(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-04
(45)【発行日】2025-07-14
(54)【発明の名称】地図生成システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20250707BHJP
G06Q 30/0207 20230101ALI20250707BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20250707BHJP
G09B 29/00 20060101ALN20250707BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/0207
G08G1/00 J
G08G1/00 D
G09B29/00 Z
(21)【出願番号】P 2024060597
(22)【出願日】2024-04-04
(62)【分割の表示】P 2021064434の分割
【原出願日】2021-04-05
【審査請求日】2024-04-04
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002491
【氏名又は名称】弁理士法人クロスボーダー特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】千葉 洋平
【審査官】前田 侑香
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-141842(JP,A)
【文献】国際公開第2020/250719(WO,A1)
【文献】特開2020-038359(JP,A)
【文献】国際公開第2014/002223(WO,A1)
【文献】特開2009-037062(JP,A)
【文献】特開2019-133428(JP,A)
【文献】特開2019-056674(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G08G 1/00
G09B 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
共有の地図データを用いて自律走行の可能な複数の計測車両と、前記地図データを生成する地図生成装置とを備える地図生成システムにおいて、
前記計測車両は、
ユーザに対して課金を行うパーソナル・モビリティ・ビークルであり、
前記地図データを収集する地図更新対象の経路を含む走行経路に追従するように自律走行するか、もしくは前記計測車両に乗車するユーザに地図更新対象の経路を含む走行経路を提示し、
自律走行を予定する走行経路の周囲環境情報を計測することで前記経路の地図データの生成用の計測データを取得し、取得した前記計測データを前記地図生成装置に送信し、
前記地図生成装置は、
前記計測車両から送信された前記計測データに基づいて前記地図データを更新し、
さらに、
前記計測車両の利用者IDに対応したユーザ情報を管理するとともに、
ユーザの利用する前記計測車両により得られた計測データによる地図データの更新情報の生成量、前記計測車両の利用時間、ユーザの利用した走行経路の走行距離、ユーザの選択した走行経路の情報、のうちの何れかもしくは複数を含むユーザ利用に応じた前記計測車両の利用割引と、
前記ユーザ利用に応じた利用無料サービスと、
前記ユーザ利用に応じた前記計測車両の利用と、
前記ユーザ利用に応じた走行エリアの利用施設向けの利用ポイントと、
のうち、
何れかもしくは複数を含む、ユーザ優遇待遇情報と、
前記ユーザ利用に応じたユーザへの課金情報との、
少なくともどちらかを生成する管理部を備え、
前記走行エリアは、道路が細分化され、かつ、前記計測車両の自律走行の可能性の高い歩道または車道、ならびに、ユーザの利用施設を含むエリアであ
り、
前記管理部は、前記計測車両の利用時間、前記計測車両の移動距離、および、前記地図データの更新情報の生成量に基づいて、ユーザへの前記課金情報を生成する、
地図生成システム。
【請求項2】
前記計測車両は、
自律走行のための地図データに従って経路を自律走行しているときに障害物に遭遇した時には前記障害物を検知し、前記障害物の検知結果を前記障害物の画像とともに前記地図生成装置に送信し、
前記地図生成装置は、
前記検知結果と前記画像とを受信するたびに前記検知結果と前記画像とを蓄積し、蓄積した複数の前記検知結果に基づいて変化点候補を決定し、決定した前記変化点候補が前記地図データを修正するべき変化点に該当するかどうかを、蓄積した前記画像に基づいて判定する請求項1に記載の地図生成システム。
【請求項3】
前記計測車両は、
自律走行のための地図データに従って経路を自律走行しているときに自己位置推定を実施し、前記自己位置推定に利用した特徴点を、前記特徴点の画像とともに前記地図生成装置に送信し、
前記地図生成装置は、
前記特徴点と前記画像とを受信するたびに前記特徴点と前記画像とを蓄積し、蓄積した複数の特徴点に基づいて前記経路の変化点候補を決定し、決定した前記変化点候補が前記地図データを修正するべき変化点に該当するかどうかを、蓄積した前記画像に基づいて判定する請求項1または請求項2に記載の地図生成システム。
【請求項4】
前記計測車両は、
自律走行のための地図データに従って経路を自律走行しているときに自己位置推定を実施し、前記自己位置推定に失敗した失敗地点を、前記失敗地点の画像とともに前記地図生成装置に送信し、
前記地図生成装置は、
前記失敗地点と前記画像とを受信するたびに前記失敗地点と前記画像とを蓄積し、蓄積した複数の失敗地点に基づいて前記経路の変化点候補を決定し、決定した前記変化点候補が前記地図データを修正するべき変化点に該当するかどうかを、蓄積した前記画像に基づいて判定する請求項1から請求項3の何れか1項に記載の地図生成システム。
【請求項5】
計測車両の移動履歴に基づいて、降雨または渋滞による遅れか否か、地図の更新対象エリアを全てまたは部分的に通過したか否かを判断し、ユーザへの課金情報を設定する請求項1に記載の地図生成システム。
【請求項6】
前記走行エリアは、サービスエリア、ホテルエリア、イベントホールエリア、展示場エリア、ショッピングエリア、レストランエリア、および駐車場エリアのうち、何れかもしくは複数を含む、
請求項1に記載の地図生成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、自律走行をする車両が使用する内蔵地図データを生成する地図生成システムおよび地図生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シニアカー、電動車椅子あるいは電動ベビーカーのような、電動により低速で走行する車両は、一般に、パーソナル・モビリティ・ビークル(以下PMV)と呼ばれる。PMVを自律走行させるために必要な要素は以下である。
(1)内蔵地図データ
内蔵地図データは、PMVに内蔵する地図データである。内蔵地図データは、点群地図、ベクトル地図、特徴点配置図などの.自己位置推定を行うための情報を持つ。
(2)経路情報
経路情報は、PMVが目的地まで走行するための情報である。経路情報は、内蔵地図データ上に設定された座標点の列、目標速度等付帯情報を含む。
(3)自己位置情報.
