(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-08
(45)【発行日】2025-07-16
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/04 20120101AFI20250709BHJP
【FI】
G06Q50/04
(21)【出願番号】P 2024507379
(86)(22)【出願日】2022-03-18
(86)【国際出願番号】 JP2022012489
(87)【国際公開番号】W WO2023175872
(87)【国際公開日】2023-09-21
【審査請求日】2024-07-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003889
【氏名又は名称】弁理士法人酒井総合特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西間木 哲
【審査官】田中 寛人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/080145(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/061093(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0357997(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0334892(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0248694(US,A1)
【文献】国際公開第2020/158404(WO,A1)
【文献】特開2020-184125(JP,A)
【文献】特開2020-154347(JP,A)
【文献】特開2020-113282(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分散台帳を管理する複数の情報処理装置のうち、利益の発生源に関する複数の工程のいずれかの工程に対応するいずれかの情報処理装置であって、
前記複数の工程のそれぞれの工程について、目的に関する当該工程における実績値を、当該実績値の実績種別に応じて、前記複数の工程で統一された基準で、前記目的に対する貢献度合いを示す指標値に変換する第1スマートコントラクトを記憶し、
前記指標値に基づいて、前記発生源から得られる利益を、前記複数の工程を分担する複数の参加者に分配する割合を算出する第2スマートコントラクトを記憶し、
前記いずれかの工程と、前記目的に関する当該工程における実績値と、当該実績値の実績種別との対応関係を示す第1証跡データを、前記分散台帳に登録し、
前記分散台帳を参照して、前記発生源と、前記それぞれの工程について前記分散台帳に登録された証跡データとの対応関係を示すトークンに基づいて、前記それぞれの工程に対応する前記第1スマートコントラクトを利用して、前記目的に関する当該工程における実績値の実績種別に応じて、当該工程に関する前記指標値を算出し、
前記第2スマートコントラクトを利用して、算出した前記それぞれの工程に関する前記指標値に応じて、前記発生源から得られる利益を、前記複数の参加者に分配する割合を算出する、
制御部を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記第1スマートコントラクトを含む第1トランザクションを発行することにより、前記第1スマートコントラクトを含む第1ブロックを、前記複数の情報処理装置のそれぞれの情報処理装置が管理する前記分散台帳に登録するよう、当該情報処理装置を制御する、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記それぞれの工程について、前記目的に関する当該工程における実績値を、当該実績値の実績種別に対応する貢献種別である、前記目的に対する貢献度合いを示す指標値に変換する第1スマートコントラクトを記憶し、
異なる貢献種別の前記指標値に基づいて、前記発生源から得られる利益を、前記複数の参加者に分配する割合を算出する第2スマートコントラクトを記憶し、
前記分散台帳を参照して、前記発生源と、前記それぞれの工程について前記分散台帳に登録された証跡データとの対応関係を示すトークンに基づいて、前記それぞれの工程に対応する前記第1スマートコントラクトを利用して、前記目的に関する当該工程における実績値の実績種別に対応する貢献種別である、当該工程に関する前記指標値を算出する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記第2スマートコントラクトを利用して、前記目的に関する前記それぞれの工程における実績値の実績種別に対応する貢献種別である、当該工程に関する前記指標値に応じて、貢献種別ごとの重みに基づいて、前記発生源から得られる利益を、前記複数の参加者に分配する割合を算出する、ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
自装置が前記複数の工程の最後の工程に対応する場合、前記複数の工程が完了したことに応じて、前記トークンを含む第2トランザクションを発行することにより、前記トークンを含む第2ブロックを、前記複数の情報処理装置のそれぞれの情報処理装置が管理する前記分散台帳に登録するよう、当該情報処理装置を制御する、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
分散台帳を管理する複数の情報処理装置のうち、利益の発生源に関する複数の工程のいずれかの工程に対応するいずれかの情報処理装置が、
前記複数の工程のそれぞれの工程について、目的に関する当該工程における実績値を、当該実績値の実績種別に応じて、前記複数の工程で統一された基準で、前記目的に対する貢献度合いを示す指標値に変換する第1スマートコントラクトを記憶し、
前記指標値に基づいて、前記発生源から得られる利益を、前記複数の工程を分担する複数の参加者に分配する割合を算出する第2スマートコントラクトを記憶し、
前記いずれかの工程と、前記目的に関する当該工程における実績値と、当該実績値の実績種別との対応関係を示す第1証跡データを、前記分散台帳に登録し、
前記分散台帳を参照して、前記発生源と、前記それぞれの工程について前記分散台帳に登録された証跡データとの対応関係を示すトークンに基づいて、前記それぞれの工程に対応する前記第1スマートコントラクトを利用して、前記目的に関する当該工程における実績値の実績種別に応じて、当該工程に関する前記指標値を算出し、
前記第2スマートコントラクトを利用して、算出した前記それぞれの工程に関する前記指標値に応じて、前記発生源から得られる利益を、前記複数の参加者に分配する割合を算出する、
処理を実行することを特徴とする情報処理方法。
【請求項7】
分散台帳を管理する複数の情報処理装置のうち、利益の発生源に関する複数の工程のいずれかの工程に対応するいずれかの情報処理装置に、
前記複数の工程のそれぞれの工程について、目的に関する当該工程における実績値を、当該実績値の実績種別に応じて、前記複数の工程で統一された基準で、前記目的に対する貢献度合いを示す指標値に変換する第1スマートコントラクトを記憶し、
前記指標値に基づいて、前記発生源から得られる利益を、前記複数の工程を分担する複数の参加者に分配する割合を算出する第2スマートコントラクトを記憶し、
前記いずれかの工程と、前記目的に関する当該工程における実績値と、当該実績値の実績種別との対応関係を示す第1証跡データを、前記分散台帳に登録し、
前記分散台帳を参照して、前記発生源と、前記それぞれの工程について前記分散台帳に登録された証跡データとの対応関係を示すトークンに基づいて、前記それぞれの工程に対応する前記第1スマートコントラクトを利用して、前記目的に関する当該工程における実績値の実績種別に応じて、当該工程に関する前記指標値を算出し、
前記第2スマートコントラクトを利用して、算出した前記それぞれの工程に関する前記指標値に応じて、前記発生源から得られる利益を、前記複数の参加者に分配する割合を算出する、
処理を実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、製品を製造または流通する複数の工程を複数の参加者で分担するサプライチェーンと呼ばれるシステムが存在する。ここで、製品を製造または流通する際に、CO2排出量の削減などが望まれる。例えば、それぞれの参加者のCO2排出量の削減に対する貢献度合いに応じて、それぞれの参加者に製品によって得られた利益を分配することにより、それぞれの参加者のCO2排出量の削減を促進することが考えられる。
【0003】
先行技術としては、例えば、トランザクションの処理履歴を分散台帳で管理する第1のスマートコントラクトを実行し、処理履歴に基づいて複数の組織それぞれによる管理対象システムへの貢献度を計算する第2のスマートコントラクトを実行するものがある。また、例えば、スマートコントラクトの親子モデルにより、基になるデータの不変性を損なうことなくスマートコントラクトを更新する技術がある。また、例えば、元のスマートコントラクトの拡張スマートコントラクトをブロックチェーンネットワークにアップロードする技術がある。また、例えば、炭素挙動データおよび属性と一致する最初のスマートコントラクトに基づいて、炭素挙動データに対応する炭素排出削減等価物を決定する技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-200556号公報
【文献】特表2021-520169号公報
【文献】米国特許出願公開第2021/0149880号明細書
【文献】米国特許出願公開第2021/0248694号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、それぞれの参加者に利益を適切に分配することが難しい場合がある。例えば、それぞれの参加者が有するノードによって形成されるブロックチェーンネットワークにおけるスマートコントラクトを利用して、それぞれの参加者に利益を分配する手法が考えられる。この手法では、それぞれの参加者の貢献度合いの変動を考慮して、それぞれの参加者に利益を適切に分配することが難しくなってしまう。
【0006】
1つの側面では、本発明は、複数の参加者に利益を適切に分配し易くすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの実施態様によれば、分散台帳を管理する複数の情報処理装置のうち、利益の発生源に関する複数の工程のいずれかの工程に対応し、前記複数の工程のそれぞれの工程について、目的に関する当該工程における実績値を、当該実績値の実績種別に応じて、前記複数の工程で統一された基準で、前記目的に対する貢献度合いを示す指標値に変換する第1スマートコントラクトを記憶し、前記指標値に基づいて、前記発生源から得られる利益を、前記複数の工程を分担する複数の参加者に分配する割合を算出する第2スマートコントラクトを記憶し、前記いずれかの工程と、前記目的に関する当該工程における実績値と、当該実績値の実績種別との対応関係を示す第1証跡データを、前記分散台帳に登録し、前記分散台帳を参照して、前記発生源と、前記それぞれの工程について前記分散台帳に登録された証跡データとの対応関係を示すトークンに基づいて、前記それぞれの工程に対応する前記第1スマートコントラクトを利用して、前記目的に関する当該工程における実績値の実績種別に応じて、当該工程に関する前記指標値を算出し、前記第2スマートコントラクトを利用して、算出した前記それぞれの工程に関する前記指標値に応じて、前記発生源から得られる利益を、前記複数の参加者に分配する割合を算出する情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムが提案される。
【発明の効果】
【0008】
一態様によれば、複数の参加者に利益を適切に分配し易くすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施の形態にかかる情報処理方法の一実施例を示す説明図である。
【
図2】
図2は、情報処理システム200の一例を示す説明図である。
【
図3】
図3は、コンピュータ300のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、情報処理装置100の機能的構成例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、情報処理システム200の機能的構成例を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、情報処理システム200の動作の流れを示す説明図である。
【
図7】
図7は、情報処理システム200の第1動作例を示す説明図(その1)である。
【
図8】
図8は、情報処理システム200の第1動作例を示す説明図(その2)である。
【
図9】
図9は、情報処理システム200の第1動作例を示す説明図(その3)である。
【
図10】
図10は、情報処理システム200の第1動作例を示す説明図(その4)である。
【
図11】
図11は、情報処理システム200の第1動作例を示す説明図(その5)である。
【
図12】
図12は、情報処理システム200の第1動作例を示す説明図(その6)である。
【
図13】
図13は、情報処理システム200の第1動作例を示す説明図(その7)である。
【
図14】
図14は、情報処理システム200の第1動作例を示す説明図(その8)である。
【
図15】
図15は、情報処理システム200の第1動作例を示す説明図(その9)である。
【
図16】
図16は、情報処理システム200の第1動作例を示す説明図(その10)である。
【
図17】
図17は、情報処理システム200の第1動作例を示す説明図(その11)である。
【
図18】
図18は、情報処理システム200の第1動作例を示す説明図(その12)である。
【
図19】
図19は、情報処理システム200の第1動作例を示す説明図(その13)である。
【
図20】
図20は、情報処理システム200の第1動作例を示す説明図(その14)である。
【
図21】
図21は、情報処理システム200の第1動作例を示す説明図(その15)である。
【
図22】
図22は、情報処理システム200の第1動作例を示す説明図(その16)である。
【
図23】
図23は、情報処理システム200の第1動作例を示す説明図(その17)である。
【
図24】
図24は、情報処理システム200の第1動作例を示す説明図(その18)である。
【
図25】
図25は、情報処理システム200の第2動作例を示す説明図(その1)である。
【
図26】
図26は、情報処理システム200の第2動作例を示す説明図(その2)である。
【
図27】
図27は、情報処理システム200の第2動作例を示す説明図(その3)である。
【
図28】
図28は、情報処理システム200の第2動作例を示す説明図(その4)である。
【
図29】
図29は、情報処理システム200の第2動作例を示す説明図(その5)である。
【
図30】
図30は、情報処理システム200の第2動作例を示す説明図(その6)である。
【
図31】
図31は、情報処理システム200の第2動作例を示す説明図(その7)である。
【
図32】
図32は、情報処理システム200の第2動作例を示す説明図(その8)である。
【
図33】
図33は、情報処理システム200の第2動作例を示す説明図(その9)である。
【
図34】
図34は、情報処理システム200の第3動作例を示す説明図(その1)である。
【
図35】
図35は、情報処理システム200の第3動作例を示す説明図(その2)である。
【
図36】
図36は、情報処理システム200の第3動作例を示す説明図(その3)である。
【
図37】
図37は、情報処理システム200の第3動作例を示す説明図(その4)である。
【
図38】
図38は、情報処理システム200の第3動作例を示す説明図(その5)である。
【
図39】
図39は、情報処理システム200の第3動作例を示す説明図(その6)である。
【
図40】
図40は、情報処理システム200の第3動作例を示す説明図(その7)である。
【
図41】
図41は、情報処理システム200の第3動作例を示す説明図(その8)である。
【
図42】
図42は、情報処理システム200の第3動作例を示す説明図(その9)である。
【
図43】
図43は、情報処理システム200の第3動作例を示す説明図(その10)である。
【
図44】
図44は、情報処理システム200の第3動作例を示す説明図(その11)である。
【
図45】
図45は、情報処理システム200の第3動作例を示す説明図(その12)である。
【
図46】
図46は、情報処理システム200の第4動作例を示す説明図(その1)である。
【
図47】
図47は、情報処理システム200の第4動作例を示す説明図(その2)である。
【
図48】
図48は、情報処理システム200の第4動作例を示す説明図(その3)である。
【
図49】
図49は、情報処理システム200の第4動作例を示す説明図(その4)である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、図面を参照して、本発明にかかる情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムの実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
(実施の形態にかかる情報処理方法の一実施例)
図1は、実施の形態にかかる情報処理方法の一実施例を示す説明図である。情報処理装置100は、ブロックチェーンネットワーク(Block Chain Network)を形成するノードとなり、分散台帳を管理するコンピュータである。分散台帳は、BC(Block Chain)とも呼ばれる。情報処理装置100は、例えば、サーバ、または、PCなどである。
【0012】
情報処理装置100は、複数存在する。情報処理装置100は、それぞれ、複数の工程のいずれかの工程に対応する。複数の工程は、利益の発生源に関する工程である。利益の発生源は、例えば、製品またはサービスなどである。複数の工程は、例えば、製品を製造する2以上の工程である。複数の工程は、例えば、サービスを提供する2以上の工程であってもよい。
【0013】
従来、複数の工程を複数の参加者で分担するサプライチェーンと呼ばれるシステムが存在する。ここで、それぞれの参加者の所定の目的に対する貢献度合いに応じて、それぞれの参加者に製品によって得られた利益を分配することが望まれる場合があるが、それぞれの参加者に製品によって得られた利益を分配する割合を算出することが難しい。所定の目的は、例えば、環境貢献である。所定の目的は、具体的には、CO2排出量の削減、燃料使用量の低減、電力使用量の低減、または、プラスチック使用量の削減などである。このため、それぞれの参加者に利益を適切に分配することが難しい。結果として、それぞれの参加者の所定の目的に対する貢献を促進することが難しい。
【0014】
また、多様な参加者が存在すると、それぞれの参加者に利益を分配する割合を、セキュアに算出することが望まれる場合がある。これに対し、下記参考文献1を参照して、それぞれの参加者が有するノードによって形成されるブロックチェーンネットワークに、それぞれの参加者に固定の割合で利益を分配するスマートコントラクトを用意するという手法が考えられる。
【0015】
参考文献1 : “ERC-2571: Creators’ Royalty Token standard”、[online]、2020年3月29日、[令和4年2月22日検索]、インターネット < URL :https://github.com/ethereum/EIPs/issues/2571>
【0016】
しかしながら、この手法では、それぞれの参加者の所定の目的に対する貢献度合いを逐次評価し、評価結果に基づいてそれぞれの参加者に利益を分配することができない。このため、それぞれの参加者の貢献度合いの変動を考慮して、それぞれの参加者に利益を適切に分配することは難しい。
【0017】
この手法を改変し、ブロックチェーンネットワークに、それぞれの参加者の所定の目的に対する貢献度合いを評価し、評価結果に基づいてそれぞれの参加者に利益を分配する割合を算出するスマートコントラクトを用意するという別の手法が考えられる。
【0018】
この別の手法では、実績種別、または、貢献度合いの評価基準の変更などに対処することが難しい。例えば、実績種別、または、貢献度合いの評価基準の変更などに応じて、スマートコントラクトを書き換えなければならなくなる。
【0019】
例えば、複数の参加者の同意がなければ、スマートコントラクトを書き換えることが許可されないことがあり、スマートコントラクトを書き換える際にかかるコストは増大し易い傾向がある。コストは、例えば、人的、時間的、または、金銭的なコストである。また、実績種別、または、貢献度合いの評価基準の変更などを見越して、スマートコントラクトを生成しておくことはできない。従って、この別の手法でも、それぞれの参加者に利益を適切に分配することは難しい。
【0020】
また、スマートコントラクトを書き換えることは、プログラム的な欠陥が発見された場合のような、参加者全体に悪影響がある状況に限って認められることが好ましく、機能追加などの場合には認められることが好ましくないという方針が存在することがある。
【0021】
そこで、本実施の形態では、複数の参加者に利益を適切に分配し易くすることができる情報処理方法について説明する。本実施の形態は、例えば、実績種別、または、貢献度合いの評価基準の変更などがあっても、複数の参加者に利益を適切に分配し易くすることができる。以下の説明では、スマートコントラクトを「SC」と表記する場合がある。
【0022】
図1において、複数の工程は、工程1と工程2と工程3と工程4とを含む。複数の工程は、利益の発生源に関する。利益は、例えば、金銭である。発生源は、例えば、製品101である。工程1は、製品101の部品を工場102で製造する工程である。工程2は、製品101の部品を工場103で製造する工程である。工程3は、工程1で製造した部品と、工程2で製造した部品とを使用して、製品101の部品となる集積回路を工場104で製造する工程である。工程4は、工程3で製造した集積回路を使用して製品101を製造する工程である。ここで、製品101により利益が得られた場合、利益を、複数の工程を分担する複数の参加者のそれぞれの参加者に分配することが望まれる。
【0023】
それぞれの情報処理装置100は、複数の工程のいずれかの工程に対応する。それぞれの情報処理装置100は、複数の工程のそれぞれの工程について、第1SCを記憶する。それぞれの情報処理装置100は、例えば、第1SCを、自装置で管理する分散台帳に登録することにより記憶する。第1SCは、いずれかの工程について、目的に関する当該工程における実績値を、当該実績値の実績種別に応じて、複数の工程で統一された基準で、目的に対する貢献度合いを示す指標値に変換する機能を有する。目的は、例えば、環境貢献である。目的は、具体的には、CO2排出量の削減、燃料使用量の低減、電力使用量の低減、または、プラスチック使用量の削減などである。
