(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-07
(45)【発行日】2025-07-15
(54)【発明の名称】交換可能なレンズを備えたディスプレイシステム
(51)【国際特許分類】
H04N 5/64 20060101AFI20250708BHJP
【FI】
H04N5/64 511A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023033672
(22)【出願日】2023-03-06
(62)【分割の表示】P 2021516430の分割
【原出願日】2019-09-13
【審査請求日】2023-04-03
(32)【優先日】2018-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100121979
【氏名又は名称】岩崎 吉信
(72)【発明者】
【氏名】フランクリン ジェレミー シー
(72)【発明者】
【氏名】リン ウェイ-ジウン
(72)【発明者】
【氏名】ニール ブランドン アール
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムソン ハイディ
(72)【発明者】
【氏名】ウェバー アンドレアス ジー
(72)【発明者】
【氏名】ワン フォレスト シー
(72)【発明者】
【氏名】ホブソン フィル エム
【審査官】越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0157043(US,A1)
【文献】特開2003-228623(JP,A)
【文献】特開2014-102860(JP,A)
【文献】特開2007-328156(JP,A)
【文献】国際公開第2018/120751(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/107817(WO,A1)
【文献】特開2011-233080(JP,A)
【文献】特開2009-109442(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイと、
前記ディスプレイに取り外し可能に結合可能である取り外し可能なレンズであって、前記取り外し可能なレンズが、光学的マーキングを含むレンズタグを含む、取り外し可能なレンズと、
前記ディスプレイに結合された前記取り外し可能なレンズを検出し、前記レンズタグの前記光学的マーキングを観察するためのレンズ検出センサと、
コントローラであって、
前記レンズタグの前記光学的マーキングからレンズ情報を確認し、前記レンズ情報は処方情報、および前記取り外し可能なレンズの屈折特性を含むものであり、
前記レンズ検出センサによって取得され
たユーザの目の画像に基づいて
前記ユーザの識別情報を確認し、前記ユーザの識別情報は目特性情報を含むものであり、前記目特性情報は、前記ユーザの前記目の屈折異常を含むものであり、
前記取り外し可能なレンズがユーザに適合するか否かを、前記取り外し可能なレンズの前記屈折特性と、前記ユーザの前記目の前記屈折異常との比較により判定するコントローラと、
を備える、ディスプレイシステム。
【請求項2】
前記レンズ情報はレンズ識別子を含む、請求項1に記載のディスプレイシステム。
【請求項3】
前記ディスプレイシステムが、前記レンズ検出センサを用いて前記取り外し可能なレンズから前記レンズ情報を判定する、請求項1又は2に記載のディスプレイシステム。
【請求項4】
前記レンズ情報が、前記取り外し可能なレンズによって電子的に記憶され、前記レンズ検出センサが、前記レンズ情報を電子的に受信する、請求項3に記載のディスプレイシステム。
【請求項5】
前記レンズ検出センサが、前記レンズ情報を確認するために前記光学的マーキングを読み取る、請求項3に記載のディスプレイシステム。
【請求項6】
前記レンズ検出センサが、ユーザの目を観察する目カメラである、請求項5に記載のディスプレイシステム。
【請求項7】
前記ディスプレイシステムが、虹彩検出を使用して、前記目カメラで前記ユーザを識別する、請求項6に記載のディスプレイシステム。
【請求項8】
前記ディスプレイシステムが、前記取り外し可能なレンズから識別子を判定し、かつ、前記取り外し可能なレンズと関連付けられて記憶されたレンズ特性を判定し、前記レンズ特性が屈折特性を含む、請求項6に記載のディスプレイシステム。
【請求項9】
前記ディスプレイを含むヘッドマウントディスプレイユニットを更に備える、請求項1から8のいずれか一項に記載のディスプレイシステム。
【請求項10】
前記ディスプレイシステムが、ユーザに関係なく提供される構成インジケータを提供し、
前記構成インジケータは、前記取り外し可能なレンズアセンブリを通してユーザが見ることができる、請求項9に記載のディスプレイシステム。
【請求項11】
前記ディスプレイシステムが、前記取り外し可能なレンズがユーザと適合性がないことを示す適合性インジケータを提供する、請求項9に記載のディスプレイシステム。
【請求項12】
前記取り外し可能なレンズは、矯正レンズ素子と、前記矯正レンズ素子に結合されたフレームと、前記フレームに結合された機械的結合機構とを有し、
前記ヘッドマウントディスプレイユニットは、前記ディスプレイを含むディスプレイモジュールと、対応する機械的結合機構とを有し、
前記機械的結合機構が、前記取り外し可能なレンズアセンブリを前記ヘッドマウントディスプレイユニットに取り外し可能に結合するために、前記対応する機械的結合機構によって受容可能である、請求項9~11のいずれか1項に記載のディスプレイシステム。
【請求項13】
前記ディスプレイモジュールが、前記対応する機械的結合機構を含むレンズマウントを含み、前記取り外し可能なレンズアセンブリが、前記ディスプレイモジュールに取り外し可能に結合可能であり、
前記機械的結合機構が、前記対応する機械的結合機構と係合して、前記ヘッドマウントディスプレイユニットに対する前記取り外し可能なレンズアセンブリが、前記矯正レンズ素子の光軸に対して横方向に、それに沿って、及びその周りを移動することを防止し、
前記取り外し可能なレンズアセンブリが、前記機械的結合機構から離間した磁気的結合機構を更に含み、それによって、前記取り外し可能なレンズアセンブリが、前記ヘッドマウントディスプレイユニットに磁気的に結合可能である、
請求項12に記載のディスプレイシステム。
【請求項14】
第2のディスプレイモジュール及び第2の取り外し可能なレンズアセンブリを更に備え、前記ディスプレイモジュール及び前記取り外し可能なレンズアセンブリが、ユーザの第1の目と関連付けるためのものであり、前記第2のディスプレイモジュール及び前記第2の取り外し可能なレンズアセンブリが、前記ユーザの第2の目と関連付けるためのものである、請求項12又は13に記載のディスプレイシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ディスプレイシステム、具体的には、ヘッドマウントディスプレイシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ヘッドマウントディスプレイ(head-mounted display、HMD)は、ユーザの頭部に装着されるディスプレイデバイスであり、ユーザにグラフィックを表示するための1つ以上のディスプレイモジュールを含む。異なるユーザでは自身の目の屈折異常が異なり得るため、異なるユーザには異なる矯正レンズが必要となる。
【発明の概要】
【0003】
本明細書では、ディスプレイシステムの実装形態が開示される。一実装形態では、ディスプレイシステムは、ディスプレイと、取り外し可能なレンズアセンブリと、レンズ検出センサと、を含む。取り外し可能なレンズは、ディスプレイに取り外し可能に結合可能である。レンズ検出センサは、ディスプレイに結合された取り外し可能なレンズアセンブリを検出する。ディスプレイシステムは、ディスプレイ及びレンズ検出センサを含むヘッドマウントディスプレイユニットを更に含み得る。ディスプレイシステムは、レンズ検出センサを用いて取り外し可能なレンズからレンズ情報を判定することができ、レンズ情報に従って取り外し可能なレンズのインジケータを提供することができる。
【0004】
別の実装形態では、ヘッドマウントディスプレイユニットを動作させるための方法が提供され、この方法は、ヘッドマウントディスプレイユニットのディスプレイモジュールに結合された取り外し可能なレンズを識別することと、取り外し可能なレンズの識別に従って指標を提供することと、を含む。指標は、取り外し可能なレンズと、ディスプレイモジュールに結合可能な別の取り外し可能なレンズとの間で異なる構成指標であってもよい。方法は、ユーザを識別することを更に含んでもよく、一方、指標は、取り外し可能なレンズとユーザとの間の適合性の指標であってもよい。
【0005】
別の実装形態では、ディスプレイシステムは、ヘッドマウントディスプレイユニットと、取り外し可能なレンズアセンブリとを含む。ヘッドマウントディスプレイユニットは、ディスプレイモジュールを含む。取り外し可能なレンズアセンブリは、レンズ素子及びレンズ素子に結合されたフレームを含む。取り外し可能なレンズアセンブリは、フレームに結合され、かつ、レンズ素子を取り囲む磁気取り付け機構を用いて、単一の向きにディスプレイモジュールに取り外し可能であってもよい。取り外し可能なレンズアセンブリは、例えば、取り外し可能なレンズがディスプレイモジュールのレンズマウントをその中で軸方向に受容する柔軟な環状突出部を含む、締まり嵌めを用いて、ディスプレイモジュールに取り外し可能に結合可能であってもよい。取り外し可能なレンズアセンブリは、バネ式ラッチ機構を用いて、ディスプレイモジュールに取り外し可能に結合可能であってもよい。
【0006】
一実装形態では、ディスプレイシステムは、ヘッドマウントディスプレイユニットと、取り外し可能なレンズアセンブリとを含む。ヘッドマウントディスプレイユニットは、ディスプレイモジュールと、対応する機械的結合機構とを含む。取り外し可能なレンズアセンブリは、矯正レンズ素子と、矯正レンズ素子に結合されたフレームと、フレームに結合された機械的結合機構と、を含む。機械的結合機構は、取り外し可能なレンズアセンブリをヘッドマウントディスプレイユニットに取り外し可能に結合するために、対応する機械的結合機構によって受容可能である。
【0007】
機械的結合機構は、対応する機械的結合機構と係合して、ヘッドマウントディスプレイユニットに対する取り外し可能なレンズアセンブリが、矯正レンズ素子の光軸に対して横方向に、それに沿って、及び/又はその周りを移動することを防止する。取り外し可能なレンズアセンブリは、機械的結合機構から離間した磁気的結合機構を更に含んでもよく、それによって、取り外し可能なレンズアセンブリがヘッドマウントディスプレイユニットに磁気的に結合可能である。ディスプレイモジュールは、対応する機械的結合機構を含むレンズマウントを含んでもよく、取り外し可能なレンズアセンブリは、ディスプレイモジュールに取り外し可能に結合可能であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】破線で示されている隠れた構成要素を備えたディスプレイシステムの側面図である。