自己位置情報は、センサを利用した自己位置推定により得られるPMVの内蔵地図上のPMVの位置情報である。
上記の(1)(2)(3)の内、(3)自己位置情報はPMVの自律走行中にロケータ(自己位置標定装置)のようなセンサがリアルタイムで取得する。
(1)内蔵地図データと、(2)経路情報とは、PMVの自律走行前に、事前に作成しておく。
【0003】
特に(1)内蔵地図データを元に(2)経路情報が作成されるため、内蔵地図データを最初に作成、整備する必要がある。
内蔵地図データは、MMS(モービルマッピングシステム)のような専用システムで取得した計測データから作成される。
【0004】
内蔵地図データの整備は、不特定のオープンエリアの全域を専用の計測車両で計測して全域の地図を作成することは難しい。
従来技術には専用の計測車両を用いて計測データを計測する技術の開示がある(例えば、特許文献1)。
【0005】
しかし、特に住宅街のような道路が細分化され、かつ、PMVの自律走行の可能性の高い歩道を含むエリアを対象に、専用計測車両を使って上記オープンエリアの全域を網羅することは現実的に困難である。この場合、自律走行PMVのユーザが使用する経路について内蔵地図データを整備できず、PMVの自律走行ができなければ、自律走行可能なPMVの製品としての魅力が減る。また、内蔵地図作成には専門的処理を伴うため、PMV70ユーザ個人で内蔵地図データの作成可能な環境を構築するのは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示は、専用の計測車両を必要とせず、PMVのユーザにとって簡易な手段で内蔵地図データを作成できる地図生成システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る地図生成システムは、
共有の地図データを用いて自律走行の可能な複数の計測車両と、前記地図データを生成する地図生成装置とを備える地図生成システムにおいて、
前記計測車両は、
前記地図データを収集する地図更新対象の経路を含む走行経路に追従するように自律走行するか、もしくは前記計測車両に乗車するユーザに地図更新対象の経路を含む走行経路を提示し、
自律走行を予定する走行経路の周囲環境情報を計測することで前記経路の地図データの生成用の計測データを取得し、取得した前記計測データを前記地図生成装置に送信し、
前記地図生成装置は、
前記計測車両から送信された前記計測データに基づいて前記地図データを更新し、
さらに、
前記計測車両の利用者IDに対応したユーザ情報を管理するとともに、
ユーザの利用する前記計測車両により得られた計測データによる地図データの更新情報の生成量、前記計測車両の利用時間、ユーザの利用した走行経路の走行距離、ユーザの選択した走行経路の情報、のうちの何れかもしくは複数を含むユーザ利用に応じた前記計測車両の利用割引と、
前記ユーザ利用に応じた利用無料サービスと、
前記ユーザ利用に応じた前記計測車両の利用と、
前記ユーザ利用に応じた走行エリアの利用施設向けの利用ポイントと、
のうち、
何れかもしくは複数を含む、ユーザ優遇待遇情報と、
ユーザへの課金情報との、
少なくともどちらかを生成する管理部を備えている。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、管制装置200はデータ不足通知を送信するので、専用の計測車両を必要とせず、PMVのユーザにとって簡易な手段で内蔵地図データを作成できる地図生成システムを提供できる。また、地図生成システム10000、利用者識別情報に基づくPMVの利用に応じたユーザ優遇待遇の処理と、利用者識別情報に紐づくユーザに対する課金処理とを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態1の図で、PMV70の構成を示す図。
【
図2】実施の形態1の図で、管制装置200のブロック構成を示す図。
【
図3】実施の形態1の図で、経路計画部270による経路計画を示す図。
【
図4】実施の形態1の図で、管制装置200のハードウェア構成を示す図。
【
図5】実施の形態1の図で、地図生成システム1000におけるPMV70と管制装置200との動作を示すフローチャート。
【
図6】実施の形態1の図で、地図生成システム1000が、経路上に生じた変化点を検知するタイプ1の検出方式の動作フローチャート。
【
図7】実施の形態1の図で、地図生成システム1000が、経路上に生じた変化点を検知するタイプ2の検出方式の動作のフローチャート。
【
図8】実施の形態1の図で、PMV70の利用希望者によるサービス運用者の呼び出しおよびサービス運用者の対応を示す図。
【
図9】実施の形態1の図で、ユーザによる運用業者を呼び出す画面例を示す図。
【
図10】実施の形態1の図で、サービス運用業者における管制装置200の画面例を示す図。
【
図11】実施の形態1の図で、認証処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態の説明及び図面において、同じ要素及び対応する要素には同じ符号を付している。同じ符号が付された要素の説明は、適宜に省略又は簡略化する。以下の実施の形態では、「部」を、「回路」、「工程」、「手順」、「処理」又は「サーキットリー」に適宜読み替えてもよい。
【0012】
実施の形態1.
図1から
図11を参照して、実施の形態1の地図生成システム1000を説明する。地図生成システム1000は、地図データを用いて自律走行の可能な計測車両であるPMV70と、地図データを生成する地図生成装置である管制装置200とを備える。
【0013】
(地図生成システム1000の特徴)
実施の形態1の地図生成システム1000(
図2)の特徴は以下のようである。PMV70は、取得した計測データ71を管制装置200にアップロードする。管制装置200は、計測データ71に基づき内蔵地図データの作成処理を行う。PMV70は、自律走行で計測データ71を計測してもよいし、自律走行できない時は手動走行で計測データ71を計測してもよい。
(1)管制装置200は、受信した計測データ71を過去の同じ経路の計測データと合わせ、地図作成が可能なデータ量の状態か判定する。管制装置200は、データ量が不足している場合、PMV70にデータ不足を通知する。
(2)管制装置200は、PMV70の記録する障害物の検知ログを解析し、経路上で複数回、同じ地点で障害物が検知されている場合、その地点を変化候補と判定する。管制装置200は、変化点候補について、画像またはAI画像処理により、実際の変化の有無を判断する。
(3)管制装置200は、自己位置推定時に利用した特徴点情報、推定失敗地点情報から、長期間に渡り利用されていない特徴点、推定失敗が複数回発生する失敗地点を変化点候補として抽出する。管制装置200は変化候補点に対応付いている画像に基づき、変化点候補が実際の変化点かどうかを判定する。
【0014】
<PMV70の構成>
図1は、PMV70の構成を示す図である。PMV70は、少なくとも2つの駆動輪を含む4つの車輪と、少なくとも一人の人が着座可能な座席を有した車体を備えている。2つの前輪が操舵機構によって操舵可能な操舵輪、2つの後輪が駆動輪であっても良い。また2つの前輪がオムニホイール、2つの後輪がそれぞれ独立に順方向または逆方向に回転可能な駆動輪であっても良い。PMV70は、検知情報処理装置10、操作装置群20、監視センサ群30、走行制御装置50およびバッテリ60を備えている。検知情報処理装置10、操作装置群20、監視センサ群30、走行制御装置50およびバッテリ60は車体に搭載される。
検知情報処理装置10は、周辺認知部11、自己位置推定部12、経路決定部13、経路追従部14、追尾部15、格納装置16、高精度地
図17,認知インタフェース部18を備えている。認知インタフェース部18は、以下、認知IF部18と表記する。追尾部15は判別基準部15Aを備えている。高精度地
