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特許7708963円筒形バッテリーセル、それを含むバッテリー及び自動車並びに集電板
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-07
(45)【発行日】2025-07-15
(54)【発明の名称】円筒形バッテリーセル、それを含むバッテリー及び自動車並びに集電板
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/583 20210101AFI20250708BHJP
   H01M 50/107 20210101ALI20250708BHJP
   H01M 50/152 20210101ALI20250708BHJP
   H01M 50/167 20210101ALI20250708BHJP
   H01M 50/179 20210101ALI20250708BHJP
   H01M 50/184 20210101ALI20250708BHJP
   H01M 50/342 20210101ALI20250708BHJP
   H01M 50/531 20210101ALI20250708BHJP
   H01M 50/536 20210101ALI20250708BHJP
   H01M 50/538 20210101ALI20250708BHJP
   H01M 50/55 20210101ALI20250708BHJP
   H01M 50/559 20210101ALI20250708BHJP
   H01M 50/56 20210101ALI20250708BHJP
   H01M 50/567 20210101ALI20250708BHJP
   H01M 50/586 20210101ALI20250708BHJP
   H01M 50/593 20210101ALI20250708BHJP
【FI】
H01M50/583
H01M50/107
H01M50/152
H01M50/167
H01M50/179
H01M50/184 D
H01M50/342 101
H01M50/531
H01M50/536
H01M50/538
H01M50/55 201
H01M50/559
H01M50/56
H01M50/567
H01M50/586
H01M50/593
【請求項の数】 52
(21)【出願番号】P 2024502541
(86)(22)【出願日】2022-10-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-24
(86)【国際出願番号】 KR2022016747
(87)【国際公開番号】W WO2023075523
(87)【国際公開日】2023-05-04
【審査請求日】2024-01-16
(31)【優先権主張番号】10-2021-0147347
(32)【優先日】2021-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0012575
(32)【優先日】2022-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0089234
(32)【優先日】2022-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジン-イ・チェ
(72)【発明者】
【氏名】ドゥク-ヒュン・リュ
【審査官】瀧口 博史
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0040176(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0256433(US,A1)
【文献】特開2012-015102(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0300419(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0177387(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第112909445(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第113346201(CN,A)
【文献】中国実用新案第215578629(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状の第1電極板及び第2電極板とこれらの間に介在された分離膜が一方向へ巻き取られた構造を有するゼリーロール型の電極組立体において、前記第1電極板は、長辺端部に活物質層がコーティングされていない第1非塗布部を含み、前記第1非塗布部が、前記電極組立体の中心を基準にして複数の巻回ターンを形成しながら前記分離膜の外部に露出され、その自体として電極タブとして用いられる電極組立体と、
前記電極組立体が収納される開放部、及び前記開放部とは反対側に部分的な閉鎖部を有し、前記第2電極板と電気的に接続する電池缶と、
前記第1電極板の第1非塗布部と電気的に接続し、過電流が流れると切れるヒューズ部が形成された集電板と、
前記電池缶の閉鎖部の貫通孔を通して前記集電板と接続するセル端子と、を含む、円筒形バッテリーセル。
【請求項2】
前記セル端子の底面には、少なくとも一部に前記電池缶の閉鎖部の内部面と平行な平坦部が形成され、前記集電板は、前記セル端子の平坦部と結合することを特徴とする、請求項1に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項3】
前記集電板は、
前記第1非塗布部の端部が折り曲げられて形成された結合面に結合することを特徴とする、請求項1または2に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項4】
前記電極組立体は、前記電極組立体の半径方向に沿って溶接ターゲット領域を備え、
前記集電板は、前記溶接ターゲット領域内で前記第1非塗布部と結合することを特徴とする、請求項1または2に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項5】
前記集電板は、
前記電極組立体の上部に配置される縁部と、
前記縁部から内側へ延び、前記第1非塗布部と結合する非塗布部結合部と、
前記非塗布部結合部から離隔し、前記セル端子に結合する端子結合部と、
前記縁部から内側へ延び、前記端子結合部と連結され、前記ヒューズ部が形成された連結部を含み、
前記ヒューズ部は、同じ電流が流れる条件で、他の領域よりも大きい抵抗を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項6】
前記縁部は、内側領域の少なくとも一部が空いているリム形態であることを特徴とする、請求項5に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項7】
前記非塗布部結合部と前記端子結合部とは、前記縁部を介して電気的に接続することを特徴とする、請求項5に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項8】
前記端子結合部は、前記縁部の内側空間の中心部に位置することを特徴とする、請求項5に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項9】
前記端子結合部は、前記電極組立体のコアに存在する空洞の直径に対して100%~110%の直径を有することを特徴とする、請求項5に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項10】
前記ヒューズ部が、前記連結部に形成された少なくとも一つのノッチであることを特徴とする、請求項5に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項11】
前記ノッチが、前記連結部の幅方向の端部、前記連結部の上面または前記連結部の下面に形成されたことを特徴とする、請求項10に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項12】
前記ノッチが、前記連結部の幅または厚さを段階的にまたは連続的に減少させる方向へ前記連結部の内側に向かって凹んで形成されたことを特徴とする、請求項11に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項13】
前記ヒューズ部の最小幅が、0.5mm~4.0mmであることを特徴とする、請求項12に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項14】
前記ヒューズ部は、前記連結部に形成された少なくとも一つの貫通孔であることを特徴とする、請求項5に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項15】
前記貫通孔は、最長幅が0.2mm~6mmであることを特徴とする、請求項14に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項16】
前記ヒューズ部がテープによって巻かれていることを特徴とする、請求項5に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項17】
前記テープが、ポリイミド材質を含むことを特徴とする、請求項16に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項18】
前記ヒューズ部が、前記電極組立体の中心からその最大半径の40%~90%の距離分だけ離隔するように前記連結部に形成されたことを特徴とする、請求項5に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項19】
前記第1非塗布部の少なくとも一部区間が、前記電極組立体の巻取方向に沿って複数の分節片に分割されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項20】
前記複数の分節片の少なくとも一部が、前記電極組立体の半径方向へ折り曲げられることを特徴とする、請求項19に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項21】
前記複数の分節片の少なくとも一部が、前記電極組立体の半径方向に沿って多重に重畳することを特徴とする、請求項20に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項22】
前記複数の分節片の残りは、折り曲げられておらず、
前記ヒューズ部は、前記複数の分節片のうち非折曲の分節片からずれて前記複数の分節片のうち折り曲げられた分節片の上部に位置することを特徴とする、請求項20に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項23】
前記複数の分節片の残りは、切断されており、
前記ヒューズ部は、前記複数の分節片のうち切断された分節片からずれて前記複数の分節片のうち折り曲げられた分節片の上部に位置することを特徴とする、請求項20に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項24】
前記集電板の前記端子結合部の一面に形成される溶接ビードによって描かれる溶接パターンは、前記セル端子の底面の中心部を囲む形態で描かれることを特徴とする、請求項5に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項25】
前記溶接パターンが、連続的または不連続的に形成されることを特徴とする、請求項24に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項26】
前記集電板の前記端子結合部と前記セル端子の底面との間に形成される溶接部の引張力が、2kgf以上であることを特徴とする、請求項5に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項27】
前記集電板の前記端子結合部の一面に形成される溶接ビードによって描かれる溶接パターンの換算直径が、2mm以上であることを特徴とする、請求項26に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項28】
前記電池缶の前記開放部を密閉するように構成されるキャッププレートをさらに含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項29】
前記キャッププレートが、前記電極組立体から電気的に分離されて非極性で設けられることを特徴とする、請求項28に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項30】
前記閉鎖部には貫通孔が形成され、
