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特許7708986保守サービスシステム、および保守サービスの処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-07
(45)【発行日】2025-07-15
(54)【発明の名称】保守サービスシステム、および保守サービスの処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/20 20230101AFI20250708BHJP
【FI】
G06Q10/20
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2024573910
(86)(22)【出願日】2024-09-06
(86)【国際出願番号】 JP2024031971
【審査請求日】2024-12-17
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100188891
【弁理士】
【氏名又は名称】丹野 拓人
(72)【発明者】
【氏名】青木 柾仁
【審査官】大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-190324(JP,A)
【文献】特開2004-199303(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客によって異なる設備または前記設備に含まれる装置あるいは部品である物品について、前記物品のリスクと前記物品の購入料金と契約期間とに基づいて、前記物品を在庫として保有し前記物品を前記顧客が購入することができる契約に基づく継続課金料金を決定する設定部と、
在庫として保有された前記物品である予備物品を示す予備物品情報を管理する物品管理部と、
前記継続課金料金を継続的に課金する継続課金部と、
を備える保守サービスシステム。
【請求項2】
前記物品が複数種類の物品である場合、
前記設定部は、前記物品の種類ごとのリスクと前記物品の種類ごとの購入料金と契約対象の物品の種類ごとの契約期間とに基づいて継続課金料金を決定する、請求項1に記載の保守サービスシステム。
【請求項3】
前記設定部は、前記予備物品に対応した契約を持つ顧客数に基づいて前記継続課金料金を決定する、請求項1に記載の保守サービスシステム。
【請求項4】
前記設定部は、各物品についての前記リスクと前記予備物品に対応した契約を持つ顧客数に応じて予備物品数を決定し、前記予備物品数と前記予備物品の購入料金に応じて予備物品費用を算出し、当該予備物品費用と前記顧客数に基づいて前記継続課金料金を決定する、請求項1記載の保守サービスシステム。
【請求項5】
前記設定部は、前記継続課金料金に基づいて前記契約期間を決定する、請求項1に記載の保守サービスシステム。
【請求項6】
前記設定部は、前記設備の保守サービスの利用状況に基づいて当該設備に関連した前記予備物品の継続課金料金を決定する、請求項1に記載の保守サービスシステム。
【請求項7】
前記設定部は、前記設備の環境を示す環境情報に基づいて当該設備に関連した前記予備物品の継続課金料金を決定する、請求項1に記載の保守サービスシステム。
【請求項8】
前記設定部は、故障率または交換頻度を示す前記リスクが高いほど前記継続課金料金を高く設定する、請求項1に記載の保守サービスシステム。
【請求項9】
前記設定部は、前記購入料金が高い物品ほど前記継続課金料金を高く設定し、前記契約期間が長い物品ほど継続課金料金を低く設定する、請求項1に記載の保守サービスシステム。
【請求項10】
前記設定部は、故障率または交換頻度を示す前記リスクが高いほど前記継続課金料金を低く設定する、請求項1に記載の保守サービスシステム。
【請求項11】
管理装置が、顧客によって異なる設備または前記設備に含まれる装置あるいは部品である物品について、前記物品のリスクと前記物品の購入料金と契約期間とに基づいて、前記物品を在庫として保有し前記物品を前記顧客が購入することができる契約に基づく継続課金料金を決定するステップと、
前記管理装置が、在庫として保有された前記物品である予備物品を示す予備物品情報を管理するステップと、
前記管理装置が、前記継続課金料金を継続的に課金するステップと、
を含む、保守サービスの処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、保守サービスシステム、および保守サービスの処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電力設備、ビル設備、鉄道設備等のインフラ設備では、装置が異常により停止した場合、インフラ設備の停止による損失が大きくなる傾向がある。例えば、インフラ設備の装置はいわゆる大量生産品ではなく、保守向けの部品在庫がない場合があり、装置の復旧までに時間を要するため、損失が拡大することがある。また、装置の故障によって、長期間、インフラ設備によるサービスが停止することは、多くの人々に不便を強いることになり、信頼も低下するおそれがある。インフラ設備を復旧させるための保守サービスに関する技術としては、例えば下記の特許文献1、2に記載されたものが知られている。
【0003】
特許文献1の料金設定システムは、エレベータの閉込事故時に動作する遠隔緊急装置において、ビル側に月額制で貸与サービスを提供し、月額料金を装置の費用およびその他費用を契約月額で除算した価格とすることが記載されている。
【0004】
特許文献2に記載されたプラントの予備部品供給システムは、各部品の破損確率等を表す評価パラメータが類似するグループ毎にプラント保有者を分けてグループを形成し、特定の予備部品に関しこれの作製等に要する費用を、同一グループに属するプラント保有者が頭数に応じて等分に負担する契約金を決定して参加者を公募している。一方、プラントの予備部品供給システムは、事故発生プラントからの事故情報を事故情報集約システムで集約して補修のための必要な手配を行うとともに、予備部品の作製等に要した費用と事故発生プラントの所有者の負担金との差額を算出してこの差額を事故発生プラントの保有者に請求するとともに、当該予備部品を使用しなかった残りのプラントの保有者に差額をその数に応じて分割して払い戻している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2002-29675号公報
【文献】特開2004-199303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された料金設定システムは、エレベータの閉込事故時に動作する遠隔緊急装置の月額料金について記載されているが、異常により稼働しなくなったときに遠隔緊急装置を復旧させるための料金については言及されていない。したがって、特許文献1に記載された技術をインフラ設備の復旧のための保守サービスに適用しても、インフラ設備によるサービスが停止することを回避することはできない。また、特許文献2に記載された予備部品供給システムは、複数のプラント保有者によりグループを形成し、特定の予備部品に関しこれの作製等に要する費用を同一グループに属するプラント保有者が頭数に応じて等分に負担する契約金を決定しているので、同一グループに属するプラント保有者の頭数が少ない場合には一人当たりの費用負担が大きくなるという問題がある。
【0007】
さらに、プラント設備の損傷によっては複数種類の部品を交換する必要がある。しかし、特許文献1に記載された料金設定システムは遠隔緊急装置を対象としているので、複数種類の部品を交換することを考慮していない。また、特許文献2に記載された技術では、各部品の破損確率等を表す評価パラメータが類似するグループを形成しているので、複数種類の部品を考慮した場合にグループに属するプラント保有者の頭数が少なくなる可能性があり、さらに費用負担が大きくなるという問題がある。
【0008】
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであり、顧客の設備についての保守サービスを提供するために継続的な課金料金を適切に設定することができる保守サービスシステム、および保守サービスの処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示は上述した課題を解決するためになされたもので、本開示の一態様は、顧客によって異なる設備または前記設備に含まれる装置あるいは部品である物品について、前記物品のリスクと前記物品の購入料金と契約期間とに基づいて、前記物品を在庫として保有し前記物品を前記顧客が購入することができる契約に基づく継続課金料金を決定する設定部と、在庫として保有された前記物品である予備物品を示す予備物品情報を管理する物品管理部と、前記継続課金料金を継続的に課金する継続課金部と、を備える保守サービスシステムである。
