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特許7706890アディティブマニュファクチャリング金属部を備える物品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-04
(45)【発行日】2025-07-14
(54)【発明の名称】アディティブマニュファクチャリング金属部を備える物品
(51)【国際特許分類】
   B23K 11/16 20060101AFI20250707BHJP
   B22F 3/16 20060101ALI20250707BHJP
   B22F 10/00 20210101ALI20250707BHJP
   B23K 13/01 20060101ALI20250707BHJP
   B23K 20/16 20060101ALI20250707BHJP
【FI】
B23K11/16
B22F3/16
B22F10/00
B23K13/01
B23K20/16
【請求項の数】 7
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021010967
(22)【出願日】2021-01-27
(65)【公開番号】P2021167018
(43)【公開日】2021-10-21
【審査請求日】2024-01-09
(31)【優先権主張番号】16/845,875
(32)【優先日】2020-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・ジェイ・ブレイリー
(72)【発明者】
【氏名】ブランドン・ヒース・ウェッジ
(72)【発明者】
【氏名】エレイン・マクドナルド
【審査官】山内 隆平
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-321951(JP,A)
【文献】国際公開第2018/180135(WO,A1)
【文献】特開2001-087866(JP,A)
【文献】特開2008-110397(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 11/16
B22F 3/16
B22F 10/00
B23K 13/01
B23K 20/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一アディティブマニュファクチャリング金属部(200)と、
溶接継手(230)において前記第一アディティブマニュファクチャリング金属部(200)と結合している第二アディティブマニュファクチャリング金属部(202)と、
前記溶接継手(230)内部に位置する抵抗加熱物質(210)と、を備える物品(228)であって、
前記抵抗加熱物質(210)が前記第一アディティブマニュファクチャリング金属部(200)及び前記第二アディティブマニュファクチャリング金属部(202)と異なる物質を備え、前記第一アディティブマニュファクチャリング金属部(200)がチャネル(220)を備え、前記抵抗加熱物質(210)が前記チャネル(220)の少なくとも一部に沿って位置し、前記第一アディティブマニュファクチャリング金属部(200)がネジ山(504)を備え、前記チャネル(220)がネジ山(504)同士の間に位置する、物品(228)。
【請求項2】
第一アディティブマニュファクチャリング金属部(200)と、
溶接継手(230)において前記第一アディティブマニュファクチャリング金属部(200)と結合している第二アディティブマニュファクチャリング金属部(202)と、
前記溶接継手(230)内部に位置する抵抗加熱物質(210)と、を備える物品(228)であって、
前記抵抗加熱物質(210)が前記第一アディティブマニュファクチャリング金属部(200)及び前記第二アディティブマニュファクチャリング金属部(202)と異なる物質を備え、前記第一アディティブマニュファクチャリング金属部(200)がチャネル(220)を備え、前記抵抗加熱物質(210)が前記チャネル(220)の少なくとも一部に沿って位置し、
前記チャネル(220)の少なくとも一部に沿って位置する充填材(224)を更に備える物品(228)。
【請求項3】
前記抵抗加熱物質(210)がワイヤ(212)と膜のうち一つ以上を備える、請求項1に記載の物品(228)。
【請求項4】
前記溶接継手(230)が不規則な形状を有する、請求項1に記載の物品(228)。
【請求項5】
金属物品(228)を形成する方法(800)であって、
前記金属物品(228)の第一部(200)をアディティブマニュファクチャリングすること(802)と、
前記金属物品(228)の第二部(202)をアディティブマニュファクチャリングすること(806)と、
前記金属物品(228)の第一部(200)と前記金属物品(228)の第二部(202)との間の境界領域(218)内に抵抗加熱物質(210)が位置するようにして前記金属物品(228)の第一部(200)を前記金属物品(228)の第二部(202)に隣接して配置すること(810)と、
前記抵抗加熱物質(210)に電流を流して、前記抵抗加熱物質(210)に熱を発生させること(820)と、