前記セル端子が前記貫通孔に結合することを特徴とする、請求項28に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項31】
前記閉鎖部と前記集電板との間に介在されるインシュレータをさらに含むことを特徴とする、請求項30に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項32】
前記インシュレータが、絶縁ポリマー材質を含むことを特徴とする、請求項31に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項33】
前記インシュレータが、弾性を有する材質から構成されたことを特徴とする、請求項31に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項34】
前記インシュレータは、中心部に予め設定された直径を有する中心孔を備えることを特徴とする、請求項31に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項35】
前記インシュレータは、前記電池缶の閉鎖部の内面と前記集電板との距離に対応する厚さを有することを特徴とする、請求項31に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項36】
前記インシュレータの上面が、前記電池缶の閉鎖部の内面に接触し、前記インシュレータの下面が、前記集電板の上面に接触することを特徴とする、請求項31に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項37】
前記セル端子が、端子挿入部を備え、
前記端子挿入部が、前記貫通孔から電池缶の内部に挿入されることを特徴とする、請求項34に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項38】
前記セル端子は、前記端子挿入部の下部の周縁部が前記電池缶の上端部の内面に向かってリベッティングされて前記貫通孔に固定されることを特徴とする、請求項37に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項39】
前記インシュレータの前記中心孔の直径が、前記端子挿入部の直径よりも大きいか、または同一であることを特徴とする、請求項37に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項40】
前記セル端子の端子挿入部が、前記インシュレータの前記中心孔を貫通することを特徴とする、請求項37に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項41】
前記セル端子の端子挿入部が、前記インシュレータの前記中心孔を貫通し、前記集電板と電気的に結合することを特徴とする、請求項37に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項42】
前記キャッププレートの周縁部と前記電池缶の前記開放部との間に介在された密封ガスケットを含み、
前記電池缶が、前記開放部に隣接する領域に前記電池缶の内側へ圧入されたビーディング部を含み、
前記電池缶が、前記電池缶の内側へ延びて曲げられ、前記密封ガスケットと共に前記キャッププレートの周縁部を囲んで固定するクリンピング部と、を含むことを特徴とする、請求項28に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項43】
前記クリンピング部が、前記電池缶の配置状態を基準にして前記電池缶の下方に形成されることを特徴とする、請求項42に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項44】
前記キャッププレートが、前記電池缶の内圧が臨界値を超過すると破裂するベントノッチを含むことを特徴とする、請求項28に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項45】
前記ベントノッチが、前記キャッププレートの両面に形成され、前記キャッププレートの表面で連続の円形パターン、不連続の円形パターン及び直線パターンのうち少なくとも一つのパターンに形成されることを特徴とする、請求項44に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項46】
前記ベントノッチが、前記電池缶の配置状態を基準にして前記電池缶の下端に形成され、前記ベントノッチが破裂すると、前記電池缶の内部のガスが前記電池缶の下端から排出されることを特徴とする、請求項44に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項47】
前記電極組立体の下部に結合する下部集電板をさらに含むことを特徴とする、請求項42に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項48】
前記下部集電板は、縁部の少なくとも一部が前記ビーディング部に電気的に結合し、前記縁部を除いた残りの部分の少なくとも一部が前記第2電極板の第2非塗布部と電気的に接続することを特徴とする、請求項47に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項49】
前記下部集電板は、端部の少なくとも一部が前記ビーディング部の上面及び下面のうち前記クリンピング部に隣接する面に電気的に結合することを特徴とする、請求項48に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項50】
前記下部集電板と前記ビーディング部とがレーザー溶接されることを特徴とする、請求項49に記載の円筒形バッテリーセル。
【請求項51】
請求項1または2に記載の円筒形バッテリーセルを少なくとも一つ含む、バッテリーパック。
【請求項52】
請求項51に記載のバッテリーパックを少なくとも一つ含む、自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円筒形バッテリーセル、それを含むバッテリーパック及び自動車に関する。
【0002】
本出願は、2021年10月29日出願の韓国特許出願第10-2021-0147347号、2022年01月27日出願の韓国特許出願第10-2022-0012575号及び2022年07月19日出願の韓国特許出願第10-2022-0089234号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
製品群に応じた適用が容易であり、且つ、高いエネルギー密度などの電気的特性を有する二次電池は、携帯用機器だけでなく、電気的駆動源によって駆動する電気自動車(Electric Vehicle;EV)、ハイブリッド自動車(Hybrid Electric Vehicle;HEV)などに普遍的に適用されている。
【0004】
このような二次電池は、化石燃料の使用を画期的に減少できるという一次的な長所だけでなく、エネルギーの使用に伴う副産物が全く生じないという点で、環境にやさしく、エネルギー効率の向上のための新しいエネルギー源として注目を集めている。
【0005】
現在、広く使用される二次電池の種類としては、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池などがある。このような単位二次電池セルの作動電圧は約2.5V~4.5Vである。
【0006】
したがって、それよりさらに高い出力電圧が要求される場合、複数のバッテリーセルを直列に接続してバッテリーパックを構成する。また、バッテリーパックに要求される充放電容量に応じて複数のバッテリーセルを並列に接続してバッテリーパックを構成し得る。したがって、バッテリーパックに含まれるバッテリーセルの数及び電気的接続形態は、要求される出力電圧または充放電容量に応じて多様に設定可能である。
【0007】
一方、二次電池セルの種類として、円筒形、角形及びパウチ型のバッテリーセルが知られている。円筒形バッテリーセルの場合、正極と負極の間に絶縁体である分離膜を介在し、それを巻き取ってゼリーロール形態の電極組立体を形成し、それを電解質と共に電池缶の内部に挿入して電池を構成する。
【0008】
ここで、電池缶が負極または正極(通常的に負極)に接続して極性を有する場合、電池缶とゼリーロール形態の電極組立体との間にも絶縁が必要である。
【0009】
一方、最近、円筒形バッテリーセルが電気自動車に適用されるにつれ、円筒形バッテリーセルのフォームファクターが増加しつつある。即ち、円筒形バッテリーセルの直径と高さが従来の18650、21700などのフォームファクターを有する円筒形バッテリーセルよりも増加している。フォームファクターの増加は、エネルギー密度の増加、熱暴走に対する安全性の増大、そして冷却効率の向上をもたらす。
【0010】
ここで、フォームファクターが増加するにつれ、過電流から円筒形バッテリーセルを保護する必要性も増大しつつあり、一例で、集電板にヒューズ部が形成され得る。しかし、集電板にヒューズ部が形成されると、過電流によって集電板のヒューズ部が切れるときに発生する異物が、ゼリーロール形態の電極組立体の内部へ流入することがあり、この場合、異物によって分離膜が破損するか、または異物による内部短絡の問題が発生し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上述した従来技術の背景下で創案されたものであり、集電板においてヒューズ部の位置を適切に調節してヒューズ部が切れるときに発生する異物がゼリーロール形態の電極組立体の内部へ流入することが防止可能な円筒形バッテリーセル、それを含むバッテリーパック及び自動車を提供することを目的とする。
【0012】
または、本発明は、改善された構造を有する円筒形バッテリーセルを用いて製作されたバッテリーパック及びそれを含む自動車を提供することを他の目的とする。
【0013】
但し、本発明が解決しようとする技術的課題は、前述の課題に制限されず、言及していないさらに他の課題は、下記する発明の説明から当業者にとって明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を達成するための本発明の一面による円筒形バッテリーセルは、シート状の第1電極板及び第2電極板とこれらの間に介在された分離膜が一方向へ巻き取られた構造を有するゼリーロール型の電極組立体において、前記第1電極板は、長辺端部に活物質層がコーティングされていない第1非塗布部を含み、前記第1非塗布部が、前記電極組立体の中心を基準にして複数の巻回ターンを形成しながら前記分離膜の外部に露出され、その自体として電極タブとして用いられる電極組立体と、前記電極組立体が収納される開放部、及び前記開放部とは反対側に部分的な閉鎖部を有し、前記第2電極板と電気的に接続する電池缶と、前記第1電極板の第1非塗布部と電気的に接続し、過電流が流れると切れるヒューズ部が形成された集電板と、前記電池缶の閉鎖部の貫通孔を通して前記集電板と接続するセル端子と、を含む。
【0015】
望ましくは、前記セル端子の底面には、少なくとも一部に前記電池缶の閉鎖部の内部面と平行な平坦部が形成され、前記集電板は、前記セル端子の平坦部と結合し得る。
【0016】
望ましくは、前記集電板は、前記第1非塗布部の端部が折り曲げられて形成された結合面に結合し得る。
【0017】
望ましくは、前記電極組立体は、前記電極組立体の半径方向に沿って溶接ターゲット領域を備え、前記集電板は、前記溶接ターゲット領域内で前記第1非塗布部と結合し得る。
【0018】
一面によれば、前記集電板は、前記電極組立体の上部に配置される縁部と、前記縁部から内側へ延び、前記第1非塗布部と結合する非塗布部結合部と、前記非塗布部結合部から離隔し、前記セル端子に結合する端子結合部と、前記縁部から内側へ延び、前記端子結合部と連結され、前記ヒューズ部が形成された連結部を含み、前記ヒューズ部は、他の領域よりも同じ電流が流れる条件で大きい抵抗を有し得る。
【0019】
望ましくは、前記縁部は、内側領域の少なくとも一部が空いているリム形態であり得る。
【0020】
望ましくは、前記非塗布部結合部と前記端子結合部とは、前記縁部を介して電気的に接続し得る。
【0021】
望ましくは、前記端子結合部は、前記縁部の内側空間の中心部に位置し得る。
【0022】
望ましくは、前記端子結合部は、前記電極組立体のコアに存在する空洞の直径に対して100%~110%の直径を有し得る。
【0023】
一面によれば、前記ヒューズ部は、前記連結部に形成された少なくとも一つのノッチであり得る。
【0024】
望ましくは、前記ノッチは、前記連結部の幅方向の端部、前記連結部の上面または前記連結部の下面に形成され得る。
【0025】
望ましくは、前記ノッチは、前記連結部の幅または厚さを段階的にまたは連続的に減少させる方向へ前記連結部の内側に向かって凹んで形成され得る。
【0026】
望ましくは、前記ヒューズ部の最小幅は、0.5mm~4.0mmであり得る。
【0027】