【0010】
本開示の他の態様は、管理装置が、顧客によって異なる設備または前記設備に含まれる装置あるいは部品である物品について、前記物品のリスクと前記物品の購入料金と契約期間とに基づいて、前記物品を在庫として保有し前記物品を前記顧客が購入することができる契約に基づく継続課金料金を決定するステップと、前記管理装置が、在庫として保有された前記物品である予備物品を示す予備物品情報を管理するステップと、前記管理装置が、前記継続課金料金を継続的に課金するステップと、を含む、保守サービスの処理方法。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、顧客の設備についての保守サービスを提供するために継続的な課金料金を適切に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1の実施の形態における保守サービスシステム1の一例を示すブロック図である。
図2】第1の実施の形態における保守サービスの一例を示す図である。
図3】第1の実施の形態におけるインフラ施設400の一例を示す図である。
図4】第1の実施の形態における入力情報を作成するために端末装置200に表示する画面の一例を示す図である。
図5】第1の実施の形態における保守サービスシステム1における処理手順の一例を示すシーケンス図である。
図6】第2の実施の形態における保守サービスシステム1Aの一例を示す図である。
図7】第2の実施の形態における保守サービスシステム1Aにおける処理手順の一例を示すシーケンス図である。
図8】第3の実施の形態における保守サービスシステム1Bの一例を示す図である。
図9】第3の実施の形態における保守サービスシステム1における処理手順の一例を示すシーケンス図である。
図10】第4の実施の形態における保守サービスシステム1Cの一例を示す図である。
図11】第4の実施の形態における保守サービスシステム1Cにおける処理手順の一例を示すシーケンス図である。
図12】第4の実施の形態における保守サービスシステム1Cにおける継続課金料金を決定する処理の一例を示すフローチャートである。
図13】第4の実施の形態における保守サービスシステム1Cにおける継続課金料金を決定する他の処理の一例を示すフローチャートである。
図14】第4の実施の形態における保守サービスシステム1Cにおける継続課金料金を決定する他の処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を適用した保守サービスシステム、および保守サービスの処理方法を、図面を参照して説明する。
【0014】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態における保守サービスシステム1の一例を示すブロック図である。保守サービスシステム1は、例えば、管理装置100と、複数の端末装置200と、複数の製作所装置300とを備える。なお、以下の説明において、複数の端末装置を総称する場合には「端末装置200」と記載し、複数の製作所装置を総称する場合には「製作所装置300」と記載する。
【0015】
管理装置100、端末装置200、および製作所装置300は、は、インターネット等の通信ネットワークNWに接続するためのNIC(Network Interface Card)または無線通信モジュールなどの通信インターフェース(不図示)を有する。通信ネットワークNWは、例えばインターネット等の汎用ネットワーク、およびローカル5GまたはWiFi(登録商標)などのプライベートなネットワークを含んでよい。
【0016】
実施の形態において管理装置100は、保守サービスを実現するための各種の処理を行う。保守サービスは、顧客のために予備物品を用意し、顧客の要求に応じて予備物品を交換品として販売するサービスである。予備物品は、顧客が運営する施設に含まれる設備、装置、部品などであり、異常発生前に在庫されている物品である。交換品は、異常が発生した施設を復旧させるため、予備物品のうち顧客に販売される物品である。
保守サービスを実現するための処理は、顧客が結んだ契約に基づいて予備物品の在庫を管理し、顧客に継続的に課金を行い、異常発生時に顧客が予備物品を購入するための処理を含む。端末装置200は、施設の運営をする顧客により保有されるスマートフォンなどの情報処理装置である。製作所装置300は、施設に含まれる各種の物品を制作する製作所の担当者により操作される情報処理装置である。
なお、実施の形態においては施設としてインフラ施設について説明するが、これに限定されず、インフラ施設以外の施設であっても適用可能である。
【0017】
図2は、第1の実施の形態における保守サービスの一例を示す図である。
実施の形態において、顧客は、契約期間中に、予備物品の提供を受ける権利を定めた契約を結ぶ。この契約には、契約期間中に継続的に課金を行い、顧客の要望に応じて予備物品を優先的に購入することが含まれる。図2において、上段は第1の実施の形態における保守サービスの契約から納品までの流れ、下段は当該保守サービスの契約対象外の物品の受注から納品までの流れを示している。
図2の上段のように、第1の実施の形態における保守サービスにおいて、製作所は、時期t1において契約が結ばれると、契約に係る予備物品のために材料手配、製作、在庫といった一連の作業を行う。そして、時期t2において顧客からの要望に応じて契約に係る予備物品の受注を受け付けると、製作所は、時期t3までに、契約に係る予備物品を顧客に納品する。一方、図2の下段のように、契約対象外の物品については、時期t2にて受注を受け付けると、材料手配、製作を経て時期t4に納品を行う。なお、図2に示した一例においては契約のタイミングが材料手配の前であるが、これに限定されず、契約のタイミングは、材料手配の途中、製作の前または途中であってもよく、さらには、在庫の前または途中でもよい。
【0018】
このように、保守サービスは、契約期間において顧客に継続的に少額の課金をすることで予備物品を製作所に作成させて在庫を確保することができる。顧客は、インフラ施設のトラブルが発生した時、予備物品の在庫を優先的に購入することができる権利(在庫使用権)を得ることができる。具体的には、製作所は、顧客のインフラ施設を構成する設備、装置、部品についての予備物品の在庫を用意しておき、インフラ施設の異常時に、予防や復旧に必要な物品を短期間で提供することができる。これにより、インフラ施設の異常時にインフラ施設の装置が停止することを予防することができる。また、インフラ施設の異常時にインフラ施設の設備、装置、または部品が停止しても、復旧を早めることができる。この結果、インフラ施設を用いたインフラサービスの停止による損失を低減できる。
【0019】
管理装置100は、例えば、端末装置200および製作所装置300から要求を受け付けて各種の処理を行うサーバ装置などの情報処理装置である。管理装置100は、例えば、入力部110と、出力部120と、制御部130と、記憶部160とを備える。
【0020】
入力部110は、端末装置200および製作所装置300から各種の情報を受信する。出力部120は、端末装置200および製作所装置300に各種の情報を出力する。
【0021】
制御部130は、例えば、設定部132と、契約部134と、物品管理部136と、継続課金部138と、物品選定部140と、出力制御部142と、交換課金部144とを備える。設定部132、契約部134、物品管理部136、継続課金部138、物品選定部140、出力制御部142、および、交換課金部144は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサがプログラムメモリに格納されたプログラムを実行することで実現される機能部である。
【0022】
設定部132は、継続課金料金を設定する処理を行う。継続課金料金は、顧客が結んだ契約が有効な期間において顧客が継続的に支払う料金である。
【0023】
契約部134は、入力部110により取得した情報に基づいて契約情報を取得する。契約部134は、例えば、設定部132により設定された継続課金料金、契約期間などの契約条件を端末装置200に送信し、端末装置200から契約条件を承諾することを示す承諾情報を取得する。これにより契約部134は、顧客情報、承諾情報、および契約条件を含む契約情報を取得する。
