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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-07
(45)【発行日】2025-07-15
(54)【発明の名称】電動車両充電装置
(51)【国際特許分類】
   B60W 20/16 20160101AFI20250708BHJP
   B60L 50/16 20190101ALI20250708BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20250708BHJP
   B60L 53/12 20190101ALI20250708BHJP
   B60L 53/66 20190101ALI20250708BHJP
   B60L 58/10 20190101ALI20250708BHJP
   B60M 7/00 20060101ALI20250708BHJP
   B60W 20/12 20160101ALI20250708BHJP
   H02J 50/40 20160101ALI20250708BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20250708BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20250708BHJP
【FI】
B60W20/16
B60L50/16 ZHV
B60L50/60
B60L53/12
B60L53/66
B60L58/10
B60M7/00 X
B60W20/12
H02J50/40
H02J50/10
H02J7/00 P
H02J7/00 301D
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2022041574
(22)【出願日】2022-03-16
(65)【公開番号】P2023136122
(43)【公開日】2023-09-29
【審査請求日】2024-04-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 真輝
(72)【発明者】
【氏名】楠本 光優
(72)【発明者】
【氏名】平野 貴洋
(72)【発明者】
【氏名】山下 龍之介
(72)【発明者】
【氏名】田島 大輝
(72)【発明者】
【氏名】小林 勝也
(72)【発明者】
【氏名】中村 俊洋
【審査官】高瀬 智史
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-525972(JP,A)
【文献】特開2013-112047(JP,A)
【文献】特開2010-268664(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00 ー 20/50
B60K 6/20 ー 6/547
B60L 50/00
B60L 53/00
B60L 58/10
B60M 7/00
H02J 50/00
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと、前記エンジンが駆動されることにより発生する排気ガスを還元する触媒を含む電動車両の蓄電部を充電する電動車両充電装置であって、
所定の充電位置に位置する前記電動車両に電力を供給する電力供給部と、
前記電力供給部を制御する制御部と、
前記電動車両の第1通信部と通信して、前記触媒の温度情報を取得する第2通信部と、を備え、
前記制御部は、前記触媒の温度が所定の閾温度よりも高い場合に、前記所定の充電位置に前記電動車両が進入するのを抑制する進入抑制制御を行う、電動車両充電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電動車両充電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、特開2020-010451号公報(特許文献1)に記載の充電装置は、路面に設けられた送電ユニットを備える。この送電ユニットは、車両の受電ユニットに対して非接触給電を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-010451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の充電装置は、車両の受電ユニットに対して非接触給電を行う送電ユニットを備える。しかしながら、上記特許文献1の充電装置は、車両の触媒の温度を考慮して車両の充電を行うことが考慮されていない。ここで、触媒の温度が低い車両は、エンジンが駆動されることによって排出される排気ガス(NOxなど)の量が比較的多いことが知られている。したがって、触媒の温度が低い車両が排出する排気ガスの量を低減することが望まれている。
【0005】
