(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-04
(45)【発行日】2025-07-14
(54)【発明の名称】タービンダンパ
(51)【国際特許分類】
F01D 5/16 20060101AFI20250707BHJP
F01D 25/06 20060101ALI20250707BHJP
【FI】
F01D5/16
F01D25/06
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020197055
(22)【出願日】2020-11-27
【審査請求日】2023-11-15
(32)【優先日】2020-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 8, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100151286
【氏名又は名称】澤木 亮一
(72)【発明者】
【氏名】スガルガヤ・チャクラバルティ
(72)【発明者】
【氏名】チン・リー
【審査官】家喜 健太
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-163789(JP,A)
【文献】実開昭54-029201(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2013/0280045(US,A1)
【文献】特開昭51-051618(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0276457(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0038734(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 5/00
F01D 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービンダンパ(412)であって、当該タービンダンパ(412)が、
タービンブレード(124)の内側に適合するサイズでかつタービンブレード(124)に直接結合する細長本体(414)であって、前記細長本体(414)が、前記タービンブレード(124)の回転軸に対して前記タービンブレード(124)の半径方向に沿って伸長しており、前記半径方向に前記細長本体(414)の長さの別々の部分をなす前記細長本体(414)の異なるセグメント(426,428,432,434)が異なる直径を有するように、前記細長本体(414)が複数の段差面(430A~C)を有している、細長本体(414)と、
前記細長本体(414)に結合し、かつ前記半径方向に沿った異なる場所に配置された減衰マス(420A~C)であって、前記減衰マス(420A~C)が、前記タービンブレード(124)の異なる振動モードを減衰させるサイズにされて位置決めされるか、或いは前記半径方向に前記細長本体(414)に対して、及び前記細長本体(414)に沿って移動可能である、減衰マス(420A~C)と
を備える、タービンダンパ(412)。
【請求項2】
前記減衰マス(420A~C)が、前記細長本体(414)の周りに延び、前記半径方向に前記細長本体(414)に対して、及び前記細長本体(414)に沿って移動可能な環状本体である、請求項1に記載のタービンダンパ(412)。
【請求項3】
前記減衰マス(420A~C)の前記場所が、前記タービンブレード(124)の前記半径方向に沿った第1の場所であり、
前記タービンブレード(124)の前記半径方向に沿った異なる第2の場所で前記タービンブレード(124)内に配置されたマスストッパ(422A~C)であって、前記タービンブレード(124)内に位置決めされて前記減衰マス(420A~C)と係合し、前記半径方向に沿った前記減衰マス(420A~C)の半径方向の移動を停止するマスストッパ(422A~C)
をさらに備える、請求項1又は請求項2に記載のタービンダンパ(412)。
【請求項4】
前記マスストッパ(422A~C)の各々が、前記タービンブレード(124)内に位置決めされて前記減衰マス(420A~C)の異なる減衰マスと係合し、前記減衰マス(420A~C)の前記異なる減衰マスの前記半径方向の移動を停止する、請求項3に記載のタービンダンパ(412)。
【請求項5】
前記減衰マス(420A~C)の前記環状本体が、前記環状本体が前記細長本体(414)の異なるセグメント(426,428,432,434)にわたって適合するように、異なるサイズの穴を有する、請求項
2に記載のタービンダンパ(412)。
【請求項6】
前記減衰マス(420A~C)が、前記回転軸の周りの前記タービンブレード(124)の回転の前に、前記半径方向に沿って前記細長本体(414)の半径方向内側端部の近くに配置され、前記減衰マス(420A~C)が、前記回転軸の周りの前記タービンブレード(124)の前記回転中、前記半径方向に沿って前記細長本体(414)の前記半径方向内側端部からさらに遠くに配置される、請求項1又は請求項2に記載のタービンダンパ(412)。
【請求項7】
前記減衰マス(420A~C)が、振動数調整用のサイズにされるか、或いは摩擦減衰を生成する接触荷重を提供する、請求項1に記載のタービンダンパ(412)。
【請求項8】
前記各減衰マス(420A~C)の各々のサイズが、前記それぞれの減衰マスの前記場所で前記タービンブレード(124)が経験する前記振動モードに部分的に基づく、請求項7に記載のタービンダンパ(412)。
【請求項9】
前記減衰マス(420A~C)の摩擦面が、前記タービンブレード(124)のスパン方向に垂直に位置決めされるように構成される、請求項7に記載のタービンダンパ(412)。
【請求項10】
前記減衰マス(420A~C)が、前記細長本体(414)に沿った位置に固定される、請求項1又は請求項2に記載のタービンダンパ(412)。
【請求項11】
前記細長本体(414)が、第1の細長本体(414)であり、前記減衰マス(420A~C)が、第1のセットの減衰マス(420A~C)であり、前記タービンブレード(124)が、第1のタービンブレード(124)であり、
第2のタービンブレード(124)内に適合するサイズの第2の細長本体(414)であって、前記第2のタービンブレード(124)の回転軸に対して前記第2のタービンブレード(124)の半径方向に沿って伸長する第2の細長本体(414)と、
