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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-03
(45)【発行日】2025-07-11
(54)【発明の名称】飲酒判定装置及び飲酒判定方法
(51)【国際特許分類】
   B60K 28/06 20060101AFI20250704BHJP
【FI】
B60K28/06 B
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2025520662
(86)(22)【出願日】2023-05-29
(86)【国際出願番号】 JP2023019830
(87)【国際公開番号】W WO2024247020
(87)【国際公開日】2024-12-05
【審査請求日】2025-04-09
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】324003048
【氏名又は名称】三菱電機モビリティ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】保科 友美
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 太郎
【審査官】渡邊 義之
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-61171(JP,A)
【文献】特開2009-258855(JP,A)
【文献】特開2023-36289(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2021-0128047(KR,A)
【文献】特開2015-232843(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 28/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭乗している乗員の撮影映像を取得する映像取得部と、
前記映像取得部により取得された撮影映像に基づいて、前記乗員が前記車両内で飲料を摂取する行動を行ったか否かを判定する飲料摂取行動判定部と、
前記乗員のバイタル情報を取得するバイタル情報取得部と、
前記飲料摂取行動判定部により飲料を摂取する行動が行われた旨の判定がなされれば、前記バイタル情報取得部により取得されたバイタル情報に基づいて、前記乗員が酒を飲んだ状態であるか否かを判定する飲酒状態判定部と
前記車両のハンドルの舵角を示す車両情報を取得する車両情報取得部とを備え、
前記飲料摂取行動判定部は、
前記車両情報取得部により取得された車両情報が示す舵角が閾値以下である場合に限り、前記乗員が前記車両内で飲料を摂取する行動を行ったか否かを判定することを特徴とする飲酒判定装置。
【請求項2】
車両に搭乗している乗員の撮影映像を取得する映像取得部と、
前記映像取得部により取得された撮影映像に基づいて、前記乗員が前記車両内で飲料を摂取する行動を行ったか否かを判定する飲料摂取行動判定部と、
前記乗員のバイタル情報を取得するバイタル情報取得部と、
前記飲料摂取行動判定部により飲料を摂取する行動が行われた旨の判定がなされれば、前記バイタル情報取得部により取得されたバイタル情報、又は、前記映像取得部により取得された撮影映像に基づいて、前記乗員が酒を飲んだ状態であるか否かを判定する飲酒状態判定部と
を備え
前記飲酒状態判定部は、
前記飲料摂取行動判定部により飲料を摂取する行動が行われた旨の判定がなされていないときに、前記乗員が酒を飲んだ状態であるか否かを判定し、前記乗員が酒を飲んだ状態であると判定すれば、前記乗員に異常が生じている旨の判定を行うことを特徴とする飲酒判定装置。
【請求項3】
前記飲酒状態判定部により前記乗員が酒を飲んだ状態である旨の判定がなされれば、前記乗員に対して警告を出力する警告出力部を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の飲酒判定装置。
【請求項4】
前記飲料摂取行動判定部は、
前記映像取得部により取得された撮影映像から、前記乗員の頭部の位置変化と、前記乗員の手の位置変化と、前記乗員の頭部の角度変化とを検出し、前記頭部の位置変化と前記手の位置変化と前記頭部の角度変化とに基づいて、前記乗員が前記車両内で飲料を摂取する行動を行ったか否かを判定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の飲酒判定装置。
【請求項5】
前記バイタル情報取得部は、
前記乗員のバイタルを測定するバイタルセンサから、前記乗員のバイタル情報を取得することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の飲酒判定装置。
【請求項6】
前記バイタル情報取得部は、
前記映像取得部により取得された撮影映像に基づいて、前記乗員のバイタル情報を取得することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の飲酒判定装置。
【請求項7】
前記乗員の呼気に含まれているアルコール濃度が許容濃度以上であるか否かを判定するアルコール濃度判定部と、
前記アルコール濃度判定部によりアルコール濃度が許容濃度以上である旨の判定がなされれば、前記乗員による前記車両の運転をインターロックする車両制御部と
を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の飲酒判定装置。
【請求項8】
映像取得部が、車両に搭乗している乗員の撮影映像を取得し、
飲料摂取行動判定部が、前記映像取得部により取得された撮影映像に基づいて、前記乗員が前記車両内で飲料を摂取する行動を行ったか否かを判定し、
バイタル情報取得部が、前記乗員のバイタル情報を取得し、
飲酒状態判定部が、前記飲料摂取行動判定部により飲料を摂取する行動が行われた旨の判定がなされれば、前記バイタル情報取得部により取得されたバイタル情報に基づいて、前記乗員が酒を飲んだ状態であるか否かを判定し、
車両情報取得部が、前記車両のハンドルの舵角を示す車両情報を取得し、
前記飲料摂取行動判定部は、
前記車両情報取得部により取得された車両情報が示す舵角が閾値以下である場合に限り、前記乗員が前記車両内で飲料を摂取する行動を行ったか否かを判定することを特徴とする飲酒判定方法。
【請求項9】
映像取得部が、車両に搭乗している乗員の撮影映像を取得し、
飲料摂取行動判定部が、前記映像取得部により取得された撮影映像に基づいて、前記乗員が前記車両内で飲料を摂取する行動を行ったか否かを判定し、
バイタル情報取得部が、前記乗員のバイタル情報を取得し、
飲酒状態判定部が、前記飲料摂取行動判定部により飲料を摂取する行動が行われた旨の判定がなされれば、前記バイタル情報取得部により取得されたバイタル情報、又は、前記映像取得部により取得された撮影映像に基づいて、前記乗員が酒を飲んだ状態であるか否かを判定し、
前記飲酒状態判定部は、
