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特許7708306商品読取システム、商品読取装置、商品読取方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-07
(45)【発行日】2025-07-15
(54)【発明の名称】商品読取システム、商品読取装置、商品読取方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/00 20060101AFI20250708BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20250708BHJP
【FI】
G07G1/00 311D
G06K7/10 148
G06K7/10 184
G06K7/10 268
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2024510768
(86)(22)【出願日】2022-03-29
(86)【国際出願番号】 JP2022015324
(87)【国際公開番号】W WO2023187959
(87)【国際公開日】2023-10-05
【審査請求日】2024-08-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100178216
【弁理士】
【氏名又は名称】浜野 絢子
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 諒
(72)【発明者】
【氏名】大角 卓生
【審査官】中村 泰二郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2022/049658(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0019949(US,A1)
【文献】米国特許第10157303(US,B1)
【文献】特表2021-527908(JP,A)
【文献】特開2019-114098(JP,A)
【文献】特許第7016191(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00- 5/00
G06Q 20/00-20/42,
40/00-40/12
G06K 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲートに備え付けられ、商品に付された無線タグから商品情報を読み取る商品読取手段を備える装置と、
前記ゲートと顧客とを含む画像から、読取位置を特定する読取位置特定手段を備える装置と、
を有し、
前記商品読取手段を備える装置は、前記特定した読取位置に基づいた読み取り方で読み取りを実行する、
商品読取システム。
【請求項2】
前記読取位置特定手段を備える装置は、前記顧客の所持する物品から前記読取位置を特定する、
請求項1に記載の商品読取システム。
【請求項3】
前記読取位置特定手段を備える装置は、前記顧客の骨格から前記読取位置を特定する、
請求項1に記載の商品読取システム。
【請求項4】
前記読取位置特定手段を備える装置は、前記顧客の身長から前記読取位置を特定する、
請求項1に記載の商品読取システム。
【請求項5】
前記商品読取手段を備える装置は、前記読取位置に基づいて、読取範囲を変更して読み取りを実行する、
請求項1から4のいずれか1つに記載の商品読取システム。
【請求項6】
前記顧客の周辺に前記顧客以外の人物が存在しない場合に、
前記商品読取手段を備える装置は、前記読取位置に基づいて、前記無線タグを読み取る読取電波の出力強度を強めて読み取りを実行する、
請求項1から5のいずれか1つに記載の商品読取システム。
【請求項7】
報知手段を備える装置を更に備え、
前記商品読取手段を備える装置は、
所定の条件を満たす場合に前記無線タグの読み取りを実行し、
所定の条件を満たさない場合は、前記無線タグの読み取りを実行せず、
前記報知手段を備える装置は、前記商品読取手段を備える装置が前記無線タグの読み取りを実行しない場合、前記顧客への報知を行う、
請求項1から6のいずれか1つに記載の商品読取システム。
【請求項8】
ゲートに備え付けられ、商品に付された無線タグから商品情報を読み取る商品読取手段と、
前記ゲートと顧客とを含む画像から、読取位置を特定する読取位置特定手段と、
を有し、
前記商品読取手段は、前記特定した読取位置に基づいた読み取り方で読み取りを実行する、
商品読取装置。
【請求項9】
読取位置特定手段を備える装置が、ゲートと顧客とを含む画像から、読取位置を特定し、
ゲートに備え付けられた、商品読取手段を備える装置が、前記特定した読取位置に基づいた読み取り方で、商品に付された無線タグから商品情報の読み取りを実行する、
商品読取方法。
【請求項10】