【
図2】
図1の線2-2に沿って切り取られた
図1のディスプレイシステムの断面図である。
【
図3A】
図2の線3-3に沿って切り取られ、かつ、組み立てられた状態で示された、
図1のディスプレイシステムのディスプレイユニット及び交換可能なレンズアセンブリの断面図である。
【
図3B】分解された状態で示された、
図3Aのディスプレイユニット及び交換可能なレンズアセンブリの断面図である。
【
図4】発光点、入口点、及び出口点が、破線(すなわち、一点鎖線)で示されている、
図1のディスプレイシステムの取り外し可能なレンズの背面図である。
【
図5】取り外し可能なレンズの別の実施形態の背面図である。
【
図6】取り外し可能なレンズの別の実施形態の背面図である。
【
図7】取り外し可能なレンズの別の実施形態の断面図である。
【
図8】取り外し可能なレンズの別の実施形態の断面図である。
【
図9】取り外し可能なレンズの別の実施形態の断面図である。
【
図10A】分解された状態で示された、
図1のディスプレイシステムの別のディスプレイユニット及び別の交換可能なレンズアセンブリの断面図である。
【
図10B】組み立てられた状態で示された、
図10Aのディスプレイユニット及び交換可能なレンズアセンブリの断面図である。
【
図11A】分解された状態で示された、
図1のディスプレイシステムの別のディスプレイユニット及び別の交換可能なレンズアセンブリの断面図である。
【
図11B】組み立てられた状態で示された、
図10Aのディスプレイユニット及び交換可能なレンズアセンブリの断面図である。
【
図12A】ディスプレイシステムで使用するためのディスプレイモジュールの側面図である。
【
図12B】ディスプレイシステムで使用するためのディスプレイモジュールの正面図である。
【
図12C】ディスプレイシステムで使用するためのディスプレイモジュールの正面図である。
【
図12D】ディスプレイシステムで使用するためのディスプレイモジュールの正面図である。
【
図13A】ディスプレイシステムで使用するためのディスプレイモジュールの正面図である。
【
図13B】
図13Aのディスプレイモジュールと共に使用するための取り外し可能なレンズアセンブリの正面図である。
【
図13C】線13A-13Aに沿って切り取られた、
図13Aのディスプレイモジュールの断面図である。
【
図13D】線13B-13Bに沿って切り取られた、
図13Bの取り外し可能なレンズアセンブリの断面図である。
【
図13E】部分的に結合された状態の、
図13Aのディスプレイモジュール及び
図13Bの取り外し可能なレンズアセンブリの断面図である。
【
図13F】結合された状態の、
図13Aのディスプレイモジュール及び
図13Bの取り外し可能なレンズアセンブリの断面図である。
【
図14B】ディスプレイシステムを動作させるための方法のフローチャートである。
【
図15】取り外し可能なレンズとユーザとの適合性を判定するためのプロセスのフローチャートである。
【
図16】取り外し可能なレンズとユーザとの適合性を判定するための方法のフローチャートである。
【
図17】ディスプレイシステムのコントローラの例示的なハードウェア構成の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ヘッドマウントディスプレイユニットと1つ以上の交換可能なレンズとを含むディスプレイシステムの実施形態が、本明細書に開示されている。交換可能なレンズは、異なるユーザの異なる目特性に従って(例えば、眼鏡処方に従って)構成され得る。例えば、一対の交換可能なレンズは、1人のユーザに関連付けられ(例えば、処方され)てもよく、一方、別の一対の交換可能なレンズは、別のユーザに関連付けられてもよい。交換可能なレンズは、異なるレンズがヘッドマウントディスプレイユニットに取り付けられて、異なる目特性を有する異なるユーザに適合し得るような交換可能な方法で、ヘッドマウントディスプレイユニットに取り付け可能である。交換可能なレンズは、様々な異なる方法でヘッドマウントディスプレイユニットに取り付けられ得る。ディスプレイシステムはまた、ヘッドマウントディスプレイユニットに取り付けられた交換可能なレンズを識別し、及び/又はユーザを識別して、それに応じて様々な動作を実行することができる。
【0010】
図1及び
図2を参照すると、ディスプレイシステム100は、一般に、ヘッドマウントディスプレイユニット110と、1つ以上の取り外し可能なレンズアセンブリ120とを含む。ヘッドマウントディスプレイユニット110は、一般に、ハウジング112と、ヘッドサポート114と、1つ以上のディスプレイモジュール116(例えば2つ、すなわち、それぞれの目に1つずつ)と、様々な他の電子機器(例えば、コントローラ若しくはコンピューティングデバイス、通信インタフェース、オーディオ入出力デバイス、センサ、バッテリ、又は他の電力電子機器、
図12も参照)と、を含む。ディスプレイシステム100は、コンピュータ生成現実(例えば、仮想現実又は混合現実)を提供するように構成されており、この場合、ディスプレイシステム100は、コンピュータ生成現実システム若しくはコンピュータ生成現実ディスプレイシステム、仮想現実システム若しくは仮想現実ディスプレイシステム、又は混合現実ディスプレイシステム若しくは混合現実システムと見なすことができる。コンピュータ生成現実、仮想現実、及び混合現実という用語は、以下で更に詳細に論じられる。
【0011】
ハウジング112は、1つ以上のディスプレイモジュール116及び他の電子機器を含むか、又はそうでなければそれらに結合される。ハウジング112はまた、ユーザの顔をその上に支持するように係合するために結合された様々な柔軟な構成要素(図示せず)を含んでもよい。ヘッドサポート114は、ユーザの頭部上のヘッドマウントディスプレイユニット110を、1つ以上のディスプレイモジュール116がユーザの目に対して好適な位置にある状態で支持するように、ハウジング112に結合されている。図示のように、ヘッドサポート114は、ユーザの頭部の周囲に延在するように構成されたストラップ又はバンドとして構成され得る。ディスプレイモジュール116は、(図示のように)固定位置でハウジング112に結合されている。
【0012】
図3A~
図3Bを参照すると、ディスプレイモジュール116は、一般に、ディスプレイ316aと、一次レンズ316bと、レンズマウント316cと、を含む。ディスプレイ316aは、ユーザにグラフィックを表示するように構成されている。ディスプレイ316aは、例えば、液晶ディスプレイ(liquid crystal display、LCD)、有機発光ダイオード(organic light-emitting diode、OLED)ディスプレイ、又は他の好適なディスプレイなどのディスプレイ画面であってもよい。ディスプレイ316aは、回路基板又は他の支持体に結合されてもよい。
【0013】
一次レンズ316bは、ディスプレイ316aに結合されている。一次レンズ116bは、ディスプレイ116aとユーザの目との間に配置され、ユーザの目に到達する前にディスプレイ316aから放射された光を屈折させる。一次レンズ316bは、ディスプレイ316a及び/又は取り外し可能なレンズアセンブリ120の構成に応じて省略され得る。
【0014】
レンズマウント316cは、ディスプレイ316aとユーザの目との間で(すなわち、一次レンズ316bがディスプレイ316aと取り外し可能なレンズアセンブリ120との間にある状態で)取り外し可能なレンズアセンブリ120に結合されて、これを支持するように構成されている。図示のように、レンズマウント316cは、更に、回路基板、又はディスプレイ316aの他の支持体に結合されることなどによって、ディスプレイ316aに対して一次レンズ316bに結合されて、これを支持することができる。レンズマウント316cは、一次レンズ316bを取り囲んでもよい(例えば、一次レンズ316bのベゼル又はバレル構造を形成する)。
【0015】
取り外し可能なレンズアセンブリ120は、一般に、レンズ素子330及びレンズフレーム340を含む。レンズフレーム340は、レンズ素子330に結合され、かつ、レンズ素子330をディスプレイモジュール116上の(例えば、ディスプレイ316a及び/又は一次レンズ316bに対して)所定の位置に支持するために、レンズマウント316cに取り外し可能に結合するように構成されている。レンズフレーム340は、例えば、レンズ素子330の外周面に結合される。レンズマウント316cの変形形態、及びレンズフレーム340との相互作用については、以下で更に詳細に論じる。取り外し可能なレンズアセンブリ120はまた、交換可能なレンズアセンブリ、交換可能なレンズ、取り外し可能なレンズ、又はレンズと呼ばれ得る。
【0016】
レンズ素子330は、例えば、近視、遠視、及び/又は乱視などの、ユーザの目の屈折異常に対処するための矯正レンズであってもよい。取り外し可能なレンズアセンブリ120及びレンズ素子330は、特定のユーザの目の特定の屈折異常(例えば、目特性)に対処するための特定のレンズ特性を有することによって、特定のユーザに関連付けられ得る。そのようなレンズ特性及び目特性は、それぞれ、球面、円柱、軸、及び/又は1人以上のユーザの目の眼鏡処方若しくは屈折異常を定義するために従来使用されている他のパラメータを含んでもよい。
【0017】
レンズ素子330のレンズ特性、及びそれによって、取り外し可能なレンズアセンブリ120はまた、ユーザの瞳孔と整列される中心(例えば、光軸)を含み得る。したがって、取り外し可能なレンズアセンブリ120は、レンズマウント316cに所定の位置(すなわち、上/下、左/右、及び回転位置)で取り付けられて、ユーザの目に対するレンズ素子330の適切な空間的位置決めを確実にすることができる。
【0018】
代わりに、レンズ素子330は、そうでなければディスプレイ316aを見ているユーザと干渉し得る(例えば、視界を擦るか又は遮る)、ユーザ及び/又はデブリによる接触から一次レンズ316bを保護する非矯正レンズであってもよい。例えば、一対の取り外し可能なレンズアセンブリ120は、特定のユーザによる使用のために矯正されているレンズ素子330を含んでもよく、一方、別の一対の取り外し可能なレンズアセンブリ120は、他のユーザ(例えば、矯正レンズを必要としないユーザ)による使用のために非矯正のレンズ素子330を含んでもよい。
【0019】
図4~
図6を参照すると、取り外し可能なレンズアセンブリ120の外周は、異なる形状を有してもよい。
図4に示すように、取り外し可能なレンズアセンブリ120は、レンズフレーム340によって形成され、かつ、楕円形(すなわち、図示されたような、湾曲した左端及び右端を有する)である、外周を有する。代わりに、外周は円形であってもよく(
図5のレンズアセンブリ520のレンズフレーム540を参照)、又は矩形であってもよい(