前記第2の細長本体(414)に結合し、かつ前記第2のタービンブレード(124)の前記半径方向に沿った異なる場所に配置された第2の減衰マス(420A~C)であって、前記第2の減衰マス(420A~C)が、(a)前記第1のタービンブレード(124)の前記半径方向に沿った前記第1のセットの減衰マス(420A~C)の前記場所とは異なる前記第2のタービンブレード(124)の前記半径方向に沿った前記場所に配置されるか、或いは(b)前記第1のタービンブレード(124)の前記第1のセットの減衰マス(420A~C)とは異なるサイズを有する、第2の減衰マス(420A~C)と
をさらに備える、請求項1又は請求項2に記載のタービンダンパ(412)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
政府ライセンス権
本発明は、エネルギー省によって授与された契約番号DE-FE0031613の下での政府支援によりなされたものである。政府は、本発明に一定の権利を有する。
【0002】
本明細書に記載の主題の実施形態は、ロータアセンブリにおけるブレードの振動を低減または排除する減衰用細長本体に関する。
【背景技術】
【0003】
ロータアセンブリは、ガスタービンエンジンおよびターボチャージャなどの様々なシステムで使用される。ガスタービンエンジンでは、圧縮システムで発生された加圧空気が燃焼器内で燃料と混合されて点火され、1つまたは複数のタービン段を通って流れる高温の燃焼ガスを生成する。タービン段は、高温の燃焼ガスからエネルギーを抽出してエンジン推力を生成し、車両(例えば、列車、航空機、船舶など)を推進するか、または発電機などの負荷に電力を供給する。
【0004】
ガスタービンは、ロータディスクから半径方向外側に延びる複数のブレードを有するロータアセンブリを含む。大型の産業用ガスタービン(IGT)ブレードは、非定常の空力荷重を受け、ブレードを振動させる。これらの振動が適切に減衰されない場合、ブレードの高サイクル疲労および早期故障を引き起こす場合がある。すべてのタービン段の中でも、最終段ブレード(LSB)が一番高さがあり、したがって、タービンの最も振動が課題となる構成要素である。タービンブレードに対する振動減衰方法には、プラットフォームダンパ、減衰ワイヤ、シュラウドなどが挙げられる。しかし、各方法には欠点がある。
【0005】
例えば、プラットフォームダンパはブレードプラットフォームの下にあり、ブレードプラットフォームで動きのある中型および長型のシャンクブレードに効果的である。IGT後段ブレードは短いシャンクを有し、ブレードの重量を減少させることで、プラットフォームダンパを無効にするロータに対する引張荷重を低減する。一方、先端シュラウド、特に部分スパンシュラウドブレードは接触荷重が高く、シュラウド接触面がスライドして減衰を提供するのを防ぐ場合がある。第2の部分スパンシュラウドを追加することができるが、第2の部分スパンシュラウドは重量を増加させ、ロータアセンブリの性能を低下させる可能性がある。
【発明の概要】
【0006】
一実施形態では、タービンブレードの内側に適合するサイズの細長本体であって、タービンブレードの回転軸に対してタービンブレードの半径方向に沿って伸長する細長本体と、細長本体と結合され、半径方向に沿った異なる場所に配置された複数の減衰マスとを含むことができる、タービンダンパが提供され得る。複数の減衰マスの1つまたは複数は、タービンブレードの異なる振動モードを減衰させるサイズにされるか、または半径方向に細長本体に対して、および細長本体に沿って移動可能であり得る。
【0007】
別の実施形態では、タービンブレードの内側に適合するサイズにされ得る細長本体であって、タービンブレードの回転軸に対してタービンブレードの半径方向に沿って伸長する細長本体と、細長本体と結合され、半径方向に沿った異なる場所に配置され得る複数の減衰マスであって、減衰マスは、タービンブレードの異なる振動モードを減衰させるサイズにされる減衰マスとを含むことができる、タービンダンパが提供され得る。
【0008】
別の実施形態では、タービンブレードの内側に適合するサイズにされ得る細長本体であって、タービンブレードの回転軸に対してタービンブレードの半径方向に沿って伸長する細長本体と、細長本体と結合され、半径方向に沿った異なる場所に配置された複数の減衰マスとを含むことができる、タービンダンパが提供され得る。減衰マスは、半径方向に細長本体に対して、および細長本体に沿って移動可能であり得る。
【0009】
本明細書に記載の主題は、添付の図面を参照して以下の非限定的な実施形態の説明を読むことにより、よりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】圧縮機と、燃焼器と、タービンとを含む、一実施形態によるガスタービンエンジンシステムの概略図である。
【
図2】一実施形態によるロータアセンブリのロータディスクの一部および一対のブレードを示す図である。
【
図3】代替の実施形態によるロータアセンブリのブレードの斜視図である。
【
図4】一実施形態によるブレードアセンブリの隠線を伴う側面平面図である。
【
図5】一実施形態によるブレードアセンブリの隠線を伴う側面平面図である。
【
図6】一実施形態によるブレードアセンブリの隠線を伴う側面平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書に記載の1つまたは複数の実施形態は、ロータ用のタービンダンパを提供する。タービンダンパは、タービン用のブレードアセンブリの各ブレード内に位置することができ、細長本体と、細長本体に沿って間隔を置いて配置された減衰マスとを備える。いくつかの実施形態では、減衰マスは、細長本体に対して移動し、同じくブレード内に配置されたマスストッパ間を移動することができる。マスストッパは、細長本体に固着されるか、または細長本体を取り囲むハウジングから形成することができる。移動可能な減衰マスは、ブレードに対して摩擦減衰を提供するように機能する。あるいは、減衰マスは、細長本体に固定され、細長本体に沿って移動可能でなくてもよい。細長本体に固定されることによって、減衰マスは、ブレード内の衝撃減衰を提供する。したがって、各ブレード内にタービンダンパを設けることによって、減衰に使用される先端シュラウドを排除することができる。
【0012】
図1は、圧縮機15と、燃焼システム25と、タービン40とを含む、一実施形態によるガスタービンエンジンシステム10の概略図を示す。圧縮機およびタービンは、段状に軸方向に積み重ねられたブレードの列を含むことができる。各段は、円周方向に間隔を置いて配置される固定されたブレードの列と、1つまたは複数の中央シャフトの周りを回転するロータブレードの列とを含む。