ゲートと顧客とを含む画像から特定された読取位置に基づいた読み取り方で、商品に付された無線タグから商品情報の読み取りを実行する処理をゲートに備え付けられた装置に実行させる、
ことをコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品読取システム、商品読取装置、商品読取方法および記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
商品情報を記憶した無線タグが付された商品を所持した顧客がゲートを通過することで、商品情報の読み取りができる商品読取システムが知られている。
【0003】
上述のシステムに関する技術として、特許文献1では、商品情報を記憶しているRF(Radio Frequency)タグなどの無線タグが紐付けされた商品を持った顧客(決済者)がゲートを通過することで、商品情報を読み取り、決済処理を行うゲート装置が開示されている。
【0004】
また、特許文献2では、画像に基づいて顧客が手にしている商品の位置の時系列情報を生成し、当該位置の時系列情報で示される商品の移動状況に基づき、顧客がその商品に対して行った行動を特定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2021/010163号
【文献】国際公開第2021/214986号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ゲート装置において商品情報を読み取る際、顧客の商品の持ち方によっては、無線タグの読み取りができない領域を無線タグが通過してしまい、商品情報の読取漏れが発生する場合がある。一方、読取範囲を広げたり、読取電波の出力を強めるたりすることで読取漏れを回避したりすることが考えられる。しかし、この場合、他の顧客の商品を読み取ってしまうなどの誤検知のリスクが高まる。そのため、商品読取システムにおける商品情報の読取精度の向上が求められている。
【0007】
そこで、本発明の目的の1つは、ゲートと顧客とを含む画像から読取位置を特定し、特定された読取位置に基づいた読み取り方で無線タグの読み取りを実行する商品読取システム、商品読取装置、商品読取方法および記録媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の商品読取システムの一態様は、ゲートに備え付けられ、商品に付された無線タグから商品情報を読み取る商品読取手段と、前記ゲートと顧客とを含む画像から、読取位置を特定する読取位置特定手段と、を有し、前記商品読取手段は、前記特定した読取位置に基づいた読み取り方で読み取りを実行する。
【0009】
本発明の商品読取装置の一態様は、ゲートに備え付けられ、商品に付された無線タグから商品情報を読み取る商品読取手段と、前記ゲートと顧客とを含む画像から、読取位置を特定する読取位置特定手段と、を有し、前記商品読取手段は、前記特定した読取位置に基づいた読み取り方で読み取りを実行する。
【0010】
本発明の商品読取方法の一態様は、ゲートと顧客とを含む画像から、読取位置を特定し、前記特定した読取位置に基づいた読み取り方で、商品に付された無線タグから商品情報の読み取りを実行する。
【0011】
本発明のプログラムを記憶する、コンピュータ読取可能な記録媒体の一態様は、ゲートと顧客とを含む画像から、読取位置を特定し、前記特定した読取位置に基づいた読み取り方で、商品に付された無線タグから商品情報の読み取りを実行することをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、商品読取システムにおける商品情報の読取精度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1の実施形態に係る商品読取システムの構成の例を示すブロック図
図2】第1の実施形態に係る商品読取システムの動作の例を示すフローチャート
図3】第2の実施形態に係る商品読取システムの構成の例を示すブロック図
図4】ゲート210の正投影図
図5】読取範囲の模式図
図6A】読取範囲と特定された読取位置を示す模式図
図6B】読取範囲が読取位置を含むように商品読取アンテナ212の向きを変更した状態を示す模式図
図6C】読取範囲が読取位置を含むように商品読取アンテナ212の位置を変更した状態を示す模式図
図6D】読取範囲が読取位置を含むように読取電波を発信する商品読取アンテナ212を変更した状態を示す模式図
図6E】読取範囲が読取位置を含むように電波反射手段215によって読取範囲を変更した状態を示す模式図
図7】第2の実施形態に係る商品読取システムの動作の例を示すフローチャート
図8】第3の実施形態に係る商品読取システムの構成の例を示すブロック図
図9】第3の実施形態に係る商品読取システムの動作の例を示すフローチャート
図10】各実施形態における各構成要素を構成可能な情報処理装置1000のハードウエアの構成を例示するブロック図