本開示は、かかる課題を解決するためになされたものであり、本開示の目的は、触媒の温度が低い車両が排出する排気ガスの量を低減することが可能な電動車両充電装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一の局面に従う電動車両充電装置は、触媒を含む電動車両の蓄電部を充電する電動車両充電装置であって、所定の充電位置に位置する電動車両に電力を供給する電力供給部と、電力供給部を制御する制御部と、電動車両の第1通信部と通信して、触媒の温度情報を取得する第2通信部と、を備え、制御部は、触媒の温度が所定の閾温度よりも高い場合に、所定の充電位置に電動車両が進入するのを抑制する進入抑制制御を行う。
【0007】
上記一の局面に従う電動車両充電装置では、上記のように、制御部は、触媒の温度が所定の閾温度よりも高い場合に、所定の充電位置に電動車両が進入するのを抑制する進入抑制制御を行う。これにより、触媒の温度が高い(排気ガスの排出量が小さい)電動車両の充電レーンへの進入が抑制されるので、触媒の温度が低い(排気ガスの排出量が大きい)電動車両を充電レーンに優先的に進入させることができる。その結果、触媒の温度が低い電動車両のSOCを優先的に高くすることができるので、触媒の温度が低い電動車両においてエンジンが駆動されるのを抑制することができる。これにより、触媒の温度が低い車両が排出する排気ガスの量を低減することができる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、触媒の温度が低い車両が排出する排気ガスの量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態による充電システムおよび電動車両の構成を示す図である。
図2】一実施形態による充電システムにおける送電部の上方に電動車両の受電部が位置する状態の図である。
図3】一実施形態による充電システムにおける送電部の上方に電動車両の触媒ケースが位置する状態の図である。
図4】一実施形態による充電システムおよび電動車両のシーケンス制御を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0011】
(充電システムの構成)
図1は、本開示の実施の形態に従う充電システム100の概要を示す図である。充電システム100は、電動車両10の後述するバッテリ12を充電するシステム(装置)である。なお、充電システム100は、本開示の「電動車両充電装置」の一例である。
【0012】
充電システム100は、充電レーン110と、充電装置120とを備える。充電レーン110は、車道における少なくとも1つの地点に設けられている。充電装置120は、充電レーン110を制御する。充電装置120は、充電レーン110に併設されていてもよいし、充電レーン110と離間した位置において充電レーン110を遠隔で制御してもよい。なお、充電レーン110は、本開示の「電力供給部」の一例である。
【0013】
充電レーン110は、電動車両10の走行方向に沿って延びるように設けられている。具体的には、充電レーン110は、電動車両10が走行する車道の路面に沿うように設けられている。すなわち、電動車両10は、車道を走行する際に充電レーン110の上方を通過する。なお、充電レーン110は、車道に埋め込まれていてもよい。
【0014】
充電レーン110は、複数の送電部111を含む。送電部111は、コイルを含む。送電部111は、コイルに電流が流れることにより地面と垂直方向に磁束を発生させる。充電レーン110の送電部111と電動車両10の後述の受電部16とが垂直方向に重なる(オーバラップする)ことにより、送電部111により発生された磁束に基づいて受電部16に電圧が発生する。これにより、送電部111から受電部16に電力が供給される。すなわち、充電レーン110は、電動車両10に対して非接触給電が可能に構成されている。なお、送電部111が配置されている各位置は、本開示の「所定の充電位置」の一例を示している。
【0015】
複数の送電部111は、充電レーン110が延びる方向に沿って並んで配置されている。複数の送電部111は、充電レーン110において一列に並んで配置されている。複数の送電部111は、互いに等間隔で並んで配置されている。送電部111同士の間は、距離Dだけ離間している。
【0016】
充電装置120は、プロセッサ121と、メモリ122と、通信部123と、電源部124とを含む。プロセッサ121は、所定の情報処理を行う。メモリ122は、各種情報を保存可能に構成される。メモリ122には、プロセッサ121に実行されるプログラムのほか、プログラムで使用される情報(たとえば、マップ、数式、および各種パラメータ)が記憶されている。通信部123は、各種通信I/Fを含む。なお、プロセッサ121および通信部123は、それぞれ、本開示の「制御部」および「第2通信部」の一例である。
【0017】
電源部124は、複数の送電部111の各々と電気的に接続されている。電源部124からの電力に基づいて、複数の送電部111の各々に電流が流れる。なお、電源部124とプロセッサ121、メモリ122、および、通信部123とは、互いに異なる装置に備えられていてもよい。たとえば、プロセッサ121、メモリ122、および、通信部123は、充電装置120と通信するサーバに備えられていてもよい。
【0018】
プロセッサ121は、充電レーン110(送電部111)を制御する。具体的には、プロセッサ121は、磁束を発生させる送電部111を任意に切り替えることが可能に構成されている。なお、プロセッサ121は、送電部111が電動車両10に供給する電力を調整してもよい。