他面によれば、前記ヒューズ部は、前記連結部に形成された少なくとも一つの貫通孔であり得る。
【0028】
望ましくは、前記貫通孔は、最長幅が0.2mm~6mmであり得る。
【0029】
さらに他面によれば、前記ヒューズ部がテープによって巻かれ得る。
【0030】
望ましくは、前記テープは、ポリイミド(polyimide;PI)材質を含み得る。
【0031】
望ましくは、前記ヒューズ部は、前記電極組立体の中心からその最大半径の40%~90%の距離分だけ離隔するように前記連結部に形成され得る。
【0032】
一面によれば、前記第1非塗布部の少なくとも一部区間は、前記電極組立体の巻取方向に沿って複数の分節片に分割され得る。
【0033】
望ましくは、前記複数の分節片の少なくとも一部は、前記電極組立体の半径方向へ折り曲げられ得る。
【0034】
望ましくは、前記複数の分節片の少なくとも一部は、前記電極組立体の半径方向に沿って多重に重畳し得る。
【0035】
他面によれば、前記複数の分節片の残りは、折り曲げられておらず、前記ヒューズ部は、前記複数の分節片のうち非折曲の分節片からずれて前記複数の分節片のうち折り曲げられた分節片の上部に位置し得る。
【0036】
さらに他面によれば、前記複数の分節片の残りは、切断されており、前記ヒューズ部は、前記複数の分節片のうち切断された分節片からずれて前記複数の分節片のうち折り曲げられた分節片の上部に位置し得る。
【0037】
望ましくは、前記集電板の前記端子結合部の一面に形成される溶接ビードによって描かれる溶接パターンは、前記セル端子の底面の中心部を囲む形態で描かれ得る。
【0038】
望ましくは、前記溶接パターンは、連続的または不連続的に形成され得る。
【0039】
望ましくは、前記集電板の前記端子結合部と前記セル端子の底面との間に形成される溶接部の引張力が、2kgf以上であり得る。
【0040】
望ましくは、前記集電板の前記端子結合部の一面に形成される溶接ビードによって描かれる溶接パターンの換算直径が、2mm以上であり得る。換算直径とは、溶接パターンの面積を円の面積に換算したときの円の直径を意味する。
【0041】
一面によれば、前記電池缶の前記開放部を密閉するように構成されるキャッププレートをさらに含み得る。
【0042】
望ましくは、前記キャッププレートは、前記電極組立体から電気的に分離されて非極性で設けられ得る。
【0043】
望ましくは、前記閉鎖部には貫通孔が形成され、前記セル端子は、前記貫通孔に結合し得る。
【0044】
望ましくは、前記閉鎖部と前記集電板との間に介在されるインシュレータをさらに含み得る。
【0045】
望ましくは、前記インシュレータは、絶縁ポリマー材質を含み得る。
【0046】
望ましくは、前記インシュレータは、弾性を有する材質から構成され得る。
【0047】
望ましくは、前記インシュレータは、中心部に予め設定された直径を有する中心孔を備え得る。
【0048】
望ましくは、前記インシュレータは、前記電池缶の閉鎖部の内面と前記集電板との距離に対応する厚さを有し得る。
【0049】
望ましくは、前記インシュレータの上面は、前記電池缶の閉鎖部の内面に接触し、前記インシュレータの下面が、前記集電板の上面に接触し得る。
【0050】
一面において、前記セル端子は、端子挿入部を備え、前記端子挿入部は、前記貫通孔から電池缶の内部に挿入され得る。
【0051】
望ましくは、前記セル端子は、前記端子挿入部の下部の周縁部が前記電池缶の上端部の内面に向かってリベッティングされて前記貫通孔に固定され得る。
【0052】
望ましくは、前記インシュレータの前記中心孔の直径は、前記端子挿入部の直径よりも大きいか、または同一であり得る。
【0053】
望ましくは、前記セル端子の端子挿入部は、前記インシュレータの前記中心孔を貫通し得る。
【0054】
望ましくは、前記セル端子の端子挿入部は、前記インシュレータの前記中心孔を貫通し、前記集電板と電気的に結合し得る。
【0055】
一面によれば、前記キャッププレートの周縁部と前記電池缶の前記開放部との間に介在された密封ガスケットを含み、前記電池缶は、前記開放部に隣接する領域に前記電池缶の内側へ圧入されたビーディング部を含み、前記電池缶は、前記電池缶の内側へ延びて曲げられ、前記密封ガスケットと共に前記キャッププレート周縁部を囲んで固定するクリンピング部と、を含み得る。
【0056】
望ましくは、前記クリンピング部は、前記電池缶の配置状態を基準にして前記電池缶の下方に形成され得る。
【0057】
望ましくは、前記キャッププレートは、前記電池缶の内圧が臨界値を超過すると破裂するベントノッチを含み得る。
【0058】
望ましくは、前記ベントノッチは、前記キャッププレートの両面に形成され、前記キャッププレートの表面で連続の円形パターン、不連続の円形パターン及び直線パターンのうち少なくとも一つのパターンに形成され得る。
【0059】
前記ベントノッチは、前記電池缶の配置状態を基準にして前記電池缶の下端に形成され、前記ベントノッチが破裂すると、前記電池缶の内部のガスが前記電池缶の下端から排出され得る。
【0060】
他面によれば、前記電極組立体の下部に結合する下部集電板をさらに含み得る。
【0061】
望ましくは、前記下部集電板は、縁部の少なくとも一部が前記ビーディング部に電気的に結合し、前記端部を除いた残りの部分の少なくとも一部が前記第2電極板の第2非塗布部と電気的に接続し得る。
【0062】
望ましくは、前記下部集電板は、端部の少なくとも一部が前記ビーディング部の上面及び下面のうち前記クリンピング部に隣接する面に電気的に結合し得る。
【0063】
望ましくは、前記下部集電板と前記ビーディング部とがレーザー溶接され得る。
【0064】
本発明の課題は、前述した円筒形バッテリーセルを少なくとも一つ含むバッテリーパックと、前記バッテリーパックを少なくとも一つ含む自動車によっても解決され得る。
【0065】
上記課題を解決するための本発明の一面による集電板は、円筒形バッテリーセルの電池缶の閉鎖部上の端子と電極組立体とを電気的に接続する集電板であって、縁部と、前記縁部から内側へ延び、前記電極組立体の非塗布部と結合する非塗布部結合部と、前記非塗布部結合部と空間を置いて離隔して位置する端子結合部と、前記縁部から内側へ延びて前記端子結合部と連結される連結部と、前記連結部に形成され、同じ電流の印加下で他の領域よりも大きい抵抗を有するヒューズ部と、を含む。
【0066】
望ましくは、前記縁部は、内側に空間を有するリム形態を有し、前記非塗布部結合部及び端子結合部が、前記縁部の内側空間に形成され得る。
【0067】
望ましくは、前記非塗布部結合部と前記端子結合部とは、前記縁部と前記連結部を介して電気的に接続し得る。
【0068】
望ましくは、前記端子結合部は、前記縁部の内側空間の中心部に位置し得る。
【発明の効果】
【0069】
本発明の一面によれば、集電板でヒューズ部の位置を適切に調節してヒューズ部が切れるときに発生する異物がゼリーロール形態の電極組立体の内部に流入することを防止することができる。
【0070】
本発明のさらに他面によれば、改善された構造を有する円筒形バッテリーセルを用いて製作されたバッテリーパック及びそれを含む自動車を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
図1】本発明の一実施例による円筒形バッテリーセルの斜視図である。
図2図1において、円筒形バッテリーセルの中心部の断面を示した断面斜視図である。
図3】本発明の一実施例による円筒形バッテリーセルの断面図である。
図4】本発明の一実施例による円筒形バッテリーセルにおける電池缶を示した図である。
図5】本発明の一実施例による円筒形バッテリーセルにおける集電板の平面図である。
図6図5の集電板の一面の変形実施例である。
図7図5の集電板の他面の変形実施例である。
図8図3の円筒形バッテリーセルの他の実施例による断面図である。
図9】本発明の一実施例による電極板の構造を示した平面図である。
図10図9による分節片の幅、高さ及び離隔ピッチの定義を示した図である。
図11】本発明の他の実施例による電極板の構造を示した平面図である。
図12図11による分節片の幅、高さ及び離隔ピッチの定義を示した図である。
図13】本発明の一実施例による電極組立体をY軸方向(巻取軸方向)に沿って切断した断面図である。
図14】本発明の他の実施例による電極組立体をY軸方向(巻取軸方向)に沿って切った断面図である。
図15】本発明の実施例によるバッテリーパックの構成を概略的に示した図である。
図16図15のバッテリーパックを含む自動車を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0072】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は通常的または辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応じた意味及び概念で解釈されねばならない。
【0073】
したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0074】
なお、発明の理解を助けるために、添付の図面は、実際の縮尺ではなく一部構成要素が誇張して示され得る。なお、相異なる実施例で同じ構成要素に対しては同じ参照番号が付与され得る。
【0075】
図1は、本発明の一実施例による円筒形バッテリーセルの斜視図であり、図2は、図1における円筒形バッテリーセルの中心部の断面を示した断面斜視図であり、図3は、本発明の一実施例による円筒形バッテリーセルの断面図であり、図4は、本発明の一実施例による円筒形バッテリーセルにおける電池缶を示した図であり、図5は、本発明の一実施例による円筒形バッテリーセルにおける集電板の平面図であり、図6は、図5の集電板の一面による変形実施例であり、図7は、図5の集電板の他面による変形実施例であり、図8は、図3の円筒形バッテリーセルの他の実施例による断面図である。
【0076】
図面を参照して本発明の一実施例による円筒形バッテリーセル10について説明する。
【0077】
望ましくは、円筒形バッテリーセル10は、例えば、フォームファクターの比(円筒形バッテリーセルの直径を高さで割った値、即ち、高さHに対する直径Φの割合に定義される。)が約0.4よりも大きい円筒形バッテリーセル10であり得る。
【0078】
ここで、フォームファクターとは、円筒形バッテリーセル10の直径及び高さを示す値を意味する。本発明の一実施例による円筒形バッテリーセル10は、例えば、46110セル、48750セル、48110セル、48800セル、46800セルであり得る。フォームファクターを示す数値において、最初の数字二つはセルの直径を示し、その次の数字二つはバッテリーの高さを示し、最後の数字0はセルの断面が円形であることを示す。セルの高さが100mmを超過する場合、セルの高さを示すために3桁の数字が必要であるので、最後の数字0は省略され得る。
【0079】
本発明の一実施例によるバッテリーセルはほぼ円柱状のセルであって、その直径が約46mmであり、その高さは約110mmであり、フォームファクターの比が0.418である円筒形バッテリーセル10であり得る。
【0080】
他の実施例によるバッテリーセルは、ほぼ円柱状のセルであって、その直径が約48mmであり、その高さは約75mmであり、フォームファクターの比は0.640である円筒形バッテリーセル10であり得る。
【0081】
さらに他の実施例によるバッテリーセルは、ほぼ円柱状のセルであって、その直径が約48mmであり、その高さは約110mmであり、フォームファクターの比は0.436である円筒形バッテリーセル10であり得る。
【0082】
さらに他の実施例によるバッテリーセルは、ほぼ円柱状のセルであって、その直径が約48mmであり、その高さは約80mmであり、フォームファクターの比は0.600である円筒形バッテリーセル10であり得る。
【0083】
さらに他の実施例によるバッテリーセルは、ほぼ円柱状のセルであって、その直径が約46mmであり、その高さは約80mmであり、フォームファクターの比は0.575である円筒形バッテリーセル10であり得る。
【0084】
従来には、フォームファクターの比が約0.4以下のバッテリーセルが用いられていた。即ち、従来には、例えば、18650セル、21700セルなどが用いられた。18650セルの場合、その直径が約18mmであり、その高さは約65mmであり、フォームファクターの比は0.277である。21700セルの場合、その直径が約21mmであり、その高さは約70mmであり、フォームファクターの比は0.300である。
【0085】
図2及び図3を参照すると、本発明の一実施例による円筒形バッテリーセル10は、電極組立体100と、円筒形の電池缶200と、集電板300と、セル端子400と、を含む。
【0086】
電極組立体100は、シート状の第1電極板及び第2電極板と、これらの間に介在された分離膜が一方向へ巻き取られた構造を有するゼリーロール型で構成される。
【0087】