【発明を実施するための形態】
【0014】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る商品読取システム100の構成例を示している。
【0015】
商品読取システム100は商品読取手段110、読取位置特定手段120を備える。図1において、商品読取システム100が備える各ブロックは機能単位の構成を示している。したがって、図1に示す商品読取システム100が備える各ブロックは単一の装置内に実装されてよく、あるいは複数の装置内に別れて実装されてもよい。
【0016】
商品読取手段110は、図示しないゲートに備え付けられている。そして、商品読取手段110は、読取範囲内の無線タグから商品情報を読み取る。無線タグは商品情報を記憶している。また、無線タグは記憶している商品情報に対応する商品に付されている。
【0017】
商品情報は、商品読取システム100が設けられている店舗において商品を特定するための情報である。商品情報には、各商品に割り振られたID(Identification)や商品価格などが含まれてよい。
【0018】
読取位置特定手段120は、ゲートと顧客とを含む画像から読取位置を特定する。
【0019】
読取位置特定手段120によって読取位置が特定されると、商品読取手段110は、読取位置に基づいた読み取り方で読み取りを実行する。
【0020】
第1の実施形態に係る商品読取システムの動作について図面を用いて説明する。図2は第1の実施形態に係る商品読取システムの動作の例を示すフローチャートである。
【0021】
読取位置特定手段120は、ゲートと顧客とを含む画像を取得し(ステップS10)、読取位置を特定する(ステップS11)。そして、商品読取手段110は、読取位置特定手段120が特定した読取位置に基づいた読み取り方で読み取りを実行する(ステップS12)。
【0022】
第1の実施形態に係る商品読取システムでは、ゲートと顧客とを含む画像から特定された読取位置に基づいた読み取り方で無線タグの読み取りを実行する。これにより、商品読取システムにおける商品情報の読取精度を向上できる。
【0023】
[第2の実施形態]
第2の実施形態では、本発明の商品読取システム200について、図面を用いて説明する。以下、第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、説明が重複する部分に関しては説明を省略する。
【0024】
図3は、本発明の第2の実施形態に係る商品読取システム200の構成例を示している。商品読取システム200はゲート210、商品読取手段110、読取位置特定手段120、画像取得手段130を備える。図3において、商品読取システム200が備える各ブロックは機能単位の構成を示している。したがって、図3に示す商品読取システム200が備える各ブロックは単一の装置内に実装されてよく、あるいは複数の装置内に別れて実装されてもよい。また、読取位置特定手段120及び画像取得手段130の少なくとも一つの構成をゲート210が備える構成としてもよい。
【0025】
ゲート210は、商品読取手段110を備える。ゲートは顧客が商品を持って通過する通路を備える。商品読取手段110は、無線タグを読み取るための読取電波を発信し、ゲート210内に読取範囲を形成する。
【0026】
図4はゲート210の正投影図である。図4(a)が上面図、図4(b)が右側面図、図4(c)が正面図である。図4におけるゲート210は、一対の筐体211によって構成される。商品を持った顧客は一対の筐体211の間を通過する。図4に示すゲート210は一例であり、この他に、図4に示す一対の筐体211の上部及び下部の少なくとも一方が連結されたゲートであってもよい。
【0027】
筐体211は商品読取アンテナ212を備える。商品読取アンテナ212は商品読取手段110の一例である。図4では一例として一対の筐体211のそれぞれが商品読取アンテナ212を1つずつ備えるが、商品読取アンテナ212の個数はこれに限られない。
【0028】
商品読取アンテナ212は、無線タグを読み取るための読取電波を発信し、ゲート210内に読取範囲を形成する。図5に読取範囲の模式図を示す。図5はゲート210の正面図である。一対の筐体211のそれぞれに備えられた商品読取アンテナ212は、顧客が通過する領域に向けて読取電波を発信し、読取範囲213を形成する。この読取範囲213内に無線タグが入ることで無線タグの読み取りが実行される。図5における商品読取アンテナ212が読取電波を発信する向きは、一例として、商品読取アンテナ212を備える筐体211の対となる筐体211に向かって読取電波を発信するものとしている。
【0029】