【0019】
通信部123は、電動車両10の後述する通信機器13と通信(無線通信)する。通信部123は、電動車両10の通信機器13と通信して、電動車両10の位置情報、車速情報、および、SOC(State Of Charge)情報等を取得する。なお、上記の電動車両10の通信機器13との通信は、電動車両10の通信機器13と直接的に通信することに加えて、たとえばユーザの通信機(スマートフォンおよびタブレット等)や外部サーバ等を介して通信機器13と間接的に通信することを含んでいてもよい。なお、通信機器13は、本開示の「第1通信部」の一例である。
【0020】
電動車両10は、走行用モータ11と、バッテリ12と、通信機器13と、ECU(Electronic Control Unit)14と、エンジン15と、受電部16と、触媒ケース17とを備える。なお、バッテリ12は、本開示の「蓄電部」の一例である。
【0021】
電動車両10は、たとえば、PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)車を含む。すなわち、電動車両10は、エンジン15を用いた走行および発電等が可能である。電動車両10は、バッテリ12の残量(SOC)が所定の閾値まで低下した場合に、エンジン15を駆動した走行および発電等を行う。
【0022】
バッテリ12は、走行用モータ11へ電力を供給する。バッテリ12は、走行用の電力を蓄電する二次電池を含む。二次電池は、複数のリチウムイオン電池または複数のニッケル水素電池を含む組電池である。なお、二次電池の代わりに、電気二重層キャパシタのような他の蓄電装置を採用してもよい。
【0023】
また、通信機器13は、DCM(Data Communication Module)または5G(第5世代移動通信システム)対応の通信I/Fを含んでいてもよい。ECU14は、バッテリ12の電力制御を行う。ECU14は、コンピュータまたはCPU(Central Processing Unit)であってもよい。
【0024】
受電部16は、コイルを含む。受電部16は、送電部111からの非接触給電により電力が供給される。具体的には、受電部16と送電部111との間において、非接触給電が行われている。受電部16は、電動車両10の底面において車体の外部に露出するように設けられている。また、受電部16は、電動車両10の前方側に設けられている。なお、受電部16の位置はこれに限られない。
【0025】
触媒ケース17は、触媒17aを収容するように設けられている。触媒17aは、エンジン15が駆動されることにより発生する排気ガス(NOxなど)を還元反応により無害化するために設けられている。また、触媒ケース17は、たとえばステンレスにより形成されている。なお、触媒ケース17は、電動車両10の後方側に配置されている。
【0026】
充電装置120の通信部123は、電動車両10の通信機器13と通信して、触媒17aの温度情報を取得する。
【0027】
ここで、触媒の温度が低い車両は、エンジンが駆動されることによって排出される排気ガス(NOxなど)の量が比較的多いことが知られている。したがって、触媒の温度が低い車両が排出する排気ガスの量を低減することが望まれている。
【0028】
そこで、本実施形態では、プロセッサ121は、触媒17aの温度が所定の閾温度よりも高い場合に、送電部111による充電位置に電動車両10が進入するのを抑制する進入抑制制御を行う。具体的には、プロセッサ121は、触媒17aの温度が所定の閾温度よりも高い電動車両10が充電レーン110に進入するのを抑制する進入抑制制御を行う。
【0029】
これにより、触媒17aの温度が高い上記電動車両10が充電レーン110を利用する頻度が低減されるので、触媒17aの温度が所定の閾温度以下の電動車両10が優先的に充電レーン110を利用することが可能である。
【0030】
また、上記の進入抑制制御は、充電装置120の通信部123から触媒17aの温度が高い上記電動車両10の通信機器13に、充電レーン110への進入禁止を通知することを含む。この場合、プロセッサ121は、通信部123を通じて、触媒17aの温度が高い上記電動車両10の図示しないカーナビゲーションを用いて、進入禁止のメッセージを表示するか、または、進入禁止の旨を伝える音声を流してもよい。なお、この際、プロセッサ121は、通信部123を通じて、進入が禁止されている充電レーン110の位置を電動車両10に通知してもよい。
【0031】
また、プロセッサ121は、触媒17aの温度が高い上記電動車両10の走行予定経路に基づいて、進入抑制制御を行ってもよい。具体的には、プロセッサ121は、電動車両10の通信機器13から送信された電動車両10の走行予定経路の情報に基づいて、電動車両10が充電レーン110を通過するか否かを判定してもよい。そして、プロセッサ121は、触媒17aの温度が高い上記電動車両10が充電レーン110を通過すると予測される場合に、触媒17aの温度が高い上記電動車両10に対して進入抑制制御を行ってもよい。
【0032】
