(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-07
(45)【発行日】2025-07-15
(54)【発明の名称】膝装具
(51)【国際特許分類】
A61H 3/00 20060101AFI20250708BHJP
【FI】
A61H3/00 B
(21)【出願番号】P 2022134741
(22)【出願日】2022-08-26
【審査請求日】2024-07-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 花奈子
【審査官】村上 勝見
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-032159(JP,A)
【文献】特開2007-275482(JP,A)
【文献】特開2021-029596(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0121485(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの下肢に装着する膝装具であって、
前記下肢の下腿側および上腿側の一方側に第1サポータを介し固定される第1リンクと、
前記下肢の下腿側および上腿側の他方側に第2サポータを介し固定される固定フレームと、
前記固定フレームに固定可能な第2リンクと、
前記固定フレームに設けられた、前記第2リンクの変位をガイドするガイド部材と、
前記第1リンクと前記第2リンクとを
同一の回転軸周りに回転可能に連結するジョイントと、を備え、
前記第2リンクは前記ガイド部材に沿いつつ、前記ユーザの膝関節の動きに追従してスライド可能である、
膝装具。
【請求項2】
前記ガイド部材がレール状に形成され、前記第2リンクと係合した状態でスライド可能である、請求項1に記載の膝装具。
【請求項3】
前記第1リンクは前記下腿側に配置され、前記第2リンクは前記上腿側に配置される、請求項1又は2に記載の膝装具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は膝装具に関する。
【背景技術】
【0002】
膝関節の運動の一つに、屈伸運動がある。膝の屈曲運動では、始めに脛骨上端面に大腿骨の下端部が転がる転がり運動が生じ、さらに膝関節を曲げると大腿骨が後方に移動する滑り運動が生じる複合運動、いわゆるロールバック運動が発生する。したがって、膝関節の中心軸の軌跡は一定のものではなく、移動する性質を持つ。
【0003】
膝装具は、日常の歩行動作や、リハビリ等のために歩行訓練を行うユーザの下肢に装着され用いられる。特許文献1には、ロールバック運動に近い運動を再現するために、移動歯車の回転軸が起立姿勢の装着者の膝関節の回転軸に概ね一致するように装着され、ユーザが膝を屈伸した際に移動歯車が回転軸を中心として回転しつつ、案内溝に沿って移動可能な膝関節補助装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明者は、以下の課題を見出した。膝関節のロールバック運動には個人差がある。膝装具の回転軸とユーザの膝関節のロールバック運動の動きとの位置ずれが生じることで、膝装具の装着時や装着後の歩行時において、膝装具の装着位置の位置ずれが生じるという問題がある。
【0006】
本開示は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、ロールバック運動の個人差に応じて、膝装具の装着位置の位置ずれを抑制可能な膝装具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る膝装具は、
ユーザの下肢に装着する膝装具であって、
前記下肢の下腿側および上腿側の一方側に第1サポータを介し固定される第1リンクと、
前記下肢の下腿側および上腿側の他方側に第2サポータを介し固定される固定フレームと、
前記固定フレームに固定可能な第2リンクと、
前記固定フレームに設けられた、前記第2リンクの変位をガイドするガイド部材と、