契約は、契約期間中に、予備物品の提供を受ける権利を定めたものである。契約情報は、顧客を示す顧客情報、顧客の設備に関する物品を示す物品情報、および、継続課金情報が関連付けられた契約を示す情報である。契約情報は、契約識別情報が付加されてよい。契約識別情報は、契約を識別する情報であり、例えば契約IDまたはキーワードである。
【0024】
物品管理部136は、予備物品情報を管理する処理を行う。予備物品情報は、契約情報と、契約に応じて保有された物品である予備物品と、予備物品の在庫状況と、が関連付けられた情報である。予備物品の在庫状況は、例えば、予備物品における製作状況、予備物品の在庫保有数を含む。物品管理部136は、例えば、予備物品の在庫状況として、予備物品における製作状況、予備物品の在庫保有数、といった情報を更新する。また、物品管理部136は、顧客および契約に対して複数種類の予備物品がある場合、予備物品ごとに在庫状況を更新する。
【0025】
継続課金部138は、継続課金情報に基づいて顧客に継続的に課金する処理を行う。継続課金部138は、例えば、契約により予め設定されたタイミングで顧客から継続課金を請求する課金処理を行う。
【0026】
物品選定部140は、顧客および物品を示す入力情報に対して、予備物品情報に基づいて契約の対象か否かを判定し、契約の対象である場合、当該物品の予備物品を交換品として選定する。物品選定部140は、例えば、インフラ施設の異常時に、入力部110を介して端末装置200から入力情報を受け付ける。
【0027】
出力制御部142は、出力部120により情報を出力する動作を制御する。出力制御部142は、例えば、継続課金情報、予備物品情報、交換品に関する情報の出力先、これらの情報のタイミングを制御する。なお、出力制御部142は、例えば、後述する図5のように各種の情報の出力を制御する。また、出力制御部142は、端末装置200に対して、入力情報を出力させるためのコンテンツを送信する。入力情報を出力させるためのコンテンツは、例えば、顧客が予備物品を選択させるための画面を表示させるためのデータである。
出力部120は、交換品に関する情報を出力する。交換品に関する情報は、交換品の有無、品番、物品名、担当者の連絡先、保管場所等などの顧客が交換品を用いて保守を行うための情報である。
出力部120は、購入費用情報に基づいて、交換品の購入料金を出力してよい。購入費用情報は、交換品の購入料金を表す情報である。これにより顧客に交換品を購入した時の費用を通知することができる。
【0028】
交換課金部144は、交換品の購入料金に基づいて、顧客に対する請求情報を生成する。ここで、予備物品情報には、交換品の購入料金を表す購入費用情報が含まれてよい。交換課金部144は、購入費用情報により表された交換品の購入料金を請求する請求情報を生成する。請求情報は、出力部120および出力制御部142によって端末装置200に送信される。出力部120は、購入費用情報に基づいて、交換品の購入料金を出力してよい。
【0029】
記憶部160は、例えば、契約記憶部162と、継続課金記憶部164と、購入費用記憶部166とを備える。記憶部160は、例えば、各種の情報記憶媒体により構成される情報記憶装置であり、管理装置100が通信ネットワークを介してアクセス可能なNAS(Network Attached Storage)装置であってもよい。
【0030】
契約記憶部162は、顧客情報、物品情報、および、契約情報を記憶する。顧客情報は、顧客を示す情報であって、例えば、氏名、連絡先、物品配送先などの情報である。物品情報は、顧客の施設、設備、装置、部品に関する物品を示す情報である。顧客の施設、設備、装置、部品に関する物品は、設備に含まれる装置、部品、部材などの設備を運営するために必要が物品である。契約情報は、継続課金情報が関連付けられた契約を示す情報である。具体的に、契約情報は、例えば、顧客情報、物品情報、および継続課金情報が関連付けられた契約を示す情報である。契約情報は、例えば顧客ごとの情報である。
【0031】
継続課金記憶部164は、顧客情報と、継続課金情報と、継続課金の支払い状況などを関連付けて記憶する。
購入費用記憶部166は、顧客情報と、予備物品の購入費用情報と、購入費用の支払い状況などを関連付けて記憶する。ある顧客が契約した予備物品が複数種類ある場合には、継続課金記憶部164は、予備物品の種類ごとに継続課金情報および支払い状況を記憶しておくことが望ましく、購入費用記憶部166は、予備物品の種類ごとに購入費用情報および支払い状況を記憶しておくことが望ましい。
【0032】
端末装置200は、顧客により保有されるスマートフォン、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置である。端末装置200は、例えば、端末入力部202と、端末出力部204と、端末制御部206と、端末記憶部208とを備える。
端末入力部202は、タッチセンサなどのデバイスである。端末出力部204は、ディスプレイなどの表示デバイスである。端末制御部206は、内蔵されたCPUなどのプログラムを実行するプロセッサである。端末記憶部208は、各種の情報を記憶するメモリである。
【0033】
製作所装置300は、製作所の担当者により保有されるスマートフォン、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置である。製作所装置300は、例えば、受付部302と、製作管理部304とを備える。
受付部302は、管理装置100から物品を製作する製作要求を受付ける。
製作管理部304は、物品の受注状況に関する情報、材料手配状況に関する情報、製作状況に関する情報、在庫状況に関する情報を管理する。物品の受注状況に関する情報は、例えば、顧客および受注した物品の種類、個数などを示す情報である。材料手配状況に関する情報は、例えば、受注した物品の種類および個数を製作するための材料の種類および個数、入手個数などを示す情報である。製作状況に関する情報は、例えば、未製作、製作中、製作済みなどのステータス情報、製作着手時期、製作完了時期などの進捗を示す情報である。在庫状況に関する情報は、在庫数、在庫場所などを示す情報である。
【0034】
図3は、第1の実施の形態におけるインフラ施設400の一例を示す図である。
インフラ施設400は、例えば、複数の設備を備えてよく、複数の設備のそれぞれに複数の装置を備えてよく、複数の装置のそれぞれに複数の部品を備えてよい。例えば、電力系統システムにおいて、複数の発電設備と、複数の変圧装置と、各変圧装置に含まれる部品とを含む。また、インフラ施設には、複数種類の設備、複数種類の装置、および複数種類の部品が含まれる。なお、インフラ施設に含まれる設備、装置、部品は顧客によって異なる。したがって、顧客ごとに、複数種類の設備を予備物品として契約してよく、複数種類の装置を予備物品として契約してよく、複数種類の部品を予備物品として契約してよい。なお、実施の形態におけるインフラ施設は、電力系統を構成する施設などであるが、これに限定されず、ガス、水道、鉄道、道路、ビル等の施設であってよい。実施の形態における設備は、ガス、水道、鉄道、道路等の施設に含まれる設備であってよく、昇降機などのビル設備であってもよい。
【0035】
図4は、第1の実施の形態における入力情報を作成するために端末装置200に表示する画面の一例を示す図である。
管理装置100は、例えばインフラ施設の異常時に、入力部110により交換品を選択する要求を受け付ける。管理装置100は、受け付けた要求に応じ、交換品を選択させるためのコンテンツデータを端末装置200に送信する。端末装置200は、コンテンツデータに基づいて、例えば図4に示すような画面を表示する。
【0036】
図4に示す表示画面には、例えば、施設の種類、設備の種類、装置の種類、および部品の種類を示す画像が含まれる。図4に示す表示画面には、施設の種類、設備の種類、装置の種類、および部品の種類をそれぞれ選択させるラジオボタンが配置されている。
端末装置200は、顧客の操作を受け付けることによって施設の種類、設備の種類、装置の種類、および部品の種類が選択されたことを入力する。端末装置200は、顧客、選択した施設の種類、設備の種類、装置の種類、および部品の種類を示す入力情報を管理装置100に送信する。また、端末装置200は、選択した施設の種類、設備の種類、装置の種類、および部品の種類に対応した個数も入力情報に含めてよい。
【0037】
図5は、第1の実施の形態における保守サービスシステム1における処理手順の一例を示すシーケンス図である。
