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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-07
(45)【発行日】2025-07-15
(54)【発明の名称】プログラム及びシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/216 20140101AFI20250708BHJP
   A63F 13/65 20140101ALI20250708BHJP
   A63F 13/55 20140101ALI20250708BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20250708BHJP
   A63F 13/58 20140101ALI20250708BHJP
【FI】
A63F13/216
A63F13/65
A63F13/55
A63F13/69
A63F13/58
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2024166939
(22)【出願日】2024-09-26
【審査請求日】2024-11-20
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】509070463
【氏名又は名称】株式会社コロプラ
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】得地 賢吾
【審査官】鶴岡 直樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-093119(JP,A)
【文献】特開2021-145916(JP,A)
【文献】特開2020-074822(JP,A)
【文献】国際公開第2017/090273(WO,A1)
【文献】特許第7497506(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F 13/00-98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
現実空間でのプレイヤの移動に関する情報が反映される第1オブジェクト、及び前記第1オブジェクトの移動方向及び位置を少なくとも含む条件に従って移動する第2オブジェクトを、前記現実空間に対応する仮想空間に配置させ、
前記第1オブジェクトの前記第2オブジェクトに近づく方向の移動に対応して、前記第1オブジェクトから離れる方向に前記第2オブジェクトを移動させ、
前記第1オブジェクトが前記第2オブジェクトに第1方向から近づいた場合と、前記第1オブジェクトが前記第2オブジェクトに前記第1方向とは異なる第2方向から近づいた場合とで、前記第2オブジェクトの移動に関するパラメータを変化させる、プログラム。
【請求項2】
コンピュータに、
現実空間でのプレイヤの移動に関する情報が反映される第1オブジェクト、及び前記第1オブジェクトの移動方向及び位置を少なくとも含む条件に従って移動する第2オブジェクトを、前記現実空間に対応する仮想空間に配置させ、
前記第1オブジェクトの前記第2オブジェクトに近づく方向の移動に対応して、前記第1オブジェクトから離れる方向に前記第2オブジェクトを移動させ、
前記第2オブジェクトに近づく前記第1オブジェクトの速度に応じて、前記第2オブジェクトの移動に関するパラメータを変化させる、プログラム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトとは異なる第3オブジェクトを前記仮想空間に配置させ、
前記第3オブジェクトに対して前記第2オブジェクトが所定の位置関係を満たした場合に、特定のイベントを発生させる、プログラム。
【請求項4】
請求項1または2に記載のプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記プレイヤが指定した前記仮想空間上の位置に、前記第2オブジェクトに影響を与える第3オブジェクトを配置させ、
前記第2オブジェクトに前記第3オブジェクトから受ける影響に応じた振る舞いをさせる、プログラム。
【請求項5】
請求項1または2に記載のプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記仮想空間に、各々が異なるプレイヤの移動に関する情報が反映される複数の前記第1オブジェクトを配置し、
複数の前記第1オブジェクトそれぞれの移動方向及び位置を少なくとも含む条件に従って、前記第2オブジェクトを移動させる、プログラム。
【請求項6】
請求項に記載のプログラムにおいて、
前記コンピュータに、前記仮想空間における前記第1オブジェクトから前記第2オブジェクトまでの距離が閾値以上になった場合に、前記特定のイベントと異なるイベントを発生させる、プログラム。
【請求項7】
現実空間でのプレイヤの移動に関する情報が反映される第1オブジェクト、及び前記第1オブジェクトの移動方向及び位置を少なくとも含む条件に従って移動する第2オブジェクトを、前記現実空間に対応する仮想空間に配置する配置手段と、
前記第1オブジェクトの前記第2オブジェクトに近づく方向の移動に対応して、前記第1オブジェクトから離れる方向に前記第2オブジェクトを移動させる行動手段とを備え、 前記行動手段は、前記第1オブジェクトが前記第2オブジェクトに第1方向から近づいた場合と、前記第1オブジェクトが前記第2オブジェクトに前記第1方向とは異なる第2方向から近づいた場合とで、前記第2オブジェクトの移動に関するパラメータを変化させる、システム。
【請求項8】
現実空間でのプレイヤの移動に関する情報が反映される第1オブジェクト、及び前記第1オブジェクトの移動方向及び位置を少なくとも含む条件に従って移動する第2オブジェクトを、前記現実空間に対応する仮想空間に配置する配置手段と、
前記第1オブジェクトの前記第2オブジェクトに近づく方向の移動に対応して、前記第1オブジェクトから離れる方向に前記第2オブジェクトを移動させる行動手段とを備え、
前記行動手段は、前記第2オブジェクトに近づく前記第1オブジェクトの速度に応じて、前記第2オブジェクトの移動に関するパラメータを変化させる、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、現実空間でのプレイヤの移動に追従して現実空間に対応する仮想空間でアバターを移動させ、仮想空間に配置されたオブジェクトに対してアバターが所定の位置関係を満たした場合にイベントを発生させる、所謂「位置情報ゲーム」が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第7497506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、興趣性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため、本発明に係るプログラムは、コンピュータに、現実空間でのプレイヤの移動に関する情報が反映される第1オブジェクト、及び前記第1オブジェクトの移動方向及び位置を少なくとも含む条件に従って移動する第2オブジェクトを、前記現実空間に対応する仮想空間に配置させ、前記第1オブジェクトの前記第2オブジェクトに近づく方向の移動に対応して、前記第1オブジェクトから離れる方向に前記第2オブジェクトを移動させ、前記第1オブジェクトが前記第2オブジェクトに第1方向から近づいた場合と、前記第1オブジェクトが前記第2オブジェクトに前記第1方向とは異なる第2方向から近づいた場合とで、前記第2オブジェクトの移動に関するパラメータを変化させる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、興趣性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態に係るシステムの概要を示す図である。
図2】サーバのハードウェア構成図である。
図3】ユーザ端末のハードウェア構成図である。
図4】第1実施形態に係るユーザ端末の機能ブロック図である。
図5】本人アバターがモンスターに、正面側(A)及び背面側(B)に近づいたときのモンスターの移動方向を示す図である。
図6】本人アバターがモンスターに、第1速度V1(A)及び第2速度V2(B)で近づいたときのモンスターの移動方向を示す図である。
図7】第1実施形態に係るイベント制御処理のフローチャートである。
図8】モンスターが檻に入る前(A)及び入った後(B)のフィールド画面の画面例である。
図9】変形例1(A)及び変形例2(B)に係るフィールドの例を示す図である。
図10】第2実施形態に係るフィールドの属性を示す図である。
図11】第2実施形態に係るユーザ端末の機能ブロック図である。
図12】第2実施形態に係るフィールドの例を示す図である。
図13】第3実施形態に係るイベント制御処理のフローチャートである。
図14】第3実施形態に係るフィールド画面の一例である。
図15】第3実施形態に係るバトル画面の例である。
図16】第3実施形態に係るフィールド画面の他の例である。
図17】第3実施形態に係るダンジョン画面の例である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態に係るシステム1を図面に基づいて説明する。なお、以下に記載する本発明の実施形態は、本発明を具体化する際の一例を示すものであって、本発明の範囲を実施形態の記載の範囲に限定するものではない。従って、本発明は、実施形態に種々の変更を加えて実施することができる。
【0009】
[システム1の概要]
図1は、本実施形態に係るシステム1の概要を示す図である。図1に示すように、システム1は、サーバ10と、ユーザ端末20A、20B、20C、20D(以下、これらを総称して、「ユーザ端末20」と表記することがある。)とを主に備える。なお、図1には4つのユーザ端末20が図示されているが、システム1に含まれるユーザ端末20の例はこれに限定されない。サーバ10及びユーザ端末20は、通信ネットワーク2を介して相互通信可能に接続されている。通信ネットワーク2の具体例は特に限定されないが、例えば、インターネット、移動体通信システム(例えば、4G、5Gなど)、Wi-Fi(登録商標)などの無線ネットワーク、またはこれらの組み合わせで構成される。