【0013】
動作中、圧縮機のロータブレードは、シャフトの周りを回転し、ステータブレードと協働して空気の流れ20を圧縮する。圧縮システムは、圧縮された空気の流れを燃焼システムに送達する。燃焼システム25は、圧縮された空気の流れ20を加圧された燃料の流れ30と混合し、混合物に点火して燃焼ガスの流れ35を提供する。燃焼ガスの流れは、タービン40に送達され得る。タービンロータブレードは、シャフトの周りを回転し、ステータブレードと協働してタービン40を通る燃焼ガス35を膨張させ、機械的仕事を発生する。タービン40で発生された機械的仕事は、1つまたは複数のシャフト45を介して圧縮システム15を駆動し、1つまたは複数のシャフト46を介して発電機などの外部負荷50を駆動することができる。ガスタービンエンジンシステム10は、異なるシャフト、圧縮機、およびタービン構成を有してもよく、他の実施形態では他のタイプの構成要素を使用してもよい。他のタイプのタービンもまた、使用することができる。
【0014】
本明細書に記載のロータアセンブリの実施形態は、タービン40または圧縮機15などのガスタービンエンジンシステム10で使用することができる。しかし、本明細書に記載のロータアセンブリの実施形態は、
図1に示すエンジンシステム10での使用に限定されず、ターボチャージャ、HVACシステムなどの他の装置でも使用することができる。
【0015】
図2は、一実施形態によるタービンのロータアセンブリ122のロータディスク133の一部および一対のブレード124、124Aを示している。一例では、タービンは、
図1に示されているタービンである。各ブレード124、124Aは、
図4~
図6に関連してより詳細に説明される、内部に配置されたタービンダンパの部分を含む。図示されていないが、ロータディスク133は、湾曲した外周を有し、ロータアセンブリ122は、ロータディスク133の外周に沿って間隔を置いて離れた場所でロータディスク133から半径方向に延びる追加のブレード124をさらに含む。ブレード124は、ロータディスク133に装着される装着セグメント208と、ロータディスク133から延びる翼形部200とを有し、任意選択で、翼形部200と装着セグメント208との間に配置されたプラットフォーム206をさらに含む。プラットフォーム206は、対応するブレード124から少なくとも1つの隣り合う(例えば、直接隣接する)ブレード124に向かって横方向に外側に延びる。装着セグメント208は、ブレード124を装着するために、ロータディスク133の対応する支持スロット210に受け入れられる。装着セグメント208は、装着セグメント208の形状のために、本明細書ではダブテール208と呼ばれ得る。支持スロット210は、ダブテール208と相補的な形状を有する。
【0016】
翼形部200は、プラットフォーム206から翼形部200の遠位先端204に延びる。翼形部200は、ロータアセンブリ122を通って流れるガス(例えば、空気、排気など)からエネルギーを受け取る。ブレード124は、翼形部200から外側に延びる一対の第1および第2のシュラウド216、218を有し得る。シュラウド216、218は、プラットフォーム206と遠位先端204との間の翼形部200の長さに沿った共通の場所に位置し得る。図示の実施形態では、シュラウド216、218は、遠位先端204およびプラットフォーム206から間隔を置いて離れた翼形部200の中間領域220に位置した中間スパンシュラウドである。代替の実施形態では、シュラウド216、218は、翼形部200の遠位先端204に位置した先端シュラウドであってもよい。別の代替の実施形態では、ブレード124は、中間スパンシュラウドと先端シュラウドの両方を含み得る(
図3)。各対の第1および第2のシュラウド216、218は、それぞれの翼形部200から概して反対方向に延びる。例えば、第1のシュラウド216は、翼形部200の第1の側(例えば、正圧側)から延びることができ、第2のシュラウド218は、翼形部200の反対側の第2の側(例えば、負圧側)から延びる。ロータアセンブリ122が完全に組み立てられると、ブレード124のシュラウド216、218は、円周方向に延び、ロータディスク133と同心であるシュラウドリングを画定する。シュラウド216、218は、片持ち式であり、翼形部200に接続された取り付け端部222から、翼形部200から離れた遠位端部224に延びる。第1のブレード124Aの第1のシュラウド216の遠位端部224は、隣り合う第2のブレード124Bの第2のシュラウド218の遠位端部224に少なくとも近接して配置される。
【0017】
図3は、代替の実施形態によるロータアセンブリ(
図2に示す)のブレードの斜視図である。ブレードの翼形部は、プラットフォームから遠位先端に延びる。翼形部は、中間スパンシュラウドの第1のセット302と、先端シュラウドの第2のセット304とを含む。中間スパンシュラウドの第1のセットは、中間スパンシュラウド216A、218Aを含む。先端シュラウドは、遠位先端204に位置したキャリアシュラウド216Bおよび蓋シュラウド218Bを含む。したがって、いくつかの例示的な実施形態では、ブレードは、複数のセットのシュラウドを含み得る。
【0018】
図4は、ブレードを表す翼形部402を含むブレードアセンブリ400を示している。一例では、ブレードアセンブリ400は、
図2~
図3のブレードを含み得る。翼形部402は、遠位先端404からプラットフォーム406に延びる。翼形部402は、遠位先端404からプラットフォーム406に延びる中空内部410を含むハウジング408で構成され得る。本明細書で使用する場合、ハウジング408は、翼形部自体の壁、または翼形部内にあり、タービンダンパ412を含む別個の構造の両方を指し得る。この例示的な実施形態では、ハウジング408は、翼形部またはブレード内部410である。具体的には、ブレードアセンブリ400の振動を減衰させるために、タービンダンパ412をハウジング408の中空内部内に配置することができる。
【0019】
