(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-08
(45)【発行日】2025-07-16
(54)【発明の名称】コンテンツ改善システム、その方法及びそのプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 21/258 20110101AFI20250709BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20250709BHJP
H04N 5/262 20060101ALI20250709BHJP
【FI】
H04N21/258
G06Q50/10
H04N5/262
(21)【出願番号】P 2025039963
(22)【出願日】2025-03-13
【審査請求日】2025-03-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521152655
【氏名又は名称】CLASSIX株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【氏名又は名称】松下 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】夏目 三法
【審査官】大西 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-152631(JP,A)
【文献】特開2023-028535(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2022/0141532(US,A1)
【文献】国際公開第2022/196165(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00 -21/858
G06Q 50/00 -50/20
H04N 5/262- 5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イベントに参加する対象者又は動画を視聴する対象者の画像をカメラで取得して生成したデータを入力する第1の工程と、
前記第1の工程で入力したデータを基に、前記イベント又は前記動画についての前記対象者の理解度又は満足度の指標データを生成する第2の工程と、
前記指標データを基に、前記イベント又は前記動画を改善する改善案データを生成する第3の工程と、
をコンピュータが実行する
コンテンツ改善方法であって、
前記第2の工程は、前記イベント又は前記動画の複数のタイミングのそれぞれについて、当該タイミングに係る前記イベント又は前記動画の内容と、当該タイミングに係る前記対象者の理解度又は満足度とを関連付けて前記指標データを生成し、
前記第3の工程は、前記指標データを基に、前記理解度又は満足度が所定の基準以下の前記内容を改善候補として示す前記改善案データを生成し、
前記複数のタイミングの少なくとも一部のタイミングである第1のタイミングについて、
当該第1のタイミングに対応付けられた前記指標データが示す前記理解度又は前記満足度に応じて、前記第1のタイミングより後の第2のタイミングにおいて複数の候補のなかから使用するコンテンツを決定し、当該決定したコンテンツを示す前記改善案データを生成する
コンテンツ改善方法。
【請求項2】
前記第3の工程で生成された前記改善案データを基に、前記選択したコンテンツである動画を前記第2のタイミングで配信する第4の工程
を前記コンピュータがさらに実行する請求項
1に記載のコンテンツ改善方法。
【請求項3】
前記動画の視聴後に前記対象者にアンケートの内容を示すアンケートデータを送信し、当該アンケートの回答を示すアンケート回答データを受信する第5の工程と、
前記指標データと前記アンケート回答データとを基に、複数の動画を組み合わせて、
ユーザに個別の動画を生成する第6工程と
を前記コンピュータがさらに実行する請求項
1に記載のコンテンツ改善方法。
【請求項4】
前記アンケート回答データを基に、前記対象者の研修カリキュラムを示す研修カリキュラムデータ又はオンライン学習用教材を生成する第7工程
を前記コンピュータがさらに実行する請求項
3に記載のコンテンツ改善方法。
【請求項5】
マイクで取得した当該イベントの講師又は参会者の発言のテキストデータ、又はカメラで取得した前記講師がイベント中に使用した資料の画像のデータを基に、前記イベントの内容を特定する
請求項
1に記載のコンテンツ改善方法。
【請求項6】
前記イベントに参加している複数の前記対象者について生成した前記指標データを基に、理解度又は満足度が一定基準以下の前記対象者の割合が所定基準を超えた場合に、その旨を示す前記改善案データを生成する
請求項
5に記載のコンテンツ改善方法。
【請求項7】
前記第1の工程は、
前記対象者の音声をさらに取得して生成した前記データを入力する
請求項
1に記載のコンテンツ改善方法。
【請求項8】
イベントに参加する対象者又は動画を視聴する対象者の画像をカメラで取得して生成したデータを入力する第1の工程と、
前記第1の工程で入力したデータを基に、前記イベント又は前記動画についての前記対象者の理解度又は満足度の指標データを生成する第2の工程と、