前記抵抗加熱物質(210)に生じた熱で前記金属物品(228)の第一部(200)と前記金属物品(228)の第二部(202)を互いに溶接すること(820)と、を備え、
前記金属物品(228)の第一部(200)をアディティブマニュファクチャリングすること(802)が前記金属物品(228)の第一部(200)にチャネル(220)を形成すること(808)を備え、
前記チャネル(220)内に前記抵抗加熱物質(210)を配置すること(812)と、
前記チャネル(220)に充填材(224)を加えること(819)と、を更に備える方法(800)。
【請求項6】
金属物品(228)を形成する方法(800)であって、
前記金属物品(228)の第一部(200)をアディティブマニュファクチャリングすること(802)と、
前記金属物品(228)の第二部(202)をアディティブマニュファクチャリングすること(806)と、
前記金属物品(228)の第一部(200)と前記金属物品(228)の第二部(202)との間の境界領域(218)内に抵抗加熱物質(210)が位置するようにして前記金属物品(228)の第一部(200)を前記金属物品(228)の第二部(202)に隣接して配置すること(810)と、
前記抵抗加熱物質(210)に電流を流して、前記抵抗加熱物質(210)に熱を発生させること(820)と、
前記抵抗加熱物質(210)に生じた熱で前記金属物品(228)の第一部(200)と前記金属物品(228)の第二部(202)を互いに溶接すること(820)と、を備え、
前記金属物品(228)の第一部(200)上に抵抗加熱物質(210)の層を堆積させることによって、前記抵抗加熱物質(210)をアディティブマニュファクチャリングすること(814)を更に備える方法(800)。
【請求項7】
金属物品(228)を形成する方法(800)であって、
前記金属物品(228)の第一部(200)をアディティブマニュファクチャリングすること(802)と、
前記金属物品(228)の第二部(202)をアディティブマニュファクチャリングすること(806)と、
前記金属物品(228)の第一部(200)と前記金属物品(228)の第二部(202)との間の境界領域(218)内に抵抗加熱物質(210)が位置するようにして前記金属物品(228)の第一部(200)を前記金属物品(228)の第二部(202)に隣接して配置すること(810)と、
前記抵抗加熱物質(210)に電流を流して、前記抵抗加熱物質(210)に熱を発生させること(820)と、
前記抵抗加熱物質(210)に生じた熱で前記金属物品(228)の第一部(200)と前記金属物品(228)の第二部(202)を互いに溶接すること(820)と、を備え、
前記抵抗加熱物質(210)に電流を流して、前記抵抗加熱物質(210)に熱を発生させること(820)が前記抵抗加熱物質(210)に誘導電流を流すこと(822)を備える、方法(800)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アディティブマニュファクチャリングに係り、特に構造体を、その構造体のアディティブマニュファクチャリング部同士を接合することによって形成することに関する。
【背景技術】
【0002】
航空機は多種多様な部品を含むが、その多くの部品は大型である。例えば、加圧空気を航空機のキャビンに伝えるダクトは、航空機に応じて50フィート、75フィート、更には100フィートを超える長さを有し得る。
【0003】
多様な方法を用いて航空機の大型部品を製造することができる。例えば、ダクトは、シート状金属から、例えば多様な切断工程と曲げ工程を用いることによって形成可能である。しかしながら、この手法は比較的高価であって複雑である。更に、部品の物質組成が更なる難題を課し得る。例えば、チタン系金属を用いて、高温(例えば300~400°F)及び/又は高圧(例えば、300~400psi)動作用の航空機部品を形成する場合がある。しかしながら、チタン系物質は機械加工が困難で時間がかかるものとなり得る。また、チタン系物質を適切に機械加工するためには比較的高硬度のダイが必要とされ得るので、チタン系部品を形成するのに適したダイは、調達にコストがかかり困難なものとなり得る。
【0004】
アディティブマニュファクチャリング法を用いて部品を形成することもできる。アディティブマニュファクチャリングは、一層毎に三次元部品を形成することを含む。アディティブマニュファクチャリングは、多様な物質を用いて複雑な幾何学的形状の部品を形成する性能を有すると共に、機械加工等の他の製造法と比較してコストと製造時間が削減されるので、人気となっている。
【0005】
アディティブマニュファクチャリングは多様なスケールで実現されているものではあるが、現状の機器では、その機器を用いて製造可能な部品のサイズの上限が課される。例えば、上述の大型航空機ダクト等の或る程度大型の部品に望まれるサイズは、部品が構築可能であるアディティブマニュファクチャリング用機器で利用可能な体積を超えている。更に、大型アディティブマニュファクチャリング用機器を作動させるのに必要なコストは、部品のアディティブマニュファクチャリングによって得られるコスト削減を損ない得る。アディティブマニュファクチャリング部を後処理する場合には、コスト削減と製造効率が更に損なわれる。