図4の例のタービンダンパ412は、ハウジング408内で遠位先端404からプラットフォーム406に延びる細長本体414を含み得る。特に、細長本体414は、タービンブレードの回転軸に対してタービンブレードの半径方向に沿って伸長することができる。細長本体414は、ロッド、スティック、ポール、シャフトなどであり得る。細長本体414は、円形断面、正方形断面、長方形断面、三角形断面を有し、円錐台状であり、先細りまたは可変の断面、前述の断面のいずれかの組み合わせなどを有してもよい。一例では、細長本体414は、遠位先端404およびプラットフォーム406と係合し、ハウジング内に摩擦的に適合する。別の例では、細長本体414は、締結具、圧縮嵌合などを通じて遠位先端404および/またはプラットフォーム406に取り外し可能に結合され得る。あるいは、細長本体414は、ハウジング408と一体的に形成されているワンピース構造のものである。さらに別の例では、細長本体414は、遠位先端404および/またはプラットフォーム406に結合し、あるいは、細長本体414は、単に遠位先端404および/またはプラットフォーム406に隣接して延びるが、遠位先端404および/またはプラットフォーム406に結合せず、代わりにハウジング408の側壁に結合する。
【0020】
細長本体414は、遠位端部416からプラットフォーム端部418における基部417に延びる。細長本体414は、半径方向に沿った異なる場所で複数の減衰マス420A、420B、420Cを受け入れる。特に、細長本体414は、第1の直径または幅を有する第1の部分426と、第1の直径または幅よりも小さい第2の直径または幅を有する、第1の部分426から延びる第2の部分428とを含む。結果として、第1の段差面430Aは、第1の部分426と第2の部分428との間に形成される。一例では、第1の部分426と第2の部分428の両方が円形断面を有するとき、第1の段差面430Aは、対応する第1の減衰マス420Aの環状面と係合し得る環状面である。次に、第1の減衰マスは、第1のマスストッパ422Aに移動可能であるか、あるいは第1のマスストッパ422Aと係合することができる。あるいは、第1の部分426は、正方形断面を有し得、第1の段差面430Aは、第2の部分から延び、第1の減衰マス420Aのフランジ面と係合するフランジであってもよい。具体的には、第1の部分、第2の部分、および減衰マスの形状は、製造の容易化、製造コスト、第1の減衰マス420Aと第1の段差面430Aまたは第1のマスストッパ422Aとの間の表面積係合の増加などに基づいて変えることができる。
【0021】
細長本体414はまた、第2の部分428から延びる第3の直径または幅を有する第3の部分432を含み得、第3の直径または幅は、第2の部分428の第2の直径または幅よりも小さくてもよい。このようにして、第2の段差面430Bは、第1の段差面430Aと同様に形成され得る。第2の段差面430Bは、第1の段差面430Aに関連して説明したようなサイズおよび形状であり得る。この目的のために、第2の段差面430Bは、第2のマスストッパ422Bと係合する第2の減衰マス420Bと係合することができる。特に、第2のマスストッパ422Bは、第2の減衰マス420Bに適応するようなサイズおよび形状であり得る。同様の方式で、第4の部分434は、細長本体の第3の部分432から延び、第3の減衰マス420Cと係合する第3の段差面430Cを形成することができる。次に、第3の減衰マス420Cは、本明細書に記載の他の減衰マスおよびマスストッパと同様に、第3のマスストッパ422Cに移動可能であるか、または第3のマスストッパ422Cと係合する。
【0022】
図4の例では、複数の減衰マス420A~Cは、細長本体414を移動可能に囲み、細長本体414に対して移動する。一例として、細長本体414が円形断面を有するとき、複数の減衰マス420A~Cの各々は、環状本体、または中央に位置する開口部を有するドーナツ形状、または細長本体414の直径よりもわずかに大きくすることができる直径を有する穴であってもよい。3つの減衰マス420A~Cが
図4の例示的な実施形態では示されているが、他の例示的な実施形態では、より多くのまたは少ない数の減衰マスが利用されてもよい。
【0023】
図4の例示的な実施形態では、複数の減衰マス420A~Cの各々は、対応するマスストッパ422A~Cを有する。各対応するマスストッパ422A~Cは、細長本体414に対する複数のマス420A~Cの移動を防ぐように構成することができる。複数のマスストッパ422A~Cは、細長本体414に固着されて細長本体とワンピース構造であり、またハウジング408に固着されてハウジング408とワンピース構造であり、ハウジングなどに固着された中間構造に結合され得る。各例において、細長本体と同様に、複数のマスストッパ422A~Cは、ハウジングに対して移動しない。あるいは、細長本体は、ハウジングに対して移動することができ、複数のマスストッパ422A~Cは、細長本体414に対して移動しないか、または細長本体に対して移動するがハウジング408に対しては移動しない。例示的な実施形態では、複数のマス420A~Cと同じ数の複数のマスストッパ422A~Cが存在する。他の実施形態では、複数のマスストッパ422A~Cの数は、複数のマス420A~Cとは異なる。具体的には、いくつかの実施形態では、遠位先端404またはプラットフォーム406は、数に応じて別個のマスストッパを提供することなく、マスストッパとして機能することができる。この目的のために、3つの別個のマスに対して単一のマスストッパのみを提供することができる。そのような実施形態では、遠位先端404および/またはプラットフォーム406は、本明細書に記載されるようなマスストッパと見なされ得る。
【0024】
各マスストッパ422A~Cは、各マス420A~Cの移動経路424A~Cを画定する。移動経路は、各マス420A~Cが移動する細長本体414に沿った経路である。特に、ロータが閾値速度未満で回転すると、重力が各マス420A~Cに対する半径方向力に打ち勝ち、それにより各マス420A~Cは、各マス420A~Cをプラットフォーム406に最も近く位置決めする移動経路の第1の場所に留まるか、またはマス420A~Cをプラットフォームに向かって移動させる。閾値半径方向力を超えると、複数のマスは重力および摩擦力に打ち勝ち、各マスが遠位先端404に最も近いとき、各マス420A~Cが第2の場所に到達するまでプラットフォーム406から遠位先端404に向かって半径方向に移動し始める。具体的には、各マスは、マスストッパ422A~Cと係合し、マスストッパ422A~Cに対して保持され、ロータの回転が遅くなり、ロータの速度が再び閾値速度を下回るまで摩擦減衰を提供する。このようにして、減衰マス420A~Cは、回転軸の周りのタービンブレードの回転の前に、半径方向に沿って細長本体414の半径方向内側端部の近くに配置され得、減衰マス420A~Cは、回転軸の周りのタービンブレードの回転中、半径方向に沿って細長本体414の半径方向内側端部からさらに遠くに配置され得る。したがって、提供される接触荷重は、接触荷重が時間の経過と共に変化しないようにするために、締まりばめなどの別の荷重からではなく、遠心荷重からのみのものである。特に、締まりばめを使用すると、時間の経過に伴う変形により荷重が変化する。遠心荷重のみではこのような荷重変化が発生せず、機能性が向上する。