前記第1リンクと前記第2リンクとを回転可能に連結するジョイントと、を備え、
前記第2リンクは前記ガイド部材に沿いつつ、前記ユーザの膝関節の動きに追従してスライド可能である。
【0008】
本開示に係る膝装具では、第2リンクはガイド部材に沿いつつ、ユーザの膝関節の動きに追従してスライド可能である。したがって、あらかじめ想定されたロールバック運動の範囲ではなく、ユーザの膝関節のロールバック運動の個人差に応じて、膝装具の装着位置の位置ずれを抑制可能な膝装具を提供できる。
【0009】
ガイド部材は、レール状に形成され、第2リンクと係合した状態でスライド可能であってもよい。位置ずれが生じ得る方向が一方向の場合は、このような構成によって、膝装具の装着位置の位置ずれを抑制可能な膝装具を提供できる。
【0010】
ユーザの下肢への装着時に第2リンクはガイド部材に沿いつつユーザの膝関節の動きに追従してスライド可能であり、ユーザの歩行時に第2リンクは固定フレームに固定されてもよい。このような構成によって、ユーザの下肢への装着時の位置ずれを抑制することができる。
【0011】
第1リンクは下腿側に配置され、第2リンクは上腿側に配置されてもよい。このような構成によって、ユーザが立位姿勢になった際にユーザに膝装具を装着する者は第2リンクが下腿側に配置された場合に比べより高い位置で第2リンクの位置調整を行うことができる。よって、第2リンクが下腿側に配置された場合に比べ第2リンクの固定が容易となり、膝装具の装着時間を短縮できる。
【発明の効果】
【0012】
本開示により、ロールバック運動の個人差に応じて、膝装具の装着位置の位置ずれを抑制可能な膝装具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施の形態1に係る膝装具をユーザの下肢に装着した状態を示す側面図である。
【
図2】実施の形態1に係る膝装具をユーザの下肢に装着した状態を示す背面図である。
【
図3】実施の形態1に係る膝装具をユーザの下肢へ装着する一連の流れを示す側面図である。
【
図4】実施の形態1に係る膝装具をユーザの下肢へ装着する一連の流れを示す側面図である。
【
図5】実施の形態1に係る膝装具をユーザの下肢へ装着する一連の流れを示す側面図である。
【
図6】実施の形態2に係る膝装具を示す背面図である。
【
図7】実施の形態3に係る膝装具を示す背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、図に示した右手系xyz座標は、構成要素の位置関係を説明するための便宜的なものである。特に言及のない限り、z軸プラス向きが鉛直上向きである。また、xy平面が水平面である。
【0015】
<実施の形態1>
本実施の形態に係る膝装具は、ユーザの下肢に装着する膝装具であり、例えば、リハビリ等のために歩行訓練を行う訓練者に装着される。ユーザである訓練者が歩行補助装置を装着した状態で歩行訓練を行う。例えば、一方の下肢に麻痺を患う片麻痺患者である訓練者が、麻痺側の脚部である患脚に歩行補助装置を装着してもよい。なお、膝装具は、歩行訓練時に限らず、日常の歩行時や、病院内での歩行時や屋外等での歩行時において、使用されてもよい。
【0016】
まず、
図1及び
図2を参照して、実施の形態1に係る膝装具10の構成について説明する。
図1は、実施の形態1に係る膝装具10をユーザの下肢Lに装着した状態を示す側面図である。
図2は、実施の形態1に係る膝装具10をユーザの下肢Lに装着した状態を示す背面図である。各図面における下肢Lとは、z軸負側から順に足(不図示)、下腿L1および上腿L2を指す。下腿L1は、足首関節から膝関節Nまでの部分を示す。上腿L2は、膝関節Nから股関節までの部分を示す。なお、本実施の形態では一例として右側の下肢Lに膝装具10を装着した例を説明するが、左右対称の構成を備える膝装具を左側の下肢に装着してもよく、両側の下肢に装着してもよい。
【0017】
図1及び