【0010】
本実施形態に係るシステム1は、ユーザ端末20上でゲームを実現するゲームシステムである。システム1が実現するゲームは、例えば、サーバ10と複数のユーザ端末20とが相互に通信することによって、複数のユーザ端末20それぞれで実現されるオンラインゲームである。但し、ゲームは、1台のユーザ端末20上で完結するオフラインゲームでもよい。他の例として、システム1は、複数のユーザ端末20A~20Dのユーザがアバターを介してコミュニケーションする仮想空間を実現してもよい。
【0011】
以下、ユーザ端末20を操作してゲームをプレイさせる(または、仮想空間内でアバターを行動させる)ユーザを「プレイヤ」と表記する。また、ユーザ端末20A、20B、20C、20Dのプレイヤを、プレイヤA、B、C、Dと表記する。さらに、プレイヤA、B、C、Dの分身として仮想空間内で行動するアバターを、アバターA、B、C、Dと表記する。
【0012】
[サーバ10の構成]
図2は、サーバ10のハードウェア構成図である。サーバ10は、複数のユーザ端末20それぞれのゲームデータを同期させることによって、オンラインゲームを実現する。サーバ10は、例えば、ワークステーション、またはパーソナルコンピュータなどの汎用コンピュータで実現される。図2に示すように、サーバ10は、プロセッサ11と、メモリ12と、ストレージ13と、入出力インタフェース14と、通信インタフェース15とを主に備える。サーバ10の各構成要素は、通信バス19に接続されている。
【0013】
プロセッサ11は、メモリ12またはストレージ13に格納されているサーバプログラム13Pに含まれる一連の命令を実行することによって、後述する処理を実現する。プロセッサ11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、その他のデバイスとして実現される。
【0014】
メモリ12は、サーバプログラム13P及びデータを一時的に保持する。サーバプログラム13Pは、例えば、ストレージ13からロードされる。データは、サーバ10に入力されたデータと、プロセッサ11によって生成されたデータとを含む。例えば、メモリ12は、RAM(Random Access Memory)、その他の揮発メモリとして実現される。
【0015】
ストレージ13は、サーバプログラム13P及びデータを永続的に保持する。ストレージ13は、例えば、ROM(Read-Only Memory)、ハードディスク装置、フラッシュメモリ、その他の不揮発記憶装置として実現される。また、ストレージ13は、メモリカードのように着脱可能な記憶装置として実現されてもよい。さらに他の例として、ストレージ13は、サーバ10に内蔵されることに代えて、外部記憶装置としてサーバ10に接続されていてもよい。このような構成によれば、例えば、アミューズメント施設のように複数のユーザ端末20が使用される場面において、サーバプログラム13Pやデータの更新を一括して行うことが可能になる。
【0016】
入出力インタフェース14は、モニタ、入力装置(例えば、キーボード、ポインティングデバイス)、外部記憶装置、スピーカ、カメラ、マイク、センサ等の外部装置をサーバ10に接続するためのインタフェースである。プロセッサ11は、入出力インタフェース14を通じて外部装置と通信する。入出力インタフェース14は、例えば、USB(Universal Serial Bus)、DVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)、その他の端子で用いて実現される。
【0017】
通信インタフェース15は、通信ネットワーク2に接続されている他の装置(例えば、ユーザ端末20)と通信する。通信インタフェース15は、例えば、LAN(Local Area Network)など有線通信インタフェース、Wi-Fi(Wireless Fidelity)、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)などの無線通信インタフェースとして実現される。
【0018】
[ユーザ端末20の構成]
ユーザ端末20は、例えば、HMD(Head Mounted Display)セット、タブレット端末、ウェアラブルデバイス、スマートグラス、スマートフォン、フィーチャーフォン、ラップトップ型コンピュータ、デスクトップコンピュータなどとして実現される。本実施形態では、図1に示すように、タブレット端末としてのユーザ端末20の例を説明する。
【0019】
図3は、ユーザ端末20のハードウェア構成図である。図3に示すように、ユーザ端末20は、プロセッサ21と、メモリ22と、ストレージ23と、通信インタフェース25と、モニタ31と、カメラ33、34と、マイク35と、スピーカ36と、動きセンサ41と、位置センサ42と、操作装置43(操作部)とを主に備える。ユーザ端末20の各構成要素は、通信バス29に接続されている。
【0020】
プロセッサ21、メモリ22、ストレージ23、通信IF25の構成は、サーバ10のプロセッサ11、メモリ12、ストレージ13、通信IF15と共通する。また、ストレージ23は、端末プログラム23Pを記憶する。
【0021】
モニタ31は、例えば図1に示すように、平板状の筐体の表面に設けられている。モニタ31は、画像または映像を表示する表示装置(表示部)である。カメラ33は、平板状の筐体の表面に取り付けられて、モニタ31を視認するユーザの顔を撮像する、所謂インカメラである。カメラ34は、平板状の筐体の裏面(モニタ31と反対側の面)に取り付けられて、周囲を撮像する、所謂アウトカメラである。
【0022】
マイク35は、ユーザの発話を音声信号(電気信号)に変換して出力する。スピーカ36は、音声信号を音声に変換してユーザに出力する。なお、ユーザ端末20は、スピーカ36に替えてイヤホンを含み得る。
【0023】
動きセンサ41は、筐体の動き(例えば、互いに直交する3軸周りの回転)を検知する。動きセンサ41は、例えば、角速度センサ、地磁気センサ、あるいは加速度センサで実現されてもよい。
【0024】
位置センサ42は、ユーザ端末20の現在地を検知する。なお、ユーザ端末20はユーザが所持していることを前提としているので、ユーザ端末20の位置は、ユーザ端末20を所持するユーザの位置に相当する。位置センサ42は、例えば、GPS(Global Positioning Satellite)からの信号を取得して現在地を示す情報(以下、「現在地情報」と表記する。)を出力する。現在地情報の具体例は特に限定されないが、例えば、現在地の緯度及び経度の組み合わせであってもよい。
【0025】
ユーザ端末20は、動きセンサ41や位置センサ42の検知結果を利用して、ユーザの歩数、移動距離、移動方向を算出してもよい。そして、ユーザ端末20は、算出した歩数、移動距離、移動方向の少なくとも1つをトリガとして、後述するイベントを進行してもよい。なお、ユーザの位置は、外部の機器(センサ)が検知した値を利用することで、特定してもよい。例えば、建物に配置されている撮影機器や位置センサ(赤外線センサなど)の検知した結果を利用することが考えられる。また、ユーザが複数の端末(機器)を所有し、機器同士のセンサの検知結果を共有することで、ユーザの位置を特定してもよい。
【0026】
操作装置43は、ユーザによるユーザ端末20に対する命令の入力(操作)を受け付ける。操作装置43は、例えば、モニタ31に重畳されて、ユーザによる各種タッチ操作を受け付けるタッチパネルである。すなわち、本実施形態に係るモニタ31は、タッチパネル式の表示部である。他の例として、ユーザ端末20は、ボタンや操作スティック等を備えたコントローラを、操作装置43として備えていてもよい。
【0027】
[システム1が実現するゲームの詳細]
本実施形態に係るシステム1は、例えば「位置情報ゲーム」を提供する。位置情報ゲームは、プレイヤが現実空間を移動するのに連動して、現実空間に対応するフィールドF(仮想空間)上でアバターを移動させる。また、位置情報ゲームは、複数のコンテンツを含む。コンテンツとは、例えば、達成目標(例えば、敵キャラクタを討伐する、アイテムを取得する、パズルをクリアする)を有するミニゲームを指し、コンテンツは、「ミッション」、「クエスト」、「タスク」などと呼ばれることもある。コンテンツは、コンテンツデータによって定義される。
【0028】
コンテンツは、予め定められた発生条件を満たした場合に発生する1以上のイベントを含む。一例として、イベントの発生条件は、フィールドF上に配置された目的地に対して、アバター(すなわち、プレイヤ)が所定の位置条件を満たしたことでもよい。他の例として、イベントの発生条件は、モニタ31の表示領域からオブジェクトが退出した(アバターからオブジェクトまでの距離が閾値以上になった)ことでもよい。さらに他の例として、イベントの発生条件は、モニタ31に表示された画面上の所定の位置が、操作装置43を通じて選択されたことでもよい。
【0029】
「フィールドF」は、例えば、ユーザ端末20(すなわち、プレイヤ)が存在している現実空間に対応する仮想空間である。フィールドFは、現実空間と完全に同一である必要はなく、プレイヤが「同じ場所」だと感じることができる程度に共通していればよい。フィールドFは、例えば、主要な道路や交差点の配置が現実空間と共通している。一方、フィールドFは、建物、関係者以外の人が立ち入ることのできない場所(例えば、高速道路、工場など)が現実空間と一致していなくてもよい。フィールドFの形状は、フィールドデータによって定義される。より詳細には、フィールドデータは、フィールドFの形状(例えば、道路、建物、公園など)を示すと共に、現実空間との対応関係を示す情報(例えば、緯度及び経度)を含む。また、フィールドFには、アバター及び各種オブジェクトが配置される。
【0030】
「アバター」は、例えば、3次元の座標を持つ立体的な形状の3Dオブジェクトである。アバターは、現実空間でのプレイヤの移動に関する情報が反映されるプレイヤの分身である。但し、アバターの具体例は、人の形をしていることに限定されず、動物、モンスター、ロボット、乗り物等でもよい。以下、ユーザ端末20に表示されるアバターのうち、当該ユーザ端末20のプレイヤが操作するアバターを「本人アバター」と表記し、他のプレイヤが操作するアバターを「他人アバター」と表記する。アバターの外観形状、所持品、及びパラメータ(例えば、攻撃力、防御力、体力、スキル、素早さ等の能力値)は、アバターデータによって定義される。
