(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-07
(45)【発行日】2025-07-15
(54)【発明の名称】モータ制御装置、モータ制御方法
(51)【国際特許分類】
H02P 6/24 20060101AFI20250708BHJP
H02P 6/16 20160101ALI20250708BHJP
【FI】
H02P6/24
H02P6/16
(21)【出願番号】P 2020149416
(22)【出願日】2020-09-04
【審査請求日】2023-07-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155712
【氏名又は名称】村上 尚
(72)【発明者】
【氏名】水谷 昌樹
【審査官】三島木 英宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-321467(JP,A)
【文献】特開2009-118694(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 6/24
H02P 6/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3相直流モータの回転の制動時に、前記3相直流モータの回転速度および前記3相直流モータの回転停止までの残りパルス数に基づいて、前記3相直流モータの回転停止位置の調整を開始するか否かを判定する調整開始判定部と、
前記3相直流モータの回転速度がゼロになり、前記3相直流モータの回転停止までの残りパルス数がゼロであることに基づいて、前記調整開始判定部が前記調整を開始すると判定
したとき、前記3相直流モータを所望の回転停止位置にて停止させるための、前記3相直流モータの各相の励磁による回転制御を行う停止制御部と、を備えており、
前記停止制御部は、前記3相直流モータの回転状態を監視する回転状態監視部の出力信号を、予め用意された少なくとも1つのテーブルを参照して変換して得られた信号に基づいて、前記回転制御を行うモータ制御装置。
【請求項2】
前記3相直流モータの回転が正転であるときに前記停止制御部が参照する前記テーブルと、前記3相直流モータの回転が逆転であるときに前記停止制御部が参照する前記テーブルとが異なっている請求項1に記載のモータ制御装置。
【請求項3】
前記調整開始判定部は、前記残りパルス数を前記停止制御部に通知し、
前記停止制御部は、前記残りパルス数に応じた回転量分だけ、前記3相直流モータの回転を進める請求項1または2に記載のモータ制御装置。
【請求項4】
前記停止制御部は、前記回転状態監視部に第1入力信号が入力される第1範囲から前記回転状態監視部に第2入力信号が入力される第2範囲に回転するときに前記3相直流モータが前記所望の回転停止位置に到達したと判定し、前記所望の回転停止位置は、前記第2範囲のうち前記第1範囲に最も近い位置であり、前記第2入力信号は前記第1入力信号と異なり、前記第2範囲は前記第1範囲と隣接する、請求項1~3の何れか1項に記載のモータ制御装置。
【請求項5】
3相直流モータの回転の制動時に、前記3相直流モータの回転速度および前記3相直流モータの回転停止までの残りパルス数に基づいて、前記3相直流モータの回転停止位置の調整を開始するか否かを判定する調整開始判定工程と、
前記3相直流モータの回転速度がゼロになり、前記3相直流モータの回転停止までの残りパルス数がゼロであることに基づいて、前記調整開始判定工程にて前記調整を開始すると判定
したとき、前記3相直流モータを所望の回転停止位置にて停止させるための、前記3相直流モータの各相の励磁による回転制御を行う停止制御工程と、を含んでおり、
前記停止制御工程にて、前記3相直流モータの回転状態を監視する回転状態監視部の出力信号を、予め用意された少なくとも1つのテーブルを参照して変換して得られた信号に基づいて、前記回転制御を行うモータ制御方法。
【請求項6】
前記停止制御工程は、前記回転状態監視部に第1入力信号が入力される第1範囲から前記回転状態監視部に第2入力信号が入力される第2範囲に回転するときに前記3相直流モータが前記所望の回転停止位置に到達したと判定し、前記所望の回転停止位置は、前記第2範囲のうち前記第1範囲に最も近い位置であり、前記第2入力信号は前記第1入力信号と異なり、前記第2範囲は前記第1範囲と隣接する、請求項5に記載のモータ制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は3相直流モータの停止位置の制御に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回胴遊技機において、回転するリールの高精度な位置停止が必要なため、リールの回転を制御するためのモータとしてステッピングモータが用いられることが一般的であった。一方、近年、遊技者の興趣を高めるためにリールの駆動速度を速くすることを目的として、リールの回転を制御するためのモータとして直流モータを使用することが検討されている。
【0003】