まず、端末装置200は、平時において、管理装置100に、契約情報S10を送信する。なお、管理装置100は、顧客の操作に応じて約情報S10を取得してよい。設定部132により継続課金料金が設定されており、契約部134が契約情報S10を取得する。平時は、顧客のインフラ施設に異常が発生していない状況である。管理装置100は、契約情報S10を記憶部160に記憶する。出力部120は、契約情報S10に基づいて製作所装置300に製作依頼S12を出力する。
【0038】
製作所装置300は、受付部302により製作依頼S12を受け付ける。製作所においては、物品の製作、在庫などの作業が行われる。製作管理部304は、予備物品が製作されると、予備物品の在庫状況に関する情報S14を管理装置100に送信する。これにより管理装置100は、物品管理部136により予備物品の在庫状況を更新することができる。
【0039】
継続課金部138が、継続課金情報に基づいて顧客に継続的に課金する処理を行い、継続課金情報S16を端末装置200に送信する。これにより端末装置200は、継続課金情報を顧客に認識させることができる。
【0040】
インフラ施設の異常時において、端末装置200は、顧客の操作を受け付け、顧客および物品を示す入力情報S18を管理装置100に送信する。入力情報S18は、管理装置100および製作所装置300にとって、物品の受注依頼に相当する。管理装置100は、入力情報を受け付けたことに応じて、製作所装置300から予備物品の在庫状況に関する情報S20を取得する。物品管理部136は在庫状況に関する情報S20に基づいて予備物品における製作状況、予備物品の在庫保有数、といった情報を更新する。
【0041】
物品選定部140は、入力情報に対して、予備物品情報に基づいて契約の対象か否かを判定し、契約の対象である場合、当該物品の予備物品を交換品として選定する。出力部120は、選定した交換品を示す情報S22を端末装置200に送信する。
【0042】
端末装置200は、交換品を示す情報S22を表示し、顧客が交換品を購入する操作を促す。端末装置200は、交換品を購入する操作を受け付けたことに応じて交換品の納品要求S24を管理装置100に送信する。入力部110は、端末装置200から納品要求S24を取得し、出力部120は、製作所装置300に納品要求S24に応じて製作所装置300に納品依頼S26を送信する。これにより製作所装置300は納品依頼S26を受け付け、製作所の担当者は交換品の発送を行うことができる。
【0043】
交換課金部144は、購入課金情報S28を端末装置200に送信する。端末装置200は、購入課金情報S28を受信したことに応じて交換品の購入金額を顧客に提示する。
【0044】
上述した処理手順においては以下のような処理を行ってよい。
物品選定部140は、顧客情報を入力情報とし、当該入力情報に対して、予備物品情報に基づいて、交換品又は交換品の候補を選定してよい。物品選定部140は、例えば、入力情報に含まれる顧客と、予備物品情報に含まれる顧客とが一致した場合、当該顧客が予備物品を交換品として選択する権利があると判定する。物品選定部140は、入力情報に含まれる施設の種類、設備の種類、装置の種類、および部品の種類と、予備物品情報に含まれる予備物品の種類とが一致した場合、一致した予備物品を交換品として選択してよい。
物品選定部140は、予備物品を交換品の候補として提案してよい。物品選定部140は、例えば、顧客が複数の予備物品を製作させている場合、顧客に対応した予備物品のうち契約の対象になっている予備物品の候補を示す情報を抽出し、予備物品の候補を示す情報を端末装置200に送信してよい。物品選定部140は、例えば、顧客が選択した予備物品の種類に該当する予備物品が複数ある場合、該当する複数の予備物品の候補を示す情報を抽出し、予備物品の候補を示す情報を端末装置200に送信してよい。
【0045】
物品選定部140は、顧客の操作に基づく入力情報に代えて、契約記憶部162に記憶された契約を識別する契約情報または端末装置200から取得した契約情報に基づいて予備物品を選定してよい。例えば、物品選定部140は、インフラ施設の異常時に、端末装置200から管理装置100に送信された契約識別情報を入力部110により取得し、取得した契約識別情報を入力情報として取得してよい。物品選定部140は、契約識別情報に関連づけられた顧客または予備物品に基づいて予備物品を選定する。
物品選定部140は、例えば、契約識別情報に関連付けられた顧客と、予備物品情報に含まれる顧客とが一致した場合、当該顧客が予備物品を交換品として選択する権利があると判定する。物品選定部140は、例えば、契約識別情報に関連付けられた予備物品と、予備物品情報に含まれる予備物品の種類とが一致した場合、一致した予備物品を選定する。
【0046】
端末装置200は、設備または物品に付された2次元コード等のコードを読込み、コードに基づいて、設備、装置、または部品を示す物品識別情報を生成して、管理装置100に送信してよい。
物品選定部140は、物品識別情報を取得すると、物品識別情報により示された設備、装置、または部品が契約情報に含まれる物品情報または予備物品情報と一致するか否かを判定する。物品選定部140により物品識別情報が示す物品が予備物品であると判定された場合、出力部120は、当該物品識別情報が示す物品について、契約の対象であること示す情報を、端末装置200へ出力する。出力部120は、物品選定部140により物品識別情報が示す物品が物品情報に含まれるが予備物品ではないと判定された場合、出力部120は、当該物品識別情報が示す設備又は物品について、契約の対象ではないこと示す情報を、端末装置200へ出力する。
【0047】
以上のように、第1の実施の形態の保守サービスシステム1によれば、顧客情報、物品情報、および契約情報を記憶しておき、契約情報と予備物品とが関連付けられた予備物品情報を管理して、継続課金情報に基づいて顧客に継続的に課金を行うことができる。保守サービスシステム1は、顧客および物品を示す入力情報に対して予備物品情報に基づいて契約の対象か否かを判定し、契約の対象である場合、当該物品の予備物品を交換品として選定し、交換品に関する情報を出力することができる。
【0048】
これにより、保守サービスシステム1によれば、顧客のインフラ施設に異常が発生する前に、顧客のインフラ施設の予備物品を在庫として用意することができる。また、保守サービスシステム1によれば、顧客のインフラ施設に異常が発生したときには入力情報に基づいて予備物品を交換品として選定することができる。この結果、顧客にとっては、顧客ごとにインフラ施設に関する予備物品の在庫を用意し、異常時においてインフラ施設への予備物品の供給を速やかに行うことができる。また、製作所にとっては、顧客のインフラ施設の予備物品を在庫として用意することに対し、継続課金を得ることができる。
【0049】
なお、契約情報は、顧客、施設、施設に含まれる設備、設備に含まれる装置、装置に含まれる物品、および、継続課金情報が関連付けられた契約を示すものであってよい。予備物品情報は、顧客の施設、設備、装置、または部品が予備物品として設定された情報である。顧客の施設は、例えば、発電所、送配電施設、工場、ビルなどである。
物品選定部140は、顧客の施設を示す情報をさらに含めた入力情報に対して、予備物品情報に基づいて契約の対象か否かを判定し、契約の対象である場合、当該物品の予備物品を交換品として選定する。なお、実施の形態における契約情報における契約は、契約期間中に、予備物品の提供を受ける権利を定めたものである。
【0050】
また、契約情報は、顧客、設備、装置、装置に含まれる部品或いは部品の組合せごとに、継続課金情報が関連付けられた契約を示す情報であってよい。予備物品情報は、設備、装置、装置に含まれる部品或いは部品の組合せが予備物品として設定された情報である。
物品選定部140は、入力情報に含まれる部品に対し、予備物品情報に基づいて契約の対象か否かを判定し、契約の対象である場合、当該部品を交換品として選定する。
【0051】
また、契約情報は、顧客、設備、装置、部品、および継続課金情報が関連付けられた契約を示す情報であってよい。設備としての装置は、例えば、発電機、変圧器、開閉器、空調装置、昇降機である。予備物品情報は、設備としての装置または装置の物品が予備物品として設定された情報である。
物品選定部140は、当該装置を示す情報をさらに含めた入力情報に対して、予備物品情報に基づいて契約の対象か否かを判定し、契約の対象である場合、当該物品の予備物品を交換品として選定する。
【0052】
(第2の実施の形態)