【0031】
なお、「現実空間でのプレイヤの移動に関する情報が反映される」とは、典型的には、現実空間で移動するプレイヤに連動して、アバターがフィールドF上を移動することを指す。但し、現実空間でのプレイヤと、仮想空間でのアバターとは、移動方向、移動速度、移動距離が厳密に一致していなくてもよい。また、現実空間でのプレイヤの移動のみならず、操作装置43を通じたオペレータの操作が反映されて、アバターが仮想空間を移動してもよい。
【0032】
「オブジェクト」とは、フィールドF上に配置可能なあらゆる物(例えば、檻C、モンスターM、アイテムX1、X2、ダンジョンD)を指す。オブジェクトは、対応する物の形状を表す3Dオブジェクトである。オブジェクトは、フィールドF上に固定されていてもよいし、フィールドF内を移動してもよい。オブジェクトの外観形状、特性、位置、及びパラメータは、オブジェクトデータによって定義される。また、アバターは、広義のオブジェクトに含まれる。
【0033】
「イベント」とは、例えば、アバターと敵キャラクタとバトルさせるバトルイベント、アイテムを取得する取得イベント、ムービー(映像)を視聴する視聴イベント、施設(例えば、街、城、宿屋、武器屋、教会、ダンジョンなど)でアバターを行動させる施設イベント、抽選によって選択されたゲーム媒体(例えば、装備、消費アイテム、ゲーム内通貨)をプレイヤ(本人アバター)に付与する抽選イベント、アバターの状態(例えば、体力の回復、職業や装備の変更、道具の整理)を変更する準備イベントなど、位置情報ゲームに実装可能なものであればよい。イベントの内容は、イベントデータによって定義される。
【0034】
バトルイベントは、例えば、アバター及び敵キャラクタが交互に行動(例えば、攻撃、スキルの発動、アイテムの使用など)するターン制バトルを実現するイベントである。すなわち、バトルイベントでは、モニタ31に表示したバトル画面(例えば、図15)上において、操作装置43を通じたプレイヤの指示に従ったアバターの行動と、端末プログラム23P(または、サーバプログラム13P)の指示に従った敵キャラクタの行動とが、交互に実行される。そして、アバター及び敵キャラクタの一方の行動に起因して他方の体力が減少し、アバター及び敵キャラクタのどちらかの体力が0になった場合に、バトルイベントが終了する。但し、バトルイベントの形態は、前述の例に限定されない。
【0035】
施設イベントは、フィールドF上に設置された施設アイコン(図16)を入口として、施設アイコンに対応する施設に本人アバターを進入させるイベントである。また、施設イベントは、操作装置43を通じたプレイヤの指示に従って、本人アバターを当該施設内で行動させるイベントである。フィールドFは第1仮想空間の一例であり、施設の仮想空間は第2仮想空間の一例である。なお、第2仮想空間は、現実空間に対応していてもよいし、対応していなくてもよい。
【0036】
抽選イベントは、候補となる複数のゲーム媒体のうちから、抽選によって選択されたゲーム媒体をプレイヤ(アバター)に付与するイベントである。候補となる複数のゲーム媒体それぞれには、当接確率が予め定められている。また、ゲーム内での価値(例えば、パラメータの高さ、レアリティ)が高いゲーム媒体ほど、当接確率が低く設定されている。ゲーム媒体とは、アバターが身に着ける装備(例えば、武器、防具、衣装、アクセサリ)、アバターが消費する消費アイテム(例えば、回復アイテム、バフアイテム、デバフアイテム)、他のゲーム媒体と交換可能なゲーム内通貨などが該当する。
【0037】
「所定の位置条件を満たす」とは、例えば、イベントの目的地を含む所定の領域にアバター(すなわち、プレイヤ)が入ったことを指してもよい。他の例として、「所定の位置条件を満たす」とは、アバターを含む所定の領域にイベントの目的地が入ったことを指してもよい。所定の領域の具体的な形状は特に限定されないが、例えば、イベントまたはアバターの位置を中心とする円形の領域である。すなわち、イベントの目的地にアバターが近接することによって、当該イベントが発生する。
【0038】
[ユーザ端末20Aの機能ブロック図]
図4は、第1実施形態に係るユーザ端末20Aの機能ブロック図である。図4に示すように、メモリ22にロードされた端末プログラム23Pは、ユーザ端末20(コンピュータ)を、配置手段210、行動手段220、及び発生手段230として機能させる。なお、ユーザ端末20は他の制御手段(例えば、位置情報ゲームを進行するための制御手段)をさらに備えていてもよい。以下、ユーザ端末20Aの機能ブロックについて説明するが、ユーザ端末20B、C、Dについても同様である。
【0039】
配置手段210は、フィールド画面(図8)に含まれるフィールドF上に、本人アバターA(第1オブジェクト)、モンスターM(第2オブジェクト)、檻C(第3オブジェクト)を配置する。
【0040】
本人アバターAは、ユーザ端末20AのプレイヤAの分身となって、フィールドF上で行動(例えば、移動、アイテムの使用、イベントの進行)する第1オブジェクトの一例である。配置手段210は、例えば、ストレージ23(または、ストレージ13)に記憶されたアバターデータで示される本人アバターAを、フィールドF上に配置する。
【0041】
モンスターMは、本人アバターAの移動方向及び位置を少なくとも含む条件(例えば、後述する移動ルール)に従って、フィールドF上を移動する第2オブジェクトの一例である。一例として、モンスターMは、檻Cによって捕獲されるキャラクタである。他の例として、モンスターMは、本人アバターAとバトルする敵キャラクタである。また、一例として、配置手段210は、サーバ10に指示されたフィールドF上の位置に、モンスターMを配置してもよい。他の例として、配置手段210は、操作装置43を通じてプレイヤAに指示されたフィールドF上の位置に、モンスターMを配置してもよい。
【0042】
檻Cは、イベントを発生させる目的となる第3オブジェクトの一例である。檻Cは、例えば、モンスターMを捕獲するためのオブジェクトである。一例として、配置手段210は、サーバ10に指示されたフィールドF上の位置に、檻Cを配置してもよい。他の例として、配置手段210は、操作装置43を通じてプレイヤAに指示されたフィールドF上の位置に、檻Cを配置してもよい。
【0043】
行動手段220(移動手段)は、アバターA及びモンスターMを、フィールド上で行動(例えば、移動、攻撃、スキルの発動、アイテムの使用)させる。行動手段220は、例えば、アバターAを行動させる第1行動手段221(第1移動手段)と、モンスターMを行動させる第2行動手段222(第2移動手段)とを含む。また、行動手段220は、檻Cをさらに移動させてもよい。
【0044】
第1行動手段221は、位置センサ42で検知した現実空間でのプレイヤAの移動に関する情報を反映して、フィールドF上でアバターAを移動させる。また、第1行動手段221は、操作装置43を通じたプレイヤAの操作に従って、アバターAを行動させる。また、第1行動手段221は、アバターAの行動を反映したアバターデータを、通信IF25を通じてサーバ10に送信する。サーバ10は、ユーザ端末20Aから受信したアバターデータを、他のユーザ端末20B、20C、20Dに送信する。これにより、全てのユーザ端末20A~20DでアバターAが同期して行動することができる。
【0045】
第2行動手段222は、予め定められた移動ルールに従って、フィールドF上でモンスターMを行動させる。第2行動手段222は、例えば、フィールドF上における本人アバターAの移動方向に対応する方向に、モンスターMを移動させる。より詳細には、第2行動手段222は、図5及び図6に示す移動ルールに従って、フィールドF上でモンスターMを移動させる。そして、第2行動手段222は、モンスターMの行動を反映したオブジェクトデータを、通信IF25を通じてサーバ10に送信する。サーバ10は、ユーザ端末20Aから受信したオブジェクトデータを、他のユーザ端末20B、20C、20Dに送信する。これにより、全てのユーザ端末20A~20DでモンスターMが同期して行動することができる。
【0046】
図5は、本人アバターAがモンスターMに、正面側(A)及び背面側(B)に近づいたときのモンスターMの移動方向を示す図である。図6は、本人アバターAがモンスターMに、第1速度V1(A)及び第2速度V2(B)で近づいたときのモンスターMの移動方向を示す図である。但し、モンスターMの移動ルールは、図5及び図6の例に限定されない。
【0047】
まず、第2行動手段222は、モンスターMを中心とする円の範囲外に本人アバターAが位置しているとき、モンスターMを現在位置に停止させてもよいし、予め定められたルールに従って移動させてもよいし、ランダムに移動させてもよい。また、第2行動手段222は、本人アバターAのモンスターMに近づく方向の移動に対応して、図5または図6にドットハッチングで示す移動範囲内で、モンスターMを移動させる。
【0048】
移動範囲とは、例えば、モンスターMを中心とする半径R1~R4(所定の距離の一例)の円のうち、本人アバターAから離れる方向で且つモンスターMを中心とする角度θ1~θ4(所定の角度の一例)の扇形の範囲である。すなわち、角度θ1~θ4は、移動範囲を示す扇形の中心角である。但し、移動範囲の具体的な形状は、図5及び図6の例に限定されない。すなわち、第2行動手段222は、アバターAがモンスターMに近づくのに対応して、アバターAから離れる方向にモンスターMを移動(すなわち、アバターAからモンスターMを退避)させる。
【0049】
なお、第2行動手段222は、例えば、移動範囲内において、抽選で決定した方向(例えば、乱数発生器が発生させた乱数で決定した方向)にモンスターMを移動させてもよい。また、第2行動手段222は、例えば、モンスターMの正面が移動方向を向くように、フィールドF上でモンスターMを回転させてもよい。移動範囲の決定方法は特に限定されないが、例えば以下の方法が考えられる。
【0050】