リールの回転を制御するためのモータとして直流モータを使用する技術の一例として、特許文献1に開示されている技術が挙げられる。特許文献1に開示されている技術においては、直流モータを用いたリールの高精度な位置停止に、ロータリーエンコーダを用いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に示すように、直流モータでの高精度な位置決めには高価な外付けのロータリーエンコーダが必要になり、コストアップを招いてしまう。そこで、リールの回転を制御するためのモータとしての3相直流モータと、3相直流モータの位置検出および励磁相の切り替えを行うホールIC(Integrated Circuit:集積回路)とを用いることが考えられる。
【0006】
しかしながら、一般的な3相直流モータおよび複数のホールICの組み合わせでは、特にホールIC間の正確な位置制御が困難であるため、停止位置精度が従来のステッピングモータと比較して劣る部分がある。
【0007】
そこで、本発明の一態様は、3相直流モータにおいて、高精度な停止位置の制御をすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るモータ制御装置は、3相直流モータの回転の制動時に、前記3相直流モータの回転速度および前記3相直流モータの回転停止までの残りパルス数に基づいて、前記3相直流モータの回転停止位置の調整を開始するか否かを判定する調整開始判定部と、前記調整開始判定部が前記調整を開始すると判定したとき、前記3相直流モータを所望の回転停止位置にて停止させるための、前記3相直流モータの各相の励磁による回転制御を行う停止制御部と、を備えており、前記停止制御部は、前記3相直流モータの回転状態を監視する回転状態監視部の出力信号を、予め用意された少なくとも1つのテーブルを参照して変換して得られた信号に基づいて、前記回転制御を行う。
【0009】
上記の構成によれば、停止位置近傍で停止位置の調整を開始することができ、停止位置の調整のために、3相直流モータの制御方法を変更することができる。ホールICの検出結果をテーブルに基づき、3相直流モータの制御方法を変更することで、ホールICによる検出結果が変化しない間において、微細な停止位置の調整が可能になる。従って、3相直流モータにおいて、高精度な停止位置の制御をすることができる。
【0010】
前記3相直流モータの回転が正転であるときに前記停止制御部が参照するテーブルと、前記3相直流モータの回転が逆転であるときに前記停止制御部が参照するテーブルとが異なっていてもよい。
【0011】
上記の構成によれば、停止位置の調整のために用いるテーブルは複数あってもよく、回転方向に応じて適当なテーブルを用いてもよい。
【0012】
前記調整開始判定部は、前記残りパルス数を前記停止制御部に通知し、前記停止制御部は、前記残りパルス数に応じた回転量分だけ、前記3相直流モータの回転を進めてもよい。
【0013】
上記の構成によれば、残りパルス数がある状況で停止した場合でも、残りパルス数に対応する回転量分3相直流モータの回転を進めることができ、当初の停止位置で停止することができる。
【0014】
本発明の一態様に係るモータ制御方法は、3相直流モータの回転の制動時に、前記3相直流モータの回転速度および前記3相直流モータの回転停止までの残りパルス数に基づいて、前記3相直流モータの回転停止位置の調整を開始するか否かを判定する調整開始判定工程と、前記調整開始判定工程にて前記調整を開始すると判定したとき、前記3相直流モータを所望の回転停止位置にて停止させるための、前記3相直流モータの各相の励磁による回転制御を行う停止制御工程と、を含んでおり、前記停止制御工程にて、前記3相直流モータの回転状態を監視する回転状態監視部の出力信号を、予め用意された少なくとも1つのテーブルを参照して変換して得られた信号に基づいて、前記回転制御を行う。
【0015】
本発明の各態様に係るモータ制御装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記モータ制御装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより前記モータ制御装置をコンピュータにて実現させるモータ制御装置のモータ制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一態様によれば、3相直流モータにおいて、ホールICの信号を用いて高精度な位置停止が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施形態1に係る3相直流モータ制御装置の要部の構成を示すブロック図である。
【
図2】実施形態1に係る3相直流モータの要部の構成を示す概念図である。
【
図3】実施形態1に係る3相直流モータがCW回転およびCCW回転する場合におけるホールICの出力を示すタイミングチャートである。
【
図4】実施形態1に係る入力されたホールICの信号に対するコイルのUVW相の電圧を示す。
【