画像取得手段130は、ゲート210と、ゲート210を通過しようとする顧客とを含む画像を取得する。ここで、画像取得手段130が取得する画像は、ゲート210と、ゲート210を通過している顧客を含む画像であってもよい。画像取得手段130は、外部装置としてゲート210に外付けで設けられてもよく、ゲート210に備えられてもよい。また、店内を撮影する店内カメラでもよい。店内カメラは店舗内の天井や壁面に取り付けられた防犯カメラであってもよい。
【0030】
ゲート210を通過しようとする顧客の判定は画像取得手段130が行ってもよく、図示しない判定手段が行ってもよい。判定の一例として、ゲート210との距離が所定以内の顧客を、ゲート210を通過しようとする顧客と判定することが考えられる。また、進行方向がゲート210を向いている顧客を、ゲート210を通過しようとする顧客と判定してもよい。その他の例として、視線がゲート210を向いている顧客を、ゲート210を通過しようとする顧客と判定してもよい。ここで述べた判定基準は一例であり、これらに限られない。また、ここで述べた判断の例を組み合わせて判定を行ってもよい。
【0031】
読取位置特定手段120は、画像取得手段130が取得した画像から、読取位置を特定する。読取位置特定手段120は、例えば、画像に含まれる顧客の持つ商品を認識し、その商品の位置を読取位置として特定する。また、画像に含まれる顧客の持つ物品を認識し、その商品の位置を読取位置として特定してもよい。顧客の持つ物品とは、例えば、顧客が商品を収納可能なバッグや買い物かごなどである。
【0032】
読取位置特定手段120による読取位置の特定の他の例として、画像に含まれる顧客の骨格から読取位置を特定してもよい。顧客が商品を持つ場合、商品は手で保持されたり、腕で抱えられたりする可能性が高い。そのため、画像取得手段130が取得した画像から顧客の骨格を認識し、顧客の手や腕の位置を読取位置として特定してもよい。
【0033】
また、読取位置特定手段120による読取位置の特定の他の例として、画像に含まれる顧客の身長から読取位置を特定してもよい。顧客が商品を保持する位置は顧客の身長によって異なる。そのため、画像取得手段130が取得した画像から顧客の身長を認識し、顧客の身長に合わせて読取位置を特定してもよい。
【0034】
読取位置特定手段120は、画像取得手段130が取得した画像とその他の情報を組み合わせて読取位置を特定してもよい。組み合わせる情報の一例として、無線タグの受信信号強度が挙げられる。画像と受信信号強度を組み合わせることで読み取るべき無線タグの位置をより精度高く認識することができ、より適切な読取位置を特定することができる。画像と組み合わせる情報は受信信号強度に限られず、読取位置を特定するための情報であればよい。
【0035】
読取位置特定手段120によって読取位置が特定されると、商品読取手段110は特定された読取位置に基づいた読み取り方で読み取りを実行する。
【0036】
読取位置に基づいた読み取り方の一例として、例えば、読取位置が図5に示す読取範囲213の高さ方向に外れていた場合、商品読取手段110は読取位置を含むように高さ方向の読取範囲を変更する。ここで、高さ方向とは、床面に対して垂直方向の座標によって表されてもよく、鉛直方向の座標によって表されてもよい。
【0037】
読取位置が図5に示す読取範囲213の外部であった場合の読取範囲の変更について、図6A図6Eを用いて説明する。図6Aにおいて、読取位置特定手段120によって特定された読取位置の高さを黒丸で示している。図6Aでは読取位置の高さが読取範囲213の外部となっているため、商品読取手段110は読取位置の高さを含む読取範囲となるように読取範囲を変更する。読取範囲の変更の一例として、商品読取アンテナ212が読取電波を発信する向きを変更する。図6Bは、商品読取アンテナ212が読取電波を発信する向きを変更したときの読取範囲の模式図である。図6Aでは読取位置の高さが読取範囲213よりも上部であったため、図6Bでは商品読取アンテナ212の向きを上にすることで、読取範囲213が読取位置の高さを含むようにしている。
【0038】
このように、読取位置の高さが読取範囲の外部であった場合に、商品読取手段の向きを変えて読取範囲を変更することで、商品読取システムにおける商品情報の読取精度を向上できる。
【0039】
また、商品読取アンテナ212が筐体211内で移動可能に設計されている場合、読取範囲の変更のその他の例として、筐体211内での商品読取アンテナ212の位置を変更することが考えられる。図6Cは、筐体211内での商品読取アンテナ212の位置を変更したときの読取範囲の模式図である。図6Cでは、商品読取アンテナ212をレール214に沿って移動させることで、読取範囲213が読取位置の高さを含むようにしている。
【0040】
このように、読取位置の高さが読取範囲の外部であった場合に、商品読取手段の位置を変えて読取範囲を変更することで、商品読取システムにおける商品情報の読取精度を向上できる。
【0041】