前記飲料摂取行動判定部により飲料を摂取する行動が行われた旨の判定がなされていないときに、前記乗員が酒を飲んだ状態であるか否かを判定し、前記乗員が酒を飲んだ状態であると判定すれば、前記乗員に異常が生じている旨の判定を行うことを特徴とする飲酒判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、飲酒判定装置及び飲酒判定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両に搭乗している乗員が酒を飲んだ状態(以下「飲酒状態」という)であるか否かを判定する飲酒判定装置がある。
このような飲酒判定装置として、例えば、特許文献1には、車両に搭乗している乗員を撮影するカメラから、乗員の撮影映像を取得し、撮影映像に映っている乗員の顔色、又は、撮影映像に映っている乗員の温度に基づいて、乗員が飲酒状態であるか否かを判定する監視装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-186251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている監視装置は、カメラの撮影映像に基づいて、乗員が飲酒状態であることを検出しているため、乗員の飲酒状態を誤検出してしまうことがあるという課題があった。乗員の顔色及び乗員の温度は、人それぞれである。このため、乗員が飲酒していなくても、乗員の顔色が赤くなる場合があり、また、乗員が飲酒していなくても、乗員の温度が上昇する場合がある。このような場合に、乗員の飲酒状態を誤検出してしまうことがある。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、特許文献1に開示されている監視装置よりも、飲酒状態の誤検出を低減することができる飲酒判定装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る飲酒判定装置は、車両に搭乗している乗員の撮影映像を取得する映像取得部と、映像取得部により取得された撮影映像に基づいて、乗員が車両内で飲料を摂取する行動を行ったか否かを判定する飲料摂取行動判定部と、乗員のバイタル情報を取得するバイタル情報取得部と、飲料摂取行動判定部により飲料を摂取する行動が行われた旨の判定がなされれば、バイタル情報取得部により取得されたバイタル情報に基づいて、乗員が酒を飲んだ状態であるか否かを判定する飲酒状態判定部と、車両のハンドルの舵角を示す車両情報を取得する車両情報取得部とを備え、飲料摂取行動判定部は、車両情報取得部により取得された車両情報が示す舵角が閾値以下である場合に限り、乗員が車両内で飲料を摂取する行動を行ったか否かを判定するものである。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、特許文献1に開示されている監視装置よりも、飲酒状態の誤検出を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る飲酒判定装置3を示す構成図である。
図2】実施の形態1に係る飲酒判定装置3のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
図3】飲酒判定装置3が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合のコンピュータのハードウェア構成図である。
図4】飲酒判定装置3の処理手順である飲酒判定方法を示すフローチャートである。
図5図5Aは、乗員が自分の口に容器の飲み口をあてて、飲酒を始める状態を示す説明図、図5Bは、乗員が自分の口に容器の飲み口があてながら、飲酒を行っている状態を示す説明図である。
図6】実施の形態2に係る飲酒判定装置3を示す構成図である。
図7】実施の形態2に係る飲酒判定装置3のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
図8】実施の形態3に係る飲酒判定装置3を示す構成図である。
図9】実施の形態3に係る飲酒判定装置3のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
図10】実施の形態4に係る飲酒判定装置3を示す構成図である。
図11】実施の形態4に係る飲酒判定装置3のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示をより詳細に説明するために、本開示を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る飲酒判定装置3を示す構成図である。
図2は、実施の形態1に係る飲酒判定装置3のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
図1に示す飲酒判定装置3は、映像取得部11、飲料摂取行動判定部12、バイタル情報取得部13、飲酒状態判定部14及び警告出力部15を備えている。
【0011】
カメラ1は、例えば、車両のインストルメントパネル、天井、Aピラー、又は、フロントガラスに設置されている。
カメラ1は、車両に搭乗している乗員を撮影し、乗員の撮影映像を飲酒判定装置3に送信する。
図1に示す飲酒判定装置3では、乗員が車両の運転者であるものとする。ただし、乗員は、車両の運転者に限るものではなく、運転者以外の乗員であってもよい。
【0012】
バイタルセンサ2は、例えば、車両の車室に設置されている。ただし、これは一例に過ぎず、バイタルセンサ2は、乗員の手首等に装着されていてもよい。
バイタルセンサ2は、乗員の心拍等のバイタルを測定し、乗員のバイタルを示すバイタル情報を飲酒判定装置3に送信する。
車両の車室に設置されるバイタルセンサ2は、乗員と非接触の状態で、乗員のバイタルを測定する。バイタルセンサ2は、例えば、内蔵のカメラを用いて、乗員を撮影し、乗員の撮影映像に基づいて、乗員のバイタルを測定する。
乗員の手首等に装着されるバイタルセンサ2は、乗員の心拍数を直接的に測定するものである。このため、乗員の手首等に装着されるバイタルセンサ2は、一般的に、車両の車室に設置されるバイタルセンサ2よりも測定精度が高い。
【0013】
映像取得部11は、例えば、図2に示す映像取得回路21によって実現される。
映像取得部11は、カメラ1から、車両に搭乗している乗員の撮影映像を取得する。
映像取得部11は、乗員の撮影映像を飲料摂取行動判定部12、バイタル情報取得部13及び飲酒状態判定部14のそれぞれに出力する。
【0014】
飲料摂取行動判定部12は、例えば、図2に示す飲料摂取行動判定回路22によって実現される。
飲料摂取行動判定部12は、映像取得部11から、乗員の撮影映像を取得する。
飲料摂取行動判定部12は、撮影映像に基づいて、乗員が車両内で飲料を摂取する行動を行ったか否かを判定する。
飲料摂取行動判定部12は、飲料を摂取する行動を行ったか否かを示す判定結果を飲酒状態判定部14に出力する。
【0015】
バイタル情報取得部13は、例えば、図2に示すバイタル情報取得回路23によって実現される。
バイタル情報取得部13は、バイタルセンサ2から、乗員のバイタルを示すバイタル情報を取得する。
バイタル情報取得部13は、バイタル情報を飲酒状態判定部14に出力する。