図17は、格納装置16に格納されている。高精度地
図17は内蔵地図データである。
操作装置群20は、車載側端末21とユーザ端末22を含む。車載側端末21にはタブレット端末、ユーザ端末22にはスマートフォンを用いることができる。車載側端末21は、PMV70に内蔵もしくは着脱可能に取り付けられている。ユーザ端末22は、PMV70を利用するユーザの所有物である。ユーザ端末22と車載側端末21は非接触近接通信もしくは信号ケーブルを介在した有線接続によって、互いに接続されている。
監視センサ群30には、前方カメラ31,ソナー32,ミリ波レーダ33およびライダー34を含む。
PMV70は、ロケータ40を備える。ロケータ40はGNSS受信器および加速度センサ、ジャイロセンサ等からなる慣性装置(IMU)を備えて、衛星航法および慣性航法を密結合した複合測位を行う自己位置標定装置である。ロケータ40は例えば座席周辺に配置される。
走行制御装置50は、速度制御部51、方向制御部52,情報取得部53および操作部54を備えている。速度制御部51と方向制御部52とは車体制御部55を構成する。
バッテリ60はPMV70の備える駆動装置のような機器に電力を供給する。
なお、PMV70は、ユーザ端末22または車載側端末21、車両操作部54での切換操作により、PMV70は手動移動で走行することも可能である。
【0015】
<認証部18A、21A,22A等>
車載側端末21、ユーザ端末22および認知IF部18は、認証部を備える。車載側端末21は、認証部21Aを備え、ユーザ端末22は、認証部22Aを備え、認知IF部18は、認証部18Aを備えている。
また、車載側端末21、ユーザ端末22および認知IF部18は、通信部を備える。車載側端末21は、通信部21Cを備え、ユーザ端末22は、通信部22Cを備え、認知IF部18は、通信部18Cを備えている。
【0016】
<ユーザ端末22>
ユーザ端末22の認証部22Aは、管制装置200との通信により、PMV70を利用するユーザの一時的な利用者識別情報(QRコード(「QRコード」は登録商標)、またはパスコード)を得る。ユーザ端末22は、「利用者識別情報に一時的に紐付いた利用者情報(決済情報)」に対応した管制装置200とのデータ処理により、PMV70の利用申し込みを受け付けるアプリケーションを有する。このアプリケーションは、PMV70の利用期間等の条件設定、PMV70の利用料金の処理、PMV70の手動/自律走行の切り替えも行う。
【0017】
<車載側端末21>
車載側端末21は、認証部21A,通信部21Cを有する。認証部21Aは、ユーザ端末22との通信、ユーザ端末22の画面情報の読み込み、および管制装置200との通信により、利用者識別情報(利用者ID)とPMV識別情報(PMVID)とを関連付ける利用認証を行う。通信部21Cは、管制装置200との通信により、管制装置200から送信される遠隔制御情報(制御指令、緊急通報情報、遠隔ON/OFF情報等)、安全停止操作情報を受信する。通信部21Cは、検知情報処理装置10の有する各種データを、利用者識別情報およびPMV識別情報に関連付けて、管制装置200に送信する。通信部21Cは、車載側端末21での「緊急通報情報」およびユーザの選択した「選択情報」を管制装置200に送信する。ここで「緊急通報情報」とは、以下の(a)から(d)のような場合に生成される。
(a)PMV70の操作部54に配置されている非常ボタンの押し下げ。
(b)PMV70の位置がPMV70のPMVIDに対応して設定された、地図上の制限区域に位置する場合。
(c)車両状態情報の有する電池残量情報が、PMV70の位置と目的地の間の走行距離に応じた電池消費量に満たなくなる場合。
(d)PMV70の位置が、高精度地
図17の侵入禁止区域に所在する、もしくは侵入禁止区域に接近する場合。
【0018】
<走行制御装置50>
走行制御装置50は、速度制御部51、方向制御部52、情報取得部53および操作部54を有する。速度制御部51と方向制御部52とは、車体制御部55を構成する。車体制御部55は、経路追従部14の生成する駆動情報に基づいて、PMV70の有する図示していない駆動装置を制御する。駆動装置はバッテリ60から電力が供給されてPMV70の車輪を駆動する。駆動装置は4輪駆動の場合は前輪および後輪、後輪駆動の場合は後輪、前輪駆動の場合は後輪を駆動する。速度制御部51は、PMV70の速度を制御する。方向制御部52は、PMV70の進行方向もしくは操舵方向を制御する。PMV70が操舵機構を有さない場合は例えば左右の後輪の回転トルク、回転速度および回転方向を変えて進行方向を左右に制御する。PMV70が操舵機構を有する場合は車輪の操舵方向を制御して進行方向を制御する。
情報取得部53は、車両であるPMV70の速度と、PMV70のON/OFFと、バッテリ情報とを含む車両状態情報を、車体制御部55およびバッテリ60から取得する。なおPMV70を車両と記載する場合がある。この実施の形態1で車両とはPMV70である。操作部54は、PMV70の有する操作スイッチもしくは管制装置200の送信する遠隔ON/OFF情報に基づいて、バッテリ60の電力ON/OFFの切り替え、および手動移動と自律移動との切り替えを実行する。
走行制御装置50は、安全停止操作情報を受け取った場合、安全停止操作情報に従ってPMV70を歩道または車道の安全な位置またはエリアに移動させて、PMV70を停車した後、PMV70の動作を停止する制御を行う。
【0019】
<監視センサ群30およびロケータ40>
PMV70は、PMV70の周囲環境情報を検知する監視センサ群30を有する。PMV70は監視センサ群30として、前方カメラ31、ソナー32、ミリ波レーダ33およびライダー34を備える。PMV70はロケータ40を備えている。ロケータ40は、PMV70の自己位置情報および車両速度情報を含むセンサ情報を検知する。
【0020】
<検知情報処理装置10>
図1に示すように、検知情報処理装置10は、周辺認知部11、自己位置推定部12、経路決定部13、経路追従部14、追尾部15、格納装置16、高精度地
図17、認知IF部18を有する。(1)周辺認知部11は、監視センサ群30の検知したセンサ情報に基づいて、
PMV70の周辺を認知する。
(2)自己位置推定部12は、ロケータ40が検知した自己位置情報および追尾部15が計算した追尾対象の位置情報に基づいて、PMV70の位置である自己位置を推定する。(3)経路決定部13は、監視センサ群30およびロケータ40、周辺認知部11、追尾部15、自己位置推定部12、情報取得部53、認知IF部18(追尾対象の位置情報、遠隔制御情報)の各情報、格納装置16の格納情報に基づいて、走行可否および走行計画経路(地図データ収集を要する地図更新向け経路を含む)に基づく走行経路を生成する。なお、後述する管制装置200の経路計画部270は、複数地点を接続して経路を複数生成する。一方、経路決定部13は、経路計画部270が生成した複数の経路から、適する経路を選択する。
(4)経路追従部14は、経路決定部13からの走行可否および走行経路に追従するように、駆動情報を生成する。
(5)追尾部15は、周辺認知部11で認知したPMV70の周辺の移動体および周辺の静止物(自己位置の判別基準部含む)を含む追尾対象を追尾する。
(6)格納装置16は、高精度地
図17と周囲環境情報とを含む格納情報を格納している。
(7)高精度地
図17はPMV70の自律移動に使用される内蔵地図である。
(8)認知IF部18は、車載側端末21の認証部21Aの利用認証に応じて、経路決定部13を起動する。そして、認知IF部18は、追尾部15で追尾した追尾対象の位置情報を推定し、自己位置推定部12に追尾対象の位置情報を送る。また、認知IF部18は、車載側端末21の遠隔制御情報を得る。
【0021】
<管制装置200の構成>
図2は、管制装置200のブロック構成を示す。
