(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-07
(45)【発行日】2025-07-15
(54)【発明の名称】課金機能ノード、課金装置、及び課金方法
(51)【国際特許分類】
H04M 15/00 20240101AFI20250708BHJP
H04W 4/24 20240101ALI20250708BHJP
【FI】
H04M15/00 G
H04W4/24
(21)【出願番号】P 2024510558
(86)(22)【出願日】2022-03-28
(86)【国際出願番号】 JP2022014822
(87)【国際公開番号】W WO2023187861
(87)【国際公開日】2023-10-05
【審査請求日】2024-09-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 健太
【審査官】吉村 伊佐雄
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第104602239(CN,A)
【文献】特開2021-141345(JP,A)
【文献】SA5,Presentation of Specification/Report to TSG: TS 32.256 "Charging management;5G connection and mobility domain charging; Stage 2", Version 2.0.0[online],3GPP TSG SA #86 SP-191183,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/TSG_SA/TSGS_86/Docs/SP-191183.zip>,2019年12月05日,pp.1.13-14,32,47-48
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24-7/26
H04M15/00-15/38
H04W4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
追跡エリアコード(TAC、Tracking Area Code)を含む情報を受信する受信手段と、
前記追跡エリアコードを含む課金データレコード(CDR、Charging Data Record)を送信する送信手段と、
を有し、
前記送信手段は、
前記受信手段により第1規格に準拠した前記追跡エリアコードを受信した場合、前記課金データレコードの所定の位置に前記追跡エリアコードを設定し、
前記受信手段により第2規格に準拠した前記追跡エリアコードを受信した場合、前記課金データレコードを拡張した領域に前記追跡エリアコードを設定する、
課金機能(CHF、CHarging Function)ノード。
【請求項2】
前記第1規格は、第4世代移動通信システムの無線通信規格であり、
前記第2規格は、第5世代移動通信システムの無線通信規格である、
請求項1に記載の課金機能ノード。
【請求項3】
前記送信手段は、
前記受信手段により前記第1規格に準拠した前記追跡エリアコードを受信した場合、前記課金データレコードの前記所定の位置に2オクテットの前記追跡エリアコードを設定し、
前記受信手段により前記第2規格に準拠した前記追跡エリアコードを受信した場合、前記所定の位置に2オクテットのダミーデータを設定し、前記課金データレコードを拡張した領域に3オクテットの前記追跡エリアコードを設定する、
請求項1または2に記載の課金機能ノード。
【請求項4】
前記ダミーデータは、前記第1規格による無線通信システムにおいて前記追跡エリアコードとして利用されていない特定の値である、
請求項3に記載の課金機能ノード。
【請求項5】
前記送信手段は、
ユーザの契約内容がユーザの無線通信端末が通信する際の地理的条件に依存して料金が変動するか否かに応じた課金装置へ前記課金データレコードを送信する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の課金機能ノード。
【請求項6】
追跡エリアコード(TAC、Tracking Area Code)を含む課金データレコード(CDR、Charging Data Record)を課金機能(CHF、CHarging Function)ノードから受信する受信手段と、
前記受信手段により第1規格に準拠した前記追跡エリアコードを受信した場合、前記課金データレコードの所定の位置から前記追跡エリアコードを抽出し、前記受信手段により第2規格に準拠した前記追跡エリアコードを受信した場合、前記課金データレコードを拡張した領域から前記追跡エリアコードを抽出し、抽出した前記追跡エリアコードに基づく課金を行う課金手段と、
を有する課金装置。