前記指標データを基に、前記イベント又は前記動画を改善する改善案データを生成する第3の工程と、
をコンピュータが実行させるプログラムであって、
前記第2の工程は、前記イベント又は前記動画の複数のタイミングのそれぞれについて、当該タイミングに係る前記イベント又は前記動画の内容と、当該タイミングに係る前記対象者の理解度又は満足度とを関連付けて前記指標データを生成し、
前記第3の工程は、前記指標データを基に、前記理解度又は満足度が所定の基準以下の前記内容を改善候補として示す前記改善案データを生成し、
前記複数のタイミングの少なくとも一部のタイミングである第1のタイミングについて、当該第1のタイミングに対応付けられた前記指標データが示す前記理解度又は前記満足度に応じて、前記第1のタイミングより後の第2のタイミングにおいて複数の候補のなかから使用するコンテンツを決定し、当該決定したコンテンツを示す前記改善案データを生成する
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項9】
イベントに参加する対象者又は動画を視聴する対象者の画像をカメラで取得して生成したデータを入力する第1の手段と、
前記第1の手段で入力したデータを基に、前記イベント又は前記動画についての前記対象者の理解度又は満足度の指標データを生成する第2の手段と、
前記指標データを基に、前記イベント又は前記動画を改善する改善案データを生成する第3の手段と、
を有するコンテンツ改善システム
であって、
前記第2の手段は、前記イベント又は前記動画の複数のタイミングのそれぞれについて、当該タイミングに係る前記イベント又は前記動画の内容と、当該タイミングに係る前記対象者の理解度又は満足度とを関連付けて前記指標データを生成し、
前記第3の手段は、前記指標データを基に、前記理解度又は満足度が所定の基準以下の前記内容を改善候補として示す前記改善案データを生成し、前記複数のタイミングの少なくとも一部のタイミングである第1のタイミングについて、
当該第1のタイミングに対応付けられた前記指標データが示す前記理解度又は前記満足度に応じて、前記第1のタイミングより後の第2のタイミングにおいて複数の候補のなかから使用するコンテンツを決定し、当該決定したコンテンツを示す前記改善案データを生成する
コンテンツ改善システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ改善システム、その方法及びそのプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
会場や動画配信等で、多くのセミナーが開催されている。
このようなセミナーは、参加者の属性を事前に想定してその内容が決められている。
また、セミナー後に参加者にアンケートを実施して、その結果を基に次回のセミナー内容を改善している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このようなセミナーの内容ではアンケート結果だけでは、参会者の理解度や満足度を十分に特定できず、改善に十分な情報が得られないという課題がある。
また、参会者の理解度や満足度をリアルタイムに把握して、セミナー等の内容を変更したいという要請がある。
同様な要請は、動画を配信する場合にもある。
【0005】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みてなされ、会議やセミナー等のイベントや動画視聴の参加者の理解度や満足度を示す指標を生成し、イベントや動画の内容を改善することを可能にするコンテンツ改善方法、システム及びそのプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、イベントに参加する対象者又は動画を視聴する対象者の画像をカメラで取得して生成したデータを入力する第1の工程と、前記第1の工程で入力したデータを基に、前記イベント又は前記動画についての前記対象者の理解度又は満足度の指標データを生成する第2の工程と、前記指標データを基に、前記イベント又は前記動画を改善する改善案データを生成する第3の工程と、をコンピュータが実行するコンテンツ改善方法である。
【0007】
好適には、前記第2の工程は、前記イベント又は前記動画の複数のタイミングのそれぞれについて、当該タイミングに係る前記イベント又は前記動画の内容と、当該タイミングに係る前記対象者の理解度又は満足度とを関連付けて前記指標データを生成する。
【0008】
好適には、前記第3の工程は、前記指標データを基に、前記理解度又は満足度が所定の基準以下の前記内容を改善候補として示す前記改善案データを生成する。
【0009】
好適には、前記第3の工程は、前記複数のタイミングの少なくとも一部のタイミングである第1のタイミングについて、当該第1のタイミングに対応付けられた前記指標データが示す前記理解度又は前記満足度に応じて、前記第1のタイミングより後の第2のタイミングにおいて使用する内容を決定し、当該決定した内容を示す前記改善案データを生成する。
【0010】
好適には、前記第3の工程は、複数の候補のなかから使用するコンテンツを決定し、当該決定したコンテンツを示す前記改善案データを生成する。