図3を参照すると、第1電極板は、長辺端部に活物質層がコーティングされていない第1非塗布部110を含む。そして、第2電極板も長辺端部に活物質層がコーティングされていない第2非塗布部120を含み得る。即ち、第1電極板及び第2電極板のうち少なくとも一つは、巻取方向の長辺端部に活物質がコーティングされていない非塗布部を含み得る。
【0088】
ここで、第1非塗布部110は、電極組立体100の中心を基準にして複数の巻回ターンを形成して分離膜の外部に露出し、その自体として電極タブとして使用される。
【0089】
即ち、電極組立体100は、シート状の第1電極板と第2電極板が、分離膜が介在された状態で一方向へ巻き取られるように設けられ、第1電極板は、正の極性または負の極性を有し、第2電極板は、第1電極板の極性と反対の極性を有し得る。即ち、第1電極板は、正極板または負極板であり、第2電極板は、第1電極板の極性と反対の負極板または正極板であり得る。但し、以下では、説明の便宜のために、第1電極板が正極板であり、第2電極板が負極板である場合を中心にして説明する。
【0090】
第1電極板には、一面または両面に第1電極活物質が塗布されている。そして、第1電極板の端部には、第1電極活物質が塗布されていない第1非塗布部110が存在する。
【0091】
第2電極板には、一面または両面に第2電極活物質が塗布されている。そして、第2電極板の端部には、第2電極活物質が塗布されていない第2非塗布部120が存在する。
【0092】
そして、第1電極板の第1非塗布部110と、第2電極板の第2非塗布部120は、互いに反対方向に向かうように設けられる。第1非塗布部110は、電池缶200の閉鎖部210に向かって延び、第2非塗布部120は、電池缶200の開放部220に向かって延びる。
【0093】
本発明において、正極板にコーティングされる正極活物質及び負極板にコーティングされる負極活物質は、当業界における公知の活物質であれば、制限なく使用可能である。
【0094】
一例で、正極活物質は、一般化学式A[A]O2+z(Aは、Li、Na及びKの少なくとも一つ以上の元素を含む;Mは、Ni、Co、Mn、Ca、Mg、Al、Ti、Si、Fe、Mo、V、Zr、Zn、Cu、Mo、Sc、Zr、Ru及びCrより選択された少なくとも一つ以上の元素を含む;x≧0、1≦x+y≦2、-0.1≦z≦2;化学量論係数x、y及びzは、化合物が電気的中性を維持するように選択される。)で表されるアルカリ金属化合物を含み得る。
【0095】
他の例で、正極活物質は、US6,677,082、US6,680,143などに開示されたアルカリ金属化合物xLiM‐(1‐x)Li(Mは、平均酸化状態3を有する少なくとも一つ以上の元素を含む;Mは、平均酸化状態4を有する少なくとも一つ以上の元素を含む;0≦x≦1)であり得る。
【0096】
さらに他の例で、正極活物質は、一般化学式Li Fe1‐x 1‐y 4‐z(Mは、Ti、Si、Mn、Co、Fe、V、Cr、Mo、Ni、Nd、Mg及びAlより選択された少なくとも一つ以上の元素を含む;Mは、Ti、Si、Mn、Co、Fe、V、Cr、Mo、Ni、Nd、Mg、Al、As、Sb、Si、Ge、V及びSより選択された少なくとも一つ以上の元素を含む;Mは、Fを選択的に含むハロゲン族元素を含む;0<a≦2、0≦x≦1、0≦y<1、0≦z<1;化学量論係数a、x、y及びzは、化合物が電気的中性を維持するように選択される。)、またはLi(PO[Mは、Ti、Si、Mn、Fe、Co、V、Cr、Mo、Ni、Mg及びAlより選択された少なくとも一つの元素を含む。]で表されるリチウム金属ホスフェートであり得る。
【0097】
望ましくは、正極活物質は、一次粒子及び/または一次粒子が凝集した二次粒子を含み得る。
【0098】
一例で、負極活物質は、炭素材、リチウム金属またはリチウム金属化合物、ケイ素またはケイ素化合物、すずまたはすず化合物などを使用し得る。電位が2V未満であるTiO、SnOのような金属酸化物も負極活物質として使用可能である。炭素材としては、低結晶性炭素、高結晶性炭素などがいずれも使用され得る。
【0099】
分離膜は、多孔性高分子フィルム、例えば、エチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、エチレン/ブテン共重合体、エチレン/ヘキセン共重合体、エチレン/メタクリレート共重合体などのようなポリオレフィン系高分子から製造した多孔性高分子フィルムを単独でまたはこれらを積層して使用し得る。他の例で、分離膜は、通常の多孔性不織布、例えば、高融点のガラスファイバー、ポリエチレンテレフタレート繊維などからなる不織布を使用し得る。
【0100】
分離膜の少なくとも一表面には、無機物粒子のコーティング層を含み得る。また、分離膜自体が無機物粒子のコーティング層からなることも可能である。コーティング層を構成する粒子は、隣接する粒子の間にインタースティシャルボリューム(interstitial volume)が存在するようにバインダーと結合した構造を有し得る。
【0101】
無機物粒子は、誘電率が5以上である無機物からなり得る。この非制限的な例として、前記無機物粒子は、Pb(Zr,Ti)O(PZT)、Pb1-xLaZr1-yTi(PLZT)、PB(MgNb2/3)O‐PbTiO(PMN‐PT)、BaTiO、HfO、SrTiO、TiO、Al、ZrO、SnO、CeO、MgO、CaO、ZnO及びYからなる群より選択された少なくとも一つ以上の物質を含み得る。
【0102】
電解質は、Aのような構造を有する塩であり得る。ここで、Aは、Li、Na、Kのようなアルカリ金属陽イオンまたはこれらの組合せからなるイオンを含む。そして、Bは、F、Cl、Br、I、NO 、N(CN) 、BF 、ClO 、AlO 、AlCl 、PF 、SbF 、AsF 、BF 、BC 、(CFPF 、(CFPF 、(CFPF 、(CFPF、(CF、CFSO 、CSO 、CFCFSO 、(CFSO、(FSO、CFCF(CFCO、(CFSOCH、(SF、(CFSO、CF(CFSO 、CFCO 、CHCO 、SCN-及び(CFCFSOからなる群より選択されたいずれか一つ以上の陰イオンを含む。
【0103】
また、電解質は、有機溶媒に溶解して使用され得る。有機溶媒としては、プロピレンカーボネート(propylene carbonate;PC)、エチレンカーボネート(ethylenecarbonate;EC)、ジエチルカーボネート(diethyl carbonate;DEC)、ジメチルカーボネート(dimethyl carbonate;DMC)、ジプロピルカーボネート(dipropyl carbonate;DPC)、ジメチルスルホキシド(dimethyl sulfoxide)、アセトニトリル(acetonitrile)、ジメトキシエタン(dimethoxyethane)、ジエトキシエタン(diethoxyethane)、テトラハイドロフラン(tetrahydrofuran)、N-メチル-2-ピロリドン(N-methyl-2-pyrrolidone;NMP)、エチルメチルカーボネート(ethyl methyl carbonate;EMC)、γ-ブチロラクトン(γ-butyrolactone)またはこれらの混合物が使用され得る。
【0104】
電池缶200は、円筒形に形成されて電極組立体100が収納され、電極組立体100の第2電極板と電気的に接続する。これによって、電池缶200は、第2電極板と同じ極性を有し得る。即ち、第2電極板が負極である場合、電池缶200も負極を有する。
【0105】
もし、電池缶200の大きさが規格によって決められた状態で電極組立体100の大きさを増加させると、バッテリーセルの全体容量は増加するが、電池缶200と電極組立体100の間隔は減少する。
【0106】
即ち、バッテリーセルの全体容量を増加させるために、電極組立体100の大きさを増加させると、電池缶200と電極組立体100の間隔が減少するため、バッテリーセルの容量増加のためには、電池缶200と電極組立体100との減少した隔間の間にインシュレータ600が介在される必要があり、このためにインシュレータ600の厚さは最大限に薄いことが望ましい。
【0107】
図4を参照すると、電池缶200には互いに対向するように位置する閉鎖部210と開放部220が各々形成され得る。
【0108】
例えば、図4を基準にして、電池缶200の下部には、開放部220が形成され得る。電池缶200は、下部に形成された開放部220から電極組立体100が収容され、また、電解質も、電池缶200の下部に形成された開放部220から注入される。
【0109】
即ち、電池缶200は、下部に開放部220が形成されたほぼ円筒形の収容体であって、例えば、金属のような導電性材質からなる。電池缶200の材質は、導電性の金属、例えば、アルミニウム、スチール、ステンレススチールなどを一例であり得るが、これらに限定されない。電池缶200の表面には、Niコーティング層が形成され得る。
【0110】
また、図4を基準にして、電池缶200の上部には、閉鎖部210が形成され得る。閉鎖部210には、貫通孔211が形成され、図3のようにセル端子400が貫通孔211に結合し得る。
【0111】
インシュレータ600は、電極組立体100の上端と電池缶200の内面との間または電極組立体100の上部に結合した集電板300と電池缶200の閉鎖部210の内面との間に備えられる。図3を参照すると、閉鎖部210と集電板300との間にインシュレータ600が介在され得る。インシュレータ600は、集電板300と電池缶200との接触を防止する。即ち、インシュレータ600は、電池缶200の内部に収容され、電極組立体100の少なくとも一部をカバーし、第1非塗布部110と電池缶200との電気的接続、または集電板300と電池缶200との電気的接続を遮断するように構成される。インシュレータ600は、その他にも、電極組立体100の外周面の上端と電池缶200の側壁との間にも介在され得る。即ち、インシュレータ600は、第1非塗布部110と電池缶200の側壁部との間にも介在され得る。または、後述するように、電極組立体100の外周面の上端と電池缶200の側壁との間に、インシュレータ600の代わりに絶縁テープ500が結合し得る。即ち、インシュレータ600は、絶縁性を有する材質からなり得る。例えば、インシュレータ600は、絶縁ポリマー材質を含み得るが、これに限定されない。例えば、インシュレータ600は、ポリエチレンテレフタルレート(polyethylene terephthalate;PET)、ポリブチレンテレフタレート(polybutylene terephthalate;PBT)またはポリプロピレン(polypropylene;PP)から製作され得る。
【0112】
インシュレータ600は、絶縁テープ500と共に集電板300と電池缶200との接触及び第1非塗布部110の側面と電池缶200との接触を防止し得る。即ち、インシュレータ600は、集電板30と電池缶200との接触を防止し、絶縁テープ500は、電極組立体100の側面、即ち、第1非塗布部110の側面と電池缶200との接触を防止し得る。もし、集電板300が存在しない構造であれば、インシュレータ600は、第1非塗布部110の上部と電池缶200との接触を防止し得る。
【0113】
インシュレータ600は、例えば、弾性材質を含み得る。これによって、円筒形バッテリーセル10に振動または外部衝撃が加えられる場合、インシュレータ600は、弾性によって圧縮されてから元の状態に戻る過程で衝撃を吸収し得る。そのため、バッテリーセルに振動または外部衝撃が加えられても、バッテリーセルの内部構成要素の損傷が最小化できる。
【0114】
インシュレータ600は、中心部に予め設定された直径を有する中心孔を備え得る。例えば、インシュレータ600は、巻取中心に隣接してほぼ円形の中心孔を備え得る。中心孔が存在することでセル端子400が集電板300または第1非塗布部110と接触可能な状態になり得る。セル端子400の端子挿入部410は、インシュレータ600に形成された中心孔から集電板300または第1非塗布部110と結合する。インシュレータ600に形成された中心孔は、電極組立体100の巻取中心に形成された穴と対応する位置に形成され得る。
【0115】
一方、セル端子400と集電板300の端子結合部330との溶接結合部位が電極組立体100の巻取中心に形成された穴の内側に位置すると、電極組立体100が損傷する恐れがある。これを防止するために、端子結合部330と結合するセル端子400の下端に形成された平坦部は、インシュレータ600の下面と同じ高さに位置するか、またはより上方に位置し得る。この場合、セル端子400と集電板300との溶接結合部位が電極組立体100の巻取中心に形成された穴の外側に位置し得る。
【0116】
これを考慮して、インシュレータ600の厚さは、電池缶200の閉鎖部210の内面からセル端子400の下端に備えられた平坦部に至る距離と同一であるか、またはより大きい厚さを有し得る。一方、インシュレータ600は、電池缶200の閉鎖部210の内面と集電板300との間の空間を高さ方向に沿って満たして電極組立体100が上下へ動く空間が発生しないように、電池缶200の閉鎖部210の内面と集電板300の距離に対応する厚さを有し得る。
【0117】