(1)データ管理部210は、車両情報(位置、速度)、動作ログ、PMV70からの緊急通報情報を格納・管理するとともに、内蔵地図データの生成、計測データに基づく内蔵地図データの更新および内蔵地図データの格納を行う。
(2)計測データ管理部220は、PMVIDに対応したセンサ情報、追尾対象の位置情報等の計測データを管理する。
(3)車両状態管理部230は、PMVからの故障情報、位置、状態、充電残量を管理するとともに、走行経路情報や経路追従状態を管理する。
(4)ユーザ管理部240は、利用者IDに対応したユーザ情報を管理するとともに、ユーザの利用(地図更新情報の生成量、PMVの利用時間、利用経路の走行距離、ユーザの選択した走行経路等)に応じたユーザ優遇待遇情報を生成する。
(5)課金管理部250は、PMVのユーザ情報端末との通信により、ユーザの利用許可に応じて許可条件を満足する間、一時的に利用者識別情報(テンポラリー利用者ID)を生成するとともに、利用者識別情報に一時的に紐付いた利用者情報(決済情報)に対応して課金処理を行う。課金処理は、ユーザのテンポラリー利用者IDに対応した利用者情報として、例えばカード情報に対応付いたカード会社のカード番号に基いて、利用者への課金を行う。
(6)タスク管理部260は、各管理部のタスクを管理する。
(7)経路計画部270は、出発地から目的地までの走行計画を入力し、走行計画経路(地図更新向け経路を含む走行予定経路の設定)の計画を立てる。
(8)遠隔操作支援部280は、PMVIDに対応して操作器の操作に基づく遠隔制御情報を生成し、センサ情報に基づきPMVIDに対応した位置情報を生成し、センサからのセンサ情報、地図、走行計画経路に基づきPMVへの遠隔制御情報、安全停止操作情報を生成する。また、遠隔操作支援部280は、センサ情報、制御情報に基づく緊急通報を発生し、PMVの走行支援情報を生成し、PMVIDに対応したセンサ情報を表示するとともに、PMVIDに対応した位置情報およびPMVからの緊急通報情報に基づく緊急状態情報を地図情報に対応付けて表示する表示装置を有する。
(9)セキュリティ通信部290は、PMVの通信装置にネットワーク回線により接続され、PMVの通信装置との間でPMVIDに対応したセンサ情報、遠隔制御情報、緊急通報情報を授受する。セキュリティ通信部290は、通話装置291を有する。
(10)管理コンピュータ310は、各管理部の入出力機能を有する。
【0022】
<データ管理部210の構成>
(1)データ管理部210は、内蔵地図データの作成に十分なデータ量を取得できるまで、計測車両(PMV70)による複数回の計測を待ち、取得できたデータをマージして使用する。
(2)データ管理部210は、計測データとして、PMV70の得た「自己位置標定情報の対応付け(計測時刻で対応付け)られた点群(ポイントクラウド)」と、画像とを使用する場合、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)による自己位置推定と環境地図作成の処理を行うことにより、PMV70の走行経路の情報を得る。
(3)データ管理部210は、計測データとして、高精度なGNSS受信機(ロケータ40)の測位情報を利用する場合、この測位情報から得られる自己位置情報を経路情報として利用する。
(4)データ管理部210は、計測データから変化の有無を確認することで、変化点を検出する。例えば、データ管理部210は、内蔵地図データと、PMV70によるリアルタイム計測データの食い違いからの分析、あるいは、PMV70の動作ログ(障害物による一時停止、回避が必ず発生する、など)からの分析により、変化点の候補地点である変化点候補を推定する。
【0023】
<経路計画部270の構成>
図3は、経路計画部270による経路計画を示す。
(1)経路計画部270は、地図更新を行いたい1つ、または、複数の「地図更新向け経路計画」を立てる。
(2)「地図更新向け経路」は、ユーザに提示してユーザを誘導しても良いし、無提示でも良い。無提示の場合、ユーザのPMV70が首尾よく経路を通過できた場合に地図が生成される。誘導する場合は、ユーザがあまり選択しない経路の地図を選択した方がポイントが高くなるようにすることで、ユーザメリットを与えて誘導的に満遍なく地図を生成することができる。
(3)経路計画部270は、遠隔操作支援部280と連動して、バッテリ60を更新対象エリア周辺のステーションに多く配給するバッテリ配給計画を立てる。なお、経路計画部270は、ステーションの周辺施設の関係者や来訪予定者に対応したバッテリ交換支援者を予め設けて記憶装置に格納しておくことにより、バッテリ配給や交換の作業またはバッテリ交換地点の目印を立てる作業を支援者に依頼するための依頼指示情報を生成し、情報端末を通じて支援者に依頼指示情報を配信し、支援者に作業を促すようにしても良い。
【0024】
<管制装置200のハードウェア構成>
図4は、管制装置200のハードウェア構成を示す。
図4を参照して管制装置200のハードウェア構成を説明する。管制装置200は、プロセッサ510を備える。管制装置200は、プロセッサ510の他に、主記憶装置520、補助記憶装置130他のハードウェアを備える。プロセッサ510は、信号線を介して、他のハードウェアと接続され、他のハードウェアを制御する。
【0025】
管制装置200は、機能要素として、データ管理部210、計測データ管理部220、車両状態管理部230、ユーザ管理部240、課金管理部250、タスク管理部260、経路計画部270,遠隔操作支援部280、セキュリティ通信部290を有する。これらの機能は、プロセッサ510がプログラムを実効することで実現される。
【0026】
プロセッサ510は、このプログラムを実行する装置である。プロセッサ510は、演算処理を行うIC(Integrated Circuit)である。プロセッサ510の具体例は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)である。
【0027】
主記憶装置520の具体例は、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)である。主記憶装置520は、プロセッサ510の演算結果を保持する。
【0028】
補助記憶装置130は、データを不揮発的に保管する記憶装置である。補助記憶装置130の具体例は、HDD(Hard Disk Drive)である。補助記憶装置130は、プログラムを記憶している。
【0029】
プロセッサ510は補助記憶装置530からプログラムを主記憶装置520にロードし、主記憶装置520からプログラムを読み込み実行する。
【0030】
プログラムは、データ管理部210、計測データ管理部220、車両状態管理部230、ユーザ管理部240、課金管理部250、タスク管理部260、経路計画部270,遠隔操作支援部280、セキュリティ通信部290の「部」を「処理」、「手順」あるいは「工程」に読み替えた各処理、各手順あるいは各工程をコンピュータに実行させるプログラムである。
【0031】
また、管制方法は、コンピュータである管制装置200がプログラムを実行することにより行われる方法である。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納されて提供されてもよいし、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
【0032】
また検知情報処理装置10もコンピュータである。ハードウェア構成は、管制装置200と同じである。周辺認知部11、自己位置推定部12、経路決定部13、経路追従部14、追尾部15、認知IF部18は、プロセッサ510がプログラムを実行することにより実現される。格納装置16は主記憶装置520あるいは補助記憶装置530によって実現される。走行制御装置50もコンピュータである。ハードウェア構成は、管制装置200と同じである。速度制御部51,方向制御部52,情報取得部53,操作部54はプロセッサ510がプログラムを実行することにより実現される。
