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特許7706812プログラム、情報処理システム、及び情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-04
(45)【発行日】2025-07-14
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理システム、及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 80/00 20180101AFI20250707BHJP
【FI】
G16H80/00
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2024198879
(22)【出願日】2024-11-14
【審査請求日】2024-11-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520340134
【氏名又は名称】株式会社OPERe
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】弁理士法人キュリーズ
(72)【発明者】
【氏名】澤田 優香
(72)【発明者】
【氏名】武藤 敦子
(72)【発明者】
【氏名】湯川 裕史
【審査官】森田 充功
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-207071(JP,A)
【文献】特開2021-162943(JP,A)
【文献】特開2015-097066(JP,A)
【文献】特表2009-518708(JP,A)
【文献】国際公開第2022/201757(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者側の端末装置との通信によって患者説明を含む医療関連情報をやり取りする医療コミュニケーションを行うための情報処理装置に、
前記患者側の端末装置との通信によって第1タグ情報を受信した場合、当該受信した第1タグ情報に基づいて、前記患者の入院又は前記患者に対する医療行為の実施である第1医療イベントの予定日までの第1医療コミュニケーションの第1スケジュールを決定する第1決定処理と、
前記決定した第1スケジュールの情報を前記患者の識別子と関連付けて登録する第1登録処理と、
前記患者側の端末装置との通信によって第2タグ情報をさらに受信した場合、当該受信した第2タグ情報に基づいて、前記患者の入院又は前記患者に対する医療行為の実施である第2医療イベントの予定日までの第2医療コミュニケーションの第2スケジュールを決定する第2決定処理と、
前記決定した第2スケジュールの情報を前記患者の識別子とさらに関連付けて登録する第2登録処理と、を実行させ
前記第1決定処理及び前記第2決定処理のそれぞれは、
対応するスケジュールの登録日を特定する処理と、
前記患者側の端末装置との通信によって、対応する医療イベントの予定日を取得する処理と、
対応するタグ情報と関連付けられた標準のスケジュールの情報に基づいて、前記特定した登録日から前記取得した予定日までの前記対応するスケジュールを決定する処理と、を含む
プログラム。
【請求項2】
前記情報処理装置に、
前記登録されたスケジュールの情報に従って、前記患者側の端末装置との通信によって前記第1及び第2医療コミュニケーションを行うコミュニケーション処理をさらに実行させる
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記第1タグ情報は、前記患者側の端末装置によって読み取られる第1二次元コードに符号化された情報であって、前記第1決定処理は、前記患者側の端末装置で前記第1二次元コードから読み取り及び復号された前記第1タグ情報を受信する処理を含み、
前記第2タグ情報は、前記患者側の端末装置によって読み取られる第2二次元コードに符号化された情報であって、前記第2決定処理は、前記患者側の端末装置で前記第2二次元コードから読み取り及び復号された前記第2タグ情報を受信する処理を含む
請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記対応するスケジュールを決定する処理は、前記特定した登録日から前記取得した予定日までの期間が、前記対応するタグ情報と関連付けられた前記標準のスケジュールに対応する期間よりも短い場合、前記標準のスケジュールに対応する期間を短縮して前記対応するスケジュールを決定する処理を含む
請求項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記第2決定処理又は前記第2登録処理は、前記第1スケジュールに含まれるコミュニケーション内容と前記第2スケジュールに含まれるコミュニケーション内容とに重複が有る場合、当該重複するコミュニケーション内容を1つに統合する処理を含む
請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
前記コミュニケーション処理は、前記第1スケジュールに対応する期間及び前記第2スケジュールに対応する期間が少なくとも部分的に重複する場合、前記第1及び第2医療コミュニケーションを少なくとも部分的に並行して行う処理を含む
請求項2に記載のプログラム。
【請求項7】
前記情報処理装置に、
前記患者側の端末装置との通信によって第3タグ情報を受信した場合、当該受信した第3タグ情報に基づいて、前記患者に提供する医療関連コンテンツを決定する第3決定処理をさらに実行させ、
前記コミュニケーション処理は、前記患者側の端末装置との通信によって、前記決定された医療関連コンテンツを提供する処理を含む
請求項2に記載のプログラム。
【請求項8】
前記情報処理装置に、
対応する医療イベントに関する医療コミュニケーションの評価又は医療関連コンテンツの評価のための質問情報を前記患者側の端末装置に提供する処理と、
前記患者側の端末装置から前記質問情報に対する回答情報を取得する処理と、
前記回答情報及び当該回答情報を分析した分析情報のうち少なくとも一方を、前記医療関連コンテンツの提供側の装置にフィードバックする処理と、をさらに実行させる
請求項1乃至のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項9】
患者側の端末装置との通信によって患者説明を含む医療関連情報をやり取りする医療コミュニケーションを行うための情報処理システムであって、
前記患者側の端末装置との通信によって第1タグ情報を受信した場合、当該受信した第1タグ情報に基づいて、前記患者の入院又は前記患者に対する医療行為の実施である第1医療イベントの予定日までの第1医療コミュニケーションの第1スケジュールを決定する第1決定処理部と、
前記決定した第1スケジュールの情報を前記患者の識別子と関連付けて登録する第1登録処理部と、