【0006】
従って、上記の点に鑑みて、航空機の金属部等の大型航空宇宙部品を製造することには課題が存在している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題に対処するため、本開示の一態様によると、部品が提供される。本態様において、物品は、第一アディティブマニュファクチャリング金属部と、溶接継手において第一アディティブマニュファクチャリング金属部に結合されている第二アディティブマニュファクチャリング金属部とを備える。物品は、溶接継手内部に位置する抵抗加熱物質を更に備え、その抵抗加熱物質は、第一アディティブマニュファクチャリング金属部及び第二アディティブマニュファクチャリング金属部と異なる物質を備える。
【0008】
本開示の他の態様は、乗り物(ビークル)に関する。本態様において、乗り物は金属部品を備え、その金属部品は、第一アディティブマニュファクチャリング金属部と、溶接継手において第一アディティブマニュファクチャリング金属部に結合されている第二アディティブマニュファクチャリング金属部とを備える。金属部品は、溶接継手内部に配置された抵抗加熱物質を更に備え、その抵抗加熱物質は、第一アディティブマニュファクチャリング金属部及び第二アディティブマニュファクチャリング金属部と異なる物質を備える。
【0009】
本開示の更に他の態様は、金属物品を形成する方法に関する。本方法は、金属物品の第一部をアディティブマニュファクチャリングすることと、金属物品の第二部をアディティブマニュファクチャリングすることと、金属物品の第一部と金属物品の第二部との間の境界領域内に抵抗加熱物質が位置するようにして金属物品の第一部を金属物品の第二部に隣接して配置することと、を備える。本態様の方法は、抵抗加熱物質に電流を流し、抵抗加熱物質を介して熱を発生させることと、抵抗加熱物質を介して発生させた熱で金属物品の第一部と金属物品の第二部を互いに溶接することと、を更に備える。
【0010】
上述の特徴、機能、利点は、多様な実施形態において独立して達成可能であり、更に他の実施形態において組み合わせ可能ともなり得るが、その詳細については以下の説明と図面を参照することで理解できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の例示的な実施形態に係る例示的な航空機を描写する図を示す。
図2A】アディティブマニュファクチャリング金属部から例示的な金属物品を形成する様子を描写する図である。
図2B】アディティブマニュファクチャリング金属部から例示的な金属物品を形成する様子を描写する図である。
図2C】アディティブマニュファクチャリング金属部から例示的な金属物品を形成する様子を描写する図である。
図3】誘導加熱で例示的な導電性金属物品を形成する様子を描写する図を示す。
図4】大型物品に統合される例示的なアディティブマニュファクチャリング金属部を描写する図を示す。
図5A】アディティブマニュファクチャリング金属部から他の例示的な金属物品を形成する様子を描写する図を示す。
図5B】アディティブマニュファクチャリング金属部から他の例示的な金属物品を形成する様子を描写する図を示す。
図6A】アディティブマニュファクチャリング金属部から他の例示的な金属物品を形成する様子を描写する図を示す。
図6B】アディティブマニュファクチャリング金属部から他の例示的な金属物品を形成する様子を描写する図を示す。
図6C】アディティブマニュファクチャリング金属部から他の例示的な金属物品を形成する様子を描写する図を示す。
図7】大型物品に統合される他の例示的なアディティブマニュファクチャリング金属部を描写する図を示す。
図8】アディティブマニュファクチャリング金属物品を形成する例示的な方法を描写するフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
上述の検討事項を踏まえて、金属部品をアディティブマニュファクチャリングして、部品同士を接合することによって金属物品を形成することに関する例を与える。概略としては、物品の第一金属部と第二金属部をアディティブマニュファクチャリングする。一部例では、三つ以上の部品がアディティブマニュファクチャリングされ得る。次いで、第一部と第二部を互いに隣接して配置し、それらの部品の間の境界領域内に抵抗加熱物質が位置するようにする。以下でより詳細に説明するように、抵抗加熱物質は、ワイヤ、堆積層、他の適切な構造体を備え得る。次に、抵抗加熱物質に電流を流すことによって発生する熱で第一部と第二部を互いに溶接することによって、第一部と第二部を接合する。一部例では、追加の部分を同様に接合し得る。このようにして形成される金属物品は、一部例では航空機部品であり得る。アディティブマニュファクチャリング部からの金属物品の製造は、機械加工や鋳造等の他の方法と比較して、製造時間、コスト、複雑性を減らす一方で、大型アディティブマニュファクチャリング用機器の使用を必要とせずに、複雑な幾何学的形状を有する物品の形成を可能にする。また、この手法は、部品のオンデマンド製造をサポートして、在庫や保管の要求を低減し得る。
【0013】