図6のレンズアセンブリ620のレンズフレーム640を参照)。以下で更に詳細に論じるように、回転対称(例えば、卵形、円形、矩形、又は他の好適な形状である)外周を有するそれらのレンズアセンブリは、ディスプレイモジュール116と共に使用するために、レンズ素子330の光軸の周りの異なる回転位置でレンズマウント316cに結合するように更に構成されてもよい。あるいは、取り外し可能なレンズアセンブリ120は、回転非対称である外周を有してもよく、その結果、レンズマウント316cは、ディスプレイモジュール116と共に使用するために1つの位置のみに結合可能である。
【0020】
再び
図3A及び
図4を参照すると、光は、ディスプレイ316aによって放射され、一次レンズ316bを通過し、次いでユーザの目に到達する前にレンズ素子330を通過する。例えば、ディスプレイ316aの外端360aから放射された光は、概して、外光路360(例えば、光線トレース)をたどることができ、それによって、ディスプレイ316aから放射された光は、一次レンズ316bによって屈折され、その後レンズ素子330によって屈折される。外光路360は、一次レンズ316bを通過し、概して、通路位置360bを通過する。外光路360は、入口点360cでレンズ素子330の入口側330aに入り、入口点360cで光路の出口側330bに出る。レンズ素子330を通って入口側330aから出口側330bへと移動すると、外光路360は狭くなり、それによってユーザの目に向かって焦点を合わせる。
【0021】
入口点360c及び出口点360dの外側の(すなわち、レンズ素子330の端部に向かって半径方向外向きの)レンズ素子330の領域は、ユーザの目に向かって光を屈折させるように機能せず、非機能性(例えば、非屈折性)と見なされ得る。レンズ素子330のそのような非機能性領域は、レンズフレーム340によって除去及び/又は遮断され、それによって、レンズフレーム340の異なる構造構成を可能にする。
図4に示すように、レンズ素子330の機能性領域は、示されるように、一次レンズ316bの機能性領域よりも小さくてもよい(例えば、入口点360cでの入口側330a及び/又は出口点360dでの出口側330b上の機能性通路位置360bよりも、面積、幅、及び/又は高さがより小さい)。図示のように、レンズ素子330の機能性領域は、ディスプレイ316aよりも小さくてもよい(例えば、入口点360cでの入口側330a及び/又は出口点360dでの出口側330b上のディスプレイ316aの発光よりも、面積、幅、及び/又は高さがより小さい)。一次レンズ316bの機能性領域は、図示のように、ディスプレイ316aよりも大きくてもよい(例えば、ディスプレイ316aの発光領域よりも、面積、幅、及び/又は高さが大きい)。加えて、一次レンズ316b及びレンズ素子330の機能性領域により、ヘッドマウントディスプレイユニット110の任意の目カメラ319(例えば、ディスプレイモジュール116の)が、ユーザの目(例えば、ディスプレイ316aによって放射される方向とは反対の方向に移動する光)を観察することを可能にし得る。
【0022】
更に
図3A~
図3Bを参照すると、レンズ素子330の外周は、レンズフレーム340の内周に結合され、例えば、それによって係合され、及び/又はそれに接着される。レンズ素子330の外周及びレンズフレーム340の内周は、真っ直ぐであり(例えば、軸方向に移動して同じ断面形状を有する)、又はテーパ状(例えば、ディスプレイモジュール116に向かって移動するにつれ広がる)など、それらの間の結合を可能にする対応する形状を有する。レンズ素子330の外周は、レンズ素子330の非機能性領域を画定する一次レンズ316bと(例えば、概ね同じ面積、幅、及び/又は高さを有する)概ね同じサイズを有してもよい。
【0023】
図7~
図9を参照すると、上記で参照したように、レンズ素子330の非機能性領域は、レンズ素子330が一次レンズ316bよりも小さい状態で低減され得る。
【0024】
図7に示すように、取り外し可能なレンズアセンブリ720は、取り外し可能なレンズアセンブリ120の変形形態であり、概して、レンズ素子730及びレンズフレーム740を含む。レンズ素子730は、一次レンズ316bよりも小さい(例えば、面積、幅、及び/又は高さがより小さい)などによって、より小さいことで異なるレンズ要素330の変形形態である。レンズフレーム740は、一次レンズ316b及び/又はレンズマウント316cよりも小さい(例えば、面積、幅、及び/又は高さがより小さい)内周を有することなどによって、レンズフレーム740よりも半径方向内向きに更に延在することで異なるレンズフレーム340の変形形態である。
【0025】
図8を参照すると、取り外し可能なレンズアセンブリ820は、取り外し可能なレンズアセンブリ120の変形形態であり、概して、レンズ素子830及びレンズフレーム840を含む。レンズ素子830は、外光路360(例えば、屈折の角度)がレンズ素子830を通過する角度とより密接に一致する角度又は曲率で傾斜した(例えばテーパ状の)端部を有することで異なるレンズ素子830の変形形態である。例えば、レンズ素子830の外周面は、ゼロよりも大きい、例えば15~75度、例えば30~60度の、レンズ素子の光軸に対して測定された角度で延在し得る。レンズ素子830の入口側及び出口側の外周面の端部は、一次レンズ316bの周囲寸法よりも小さくてもよい(例えば、面積、幅、及び/又は高さがより小さい)。レンズ素子830の出口側の周面の端部は、その入口側の周面の端部よりも小さくてもよい(例えば、一次レンズ316bから離れてユーザの目に向かって移動するほどサイズが小さくなる)。レンズフレーム840は、レンズ素子830の入口側及び出射側の一方又は両方上に一次レンズ316bよりも小さい内周を有するなどによって、レンズフレーム340よりも半径方向内向きに更に延在する、レンズフレーム340の変形形態である。レンズフレーム840は、レンズ素子830の外周面に結合され、レンズ素子830の周面の(例えば、一致する傾斜又は輪郭を有する)形状に従うか、又は別の方法で収容することができる。
【0026】
図9を参照すると、取り外し可能なレンズアセンブリ920は、取り外し可能なレンズアセンブリ120の変形形態であり、概して、レンズ素子930及びレンズフレーム940を含む。レンズ素子930は、レンズフレーム940に結合され、かつ、レンズ素子930の機能性領域を取り囲む平面であり得る前面を形成する、出口側(例えば、又は他方の凹部側)の非機能性領域を有することで異なる、レンズ素子330の変形形態である。レンズフレーム940は、レンズ素子930の出口側930bの前面に結合されており、レンズマウント316cから内向きに突出している、レンズフレーム340の変形形態である。
【0027】
再び
図3~
図4を参照すると、レンズマウント316c及び取り外し可能なレンズアセンブリ120は、取り外し可能なレンズアセンブリ120が、それによって支持されるレンズマウント316cに取り外し可能に結合するように協働的に構成されている。図示のように、レンズマウント316c及び取り外し可能なレンズアセンブリ120は、それぞれ、協働的結合機構316d、322を含む。協働的結合機構316d、322は磁気的であり、磁気的結合機構と呼ばれ得る。磁気的結合機構316d、322は、レンズマウント316c、及びレンズマウント316c用の取り外し可能なレンズアセンブリ120のレンズフレーム340の対応する位置に配置されて、レンズ素子330がユーザの目と適切に整列される1つ以上の所定の位置(すなわち、垂直方向、横方向、及び回転方向)に、取り外し可能なレンズアセンブリ120を支持する。
【0028】
対応する磁気的結合機構316d、322の各対については、一方は永久磁石であってもよく、他方は、アトラクタ素子(例えば、強磁性材料で作製されたアトラクタプレート)又は好適な向きの別の永久磁石であってもよい。例えば、レンズマウント316cの磁気的結合機構316dは、アトラクタプレートであってもよく、一方、取り外し可能なレンズアセンブリ120の磁気的結合機構322は永久磁石である。
【0029】
磁気的結合機構316d、322は、使用中に取り外し可能なレンズアセンブリ120を適切に支持するために、レンズマウント316c用の好適なサイズ、数、及び位置に提供されるが、一方で依然として、取り外し可能なレンズアセンブリ120をユーザが容易に取り外すことを可能にする。例えば、図示するように、レンズマウント316c及び取り外し可能なレンズアセンブリ120は、おおよそ、6対の磁気的結合機構316d、322を含み得る。
【0030】
取り外し可能なレンズアセンブリ120及びレンズマウント316cは、取り外し可能なレンズアセンブリ120が1つの所定の位置のみでレンズマウント316cに取り付けられるように構成されてもよい。例えば、レンズ素子330は、レンズマウント316cに対して偏心して配置される光軸を有してもよく、それによって、取り外し可能なレンズアセンブリ120が1つの所定の位置でレンズマウント316cに結合されることを必要とする。取り外し可能なレンズアセンブリ120が代わりに、レンズマウント316cをそこから回転させた別の位置に結合した場合、光軸はレンズマウント316cに対して移動され、それによって、ディスプレイ316a及びユーザの目に対して移動されて、その結果、ユーザによって知覚される画質が低下する。
【0031】
磁気的結合機構316d、322は、レンズマウント316cに対する取り外し可能なレンズアセンブリ120の不正確な位置決めを防止するように構成されてもよい。例えば、
図4に示すように、磁気的結合機構322は、
図4に破線で示されており(例えば、埋め込まれているか、隠されているか、又は別の方法でレンズフレーム340に結合されている)、磁気的結合機構316d、322は、磁気的結合機構316d、322の対応する対の整列を防止するように非対称に位置決め及び/又は分布されてもよく、それによって、取り外し可能なレンズアセンブリ120がレンズマウント316cに別の位置(例えば、180度回転)で結合されるのを防止することができる。代わりに又はそれに加えて、磁気的結合機構316d、322の磁気特性(例えば、向き、及びアトラクタプレート又は永久磁気であるかどうか)により、別の位置(例えば、回転向き)で互いに対応しないそれらの磁気的結合機構316dの磁気的結合を防止することができる。例えば、取り外し可能なレンズアセンブリ120が180度回転された場合、整列しているが互いに対応しない磁気的結合機構316d、322は、互いに引き付け得ないか(例えば、2つのアトラクタプレート)、又は互いに反発し得る(例えば、共通の極が互いに隣接して配置された永久磁石)。
【0032】
レンズマウント316c及び取り外し可能なレンズアセンブリ120は、その位置ずれを機械的に防止するように更に構成され得る。例えば、レンズマウント316c及び取り外し可能なレンズアセンブリ120は、それぞれ、機械的係合機構316e、324を更に含み得る。機械的係合機構316e、324は、レンズマウント316cと取り外し可能なレンズアセンブリ120との間の適切な位置決め及び/又は整列を確実にするために互いに機械的に係合する。機械的係合機構316e、324は、更に互いに係合して、取り外し可能なレンズアセンブリ120のレンズマウント316cへの(例えば、磁気的結合機構316d、322が光軸に沿った移動を防止している間の、光軸に対して垂直方向及び左右方向への)相対移動を更に防止することができる。