【請求項7】
前記第1規格は、第4世代移動通信システムの無線通信規格であり、
前記第2規格は、第5世代移動通信システムの無線通信規格である、
請求項6に記載の課金装置。
【請求項8】
課金機能(CHF、CHarging Function)ノードが、
追跡エリアコード(TAC、Tracking Area Code)を含む情報を受信する処理と、
前記追跡エリアコードを含む課金データレコード(CDR、Charging Data Record)を送信する処理と、
を実行し、
前記送信する処理では、
前記受信する処理により第1規格に準拠した前記追跡エリアコードを受信した場合、前記課金データレコードの所定の位置に前記追跡エリアコードを設定し、
前記受信する処理により第2規格に準拠した前記追跡エリアコードを受信した場合、前記課金データレコードを拡張した領域に前記追跡エリアコードを設定する、
課金方法。
【請求項9】
課金装置が、
追跡エリアコード(TAC、Tracking Area Code)を含む課金データレコード(CDR、Charging Data Record)を課金機能(CHF、CHarging Function)ノードから受信し、
第1規格に準拠した前記追跡エリアコードを受信した場合、前記課金データレコードの所定の位置から前記追跡エリアコードを抽出し、第2規格に準拠した前記追跡エリアコードを受信した場合、前記課金データレコードを拡張した領域から前記追跡エリアコードを抽出し、抽出した前記追跡エリアコードに基づく課金を行う、
課金方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、課金機能ノード、課金装置、及び課金方法に関する。
【背景技術】
【0002】
Third Generation Partnership Project(3GPP)で規定されている課金機能(CHF、Charging Function)を用いて、ユーザに費用請求を行う技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、関連する技術では、例えば、課金を適切に行えない場合がある。本開示の目的は、上述した課題を鑑み、課金を適切に行えるようにする課金機能ノード、課金装置、通信システム、方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に係る第1の態様では、追跡エリアコード(TAC、Tracking Area Code)を含む情報を受信する受信手段と、前記追跡エリアコードを含む課金データレコード(CDR、Charging Data Record)を送信する送信手段と、を有し、前記送信手段は、前記受信手段により第1規格に準拠した前記追跡エリアコードを受信した場合、前記課金データレコードの所定の位置に前記追跡エリアコードを設定し、前記受信手段により第2規格に準拠した前記追跡エリアコードを受信した場合、前記課金データレコードを拡張した領域に前記追跡エリアコードを設定する、課金機能(CHF、CHarging Function)ノードが提供される。
【0006】
また、本開示に係る第2の態様では、追跡エリアコード(TAC、Tracking Area Code)を含む課金データレコード(CDR、Charging Data Record)を課金機能(CHF、CHarging Function)ノードから受信する受信手段と、前記受信手段により第1規格に準拠した前記追跡エリアコードを受信した場合、前記課金データレコードの所定の位置から前記追跡エリアコードを抽出し、前記受信手段により第2規格に準拠した前記追跡エリアコードを受信した場合、前記課金データレコードを拡張した領域から前記追跡エリアコードを抽出し、抽出した前記追跡エリアコードに基づく課金を行う課金手段と、を有する課金装置が提供される。
【0007】
また、本開示に係る第3の態様では、課金機能(CHF、CHarging Function)ノードが、追跡エリアコード(TAC、Tracking Area Code)を含む情報を受信する処理と、前記追跡エリアコードを含む課金データレコード(CDR、Charging Data Record)を送信する処理と、を実行し、前記送信する処理では、前記受信する処理により第1規格に準拠した前記追跡エリアコードを受信した場合、前記課金データレコードの所定の位置に前記追跡エリアコードを設定し、前記受信する処理により第2規格に準拠した前記追跡エリアコードを受信した場合、前記課金データレコードを拡張した領域に前記追跡エリアコードを設定する、課金方法が提供される。
【0008】