また、商品読取アンテナ212が複数備えられている場合、読取範囲の変更のその他の例として、読取電波を発信する商品読取アンテナ212を切り替えることが考えられる。図6Dは、筐体211が複数の商品読取アンテナ212を備え、読取電波を発信する商品読取アンテナ212を切り替えることで読取範囲を変更したときの模式図である。図6Dでは、図6Aで読取電波を発信している商品読取アンテナ212よりも上に備えられた商品読取アンテナ212が読取電波を発信することで、読取範囲213が読取位置の高さを含むようにしている。
【0042】
このように、読取位置の高さが読取範囲の外部であった場合に、読取電波を発信する商品読取手段を切り替えて読取範囲を変更することで、商品読取システムにおける商品情報の読取精度を向上できる。
【0043】
また、電波反射手段が備えられている場合、読取範囲の変更のその他の例として、電波反射手段の角度を変更することが考えられる。図6Eは、筐体211が電波反射手段を備え、電波反射手段で読取電波を反射させることで読取範囲を変更したときの模式図である。図6Eでは、電波反射手段215の角度を変更することで、読取範囲213が読取位置の高さを含むようにしている。
【0044】
このように、読取位置の高さが読取範囲の外部であった場合に、電波反射手段によって読取範囲を変更することで、商品読取システムにおける商品情報の読取精度を向上できる。
【0045】
さらに、読取位置の高さが読取範囲の外部であり、且つ、ゲート210を通過しようとする顧客の周辺に該顧客以外の人物が存在しない場合、商品読取アンテナ212は発信する読取電波の出力強度を強めてもよい。この場合、出力強度を強めることで読取範囲が拡大し、読取範囲が読取位置を含むようにすることができる。
【0046】
このように、読取位置の高さが読取範囲の外部であった場合に、読取電波の出力強度を強めることで、読取範囲を拡大することができ、商品読取システムにおける商品情報の読取精度を向上できる。また、読取電波の出力強度を強めるのは、ゲートを通過しようとする顧客の周辺に該顧客以外の人物が存在しない場合とすることで、誤検知のリスクを高めてしまうこともない。
【0047】
読取位置に基づいた読み取り方の一例として、読取位置の高さが読取範囲の外部であった場合について述べたが、高さ方向以外に、水平方向の読取位置が読取範囲の外部であった場合も同様である。すなわち、顧客がゲート210を通過する際に、読取位置が読取範囲の外部を通過すると予想される、若しくは、読取位置が読取範囲の外部を通過している場合に、読取範囲を変更する。
【0048】
第2の実施形態に係る商品読取システム200の動作について、図面を用いて説明する。図7は第2の実施形態に係る商品読取システム200の動作の例を示すフローチャートである。
【0049】
まず、画像取得手段130は、ゲート210と、ゲート210を通過しようとする顧客又はゲート210を通過している顧客とを含む画像を取得する(ステップS20)。そして、読取位置特定手段120は、画像取得手段130が取得した画像から、読取位置を特定する(ステップS21)。
【0050】
特定した読取位置が読取範囲の外部を通過すると予想される、若しくは、読取位置が読取範囲の外部を通過している場合(ステップS22でYES)、商品読取手段110は読取範囲を変更し(ステップS23)、読み取りを実行する(ステップS24)。一方、特定した読取位置が読取範囲の内部を通過すると予想される、若しくは、読取位置が読取範囲の内部を通過している場合(ステップS22でNO)、ステップS24に進む。
【0051】
第2の実施形態に係る商品読取システムでは、ゲート210と、ゲートを通過しようとする顧客又はゲートを通過している顧客とを含む画像から特定された読取位置に基づいた読み取り方で無線タグの読み取りを実行する。これにより、商品読取システムにおける商品情報の読取精度を向上できる。
【0052】
読取位置に基づいた読み取り方の一例として、商品読取手段の向きを変えて読取範囲を変更する。これにより、商品読取システムにおける商品情報の読取精度を向上できる。
【0053】
読取位置に基づいた読み取り方の一例として、商品読取手段の位置を変えて読取範囲を変更する。これにより、商品読取システムにおける商品情報の読取精度を向上できる。
【0054】
読取位置に基づいた読み取り方の一例として、読取電波を発信する商品読取手段を切り替えて読取範囲を変更する。これにより、商品読取システムにおける商品情報の読取精度を向上できる。
【0055】
読取位置に基づいた読み取り方の一例として、電波反射手段によって読取範囲を変更する。これにより、商品読取システムにおける商品情報の読取精度を向上できる。
【0056】
読取位置に基づいた読み取り方の一例として、読取電波の出力強度を強めることで、読取範囲を拡大することができる。これにより、商品読取システムにおける商品情報の読取精度を向上できる。また、読取電波の出力強度を強めるのは、ゲートを通過しようとする顧客の周辺に該顧客以外の人物が存在しない場合とすることで、誤検知のリスクを高めてしまうこともない。