【0025】
加えて、移動可能なマス420A~Cを提供することによって、細長本体414およびマス420A~Cの固有振動数の調整が決定され、ブレードアセンブリ400の対象のブレードモードをカバーするために使用され得る。特に、ブレードが回転すると、移動可能なマス420A~Cは、遠心荷重のために外方に押し出され、マスストッパ422A~Cに対して負荷がかかる。細長本体414およびマス420A~Cは、臨界ブレードモードの振動数範囲をカバーするいくつかのダンパ固有モードが存在するように設計されている。したがって、ブレードが共振交差を受けると、細長本体414も振動し、マス420A~Cを横方向に移動させ、マスストッパ422A~Cを擦り付けることで摩擦減衰を生じさせる。したがって、マス420A~Cは、細長本体414およびマス420A~Cの固有振動数が減衰される必要のあるブレードモードの範囲をカバーするように設計され得る。ブレードが振動すると細長本体414および取り付けられたマス420A~Cが励起され、衝撃または摩擦のいずれかによってエネルギーを放散する。
【0026】
具体的には、
図4の例示的な実施形態では、タービンダンパ412は、摩擦を使用して減衰を提供する。この実施形態では、複数のマス420A~Cは、半径方向に細長本体414に対して、および細長本体414に沿って移動可能であり得、一方マスストッパ422A~Cは、マス用の静止スポットを提供することができる。細長本体414は、ブレードに直接挿入するか、またはハウジング内に組み立てることができ、続いて、細長本体ハウジングアセンブリ全体をブレードに挿入することができる。マス420A~C用の半径方向ストッパ422A~Cとして作用する特徴は、ブレードに鋳造するか、またはハウジングの一部として製造することができる。結果として、エネルギーは、細長本体に装着された減衰マス420A~Cとマスストッパ422A~Cとの間の摩擦により放散され得る。
【0027】
図4の例示的な実施形態では、単一のブレードのみが示されているが、タービンダンパ412は、各々がロータの対応するブレードで使用される複数の細長本体を含むことができる。例えば、一例では、タービンダンパ412は、
図2のブレード124などの第1のブレード内にある第1の細長本体を含み、また、
図2のブレード124Aなどの第2のブレード内にある第2の細長本体を含む。特に、タービンダンパ412は、ブレードアセンブリに対する減衰を提供するブレードアセンブリ400のブレード内に配置された各細長本体を含む。
【0028】
図5は、代替のブレードアセンブリ500を示している。一例では、ブレードアセンブリ500は、
図2~
図3のブレードを含み得る。
図4の例示的な実施形態と同様に、
図5のブレードアセンブリ500は、摩擦ベースのタービンダンパを含む。
図4のブレードアセンブリと同様に、
図5のブレードアセンブリ500は、遠位先端504からプラットフォーム506に延びる翼形部502を含む。翼形部502は、遠位先端504からプラットフォーム506に延びる中空内部510を含むハウジング508で構成され得る。
図5の例では、ブレードの内部とは別の別個のハウジング508が示されている。ブレードアセンブリ500の振動を減衰させるために、タービンダンパ512を中空内部内に配置することができる。
【0029】
図5の例のタービンダンパ512は、ハウジング508内で遠位端部516からプラットフォーム端部518における基部517に延びる細長本体514を含み得る。特に、細長本体514は、タービンブレードの回転軸に対してタービンブレードの半径方向に沿って伸長することができる。細長本体514は、ロッド、スティック、ポール、シャフトなどであり得る。
【0030】
図5の例示的な実施形態における細長本体514は、複数の減衰マス520A、520B、520Cを受け入れる可変の直径を有し、ハウジング508は、複数のマスストッパ522A、522B、522Cを提供する。複数の減衰マス520A~Cは、細長本体514を移動可能に囲み、細長本体514に対して移動することができる。一例として、細長本体514が円形断面を有するとき、複数の減衰マス520A~Cの各々は、環状本体、または中央に位置する開口部を有するドーナツ形状、または細長本体514の直径よりもわずかに大きくすることができる直径を有する穴であってもよい。細長本体514が様々な段差直径を含む
図5の例示的な実施形態では、減衰マス520A~Cは、細長本体514の様々な直径に適応するために様々な穴直径を含み得る。
【0031】
マス520A~Cを位置決めして、タービンブレードのスパン方向に垂直な(例えば翼弦方向および/または円周方向の)摩擦面を提供することによって、向上された減衰が提供される。具体的には、細長本体514またはマス520A~Cは、表面521A~Cなどのスパン方向に配向されたブレード面に対してスライドしない(例えば、ダブテール/根元からブレード先端に配向されたブレードチャネルのスパン方向に存在する内壁において)。代わりに、マス520A~Cは、摩擦減衰を提供するために、スパン方向に実質的に垂直である表面523A~Cに対してスライドする。したがって、マス520A~Cと表面523A~Cとの間の接触荷重は、ロータの回転速度の関数として変化する場合がある。
【0032】
一例では、複数のマスストッパ522A~Cは、マスが係合することができる異なる直径または幅を含み得る異なる段差として、ハウジング508内に一体的に形成される。一例では、ハウジングは、複数の環状に整列したボアを含み、各ボアは、異なる直径を有し、それに応じてマスストッパ面523A、523B、523Cを形成する。あるいは、整列したボアは、円形以外の断面を有し得、したがって各整列したボアは、マスストッパ522A~Cのマスストッパ面523A~Cを再び画定するために異なる幅を含む。
【0033】
一方、細長本体514は、第1の直径または幅を有する第1の部分526と、第1の直径または幅よりも小さい第2の直径または幅を有する、第1の部分526から延びる第2の部分528とを含む。結果として、第1の段差面530Aは、第1の部分526と第2の部分528との間に形成される。一例では、第1の部分526と第2の部分528の両方が円形断面を有するとき、第1の段差面530Aは、対応する第1の減衰マス520Aの環状面と係合し得る環状面である。次に、第1の減衰マスは、第1のマスストッパ522Aに移動可能であるか、あるいは第1のマスストッパ522Aと係合することができる。あるいは、第1の部分526は、正方形断面を有し得、第1の段差面530Aは、第2の部分から延び、第1の減衰マス520Aのフランジ面と係合するフランジであってもよい。具体的には、第1の部分、第2の部分、および減衰マスの形状は、製造の容易化、製造コスト、第1の減衰マス520Aと第1の段差面530Aまたは第1のマスストッパ522Aとの間の表面積係合の増加などに基づいて変えることができる。