図1は、航空機102の形態の例示的な乗り物(ビークル)100を示す。航空機102は、胴体108と、胴体108から伸びる翼110を含む。胴体108と翼110は両方とも、下方の機体(図示せず)にスキン104を貼り付けることによって製造される。航空機102は、胴体108内に位置するダクト112を更に含み、ダクト112は大抵の場合は機体に取り付けられている。ダクト112は、あらゆる適切な目的用に構成可能であり、航空機102のキャビンに加圧空気を伝える目的が挙げられるが、これに限定されない。スキン104、機体、胴体108、翼110、ダクト112の特定の部品を、本開示のように接合部を介してアディティブマニュファクチャリングすることができる。他の例示的な部品は、翼付け根のフェアリング114やホイールのフェアリング等のフェアリングや、上述のスキン104のパネルやドア120の一部を成すアクセスパネル118等のパネルである。本開示の手法は航空機に限定されず、宇宙船や他の航空宇宙機等のあらゆる適切な応用のための部品を製造するのに使用可能である。
【0014】
図2A図2Cは、抵抗溶接で接合されたアディティブマニュファクチャリング部から金属物品を形成する様子を示す。金属物品は、第一金属部200と第二金属部202から形成され、各部がアディティブマニュファクチャリングされる。図2Aに示されるように、第一部200は雄型コネクタ204Aと204Bを備え、これら雄型コネクタはそれぞれ第二部202の雌型コネクタ206Aと206Bに結合するように構成される。図2Aの208は、第二部202の部分断面図を示し、第二部202内に形成されたチャネル214に沿って配置されたワイヤ212の形態の抵抗加熱物質210を示す。ワイヤ212はチャネル214内に手作業で配置されるか、又は適切な自動化プロセスで配置され得る。他の例では、ワイヤの代わりに、抵抗加熱物質210は、膜や層の形態(例えば、第一部200及び/又は第二部202上に別の物質をアディティブマニュファクチャリングすることで堆積される)又は他の適切な形態を取り得る。
【0015】
チャネル214はあらゆる適切な方法で形成可能である。一部例では、第二部202のアディティブマニュファクチャリング中にチャネル214が形成される。他の例では、第二部202を形成した後の別工程(例えば、機械加工工程)でチャネル214が形成される。一部例では、接合される両部が抵抗加熱物質を収容するチャネルを有し得るが、他の例では、接合される二つの部の一方にチャネルが形成され得る。
【0016】
図2Bは、雄型コネクタ204と雌型コネクタ206を介して接合された第一部200と第二部202を示す。雄型コネクタ204と雌型コネクタ206は、第一部200と第二部202の互いの相対的な移動を溶接中に制約する機構を与えることができる。図示されているように、雄型コネクタ204と雌型コネクタ206は相補的な幾何学的形状を有し得る。図2Bの216は、第一部200と第二部202とを互いに隣接して(例えば、接触して)配置することによって第一部200と第二部202との間に形成された境界領域218の部分断面図を更に示す。この例では、第一部200と第二部202の各々がそれぞれチャネルを備え、つまり、第一部200がチャネル214を備え、第二部202がチャネル220を備える。第一部200と第二部202が互いに隣接して配置されると、チャネル214とチャネル220が空隙222を形成し、その空隙には、本例ではワイヤ212が部分的に充填されている。そのため、充填材224をチャネル220の少なくとも一部に沿って配置して、空隙222を実質的に充填し得る。他の例では、例えば、ワイヤ212や他の抵抗加熱物質が第一部200と第二部202との間のチャネルや他のギャップを実質的に充填する場合には、充填材224を省き得る。充填材224は、あらゆる適切な物質組成を有し得る。一部例では、充填材224と第一部200及び第二部202は共通の物質組成を有する。多様な例において、充填材224は、粉末状で空隙222内に配置され得て、又はペーストや他の粘着性の形態を有する組成物として配置され得る。更に、充填材224は、第一部200と第二部202の溶接を促進する融剤(フラックス)として構成され得る。充填材224はあらゆる適切な方法で空隙222内に配置され得る。
【0017】
上述のように、第一部200と第二部202は、抵抗加熱物質210に電流を流すことによって発生する熱で互いに溶接される。あらゆる適切な電流源を抵抗加熱物質210に結合して電流を流し得る。一例として、図2Aに概略的に示されるリード226Aと226Bは、それぞれ、その一端が抵抗加熱物質210に結合され、リード226Aと226Bの他端は電流源Iの端子に結合され得るが、電流源Iはあらゆる適切な直流(DC)源又は交流(AC)源を表し得る。
【0018】
図2Cは、第一部200と第二部202を互いに溶接することによって形成された物品228を示す。第一部200と第二部202の溶接は、物品228に溶接継手230を生じさせる。溶接プロセスが、第一部200と第二部202との間の抵抗加熱物質210を用いて行われるので、溶接が完了した後に、抵抗加熱物質210が溶接継手230の内部に残存する。溶接は、第一部200と第二部202を接合するものであるが、一部例では、抵抗加熱物質210を第一部200と第二部202に溶接し得る。このように、溶接継手230とは、第一部200と第二部202の溶接物質、並びに継手内に位置する抵抗加熱物質210のことを称する。