【0033】
***動作の説明***
図5は、地図生成システム1000におけるPMV70と管制装置200との動作を示すフローチャートである。
図5を参照して地図生成システム1000の動作を説明する。
管制装置200は地図生成装置である。
管制装置200は、地図データを用いて自律走行の可能な計測車両であるPMV70の用いる地図データを生成する。PMV70は監視センサ群30およびロケータ40のようなセンサを備えるが、これらのセンサは、PMV70の自律走行用のセンサであり、地図生成のための計測用センサではない。
【0034】
<PMV70の作業>
ステップS101において、PMV70は、自律走行したい経路のスタート地点で手動移動での計測を開始し、計測データ71を取得する。PMV70は、目的地まで走行しながら計測データ71を取得する。計測データ71は、監視センサ群30およびロケータ40によって取得される。
【0035】
ステップS102において、PMV70は、手動運転によって目的地に到着したら計測を終了する。
【0036】
ステップS103において、PMV70は、計測終了後、計測データ71を管制装置200に送信する。具体的には、認知IF部18が、計測データを、車載側端末21の車載側端末21を介して管制装置200に送信する。後述するステップS106の判定結果によって、管制装置200から、データ不足通知または自律走行データが配信される。データ不足通知が出た場合、別途ステップS101からステップS103を、後述の自律走行データが配信されるまで繰り返す。
【0037】
<管制装置200の作業>
ステップS104において、管制装置200のセキュリティ通信部290が、PMV70から計測データ71を受信する。
つまり、受信部であるセキュリティ通信部290は、自律走行を予定する経路を計測することでこの経路の地図データの生成用の計測データを取得し、取得したこの計測データを送信する計測車両であるPMV70から送信された計測データを受信する。
【0038】
ステップS105において、データ管理部210が、受信した計測データ71を蓄積する。
【0039】
ステップS106において、データ管理部210は、受信した計測データ71を、すでに蓄積している過去の同じ経路の計測データとマージすることにより、地図作成が可能なデータ量の状態か判定する。十分であれば処理はステップS107に進む。データ量が不足している場合、処理は、ステップS111に進む。
つまり通知送信部であるデータ管理部210は以下の処理をおこなう。データ管理部210は、受信部であるセキュリティ通信部290が計測データを受信した場合には、すでに蓄積されている経路の計測データである経路蓄積データと、受信した計測データとの全体が、この経路の地図データの生成可能なデータ量の状態にあるかどうかを判定する。データ管理部210は、この全体が経路の地図データの生成可能なデータ量の状態にないと判定した場合には、計測車両であるPMV70に対して、データ量の不足を通知するデータ不足通知を送信する。
【0040】
ステップS111では、データ管理部210は、セキュリティ通信部290を介して、PMV70の車載側端末21に、データ不足を通知する。
【0041】
ステップS107において、データ管理部210は、計測データ71から内蔵地図データを作成する。この内蔵地図データは高精度地
図17である。
【0042】
ステップS108において、経路計画部270は、内蔵地図データ上の経路データを作成する。
【0043】
ステップS109において、データ管理部210は、内蔵地図データと、経路計画部270の生成した経路データとをパッケージ化し、自律走行データを生成する。つまり、自律走行データは内蔵地図データと経路データとを含むデータである。
【0044】
ステップS110において、データ管理部210は、自律走行データを、セキュリティ通信部290を介してPMV70に配信する。
【0045】
<変化点検出 タイプ1>
図6は、地図生成システム1000が、経路上に生じた変化点を検知するタイプ1の検出方式の動作のフローである。
図6を参照して変化点の検知を説明する。
【0046】
<PMV70の作業>
ステップS201において、PMV70は、自律移動を開始する。
【0047】
PMV70の周辺認知部11は、障害物を検知した場合、検知ログを記録する(ステップS202、S203)。検知ログは、障害物を検知した位置、時間および障害物の画像データを含む。また周辺認知部11は、PMV70の動作ログを記録する。動作ログは、障害物による一時停止、回避のような情報を含む。動作ログの元になる情報は、自己位置推定部12からの位置情報、経路追従部14を介して操作部54から取得する情報から生成する。
【0048】
ステップS204で、PMV70は、自律走行を終了する。PMVの自律走行の終了後、ステップS205において、PMVの周辺認知部11は、適切なタイミングで、動作ログおよび検知ログを、認知IF部18および通信部21Cを介して、管制装置200に送信する。
【0049】
<管制装置200の作業>
ステップS206において、管制装置200のセキュリティ通信部290は、PMV70から送信された動作ログおよび検知ログを受信する。
つまり、受信部であるセキュリティ通信部290は、計測車両であるPMV70から、PMV70が自律走行のための地図データに従って経路を自律走行しているときに障害物に遭遇してこの障害物を検知した検知結果をこの障害物の画像とともに受信する。
【0050】
ステップS207において、データ管理部210は、PMV70から送信された動作ログ、検知ログを受信し、ステップS207で、受信した動作ログ、検知ログを蓄積する。
【0051】
ステップS208において、データ管理部210は、検知ログを解析し、変化点候補があるか判定する。ここでは経路上で複数回、同じ地点で障害物が検知されているものを変化候補とする。データ管理部210は、変化点候補がある場合、検知ログの含む障害物の画像により、実際に変化が起きているかいないかを判断する。データ管理部210が、変化が起きていいなと判断した場合は、処理はステップS206に戻る。
知送信部であるデータ管理部210は、検知結果と障害物の画像とを受信するたびに検知結果と障害物の画像とを蓄積する。データ管理部210は、蓄積した複数の検知結果に基づいて変化点候補に決定する。データ管理部210は、決定した変化点候補が地図データを修正するべき変化点に該当するかどうかを、蓄積した障害物の画像に基づいて判定する。
【0052】
ステップS209において、データ管理部210は、実際に変化がある場合は、変化が起きていると判定した変化点候補を変化点情報として格納装置16に登録する。データ管理部210は、最終的には、登録してある複数の変化点情報を用いて更新対象エリアを決定し、PMV70に計測を実行させて内蔵地図データの更新を行う。
【0053】
<変化点検出 タイプ2>
図7は、地図生成システム1000が、経路上に生じた変化点を検知するタイプ2の検出方式の動作のフローである。
図7を参照して変化点の検知を説明する。
【0054】
ステップS301において、PMV70は高精度地
図17を用いた自律走行を行う。
【0055】
ステップS302において、検知情報処理装置10の自己位置推定部12は、自己位置推定に利用した特徴点を記録して格納装置16に格納する。
【0056】
ステップS303において、自己位置推定部12、自律走行中、自己位置推定に失敗した地点を記録して対応する画像とともに格納装置16に格納する。また、自己位置推定部12は、自己位置推定に失敗した時の時刻、画像データを格納装置16に保存する。自己位置推定部12は、画像のような計測データ71を周辺認知部11から取得する。なお、ステップS302とステップS303については、ステップS303がステップS302によりもはやく起きることもあるし、両者が同時に起こることもある。