【0033】
機械的係合機構316e、324は、例えば、凹部及び突出部であってもよく、凹部によって受容されるか、又はその逆であってもよい。取り外し可能なレンズアセンブリ120がレンズマウント316cに対して異なる位置に配置された場合、突出部は、代わりにレンズマウント316cの別の表面に係合して、取り外し可能なレンズアセンブリ120がそれに嵌合するのを防止する。あるいは、ディスプレイモジュール116(例えば、レンズマウント316c)及び取り外し可能なレンズアセンブリ120(例えば、レンズフレーム340)の対向する軸方向に面する(例えば、嵌合する)表面は、レンズマウント316cに対して取り外し可能なレンズアセンブリ120の位置ずれを防止する三次元輪郭を有してもよい。
【0034】
1つの取り付け位置のみを有する代わりに、取り外し可能なレンズアセンブリ120及びレンズマウント316cは、取り外し可能なレンズアセンブリ120が2つ以上の位置でレンズマウント316cに取り付けられるように構成されてもよい。例えば、レンズフレーム340及びレンズマウント316c、結合機構、並びに/又は機械的整列機構は、取り外し可能なレンズアセンブリ120が(例えば、2つ折りで回転対称にある)2つの所定の位置又はそれ以上(例えば、3つ、又は4つ)でレンズマウント316cに結合し、他の位置でレンズマウント316cに結合しないように、協働的に構成されてもよい。
【0035】
図10A~
図11Bを参照すると、取り外し可能なレンズアセンブリ120及びレンズマウント316cの変形形態は、取り外し可能なレンズアセンブリ120をレンズマウント316cに機械的に結合するように構成されている。
【0036】
図10A~
図10Bに示すように、ディスプレイモジュール1016は、取り外し可能なレンズアセンブリ1020が(例えば、締まり嵌めを形成する)嵌合構造と取り外し可能に結合可能であるレンズマウント1016cを含む。取り外し可能なレンズアセンブリ1020は、レンズ素子330及びレンズフレーム1040を含み、それらは互いに結合され、及び、そうでなければ前述の方法で構成されてもよい(例えば、
図3A~
図9を参照)。レンズフレーム1040は、環状突出部1044(例えば、リップ又は円周リップ)を有するバレル1042を含む。バレル1042は、(例えば、レンズ素子330の)軸方向後向きに延在し、一方、環状突出部1044は、そこから半径方向内向きに突出している。レンズフレーム1040は、環状凹部1046(例えば、ラベル付けされていない円周チャネル)を更に画定することができ、環状突出部1044から半径方向外向きに延在し、その軸方向外向きに(すなわち、ディスプレイ316aから離れるように)配置されている。環状突出部1044及び環状凹部1046は、レンズ素子330の軸の周りで円周方向に、完全に又は実質的に完全に(例えば、80%以上)延在する。
【0037】
レンズマウント1016cは、環状突出部1016eを有するバレル1016dを含む。バレル1016dは、軸方向前向きに延在し、一方、環状突出部1016eは、そこから半径方向外向きに突出している。環状突出部1016eは、軸方向前向きに配置され、かつ、その半径方向内向きに延在する環状凹部1016f(例えば、円周チャネル)を更に画定する。それによって画定された環状突出部1016e及び環状凹部1016fは、レンズ素子330の軸の周りで円周方向に、全体的に又は実質的に全体的に延在する。
【0038】
レンズフレーム1040のバレル1042は、取り外し可能なレンズアセンブリ1020をレンズマウント1016cに取り外し可能に結合するように、レンズマウント1016cのバレル1016dをその中に受容するように構成されている。レンズフレーム1040の環状突出部1044は、レンズマウント1016cの環状凹部1016fによって受容されてその中に保持され、一方、レンズマウント1016cの環状突出部1016eは、レンズフレーム1040の環状凹部1046によって受容されてその中に保持される。
【0039】
レンズフレーム1040の環状突出部1044の内周は、レンズマウント1016cの環状突出部1016eの外周よりも小さく、それによって、環状突出部1044、1016eの軸方向面が互いに半径方向に重なり合い、かつ、軸方向に互いに係合して、取り外し可能なレンズアセンブリ1020がディスプレイモジュール1016から意図せずに分離されることを防止する。環状突出部1044は、レンズフレーム1040のバレル1042であり得るように、ゴム又は他のポリマーなどの柔軟な材料で形成されて、環状突出部1044の内周が、レンズマウント1016cの環状突出部1016eの上で拡張及び伸張することを可能にする。レンズフレーム1040は、環状突出部1044を形成する柔軟な材料で形成されるか、又はそうでなければそれを含んでもよく、ユーザの顔と偶発的に接触するか、又は別の方法でそれと係合し得る軟質材料を備えてもよい。あるいは、バレル1042及び/又は環状突出部1044は、屈曲を形成してもよい。なおも更なる代替例では、取り外し可能なレンズアセンブリ1020のバレル1042及び環状突出部1044は剛性であり、一方、ディスプレイモジュール1016のバレル1016d及び/又は環状突出部1016eは、柔軟であるか又は屈曲を形成する。
【0040】
レンズフレーム1040及びレンズマウント1016cは、レンズマウント1016c(例えば、バレル1016d及び環状突出部1016e)がレンズフレーム1040内に受容された状態で示されて説明されているが、レンズフレーム1040及びレンズマウント1016cは、レンズマウント1016cを受容するレンズフレーム1040とは反対の方法で配置されてもよい。
【0041】
図11A~
図11Bに示すように、ディスプレイモジュール1116は、取り外し可能なレンズアセンブリ1120がバネ機構と取り外し可能に結合されたレンズマウント1116cを含む。取り外し可能なレンズアセンブリ1120は、それに対応するレンズマウント1116cのレセプタクル1116d内に受容するために、通常、半径方向外向きに跳ね上げられる後退可能なラッチ1122(例えば、ラッチ部材)を含む。例えば、後退可能なラッチ1122は、レンズフレーム1140の後方軸方向面から軸方向後向きに延在し、そこから半径方向外向きに延在する内端1124(例えば、カギ状の又は外向きに突出する端部)を含む。後退可能なラッチ1122が(例えば、ユーザが突出部の露出した端部を押すことによって)後退すると、後退可能なラッチ1122は、それに対応するレンズマウント1116cの前方軸方向面のレセプタクル1116d内に軸方向に挿入可能であるか、又はそこから取り外し可能である。後退可能なラッチ1122の内端は、レセプタクル1116dのリップ1116eの後ろに受容される。(ラベル付けなく、概略的に示されている)バネは、後退可能なラッチ1122の内端が後ろに配置され、かつ、レセプタクル1116dのリップ1116eと係合して、取り外し可能なレンズアセンブリ1120をレンズマウント1116c上に保持するように、ユーザが解放すると、後退可能なラッチ1122を半径方向外向きに付勢する。後退可能なラッチ1122は、取り外し可能なレンズアセンブリ1120の一部であるものとして示されて説明されてきたが、代わりに、後退可能なラッチが、同様の方法で取り外し可能なレンズアセンブリ1120に解放可能に係合する(例えば、レンズフレーム1140の外周面内のレセプタクルに係合する)ために、ディスプレイモジュール1116に備えられてもよい。
【0042】
図12A~
図12Bを参照すると、なおも更なる実施例では、取り外し可能なレンズアセンブリ120の変形形態が、他の方法でレンズマウント1216cに結合され得る。例えば、取り外し可能なレンズアセンブリ1220及びレンズマウント1216cは、取り外し可能なレンズアセンブリ1220を、軸方向動作1222a、垂直動作1222b、又は回転動作1222cのうちの1つ以上でレンズマウント1216cに結合することを可能にする、対応する嵌合機構1222、1223(例えば、タブ及び戻り止め又は突出部)を含んでもよい。軸方向動作1222a、垂直動作1222b、又は回転動作1222c(例えば、4分の1回転)により、対応する嵌合機構1222、1223を介して、取り外し可能なレンズアセンブリ1220をレンズマウント1216cへ係合及び結合させる。
【0043】
更に
図12Cを参照すると、取り外し可能なレンズアセンブリ1220’が、摩擦又は締まり嵌めを介して、ディスプレイユニット1216’に結合されている。具体的には、取り外し可能なレンズアセンブリ1220は、ディスプレイユニット1216’のレンズマウント1216c’によって受容されるレンズフレーム1240’を含み、それによって(例えば、レンズフレーム1240’がレンズマウント1216c’によって半径方向内向きに圧縮されている状態で)摩擦を介して保持される。
【0044】
更に
図12Dを参照すると、取り外し可能なレンズアセンブリ1220’は、後退可能なピン1216dを介してディスプレイユニット1216’に結合されている。例えば、ディスプレイユニット1216’は、取り外し可能なレンズアセンブリ1220’のレンズフレーム1240’をその中に受容するレンズマウント1216c’、及びレンズフレーム1240’の対応する凹部内に選択的に延在する後退可能なピン1216dを含む。例えば、ピン1216d’は、レンズフレーム1240’によって受容されるように、半径方向内向きにバネ付勢されてもよい。
【0045】
図13A~
図13Fを参照すると、なおも更なる例では、取り外し可能なレンズアセンブリ1320は、レンズ機械的結合機構1322と呼ばれ得る、機械的結合機構1322(例えば、雄型構成要素、又は突出部)を含み、一方、ディスプレイモジュール1310は、ディスプレイ機械的結合機構1312と呼ばれ得る、対応する機械的結合機構1312(例えば、雌型構成要素、凹部、又はレセプタクル)を含む。レンズ機械的結合機構1322及びディスプレイ機械的結合機構1312は、取り外し可能なレンズアセンブリ1320をディスプレイモジュール1310に機械的に結合するために、互いに機械的に嵌合する。例えば、以下で更に詳細に論じるように、レンズ機械的結合機構1322及びディスプレイ機械的結合機構1312は、取り外し可能なレンズアセンブリ1320の光軸と概ね垂直、概ね平行、及び/又はその周りの方向でディスプレイモジュール1310に対する取り外し可能なレンズアセンブリ1320の移動を防止することができる。
【0046】
取り外し可能なレンズアセンブリ1320は、レンズ磁気的結合機構1324と呼ばれ得る、1つ以上の磁気的結合機構1324を更に含んでもよく、一方、ディスプレイモジュール1310は、ディスプレイ磁気的結合機構1314と呼ばれ得る、1つ以上の対応する磁気的結合機構1314を含む。レンズ磁気的結合機構1324及びディスプレイ磁気的結合機構1314は、取り外し可能なレンズアセンブリ1320をディスプレイモジュール1310に磁気的に結合するために、互いに磁気的に結合する。例えば、以下で更に詳細に論じるように、レンズ磁気的結合機構1324及びディスプレイ磁気的結合機構1314は、取り外し可能なレンズアセンブリ1320の光軸と概ね平行な方向でディスプレイモジュール1310に対する取り外し可能なレンズアセンブリ1320の移動を防止することができる。