図1に示す飲酒判定装置3では、バイタル情報取得部13が、バイタルセンサ2からバイタル情報を取得している。しかし、これは一例に過ぎず、バイタル情報取得部13が、映像取得部11から撮影映像を取得するようにしてもよい。この場合、バイタル情報取得部13は、撮影映像に基づいて、乗員のバイタル情報として、乗員の脈拍数又は乗員の心拍数等を取得し、乗員の脈拍数等を示すバイタル情報を飲酒状態判定部14に出力する。
【0016】
飲酒状態判定部14は、例えば、図2に示す飲酒状態判定回路24によって実現される。
飲酒状態判定部14は、飲料摂取行動判定部12から判定結果を取得し、バイタル情報取得部13からバイタル情報を取得する。
飲酒状態判定部14は、飲料摂取行動判定部12により飲料を摂取する行動が行われた旨の判定がなされれば、バイタル情報に基づいて、乗員が酒を飲んだ状態(以下「飲酒状態」という)であるか否かを判定する。
飲酒状態判定部14は、飲酒状態であるか否かを示す判定結果を警告出力部15に出力する。
図1に示す飲酒判定装置3では、飲酒状態判定部14が、バイタル情報に基づいて、飲酒状態であるか否かを判定している。しかし、これは一例に過ぎず、飲酒状態判定部14は、映像取得部11により取得された撮影映像に基づいて、乗員が飲酒状態であるか否かを判定するようにしてもよい。
【0017】
警告出力部15は、例えば、図2に示す警告出力回路25によって実現される。
警告出力部15は、飲酒状態判定部14から、乗員が飲酒状態であるか否かを示す判定結果を取得する。
警告出力部15は、飲酒状態判定部14により乗員が飲酒状態である旨の判定がなされれば、乗員に対して警告を出力する。具体的には、警告出力部15は、警告情報を車両制御装置4に出力することによって、車両制御装置4から警告を出力させる。
【0018】
車両制御装置4は、警告出力部15から警告情報を取得した場合、例えば、車両のインストルメントパネルに警告を表示させる。
また、車両制御装置4は、警告出力部15から警告情報を取得した場合、例えば、車両を路肩に寄せてから停止させるように、車両を制御する。
【0019】
図1では、飲酒判定装置3の構成要素である映像取得部11、飲料摂取行動判定部12、バイタル情報取得部13、飲酒状態判定部14及び警告出力部15のそれぞれが、図2に示すような専用のハードウェアによって実現されるものを想定している。即ち、飲酒判定装置3が、映像取得回路21、飲料摂取行動判定回路22、バイタル情報取得回路23、飲酒状態判定回路24及び警告出力回路25によって実現されるものを想定している。
映像取得回路21、飲料摂取行動判定回路22、バイタル情報取得回路23、飲酒状態判定回路24及び警告出力回路25のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
【0020】
飲酒判定装置3の構成要素は、専用のハードウェアによって実現されるものに限るものではなく、飲酒判定装置3が、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現されるものであってもよい。
ソフトウェア又はファームウェアは、プログラムとして、コンピュータのメモリに格納される。コンピュータは、プログラムを実行するハードウェアを意味し、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、あるいは、DSP(Digital Signal Processor)が該当する。
【0021】
図3は、飲酒判定装置3が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合のコンピュータのハードウェア構成図である。
飲酒判定装置3が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、映像取得部11、飲料摂取行動判定部12、バイタル情報取得部13、飲酒状態判定部14及び警告出力部15におけるそれぞれの処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムがメモリ31に格納される。そして、コンピュータのプロセッサ32がメモリ31に格納されているプログラムを実行する。
【0022】
また、図2では、飲酒判定装置3の構成要素のそれぞれが専用のハードウェアによって実現される例を示し、図3では、飲酒判定装置3がソフトウェア又はファームウェア等によって実現される例を示している。しかし、これは一例に過ぎず、飲酒判定装置3における一部の構成要素が専用のハードウェアによって実現され、残りの構成要素がソフトウェア又はファームウェア等によって実現されるものであってもよい。
【0023】
次に、図1に示す飲酒判定装置3の動作について説明する。
カメラ1は、車両に搭乗している乗員を撮影し、乗員の撮影映像を飲酒判定装置3に送信する。乗員の撮影映像は、動画像だけでなく、時系列に並んでいる複数の静止画像であってもよい。
バイタルセンサ2は、乗員の心拍等のバイタルを測定し、乗員のバイタルを示すバイタル情報を飲酒判定装置3に送信する。
【0024】
図4は、飲酒判定装置3の処理手順である飲酒判定方法を示すフローチャートである。
映像取得部11は、カメラ1から、乗員の撮影映像を取得する(図4のステップST1)。
映像取得部11は、乗員の撮影映像を飲料摂取行動判定部12に出力する。
バイタル情報取得部13がバイタル情報の取得に乗員の撮影映像を用いる場合、映像取得部11は、バイタル情報取得部13にも撮影映像を出力する。
飲酒状態判定部14が飲酒状態の判定に乗員の撮影映像を用いる場合、映像取得部11は、飲酒状態判定部14にも撮影映像を出力する。
【0025】
飲料摂取行動判定部12は、映像取得部11から、乗員の撮影映像を取得する。
飲料摂取行動判定部12は、撮影映像に基づいて、乗員が車両内で飲料を摂取する行動を行ったか否かを判定する(図4のステップST2)。
飲料摂取行動判定部12は、飲料を摂取する行動を行ったか否かを示す判定結果を飲酒状態判定部14に出力する。
以下、飲料摂取行動判定部12による飲料を摂取する行動の判定処理を具体的に説明する。
【0026】
飲料摂取行動判定部12は、乗員の撮影映像を解析することによって、乗員の手が、コップ、グラス、缶、又は、ガラスビン等の容器を握っている状態の検出処理を行う。乗員の手が容器を握っている状態の検出処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
飲料摂取行動判定部12は、乗員の手が容器を握っている状態を検出した場合、乗員の撮影映像から、乗員の頭部の位置変化と乗員の手の位置変化と乗員の頭部の角度変化とを検出する。
ここでの乗員の頭部は、乗員の頸部よりも上の部位であり、乗員の顔全体を含むものである。
【0027】
飲料摂取行動判定部12は、図5に示すように、頭部の位置変化と手の位置変化とに基づいて、頭部の位置と手の位置との間の距離が、設定距離範囲SDR内であるか否かを検出する。図5の例では、飲料摂取行動判定部12が、頭部の位置として、口の位置の変化を検出している。
図5Aは、乗員が自分の口に容器の飲み口をあてて、飲酒を始める状態を示す説明図である。