また、プロセッサ121は、触媒17aの温度が高い上記電動車両10が充電レーン110を通過すると予測される時間の所定時間前(たとえば10分前)に、進入抑制制御を行ってもよい。これにより、触媒17aの温度が高い上記電動車両10は、より確実に充電レーン110を回避するように走行可能となる。
【0033】
また、進入抑制制御は、上記の例に限られない。プロセッサ121は、たとえば、触媒17aの温度が高い上記電動車両10が充電レーン110に接近した場合に、充電レーン110への進入禁止を警告する警告音を外部装置(たとえば充電装置120)により発生させてもよい。また、プロセッサ121は、触媒17aの温度が高い上記電動車両10が充電レーン110に接近した場合に、充電レーン110への進入禁止を警告するメッセージを電光板等に表示させてもよい。
【0034】
また、プロセッサ121は、通信部123を通じて、触媒17aの温度が高い上記電動車両10のユーザの通信端末(スマートフォンおよびタブレット等)に、充電レーン110への進入禁止を通知するメッセージを送信してもよい。
【0035】
また、プロセッサ121は、触媒17aの温度が所定の閾温度以下の電動車両10に、充電レーン110への進入を促進する進入促進制御を行ってもよい。この進入促進制御は、充電レーン110への進入が許可されることを電動車両10に通知することを含む。たとえば、プロセッサ121は、通信部123を通じて、触媒17aの温度が低い上記電動車両10の図示しないカーナビゲーション等を用いて、進入禁止のメッセージを表示するか、または、進入禁止の旨を伝える音声を流してもよい。なお、この際、プロセッサ121は、通信部123を通じて、進入が許可されている充電レーン110の位置を電動車両10に通知してもよい。
【0036】
また、プロセッサ121は、触媒17aの温度変化の推移に基づいて、充電レーン110を通過すると予測される時間における触媒17aの温度を予測してもよい。そして、プロセッサ121は、予測された触媒17aの温度が所定の閾温度よりも高い場合に、上記進入抑制制御を行ってもよい。また、プロセッサ121は、予測された触媒17aの温度が所定の閾温度以下の場合に、上記進入促進制御を行ってもよい。
【0037】
また、プロセッサ121は、触媒17aの温度が低い上記電動車両10が充電レーン110を通過する際に、送電部111をオン状態(送電が可能な状態)にしてもよい。したがって、プロセッサ121は、触媒17aの温度が低い上記電動車両10が充電レーン110を通過していない際は、送電部111をオフ状態(送電が可能ではない状態)にしてもよい。
【0038】
また、図2に示すように、プロセッサ121は、触媒17aの温度が低い上記電動車両10が充電レーン110を通過する際、受電部16が送電部111の上方を通過するタイミングで、上記送電部111(受電部16の下方の送電部111)をオン状態にする。したがって、プロセッサ121は、触媒17aの温度が低い上記電動車両10の移動に伴って、充電レーン110の入口側の送電部111から順番にオン状態に切り替える。
【0039】
この際、プロセッサ121は、電動車両10の速度と、送電部111同士の間の距離Dとに基づいて、受電部16が各送電部111の上方を通過するタイミング(時刻)を算出してもよい。また、プロセッサ121は、GPS(Global Positioning System)等による電動車両10の位置に基づいて、複数の送電部111の各々をオン状態に切り替えてもよい。
【0040】
また、図3に示すように、プロセッサ121は、触媒ケース17が送電部111の上方を通過するタイミングで、上記送電部111(触媒ケース17の下方の送電部111)をオン状態にする。これにより、送電部111の磁束が触媒ケース17を鎖交することによって、触媒ケース17が加熱されるとともに触媒17aの温度が上昇する。その結果、この電動車両10のエンジンが駆動された場合に排出される排気ガスの量を低減することが可能である。
【0041】
なお、プロセッサ121は、触媒17aの温度が低い上記電動車両10が充電レーン110を通過する間中、複数の送電部111の全てをオン状態にしてもよい。
【0042】
また、上記所定の閾温度は、充電装置120のメモリ122に予め格納されている。なお、充電レーン110が複数設けられている場合、充電レーン110ごとに互いに異なる所定の閾温度が設定されていてもよい。
【0043】
また、プロセッサ121は、触媒17aの温度が低い上記電動車両10のうち、SOCが所定の値(たとえば80%)よりも大きい電動車両10に、上記進入抑制制御を行ってもよい。これにより、触媒17aの温度が低くかつSOCが低いことに起因して排気ガスを排出する可能性がより高い電動車両10を、より優先的に充電することが可能である。
【0044】
(充電システムのシーケンス制御)
次に、図4を参照して、充電システム100および電動車両10のシーケンス制御について説明する。
【0045】
まず、ステップS1において、充電システム100(プロセッサ121)は、通信部123を通じて、電動車両10から各種情報を取得する。各種情報は、電動車両10の触媒17aの温度情報、および、電動車両10のSOCの情報を含む。
【0046】