また、本開示に係る第4の態様では、課金装置が、追跡エリアコード(TAC、Tracking Area Code)を含む課金データレコード(CDR、Charging Data Record)を課金機能(CHF、CHarging Function)ノードから受信し、第1規格に準拠した前記追跡エリアコードを受信した場合、前記課金データレコードの所定の位置から前記追跡エリアコードを抽出し、第2規格に準拠した前記追跡エリアコードを受信した場合、前記課金データレコードを拡張した領域から前記追跡エリアコードを抽出し、抽出した前記追跡エリアコードに基づく課金を行う、課金方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
一側面によれば、課金を適切に行えるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態に係る課金システムの構成例を示す図である。
【
図2】実施形態に係る課金機能ノードの構成の一例を示す図である。
【
図3】実施形態に係る課金装置の構成の一例を示す図である。
【
図4】実施形態に係る課金機能ノード、及び課金装置のハードウェア構成例を示す図である。
【
図5】実施形態に係る課金機能ノードの処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】実施形態に係る第1規格用のCDRの一例を示す図である。
【
図7】実施形態に係る第2規格用のCDRの一例を示す図である。
【
図8】実施形態に係る課金装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の原理は、いくつかの例示的な実施形態を参照して説明される。これらの実施形態は、例示のみを目的として記載されており、本開示の範囲に関する制限を示唆することなく、当業者が本開示を理解および実施するのを助けることを理解されたい。本明細書で説明される開示は、以下で説明されるもの以外の様々な方法で実装される。
以下の説明および特許請求の範囲において、他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
【0012】
<システム構成>
図1は、実施形態に係る課金システム1の構成例を示す図である。
図1において、課金システム1は、課金機能(CHF、(Charging Function)ノード10、課金装置20A、課金装置20B、ネットワークファンクション(NF、Network Function)ノード30A、ネットワークファンクションノード30Bを有する。なお、課金機能ノード10、課金装置20A、課金装置20B、ネットワークファンクションノード30A、ネットワークファンクションノード30Bの数は
図1の例に限定されない。
【0013】
課金機能ノード10と、課金装置20A、課金装置20B、ネットワークファンクションノード30A、及びネットワークファンクションノード30Bとは、例えば、LAN(Local Area Network)、インターネット、コアネットワーク等により通信ができるように接続されている。
【0014】
ネットワークファンクションノード30Aは、特定の無線通信規格である第1規格に準拠したネットワークファンクションノードである。第1規格は、例えば、3GPPで規定されている、第4世代移動通信システム(4G)の無線通信規格でもよい。なお、4Gには、例えば、LTEアドバンスト、WiMAX2、ロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)等が含まれてもよい。
【0015】
ネットワークファンクションノード30Aは、第1規格に従い、データサイズが2オクテット(バイト)の形式の追跡エリアコード(TAC、Tracking Area Code)を課金機能ノード10に送信する。なお、TACは、例えば、1以上のセルから構成され、ネットワーク上で管理される無線通信端末の位置を示すセル単位である追跡エリアを、無線通信事業者がコード化したものでもよい。なお、本開示の「無線通信端末」には、例えば、スマートフォン、車載用無線通信装置、Iot(Internet of Things)用無線通信装置等の無線通信端末が含まれてもよい。
【0016】
ネットワークファンクションノード30Bは、第1規格よりも新しい無線通信規格である第2規格に準拠したネットワークファンクションノードである。第2規格は、例えば、3GPPで規定されている、第5世代移動通信システム(5G)の無線通信規格でもよい。また、第2規格は、例えば、3GPPで既に規定されている、または今後規定される、第6世代移動通信システム(6G、ビヨンド5G)以降の無線通信規格でもよい。
【0017】
ネットワークファンクションノード30Bは、第2規格に従い、2オクテット以外のデータサイズ(例えば、3オクテット)の形式のTACを課金機能ノード10に送信する。
【0018】