他面によれば、インシュレータ600の上面は、電池缶200の閉鎖部210の内面に接触し、インシュレータ600の下面は、集電板300の上面に接触し得る。
【0118】
電池缶200は、下部にビーディング部240とクリンピング部250が形成され得る。ビーディング部240は、電池缶200の開放部220に隣接する領域で電池缶200の外周面の周りが内側へ圧入されることで形成される。
【0119】
ビーディング部240は、電池缶200の幅とほぼ対応するサイズを有する電極組立体100が、電池缶200の下部に形成された開放部220から抜け出ないように電極組立体100を支持し、キャッププレート230が設けられる支持部としても機能し得る。また、ビーディング部240は、密封ガスケット260の外周面を支持する。ビーディング部240は、最内側地点を通過する仮想の平面を基準にして非対称であり得る。非対称の模様は、電池缶200のサイジング工程で作られる。サイジング工程は、電池缶200を上下方向へ圧縮してセルの高さをフォームファクターに合わせる工程である。
【0120】
クリンピング部250は、電池缶200の内側へ延びて曲げられて密封ガスケット260と共にキャッププレート230の周縁部を囲んで固定するように設けられる。ここで、クリンピング部250は、電池缶200が配置された状態を基準にして電池缶200の下部に形成される。例えば、図3のようにセル端子400が上部に位置するように電池缶200が配置された場合、クリンピング部250は、図3を基準にして電池缶200の下部に形成される。そして、図3のようにクリンピング部250は、ビーディング部240の下部に形成される。
【0121】
但し、本発明は、電池缶200がビーディング部240とクリンピング部250の少なくとも一つを備えない場合を排除しない。本発明において電池缶200がビーディング部240とクリンピング部250の少なくとも一つを備えない場合、電極組立体100の固定、またはキャッププレート230の固定、または電池缶200の密封は、電極組立体100に対するストッパーとして機能可能な部品の追加的な適用と、キャッププレート230が設けられ得る構造物の追加的な適用と、電池缶200とキャッププレート230との溶接のうち、少なくとも一つによって実現され得る。
【0122】
図3を基準にしてクリンピング部250は、ビーディング部240の下部に形成される。クリンピング部250は、ビーディング部240の下部に配置されるキャッププレート230の周縁部を囲むように延びて曲げられた形態を有する。このように曲げられたクリンピング部250の形状によって、キャッププレート230は、ビーディング部21に固定される。勿論、このようなクリンピング部250が省略され、他の固定構造によってキャッププレート230が電池缶200の開放部をカバーしながら固定されるようにしてもよい。例えば、本出願人の韓国公開特許公報第10-2019-0030016Aにおいては、ビーディング部が省略された円筒形電池セルを開示しており、このような構造が本発明に採用され得る。
【0123】
集電板300は、電極組立体100の上部で第1電極板と電気的に接続する。即ち、集電板300は、円筒形バッテリーセル10の電池缶200の閉鎖部210上のセル端子400と電極組立体100とを電気的に接続する。
【0124】
図5を参照すると、集電板300には、過電流が流れると切れるヒューズ部350が形成される。ヒューズ部350は連結部340上に形成され、同じ電流の印加下で他の領域よりも大きい抵抗を有するように構成される。ヒューズ部の最小幅は、0.5mm~4.0mmであり得る。
【0125】
集電板300は、導電性の金属材質からなり、電極組立体100の第1非塗布部110と接続する。
【0126】
集電板300は、第1非塗布部110の端部が集電板300と平行な方向へ折り曲げられて形成された結合面に結合し得る。第1非塗布部110の折曲方向は、例えば、電極組立体100の巻取中心部に向かう方向であり得る。
【0127】
第1非塗布部110がこのように折り曲げられた形態を有する場合、第1非塗布部110が占める空間が縮小してエネルギー密度の向上を図り得る。また、第1非塗布部110と集電板300との結合面積の増加によって、結合力の向上及び抵抗減少の効果を図り得る。
【0128】
図5を参照すると、集電板300は、縁部310と、非塗布部結合部320と、端子結合部330と、連結部340と、を含み得る。
【0129】
縁部310は、電極組立体の上部に配置され、内側空間Sが形成されたほぼリム(rim)形態を有し得る。図5の場合、縁部310がほぼ円形のリーム形態を有する場合を示しているが、縁部310の形状はこれに限定されない。縁部310は、図示されたものとは異なり、ほぼ四角のリム形態、六角のリム形態、八角のリム形態またはその他の形態を有し得る。縁部310の内側空間には、非塗布部結合部320と端子結合部330が形成され得る。そして、非塗布部結合部320と端子結合部330は、縁部310と連結部340によって電気的に接続し得る。ここで、端子結合部330は、縁部310の内側空間の中心部に位置し得る。
【0130】
非塗布部結合部320は、縁部310から内側へ延び、電極組立体100の第1非塗布部110と結合する。非塗布部結合部320は、多様な方式で第1非塗布部110に結合し得る。例えば、レーザー溶接、超音波溶接、スポット溶接のような溶接によって結合し得る。
【0131】
非塗布部結合部320は、複数個が備えられ得る。複数の非塗布部結合部320は、縁部310の延長方向に沿って多様な間隔で配置され、望ましくは、ほぼ同じ間隔で配置され得る。複数の非塗布部結合部320の各々の延長長さは、互いに同一であってもよいが、これに限定されない。この際、複数の非塗布部結合部320は、端子結合部330を囲むように構成され得る。
【0132】
端子結合部330は、非塗布部結合部320と空間を置いて非塗布部結合部320から離隔して縁部310の内側に位置する。端子結合部330は、後述するセル端子400と溶接によって結合し得る。ここで、端子結合部330は、例えば、縁部310の内側空間Sの中心部に位置し得る。そして、端子結合部330は、電極組立体100の巻取中心部に形成された穴と対応する位置に配置され得る。端子結合部330は、電極組立体100のコアに存在する空洞の直径に対して100%~110%の直径を有し得る。
【0133】
非塗布部結合部320と端子結合部330とは直接的に連結されず、互いに離隔して配置され、縁部310によって電気的に接続する。このように、本発明の一実施例による集電板300は、非塗布部結合部320と端子結合部330とが直接連結されておらず、縁部310を介して連結された構造を有することで、円筒形バッテリーセル10に衝撃及び/または振動が発生する場合、非塗布部結合部320と第1非塗布部との結合部位と、端子結合部330とセル端子400との結合部位に加えられる衝撃を分散させることができる。そのため、本発明の集電板300は、外部衝撃による溶接部位の破損を最小化または防止できる。
【0134】
即ち、集電板300は、外部衝撃が加えられたとき、縁部310と端子結合部330の連結部位に応力が集中する構造を有し、このような連結部位は、部品間の結合のための溶接部が形成された部位ではないため、外部衝撃による溶接部破損による製品不良の発生を防止できるのである。
【0135】
連結部340は、縁部310から内側へ延びて端子結合部330と連結される。連結部340は、互いに隣接する一対の非塗布部結合部320の間に位置し得る。この場合、連結部340から縁部310の延長方向に沿って一対の非塗布部結合部320のいずれか一つに至る距離は、連結部340から縁部310の延長方向に沿って一対の非塗布部結合部320のうち残りの一つに至る距離と同一であり得る。
【0136】
そして、図示していないが、連結部340は、複数個が備えられ得る。複数の連結部340の各々、互いに隣接する一対の非塗布部結合部320の間に配置され得る。複数の連結部340は、縁部310の延長方向に沿って互いに同じ間隔で配置され得る。
【0137】
ここで、非塗布部結合部320及び/または連結部340が複数で備えられる場合において、非塗布部結合部320同士の距離及び/または連結部340同士の距離及び/または非塗布部結合部320と連結部340との距離が一定に形成されると、非塗布部結合部320から連結部340に向かう電流または連結部340から非塗布部結合部320に向かう電流の流れが円滑に形成され得る。
【0138】
連結部340は、少なくともその一部が非塗布部結合部320よりもその幅が小さく形成されてもよく、連結部340の一側には、ヒューズ部350が形成され得る。連結部の幅が非塗布部結合部320よりも小さく形成されると、連結部340で電気抵抗が増加して連結部340を通して過電流が流れるとき、他の部位に比べて抵抗が大きくなり、熱が増加する。ここで、連結部340にヒューズ部350が形成されているため、過電流が発生して連結部340に熱が増加する場合、ヒューズ部350が破断されて過電流の流れが遮断される。
【0139】
図5を参照すると、ヒューズ部350は、連結部340に形成された少なくとも一つのノッチ351であり得る。抵抗は面積に反比例するので、このように連結部340にノッチ351が形成されることでノッチ351が形成された部分で面積が減少すると、その部分の抵抗は増加するようになり、過電流が流れると、ノッチ351部位で熱が増大して破断が起こる。ここで、ノッチ351は、連結部340の幅方向の両端部、連結部340の上面または連結部340の下面に形成され得る。望ましくは、ノッチ351は、連結部340の幅または厚さを段階的または連続的に減少させる方向へ連結部340の内側に向かって凹んで形成され得る。または、ノッチ351は、平面上に形成されず、連結部340の厚さ方向に形成されることも可能である。
【0140】
他の実施例として、図6を参照すると、ヒューズ部350は、連結部340に形成された少なくとも一つの貫通孔352であり得る。貫通孔352は、最長幅が0.2mm~6mmであり得る。具体的な作用については、図5と共通するので、詳細な説明は前述した説明を代わりにする。
【0141】
さらに他の実施例として、図7を参照すると、ヒューズ部350にテープ353が結合し得る。連結部340のヒューズ部350にテープ353が結合すると、連結部340に熱が発生する場合、テープ353によって放熱が阻害されて熱が放出されないので、テープ353が付着された部分で熱が上昇する。そして、高くなった熱によってテープ353の付着部分で破断が起こる。ここで、テープ353は、多様な材質から製作され得る。例えば、熱によって変形されにくいポリイミド(polyimide;PI)から製作され得るが、これに限定されない。
【0142】
後述するが、電極組立体100の第1非塗布部110の少なくとも一部区間は、複数の分節片61、61’に分割され、複数の分節片61、61’の少なくとも一部は、予め設定された方向に沿って折り曲げられ、複数の分節片61、61’が折り曲げられて多重に重畳するように構成され得る。この際、複数の分節片61、61’のうち残りは折り曲げられないように、即ち、複数の分節片61、61’の一部は折り曲げられ、残りは折り曲げられずに巻取軸方向に沿って突出した形態を維持し得る。または、複数の分節片61、61’のうち折り曲げていない残りの部分、即ち、巻取軸方向に沿って突出した形態を維持する部分が切断され得る。
【0143】
複数の分節片61、61’が折り曲げられて多重に重畳されると、重畳された複数の分節片61、61’の間に間隔が形成されないので、過電流によって集電板300のヒューズ部350が切れるときに発生する異物がゼリーロール形態の電極組立体100の内部に流入しない。しかし、複数の分節片61、61’のうち一部が折り曲げられなかったままで維持される非折曲の形態であるか、または複数の分節片61、61’のうち折り曲げられていない部分が切断された場合、この部分では、複数の分節片61、61’の間に間隔が形成されるので、ヒューズ部350が切れるときに発生する異物がゼリーロール形態の電極組立体100の内部に流入し得る。もし、異物がゼリーロール形態の電極組立体100の内部に流入すると、異物によって分離膜が損傷するか、または異物による内部短絡の問題が発生し得る。
【0144】
本発明の一実施例による円筒形バッテリーセル10は、連結部340に形成されたヒューズ部350の位置を適切に調節して前記問題を解決している。例えば、ヒューズ部350が複数の分節片61、61’のうち非折曲の分節片、または切断された分節片からずれて複数の分節片61、61’のうち折り曲げられた分節片61、61’の上部に位置するように構成する。これによれば、ヒューズ部350が切れて異物が発生しても前記異物は複数の分節片61、61’のうち折り曲げられた分節片61、61’の上部に落ちるようになり、前述したように、複数の分節片61、61’が折り曲げられて多重に重畳されると、複数の分節片61、61’の間に間隔が形成されないため、前記異物がゼリーロール形態の電極組立体100の内部に流入しない。したがって、異物による分離膜の破損及び/または内部短絡を防止する効果を奏する。望ましくは、ヒューズ部350は、電極組立体100の中心からその最大半径の40%~90%の距離分だけ離隔するように連結部340上に形成され得る。