図2に示すように、膝装具10は、第1サポータ11、第2サポータ21、第1リンク12、第2リンク22、固定フレーム23、ガイド部材23a、固定部13、固定部24及びジョイント31を備える。
【0018】
図1に示すように、第1サポータ11及び第2サポータ21は、膝装具10が備える各構成をユーザの下肢Lの側部に固定する。第1サポータ11及び第2サポータ21は、伸縮可能な弾性体、樹脂材料、線維材料等により形成されたベルト状等の構造を備える。以下、一例として、下腿L1側に第1リンク12が第1サポータ11を介し固定される場合と、上腿L2側に固定フレーム23が第2サポータ21を介し固定される場合について説明する。
【0019】
一旦
図2を参照する。
図2に示すように、第1サポータ11はユーザの下腿L1への装着に用いる面ファスナ11aを下腿L1の前側(x軸正側)にさらに備えてもよく、第2サポータ21はユーザの上腿L2への装着に用いる面ファスナ21a上腿L2の前側(x軸正側)にさらに備えてもよい。第1サポータ11は、ユーザの下腿L1に後側(x軸負側)から接触させて下腿L1に巻き回し、下腿L1の前側(x軸正側)で着脱可能に固定される。同様に、第2サポータ21は、ユーザの上腿L2に後側(x軸負側)から接触させて上腿L2に巻き回し、上腿L2の前側(x軸正側)で着脱可能に固定される。面ファスナ11a,21aを用いることで、ユーザは膝装具10を容易に着脱できる。
【0020】
図1に戻る。
図1に示すように、第1リンク12はxz平面上に脛骨に沿って延在する矩形状の板状部材である。第1リンク12は、固定部13によって第1サポータ11の側部に固定されている。固定部13における第1リンク12の第1サポータ11への固定には、例えばボルト等を用いてもよい。第2リンク22はxz平面上に大腿骨に沿って延在する矩形状の板状部材である。
【0021】
図1に示すように、固定フレーム23はxz平面上に大腿骨に沿って延在する矩形状の板状部材である。固定フレーム23は、不図示の固定部によって第2サポータ21の側部に固定されている。固定フレーム23の第2サポータの固定には、例えばボルト等を用いてもよい。
【0022】
図1に示すように、固定フレーム23にはガイド部材23aが設けられている。第2リンク22が固定フレーム23に固定されていないとき、第2リンク22はガイド部材23aに沿いつつ、ユーザの膝関節Nの動きに追従してスライド可能である。ガイド部材23aは、固定フレーム23のy軸正側のxz平面に配置される。ガイド部材23aは
図1に示すようにU字状の形状を有してもよい。上腿L2側に固定フレーム23が第2サポータ21を介し固定される場合、ガイド部材23aのU字形状の開口側がz軸負側に向くように配置する。第2リンク22の幅をW1、ガイド部材23aのU字状の内側の幅をW2としたとき、W1≦W2となるように配置することが好ましい。このような幅にすることによって、第2リンク22はガイド部材23aに沿いつつ、ユーザの膝関節Nの動きに追従してスライド可能である。ユーザの下肢Lへの膝装具10の装着時に生じる第2リンク22の変位の詳細について、
図3~
図5を用いて後述する。
【0023】
第2リンク22は、固定部24によって固定フレーム23にユーザの必要に応じて固定可能である。なお、
図1では第2リンク22はガイド部材23aに沿いつつ、ユーザの膝関節Nの動きに追従してスライド可能な状態、すなわち固定フレーム23に固定されていない状態を示している。固定部24における第2リンク22の固定には、例えばボルト、ピン、面ファスナ、クランプ等を用いてもよい。ピンを用いる場合は、固定フレーム23に所定の間隔で孔を設けておき、当該孔にピンを刺す方法などで固定してもよい。
【0024】
図1に示すように、ジョイント31は、第1リンク12の上端部(z軸正側の端部)と第2リンク22の下端部(z軸負側の端部)とを回転軸Ax(
図2参照)周りに回転可能に連結している。第1リンク12と第2リンク22はジョイント31の回転軸Ax周りに回転可能なリンク機構を構成する。ジョイント31の回転軸Axと膝関節Nの位置とが一致するように、ジョイント31は膝関節Nの高さに配置される。ジョイント31はさらにロータリーダンパなどのダンパを備えてもよい。