図5】実施形態1に係るCW回転におけるコイルの励磁による磁界および、ロータの回転角度を表す図である。
【
図6】実施形態1に係るホールIC信号切替部における変換テーブルを示す図である。
【
図7】実施形態1に係る3相直流モータ制御装置の動作を示すフローチャートである。
【
図8】実施形態1に係る3相直流モータ制御装置の停止判定処理を示すフローチャートである。
【
図9】実施形態1に係る3相直流モータ制御装置の停止動作における、現在速度とコイルへの印加電圧を示す概要図である。
【
図10】参考例に係る3相直流モータの回転方向の違いによる停止位置の違いを表す図である。
【
図11】実施形態2に係る回胴遊技機の要部の構成を示すブロック図である。
【
図12】実施形態2に係る回胴遊技機の要部の構成を示す概念図である。
【
図13】実施形態2に係る停止時のドラムユニットの参考図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
〔実施形態1〕
以下、実施形態1のモータ制御装置について説明する。説明の便宜上、実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、以降の各実施形態では、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。また、簡潔化のため、公知技術と同様の事項についても、説明を適宜省略する。
【0019】
§1 適用例
3相直流モータにおいて、回転角度の検出にホールICを用いることが一般的であるが、このホールICの検出結果が変わらない区間では、正確な停止位置の制御が困難である。そこで、停止位置にて3相直流モータが回転し制動していた場合、ホールICによって定まったコイルではなく、予定した停止位置に停止できるように保持トルクを生み出すコイルを励磁することで、停止位置を高精度に制御できる。保持トルクを生み出すコイルは、ホールICの状態と回転方向によって一意に定まる。
【0020】
§2 構成例
図1は、実施形態1に係る3相直流モータ制御装置1の要部の構成を示すブロック図である。
図2は、実施形態1に係る3相直流モータ50の要部の構成を示す概念図である。
【0021】
3相直流モータ制御システム100は、マイコン20と、モータ制御装置1と、モータドライバ30と、3相直流モータ50と、を備える。
【0022】
(3相直流モータ50の構成)
3相直流モータ50は、コイル51と、ホールIC52と、永久磁石53と、フランジ54と、を備える。コイル51は回転しないステータである。ホールIC52は、3相直流モータ50の回転に対して固定されたものである。ここでは、コイル51およびホールIC52を、3相直流モータ50の回転に対して固定された固定部材55と総称する。対して、永久磁石53およびフランジ54は、回転するロータ56である。
【0023】
コイル51は、U相に対応するコイル51aと、V相に対応するコイル51bと、W相に対応する51cとによって構成される。コイル51a・51b・51cの一点は互いに接続されたコモン端子であり、他点はモータ制御装置1のモータドライバ30にそれぞれ接続されている。
【0024】
ホールIC52は、コイル51cとコイル51aとの間にあるホールIC52aと、コイル51aとコイル51bとの間にあるホールIC52bと、コイル51bとコイル51cとの間にあるホールIC53cとによって構成される。ホールIC52a・52b・52cは近傍にある永久磁石53の磁極を検出するセンサである。
【0025】
ロータ56が回転することで、ホールIC52が検出する永久磁石53の組み合わせが変わることで3相直流モータ50の回転角度を検出する。そのため、ホールICの検出結果が変わらない区間では3相直流モータ50の正確な回転角度がわからない。具体的には、コイル51が3個で永久磁石53が4個の場合では、ホールIC52の検出結果は、1回転を12分割しているため、同じ検出結果の区間が30°あることになる。
【0026】
この検出結果を1段階変化させる単位を1パルスと呼び、3相直流モータ50の回転回数および回転角度を表す単位とする。
【0027】
永久磁石53は、磁界がN極である53aおよび53cと、磁界がS極である53bおよび53dから構成される。永久磁石53は、53a・53b・53c・53dの順に円環状に配置されたリングであり、ホールIC52の直上に永久磁石53が配置され、ロータ56は固定部材55の外周を回転する。
【0028】
フランジ54は、3相直流モータ50が回転する物体を固定する部材である。例えば、ロータ56で回転させる、回胴遊技機の回転するロールを固定する。
【0029】
例えば、コイル51aからコイル51bに向かって電流を流すことにより、コイル51aの磁界はS極に、コイル51bの磁界はN極に帯磁したとする。帯磁した磁界に釣り合う形で、永久磁石53が動く。次に、コイル51bからコイル51cに向かって電流を流すことにより、コイル51bの磁界はS極に、コイル51cの磁界はN極に帯磁したとする。再び、帯磁した磁界に釣り合う形で永久磁石53が動く。順次、これをくりかえすことにより、永久磁石53がコイル51の周辺を回転する。すなわち、ロータ56が固定部材55を中心に回転する。このように、コイル51のUVW相のうち2極に電流を流すことで、3相直流モータ50を回転させることができる。