【0145】
集電板300は、セル端子400の端子挿入部410と結合し得る。即ち、セル端子400の端子挿入部410の底面の少なくとも一部に電池缶200の閉鎖部210の内面と平行な平坦部が形成され、集電板300は、セル端子400の平坦部と結合し得る。
【0146】
電極組立体100は、第1非塗布部110の分節片の重畳レイヤー数が電極組立体100の半径方向に沿って一定に維持される領域である溶接ターゲット領域を備え、集電板300は、溶接ターゲット領域内で第1非塗布部110と結合し得る。この領域では、重畳レイヤー数が最大に維持されるため、後述する集電板300と第1非塗布部110の溶接がこの領域内で行われることが有利であり得る。これは、例えば、レーザー溶接を適用する場合において、溶接品質の向上のためにレーザーの出力を高める場合、レーザービームが第1非塗布部110を貫通して電極組立体100に損傷を与えることを防止するためである。また、これは、溶接スパッターなどの異物が電極組立体100の内部に流入することを効果的に防止するためである。
【0147】
端子挿入部410の電気的接続部は、例えば、ほぼ円柱状であり得る。 勿論、端子挿入部410の電気的接続部の形状がこれに限定されることではない。端子挿入部410の電気的接続部は、例えば、断面が楕円である円柱形状または四角柱形状または六角柱形状または八角柱形状などの多様な形態を有し得る。端子挿入部410の電気的接続部の底面は、少なくとも部分的にほぼ扁平に形成され得る。
【0148】
端子挿入部410の中心領域の底面と集電板300との結合は、例えば、レーザー溶接、スポット溶接または超音波溶接によって行われ得る。溶接は、電極組立体100の巻取中心に形成された穴からレーザーを照射するか、または超音波溶接やスポット溶接のための道具を挿入して集電板300の一面(電極組立体100の巻取中心に形成された穴に向かう面)上に溶接ビードを形成することで行われ得る。巻取中心に形成された穴には、溶接作業のためのガイドパイプ(図示せず)が挿入され得る。ガイドパイプを挿入した状態で溶接作業が行われる場合、巻取中心に形成された穴の内壁面をなす分離膜の損傷の恐れを減少させることができる。
【0149】
集電板300の端子結合部330の一面上に形成される溶接ビードによって描かれる溶接パターンは、端子挿入部410の電気的接続部の底面の中心部を囲む形態で描かれ得る。溶接パターンは、例えば、ほぼ円形であるか、またはそれとは異なり、ほぼ楕円形やほぼ四角形、六角形、八角形などのような多角形の形態であり得る。溶接ビードによって形成される溶接パターンは、連続的または不連続的に形成され得る。溶接ビードによって形成される溶接パターンの形状の例である円形、楕円形、多角形などは、幾何学的に完全な円形、楕円形、多角形などを意味することではない。
【0150】
一方、端子挿入部410の電気的接続部の底面に形成される平坦部の直径は、集電板300との溶接強度を考慮して決定され得る。平坦部と集電板300との間の溶接部の引張力は、少なくともほぼ2kgf以上、5kgf以上、または 6kgf以上、または7kgf以上、または8kgf以上、または9kgf以上、または10kgf以上であり得る。溶接部の引張力は、溶接方法を最善に選択して許容される範囲で最大限に増加させることが望ましい。
【0151】
溶接部の引張力の条件を満たすために、平坦部に形成される溶接パターンの直径(または最大幅)は、最小約2mmであり得る。溶接パターンの直径は、溶接部位の表面に示された溶接ビードの面積Sを円の面積(πr)に変換したとき、当該円の換算直径(2×(S/π)0.5)に定義され得る。
【0152】
端子挿入部410の電気的接続部の底面に形成される平坦部は、溶接可能領域となる。溶接可能領域の直径は、約3mm~14mmであり得る。溶接可能領域の直径が約3mmよりも小さいと、直径(換算直径)が2mm以上である溶接パターンを確保しにくい。特に、レーザー溶接を用いて溶接パターンを形成する場合、レーザービームの干渉のため、直径が2mm以上である溶接パターンを確保しにくい。溶接可能領域の直径が約14mmを超過すると、セル端子400の端子露出部の直径もそれ以上に大きくなり、これによってセル端子400と反対極性を有する電極端子として使用する電池缶200の外面の面積を十分に確保しにくくなる。
【0153】
前記溶接パターンの直径条件と溶接可能領域の直径条件を考慮すると、少なくとも約2kgf以上の溶接部の引張力を確保するために必要な溶接可能領域の面積に対する溶接パターンの面積の割合は、約2.04%(π1/π7)~44.4%(π1/π1.5)であることが望ましい。
【0154】
一例で、端子挿入部410の電気的接続部の底面に形成された平坦部と集電板300とがレーザーによって溶接され、溶接ビードがほぼ円弧パターンの形態で連続的または不連続的なラインを描きながら溶接される場合、円弧溶接パターンの直径は、約2mm以上、望ましくは約4mm以上であることが望ましい。円弧溶接パターンの直径がこのような条件を満たす場合、溶接部の引張力を約2kgf以上に増加させて十分な溶接強度の確保が可能になる。
【0155】
他の例で、端子挿入部410の電気的接続部の底面に形成された平坦部と集電板300とが超音波によって溶接され、円形パターンで溶接される場合、円形溶接パターンの直径は約2mm以上であることが望ましい。円形溶接パターンの直径がこのような条件を満たす場合、溶接部の引張力を約2kgf以上に増加させて十分な溶接強度の確保が可能になる。
【0156】
溶接可能領域となるセル端子400の底面に形成された平坦部の直径は、約3mm~14mm範囲で調節され得る。平坦部の半径が約3mmよりも小さいと、レーザー溶接道具、超音波溶接道具などを用いて約2mm以上の直径を有する溶接パターンを形成することが困難である。
【0157】
一方、本発明の一実施例による円筒形バッテリーセル10は、上述したように端子挿入部410の電気的接続部の底面を集電板300の上に溶接して結合した構造を有し、これによって、集電板300とセル端子400との結合面積が極大化できる。即ち、電気的接続部の底面の少なくとも一部は平坦に形成され、これによって、セル端子400と集電板300との結合面積を極大化できる。そのため、本発明の一実施例による円筒形バッテリーセル10は、急速充電による多量の電流が流れる場合において、集電板300とセル端子400との結合部位における円滑な電流の流れが確保でき、これによって、充電時間の短縮、発熱量の減少などの効果を奏することが可能である。
【0158】
集電板300は、電極組立体100の上部に結合する。また、集電板300は、セル端子400に結合する。即ち、集電板300は、電極組立体100の第1非塗布部110とセル端子400とを電気的に接続する。集電板300は、導電性の金属材質からなり、第1非塗布部110と接続する。図示していないが、集電板300は、その下面に放射状に形成された複数の凹凸を備え得る。凹凸が形成された場合、集電板300を押し付けて凹凸を第1非塗布部110に圧入し得る。
【0159】
セル端子400の底面、即ち、端子挿入部410の電気的接続部の底面には、少なくとも一部に電池缶200の閉鎖部210の内面とほぼ平行な平坦部が形成され、集電板300はこの平坦部と結合し得る。
【0160】
集電板300は、第1非塗布部110の端部に結合する。第1非塗布部110と集電板300との間の結合は、例えば、レーザー溶接によって行われ得る。レーザー溶接は、集電板300の母材を部分的に溶融する方式で行われるか、または集電板300と第1非塗布部110との間に溶接のためのはんだを介在した状態で行われ得る。この場合、はんだは、集電板300と第1非塗布部110よりも低い融点を有することが望ましい。
【0161】
集電板300は、第1非塗布部110の端部が集電板300と平行な方向へ折り曲げられて形成された結合面に結合し得る。第1非塗布部110の折曲方向は、例えば、電極組立体100の巻取中心、即ち、コアに向かう方向であり得る。第1非塗布部110がこのように折り曲げられた形態を有する場合、第1非塗布部110が占める空間が縮小してエネルギー密度の向上を図り得る。また、第1非塗布部110と集電板300との結合面積の増加によって、結合力の向上及び抵抗減少の効果を奏し得る。
【0162】
セル端子400は、伝導性を有する金属材質からなり、電池缶200の閉鎖部210に形成された貫通孔211に結合して集電板300と電気的に接続する。そして、セル端子400は、集電板300を介して電極組立体100の第1電極板と電気的に接続し、これによって正の極性を有する。即ち、セル端子400は、第1電極端子である正極端子として機能できる。そして、電池缶200は、前述したように電極組立体100の第2電極板と電気的に接続し、これによって負の極性を有する。
【0163】
セル端子400は、端子挿入部410を備え得る。端子挿入部410は、電池缶200の閉鎖部210に形成された貫通孔211から電池缶200内に挿入され、下端部が第1非塗布部110と電気的に接続し得る。
【0164】
端子挿入部410は、電池缶200とインシュレータ600を同時に貫通して集電板300または第1非塗布部110と結合し得る。端子挿入部410の下部の周縁部がコーキングジグによって加圧されて電池缶200の上端部の内面に向かってリベッティングされて貫通孔に固定され得る。
【0165】
即ち、端子挿入部410の下部の周縁部は、コーキングジグの適用によって電池缶200の内面に向かって撓った形態を有し得る。このために、端子挿入部410の端部の最大幅は、端子挿入部410の貫通によって形成された電池缶200の穴の最大幅よりも大きく形成され得る。
【0166】
一方、他の実施形態として、端子挿入部410は、電池缶200の内面に向かって撓った形態を有さないこともある。例えば、図8を参照すると、端子挿入部410は、電池缶200の上面のほぼ中心部に位置した穴を貫通するほぼ円筒状であり得る。
【0167】
本発明の一実施例において、端子挿入部410は、その平面形状が円形であり得るが、これに限定されない。端子挿入部410は、選択的に、多角形、星形、中央から延びる枝を備える形状などであり得る。
【0168】
セル端子400の端子挿入部410は、インシュレータ600の中心孔を貫通し得る。そして、インシュレータ600の中心孔の直径は、端子挿入部410の直径よりも大きくか、または同一に設けられ得る。そして、セル端子400の端子挿入部410は、インシュレータ600の中心孔を貫通して集電板300と電気的に結合し得る。
【0169】
図3を参照すると、キャッププレート230は、電池缶200の開放部220を密閉するように構成される。キャッププレート230は、剛性を確保するために、例えば、金属材質からなり得る。
【0170】
キャッププレート230は、電池缶200の下端に形成された開放部220を密閉する。キャッププレート230は、電極組立体100から分離されて非極性で設けられ得る。即ち、キャッププレート230は、伝導性の金属材質で設けられた場合にも極性を有さなくてもよい。キャッププレート230が極性を有さないということは、キャッププレート230が電池缶200及びセル端子400と電気的に絶縁していることを意味する。このように、キャッププレート230は極性を有さなくてもよく、その材質が必ずしも伝導性金属である必要もない。
【0171】
キャッププレート230は、電池缶200に形成されたビーディング部240に設けられて支持され得る。また、キャッププレート230は、クリンピング部250によって固定される。キャッププレート230と電池缶200のクリンピング部250との間には、電池缶200の気密性を確保するために密封ガスケット260が介在され得る。即ち、密封ガスケット260は、キャッププレート230の周縁部と電池缶200の開放部220との間に介在されるように設けられ得る。
【0172】
一方、本発明の電池缶200は、ビーディング部240とクリンピング部250の少なくとも一つを備えなくてもよく、この場合、密封ガスケット260は、電池缶200の気密性の確保のために電池缶200の開放部220側に備えられた固定のための構造物とキャッププレート230との間に介在され得る。
【0173】
ベントノッチ231は、電池缶200の内部の圧力が臨界値を超過すると破裂するように、キャッププレート230に形成され得る。
【0174】
例えば、ベントノッチ231は、キャッププレート230の両面に形成されてもよく、キャッププレート230の表面で連続の円形パターン、不連続の円形パターン及び直線パターンのうち少なくとも一つのパターンに形成され得る。また、ベントノッチ231は、多様な他のパターンに形成され得る。
【0175】
ベントノッチ231は、電池缶200の配置状態を基準にして電池缶200の下端に形成され、ベントノッチ231が破裂したとき、電池缶200の内部のガスが電池缶200の下端から排出されるように設けられ得る。
【0176】
例えば、図3のように、セル端子400が上端に位置するように電池缶200が配置された場合、ベントノッチ231は、図3を基準にして電池缶200の下端に形成され得る。