前記患者側の端末装置との通信によって第2タグ情報をさらに受信した場合、当該受信した第2タグ情報に基づいて、前記患者の入院又は前記患者に対する医療行為の実施である第2医療イベントの予定日までの第2医療コミュニケーションの第2スケジュールを決定する第2決定処理部と、
前記決定した第2スケジュールの情報を前記患者の識別子とさらに関連付けて登録する第2登録処理部と、を備え
前記第1決定処理部及び前記第2決定処理部のそれぞれは、
対応するスケジュールの登録日を特定する処理と、
前記患者側の端末装置との通信によって、対応する医療イベントの予定日を取得する処理と、
対応するタグ情報と関連付けられた標準のスケジュールの情報に基づいて、前記特定した登録日から前記取得した予定日までの前記対応するスケジュールを決定する処理と、を実行する
情報処理システム。
【請求項10】
患者側の端末装置との通信によって患者説明を含む医療関連情報をやり取りする医療コミュニケーションを行うための情報処理システムが実行する情報処理方法であって、
前記患者側の端末装置との通信によって第1タグ情報を受信した場合、当該受信した第1タグ情報に基づいて、前記患者の入院又は前記患者に対する医療行為の実施である第1医療イベントの予定日までの第1医療コミュニケーションの第1スケジュールを決定する第1決定ステップと、
前記決定した第1スケジュールの情報を前記患者の識別子と関連付けて登録する第1登録ステップと、
前記患者側の端末装置との通信によって第2タグ情報をさらに受信した場合、当該受信した第2タグ情報に基づいて、前記患者の入院又は前記患者に対する医療行為の実施である第2医療イベントの予定日までの第2医療コミュニケーションの第2スケジュールを決定する第2決定ステップと、
前記決定した第2スケジュールの情報を前記患者の識別子とさらに関連付けて登録する第2登録ステップと、を有し、
前記第1決定ステップ及び前記第2決定ステップのそれぞれは、
対応するスケジュールの登録日を特定するステップと、
前記患者側の端末装置との通信によって、対応する医療イベントの予定日を取得するステップと、
対応するタグ情報と関連付けられた標準のスケジュールの情報に基づいて、前記特定した登録日から前記取得した予定日までの前記対応するスケジュールを決定するステップと、を含む
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療コミュニケーションを行うためのプログラム、情報処理システム、及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、患者側の端末装置との通信によって医療に関する情報をやり取りする医療コミュニケーションを行う医療コミュニケーションシステムが実現されている。このような医療コミュニケーションシステムによれば、医療関連コンテンツ(例えば、動画、メッセージ、電子ドキュメント、回答フォーム等)を予め定められたスケジュールで患者側の端末装置に提供することにより、患者説明(例えば、入院説明、麻酔説明、産科説明、検査説明、健診説明等)を少なくとも部分的に自動化し、患者説明に要する医療従事者の負担等を軽減できる。
【0003】
一方、特許文献1には、患者に対する治療計画として2以上の疾病分類をカバーする治療計画を作成する治療計画作成装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-183300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の医療コミュニケーションシステムは、患者ごとに1つの医療イベントに対してのみ患者説明を自動化することを前提としている。例えば、医療イベントが出産のための入院である場合、出産及び入院向けの患者説明の医療関連コンテンツを予め定められたスケジュールで患者側の端末装置に提供する。このような従来の医療コミュニケーションシステムは、1人の患者に対する複数の医療コミュニケーションスケジュールに対応していないという課題があった。そのため、例えば出産の予定を有する1人の患者が乳がんの治療を開始するようなケースに対応できない。
【0006】
なお、特許文献1に記載の従来技術は、複数の疾病分類に対応可能な治療計画を作成するものの、治療と医療コミュニケーションとは全く異なる概念であり、このような従来技術を医療コミュニケーションシステムに適用できない。
【0007】
そこで、本開示は、1人の患者に対する複数の医療コミュニケーションスケジュールに対応した医療コミュニケーションシステムを実現するプログラム、情報処理システム、及び情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の第1態様に係るプログラムは、患者側の端末装置との通信によって患者説明を含む医療関連情報をやり取りする医療コミュニケーションを行うための情報処理装置に、前記患者側の端末装置との通信によって第1タグ情報を受信した場合、当該受信した第1タグ情報に基づいて、前記患者の第1医療イベントに関する第1医療コミュニケーションの第1スケジュールを決定する第1決定処理と、前記決定した第1スケジュールの情報を前記患者の識別子と関連付けて登録する第1登録処理と、前記患者側の端末装置との通信によって第2タグ情報をさらに受信した場合、当該受信した第2タグ情報に基づいて、前記患者の第2医療イベントに関する第2医療コミュニケーションの第2スケジュールを決定する第2決定処理と、前記決定した第2スケジュールの情報を前記患者の識別子とさらに関連付けて登録する第2登録処理と、を実行させる。
【0009】
本開示の第2態様に係る情報処理システムは、患者側の端末装置との通信によって患者説明を含む医療関連情報をやり取りする医療コミュニケーションを行うための情報処理システムであって、前記患者側の端末装置との通信によって第1タグ情報を受信した場合、当該受信した第1タグ情報に基づいて、前記患者の第1医療イベントに関する第1医療コミュニケーションの第1スケジュールを決定する第1決定処理部と、前記決定した第1スケジュールの情報を前記患者の識別子と関連付けて登録する第1登録処理部と、前記患者側の端末装置との通信によって第2タグ情報をさらに受信した場合、当該受信した第2タグ情報に基づいて、前記患者の第2医療イベントに関する第2医療コミュニケーションの第2スケジュールを決定する第2決定処理部と、前記決定した第2スケジュールの情報を前記患者の識別子とさらに関連付けて登録する第2登録処理部と、を備える。
【0010】
本開示の第3態様に係る情報処理方法は、患者側の端末装置との通信によって患者説明を含む医療関連情報をやり取りする医療コミュニケーションを行うための情報処理システムが実行する情報処理方法であって、前記患者側の端末装置との通信によって第1タグ情報を受信した場合、当該受信した第1タグ情報に基づいて、前記患者の第1医療イベントに関する第1医療コミュニケーションの第1スケジュールを決定する第1決定ステップと、前記決定した第1スケジュールの情報を前記患者の識別子と関連付けて登録する第1登録ステップと、前記患者側の端末装置との通信によって第2タグ情報をさらに受信した場合、当該受信した第2タグ情報に基づいて、前記患者の第2医療イベントに関する第2医療コミュニケーションの第2スケジュールを決定する第2決定ステップと、前記決定した第2スケジュールの情報を前記患者の識別子とさらに関連付けて登録する第2登録ステップと、を有する。