【0024】
実績値は、例えば、目的に関する、いずれかの工程における計測値である。計測値は、例えば、燃料使用量、電力使用量、または、植物由来の原料使用量などである。実績種別は、例えば、実績値となる計測値が、燃料使用量であるか、電力使用量であるか、または、植物由来の原料使用量であるかなどを示す。指標値は、目的に対する貢献度合いを示す貢献値である。貢献値は、実績値そのままであってもよい。貢献値は、具体的には、CO2排出量の削減量、燃料使用量の低減量、電力使用量の低減量、または、プラスチック使用量の削減量などである。第1SCは、いずれかの情報処理装置100によって生成され、ブロックに含められてそれぞれの情報処理装置100で管理する分散台帳に登録される。
【0025】
それぞれの情報処理装置100は、第2SCを記憶する。それぞれの情報処理装置100は、例えば、第2SCを、自装置で管理する分散台帳に登録することにより記憶する。第2SCは、指標値に基づいて、発生源から得られる利益を、複数の工程を分担する複数の参加者に分配する割合を算出する。第2SCは、例えば、それぞれの工程に関する指標値に基づいて、発生源から得られる利益を、複数の工程を分担する複数の参加者に分配する割合を算出する機能を有する。第2SCは、いずれかの情報処理装置100によって生成され、ブロックに含められてそれぞれの情報処理装置100で管理する分散台帳に登録される。
【0026】
(1-1)それぞれの情報処理装置100は、自装置に対応する工程と、目的に関する当該工程における実績値と、当該実績値の実績種別との対応関係を示す第1証跡データを、それぞれの情報処理装置100で管理する分散台帳に登録する。それぞれの情報処理装置100は、例えば、自装置に対応する工程が完了したことに応じて、目的に関する当該工程における実績値を計測する。それぞれの情報処理装置100は、例えば、自装置に対応する工程と、計測した目的に関する当該工程における実績値と、当該実績値の実績種別との対応関係を示す第1証跡データを、それぞれの情報処理装置100で管理する分散台帳に登録する。
【0027】
(1-2)それぞれの情報処理装置100は、自装置で管理する分散台帳を参照して、トークンに基づいて、それぞれの工程に対応する第1SCを利用して、目的に関する当該工程における実績値の実績種別に応じて、当該工程に関する指標値を算出する。トークンは、発生源と、それぞれの工程について分散台帳に登録された証跡データとの対応関係を示す。
【0028】
トークンは、いずれかの情報処理装置100によって生成され、ブロックに含められてそれぞれの情報処理装置100で管理する分散台帳に登録される。トークンは、具体的には、最後の工程4に対応するいずれかの情報処理装置100によって生成された後、ブロックに含められてそれぞれの情報処理装置100に配信され、それぞれの情報処理装置100で管理する分散台帳に登録されることが考えられる。
【0029】
それぞれの情報処理装置100は、例えば、自装置で管理する分散台帳にトークンを登録したことに応じて、自装置で管理する分散台帳を参照して、トークンに基づいて、それぞれの工程に対応する第1SCを特定する。それぞれの情報処理装置100は、それぞれの工程について、特定した第1SCを利用して、目的に関する当該工程における実績値の実績種別に応じて、当該工程に関する指標値を算出する。
【0030】
(1-3)それぞれの情報処理装置100は、第2SCを利用して、算出したそれぞれの工程に関する指標値に応じて、発生源から得られる利益を、複数の参加者に分配する割合を算出する。これにより、それぞれの情報処理装置100は、それぞれの参加者の目的に対する貢献度合いに応じて、それぞれの参加者に利益を適切に分配する割合を算出することができる。このため、それぞれの情報処理装置100は、それぞれの参加者に利益を適切に分配可能にすることができ、それぞれの参加者の目的に対する貢献を促進し易くすることができる。
【0031】
また、それぞれの情報処理装置100は、多様な参加者が存在しても、それぞれの参加者に利益を分配する割合を、セキュアに算出し易くすることができる。また、それぞれの情報処理装置100は、それぞれの参加者の貢献度合いの変動を考慮して、それぞれの参加者の所定の目的に対する貢献度合いを逐次評価し、評価結果に基づいてそれぞれの参加者に利益を適切に分配可能にすることができる。
【0032】
また、それぞれの情報処理装置100は、実績種別、または、貢献度合いの評価基準の変更などに対処し易い情報処理システムを形成することができる。それぞれの情報処理装置100は、具体的には、実績種別、または、貢献度合いの評価基準の変更などがあっても、既存の第1SC、および、既存の第2SCを書き換えずに済ませることができる。それぞれの情報処理装置100は、具体的には、新規の第1SCなどを、それぞれの情報処理装置100で管理する分散台帳に登録することにより、実績種別、または、貢献度合いの評価基準の変更などに対処することができる。従って、それぞれの情報処理装置100は、コストの増大化を抑制することができる。
【0033】
(情報処理システム200の一例)
次に、
図2を用いて、
図1に示した情報処理装置100を適用した、情報処理システム200の一例について説明する。
【0034】
図2は、情報処理システム200の一例を示す説明図である。
図2において、情報処理システム200は、複数のサプライヤー側環境210と、メーカー側環境220と、購入者側環境230と、ブロック生成装置201とを含む。
【0035】
サプライヤー側環境210は、利益の発生源に関する複数の工程のいずれかの工程に対応する。サプライヤー側環境210は、サプライヤー側管理装置211と、サプライヤー側端末装置212とを含む。メーカー側環境220は、利益の発生源に関する複数の工程のいずれかの工程に対応する。メーカー側環境220は、例えば、複数の工程の最後の工程に対応する。メーカー側環境220は、メーカー側管理装置221と、メーカー側端末装置222とを含む。購入者側環境230は、購入者側管理装置231と、購入者側端末装置232とを含む。
【0036】
情報処理システム200において、サプライヤー側管理装置211と、サプライヤー側端末装置212とは、有線または無線のネットワーク240を介して接続される。ネットワーク240は、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどである。情報処理システム200において、サプライヤー側管理装置211と、ブロック生成装置201とは、有線または無線のネットワーク240を介して接続される。
【0037】
情報処理システム200において、メーカー側管理装置221と、メーカー側端末装置222とは、有線または無線のネットワーク240を介して接続される。情報処理システム200において、メーカー側管理装置221と、ブロック生成装置201とは、有線または無線のネットワーク240を介して接続される。
【0038】
情報処理システム200において、購入者側管理装置231と、購入者側端末装置232とは、有線または無線のネットワーク240を介して接続される。情報処理システム200において、購入者側管理装置231と、ブロック生成装置201とは、有線または無線のネットワーク240を介して接続される。
【0039】
サプライヤー側管理装置211と、メーカー側管理装置221とは、
図1に示した情報処理装置100に対応する。サプライヤー側管理装置211と、メーカー側管理装置221と、購入者側管理装置231とは、同一のブロックチェーンネットワークを形成するノードとなるコンピュータである。サプライヤー側管理装置211と、メーカー側管理装置221と、購入者側管理装置231とは、同一の内容の分散台帳を記憶して管理する。
【0040】
サプライヤー側管理装置211と、メーカー側管理装置221と、購入者側管理装置231とは、第1SCを有する。第1SCは、目的に関するいずれかの工程における実績値を、当該実績値の実績種別に応じて、複数の工程で統一された基準で示される、目的に対する貢献度合いを示す指標値に変換する機能を有する。サプライヤー側管理装置211と、メーカー側管理装置221と、購入者側管理装置231とは、例えば、それぞれ自装置で管理する分散台帳に、第1SCを登録することにより、第1SCを有する。
【0041】
サプライヤー側管理装置211と、メーカー側管理装置221と、購入者側管理装置231とは、第2SCを有する。第2SCは、複数の工程のそれぞれの工程に関する、目的に対する貢献度合いを示す指標値に基づいて、利益を複数の参加者に分配する割合を算出する機能を有する。サプライヤー側管理装置211と、メーカー側管理装置221と、購入者側管理装置231とは、例えば、それぞれ自装置で管理する分散台帳に、第2SCを登録することにより、第2SCを有する。
【0042】
サプライヤー側管理装置211は、証跡データを、サプライヤー側端末装置212から受信する。証跡データは、いずれかの工程と、目的に関する当該工程における実績値と、当該実績値の実績種別との対応関係を示す。サプライヤー側管理装置211は、証跡データを含めたトランザクションを発行し、ブロック生成装置201に送信する。これにより、サプライヤー側管理装置211は、証跡データを含めたブロックを、サプライヤー側管理装置211と、メーカー側管理装置221と、購入者側管理装置231とに配信することができる。
【0043】
サプライヤー側管理装置211は、証跡データを含めたブロックを、ブロック生成装置201から受信すると、証跡データを含めたブロックを、自装置で管理する分散台帳に記憶する。サプライヤー側管理装置211は、トークンを含めたブロックを、ブロック生成装置201から受信すると、トークンを含めたブロックを、自装置で管理する分散台帳に記憶する。トークンは、利益の発生源と、複数の工程のそれぞれの工程について分散台帳に登録された証跡データとの対応関係を示す。
【0044】
サプライヤー側管理装置211は、第1SCを含めたブロックを、ブロック生成装置201から受信すると、第1SCを含めたブロックを、自装置で管理する分散台帳に記憶する。サプライヤー側管理装置211は、第2SCを含めたブロックを、ブロック生成装置201から受信すると、第2SCを含めたブロックを、自装置で管理する分散台帳に記憶する。
【0045】
サプライヤー側管理装置211は、算出要求を含めたブロックを、ブロック生成装置201から受信すると、算出要求を含めたブロックを、自装置で管理する分散台帳に記憶する。算出要求は、利益を複数の参加者に分配する割合を算出することを要求する。参加者は、サプライヤー、および、メーカーなどである。算出要求は、トークンの指定を含む。
【0046】
サプライヤー側管理装置211は、算出要求に応じて、トークンに基づいて、第1SCを利用して、複数の工程のそれぞれの工程に関する、目的に対する貢献度合いを示す指標値を算出する。サプライヤー側管理装置211は、トークンに基づいて、第2SCを利用して、複数の工程のそれぞれの工程に関する、目的に対する貢献度合いを示す指標値に基づいて、利益を複数の参加者に分配する割合を算出する。サプライヤー側管理装置211は、例えば、サーバ、または、PCなどである。
【0047】
サプライヤー側端末装置212は、サプライヤー側ユーザの操作入力に基づき、自装置に対応する工程と、目的に関する当該工程における実績値と、当該実績値の実績種別との対応関係を示す証跡データを生成する。サプライヤー側端末装置212は、生成した証跡データを、サプライヤー側管理装置211に送信する。サプライヤー側端末装置212は、例えば、PC、タブレット端末、または、スマートフォンなどである。
【0048】
メーカー側管理装置221は、証跡データを、メーカー側端末装置222から受信する。メーカー側管理装置221は、証跡データを含めたトランザクションを発行し、ブロック生成装置201に送信する。これにより、メーカー側管理装置221は、証跡データを含めたブロックを、サプライヤー側管理装置211と、メーカー側管理装置221と、購入者側管理装置231とに配信することができる。
【0049】
メーカー側管理装置221は、トークンを、メーカー側端末装置222から受信する。メーカー側管理装置221は、トークンを含めたトランザクションを発行し、ブロック生成装置201に送信する。これにより、メーカー側管理装置221は、トークンを含めたブロックを、サプライヤー側管理装置211と、メーカー側管理装置221と、購入者側管理装置231とに配信することができる。
【0050】
メーカー側管理装置221は、第1SCを、メーカー側端末装置222から受信する。メーカー側管理装置221は、第1SCを含めたトランザクションを発行し、ブロック生成装置201に送信する。これにより、メーカー側管理装置221は、第1SCを含めたブロックを、サプライヤー側管理装置211と、メーカー側管理装置221と、購入者側管理装置231とに配信することができる。
【0051】
メーカー側管理装置221は、第2SCを、メーカー側端末装置222から受信する。メーカー側管理装置221は、第2SCを含めたトランザクションを発行し、ブロック生成装置201に送信する。これにより、メーカー側管理装置221は、第2SCを含めたブロックを、サプライヤー側管理装置211と、メーカー側管理装置221と、購入者側管理装置231とに配信することができる。
【0052】
メーカー側管理装置221は、証跡データを含めたブロックを、ブロック生成装置201から受信すると、証跡データを含めたブロックを、自装置で管理する分散台帳に記憶する。メーカー側管理装置221は、トークンを含めたブロックを、ブロック生成装置201から受信すると、トークンを含めたブロックを、自装置で管理する分散台帳に記憶する。
【0053】
メーカー側管理装置221は、第1SCを含めたブロックを、ブロック生成装置201から受信すると、第1SCを含めたブロックを、自装置で管理する分散台帳に記憶する。メーカー側管理装置221は、第2SCを含めたブロックを、ブロック生成装置201から受信すると、第2SCを含めたブロックを、自装置で管理する分散台帳に記憶する。
【0054】
メーカー側管理装置221は、算出要求を含めたブロックを、ブロック生成装置201から受信すると、算出要求を含めたブロックを、自装置で管理する分散台帳に記憶する。算出要求は、利益を複数の参加者に分配する割合を算出することを要求する。参加者は、サプライヤー、および、メーカーなどである。参加者は、例えば、メーカーを含まなくてもよい。算出要求は、トークンの指定を含む。
【0055】
メーカー側管理装置221は、算出要求に応じて、トークンに基づいて、第1SCを利用して、複数の工程のそれぞれの工程に関する、目的に対する貢献度合いを示す指標値を算出する。メーカー側管理装置221は、トークンに基づいて、第2SCを利用して、複数の工程のそれぞれの工程に関する、目的に対する貢献度合いを示す指標値に基づいて、利益を複数の参加者に分配する割合を算出する。メーカー側管理装置221は、例えば、サーバ、または、PCなどである。
【0056】
メーカー側端末装置222は、メーカー側ユーザの操作入力に基づき、自装置に対応する工程と、目的に関する当該工程における実績値と、当該実績値の実績種別との対応関係を示す証跡データを生成する。メーカー側端末装置222は、生成した証跡データを、メーカー側管理装置221に送信する。メーカー側端末装置222は、メーカー側ユーザの操作入力に基づき、トークンを生成する。メーカー側端末装置222は、生成したトークンを、メーカー側管理装置221に送信する。
【0057】
メーカー側端末装置222は、メーカー側ユーザの操作入力に基づき、第1SCを生成する。メーカー側端末装置222は、生成した第1SCを、メーカー側管理装置221に送信する。メーカー側端末装置222は、メーカー側ユーザの操作入力に基づき、第2SCを生成する。メーカー側端末装置222は、生成した第2SCを、メーカー側管理装置221に送信する。メーカー側端末装置222は、例えば、PC、タブレット端末、または、スマートフォンなどである。
【0058】
購入者側管理装置231は、算出要求を、購入者側端末装置232から受信する。購入者側管理装置231は、算出要求を含めたトランザクションを発行し、ブロック生成装置201に送信する。これにより、購入者側管理装置231は、算出要求を含めたブロックを、サプライヤー側管理装置211と、メーカー側管理装置221と、購入者側管理装置231に配信することができる。
【0059】
購入者側管理装置231は、証跡データを含めたブロックを、ブロック生成装置201から受信すると、証跡データを含めたブロックを、自装置で管理する分散台帳に記憶する。購入者側管理装置231は、トークンを含めたブロックを、ブロック生成装置201から受信すると、トークンを含めたブロックを、自装置で管理する分散台帳に記憶する。
【0060】
購入者側管理装置231は、第1SCを含めたブロックを、ブロック生成装置201から受信すると、第1SCを含めたブロックを、自装置で管理する分散台帳に記憶する。購入者側管理装置231は、第2SCを含めたブロックを、ブロック生成装置201から受信すると、第2SCを含めたブロックを、自装置で管理する分散台帳に記憶する。
【0061】
購入者側管理装置231は、算出要求を含めたブロックを、ブロック生成装置201から受信すると、算出要求を含めたブロックを、自装置で管理する分散台帳に記憶する。算出要求は、利益を複数の参加者に分配する割合を算出することを要求する。参加者は、購入者、および、メーカーなどである。算出要求は、トークンの指定を含む。
【0062】
購入者側管理装置231は、算出要求に応じて、トークンに基づいて、第1SCを利用して、複数の工程のそれぞれの工程に関する、目的に対する貢献度合いを示す指標値を算出する。購入者側管理装置231は、トークンに基づいて、第2SCを利用して、複数の工程のそれぞれの工程に関する、目的に対する貢献度合いを示す指標値に基づいて、利益を複数の参加者に分配する割合を算出する。購入者側管理装置231は、例えば、サーバ、または、PCなどである。
【0063】
購入者側端末装置232は、購入者側ユーザの操作入力に基づき、いずれかのトークンについて算出要求を生成する。算出要求は、トークンの指定を含む。購入者側端末装置232は、生成した算出要求を、購入者側管理装置231に送信する。購入者側端末装置232は、例えば、PC、タブレット端末、または、スマートフォンなどである。
【0064】
ブロック生成装置201は、サプライヤー側管理装置211から、証跡データを含めたトランザクションを受信し、証跡データを含めたブロックを生成する。ブロック生成装置201は、生成したブロックを、サプライヤー側管理装置211と、メーカー側管理装置221と、購入者側管理装置231とに送信する。
【0065】
ブロック生成装置201は、メーカー側管理装置221から、証跡データを含めたトランザクションを受信し、証跡データを含めたブロックを生成する。ブロック生成装置201は、生成したブロックを、サプライヤー側管理装置211と、メーカー側管理装置221と、購入者側管理装置231とに送信する。
【0066】
ブロック生成装置201は、メーカー側管理装置221から、トークンを含めたトランザクションを受信し、トークンを含めたブロックを生成する。ブロック生成装置201は、生成したブロックを、サプライヤー側管理装置211と、メーカー側管理装置221と、購入者側管理装置231とに送信する。
【0067】
ブロック生成装置201は、メーカー側管理装置221から、第1SCを含めたトランザクションを受信し、第1SCを含めたブロックを生成する。ブロック生成装置201は、生成したブロックを、サプライヤー側管理装置211と、メーカー側管理装置221と、購入者側管理装置231とに送信する。
【0068】
ブロック生成装置201は、メーカー側管理装置221から、第2SCを含めたトランザクションを受信し、第2SCを含めたブロックを生成する。ブロック生成装置201は、生成したブロックを、サプライヤー側管理装置211と、メーカー側管理装置221と、購入者側管理装置231とに送信する。
【0069】
ブロック生成装置201は、購入者側管理装置231から、算出要求を含めたトランザクションを受信し、算出要求を含めたブロックを生成する。ブロック生成装置201は、生成したブロックを、サプライヤー側管理装置211と、メーカー側管理装置221と、購入者側管理装置231とに送信する。ブロック生成装置201は、例えば、サーバ、または、PCなどである。
【0070】
ここでは、ブロック生成装置201が、サプライヤー側管理装置211と、メーカー側管理装置221と、購入者側管理装置231とのいずれの装置とも異なる装置である場合について説明したが、これに限らない。例えば、ブロック生成装置201が、サプライヤー側管理装置211と、メーカー側管理装置221と、購入者側管理装置231とのいずれかの装置と一体である場合があってもよい。
【0071】
ここでは、サプライヤー側管理装置211と、サプライヤー側端末装置212とが異なる装置である場合について説明したが、これに限らない。例えば、サプライヤー側管理装置211が、サプライヤー側端末装置212としての機能を有し、サプライヤー側端末装置212としても動作する場合があってもよい。
【0072】
ここでは、メーカー側管理装置221と、メーカー側端末装置222とが異なる装置である場合について説明したが、これに限らない。例えば、メーカー側管理装置221が、メーカー側端末装置222としての機能を有し、メーカー側端末装置222としても動作する場合があってもよい。
【0073】
ここでは、購入者側管理装置231と、購入者側端末装置232とが異なる装置である場合について説明したが、これに限らない。例えば、購入者側管理装置231が、購入者側端末装置232としての機能を有し、購入者側端末装置232としても動作する場合があってもよい。
【0074】
(コンピュータ300のハードウェア構成例)
次に、
図3を用いて、コンピュータ300のハードウェア構成例について説明する。コンピュータ300は、サプライヤー側管理装置211、サプライヤー側端末装置212、メーカー側管理装置221、メーカー側端末装置222、購入者側管理装置231、購入者側端末装置232、または、ブロック生成装置201となり得る。
【0075】
図3は、コンピュータ300のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図4において、コンピュータ300は、CPU(Central Processing Unit)301と、メモリ302と、ネットワークI/F(Interface)303と、記録媒体I/F304と、記録媒体305とを有する。また、各構成部は、バス310によってそれぞれ接続される。
【0076】
ここで、CPU301は、コンピュータ300の全体の制御を司る。メモリ302は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびフラッシュROMなどを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMやROMが各種プログラムを記憶し、RAMがCPU301のワークエリアとして使用される。メモリ302に記憶されるプログラムは、CPU301にロードされることにより、コーディングされている処理をCPU301に実行させる。メモリ302は、例えば、分散台帳を記憶してもよい。