一例として、第2行動手段222は、図5に示すように、本人アバターAがモンスターMに近づく方向に応じて、距離R1、R2及び角度θ1、θ2を変化させる。より詳細には、第2行動手段222は、本人アバターAがモンスターMに正面側から近づいた場合に、図5(A)に示すように、本人アバターAがモンスターMに第1距離R1まで近づいたタイミングで、第1角度θ1の移動範囲内でのモンスターMの移動を開始させる。一方、第2行動手段222は、本人アバターAがモンスターMに背面側から近づいた場合に、図5(B)に示すように、本人アバターAがモンスターMに第2距離R2まで近づいたタイミングで、第2角度θ2の移動範囲内でのモンスターMの移動を開始させる。
【0051】
なお、モンスターMの正面側(第1方向の一例)とは、例えば、モンスターMの顔がある側(換言すれば、モンスターMの視界に入る側)を指す。モンスターMの背面側(第1方向と異なる第2方向の一例)とは、モンスターMの背中の側(換言すれば、モンスターMの視界に入らない側)を指す。正面側及び背面側は、モンスターMの形状によって予め定められているものとする。但し、第1方向及び第2方向は、モンスターMの正面側及び背面側に限定されず、互いに異なる方向であればよい。
【0052】
また、第1角度θ1は、第2角度θ2より大きい(θ1>θ2)。すなわち、第2行動手段222は、本人アバターAがモンスターMに正面側から近づいた場合の第1角度θ1を、本人アバターAがモンスターMに背面側から近づいた場合の第2角度θ2より大きくする。さらに、第2距離R2は、第1距離R1より短い(R1>R2)。すなわち、第2行動手段222は、本人アバターAがモンスターMに正面側から第1距離R1まで近づいたタイミングで、モンスターMの移動を開始させる。一方、第2行動手段222は、本人アバターAがモンスターMに背面側から第1距離R1より短い第2距離R2まで近づいたタイミングで、モンスターMの移動を開始させる。
【0053】
他の例として、第2行動手段222は、図6に示すように、モンスターMに近づく本人アバターAの移動速度(換言すれば、プレイヤAの移動速度)によって、距離R3、R4及び角度θ3、θ4を変化させる。より詳細には、第2行動手段222は、本人アバターAが第1速度V1でモンスターMに近づいた場合に、図6(A)に示すように、本人アバターAがモンスターMに第3距離R3まで近づいたタイミングで、第3角度θ3の移動範囲内でのモンスターMの移動を開始させる。一方、第2行動手段222は、本人アバターAが第2速度V2でモンスターMに近づいた場合に、図6(B)に示すように、本人アバターAがモンスターMに第4距離R4まで近づいたタイミングで、第4角度θ4の移動範囲内でのモンスターMの移動を開始させる。
【0054】
なお、第1速度V1は、第2速度V2より速い(V1>V2)。また、第3角度θ3は、第4角度θ4より大きい(θ3>θ4)。すなわち、第2行動手段222は、モンスターMに近づく本人アバターAの移動速度が速いほど、移動範囲の中心角を大きくする。また、第3距離R3は、第4距離R4より長い(R3>R4)。すなわち、第2行動手段222は、モンスターMに近づく本人アバターAの移動速度が速いほど、本人アバターAからモンスターMまでの距離が遠いタイミングで、モンスターMの移動を開始させる。
【0055】
さらに、第2行動手段222は、図5を参照して説明した移動ルールと、図6を参照して説明した移動ルールとを組み合わせて、モンスターMの移動を制御する。なお、角度θ1、θ2と、角度θ3、θ4との大小関係は特に限定されない。また、距離R1、R2と、距離R3、R4との大小関係は特に限定されない。
【0056】
すなわち、第2行動手段222は、図5に示すように、本人アバターAがモンスターMに第1方向から近づいた場合と、本人アバターAがモンスターMに第1方向とは異なる第2方向から近づいた場合とで、モンスターMの移動に関するパラメータ(例えば、距離R1、R2、角度θ1、θ2)を変化させてもよい。また、第2行動手段222は、図6に示すように、モンスターMに近づく本人アバターAの速度に応じて、モンスターMの移動に関するパラメータ(例えば、距離R3、R4、角度θ3、θ4)を変化させてもよい。また、移動に関するパラメータは前述の例に限定されず、モンスターMの移動距離や移動方向を含んでもよい。
【0057】
また、図5及び図6では、本人アバターAが近づいた場合のモンスターMの移動ルールを説明したが、モンスターMの移動ルールは前述の例に限定されない。すなわち、移動ルールには、本人アバターAがモンスターMから離れた場合のモンスターMの移動、本人アバターAがアイテムを使用した場合のモンスターMの移動についても定められていてもよい。
【0058】
[第1実施形態に係るイベント制御処理]
図7は、第1実施形態に係るイベント制御処理のフローチャートである。図8は、モンスターMが檻Cに入る前(A)及び入った後(B)のフィールド画面の画面例である。イベント制御処理は、アバターA、檻C、モンスターMの位置関係に応じて、イベントの発生を制御する処理である。
【0059】
サーバプログラム13Pが下記の処理をサーバ10(コンピュータの一例)に実行させ、端末プログラム23Pが下記の処理をユーザ端末20(コンピュータの他の例)に実行させることによって、ユーザ端末20上でゲームが進行する。以下、サーバプログラム13P(端末プログラム23P)がサーバ10(ユーザ端末20)に処理を実行させることを、単に「サーバ10(ユーザ端末20)が処理を実行する」と表記する。以下の説明では、ユーザ端末20A上で実現されるゲームを中心に説明する。
【0060】
なお、サーバ10及びユーザ端末20は、ゲームを進行させる前にユーザが利用するアカウントを特定し、特定されたアカウントを利用してゲームを進行させる処理を実行する。また、複数のアカウントが選択可能な場合、サーバ10及びユーザ端末20は、複数のアカウントのうち、進行を進めるアカウントを特定してから、ゲームを進行する処理を実行する。
【0061】
ユーザ端末20Aは、例えば、位置センサ42で検知した現在地情報を、現在進行中のアカウントに関連付けるために、通信IF25を通じてサーバ10に送信する。また、サーバ10は、例えば、ユーザ端末20Aから受信した現在地情報で示される現在地を含むフィールドFを示すフィールドデータを、進行中のアカウントに同期させるために、通信IF15を通じてユーザ端末20Aに送信する。
【0062】
端末プログラム23Pは、イベント制御処理を実行する前提として、図8(A)に示すフィールド画面をモニタ31に表示させる。フィールド画面には、サーバ10から受信したフィールドデータで示されるフィールドFが表示される。すなわち、フィールド画面には、現実空間におけるプレイヤAの現在地に対応する位置を含むフィールドFが表示される。そして、端末プログラム23Pは、現実空間におけるプレイヤAの移動に連動して、フィールド画面に表示するフィールドFを更新する。
【0063】
まず、端末プログラム23P(配置手段210)は、フィールド画面に含まれるフィールドFに、アバターA、檻C、及びモンスターMを配置する(S11)。より詳細には、配置手段210は、フィールドFのうち、位置センサ42で検知したプレイヤAの現在地に対応する位置に、アバターAを配置する。また、配置手段210は、例えば、操作装置43を通じてプレイヤAが選択したコンテンツを示すコンテンツデータを、通信IF25を通じてサーバ10から受信する。そして、配置手段210は、フィールドFのうち、コンテンツデータで示される位置に檻C及びモンスターMを配置する。但し、檻C及びモンスターMの位置を決定する方法は、前述の例に限定されない。また、ステップS16を実行するまで、檻Cの扉は開いているものとする。
【0064】
以下、プレイヤAが選択したコンテンツは、捕獲イベント(特定のイベントの一例)と、失敗イベント(特定のイベントと異なるイベントの一例)とを含むものとする。捕獲イベントは、モンスターMを檻Cで捕獲するイベントである。より詳細には、捕獲イベントは、檻Cで捕獲したモンスターMをコレクション(例えば、図鑑に登録)するものでもよいし、檻Cで捕獲したモンスターMを仲間に加えるものでもよいし、檻Cで捕獲したモンスターMとバトルするものでもよい。失敗イベントは、モンスターMを檻Cで捕獲できずにコンテンツが終了するイベントである。より詳細には、失敗イベントは、モンスターMが逃走するものでもよいし、モンスターMが強化されて本人アバターAを襲うものでもよい。但し、コンテンツに含まれるイベントの具体例は、前述の例に限定されない。
【0065】
次に、端末プログラム23P(第1行動手段221)は、現実空間でのプレイヤAの移動に関する情報を反映して、フィールドF上でアバターAを移動させる(S12:Yes)。より詳細には、第1行動手段221は、位置センサ42で検知したプレイヤAの現在地の変化に追従して、フィールドF上でアバターAを対応する位置に移動させる。また、第1行動手段221は、移動後のアバターAを示すアバターデータを、通信IF25を通じてサーバ10に送信する。
【0066】
次に、端末プログラム23P(第2行動手段222)は、フィールドF上におけるアバターAの移動方向及び位置を少なくとも含む条件に従って、モンスターMを移動させる(S13)。より詳細には、第2行動手段222は、図5及び図6を参照して説明した移動ルールに従って、フィールドF上でモンスターMを移動させる。また、第2行動手段222は、移動後のモンスターMを示すオブジェクトデータを、通信IF25を通じてサーバ10に送信する。
【0067】
次に、端末プログラム23Pは、モンスターMが檻Cに近接するか(S14:No)、フィールド画面におけるフィールドFの表示範囲からモンスターMが退出するまで(S15:No)、ステップS12~S13の処理を繰り返し実行する。すなわち、プレイヤAは、フィールド画面を見ながら現実空間を移動することによって、モンスターMを檻Cに追い込めばよい。
【0068】
そして、端末プログラム23P(発生手段230)は、モンスターMが檻Cに近接した場合に(S14:Yes)、図8(B)に示すように、モンスターMが入った檻Cの扉を閉じる(S16)。ステップS16は、檻CでモンスターMを捕獲する捕獲イベント(第1イベント)の一例である。但し、第1イベントの具体例は捕獲イベントに限定されない。
【0069】