【0177】
ベントノッチ231は、キャッププレート230において周辺領域よりも薄い厚さを有する領域として形成され得る。
【0178】
ベントノッチ231は周辺領域よりも薄いため、周辺領域よりも容易に破断され、電池缶200の内圧が一定の水準以上に増加すると、ベントノッチ231が破断することで電池缶200の内部に生成したガスが排出され得る。
【0179】
例えば、ベントノッチ231は、キャッププレート230のある一面に、または両面に切り込みを入れて(notching)部分的に電池缶200の厚さを減少させることで形成され得る。
【0180】
本発明の一実施例による円筒形バッテリーセル10は、上部に正極端子と負極端子が共に存在する構造を有することができ、これによって上部の構造が下部の構造よりも複雑になる。
【0181】
したがって、電池缶200の内部に発生したガスの円滑な排出のために、円筒形バッテリーセル10の下面をなすキャッププレート230にベントノッチ231が形成され得る。
【0182】
このように、円筒形バッテリーセル10に備えられた電池缶200の内部で発生したガスが下方へ排出されると、使用者の安全にも有利であり得る。例えば、円筒形バッテリーセル10が電気自動車の運転席の直下に配置された場合、ガスが上方へ排出されれば、運転者に安全事故の危険があり得る。
【0183】
しかし、本発明の一実施例による円筒形バッテリーセル10のようにガスが電池缶200の下方へ排出されると、円筒形バッテリーセル10が電気自動車における運転席の直下に配置されるとしても前記のような問題が発生しない。
【0184】
図3を参照すると、キャッププレート230の下端部は、電池缶200の下端部よりも上方に位置することが望ましい。この場合、電池缶200の下端部が地面に接触するか、またはモジュールやパックの構成のためのハウジングの底面に接触しても、キャッププレート230は、地面またはモジュールやパックの構成のためのハウジングの底面に接触しなくなる。
【0185】
したがって、円筒形バッテリーセル10の重さによってベントノッチ231の破断に必要な圧力が設計値と相違になる現象を防止でき、これによって、ベントノッチ231の破断の円滑性を確保することができる。
【0186】
図3を参照すると、下部集電板700は、電極組立体100の下部に結合する。下部集電板700は、アルミニウム、スチール、銅、ニッケルなどの導電性の金属材質からなり、第2電極板の第2非塗布部120と電気的に接続する。
【0187】
望ましくは、下部集電板700は、電池缶200と電気的に接続する。このために、下部集電板700は、縁部の少なくとも一部が電池缶200の内面と密封ガスケット260との間に介在されて固定され得る。
【0188】
一実施例で、下部集電板700の縁部の少なくとも一部は、電池缶200の下端に形成されたビーディング部240の下面に支持された状態で溶接によってビーディング部240に固定され得る。変形実施例で、下部集電板700の縁部の少なくとも一部は、電池缶200の内壁面に直接的に溶接され得る。
【0189】
望ましくは、下部集電板700のビーディング部の結合部分を除いた残りの部分の少なくとも一部は、第2非塗布部120の折曲面に溶接、例えば、レーザー溶接によって結合し得る。
【0190】
例えば、下部集電板700は、縁部の少なくとも一部がビーディング部240の上面及び下面のうちクリンピング部250に隣接する面に電気的に結合し得る。
【0191】
一方、本発明の一実施例による電極組立体100は第1電極板及び第2電極板を含み、第1電極板は第1非塗布部110を含み、第2電極板は第2非塗布部120を含み得る。そして、第1非塗布部110及び/または第2非塗布部120の少なくとも一部区間は、複数の分節片に分割されてもよく、以下では分節片の構造について詳しく説明する。
【0192】
図9は、本発明の一実施例による電極板の構造を示した平面図である。
【0193】
図9を参照すると、電極板60の非塗布部43においてコア側非塗布部B1と外周側非塗布部B3の高さは0以上であり、中間非塗布部B2よりは相対的に小さい。また、コア側非塗布部B1と外周側非塗布部B3の高さは、同一であるか、または相違し得る。
【0194】
望ましくは、中間非塗布部B2は、少なくとも一部区間が複数の分節片61を含み得る。複数の分節片61は、コア側から外周側へ進むほど高さが段階的に増加し得る。
【0195】
分節片61は、レーザーでノッチングされたものであり得る。分節片61は、 超音波カッティングや打抜けなどの公知の金属箔のカッティング工程によって形成し得る。
【0196】
図9において、非塗布部43の折曲加工時における活物質層42及び/または絶縁コーティング層44の損傷を防止するために、分節片61の間の切断ライン下端(図10のC4)と活物質層42との間に所定の隙間を置くことが望ましい。非塗布部43が折り曲げられるときに、切断ラインの下端付近に応力が集中するためである。ギャップは0.2~4mmであることが望ましい。ギャップがこのような数値範囲に調節されると、非塗布部43の折曲加工時に発生する応力によって切断ラインの下端付近の活物質層42及び/または絶縁コーティング層44が損傷することを防止することができる。また、ギャップは、分節片61のノッチングまたは切断時の公差による活物質層42及び/または絶縁コーティング層44の損傷を防止できる。望ましくは、電極板60が巻き取られるとき、絶縁コーティング層44の少なくとも一部は分離膜の外部に露出し得る。この場合、絶縁コーティング層44は、分節片61が折り曲げられるとき、折曲地点を支持し得る。
【0197】
複数の分節片61は、コア側から外周側へ進むほど複数の分節片グループをなし得る。同じ分節片グループに属した分節片の幅、高さ及び離隔ピッチのうち少なくとも一つ以上は実質的に同一であり得る。
【0198】
図10は、本発明の実施例による分節片61の幅、高さ及び離隔ピッチの定義を示した図である。図10を参照すると、分節片61の幅C1、高さC2及び離隔ピッチC3は、非塗布部43の折曲加工時、非塗布部43が破れることを防止し、溶接強度を向上させるために、非塗布部43の重畳レイヤー数を充分に増加させて非塗布部43の異常変形を防止するように設計する。異常変形とは、折曲地点の下部の非塗布部が直線状態を維持できずに崩れて不規則に変形されることを意味する。
【0199】
望ましくは、分節片61の幅C1は、1~8mmの範囲で調節し得る。C1が1mm未満であれば、分節片61がコア側へ折り曲げられたときに溶接強度を充分に確保できる程度に重畳しない領域または空間(隙間)が発生する。一方、C1が8mmを超過すると、分節片61が折り曲げられるとき、折曲地点付近の非塗布部43が応力によって破れる恐れがある。
【0200】
また、分節片61の高さは、2~10mmの範囲で調節し得る。C2が2mm 未満であれば、分節片61がコア側へ折り曲げられたとき、溶接強度が充分に確保できる程度に重畳しない領域または空間(隙間)が発生する。一方、C2が10mmを超えると、巻取方向(X方向)へ非塗布部の平坦度を均一に維持しながら電極板を製造しにくい。即ち、非塗布部の高さが大きすぎてうねりが発生する。また、分節片61の離隔ピッチC3は、0.05~1mmの範囲で調節し得る。C3が0.05mm未満であれば、分節片61が折り曲げられるときに応力によって折曲地点付近の非塗布部43が破れ得る。一方、C3が1mmを超過すると、分節片61が折り曲げられたときに溶接強度を充分に確保できる程度に分節片61が互いに重畳しない領域または空間(隙間)が発生し得る。
【0201】
図10を参照すると、巻取方向(X方向)に隣接する二つの分節片61の間には、切断部62が介在される。切断部62は、非塗布部43が除去されることで生じた空間である。望ましくは、切断部62の下端のコーナー部分は、ラウンド形状(部分拡大参照)有し得る。ラウンド形状は、電極板60の巻取及び/または分節片61の折曲時において切断部62の下端に印加される応力を緩和させることができる。
【0202】
図9をさらに参照すると、コア側非塗布部B1の幅dB1は、中間非塗布部B2の分節片61をコア側へ折り曲げたとき、電極組立体のコアの空洞を遮らない条件を適用して設計する。
【0203】
一例で、コア側非塗布部B1の幅dB1は、グループ1の分節片61の折曲長さに比例して増加し得る。折曲長さは、折曲地点(図10の63)を基準にした分節片61の高さとなる。図10を参照すると、C4は、折曲が可能な位置の最低点を示す。折曲地点は、C4で示された位置またはC4の上部に適切に設定され得る。折曲長さは、折曲地点から分節片61の上端までの長さである。具体的には、折曲地点は、C4を基準にして分節片61の高さC2の所定の地点に設定され得る。所定地点は、分節片61の折曲時に生ずる応力が、活物質層42または絶縁コーティング層44に物理的損傷を起こすことを防止し、分節片61が電極組立体の半径方向に折り曲げられるときに半径方向へ重畳するレイヤー数を十分に確保することで、分節片61が折り曲げられた領域に集電プレートを溶接したときに十分な溶接強度が確保されるように設定され得る。
【0204】
具体的な例において、電極板60がフォームファクターが46800である円筒形セルの電極組立体を製造するのに使用される場合、コア側非塗布部B1の幅dB1は電極組立体コアの直径に応じて180~350mmに設定し得る。
【0205】
一実施例で、各分節片グループの幅は、電極組立体の同じ巻取ターンを構成するように設計され得る。
【0206】
ここで、巻取ターンは、電極板60が巻き取られた状態にあるとき、コア側非塗布部B1の端部を基準にして計数し得る。
【0207】
他の変形例において、各分節片グループの幅は、電極組立体の少なくとも一つ以上の巻取ターンを構成するように設計され得る。
【0208】
また、他の変形例において、同じ分節片グループに属した分節片61の幅及び/または高さ及び/または離隔ピッチは、グループ内で漸進的に及び/または段階的に及び/または不規則的に増加または減少し得る。
【0209】
グループ1~8は、分節片グループの一例に過ぎない。グループの数、各グループに含まれる分節片61の数及びグループの幅は、非塗布部43の折曲過程で応力を最大限に分散させて溶接強度を充分に確保できるように分節片61が多重に重畳するように望ましく調節され得る。
【0210】
他の変形例において、外周側非塗布部B3の高さは漸進的にまたは段階的に減少し得る。
【0211】
また、他の変形例において、中間非塗布部B2の分節構造は、外周側非塗布部B3まで拡張可能である(点線参照)。この場合、外周側非塗布部B3も中間非塗布部B2と同様に複数の分節片を含み得る。この場合、外周側非塗布部B3の分節片は、幅及び/または高さ及び/または離隔ピッチが中間非塗布部B2よりも大きくなってもよい。選択的には、外周側非塗布部B3の分節構造は、中間非塗布部B2の最外側に存在する分節片グループと実質的に同一であり得る。
【0212】
具体的な具現例において、電極板60がフォームファクターが46800である円筒形セルの電極組立体を製造するのに使用される場合、コア側非塗布部B1の幅dB1は180~350mmであり得る。グループ1の幅は、コア側非塗布部B1の幅に対して35~40%であり得る。グループ2の幅は、グループ1の幅に対して130~150%であり得る。グループ3の幅は、グループ2の幅に対して120~135%であり得る。グループ4の幅は、グループ3の幅に対して85~90%であり得る。グループ5の幅は、グループ4の幅に対して120~130%であり得る。グループ6の幅は、グループ5の幅に対して100~120%であり得る。グループ7の幅は、グループ6の幅に対して90~120%であり得る。グループ8の幅は、グループ7の幅に対して115~130%であり得る。外周側非塗布部B3の幅dB3は、コア側非塗布部B1の幅と同一に180~350mmであり得る。
【0213】
グループ1~8の幅が一定の増加または減少パターンを示さない理由は、分節片の幅はグループ1からグループ8へ進むほど徐々に増加するが、グループ内に含まれる分節片の数は整数個に制限されるためである。そのため、特定の分節片グループでは、分節片の数が減少し得る。したがって、グループの幅は、コア側から外周側へ進むにつれ、前記の例示のように不規則な変化の様相を示し得る。
【0214】
即ち、電極組立体の円周方向に連続して隣接する3個の分節片グループ各々に対する巻取方向の幅を、各々W1、W2及びW3としたとき、W2/W1より もW3/W2が小さい分節片グループの組合せを含み得る。
【0215】
前記具体的な例において、グループ4~6がこれに該当する。グループ4に対するグループ5の幅の割合は120~130%であり、グループ5に対するグループ6の幅の割合は100~120%であって、その値が120~130%よりも小さい。
【0216】
図11は、本発明の他の実施例による電極板の構造を示した平面図であり、図12は、図11による分節片の幅、高さ及び離隔ピッチの定義を示した図である。
【0217】
図11を参照すると、電極板70は、図9と比較して分節片61’の形状が四角形から台形に変更されたことを除いては、残りの構成は実質的に同一である。