図5Bは、乗員が自分の口に容器の飲み口があてながら、飲酒を行っている状態を示す説明図である。
乗員の口の位置と手の位置との間の距離Lが設定距離範囲SDR外であれば、乗員が飲酒を行う可能性は低い。一方、乗員の口の位置と手の位置との間の距離Lが設定距離範囲SDR内であれば、乗員が飲酒を行う可能性は高い。
設定距離範囲SDRは、容器の大きさに応じて決定されるものである。例えば、設定距離範囲SDRの最小値としては、0[cm]に決定され、設定距離範囲SDRの最大値としては、容器の高さ寸法よりも△△[cm]よりも大きい値に決定される。設定距離範囲SDRは、飲料摂取行動判定部12の内部メモリに格納されていてもよいし、飲酒判定装置3の外部から与えられるものであってもよい。
【0028】
乗員が酒を飲むために、乗員が自分の口に容器の飲み口をあててから、乗員が酒を飲んでいる状態では、図5A及び図5Bに示すように、口の位置と手の位置との間の距離Lはほとんど変化しない。
乗員が実際に酒を飲むときは、図5Bに示すように、顔が上向くように頭部の角度θが変化することが多い。
【0029】
飲料摂取行動判定部12は、口の位置と手の位置との間の距離Lが設定距離範囲SDR内になれば、乗員が飲酒を行う可能性が高いため、図5A及び図5Bに示すように、口の位置と手の位置との間の距離Lがほとんど変化しない状態のときに、顔が上向くように頭部の角度θが変化したか否かを検出する。
距離Lがほとんど変化しない状態であるか否かの判定は、距離Lの変化ΔLが閾値Lth以下である状態を持続しているか否かを確認することによって判定できる。閾値Lthは、飲料摂取行動判定部12の内部メモリに格納されていてもよいし、飲酒判定装置3の外部から与えられるものであってもよい。
口の位置と手の位置との間の距離Lとしては、例えば、乗員の下唇の位置と、親指の位置との間の距離を用いることができる。下唇の位置は、例えば、下唇の中央の位置であってもよいし、下唇の端の位置であってもよい。親指の位置は、例えば、親指の先端の位置であってもよいし、親指の関節の位置であってもよいし、親指の付け根の位置であってもよい。
【0030】
頭部の角度θは、頸部の中心と頭頂部の中心とを結ぶ線分と、鉛直方向とのなす角である。乗員の撮影映像に基づいて、頭部の角度θを算出する処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
図5Aの例では、飲酒を始めるときの乗員の頭部の角度θが0度である。
図5Bの例では、乗員が酒を飲むために、顔を上向くように頭部を傾けることによって、頭部の角度θが0度よりも大きくなっている。
飲料摂取行動判定部12は、口の位置と手の位置との間の距離Lがほとんど変化しない状態のときに、顔が上向くように頭部の角度θが変化していれば、飲料を摂取する行動を行った旨を示す判定結果を飲酒状態判定部14に出力する。
飲料摂取行動判定部12は、口の位置と手の位置との間の距離Lがほとんど変化しない状態を検出しない場合、又は、距離Lがほとんど変化しない状態を検出しても、当該状態のときに、顔が上向くように頭部の角度θが変化していなければ、飲料を摂取する行動を行っていない旨を示す判定結果を飲酒状態判定部14に出力する。
【0031】
図1に示す飲酒判定装置3では、飲料摂取行動判定部12が、乗員の手が容器を握っている状態を検出したとき、乗員の撮影映像から、乗員の頭部の位置変化と乗員の手の位置変化と乗員の頭部の角度変化とを検出し、頭部の位置変化と手の位置変化と頭部の角度変化とに基づいて、乗員が飲料を摂取する行動を行ったか否かを判定している。しかし、容器が小さいために、乗員の手が容器を握っている状態では、容器が手に隠れてしまう場合がある。このような場合、乗員の手が容器を握っている状態を検出できない可能性があるので、飲料摂取行動判定部12は、乗員の手が容器を握っている状態を検出できないときでも、頭部の位置変化と手の位置変化と頭部の角度変化とに基づいて、乗員が飲料を摂取する行動を行ったか否かを判定するようにしてもよい。
【0032】
図1に示す飲酒判定装置3では、飲料摂取行動判定部12が、頭部の位置変化と手の位置変化と頭部の角度変化とに基づいて、乗員が飲料を摂取する行動を行ったか否かを判定している。しかし、乗員がストローで酒を飲む可能性もあるので、飲料摂取行動判定部12は、乗員の撮影映像から、乗員がストローを口につけている状態を検出すれば、乗員が飲料を摂取する行動を行った旨の判定を行うようにしてもよい。
図1に示す飲酒判定装置3では、飲料摂取行動判定部12が、頭部の位置変化と手の位置変化と頭部の角度変化とに基づいて、乗員が飲料を摂取する行動を行ったか否かを判定している。しかし、これは一例に過ぎず、飲料摂取行動判定部12は、例えば、乗員の撮影映像から、乗員の口の一部が容器によって隠れたことを検出すれば、乗員が飲料を摂取する行動を行った旨の判定を行うようにしてもよい。
【0033】
図1に示す飲酒判定装置3では、飲料摂取行動判定部12が、乗員の撮影映像に基づいて、乗員が飲料を摂取する行動を行ったか否かを判定している。飲料摂取行動判定部12は、酒のにおいを検出するセンサ(図示せぬ)のセンサ信号が、酒のにおいを検出したことを示しているときに、乗員の撮影映像に基づいて、乗員が飲料を摂取する行動を行ったか否かを判定するようにしてもよい。このように、酒のにおいを検出するセンサのセンサ信号を用いる場合、飲料摂取行動判定部12の判定精度を高めることができる。
【0034】
また、飲料摂取行動判定部12は、乗員の撮影映像を図示せぬ第1の学習モデルに与えて、第1の学習モデルから、飲料を摂取する行動を行ったか否かを示す判定結果を取得するようにしてもよい。
第1の学習モデルは、例えば、ニューラルネットワークによって実現される。第1の学習モデルは、学習時に、第1の学習用データと第2の学習用データとが与えられる。第1の学習用データは、乗員が飲料を摂取する行動を行っているときの撮影映像と、飲料を摂取する行動を行っている旨を示す教師データとを含んでいる。第2の学習用データは、乗員が飲料を摂取する行動を行っていないときの撮影映像と、飲料を摂取する行動を行っていない旨を示す教師データとを含んでいる。
第1の学習モデルは、第1の学習用データが与えられたとき、乗員が飲料を摂取する行動を行っているときの撮影映像を学習し、第2の学習用データが与えられたとき、乗員が飲料を摂取する行動を行っていないときの撮影映像を学習する。
第1の学習モデルは、推論時に、映像取得部11により取得された撮影映像が与えられると、飲料を摂取する行動を行ったか否かを示す判定結果を出力する。
【0035】
バイタル情報取得部13は、バイタルセンサ2から、乗員のバイタルを示すバイタル情報を取得する(図4のステップST3)。
バイタル情報取得部13は、バイタル情報を飲酒状態判定部14に出力する。
図1に示す飲酒判定装置3では、バイタル情報取得部13が、バイタルセンサ2からバイタル情報を取得している。しかし、これは一例に過ぎず、バイタル情報取得部13が、映像取得部11から撮影映像を取得するようにしてもよい。この場合、バイタル情報取得部13は、撮影映像に基づいて、乗員のバイタル情報として、乗員の脈拍数又は乗員の心拍数等を取得し、乗員の脈拍数等を示すバイタル情報を飲酒状態判定部14に出力する。撮影映像に基づいて、脈拍数等のバイタルを測定する処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