【0057】
ステップS304でPMV70は自律走行し、ステップS305において、自律走行終了後、PMV70では、認知IF部18によって、適切なタイミングで、格納した特徴点情報および推定失敗情報を、車載側端末21を介して管制装置200に送信する。特徴点情報および推定失敗情報は、特徴点に対応付いた画像、失敗地点に対応付いた画像を含む。
【0058】
<管制装置200の作業>
ステップS306において、セキュリティ通信部290は、PMV70から送信された特徴点情報および推定失敗情報を受信する。
受信部であるセキュリティ通信部290は、計測車両であるPMV70が自律走行のための地図データに従って経路を自律走行しているときに実施した自己位置推定に利用した特徴点を、特徴点の画像とともに受信する。
受信部であるセキュリティ通信部290は、計測車両であるPMV70が自律走行のための地図データに従って経路を自律走行しているときに実施した自己位置推定に失敗した失敗地点を、失敗地点の画像とともに受信する。
【0059】
ステップS307において、データ管理部210は、特徴点情報および推定失敗情報を蓄積する。
【0060】
ステップS308において、データ管理部210は、特徴点情報と推定失敗情報とを用いて変化点候補を抽出する。変化点候補は、以下とする。長期間に渡って利用されていない特徴点は、変化点候補である。推定失敗が複数回発生する地点は、変化点候補である。データ管理部210は、変化点候補がある場合、画像等により実際に変化が起きているかいないかを判断する。
つまり、通知送信部であるデータ管理部210は、特徴点と特徴点の画像とを受信するたびに特徴点と特徴点の画像とを蓄積し、蓄積した複数の特徴点に基づいて経路の変化点候補を決定する。データ管理部210は、決定した変化点候補が地図データを修正するべき変化点に該当するかどうかを、蓄積した複数の特徴点の画像に基づいて判定する。
また、通知送信部であるデータ管理部210は、失敗地点と、失敗地点の画像とを受信するたびに失敗地点と、失敗地点の画像とを蓄積し、蓄積した複数の失敗地点に基づいて経路の変化点候補を決定する。データ管理部210は、決定した変化点候補が地図データを修正するべき変化点に該当するかどうかを、蓄積した複数の失敗点の画像に基づいて判定する。
ステップS308の処理では、特徴点を用いる場合と、失敗地点を用いる場合を説明したが、特徴点と、失敗地点とは、両方を用いてもよいし、いずれか一方を用いてもよい。
【0061】
ステップS309において、データ管理部210は、実際に変化がある場合は変化点情報を記憶装置に登録する。変化点がない場合は、処理はステップS306に戻る。
最終的には、データ管理部210は、集めた変化点情報を用いて更新対象エリアを決定し、PMV70への計測指示を行い、PMV70から計測データが得られた場合、内蔵地図データを更新する。
【0062】
<***実施の形態1の効果***>
PMV70のユーザがPMV70の利用時に、(a)計測データの収集、(b)障害物の検知ログの収集、(c)自己位置推定に関して特徴点データまたは失敗地点の収集、が可能となる。また(a)計測データの収集では、管制装置200はデータ量が不足の場合は、PMV70に通知をする。すなわち、大きなデータ量を一度には収集できない通常のPMV70を用いても、PMV70へ不足通知を送信するたび、管制装置200は、PMV70から計測データを取得できる。よって、計測専用のPMVまたはMMSを用いることなく計測データを収集できる。
また、内蔵地図データ作成については、PMV70の手動運転による計測データの蓄積、地図/経路情報の作成が可能になる。これにより、PMV70の自律走行が可能な経路を増やすことが出来る。
データ管理部210が作成した内蔵地図データおよび経路計画部270が作成した経路情報は、管制装置200が配信することで、複数のPMV70で共有し、利用可が能となる。
複数のPMV70と、管制装置200とからなる地図生成システム1000により、PMV70の自律移動のための内蔵地図データの作成が能動的に実行できる仕組みを導入できる。このため、自律移動機能を持ちながら内蔵地図データが無いために自律移動ができないという、PMV70の自律走行機能の価値喪失を軽減できる。
データ管理部210は、変化点を検出する。よって、変化の発生による自律走行可能エリアの減少、一時停止あるいは回避行動による移動時間の増加、などのリスクを軽減し、自律移動の可能なPMV70な製品価値を高める効果がある。
PMV70では、車載側端末21は、認証部21Aを備えている。利用者識別情報(利用者ID)は利用後に車載側端末21から消去することで、PMV70に個人情報が残存しない一時的な認証を行うことで個人情報を保護できる。
判別基準部15Aは、自己位置について、正確な自己位置確認を行う。よって、位置標定の誤差を確認できる。
PMV70は、管制装置200から遠隔制御を受ける。つまり、PMV70は、計測データ71の収集のみならず、内蔵地図データに存在しない障害物情報、突発事象に対する走行停止情報あるいは緊急通報情報のような各種情報に基づく遠隔制御を、管制装置200から受けることが可能である。この遠隔制御によって、PMV70は走行安全を確保できる。
地図生成システム1000では、利用者識別情報に基づくPMVの利用(地図更新情報の生成量、PMVの利用時間、利用経路の走行距離等)に応じたユーザ優遇待遇(PMVの利用割引、無料サービス、PMV利用およびPMVの走行エリアの利用施設向けの利用ポイント等)を受けることができる。
【0063】
補足として、
図8、
図9、
図10を参照し、利用サービス例1、利用サービス例2、利用サービス例3、および利用サービス例4を説明する。
図8は、PMV70の利用希望者によるサービス運用者の呼び出しおよびサービス運用者の対応を示す図である。
図9は、ユーザによる運用業者を呼び出す画面例である。
図10は、サービス運用業者における管制装置200の画面例である。
図11は、認証処理のフローチャートである。
【0064】
以下のステップS401からステップS40408は認証処理である。以下では、ユーザ端末22と車載側端末21との間の認証による個人認証、PMV利用相互確認が行われる。
【0065】
<ステップS401>(ユーザ端末22)
ステップS302において、ユーザ端末22が、管制装置200のセキュリティ通信部290とネットワークを介したSSL通信により、会員専用の認証用コード、「乗り場,行先,利用時間」を送り、PMV70の利用を申請する。
【0066】
<ステップS402>(管制装置200)
ステップS402において、管制装置200のセキュリティ通信部290は、申請の受付により、各PMV70の配置されているそれぞれの車載側端末21に、呼び掛け信号を同報通信する。
【0067】
<ステップS403>(車載側端末21)
車載側端末21は、呼び掛け信号を受信すると、PMV車体の認知IF部18との通信により、PMV車体が正しい車体であること、PMV車体の充電状態、位置、動作状態を確認し、管制装置200に、車載側端末21の車載側端末1Dを送信してSSL通信を開始する。
【0068】
<ステップS404>(管制装置200:配車)
ステップS40において、管制装置200のデータ管理部210は、各車載側端末21から車載側端末21が搭載されているPMV70の充電状態、PMV70の位置およびPMV70の動作状態を取得する。データ管理部210は、車載側端末21から受信した情報を確認し、充電状態が「行先,利用時間」を満足し、かつ、PMV70の位置に近い「乗り場」に最も近い車載側端末21の車載側端末IDに関連付いているPMV70を配車予定のPMVと決定する。なお、PMV70の充電状態が満足しない場合であっても、乗換、充電や電池交換で対応可能な場合は配車予定のPMV70と決定する。なおPMV70を識別するPMVIDと、PMV70に搭載されている車載側端末21を識別する車載側端末IDとは、関連付いている。管制装置200のデータ管理部210は、利用者IDとしてのQRコード(「QRコード」は登録商標)または認証コード(個人を割り出せない一時的な利用者認証コード)と、配車予定のPMV70Aに搭載されている車載側端末21の車載側端末IDに関連付いているPMV70Aの車体番号とをユーザ端末22に返信する。