【0047】
取り外し可能なレンズアセンブリ1320のレンズ機械的結合機構1322は、その第1の側(例えば、左側、右側、上側、下側、内側、又は外側)上に配置されてもよく、一方、1つ以上のレンズ磁気的結合機構1324は、第1の側から離れて及び/又は反対側に離間され得るその第2の側(例えば、レンズ素子330がそれらの間に配置された状態などで、それぞれ、右側、左側、下側、上側、外側、又は内側)上に配置されてもよい。レンズ機械的結合機構1322は、レンズフレーム340によって(例えば、それと一体形成されて)形成されてもよく、一方、1つ以上のレンズ磁気的結合機構1324は、レンズフレーム340に結合される。レンズ磁気的結合機構1324は、1つ以上の永久磁石及び/又はアトラクタ材料(例えば、強磁性材料若しくは構成要素)であってもよく、又はそれらを含んでもよい。
【0048】
ディスプレイモジュール1310は、レンズ機械的結合機構1322及び1つ以上のレンズ磁気的結合機構1324を有するレンズマウント1311を含む。以下で更に詳細に論じるように、レンズマウント1311のディスプレイ機械的結合機構1312は、その中にレンズ機械的結合機構1322を受容するように構成されている。レンズマウント1311の1つ以上のディスプレイ磁気的結合機構1314は、(例えば、反対極性の永久磁石であるか、又はアトラクタ材料である)レンズ磁気的結合機構1324に磁気的に結合する。
【0049】
上述のように、取り外し可能なレンズアセンブリ1320のレンズ機械的結合機構1322、及びディスプレイモジュール1310のディスプレイ機械的結合機構1312は、互いに嵌合するように構成されており、特に、レンズ機械的結合機構1322は、ディスプレイ機械的結合機構1312によって受容されるように構成されている。それによって受容されると、レンズ機械的結合機構1322は、ディスプレイ機械的結合機構1312と係合して、それらの間の相対移動を防止する。例えば、レンズ機械的結合機構1322は、ディスプレイ機械的結合機構1312と係合して、(例えば、取り外し可能なレンズアセンブリ1320の光軸に対して概ね垂直な方向での)上向き移動、横方向移動などの、取り外し可能なレンズアセンブリ1320とディスプレイモジュール1310との間の相対的な剪断移動、及び/又はディスプレイモジュール1310に対する取り外し可能なレンズアセンブリ1320の(例えば、取り外し可能なレンズアセンブリ1320の概ね光軸を周りの)回転移動を防止する。
【0050】
相対的な上向き移動を防止するために、レンズ機械的結合機構1322の上向き表面は、ディスプレイ機械的結合機構1312の下向き表面と係合する。相対的な下向き移動を防止するために、レンズ機械的結合機構1322の下向き表面は、ディスプレイ機械的結合機構1312の上向き表面と係合する。例えば、レンズ機械的結合機構1322の上端及び下端は、ディスプレイ機械的結合機構1312のそれぞれの上端及び下端と係合する(
図13A及び
図13B参照)。あるいは、レンズ機械的結合機構1322とディスプレイ機械的結合機構1312との中間高さにおける上向き表面及び下向き表面は、上向き及び下向きの相対移動を防止するように互いに係合する。
【0051】
(例えば、ユーザの鼻から離れる)相対的な横方向外向きの移動を防止するために、レンズ機械的結合機構1322の横方向外向き表面は、ディスプレイ機械的結合機構1312の横方向内向き表面(例えば、左側の取り外し可能なレンズアセンブリ1320に対して、それぞれ、左向き表面及び右向き表面)と係合する。(例えば、ユーザの鼻に向かう)相対的な横方向の内向き移動を防止するために、
図13Fに示すように、レンズ機械的結合機構1322の横方向内向き表面は、ディスプレイ機械的結合機構1312の横方向外向きの表面(例えば、左側の取り外し可能なレンズアセンブリ1320に対して、それぞれ、右向き表面及び左向き表面)と係合する。例えば、図示のように、レンズ機械的結合機構1322及びディスプレイ機械的結合機構1312は湾曲形状を有し、レンズ機械的結合機構1322の外向き側部及び内向き側部(例えば、凹面及び凸面)が、ディスプレイ機械的結合機構1312のそれぞれの外向き側部及び内向き側部(例えば、それぞれ、凸面及び凹面)と係合する。
【0052】
相対的な回転移動を防止するために、レンズ機械的結合機構1322は、その両側(例えば、それぞれの側に2つ)上の離間した場所にあり、ディスプレイ機械的結合機構1312をその両側上で係合する。例えば、時計回りのトルクが取り外し可能なレンズアセンブリ1320に加えられると、レンズ機械的結合機構1322及びディスプレイ機械的結合機構1312の上部内面及び下部外面が互いに係合して、それらの間の相対的な時計回りの回転を抑制する(例えば、防止する)。反時計回りのトルクが取り外し可能なレンズアセンブリ1320に加えられると、レンズ機械的結合機構1322及びディスプレイ機械的結合機構1312の上部外面及び下部内面が互いに係合して、それらの間の相対的な反時計回りの回転を抑制する(例えば、防止する)。
【0053】
レンズ機械的結合機構1322及びディスプレイ機械的結合機構1312は、ディスプレイモジュール1310から離れる(例えば、概ね光軸の方向の)垂直移動を防止するように更に構成され得る。例えば、ディスプレイ機械的結合機構1312は、レンズ機械的結合機構1322の後向き表面と係合する、前向き表面(例えば、アンダーカット又はトーイン機構)を含んでもよい。
【0054】
図13Eを参照すると、取り外し可能なレンズアセンブリ1320をディスプレイモジュール1310に結合するために、レンズ機械的結合機構1322がまず、ディスプレイ機械的結合機構1312に挿入され、次いで、以下で更に詳細に論じられるように、取り外し可能なレンズアセンブリ1320が回転されて、磁気的結合機構1324、1314を互いに近づけて磁気的に結合させる。
【0055】
上述したように、取り外し可能なレンズアセンブリ1320のレンズ磁気的結合機構1324、及びディスプレイモジュール1310のディスプレイ磁気的結合機構1314は、互いに磁気的に結合する。レンズ磁気的結合機構1324及びディスプレイ磁気的結合機構1314は、対応する位置に、かつ、対応する(例えば、反対極性であるか、又は一方が強磁性材料であり、他方が永久磁性である)磁気特性で、配置される。レンズ磁気的結合機構1324及びディスプレイ磁気的結合機構1314は、その間に概ね光軸の方向に加えられる力で互いに磁気的に結合する。レンズ磁気的結合機構1324及びディスプレイ磁気的結合機構1314はまた、ディスプレイ機械的結合機構1312によって画定される枢動軸から離間されており、それによって、それらの間の磁気的結合が、ディスプレイ機械的結合機構1312が画定した枢動軸の周りの回転を防止する。例えば、図示のように、レンズ磁気的結合機構1324及びディスプレイ磁気的結合機構1314は、それぞれ、レンズ機械的結合機構1322及びディスプレイ機械的結合機構1312とは概ね反対側に配置される。
【0056】
取り外し可能なレンズアセンブリ1320及びディスプレイモジュール1310の変形形態を考察する。例えば、レンズ機械的結合機構1322及びディスプレイ機械的結合機構1312は、異なる形状(例えば、真っ直ぐ)であってもよく、異なる数(例えば、上述のような移動を防止するために離間した位置にある、ピン及び開口部などのその2つ以上のセット)を備えてもよく、及び/又は異なる位置(例えば、その上側、下側、又は内側)に設けられてもよい。更に、ディスプレイ機械的結合機構1312は、ハウジング112(例えば、ディスプレイモジュール1310を取り囲むカーテン又は他の構造)などの、ヘッドマウントディスプレイユニット110の異なる部分によって提供されてもよい。更に、磁気的結合機構1324、1314の代わりに、取り外し可能なレンズアセンブリ1320及びディスプレイモジュール1310は、代わりに又はそれに加えて、機械的結合機構(例えば、上述のような嵌合構造又はラッチ)を含んでもよい。
【0057】
図3A~
図3B及び
図10A~
図13Fに関して上述した結合のための方法のそれぞれの場合、レンズマウントは、ディスプレイモジュール116又はその変形形態とは対照的に、ハウジング112(例えば、シャーシ)などのヘッドマウントディスプレイユニット110の別の部分に結合できることに留意すべきである。
【0058】
図14A~
図16を参照すると、ディスプレイシステム100及び取り外し可能なレンズアセンブリ120は、ヘッドマウントディスプレイユニット110に結合された取り外し可能なレンズアセンブリ120を検出するように、ディスプレイシステム100に対して協働的に構成されている。例えば、ヘッドマウントディスプレイユニット110は、それに結合された1つ以上の取り外し可能なレンズアセンブリ120を検出するための1つ以上のレンズ検出センサ1418aを含む。取り外し可能なレンズアセンブリ120を検出する際に、ディスプレイシステム100は、取り外し可能なレンズアセンブリ120のいずれかがディスプレイモジュール116に結合されているかどうかを(例えば、近接センサ、画像認識、及び/若しくは機械的スイッチを使用して)判定し、取り外し可能なレンズアセンブリ120が適切に結合されているかどうかを(例えば、近接センサ、画像認識、若しくは取り外し可能なレンズアセンブリ120に結合された磁石を備えたホールセンサを使用して)判定し、並びに/又は他の機能をサポートするための、取り外し可能なレンズアセンブリ120に関する他の情報(例えば、矯正の有無、シリアル若しくはモデル番号、関連するユーザ、及び/若しくは以下で論じる他のタイプのレンズ検出センサ1418aを使用するレンズ特性)を、判定することができる。ディスプレイシステム100は、取り外し可能なレンズアセンブリ120がディスプレイモジュール116に結合されているかどうかの指標、取り外し可能なレンズアセンブリ120がディスプレイモジュール116に対して適切に配置されているかどうかの指標、並びに/又は他の指標(例えば、以下で論じるレンズ構成及び/若しくはレンズ適合性)を提供してもよい。
【0059】
それぞれの取り外し可能なレンズアセンブリ120は、1つ以上のレンズ検出センサ1418aと通信しているか、又はそうでなければ、それによって読み取り可能なレンズタグ1428を更に含んでもよい。取り外し可能なレンズアセンブリ120の検出により、ディスプレイシステム100は、ディスプレイモジュール116の出力を変更することと、取り外し可能なレンズアセンブリ120のインジケータを提供することと、及び/又は取り外し可能なレンズアセンブリ120のユーザとの適合性のインジケータを提供することと、を含み得る、1つ以上の後続の動作を実行することができる。ディスプレイシステムはまた、ヘッドマウントディスプレイユニット110の動作を制御して、例えば、それに結合された取り外し可能なレンズアセンブリ120を検出し、及び/又はそれに応じて後続の動作を実行する、コントローラ1450を含む。コントローラ1450は、ヘッドマウントディスプレイユニット110内に(破線によって示されるように)全体的に若しくは部分的に物理的に組み込まれてもよく、又はそこから全体的に若しくは部分的に物理的に別個に(例えば、外部コンピューティングデバイス内に)提供されてもよい。コントローラ1450の例示的なハードウェア構成について、