モンスターMが檻Cに近接するとは、例えば、檻Cを中心とする所定の大きさの円の内側にモンスターMが進入することを指してもよい。これは、檻Cに対してモンスターMが所定の位置関係を満たしたことの一例である。また、第1イベントの発生条件は、檻Cに対してモンスターMが所定の位置関係を満たした状態で、所定の時間が経過したことでもよいし、操作装置43を通じてプレイヤAが檻Cを選択(例えば、フィールド画面上の檻Cの位置をタップ)したことでもよい。
【0070】
一方、端末プログラム23P(発生手段230)は、フィールド画面におけるフィールドFの表示範囲からモンスターMが退出した場合に(S15:Yes)、モンスターMが逃走するムービーを再生する(S17)。ステップS17は、モンスターMの捕獲に失敗した失敗イベント(第2イベント)の一例である。但し、第2イベントの具体例は、第1イベントと異なっていれば失敗イベントに限定されない。また、フィールドFの表示範囲からモンスターMが退出することは、フィールドF上における本人アバターAからモンスターMまでの距離が閾値以上になったことの一例である。
【0071】
[第1実施形態の作用効果]
第1実施形態によれば、フィールドF上における本人アバターAの移動方向及び位置を少なくとも含む条件に従ってモンスターMを移動させ、檻Cに対してモンスターMが所定の位置関係を満たした場合に捕獲イベントを発生させる。このように、フィールドF上における本人アバターA(換言すれば、現実空間におけるプレイヤA)の移動方向を考慮してイベントを発生させることによって、位置情報ゲームの興趣性が向上する。
【0072】
また、第1実施形態によれば、本人アバターAがモンスターMに近づくのに対応して、本人アバターAから離れる(逃げる)方向にモンスターMが移動する。そして、モンスターMを檻Cに追い込むように、現実空間でプレイヤAが移動するすることによって、コンテンツの目的が達成(特定のイベントが発生)される。これにより、本人アバターAを目的地に到達させるだけの位置情報ゲームと比較して、興趣性がさらに向上する。
【0073】
また、第1実施形態によれば、モンスターMの正面側または背面側から本人アバターAが近づくかによって、モンスターMの移動に関するパラメータ(すなわち、角度θ1、θ2、距離R1、R2)が変化する。これにより、モンスターMを檻Cに追い込む戦略性が高まるので、位置情報ゲームの興趣性がさらに向上する。
【0074】
また、第1実施形態によれば、本人アバターAの移動速度に応じてモンスターMの移動に関するパラメータ(すなわち、角度θ3、θ4、距離R3、R4)が変化する。これにより、モンスターMを檻Cに追い込む戦略性が高まるので、興趣性がさらに向上する。特に、本人アバターAの移動速度を遅くする方がモンスターMの移動をコントロールしやすくなるので、乗り物(例えば、自動車、バイク、自転車)を用いた位置情報ゲームのプレイを抑制することができる。
【0075】
さらに、第1実施形態によれば、本人アバターAからモンスターMまでの距離が閾値以上になった場合に失敗ベントを発生させることによって、本人アバターAとモンスターMとの距離を閾値未満に保ちながら、モンスターMを檻Cに追い込む必要が生じる。このように、捕獲イベントの発生に制約を設けることによって、モンスターMを檻Cに追い込む戦略性が高まるので、位置情報ゲームの興趣性がさらに向上する。
【0076】
[第1実施形態の変形例1]
図9(A)は、変形例1に係るフィールドFの例を示す図である。なお、第1実施形態との共通点の詳細な説明は省略し、相違点を中心に説明する。変形例1は、本人アバターA及び他人アバターBが協力してモンスターMを檻Cに追い込む点で第1実施形態と相違し、その他の点で第1実施形態と共通する。すなわち、変形例1では、ユーザ端末20A、20Bにおいて、同一のコンテンツが同期して実行されていることを前提とする。また、ユーザ端末20Aにおいて、本人アバターAは現実空間でのプレイヤAの移動に関する情報が反映される第1オブジェクトの一例であり、他人アバターBは現実空間でのプレイヤBの移動に関する情報が反映される第1オブジェクトの一例である。
【0077】
他人アバターBは、ユーザ端末20BのプレイヤAの分身となって、フィールドF上で行動するキャラクタである。変形例1に係る配置手段210は、例えば、サーバ10を通じてユーザ端末20Bからアバターデータを取得し、取得したアバターデータで示される他人アバターBをフィールドF上に配置する。また、ユーザ端末20Aのフィールド画面には、アバターBのみならず、アバターC、Dが配置されいていてもよい。
【0078】
変形例1に係る第1行動手段221は、通信IF25を通じてサーバ10(ユーザ端末20B)から受信したアバターデータに従って、フィールドF上の他人アバターBを行動させる。すなわち、第1行動手段221は、現実空間でのプレイヤBの移動に関する情報を反映して、ユーザ端末20Aのモニタ31に表示されたフィールドF上で他人アバターBを移動させる。また、第1行動手段221は、ユーザ端末20Bの操作装置43に対するプレイヤBの操作に従って、ユーザ端末20Aのモニタ31に表示されたフィールドF上で他人アバターBを行動させる。
【0079】
変形例1に係る第2行動手段222は、フィールドF上の本人アバターA及び他人アバターBの移動方向及び位置を少なくとも含む条件に従って、モンスターMを移動させる。より詳細には、第2行動手段222は、本人アバターAの移動方向に対応する第1移動範囲と、他人アバターBの移動方向に対応する第2移動範囲とを、図5及び図6を参照して説明した方法で個別に決定する。そして、第2行動手段222は、第1移動範囲及び第2移動範囲の重複した範囲でモンスターMを移動させる。モンスターMの具体的な移動方向は、例えば、抽選(乱数)によって決定される。
【0080】
そして、変形例1に係るサーバ10は、フィールドデータ、アバターデータ、オブジェクトデータを、ユーザ端末20A、20Bで同期させる。これにより、変形例1によれば、ユーザ端末20A、20Bそれぞれを通じて、プレイヤA、Bが協力してモンスターMを檻Cに追い込むことができる。すなわち、プレイヤA、Bは、協力してコンテンツをプレイすることができる。その結果、興趣性がさらに向上する。
【0081】
[第1実施形態の変形例2]
図9(B)は、変形例2に係るフィールドFの例を示す図である。なお、第1実施形態との共通点の詳細な説明は省略し、相違点を中心に説明する。変形例2は、本人アバターAに加えて、焚火X1または餌X2(以下、これらを総称して、「アイテムX1、X2」と表記することがある。)を用いてモンスターMを檻Cに追い込む点で第1実施形態と相違し、その他の点で第1実施形態と共通する。
【0082】
アイテムX1、X2は、モンスターMに影響を与える(典型的には、モンスターMの移動方向を制御する)第4オブジェクトの一例である。より詳細には、アイテムの一例である焚火X1は、モンスターMを排斥する第4オブジェクトの一例である。また、アイテムの他の例である餌X2は、モンスターMを誘因する第4オブジェクトの一例である。変形例2に係る配置手段210は、例えば、操作装置43を通じてプレイヤAが指定したフィールドF上の位置に、アイテムX1、X2を配置する。
【0083】
変形例2に係る第2行動手段222は、アイテムX1、X2とモンスターMとの位置関係に基づいて、モンスターMを行動させる。換言すれば、第2行動手段222は、モンスターMにアイテムX1、X2から受ける影響に応じた振る舞いをさせる。一例として、第2行動手段222は、焚火X1から遠ざかる方向にモンスターMを移動させる。他の例として、第2行動手段222は、餌X2に近づく方向にモンスターMを移動させる。アイテムX1、X2に対するモンスターMの具体的な移動方向は、第2実施形態で説明する。
【0084】
変形例2によれば、アバターAの移動方向に加えて、アイテムX1、X2を用いてモンスターMを檻Cに追い込むことができる。これにより、モンスターMを檻Cに追い込む戦略性が高まるので、興趣性がさらに向上する。
【0085】
但し、アイテムX1、X2の具体例は、前述の例に限定されない。すなわち、「モンスターMに影響を与える」とは、モンスターMの移動に対する影響のみならず、モンスターMのパラメータを変動させる(例えば、強くなる、回復する、ダメージを与える、状態異常(例えば、毒、しびれ、魅了)を発生させる)ことを含んでもよい。そして、モンスターMがアイテムを取得(例えば、毒キノコを食べる)ことによって、パラメータが変動してもよい。
【0086】
[第1実施形態の他の変形例]
第1実施形態、変形例1、及び変形例2の一部及び全部は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で組み合わせることができる。また、第2オブジェクトの具体例はモンスターMに限定されず、第3オブジェクトの具体例は檻Cに限定されない。第2オブジェクトを捕獲する第3オブジェクトの他の例として、落とし穴、罠などでもよい。また、第2オブジェクトの他の例として、動物、昆虫、兵士などでもよい。さらに、イベントは、第3オブジェクトで第2オブジェクトを捕獲するものに限定されない。
【0087】
イベントの他の例として、第2オブジェクトである敵キャラクタ(例えば、単体のキャラクタ、複数のキャラクタで構成された部隊)を、第3オブジェクトである武器(例えば、弓、大砲、銃、投石器)で攻撃するイベントでもよい。すなわち、コンテンツは、敵キャラクタを武器の射程内に追い込むものでもよい。そして、発生手段230は、敵キャラクタが武器の射程範囲に入った場合に、当該武器で敵キャラクタを攻撃するイベントを発生させてもよい。
【0088】
イベントのさらに他の例として、第2オブジェクトである敵キャラクタが、第3オブジェクトである目的地(例えば、基地、巣、餌場)に到達した場合に、敵キャラクタが強化(例えば、巨大化、パラメータ(攻撃力など)の上昇)されるイベントでもよい。すなわち、コンテンツは、敵キャラクタが目的地に到達するのを阻止するものでもよい。そして、発生手段230は、敵キャラクタが目的地に到達した場合に、敵キャラクタを強化するイベントを発生させてもよい。
【0089】
[第2実施形態]
図10図12を参照して、本発明の第2実施形態を説明する。なお、第1実施形態との共通点の詳細な説明は省略し、相違点を中心に説明する。第2実施形態に係る位置情報ゲームは、本人アバターAの移動によらず、アイテムX1、X2から受ける影響に応じてモンスターMを移動させる点で第1実施形態と相違し、その他の点で第1実施形態と共通する。また、第2実施形態の構成は、第1実施形態の変形例1に適用することもできる。第2実施形態において、アイテムX1、X2は第1オブジェクトの一例であり、モンスターMは第2オブジェクトの一例であり、檻Cは第3オブジェクトの一例であり、本人アバターAは第4オブジェクトの一例である。