【0019】
物品228は、ダクト112の一部を概略的に表している。しかしながら、本開示の手法に従って、あらゆる適切な種類の物品が形成可能であり、フェアリング、パネル、他の航空機部品や航空宇宙部品が挙げられるが、これらに限定されない。更に、上述のように、一部物品は、三つ以上の別々のアディティブマニュファクチャリング部から形成され得る。このようにして、拡張可能なサイズ、寸法、幾何学的形状を有する物品が形成可能である。更に、アディティブマニュファクチャリングを用いて、部品専用の工具を使わずに複雑な形状の部品を形成することができるので、大型物品の各アディティブマニュファクチャリング部が互いに異なる構成を有することができることによって、アディティブマニュファクチャリングするには全体として大き過ぎて、機械加工や鋳造や他の方法によって形成するには複雑及び/又は高価である複雑な部品を都度製造することが可能となる。
【0020】
抵抗加熱物質210の物質組成は、その抵抗加熱物質210の融点が第一部200と第二部202の融点よりも適切に高くなるように選択され得る。例として、抵抗加熱物質210は、互いに溶接される部分の金属に応じて、銅、銀、金、チタン、鋼、アルミニウム、ニッケル/クロム合金(他の金属も含有し得る)、例えば、INCONEL合金(ニューヨーク州ニューハートフォードのSpecial Metals社製)、錫、また、耐熱金属、例えば、タングステン、タンタル、モリブデン、レニウム、ニオブ等を含み得る。第一部200と第二部202に適した金属の例として、鋼、鋼合金、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金(例えば、具体的な一例として、Ti‐6Al‐4V)、コバルト、コバルト合金、ニッケル、ニッケル合金、鉄、鉄合金、青銅、青銅合金、ニオブ、ニオブ合金が挙げられる。
【0021】
一部例では、図2A図2Bに示されるように、金属部を溶接するためにリードを介して電流を流し得る。他の例では、誘導電流を発生させることによって、誘導加熱で金属部を溶接し得る。図3はこのような手法の一例を示し、第一アディティブマニュファクチャリング金属部300と第二アディティブマニュファクチャリング金属部302が誘導加熱で互いに溶接される。第一部300と第二部302の周囲に配置されたループ又はコイル導体(306で概略的に示される)に交流電流を流すことによって、抵抗加熱物質304内に電流が誘導される。
【0022】
上述のように、本開示の溶接によって接合されるアディティブマニュファクチャリング部は、溶接中にそれら部分同士を保持するのに役立つ特徴部を含み得る。図2A図2C図3の例では相補的なコネクタを利用していて、雌型コネクタが、金属部の壁厚全体を貫通する開口を備え、雄型コネクタが、壁厚に等しい厚さを有する。他の例として、図4は、金属部400の壁の一部分まで伸びる雌型コネクタ402Aと402Bを備える他のアディティブマニュファクチャリング部400を示す。対応の雄型コネクタ(図示せず)は、相補的な部分的厚さの構成を有する。更に、一部例では、一つ以上のコネクタの部分集合が部分的厚さの構成を有し、他の部分集合が完全な厚さの構成を有する。部分的厚さのコネクタについて、壁の外側と内側のどちらにコネクタ用の開口を設けるのかは、壁のどちら側が機能表面であるのかに少なくとも部分的に基づき得る。一例として、金属部400は、その内部に加圧空気を伝える物品の部分を形成し得る。そこで、内側壁面404を連続的にして、雌型コネクタ402として例示されている機能表面として、外側壁面406にコネクタ用の開口を形成し得る。
【0023】
図5Aは、溶接中に第一アディティブマニュファクチャリング金属部500と第二アディティブマニュファクチャリング金属部502を保持するための他の例示的な構成を示す。本例では、各部が相補的なネジ山を備える。具体的には、第一部500は、外壁506の表面上に配置されたネジ山504を含み、そのネジ山504は、第二部502の内壁510の表面に配置された相補的なネジ山508と嵌め合うように構成される。第一部500は、外壁506の表面上に配置された一つ以上のチャネル512を更に含み、一つ以上のチャネル512の少なくとも一部に沿って抵抗加熱物質514が配置される。チャネル512は、隣接するネジ山504同士の間に配置される。この配置構成で、第一部500がネジ山504を介して第二部502に嵌まっていると、抵抗加熱物質514を流れる電流が、第一部500と第二部502を接合する溶接継手515を形成し、図5Bに示されるような金属物品516を形成する。他の例では、抵抗加熱物質514をネジ山504内部に配置し得る。
【0024】
図6A図6Cは、溶接中にアディティブマニュファクチャリング部同士を互いに保持するための他の機構を示す。図6Aは、第一フランジ604を備える第一アディティブマニュファクチャリング金属部600と、第二フランジ606を備える第二アディティブマニュファクチャリング金属部602を示す。抵抗加熱物質608は第一フランジ604の外縁に沿って配置される。第一フランジ604と第二フランジ606は、溶接中に第一部600と第二部602を互いに締め付けるための表面を与える。図6Bは、第一フランジ604と第二フランジ606を互いに保持するように位置する締め具610を示す。第一部600と第二部602は、抵抗加熱物質608に電流を流すことによって生じる熱で互いに溶接されて、図6Cに示されるような溶接継手614を有する物品612が形成される。