【発明の効果】
【0011】
本開示の一態様によれば、1人の患者に対する複数の医療コミュニケーションスケジュールに対応可能な医療コミュニケーションシステムを実現するプログラム、情報処理システム、及び情報処理方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図2】実施形態に係るサーバ装置の構成例を示す図である。
図3】実施形態に係るサーバ装置が記憶する情報の一例を示す図である。
図4】実施形態に係る情報処理システムの動作フロー例を示す図である。
図5】実施形態に係る情報処理システムの動作フロー例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図面を参照しながら、実施形態に係る情報処理システムについて説明する。実施形態に係る情報処理システムは、患者側の端末装置との通信によって患者説明を含む医療関連情報をやり取りする医療コミュニケーションを行う医療コミュニケーションシステムでもある。図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
【0014】
(1)システム構成例
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の構成例を示す図である。
【0015】
本実施形態に係る情報処理システム1は、サーバ装置100と、端末装置200Aとを有する。サーバ装置100及び端末装置200Aは、ネットワーク5に接続されている。ネットワーク5は、インターネットを含む。ネットワーク5は、LAN(Local Area Network)及び/又はWAN(Wide Area Network)を含んでもよい。サーバ装置100は、ネットワーク5を介して端末装置200Aと通信可能である。
【0016】
サーバ装置100は、本実施形態に係る情報処理を実行する情報処理装置である。サーバ装置100は、例えばワークステーション又はPCのような汎用コンピュータとしてもよいし、クラウド・コンピューティング(分散コンピューティング)によって論理的に実現されてもよい。つまり、サーバ装置100は、1つのコンピュータで構成してもよいし、複数のコンピュータで構成してもよい。
【0017】
端末装置200Aは、例えば、スマートフォン、タブレット端末装置、ウェアラブル端末装置、又はノートPC等の携帯端末装置である。端末装置200Aは、デスクトップPC等の固定端末装置であってもよい。端末装置200Aは、ユーザインターフェイスと、ネットワーク5とのインターフェイスとを有する。ユーザインターフェイスは、表示手段(ディスプレイ)、入力手段(操作入力手段、マイク、及び/又はカメラ等)、出力手段(スピーカ等)を含む。操作入力手段は、例えば、タッチパッド(タッチパネルディスプレイであってもよい)、マウス、キーボードのうち少なくとも1つを含んでもよい。ネットワーク5とのインターフェイスは、有線通信インターフェイス及び無線通信インターフェイスのうち少なくとも1つを含む。
【0018】
端末装置200Aは、患者が利用する端末装置200、すなわち、患者側の端末装置である。端末装置200Aは、病院等の医療施設で貸与される端末装置200であってもよいが、本実施形態では、端末装置200Aが、患者が所持(所有)するスマートフォン又はタブレットである一例を主として想定する。端末装置200Aには、サーバ装置100との医療コミュニケーションを行うためのアプリケーション(ソフトウェア)がインストールされている。当該アプリケーションは、汎用的なコミュニケーションアプリであってもよいし、医療コミュニケーションに専用のコミュニケーションアプリであってもよい。なお、患者とは、病気にかかっているような本来的な意味での患者に限らず、健康な人も含めて、医療機関(医療施設)を訪れる者をいう。医療施設は、病院又はクリニック等であるが、以下においては、医療施設が病院である一例を主として想定する。
【0019】
本実施形態では、サーバ装置100は、患者側の端末装置200Aとの通信によって患者説明を含む医療関連情報(例えば、医療関連コンテンツ)をやり取りする医療コミュニケーションサービスを提供する。このような医療コミュニケーションサービスは、医療関連コンテンツ(例えば、動画、メッセージ、電子ドキュメント、回答フォーム等)を予め定められたスケジュールで患者側の端末装置200Aに提供することにより、患者説明(例えば、入院説明、麻酔説明、産科説明、検査説明、健診説明等)を少なくとも部分的に自動化し、患者説明に要する医療従事者の負担等を軽減できる。
【0020】
本実施形態に係るサーバ装置100は、1人の患者に対する複数の医療コミュニケーションスケジュールに対応した医療コミュニケーションシステムを実現する。医療コミュニケーションスケジュールは、医療イベントに関する医療コミュニケーションのスケジュールである。医療イベントは、患者の入院又は患者に対する医療行為の実施であってもよい。サーバ装置100は、複数の医療イベントのそれぞれについて医療コミュニケーションスケジュールを設定し、当該医療イベントの予定日までの医療コミュニケーションを並行して行うことができる。例えば、サーバ装置100は、出産の予定を有する1人の患者が乳がんの治療を開始するようなケースでは、出産向けの患者説明の医療関連コンテンツを予め定められたスケジュールで当該患者側の端末装置200Aに提供するとともに、乳がんの治療向けの患者説明の医療関連コンテンツを予め定められたスケジュールで当該患者側の端末装置200Aに提供できる。
【0021】
したがって、本実施形態によれば、患者が複数の医療イベントに直面した際、個別に管理される医療コミュニケーションのスケジュールを統合し、最適化された医療コミュニケーションスケジュールを実現できる。これにより、患者への情報伝達や患者からの情報収集を一元化できる。
【0022】
本実施形態に係る情報処理システム1は、医療関連コンテンツの提供者の端末装置200B、すなわち、医療関連コンテンツの提供側の装置をさらに有していてもよい。端末装置200Bのハードウェア的な構成は、端末装置200Aと同様である。医療関連コンテンツの提供者とは、製薬企業や、医療機器メーカー、その他医療機関向けサービスの提供者である。サーバ装置100は、医療関連コンテンツの提供側の端末装置200Bから提供された医療関連コンテンツを、患者側の端末装置200Aに対して提供する。提供側の端末装置200Bに対する医療関連コンテンツの提供タイミングは、医療関連コンテンツの提供側の端末装置200Bからの情報に基づいて決定されてもよい。
【0023】
サーバ装置100は、患者側の端末装置200Aとの医療コミュニケーションの評価に関する質問情報を端末装置200Aに提供し、当該質問情報に関する回答情報を端末装置200Aから取得し、回答情報に基づくフィードバックを医療関連コンテンツの提供側の端末装置200Bに提供してもよい。これにより、医療コミュニケーションや医療関連コンテンツの改善を図ることが可能になる。