図14を参照して以下に説明する。
【0060】
取り外し可能なレンズアセンブリ120を検出する際に、ディスプレイシステム100は、レンズ情報と呼ばれ得る、取り外し可能なレンズアセンブリ120に関する情報を識別又は判定することができる。レンズ情報は、取り外し可能なレンズアセンブリ120の識別子及び/又は技術的特性を含んでもよい。識別子は、取り外し可能なレンズアセンブリ120自体(例えば、レンズ識別子と呼ばれる、シリアル番号又はモデル番号)、レンズに関連付けられたユーザ(例えば、関連付けられたユーザ識別子と呼ばれる、ユーザ名又はユーザID)、及び/又は他の識別情報(例えば、製造情報と呼ばれる、製造業者、日付)であってもよい。技術的特性には、レンズ特性、レンズ特性情報、又は処方情報と呼ばれ得る、取り外し可能なレンズアセンブリ120の球面、円柱、及び/又は軸パラメータ、及び/又は光軸位置などの屈折特性を含んでもよい。ディスプレイシステム100によって判定されたレンズ情報は、次いで、ディスプレイシステム100によって使用されて、上記で参照され、以下で更に詳細に説明される後続の動作を実行することができる。
【0061】
ディスプレイシステム100は、様々な異なる方法で、及び異なるデバイスを用いて、ヘッドマウントディスプレイユニット110に能動的に結合された(例えば、結合されているか、又は現在結合されている)取り外し可能なレンズアセンブリ120のレンズ情報を判定することができる。ディスプレイシステム100は、レンズタグ1428からのレンズ検出センサ1418aなどで、取り外し可能なレンズアセンブリ120からのレンズ情報を判定することができる。第1の実施例では、レンズタグ1428は、レンズ情報を記憶するか、又は別の方法で電気的に提供する電子デバイスである。例えば、取り外し可能なレンズアセンブリ120それぞれのレンズタグ1428は、電気的に消去可能なプログラム可能読み出し専用メモリデバイス(electrically-erasable programmable read-only memory device、EEPROM)、無線周波数識別デバイス(radio frequency identification device、RFID)、又は内部抵抗デバイス(例えば、電気抵抗若しくは抵抗器)であってもよい。レンズ検出センサ1418aは、EEPROMと無線又は物理的に通信して、RFIDの信号を読み取る、及び/又は抵抗デバイスの抵抗シグネチャを測定若しくはそうでなければ判定するなどによって、レンズタグ1428からレンズ情報を受信及び/又は他の方法で受信するように構成された、対応する電気デバイス又はシステムである。
【0062】
第2の例では、レンズタグ1428は、磁気シグネチャを有する。取り外し可能なレンズアセンブリ120は、様々な磁石(例えば、磁気的結合機構322)又は他の磁石を含み、これらは、様々な強度及び/又は位置を有することによって磁気シグネチャを提供することができ、かつ、磁石の磁場を感知する1つ以上のホールセンサ又は他の磁気センサを含み得るレンズ検出センサ1418aによって検出される。レンズ検出センサ1418aによって検出された磁場の組み合わせにより、レンズ情報(例えば、特定の磁気シグネチャのレンズ識別子)を提供する。ホールセンサは、代わりに又はそれに加えて、取り外し可能なレンズアセンブリ120が適切に結合されているかどうかを判定するために使用され得る。
【0063】
第3の実施例では、レンズタグ1428は、レンズ情報を表示するか、又は別の方法でそれと通信する光学的マーキングである。例えば、レンズタグ1428は、クイックレスポンスコード(QRコード(登録商標))、バーコード、又は英数字などの、取り外し可能なレンズアセンブリ120上の光学的又は赤外線(IR)マーキングであってもよい。ヘッドマウントディスプレイユニット110のレンズ検出センサ1418aは、カメラ又は組み合わせられた照明器/センサデバイス(例えば、QRコードスキャナ)などの対応する光学的読み取りデバイスであり、これは、前述の目を観察もする目カメラ319であってもよい。特定の一実施例では、レンズタグ1428は、赤外線バーコードである。
【0064】
ディスプレイシステム100は、取り外し可能なレンズアセンブリ120自体から直接、1つ以上の更なる動作に必要なレンズ情報を判定することができる。代わりに又はそれに加えて、ディスプレイシステム100は、後続の動作を実行するために、他の光源からの追加のレンズ情報を判定してもよい。例えば、ディスプレイシステム100は、取り外し可能なレンズアセンブリ120から初期レンズ情報(例えば、レンズ識別子又は関連するユーザ識別子)のみを受信してもよく、一方、他のレンズ情報(例えば、関連するユーザ識別子及び/又はレンズ特性)は、ディスプレイシステム100によって(例えば、コントローラ1450の記憶装置によって)これと関連付けられて記憶される。したがって、取り外し可能なレンズアセンブリ120から初期レンズ情報を判定することによって、ディスプレイシステム100は、後続の動作をサポートするために、他のレンズ情報を判定(例えば、取得)することができる。
【0065】
ディスプレイモジュール116に結合された取り外し可能なレンズアセンブリ120のレンズ情報を使用して、ディスプレイ316aを動作させること、それに結合された取り外し可能なレンズアセンブリ120のユーザに指標を提供すること、及び/又は取り外し可能なレンズアセンブリ120のユーザとの適合性を判定することを含み得る、ディスプレイシステム100の様々な機能を制御することができる。ディスプレイ316aの動作は、ディスプレイモジュール116に結合された取り外し可能なレンズアセンブリ120のレンズ情報に従って実行されてもよく、それによって、ディスプレイ316aの動作は、1つのレンズ特性のセットを有する取り外し可能なレンズアセンブリ120のうちの1つと、別のレンズ特性のセットを有する取り外し可能なレンズアセンブリ120の別のもの(例えば、一次レンズ316b及びレンズ素子330によって形成される光学系の異なる特性、又は異なるレンズ特性を説明する異なる輝度及び/若しくはピクセル出力)との間で異なり得る。
【0066】
代わりに又はそれに加えて、ディスプレイモジュール116に結合された取り外し可能なレンズアセンブリ120のレンズ情報を使用して、レンズ構成指標と呼ばれ得る、それに結合された取り外し可能なレンズアセンブリ120のユーザ又は潜在的ユーザに指標を提供することができる。レンズ構成指標は、例えば、異なるユーザに関連付けられた、それらの取り外し可能なレンズアセンブリ120の、取り外し可能なレンズアセンブリ120のうちの異なるものの間で異なる。第1のレンズ構成指標は、取り外し可能なレンズアセンブリ120のうちの1つ(又は互いに関連付けられた一対の取り外し可能なレンズアセンブリ120)に提供され、一方、第2の異なるレンズ構成指標は、別の取り外し可能なレンズアセンブリ120(又は互いに関連付けられた別の対の取り外し可能なレンズアセンブリ120)に提供される。表示指標(例えば、又は出力命令)は、例えば、ディスプレイシステム100によって、レンズ情報(例えば、レンズ識別子、関連するユーザ識別子、又はレンズ特性)に関連付けられて記憶され、レンズ識別子を判定する際に取得され得る。構成指標は、ユーザに関係なく(例えば、ユーザを検出又は識別することなく)提供されてもよい。
【0067】
レンズ構成指標は、例えば、外部光インジケータ、表示インジケータ、又は可聴インジケータとして提供されてもよい。外部光インジケータには、ヘッドマウントディスプレイユニット110を装着する前に潜在的ユーザが可視である、ヘッドマウントディスプレイユニット110の外部視覚インジケータ1418b(例えば、発光ダイオード)が備えられ、これは、例えば、色(例えば、第1ユーザと第2ユーザとの間で区別するための赤色対青色)によって異なり得る。表示指標は、ディスプレイ316aによって提供され、取り外し可能なレンズアセンブリ120を介してユーザ又は潜在的なユーザが見ることができる。表示インジケータは、例えば、異なるユーザに対して異なる色、記号、又は文字のセットであってもよく、取り外し可能なレンズアセンブリ120では視力が低い(例えば、ディスプレイ316aがぼやけて見え得る)潜在的ユーザに対してさえも識別可能である。可聴インジケータは、ヘッドマウントディスプレイユニット110(例えば、スピーカ又はヘッドホン)の、又はそれに関連付けられたオーディオ出力デバイス1418cによって提供され、ヘッドマウントディスプレイユニット110を装着する前又は装着した後に、潜在的ユーザに可聴であり得る。可聴インジケータは、例えば、(例えば、取り外し可能なレンズアセンブリ120に関連付けられたユーザを識別する)話し言葉、又は取り外し可能なレンズアセンブリ120に関連付けられた異なるユーザに対するトーンであってもよい。
【0068】
図14A及び
図14Bを参照すると、方法1400は、レンズ構成を示すために提供され、方法は、一般に、ディスプレイモジュール116に結合された取り外し可能なレンズアセンブリ120を識別する第1の動作1410と、構成インジケータ命令を取得する第2の動作1420と、命令に従って構成指標を提供する第3の操作1430と、を含む。交換可能なレンズアセンブリを識別する第1の動作1410は、レンズ検出センサ1418aを用いて実行され、コントローラ1450は、ヘッドマウントディスプレイユニット110の1つ以上のディスプレイモジュール116に結合された1つ以上の取り外し可能なレンズアセンブリ120のレンズタグ1428からレンズ情報を判定する。構成指標命令を取得する第2の動作1420は、例えば、コントローラ1450がレンズ情報に関連付けられた命令を記憶装置から取得することによって実行される。構成指標を提供する第3の動作1430は、例えば、コントローラ1450によって動作される、ディスプレイモジュール116、外部視覚インジケータ1418b及び/又はオーディオ出力デバイス1418cによって提供される。
【0069】
図14A~
図16を参照すると、代わりに又はそれに加えて、ディスプレイシステム100は、それに結合された取り外し可能なレンズアセンブリ120のレンズ情報を使用して、ユーザとの適合性を判定し、それに応じてユーザに適合性インジケータを提供する(例えば、不適合性のみが判定される)。ディスプレイシステム100は、ヘッドマウントディスプレイユニット110に結合された取り外し可能なレンズアセンブリ120のレンズ情報を判定することに加えて、現在のユーザを識別し、ユーザ情報をレンズ情報と比較して適合性を判定する。
【0070】