【0077】
ネットワークI/F303は、通信回線を通じてネットワーク240に接続され、ネットワーク240を介して他のコンピュータ300に接続される。そして、ネットワークI/F303は、ネットワーク240と内部のインターフェースを司り、他のコンピュータ300からのデータの入出力を制御する。ネットワークI/F303は、例えば、モデムやLANアダプタなどである。
【0078】
記録媒体I/F304は、CPU301の制御に従って記録媒体305に対するデータのリード/ライトを制御する。記録媒体I/F304は、例えば、ディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)、USB(Universal Serial Bus)ポートなどである。記録媒体305は、記録媒体I/F304の制御で書き込まれたデータを記憶する不揮発メモリである。記録媒体305は、例えば、ディスク、半導体メモリ、USBメモリなどである。記録媒体305は、コンピュータ300から着脱可能であってもよい。
【0079】
コンピュータ300は、上述した構成部の他、例えば、キーボード、マウス、ディスプレイ、プリンタ、スキャナ、マイク、スピーカーなどを有してもよい。また、コンピュータ300は、記録媒体I/F304や記録媒体305を複数有していてもよい。また、コンピュータ300は、記録媒体I/F304や記録媒体305を有していなくてもよい。
【0080】
(情報処理装置100の機能的構成例)
次に、
図4を用いて、サプライヤー側管理装置211、メーカー側管理装置221、または、購入者側管理装置231などとなり得る情報処理装置100の機能的構成例について説明する。
【0081】
図4は、情報処理装置100の機能的構成例を示すブロック図である。情報処理装置100は、記憶部400と、取得部401と、発行部402と、登録部403と、算出部404と、出力部405とを含む。情報処理装置100は、利益の発生源に関する複数の工程のいずれかの工程に対応する。
【0082】
記憶部400は、例えば、
図3に示したメモリ302や記録媒体305などの記憶領域によって実現される。以下では、記憶部400が、情報処理装置100に含まれる場合について説明するが、これに限らない。例えば、記憶部400が、情報処理装置100とは異なる装置に含まれ、記憶部400の記憶内容が情報処理装置100から参照可能である場合があってもよい。
【0083】
取得部401~出力部405は、制御部の一例として機能する。取得部401~出力部405は、具体的には、例えば、
図3に示したメモリ302や記録媒体305などの記憶領域に記憶されたプログラムをCPU301に実行させることにより、または、ネットワークI/F303により、その機能を実現する。各機能部の処理結果は、例えば、
図3に示したメモリ302や記録媒体305などの記憶領域に記憶される。
【0084】
記憶部400は、各機能部の処理において参照され、または更新される各種情報を記憶する。記憶部400は、例えば、分散台帳を記憶する。分散台帳は、ブロックを連結することにより形成される。ブロックは、例えば、登録部403によって分散台帳に登録される。
【0085】
記憶部400は、具体的には、証跡データを記憶する。証跡データは、例えば、いずれかの工程と、目的に関する当該工程における実績値と、当該実績値の実績種別との対応関係を示す。証跡データは、例えば、取得部401によって取得される。記憶部400は、より具体的には、証跡データを含むブロックを、分散台帳によって記憶する。証跡データを含むブロックは、例えば、登録部403によって取得される。
【0086】
記憶部400は、具体的には、トークンを記憶する。トークンは、例えば、利益の発生源と、それぞれの工程について分散台帳に登録された証跡データとの対応関係を示す。トークンは、例えば、取得部401によって取得される。記憶部400は、より具体的には、トークンを含むブロックを、分散台帳によって記憶する。トークンを含むブロックは、例えば、登録部403によって取得される。
【0087】
記憶部400は、具体的には、SCを記憶する。記憶部400は、具体的には、第1SCを記憶する。第1SCは、例えば、目的に関するいずれかの工程における実績値を、当該実績値の実績種別に応じて、複数の工程で統一された基準で示される、目的に対する貢献度合いを示す指標値に変換する機能を有する。第1SCは、例えば、目的に関するいずれかの工程における実績値を、当該実績値の実績種別に対応する貢献種別である、目的に対する貢献度合いを示す指標値に変換する機能を有していてもよい。第1SCは、例えば、取得部401によって取得される。記憶部400は、より具体的には、第1SCを含むブロックを、分散台帳によって記憶する。第1SCを含むブロックは、例えば、登録部403によって取得される。
【0088】
記憶部400は、具体的には、第2SCを記憶する。第2SCは、例えば、それぞれの工程における、目的に対する貢献度合いを示す指標値に基づいて、発生源から得られる利益を、複数の工程を分担する複数の参加者に分配する割合を算出する機能を有する。第2SCは、例えば、異なる貢献種別である、目的に対する貢献度合いを示す指標値に基づいて、発生源から得られる利益を、複数の参加者に分配する割合を算出する機能を有していてもよい。第2SCは、例えば、取得部401によって取得される。記憶部400は、より具体的には、第2SCを含むブロックを、分散台帳によって記憶する。第2SCを含むブロックは、例えば、登録部403によって取得される。
【0089】
記憶部400は、具体的には、算出要求を記憶する。算出要求は、トークンの指定を含む。算出要求は、指定のトークンに対応する証跡データに基づいて、指定のトークンに対応する発生源から得られた利益を、複数の参加者に分配する割合を算出することを要求する。算出要求は、例えば、取得部401によって取得される。記憶部400は、より具体的には、算出要求を含むブロックを、分散台帳によって記憶する。算出要求を含むブロックは、例えば、登録部403によって取得される。
【0090】
取得部401は、各機能部の処理に用いられる各種情報を取得する。取得部401は、取得した各種情報を、記憶部400に記憶し、または、各機能部に出力する。また、取得部401は、記憶部400に記憶しておいた各種情報を、各機能部に出力してもよい。取得部401は、例えば、ユーザの操作入力に基づき、各種情報を取得する。取得部401は、例えば、情報処理装置100とは異なる装置から、各種情報を受信してもよい。
【0091】
取得部401は、例えば、証跡データの登録要求を取得する。取得部401は、例えば、自装置が、サプライヤー側管理装置211に対応する場合、証跡データの登録要求を取得する。登録要求は、例えば、証跡データを含む。登録要求は、例えば、いずれかの工程が完了したことに応じて生成される。取得部401は、具体的には、証跡データの登録要求を、他のコンピュータから受信することにより取得する。他のコンピュータは、例えば、サプライヤー側端末装置212である。取得部401は、具体的には、ユーザの操作入力に基づき、証跡データの登録要求の入力を受け付けることにより、証跡データの登録要求を取得する。
【0092】
取得部401は、例えば、トークンの登録要求を取得する。取得部401は、例えば、自装置が、メーカー側管理装置221に対応する場合、トークンの登録要求を取得する。登録要求は、例えば、トークンを含む。登録要求は、例えば、複数の工程が完了したことに応じて生成される。取得部401は、具体的には、トークンの登録要求を、他のコンピュータから受信することにより取得する。他のコンピュータは、例えば、メーカー側端末装置222である。取得部401は、具体的には、ユーザの操作入力に基づき、トークンの登録要求の入力を受け付けることにより、トークンの登録要求を取得する。
【0093】
取得部401は、例えば、いずれかの工程に対応する第1SCの登録要求を取得する。取得部401は、例えば、自装置が、メーカー側管理装置221に対応する場合、いずれかの工程に対応する第1SCの登録要求を取得する。登録要求は、例えば、第1SCを含む。登録要求は、例えば、いずれかの工程の指定を含む。取得部401は、具体的には、第1SCの登録要求を、他のコンピュータから受信することにより取得する。他のコンピュータは、例えば、メーカー側端末装置222である。取得部401は、具体的には、ユーザの操作入力に基づき、第1SCの登録要求の入力を受け付けることにより、第1SCの登録要求を取得する。
【0094】
取得部401は、例えば、第2SCの登録要求を取得する。取得部401は、例えば、自装置が、メーカー側管理装置221に対応する場合、第2SCの登録要求を取得する。登録要求は、例えば、第2SCを含む。取得部401は、具体的には、第2SCの登録要求を、他のコンピュータから受信することにより取得する。他のコンピュータは、例えば、メーカー側端末装置222である。取得部401は、具体的には、ユーザの操作入力に基づき、第2SCの登録要求の入力を受け付けることにより、第2SCの登録要求を取得する。
【0095】
取得部401は、例えば、算出要求の登録要求を取得する。取得部401は、例えば、自装置が、購入者側管理装置231に対応する場合、算出要求の登録要求を取得する。登録要求は、例えば、算出要求を含む。取得部401は、具体的には、算出要求の登録要求を、他のコンピュータから受信することにより取得する。他のコンピュータは、購入者側端末装置232である。取得部401は、具体的には、ユーザの操作入力に基づき、算出要求の登録要求の入力を受け付けることにより、算出要求の登録要求を取得する。
【0096】
取得部401は、いずれかの機能部の処理を開始する開始トリガーを受け付けてもよい。開始トリガーは、例えば、ユーザによる所定の操作入力があったことである。開始トリガーは、例えば、他のコンピュータから、所定の情報を受信したことであってもよい。開始トリガーは、例えば、いずれかの機能部が所定の情報を出力したことであってもよい。
【0097】
取得部401は、例えば、各種登録要求を取得したことを、発行部402の処理を開始する開始トリガーとして受け付けてもよい。取得部401は、例えば、算出要求を含むブロックが、記憶部400に記憶された分散台帳に登録されたことを検出したことを、算出部404の処理を開始する開始トリガーとして受け付けてもよい。
【0098】
発行部402は、トランザクションを発行する。発行部402は、例えば、第1SCを含むトランザクションを発行する。発行部402は、具体的には、取得部401でいずれかの工程に対応する第1SCの登録要求を取得したことに応じて、第1SCを含むトランザクションを発行する。これにより、発行部402は、第1SCを含むブロックを、複数の情報処理装置100のそれぞれの情報処理装置100が管理する分散台帳に登録するよう、当該情報処理装置100を制御することができる。
【0099】
発行部402は、例えば、第2SCを含むトランザクションを発行する。発行部402は、具体的には、取得部401で第2SCの登録要求を取得したことに応じて、第2SCを含むトランザクションを発行する。これにより、発行部402は、第2SCを含むブロックを、複数の情報処理装置100のそれぞれの情報処理装置100が管理する分散台帳に登録するよう、当該情報処理装置100を制御することができる。
【0100】
発行部402は、例えば、証跡データを含むトランザクションを発行する。発行部402は、具体的には、取得部401で証跡データの登録要求を取得したことに応じて、証跡データを含むトランザクションを発行する。これにより、発行部402は、証跡データを含むブロックを、複数の情報処理装置100のそれぞれの情報処理装置100が管理する分散台帳に登録するよう、当該情報処理装置100を制御することができる。
【0101】
発行部402は、例えば、トークンを含むトランザクションを発行する。発行部402は、具体的には、取得部401でトークンの登録要求を取得したことに応じて、トークンを含むトランザクションを発行する。これにより、発行部402は、トークンを含むブロックを、複数の情報処理装置100のそれぞれの情報処理装置100が管理する分散台帳に登録するよう、当該情報処理装置100を制御することができる。
【0102】
発行部402は、例えば、算出要求を含むトランザクションを発行する。発行部402は、具体的には、取得部401で算出要求の登録要求を取得したことに応じて、算出要求を含むトランザクションを発行する。これにより、発行部402は、算出要求を含むブロックを、複数の情報処理装置100のそれぞれの情報処理装置100が管理する分散台帳に登録するよう、当該情報処理装置100を制御することができる。
【0103】
登録部403は、複数の工程のそれぞれの工程について、第1SCを登録する。登録部403は、2以上の工程について共通の第1SCを1つ登録してもよい。登録部403は、例えば、トランザクションに応じて第1SCを含むブロックを受信した場合、第1SCを含むブロックを分散台帳に登録する。これにより、登録部403は、第1SCを利用可能にすることができる。
【0104】
登録部403は、第2SCを登録する。登録部403は、例えば、トランザクションに応じて第2SCを含むブロックを受信した場合、第2SCを含むブロックを分散台帳に登録する。これにより、登録部403は、第2SCを利用可能にすることができる。
【0105】
登録部403は、いずれかの工程について、証跡データを登録する。登録部403は、例えば、トランザクションに応じて証跡データを含むブロックを受信した場合、証跡データを含むブロックを分散台帳に登録する。これにより、登録部403は、証跡データを利用可能にすることができる。登録部403は、目的に関するそれぞれの工程における実績値を利用可能にすることができる。
【0106】
登録部403は、いずれかの工程について、トークンを登録する。登録部403は、例えば、トランザクションに応じてトークンを含むブロックを受信した場合、トークンを含むブロックを分散台帳に登録する。これにより、登録部403は、トークンを利用可能にすることができる。登録部403は、トークンに対応する発生源から得られる利益を複数のユーザに分配する割合を算出するにあたって、トークンに基づいていずれの証跡データを参照すればよいかを特定可能にすることができる。
【0107】
登録部403は、いずれかの工程について、算出要求を登録する。登録部403は、例えば、トランザクションに応じて算出要求を含むブロックを受信した場合、算出要求を含むブロックを分散台帳に登録する。これにより、登録部403は、算出要求を利用可能にすることができる。登録部403は、いずれのトークンに基づいて、利益を複数のユーザに分配する割合を算出することが要求されたかを特定可能にすることができる。
【0108】
算出部404は、それぞれの工程に関する指標値を算出する。算出部404は、例えば、トークンを指定する算出要求を含むブロックを登録したことに応じて、それぞれの工程に関する指標値を算出する。算出部404は、具体的には、分散台帳を参照して、トークンに基づいて、それぞれの工程に対応する第1SCを利用して、目的に関する当該工程における実績値の実績種別に応じて、当該工程に関する指標値を算出する。これにより、算出部404は、発生源から得られる利益を、複数の参加者に分配する割合を算出する指針を得ることができる。
【0109】
算出部404は、具体的には、分散台帳を参照して、トークンに基づいて、それぞれの工程に対応する第1SCを利用して、目的に関する当該工程における実績値の実績種別に対応する貢献種別である、当該工程に関する指標値を算出してもよい。これにより、算出部404は、発生源から得られる利益を、複数の参加者に分配する割合を算出する指針を得ることができる。算出部404は、異なる観点の複数の指針を得ることができる。
【0110】
算出部404は、発生源から得られる利益を、複数の参加者に分配する割合を算出する。算出部404は、例えば、第2SCを利用して、算出したそれぞれの工程に関する指標値に応じて、発生源から得られる利益を、複数の参加者に分配する割合を算出する。これにより、算出部404は、発生源から得られる利益を、複数の参加者に適切に分配可能にすることができる。
【0111】
算出部404は、例えば、第2SCを利用して、目的に関するそれぞれの工程における実績値の実績種別に対応する貢献種別である指標値に応じて、貢献種別ごとの重みに基づいて、発生源から得られる利益を、複数の参加者に分配する割合を算出してもよい。これにより、算出部404は、異なる貢献種別の指標値を考慮して、発生源から得られる利益を、複数の参加者に適切に分配可能にすることができる。
【0112】
算出部404は、算出した割合に基づいて、発生源から得られる利益を、それぞれの参加者に分配する分配量を算出してもよい。これにより、算出部404は、発生源から得られる利益を、それぞれの参加者に適切に分配することができる。
【0113】
出力部405は、少なくともいずれかの機能部の処理結果を出力する。出力形式は、例えば、ディスプレイへの表示、プリンタへの印刷出力、ネットワークI/F303による外部装置への送信、または、メモリ302や記録媒体305などの記憶領域への記憶である。これにより、出力部405は、少なくともいずれかの機能部の処理結果をユーザに通知可能にし、情報処理装置100の利便性の向上を図ることができる。
【0114】
出力部405は、算出部404で算出した割合を出力する。出力部405は、例えば、算出部404で算出した割合を、ユーザが参照可能に出力する。出力部405は、例えば、算出部404で算出した割合を、発生源から得られる利益を、それぞれの参加者に分配する機能部に出力してもよい。機能部は、例えば、情報処理装置100以外に含まれていてもよい。これにより、算出部404は、発生源から得られる利益を、複数の参加者に適切に分配可能にすることができる。
【0115】
出力部405は、算出部404で算出した分配量を出力してもよい。出力部405は、例えば、算出部404で算出した分配量を、ユーザが参照可能に出力する。出力部405は、例えば、算出部404で算出した分配量を、発生源から得られる利益をそれぞれの参加者に分配する機能部に出力してもよい。機能部は、例えば、情報処理装置100以外に含まれていてもよい。これにより、算出部404は、発生源から得られる利益を、複数の参加者に適切に分配することができる。
【0116】
(情報処理システム200の機能的構成例)
次に、
図5を用いて、情報処理システム200の機能的構成例について説明する。
【0117】
図5は、情報処理システム200の機能的構成例を示すブロック図である。
図5において、メーカー側端末装置222は、受信部501と、送信部502と、表示部503とを含む。受信部501は、メーカー側ユーザの操作入力を受け付ける。送信部502は、受け付けたメーカー側ユーザの操作入力に基づき、証跡データの登録要求、トークンの登録要求、および、SCの登録要求などを、メーカー側管理装置221に送信する。表示部503は、メーカー側ユーザの操作入力を受け付ける画面を表示する。
【0118】
サプライヤー側端末装置212は、同様に、受信部501と、送信部502と、表示部503とを含む。また、購入者側端末装置232は、同様に、受信部501と、送信部502と、表示部503とを含む。
【0119】
メーカー側管理装置221は、分散台帳510と、受信部511と、処理部512と、送信部513とを含む。分散台帳510は、証跡データ、トークン、SCなどを、ブロックに含めて記憶する。受信部511は、証跡データの登録要求、トークンの登録要求、および、SCの登録要求などを、メーカー側端末装置222から受信する。受信部511は、証跡データを含むブロック、トークンを含むブロック、および、SCを含むブロックなどを、ブロック生成装置201から受信する。
【0120】
処理部512は、
図4に示した各機能部に対応する。処理部512は、算出要求に応じて、算出要求で指定のトークンに基づいて、SCを利用して、工程ごとの貢献度合いを示す指標値を算出し、利益となる対価をそれぞれの参加者に分配する割合を算出する。送信部513は、各種登録要求に応じて、証跡データを含むトランザクション、トークンを含むトランザクション、および、SCを含むトランザクションなどを、ブロック生成装置201に送信する。
【0121】
サプライヤー側管理装置211は、同様に、分散台帳510と、受信部511と、処理部512と、送信部513とを含む。また、購入者側管理装置231は、同様に、分散台帳510と、受信部511と、処理部512と、送信部513とを含む。
【0122】
ブロック生成装置201は、受信部521と、生成部522と、送信部523とを含む。受信部521は、トランザクションを受け付ける。受信部521は、例えば、証跡データを含むトランザクション、トークンを含むトランザクション、および、SCを含むトランザクションなどを、メーカー側管理装置221、サプライヤー側管理装置211、または、購入者側管理装置231から受信する。
【0123】
生成部522は、トランザクションに応じてブロックを生成する。生成部522は、例えば、各種トランザクションに応じて、証跡データを含むブロック、トークンを含むブロック、および、SCを含むブロックなどを生成する。送信部523は、生成したブロックを、メーカー側管理装置221、サプライヤー側管理装置211、または、購入者側管理装置231に送信する。ブロック生成装置201は、マイニングノード、または、コンソーシアム型ブロックチェーンのオープンソースソフトウェアであるHyperledger FabricのOrdering Serviceなどである。図中の[x]は、メーカー側管理装置221、サプライヤー側管理装置211、または、購入者側管理装置231などのコンピュータに対応する参加者xを示す。
【0124】
(情報処理システム200の動作の流れ)
次に、
図6を用いて、情報処理システム200の動作の流れについて説明する。
【0125】
図6は、情報処理システム200の動作の流れを示す説明図である。
図6において、分散台帳510は、ブロックチェーンネットワークで管理される。ブロックチェーンネットワークは、サプライヤー側管理装置211と、メーカー側管理装置221と、購入者側管理装置231とをノードとして含む。分散台帳510は、ノードとなる各種装置で共有される。
【0126】
分散台帳510は、証跡データストア610、トークンデータストア620、および、SCストア630を記憶する。証跡データストア610は、証跡データを含む。トークンデータストア620は、トークンを含む。SCストア630は、SCを含む。SCストア630は、例えば、対価割合計算SC601を含む。SCストア630は、例えば、貢献基準プール602を含む。貢献基準プール602は、例えば、貢献値計算SC603を含む。
【0127】
(7-1)メーカーは、メーカー側端末装置222を用いて、実績値に基づいて貢献値を計算する処理を記述した貢献値計算SC603を生成する。貢献値計算SC603は、例えば、実績値の実績種別を表す「Data Type」と、「実績値を貢献値へ変換する計算式」とを含む。メーカー側端末装置222は、貢献値計算SC603を、メーカー側管理装置221に送信する。メーカー側管理装置221は、貢献値計算SC603を、分散台帳510のSCストア630に登録する。これにより、貢献値計算SC603は、ノードとなる各種装置で共有される。