以下、第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ箇所については同一符号を付する。
図6は、第2の実施の形態における保守サービスシステム1Aの一例を示す図である。
第2の実施の形態の保守サービスシステム1Aは、一または複数の在庫施設装置500を備える。在庫施設装置500は、在庫施設の担当者により操作されるスマートフォンやパーソナルコンピュータなどの情報処理装置である。在庫施設装置500は、在庫管理部502を備える。在庫管理部502は、CPUがプログラムを実行することにより実現される機能部である。第2の実施の形態の保守サービスシステム1Aは、第1の実施の形態の保守サービスシステム1に加えて、期限算出部146、管理部148、出荷手配部150、在庫記憶部168を有する。
在庫管理部502は、例えば、在庫施設に搬入された予備物品を特定するための情報を管理する。
【0053】
第2の実施の形態の保守サービスシステム1Aにおいて、制御部130Aの物品管理部136は、契約に応じて保有された物品である予備物品と、予備物品の保管場所を示す保管場所情報と、が関連付けられた予備物品情報を管理する。保管場所情報は、例えば、予備物品が在庫として保管されている在庫施設の場所を示す情報である。保管場所情報は、例えば、在庫施設装置500から送信された予備物品を特定するための情報に基づいて予備物品と関連付けて記憶される。出力部120は、交換品の予備物品情報に基づいて保管場所情報を出力する。
記憶部160Aは、顧客および予備物品ごとに予備物品の保管場所を示す保管場所情報を記憶する在庫記憶部168を備える。
【0054】
図7は、第2の実施の形態における保守サービスシステム1Aにおける処理手順の一例を示すシーケンス図である。
製作所装置300が受付部302により製作依頼S12を受け付けると、製作所においては、物品の製作、在庫などの作業が行われ、製作された物品が在庫施設に搬送される。製作所装置300は、予備物品に対して在庫施設の場所を示す保管場所情報を関連付けて予備物品情報を更新し、在庫施設装置500に予備物品を特定するための情報および在庫依頼S30を出力する。在庫施設装置500は、製作所装置300から在庫依頼S30を取得し、予備物品を特定するための情報を登録する。また、製作管理部304は、予備物品の保管場所などの在庫状況に関する情報S14を管理装置100に送信する。これにより管理装置100は、物品管理部136により予備物品の保管場所情報を更新することができる。
【0055】
インフラ施設の異常時において、端末装置200は、顧客の操作を受け付け、顧客および物品を示す入力情報S18を管理装置100に送信する。
管理装置100は、製作所装置300に入力情報S18を送信し、製作所装置300は、物品の在庫を問い合わせる情報S32を在庫施設装置500に送信してよい。在庫施設装置500は、問い合わせ対象の物品が在庫としてあるか否かを示す応答S34を製作所装置300に変身する。これにより管理装置100は、製作所装置300から予備物品の在庫状況に関する情報S20を取得する。物品管理部136は在庫状況に関する情報S20に基づいて予備物品における製作状況、予備物品の在庫保有数、予備物品の在庫場所といった情報を更新する。
【0056】
物品選定部140は、入力情報に対して、予備物品情報に基づいて契約の対象か否かを判定し、契約の対象である場合、当該物品の予備物品を交換品として選定する。出力部120は、選定した交換品を示す情報および交換品が保管された保管場所情報S36を端末装置200に送信する。
【0057】
端末装置200は、交換品を示す情報および交換品が保管された保管場所情報S36を表示し、顧客が交換品を購入する操作を促す。このとき、端末装置200は、予備物品の保管場所情報を表示することにより、交換場所までの距離や搬送時間などを考慮して交換品を選択させることができる。
このような保守サービスシステム1Aによれば、予備物品の保管場所を顧客に提示して交換品の搬送を手配することができる。
【0058】
保守サービスシステム1Aの制御部130Aは、期限算出部146と、管理部148と、出荷手配部150とを備えてよい。
【0059】
契約情報には、交換品を納品するまでの期間を示す納品保証期間が含まれてよい。出力部120は、納品保証期間又は納品保証期間に基づく情報を出力してよい。納品保証期間に基づく情報は、例えば購入費用支払日から起算した納品期限日数を示す情報である。
【0060】
期限算出部146は、入力情報として取得した購入費用支払日を起算日とし、起算日からの納品期限日数から出荷期限日を算出する。出力部120は、交換品について出荷期限日を出力する。
【0061】
予備物品情報には、予備物品の出荷元の通知先が含まれてよい。予備物品の出荷元の通知先は、例えば、予備物品を製作した製作所に対応した製作所装置300のアドレス情報、予備物品を保管している在庫場所に対応した在庫施設装置500のアドレス情報である。出力部120は、出荷元の通知先へ、交換品に関する情報と、納品保証期間又は納品保証期間を示す情報とを出力する。これにより製作所または在庫施設の担当者に、交換品についての納品保証期間又は納品保証期間を通知することができる。
【0062】
契約情報には、交換品を交換するまでの期間を示す交換保証期間がまれてよい。出力部120は、交換保証期間又は交換保証期間に基づく情報を端末装置200に出力する。交換保証期間に基づく情報は、交換期限日を示す情報である。交換期限日は、例えば、交換費用支払日から起算した日付数によって決定される。
【0063】
期限算出部146は、入力された起算日と、交換保証期間に基づいて、交換期限日を算出してよい。出力部120は、交換品についての交換期限日を出力する。
【0064】
予備物品情報には、通知先を示す通知先情報が含まれてよい。出力部120は、通知先情報に基づいて、通知先へ当該交換品に関する情報を出力する。通知先は、例えば、顧客、インフラ施設の施設担当者、交換品する作業を行う保守事業者、交換品の保管先、システム担当者、営業担当者である。交換品に関する情報は、例えば、交換品を特定する情報、施設、設備、装置、または部品を特定する情報、納品保証期間、出荷予定または出荷状況、復旧見込である。
【0065】
管理部148は、交換品の出荷を管理する処理を行う。交換品の出荷を管理する処理は、例えば、顧客、通知先、予備物品の種類、予備物品数、依頼日、出荷予定日、出荷日、配送状況、配送日などの出荷状況を示す情報を登録および更新する処理である。通知先には、顧客、顧客の施設(発電所、工場、ビル)の担当者、或いは設備を修理する業者、及び、顧客の担当者が含まれる。出力部120は、通知先へ、交換品の出荷状況を示す情報を出力する。
【0066】
予備物品情報には、予備物品の出荷先と出荷元を示す出荷情報が含まれてよい。出荷先は、顧客、インフラ施設の位置、保守事業者、個別に指定された出荷先などである。出荷手配部150は、契約情報と出荷情報に基づいて、出荷元へ交換品の出荷を手配する。例えば、出荷手配部150は、予備物品の出荷元に契約における予備物品を出荷する依頼を出力し、予備物品の出荷先に予備物品の出荷状況を出力する。
契約情報には、交換品を提供するまでの期限を示す納品保証期間が含まれてよい。出荷手配部150は、納品保証期間又は前記納品保証期間に基づく情報を出力する。
【0067】
出荷手配部150は、予備物品の出荷の手配において、契約の対象であることを示す情報および優先的に配達すべきことを示す優先情報を出力してよい。出荷手配部150は、予備物品の出荷元に予備物品の出荷を依頼する情報に、予備物品が継続課金の対象物品であることを示す情報を含めてよい。これにより管理装置100は、出荷元に、即時納品すべきことを認識させることができる。出荷手配部150は、予備物品の出荷先に予備物品が継続課金の対象物品であることを示す情報を含めてよい。これにより管理装置100は、出荷先に、契約の対象となる予備物品が出荷されることを認識させることができる。
【0068】
(第3の実施の形態)
以下、第3の実施の形態について説明する。なお、上述した実施の形態と同じ箇所については同一符号を付する。
図8は、第3の実施の形態における保守サービスシステム1Bの一例を示す図である。
保守サービスシステム1Bにおいて、出力部120Bは、第1出力部122と、第2出力部124とを備える。
【0069】
図9は、第3の実施の形態における保守サービスシステム1におけ 処理手順の一例を示すシーケンス図である。