【0011】
好適には、前記第3の工程で生成された前記改善案データを基に、前記選択したコンテンツである動画を前記第2のタイミングで配信する第4の工程を前記コンピュータがさらに実行する。
【0012】
好適には、前記動画の視聴後に前記対象者にアンケート内容を示すアンケートデータを送信し、当該アンケートの回答を示すアンケート回答データを受信する第5の工程と、前記指標データと前記アンケート回答データとを基に、複数の動画を組み合わせて、当該ユーザに個別の動画を生成する第6工程とを前記コンピュータがさらに実行する。
【0013】
好適には、前記アンケート回答データを基に、前記対象者の研修カリキュラムを示す研修カリキュラムデータ又はオンライン学習用教材を生成する第7工程を前記コンピュータがさらに実行する。
【0014】
好適には、マイクで取得した当該イベントの講師又は参会者の発言のテキストデータ、又はカメラで取得した前記講師がイベント中に使用した資料の画像のデータを基に、前記イベントの内容を特定する。
【0015】
好適には、前記イベントに参加している複数の前記対象者について生成した前記指標データを基に、理解度又は満足度が一定基準以下の前記対象者の割合が所定基準を超えた場合に、その旨を示す前記改善案データを生成する。
【0016】
好適には、前記第1の工程は、前記対象者の音声をさらに取得して生成した前記データを入力する。
【0017】
本発明は、イベントに参加する対象者又は動画を視聴する対象者の画像をカメラで取得して生成したデータを入力する第1の工程と、前記第1の工程で入力したデータを基に、前記イベント又は前記動画についての前記対象者の理解度又は満足度の指標データを生成する第2の工程と、前記指標データを基に、前記イベント又は前記動画を改善する改善案データを生成する第3の工程と、をコンピュータに実行させるプログラムである。
【0018】
本発明は、イベントに参加する対象者又は動画を視聴する対象者の画像をカメラで取得して生成したデータを入力する第1の手段と、前記第1の手段で入力したデータを基に、前記イベント又は前記動画についての前記対象者の理解度又は満足度の指標データを生成する第2の手段と、前記指標データを基に、前記イベント又は前記動画を改善する改善案データを生成する第3の手段と、を有するコンテンツ改善システムである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、会議やセミナー等のイベントや動画視聴の参加者の理解度や満足度を示す指標を生成し、イベントや動画の内容を改善することを可能にするコンテンツ改善方法、システム及びそのプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態が適用される会場9を説明するための図である。
【
図2】
図2は、
図1に示すコンテンツ改善システム11の機能ブロック図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係るコンテンツ改善システム11の処理を説明するためのフローチャートである。
【
図4】
図4は、
図1に示すコンテンツ改善システム11の構成図である。
【
図5】
図5は、本発明の第2実施形態が適用されるシステムを説明するための図である。
【
図6】
図6は、
図5に示すコンテンツ改善システム111の機能ブロック図である。
【
図7】
図7は、本発明の第2実施形態に係るコンテンツ改善システム111の処理を説明するためのフローチャートである。
【
図8】
図8は、
図5に示すコンテンツ改善システム111の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態に係るコンテンツ改善システム及びその方法について説明する。
また、本実施形態では、会議やセミナーに参加する対象者あるいは動画を視聴する対象者の反応を基に、セミナーや動画等を改善することを支援するコンテンツ改善システムについて説明する。
また、これにより、社内の会議等を活発化し、コミュニケーションアップ、モチベーションアップ、エンゲージメントアップを支援できる。
【0022】
本実施形態のコンテンツ改善システムは、セミナーに参加する対象者あるいは動画を視聴する対象者の画像をカメラで取得し、当該対象者の発話をマイクで取得して生成したデータを入力する。そして、データを基に、セミナー又は前記動画についての対象者の理解度又は満足度の指標データを生成する。次に、当該生成した指標データを基に、会議、セミナー又は前記動画を改善する改善案データを生成する。
【0023】
<第1実施形態>
図1は、本発明の実施形態が適用されるイベント会場9を説明するための図である。
図1に示すように、本実施形態のセミナー会場9には、マイク21及びカメラ23が設けられている。
また、コンテンツ改善システム11は、マイク21から音声データを入力し、カメラ23から映像データを入力する。
【0024】
図2は、
図1に示すコンテンツ改善システム11の機能ブロック図である。
図2に示すように、コンテンツ改善システム11は、例えば、データ入力部31,指標生成部33,改善案生成部35,改善部37,アンケート部39,研修カリキュラム生成部41を有する。