【0128】
(7-2)サプライヤーは、担当する生産物に関する工程を完了すると、サプライヤー側端末装置212を用いて、実績値を含む証跡データを生成する。証跡データは、例えば、証跡データの識別情報である「証跡ID」と、生産物に関する工程における「実績値」と、実績値の実績種別を表す「Data Type」と、対価の分配先の参加者を表す「アカウント情報」とを含む。サプライヤー側端末装置212は、証跡データを、サプライヤー側管理装置211に送信する。サプライヤー側管理装置211は、証跡データを、分散台帳510の証跡データストア610に登録する。これにより、証跡データは、ノードとなる各種装置で共有される。
【0129】
(7-3)メーカーは、担当する生産物に関する工程を完了し、生産物を生産すると、メーカー側端末装置222を用いて、トークンを生成する。トークンは、例えば、トークンの識別情報である「トークンID」と、トークンを生成した参加者を表す「トークンの所有者情報(owner)」と、対価が支払われる生産物を表す「製品情報」とを含む。トークンは、例えば、さらに、生産物に関するそれぞれの工程に関する証跡データの識別情報である「証跡ID」を含む。メーカー側端末装置222は、トークンを、メーカー側管理装置221に送信する。メーカー側管理装置221は、トークンを、分散台帳510のトークンデータストア620に登録する。これにより、トークンは、ノードとなる各種装置で共有される。
【0130】
(7-4)購入者は、生産物を購入し、生産物に対価を支払う。購入者は、例えば、生産物に関するトークンを購入し、トークンに対価を支払う。購入者は、購入者側端末装置232を用いて、トークンの指定を含む算出要求を生成する。算出要求は、例えば、トークンの識別情報である「トークンID」を含む。購入者側端末装置232は、算出要求を、購入者側管理装置231に送信する。購入者側管理装置231は、算出要求を、分散台帳510に登録する。これにより、算出要求は、ノードとなる各種装置で共有される。
【0131】
(7-5)ノードとなる各種装置は、算出要求に応じて、貢献値計算SC603と、対価割合計算SC601とを利用して、対価をそれぞれの参加者に分配する割合を表す対価割合を算出する。貢献値計算SC603は、例えば、対価割合計算SC601によって制御されてもよい。
【0132】
例えば、メーカー側管理装置221で、対価割合計算SC601は、算出要求に含まれるトークンIDをキーとして、分散台帳510から、トークンを検索する。例えば、対価割合計算SC601は、検索したトークンに含まれる証跡IDをキーとして、分散台帳510から、証跡データを検索する。例えば、対価割合計算SC601は、検索した証跡データに含まれるData Typeと、実績値と、アカウント情報とを取得する。例えば、対価割合計算SC601は、取得したData Typeに対応する貢献値計算SC603を特定し、実績値を入力する。
【0133】
例えば、貢献値計算SC603は、貢献値計算SC603に含まれる計算式を使用して、入力された実績値を変換した貢献値を算出し、対価割合計算SC601に入力する。具体的には、実績値が電力量であれば、[貢献値]=100-[電力量]*2が算出される。具体的には、実績値が燃料量であれば、[貢献値]=100-[燃料量]*14が算出される。
【0134】
例えば、対価割合計算SC601は、証跡データごとに変換された貢献値を取得し、取得した貢献値に基づいて、対価割合計算SC601に含まれる計算式を使用して、対価割合を算出する。具体的には、[対価割合]=[いずれかの貢献値]/[貢献値の合計値]*100が算出される。より具体的には、サプライヤー1について、[対価割合]=[20]/[20+30]*100=40%が算出される。より具体的には、サプライヤー2について、[対価割合]=[30]/[20+30]*100=60%が算出される。
【0135】
これにより、情報処理システム200は、適切な対価割合を算出することができる。情報処理システム200は、貢献値計算SC603を、貢献基準ごとに分離して管理することができ、トークンで証跡データを管理し、トークンについて対価が発生した際に、トークンに対応する証跡データを特定可能にすることができる。
【0136】
このため、情報処理システム200は、貢献値計算SC603を追加する場合などにおける、それぞれの参加者の悪影響を抑制することができる。従って、情報処理システム200は、状況の変化に対処し易くすることができる。情報処理システム200は、証跡データを適切に管理することができ、対価割合を算出し易くすることができ、対価を与える参加者を特定し易くすることができる。
【0137】
(情報処理システム200の第1動作例)
次に、
図7~
図24を用いて、情報処理システム200の第1動作例について説明する。
【0138】
図7~
図24は、情報処理システム200の第1動作例を示す説明図である。
図7および
図8は、具体的には、分散台帳510の初期状態を示す。
図7に示すように、分散台帳510は、対価割合計算SC601を記憶する。対価割合計算SC601は、計算式を含む。分散台帳510は、貢献基準プール602を有する。次に、
図8の説明に移行する。
【0139】
図8に示すように、分散台帳510は、証跡データストア610と、トークンデータストア620と、対価割合データストア800とを記憶する。初期状態では、証跡データストア610は、空である。トークンデータストア620は、空である。対価割合データストア800は、空である。
【0140】
証跡データストア610は、証跡IDと、Data Typeと、実績値と、アカウントとのフィールドを有する。証跡データストア610は、工程ごとに各フィールドに情報を設定することにより、証跡データがレコードとして記憶される。証跡IDのフィールドには、証跡データの識別情報である「証跡ID」が設定される。Data Typeのフィールドには、実績値の実績種別を表す「Data Type」が設定される。実績値のフィールドには、「実績値」が設定される。アカウントのフィールドには、対価の分配先の参加者を表す「アカウント情報」が設定される。
【0141】
トークンデータストア620は、トークンIDと、オーナーと、製品情報と、証跡IDとのフィールドを有する。トークンデータストア620は、生産物ごとに各フィールドに情報を設定することにより、トークンがレコードとして記憶される。トークンIDのフィールドには、トークンの識別情報である「トークンID」が設定される。オーナーのフィールドには、トークンを生成した参加者を表す「トークンの所有者情報(owner)」が設定される。製品情報のフィールドには、対価が支払われる生産物を表す「製品情報」が設定される。証跡IDのフィールドには、生産物に関するそれぞれの工程に関する証跡データの識別情報である「証跡ID」が設定される。
【0142】
対価割合データストア800は、トークンIDと、支払い先と、対価割合とのフィールドを有する。対価割合データストア800は、参加者ごとに各フィールドに情報を設定することにより、対価割合がレコードとして記憶される。トークンIDのフィールドには、対価が発生した生産物に関するトークンデータの識別情報である「トークンID」が設定される。支払い先のフィールドには、対価割合が計算され、対価が与えられる参加者を表す「参加者情報」が設定される。対価割合のフィールドには、参加者に対応する「対価割合」が設定される。次に、
図9の説明に移行する。
【0143】
図9は、具体的には、情報処理システム200における、貢献値計算SC603を登録するSC登録処理手順の一例を示すシーケンス図を示す。
図9において、メーカー側端末装置222は、メーカー側ユーザの操作入力に基づいて、貢献値計算SC603を生成する。
【0144】
以下の説明では、異なる種別の貢献値計算SC603を区別可能に「貢献値計算SCX603」と表記する場合がある。Xは、A,B,Cなどである。
図9の例では、メーカー側端末装置222は、貢献値計算SCA603を生成する。貢献値計算SC603は、メーカー、または、環境保護に関する専門家などによって、環境保護の観点ごとに生成される。
【0145】
メーカー側端末装置222は、生成した貢献値計算SCA603を含むSC登録トランザクション発行要求を、ノードとなるメーカー側管理装置221に送信する(ステップS901)。メーカー側管理装置221は、SC登録トランザクション発行要求を受信すると、貢献値計算SCA603を含むSC登録トランザクションを生成して署名を付与する(ステップS902)。メーカー側管理装置221は、SC登録トランザクションを、ブロック生成装置201に発行する(ステップS903)。
【0146】
ブロック生成装置201は、SC登録トランザクションを受信すると、完了通知を、メーカー側管理装置221に送信する(ステップS904)。メーカー側管理装置221は、完了通知を受信すると、完了通知を、メーカー側端末装置222に送信する(ステップS905)。
【0147】
ブロック生成装置201は、SC登録トランザクションを受信すると、貢献値計算SCA603を含むブロックを生成する(ステップS906)。ブロック生成装置201は、生成したブロックを、メーカー側管理装置221に配布する(ステップS907)。ブロック生成装置201は、生成したブロックを、ノードとなる各種装置900に配布する(ステップS908)。
【0148】
各種装置900は、例えば、サプライヤー1に対応するサプライヤー側管理装置211、サプライヤー2に対応するサプライヤー側管理装置211、サプライヤー3に対応するサプライヤー側管理装置211、および、購入者側管理装置231などである。
【0149】
メーカー側管理装置221は、処理部512により、ブロックを受信すると、受信したブロックを検証する(ステップS909)。メーカー側管理装置221は、処理部512により、ブロックが正当と検証されると、ブロックを分散台帳510に登録する(ステップS910)。メーカー側管理装置221は、処理部512により、分散台帳510から、完了通知を受信する(ステップS911)。
【0150】
各種装置900は、処理部512により、ブロックを受信すると、受信したブロックを検証する(ステップS912)。各種装置900は、処理部512により、ブロックが正当と検証されると、ブロックを分散台帳510に登録する(ステップS913)。各種装置900は、処理部512により、分散台帳510から、完了通知を受信する(ステップS914)。これにより、情報処理システム200は、複数のノードで貢献値計算SC603を共有することができる。次に、
図10の説明に移行する。
【0151】
図10は、具体的には、分散台帳510の状態を示す。
図10に示すように、SC登録処理により、分散台帳510は、貢献基準プール602に、貢献値計算SCA603を記憶することになる。これにより、サプライヤー側管理装置211、メーカー側管理装置221、および、購入者側管理装置231などで、貢献値計算SCA603を参照可能にすることができる。サプライヤー側管理装置211、メーカー側管理装置221、および、購入者側管理装置231などで、実績値に基づき貢献値を計算可能にすることができる。
【0152】
サプライヤーは、貢献基準プール602を参照して、貢献値計算SC603が示す観点で環境保護に貢献すればよいことを把握することができる。サプライヤーは、貢献基準プール602に複数の貢献値計算SC603があれば、貢献基準プール602を参照して、いずれの貢献値計算SC603が示す観点で環境保護に貢献するかを選択することができる。サプライヤーは、他の観点で環境保護に貢献することを望む場合、サプライヤー側管理装置211を介して、または、メーカーに依頼して、他の観点の貢献値計算SC603を、分散台帳510に登録することができる。
【0153】
貢献値計算SCA603は、実績値の実績種類であるData Typeと、実績値に基づき貢献値を計算可能にする計算式とを含む。計算式は、例えば、貢献値=CO
2削減量を計算する。計算式は、具体的には、100-p*2である。pは、実績値である。実績値は、例えば、電力量である。電力量が小さいほど、CO
2削減量が大きいため、貢献値が大きくなる。次に、
図11の説明に移行する。
【0154】
図11は、具体的には、情報処理システム200における、証跡データを登録する証跡データ登録処理手順の一例を示すシーケンス図を示す。
図11において、サプライヤー1に対応するサプライヤー側ユーザは、サプライヤー1の工程における実績値の実績種別Data Typeを選択する。
【0155】
サプライヤー側ユーザは、選択した実績種別Data Typeと、実績値との対応関係を、サプライヤー1に対応するサプライヤー側端末装置212に入力する。サプライヤー側端末装置212は、サプライヤー側ユーザの操作入力に基づいて、証跡データを生成する。
図11の例では、サプライヤー側端末装置212は、証跡ID=A1と、実績種別Data Type=A(電力量)と、実績値と、アカウント情報とを含む証跡データ1を生成する。
【0156】
サプライヤー側端末装置212は、生成した証跡データ1を含む証跡データ登録トランザクション発行要求を、ノードとなるサプライヤー側管理装置211に送信する(ステップS1101)。サプライヤー側管理装置211は、証跡データ登録トランザクション発行要求を受信すると、証跡データ1を含む証跡データ登録トランザクションを生成して署名を付与する(ステップS1102)。サプライヤー側管理装置211は、証跡データ登録トランザクションを、ブロック生成装置201に発行する(ステップS1103)。
【0157】
ブロック生成装置201は、証跡データ登録トランザクションを受信すると、完了通知を、サプライヤー側管理装置211に送信する(ステップS1104)。サプライヤー側管理装置211は、完了通知を受信すると、完了通知を、サプライヤー側端末装置212に送信する(ステップS1105)。
【0158】
ブロック生成装置201は、証跡データ登録トランザクションを受信すると、証跡データ1を含むブロックを生成する(ステップS1106)。ブロック生成装置201は、生成したブロックを、サプライヤー側管理装置211に配布する(ステップS1107)。ブロック生成装置201は、生成したブロックを、ノードとなる各種装置1100に配布する(ステップS1108)。
【0159】
各種装置1100は、例えば、メーカー側管理装置221、サプライヤー2に対応するサプライヤー側管理装置211、サプライヤー3に対応するサプライヤー側管理装置211、および、購入者側管理装置231などである。
【0160】
サプライヤー側管理装置211は、処理部512により、ブロックを受信すると、受信したブロックを検証する(ステップS1109)。サプライヤー側管理装置211は、処理部512により、ブロックが正当と検証されると、ブロックを分散台帳510に登録する(ステップS1110)。サプライヤー側管理装置211は、処理部512により、分散台帳510から、完了通知を受信する(ステップS1111)。
【0161】
各種装置1100は、処理部512により、ブロックを受信すると、受信したブロックを検証する(ステップS1112)。各種装置1100は、処理部512により、ブロックが正当と検証されると、ブロックを分散台帳510に登録する(ステップS1113)。各種装置1100は、処理部512により、分散台帳510から、完了通知を受信する(ステップS1114)。これにより、情報処理システム200は、複数のノードで証跡データ1を共有することができる。
【0162】
同様に、サプライヤー2に対応するサプライヤー側端末装置212が、サプライヤー側ユーザの操作入力に基づいて、証跡ID=B1と、実績種別Data Type=A(電力量)と、実績値と、アカウント情報とを含む証跡データ2を生成したとする。情報処理システム200は、複数のノードで証跡データ2を共有したとする。次に、
図12の説明に移行する。
【0163】
図12は、具体的には、分散台帳510の状態を示す。
図12に示すように、証跡データ登録処理により、分散台帳510は、証跡データストア610に、証跡データ1と、証跡データ2とを記憶することになる。これにより、サプライヤー側管理装置211、メーカー側管理装置221、および、購入者側管理装置231などで、証跡データ1と、証跡データ2とを参照可能にすることができる。サプライヤー側管理装置211、メーカー側管理装置221、および、購入者側管理装置231などで、証跡データに基づき実績値を特定可能にすることができる。次に、
図13の説明に移行する。
【0164】
図13は、具体的には、情報処理システム200における、トークンを登録するトークン登録処理手順の一例を示すシーケンス図を示す。
図13において、メーカー側ユーザは、生産物が生産されたことに応じて、生産物を表す製品情報と、生産物に関する証跡データを表す証跡ID=A1,B1との対応関係を、メーカー側端末装置222に入力する。製品情報は、例えば、URI(Uniform Resource Identifier)、または、生産物の個体識別情報などである。
【0165】
メーカー側端末装置222は、メーカー側ユーザの操作入力に基づいて、トークンを生成する。
図13の例では、メーカー側端末装置222は、生産物を表す製品情報と、生産物に関する証跡データを表す証跡ID=A1,B1とを含むトークン1を生成する。
【0166】
メーカー側端末装置222は、生成したトークン1を含むトークン登録トランザクション発行要求を、ノードとなるメーカー側管理装置221に送信する(ステップS1301)。メーカー側管理装置221は、トークン登録トランザクション発行要求を受信すると、トークン1を含むトークン登録トランザクションを生成して署名を付与する(ステップS1302)。メーカー側管理装置221は、トークン登録トランザクションを、ブロック生成装置201に発行する(ステップS1303)。
【0167】
ブロック生成装置201は、トークン登録トランザクションを受信すると、完了通知を、メーカー側管理装置221に送信する(ステップS1304)。メーカー側管理装置221は、完了通知を受信すると、完了通知を、メーカー側端末装置222に送信する(ステップS1305)。
【0168】
ブロック生成装置201は、トークン登録トランザクションを受信すると、トークン1を含むブロックを生成する(ステップS1306)。ブロック生成装置201は、生成したブロックを、メーカー側管理装置221に配布する(ステップS1307)。ブロック生成装置201は、生成したブロックを、ノードとなる各種装置1300に配布する(ステップS1308)。
【0169】
各種装置1300は、例えば、サプライヤー1に対応するサプライヤー側管理装置211、サプライヤー2に対応するサプライヤー側管理装置211、サプライヤー3に対応するサプライヤー側管理装置211、および、購入者側管理装置231などである。
【0170】
メーカー側管理装置221は、処理部512により、ブロックを受信すると、受信したブロックを検証する(ステップS1309)。メーカー側管理装置221は、処理部512により、ブロックが正当と検証されると、ブロックを分散台帳510に登録する(ステップS1310)。メーカー側管理装置221は、処理部512により、分散台帳510から、完了通知を受信する(ステップS1311)。
【0171】
各種装置1300は、処理部512により、ブロックを受信すると、受信したブロックを検証する(ステップS1312)。各種装置1300は、処理部512により、ブロックが正当と検証されると、ブロックを分散台帳510に登録する(ステップS1313)。各種装置1300は、処理部512により、分散台帳510から、完了通知を受信する(ステップS1314)。これにより、情報処理システム200は、複数のノードでトークン1を共有することができる。次に、
図14の説明に移行する。
【0172】
図14は、具体的には、分散台帳510の状態を示す。
図14に示すように、トークン登録処理により、分散台帳510は、トークンデータストア620に、トークン1を記憶することになる。これにより、サプライヤー側管理装置211、メーカー側管理装置221、および、購入者側管理装置231などで、トークン1を参照可能にすることができる。サプライヤー側管理装置211、メーカー側管理装置221、および、購入者側管理装置231などで、トークン1に基づき、対価を分配する際に参照する証跡データを特定可能にすることができる。次に、
図15および
図16の説明に移行する。
【0173】
図15および
図16は、具体的には、情報処理システム200における、対価を分配する対価割合を計算する計算処理手順の一例を示すシーケンス図を示す。
図15において、購入者側ユーザは、トークン1に対して対価を支払う場合、トークンIDを、購入者側端末装置232に入力する。購入者側端末装置232は、購入者側ユーザの操作入力に基づいて、トークンIDを含む対価割合計算要求を生成する。
図15の例では、購入者側端末装置232は、トークン1のトークンIDを含む対価割合計算要求を生成する。
【0174】
購入者側端末装置232は、生成した対価割合計算要求を含む対価割合計算トランザクション発行要求を、ノードとなる購入者側管理装置231に送信する(ステップS1501)。購入者側管理装置231は、対価割合計算トランザクション発行要求を受信すると、対価割合計算要求を含む対価割合計算トランザクションを生成して署名を付与する(ステップS1502)。購入者側管理装置231は、対価割合計算トランザクションを、ブロック生成装置201に発行する(ステップS1503)。
【0175】
ブロック生成装置201は、対価割合計算トランザクションを受信すると、完了通知を、購入者側管理装置231に送信する(ステップS1504)。購入者側管理装置231は、完了通知を受信すると、完了通知を、購入者側端末装置232に送信する(ステップS1505)。
【0176】
ブロック生成装置201は、対価割合計算トランザクションを受信すると、対価割合計算要求を含むブロックを生成する(ステップS1506)。ブロック生成装置201は、生成したブロックを、購入者側管理装置231に配布する(ステップS1507)。
【0177】
購入者側管理装置231は、処理部512により、ブロックを受信すると、受信したブロックを検証する(ステップS1508)。購入者側管理装置231は、処理部512により、ブロックが正当と検証されると、対価割合計算SC601を実行し、ブロックに含まれるトークンIDを、対価割合計算SC601に入力する(ステップS1509)。
【0178】
購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、トークンIDをキーにして、トークンデータストア620から、トークンIDに対応するトークンを検索する(ステップS1510)。購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、トークン1を取得する(ステップS1511)。
【0179】