課金機能ノード10は、ネットワークファンクションノード30Aまたはネットワークファンクションノード30Bから受信したTACを埋め込んだCDR(Charging Data Record)を生成(出力)して、上位の課金装置である課金装置20Aまたは課金装置20Bに送信する。
【0019】
課金装置20Aは、第1規格に準拠した課金装置である。課金装置20Bは、本開示の課金機能ノード10の機能に対応した課金装置である。
【0020】
課金装置20A及び課金装置20Bは、課金機能ノード10から受信したCDRに基づいて、無線通信端末のユーザに課金(費用請求)を行う。
【0021】
<ハードウェア構成>
図2は、実施形態に係る課金機能ノード10、及び課金装置20Bのハードウェア構成例を示す図である。以下では、課金機能ノード10を例として説明する。なお、課金装置20Bのハードウェア構成例は、課金機能ノード10のハードウェア構成例と同様でもよい。
図2の例では、課金機能ノード10(コンピュータ100)は、プロセッサ101、メモリ102、通信インターフェイス103を含む。これら各部は、バス等により接続されてもよい。メモリ102は、プログラム104の少なくとも一部を格納する。通信インターフェイス103は、他のネットワーク要素との通信に必要なインターフェイスを含む。
【0022】
プログラム104が、プロセッサ101及びメモリ102等の協働により実行されると、コンピュータ100により本開示の実施形態の少なくとも一部の処理が行われる。メモリ102は、ローカル技術ネットワークに適した任意のタイプのものであってもよい。メモリ102は、非限定的な例として、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体でもよい。また、メモリ102は、半導体ベースのメモリデバイス、磁気メモリデバイスおよびシステム、光学メモリデバイスおよびシステム、固定メモリおよびリムーバブルメモリなどの任意の適切なデータストレージ技術を使用して実装されてもよい。コンピュータ100には1つのメモリ102のみが示されているが、コンピュータ100にはいくつかの物理的に異なるメモリモジュールが存在してもよい。プロセッサ101は、任意のタイプのものであってよい。プロセッサ101は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、および非限定的な例としてマルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサの1つ以上を含んでよい。コンピュータ100は、メインプロセッサを同期させるクロックに時間的に従属する特定用途向け集積回路チップなどの複数のプロセッサを有してもよい。
【0023】
本開示の実施形態は、ハードウェアまたは専用回路、ソフトウェア、ロジックまたはそれらの任意の組み合わせで実装され得る。いくつかの態様はハードウェアで実装されてもよく、一方、他の態様はコントローラ、マイクロプロセッサまたは他のコンピューティングデバイスによって実行され得るファームウェアまたはソフトウェアで実装されてもよい。
【0024】
本開示はまた、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に有形に記憶された少なくとも1つのコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品は、プログラムモジュールに含まれる命令などのコンピュータ実行可能命令を含み、対象の実プロセッサまたは仮想プロセッサ上のデバイスで実行され、本開示のプロセスまたは方法を実行する。プログラムモジュールには、特定のタスクを実行したり、特定の抽象データ型を実装したりするルーチン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、コンポーネント、データ構造などが含まれる。プログラムモジュールの機能は、様々な実施形態で望まれるようにプログラムモジュール間で結合または分割されてもよい。プログラムモジュールのマシン実行可能命令は、ローカルまたは分散デバイス内で実行できる。分散デバイスでは、プログラムモジュールはローカルとリモートの両方のストレージメディアに配置できる。
【0025】
本開示の方法を実行するためのプログラムコードは、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれてもよい。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、またはその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはコントローラに提供される。プログラムコードがプロセッサまたはコントローラによって実行されると、フローチャートおよび/または実装するブロック図内の機能/動作が実行される。プログラムコードは、完全にマシン上で実行され、一部はマシン上で、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして、一部はマシン上で、一部はリモートマシン上で、または完全にリモートマシンまたはサーバ上で実行される。