【0090】
図10は、第2実施形態に係るフィールドFの属性を示す図である。第2実施形態に係るフィールドデータは、フィールドFの属性を示す属性データを含む。フィールドFの属性とは、例えば、フィールドF上の各領域の形態(例えば、水場、住宅地、森)、フィールドF上の傾斜(例えば、登り坂、下り坂)、フィールドF上の天候(例えば、晴れ、雨、風向き)を指す。図10の例では、斜線ハッチングで「水場」を示し、黒塗り矢印で「下り坂」を示し、白抜き矢印で「風向き」を示している。なお、フィールドF(仮想空間)の属性は、現実空間と同一でもよいし、現実空間と異なっていてもよい。
【0091】
図11は、第2実施形態に係るユーザ端末20Aの機能ブロック図である。図11に示すように、第2実施形態に係る端末プログラム23Pは、ユーザ端末20(コンピュータ)を、配置手段210、行動手段220、発生手段230に加えて、変化手段240としてさらに機能させる。
【0092】
第2実施形態に係る配置手段210は、フィールドF上にアイテムX1、X2を配置する。配置手段210は、例えば、操作装置43を通じてプレイヤAが指示(配置指示)したフィールドF上の位置に、アイテムX1、X2を配置する。より詳細には、配置手段210は、操作装置43を通じてプレイヤAから配置指示を受けた場合に、本人アバターAの位置にアイテムX1、X2を配置する。すなわち、プレイヤAは、現実空間を移動して配置指示を入力することによって、フィールドF上の所望の位置にアイテムX1、X2を配置することができる。
【0093】
また、配置手段210は、属性データで示されるフィールドFの属性に基づいて、プレイヤAが指示した位置に焚火X1を配置するか否かを判定してもよい。配置手段210は、例えば、本人アバターAが水場に配置されているときに配置指示が入力された場合に、本人アバターAの位置に焚火X1を配置する。一方、配置手段210は、例えば、本人アバターAが水場と異なる位置に配置されているときに配置指示が入力された場合に、本人アバターAの位置に焚火X1を配置しない。
【0094】
すなわち、フィールドFに設定された属性のうち、図10に斜線ハッチングした水場の領域は焚火X1を配置できる第1領域の一例であり、水場と異なる領域は焚火X1を配置できない第2領域の一例である。また、フィールドFに配置可能なアイテムは、フィールドFの一部の領域(すなわち、第1領域)にのみ配置可能な焚火X1と、フィールドFの全ての領域に配置可能な餌X2とを含んでもよい。
【0095】
第2実施形態に係る変化手段240は、フィールドF上で焚火X1を変化させる。変化手段240は、例えば、フィールドデータで示されるフィールドFの属性に従って、焚火X1を変化させる。なお、「焚火X1の変化」は、焚火X1の位置の変化(すなわち、移動)、焚火X1の大きさの変化(例えば、拡大、縮小)、焚火X1の形状の変化(すなわち、変形)の少なくとも1つを含む。また、フィールドFに配置可能なアイテムは、変化する焚火X1と、変化しない餌X2とを含んでもよい。
【0096】
図12は、第2実施形態に係るフィールドFの例を示す図である。一例として、変化手段240は、フィールドFの天候に応じて焚火X1の大きさを変化させてもよい。すなわち、変化手段240は、フィールドFの天候が雨のときに、焚火X1を徐々に小さく(すなわち、鎮火される)してもよい。また、変化手段240は、図12に示すように、フィールドFの天候が晴のときに、焚火X1を徐々に大きく(すなわち、燃え広がる)してもよい。さらに他の例として、変化手段240は、フィールドFの風向きに応じて焚火X1の形状を変化させてもよい。すなわち、変化手段240は、図12に示すように、フィールドFに含む風の風下に向かって、焚火X1を延長(すなわち、延焼する)してもよい。
【0097】
第2実施形態に係る第2行動手段222は、アイテムX1、X2から受ける影響に応じて、フィールドF上でモンスターMを移動させる。すなわち、プレイヤAは、モンスターMを檻Cに追い込むように、フィールドF上にアイテムX1、X2を配置すればよい。第2行動手段222がモンスターMを移動させる具体的な方法は特に限定されないが、例えば以下の方法が考えられる。
【0098】
一例として、第2行動手段222は、図12に破線で示すように、焚火X1を囲む排除領域(例えば、円、楕円)から出るように、モンスターMを移動させる。この排除領域は、焚火X1を囲み且つ焚火X1より大きい。また、排除領域の形状及び大きさは、焚火X1の変化に追従して変化する。そして、第2行動手段222は、例えば、形状が変化した排除領域にモンスターMが含まれた場合に、最短距離で排除領域から出るように、モンスターMを移動させる。すなわち、プレイヤAは、檻Cの風上にモンスターMが配置されているときに、モンスターMのさらに風上に焚火X1を配置すればよい。
【0099】
他の例として、第2行動手段222は、餌X2に近づくように、モンスターMを移動させる。第2行動手段222は、例えば、モンスターMと餌X2とを結ぶ直線に沿って、餌X2に近づくようにモンスターMを移動させる。すなわち、プレイヤAは、檻Cを挟んでモンスターMと反対側に餌X2を配置すればよい。
【0100】
[第2実施形態の作用効果]
第2実施形態によれば、アイテムX1、X2から受ける影響に応じてフィールドF上でモンスターMを移動させ、檻Cに対してモンスターMが所定の位置関係を満たした場合に捕獲イベントを発生させる。このように、フィールドF上におけるモンスターM及びアイテムX1、X2との位置関係を考慮してイベントを発生させることによって、位置情報ゲームの興趣性が向上する。
【0101】
また、第2実施形態によれば、本人アバターAの位置にアイテムX1、X2を配置するので、フィールド画面上のモンスターMの位置に応じて、現実空間を移動しながらプレイヤAがアイテムX1、X2を配置する。これにより、位置情報ゲームの趣旨を逸脱することなく、興趣性が向上する。
【0102】
また、第2実施形態によれば、フィールドFを、焚火X1を配置できる第1領域(すなわち、水場)と、焚火X1を配置できない第2領域とに区分することによって、モンスターMを檻Cに追い込む戦略性が高まるので、位置情報ゲームの興趣性がさらに向上する。
【0103】
さらに、第2実施形態によれば、焚火X1の位置、大きさ、形状を変化させることによって、モンスターMを檻Cに追い込む戦略性が高まるので、位置情報ゲームの興趣性がさらに向上する。
【0104】
[第2実施形態の変形例]
なお、フィールドFに配置可能なアイテムは、焚火X1、餌X2に限定されない。アイテムの他の例として、配置手段210は、岩や鉄球をフィールドFに配置してもよい。また、変化手段240は、フィールドFの下り坂に沿って岩や鉄球を移動させてもよい(すなわち、転がり落ちる)。
【0105】
[第3実施形態]
図13図17を参照して、本発明の第3実施形態を説明する。なお、第1実施形態との共通点の詳細な説明は省略し、相違点を中心に説明する。第3実施形態に係る位置情報ゲームは、モンスターMまたはダンジョンシンボルDに対して本人アバターAが近づく方向に基づいて、発生させるイベントを変更する点で第1実施形態と相違し、その他の点で第1実施形態と共通する。第3実施形態において、本人アバターAは第1オブジェクトの一例であり、モンスターM及びダンジョンシンボルDは第2オブジェクトの一例である。
【0106】
図13は、第3実施形態に係るイベント制御処理のフローチャートである。図14は、第3実施形態に係るフィールド画面の一例である。図15は、第3実施形態に係るバトル画面の例である。
【0107】
まず、端末プログラム23P(配置手段210)は、フィールド画面に含まれるフィールドFに、アバターA及びモンスターMを配置する(S21)。より詳細には、配置手段210は、フィールドFのうち、位置センサ42で検知したプレイヤAの現在地に対応する位置に、アバターAを配置する。また、配置手段210は、例えば、操作装置43を通じてプレイヤAが指定したフィールドF上の位置に、モンスターMを配置する。なお、バトルイベントを発生させる第2オブジェクトは、モンスターMそのものに限定されず、任意の目的地シンボルであってもよい。
【0108】
次に、端末プログラム23P(第1行動手段221)は、現実空間でのプレイヤAの移動に関する情報を反映して、フィールドF上でアバターAを移動させる(S22:Yes)。より詳細には、第1行動手段221は、位置センサ42で検知したプレイヤAの現在地の変化に追従して、フィールドF上でアバターAを対応する位置に移動させる。また、第1行動手段221は、移動後のアバターAを示すアバターデータを、通信IF25を通じてサーバ10に送信する。さらに、端末プログラム23P(第2行動手段222)は、予め定められたルールに従って、フィールドF上でモンスターMを移動させてもよい。若しくは、モンスターMは、プレイヤAが指定した位置に留まっていてもよい。
【0109】
次に、端末プログラム23P(発生手段230)は、本人アバターAがモンスターMにエンカウントするまで(S23:No)、ステップS22の処理を繰り返し実行し、ステップS24以降の処理の実行を待機する。本人アバターAがモンスターMにエンカウントするとは、モンスターMに対して本人アバターAが所定の位置関係を満たすことの一例である。
【0110】
また、発生手段230は、本人アバターAがモンスターMにエンカウントした場合に(S23:Yes)、本人アバターAがモンスターMに対して、図14(A)に示すようにモンスターMの正面側から近づいたか、図14(B)に示すようにモンスターMの背面側から近づいたかを判定する(S24)。モンスターMの正面側は第1方向の一例であり、モンスターMの背面側は第2方向の一例である。
【0111】
そして、発生手段230は、本人アバターAがモンスターMに正面側から近づいた場合に(S24:Yes)、図15(A)に示すバトル画面をモニタ31に表示させて、バトルイベントを発生させる(S25)。また、発生手段230は、図15(A)のバトル画面を通じたバトルイベント(ターン制バトル)において、本人アバターA及びモンスターMのパラメータによって、行動する順序を決定する。発生手段230は、例えば、本人アバターA及びモンスターMのうち、素早さが高い側を先に行動させる。