【0030】
3相直流モータ50は負荷57を駆動する。負荷57は、回胴遊技機の回転するロール、減速機、他の任意の負荷でもよい。
【0031】
原点センサ58は、負荷57の一回転を検出するセンサであり、負荷57が実際に出力する角度の原点を定めるセンサである。原点センサ58の原理としては、例えば、フォトセンサで負荷57の原点を検出することが考えられる。この場合、負荷57側に遮光フラグを設け、原点センサ58のセンサ部は固定し、当該遮光フラグによって遮光および透光することで、負荷57の原点を検出することが考えられる。原点センサ58は、マイコン20および、モータ制御装置1に原点信号を出力する。モータ制御装置1は入力された原点信号により、現在位置を原点位置としてゼロリセットすることができ、上位機器であるマイコン20からの指令を原点位置からの距離として停止位置を処理して、動作することができる。
【0032】
(3相直流モータ制御装置1の構成)
モータ制御装置1は、パルス信号生成部11と、センサインタフェース部12と、制動開始判定部13と、ホールIC信号切替部15(停止制御部)と、PWM(Pulse width modulation)信号出力部16と、記憶部40と、を備える。制動開始判定部13は、調整開始判定部14をも備える。
【0033】
マイコン20は、モータ制御装置1の上位装置にあたり、モータ制御装置1に3相直流モータ50の回転速度および停止位置を、パルス信号生成部11に出力する。例えば、停止位置としては、3相直流モータ50の回転回数および回転角度を指定してもよい。
【0034】
記憶部40は、モータ制御装置1の制御に用いるデータ及びプログラムを記憶する。記憶部40は、速度テーブルと、変換テーブルと、を記憶する。
【0035】
パルス信号生成部11は、入力された3相直流モータ50の回転速度および停止位置から、3相直流モータの駆動パルスを生成する。駆動パルスは、制動開始判定部13およびPWM信号出力部16に出力する。また、3相直流モータ50が停止するまでの生成パルス数を決定する。
【0036】
センサインタフェース部12は、UVW相のそれぞれのホールIC52の検出結果であるHu/Hv/Hwを取得し、制動開始判定部13およびホールIC信号切替部15にHu/Hv/Hwを出力する。センサインタフェース部12は、ホールIC52が検出した永久磁石53の磁極がN極である場合Hとし、S極である場合Lとする。UVW相のそれぞれのホールIC52の検出結果から、ロータ56の回転角度を取得することができる。
【0037】
図3は、3相直流モータ50がCW回転およびCCW回転する場合におけるホールIC52の出力を示すタイミングチャートである。
図3に示すように、UVW相のそれぞれのホールICの検出結果であるHu/Hv/Hwは、それぞれ位相が120°ずれた矩形波となる。
【0038】
制動開始判定部13は、3相直流モータ50に制動をかけるか否かを判定する。制動開始判定部13は、回転停止までの残りパルス数が、予め記憶部40に記憶されている速度テーブルに記載の3相直流モータ50の現在回転速度の制動に要するパルス数未満の場合、3相直流モータ50に制動をかける。ここで、回転停止までの残りパルス数は、生成パルス数から、停止動作を開始してからの移動済みパルス数(入力済みの駆動パルス数)を減算したものである。制動開始判定部13は、制動中かを示す制動中信号をPWM信号出力部16に出力する。
【0039】
調整開始判定部14は、3相直流モータ50の現在回転速度、および回転停止までの残りパルス数から、通常モードと調整モードの動作モードの切り替えを行う。通常モードは、3相直流モータ50を正常に回転させている場合および制動を行っている場合に取る動作モードである。対して、調整モードは、3相直流モータ50が制動し、停止する時に、3相直流モータ50への励磁方法を切り換え、停止位置を微調整し、現在位置の保持を行う動作モードである。調整開始判定部14は、動作モードおよび残りパルス数をホールIC信号切替部15に出力し、動作モードをPWM信号出力部16に出力する。
【0040】
ホールIC信号切替部15は、調整開始判定部14から入力された動作モードに従い、センサインタフェース部12から入力されたHu/Hv/Hwを用いて、3相直流モータ50を駆動する位相を選択する。
【0041】
通常モードの場合、ホールIC信号切替部15は、Hu/Hv/Hwを、そのままモータドライバ30に出力する。対して、調整モードの場合、ホールIC信号切替部15は、入力されたHu/Hv/Hwを、記憶部40にあらかじめ記憶されている変換テーブルに従い変換し、変換後のHu/Hv/Hwをモータドライバ30に出力する。変換テーブルの詳細に関しては後述する。
【0042】