【0057】
[第3の実施形態]
第3の実施形態における商品読取システム300は、第2の実施形態における商品読取システム200と比較すると、報知手段310を備える点で異なる。以下、第2の実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0058】
図8は、本発明の第3の実施形態に係る商品読取システム300の構成例を示している。商品読取システム300はゲート210、商品読取手段110、読取位置特定手段120、画像取得手段130、報知手段310を備える。図8において、商品読取システム300が備える各ブロックは機能単位の構成を示している。したがって、図8に示す商品読取システム300が備える各ブロックは単一の装置内に実装されてよく、あるいは複数の装置内に別れて実装されてもよい。また、読取位置特定手段120、画像取得手段130及び報知手段310の少なくとも一つの構成をゲート210が備える構成としてもよい。
【0059】
第3の実施形態における商品読取システム300において、商品読取手段110は、所定の条件を満たさない場合に、読み取りを実行しない。
【0060】
所定の条件の一例として、顧客がゲート210を通過する際に、読取位置特定手段120によって特定された読取位置が読取範囲の内部を通過すると予想されること、若しくは、読取位置特定手段120によって特定された読取位置が読取範囲の内部を通過していることが挙げられる。
【0061】
また、所定の条件のその他の例として、第2の実施形態で述べた方法で読取範囲を変更することにより無線タグの読み取りができると判断されることが挙げられる。
【0062】
商品読取手段110が読み取りの実行を中止した場合、報知手段310は顧客に対して報知を行う。報知は音声による報知であってもよいし、動画や静止画の表示による報知であってもよい。また、発光部を点灯もしくは点滅させることによって報知してもよい。さらに、これらの報知方法を組み合わせてもよい。
【0063】
報知する内容としては、顧客を有人レジや近くの店員へ案内する内容、商品を持つ位置を変更するよう促す内容、ゲート210を通り直すように促す内容などであるが、これに限らない。また、報知手段は店員に報知を行ってもよく、顧客と店員の両方に報知してもよい。
【0064】
また、読取位置に基づいて顧客への報知内容が変更されてもよい。読取位置に基づいた報知内容として、例えば、読取位置が高い場合は、商品の位置を低くするように促す報知を行うことが考えられる。一方、読取位置が低い場合は、商品の位置を高くするように促す報知を行うことが考えられる。また、読取位置が特定できない場合は、店員が対応に来るまで待つように報知を行うことが考えられる。さらに、読取位置が特定できない場合に、顧客への報知と、店員への報知との両方を行う構成としてもよい。
【0065】
第3の実施形態に係る商品読取システム300の動作について、図面を用いて説明する。図9は第3の実施形態に係る商品読取システム300の動作の例を示すフローチャートである。
【0066】
まず、画像取得手段130は、ゲート210と、ゲート210を通過しようとする顧客又はゲート210を通過している顧客とを含む画像を取得する(ステップS30)。そして、読取位置特定手段120は、画像取得手段130が取得した画像から、読取位置を特定する(ステップS31)。
【0067】
特定された読取位置に基づいて、読み取りを中止する場合(ステップS32でYES)、商品読取手段110は読み取りの実行を中止し(ステップS33)、報知手段310は顧客に対して報知を行う(ステップS34)。一方、読み取りを中止しない場合(ステップS32でNO)、商品読取手段110は読み取りを実行する(ステップS35)。
【0068】
第3の実施形態に係る商品読取システムでは、ゲートと、ゲートを通過しようとする顧客又はゲートを通過している顧客とを含む画像から特定された読取位置に基づいて、無線タグの読み取りの実行を中止し、顧客への報知を行う。これにより、顧客に適切な対応を促すことができるため、商品読取システムにおける商品情報の読取精度を向上できる。
【0069】
[変形例1]
第1の実施形態から第3の実施形態で開示した商品読取システムの変形例として、商品読取システムは、更に、決済手段を備えてもよい。決済手段は、商品読取手段110によって読み取られた無線タグの情報を基に、商品を購入するための決済を行う。決済は現金によって行われてもよく、クレジットカードやコード決済などの電子決済であってもよい。
【0070】
また、商品読取システムは顧客識別手段を備えてもよい。顧客識別手段はゲート210を通過する顧客を識別する。顧客識別手段による識別の例として、顔認証や指紋認証などの生体認証を行ってもよく、顧客を識別可能な識別情報を取得することで認証を行ってもよい。顔認証によって顧客の認証を行う場合、画像取得手段130が取得した画像を利用してもよい。