第1出力部122は、入力された顧客および物品を示す情報S40に対して、予備物品情報に基づいて物品が契約の対象か否かを判定し、契約の対象である場合に、当該物品と契約の対象であることを示す対象物品情報S42を出力する。第1出力部122は、例えば、平時において、端末装置200から送信された顧客および物品を示す情報に対し、継続課金の対象になっている物品を示す情報を出力する。これにより、顧客は、継続課金の対象になっている物品を確認することができる。また、製作所の担当者は、管理装置100に顧客および物品を示す情報を出力し、第1出力部122から出力された継続課金の対象になっている物品の在庫を確認することができる。
【0070】
制御部130Bの物品選定部140は、例えば異常時に、入力された顧客及び物品を示す情報S18に対して、予備物品情報に基づいて、物品が契約の対象か否かを判定し、契約の対象である場合に当該物品を交換品として選定する。
第2出力部124は、物品選定部140により選定された交換品に関する交換品情報S22を出力する。
これにより、保守サービスシステム1Bは、例えば平時に、継続課金の対象である予備物品を示す情報を出力し、異常時に、交換品を示す情報を出力することができる。
【0071】
なお、第1出力部122は、入力された顧客を示す情報に対して、契約情報に基づいて、継続課金情報を出力してよい。継続課金情報は、例えば、月額料金、契約開始日および終了日、契約期間、利用期間、請求実績、請求先などの情報を含んでよい。
【0072】
また、第1出力部122は、入力された顧客を示す情報に対して、契約情報に基づいて、契約の対象物品を示す物品情報を出力してよい。物品情報は、契約の対象部品の一覧であってよく、各物品に対応した情報は、物品名、物品の種類、インフラ施設における対象装置であってよい。
【0073】
また、第1出力部122は、入力された顧客を示す情報に対して、予備物品情報に基づいて、予備物品に関する情報を出力してよい。予備物品に関する情報は、契約の対象物品であって、製作所において既に製作された物品の物品名、製作日、対象装置、保管場所、保管開始日などの情報を含んでよい。
【0074】
また、契約情報は、顧客、顧客の施設、設備、設備の部品、および、継続課金情報が関連付けられてよく、第1出力部122は、入力された顧客を示す情報に対して、施設、設備、部品、および、各部品が契約の対象であるか否かを示す情報を出力してよい。
【0075】
また、契約情報は、顧客、顧客の施設、顧客の施設に関する物品、および、継続課金情報が関連付けられ、第1出力部122は、入力された施設を示す情報に対して、契約情報に基づいて、継続課金情報、および契約の対象物品を示す物品情報を出力してよい。
【0076】
また、第1出力部122は、入力された施設を示す情報に対して、契約情報に基づいて、施設内の設備について、契約の対象物品を示す物品情報を出力してよい。
【0077】
また、第1出力部122は、入力された施設を示す情報に対して、予備物品情報に基づいて、施設内の設備について予備物品に関する情報を出力してよい。
【0078】
また、第1出力部122は、入力された施設を示す情報に対して、契約情報または予備物品情報に基づいて、施設内の各設備について契約の対象である物品を含むか否かを示す情報を出力してよい。このとき、物品選定部140は、入力された施設を示す情報が契約情報における物品情報に含まれているか否か、または入力された施設を示す情報が予備物品情報における予備物品に含まれているか否を判定する。
【0079】
また、契約情報は、顧客、顧客の設備に関する物品、および、継続課金情報が関連付けられ、第1出力部122は、入力された設備を示す情報に対して、契約情報に基づいて、継続課金情報、および契約の対象物品を示す物品情報を出力してよい。
【0080】
また、第1出力部122は、入力された設備を示す情報に対して、契約情報に基づいて、当該設備についての契約の対象物品を示す物品情報を、出力してよい。
【0081】
また、第1出力部122は、入力された設備を示す情報に対して、予備物品情報に基づいて、当該設備についての予備物品に関する情報を、出力してよい。
【0082】
また、第1出力部122は、入力された設備を示す情報に対して、契約情報又は予備物品情報に基づいて、当該設備の各部品について、契約の対象であるか否かを示す情報を出力してよい。このとき、物品選定部140は、入力された設備を示す情報が契約情報における物品情報に含まれているか否か、または入力された設備を示す情報が予備物品情報における予備物品に含まれているか否を判定する。
【0083】
(第4の実施の形態)
以下、第4の実施の形態について説明する。なお、上述した実施の形態と同じ箇所については同一符号を付する。
図10は、第4の実施の形態における保守サービスシステム1Cの一例を示す図である。
第4の実施の形態における制御部130Cは、例えば、設定部132Cと、物品管理部136と、継続課金部138とを備える。
設定部132Cは、顧客の設備に関する物品について、リスク(故障率)、購入料金、および契約期間の少なくともいずれかに基づいて、物品を在庫として保有する契約に基づく継続課金料金を決定する。物品についてのリスクは、例えば、基準となる使用期間における故障率である。
【0084】
設定部132Cは、故障率が高い物品ほど継続課金料金を高く設定し、故障率が低い物品ほど継続課金料金を低く設定する。設定部132Cは、購入金額が高い物品ほど継続課金料金を高く設定し、購入金額が低い物品ほど継続課金料金を低く設定する。設定部132Cは、契約期間が長い物品ほど継続課金料金を低く設定し、契約期間が短い物品ほど継続課金料金を高く設定する。設定部132Cは、リスク、購入料金、および契約期間のすべてに基づいて継続課金料金を決定してよく、リスク、購入料金、および契約期間のうち2つの組み合わせに基づいて継続課金料金を決定してよい。さらに、設定部132Cは、リスク、購入料金、および契約期間の重要度に応じてリスク、購入料金、および契約期間に異なる重みづけ係数を乗算して継続課金料金を決定してよい。
なお、設定部132Cは、故障率(交換頻度)が高いほど、継続課金料金を低く設定してもよい。これにより故障率が高い物品について多くの契約を獲得することができ、在庫の回転率(販売個数)を向上させることができる。
【0085】
顧客に対する予備物品の種類が複数ある場合、設定部132Cは、予備物品の種類のそれぞれについて継続課金料金を決定してよい。設定部132Cは、予備物品の種類のそれぞれのリスク、購入料金、および契約期間に基づいて各予備物品の継続課金料金を決定し、複数の予備物品の継続課金料金を合計した料金を顧客ごとの継続課金料金として決定する。
【0086】
物品管理部136は、在庫として保有された物品である予備物品を示す予備物品情報を管理する処理を行う。継続課金部138は、設定部132Cにより決定された継続課金料金を継続的に課金する処理を行う。
【0087】
設定部132Cは、継続課金料金に基づいて契約期間を算出してよい。設定部132Cは、予備物品の種類のそれぞれのリスク、購入料金、および契約期間に基づいて各予備物品の継続課金料金を算出し、算出した継続課金料金を示す情報を端末装置200に送信してよい。設定部132Cは、端末装置200から取得した継続課金料金を変更する情報に基づいて契約期間を算出する。これにより設定部132Cは、顧客によって継続課金料金を調整した時の契約期間を検討することができる。
【0088】
図11は、第4の実施の形態における保守サービスシステム1Cにおける処理手順の一例を示すシーケンス図である。
まず、端末装置200は、平時において、管理装置100に、契約情報S10#を送信する。契約情報S10#には、例えば、契約対象の顧客の設備に関する物品を示す情報、および、契約期間を示す情報が含まれる。管理装置100は、契約情報S10#を記憶部160Aに記憶する。
設定部132Cは、契約対象の物品のリスクおよび購入料金、契約期間の少なくともいずれかに基づいて、物品を在庫として保有する契約に基づく継続課金料金を決定する。継続課金部138は、決定した継続課金料金を示す継続課金情報に基づいて顧客に継続的に課金する処理を行い、継続課金情報S16を端末装置200に送信する。これにより端末装置200は、継続課金情報を顧客に認識させることができる。
【0089】
出力部120は、契約情報S10に基づいて製作所装置300に製作依頼S12を出力する。製作所装置300は、受付部302により製作依頼S12を受け付ける。製作所においては、物品の製作、在庫などの作業が行われる。製作管理部304は、予備物品が製作されると、予備物品の在庫状況に関する情報S14を管理装置100に送信する。これにより管理装置100は、物品管理部136により予備物品の在庫状況を更新することができる。