ディスプレイシステム100は、例えば、生体感知、ユーザクレデンシャルの受信、及び/又は別のデバイスによる認証を用いて、様々な方法でユーザを識別することができる。生体測定を介してユーザを識別するために、ディスプレイシステム100は、生体測定(例えば、顔認識、指紋認識、音声認識、虹彩認識、及び/又は耳の幾何学的形状、骨伝導若しくは密度特性、額特徴、若しくは皮膚などの他の生体測定パラメータの認識)でユーザを識別するための生体センサ1418dを含んでもよい。生体センサ1418dは、例えば、ヘッドマウントディスプレイユニットに物理的に結合されてもよい。例えば、ユーザを虹彩検出で識別する場合、生体センサ1418dは、前述の目カメラ319であってもよく、取り外し可能なレンズアセンブリ120を識別するための同じセンサであってもよい。ユーザクレデンシャルを介してユーザを識別するために、ディスプレイシステム100は、ディスプレイシステム100の、又はそれに関連付けられた入力デバイス(例えば、ヘッドマウントディスプレイユニットのマイクロフォン、又はコントローラ1450若しくはヘッドマウントディスプレイユニット110と通信している外部デバイス1460)から、ユーザクレデンシャル(例えば、ユーザ名及びパスワード)を受信する。別のデバイスからの認証によってユーザを識別するために、外部デバイス1460は、ユーザを(例えば、生体測定又はクレデンシャルを介して)認証し、そのような認証をコントローラ1450に通信することができる。外部デバイス1460は、ディスプレイシステム100の一部とみなされてもよいが、それらとは独立して機能してもよい(例えば、スマートフォン)。
【0071】
ディスプレイシステム100は、ユーザ情報を記憶するか、又は他の方法でそれを受信する。ユーザ情報は、関連するレンズ識別子(例えば、ユーザに関連付けられた1つ以上の取り外し可能なレンズアセンブリ120のシリアル番号若しくはモデル番号)、並びに/又は目特性情報(例えば、本明細書では目特性と呼ばれる、球面、円柱、及び/若しくは軸パラメータ)に関連付けられて記憶されたユーザ識別子(例えば、ユーザ名又はユーザ番号)を含んでもよい。
【0072】
ディスプレイシステム100は、ユーザ情報がレンズ情報に関連付けられている初期化プロセス中に、ユーザ情報を受信してもよい。初期化プロセス中に、ユーザ情報は、ユーザによって入力されてもよく、又は別のソース(例えば、外部デバイス1460)から受信されてもよい。レンズ情報は、上述したように、ディスプレイモジュール116に結合されたときに(例えば、電子的及び/若しくは光学的に)取り外し可能なレンズアセンブリ120から取得されてもよく、又はユーザが入力(例えば、取り外し可能なレンズアセンブリ120のシリアル若しくはモデル番号を入力)してもよく、又は別のソース(例えば、外部デバイス1460)から受信されてもよい。
【0073】
図15を参照すると、適合性を判定するために、ディスプレイシステム100は、例えば、適合性判定部1500を使用して、レンズ情報1510をユーザ情報1520と比較する。又は、例えば、(a)レンズ識別子1512のレンズ情報1510を、関連するレンズ識別子1522のユーザ情報1520と比較する、(b)関連するユーザ識別子1514のレンズ情報1510を、ユーザ識別子1524のユーザ情報1520と比較する、又は(c)レンズ特性1516のレンズ情報1510を、目特性1526のユーザ情報1520と比較する、のうちの1つ以上である。ディスプレイシステム100は、1つ以上の取り外し可能なレンズアセンブリ120を、レンズ情報がユーザ情報と一致する(例えば、等しい)場合に適合性があり、又は一致しない場合に適合性がない、と判定する。
【0074】
適合性があると判定された場合、適合性指標は、(例えば、取り外し可能なレンズアセンブリ120がユーザと適合性があることの)正の指標を提供してもよく、又は省略されてもよい(例えば、通常動作に進む)。適合性がないと判定された場合、適合性指標は(例えば、取り外し可能なレンズアセンブリ120がユーザと適合性がないことを示す)負となる。そのような負の指標は、例えば、不適合性、テキスト命令若しくは情報、及び/又は可聴命令若しくは情報をグラフィカルに示すアイコンを含んでもよい。
【0075】
図16を参照すると、ディスプレイシステム100を動作させて、取り外し可能なレンズアセンブリ120のユーザとの適合性を判定して示すための方法1600が提供されている。この方法は、1つ以上のディスプレイモジュール116に結合された1つ以上の取り外し可能なレンズアセンブリ120を識別する第1の動作1610、ユーザを識別する第2の動作1620、レンズ情報をユーザ情報と比較する第3の動作1630、及び適合性を示す第4の動作1640を含む。1つ以上の取り外し可能なレンズアセンブリ120を識別する第1の動作1610は、コントローラ1450と協働して、1つ以上のレンズ検出センサ1418aによって実行されてもよい。第1の動作1610はまた、レンズ情報を判定することを含み得る。ユーザを識別する第2の動作1620は、ユーザからクレデンシャルを受信することによって、及び/又は外部デバイス1460とのユーザ認証によって、生体測定的に(例えば、コントローラ1450と協働して、生体センサ1418dによって協働的に)実行されてもよい。第2の動作1620はまた、ユーザ情報を判定することを含み得る。レンズ適合性を判定する第3の動作1630は、例えば、適合性判定部1500によりコントローラ1450を用いて、レンズ情報をユーザ情報と比較することによって実行される。適合性を示す第4の動作1640は、例えば、コントローラ1450によって動作されるヘッドマウントディスプレイユニット110を用いて実行される。適合性がある場合、ディスプレイシステム100の通常動作であり得る、正の指標が提供される。適合性がない場合、不適合性を反映した(例えば、コントローラ1450によって動作されるヘッドマウントディスプレイユニット110によって)負の指標が提供される。
【0076】
図17を参照すると、コントローラ1450の例示的なハードウェア構成が示されている。コントローラ1450は、一般に、処理デバイス1710(例えば、プロセッサ又はCPU)、メモリ1720(例えば、ランダムアクセスメモリモジュールなどの揮発性短期メモリ)、記憶装置1730(例えば、ハードディスク又はソリッドステートドライブなどの長期記憶デバイス)、コントローラが他の構成要素(例えば、ディスプレイモジュール116及び様々なセンサ)との間で信号を送受信する通信インタフェース1740、並びにコントローラ1450の他の構成要素が互いに通信するバス1750、を含み得る。コントローラ1450は、ヘッドマウントディスプレイユニット110に物理的に接続されてもよく、又は別の方法でそれと通信してもよい。ディスプレイシステム100は、追加のコントローラ1450又はその構成要素を含み得る。コントローラ1450は、本明細書に記載される方法及び動作を実行するために処理デバイス1710によって実行可能な命令を含む(例えば、記憶装置1730によって記憶された)ソフトウェアプログラミングを含んでもよい。
【0077】
物理的環境とは、人々が電子システムの助けなしに、感知及び/又は相互作用することができる物理的世界を指す。物理的な公園などの物理的環境には、物理的な木々、物理的な建物、及び物理的な人々などの物理的物品が挙げられる。人々は、視覚、触覚、聴覚、味覚、及び臭覚などを介して、物理的環境を直接感知し、及び/又はそれと相互作用することができる。
【0078】
対照的に、コンピュータ生成現実(computer-generated reality、CGR)環境は、人々が電子システムを介して感知及び/又は相互作用する全体的又は部分的にシミュレーションされた環境を指す。CGRでは、人の身体運動のサブセット又はその表現が追跡され、それに応じて、CGR環境内でシミュレートされた1つ以上の仮想オブジェクトの1つ以上の特性が、少なくとも1つの物理学の法則でふるまうように調整される。例えば、CGRシステムは、人の頭部の回転を検出し、それに応じて、そのようなビュー及び音が物理的環境においてどのように変化し得るかと同様の方法で、人に提示されるグラフィックコンテンツ及び音場を調整することができる。状況によっては(例えば、アクセス性の理由から)、CGR環境における仮想オブジェクト(単数又は複数)の特性(単数又は複数)に対する調整は、身体運動の表現(例えば、音声コマンド)に応じて行われてもよい。
【0079】
人は、視覚、聴覚、触覚、味覚及び嗅覚を含むこれらの感覚のうちのいずれか1つを使用して、CGRオブジェクトを感知し、かつ/又はCGRオブジェクトと相互作用してもよい。例えば、人は、3D空間において点音源の知覚を提供する、3D又は空間的広がりを有するオーディオ環境を作り出すオーディオオブジェクトを感知し、かつ/又はそれと相互作用することができる。別の例では、オーディオオブジェクトは、コンピュータ生成オーディオを含め、又は含めずに、物理的環境から周囲音を選択的に組み込むオーディオ透過性を可能にすることができる。いくつかのCGR環境では、人は、オーディオオブジェクトのみを感知し、及び/又はそれと相互作用することができる。
【0080】
CGRの例としては、仮想現実及び複合現実が挙げられる。
【0081】
仮想現実(virtual reality、VR)環境とは、1つ以上の感覚について、全面的にコンピュータ生成感覚入力に基づくように設計されたシミュレーション環境を指す。VR環境は、人が感知及び/又は相互作用することができる複数の仮想オブジェクトを含む。例えば、木、建物、及び人々を表すアバターのコンピュータ生成画像は、仮想オブジェクトの例である。人は、コンピュータ生成環境内に人が存在することのシミュレーションを通じて、かつ/又はコンピュータ生成環境内での人の身体運動のサブセットのシミュレーションを通じて、VR環境における仮想オブジェクトを感知し、かつ/又はそれと相互作用することができる。
【0082】
コンピュータ生成感覚入力に全面的に基づくように設計されたVR環境とは対照的に、複合現実(mixed reality、MR)環境は、コンピュータ生成感覚入力(例えば、仮想オブジェクト)を含むことに加えて、物理的環境からの感覚入力又はその表現を組み込むように設計されたシミュレーション環境を指す。仮想の連続体上で、現実環境は、一方の端部における完全に物理的な環境と、他方の端部における仮想現実環境との間のどこかにあるが、両端部は含まない。
【0083】
MR環境によっては、コンピュータ生成感覚入力は、物理的環境からの感覚入力の変更に応答し得る。また、MR環境を提示するためのいくつかの電子システムは、仮想オブジェクトが現実のオブジェクト(すなわち、物理的環境からの物理的物品又はその表現)と相互作用することを可能にするために、物理的環境に対する所在場所及び/又は向きを追跡することができる。例えば、システムは、仮想の木が物理的な地面に対して静止して見えるように、動きを考慮することができる。
【0084】
複合現実の例としては、拡張現実及び拡張仮想が挙げられる。
【0085】