【0026】
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例には、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、光ディスク媒体、半導体メモリ等が含まれる。磁気記録媒体には、例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ等が含まれる。光磁気記録媒体には、例えば、光磁気ディスク等が含まれる。光ディスク媒体には、例えば、ブルーレイディスク、CD(Compact Disc)-ROM(Read Only Memory)、CD-R(Recordable)、CD-RW(ReWritable)等が含まれる。半導体メモリには、例えば、ソリッドステートドライブ、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory)等が含まれる。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0027】
<構成>
次に、
図3及び
図4を参照し、実施形態に係る課金機能ノード10、及び課金装置20Bの構成について説明する。
図3は、実施形態に係る課金機能ノード10の構成の一例を示す図である。
図4は、実施形態に係る課金装置20Bの構成の一例を示す図である。なお、
図3及び
図4に示す構成は一例に過ぎない。本開示の処理を実行できるのであれば、各部の名称はどのような名称でもよい。
【0028】
<<課金機能ノード10>>
課金機能ノード10は、受信部11、及び送信部12を有する。これら各部は、課金機能ノード10にインストールされた1以上のプログラムと、課金機能ノード10のプロセッサ101、及びメモリ102等のハードウェアとの協働により実現されてもよい。
【0029】
受信部11は、追跡エリアコードを含む情報を、ネットワークファンクションノード30Aまたはネットワークファンクションノード30Bから受信する。送信部12は、追跡エリアコードを含む課金データレコードを上位の課金装置である課金装置20Aまたは課金装置20Bに送信する。送信部12は、受信部11により第1規格に準拠したTACを受信した場合、CDRの所定の位置(バイト位置、領域)に当該TACを設定し、受信部11により第2規格に準拠したTACを受信した場合、CDRを拡張した領域に当該TACを設定する。
【0030】
<<課金装置20B>>
課金装置20Bは、受信部21、及び課金部22を有する。これら各部は、課金装置20Bにインストールされた1以上のプログラムと、課金装置20Bのプロセッサ101、及びメモリ102等のハードウェアとの協働により実現されてもよい。
【0031】
受信部21は、TACを含むCDRを課金機能ノード10から受信する。課金部22は、受信部21に受信されたCDRに基づき、ユーザに課金を行う。
課金部22は、受信部21により第1規格に準拠したTACを受信した場合、CDRの所定の位置からTACを抽出し、受信部21により第2規格に準拠したTACを受信した場合、CDRを拡張した領域からTACを抽出し、抽出したTACに基づく課金を行う。
【0032】
<処理>
<<課金機能ノード10の処理>>
次に、
図5から
図7を参照し、実施形態に係る課金機能ノード10の処理の一例について説明する。
図5は、実施形態に係る課金機能ノード10の処理の一例を示すフローチャートである。
図6は、実施形態に係る第1規格用のCDRの一例を示す図である。
図7は、実施形態に係る第2規格用のCDRの一例を示す図である。
【0033】
ステップS101において、課金機能ノード10の受信部11は、ネットワークファンクションノード30Aまたはネットワークファンクションノード30Bから、ユーザID及びTACを含む情報を受信する。ここで、受信部11は、例えば、4Gの規格(「第1規格」の一例。)に準拠した2オクテット形式のTACをネットワークファンクションノード30Aから受信してもよい。また、受信部11は、例えば、5Gの規格(「第2規格」の一例。)に準拠した3オクテット形式のTACをネットワークファンクションノード30Bから受信してもよい。
【0034】