購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、トークンに含まれる証跡IDをキーにして、証跡データストア610から、証跡IDに対応する証跡データを検索する(ステップS1512)。購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、証跡データ1と、証跡データ2とを取得する(ステップS1513)。
【0180】
購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、証跡データ1に基づいて、貢献値計算SCA603を実行する(ステップS1514)。対価割合計算SC601は、例えば、実績値=40を、貢献値計算SCA603に渡す。購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、貢献値計算SCA603が計算した貢献値=20を取得する(ステップS1515)。
【0181】
購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、証跡データ2に基づいて、貢献値計算SCA603を実行する(ステップS1516)。対価割合計算SC601は、例えば、実績値=35を、貢献値計算SCA603に渡す。購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、貢献値計算SCA603が計算した貢献値=30を取得する(ステップS1517)。
【0182】
購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、取得した貢献値に基づいて、参加者ごとの対価割合を計算する(ステップS1518)。購入者側管理装置231は、例えば、対価割合計算SC601により、対価割合xn=yn/ysumを計算する。ynは、貢献値である。ysumは、貢献値の合計である。nは、参加者の番号である。
【0183】
購入者側管理装置231は、具体的には、対価割合計算SC601により、サプライヤー1の対価割合20/(20+30)=0.4と、サプライヤー2の対価割合30/(20+30)=0.6とを計算する。購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、トークンIDと、計算した参加者ごとの対価割合との対応関係を、分散台帳510の対価割合データストア800に登録する(ステップS1519)。
【0184】
購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、分散台帳510から、完了通知を受信する(ステップS1520)。購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、完了通知を、処理部512に送信する(ステップS1521)。その後、購入者側管理装置231は、対価割合に基づいて、参加者ごとに対価を与える。次に、
図16の説明に移行する。
【0185】
図16において、ブロック生成装置201は、生成したブロックを、ノードとなる各種装置1600に配布する(ステップS1601)。各種装置1600は、例えば、メーカー側管理装置221、サプライヤー1に対応するサプライヤー側管理装置211、サプライヤー2に対応するサプライヤー側管理装置211、および、サプライヤー3に対応するサプライヤー側管理装置211などである。
【0186】
各種装置1600は、処理部512により、ブロックを受信すると、受信したブロックを検証する(ステップS1602)。各種装置1600は、処理部512により、ブロックが正当と検証されると、対価割合計算SC601を実行し、ブロックに含まれるトークンIDを、対価割合計算SC601に入力する(ステップS1603)。
【0187】
各種装置1600は、対価割合計算SC601により、トークンIDをキーにして、トークンデータストア620から、トークンIDに対応するトークンを検索する(ステップS1604)。各種装置1600は、対価割合計算SC601により、トークン1を取得する(ステップS1605)。
【0188】
各種装置1600は、対価割合計算SC601により、トークン1に含まれる証跡IDをキーにして、証跡データストア610から、証跡IDに対応する証跡データを検索する(ステップS1606)。各種装置1600は、対価割合計算SC601により、証跡データ1と、証跡データ2とを取得する(ステップS1607)。
【0189】
各種装置1600は、対価割合計算SC601により、証跡データ1に基づいて、貢献値計算SCA603を実行する(ステップS1608)。対価割合計算SC601は、例えば、実績値=40を、貢献値計算SCA603に渡す。各種装置1600は、対価割合計算SC601により、貢献値計算SCA603が計算した貢献値=20を取得する(ステップS1609)。
【0190】
各種装置1600は、対価割合計算SC601により、証跡データ2に基づいて、貢献値計算SCA603を実行する(ステップS1610)。対価割合計算SC601は、例えば、実績値=35を、貢献値計算SCA603に渡す。各種装置1600は、対価割合計算SC601により、貢献値計算SCA603が計算した貢献値=30を取得する(ステップS1611)。
【0191】
各種装置1600は、対価割合計算SC601により、取得した貢献値に基づいて、参加者ごとの対価割合を計算する(ステップS1612)。各種装置1600は、例えば、対価割合計算SC601により、対価割合xn=yn/ysumを計算する。ynは、貢献値である。ysumは、ynと同一の貢献種別に属する、ynを含む貢献値の合計である。nは、参加者の番号である。
【0192】
各種装置1600は、具体的には、対価割合計算SC601により、サプライヤー1の対価割合20/(20+30)=0.4と、サプライヤー2の対価割合30/(20+30)=0.6とを計算する。各種装置1600は、対価割合計算SC601により、トークンIDと、計算した参加者ごとの対価割合との対応関係を、分散台帳510の対価割合データストア800に登録する(ステップS1613)。
【0193】
各種装置1600は、対価割合計算SC601により、分散台帳510から、完了通知を受信する(ステップS1614)。各種装置1600は、対価割合計算SC601により、完了通知を、処理部512に送信する(ステップS1615)。その後、各種装置1600は、対価割合に基づいて、参加者ごとに対価を与える。次に、
図17の説明に移行する。
【0194】
図17は、具体的には、分散台帳510の状態を示す。
図17に示すように、対価割合計算処理により、分散台帳510は、対価割合データストア800に、参加者ごとの対価割合を記憶することになる。これにより、サプライヤー側管理装置211、メーカー側管理装置221、および、購入者側管理装置231などで、対価割合を参照可能にすることができる。サプライヤー側管理装置211、メーカー側管理装置221、および、購入者側管理装置231などで、対価割合に基づき、対価を適切に分配可能にすることができる。
【0195】
このように、情報処理システム200は、電力量に起因するCO
2削減量の観点で、対価をそれぞれの参加者に適切に分配することができる。次に、
図18の説明に移行する。
【0196】
図18において、電力量に起因するCO
2削減量以外の他の観点も考慮して、対価をそれぞれの参加者に適切に分配することが望まれたとする。他の観点は、例えば、燃料量に起因するCO
2削減量である。この場合、情報処理システム200は、
図9に示したSC登録処理と同様に、電力量に起因するCO
2削減量以外の他の観点に関する貢献値計算SCB603を分散台帳510に登録し、複数のノードで共有したとする。
【0197】
図18は、具体的には、分散台帳510の状態を示す。
図18に示すように、SC登録処理により、分散台帳510は、貢献基準プール602に、貢献値計算SCB603を記憶することになる。これにより、サプライヤー側管理装置211、メーカー側管理装置221、および、購入者側管理装置231などで、貢献値計算SCB603を参照可能にすることができる。サプライヤー側管理装置211、メーカー側管理装置221、および、購入者側管理装置231などで、実績値に基づき貢献値を計算可能にすることができる。
【0198】
情報処理システム200は、既存の貢献値計算SCA603と、対価割合計算SC601とに影響を与えずに、サプライヤー側管理装置211、メーカー側管理装置221、および、購入者側管理装置231などで、貢献値計算SCB603を共有することができる。このため、情報処理システム200は、SCを書き換えずに済み、コストの低減化を図ることができる。情報処理システム200は、SCを書き換えずに済むため、プログラムバグの発生を抑制し易くすることができ、信頼性の向上を図ることができる。
【0199】
貢献値計算SCB603は、実績値の実績種類であるData Typeと、実績値に基づき貢献値を計算可能にする計算式とを含む。計算式は、例えば、貢献値=CO
2削減量を計算する。計算式は、具体的には、100-p*10である。pは、実績値である。実績値は、例えば、燃料量である。燃料量が小さいほど、CO
2削減量が大きいため、貢献値が大きくなる。次に、
図19の説明に移行する。
【0200】
図19において、サプライヤー1に対応するサプライヤー側端末装置212は、
図11に示した証跡データ登録処理と同様に、証跡データ3を生成したとする。証跡データ3は、例えば、サプライヤー側ユーザの操作入力に基づいて、証跡ID=A2と、実績種別Data Type=A(電力量)と、実績値と、アカウント情報とを含む。情報処理システム200は、
図11に示した証跡データ登録処理と同様に、証跡データ3を分散台帳510に登録し、複数のノードで共有したとする。
【0201】
また、サプライヤー2に対応するサプライヤー側端末装置212は、
図11に示した証跡データ登録処理と同様に、証跡データ4を生成したとする。証跡データ4は、例えば、サプライヤー側ユーザの操作入力に基づいて、証跡ID=B2と、実績種別Data Type=A(電力量)と、実績値と、アカウント情報とを含む。情報処理システム200は、
図11に示した証跡データ登録処理と同様に、証跡データ4を分散台帳510に登録し、複数のノードで共有したとする。
【0202】
また、サプライヤー3に対応するサプライヤー側端末装置212は、
図11に示した証跡データ登録処理と同様に、証跡データ5を生成したとする。証跡データ5は、例えば、サプライヤー側ユーザの操作入力に基づいて、証跡ID=C2と、実績種別Data Type=B(燃料量)と、実績値と、アカウント情報とを含む。情報処理システム200は、
図11に示した証跡データ登録処理と同様に、証跡データ5を分散台帳510に登録し、複数のノードで共有したとする。
【0203】
図19は、具体的には、分散台帳510の状態を示す。
図19に示すように、証跡データ登録処理により、分散台帳510は、証跡データストア610に、証跡データ3と、証跡データ4と、証跡データ5とを記憶することになる。これにより、サプライヤー側管理装置211、メーカー側管理装置221、および、購入者側管理装置231などで、証跡データ3と、証跡データ4と、証跡データ5とを参照可能にすることができる。サプライヤー側管理装置211、メーカー側管理装置221、および、購入者側管理装置231などで、証跡データに基づき実績値を特定可能にすることができる。次に、
図20の説明に移行する。
【0204】
図20において、メーカー側ユーザは、さらに生産物が生産されたことに応じて、生産物を表す製品情報と、生産物に関する証跡データを表す証跡ID=A2,B2,C2との対応関係を、メーカー側端末装置222に入力する。メーカー側端末装置222は、生産物を表す製品情報と、生産物に関する証跡データを表す証跡ID=A2,B2,C2とを含むトークン2を生成する。情報処理システム200は、
図13に示したトークン登録処理と同様に、トークン2を分散台帳510に登録し、複数のノードで共有したとする。
【0205】
図20は、具体的には、分散台帳510の状態を示す。
図20に示すように、トークン登録処理により、分散台帳510は、トークンデータストア620に、新たなトークン2を記憶することになる。これにより、サプライヤー側管理装置211、メーカー側管理装置221、および、購入者側管理装置231などで、新たなトークン2を参照可能にすることができる。サプライヤー側管理装置211、メーカー側管理装置221、および、購入者側管理装置231などで、新たなトークン2に基づき、対価を分配する際に参照する証跡データを特定可能にすることができる。次に、
図21~
図23の説明に移行する。
【0206】
図21~
図23は、具体的には、情報処理システム200における、対価を分配する対価割合を計算する計算処理手順の一例を示すシーケンス図を示す。
図21において、購入者側ユーザは、トークン2に対して対価を支払う場合、トークンIDを、購入者側端末装置232に入力する。購入者側端末装置232は、購入者側ユーザの操作入力に基づいて、トークンIDを含む対価割合計算要求を生成する。
図21の例では、購入者側端末装置232は、トークン2のトークンIDを含む対価割合計算要求を生成する。
【0207】
購入者側端末装置232は、生成した対価割合計算要求を含む対価割合計算トランザクション発行要求を、ノードとなる購入者側管理装置231に送信する(ステップS2101)。購入者側管理装置231は、対価割合計算トランザクション発行要求を受信すると、対価割合計算要求を含む対価割合計算トランザクションを生成して署名を付与する(ステップS2102)。購入者側管理装置231は、対価割合計算トランザクションを、ブロック生成装置201に発行する(ステップS2103)。
【0208】
ブロック生成装置201は、対価割合計算トランザクションを受信すると、完了通知を、購入者側管理装置231に送信する(ステップS2104)。購入者側管理装置231は、完了通知を受信すると、完了通知を、購入者側端末装置232に送信する(ステップS2105)。
【0209】
ブロック生成装置201は、対価割合計算トランザクションを受信すると、対価割合計算要求を含むブロックを生成する(ステップS2106)。次に、
図22の説明に移行する。
【0210】
図22において、ブロック生成装置201は、生成したブロックを、購入者側管理装置231に配布する(ステップS2201)。購入者側管理装置231は、処理部512により、ブロックを受信すると、受信したブロックを検証する(ステップS2202)。購入者側管理装置231は、処理部512により、ブロックが正当と検証されると、対価割合計算SC601を実行し、ブロックに含まれるトークンIDを、対価割合計算SC601に入力する(ステップS2203)。
【0211】
購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、トークンIDをキーにして、トークンデータストア620から、トークンIDに対応するトークンを検索する(ステップS2204)。購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、トークン2を取得する(ステップS2205)。
【0212】
購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、トークン2に含まれる証跡IDをキーにして、証跡データストア610から、証跡IDに対応する証跡データを検索する(ステップS2206)。購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、証跡データ3と、証跡データ4と、証跡データ5とを取得する(ステップS2207)。
【0213】
購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、証跡データ3に基づいて、貢献値計算SCA603を実行する(ステップS2208)。対価割合計算SC601は、例えば、実績値=40を、貢献値計算SCA603に渡す。購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、貢献値計算SCA603が計算した貢献値=20を取得する(ステップS2209)。
【0214】
購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、証跡データ4に基づいて、貢献値計算SCA603を実行する(ステップS2210)。対価割合計算SC601は、例えば、実績値=35を、貢献値計算SCA603に渡す。購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、貢献値計算SCA603が計算した貢献値=30を取得する(ステップS2211)。
【0215】
購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、証跡データ5に基づいて、貢献値計算SCB603を実行する(ステップS2212)。対価割合計算SC601は、例えば、実績値=5を、貢献値計算SCB603に渡す。購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、貢献値計算SCB603が計算した貢献値=50を取得する(ステップS2213)。
【0216】
購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、取得した貢献値に基づいて、参加者ごとの対価割合を計算する(ステップS2214)。購入者側管理装置231は、具体的には、対価割合計算SC601により、サプライヤー1の対価割合20/(20+30+50)=0.2を計算する。購入者側管理装置231は、具体的には、対価割合計算SC601により、サプライヤー2の対価割合30/(20+30+50)=0.3を計算する。購入者側管理装置231は、具体的には、対価割合計算SC601により、サプライヤー3の対価割合50/(20+30+50)=0.5を計算する。
【0217】
購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、トークンIDと、計算した参加者ごとの対価割合との対応関係を、分散台帳510の対価割合データストア800に登録する(ステップS2215)。購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、分散台帳510から、完了通知を受信する(ステップS2216)。購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、完了通知を、処理部512に送信する(ステップS2217)。その後、購入者側管理装置231は、対価割合に基づいて、参加者ごとに対価を与える。次に、
図23の説明に移行する。
【0218】
図23において、ブロック生成装置201は、生成したブロックを、ノードとなる各種装置2300に配布する(ステップS2301)。各種装置2300は、例えば、メーカー側管理装置221、サプライヤー1に対応するサプライヤー側管理装置211、サプライヤー2に対応するサプライヤー側管理装置211、および、サプライヤー3に対応するサプライヤー側管理装置211などである。
【0219】
各種装置2300は、処理部512により、ブロックを受信すると、受信したブロックを検証する(ステップS2302)。各種装置2300は、処理部512により、ブロックが正当と検証されると、対価割合計算SC601を実行し、ブロックに含まれるトークンIDを、対価割合計算SC601に入力する(ステップS2303)。
【0220】
各種装置2300は、対価割合計算SC601により、トークンIDをキーにして、トークンデータストア620から、トークンIDに対応するトークンを検索する(ステップS2304)。各種装置2300は、対価割合計算SC601により、トークン2を取得する(ステップS2305)。
【0221】
各種装置2300は、対価割合計算SC601により、トークン2に含まれる証跡IDをキーにして、証跡データストア610から、証跡IDに対応する証跡データを検索する(ステップS2306)。各種装置2300は、対価割合計算SC601により、証跡データ3と、証跡データ4と、証跡データ5とを取得する(ステップS2307)。
【0222】
各種装置2300は、対価割合計算SC601により、証跡データ3に基づいて、貢献値計算SCA603を実行する(ステップS2308)。対価割合計算SC601は、例えば、実績値=40を、貢献値計算SCA603に渡す。各種装置2300は、対価割合計算SC601により、貢献値計算SCA603が計算した貢献値=20を取得する(ステップS2309)。
【0223】
各種装置2300は、対価割合計算SC601により、証跡データ4に基づいて、貢献値計算SCA603を実行する(ステップS2310)。対価割合計算SC601は、例えば、実績値=35を、貢献値計算SCA603に渡す。各種装置2300は、対価割合計算SC601により、貢献値計算SCA603が計算した貢献値=30を取得する(ステップS2311)。
【0224】
各種装置2300は、対価割合計算SC601により、証跡データ5に基づいて、貢献値計算SCB603を実行する(ステップS2312)。対価割合計算SC601は、例えば、実績値=5を、貢献値計算SCB603に渡す。各種装置2300は、対価割合計算SC601により、貢献値計算SCB603が計算した貢献値=50を取得する(ステップS2313)。
【0225】
各種装置2300は、対価割合計算SC601により、取得した貢献値に基づいて、参加者ごとの対価割合を計算する(ステップS2314)。各種装置2300は、具体的には、対価割合計算SC601により、サプライヤー1の対価割合20/(20+30+50)=0.2を計算する。各種装置2300は、具体的には、対価割合計算SC601により、サプライヤー2の対価割合30/(20+30+50)=0.3を計算する。各種装置2300は、具体的には、対価割合計算SC601により、サプライヤー3の対価割合50/(20+30+50)=0.5を計算する。
【0226】
各種装置2300は、対価割合計算SC601により、トークンIDと、計算した参加者ごとの対価割合との対応関係を、分散台帳510の対価割合データストア800に登録する(ステップS2315)。各種装置2300は、対価割合計算SC601により、分散台帳510から、完了通知を受信する(ステップS2316)。各種装置2300は、対価割合計算SC601により、完了通知を、処理部512に送信する(ステップS2317)。その後、各種装置2300は、対価割合に基づいて、参加者ごとに対価を与える。次に、
図24の説明に移行する。
【0227】
図24は、具体的には、分散台帳510の状態を示す。
図24に示すように、対価割合計算処理により、分散台帳510は、対価割合データストア800に、トークン2について、参加者ごとの対価割合を記憶することになる。これにより、サプライヤー側管理装置211、メーカー側管理装置221、および、購入者側管理装置231などで、対価割合を参照可能にすることができる。サプライヤー側管理装置211、メーカー側管理装置221、および、購入者側管理装置231などで、対価割合に基づき、対価を適切に分配可能にすることができる。
【0228】
