸方向から見たときに、円弧状を有しており、
前記入口流路の少なくとも一部、及び前記出口流路の少なくとも一部は、前記複数のコンデンサモジュールの前記周方向における端部同士の間に配置され、
前記出口流路は、前記回転子の軸心を挟んで、前記入口流路と径方向の反対側に配置される、付記8に記載の回転電機ユニット。
【0150】
(付記10)
前記電力変換装置は、前記複数のパワーモジュールと前記複数のコイルとをそれぞれ接続する複数のバスバーをさらに有する、付記1~9のいずれか一つに記載の回転電機ユニット。
【0151】
(付記11)
前記第1冷却部は、前記複数のパワーモジュールが取り付けられるプレートと、前記複数のバスバーと前記プレートとの間に設けられるバスバー放熱部材と、をさらに有する、付記10に記載の回転電機ユニット。
【0152】
(付記12)
前記第1冷却部には、前記複数のコイルがそれぞれ配置される複数のコイル溝部が形成されており、
前記複数のコイル溝部には、熱伝導性を有する充填材が充填されている、付記1~11のいずれか一つに記載の回転電機ユニット。
【0153】
(付記13)
前記回転電機は、前記固定子と前記パワーモジュールとの間に配置され、前記回転子の中心に配置されるシャフトの回転角を検出するレゾルバ、をさらに有し、
前記第1冷却部の中央部には、前記レゾルバの信号線が挿通される挿通孔が形成されている、付記1~12のいずれか一つに記載の回転電機ユニット。
【0154】
(付記14)
前記コンデンサユニットは、正極導体と、負極導体と、を有し、
前記複数のパワーモジュールはそれぞれ、前記正極導体と接続される正極端子と、前記負極導体と接続される負極端子と、を有し、
前記正極導体から、前記複数のパワーモジュールのうち第1のパワーモジュールの前記正極端子及び前記負極端子を経由した、前記負極導体までの第1経路の長さが、前記正極導体から、前記複数のパワーモジュールのうち第2のパワーモジュールの前記正極端子及び前記負極端子を経由した、前記負極導体までの第2経路の長さと略同一である、付記1~13のいずれか一つに記載の回転電機ユニット。
【0155】
(付記15)
前記複数のパワーモジュールの全てにおいて、前記正極導体から、前記正極端子及び前記負極端子を経由した、前記負極導体までの経路の長さが略同一である、付記14に記載の回転電機ユニット。
【0156】
(付記16)
前記第1冷却部は、前記軸方向において、前記複数のパワーモジュールよりも前記回転電機側に配置される、付記1~15のいずれか一つに記載の回転電機ユニット。
【0157】
(付記17)
前記コンデンサユニットと前記第1冷却部とは、径方向に対向している、付記1~16のいずれか一つに記載の回転電機ユニット。
【0158】
(付記18)
前記コンデンサユニットは、前記正極側被冷却部及び前記負極側被冷却部を、前記コンデンサ放熱部材に押し付ける押付部材を有する、付記6または7に記載の回転電機ユニット。
【符号の説明】
【0159】
1 回転電機ユニット
2 回転電機
3 電力変換装置
21 固定子
22 回転子
23 シャフト
25 コイル
27 レゾルバ
34 コンデンサユニット
35 パワーモジュール
35b 正極端子
35c 負極端子
37 バスバー
41 プレート
41c 放熱フィン
42 ベース
42c コイル溝部
42e コンデンサ冷却部
44 第1放熱部材(バスバー放熱部材)
45 第2放熱部材(コンデンサ放熱部材)
51 コンデンサモジュール
54 正極導体
54e 正極側被冷却部
55 負極導体
55e 負極側被冷却部
65 第2冷却部
532 押付部材
O 軸心
P1 入口流路
P2 第1流路
P3 第2流路
P4 出口流路
P5 連通流路
P6 第3流路
P7 第4流路
P8 排出流路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
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図20B
図21
図22A
図22B
図23
図24