【0024】
(2)サーバ装置の構成例
図2は、本実施形態に係るサーバ装置100の構成例を示す図である。
【0025】
サーバ装置100は、通信部110と、記憶部120と、処理部130とを有する。通信部110、記憶部120、及び処理部130は、図示を省略するバス等によって相互に接続されている。
【0026】
通信部110は、処理部130の制御下で、ネットワーク5を介して他装置(例えば、端末装置200)との通信を行う。通信部110による通信は、有線通信であってもよいし、無線通信を含んでもよい。記憶部120は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び補助記憶装置等の種々のメモリを含んで構成される。処理部130により実行されるプログラムは、例えば、記憶部120のROM及び/又は補助記憶装置に記憶されている。処理部130は、1つ又は複数のプロセッサにより構成される。
【0027】
(2.1)記憶部の構成例
本実施形態に係る記憶部120の構成例について説明する。記憶部120は、病院情報DB121と、自動タスク情報DB122と、コンテンツ情報DB123と、患者情報DB124と、スケジュール情報DB125とを有する。なお、病院情報DB121と、自動タスク情報DB122と、コンテンツ情報DB123とを1つのDBとして構成してもよい。
【0028】
病院情報DB121は、図3(a)に示すように、医療コミュニケーションを提供可能な病院を識別する病院IDと、当該病院に属する各部門(例えば、診療科)を識別する部門IDとを記憶する。病院情報DB121は、病院ごとに、図3(a)に示すような情報を記憶している。
【0029】
自動タスク情報DB122は、図3(b)に示すように、タグID(「タグ情報」とも称する)と、自動タスクIDと、病院IDと、タイミング情報と、コンテンツIDを含むコンテンツ情報とを記憶する。タグIDは、対応する医療イベントを識別するIDである。自動タスクIDは、対応する医療イベントに関する医療コミュニケーションの自動化タスクを識別するIDである。自動化タスクとは、患者に対する情報伝達や情報収集の一連のタスクからなる医療コミュニケーションを自動化した内容である。自動化タスクの情報は、医療コミュニケーションスケジュールの情報に相当する。タイミング情報は、各タスクのタイミングを示す情報である。各タスクのタイミングは、医療イベントの予定日を基準として、予定日の何日前(又は何ヶ月前)というように定義されてもよいし、登録日又は登録日から何日後(又は何ヶ月後)というように定義されてもよい。コンテンツ情報は、各タスクにおいて患者に提供する医療関連コンテンツの内容に関する情報であり、提供する各医療関連コンテンツのID(コンテンツID)を含む。コンテンツ情報は、医療関連コンテンツの提供後に患者に対して行う質問の内容(例えば、「理解しましたか?」という情報)を含んでもよい。自動タスク情報DB122は、医療イベントごとに、図3(b)に示すような情報を記憶している。
【0030】
コンテンツ情報DB123は、図3(c)に示すように、医療関連コンテンツごとに、コンテンツIDと、病院IDと、媒体種別と、タイトルと、URLとを記憶する。媒体種別は、例えば、動画、メッセージ、電子ドキュメント、回答フォームのいずれかである。タイトルは、当該医療関連コンテンツのタイトルであり、例えば、「入院」、「検査」、「手続」、又は「問診」といった内容である。URLは、当該医療関連コンテンツのURLである。医療関連コンテンツには、医療従事者のレビュー済みのメーカー関連コンテンツ(例えば、製薬企業又は医療機器メーカーが提供する医療関連コンテンツ)が含まれてもよい。
【0031】
患者情報DB124は、図3(d)に示すように、患者ごとに、患者を識別する患者IDと、患者氏名と、当該患者が医療行為を受ける病院及び部門のID(病院ID及び部門ID)と、タグIDと、当該患者に対する医療コミュニケーションスケジュールの登録日の情報(登録日情報)と、当該患者の医療イベントが予定されている予定日の情報(予定日情報)とを記憶する。1人の患者に対して複数の医療コミュニケーションスケジュールが設定される場合、患者情報DB124は、医療コミュニケーションスケジュールごとにタグIDと登録日情報と予定日情報とのセットを記憶する。当該複数の医療コミュニケーションスケジュールが異なる病院についての医療コミュニケーションスケジュールである場合、患者情報DB124は、医療コミュニケーションスケジュールごとに病院IDを記憶してもよい。当該複数の医療コミュニケーションスケジュールが異なる部門(診療科)についての医療コミュニケーションスケジュールである場合、患者情報DB124は、医療コミュニケーションスケジュールごとに部門IDを記憶してもよい。
【0032】
スケジュール情報DB125は、図3(e)に示すように、医療コミュニケーションスケジュールごとに、当該医療コミュニケーションスケジュールが設定された患者の患者IDと、病院IDと、自動化タスクIDと、当該患者に提供される各医療関連コンテンツのコンテンツ情報(コンテンツIDを含む)と、当該各医療関連コンテンツが提供されるタイミング(各タスクのタイミング)の情報とを記憶する。
【0033】
(2.2)処理部の構成例
本実施形態に係る処理部130の構成例について説明する。以下の実施形態の説明では、1人の患者に対して2つの医療コミュニケーションスケジュールが設定される場合を想定して説明する。但し、1人の患者に対して3つ以上の医療コミュニケーションスケジュールが設定されてもよい。
【0034】
図2に示すように、処理部130は、記憶部120に記憶されているプログラム(ソフトウェア)を実行することにより、第1決定処理部131と、第1登録処理部132と、第2決定処理部133と、第2登録処理部134と、第3決定処理部135と、コミュニケーション処理部136と、フィードバック処理部137との各機能を実現する。これらの各部は、記憶部120に記憶された情報を用いた情報処理を行う。これらの各部は、通信部110を介して端末装置200との通信を行ってもよい。
【0035】
第1決定処理部131は、患者側の端末装置200Aとの通信によって第1タグ情報を受信した場合、当該受信した第1タグ情報に基づいて、自動タスク情報DB122を参照して、当該患者の第1医療イベントに関する第1医療コミュニケーションの第1スケジュールを決定する。第1スケジュールは、第1医療イベントの予定日までの医療コミュニケーションのスケジュールである。
【0036】
第1タグ情報は、患者側の端末装置200Aによって読み取られる第1二次元コードに符号化された情報であってもよい。二次元コードは、QRコード(登録商標)であってもよい。第1決定処理部131は、患者側の端末装置200Aで第1二次元コードから読み取り及び復号された第1タグ情報を受信してもよい。第1二次元コードは、例えば、病院において医療従事者が患者に対して提示される。患者が、第1二次元コードを端末装置200Aのコミュニケーションアプリ上でカメラを用いて読み取ると、端末装置200Aは、第1二次元コードから第1タグ情報(タグID)を復号し、第1タグ情報をサーバ装置100に送信する。なお、サーバ装置100は、コミュニケーションアプリを介して患者のIDも特定できる。