【0034】
細長本体514はまた、第2の部分528から延びる第3の直径または幅を有する第3の部分532を含み得、第3の直径または幅は、第2の部分528の第2の直径または幅よりも小さくてもよい。このようにして、第2の段差面530Bは、第1の段差面530Aと同様に形成され得る。第2の段差面530Bは、第1の段差面530Aに関連して説明したようなサイズおよび形状であり得る。この目的のために、第2の段差面530Bは、第2のマスストッパ522Bの第2のマスストッパ面523Bと係合する第2の減衰マス520Bと係合することができる。特に、第2のマスストッパ522Bは、第1のマスストッパ522Aと同様にハウジング内に形成され得、第2の減衰マス520Bに適応するようなサイズおよび形状であり得る。同様の方式で、第4の部分534は、細長本体の第3の部分532から延び、第3の減衰マス520Cと係合する第3の段差面530Cを形成することができる。次に、第3の減衰マス520Cは、本明細書に記載の他の減衰マスおよびマスストッパと同様に、第3のマスストッパ522Cの第3のマスストッパ面523Cに移動可能であるか、または第3のマスストッパ面523Cと係合する。
【0035】
したがって、タービンダンパ512は、いくつかの移動可能な減衰マス520A~Cが装着される細長本体514を含む。細長本体514は、その各減衰マス520A~Cが特定の点まで細長本体部分上をスライドするように、段差状に成形することができる。同様に、異なるサイズのセクションを有する段差状の整列したボアは、ブレード上もしくは内、またはハウジング508上もしくは内に機械加工することができ、それによりタービンダンパ512の細長本体514は、整列したボアに完全に挿入することができ、各減衰マス520A~Cは、細長本体514の段差面およびハウジング508のマスストッパによって、細長本体514に沿ってスライドするのを防ぐことができる。
【0036】
図5のタービンダンパ512を含むブレードが回転すると、減衰マス520A~520Cは、遠心荷重のために外方に押し出され、マスストッパ522A~Cに対して負荷がかかる。細長本体514および減衰マス520A~Cは、臨界ブレードモードの振動数範囲をカバーするいくつかのダンパ固有モードが存在するように設計され得る。したがって、ブレードが共振交差を受けると、細長本体514も振動し、減衰マス520A~Cを細長本体514と共に横方向に移動させ、ハウジングの各対応するマスストッパ面523A~Cを擦り付けることで摩擦減衰を生じさせる。より低い振動数モードの場合、細長本体514は、最初の屈曲運動を示すと予想され得、したがって、遠位先端504に隣接する減衰マス520Aは、最大の減衰を提供すると予想される。高次モードの場合、他のマスもまた、全体的な減衰に大きく寄与し得る。このようにして、減衰マス520A~Cは、振動数調整用のサイズにすることができ、または摩擦減衰を生成する接触荷重を提供することができる。
【0037】
図5の例示的な実施形態では、単一のブレードのみが示されているが、タービンダンパ512は、各々がロータの対応するブレードで使用される複数の細長本体を含むことができる。例えば、一例では、タービンダンパ512は、
図2のブレード124などの第1のブレード内にある第1の細長本体を含み、また、
図2のブレード124Aなどの第2のブレード内にある第2の細長本体を含む。特に、タービンダンパ512は、ブレードアセンブリに対する減衰を提供するブレードアセンブリ500のブレード内に配置された各細長本体を含む。
【0038】
図6は、ブレードアセンブリ600の別の例示的な実施形態を示している。一例では、ブレードアセンブリ600は、
図2~
図3のブレードを含み得る。
図4~
図5の例示的な実施形態と同様に、
図6のブレードアセンブリ600は、遠位先端604からプラットフォーム606に延びる翼形部602を含むことができる。翼形部602は、遠位先端604からプラットフォーム606に延びる中空内部610を含むハウジング608で構成され得る。ブレードアセンブリ600の振動を減衰させるために、タービンダンパ612を中空内部内に配置することができる。この例示的な実施形態では、摩擦ベースのエネルギー放散の代わりに、エネルギーは、減衰マスとハウジング、またはブレードの内壁との間の衝撃により放散され得る。
【0039】
図6の例のタービンダンパ612は、ハウジング608内で遠位端部616からプラットフォーム端部618における基部617に延びる細長本体614を含み得る。特に、細長本体614は、タービンブレードの回転軸に対してタービンブレードの半径方向に沿って伸長することができる。細長本体614は、ロッド、スティック、ポール、シャフトなどであり得る。
【0040】
図6の例示的な実施形態における細長本体614は、固着された複数の減衰マス620A、620B、620Cを含む。特に、減衰マスは、細長本体614に固定されてもよく、減衰マス620A~Cが細長本体614に対して移動しないように、細長本体614などとワンピース構造であってもよい。代わりに、減衰マス620A~Cは、ハウジング608と係合し、細長本体614、減衰マス620A~C、およびハウジング608の間で衝撃エネルギーを伝達する。一例では、3つの減衰マス620A~Cが提供され得るが、他の例では、1つの減衰マスのみが提供され得る。あるいは、5つを超えるまたはそれ以上の数の減衰マスが提供されてもよい。
【0041】
図6の実施形態では、減衰マス620A~Cは、細長本体614にしっかりと取り付けられている。細長本体614は、別個のハウジングに挿入してブレードに挿入することができるか、または細長本体614は、ブレードに直接挿入することができる。
【0042】
細長本体614および減衰マス620A~Cは、細長本体614の最初のいくつかのモードの固有振動数が減衰される臨界ブレードモードをカバーするように設計され得る。具体的には、減衰マスは、タービンブレードの異なる振動モードを減衰させるサイズにすることができる。具体的には、減衰マスの各々のサイズは、対応する減衰マスの場所でタービンブレードが経験する振動モードに基づいて決定することができる。ブレードが振動すると、細長本体614も振動運動を受け得、減衰マス620A~Cがブレード(またはハウジング)の内壁に衝撃を与えて衝撃減衰を生じさせる。