【0218】
図12は、台形分節片61’の幅、高さ及び離隔ピッチの定義を示す。
【0219】
図12を参照すると、分節片61’の幅D1、高さD2及び離隔ピッチD3は、非塗布部43の折曲加工時、折曲地点付近の非塗布部43が破れることを防止し、十分な溶接強度を確保するために非塗布部43の重畳レイヤー数を充分に増加させながら非塗布部43の異常変形を防止するように設計する。
【0220】
望ましくは、分節片61’の幅D1は1~8mmの範囲で調節し得る。D1が 1mm未満であれば、分節片61’がコア側へ折り曲げられたとき、溶接強度が充分に確保可能な程度に分節片61’が重畳しない領域や空間(隙間)が発生し得る。一方、D1が8mmを超過すると、分節片61が折り曲げられるとき、折曲地点付近の非塗布部43が応力によって破れる可能性がある。また、分節片61’の高さは2~10mmの範囲で調節し得る。D2が2mm未満であれば、分節片61’がコア側へ折り曲げられたとき、溶接強度が充分に確保可能な程度に分節片61’が重畳しない領域や空間(隙間)が発生し得る。一方、D2が10mmを超えると、巻取方向へ非塗布部43の平坦度を均一に維持しながら電極板を製造しにくい。また、分節片61’の離隔ピッチD3は、0.05~1mmの範囲で調節し得る。D3が0.05mm未満であれば、分節片61’が折り曲げられるとき、応力によって折曲地点D4付近の非塗布部43が破れ得る。一方、D3が1mmを超過すると、分節片61’が折り曲げられたとき、溶接強度が充分に確保可能な程度に分節片61’が互いに重畳しない領域や空間(隙間)が発生し得る。
【0221】
巻取方向X方向に隣接する二つの分節片61’の間には、切断部62が介在される。切断部62は、非塗布部43が除去されて生じた空間である。望ましくは、切断部62の下端のコーナー部分は、ラウンド形状(部分拡大参照)を有し得る。ラウンド形状は、分節片61’が折り曲げられるとき、応力を緩和させ得る。
【0222】
図11及び図12を参照すると、複数の分節片61’は、コア側から外周側へ進むほど台形の下部内角θが増加し得る。電極組立体70の半径が増加すると、曲率が増加する。もし、分節片61’の下部内角θが電極組立体の半径が増加するにつれて共に増加すると、分節片61’が折り曲げられるとき、半径方向及び円周方向へ発生する応力を緩和させることができる。また、下部内角θが増加すると、分節片61’が折り曲げられたとき、内側の分節片61’と重畳する面積及び重畳レイヤー数も共に増加することで、半径方向及び円周方向において溶接強度が均一に確保でき、折曲面を平坦に形成できる。
【0223】
一例で、電極板70が、フォームファクターが46800である円筒形セルの電極組立体を製造するのに使用される場合、電極組立体70の半径が4mmから22mmまで増加するとき、分節片61’の内角は60°~85°区間で段階的に増加し得る。
【0224】
一変形例において、外周側非塗布部B3の高さは、第1実施例及び第2実施例と同様に漸進的にまたは段階的に減少し得る。また、中間非塗布部B2の分節構造は、外周側非塗布部B3まで拡張可能である(点線参照)。この場合、外周側非塗布部B3も、中間非塗布部B2と同様に複数の分節片を含み得る。この場合、外周側非塗布部B3の分節片は、幅及び/または高さ及び/または離隔ピッチが中間非塗布部B2よりも大きくてもよい。選択的には、外周側非塗布部B3の分節構造は、中間非塗布部B2の最外側に存在する分節片グループと実質的に同一であり得る。
【0225】
具体的な具現例において、電極板70が、フォームファクターが46800である円筒形セルの電極組立体を製造するのに使用される場合、コア側非塗布部B1の幅dB1は180~350mmであり得る。グループ1の幅は、コア側非塗布部B1の幅に対して35~40%であり得る。グループ2の幅は、グループ1の幅に対して130~150%であり得る。グループ3の幅は、グループ2の幅に対して120~135%であり得る。グループ4の幅は、グループ3の幅に対して85~90%であり得る。グループ5の幅は、グループ4の幅に対して120~130%であり得る。グループ6の幅は、グループ5の幅に対して100~120%であり得る。グループ7の幅は、グループ6の幅に対して90~120%であり得る。グループ8の幅は、グループ7の幅に対して115~130%であり得る。外周側非塗布部B3の幅dB3は、コア側非塗布部B1の幅と同じく180~350mmであり得る。
【0226】
グループ1~8の幅が一定の増加または減少パターンを示さない理由は、分節片の幅はグループ1からグループ8へ進むほど徐々に増加するが、グループ内に含まれる分節片の数は整数個に制限されるためである。そのため、特定の分節片グループでは、分節片の数が減少し得る。したがって、グループの幅は、コア側から外周側へ進むにつれ、前記の例示のように不規則な変化様相を示し得る。
【0227】
即ち、電極組立体の円周方向において連続して隣接する3個の分節片グループの各々に対する巻取方向の幅を各々W1、W2及びW3としたとき、W2/W1よりもW3/W2が小さい分節片グループの組合せを含み得る。
【0228】
前記具体的な例において、グループ4~6がこれに該当する。グループ4に対するグループ5の幅の割合は120~130%であり、グループ5に対するグループ6の幅の割合は100~120%であって、その値が120~130%よりも小さい。
【0229】
図13は、本発明の一実施例による電極組立体をY軸方向(巻取軸方向)に沿って切った断面図である。
【0230】
図13を参照すると、電極板の非塗布部43aは、電極組立体100のコアに隣接するコア側非塗布部B1と、電極組立体100の外周表面に隣接する外周側非塗布部B3と、コア側非塗布部B1と外周側非塗布部B3との間に介在された中間非塗布部B2と、を含む。
【0231】
コア側非塗布部B1の高さは、中間非塗布部B2の高さよりも相対的に小さい。また、中間非塗布部B2において最内側に位置した非塗布部43aの折曲長さは、コア側非塗布部B1の半径方向の長さRと同一であるか、または小さい。折曲長さHは、非塗布部43aが折り曲げられる地点(図10のh、図12のh)を基準にした非塗布部43aの高さに該当する。
【0232】
したがって、中間非塗布部B2が折り曲げられても、折曲部位が電極組立体100のコアの空洞102を閉塞しない。空洞102が閉塞されない場合、電解質注液工程に困難がなく、電解液注液の効率が向上する。また、空洞102をから溶接ジグを挿入して負極(または正極)側の集電板と電池缶(またはリベット端子)との溶接工程を容易に行うことが可能である。
【0233】
外周側非塗布部B3の高さは、中間非塗布部B2の高さよりも相対的に小さい。そのため、電池缶のビーディング部が外周側非塗布部B3の付近で加圧される過程においてビーディング部と外周側非塗布部B3とが接触することを防止できる。
【0234】
一変形例において、外周側非塗布部B3の高さは、図13に示したこととは異なり、漸進的にまたは段階的に減少し得る。また、図13には、中間非塗布部B2の高さが外周側の一部分が同一であるが、中間非塗布部B2の高さは、コア側非塗布部B1と中間非塗布部B2の境界から中間非塗布部B2と外周側非塗布部B3の境界まで漸進的にまたは段階的に増加し得る。
【0235】
下部非塗布部43bは、上部非塗布部43aと同じ構造を有する。一変形例において、下部非塗布部43bは、従来の電極板構造や他の実施例(変形例)の電極板構造を有し得る。
【0236】
上部非塗布部43aと下部非塗布部43bの端部101は、電極組立体100の外周側からコア側へ折曲加工され得る。この際、コア側非塗布部B1と外周側非塗布部B3は、実質的に折り曲げられない。
【0237】
中間非塗布部B2が複数の分節片を含む場合、折曲応力が緩和して折曲地点近所の非塗布部43aが破れるか、または異常変形することを防止できる。また、分節片の幅及び/または高さ及び/または離隔ピッチが上述した実施例の数値範囲によって調節される場合、分節片がコア側へ折り曲げられながら溶接強度が充分に確保できる程度に多重に重畳して折曲面(Y軸から見た表面)に穴(隙間)を形成しない。
【0238】
図14は、本発明の他の実施例による電極組立体をY軸方向(巻取軸方向)に沿って切った断面図である。
【0239】
図14を参照すると、電極組立体110は、図13の電極組立体100と比較して、外周側非塗布部B3の高さが中間非塗布部B2の最外側の高さと実質的に同一であるという点を除いては、残りの構成は実質的に同一である。外周側非塗布部B3は、複数の分節片を含み得る。
【0240】
電極組立体110において、コア側非塗布部B1の高さは、中間非塗布部B2の高さよりも相対的に小さい。また、中間非塗布部B2において最内側に位置した非塗布部の折曲長さHは、コア側非塗布部B1の半径方向の長さRと同一であるか、または小さい。
【0241】
したがって、中間非塗布部B2が折り曲げられても折曲部位が電極組立体110のコアの空洞112を閉塞しない。空洞112が閉塞されない場合、電解質注液工程に困難がなく、電解液注液の効率が向上する。また、空洞112から溶接ジグを挿入して負極(または正極)側の集電プレートと電池缶(またはリベット端子)との溶接工程を容易に行うことが可能である。
【0242】
一変形例において、中間非塗布部B2の高さがコア側から外周側に向かって漸進的にまたは段階的に増加する構造は、外周側非塗布部B3まで拡張され得る。この場合、非塗布部43aの高さは、コア側非塗布部B1と中間非塗布部B2の境界から電極組立体110の差外側の表面まで漸進的にまたは段階的に増加し得る。
【0243】
下部非塗布部43bは、上部非塗布部43aと同じ構造を有する。一変形例において、下部非塗布部43bは、従来の電極板構造や他の実施例(変形例)の電極板の構造を有し得る。
【0244】
上部非塗布部43aと下部非塗布部43bの端部111は、電極組立体110の外周側からコア側へ折曲加工され得る。この際、コア側非塗布部B1は、実質的に折り曲げられない。
【0245】
中間非塗布部B2及び外周側非塗布部B3が複数の分節片を含む場合、折曲応力が緩和して折曲地点付近の非塗布部43a、43bが破れるか、または異常変形することを防止し得る。また、分節片の幅及び/または高さ及び/または離隔ピッチが上述した実施例の数値範囲によって調節される場合、分節片がコア側へ折り曲げられながら溶接強度を充分に確保可能な程度に多重に重畳されて折曲面(Y軸から見た表面)に穴(隙間)を形成しない。
【0246】
図15は、本発明の実施例によるバッテリーパックの構成を概略的に示した図である。
【0247】
図15を参照すると、本発明の実施例によるバッテリーパック800は、円筒形バッテリーセル10が電気的に接続された集合体及びそれを収容するパックハウジング810を含む。円筒形バッテリーセル10は、上述した実施例によるバッテリーセルである。図面においては、図示の便宜上、円筒形バッテリーセル10の電気的接続のためのバスバー、冷却ユニット、外部端子などの部品の図示は省略した。
【0248】
バッテリーパック800は、自動車900に搭載され得る。自動車900は一例で、電気自動車、ハイブリッド自動車またはプラグインハイブリッド自動車であり得る。自動車900は、四輪自動車または二輪自動車を含む。
【0249】
図16は、図15のバッテリーパックを含む自動車を説明するための図である。
【0250】
図16を参照すると、本発明の一実施例による自動車900は、本発明の一実施例によるバッテリーパック800を含む。自動車900は、本発明の一実施例によるバッテリーパック800から電力を受けて動作する。
【0251】
以上、本発明を限定された実施例と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明が属する技術分野における通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0252】
10 円筒形バッテリーセル
21 ビーディング部
30 集電板
42 活物質層
43 非塗布部
43a 上部非塗布部
43b 下部非塗布部
44 絶縁コーティング層
60 電極板
61、61’ 台形分節片
62 切断部
70 電極板
100 電極組立体
101 端部
102 空洞
110 第1非塗布部
111 端部
112 空洞
120 第2非塗布部
200 電池缶
210 閉鎖部
211 貫通孔
220 開放部
230 キャッププレート
231 ベントノッチ
240 ビーディング部
250 クリンピング部
260 密封ガスケット
300 集電板
310 縁部
320 非塗布部結合部
330 端子結合部
340 連結部
350 ヒューズ部
351 ノッチ
352 貫通孔
353 テープ
400 セル端子
410 端子挿入部
500 絶縁テープ
600 インシュレータ
700 下部集電板
800 バッテリーパック
810 パックハウジング
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【図 】
図13
図14
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図16