【0025】
締め具610は、溶接継手614の形成後に取り外されるか、又は留置され得る。一部例では、締め具610がアディティブマニュファクチャリングされ得て、共通のアディティブマニュファクチャリング工程で第一部600及び/又は第二部602との一体部として形成され得る。他の例では、締め具610は、第一部600及び第二部602とは別々に製造され得る。締め具610が溶接中に抵抗加熱物質608に近接し得て、また、第一フランジ604と第二フランジ606が溶接中に高温に達し得るので、締め具610は、第一フランジ604や第二フランジ606に結合せずに、こうした温度に耐えるように構成された物質製となり得る。締め具610を形成するのに使用可能な適切な物質の例として、多様なセラミック、例えば、窒化ホウ素、アルミナ、炭化珪素、ジルコニア、SiO、窒化珪素、窒化アルミニウム、及び/又は他の窒化物や酸化物が挙げられるが、これらに限定されない。更に、締め具610は、締め具によって保持される部分の形状に応じてあらゆる適切な機械的形態を有し得る。一例として、締め具610は、一方の側にヒンジを有し他方の側にロックを有するツーピースのクラムシェル設計を有し得る。締め具610等の締め具の使用は、図6A図6Cに示されるフランジ/部分の幾何学的形状に限定されるものではなく、フランジを用いた接合に限定されるものでもない。代わりに、締め具610を用いて、あらゆる適切な部分の隣接表面同士を溶接中に保持することができる。
【0026】
図7は、不規則な形状、例えば、波状、湾曲、及び/又は少なくとも部分的に正弦曲線形状を有するフランジ702を備える例示的なアディティブマニュファクチャリング金属部700を示す。このような形状は、金属部700を他の部分に溶接する際に継手にひびが入ることを防止するのに役立ち得る。アディティブマニュファクチャリング金属部700は、フランジ702に沿って設けられた抵抗加熱物質704を更に含む。金属部700は、金属部700と相補的な幾何学的形状を有する他の金属部に溶接され得る。他の例では、金属部は、フランジ以外の不規則な接合部を有する。
【0027】
図8は、金属物品を形成する例示的な方法800を表すフローチャートを示す。方法800は、航空機や他の乗り物用部品等のあらゆる適切な物品を形成するのに採用可能である。802において、方法800は、金属物品の第一部をアディティブマニュファクチャリングすることを含む。第一部を形成するのにあらゆる適切なアディティブマニュファクチャリング法を用いることができ、粉体床の溶融や指向性エネルギー付与が挙げられるが、これらに限定されない。金属物品の第一部をアディティブマニュファクチャリングすることは、第一部にチャネルを形成すること804を含み得る。
【0028】
806において、方法800は、金属物品の第二部をアディティブマニュファクチャリングすることを含む。第二部を形成するのにあらゆる適切なアディティブマニュファクチャリング法を用いることができ、上述の方法のうち一つ以上が挙げられるが、それらに限定されない。金属物品の第二部をアディティブマニュファクチャリングすることは、第一部にチャネルを形成することに代えて又は加えて、第二部にチャネルを形成すること808を含み得る。
【0029】
810において、方法800は、金属物品の第一部と金属物品の第二部との間の境界領域内に抵抗加熱物質が位置するようにして金属物品の第一部を金属物品の第二部に隣接して配置することを含む。一部例では、812で示されるように、第一部及び/又は第二部に形成されたチャネル内に抵抗加熱物質を配置し得る。他の例では、814で示されるように、金属物品の第一部上に抵抗加熱物質の層を堆積させることによって、抵抗加熱物質をアディティブマニュファクチャリングし得る。
【0030】
一部例では、金属物品の第一部を金属物品の第二部に隣接して配置することは、締め具を用いて第一部と第二部を互いに締め付けること816を含み得るが、他の例では、締め具を省き得る。更に、一部例では、金属物品の第一部を金属物品の第二部に隣接して配置することは、締め具を使用することに代えて又は加えて、相補的なコネクタとネジ山のうち一つ以上を用いて第一部と第二部を共に接続すること818を含み得る。更に、一部例では、819で示されるように、充填材をチャネルに追加し得る。充填材は、第一アディティブマニュファクチャリング金属部及び/又は第二アディティブマニュファクチャリング金属部と同じ物質を含み得て、又は、加熱時にチャネルを充填するように融解又は溶融可能な適切な他の物質を含み得る。充填材は、粉末として、ワイヤとして、ペースト又は他の粘性物質として、又は他の適切な形態で提供され得る。
【0031】
820において、方法800は、抵抗加熱物質に電流を流して、抵抗加熱物質に熱を発生させて、その熱で第一部と第二部を互いに溶接することを含む。一部例では、抵抗加熱物質に電流を流すことは、抵抗加熱物質に誘導電流を流すこと822を含み得る。当業者に理解されるように、溶接部を形成するのに印加される電流の量は、使用される抵抗加熱物質に基づく。他の例では、他の適切な電流が使用可能である。