【0025】
なお、各構成の配置は上下逆であってもよい。すなわち、第1サポータ11を上腿L2側に配置し、第2サポータ21を下腿L1側に配置してもよい。各サポータがこのような配置の場合、下腿L1側に固定フレーム23が第2サポータ21を介し固定されてもよく、上腿L2側に第1リンク12が第1サポータ11を介し固定されてもよい。また、第1サポータ11は下腿L1側、第2サポータ21は上腿L2側に配置し、第1リンク12と固定フレーム23の配置を上下逆にしてもよい。
【0026】
なお、第1サポータ11及び第2サポータ21が備える面ファスナ11a,21aは、面ファスナ以外の着脱可能な構成であってもよい。例えば、ボタン、ピン、バンド、ボルト、クランプ等の固定手段を用いてもよい。また、膝装具10の下側にさらに短下肢装具を取り付けてもよい。
【0027】
なお、第2リンク22がガイド部材23aに沿いつつスライド可能であればよいため、ガイド部材23aはU字形状の底部を有さない形状であってもよい。例えば、固定フレーム23のx軸正側及び負側の各端部においてz軸方向に延在する棒状の形状を有してもよく、それぞれ対向するように配置されてもよい。
【0028】
以下、
図3~
図5を参照し、ユーザの下肢Lへ膝装具10を装着する一連の流れを説明する。
図3~
図5は、実施の形態1に係る膝装具10をユーザの下肢Lへ装着する一連の流れを示す側面図である。
【0029】
図3は、座位姿勢のユーザの右側の下肢Lの膝関節Nを伸展させた状態で、下腿L1側の右側部に第1サポータ11を介して第1リンク12を下肢Lに装着し、上腿L2側の下腿L1と同側である右側部に第2サポータ21を介して固定フレーム23を下肢Lに装着した状態を示す。第2リンク22は固定フレーム23に固定されておらず、ガイド部材23aに沿いつつ、ユーザの膝関節Nの動きに追従してスライド可能な状態である。
【0030】
図4は、ユーザが
図3の膝関節Nを伸展させた座位姿勢から、膝関節Nを屈曲させ立位姿勢に移行する途中の状態を示す。上述の通り、第2リンク22は固定フレーム23に固定されていない状態である。したがって、膝関節Nの屈曲運動に伴い、第2リンク22は第1サポータ11に固定された第1リンク12にジョイント31を介して引っ張られ変位する。第2リンク22は、
図4の一点鎖線で示すようにガイド部材23aの内側の面に沿いつつ、ユーザの膝関節Nのロールバック運動の動きに追従してスライド可能である。
【0031】
座位姿勢から立位姿勢への移行時に生じる膝関節の屈曲は、膝装具を用いた歩行時に生じる膝関節の屈曲に比べて大きい。本実施の形態の膝装具は、第2リンクが固定されていないことによって、座位姿勢から立位姿勢への移行時に、膝装具の装着位置の位置ずれを抑制できる。
【0032】
図5は、立位姿勢に移行したユーザの膝関節Nが伸展した状態で、第2リンク22を固定フレーム23の固定部24に固定した状態を示す。
図4で膝関節Nが屈曲した際に変位した第2リンク22は、立位姿勢に移行したことで、
図3で下腿L1側の側部に第1サポータ11を装着し、上腿L2側の側部に第2サポータ21を装着したときの位置に戻っている。したがって、
図3の座位姿勢で装着した第1サポータ11及び第2サポータ21の装着位置を維持しつつ、ユーザの必要に応じて、適切な位置で第2リンク22を固定することもできる。
【0033】
発明者は、以下の問題を見出した。膝関節のロールバック運動には個人差がある。膝装具の回転軸とユーザの膝関節のロールバック運動の動きとの位置ずれが生じることで、膝装具の装着時や装着後の歩行時において、膝装具の装着位置の位置ずれが生じるという問題があった。
【0034】
これに対し、本実施の形態に係る膝装具は、下肢の下腿側および上腿側の一方側に第1サポータを介し固定される第1リンクと、下肢の下腿側および上腿側の他方側に第2サポータを介し固定される固定フレームと、固定フレームに固定可能な第2リンクと、固定フレームに設けられた、第2リンクの変位をガイドするガイド部材と、第1リンクと前記第2リンクとを回転可能に連結するジョイントと、を備える。