【0036】
飲酒状態判定部14は、飲料摂取行動判定部12から判定結果を取得し、バイタル情報取得部13からバイタル情報を取得する。
飲酒状態判定部14は、飲料摂取行動判定部12により飲料を摂取する行動が行われた旨の判定がなされれば(図4のステップST4:YESの場合)、バイタル情報に基づいて、乗員が飲酒状態であるか否かを判定する(図4のステップST5)。
以下、飲酒状態判定部14による飲酒状態の判定処理を具体的に説明する。
【0037】
飲酒状態判定部14のメモリには、乗員が飲酒状態でないときの、心拍数又は脈拍数が記録されている。乗員が飲酒状態でないときの心拍数等としては、例えば、飲酒状態でない乗員が車両に搭乗したときに、バイタル情報取得部13から出力されたバイタル情報が示す心拍数を用いることができる。
飲酒状態判定部14は、飲料摂取行動判定部12により飲料を摂取する行動が行われた旨の判定がなされとき、バイタル情報取得部13からバイタル情報を取得する。
そして、飲酒状態判定部14は、当該バイタル情報が示す心拍数等と、メモリに記録されている心拍数等とを比較する。
飲酒状態判定部14は、心拍数等の比較結果に基づいて、乗員が飲酒状態であるか否かを判定する。心拍数等の比較結果に基づく飲酒状態の判定処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。一般的には、飲酒に伴って酔いが進むにつれて心拍数等が増加することが知られている。
【0038】
図1に示す飲酒判定装置3では、飲酒状態判定部14が、心拍数等の比較結果に基づいて、乗員が飲酒状態であるか否かを判定している。しかし、これは一例に過ぎず、飲酒状態判定部14が、乗員のバイタル情報を図示せぬ第2の学習モデルに与えて、第2の学習モデルから、飲酒状態の判定結果を取得するようにしてもよい。
第2の学習モデルは、例えば、ニューラルネットワークによって実現される。第2の学習モデルは、学習時に、第3の学習用データと第4の学習用データとが与えられる。第3の学習用データは、乗員が飲酒しているときのバイタル情報と、乗員が飲酒している旨を示す教師データとを含んでいる。第4の学習用データは、乗員が飲酒していないときのバイタル情報と、乗員が飲酒していない旨を示す教師データとを含んでいる。
第2の学習モデルは、第3の学習用データが与えられたとき、乗員が飲酒しているときのバイタル情報を学習し、第2の学習用データが与えられたとき、乗員が飲酒していないときのバイタル情報を学習する。
第2の学習モデルは、推論時に、バイタル情報が与えられると、飲酒状態の判定結果を出力する。
【0039】
図1に示す飲酒判定装置3では、飲酒状態判定部14が、バイタル情報取得部13から出力されたバイタル情報に基づいて、飲酒状態であるか否かを判定している。しかし、これは一例に過ぎず、飲酒状態判定部14は、映像取得部11により取得された撮影映像に基づいて、乗員が飲酒状態であるか否かを判定するようにしてもよい。この場合、飲酒状態判定部14は、乗員の撮影映像に基づいて、乗員の頭部の位置変化を検出することによって、一定時間内に乗員が俯く回数を検出する。また、飲酒状態判定部14は、乗員の撮影映像に基づいて、一定時間内に乗員があくびをする回数を検出する。そして、飲酒状態判定部14は、乗員が俯く回数及び乗員があくびをする回数のうち、いずれか1つ以上が基準回数を上回っていれば、乗員が飲酒状態であると判定するようにしてもよい。
【0040】
ここでは、飲酒状態判定部14が、映像取得部11により取得された撮影映像に基づいて、乗員が飲酒状態であるか否かを判定している。しかし、これは一例に過ぎず、飲酒状態判定部14が、乗員の撮影映像を図示せぬ第3の学習モデルに与えて、第3の学習モデルから、飲酒状態の判定結果を取得するようにしてもよい。
第3の学習モデルは、例えば、ニューラルネットワークによって実現される。第3の学習モデルは、学習時に、第5の学習用データと第6の学習用データとが与えられる。第5の学習用データは、乗員が飲酒しているときの撮影映像と、乗員が飲酒している旨を示す教師データとを含んでいる。第6の学習用データは、乗員が飲酒していないときの撮影映像と、乗員が飲酒していない旨を示す教師データとを含んでいる。
第3の学習モデルは、第5の学習用データが与えられたとき、乗員が飲酒しているときの撮影映像を学習し、第6の学習用データが与えられたとき、乗員が飲酒していないときの撮影映像を学習する。
第3の学習モデルは、推論時に、映像取得部11により取得された撮影映像が与えられると、飲酒状態の判定結果を出力する。
【0041】
飲酒状態判定部14は、飲酒状態であるか否かを示す判定結果を警告出力部15に出力する。
図1に示す飲酒判定装置3では、飲料摂取行動判定部12により飲料を摂取する行動が行われていない旨の判定がなされれば(図4のステップST4:NOの場合)、飲酒状態判定部14は、乗員が飲酒状態であるか否かを判定する処理を行わない。
飲料摂取行動判定部12は、飲料を摂取する行動が行われた場合に限り、乗員が飲酒状態であるか否かを判定することによって、飲料を摂取する行動が行われていないときに、乗員が飲酒状態である旨の判定を行ってしまう誤判定の発生を防ぐことができる。
飲料摂取行動判定部12により飲料を摂取する行動が行われた旨の判定がなされなければ、飲酒状態判定部14が、乗員が酒を飲んだ状態であるか否かを判定する処理を行わないので、飲酒判定装置3の処理負荷を軽減することができる。
【0042】
警告出力部15は、飲酒状態判定部14から、乗員が飲酒状態であるか否かを示す判定結果を取得する。
警告出力部15は、飲酒状態判定部14により乗員が飲酒状態である旨の判定がなされれば(図4のステップST6:YESの場合)、警告情報を車両制御装置4に出力することによって、車両制御装置4から警告を出力させる。
警告出力部15は、飲酒状態判定部14により乗員が飲酒状態でない旨の判定がなされれば(図4のステップST6:NOの場合)、警告情報を車両制御装置4に出力しない。
【0043】
車両制御装置4は、警告出力部15から警告情報が出力されれば、例えば、車両のインストルメントパネルに警告を表示させる。
また、車両制御装置4は、警告出力部15から警告情報を取得した場合、例えば、車両を路肩に寄せてから停止させるように、車両を制御する。
【0044】
以上の実施の形態1では、車両に搭乗している乗員の撮影映像を取得する映像取得部11と、映像取得部11により取得された撮影映像に基づいて、乗員が車両内で飲料を摂取する行動を行ったか否かを判定する飲料摂取行動判定部12と、乗員のバイタル情報を取得するバイタル情報取得部13と、飲料摂取行動判定部12により飲料を摂取する行動が行われた旨の判定がなされれば、バイタル情報取得部13により取得されたバイタル情報に基づいて、乗員が酒を飲んだ状態であるか否かを判定する飲酒状態判定部14とを備えるように、飲酒判定装置3を構成した。したがって、飲酒判定装置3は、特許文献1に開示されている監視装置よりも、飲酒状態の誤検出を低減することができる。
【0045】
実施の形態2.