【0032】
本開示の手法は、アディティブマニュファクチャリングを、コストを下げ、廃棄物を減らし、製造時間を短縮しながら、大型部品の製造(複雑及び/又は非線形な幾何学的形状を有する部品の形成が挙げられるが、これに限定されない)において利用可能にするという利点を奏し得る。更に、本開示の手法は、大型部品をアディティブマニュファクチャリングすることに関連する問題、例えば、大型のアディティブマニュファクチャリング用機器で利用可能となる製造体積に起因する部品サイズの制限を回避しながら、こうした利点を奏し得る。また、本開示の手法は、アディティブマニュファクチャリング単独では実現不可能な場合に部品を形成することを可能にし得る。大型部品を形成するのに用いられる他の方法に関連する課題、例えば、シート状金属を機械加工することに起因する屑材の発生や器具の劣化も回避し得る。更に、本開示の手法は、高品質表面仕上げの部品を形成することを可能にして、形成される部品の後処理を減らし得る。航空機及び/又は他の航空宇宙部品を形成する場合、本開示の手法は、このような部品の即応性で高速のサプライチェーンを促進することで、在庫や保管の要求を低減し得る。こうした利点は、新規の航空機や他の乗り物の構築に役立ち、また、既存の乗り物の維持(例えば、アフターマーケットでの製造用)に役立ち得る。
【0033】
他の例は、第一アディティブマニュファクチャリング金属部と、溶接継手において第一アディティブマニュファクチャリング金属部に結合している第二アディティブマニュファクチャリング金属部と、溶接継手内部に位置する抵抗加熱物質とを備える物品を提供し、抵抗加熱物質は第一アディティブマニュファクチャリング金属部及び第二アディティブマニュファクチャリング金属部と異なる物質を備える。このような例では、第一アディティブマニュファクチャリング金属部はチャネルを備え得て、抵抗加熱物質はチャネルの少なくとも一部に沿って配置され得る。このような例では、代替的に又は追加的に、第一アディティブマニュファクチャリング金属部はネジ山を備え得て、チャネルはネジ山同士の間に配置され得る。このような例では、代替的に又は追加的に、物品は、チャネルの少なくとも一部に沿って配置された充填材を備え得る。このような例では、代替的に又は追加的に、第一アディティブマニュファクチャリング金属部は雄型コネクタを備え得て、第二アディティブマニュファクチャリング金属部は、雄型コネクタに結合された雌型コネクタを備え得る。このような例では、代替的に又は追加的に、第一アディティブマニュファクチャリング金属部は第一フランジを備え得て、第二アディティブマニュファクチャリング金属部は第二フランジを備え得る。このような例では、抵抗加熱物質はワイヤと膜のうち一つ以上を備え得る。このような例では、物品は、ダクト、フェアリング又はパネルを備え得る。このような例では、溶接継手は不規則な形状を有し得る。
【0034】
他の例は、金属部品を備える乗り物を提供し、その金属部品は、第一アディティブマニュファクチャリング金属部と、溶接継手において第一アディティブマニュファクチャリング金属部に結合している第二アディティブマニュファクチャリング金属部と、溶接継手内部に位置する抵抗加熱物質とを備え、抵抗加熱物質は第一アディティブマニュファクチャリング金属部及び第二アディティブマニュファクチャリング金属部と異なる物質を備える。このような例では、第一アディティブマニュファクチャリング金属部と第二アディティブマニュファクチャリング金属部は、ネジ山とコネクタとフランジとのうち一つ以上を備え得る。このような例では、乗り物は航空機を備え得る。このような例では、金属部品は、フェアリング、パネル、又はダクトを備え得る。
【0035】
他の例は、金属物品を形成する方法を提供し、方法は、金属物品の第一部をアディティブマニュファクチャリングすることと、金属物品の第二部をアディティブマニュファクチャリングすることと、金属物品の第一部と金属物品の第二部との間の境界領域内に抵抗加熱物質が位置するようにして金属物品の第一部を金属物品の第二部に隣接して配置することと、抵抗加熱物質に電流を流し、抵抗加熱物質に熱を発生させることと、抵抗加熱物質で生じた熱で金属物品の第一部と金属物品の第二部を溶接することと、を備える。このような例では、金属物品の第一部を金属物品の第二部に隣接して配置することは、締め具で第一部と第二部を互いに締め付けることを備え得る。このような例では、金属物品の第一部をアディティブマニュファクチャリングすることは、物品の第一部にチャネルを形成することを備え、方法は、代替的に又は追加的に、チャネル内に抵抗加熱物質を配置することを備え得る。このような例では、方法は、代替的に又は追加的に、チャネルに充填材を追加することを備え得る。このような例では、方法は、代替的に又は追加的に、金属物品の第一部上に抵抗加熱物質の層を堆積させることによって、抵抗加熱物質をアディティブマニュファクチャリングすることを備え得る。このような例では、代替的に又は追加的に、金属物品の第一部を金属物品の第二部に隣接して配置することは、相補的なコネクタとネジ山のうち一つ以上を用いて第一部と第二部を互いに接続することを備え得る。このような例では、抵抗加熱物質に電流を流し、抵抗加熱物質に熱を発生させることは、抵抗加熱物質に誘導電流を流すことを備え得る。