【0037】
或いは、第1タグ情報は、患者側が端末装置200Aに対して入力されたものであってもよい。例えば、病院において医療従事者が患者に対して第1タグ情報(タグID)を提示し、患者が第1タグ情報を端末装置200Aのコミュニケーションアプリ上で入力し、端末装置200Aは、第1タグ情報をサーバ装置100に送信してもよい。
【0038】
第1決定処理部131は、第1スケジュールの登録日を特定する。また、第1決定処理部131は、患者側の端末装置200Aとの通信によって、第1医療イベントの予定日を取得する。例えば、第1決定処理部131は、コミュニケーションアプリ上で第1医療イベントの予定日を患者に問い合せて、患者が端末装置200Aに入力した第1医療イベントの予定日を取得する。さらに、第1決定処理部131は、第1タグ情報と関連付けられた標準のスケジュールの情報に基づいて、当該特定した登録日から当該取得した予定日までの第1スケジュールを決定する。例えば、第1決定処理部131は、受信した第1タグ情報と関連付けられた標準のスケジュールの情報を自動タスク情報DB122から取得し、取得した標準のスケジュールの情報と、当該特定した登録日及び/又は当該取得した予定日とに基づいて第1スケジュールを決定する。第1スケジュールは、例えば、第1医療イベントの予定日のX日(又はXヶ月)前に医療関連コンテンツAを患者に提供し、第1医療イベントの予定日のY日(又はYヶ月)前に医療関連コンテンツBを患者に提供し、第1医療イベントの予定日のZ日(又はZヶ月)前に医療関連コンテンツCを患者に提供するといったスケジュールである。
【0039】
第1決定処理部131は、当該特定した登録日から当該取得した予定日までの期間が、第1タグ情報と関連付けられた標準のスケジュールに対応する期間よりも短い場合、当該標準のスケジュールに対応する期間を短縮して第1スケジュールを決定してもよい。例えば、予定日の3ヶ月前に患者に情報伝達を行うタスクが標準のスケジュールに含まれる場合であって、登録日が予定日の2ヶ月前である場合、第1決定処理部131は、当該タスクを省略して第1スケジュールを決定してもよい。或いは、第1決定処理部131は、各情報伝達のタスクの時間間隔を狭めることで第1スケジュールを決定してもよい。
【0040】
第1登録処理部132は、第1決定処理部131が決定した第1スケジュールの情報を患者の識別子(患者ID)と関連付けて登録する。具体的には、第1登録処理部132は、第1決定処理部131が決定した第1スケジュールの情報をスケジュール情報DB125に記憶させる。第1スケジュールの情報が登録されると、コミュニケーション処理部136は、登録された第1スケジュールの情報に従って、患者側の端末装置200Aとの通信によって第1医療コミュニケーションを行う。例えば、コミュニケーション処理部136は、スケジュール情報DB125に記憶された第1スケジュールの情報と、コンテンツ情報DB123に記憶された情報とに基づいて、第1スケジュールに従って医療関連コンテンツをコミュニケーションアプリ上で患者側の端末装置200Aに提供する。
【0041】
第2決定処理部133は、患者側の端末装置200Aとの通信によって第2タグ情報をさらに受信した場合、当該受信した第2タグ情報に基づいて、患者の第2医療イベントに関する第2医療コミュニケーションの第2スケジュールを決定する。第2スケジュールは、第1医療イベントと異なる第2医療イベントの予定日までの医療コミュニケーションのスケジュールである。
【0042】
第2タグ情報は、患者側の端末装置200Aによって読み取られる第2二次元コードに符号化された情報であってもよい。第2決定処理部133は、患者側の端末装置200Aで第2二次元コードから読み取り及び復号された第2タグ情報を受信してもよい。或いは、第2タグ情報は、患者側が端末装置200Aに対して入力されたものであってもよい。
【0043】
第2決定処理部133は、第2スケジュールの登録日を特定する。また、第2決定処理部133は、患者側の端末装置200Aとの通信によって、第2医療イベントの予定日を取得する。例えば、第2決定処理部133は、コミュニケーションアプリ上で第2医療イベントの予定日を患者に問い合せて、患者が端末装置200Aに入力した第2医療イベントの予定日を取得する。さらに、第2決定処理部133は、第2タグ情報と関連付けられた標準のスケジュールの情報に基づいて、当該特定した登録日から当該取得した予定日までの第2スケジュールを決定する。例えば、第2決定処理部133は、受信した第2タグ情報と関連付けられた標準のスケジュールの情報を自動タスク情報DB122から取得し、取得した標準のスケジュールの情報と、当該特定した登録日及び/又は当該取得した予定日とに基づいて第2スケジュールを決定する。
【0044】
第2決定処理部133は、当該特定した登録日から当該取得した予定日までの期間が、第2タグ情報と関連付けられた標準のスケジュールに対応する期間よりも短い場合、当該標準のスケジュールに対応する期間を短縮して第2スケジュールを決定してもよい。
【0045】
第2登録処理部134は、第2決定処理部133が決定した第2スケジュールの情報を患者の識別子(患者ID)と関連付けて登録する。具体的には、第2登録処理部134は、第2決定処理部133が決定した第2スケジュールの情報をスケジュール情報DB125に記憶させる。第2スケジュールの情報が登録されると、コミュニケーション処理部136は、登録された第2スケジュールの情報に従って、患者側の端末装置200Aとの通信によって第2医療コミュニケーションを行う。例えば、コミュニケーション処理部136は、スケジュール情報DB125に記憶された第2スケジュールの情報と、コンテンツ情報DB123に記憶された情報とに基づいて、第2スケジュールに従って医療関連コンテンツをコミュニケーションアプリ上で患者側の端末装置200Aに提供する。
【0046】
ここで、コミュニケーション処理部136は、登録された第1スケジュールの情報に従って第1医療コミュニケーションを行いつつ、登録された第2スケジュールの情報に従って第2医療コミュニケーションを行う。例えば、コミュニケーション処理部136は、第1スケジュールに対応する期間及び第2スケジュールに対応する期間が少なくとも部分的に重複する場合、第1及び第2医療コミュニケーションを少なくとも部分的に並行して行う。
【0047】
このように、本実施形態によれば、サーバ装置100は、患者側の端末装置200Aからタグ情報を受信する度に、当該タグ情報に基づいて医療コミュニケーションスケジュールを当該患者に対して追加するようにスケジュール管理を行うことが可能である。よって、1人の患者に対する複数の医療コミュニケーションスケジュールに対応可能である。
【0048】