ユーザIDは、無線通信端末のユーザの識別情報である。ユーザIDは、例えば、契約識別番号(IMSI、International Mobile Subscriber Identity)、SIM(USIM、UIM)カード固有の番号(ICCID、Integrated Circuit Card ID)、または国際携帯機器識別番号(IMEI、International Mobile Equipment Identifier)等でもよい。
【0035】
続いて、課金機能ノード10の送信部12は、受信したTACの形式が、第1規格に準拠しているか否かを判定する(ステップS102)。ここで、送信部12は、例えば、TACのデータサイズに基づいて、第1規格に準拠しているか否かを判定してもよい。この場合、送信部12は、例えば、TACのデータサイズが2オクテットである場合は、第1規格に準拠していると判定し、TACのデータサイズが3オクテットである場合は、第2規格に準拠していると判定してもよい。
【0036】
また、送信部12は、例えば、TACの送信元に基づいて、第1規格に準拠しているか否かを判定してもよい。この場合、送信部12は、例えば、TACの送信元がネットワークファンクションノード30Aである場合は、第1規格に準拠していると判定し、TACの送信元がネットワークファンクションノード30Bである場合は、第2規格に準拠していると判定してもよい。
【0037】
受信したTACの形式が、第1規格に準拠している場合(ステップS102でYES)、課金機能ノード10の送信部12は、所定の位置に2オクテットのTACを設定した課金データレコード(CDR、Charging Data Record)を生成し(ステップS103)、ステップS105の処理に進む。
【0038】
ここで、当該所定の位置は、
図6に示すように、例えば、CDR601における追跡エリア識別情報(TAI、Tracking Area Identity)が設定される領域611内の領域612でもよい。ここで、TAIは、第1規格に基づき、モバイル国コード(MCC、Mobile Country Code)、モバイルネットワークコード(MNC、Mobile Network Code)、及びTACにより構成されてもよい。
【0039】
なお、
図6の例では、CDR601の1バイト目はタグを示す値であり、2バイト目は後続のデータのバイトサイズ(データ長)を示す値であり、3バイト目はCDR601のデータ形式の種別(フォーマット定義)を示す値である。4バイト目から8バイト目がTAI設定される領域611であり、そのうち7バイト目及び8バイト目がTAC設定される領域612である。なお、9バイト目から16バイト目には、NCGI(NR Cell Global Identifier)が設定されている。なお、NCGIは、MCC(Mobile Country Code)、MNC(Mobile Network Code)、及びNCI(NR Cell Identity)で構成され、NR(New Radio、5G)セルをグローバルに識別するために使用される。NCGIは、4GのCGI(Cell Global Identity)と同等と見なすことができる。
【0040】
これにより、例えば、第1規格のみをサポートしている課金装置20Aでは、第1規格に準拠した2オクテット形式のTACを含むCDR601を受信した場合、従来通りの領域612からTACを読み取り、ユーザに課金をすることができる。
【0041】
一方、受信したTACの形式が、第1規格に準拠していない場合(ステップS102でNO)、課金機能ノード10の送信部12は、
図7に示すように、TAIに2オクテットのダミーデータを含め、CDRを拡張した領域に3オクテットのTACを設定したCDRを生成する(ステップS104)。
【0042】
なお、
図7の例では、
図6の例と同様に、CDR701の1バイト目はタグを示す値であり、2バイト目は後続のデータのバイトサイズ(データ長)を示す値であり、3バイト目はCDR701のフォーマット定義を示す値である。また、4バイト目から8バイト目のTAI設定される領域711であり、そのうち7バイト目及び8バイト目がTAC設定される領域712である。また、9バイト目から16バイト目には、NCGIが設定される。
【0043】
図7の例では、
図6の例と比較して、2バイト目の値は、拡張用の領域(17~20オクテット目)の4バイト分だけ大きな値である「18」が設定されている。3バイト目の値は、拡張用のカスタム値が設定されている。なお、フォーマット定義の3~128はSpareのため標準上は定義されていないため、
図7の例では「3」が設定されている。
【0044】
また、
図7の例では、CDR701におけるTAIが設定される領域711内の領域712に、2オクテットのTACのダミーデータが設定されている。送信部12は、例えば、当該ダミーデータとして、第1規格による無線通信システム(例えば、4Gの無線通信システムであるEPS(Evolved Packet System))においてTACとして利用されていない特定の値を設定してもよい。なお、