【0090】
インフラ施設の異常時において、端末装置200は、顧客の操作を受け付け、顧客および物品を示す入力情報S18を管理装置100に送信する。入力情報S18は、管理装置100および製作所装置300にとって、物品の受注依頼に相当する。管理装置100は、入力情報を受け付けたことに応じて、製作所装置300から予備物品の在庫状況に関する情報S20を取得する。物品管理部136は在庫状況に関する情報S20に基づいて予備物品における製作状況、予備物品の在庫保有数、といった情報を更新する。
【0091】
物品選定部140は、入力情報に対して、予備物品情報に基づいて契約の対象か否かを判定し、契約の対象である場合、当該物品の予備物品を交換品として選定する。出力部120は、選定した交換品を示す情報S22を端末装置200に送信する。
【0092】
端末装置200は、交換品を示す情報S22を表示し、顧客が交換品を購入する操作を促す。端末装置200は、交換品を購入する操作を受け付けたことに応じて交換品の納品要求S24を管理装置100に送信する。入力部110は、端末装置200から納品要求S24を取得し、出力部120は、製作所装置300に納品要求S24に応じて製作所装置300に納品依頼S26を送信する。これにより製作所装置300は納品依頼S26を受け付け、製作所の担当者は交換品の発送を行うことができる。
【0093】
交換課金部144は、購入課金情報S28を端末装置200に送信する。端末装置200は、購入課金情報S28を受信したことに応じて交換品の購入金額を顧客に提示する。
【0094】
図12は、第4の実施の形態における保守サービスシステム1Cにおける継続課金料金を決定する処理の一例を示すフローチャートである。
まず、設定部132Cは、例えば顧客情報、一または複数の物品情報を含む設備情報、および契約期間情報を含む契約情報を取得する(ステップST100)。
次に設定部132Cは、設備情報に基づいて契約対象の物品のリスクを算出する(ステップST102)。
次に設定部132Cは、リスク、契約対象の物品の購入料金、および契約期間の少なくともいずれかに基づいて継続課金料金を決定する(ステップST104)。
【0095】
設定部132Cは、予備物品に対応した契約を持つ顧客数に基づいて継続課金料金を決定してよい。設定部132Cは、リスク、契約対象の物品の購入料金、および契約期間の少なくともいずれか、および顧客数に基づいて継続課金料金を決定する。設定部132Cは、予備物品に対応した契約を持つ顧客数が多いほど低い継続課金料金を決定し、顧客数が少ないほど高い継続課金料金を決定する。
【0096】
図13は、第4の実施の形態における保守サービスシステム1Cにおける継続課金料金を決定する他の処理の一例を示すフローチャートである。
まず、設定部132Cは、例えば顧客情報、一または複数の物品情報を含む設備情報、および契約期間情報を含む契約情報を取得する(ステップST200)。ここで、顧客の設備に関する物品には複数種類のうち少なくとも一つの種類の物品が含まれる。
【0097】
次に設定部132Cは、設備情報に基づいて契約対象の物品のリスクを算出する(ステップST202)。設定部132Cは、契約対象の物品の種類ごとにリスクを算出する。設定部132は、例えば、物品、装置、または設備の種類に応じてリスクが段階的に設定されている場合、契約対象の物品、装置、または設備の種類に応じてリスクを決定する。
【0098】
次に設定部132Cは、契約対象の物品の種類ごとに算出されたリスクに基づいて物品の種類ごとに契約期間を設定する(ステップST204)。設定部132Cは、契約情報に含まれた契約期間情報を基準としてリスクの高い物品の種類についての契約期間を短く設定し、リスクの低い物品の種類についての契約期間を長く設定してよい。
次に設定部132Cは、契約対象の物品の種類ごとのリスク、契約象の物品の種類ごとの購入料金、および契約対象の物品の種類ごとの契約期間の少なくともいずれかに基づいて継続課金料金を決定する(ステップST206)。
【0099】
次に設定部132Cは、設備情報に含まれる複数種類の物品を含む継続課金料金を決定する(ステップST208)。設定部132Cは、契約対象の物品の種類ごとに、契約対象の物品の種類ごとの継続課金料金を合計することで継続課金料金を決定する。
【0100】
図14は、第4の実施の形態における保守サービスシステム1Cにおける継続課金料金を決定する他の処理の一例を示すフローチャートである。
まず、設定部132Cは、例えば顧客情報、一または複数の物品情、および契約期間情報を含む契約情報を取得する(ステップST300)。
次に設定部132Cは、物品情報に基づいて契約対象の物品のリスクを算出する(ステップST302)。
次に設定部132Cは、物品に対応した契約を持つ顧客数を集計する(ステップST304)。
【0101】
次に設定部132Cは、物品ごとの顧客数およびリスクから予備物品数を決定する(ステップST306)。設定部132は、顧客数が多いほど予備物品数を多くする。設定部132は、リスクが高いほど予備物品数を多くする。
次に設定部132Cは、ステップST306において決定した予備物品数と予備物品の購入料金に応じて予備物品費用を算出する(ステップST308)。予備物品費用は、例えば、製作費用および在庫費用を含む、決定された予備物品数の予備物品を維持するために必要な費用である。
次に設定部132Cは、ステップST308において算出した予備物品費用と顧客数に基づいて継続課金料金を決定する(ステップST310)。設定部132Cは、例えば、予備物品費用を顧客数で除算することによって、顧客ごとの継続課金料金を決定する。また、設定部132は、顧客ごとに契約する物品数が異なる場合には顧客ごとに契約した物品数に応じた継続課金料金を決定する。
【0102】
次に設定部132Cは、契約対象物品の環境情報を取得する(ステップST312)。設定部132Cは、例えば、端末装置200から顧客のインフラ施設の位置情報に基づいて物品の環境情報を取得する。例えば、インフラ施設が海の近くに設置されている場合、海から遠い位置に設置されたインフラ施設よりも故障率が高くなる。インフラ施設が気温の高い地域に設置されている場合、気温の低い地域に設置されたインフラ施設よりも故障率が高くなる。インフラ施設が山岳地帯などの保守サービス(目視検査等)が定期的に実施できない場所に設置されている場合、保守サービスが定期的に実施されているインフラ施設よりも故障率が高くなる。設定部132Cは、インフラ施設のための物品の環境によって故障率が高くなるほど継続課金料金を高くするようにステップST310において決定された更新する(ステップST314)。なお、設定部132Cは、物品の環境によって故障率が高くならない物品については環境情報に基づいて継続課金料金を更新しなくてよい。
【0103】
設定部132Cは、顧客の施設または設備の保守サービスの利用状況を示す情報を取得する(ステップST316)。保守サービスの利用状況を示す情報は、例えば、インフラ施設の点検履歴、インフラ施設における定期的な部品交換履歴などである。保守サービスの利用状況には、既に予備物品に対して継続課金料金の支払いが確認されていることが含まれてよい。
設定部132Cは、顧客の施設または設備の保守サービスの利用状況に基づいて当該設備の物品の継続課金料金を割引処理する(ステップST318)。設定部132Cは、顧客が保守サービスを利用している場合には、新たな予備物品についての継続課金料金を低くするよう更新する。また、設定部132Cは、顧客ごとのインフラ施設の点検履歴および部品交換履歴を取得し、点検履歴および部品交換履歴によって保守サービスを利用している場合、インフラ施設の故障率が低下するので、継続課金料金を低くするよう更新する。
【0104】
以上のように、第4の実施の形態の保守サービスシステム1Cによれば、顧客の設備に関する物品についてリスク、購入料金、および契約期間の少なくともいずれかに基づいて継続課金料金を決定し、予備物品を示す予備物品情報を管理し、継続課金料金を継続的に課金することができる。この保守サービスシステム1Cによれば、顧客の設備についての保守サービスを提供するために継続的な課金料金を適切に設定することができる。
【0105】
なお、各実施形態および変形例について説明したが、一例であってれらに限られず、例えば、各実施形態や各変形例のうちのいずれかや、各実施形態の一部や各変形例の一部を、他の1または複数の実施形態や他の1または複数の変形例と組み合わせて本発明の一態様を実現させてもよい。