拡張現実(augmented reality、AR)環境は、1つ以上の仮想オブジェクトが物理的環境上又はその表現上に重ねられたシミュレーション環境を指す。例えば、AR環境を提示するための電子システムは、人が物理的環境を直接見ることができる透明又は半透明のディスプレイを有してもよい。システムは、透明又は半透明のディスプレイ上に仮想オブジェクトを提示するように構成されていてもよく、それによって、人はシステムを使用して、物理的環境上に重ねられた仮想オブジェクトを知覚する。あるいは、システムは、不透明ディスプレイと、物理的環境の表現である、物理的環境の画像又はビデオをキャプチャする1つ以上の撮像センサとを有してもよい。システムは、画像又はビデオを仮想オブジェクトと合成し、その合成物を不透明なディスプレイ上に提示する。人は、システムを使用して、物理的環境の画像又はビデオによって物理的環境を間接的に見て、物理的環境上に重ねられた仮想オブジェクトを知覚する。本明細書で使用するとき、不透明ディスプレイ上に示される物理的環境のビデオは、「パススルービデオ」と呼ばれ、システムが、1つ以上の撮像センサ(単数又は複数)を使用して、物理的環境の画像をキャプチャし、不透明ディスプレイ上にAR環境を提示する際にそれらの画像を使用することを意味する。更に代替的に、システムは、仮想オブジェクトを、物理的環境に、例えば、ホログラムとして又は物理的表面上に投影するプロジェクションシステムを有してもよく、それによって、人は、システムを使用して、物理的環境上に重ねられた仮想オブジェクトを知覚する。
【0086】
拡張現実環境はまた、物理的環境の表現がコンピュータ生成感覚情報によって変換されるシミュレーション環境を指す。例えば、パススルービデオを提供する際に、システムは、1つ以上のセンサ画像を変換して、撮像センサによってキャプチャされた遠近法とは異なる選択された遠近法(例えば、視点)による面付けを行うことができる。別の例として、物理的環境の表現は、その一部分をグラフィカルに変更(例えば、拡大)することによって変換されてもよく、それにより、変更された部分を元のキャプチャ画像を表すが非写実的であるバージョンとすることができる。更なる例として、物理的環境の表現は、その一部分をグラフィカルに除去又は曖昧化することによって変換されてもよい。
【0087】
拡張仮想(augmented virtuality、AV)環境は、物理的環境からの1つ以上の感覚入力を仮想環境又はコンピュータ生成環境が組み込むシミュレーション環境を指す。感覚入力は、物理的環境の1つ以上の特性の表現であり得る。例えば、AVパークには、仮想の木及び仮想の建物があり得るが、顔がある人々は、物理的な人々が撮られた画像から写実的に再現される。別の例として、仮想オブジェクトは、1つ以上の撮像センサによって撮像された物理的物品の形状又は色を採用してもよい。更なる例として、仮想オブジェクトは、物理的環境における太陽の位置と一致する影を採用することができる。
【0088】
多種多様の電子システムが存在することによって、人が様々なCGR環境を感知し、かつ/又はCGR環境と相互作用できるようになる。例としては、ヘッドマウントシステム、プロジェクションベースシステム、ヘッドアップディスプレイ(heads-up display、HUD)、統合表示機能を有する車両ウィンドシールド、統合表示機能を有する窓、(例えば、コンタクトレンズと同様に)人の目の上に配置されるように設計されたレンズとして形成されたディスプレイ、ヘッドホン/イヤフォン、スピーカアレイ、入力システム(例えば、触覚フィードバックを有する又は有さない、ウェアラブル又はハンドヘルドコントローラ)、スマートフォン、タブレット、及びデスクトップ/ラップトップコンピュータ、が挙げられる。ヘッドマウントシステムは、1つ以上のスピーカ(単数又は複数)及び一体型不透明ディスプレイを有してもよい。あるいは、ヘッドマウントシステムは、外部の不透明ディスプレイ(例えば、スマートフォン)を受け入れるように構成されていてもよい。ヘッドマウントシステムは、物理的環境の画像若しくはビデオをキャプチャするための1つ以上の撮像センサ、及び/又は物理的環境の音声をキャプチャするための1つ以上のマイクロフォンを組み込んでいてもよい。不透明ディスプレイではなく、ヘッドマウントシステムは、透明又は半透明のディスプレイを有してもよい。透明又は半透明のディスプレイは、画像を表す光が人の目に向けられる媒体を有してもよい。ディスプレイは、デジタル光投影、OLED、LED、uLED、液晶オンシリコン、レーザスキャン光源、又はこれらの技術の任意の組み合わせを利用することができる。媒体は、光導波路、ホログラム媒体、光結合器、光反射器、又はこれらの任意の組み合わせであってもよい。一実施形態では、透明又は半透明のディスプレイは、選択的に不透明になるように構成されていてもよい。プロジェクションベースシステムは、グラフィック画像を人間の網膜上に投影する網膜投影技術を採用することができる。プロジェクションシステムはまた、例えば、ホログラムとして、又は物理的表面上に、仮想オブジェクトを物理的環境内に投影するように構成されていてもよい。
【0089】
上述のように、本技術の一態様は、様々なソースから利用可能なデータを収集及び使用して、異なるユーザのための異なる矯正レンズをヘッドマウントディスプレイユニットに収容することである。本開示は、いくつかの例において、この収集されたデータが、特定の人を一意に特定する個人情報データ、又は特定の人に連絡する若しくはその所在を突き止めるために使用できる個人情報データを含み得ることを考察する。そのような個人情報データとしては、人口統計データ、ロケーションベースのデータ、電話番号、電子メールアドレス、ツイッターID、自宅の住所、ユーザの健康又はフィットネスのレベル(例えば、バイタルサイン測定値、服薬情報、運動情報)に関するデータ若しくは記録、誕生日、又は任意のその他の識別情報若しくは個人情報を挙げることができる。
【0090】
本開示は、本技術におけるそのような個人情報データの使用がユーザの利益になる使用であり得る点を認識するものである。例えば、個人情報データを使用して、異なるユーザのための異なる矯正レンズを、ヘッドマウントディスプレイユニットに収容することができる。更に、ユーザに利益をもたらす、個人情報データに関する他の使用もまた、本開示によって考察される。例えば、健康データ及びフィットネスデータは、ユーザの全般的なウェルネスについての洞察を提供するために使用することができ、又は、ウェルネスの目標を追求するための技術を使用している個人への、積極的なフィードバックとして使用することもできる。
【0091】
本開示は、そのような個人情報データの収集、分析、開示、転送、記憶、又は他の使用に関与するエンティティが、確固たるプライバシーポリシー及び/又はプライバシー慣行を遵守することを考察する。具体的には、そのようなエンティティは、個人情報データを秘密として厳重に保守するための、業界又は政府の要件を満たしているか又は上回るものとして一般に認識されている、プライバシーのポリシー及び慣行を実施し、一貫して使用するべきである。そのようなポリシーは、ユーザによって容易にアクセス可能であるべきであり、データの収集及び/又は使用が変化するにつれて更新されるべきである。ユーザからの個人情報は、そのエンティティの合法的かつ正当な使用のために収集されるべきであり、それらの合法的使用を除いては、共有又は販売されるべきではない。更に、そのような収集/共有は、ユーザに告知して同意を得た後に実施されるべきである。更に、そのようなエンティティは、そのような個人情報データへのアクセスを保護して安全化し、その個人情報データへのアクセスを有する他者が、それらのプライバシーポリシー及び手順を遵守することを保証するための、あらゆる必要な措置を講じることを考慮するべきである。更に、そのようなエンティティは、広く受け入れられているプライバシーのポリシー及び慣行に対する自身の遵守を証明するために、第三者による評価を自らが受けることができる。更に、ポリシー及び慣行は、収集及び/又はアクセスされる具体的な個人情報データのタイプに適合されるべきであり、また、管轄権固有の考慮事項を含めた、適用可能な法令及び規格に適合されるべきである。例えば、アメリカ合衆国では、特定の健康データの収集又はアクセスは、医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律(Health Insurance Portability and Accountability Act、HIPAA)などの、連邦法及び/又は州法によって管理することができ、その一方で、他国における健康データは、他の規制及びポリシーの対象となり得るものであり、それに従って対処されるべきである。それゆえ、各国の異なる個人データのタイプに対して、異なるプライバシー慣行が保たれるべきである。
【0092】
前述のことがらにもかかわらず、本開示はまた、個人情報データの使用又は個人情報データへのアクセスを、ユーザが選択的に阻止する実施形態も考察する。すなわち、本開示は、そのような個人情報データへのアクセスを防止又は阻止するように、ハードウェア要素及び/又はソフトウェア要素を提供できることを考察する。例えば、ヘッドマウントディスプレイユニットに矯正レンズを提供又は収容する場合、本技術は、ユーザが、サービスの登録中又はその後いつでも、個人情報データの収集への参加の「オプトイン」又は「オプトアウト」を選択できるように構成することができる。別の実施例では、ユーザは、初期化プロセス中に個人情報を提供しないことを選択することができる。「オプトイン」及び「オプトアウト」の選択肢を提供することに加えて、本開示は、個人情報のアクセス又は使用に関する通知を提供することを考察する。例えば、ユーザの個人情報データにアクセスすることとなるアプリのダウンロード時にユーザに通知され、その後、個人情報データがアプリによってアクセスされる直前に再びユーザに注意してもよい。
【0093】
更に、本開示の意図は、個人情報データを、非意図的若しくは無認可アクセス又は使用の危険性を最小限に抑える方法で、管理及び処理するべきであるという点である。データの収集を制限し、データがもはや必要とされなくなった時点で削除することによって、危険性を最小限に抑えることができる。更に、適用可能な場合、特定の健康関連アプリケーションにおいて、ユーザのプライバシーを保護するために、データの非特定化を使用することができる。非特定化は、適切な場合には、特定の識別子(例えば、生年月日など)を除去すること、記憶されたデータの量又は特異性を制御すること(例えば、位置データを住所レベルよりも都市レベルで収集すること)、データがどのように記憶されるかを制御すること(例えば、データをユーザ全体にわたって情報集約すること)及び/又は他の方法によって、容易にすることができる。
【0094】
それゆえ、本開示は、1つ以上の様々な開示された実施形態を実施するための、個人情報データの使用を広範に網羅するものであるが、本開示はまた、そのような個人情報データにアクセスすることを必要とせずに、それらの様々な実施形態を実施することも可能であることを考察する。すなわち、本技術の様々な実施形態は、そのような個人情報データの全て又は一部分が欠如することにより、実施不可能となるものではない。例えば、構成指標及び/又は適合性指標は、ユーザに関連付けられたデバイスにより要求されているコンテンツ、レンズプロバイダに利用可能な他の非個人情報、若しくは公的に利用可能な情報などの、非個人情報データ又は最低最小限量の個人情報に基づいてもよい。