【0112】
一方、発生手段230は、本人アバターAがモンスターMに背面側から近づいた場合に(S24:No)、図15(B)に示すバトル画面をモニタ31に表示させて、バトルイベントを発生させる(S26)。また、発生手段230は、図15(B)のバトル画面を通じたバトルイベント(ターン制バトル)において、本人アバターA及びモンスターMのパラメータに拘わらず、本人アバターAを先に行動させる。
【0113】
ステップS25のバトルイベントは第1イベントの一例であり、ステップS26のバトルイベントは第2イベントの一例である。また、パラメータに拘わらず本人アバターAを先に行動させるバトルイベント(S26)は、パラメータに応じて行動する順序を決定するバトルイベント(S25)より本人アバターAに有利な効果を発動したイベントの一例である。換言すれば、ステップS25のバトルイベントは、ステップS26のバトルイベントより本人アバターAに不利な効果を発動したイベントの一例である。
【0114】
但し、本人アバターAに有利な効果を発動したイベントとは、先に行動できるバトルイベントに限定されない。他の例として、本人アバターAのパラメータが上昇(所謂、バフ)した状態で開始されるバトルイベントでもよいし、モンスターMのパラメータが低下(所謂、デバフ)した状態で開始されるバトルイベントでもよい。また、第2イベントは、第1イベントより有利であることに限定されない。他の例として、第1イベントは第1敵キャラクタとのバトルイベントであり、第2イベントは第1敵キャラクタと異なる第2敵キャラクタとのバトルイベントでもよい。
【0115】
図16は、第3実施形態に係るフィールド画面の他の例である。図17は、第3実施形態に係るダンジョン画面の例である。なお、処理フローは、図13と共通する。一方、図14及び図15との第1の相違点は、モンスターMに代えて、ダンジョンシンボルDをオブジェクトとした点にある。また、図14及び図15との第2の相違点は、モンスターMの正面側または背面側に代えて、ダンジョンシンボルDに北側(第1方向)または南側(第2方向)から本人アバターAが近づく点にある。
【0116】
図16に示すダンジョンシンボルDは、仮想空間であるダンジョン(図17)への入口である。ダンジョンは、フィールドF(仮想空間)と別の仮想空間の一例である。ダンジョンは、現実空間に対応していてもよいし、現実空間に対応していなくてもよい。また、ダンジョンは、3次元の空間に限定されず、2次元の平面でもよい。さらに、ダンジョンは、例えば図17に示すように、第1入口E1と、第2入口E2とを含む。第1入口E1及び第2入口E2は、異なる入口(すなわち、ダンジョン内の本人アバターAが移動可能な範囲のうちの異なる位置)である。
【0117】
そして、発生手段230は、本人アバターAがダンジョンシンボルDに南側から近づいた場合に(S24:Yes)、図17の第1入口E1からダンジョンに本人アバターAを進入させる(S25)。一方、発生手段230は、本人アバターAがダンジョンシンボルDに北側から近づいた場合に(S24:No)、図17の第2入口E2からダンジョンに本人アバターAを進入させる(S26)。すなわち、発生手段230は、本人アバターAがダンジョンシンボルDに近づく方向に基づいて、ダンジョンの異なる位置から本人アバターAの行動を開始させる。
【0118】
さらに、第1行動手段221は、操作装置43を通じたプレイヤAの操作に従って、ダンジョン内でアバターAを行動させる。また、ダンジョンには、本人アバターAが取得可能なアイテムIが配置されていてもよいし、本人アバターAとバトル可能なモンスターが配置されていてもよい。そして、発生手段230は、本人アバターAがダンジョンに進入した入口E1、E2に応じて、異なるアイテムIを本人アバターAに取得(すなわち、異なる取得イベントを発生)させてもよいし、異なるモンスターとバトル(すなわち、異なるバトルイベントを発生)させてもよい。また、第1入口E1及び第2入口E2は、目的地(アイテムIまたはモンスター)に到達するまでの距離が異なる入口でもよい。さらに、第1入口E1及び第2入口E2は、目的地に到達する難易度(例えば、途中に配置されたモンスターの数や強さ)が異なる入口でもよい。
【0119】
[第3実施形態の作用効果]
第3実施形態によれば、本人アバターAがモンスターMまたはダンジョンシンボルDに近づく方向に応じて、異なるイベントを発生させる。これにより、本人アバターAを目的地に到達させるだけの位置情報ゲームと比較して、興趣性がさらに向上する。
【0120】
また、第3実施形態によれば、本人アバターAがモンスターMに近づく方向に応じて、バトルイベントの有利及び不利を切り替えることによって、位置情報ゲームの戦略性が高まるので、興趣性がさらに向上する。また、本人アバターAがモンスターMに近づく方向に応じて、バトルするモンスターを切り替えることによって、所望のモンスターとバトルするためにプレイヤAが現実空間を迂回するなど、位置情報ゲームの興趣性がさらに向上する。
【0121】
さらに、第3実施形態によれば、本人アバターAがダンジョンシンボルDに近づく方向に応じて、本人アバターAがダンジョンに進入する際の入口E1、E2を切り替えることによって、位置情報ゲームの戦略性が高まるので、興趣性がさらに向上する。
【0122】
[第3実施形態の変形例]
変形例に係る配置手段210は、フィールド画面に含まれるフィールドFに、アバターA及び目的地シンボルを配置する。変形例に係る目的地シンボルは、例えば、抽選イベントを発生させるシンボルである。そして、変形例に係る発生手段230は、目的地シンボルに対してアバターAが第1方向から近づいた場合に第1抽選イベント(第1イベントの一例)を発生させ、目的地シンボルに対してアバターAが第2方向から近づいた場合に第2抽選イベント(第2イベントの一例)を発生させる。
【0123】
第2抽選イベントは、価値の高いゲーム媒体の当選確率が第1抽選イベントより高い抽選イベントである。一例として、第2抽選イベントは、候補となる複数のゲーム媒体は第1イベントと同一であり、価値の高い(例えば、レアリティが閾値以上の)ゲーム媒体の当選確率を第1抽選イベントより上昇させ、価値の低い(例えば、レアリティが閾値未満の)ゲーム媒体の当選確率を第1イベントより低下させてもよい。他の例として、第2抽選イベントは、第1抽選イベントで候補となる複数のゲーム媒体の一部を、より価値の高いゲーム媒体に置換してもよい。すなわち、第2抽選イベントは、第1抽選イベントよりアバターAに有利な効果を発動したイベントの他の例である。
【0124】
[その他の変形例]
上記の実施形態では、位置情報ゲームで実施形態を説明したが、位置情報を利用した各種アプリケーションサービスに適用してもよい。例えば、フィットネスアプリ、トレーニングアプリ、健康支援アプリ、交通案内アプリ、観光案内アプリなどがある。
【0125】
また、本発明に係るプログラムは、単一のプログラムに限定されず、複数のプログラムの集合体でもよい。また、本発明に係るプログラムは、単一の装置で実行されるものに限定されず、複数の装置で分担して実行されてもよい。さらに、サーバ10及びユーザ端末20の役割分担は、前述の例に限定されない。すなわち、サーバ10の処理の一部がユーザ端末20によって実行されてもよいし、ユーザ端末20の処理の一部がサーバ10によって実行されてもよい。本明細書で記載している実施形態は、一部または全体を各々組み合わせ可能であり、一部を他の要素に置き換え、追加、削除、変更してもよい。なお、明示的に本明細書に記載していない事項も、出願時の時点で公知の技術要素を適宜採用しても問題ない。
【0126】
さらに、プログラムによって実現される各手段の一部または全部は、集積回路などのハードウェアで実現することもできる。さらに、プログラムは、コンピュータによって読み出し可能な非一過性の記録媒体に記録されて提供されてもよい。記録媒体とは、例えば、ハードディスク、SDカード、DVDの他、インターネット上のサーバ等を指す。
【0127】
[付記1]
以下に、本発明の一部を纏める。
[課題]
例えば、本発明は、興趣性を向上させることを目的とする。
[解決手段]
(1)コンピュータに、
現実空間でのプレイヤの移動に関する情報が反映される第1オブジェクト、前記第1オブジェクトの移動方向及び位置を少なくとも含む条件に従って移動する第2オブジェクト、及び前記第2オブジェクトとは異なる第3オブジェクトを、前記現実空間に対応する仮想空間に配置させ、
前記第3オブジェクトに対して前記第2オブジェクトが所定の位置関係を満たした場合に、特定のイベントを発生させる、プログラム。
(2)上記(1)に記載のプログラムにおいて、
前記コンピュータに、前記第1オブジェクトの前記第2オブジェクトに近づく方向の移動に対応して、前記第1オブジェクトから離れる方向に前記第2オブジェクトを移動させる、プログラム。
(3)上記(2)に記載のプログラムにおいて、
前記コンピュータに、前記第1オブジェクトが前記第2オブジェクトに第1方向から近づいた場合と、前記第1オブジェクトが前記第2オブジェクトに前記第1方向とは異なる第2方向から近づいた場合とで、前記第2オブジェクトの移動に関するパラメータを変化させる、プログラム。
(4)上記(2)に記載のプログラムにおいて、
前記コンピュータに、前記第2オブジェクトに近づく前記第1オブジェクトの速度に応じて、前記第2オブジェクトの移動に関するパラメータを変化させる、プログラム。
(5)上記(1)に記載のプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記プレイヤが指定した前記仮想空間上の位置に、前記第2オブジェクトに影響を与える第4オブジェクトを配置させ、
前記第2オブジェクトに前記第4オブジェクトから受ける影響に応じた振る舞いをさせる、プログラム。
(6)上記(1)に記載のプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記仮想空間に、各々が異なるプレイヤの移動に関する情報が反映される複数の前記第1オブジェクトを配置し、