【0043】
図6の例示的な実施形態では、単一のブレードのみが示されているが、タービンダンパ612は、各々がロータの対応するブレードで使用される複数の細長本体を含むことができる。例えば、一例では、タービンダンパ612は、
図2のブレード124などの第1のブレード内にある第1の細長本体を含み、また、
図2のブレード124Aなどの第2のブレード内にある第2の細長本体を含む。特に、タービンダンパ612は、ブレードアセンブリに対する減衰を提供するブレードアセンブリ600のブレード内に配置された各細長本体を含む。
【0044】
したがって、より大きく、より軽量な最終段ブレードを含む、より大きく、より軽量なガスタービンブレードをもたらすことができるタービンダンパが提供される。タービンダンパは、ターボ機械で実証済みの減衰技術である摩擦減衰または衝撃減衰に依存する。内部のタービンダンパを使用することによって、タービンブレードの外部にあり、ロータアセンブリのサイズおよび全体的な性能を低下させる可能性がある他の減衰アセンブリを排除することができる。
【0045】
1つまたは複数の実施形態では、タービンブレードの内側に適合するサイズの細長本体であって、タービンブレードの回転軸に対してタービンブレードの半径方向に沿って伸長する細長本体と、細長本体と結合され、半径方向に沿った異なる場所に配置された複数の減衰マスとを含むことができる、タービンダンパが提供され得る。複数の減衰マスの1つまたは複数は、タービンブレードの異なる振動モードを減衰させるサイズにされるか、または半径方向に細長本体に対して、および細長本体に沿って移動可能であり得る。
【0046】
任意選択で、減衰マスは、振動数調整用のサイズにされるか、または摩擦減衰を生成する接触荷重を提供してもよい。
【0047】
任意選択で、減衰マスの各々のサイズは、対応する減衰マスの場所でタービンブレードが経験する振動モードに基づいて決定されてもよく、減衰マスの各々は、細長本体に対して移動しなくてもよい。
【0048】
任意選択で、減衰マスは、細長本体の周りに延び、半径方向に細長本体に対して、および細長本体に沿って移動可能な環状本体であってもよい。
【0049】
任意選択で、減衰マスの場所は、タービンブレードの半径方向に沿った第1の場所であってもよく、また、タービンブレードの半径方向に沿った異なる第2の場所でタービンブレード内に配置されたマスストッパを含んでもよい。マスストッパは、タービンブレード内に位置決めされて減衰マスと係合し、半径方向に沿った減衰マスの半径方向の移動を停止してもよい。
【0050】
任意選択で、マスストッパの各々は、タービンブレード内に位置決めされて減衰マスの異なる減衰マスと係合し、減衰マスの異なる減衰マスの半径方向の移動を停止してもよい。
【0051】
任意選択で、細長本体は、半径方向に細長本体の長さの異なる部分を包含する細長本体の異なるセグメントが異なる直径を有するように、直径が段差状であってもよい。
【0052】
任意選択で、減衰マスの環状本体は、環状本体が細長本体の異なるセグメントにわたって適合するように、異なるサイズの穴を有してもよい。
【0053】
任意選択で、減衰マスは、回転軸の周りのタービンブレードの回転の前に、半径方向に沿って細長本体の半径方向内側端部の近くに配置されてもよく、減衰マスは、回転軸の周りのタービンブレードの回転中、半径方向に沿って細長本体の半径方向内側端部からさらに遠くに配置されてもよい。
【0054】
1つまたは複数の実施形態では、タービンブレードの内側に適合するサイズにされ得る細長本体であって、タービンブレードの回転軸に対してタービンブレードの半径方向に沿って伸長する細長本体と、細長本体と結合され、半径方向に沿った異なる場所に配置され得る複数の減衰マスであって、減衰マスは、タービンブレードの異なる振動モードを減衰させるサイズにされる減衰マスとを含むことができる、タービンダンパが提供され得る。
【0055】
任意選択で、減衰マスは、減衰マスの各々のサイズが対応する減衰マスの場所でタービンブレードが経験する振動モードに基づいて決定され得るように、タービンブレードの異なる振動モードを減衰させるサイズにされてもよい。
【0056】
任意選択で、減衰マスは、細長本体に沿った位置に固定されてもよい。
【0057】
任意選択で、細長本体は、第1の細長本体であってもよく、減衰マスは、減衰マスの第1のセットであってもよく、タービンブレードは、第1のタービンブレードであってもよい。タービンダンパはまた、第2のタービンブレード内に適合するサイズにされ得る第2の細長本体であって、第2のタービンブレードの回転軸に対して第2のタービンブレードの半径方向に沿って伸長する第2の細長本体を含んでもよい。タービンダンパはまた、第2の細長本体と結合され、第2のタービンブレードの半径方向に沿った異なる場所に配置された複数の第2の減衰マスを含んでもよい。第2の減衰マスの1つまたは複数は、(a)第1のタービンブレードの半径方向に沿った第1の減衰マスの場所とは異なる第2のタービンブレードの半径方向に沿った場所に配置されるか、または(b)第1のタービンブレードの第1の減衰マスとは異なるサイズを有してもよい。
【0058】
1つまたは複数の実施形態では、タービンブレードの内側に適合するサイズにされ得る細長本体であって、タービンブレードの回転軸に対してタービンブレードの半径方向に沿って伸長する細長本体と、細長本体と結合され、半径方向に沿った異なる場所に配置された複数の減衰マスとを含むことができる、タービンダンパが提供され得る。減衰マスは、半径方向に細長本体に対して、および細長本体に沿って移動可能であり得る。
【0059】
任意選択で、減衰マスは、細長本体の周りに延び、半径方向に細長本体に対して、および細長本体に沿って移動可能な環状本体であってもよい。
【0060】
任意選択で、減衰マスの場所は、タービンブレードの半径方向に沿った第1の場所であってもよい。タービンダンパはまた、タービンブレードの半径方向に沿った異なる第2の場所でタービンブレード内に配置されたマスストッパであって、タービンブレード内に位置決めされて減衰マスと係合し、半径方向に沿った減衰マスの半径方向の移動を停止するマスストッパを含んでもよい。
【0061】
任意選択で、マスストッパの各々は、タービンブレード内に位置決めされて減衰マスの異なる減衰マスと係合し、減衰マスの異なる減衰マスの半径方向の移動を停止してもよい。
【0062】