【0036】
本開示は、更に、以下の項に係る例を含む。
【0037】
項1
第一アディティブマニュファクチャリング金属部と、溶接継手において第一アディティブマニュファクチャリング金属部に結合している第二アディティブマニュファクチャリング金属部と、溶接継手内部に位置する抵抗加熱物質と、を備える物品であって、抵抗加熱物質が第一アディティブマニュファクチャリング金属部及び第二アディティブマニュファクチャリング金属部とは異なる物質を備える、物品。
【0038】
項2
第一アディティブマニュファクチャリング金属部がチャネルを備え、抵抗加熱物質がチャネルの少なくとも一部に沿って位置している、項1に記載の物品。
【0039】
項3
第一アディティブマニュファクチャリング金属部がネジ山を備え、チャネルがネジ山同士の間に位置する、項2に記載の物品。
【0040】
項4
チャネルの少なくとも一部に沿って位置する充填材を更に備える項2に記載の物品。
【0041】
項5
第一アディティブマニュファクチャリング金属部が雄型コネクタを備え、第二アディティブマニュファクチャリング金属部が、雄型コネクタに結合されている雌型コネクタを備える、項1に記載の物品。
【0042】
項6
第一アディティブマニュファクチャリング金属部が第一フランジを備え、第二アディティブマニュファクチャリング金属部が第二フランジを備える、項1に記載の物品。
【0043】
項7
抵抗加熱物質がワイヤと膜のうち一つ以上を備える、項1に記載の物品。
【0044】
項8
物品がダクト、フェアリング、又はパネルを備える、項1に記載の物品。
【0045】
項9
溶接継手が不規則な形状を備える、項1に記載の物品。
【0046】
項10
金属部品を備える乗り物であって、金属部品が、第一アディティブマニュファクチャリング金属部と、溶接継手において第一アディティブマニュファクチャリング金属部に結合している第二アディティブマニュファクチャリング金属部と、溶接継手内部に位置する抵抗加熱物質と、を備え、抵抗加熱物質が第一アディティブマニュファクチャリング金属部及び第二アディティブマニュファクチャリング金属部とは異なる物質を備える、乗り物。
【0047】
項11
第一アディティブマニュファクチャリング金属部と第二アディティブマニュファクチャリング金属部が、ネジ山とコネクタとフランジのうち一つ以上を備える、項10に記載の乗り物。
【0048】
項12
乗り物が航空機を備える、項10に記載の乗り物。
【0049】
項13
金属部品が、フェアリング、パネル、又はダクトである、項12に記載の乗り物。
【0050】
項14
金属物品を形成する方法であって、金属物品の第一部をアディティブマニュファクチャリングすることと、金属物品の第二部をアディティブマニュファクチャリングすることと、金属物品の第一部と金属物品の第二部との間の境界領域内に抵抗加熱物質が位置するようにして金属物品の第一部を金属物品の第二部に隣接して配置することと、抵抗加熱物質に電流を流して、抵抗加熱物質に熱を発生させることと、抵抗加熱物質に生じた熱で金属物品の第一部と金属物品の第二部を共に溶接することと、を備える方法。
【0051】
項15
金属物品の第一部を金属物品の第二に隣接して配置することが、締め具で第一部と第二部を共に締め付けることを備える、項14に記載の方法。
【0052】
項16
金属物品の第一部をアディティブマニュファクチャリングすることが、物品の第一部にチャネルを形成することを備え、チャネル内に抵抗加熱物質を配置することを更に備える項14に記載の方法。
【0053】
項17
チャネルに充填材を加えることを更に備える項14に記載の方法。
【0054】
項18
金属物品の第一部上に抵抗加熱物質の層を堆積させることによって抵抗加熱物質をアディティブマニュファクチャリングすることを更に備える項14に記載の方法。
【0055】
項19
金属物品の第一部を金属物品の第二部に隣接して配置することが、相補的なコネクタとネジ山のうち一つ以上で第一部と第二部を互いに接続することを備える、項14に記載の方法。
【0056】
項20
抵抗加熱物質に電流を流して、抵抗加熱物質に熱を発生させることが、抵抗加熱物質に誘導電流を流すことを備える、項14に記載の方法。
【0057】
本開示は、本願で開示されている多様な特徴と手法の全ての新規で非自明な組み合わせと部分的組み合わせを含むものである。本開示の多様な特徴と手法は、本開示の全ての例で必ずしも必要とされるものではない。更に、本開示の多様な特徴と手法は、本開示の例とは別に特許可能な主題を定め得るものであって、本願で明示的に記載されていない他の実施における有用性を見出し得るものである。
【符号の説明】
【0058】
200 第一アディティブマニュファクチャリング金属部
202 第二アディティブマニュファクチャリング金属部
210 抵抗加熱物質
220 チャネル
230 溶接継手
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7
図8