PWM信号出力部16は、駆動パルスと、制動中信号と、調整モードとから、モータドライバ30にPWM信号を出力する。出力するPWM信号のデューティ比は、入力した信号に依存する。制動中信号または調整モードの場合は、記憶部40にあらかじめ記憶された固定値をデューティ比とする。制動中信号および調整モードは両立しない。
【0043】
また、通常モードで制動中信号がでていない場合、駆動パルスを基にして、デューティ比を定める。すなわち、駆動パルスのパルス速度を算出し、記憶部40に記憶されている速度テーブルを参照し、予め定められたPWMのデューティ比を選択する。
【0044】
モータドライバ30は、3相直流モータ50を駆動するために、コイル51a/51b/51cがそれぞれ接続されている。Hu/Hv/Hwに従い、順にコイル51のUVW相を入力されたPWM信号でもって励磁する。
【0045】
図4は、入力されたホールIC52の信号に対するコイル51のUVW相の電圧を示す。ここで、電圧としては、ハイインピーダンスを表すHi-zと、PWM信号出力部16によるPWMを入力するPWMと、VDD(Voltage drain)との3種類をとる。CW回転およびCCW回転の回転方向の違いによって、電圧も異なる。
【0046】
VDDが印加されたコイル52からPWMが印加されたコイル52に対して、PWMでの電位が0Vの時に電流が流れ、2極のコイル52に磁界が発生する。
図5は、CW回転におけるコイル51の励磁による磁界および、ロータの回転角度を表す図である。ここで、
図4および
図5における、同じNoはお互いに対応づく。
図5に示すように、コイル51の励磁を
図4に従って励磁することで、3相直流モータ50は回転する。CCW回転においても、
図5と位相が異なるがほぼ同様の図が導出できる。
【0047】
(変換テーブル)
図6は、ホールIC信号切替部における変換テーブルを示す図である。変換テーブルは、回転方向により異なるテーブルを用い、CW回転のものとCCW回転のものがある。
【0048】
図4および
図5に示すように、通常モードでは、コイル51を励磁する位相を変更することで3相直流モータ50を回転させるが、調整モードでは、変換テーブルを用いることによって、コイル51と永久磁石53(ロータ56)とが引き合う位置関係になるように、コイル51を励磁する。すなわち、調整モードでは特定の回転位置での保持トルクを作り出している。
【0049】
また、調整モードにおいては、ホールIC信号切替部15は、回転停止までの残りパルス数がゼロではない場合、現在位置から残りパルス数分だけ現在の回転を進めた位置での保持トルクを出力する励磁関係となるHu/Hv/Hwをモータドライバ30に出力する。
【0050】
§3 動作例
図7は、実施形態1に係る3相直流モータ制御装置1の動作を示すフローチャートである。
【0051】
S11において、動作モードを通常モードとして停止処理を開始する。
【0052】
S12において、パルス信号生成部11は、3相直流モータ50が停止するまでの生成パルス数を、マイコン20から取得した停止位置を基に決定する。
【0053】
S13において、センサインタフェース部12は、ホールIC52によって、3相直流モータ50の現在位置を検出し、現在回転速度を算出する。
【0054】
S14において、制動開始判定部13は、残りパルス数が、速度テーブルを参照し、3相直流モータ50の現在回転速度の制動に要するパルス数未満かを判断する。すなわち、現在位置から制動を開始して停止位置にてちょうど減速できるかを判断する。ここで、残りパルス数は、回転停止までのパルス数を意味し、生成パルス数から、停止動作を開始してからの移動済みパルス数を減算したものである。
【0055】
S14においてNoの場合(制動を開始しない場合)、S15に遷移し、3相直流モータ50の回転を継続する。S15において、PWM信号出力部16は、駆動パルスを基にマイコン20から指定された速度に対応するPWM信号をモータドライバ30に出力する。
【0056】
S16において、モータドライバ30は、ホールIC52の検出結果(Hu・Hv・Hw)に基づき、コイル51を励磁し、3相直流モータ50の回転を継続させる。その後、S13に遷移し、S14の条件が成立するまでループする。
【0057】
S14においてYesの場合(制動を開始する場合)、S17に遷移し、制動停止を開始する。S17において、制動開始判定部13は、制動中の信号をPWM信号出力部16に出力する。PWM信号出力部16は、モータドライバ30に制動用の固定PWM信号を出力する。
【0058】
S18において、モータドライバ30は、ホールIC52の検出結果(Hu・Hv・Hw)に基づき、コイル51を励磁し、3相直流モータ50を制動させる。
【0059】
S19において、停止判定処理を行い停止する。
【0060】
(停止処理の概要)
図8は、実施形態1に係る3相直流モータ制御装置1の停止判定処理を示すフローチャートである。
図9は、実施形態1に係る3相直流モータ制御装置1の停止動作における、現在速度とコイル51への印加電圧を示す概要図である。
【0061】
回転停止までの残りパルス数および3相直流モータ50の回転速度によって、異なる停止処理を行う。
【0062】