【0069】
<ステップS405>(ユーザ端末22、車載側端末21)
ステップS405において、ユーザ82は、ユーザ端末22に表示される利用許可されたPMV車体番号を目視確認する。ユーザ82は、許可された車体番号のPMV70Aの車載側端末21に対し、ユーザ端末22を用いて利用者認証コードの画面を提示または非接触通信により利用者認証コードを車載側端末21に送信する。車載側端末21は、SSL通信により、利用者認証コードと車載側端末IDを管制装置200に送信する。
【0070】
<ステップS406>(管制装置200)
ステップS406において、管制装置200のデータ管理部210は、予約または利用の申請を受け付けた正しいユーザ端末22であることを確認し、車載側端末21に認証OKを返信する。
【0071】
<ステップS407>(車載側端末21)
ステップS407において、車載側端末21は、管制装置200からの認証OKの受信により、相手が正しいユーザ端末22であることを確認する。
【0072】
<ステップS408>
ステップS408において、管制装置200のデータ管理部210は、セキュリティ通信部290を介してユーザ端末22に認証OKを返信し、ユーザ端末22は相手が正しい車載側端末21であることを確認する。
【0073】
以上の認証処理により、ユーザ端末22とPMVが関連付けられ、PMV70Aが起動する。
【0074】
PMV70の備えるセーフティバーの可動、車載側端末21とユーザ端末22との通信、赤外線感知器、LiDARあるいは重量センサで、ユーザのPMV70への着座を、例えば周辺認知部11あるいは車載側端末21は確認できる。ユーザが着座すると、PMV70はアクティブモードとなる。また、PMV70Aの起動後、設定されている設定時間以内にユーザが着座しない場合は、PMV70Aは、待機モードとなる。
管制装置200の課金管理部250は、アクティブモードに変化した後の利用時間A、移動距離(自己位置変化の積算値)B、管制装置200で生成した更新地図の量C(地図のデータ量、更新対象エリア内の走行時間・距離)のような情報に基づいて、ユーザ82に対して課金を行う。
例えば、課金管理部250は、
A×α(係数)+B×β (係数)-C×γ (係数)、の式によって、課金する。
【0075】
ユーザの利用(制限)時間が過ぎた場合、あるいは目的地に到達した場合、PMV70Aは停止する。PMV70Aが停止し、ユーザ82のPMV70Aからの離脱が確認された場合は、PMV70Aは、待機モードに入る。ユーザ82の離脱は、着座と同様の装置で確認できる。待機モードでは、ユーザ端末22が、再度、利用者認証コードを車載側端末21へ送信するによって、PMV70Aは、再び、アクティブモードに変化する。
【0076】
管制装置200からの指示により、PMV70から別のPMV70Aに乗換(電池交換、充電または停車時間を利用した配車交換)の場合、管制装置200のデータ管理部210は、セキュリティ通信部290を介して、ユーザ端末22に乗換先のPMV車体番号を連絡する。ユーザ82は、ユーザ端末22により、乗換するべきPMV70の車載側端末21に、利用者認証コードを提示または送信し、PMV70に乗り換える。
【0077】
管制装置200のユーザ管理部240は、車載側端末21の利用者認証コードから、車載側端末21のユーザ82のPMV利用時間内での他の施設の利用履歴を取り、図示していない利用データベースに保管する。ユーザ82の利用履歴は、購入商品、食事オーダ、利用施設名などである。利用履歴は一時的なデータとして暗号付きで一時保存し、履歴収集後、即座に消去する。利用者認証コードは、サービスエリア81内に限り一時的に利用可能な決済情報として利用される。利用データベースでの利用履歴は、個人情報を保護するため、ランダムな利用履歴収集用IDを取り、利用者認証用コードは記録保存しない。会員専用の認証用コードと利用者認証コードは一時的に関連付けられる。利用者認証コードの決済情報から、会員専用の認証用コードに対応したカード情報により、一括してカード決済が実施される。例えば、利用者認証コードを、サービスエリア81で共通の一時的な共通パスとして利用する。
各お店や施設での決済は、共通パスを利用して管制装置200の課金管理部250が決済し、ユーザ82は関連付けされたカードにより、管制装置200の課金管理部250に対して一括決済する。利用者認証コードは、サービスエリア81への来訪の都度変わる。また、ユーザ82は、利用の度に対価ポイントが付く、または割引されるので、共通パスの利用に、ユーザメリットがある。また、課金管理部250は、生成した地図の量や地図更新対象エリア内の走行時間・距離に応じて、更に対価ポイントを加算することができる。これによって、ユーザ82の各施設での利用履歴について、管制装置200のユーザ管理部240が、個人情報を秘匿した状態で共通パスによって、データ収集することができる。
【0078】
<利用サービス例2>
以下に利用サービス例2を説明する。
PMV70は、N=10台以上、M=5か所以上のステーション間の移動に利用するものとする。以下の例ではM=5とする。
<配備:ステーション(M:5か所以上)>
(1)ホテルエリアのステーションM1、
(2)イベントホールエリアまたは展示場エリアのステーションM2。
(3)ショッピングエリアのステーションM3。
(4)レストランエリアのステーションM4。
(5)駐車場エリアのステーションM5。
<通常時のPMV70の配備:ステーションM1~M5に待機>
N台(N:10台以上)のPMV70の配分.
N台/Mステーション⇒10台/5ステーション=2.
<配備常設数の重み付け>
(1):P1=0.2
(2):P2=0.2
(3):P3=0.3
(4):P4=0.2
(5):P5=0.1
(ΣPi=1)
Piのiと、ステーションMiのiとは、関連付いている。管制装置200のデータ管理部210は、PMV70の呼び出し頻度(pi)に応じて、配備の重みPiを変更する。上記の例は、ショッピングエリアのステーションM3での呼び出しが多く、駐車場のステーションM5からの呼び出しが少ない例を示す。
配車と重み付けの関係は以下のようである。PMV70はユーザ2のユーザ端末22からの呼び出しを受けて、近いステーションMi、または配備台数の多いステーションMiから、ユーザにPMV70が配車される。管制装置200のデータ管理部210は、ユーザ82への配車により台数の減ったステーションについて、近くのステーションから順次隣接するステーションに、波及的にPMVを自律移動させる。これにより、管制装置200のデータ管理部210は、各ステーションのPMV70の常設数(計画値)に近づくようにPMV70の現実の配置数を調整する。
管制装置200のデータ管理部210は、配車予約や利用実績に基づき、ある時間単位でPMV70の常設数mi(Σmi=M)の重みを可変する。管制装置200のデータ管理部210は、予約者の待ち時間が最少、稼働台数が最大となるように、適宜バランスを取りながら配備台数を可変調整する。管制装置200のデータ管理部210は、内蔵地図データの更新対象エリアでは、ユーザ82からの呼び出し頻度を推定し、重みPiを上げる。例えば、過去の利用実績や、単位時間当たりの呼び出し数の増加量Δに基づいて、データ管理部210重みづけを変更する。管制装置200のデータ管理部210は、ユーザへの対価ポイントを可変し、対価ポイントが多い時は重みづけを大きくする。また、ユーザからの地図更新のための利用のリクエストがある場合、データ管理部210は、リクエスト実績や状況に基づいて重みづけを更に上げる。