第2決定処理部133又は第2登録処理部134は、第1スケジュールに含まれるコミュニケーション内容と第2スケジュールに含まれるコミュニケーション内容とに重複が有る場合、当該重複するコミュニケーション内容を1つに統合してもよい。例えば、第2決定処理部133又は第2登録処理部134は、第1スケジュールにおいて、ある医療関連コンテンツを患者に提供するタスクが含まれ、且つ、第2スケジュールにおいて同じ医療関連コンテンツを患者に提供するタスクが含まれる場合、これら2つのタスクを1つに統合し、当該医療関連コンテンツを患者に1回のみ提供してもよい。或いは、医療関連コンテンツに限らず、第1スケジュールにおいて、ある質問を患者に対して行うタスクが含まれ、且つ、第2スケジュールにおいて同じ質問を患者に対して行うタスクが含まれる場合、これら2つのタスクを1つに統合し、当該質問を患者に対して1回のみ行ってもよい。
【0049】
このように、サーバ装置100は、患者側の端末装置200Aからタグ情報を受信する度に、当該タグ情報に基づいて医療コミュニケーションスケジュールを当該患者に対して追加しつつ、これらの医療コミュニケーションスケジュールを統合して一元管理するようにスケジュール管理を行う。
【0050】
但し、サーバ装置100は、このようなタグ情報に基づくスケジュール管理に加えて、特定の医療関連コンテンツ(例えば、メーカー関連コンテンツ)と関連付けられたタグ情報を患者側の端末装置200Aから受信すると、当該タグ情報に基づいて当該患者に提供する医療関連コンテンツを決定してもよい。具体的には、第3決定処理部135は、患者側の端末装置200Aとの通信によって第3タグ情報を受信した場合、当該受信した第3タグ情報に基づいて、当該患者に提供する医療関連コンテンツを決定する。コミュニケーション処理部136は、患者側の端末装置200Aとの通信によって、第3決定処理部135が決定した医療関連コンテンツを患者側の端末装置200Aに提供する。
【0051】
フィードバック処理部137は、患者側の端末装置200Aとの医療コミュニケーション(又は医療関連コンテンツ)の評価に関するフィードバックを医療関連コンテンツの提供側の端末装置200Bに提供する。具体的には、フィードバック処理部137は、医療コミュニケーションの評価又は医療関連コンテンツの評価のための質問情報を患者側の端末装置200Aに提供し、患者側の端末装置200Aから質問情報に対する回答情報を取得し、回答情報及び当該回答情報を分析した分析情報のうち少なくとも一方を、医療関連コンテンツの提供側の端末装置200Bにフィードバックする。
【0052】
例えば、フィードバック処理部137は、患者側の端末装置200Aに複数の医療コミュニケーションスケジュールを提供した場合、各医療コミュニケーションスケジュールの評価について患者側の端末装置200Aに問い合せる。フィードバック処理部137は、「入院に関する医療コミュニケーションは分かり易かったですか?」といったメッセージを患者側の端末装置200Aに提供し、患者からの回答情報を取得してもよい。フィードバック処理部137は、各医療コミュニケーションスケジュールの評価に関する回答を分析し、効果的な医療コミュニケーションスケジュールを判定し、判定結果をフィードバックしてもよい。
【0053】
或いは、フィードバック処理部137は、患者側の端末装置200Aに特定の医療関連コンテンツ(例えば、薬又は医療機器に関する説明動画又は電子ドキュメント)を提供した場合、当該特定の医療関連コンテンツの評価について患者側の端末装置200Aに問い合せる。フィードバック処理部137は、「このコンテンツは分かり易かったですか?」といったメッセージを患者側の端末装置200Aに提供し、患者からの回答情報を取得し、回答情報をフィードバックしてもよい。
【0054】
(3)動作フロー例
図4及び図5は、本実施形態に係る情報処理システム1の動作フロー例を示す図である。
【0055】
図4に示すように、ステップS1において、患者側の端末装置200Aは、例えば病院において提示される第1二次元コードをメッセージアプリ上でカメラにより読み取り、第1二次元コードに符号化されている第1タグ情報(タグID)を復号することで取得する。或いは、患者側の端末装置200Aは、病院において提示される第1タグ情報(タグID)の入力操作をメッセージアプリ上で患者から受け付けることで第1タグ情報を取得してもよい。
【0056】
ステップS2において、患者側の端末装置200Aは、第1タグ情報(タグID)をサーバ装置100に送信する。サーバ装置100は、第1タグ情報(タグID)を受信する。
【0057】
ステップS3において、サーバ装置100は、受信した第1タグ情報に基づいて、自動タスク情報DB122を参照し、当該患者の第1医療イベントに関する第1医療コミュニケーションの第1スケジュールを決定する。例えば、サーバ装置100は、第1スケジュールの登録日を特定し、第1医療イベントの予定日を取得し、第1タグ情報と関連付けられた標準のスケジュールの情報に基づいて当該特定した登録日から当該取得した予定日までの第1スケジュールを決定する。
【0058】
ステップS4において、サーバ装置100は、決定した第1スケジュールの情報を患者の識別子(患者ID)と関連付けて登録する。具体的には、サーバ装置100は、決定した第1スケジュールの情報をスケジュール情報DB125に記憶させる。
【0059】
ステップS5において、サーバ装置100は、第1スケジュールの情報が登録されると、登録された第1スケジュールの情報に従って、患者側の端末装置200Aとの通信によって第1医療コミュニケーションを行う。例えば、サーバ装置100は、スケジュール情報DB125に記憶された第1スケジュールの情報と、コンテンツ情報DB123に記憶された情報とに基づいて、第1スケジュールに従って医療関連コンテンツ(具体的には、医療関連コンテンツURL)をコミュニケーションアプリ上で患者側の端末装置200Aに通知してもよい。患者側の端末装置200Aは、通知された医療関連コンテンツURLにアクセスすることで医療関連コンテンツを患者に提示する。
【0060】
ステップS6において、サーバ装置100は、第1医療コミュニケーション又はその医療関連コンテンツの評価のための質問情報を患者側の端末装置200Aに送信してもよい。患者側の端末装置200Aは、当該質問情報をコミュニケーションアプリ上で患者に提示し、回答情報の入力操作を患者から受け付ける。
【0061】
ステップS7において、患者側の端末装置200Aは、回答情報をコミュニケーションアプリ上でサーバ装置100に送信してもよい。サーバ装置100は、回答情報を受信してもよい。サーバ装置100は、当該回答情報及び当該回答情報を分析した分析情報のうち少なくとも一方を、医療関連コンテンツの提供側の端末装置200Bにフィードバック(送信)してもよい。
【0062】
図5に示すように、ステップS8において、患者側の端末装置200Aは、例えば病院において提示される第2二次元コードをメッセージアプリ上でカメラにより読み取り、第2二次元コードに符号化されている第2タグ情報(タグID)を復号することで取得する。或いは、患者側の端末装置200Aは、病院において提示される第2タグ情報(タグID)の入力操作をメッセージアプリ上で患者から受け付けることで第2タグ情報を取得してもよい。