S21において、3相直流モータ50の現在速度がゼロかどうかを判断する。
【0063】
S21においてNoの場合(3相直流モータ50が回転している場合)、S22に遷移する。S22において、回転停止までの残りパルス数がゼロであるかどうかを判断する。
【0064】
S22においてNoの場合(残りパルス数がゼロでない場合)、S21に戻り、S21もしくはS22の条件が満たされるまでループする。
【0065】
(停止処理1)
まず、停止位置で制動し停止する場合の停止処理1を示す。
【0066】
S21においてYesの場合(3相直流モータ50が停止している場合)、S23に遷移する。S23において、回転停止までの残りパルス数がゼロであるかどうかを判断する。
【0067】
S23においてYesの場合(残りパルス数がゼロの場合)、S24に遷移する。S24において、調整開始判定部14は、調整モードを出力する。
【0068】
S25において、PWM信号出力部16が停止保持電圧の固定値をモータドライバ30にPWM出力する。
【0069】
S26において、モータドライバ30は、ホールIC52の検出結果(Hu/Hv/Hw)における調整モードにおいて、コイル51を所定の時間励磁し、3相直流モータ50を微調整する。調整モードにより、停止位置が所望の位置で停止させることができる。所定の時間経過後、励磁を解く。
【0070】
停止処理1では、
図9における回転速度グラフ71および印加電圧グラフ72の場合であり、制動を開始してから徐々に減速し、停止位置で予定通りに停止した場合を示すグラフである。時刻t1までは、一定速度で回転しており、この間コイル51には正の電圧が印加される。時刻t1からt2にかけては、制動中であり、予め定められた一定の負の電圧が印加される。時刻t2において回転が停止する。時刻t2からt3にかけては、停止保持期間であり、予め定められた一定の正の電圧が印加される。
【0071】
例えば、CW回転でNo1で停止すべく通常モードで制動し、No1で停止した場合、残りパルス数がゼロであり、停止処理1となり調整モードに移行する。この場合、現在位置がNo1なため、ホールIC52の検出結果はHu/Hv/Hw=H/L/Hであるため、ホールIC信号切替部15によって、Hu/Hv/Hw=L/H/Hに変換される。そのため、モータドライバ30は、U相がVDDで、V相がHi-zで、W相がPWMで励磁され、No1の停止位置で停止する。
【0072】
(停止処理2)
次に、停止位置までに制動できずに停止する場合の停止処理2を示す。
【0073】
S22においてYesの場合(残りパルス数がゼロの場合)、S31に遷移する。S31において、調整開始判定部14は、調整モードを出力する。
【0074】
その後、S25に遷移し、停止保持期間だけ調整モードでコイル51を励磁し、停止処理を終了する。
【0075】
停止処理2では、
図9における回転速度グラフ73および印加電圧グラフ72の場合であり、制動を開始してから徐々に減速するが、停止位置で減速しきらず回転速度がある場合を示すグラフである。時刻t1までは、一定速度で回転しており、この間コイル51には正の電圧が印加される。時刻t1からt2にかけては、制動中であり、予め定められた一定の負の電圧が印加される。時刻t2において回転が停止する。時刻t2からt3にかけては、停止保持期間であり、予め定められた一定の正の電圧が印加される。
【0076】
例えば、CW回転でNo1で停止すべく通常モードで制動しても、No1で停止しなかった場合、残りパルス数がゼロであり、停止処理2となり調整モードに移行する。この場合、現在位置がNo1なため、ホールIC52の検出結果はHu/Hv/Hw=H/L/Hであるため、ホールIC信号切替部15によって、Hu/Hv/Hw=L/H/Hに変換される。そのため、モータドライバ30は、U相がVDDで、V相がHi-zで、W相がPWMで励磁され、No1の停止位置で停止する。
【0077】
(停止処理3)
さらに、停止位置前に制動し停止する場合の停止処理3を示す。
【0078】
S23において、Noの場合(残りパルス数がゼロではない場合)、S32に遷移する。S32において、調整開始判定部14は、調整モードを出力する。
【0079】
S33において、残りパルス数を、生成パルス数から、停止動作を開始してからの移動済みパルス数を減算したものとする。
【0080】
S34において、PWM信号出力部16が停止保持電圧の固定値をモータドライバ30にPWM出力する。
【0081】
S35において、ホールIC信号切替部15は、現在の回転角度でのホールIC52の検出結果(Hu/Hv/Hw)に対し、残りパルス数分現在の回転を進めた場合での、調整モードにおけるHu/Hv/Hwを求め、モータドライバ30に出力する。モータドライバ30は入力されたHu/Hv/Hwに従いコイル51を励磁し所定停止位置まで移動させる。
【0082】
その後、S25に遷移し、停止保持期間だけ調整モードでコイル51を励磁し、停止処理を終了する。
【0083】
停止処理3では、