【0071】
顧客を識別可能な識別情報の取得の例として、会員カードの読み取り、顧客の所持する携帯端末に表示されたコードの読み取り、会員番号の入力などが考えられるが、これらに限られない。
【0072】
顧客識別手段を備える場合、顧客識別手段によって識別された顧客と、商品読取手段110によって無線タグから読み取られた商品情報とを紐付けて記憶してもよい。また、顧客識別手段が取得した識別情報と、商品読取手段110によって無線タグから読み取られた商品情報とを紐付けて記憶してもよい。
【0073】
商品読取システムが決済手段と顧客識別手段との両方を備える場合、顧客識別手段によって識別された顧客に紐づいている決済方法を用いて、決済手段が決済を実行してもよい。この場合、顧客はゲート210を通過するだけで決済まで完了できるため、便利である。また、第1の実施形態から第3の実施形態で開示した商品読取システムによって、商品情報の読取精度を向上できるため、決済手段による決済後に、店員によって購入商品の確認を行う手間を減らすことも可能である。
【0074】
また、ゲート210で顧客と商品情報の紐付けを行い、ゲート210とは別に設けられた決済手段で決済を行ってもよい。この場合、決済手段も顧客識別手段を備えてもよい。例えば、顧客がゲート210を通過することで顧客と商品情報との紐付けが行われる。そして、決済手段が備える顧客識別手段によって顧客を識別し、識別された顧客に紐付けられた商品情報を用いて決済を行う。このような場合であっても、本開示の商品読取システムを適用することで、商品情報の読取精度を向上できるため、読み取り漏れによる決済漏れのリスクを低減できる。
【0075】
[変形例2]
第1の実施形態から第3の実施形態で開示した商品読取システムの変形例として、商品読取システムは、更に、商品情報取得手段を備えてもよい。商品情報取得手段は顧客が所持している商品に関する情報を取得する。商品情報取得手段による情報取得の例として、生体認証や顧客識別情報の読み取りによって顧客を識別し、識別された顧客に紐付けられている商品情報を取得してもよい。また、商品情報取得手段は、商品情報を示すコードを読み取ることで商品情報を取得してもよい。
【0076】
商品情報取得手段が取得する情報は、例えば、顧客によって決済が完了している商品の情報である。この場合、商品読取手段110によって無線タグから読み取られた商品情報と、商品情報取得手段が取得した商品情報とが一致しているかを判定することができる。
【0077】
例えば、顧客はゲート210の通過前に決済を完了させ、店舗から退店する際にゲート210を通過するようにする。このようにすることで、顧客が退店する際に決済を完了している商品と店外へ持ち出そうとしている商品とが一致しているかを判定することができ、商品の不正な持ち出しを検知することができる。また、第1の実施形態から第3の実施形態で開示した商品読取システムによって、商品情報の読取精度を向上できるため、不正な持ち出しの検知精度も向上できる。
【0078】
本開示の各実施形態において、各商品読取システムの各構成要素は機能単位のブロックを示している。各商品読取システムにおける各構成要素の一部又は全部は、ハードウエアとプログラムの組み合わせによって実現される。図10は各実施形態における各構成要素を構成可能な情報処理装置1000のハードウエアの構成を例示するブロック図である。
【0079】
情報処理装置1000は、プロセッサ1001、メモリ1002、ネットワークインターフェース1003、入出力インターフェース1004、ストレージデバイス1005を備え、情報処理装置1000の各構成要素はバス1006によって通信可能に接続されている。
【0080】
プロセッサ1001は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などで実現される。
【0081】
メモリ1002は、RAM(Random Access Memory)などで実現される主記憶装置である。
【0082】
ネットワークインターフェース1003は、ネットワークに接続するためのインターフェースである。ここでネットワークとは、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)である。
【0083】
入出力インターフェース1004は、各種入出力機器と接続するためのインターフェースである。
【0084】
ストレージデバイス1005は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリーカード、又はROM(Read Only Memory)などで実現される補助記憶装置である。ストレージデバイス1005は各構成要素の機能を実現するためのプログラムを記憶していてもよい。
【0085】