任意選択で、細長本体は、半径方向に細長本体の長さの異なる部分を包含する細長本体の異なるセグメントが異なる直径を有するように、直径が段差状であってもよい。
【0063】
任意選択で、減衰マスの環状本体は、環状本体が細長本体の異なるセグメントにわたって適合するように、異なるサイズの穴を有してもよい。
【0064】
任意選択で、減衰マスは、回転軸の周りのタービンブレードの回転の前に、半径方向に沿って細長本体の半径方向内側端部の近くに配置されてもよく、減衰マスは、回転軸の周りのタービンブレードの回転中、半径方向に沿って細長本体の半径方向内側端部からさらに遠くに配置される。
【0065】
上記の説明が、限定ではなく例示を意図していることを理解されたい。例えば、上述の実施形態(および/またはその態様)は、互いに組み合わせて使用されてもよい。加えて、本発明の本質的な範囲を逸脱することなく特定の状況または材料を本発明の主題の教示に適応させるために、多くの修正を加えてもよい。本明細書に記載される材料の寸法およびタイプは、本発明の主題の要因を定義することを意図しているが、決して限定的ではなく例示的な実施形態である。多数の他の実施形態が、以上の説明を検討することによって、当業者にとって明らかであろう。したがって、本発明の主題の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して、そのような特許請求の範囲が権利を与える十分な均等物の範囲と共に決定されるべきである。添付の特許請求の範囲において、「含む(including)」および「それには(in which)」という用語は、「備える(comprising)」および「そこでは(wherein)」という用語のそれぞれの平易な英語の同義語として使用される。さらに、以下の特許請求の範囲において、「第1の」、「第2の」、および「第3の」などの用語は、単に符号として使用され、それらの対象物に数値的な要件を課すことを意図していない。さらに、以下の特許請求の範囲の限定事項は、そのような特許請求の範囲の限定事項が「のための手段(means for)」という語句をさらなる構造への言及を欠く機能の記述と一緒に明示的に使用していない限り、ミーンズプラスファンクション(means-plus-function)形式での記載ではなく、米国特許法第112条(f)に基づく解釈を意図していない。
【0066】
この明細書は、本発明の主題のいくつかの実施形態を開示するために、また、任意の装置またはシステムを製作および使用し、任意の組み込まれた方法を実行することを含む、本発明の主題の実施形態の実施を当業者に可能にするように、実施例を使用している。本発明の主題の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が想到する他の実施例を含むことができる。そのような他の実施例は、特許請求の範囲の文言との差がない構造要素を有する場合、または特許請求の範囲の文言との実質的な差がない等価の構造要素を含む場合、特許請求の範囲内にあることを意図している。
【0067】
本発明の主題の特定の実施形態についての前述の説明は、添付の図面と併せて読むことにより、よりよく理解されるであろう。様々な実施形態は、図面に示す配置および手段に限定されない。
【0068】
本明細書で使用する場合、単数形で記載され、単語「a」または「an」の後に続く要素またはステップは、複数の前記要素またはステップを除外しないものとして理解されるべきであるが、そのような除外が明示的に述べられている場合は除く。さらに、本発明の主題の「一実施形態」への言及は、列挙された特徴をも組み込む追加の実施形態の存在を排除するものとして解釈されることを意図していない。加えて、明示的に相反する記載がない限り、特定の特性を有する要素または複数の要素を「備える(comprising)」、「含む(including)」、または「有する(having)」実施形態は、その特性を有さない追加の要素を含んでもよい。
【符号の説明】
【0069】
10 ガスタービンエンジンシステム
15 圧縮機/圧縮システム
20 空気の流れ
25 燃焼システム
30 燃料の流れ
35 燃焼ガスの流れ
40 タービン
45 シャフト
46 シャフト
50 外部負荷
122 ロータアセンブリ
124 ブレード
124A 第1のブレード
124B 第2のブレード
133 ロータディスク
200 翼形部
204 遠位先端
206 プラットフォーム
208 装着セグメント/ダブテール
210 支持スロット
216 第1のシュラウド
216A 中間スパンシュラウド
216B キャリアシュラウド
218 第2のシュラウド
218A 中間スパンシュラウド
218B 蓋シュラウド
220 中間領域
222 取り付け端部
224 遠位端部
400 ブレードアセンブリ
402 翼形部
404 遠位先端
406 プラットフォーム
408 ハウジング
410 中空内部/翼形部またはブレード内部
412 タービンダンパ
414 細長本体
416 遠位端部
417 基部
418 プラットフォーム端部
420A 第1の減衰マス
420B 第2の減衰マス
420C 第3の減衰マス
422A 第1のマスストッパ
422B 第2のマスストッパ
422C 第3のマスストッパ
424A 移動経路
424B 移動経路
424C 移動経路
426 第1の部分/セグメント
428 第2の部分/セグメント
430A 第1の段差面
430B 第2の段差面
430C 第3の段差面
432 第3の部分
434 第4の部分
500 ブレードアセンブリ
502 翼形部
504 遠位先端
506 プラットフォーム
508 ハウジング
510 中空内部
512 タービンダンパ
514 細長本体
516 遠位端部
517 基部
518 プラットフォーム端部
520A 第1の減衰マス
520B 第2の減衰マス
520C 第3の減衰マス
521A 表面
521B 表面
521C 表面
522A 第1のマスストッパ
522B 第2のマスストッパ
522C 第3のマスストッパ
523A 表面/第1のマスストッパ面
523B 表面/第2のマスストッパ面
523C 表面/第3のマスストッパ面
526 第1の部分
528 第2の部分
530A 第1の段差面
530B 第2の段差面
530C 第3の段差面
532 第3の部分
534 第4の部分
600 ブレードアセンブリ
602 翼形部
604 遠位先端
606 プラットフォーム
608 ハウジング
610 中空内部
612 タービンダンパ
614 細長本体
616 遠位端部
617 基部
618 プラットフォーム端部
620A 第1の減衰マス
620B 第2の減衰マス
620C 第3の減衰マス