このように、情報処理システム200は、電力量に起因するCO2削減量の観点と、燃料量に起因するCO2削減量の観点とのそれぞれで、共通の貢献値を計算することができ、対価をそれぞれの参加者に適切に分配することができる。情報処理システム200は、SCを書き換えずに済み、コストの低減化を図ることができる。情報処理システム200は、SCを書き換えずに済むため、プログラムバグの発生を抑制し易くすることができ、信頼性の向上を図ることができる。情報処理システム200は、既存の貢献値計算SCA603と、対価割合計算SC601とに影響を与えずに、対価をそれぞれの参加者に適切に分配することができる。
【0229】
(情報処理システム200の第2動作例)
次に、
図25~
図33を用いて、情報処理システム200の第2動作例について説明する。第1動作例は、貢献値の貢献種別(Target Type)が1つである場合に対応する。第2動作例は、貢献値の貢献種別が2以上存在する場合に対応する。貢献種別は、例えば、CO
2削減量の他、プラスチック削減量などが考えられる。以下の説明では、プラスチック削減量を「プラ削減量」と表記する場合がある。
【0230】
図25~
図33は、情報処理システム200の第2動作例を示す説明図である。
図25および
図26は、具体的には、分散台帳510の初期状態を示す。
図25に示すように、分散台帳510は、対価割合計算SC601を記憶する。対価割合計算SC601は、計算式を含む。計算式は、第1動作例とは異なる。分散台帳510は、貢献基準プール602を有する。次に、
図26の説明に移行する。
【0231】
図26に示すように、分散台帳510は、証跡データストア610と、トークンデータストア620と、対価割合データストア800とを記憶する。証跡データストア610は、さらに、Target Typeのフィールドを有する。Target Typeのフィールドには、貢献値の貢献種別を表す「Target Type」が設定される。初期状態では、証跡データストア610は、空である。トークンデータストア620は、空である。対価割合データストア800は、空である。次に、
図27の説明に移行する。
【0232】
図27において、情報処理システム200は、
図9に示したSC登録処理と同様に、電力量に起因するCO
2削減量の観点に関する貢献値計算SCA603を分散台帳510に登録し、複数のノードで共有したとする。
【0233】
また、情報処理システム200は、
図9に示したSC登録処理と同様に、燃料量に起因するCO
2削減量の観点に関する貢献値計算SCB603を分散台帳510に登録し、複数のノードで共有したとする。
【0234】
また、情報処理システム200は、
図9に示したSC登録処理と同様に、植物由来の原材料の使用量に起因するプラ削減量の観点に関する貢献値計算SCC603を分散台帳510に登録し、複数のノードで共有したとする。
【0235】
図27は、具体的には、分散台帳510の状態を示す。
図27に示すように、SC登録処理により、分散台帳510は、貢献基準プール602に、貢献値計算SCA603と、貢献値計算SCB603と、貢献値計算SCC603とを記憶することになる。これにより、サプライヤー側管理装置211、メーカー側管理装置221、および、購入者側管理装置231などで、貢献値計算SCA603と、貢献値計算SCB603と、貢献値計算SCC603とを参照可能にすることができる。サプライヤー側管理装置211、メーカー側管理装置221、および、購入者側管理装置231などで、異なる観点の実績値に基づき、同一の基準の貢献値を計算可能にすることができる。
【0236】
貢献値計算SCA603は、実績値の実績種類であるData Typeと、貢献値の貢献種別であるTarget Typeと、実績値に基づき貢献値を計算可能にする計算式とを含む。計算式は、例えば、貢献値=CO2削減量を計算する。計算式は、具体的には、100-p*2である。pは、実績値である。実績値は、例えば、電力量である。電力量が小さいほど、CO2削減量が大きいため、貢献値が大きくなる。
【0237】
貢献値計算SCB603は、実績値の実績種類であるData Typeと、貢献値の貢献種別であるTarget Typeと、実績値に基づき貢献値を計算可能にする計算式とを含む。計算式は、例えば、貢献値=CO2削減量を計算する。計算式は、具体的には、100-p*14である。pは、実績値である。実績値は、例えば、燃料量である。燃料量が小さいほど、CO2削減量が大きいため、貢献値が大きくなる。
【0238】
貢献値計算SCC603は、実績値の実績種類であるData Typeと、貢献値の貢献種別であるTarget Typeと、実績値に基づき貢献値を計算可能にする計算式とを含む。計算式は、例えば、貢献値=プラ削減量を計算する。計算式は、具体的には、p*2である。pは、実績値である。実績値は、例えば、植物由来の原料の使用量である。使用量が大きいほど、プラ削減量が大きいため、貢献値が大きくなる。次に、
図28の説明に移行する。
【0239】
図28において、サプライヤー1に対応するサプライヤー側端末装置212が、サプライヤー側ユーザの操作入力に基づいて、証跡データ1を生成したとする。証跡データ1は、証跡ID=A1と、実績種別Data Type=A(電力量)と、貢献種別Target Type=T1(CO
2削減量)と、実績値と、アカウント情報とを含む。情報処理システム200は、
図11に示した証跡データ登録処理と同様に、複数のノードで証跡データ1を共有したとする。
【0240】
また、サプライヤー2に対応するサプライヤー側端末装置212が、サプライヤー側ユーザの操作入力に基づいて、証跡データ2を生成したとする。証跡データ2は、証跡ID=B1と、実績種別Data Type=B(燃料量)と、貢献種別Target Type=T1(CO
2削減量)と、実績値と、アカウント情報とを含む。情報処理システム200は、
図11に示した証跡データ登録処理と同様に、複数のノードで証跡データ2を共有したとする。
【0241】
また、サプライヤー3に対応するサプライヤー側端末装置212が、サプライヤー側ユーザの操作入力に基づいて、証跡データ3を生成したとする。証跡データ3は、証跡ID=C1と、実績種別Data Type=C(植物由来原料量)と、貢献種別Target Type=T2(プラ削減量)と、実績値と、アカウント情報とを含む。情報処理システム200は、
図11に示した証跡データ登録処理と同様に、複数のノードで証跡データ3を共有したとする。
【0242】
図28は、具体的には、分散台帳510の状態を示す。
図28に示すように、証跡データ登録処理により、分散台帳510は、証跡データストア610に、証跡データ1と、証跡データ2と、証跡データ3とを記憶することになる。これにより、サプライヤー側管理装置211、メーカー側管理装置221、および、購入者側管理装置231などで、証跡データ1と、証跡データ2と、証跡データ3とを参照可能にすることができる。サプライヤー側管理装置211、メーカー側管理装置221、および、購入者側管理装置231などで、証跡データに基づき実績値を特定可能にすることができる。次に、
図29の説明に移行する。
【0243】
図29において、メーカー側ユーザは、生産物が生産されたことに応じて、生産物を表す製品情報と、生産物に関する証跡データを表す証跡ID=A1,B1,C1との対応関係を、メーカー側端末装置222に入力する。メーカー側端末装置222は、生産物を表す製品情報と、生産物に関する証跡データを表す証跡ID=A1,B1,C1とを含むトークン1を生成する。情報処理システム200は、
図13に示したトークン登録処理と同様に、トークン1を分散台帳510に登録し、複数のノードで共有したとする。
【0244】
図29は、具体的には、分散台帳510の状態を示す。
図29に示すように、トークン登録処理により、分散台帳510は、トークンデータストア620に、トークン1を記憶することになる。これにより、サプライヤー側管理装置211、メーカー側管理装置221、および、購入者側管理装置231などで、トークン1を参照可能にすることができる。サプライヤー側管理装置211、メーカー側管理装置221、および、購入者側管理装置231などで、トークン1に基づき、対価を分配する際に参照する証跡データを特定可能にすることができる。次に、
図30~
図32の説明に移行する。
【0245】
図30~
図32は、具体的には、情報処理システム200における、対価を分配する対価割合を計算する計算処理手順の一例を示すシーケンス図を示す。
図30において、購入者側ユーザは、トークン1に対して対価を支払う場合、トークンIDを、購入者側端末装置232に入力する。購入者側端末装置232は、購入者側ユーザの操作入力に基づいて、トークンIDを含む対価割合計算要求を生成する。
図30の例では、購入者側端末装置232は、トークン1のトークンIDを含む対価割合計算要求を生成する。
【0246】
購入者側端末装置232は、生成した対価割合計算要求を含む対価割合計算トランザクション発行要求を、ノードとなる購入者側管理装置231に送信する(ステップS3001)。購入者側管理装置231は、対価割合計算トランザクション発行要求を受信すると、対価割合計算要求を含む対価割合計算トランザクションを生成して署名を付与する(ステップS3002)。購入者側管理装置231は、対価割合計算トランザクションを、ブロック生成装置201に発行する(ステップS3003)。
【0247】
ブロック生成装置201は、対価割合計算トランザクションを受信すると、完了通知を、購入者側管理装置231に送信する(ステップS3004)。購入者側管理装置231は、完了通知を受信すると、完了通知を、購入者側端末装置232に送信する(ステップS3005)。
【0248】
ブロック生成装置201は、対価割合計算トランザクションを受信すると、対価割合計算要求を含むブロックを生成する(ステップS3006)。次に、
図31の説明に移行する。
【0249】
図31において、ブロック生成装置201は、生成したブロックを、購入者側管理装置231に配布する(ステップS3101)。購入者側管理装置231は、処理部512により、ブロックを受信すると、受信したブロックを検証する(ステップS3102)。購入者側管理装置231は、処理部512により、ブロックが正当と検証されると、対価割合計算SC601を実行し、ブロックに含まれるトークンIDを、対価割合計算SC601に入力する(ステップS3103)。
【0250】
購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、トークンIDをキーにして、トークンデータストア620から、トークンIDに対応するトークンを検索する(ステップS3104)。購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、トークン1を取得する(ステップS3105)。
【0251】
購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、トークン1に含まれる証跡IDをキーにして、証跡データストア610から、証跡IDに対応する証跡データを検索する(ステップS3106)。購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、証跡データ1と、証跡データ2と、証跡データ3とを取得する(ステップS3107)。
【0252】
購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、証跡データ1に基づいて、Data Typeと、Target Typeとの組み合わせに対応する貢献値計算SCA603を実行する(ステップS3108)。対価割合計算SC601は、例えば、実績値=40を、貢献値計算SCA603に渡す。購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、貢献値計算SCA603が計算した貢献値=20を取得する(ステップS3109)。
【0253】
購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、証跡データ2に基づいて、Data Typeと、Target Typeとの組み合わせに対応する貢献値計算SCB603を実行する(ステップS3110)。対価割合計算SC601は、例えば、実績値=5を、貢献値計算SCB603に渡す。購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、貢献値計算SCB603が計算した貢献値=30を取得する(ステップS3111)。
【0254】
購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、証跡データ3に基づいて、Data Typeと、Target Typeとの組み合わせに対応する貢献値計算SCC603を実行する(ステップS3112)。対価割合計算SC601は、例えば、実績値=10を、貢献値計算SCC603に渡す。購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、貢献値計算SCC603が計算した貢献値=20を取得する(ステップS3113)。
【0255】
購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、取得した貢献値に基づいて、参加者ごとの対価割合を計算する(ステップS3114)。購入者側管理装置231は、具体的には、対価割合xn=yn/ysum*1/zを計算する。zは、貢献種別の数である。nは、参加者の番号である。
【0256】
購入者側管理装置231は、具体的には、対価割合計算SC601により、サプライヤー1の対価割合20/(20+30)*1/2=0.2を計算する。購入者側管理装置231は、具体的には、対価割合計算SC601により、サプライヤー2の対価割合30(20+30)*1/2=0.3を計算する。購入者側管理装置231は、具体的には、対価割合計算SC601により、サプライヤー3の対価割合20/20*1/2=0.5を計算する。
【0257】
購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、トークンIDと、計算した参加者ごとの対価割合との対応関係を、分散台帳510の対価割合データストア800に登録する(ステップS3115)。購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、分散台帳510から、完了通知を受信する(ステップS3116)。購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、完了通知を、処理部512に送信する(ステップS3117)。その後、購入者側管理装置231は、対価割合に基づいて、参加者ごとに対価を与える。次に、
図32の説明に移行する。
【0258】
図32において、ブロック生成装置201は、生成したブロックを、ノードとなる各種装置3200に配布する(ステップS3201)。各種装置3200は、例えば、メーカー側管理装置221、サプライヤー1に対応するサプライヤー側管理装置211、サプライヤー2に対応するサプライヤー側管理装置211、および、サプライヤー3に対応するサプライヤー側管理装置211などである。
【0259】
各種装置3200は、処理部512により、ブロックを受信すると、受信したブロックを検証する(ステップS3202)。各種装置3200は、処理部512により、ブロックが正当と検証されると、対価割合計算SC601を実行し、ブロックに含まれるトークンIDを、対価割合計算SC601に入力する(ステップS3203)。
【0260】
各種装置3200は、対価割合計算SC601により、トークンIDをキーにして、トークンデータストア620から、トークンIDに対応するトークンを検索する(ステップS3204)。各種装置3200は、対価割合計算SC601により、トークン1を取得する(ステップS3205)。
【0261】
各種装置3200は、対価割合計算SC601により、トークン1に含まれる証跡IDをキーにして、証跡データストア610から、証跡IDに対応する証跡データを検索する(ステップS3206)。各種装置3200は、対価割合計算SC601により、証跡データ1と、証跡データ2と、証跡データ3とを取得する(ステップS3207)。
【0262】
各種装置3200は、対価割合計算SC601により、証跡データ1に基づいて、Data Typeと、Target Typeとの組み合わせに対応する貢献値計算SCA603を実行する(ステップS3208)。対価割合計算SC601は、例えば、実績値=40を、貢献値計算SCA603に渡す。各種装置3200は、対価割合計算SC601により、貢献値計算SCA603が計算した貢献値=20を取得する(ステップS3209)。
【0263】
各種装置3200は、対価割合計算SC601により、証跡データ2に基づいて、Data Typeと、Target Typeとの組み合わせに対応する貢献値計算SCB603を実行する(ステップS3210)。対価割合計算SC601は、例えば、実績値=5を、貢献値計算SCB603に渡す。各種装置3200は、対価割合計算SC601により、貢献値計算SCB603が計算した貢献値=30を取得する(ステップS3211)。
【0264】
各種装置3200は、対価割合計算SC601により、証跡データ3に基づいて、Data Typeと、Target Typeとの組み合わせに対応する貢献値計算SCC603を実行する(ステップS3212)。対価割合計算SC601は、例えば、実績値=10を、貢献値計算SCC603に渡す。各種装置3200は、対価割合計算SC601により、貢献値計算SCC603が計算した貢献値=20を取得する(ステップS3213)。
【0265】
各種装置3200は、対価割合計算SC601により、取得した貢献値に基づいて、参加者ごとの対価割合を計算する(ステップS3214)。各種装置3200は、具体的には、対価割合計算SC601により、サプライヤー1の対価割合20/(20+30)*1/2=0.2を計算する。各種装置3200は、具体的には、対価割合計算SC601により、サプライヤー2の対価割合30(20+30)*1/2=0.3を計算する。各種装置3200は、具体的には、対価割合計算SC601により、サプライヤー3の対価割合20/20*1/2=0.5を計算する。
【0266】
各種装置3200は、対価割合計算SC601により、トークンIDと、計算した参加者ごとの対価割合との対応関係を、分散台帳510の対価割合データストア800に登録する(ステップS3215)。各種装置3200は、対価割合計算SC601により、分散台帳510から、完了通知を受信する(ステップS3216)。各種装置3200は、対価割合計算SC601により、完了通知を、処理部512に送信する(ステップS3217)。その後、各種装置3200は、対価割合に基づいて、参加者ごとに対価を与える。次に、
図33の説明に移行する。
【0267】
図33は、具体的には、分散台帳510の状態を示す。
図33に示すように、対価割合計算処理により、分散台帳510は、対価割合データストア800に、トークン1について、参加者ごとの対価割合を記憶することになる。これにより、サプライヤー側管理装置211、メーカー側管理装置221、および、購入者側管理装置231などで、対価割合を参照可能にすることができる。サプライヤー側管理装置211、メーカー側管理装置221、および、購入者側管理装置231などで、対価割合に基づき、対価を適切に分配可能にすることができる。
【0268】
このように、情報処理システム200は、電力量に起因するCO2削減量の観点と、燃料量に起因するCO2削減量の観点とのそれぞれで、共通の貢献値を計算することができる。また、情報処理システム200は、CO2削減量と、プラ削減量との異なる貢献種別のそれぞれで、共通の貢献値を計算することができる。このため、情報処理システム200は、実績種別と貢献種別との異なる組み合わせに基づいて、対価を適切に分配することができる。情報処理システム200は、SCを書き換えずに済み、コストの低減化を図ることができる。情報処理システム200は、SCを書き換えずに済むため、プログラムバグの発生を抑制し易くすることができ、信頼性の向上を図ることができる。情報処理システム200は、既存の貢献値計算SCA603と、対価割合計算SC601とに影響を与えずに、対価をそれぞれの参加者に適切に分配することができる。
【0269】
(情報処理システム200の第3動作例)
次に、
図34~
図45を用いて、情報処理システム200の第3動作例について説明する。第3動作例は、貢献種別ごとに異なる重みを付与する場合に対応する。第3動作例は、例えば、時流によって、いずれの貢献種別の貢献値を重視することが好ましいかが変化する場合に対処し易くすることができる。
【0270】
図34~
図45は、情報処理システム200の第3動作例を示す説明図である。
図34および
図35は、具体的には、分散台帳510の初期状態を示す。
図34に示すように、分散台帳510は、対価割合計算SC601を記憶する。対価割合計算SC601は、計算式を含む。計算式は、第1動作例とは異なる。計算式は、例えば、y
n/y
sum*w
n/w
sumである。y
nは、貢献値である。y
sumは、y
nと同一の貢献種別に属する、y
nを含む貢献値の合計である。w
nは、貢献値の重みである。w
sumは、貢献値の重みの合計である。nは、参加者の番号である。分散台帳510は、貢献基準プール602を有する。次に、
図35の説明に移行する。
【0271】
図35に示すように、分散台帳510は、証跡データストア610と、トークンデータストア620と、対価割合データストア800とを記憶する。分散台帳510は、さらに、貢献基準重みデータストア3500を記憶する。
【0272】
貢献基準重みデータストア3500は、Target Typeと、Target Weightとのフィールドを有する。貢献基準重みデータストア3500は、貢献種別ごとに各フィールドに情報を設定することにより、貢献基準重みデータがレコードとして記憶される。Target Typeのフィールドには、貢献値の貢献種別を表す「Target Type」が設定される。Target Weightのフィールドには、貢献種別に対する貢献基準重みを表す「Target Weight」が設定される。
【0273】
初期状態では、証跡データストア610は、空である。トークンデータストア620は、空である。対価割合データストア800は、空である。貢献基準重みデータストア3500は、空である。次に、
図36および
図37の説明に移行する。
【0274】
図36および
図37は、具体的には、情報処理システム200における、貢献値計算SC603と、貢献基準重みとを登録するSC登録処理手順の一例を示すシーケンス図を示す。
図36において、メーカー側端末装置222は、メーカー側ユーザの操作入力に基づいて、貢献値計算SC603を生成する。
図36の例では、メーカー側端末装置222は、貢献値計算SCA603を生成する。
【0275】
メーカー側端末装置222は、生成した貢献値計算SCA603を含むSC登録トランザクション発行要求を、ノードとなるメーカー側管理装置221に送信する(ステップS3601)。メーカー側管理装置221は、SC登録トランザクション発行要求を受信すると、貢献値計算SCA603を含むSC登録トランザクションを生成して署名を付与する(ステップS3602)。メーカー側管理装置221は、SC登録トランザクションを、ブロック生成装置201に発行する(ステップS3603)。