図7の例では、当該ダミーデータの1オクテット目は16進数で「5C」、2オクテット目は16進数で「10」という固定値である。
【0045】
また、
図7の例では、17オクテット目の領域721に、第1規格に準拠したTACであるか否かを判定(判別)させるためのフラグ(判別用フラグ)が設定されている。なお、例えば、3バイト目の値に基づいて第1規格に準拠したTACであるか否かを課金装置20Bにて判定させる場合は、当該フラグは必須ではない。また、
図7の例では、18オクテット目から20オクテット目までの3オクテットの領域722に、第2規格に準拠したTACが設定されている。
【0046】
例えば、4G規格では、TACのデータサイズは2オクテットの固定長として定義されている。一方、5G規格では、TACのデータサイズは3オクテットの固定長として定義されている。4G規格に準拠した通信システムと、5G規格に準拠した通信システムとが商用網で混在する場合、4Gと5Gの両方のCDRがCHFから上位の課金装置に送られることが想定される。この場合、4G規格に準拠した通信システムにおける課金装置では、CHFから送信されてくるCDRのTACが3オクテットである場合、2オクテット分しか認識せず、読み込むバイナリデータにずれが生じてしまうことが考えられる。
【0047】
一方、本開示によれば、第1規格(例えば、4G)のみをサポートしている課金装置20Aでは、第2規格に準拠した3オクテット形式のTACを含む
図7のCDR701を受信した場合、従来通りの領域712からTACのダミーデータを読み取ることができる。そのため、読み込むバイナリデータにずれが生じないため、不測のエラーが生じることを低減できる。また、課金装置20Aでは、TAC以外のデータは正常に読み込まれる。そのため、ユーザと無線通信事業者との料金に関する契約が、ユーザの無線通信端末が通信する際の地理的条件に依存しない場合には、ユーザに対して適切に課金をすることができる。
【0048】
続いて、課金機能ノード10の送信部12は、生成したCDRを課金装置20Aまたは課金装置20Bへ送信する(ステップS105)。ここで、送信部12は、例えば、受信したユーザIDに基づいて、CDRの送信先を決定してもよい。この場合、送信部12は、例えば、ユーザと無線通信事業者との料金に関する契約内容が、ユーザの無線通信端末が通信する際の地理的条件に依存して料金が変動するか否かに応じた課金装置へCDRを送信してもよい。この場合、送信部12は、第2規格での通信の料金が、ユーザの無線通信端末が通信する際の地理的条件に依存しない契約を行っているユーザの場合、CDRの送信先を課金装置20Aと決定してもよい。これにより、例えば、第1規格での通信に対してのみ通信する際の地理的条件に依存した課金を行う課金装置20Aの運用(使用)を継続させることができる。
【0049】
<<課金装置20Bの処理>>
次に、
図8を参照し、実施形態に係る課金装置20Bの処理の一例について説明する。
図8は、実施形態に係る課金装置20Bの処理の一例を示すフローチャートである。
【0050】
ステップS201において、課金装置20Bの受信部21は、ユーザID及びCDR等を課金機能ノード10から受信する。
【0051】
続いて、課金装置20Bの課金部22は、受信したCDRに含まれるTACの形式が、第1規格に準拠しているか否かを判定する(ステップS202)。ここで、課金部22は、例えば、上述した判別用フラグ(
図7のCDR701の17オクテット目の領域721)に基づいて、TACの形式が第1規格に準拠しているか否かを判定してもよい。この場合、課金部22は、例えば、判別用フラグの値、または判別用フラグの有無等に基づいて判定を行ってもよい。
【0052】
また、課金部22は、例えば、CDRの2バイト目のフォーマット定義の値に基づいて、TACの形式が第1規格に準拠しているか否かを判定してもよい。
【0053】
第1規格に準拠している場合(ステップS202でYES)、課金部22は、受信したCDRのうち所定の位置から2オクテットのTACを抽出(読み取り)し(ステップS203)、ステップS205の処理に進む。ここで、課金部22は、例えば、受信したCDRのうち7バイト目及び8バイト目(
図6の領域612)の2オクテットのデータを、TACとして抽出してもよい。
【0054】
一方、第1規格に準拠していない場合(ステップS202でNO)、課金部22は、受信したCDRのうち拡張用の領域から3オクテットのTACを抽出する(ステップS204)。ここで、課金部22は、例えば、受信したCDRのうち18オクテット目から20オクテット目(
図7の領域722)の3オクテットのデータを、TACとして抽出してもよい。
【0055】