【0079】
<利用サービス例3>
以下に利用サービス例3を説明する。利用サービス例3は、バッテリ交換と充電の切り分けで臨機に対応する例である。
【0080】
<各車の充電状況確認>
この例3では、各ステーションMiまたはその周辺に、充電またはバッテリ交換場所が設置されている。各PMV70は、所属するステーションMiでの待機状態の間は充電する。
電池容量が20%を切る場合、稼働率が高い場合はバッテリ交換で対応する。稼働率が低いPMV70の場合は優先的に待機状態とする。場合によって、周辺の待機PMVと乗換交換する。
管制装置200の車両状態管理部230は、電池容量が20%よりも大きい場合、行先の途中で20%を切るか否かをチェックする。管制装置200の車両状態管理部230は、電池容量が20%を切ることが予想される場合は、別のPMV70を優先配車するか、事前にバッテリ交換するべき警告を発するか、途中で待機している別のPMVへ乗り換えるか、ユーザ82の予定から途中で充電が可能かを確認する。
管制装置200の車両状態管理部230は、バッテリ不足が予想される場合、事前に自律移動して充電しても良い。充電ステーション付近のお店とサービス運用業者とが提携し、ユーザ端末22で協力者にPMVの到達(予想到達時間含む)を通知した場合に、自律移動先の充電ステーションで、通知した協力者が、バッテリボックスから充電済バッテリを抜き出し、バッテリ交換する。
【0081】
地図の更新対象エリアでは、エリア内に特設の充電ボックスまたはバッテリ交換所を配備する。また、周辺のステーションに充電済の交換バッテリを通常よりも多く配備する。交換バッテリの配備数は、ユーザからの呼び出し頻度を推定して設定する。例えば、過去の利用実績や、単位時間当たりの呼び出し数の増加量Δに基づいて交換バッテリの配備数を可変する。
ユーザへの対価ポイントを可変し、対価ポイントが多い時は交換バッテリの配備数を大きくする。また、ユーザからの地図更新のための利用のリクエストがある場合、リクエスト実績や状況に基づいて配備数を更に上げる。
【0082】
<利用サービス例4>
以下に利用サービス例4を説明する。利用サービス例4は、PMV70の目的地移動に関する。
【0083】
<PMV70の自律移動>
PMV70の走行制御装置50は、PMV70がアクティブになった後、予め設定した行先または利用時間内でPMVを自律移動する。
【0084】
<自律移動におけるデータの設定及び変更>
PMV70の自律移動において、PMV70では、行先までの立ち寄り地、立ち寄り時間、地図の更新対象エリア、予想される地図の計測時間に基づく計測予定時間を、車載側端末21で設定、変更可能である。
【0085】
<PMV70の手動移動>
ユーザ端末22や車両操作部54での手動移動と自律移動とを切り換える切換操作により、手動操作によるPMVの走行可能である。
【0086】
<手動走行時の誘導経路の案内>
PMV70では、手動運転の場合は、車載側端末21の画面や音声のガイダンスにより誘導経路を行う。PMV70は、画面や音声の誘導経路に従って手動運転が可能である。
【0087】
<立ち寄り地、更新対象エリアの提案>
PMV70の立ち寄り地、または地図の更新対象エリアについては、車載側端末21が、行先または利用時間を、管制装置200に照会とともに送信し、推奨地や地図の更新対象エリアを管制装置200から受信し、ユーザ端末22に表示し提案する。PMV70は、提案にそって、立ち寄り地や地図の更新対象エリアを経由して目的地まで移動してもよい。
【0088】
<立ち寄り地、更新対象エリアのPMV70側での変更>
PMV70では、目的地への移動の途中で、立ち寄り地や、地図の更新対象エリア、または立ち寄り時間や、計測予定時間を変更する場合、車載側端末21で事前に変更可能である。
【0089】
<立ち寄り地での時間超過の課金>
管制装置200のデータ管理部210は、交通事情やユーザの都合で、PMV70について、立ち寄り地での立ち寄り時間、または、地図の更新対象エリアでの計測予定時間が予定時間を過ぎた場合には、PMV70の位置から次の立ち寄り地、または目的地までの所要時間と、予想充電状態を計算する。管制装置200のデータ管理部210は、再計算された所要時間が、申し込みした利用制限時間を過ぎる場合には、以下のように処理する。データ管理部210は、再計算された所要時間の超過理由が交通事情の時は無料とするように課金管理部250に無料選択情報を送信する。課金管理部250は無料選択情報を受けるとユーザ82に対して利用代金0円の課金処理を行う。データ管理部210は、再計算された所要時間の超過理由がユーザの都合による場合は有料で超過料金を発生させるように課金管理部250に超過料金情報を送信する。課金管理部250は超過料金情報を受けるとユーザ82に対して超過料金情報に示される超過金額の課金処理を行う。管制装置200のデータ管理部210は、交通事情については、経路上に配置されているカメラ、歩行者感知センサ、またはPMV70の移動履歴から、降雨、渋滞等による遅れか否か、地図の更新対象エリアを全てまたは部分的に通過したか否かを判断する。
【0090】
<時間超過による配車予定の不整合>
利用時間延長により、配車予定に不整合が発生する場合、PMV70は延長が推測された時点または時間経過後に最寄りのステーションで停止する。
【0091】
<超過料金の一部返還>
管制装置200のデータ管理部210は、時間延長が渋滞等による遅れの場合はユーザ82に対する差額料金を返還するように課金管理部250に差額返金情報を送信する。課金管理部250は差額返金情報を受けると差額料金を返還するように課金処理を行う。遅れがユーザの都合による場合は差額返金情報を送信せず、ユーザ82へ差額を返還しない。降雨による場合は、他のPMVも稼働不能のため、課金管理部250は差額料金を返還する。ユーザ82を拾うMaaSの予約手配や、付近の施設の利用推奨や予約手配を、データ管理部210が行う。
【0092】
<移動経路について>
PMV70は、移動中においては、出発点から次の地点までの間で、人流状態に応じて求められた走行経路に沿って走行する。人流が密の時は走行可能経路を絞り、人流が疎の時は走行可能経路を増やす。PMV70の移動中は、ユーザ82は、車載側端末21の操作により、走行可能経路から、走行する走行経路を選択する。ユーザ82は、例えば右、左のボタンで、経路を現在経路から左右の隣接経路に変更する。経路変更により目的地までの到達時間が変わるので、制限時間を超える可能性が生じた場合は、最短経路のみの走行に変更する。勿論、手動操作による移動に変更しても良いし、手動操作から自律走行に変更しても良い。手動操作と自律走行で料金体系を変えても良い。
【符号の説明】
【0093】
10 検知情報処理装置、11 周辺認知部、12 自己位置推定部、13 経路決定部、14 経路追従部、15 追尾部、15A 判別基準部、16 格納装置、17 高精度地図、18 認知IF部、19 計測データ生成部、20 操作装置群、21 車載側端末、21A 認証部、21C 通信部、22 ユーザ端末、22A 認証部、22C
通信部、30 監視センサ群、31 前方カメラ、32 ソナー、33 ミリ波レーダ、34 ライダー、40 ロケータ、50 走行制御装置、51 速度制御部、52 方向制御部、53 情報取得部、54 操作部、55 車体制御部、60 バッテリ、70 PMV、71 計測データ、80 ステーション、81 サービスエリア、82 ユーザ、200 管制装置、210 データ管理部、220 計測データ管理部、230 車両状態管理部、240 ユーザ管理部、250 課金管理部、260 タスク管理部、270 経路計画部、280 遠隔操作支援部、290 セキュリティ通信部、291 通話装置、310 管理コンピュータ、510 プロセッサ、520 主記憶装置、530 補助記憶装置、1000 地図生成システム。