【0063】
ステップS9において、患者側の端末装置200Aは、第2タグ情報(タグID)をサーバ装置100に送信する。サーバ装置100は、第2タグ情報(タグID)を受信する。
【0064】
ステップS10において、サーバ装置100は、受信した第2タグ情報に基づいて、自動タスク情報DB122を参照し、当該患者の第2医療イベントに関する第2医療コミュニケーションの第2スケジュールを決定する。例えば、サーバ装置100は、第2スケジュールの登録日を特定し、第2医療イベントの予定日を取得し、第2タグ情報と関連付けられた標準のスケジュールの情報に基づいて当該特定した登録日から当該取得した予定日までの第2スケジュールを決定する。
【0065】
ステップS11において、サーバ装置100は、決定した第2スケジュールの情報を患者の識別子(患者ID)と関連付けて登録する。具体的には、サーバ装置100は、決定した第2スケジュールの情報をスケジュール情報DB125に記憶させる。
【0066】
ステップS10又はステップS11において、サーバ装置100は、第1スケジュールに含まれるコミュニケーション内容と第2スケジュールに含まれるコミュニケーション内容とに重複が有る場合、当該重複するコミュニケーション内容を1つに統合してもよい。
【0067】
ステップS12において、サーバ装置100は、第2スケジュールの情報が登録されると、登録された第2スケジュールの情報に従って、患者側の端末装置200Aとの通信によって第2医療コミュニケーションを行う。例えば、サーバ装置100は、スケジュール情報DB125に記憶された第2スケジュールの情報と、コンテンツ情報DB123に記憶された情報とに基づいて、第2スケジュールに従って医療関連コンテンツ(具体的には、医療関連コンテンツURL)をコミュニケーションアプリ上で患者側の端末装置200Aに通知してもよい。患者側の端末装置200Aは、通知された医療関連コンテンツURLにアクセスすることで医療関連コンテンツを患者に提示する。
【0068】
サーバ装置100は、登録された第1スケジュールの情報に従って第1医療コミュニケーションを行いつつ、登録された第2スケジュールの情報に従って第2医療コミュニケーションを行う。例えば、コミュニケーション処理部136は、第1スケジュールに対応する期間(例えば、登録日から予定日までの期間)と第2スケジュールに対応する期間(例えば、登録日から予定日までの期間)とが少なくとも部分的に重複する場合、第1及び第2医療コミュニケーションを少なくとも部分的に並行して行う。
【0069】
ステップS13において、サーバ装置100は、第2医療コミュニケーション又はその医療関連コンテンツの評価のための質問情報を患者側の端末装置200Aに送信してもよい。患者側の端末装置200Aは、当該質問情報をコミュニケーションアプリ上で患者に提示し、回答情報の入力操作を患者から受け付ける。
【0070】
ステップS14において、患者側の端末装置200Aは、回答情報をコミュニケーションアプリ上でサーバ装置100に送信してもよい。サーバ装置100は、回答情報を受信してもよい。サーバ装置100は、当該回答情報及び当該回答情報を分析した分析情報のうち少なくとも一方を、医療関連コンテンツの提供側の端末装置200Bにフィードバック(送信)してもよい。
【0071】
(4)他の実施形態
上述の実施形態においてサーバ装置100が実行している処理の少なくとも一部を端末装置200側で実行するよう変更してもよい。この場合、上述の処理部130に含まれる各部の少なくとも一部を端末装置200に移動してもよいし、上述の記憶部120に含まれる各部の少なくとも一部を端末装置200に移動してもよい。
【0072】
上述の実施形態における動作フロー及び動作例は、必ずしもフロー図に記載された順序に沿って時系列に実行されなくてよい。例えば、動作におけるステップは、フロー図として記載した順序と異なる順序で実行されても、並列的に実行されてもよい。また、動作におけるステップの一部が削除されてもよく、さらなるステップが処理に追加されてもよい。
【0073】
上述の実施形態に係る動作をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記憶媒体であってもよい。非一過性の記憶媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROMやDVD-ROM等の記憶媒体であってもよい。
【0074】
本開示で使用する「に基づいて」、「に応じて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」、「のみに応じて」を意味しない。「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」及び「に少なくとも部分的に基づいて」の両方を意味する。同様に、「に応じて」という記載は、「のみに応じて」及び「に少なくとも部分的に応じて」の両方を意味する。また、「含む(include)」、「備える(comprise)」、及びそれらの変形の用語は、列挙する項目のみを含むことを意味せず、列挙する項目のみを含んでもよいし、列挙する項目に加えてさらなる項目を含んでもよいことを意味する。また、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。本開示において、例えば、英語でのa,an,及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、これらの冠詞は、文脈から明らかにそうではないことが示されていなければ、複数のものを含むものとする。
【0075】
以上、図面を参照して実施形態について詳しく説明したが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【0076】
(5)付記
上述の実施形態に関する特徴について付記する。
【0077】
・付記1
患者側の端末装置との通信によって患者説明を含む医療関連情報をやり取りする医療コミュニケーションを行うための情報処理装置に、
前記患者側の端末装置との通信によって第1タグ情報を受信した場合、当該受信した第1タグ情報に基づいて、前記患者の第1医療イベントに関する第1医療コミュニケーションの第1スケジュールを決定する第1決定処理と、
前記決定した第1スケジュールの情報を前記患者の識別子と関連付けて登録する第1登録処理と、
前記患者側の端末装置との通信によって第2タグ情報をさらに受信した場合、当該受信した第2タグ情報に基づいて、前記患者の第2医療イベントに関する第2医療コミュニケーションの第2スケジュールを決定する第2決定処理と、
前記決定した第2スケジュールの情報を前記患者の識別子とさらに関連付けて登録する第2登録処理と、
を実行させるプログラム。
【0078】
・付記2
前記情報処理装置に、