【0276】
ブロック生成装置201は、SC登録トランザクションを受信すると、完了通知を、メーカー側管理装置221に送信する(ステップS3604)。メーカー側管理装置221は、完了通知を受信すると、完了通知を、メーカー側端末装置222に送信する(ステップS3605)。
【0277】
ブロック生成装置201は、SC登録トランザクションを受信すると、貢献値計算SCA603を含むブロックを生成する(ステップS3606)。ブロック生成装置201は、生成したブロックを、メーカー側管理装置221に配布する(ステップS3607)。ブロック生成装置201は、生成したブロックを、ノードとなる各種装置3600に配布する(ステップS3608)。
【0278】
各種装置3600は、例えば、サプライヤー1に対応するサプライヤー側管理装置211、サプライヤー2に対応するサプライヤー側管理装置211、サプライヤー3に対応するサプライヤー側管理装置211、および、購入者側管理装置231などである。
【0279】
メーカー側管理装置221は、処理部512により、ブロックを受信すると、受信したブロックを検証する(ステップS3609)。メーカー側管理装置221は、処理部512により、ブロックが正当と検証されると、ブロックを分散台帳510に登録する(ステップS3610)。メーカー側管理装置221は、処理部512により、分散台帳510から、完了通知を受信する(ステップS3611)。
【0280】
各種装置3600は、処理部512により、ブロックを受信すると、受信したブロックを検証する(ステップS3612)。各種装置3600は、処理部512により、ブロックが正当と検証されると、ブロックを分散台帳510に登録する(ステップS3613)。各種装置3600は、処理部512により、分散台帳510から、完了通知を受信する(ステップS3614)。これにより、情報処理システム200は、複数のノードで貢献値計算SC603を共有することができる。次に、
図37の説明に移行する。
【0281】
図37において、メーカー側端末装置222は、メーカー側ユーザの操作入力に基づいて、貢献基準重みのTarget Typeが表す貢献種別に対する貢献基準重みを生成する。
図37の例では、メーカー側端末装置222は、貢献基準重みT1=3を生成する。
【0282】
メーカー側端末装置222は、生成した貢献基準重みT1を含む貢献基準重み登録トランザクション発行要求を、ノードとなるメーカー側管理装置221に送信する(ステップS3701)。メーカー側管理装置221は、貢献基準重み登録トランザクション発行要求を受信すると、貢献基準重みT1を含む貢献基準重み登録トランザクションを生成して署名を付与する(ステップS3702)。メーカー側管理装置221は、貢献基準重み登録トランザクションを、ブロック生成装置201に発行する(ステップS3703)。
【0283】
ブロック生成装置201は、貢献基準重み登録トランザクションを受信すると、完了通知を、メーカー側管理装置221に送信する(ステップS3704)。メーカー側管理装置221は、完了通知を受信すると、完了通知を、メーカー側端末装置222に送信する(ステップS3705)。
【0284】
ブロック生成装置201は、貢献基準重み登録トランザクションを受信すると、貢献基準重みT1を含むブロックを生成する(ステップS3706)。ブロック生成装置201は、生成したブロックを、メーカー側管理装置221に配布する(ステップS3707)。ブロック生成装置201は、生成したブロックを、ノードとなる各種装置3700に配布する(ステップS3708)。
【0285】
各種装置3700は、例えば、サプライヤー1に対応するサプライヤー側管理装置211、サプライヤー2に対応するサプライヤー側管理装置211、サプライヤー3に対応するサプライヤー側管理装置211、および、購入者側管理装置231などである。
【0286】
メーカー側管理装置221は、処理部512により、ブロックを受信すると、受信したブロックを検証する(ステップS3709)。メーカー側管理装置221は、処理部512により、ブロックが正当と検証されると、ブロックを分散台帳510に登録する(ステップS3710)。メーカー側管理装置221は、処理部512により、分散台帳510から、完了通知を受信する(ステップS3711)。
【0287】
各種装置3700は、処理部512により、ブロックを受信すると、受信したブロックを検証する(ステップS3712)。各種装置3700は、処理部512により、ブロックが正当と検証されると、ブロックを分散台帳510に登録する(ステップS3713)。各種装置3700は、処理部512により、分散台帳510から、完了通知を受信する(ステップS3714)。これにより、情報処理システム200は、複数のノードで貢献基準重みT1を共有することができる。
【0288】
また、情報処理システム200は、
図36および
図37に示したSC登録処理と同様に、貢献値計算SCB603と、貢献基準重みT1とを分散台帳510に登録し、複数のノードで共有したとする。この際、情報処理システム200は、貢献基準重みT1が登録済みのため、
図37に示したステップS3701~S3714の処理を省略してもよい。また、情報処理システム200は、
図36および
図37に示したSC登録処理と同様に、貢献値計算SCC603と、貢献基準重みT2とを分散台帳510に登録し、複数のノードで共有したとする。次に、
図38および
図39の説明に移行する。
【0289】
図38および
図39は、具体的には、分散台帳510の状態を示す。
図38に示すように、SC登録処理により、分散台帳510は、貢献基準プール602に、貢献値計算SCA603と、貢献値計算SCB603と、貢献値計算SCC603とを記憶することになる。これにより、サプライヤー側管理装置211、メーカー側管理装置221、および、購入者側管理装置231などで、貢献値計算SCA603と、貢献値計算SCB603と、貢献値計算SCC603とを参照可能にすることができる。
【0290】
貢献値計算SCA603は、実績値の実績種類であるData Typeと、貢献値の貢献種類であるTarget Typeと、実績値に基づき貢献値を計算可能にする計算式とを含む。計算式は、例えば、貢献値=CO2削減量を計算する。計算式は、具体的には、100-p*2である。pは、実績値である。実績値は、例えば、電力量である。電力量が小さいほど、CO2削減量が大きいため、貢献値が大きくなる。
【0291】
貢献値計算SCB603は、実績値の実績種類であるData Typeと、貢献値の貢献種類であるTarget Typeと、実績値に基づき貢献値を計算可能にする計算式とを含む。計算式は、例えば、貢献値=CO2削減量を計算する。計算式は、具体的には、100-p*14である。pは、実績値である。実績値は、例えば、燃料量である。燃料量が小さいほど、CO2削減量が大きいため、貢献値が大きくなる。
【0292】
貢献値計算SCC603は、実績値の実績種類であるData Typeと、貢献値の貢献種別であるTarget Typeと、実績値に基づき貢献値を計算可能にする計算式とを含む。計算式は、例えば、貢献値=プラ削減量を計算する。計算式は、具体的には、p*2である。pは、実績値である。実績値は、例えば、植物由来の原料の使用量である。使用量が大きいほど、プラ削減量が大きいため、貢献値が大きくなる。次に、
図39の説明に移行する。
【0293】
図39は、具体的には、分散台帳510の状態を示す。
図39に示すように、SC登録処理により、分散台帳510は、貢献基準重みデータストア3500に、貢献基準重みT1と、貢献基準重みT2とを記憶することになる。貢献基準重みが大きいほど、貢献値が大きくなり易い。
【0294】
これにより、サプライヤー側管理装置211、メーカー側管理装置221、および、購入者側管理装置231などで、貢献基準重みT1と、貢献基準重みT2とを参照可能にすることができる。サプライヤー側管理装置211、メーカー側管理装置221、および、購入者側管理装置231などで、貢献基準重みを用いて、実績値に基づき貢献値を計算可能にすることができる。次に、
図40の説明に移行する。
【0295】
図40において、サプライヤー1に対応するサプライヤー側端末装置212が、サプライヤー側ユーザの操作入力に基づいて、証跡データ1を生成したとする。証跡データ1は、証跡ID=A1と、実績種別Data Type=A(電力量)と、貢献種別Target Type=T1(CO
2削減量)と、実績値と、アカウント情報とを含む。情報処理システム200は、
図11に示した証跡データ登録処理と同様に、複数のノードで証跡データ1を共有したとする。
【0296】
また、サプライヤー2に対応するサプライヤー側端末装置212が、サプライヤー側ユーザの操作入力に基づいて、証跡データ2を生成したとする。証跡データ2は、証跡ID=B1と、実績種別Data Type=B(燃料量)と、貢献種別Target Type=T1(CO
2削減量)と、実績値と、アカウント情報とを含む。情報処理システム200は、
図11に示した証跡データ登録処理と同様に、複数のノードで証跡データ2を共有したとする。
【0297】
また、サプライヤー3に対応するサプライヤー側端末装置212が、サプライヤー側ユーザの操作入力に基づいて、証跡データ3を生成したとする。証跡データ3は、証跡ID=C1と、実績種別Data Type=C(植物由来原料量)と、貢献種別Target Type=T2(プラ削減量)と、実績値と、アカウント情報とを含む。情報処理システム200は、
図11に示した証跡データ登録処理と同様に、複数のノードで証跡データ3を共有したとする。
【0298】
図40は、具体的には、分散台帳510の状態を示す。
図40に示すように、証跡データ登録処理により、分散台帳510は、証跡データストア610に、証跡データ1と、証跡データ2と、証跡データ3とを記憶することになる。これにより、サプライヤー側管理装置211、メーカー側管理装置221、および、購入者側管理装置231などで、証跡データ1と、証跡データ2と、証跡データ3とを参照可能にすることができる。サプライヤー側管理装置211、メーカー側管理装置221、および、購入者側管理装置231などで、証跡データに基づき実績値を特定可能にすることができる。次に、
図41の説明に移行する。
【0299】
図41において、メーカー側ユーザは、生産物が生産されたことに応じて、生産物を表す製品情報と、生産物に関する証跡データを表す証跡ID=A1,B1,C1との対応関係を、メーカー側端末装置222に入力する。メーカー側端末装置222は、生産物を表す製品情報と、生産物に関する証跡データを表す証跡ID=A1,B1,C1とを含むトークン1を生成する。情報処理システム200は、
図13に示したトークン登録処理と同様に、トークン1を分散台帳510に登録し、複数のノードで共有したとする。
【0300】
図41は、具体的には、分散台帳510の状態を示す。
図41に示すように、トークン登録処理により、分散台帳510は、トークンデータストア620に、トークン1を記憶することになる。これにより、サプライヤー側管理装置211、メーカー側管理装置221、および、購入者側管理装置231などで、トークン1を参照可能にすることができる。サプライヤー側管理装置211、メーカー側管理装置221、および、購入者側管理装置231などで、トークン1に基づき、対価を分配する際に参照する証跡データを特定可能にすることができる。次に、
図42~
図44の説明に移行する。
【0301】
図42~
図44は、具体的には、情報処理システム200における、対価を分配する対価割合を計算する計算処理手順の一例を示すシーケンス図を示す。
図42において、購入者側ユーザは、トークン1に対して対価を支払う場合、トークンIDを、購入者側端末装置232に入力する。購入者側端末装置232は、購入者側ユーザの操作入力に基づいて、トークンIDを含む対価割合計算要求を生成する。
図42の例では、購入者側端末装置232は、トークン1のトークンIDを含む対価割合計算要求を生成する。
【0302】
購入者側端末装置232は、生成した対価割合計算要求を含む対価割合計算トランザクション発行要求を、ノードとなる購入者側管理装置231に送信する(ステップS4201)。購入者側管理装置231は、対価割合計算トランザクション発行要求を受信すると、対価割合計算要求を含む対価割合計算トランザクションを生成して署名を付与する(ステップS4202)。購入者側管理装置231は、対価割合計算トランザクションを、ブロック生成装置201に発行する(ステップS4203)。
【0303】
ブロック生成装置201は、対価割合計算トランザクションを受信すると、完了通知を、購入者側管理装置231に送信する(ステップS4204)。購入者側管理装置231は、完了通知を受信すると、完了通知を、購入者側端末装置232に送信する(ステップS4205)。
【0304】
ブロック生成装置201は、対価割合計算トランザクションを受信すると、対価割合計算要求を含むブロックを生成する(ステップS4206)。次に、
図43の説明に移行する。
【0305】
図43において、ブロック生成装置201は、生成したブロックを、購入者側管理装置231に配布する(ステップS4301)。購入者側管理装置231は、処理部512により、ブロックを受信すると、受信したブロックを検証する(ステップS4302)。購入者側管理装置231は、処理部512により、ブロックが正当と検証されると、対価割合計算SC601を実行し、ブロックに含まれるトークンIDを、対価割合計算SC601に入力する(ステップS4303)。
【0306】
購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、トークンIDをキーにして、トークンデータストア620から、トークンIDに対応するトークンを検索する(ステップS4304)。購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、トークン1を取得する(ステップS4305)。
【0307】
購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、トークン1に含まれる証跡IDをキーにして、証跡データストア610から、証跡IDに対応する証跡データを検索する(ステップS4306)。購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、証跡データ1と、証跡データ2と、証跡データ3とを取得する(ステップS4307)。
【0308】
購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、証跡データ1に基づいて、Data Typeと、Target Typeとの組み合わせに対応する貢献値計算SCA603を実行する(ステップS4308)。対価割合計算SC601は、例えば、実績値=40を、貢献値計算SCA603に渡す。購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、貢献値計算SCA603が計算した貢献値=20を取得する(ステップS4309)。
【0309】
購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、証跡データ2に基づいて、Data Typeと、Target Typeとの組み合わせに対応する貢献値計算SCB603を実行する(ステップS4310)。対価割合計算SC601は、例えば、実績値=5を、貢献値計算SCB603に渡す。購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、貢献値計算SCB603が計算した貢献値=30を取得する(ステップS4311)。
【0310】
購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、証跡データ3に基づいて、Data Typeと、Target Typeとの組み合わせに対応する貢献値計算SCC603を実行する(ステップS4312)。対価割合計算SC601は、例えば、実績値=10を、貢献値計算SCC603に渡す。購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、貢献値計算SCC603が計算した貢献値=20を取得する(ステップS4313)。
【0311】
購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、証跡データ1と、証跡データ2と、証跡データ3とに基づいて、貢献基準重みデータストア3500から、Target Typeに対応する貢献基準重みを検索する(ステップS4314)。購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、貢献基準重みT1と、貢献基準重みT2とを取得する(ステップS4315)。
【0312】
購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、取得した貢献値に基づいて、参加者ごとの対価割合を計算する(ステップS4316)。購入者側管理装置231は、具体的には、対価割合xn=yn/ysum*wn/wsumを計算する。nは、参加者の番号である。
【0313】
購入者側管理装置231は、具体的には、対価割合計算SC601により、サプライヤー1の対価割合20/(20+30)*3/(3+1)=0.3を計算する。購入者側管理装置231は、具体的には、対価割合計算SC601により、サプライヤー2の対価割合30/(20+30)*3/(3+1)=0.45を計算する。購入者側管理装置231は、具体的には、対価割合計算SC601により、サプライヤー3の対価割合20/20*1/(3+1)=0.25を計算する。
【0314】
購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、トークンIDと、計算した参加者ごとの対価割合との対応関係を、分散台帳510の対価割合データストア800に登録する(ステップS4317)。購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、分散台帳510から、完了通知を受信する(ステップS4318)。購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、完了通知を、処理部512に送信する(ステップS4319)。その後、購入者側管理装置231は、対価割合に基づいて、参加者ごとに対価を与える。次に、
図44の説明に移行する。
【0315】
図44において、ブロック生成装置201は、生成したブロックを、ノードとなる各種装置4400に配布する(ステップS4401)。各種装置4400は、例えば、メーカー側管理装置221、サプライヤー1に対応するサプライヤー側管理装置211、サプライヤー2に対応するサプライヤー側管理装置211、および、サプライヤー3に対応するサプライヤー側管理装置211などである。
【0316】
各種装置4400は、処理部512により、ブロックを受信すると、受信したブロックを検証する(ステップS4402)。各種装置4400は、処理部512により、ブロックが正当と検証されると、対価割合計算SC601を実行し、ブロックに含まれるトークンIDを、対価割合計算SC601に入力する(ステップS4403)。
【0317】
各種装置4400は、対価割合計算SC601により、トークンIDをキーにして、トークンデータストア620から、トークンIDに対応するトークンを検索する(ステップS4404)。各種装置4400は、対価割合計算SC601により、トークン1を取得する(ステップS4405)。
【0318】
各種装置4400は、対価割合計算SC601により、トークン1に含まれる証跡IDをキーにして、証跡データストア610から、証跡IDに対応する証跡データを検索する(ステップS4406)。各種装置4400は、対価割合計算SC601により、証跡データ1と、証跡データ2と、証跡データ3とを取得する(ステップS4407)。
【0319】
各種装置4400は、対価割合計算SC601により、証跡データ1に基づいて、Data Typeと、Target Typeとの組み合わせに対応する貢献値計算SCA603を実行する(ステップS4408)。対価割合計算SC601は、例えば、実績値=40を、貢献値計算SCA603に渡す。各種装置4400は、対価割合計算SC601により、貢献値計算SCA603が計算した貢献値=20を取得する(ステップS4409)。
【0320】
各種装置4400は、対価割合計算SC601により、証跡データ2に基づいて、Data Typeと、Target Typeとの組み合わせに対応する貢献値計算SCB603を実行する(ステップS4410)。対価割合計算SC601は、例えば、実績値=5を、貢献値計算SCB603に渡す。各種装置4400は、対価割合計算SC601により、貢献値計算SCB603が計算した貢献値=30を取得する(ステップS4411)。
【0321】
各種装置4400は、対価割合計算SC601により、証跡データ3に基づいて、Data Typeと、Target Typeとの組み合わせに対応する貢献値計算SCC603を実行する(ステップS4412)。対価割合計算SC601は、例えば、実績値=10を、貢献値計算SCC603に渡す。各種装置4400は、対価割合計算SC601により、貢献値計算SCC603が計算した貢献値=50を取得する(ステップS4413)。
【0322】
購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、証跡データ1と、証跡データ2と、証跡データ3とに基づいて、貢献基準重みデータストア3500から、Target Typeに対応する貢献基準重みを検索する(ステップS4414)。購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、貢献基準重みT1と、貢献基準重みT2とを取得する(ステップS4415)。
【0323】
各種装置4400は、対価割合計算SC601により、取得した貢献値に基づいて、参加者ごとの対価割合を計算する(ステップS4416)。各種装置4400は、具体的には、対価割合計算SC601により、サプライヤー1の対価割合20/(20+30)*3/(3+1)=0.3を計算する。各種装置4400は、具体的には、対価割合計算SC601により、サプライヤー2の対価割合30/(20+30)*3/(3+1)=0.45を計算する。各種装置4400は、具体的には、対価割合計算SC601により、サプライヤー3の対価割合20/20*1/(3+1)=0.25を計算する。
【0324】
各種装置4400は、対価割合計算SC601により、トークンIDと、計算した参加者ごとの対価割合との対応関係を、分散台帳510の対価割合データストア800に登録する(ステップS4417)。各種装置4400は、対価割合計算SC601により、分散台帳510から、完了通知を受信する(ステップS4418)。各種装置4400は、対価割合計算SC601により、完了通知を、処理部512に送信する(ステップS4419)。その後、各種装置4400は、対価割合に基づいて、参加者ごとに対価を与える。次に、