図9における回転速度グラフ74および印加電圧グラフ75の場合であり、制動を開始してから徐々に減速し、停止位置より手前で減速した場合を示すグラフである。時刻t1までは、一定速度で回転しており、この間コイル51には正の電圧が印加される。時刻t1からt4にかけては、制動中であり、予め定められた一定の負の電圧が印加され、時刻t4で一度、回転が停止する。時刻t4からt2にかけては、予定した停止位置で再度停止できるように、再度回転を開始し、時刻t2で予定した停止位置に到達し停止する。この間、予め定められた一定の正の電圧が印加される。時刻t2からt3にかけては、停止保持期間であり、予め定められた一定の正の電圧が印加される。
【0084】
例えば、CW回転でNo1で停止すべく通常モードで制動して、手前のNo6で停止してしまった場合、残りパルス数が1であり、停止処理3となり調整モードに移行する。この場合、現在位置がNo6なため、ホールIC52の検出結果はHu/Hv/Hw=L/L/Hであるが、ホールIC信号切替部15によって、Hu/Hv/Hwは、残りパルス数分進めた位相(No1相当)での調整モードにおける位相変換を行ったHu/Hv/Hw=L/H/Hに変換される。そのため、モータドライバ30は、U相がVDDで、V相がHi-zで、W相がPWMで励磁され、No1の停止位置で停止する。
【0085】
§4 作用・効果
本実施形態の制御システム100は、調整開始判定部において、3相直流モータ50の回転速度および、3相直流モータの停止位置までの残りパルス数によって、動作モードを通常モードから調整モードに切り替えることができる。
【0086】
停止制御部において、調整モードでは、停止位置を微調整できるように、コイル51への励磁方法を通常モードから変更することができる。
【0087】
具体的には、ホールIC52によって導出された現在の回転角度に基づいたコイル51を励磁するのではなく、変換テーブルによって導出されたコイル51を励磁することができる。すなわち、変換テーブルを介すことで、回転時と異なる位相での励磁をコイル51に行うことができ、残りパルス数がゼロになった停止直前での位置決めトルクおよび保持トルクを生成することができる。
【0088】
変換テーブルは3相直流モータ50の現在の回転方向を逆回転するトルクを生み出し、保持トルクを生成するが、CW回転(正転)とCCW回転(逆転)で異なる変換テーブルを用いる必要がある。
【0089】
また、停止位置よりも早く制動し、一度停止してしまった場合でも、当初の停止位置で停止するために、調整モードにて再度回転させ、当初の停止位置にて停止して、保持トルクをかけて保持させることができる。
【0090】
(付記事項)
図10は、参考例に係る3相直流モータ50の回転方向の違いによる停止位置の違いを表す図である。
【0091】
No2が目標とする停止位置の場合に関して示す。CW回転でNo1からNo2に回転する時に、ホールICの状態から停止位置に到達したと判定するパターン1と、CCW回転でNo3からNo2に回転する時に、ホールICの状態から停止位置に到達したと判定するパターン2がある。
図10に示すように、パターン1では停止位置91に停止し、パターン2では、停止位置92に停止し、回転方向によってホールICの状態が変わらないが、停止位置が変わる場合が発生する。
【0092】
これは、
図6の変換テーブルに従い保持電圧をコイル51に励磁するため、パターン1では、U相がHi-zであり、V相がVDDであり、W相がPWMとなり、V相からW相に電流が流れ、V相がS極、W相がN極となり、ロータ56と引き合った位置(
図10におけるNo2-cw)で停止する。対して、パターン2では、U相がPWMであり、V相がVDDであり、W相がHi-zとなり、V相からU相に電流が流れ、V相がS極、U相がN極となり、ロータ56と引き合った位置(
図10におけるNo2-ccw)で停止する。残りパルス数が同じであっても、回転方向によって、コイル51の励磁方法が異なり、磁界が変わるため、コイル51とロータ56とが引き合う状況も異なる為、停止位置も異なることになる。
【0093】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。
【0094】
§1 適用例
回胴遊技機(遊技機)において、回転するリール(リール)の停止位置の精度が悪い場合、リールの図柄がずれて停止することがある。この場合、遊技者の興趣を著しく損なうことに繋がる。
【0095】
そこで、リールの回転に3相直流モータを用いることで、回胴遊技機のリールの停止位置を制御することができ、遊技者の興趣を損なわない。
【0096】
§2 構成例
図11は、実施形態2に係る回胴遊技機60の要部の構成を示すブロック図である。
図12は、実施形態2に係る回胴遊技機60の要部の構成を示す概念図である。
【0097】
回胴遊技機60は、メダル投入口61と、スタートレバー62と、ストップボタン63と、ドラムユニット64と、メダル排出口65と、遊技機制御部81と、遊技機取得部83と、を備える。
【0098】