続いて、課金装置20Bの課金部22は、抽出したTACに基づいて、ユーザに課金する(ステップS205)。これにより、本開示の課金装置20Bは、第1規格のTACと第2規格のTACとの双方をサポートすることができる。
【0056】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0057】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
追跡エリアコード(TAC、Tracking Area Code)を含む情報を受信する受信手段と、
前記追跡エリアコードを含む課金データレコード(CDR、Charging Data Record)を送信する送信手段と、
を有し、
前記送信手段は、
前記受信手段により第1規格に準拠した前記追跡エリアコードを受信した場合、前記課金データレコードの所定の位置に前記追跡エリアコードを設定し、
前記受信手段により第2規格に準拠した前記追跡エリアコードを受信した場合、前記課金データレコードを拡張した領域に前記追跡エリアコードを設定する、
課金機能(CHF、CHarging Function)ノード。
(付記2)
前記第1規格は、第4世代移動通信システムの無線通信規格であり、
前記第2規格は、第5世代移動通信システムの無線通信規格である、
付記1に記載の課金機能ノード。
(付記3)
前記送信手段は、
前記受信手段により前記第1規格に準拠した前記追跡エリアコードを受信した場合、前記課金データレコードの前記所定の位置に2オクテットの前記追跡エリアコードを設定し、
前記受信手段により前記第2規格に準拠した前記追跡エリアコードを受信した場合、前記所定の位置に2オクテットのダミーデータを設定し、前記課金データレコードを拡張した領域に3オクテットの前記追跡エリアコードを設定する、
付記1または2に記載の課金機能ノード。
(付記4)
前記ダミーデータは、前記第1規格による無線通信システムにおいて前記追跡エリアコードとして利用されていない特定の値である、
付記3に記載の課金機能ノード。
(付記5)
前記送信手段は、
ユーザの契約内容がユーザの無線通信端末が通信する際の地理的条件に依存して料金が変動するか否かに応じた課金装置へ前記課金データレコードを送信する、
付記1から4のいずれか一項に記載の課金機能ノード。
(付記6)
追跡エリアコード(TAC、Tracking Area Code)を含む課金データレコード(CDR、Charging Data Record)を課金機能(CHF、CHarging Function)ノードから受信する受信手段と、
前記受信手段により第1規格に準拠した前記追跡エリアコードを受信した場合、前記課金データレコードの所定の位置から前記追跡エリアコードを抽出し、前記受信手段により第2規格に準拠した前記追跡エリアコードを受信した場合、前記課金データレコードを拡張した領域から前記追跡エリアコードを抽出し、抽出した前記追跡エリアコードに基づく課金を行う課金手段と、
を有する課金装置。
(付記7)
前記第1規格は、第4世代移動通信システムの無線通信規格であり、
前記第2規格は、第5世代移動通信システムの無線通信規格である、
付記6に記載の課金装置。
(付記8)
課金機能(CHF、CHarging Function)ノードが、
追跡エリアコード(TAC、Tracking Area Code)を含む情報を受信する処理と、
前記追跡エリアコードを含む課金データレコード(CDR、Charging Data Record)を送信する処理と、
を実行し、
前記送信する処理では、
前記受信する処理により第1規格に準拠した前記追跡エリアコードを受信した場合、前記課金データレコードの所定の位置に前記追跡エリアコードを設定し、
前記受信する処理により第2規格に準拠した前記追跡エリアコードを受信した場合、前記課金データレコードを拡張した領域に前記追跡エリアコードを設定する、
課金方法。
(付記9)
課金装置が、
追跡エリアコード(TAC、Tracking Area Code)を含む課金データレコード(CDR、Charging Data Record)を課金機能(CHF、CHarging Function)ノードから受信し、
第1規格に準拠した前記追跡エリアコードを受信した場合、前記課金データレコードの所定の位置から前記追跡エリアコードを抽出し、第2規格に準拠した前記追跡エリアコードを受信した場合、前記課金データレコードを拡張した領域から前記追跡エリアコードを抽出し、抽出した前記追跡エリアコードに基づく課金を行う、
課金方法。
【符号の説明】
【0058】
1 課金システム
10 課金機能ノード
11 受信部
12 送信部
20A 課金装置
20B 課金装置
21 受信部
22 課金部
30A ネットワークファンクションノード
30B ネットワークファンクションノード