【0106】
以下、本開示の諸態様は付記のように記載することができる。
(付記1)
顧客、顧客の設備に関する物品、及び、継続課金情報が関連付けられた契約を示す契約情報を記憶する契約記憶部と、
前記契約に応じて保有された前記物品である予備物品と、前記予備物品の保管場所と、が関連付けられた予備物品情報を管理する物品管理部と、
継続課金情報に基づいて、継続的に課金を行う継続課金部と、
入力された顧客及び物品を示す入力情報に対して、前記予備物品情報に基づいて前記契約の対象か否かを判定し、前記契約の対象である場合、当該物品の予備物品を交換品として選定する物品選定部と、
前記交換品の予備物品情報に基づいて、前記交換品と当該交換品の保管場所を表す前記保管場所情報を出力する出力部と、
を備える保守サービスシステム。
(付記2)
前記契約情報には、前記交換品を納品するまでの期間を示す納品保証期間が含まれ、
前記出力部は、前記納品保証期間又は前記納品保証期間に基づく情報を出力する、
(付記1)に記載の保守サービスシステム。
(付記3)
入力された起算日と、前記納品保証期間に基づいて、出荷期限日を算出する期限算出部を備え、
前記出力部は、前記交換品について、前記出荷期限日を出力する、
(付記2)に記載の保守サービスシステム。
(付記4)
前記予備物品情報には、前記予備物品の出荷元の通知先が含まれ、
前記出力部は、前記出荷元の通知先へ、前記交換品に関する情報と、 前記納品保証期間又は前記納品保証期間に基づく情報とを出力する、
(付記2)の保守サービスシステム。
(付記5)
前記契約情報には、前記交換品を交換するまでの期間を示す交換保証期間が含まれ、
前記出力部は、前記交換保証期間又は前記交換保証期間に基づく情報を出力する、
(付記1)の保守サービスシステム。
(付記6)
入力された起算日と、前記交換保証期間に基づいて、交換期限日を算出する期限算出部を備え、
前記出力部は、前記交換品について、前記交換期限日を出力する、
(付記5)に記載の保守サービスシステム。
(付記7)
前記予備物品情報には、通知先が含まれ、
前記出力部は、前記通知先情報に基づいて、前記通知先へ、当該交換品に関する情報を出力する、
(付記1)に記載の保守サービスシステム。
(付記8)
前記交換品の出荷を管理する管理部を備え、
前記通知先には、前記顧客、前記顧客の施設の担当者、或いは前記設備を修理する業者、及び、前記顧客の担当者が含まれ、
前記出力部は、前記通知先へ、前記交換品の出荷状況を示す情報を出力する、
(付記7)に記載の保守サービスシステム。
(付記9)
前記予備物品情報には、前記予備物品の出荷先と出荷元を示す出荷情報が含まれ、
前記契約情報と前記出荷情報に基づいて、前記出荷元へ前記交換品の出荷を手配する出荷手配部を備え、
前記契約情報には、前記交換品を提供するまでの期限を示す納品保証期間が含まれ、
前記出荷手配部は、前記納品保証期間又は前記納品保証期間に基づく情報を出力する、
(付記1)に記載の保守サービスシステム。
(付記10)
前記出荷手配部は、前記出荷の手配において、前記契約の対象であることを示す情報及び優先的に配達すべきことを示す優先情報を出力する、(付記9)に記載の保守サービスシステム。
(付記11)
顧客、顧客の設備に関する物品、及び、継続課金情報が関連付けられた契約を示す契約情報を記憶する契約記憶部と、
前記契約情報と、前記契約に応じて保有された前記物品である予備物品と、が関連付けられた予備物品情報を管理する物品管理部と、
継続課金情報に基づいて、継続的に課金を行う継続課金部と、
入力された顧客及び物品を示す情報に対して、前記予備物品情報に基づいて、物品が前記契約の対象か否かを判定し、前記契約の対象である場合に、当該物品と前記契約の対象であることを示す情報を出力する第一出力部と、
入力された顧客及び物品を示す情報に対して、前記予備物品情報に基づいて、物品が前記契約の対象か否かを判定し、前記契約の対象である場合に当該物品を交換品として選定する物品選定部と、
前記交換品に関する交換品情報を出力する第二出力部と、
を備える保守サービスシステム。
(付記12)
前記第1出力部は、入力された顧客を示す情報に対して、前記契約情報に基づいて、前記継続課金情報を、出力する、(付記11)に記載の保守サービスシステム。
(付記13)
前記第1出力部は、入力された顧客を示す情報に対して、前記契約情報に基づいて、契約の対象物品を示す物品情報を出力する、(付記12)に記載の保守サービスシステム。
(付記14)
前記第1出力部は、入力された顧客を示す情報に対して、前記予備物品情報に基づいて、予備物品に関する情報を、出力する、(付記12)に記載の保守サービスシステム。
(付記15)
前記契約情報は、顧客、顧客の施設、設備、設備の部品、及び、継続課金情報が関連付けられ、
前記第1出力部は、入力された顧客を示す情報に対して、施設、設備、部品、及び、各部品が前記契約の対象であるか否かを示す情報を出力する、(付記12)に記載の保守サービスシステム。
(付記16)
前記契約情報は、顧客、顧客の施設、顧客の設備に関する物品、及び、継続課金情報が関連付けられ、
前記第1出力部は、入力された施設を示す情報に対して、前記契約情報に基づいて、前記課金情報、及び契約の対象物品を示す物品情報を、出力する、(付記11)の保守サービスシステム。
(付記17)
前記第一出力部は、入力された施設を示す情報に対して、前記契約情報に基づいて、施設内の設備について、契約の対象物品を示す物品情報を、出力する、(付記16)に記載の保守サービスシステム。
(付記18)
前記第1出力部は、入力された施設を示す情報に対して、前記予備物品情報に基づいて、施設内の設備について、予備物品に関する情報を、出力する、(付記16)に記載の保守サービスシステム。
(付記19)
前記第1出力部は、入力された施設を示す情報に対して、前記契約情報又は前記予備物品情報に基づいて、施設内の各設備について、前記契約の対象である物品を含むか否かを示す情報を出力する、
(付記16)に記載の保守サービスシステム。
(付記20)
前記契約情報は、顧客、顧客の設備に関する物品、及び、継続課金情報が関連付けられ、
前記第1出力部は、入力された設備を示す情報に対して、前記契約情報に基づいて、前記継続課金情報、及び契約の対象物品を示す物品情報を、出力する、(付記11)に記載の保守サービスシステム。
(付記21)
前記第1出力部は、入力された設備を示す情報に対して、前記契約情報に基づいて、当該設備についての契約の対象物品を示す物品情報を、出力する、(付記20)に記載の保守サービスシステム。
(付記22)
前記第1出力部は、入力された設備を示す情報に対して、前記予備物品情報に基づいて、当該設備についての予備物品に関する情報を、出力する、(付記20)に記載の保守サービスシステム。
(付記23)
前記第1出力部は、入力された設備を示す情報に対して、前記契約情報又は前記予備物品情報に基づいて、当該設備の各部品について、前記契約の対象であるか否かを示す情報を出力する、(付記20)に記載の保守サービスシステム。
【符号の説明】
【0107】
1、1A、1B、1C…保守サービスシステム、100…管理装置、110…入力部、120、120B…出力部、122…第1出力部、124…第2出力部、130、130A、130B、130C…制御部、132、132C…設定部、134…契約部、136、136C…物品管理部、138、138C…継続課金部、140…物品選定部、142…出力制御部、144…交換課金部、146…期限算出部、148…管理部、150…出荷手配部、160、160A…記憶部、162…契約記憶部、164…継続課金記憶部、166…購入費用記憶部、168…在庫記憶部、200…端末装置、202…端末入力部、204…端末出力部、206…端末制御部、208…端末記憶部、300…製作所装置、302…受付部、304…製作管理部、400…インフラ施設、500…在庫施設装置、502…在庫管理部
【要約】
本開示の一態様は、顧客の設備に関する物品について、リスク、購入料金、および契約期間の少なくともいずれかに基づいて、前記物品を在庫として保有する契約に基づく継続課金料金を決定する設定部と、在庫として保有された前記物品である予備物品を示す予備物品情報を管理する物品管理部と、前記継続課金料金を継続的に課金する継続課金部と、を備える保守サービスシステムである。保守サービスシステムは、顧客ごとにインフラ設備の部品の在庫を用意し、異常時においてインフラ設備への部品供給を速やかに行う。
図1
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