実施の形態2では、車両のハンドルの舵角を示す車両情報を取得する車両情報取得部16を備える飲酒判定装置3について説明する。
【0046】
図6は、実施の形態2に係る飲酒判定装置3を示す構成図である。図6において、図1と同一符号は、同一又は相当部分を示すので、詳細な説明を省略する。
図7は、実施の形態2に係る飲酒判定装置3のハードウェアを示すハードウェア構成図である。図7おいて、図2と同一符号は、同一又は相当部分を示すので、詳細な説明を省略する。
図6に示す飲酒判定装置3は、映像取得部11、車両情報取得部16、飲料摂取行動判定部17、バイタル情報取得部13、飲酒状態判定部14及び警告出力部15を備えている。
舵角センサ5は、車両のハンドルの舵角を測定し、ハンドルの舵角を示す車両情報を飲酒判定装置3に出力する。
【0047】
車両情報取得部16は、例えば、図7に示す車両情報取得回路26によって実現される。
車両情報取得部16は、舵角センサ5から、車両のハンドルの舵角を示す車両情報を取得する。ただし、車両情報の取得先は、舵角センサ5に限るものではなく、例えば、車両制御装置4であってもよい。
車両情報取得部16は、車両情報を飲料摂取行動判定部17に出力する。
【0048】
飲料摂取行動判定部17は、例えば、図7に示す飲料摂取行動判定回路27によって実現される。
飲料摂取行動判定部17は、映像取得部11から乗員の撮影映像を取得し、車両情報取得部16から車両情報を取得する。
飲料摂取行動判定部17は、車両情報が示す舵角が閾値以下である場合に限り、撮影映像に基づいて、乗員が車両内で飲料を摂取する行動を行ったか否かを判定する。閾値は、飲料摂取行動判定部17の内部メモリに格納されていてもよいし、飲酒判定装置3の外部から与えられるものであってもよい。
飲料摂取行動判定部17は、飲料を摂取する行動を行ったか否かを示す判定結果を飲酒状態判定部14に出力する。
【0049】
図6では、飲酒判定装置3の構成要素である映像取得部11、車両情報取得部16、飲料摂取行動判定部17、バイタル情報取得部13、飲酒状態判定部14及び警告出力部15のそれぞれが、図7に示すような専用のハードウェアによって実現されるものを想定している。即ち、飲酒判定装置3が、映像取得回路21、車両情報取得回路26、飲料摂取行動判定回路27、バイタル情報取得回路23、飲酒状態判定回路24及び警告出力回路25によって実現されるものを想定している。
映像取得回路21、車両情報取得回路26、飲料摂取行動判定回路27、バイタル情報取得回路23、飲酒状態判定回路24及び警告出力回路25のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
【0050】
飲酒判定装置3の構成要素は、専用のハードウェアによって実現されるものに限るものではなく、飲酒判定装置3が、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現されるものであってもよい。
飲酒判定装置3が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、映像取得部11、車両情報取得部16、飲料摂取行動判定部17、バイタル情報取得部13、飲酒状態判定部14及び警告出力部15におけるそれぞれの処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムが図3に示すメモリ31に格納される。そして、図3に示すプロセッサ32がメモリ31に格納されているプログラムを実行する。
【0051】
また、図7では、飲酒判定装置3の構成要素のそれぞれが専用のハードウェアによって実現される例を示し、図3では、飲酒判定装置3がソフトウェア又はファームウェア等によって実現される例を示している。しかし、これは一例に過ぎず、飲酒判定装置3における一部の構成要素が専用のハードウェアによって実現され、残りの構成要素がソフトウェア又はファームウェア等によって実現されるものであってもよい。
【0052】
次に、図6に示す飲酒判定装置3の動作について説明する。ただし、車両情報取得部16及び飲料摂取行動判定部17以外は、図1に示す飲酒判定装置3と同様である。このため、ここでは、主に、車両情報取得部16及び飲料摂取行動判定部17の動作について説明する。
【0053】
舵角センサ5は、車両のハンドルの舵角を測定する。
舵角センサ5は、ハンドルの舵角を示す車両情報を飲酒判定装置3に出力する。
車両情報取得部16は、舵角センサ5から、車両情報を取得する。
車両情報取得部16は、車両情報を飲料摂取行動判定部17に出力する。
【0054】
飲料摂取行動判定部17は、映像取得部11から乗員の撮影映像を取得し、車両情報取得部16から車両情報を取得する。
ハンドルの舵角が大きい場合、車両の走行方向が大きく変化する。一方、ハンドルの舵角が小さい場合、特にハンドルの舵角が0度の場合、車両の走行方向が変化しない。したがって、ハンドルの舵角が大きい場合、ハンドルの舵角が小さい場合よりも、乗員は、車両の運転操作に集中する必要がある。このため、ハンドルの舵角が大きい状態では、乗員が飲酒する可能性は小さい。
飲料摂取行動判定部17は、車両情報が示す舵角が閾値以下である場合に限り、撮影映像に基づいて、乗員が車両内で飲料を摂取する行動を行ったか否かを判定する。つまり、乗員が車両の運転操作に集中する必要性が低い場合に限り、飲料摂取行動判定部17は、撮影映像に基づいて、乗員が車両内で飲料を摂取する行動を行ったか否かを判定する。
飲料摂取行動判定部17は、飲料を摂取する行動を行ったか否かを示す判定結果を飲酒状態判定部14に出力する。
【0055】
以上の実施の形態2では、車両のハンドルの舵角を示す車両情報を取得する車両情報取得部16を備え、飲料摂取行動判定部17が、車両情報取得部16により取得された車両情報が示す舵角が閾値以下である場合に限り、乗員が車両内で飲料を摂取する行動を行ったか否かを判定するように、図6に示す飲酒判定装置3を構成した。したがって、図6に示す飲酒判定装置3は、図1に示す飲酒判定装置3と同様に、特許文献1に開示されている監視装置よりも、飲酒状態の誤検出を低減することができるほか、図1に示す飲酒判定装置3よりも、飲料を摂取する行動の判定処理の処理負荷を軽減することができる。
【0056】
実施の形態3.