次に、ステップS2では、充電システム100(プロセッサ121)は、ステップS1において取得した触媒17aの温度情報に基づいて、触媒17aの温度が所定の閾温度よりも高いか否かを判定する。触媒17aの温度が所定の閾温度よりも高いと判定された場合(S2においてYes)、処理はステップS3に進む。触媒17aの温度が所定の閾温度以下であると判定された場合(S2においてNo)、処理はステップS4に進む。
【0047】
ステップS3では、充電システム100(プロセッサ121)は、充電レーン110に電動車両10が進入するのを抑制する進入抑制制御を行う。具体的には、充電システム100(プロセッサ121)は、電動車両10に、充電レーン110への進入が禁止されている旨を伝達する。たとえば、充電システム100(プロセッサ121)は、通信部123を通じて、電動車両10の通信機器13に、充電レーン110への進入が禁止されている旨を示すメッセージを送信する。ステップS3の後、処理は終了する。
【0048】
ステップS4では、充電システム100(プロセッサ121)は、ステップS1において取得した電動車両10のSOCの情報に基づいて、SOCが所定の値(たとえば80%)よりも高いか否かを判定する。SOCが所定の値よりも高いと判定された場合(S4においてYes)、処理はステップS5に進む。SOCが所定の値以下であると判定された場合(S4においてNo)、処理はステップS6に進む。
【0049】
ステップS5では、充電システム100(プロセッサ121)は、ステップS3と同様の進入抑制制御を行う。ステップS5の後、処理は終了する。なお、ステップS4およびS5の処理は行われなくてもよい。
【0050】
ステップS6では、充電システム100(プロセッサ121)は、充電レーン110に電動車両10が進入するのを促進する進入促進制御を行う。具体的には、充電システム100(プロセッサ121)は、電動車両10に、充電レーン110への進入が許可されている旨を伝達する。たとえば、充電システム100(プロセッサ121)は、通信部123を通じて、電動車両10の通信機器13に、充電レーン110への進入が許可されている旨を示すメッセージを送信する。
【0051】
次に、ステップS7では、充電システム100(プロセッサ121)は、電動車両10が充電レーン110に進入したか否かを判定する。具体的には、充電システム100(プロセッサ121)は、GPS等によって取得された電動車両10の位置情報に基づいて上記判定を行ってもよい。また、充電システム100(プロセッサ121)は、図示しないカメラにより撮像された画像に基づいて上記判定を行ってもよい。電動車両10が充電レーン110に進入したと判定された場合(S7においてYes)、処理はステップS8に進む。電動車両10が充電レーン110に進入していないと判定された場合(S7においてNo)、ステップS7の処理が繰り返される。
【0052】
次に、ステップS8では、充電システム100(プロセッサ121)は、電動車両10が充電レーン110を通過している間、複数の送電部111を制御する。具体的には、充電システム100(プロセッサ121)は、電動車両10の受電部16が上方を通過する送電部111を順番にオン状態にする。また、充電システム100(プロセッサ121)は、電動車両10の触媒ケース17が上方を通過する送電部111を順番にオン状態にする。その後、処理を終了する。
【0053】
なお、ステップS8の後、充電システム100(プロセッサ121)は、電動車両10が充電レーン110を通過(退出)したか否かを判定してもよい。充電システム100(プロセッサ121)は、電動車両10が充電レーン110を通過したと判定した場合に、所定の処理を行ってもよい。この所定の処理は、たとえば、電動車両10に充電結果および触媒17aの温度を通知する処理や、送電部111をオフ状態にする処理等を含む。
【0054】
以上のように、本実施形態においては、充電システム100(プロセッサ121)は、触媒17aの温度が所定の閾温度よりも高い場合に、送電部111による充電位置(充電レーン110)に電動車両10が進入するのを抑制する進入抑制制御を行う。これにより、触媒17aの温度が高い(排気ガスの排出量が小さい)電動車両10が充電レーン110に進入するのが抑制されるので、充電レーン110が混雑するのを抑制することができる。その結果、触媒17aの温度が低い(排気ガスの排出量が大きい)電動車両10が充電レーン110を容易に利用することができる。
【0055】
また、上記実施形態では、充電レーン110の送電部111により電動車両10を充電する例を示したが、本開示はこれに限られない。たとえば、EVSE(Electric Vehicle Supply Equipment)により電動車両10を充電してもよい。なお、この場合、非接触充電を行ってもよいし、ケーブルを用いて充電してもよい。
【0056】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0057】
10 電動車両,12 バッテリ(蓄電部),13 通信機器(第1通信部),17a 触媒,100 充電システム(電動車両充電装置),110 充電レーン(電力供給部),121 プロセッサ(制御部),123 通信部(第2通信部)。
図1
図2
図3
図4