【0035】
本実施の形態に係る膝装具では、第2リンクはガイド部材に沿いつつ、ユーザの膝関節の動きに追従してスライド可能である。したがって、あらかじめ想定されたロールバック運動の範囲ではなく、ユーザの膝関節のロールバック運動の個人差に応じて、膝装具の装着位置の位置ずれを抑制可能な膝装具を提供できる。
【0036】
また、従来は膝装具の装着位置の位置ずれを抑制するために、座位姿勢でサポータの仮固定を行い、立位姿勢に移行後にサポータを巻き直す等の作業を含む本固定を行って膝装具を装着する場合もあった。しかし、立位姿勢でサポータを装着し直すことは、体幹が弱いユーザの場合には転倒の危険が伴うものであった。これに対し、本実施の形態に係る膝装具は、各サポータは座位姿勢で固定されている一方で、座位姿勢から立位姿勢へ移行する際に第2リンクが固定されていない。したがって、座位姿勢から立位姿勢に移行した場合に、第1サポータ及び第2サポータの装着位置の位置ずれが抑制されるため、立位姿勢で各サポータを巻き直す必要がない。したがって、本実施の形態に係る膝装具は、装着時のユーザの転倒の危険性を低減し、より安全に装着することができる。
【0037】
<実施の形態2>
本実施の形態に係る膝装具が実施の形態1と異なる点は、固定フレームが備えるガイド部材がレール状に形成され、第2リンクが係合している点である。他の構成は実施の形態1と同様である。したがって、実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0038】
図6は、実施の形態2に係る膝装具20を示す背面図である。
図6に示すように、本実施の形態における膝装具20が備える固定フレーム43は、y軸負側のxy平面にガイド部材43aを備える。固定フレーム43はxz平面上に延在する矩形状の板状部材であり、不図示のボルト等の固定部材によって第2サポータ21に固定されている。ガイド部材43aはレール状に形成されており、当該レール状の形状に係合する構造を備える第2リンク42が係合している。
【0039】
第2リンク42はレール形状のガイド部材43aに係合し、当該ガイド部材43aに沿ってスライド可能である。
図6の右図の一点鎖線と両向き黒矢印で示すように、第2リンク42はユーザの膝関節の屈伸運動に伴いスライドする。
【0040】
立位姿勢に移行したユーザの膝関節が伸展した状態で、第2リンク42を固定フレーム43に固定する。本実施の形態に係る膝装具20は、第2リンクの上下方向の位置決めのみを行えばよいため、ユーザが立位姿勢になった際に第2リンクの固定が容易となり、装着時間を短縮できる。なお、実施の形態1と同様、各構成の配置は上下逆であってもよい。
【0041】
<実施の形態3>
図7は、実施の形態3に係る膝装具を示す背面図である。本実施の形態に係る膝装具が実施の形態1と異なる点は、第1リンク12、第2リンク22、固定フレーム23、ガイド部材23a、固定部13、固定部24及びジョイント31を、下肢Lの両側部に備える点であり、各構成は実施の形態1と同様である。したがって、実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0042】
図7に示すように、第1リンク12、第2リンク22、固定フレーム23、ガイド部材23a、固定部13、固定部24及びジョイント31を下肢Lの両側部備えることにより、ユーザは歩行時により安定した歩行を行うことができる。
【0043】
なお、本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0044】
10,20 膝装具、11 第1サポータ、11a 面ファスナ、12 第1リンク、13 固定部、21 第2サポータ、21a 面ファスナ、22 第2リンク、23 固定フレーム、23a ガイド部材、24 固定部、31 ジョイント、42 第2リンク、43 固定フレーム、43a ガイド部材、L 下肢、L1 下腿、L2 上腿、N 膝関節