実施の形態3では、飲酒状態判定部18が、飲料摂取行動判定部12により飲料を摂取する行動が行われた旨の判定がなされていないときに、乗員が飲酒状態であるか否かを判定し、乗員が飲酒状態であると判定すれば、乗員に異常が生じている旨の判定を行う飲酒判定装置3について説明する。
【0057】
図8は、実施の形態3に係る飲酒判定装置3を示す構成図である。図8において、図1及び図6と同一符号は、同一又は相当部分を示すので、詳細な説明を省略する。
図9は、実施の形態3に係る飲酒判定装置3のハードウェアを示すハードウェア構成図である。図9おいて、図2及び図7と同一符号は、同一又は相当部分を示すので、詳細な説明を省略する。
図8に示す飲酒判定装置3は、映像取得部11、飲料摂取行動判定部12、バイタル情報取得部13、飲酒状態判定部18及び警告出力部15を備えている。
【0058】
飲酒状態判定部18は、例えば、図9に示す飲酒状態判定回路28によって実現される。
飲酒状態判定部18は、飲料摂取行動判定部12から判定結果を取得し、バイタル情報取得部13からバイタル情報を取得し、映像取得部11から撮影映像を取得する。
飲酒状態判定部18は、図1に示す飲酒状態判定部14と同様に、飲料摂取行動判定部12により飲料を摂取する行動が行われた旨の判定がなされれば、バイタル情報、又は、撮影映像に基づいて、乗員が飲酒状態であるか否かを判定する。
飲酒状態判定部18は、図1に示す飲酒状態判定部14と異なり、飲料摂取行動判定部12により飲料を摂取する行動が行われた旨の判定がなされていないときにも、乗員が飲酒状態であるか否かを判定する。そして、飲酒状態判定部18は、乗員が飲酒状態であると判定すれば、乗員に異常が生じている旨の判定を行う。
飲酒状態判定部18は、飲酒状態であるか否かを示す判定結果と乗員に異常が生じている旨を示す判定結果とを警告出力部15に出力する。
【0059】
図8に示す飲酒判定装置3は、飲酒状態判定部18が図1に示す飲酒判定装置3に適用されているものである。しかし、これは一例に過ぎず、飲酒状態判定部18が図6に示す飲酒判定装置3に適用されているものであってもよい。
【0060】
図8では、飲酒判定装置3の構成要素である映像取得部11、飲料摂取行動判定部12、バイタル情報取得部13、飲酒状態判定部18及び警告出力部15のそれぞれが、図9に示すような専用のハードウェアによって実現されるものを想定している。即ち、飲酒判定装置3が、映像取得回路21、飲料摂取行動判定回路22、バイタル情報取得回路23、飲酒状態判定回路28及び警告出力回路25によって実現されるものを想定している。
映像取得回路21、飲料摂取行動判定回路22、バイタル情報取得回路23、飲酒状態判定回路28及び警告出力回路25のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
【0061】
飲酒判定装置3の構成要素は、専用のハードウェアによって実現されるものに限るものではなく、飲酒判定装置3が、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現されるものであってもよい。
飲酒判定装置3が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、映像取得部11、飲料摂取行動判定部12、バイタル情報取得部13、飲酒状態判定部18及び警告出力部15におけるそれぞれの処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムが図3に示すメモリ31に格納される。そして、図3に示すプロセッサ32がメモリ31に格納されているプログラムを実行する。
【0062】
また、図9では、飲酒判定装置3の構成要素のそれぞれが専用のハードウェアによって実現される例を示し、図3では、飲酒判定装置3がソフトウェア又はファームウェア等によって実現される例を示している。しかし、これは一例に過ぎず、飲酒判定装置3における一部の構成要素が専用のハードウェアによって実現され、残りの構成要素がソフトウェア又はファームウェア等によって実現されるものであってもよい。
【0063】
次に、図8に示す飲酒判定装置3の動作について説明する。飲酒状態判定部18以外は、図1に示す飲酒判定装置3と同様であるため、ここでは、飲酒状態判定部18の動作のみを説明する。
【0064】
飲酒状態判定部18は、飲料摂取行動判定部12から判定結果を取得する。
また、飲酒状態判定部18は、バイタル情報取得部13からバイタル情報を取得し、映像取得部11から撮影映像を取得する。
飲酒状態判定部18は、図1に示す飲酒状態判定部14と同様に、飲料摂取行動判定部12により飲料を摂取する行動が行われた旨の判定がなされれば、バイタル情報、又は、撮影映像に基づいて、乗員が飲酒状態であるか否かを判定する。
飲酒状態判定部18は、飲酒状態であるか否かを示す判定結果を警告出力部15に出力する。
【0065】
飲酒状態判定部18は、図1に示す飲酒状態判定部14と異なり、飲料摂取行動判定部12により飲料を摂取する行動が行われた旨の判定がなされていないときにも、バイタル情報、又は、撮影映像に基づいて、乗員が飲酒状態であるか否かを判定する。
飲料を摂取する行動が行われていないときに、乗員が飲酒状態になる可能性はない。このため、飲料を摂取する行動が行われていないときに、乗員が飲酒状態である旨の判定は、飲酒状態以外の異常が乗員に生じていることに伴う誤判定である可能性が高い。
飲酒状態判定部18は、飲料を摂取する行動が行われた旨の判定がなされていないときに、乗員が飲酒状態であると判定すれば、乗員に異常が生じている旨の判定を行う。
飲酒状態判定部18は、乗員に異常が生じている旨を示す判定結果を警告出力部15に出力する。
【0066】
警告出力部15は、飲酒状態判定部18から、乗員が飲酒状態であるか否かを示す判定結果を取得する。
警告出力部15は、飲酒状態判定部18により乗員が飲酒状態である旨の判定がなされれば、警告情報を車両制御装置4に出力することによって、車両制御装置4から警告を出力させる。
警告出力部15は、飲酒状態判定部18から、乗員に異常が生じている旨を示す判定結果が出力されれば、乗員に異常が生じている旨の注意情報を車両制御装置4に出力することによって、車両制御装置4から注意を報じさせる。
【0067】
以上の実施の形態3では、飲酒状態判定部18が、飲料摂取行動判定部12により飲料を摂取する行動が行われた旨の判定がなされていないときに、乗員が飲酒状態であるか否かを判定し、乗員が飲酒状態であると判定すれば、乗員に異常が生じている旨の判定を行うように、図8に示す飲酒判定装置3を構成した。したがって、図8に示す飲酒判定装置3は、図1に示す飲酒判定装置3と同様に、特許文献1に開示されている監視装置よりも、飲酒状態の誤検出を低減することができるほか、異常が生じている乗員に注意を喚起することができる。
【0068】
実施の形態4.