ドラムユニット84は、3個の回転するリール64a~64cによって構成されている。また、各リールは、それぞれ3相直流モータ50およびモータ制御装置1を一つずつ備える。ドラムユニット64を構成するリールの数は、3個に限定されず、少なくとも1つあればよい。メダル投入口61と、スタートレバー62と、ストップボタン63と、メダル排出口65と、はまとめて遊技機操作部82とする。
【0099】
メダル投入口61にメダルを投入することで、回胴遊技機60を動作できるようになる。動作回数はメダルの投入枚数によって定まっている。
【0100】
スタートレバー62を操作することで、ドラムユニット64内の各リール64a~64cが回転を始める。
【0101】
ストップボタン63は、ドラムユニット64のリールの数設けられている。ここでは、ストップボタンは3個であり、63a~63cとする。ストップボタン63aを押下することでリール64aの回転が停止し、ストップボタン63bを押下することでリール64bの回転が停止し、ストップボタン63cを押下することでリール64cの回転が停止する。
【0102】
リール64a~64cは、回胴遊技機60の遊技結果を決定するリールである。リールには外周に複数の図柄が印刷されている。リール64a~64cは、それぞれ3相直流モータ50にて個別に回転できるようになっている。3相直流モータ50とリール64a~64cの間には、減速機があっても構わない。
【0103】
メダル排出口65は、未使用のメダルを排出する専用の口である。
【0104】
遊技機制御部81は、回胴遊技機60の各部を統括して制御する。入力された遊技者の捜査結果を受けて、モータ制御装置1を制御する。
【0105】
遊技機操作部82は、回胴遊技機60を遊技者が操作する部位である。メダルの投入/排出およびリールの操作を行うことができる。
【0106】
遊技機取得部83は、遊技機操作部82による遊技者の回胴遊技機60への操作を取得する。取得した操作内容は、遊技機制御部81に出力する。
【0107】
§3 動作例
遊技機制御部81によって、回胴遊技機60は次の制御を行う。
【0108】
遊技者が、メダル投入口61にメダルを投入し、スタートレバー62を操作することで、リール64a~64cが回転を開始する。ストップボタン63a~63cを押下することで、対応したリールは回転を停止する。遊技者が遊技を終える時に、未使用メダルをメダル排出口65から排出し回収する。
【0109】
モータ制御装置1が調整モードで動作せず通常モードのみで動作する場合、制動停止後、停止保持電圧が出力されないため、
図13に示すようリールの停止位置がずれること(
図13における64bおよび64cの状況)がある。ここで、
図13は、実施形態2に係る停止時のドラムユニット64の参考図である。このような場合、リール64a~64cの停止位置がずれているため、遊技者の興趣を著しく損なうことが考えられる。
【0110】
対して、調整モードで停止保持電圧が出力される場合、停止時に
図13の状態にはならず、各リールが所定の停止位置すなわち図柄が所定の位置(
図13における64aの状況)で停止する。そのため、遊技者の興趣を損なわない。
【0111】
§4 作用・効果
リール64a~64cに設けられた3相直流モータ50の制御をモータ制御装置1で行うことで、調整モードによって、ホールIC52の検出結果が変わらない区間においても、停止位置を限定することができる。そのため、複数のリール64a~64cがお互いの図柄がずれた停止位置で停止することなく、停止させることができ、遊技者の興趣を損なわない。
【0112】
(付記事項)
なお、回胴遊技機60は、メインリールとしてのリール64a~64cに加え、サブリールをさらに備えていてもよい。サブリールとは、遊技者の興趣を高めるために、遊技者の視覚、聴覚または感覚に訴える演出を行うために、メインリールとは別に回胴遊技機60に設けられているものである。
【0113】
そして、サブリールを備えた回胴遊技機60においては、当該サブリールの回転に用いられる3相直流モータ50と、この3相直流モータ50を制御するためのモータ制御装置1をさらに備えていることが好ましい。サブリールに対応する3相直流モータ50およびモータ制御装置1の機能は、各リール64a~64cに対応する3相直流モータ50およびモータ制御装置1の機能と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0114】
〔ソフトウェアによる実現例〕
モータ制御装置1の制御ブロック(特に調整開始判定部14およびホールIC信号切替部15)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0115】
後者の場合、モータ制御装置1は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0116】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0117】
1 モータ制御装置
12 センサインタフェース部(回転状態監視部)
14 調整開始判定部
15 ホールIC信号切替部(停止制御部)
50 3相直流モータ
60 回胴遊技機(遊技機)
64a~64c リール