複数の前記第1オブジェクトそれぞれの移動方向及び位置を少なくとも含む条件に従って、前記第2オブジェクトを移動させる、プログラム。
(7)上記(1)に記載のプログラムにおいて、
前記コンピュータに、前記仮想空間における前記第1オブジェクトから前記第2オブジェクトまでの距離が閾値以上になった場合に、前記特定のイベントと異なるイベントを発生させる、プログラム。
上記プログラムの解決手段は、システム、方法、媒体、装置等の他のカテゴリに適宜適用してもよい。
[作用効果]
上記の解決手段(1)によれば、仮想空間における第1オブジェクト(換言すれば、現実空間におけるプレイヤ)の移動方向を考慮して特定のイベントを発生させることによって、位置情報ゲームの興趣性が向上する。
上記の解決手段(2)によれば、第2オブジェクトを第3オブジェクトに追い込むように、現実空間でプレイヤが移動するすることによって、特定のイベントが発生する。これにより、第1オブジェクトを目的地に到達させるだけの位置情報ゲームと比較して、興趣性がさらに向上する。
上記の解決手段(3)によれば、第2オブジェクトに対して第1オブジェクトが近づく方向によって、第2オブジェクトの移動に関するパラメータが変化する。これにより、第2オブジェクトを第3オブジェクトに追い込む戦略性が高まるので、位置情報ゲームの興趣性がさらに向上する。
上記の解決手段(4)によれば、第2オブジェクトに近づく第1オブジェクトの速度に応じて第2オブジェクトの移動に関するパラメータが変化する。これにより、第2オブジェクトを第3オブジェクトに追い込む戦略性が高まるので、位置情報ゲームの興趣性がさらに向上する。
上記の解決手段(5)によれば、第1オブジェクトに加えて、第4オブジェクトを用いて第2オブジェクトを第3オブジェクトに追い込むことができる。これにより、第2オブジェクトを第3オブジェクトに追い込む戦略性が高まるので、位置情報ゲームの興趣性がさらに向上する。
上記の解決手段(6)によれば、複数のプレイヤが協力して第2オブジェクトを第3オブジェクトに追い込むことができる。すなわち、複数のプレイヤは、協力してコンテンツをプレイすることができる。その結果、興趣性がさらに向上する。
上記の解決手段(7)によれば、第1オブジェクトから第2オブジェクトまでの距離が閾値以上になった場合に別のイベントを発生させることによって、第1オブジェクトと第2オブジェクトとの距離を閾値未満に保ちながら、第2オブジェクトを第3オブジェクトに追い込む必要が生じる。このように、第1イベントの発生に制約を設けることによって、第2オブジェクトを第3オブジェクトに追い込む戦略性が高まるので、位置情報ゲームの興趣性がさらに向上する。
【0128】
[付記2]
以下に、本発明の一部を纏める。
[課題]
例えば、本発明は、興趣性を向上させることを目的とする。
[解決手段]
(1)コンピュータに、
現実空間に対応する仮想空間に、第1オブジェクト、前記第1オブジェクトから受ける影響に応じて移動する第2オブジェクト、及び第3オブジェクトを配置させ、
前記第3オブジェクトに対して前記第2オブジェクトが所定の位置関係を満たした場合に、特定のイベントを発生させる、プログラム。
(2)上記(1)に記載のプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記現実空間でのプレイヤの移動に関する情報が反映される第4オブジェクトを、前記仮想空間に配置させ、
前記プレイヤからの配置指示を受けて、前記仮想空間の前記第4オブジェクトの位置に前記第1オブジェクトを配置させる、プログラム。
(3)上記(2)に記載のプログラムにおいて、
前記仮想空間は、前記第1オブジェクトを配置できる第1領域と、前記第1オブジェクトを配置できない第2領域とに区分されており、
前記コンピュータに、前記第4オブジェクトが前記第1領域に配置された状態で前記プレイヤから前記配置指示を受けた場合に、前記第4オブジェクトの位置に前記第1オブジェクトを配置させる、プログラム。
(4)上記(1)に記載のプログラムにおいて、
前記コンピュータに、前記仮想空間において、前記第1オブジェクトを変化させる、プログラム。
上記プログラムの解決手段は、システム、方法、媒体、装置等の他のカテゴリに適宜適用してもよい。
[作用効果]
上記の解決手段(1)によれば、仮想空間における第1オブジェクト、第2オブジェクト、及び第3オブジェクトの位置関係を考慮してイベントを発生させることによって、位置情報ゲームの興趣性が向上する。
上記の解決手段(2)によれば、第2オブジェクトの位置に応じて、現実空間を移動しながらプレイヤが第1オブジェクトを配置する。これにより、位置情報ゲームの趣旨を逸脱することなく、興趣性が向上する。
上記の解決手段(3)によれば、第1オブジェクトを配置できる第1領域と、第1オブジェクトを配置できない第2領域とに区分することによって、第2オブジェクトを第3オブジェクトに追い込む戦略性が高まるので、位置情報ゲームの興趣性がさらに向上する。
上記の解決手段(4)によれば、第1オブジェクトの位置、大きさ、形状を変化させることによって、第2オブジェクトを第3オブジェクトに追い込む戦略性が高まるので、位置情報ゲームの興趣性がさらに向上する。
【0129】
[付記3]
以下に、本発明の一部を纏める。
[課題]
例えば、本発明は、興趣性を向上させることを目的とする。
[解決手段]
(1)コンピュータに、
現実空間でのプレイヤの移動に関する情報が反映される第1オブジェクト、及び前記第1オブジェクトとは異なる第2オブジェクトを、前記現実空間に対応する仮想空間に配置させ、
前記第1オブジェクトが前記第2オブジェクトに第1方向から近づいた場合に、第1イベントを発生させ、
前記第1オブジェクトが前記第2オブジェクトに前記第1方向と異なる第2方向から近づいた場合に、前記第1イベントと異なる第2イベントを発生させる、プログラム。
(2)上記(1)に記載のプログラムにおいて、
前記第2イベントは、前記第1イベントより前記第1オブジェクトに有利な効果を発動したイベントである、プログラム。
(3)上記(2)に記載のプログラムにおいて、
前記第1イベントは、前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトのパラメータによって、行動する順序が決定されるバトルイベントであり、
前記第2イベントは、前記第1オブジェクトが先に行動するバトルイベントである、プログラム。
(4)上記(2)に記載のプログラムにおいて、
前記第2イベントは、前記第1イベントと比較して、前記第1オブジェクトのパラメータが上昇した状態、または前記第2オブジェクトのパラメータが低下した状態で開始されるバトルイベントである、プログラム。
(5)上記(2)に記載のプログラムにおいて、
前記第1イベントは、抽選によって選択されたゲーム媒体を前記第1オブジェクトに付与する抽選イベントであり、
前記第2イベントは、価値の高い前記ゲーム媒体の当選確率が前記第1イベントより高い抽選イベントである、プログラム。
(6)上記(1)に記載のプログラムにおいて、
前記第1イベントは、第1敵キャラクタと前記第1オブジェクトとのバトルイベントであり、
前記第2イベントは、前記第1敵キャラクタと異なる第2敵キャラクタと前記第1オブジェクトとのバトルイベントである、プログラム。
(7)上記(1)に記載のプログラムにおいて、
前記第2オブジェクトは、前記仮想空間と別の仮想空間への入口であり、
前記第1イベントでは、第1入口から前記別の仮想空間に前記第1オブジェクトが進入し、
前記第2イベントでは、前記第1入口と異なる第2入口から前記別の仮想空間に前記第1オブジェクトが進入する、プログラム。
上記プログラムの解決手段は、システム、方法、媒体、装置等の他のカテゴリに適宜適用してもよい。
[作用効果]
上記の解決手段(1)によれば、第1オブジェクトが第2オブジェクトに近づく方向に応じて、異なるイベントを発生させる。これにより、第1オブジェクトを目的地に到達させるだけの位置情報ゲームと比較して、興趣性がさらに向上する。
上記の解決手段(2)によれば、第1オブジェクトが第2オブジェクトに近づく方向に応じて、イベントの有利及び不利を切り替えることによって、位置情報ゲームの戦略性が高まるので、興趣性がさらに向上する。
上記の解決手段(3)によれば、バトルイベントでの行動順序を切り替えることによって、位置情報ゲームの戦略性が高まるので、興趣性がさらに向上する。
上記の解決手段(4)によれば、バトルイベントでの第1オブジェクト及び第2オブジェクトのパラメータを変更することによって、位置情報ゲームの戦略性が高まるので、興趣性がさらに向上する。
上記の解決手段(5)によれば、抽選イベントでの当選確率を変更することによって、位置情報ゲームの戦略性が高まるので、興趣性がさらに向上する。
上記の解決手段(6)によれば、バトルする敵キャラクタを切り替えることによって、所望の敵キャラクタとバトルするためにプレイヤが現実空間を迂回するなど、位置情報ゲームの興趣性がさらに向上する。
上記の解決手段(7)によれば、第1オブジェクトが第2オブジェクトに近づく方向に応じて、第1オブジェクトが別の仮想空間に進入する際の入口を切り替えることによって、位置情報ゲームの戦略性が高まるので、興趣性がさらに向上する。
【符号の説明】
【0130】
1…システム、2…通信ネットワーク、10…サーバ、11,21…プロセッサ、12,22…メモリ、13,23…ストレージ、13P…サーバプログラム、14…入出力インタフェース、15,25…通信インタフェース、19,29…通信バス、20…ユーザ端末、23P…端末プログラム、31…モニタ、33,34…カメラ、35…マイク、36…スピーカ、41…動きセンサ、42…位置センサ、43…操作装置
【要約】
【課題】興趣性を向上させることができるプログラムを提供する。
【解決手段】プログラムは、コンピュータに、現実空間でのプレイヤの移動に関する情報が反映される第1オブジェクト、第1オブジェクトの移動方向及び位置を少なくとも含む条件に従って移動する第2オブジェクト、及び第2オブジェクトとは異なる第3オブジェクトを、現実空間に対応する仮想空間に配置させ、第3オブジェクトに対して第2オブジェクトが所定の位置関係を満たした場合に、特定のイベントを発生させる。
【選択図】図7
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17