実施の形態4では、乗員の呼気に含まれているアルコール濃度が許容濃度以上であるか否かを判定するアルコール濃度判定部19を備える飲酒判定装置3について説明する。
【0069】
図10は、実施の形態4に係る飲酒判定装置3を示す構成図である。図10において、図1図6及び図8と同一符号は、同一又は相当部分を示すので、詳細な説明を省略する。
図11は、実施の形態4に係る飲酒判定装置3のハードウェアを示すハードウェア構成図である。図11おいて、図2図7及び図9と同一符号は、同一又は相当部分を示すので、詳細な説明を省略する。
図10に示す飲酒判定装置3は、映像取得部11、飲料摂取行動判定部12、バイタル情報取得部13、飲酒状態判定部14、警告出力部15、アルコール濃度判定部19及び車両制御部20を備えている。
呼気センサ6は、乗員の呼気に含まれているアルコール濃度を測定し、アルコール濃度を示す濃度情報を飲酒判定装置3に出力する。
【0070】
アルコール濃度判定部19は、例えば、図11に示すアルコール濃度判定回路29によって実現される。
アルコール濃度判定部19は、呼気センサ6から、濃度情報を取得する。
アルコール濃度判定部19は、濃度情報が示すアルコール濃度が許容濃度以上であるか否かを判定する。許容濃度は、アルコール濃度判定部19の内部メモリに格納されていてもよいし、飲酒判定装置3の外部から与えられるものであってもよい。
アルコール濃度判定部19は、アルコール濃度が許容濃度以上であるか否かを示す判定結果を映像取得部11、バイタル情報取得部13及び車両制御部20のそれぞれに出力する。
【0071】
車両制御部20は、例えば、図11に示す車両制御回路30によって実現される。
車両制御部20は、アルコール濃度判定部19から、アルコール濃度が許容濃度以上であるか否かを示す判定結果を取得する。
車両制御部20は、アルコール濃度判定部19によりアルコール濃度が許容濃度以上である旨の判定がなされれば、乗員による車両の運転をインターロックするための制御信号を車両制御装置4に出力する。
【0072】
図10に示す飲酒判定装置3は、アルコール濃度判定部19及び車両制御部20が、図1に示す飲酒判定装置3に適用されているものである。しかし、これは一例に過ぎず、アルコール濃度判定部19及び車両制御部20が、図6に示す飲酒判定装置3、又は、図8に示す飲酒判定装置3に適用されているものであってもよい。
【0073】
図10では、飲酒判定装置3の構成要素である映像取得部11、飲料摂取行動判定部12、バイタル情報取得部13、飲酒状態判定部14、警告出力部15、アルコール濃度判定部19及び車両制御部20のそれぞれが、図11に示すような専用のハードウェアによって実現されるものを想定している。即ち、飲酒判定装置3が、映像取得回路21、飲料摂取行動判定回路22、バイタル情報取得回路23、飲酒状態判定回路24、警告出力回路25、アルコール濃度判定回路29及び車両制御回路30によって実現されるものを想定している。
映像取得回路21、飲料摂取行動判定回路22、バイタル情報取得回路23、飲酒状態判定回路24、警告出力回路25、アルコール濃度判定回路29及び車両制御回路30のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
【0074】
飲酒判定装置3の構成要素は、専用のハードウェアによって実現されるものに限るものではなく、飲酒判定装置3が、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現されるものであってもよい。
飲酒判定装置3が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、映像取得部11、飲料摂取行動判定部12、バイタル情報取得部13、飲酒状態判定部14、警告出力部15、アルコール濃度判定部19及び車両制御部20におけるそれぞれの処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムが図3に示すメモリ31に格納される。そして、図3に示すプロセッサ32がメモリ31に格納されているプログラムを実行する。
【0075】
また、図11では、飲酒判定装置3の構成要素のそれぞれが専用のハードウェアによって実現される例を示し、図3では、飲酒判定装置3がソフトウェア又はファームウェア等によって実現される例を示している。しかし、これは一例に過ぎず、飲酒判定装置3における一部の構成要素が専用のハードウェアによって実現され、残りの構成要素がソフトウェア又はファームウェア等によって実現されるものであってもよい。
【0076】
次に、図10に示す飲酒判定装置3の動作について説明する。アルコール濃度判定部19及び車両制御部20以外は、図1に示す飲酒判定装置3と同様であるため、ここでは、主に、アルコール濃度判定部19及び車両制御部20の動作について説明する。
【0077】
呼気センサ6は、乗員が車両に搭乗したのち、例えば、乗員が車両のイグニッションスイッチをONにしたタイミングで、乗員の呼気に含まれているアルコール濃度を測定する。呼気センサ6がアルコール濃度を測定するタイミングは、乗員がイグニッションスイッチをONにしたタイミングに限るものではなく、例えば、乗員が車両に搭乗したタイミングであってもよい。
呼気センサ6は、測定したアルコール濃度を示す濃度情報を飲酒判定装置3に出力する。
【0078】
アルコール濃度判定部19は、呼気センサ6から、濃度情報を取得する。
アルコール濃度判定部19は、濃度情報が示すアルコール濃度が許容濃度以上であるか否かを判定する。
アルコール濃度が許容濃度以上であれば、乗員が飲酒状態であるため、乗員による車両の運転を阻止する必要がある。
アルコール濃度判定部19は、アルコール濃度が許容濃度以上であるか否かを示す判定結果を映像取得部11、バイタル情報取得部13及び車両制御部20のそれぞれに出力する。
【0079】
映像取得部11及びバイタル情報取得部13のそれぞれは、アルコール濃度判定部19から、アルコール濃度が許容濃度以上であるか否かを示す判定結果を取得する。
映像取得部11は、判定結果が、アルコール濃度が許容濃度以上である旨を示していれば、車両制御装置4によって、乗員による車両の運転が阻止されるので、撮影映像の取得処理を行ない。
バイタル情報取得部13は、判定結果が、アルコール濃度が許容濃度以上である旨を示していれば、車両制御装置4によって、乗員による車両の運転が阻止されるので、バイタル情報の取得処理を行ない。
【0080】
車両制御部20は、アルコール濃度判定部19から、アルコール濃度が許容濃度以上であるか否かを示す判定結果を取得する。
車両制御部20は、判定結果が、アルコール濃度が許容濃度以上である旨を示していれば、乗員による車両の運転をインターロックするための制御信号を車両制御装置4に出力する。
【0081】
車両制御装置4は、車両制御部20から、車両の運転をインターロックするための制御信号が出力された場合、乗員がエンジンの始動操作を行っても、エンジンを始動させない。
また、車両制御装置4は、車両制御部20から、車両の運転をインターロックするための制御信号が出力された場合、例えば、車両のインストルメントパネルに、飲酒状態のために車両の運転ができない旨を示す警告を表示させる。
【0082】
以上の実施の形態4では、乗員の呼気に含まれているアルコール濃度が許容濃度以上であるか否かを判定するアルコール濃度判定部19と、アルコール濃度判定部19によりアルコール濃度が許容濃度以上である旨の判定がなされれば、乗員による車両の運転をインターロックする車両制御部20とを備えるように、図10に示す飲酒判定装置3を構成した。したがって、図10に示す飲酒判定装置3は、図1に示す飲酒判定装置3と同様に、特許文献1に開示されている監視装置よりも、飲酒状態の誤検出を低減することができるほか、飲酒状態の乗員による車両の運転を阻止することができる。
【0083】
なお、本開示は、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本開示は、飲酒判定装置及び飲酒判定方法に適している。
【符号の説明】
【0085】
1 カメラ、2 バイタルセンサ、3 飲酒判定装置、4 車両制御装置、5 舵角センサ、6 呼気センサ、11 映像取得部、12 飲料摂取行動判定部、13 バイタル情報取得部、14 飲酒状態判定部、15 警告出力部、16 車両情報取得部、17 飲料摂取行動判定部、18 飲酒状態判定部、19 アルコール濃度判定部、20 車両制御部、21 映像取得回路、22 飲料摂取行動判定回路、23 バイタル情報取得回路、24 飲酒状態判定回路、25 警告出力回路、26 車両情報取得、27 飲料摂取行動判定回路、28 飲酒状態判定回路、29 アルコール濃度判定回路、30 車両制御回路、31 メモリ、32 プロセッサ。
図1
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図11