前記登録されたスケジュールの情報に従って、前記患者側の端末装置との通信によって前記第1及び第2医療コミュニケーションを行うコミュニケーション処理をさらに実行させる
付記1に記載のプログラム。
【0079】
・付記3
前記第1タグ情報は、前記患者側の端末装置によって読み取られる第1二次元コードに符号化された情報であって、前記第1決定処理は、前記患者側の端末装置で前記第1二次元コードから読み取り及び復号された前記第1タグ情報を受信する処理を含み、
前記第2タグ情報は、前記患者側の端末装置によって読み取られる第2二次元コードに符号化された情報であって、前記第2決定処理は、前記患者側の端末装置で前記第2二次元コードから読み取り及び復号された前記第2タグ情報を受信する処理を含む
付記1又は2に記載のプログラム。
【0080】
・付記4
前記第1医療イベント及び前記第2医療イベントのそれぞれは、前記患者の入院又は前記患者に対する医療行為の実施であり、
前記第1スケジュール及び前記第2スケジュールのそれぞれは、対応する医療イベントの予定日までの医療コミュニケーションのスケジュールである
付記1乃至3のいずれかに記載のプログラム。
【0081】
・付記5
前記第1決定処理及び前記第2決定処理のそれぞれは、
対応するスケジュールの登録日を特定する処理と、
前記患者側の端末装置との通信によって、対応する医療イベントの予定日を取得する処理と、
対応するタグ情報と関連付けられた標準のスケジュールの情報に基づいて、前記特定した登録日から前記取得した予定日までの前記対応するスケジュールを決定する処理と、を含む
付記4に記載のプログラム。
【0082】
・付記6
前記対応するスケジュールを決定する処理は、前記特定した登録日から前記取得した予定日までの期間が、前記対応するタグ情報と関連付けられた前記標準のスケジュールに対応する期間よりも短い場合、前記標準のスケジュールに対応する期間を短縮して前記対応するスケジュールを決定する処理を含む
付記5に記載のプログラム。
【0083】
・付記7
前記第2決定処理又は前記第2登録処理は、前記第1スケジュールに含まれるコミュニケーション内容と前記第2スケジュールに含まれるコミュニケーション内容とに重複が有る場合、当該重複するコミュニケーション内容を1つに統合する処理を含む
付記1乃至6のいずれかに記載のプログラム。
【0084】
・付記8
前記コミュニケーション処理は、前記第1スケジュールに対応する期間及び前記第2スケジュールに対応する期間が少なくとも部分的に重複する場合、前記第1及び第2医療コミュニケーションを少なくとも部分的に並行して行う処理を含む
付記2乃至7のいずれかに記載のプログラム。
【0085】
・付記9
前記情報処理装置に、
前記患者側の端末装置との通信によって第3タグ情報を受信した場合、当該受信した第3タグ情報に基づいて、前記患者に提供する医療関連コンテンツを決定する第3決定処理をさらに実行させ、
前記コミュニケーション処理は、前記患者側の端末装置との通信によって、前記決定された医療関連コンテンツを提供する処理を含む
付記2乃至8のいずれかに記載のプログラム。
【0086】
・付記10
前記情報処理装置に、
対応する医療イベントに関する医療コミュニケーションの評価又は医療関連コンテンツの評価のための質問情報を前記患者側の端末装置に提供する処理と、
前記患者側の端末装置から前記質問情報に対する回答情報を取得することと、
前記回答情報及び当該回答情報を分析した分析情報のうち少なくとも一方を、前記医療関連コンテンツの提供側の装置にフィードバックする処理と、をさらに実行させる
付記1乃至9のいずれか1項に記載のプログラム。
【0087】
・付記11
患者側の端末装置との通信によって患者説明を含む医療関連情報をやり取りする医療コミュニケーションを行うための情報処理システムであって、
前記患者側の端末装置との通信によって第1タグ情報を受信した場合、当該受信した第1タグ情報に基づいて、前記患者の第1医療イベントに関する第1医療コミュニケーションの第1スケジュールを決定する第1決定処理部と、
前記決定した第1スケジュールの情報を前記患者の識別子と関連付けて登録する第1登録処理部と、
前記患者側の端末装置との通信によって第2タグ情報をさらに受信した場合、当該受信した第2タグ情報に基づいて、前記患者の第2医療イベントに関する第2医療コミュニケーションの第2スケジュールを決定する第2決定処理部と、
前記決定した第2スケジュールの情報を前記患者の識別子とさらに関連付けて登録する第2登録処理部と、
を備える情報処理システム。
【0088】
・付記12
患者側の端末装置との通信によって患者説明を含む医療関連情報をやり取りする医療コミュニケーションを行うための情報処理システムが実行する情報処理方法であって、
前記患者側の端末装置との通信によって第1タグ情報を受信した場合、当該受信した第1タグ情報に基づいて、前記患者の第1医療イベントに関する第1医療コミュニケーションの第1スケジュールを決定する第1決定ステップと、
前記決定した第1スケジュールの情報を前記患者の識別子と関連付けて登録する第1登録ステップと、
前記患者側の端末装置との通信によって第2タグ情報をさらに受信した場合、当該受信した第2タグ情報に基づいて、前記患者の第2医療イベントに関する第2医療コミュニケーションの第2スケジュールを決定する第2決定ステップと、
前記決定した第2スケジュールの情報を前記患者の識別子とさらに関連付けて登録する第2登録ステップと、
を有する情報処理方法。
【符号の説明】
【0089】
1 :情報処理システム
5 :ネットワーク
100 :サーバ装置
110 :通信部
120 :記憶部
121 :病院情報DB
122 :自動タスク情報DB
123 :コンテンツ情報DB
124 :患者情報DB
125 :スケジュール情報DB
130 :処理部
131 :第1決定処理部
132 :第1登録処理部
133 :第2決定処理部
134 :第2登録処理部
135 :第3決定処理部
136 :コミュニケーション処理部
137 :フィードバック処理部
200 :端末装置
【要約】      (修正有)
【課題】1人の患者に対する複数の医療コミュニケーションスケジュールに対応した医療コミュニケーションシステムを実現するプログラム、情報処理システム及び方法を提供する。
【解決手段】情報処理システムにおいて、患者説明を含む医療関連情報をやり取りする医療コミュニケーションを行うためのサーバ装置は、患者側の端末装置との通信によって第1タグ情報を受信した場合、当該受信した第1タグ情報に基づいて、患者の第1医療イベントに関する第1医療コミュニケーションの第1スケジュールを決定し、決定した第1スケジュールの情報を患者の識別子と関連付けて登録し、患者側の端末装置との通信によって第2タグ情報をさらに受信した場合、受信した第2タグ情報に基づいて、患者の第2医療イベントに関する第2医療コミュニケーションの第2スケジュールを決定し、決定した第2スケジュールの情報を患者の識別子とさらに関連付けて登録する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5