プロセッサ1001は、ストレージデバイス1005に記憶されているプログラムをメモリ1002に読み込んで実行することで、各構成要素の機能を実現する。また、プログラムはネットワークインターフェース1003を介してネットワークから供給されてもよい。その他、プログラムは図示しない記憶媒体に予め格納されており、当該プログラムを読み出すことで供給されてもよい。
【0086】
また、このプログラムは、必要に応じ中間状態を含めその処理結果を段階毎に表示装置を介して表示することができ、あるいはネットワークインターフェース1003を介して、外部と通信することができる。また、このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な(非トランジトリーな)記録媒体に記録することができる。
【0087】
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能であり、異なる実施形態及び変形例にそれぞれ開示された構成、動作、処理を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【0088】
本開示は、上述した実施形態には限定されない。即ち、本発明は、本開示のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
【0089】
[付記1]
ゲートに備え付けられ、商品に付された無線タグから商品情報を読み取る商品読取手段と、
前記ゲートと顧客とを含む画像から、読取位置を特定する読取位置特定手段と、
を有し、
前記商品読取手段は、前記特定した読取位置に基づいた読み取り方で読み取りを実行する、
商品読取システム。
[付記2]
前記読取位置特定手段は、前記顧客の所持する物品から前記読取位置を特定する、
付記1に記載の商品読取システム。
[付記3]
前記読取位置特定手段は、前記顧客の骨格から前記読取位置を特定する、
付記1に記載の商品読取システム。
[付記4]
前記読取位置特定手段は、前記顧客の身長から前記読取位置を特定する、
付記1に記載の商品読取システム。
[付記5]
前記商品読取手段は、前記読取位置に基づいて、読取範囲を変更して読み取りを実行する、
付記1から4のいずれか1つに記載の商品読取システム。
[付記6]
前記顧客の周辺に前記顧客以外の人物が存在しない場合に、
前記商品読取手段は、前記読取位置に基づいて、前記無線タグを読み取る読取電波の出力強度を強めて読み取りを実行する、
付記1から5のいずれか1つに記載の商品読取システム。
[付記7]
報知手段を更に備え、
前記商品読取手段は、
所定の条件を満たす場合に前記無線タグの読み取りを実行し、
所定の条件を満たさない場合は、前記無線タグの読み取りを実行せず、
前記報知手段は、前記商品読取手段が前記無線タグの読み取りを実行しない場合、前記顧客への報知を行う、
付記1から6のいずれか1つに記載の商品読取システム。
[付記8]
決済手段を更に備え、
前記決済手段は、前記商品読取手段によって読み取られた前記商品情報に基づいて決済を行う、
付記1から7のいずれか1つに記載の商品読取システム。
[付記9]
顧客識別手段を更に備え、
前記顧客識別手段は、前記ゲートを通過する顧客を識別する、
付記1から8のいずれか1つに記載の商品読取システム。
[付記10]
商品情報取得手段を更に備え、
前記商品情報取得手段は、前記顧客が所持する前記商品に関する情報を取得する、
付記1から9のいずれか1つに記載の商品読取システム。
[付記11]
ゲートに備え付けられ、商品に付された無線タグから商品情報を読み取る商品読取手段と、
前記ゲートと顧客とを含む画像から、読取位置を特定する読取位置特定手段と、
を有し、
前記商品読取手段は、前記特定した読取位置に基づいた読み取り方で読み取りを実行する、
商品読取装置。
[付記12]
ゲートと顧客とを含む画像から、読取位置を特定し、
前記特定した読取位置に基づいた読み取り方で、商品に付された無線タグから商品情報の読み取りを実行する、
商品読取方法。
[付記13]
ゲートと顧客とを含む画像から、読取位置を特定し、
前記特定した読取位置に基づいた読み取り方で、商品に付された無線タグから商品情報の読み取りを実行する、
ことをコンピュータに実行させるプログラムを記憶する、コンピュータ読取可能な記憶媒体。
【符号の説明】
【0090】
100 商品読取システム
110 商品読取手段
120 読取位置特定手段
200 商品読取システム
210 ゲート
211 筐体
212 商品読取アンテナ
213 読取範囲
214 レール
215 電波反射手段
220 情報送信手段
300 商品読取システム
310 報知手段
1000 情報処理装置
1001 プロセッサ
1002 メモリ
1003 ネットワークインターフェース
1004 入出力インターフェース
1005 ストレージデバイス
1006 バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7
図8
図9
図10