図45の説明に移行する。
【0325】
図45は、具体的には、分散台帳510の状態を示す。
図45に示すように、対価割合計算処理により、分散台帳510は、対価割合データストア800に、トークン1について、参加者ごとの対価割合を記憶することになる。これにより、サプライヤー側管理装置211、メーカー側管理装置221、および、購入者側管理装置231などで、対価割合を参照可能にすることができる。サプライヤー側管理装置211、メーカー側管理装置221、および、購入者側管理装置231などで、対価割合に基づき、対価を適切に分配可能にすることができる。
【0326】
このように、情報処理システム200は、電力量に起因するCO2削減量の観点と、燃料量に起因するCO2削減量の観点とのそれぞれで、共通の貢献値を計算することができる。また、情報処理システム200は、CO2削減量と、プラ削減量との異なる貢献種別のそれぞれで、共通の貢献値を計算することができる。また、情報処理システム200は、貢献種別ごとに、貢献基準重みを使い分けることができる。
【0327】
このため、情報処理システム200は、実績種別と貢献種別との異なる組み合わせに基づいて、貢献基準重みを考慮して、対価を適切に分配することができる。情報処理システム200は、SCを書き換えずに済み、コストの低減化を図ることができる。情報処理システム200は、SCを書き換えずに済むため、プログラムバグの発生を抑制し易くすることができ、信頼性の向上を図ることができる。情報処理システム200は、既存の貢献値計算SCA603と、対価割合計算SC601とに影響を与えずに、対価をそれぞれの参加者に適切に分配することができる。
【0328】
(情報処理システム200の第4動作例)
次に、
図46~
図49を用いて、情報処理システム200の第4動作例について説明する。第4動作例は、貢献種別ごとに異なる重みを付与する場合の別のパターンに対応する。第4動作例は、具体的には、トークンに貢献基準重みが含まれる場合に対応する。
【0329】
図46~
図49は、情報処理システム200の第4動作例を示す説明図である。
図46は、具体的には、分散台帳510の初期状態を示す。
図46に示すように、分散台帳510は、証跡データストア610と、トークンデータストア620と、対価割合データストア800とを記憶する。分散台帳510は、さらに、貢献基準重みデータストア3500を記憶する。
【0330】
トークンデータストア620は、さらに、Target Weightのフィールドを有する。Target Weightのフィールドには、貢献種別に対する貢献基準重みを表す「Target Weight」が設定される。
【0331】
初期状態では、証跡データストア610は、空である。トークンデータストア620は、空である。対価割合データストア800は、空である。ここで、
図34と同様に、分散台帳510は、対価割合計算SC601を記憶するとする。分散台帳510は、貢献基準プール602を有するとする。
【0332】
情報処理システム200は、
図9に示したSC登録処理と同様に、電力量に起因するCO
2削減量の観点に関する貢献値計算SCA603を分散台帳510に登録し、複数のノードで共有したとする。
【0333】
また、情報処理システム200は、
図9に示したSC登録処理と同様に、燃料量に起因するCO
2削減量の観点に関する貢献値計算SCB603を分散台帳510に登録し、複数のノードで共有したとする。
【0334】
また、情報処理システム200は、
図9に示したSC登録処理と同様に、植物由来の原材料の使用量に起因するプラ削減量の観点に関する貢献値計算SCC603を分散台帳510に登録し、複数のノードで共有したとする。次に、
図47の説明に移行する。
【0335】
図47において、サプライヤー1に対応するサプライヤー側端末装置212が、サプライヤー側ユーザの操作入力に基づいて、証跡データ1を生成したとする。証跡データ1は、証跡ID=A1と、実績種別Data Type=A(電力量)と、貢献種別Target Type=T1(CO
2削減量)と、実績値と、アカウント情報とを含む。情報処理システム200は、
図11に示した証跡データ登録処理と同様に、複数のノードで証跡データ1を共有したとする。
【0336】
また、サプライヤー2に対応するサプライヤー側端末装置212が、サプライヤー側ユーザの操作入力に基づいて、証跡データ2を生成したとする。証跡データ2は、証跡ID=B1と、実績種別Data Type=B(燃料量)と、貢献種別Target Type=T1(CO
2削減量)と、実績値と、アカウント情報とを含む。情報処理システム200は、
図11に示した証跡データ登録処理と同様に、複数のノードで証跡データ2を共有したとする。
【0337】
また、サプライヤー3に対応するサプライヤー側端末装置212が、サプライヤー側ユーザの操作入力に基づいて、証跡データ3を生成したとする。証跡データ3は、証跡ID=C1と、実績種別Data Type=C(植物由来原料量)と、貢献種別Target Type=T2(プラ削減量)と、実績値と、アカウント情報とを含む。情報処理システム200は、
図11に示した証跡データ登録処理と同様に、複数のノードで証跡データ3を共有したとする。
【0338】
図47は、具体的には、分散台帳510の状態を示す。
図47に示すように、証跡データ登録処理により、分散台帳510は、証跡データストア610に、証跡データ1と、証跡データ2と、証跡データ3とを記憶することになる。これにより、サプライヤー側管理装置211、メーカー側管理装置221、および、購入者側管理装置231などで、証跡データ1と、証跡データ2と、証跡データ3とを参照可能にすることができる。サプライヤー側管理装置211、メーカー側管理装置221、および、購入者側管理装置231などで、証跡データに基づき実績値を特定可能にすることができる。次に、
図48の説明に移行する。
【0339】
図48において、メーカー側ユーザは、生産物が生産されたことに応じて、生産物を表す製品情報と、生産物に関する証跡データを表す証跡ID=A1,B1,C1と、貢献基準重みT1,T2との対応関係を、メーカー側端末装置222に入力する。メーカー側端末装置222は、生産物を表す製品情報と、生産物に関する証跡データを表す証跡ID=A1,B1,C1と、貢献基準重みT1,T2とを含むトークン1を生成する。情報処理システム200は、
図13に示したトークン登録処理と同様に、トークン1を分散台帳510に登録し、複数のノードで共有したとする。
【0340】
図48は、具体的には、分散台帳510の状態を示す。
図48に示すように、トークン登録処理により、分散台帳510は、トークンデータストア620に、トークン1を記憶することになる。これにより、サプライヤー側管理装置211、メーカー側管理装置221、および、購入者側管理装置231などで、トークン1を参照可能にすることができる。サプライヤー側管理装置211、メーカー側管理装置221、および、購入者側管理装置231などで、トークン1に基づき、対価を分配する際に参照する証跡データと、貢献基準重みとを特定可能にすることができる。次に、
図49の説明に移行する。
【0341】
情報処理システム200は、
図42~
図44に示した計算処理と同様に、参加者ごとの対価割合を計算する。この場合、ステップS4314では、購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、トークンデータストア620から、Target Typeに対応する貢献基準重みを検索することになる。同様に、ステップS4414では、購入者側管理装置231は、対価割合計算SC601により、トークンデータストア620から、Target Typeに対応する貢献基準重みを検索することになる。
【0342】
例えば、ノードとなる各種装置は、具体的には、サプライヤー1の対価割合20/(20+30)*3/(3+1)=0.3を計算する。各種装置は、具体的には、サプライヤー2の対価割合30/(20+30)*3/(3+1)=0.45を計算する。各種装置は、具体的には、サプライヤー3の対価割合20/20*1/(3+1)=0.25を計算する。各種装置は、トークンIDと、計算した参加者ごとの対価割合との対応関係を、分散台帳510の対価割合データストア800に登録する。
【0343】
図49は、具体的には、分散台帳510の状態を示す。
図49に示すように、対価割合計算処理により、分散台帳510は、対価割合データストア800に、トークン1について、参加者ごとの対価割合を記憶することになる。これにより、サプライヤー側管理装置211、メーカー側管理装置221、および、購入者側管理装置231などで、対価割合を参照可能にすることができる。サプライヤー側管理装置211、メーカー側管理装置221、および、購入者側管理装置231などで、対価割合に基づき、対価を適切に分配可能にすることができる。
【0344】
このように、情報処理システム200は、電力量に起因するCO2削減量の観点と、燃料量に起因するCO2削減量の観点とのそれぞれで、共通の貢献値を計算することができる。また、情報処理システム200は、CO2削減量と、プラ削減量との異なる貢献種別のそれぞれで、共通の貢献値を計算することができる。また、情報処理システム200は、トークンごとに、それぞれの貢献種別に対応する貢献基準重みを使い分けることができる。このため、情報処理システム200は、貢献基準重みを細かい粒度で設定することができ、多様な生産物に対処し易くすることができ、利便性の向上を図ることができる。
【0345】
このため、情報処理システム200は、実績種別と貢献種別との異なる組み合わせに基づいて、貢献基準重みを考慮して、対価を適切に分配することができる。情報処理システム200は、SCを書き換えずに済み、コストの低減化を図ることができる。情報処理システム200は、SCを書き換えずに済むため、プログラムバグの発生を抑制し易くすることができ、信頼性の向上を図ることができる。情報処理システム200は、既存の貢献値計算SCA603と、対価割合計算SC601とに影響を与えずに、対価をそれぞれの参加者に適切に分配することができる。
【0346】
以上説明したように、情報処理装置100によれば、それぞれの工程について、目的に関する当該工程における実績値を、当該実績値の実績種別に応じて、統一された基準で、目的に対する貢献度合いを示す指標値に変換する第1SCを記憶することができる。情報処理装置100によれば、指標値に基づいて、発生源から得られる利益を、複数の工程を分担する複数の参加者に分配する割合を算出する第2SCを記憶することができる。情報処理装置100によれば、いずれかの工程と、目的に関する当該工程における実績値と、当該実績値の実績種別との対応関係を示す第1証跡データを、分散台帳510に登録することができる。情報処理装置100によれば、分散台帳510を参照して、発生源と、それぞれの工程について分散台帳510に登録された証跡データとの対応関係を示すトークンに基づいて、それぞれの工程に対応する第1SCを特定することができる。情報処理装置100によれば、それぞれの工程について特定した第1SCを利用して、目的に関する当該工程における実績値の実績種別に応じて、当該工程に関する指標値を算出することができる。情報処理装置100によれば、第2SCを利用して、算出したそれぞれの工程に関する指標値に応じて、発生源から得られる利益を、複数の参加者に分配する割合を算出することができる。これにより、情報処理装置100は、発生源から得られる利益を、複数の参加者に適切に分配し易くすることができる。
【0347】
情報処理装置100によれば、第1SCを含む第1トランザクションを発行することができる。これにより、情報処理装置100は、第1SCを含む第1ブロックを、複数の情報処理装置100のそれぞれの情報処理装置100が管理する分散台帳510に登録するよう、当該情報処理装置100を制御することができる。このため、情報処理装置100は、指標値を算出可能に、第1SCを複数の情報処理装置100に配布することができる。
【0348】
情報処理装置100によれば、それぞれの工程について、目的に関する当該工程における実績値を、当該実績値の実績種別に対応する貢献種別である、目的に対する貢献度合いを示す指標値に変換する第1SCを記憶することができる。情報処理装置100によれば、異なる貢献種別の指標値に基づいて、発生源から得られる利益を、複数の参加者に分配する割合を算出する第2SCを記憶することができる。情報処理装置100によれば、分散台帳510を参照して、トークンに基づいて、それぞれの工程に対応する第1SCを利用して、目的に関する当該工程における実績値の実績種別に対応する貢献種別である、当該工程に関する指標値を算出することができる。これにより、情報処理装置100は、異なる貢献種別の指標値があっても、発生源から得られる利益を、複数の参加者に適切に分配し易くすることができる。
【0349】
情報処理装置100によれば、第2SCを利用して、貢献種別ごとの重みに基づいて、発生源から得られる利益を、複数の参加者に分配する割合を算出することができる。これにより、情報処理装置100は、貢献種別ごとの重みを考慮して、発生源から得られる利益を、複数の参加者に適切に分配し易くすることができる。
【0350】
情報処理装置100によれば、自装置が複数の工程の最後の工程に対応する場合、複数の工程が完了したことに応じて、トークンを含む第2トランザクションを発行することができる。情報処理装置100によれば、トークンを含む第2ブロックを、複数の情報処理装置100のそれぞれの情報処理装置100が管理する分散台帳510に登録するよう、当該情報処理装置100を制御することができる。このため、情報処理装置100は、発生源から得られる利益を、複数の参加者に分配する割合を算出可能に、トークンを複数の情報処理装置100に配布することができる。
【0351】
情報処理装置100によれば、トークンを指定する第3ブロックを受け付けて、自装置が管理する分散台帳510に登録することができる。情報処理装置100によれば、第3ブロックを登録したことに応じて、目的に関する当該工程における実績値の実績種別に応じて、当該工程に関する指標値を算出することができる。これにより、情報処理装置100は、適切なタイミングで、指標値を算出することができる。
【0352】
なお、本実施の形態で説明した情報処理方法は、予め用意されたプログラムをPCやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。本実施の形態で説明した情報処理プログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。記録媒体は、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)-ROM、MO(Magneto Optical disc)、DVD(Digital Versatile Disc)などである。また、本実施の形態で説明した情報処理プログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布してもよい。
【0353】
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0354】
(付記1)分散台帳を管理する複数の情報処理装置のうち、利益の発生源に関する複数の工程のいずれかの工程に対応するいずれかの情報処理装置であって、
前記複数の工程のそれぞれの工程について、目的に関する当該工程における実績値を、当該実績値の実績種別に応じて、前記複数の工程で統一された基準で、前記目的に対する貢献度合いを示す指標値に変換する第1スマートコントラクトを記憶し、
前記指標値に基づいて、前記発生源から得られる利益を、前記複数の工程を分担する複数の参加者に分配する割合を算出する第2スマートコントラクトを記憶し、
前記いずれかの工程と、前記目的に関する当該工程における実績値と、当該実績値の実績種別との対応関係を示す第1証跡データを、前記分散台帳に登録し、
前記分散台帳を参照して、前記発生源と、前記それぞれの工程について前記分散台帳に登録された証跡データとの対応関係を示すトークンに基づいて、前記それぞれの工程に対応する前記第1スマートコントラクトを利用して、前記目的に関する当該工程における実績値の実績種別に応じて、当該工程に関する前記指標値を算出し、
前記第2スマートコントラクトを利用して、算出した前記それぞれの工程に関する前記指標値に応じて、前記発生源から得られる利益を、前記複数の参加者に分配する割合を算出する、
制御部を有することを特徴とする情報処理装置。
【0355】
(付記2)前記制御部は、
前記第1スマートコントラクトを含む第1トランザクションを発行することにより、前記第1スマートコントラクトを含む第1ブロックを、前記複数の情報処理装置のそれぞれの情報処理装置が管理する前記分散台帳に登録するよう、当該情報処理装置を制御する、ことを特徴とする付記1に記載の情報処理装置。
【0356】
(付記3)前記制御部は、
前記それぞれの工程について、前記目的に関する当該工程における実績値を、当該実績値の実績種別に対応する貢献種別である、前記目的に対する貢献度合いを示す指標値に変換する第1スマートコントラクトを記憶し、
異なる貢献種別の前記指標値に基づいて、前記発生源から得られる利益を、前記複数の参加者に分配する割合を算出する第2スマートコントラクトを記憶し、
前記分散台帳を参照して、前記発生源と、前記それぞれの工程について前記分散台帳に登録された証跡データとの対応関係を示すトークンに基づいて、前記それぞれの工程に対応する前記第1スマートコントラクトを利用して、前記目的に関する当該工程における実績値の実績種別に対応する貢献種別である、当該工程に関する前記指標値を算出する、ことを特徴とする付記1または2に記載の情報処理装置。
【0357】
(付記4)前記制御部は、
前記第2スマートコントラクトを利用して、前記目的に関する前記それぞれの工程における実績値の実績種別に対応する貢献種別である、当該工程に関する前記指標値に応じて、貢献種別ごとの重みに基づいて、前記発生源から得られる利益を、前記複数の参加者に分配する割合を算出する、ことを特徴とする付記3に記載の情報処理装置。
【0358】
(付記5)前記制御部は、
自装置が前記複数の工程の最後の工程に対応する場合、前記複数の工程が完了したことに応じて、前記トークンを含む第2トランザクションを発行することにより、前記トークンを含む第2ブロックを、前記複数の情報処理装置のそれぞれの情報処理装置が管理する前記分散台帳に登録するよう、当該情報処理装置を制御する、ことを特徴とする付記1~4のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【0359】
(付記6)前記制御部は、
前記トークンを指定する第3ブロックを受け付けて、自装置が管理する前記分散台帳に登録したことに応じて、前記分散台帳を参照して、前記トークンに基づいて、前記それぞれの工程に対応する前記第1スマートコントラクトを利用して、前記目的に関する当該工程における実績値の実績種別に応じて、当該工程に関する前記指標値を算出する、ことを特徴とする付記1~5のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【0360】
(付記7)分散台帳を管理する複数の情報処理装置のうち、利益の発生源に関する複数の工程のいずれかの工程に対応するいずれかの情報処理装置が、
前記複数の工程のそれぞれの工程について、目的に関する当該工程における実績値を、当該実績値の実績種別に応じて、前記複数の工程で統一された基準で、前記目的に対する貢献度合いを示す指標値に変換する第1スマートコントラクトを記憶し、
前記指標値に基づいて、前記発生源から得られる利益を、前記複数の工程を分担する複数の参加者に分配する割合を算出する第2スマートコントラクトを記憶し、
前記いずれかの工程と、前記目的に関する当該工程における実績値と、当該実績値の実績種別との対応関係を示す第1証跡データを、前記分散台帳に登録し、
前記分散台帳を参照して、前記発生源と、前記それぞれの工程について前記分散台帳に登録された証跡データとの対応関係を示すトークンに基づいて、前記それぞれの工程に対応する前記第1スマートコントラクトを利用して、前記目的に関する当該工程における実績値の実績種別に応じて、当該工程に関する前記指標値を算出し、
前記第2スマートコントラクトを利用して、算出した前記それぞれの工程に関する前記指標値に応じて、前記発生源から得られる利益を、前記複数の参加者に分配する割合を算出する、
処理を実行することを特徴とする情報処理方法。
【0361】
(付記8)分散台帳を管理する複数の情報処理装置のうち、利益の発生源に関する複数の工程のいずれかの工程に対応するいずれかの情報処理装置に、
前記複数の工程のそれぞれの工程について、目的に関する当該工程における実績値を、当該実績値の実績種別に応じて、前記複数の工程で統一された基準で、前記目的に対する貢献度合いを示す指標値に変換する第1スマートコントラクトを記憶し、
前記指標値に基づいて、前記発生源から得られる利益を、前記複数の工程を分担する複数の参加者に分配する割合を算出する第2スマートコントラクトを記憶し、
前記いずれかの工程と、前記目的に関する当該工程における実績値と、当該実績値の実績種別との対応関係を示す第1証跡データを、前記分散台帳に登録し、
前記分散台帳を参照して、前記発生源と、前記それぞれの工程について前記分散台帳に登録された証跡データとの対応関係を示すトークンに基づいて、前記それぞれの工程に対応する前記第1スマートコントラクトを利用して、前記目的に関する当該工程における実績値の実績種別に応じて、当該工程に関する前記指標値を算出し、
前記第2スマートコントラクトを利用して、算出した前記それぞれの工程に関する前記指標値に応じて、前記発生源から得られる利益を、前記複数の参加者に分配する割合を算出する、
処理を実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【符号の説明】
【0362】
100 情報処理装置
101 製品
102~104 工場
200 情報処理システム
201 ブロック生成装置
210 サプライヤー側環境
211 サプライヤー側管理装置
212 サプライヤー側端末装置
220 メーカー側環境
221 メーカー側管理装置
222 メーカー側端末装置
230 購入者側環境
231 購入者側管理装置
232 購入者側端末装置
240 ネットワーク
300 コンピュータ
301 CPU
302 メモリ
303 ネットワークI/F
304 記録媒体I/F
305 記録媒体
310 バス
400 記憶部
401 取得部
402 発行部
403 登録部
404 算出部
405 出力部
501,511,521 受信部
502,513,523 送信部
503 表示部
510 分散台帳
512 処理部
522 生成部
601 対価割合計算SC
602 貢献基準プール
603 貢献値計算SC
610 証跡データストア
620 トークンデータストア
630 SCストア
800 対価割合データストア
3500 貢献基準重みデータストア