【0025】
データ入力部31は、マイク21から音声データを入力し、カメラ23から映像データを入力する。
データ入力部31は、セミナー等のイベントの会場に設置したマイク、センサー、カメラの少なくとも一つを用いて、イベントに参加する対象者(参加者)や講師の音声データ(笑い声、拍手、発言)及び映像データ(対象者や講師の表情、ジェスチャー、講師が使用した資料等の画像)を入力する。
【0026】
指標生成部33は、データ入力部31で取得したデータ(音声データ及び映像データ)を基に、セミナーについての当該対象者の理解度又は満足度を示す指標データを生成する。例えば、対象者の顔の表情や、質問内容等を解析して指標データを生成する。
【0027】
指標生成部33は、セミナーの開催中の予め決められた複数のタイミングのそれぞれについて、当該タイミングにおける当該セミナーの内容と、当該対象者の理解度又は満足度とを関連付けた指標データを生成する。
これにより、セミナーのどの内容について、対象者の理解度又は満足度を指標データから把握できる。
【0028】
なお、対象者の理解度又は満足度は、例えば、以下のように検出される。
映像解析により、参加者の動作(うなずき)、表情変化(喜び、困惑など)を検出して、理解度又は満足度を推定する。このとき、大量の参加者の表情変化データを使って機械学習モデルを訓練し、理解度又は満足度を検出するためのパターンを学習させる。
指標生成部33は、会場の音声(例えば、対象者の質問内容)及び映像のデータを統合し、セミナー参加者全体の理解度又は満足度を検出する。
また、理解度又は満足度を感情として捉えてもよい。
【0029】
指標生成部33は、セミナーの予め決められた複数のタイミングのそれぞれについて、当該タイミングに対応付けられたセミナーの内容と、当該タイミングに対応付けられた対象者の理解度又は満足度とを関連付けて前記指標データを生成する。
指標生成部33は、eNPS方式を基にしたコミュニケーション環境測定システムを用いて、測定情報を基に生成した指標を見える化してもよい。
【0030】
改善案生成部35は、指標生成部33が生成した指標データを基に、セミナーを改善する改善案データを生成する。当該改善データは、セミナー終了後に生成してもよいし、セミナー中に講師にフィードバックするようにしてもよい。
【0031】
改善案生成部35は、指標データを基に、理解度又は満足度が所定の基準以下のセミナーの内容を改善候補として示す改善案データを生成する。
例えば、セミナーで講師が話した内容のうち、一部の内容について、対象者のうち一定割合以上の対象者の理解度又は満足度が所定基準以下の内容について、その内容と、理解度又は満足度の値を示す改善案データを生成する。
【0032】
改善案生成部35は、指標データを基に、理解度又は満足度が所定の基準以下の前記内容を特定し、当該内容の後のタイミングに、当該内容を補足する追加内容を挿入することを指示する改善案データを生成する。追加内容について話す必要があることを講師が把握できる改善案データを生成する。
すなわち、改善案生成部35は、上記各タイミングの内容について、セミナーに参加する複数の参加者の理解度又は満足度を基に、当該内容の後のタイミングに、当該内容を補足する補足内容を挿入することを指示する前記改善案データを生成する
【0033】
改善案生成部35は、各タイミングの内容として、複数の候補の内容を予め準備し、第1のタイミングでの指標データが示す理解度に応じて、当該第1のタイミングより後の第2のタイミングにおいてセミナーで使用する(講師が話す)内容を、複数の候補のなかから選択することを示す改善案データを生成する。
改善案生成部35は、過去データを参照し、似た場面の成功事例を提示する。
【0034】
改善案生成部35は、セミナーイベントに参加している複数の対象者について生成した指標データを基に、理解度又は満足度が一定基準以下の前記対象者の割合が所定基準を超えた場合に、その旨を示す前記改善案データを生成するようにしてもよい。
【0035】
本実施形態において、上記セミナーの内容は、マイクで取得した当該セミナーの講師又は参会者の発言のテキストデータ、又はカメラで取得した講師がセミナー中に使用した画像のデータである
【0036】
改善部37は、改善案生成部35が生成した指標データを基に、セミナー内容等を改善する。
具体的には、講師に対して、改善案を提示するための処理を行う。
【0037】
アンケート部39は、セミナー後又は動画視聴後に前記対象者にアンケート内容を示すアンケートデータを送信し、当該アンケートの回答を示すアンケート回答データを受信する。
【0038】
研修カリキュラム生成部41は、アンケート回答データを基に、当該ユーザに個別の研修カリキュラムを示す研修カリキュラムデータ又はオンライン学習用教材を生成する。
研修カリキュラム生成部41は、Iによる自然言語解析により、アンケート回答データを分析して研修カリキュラムデータ又はオンライン学習用教材を生成する。
なお、研修カリキュラム生成部41は、アンケート回答データに加えて、当該対象者の指標データを基に、当該ユーザに個別の研修カリキュラムを示す研修カリキュラムデータ又はオンライン学習用教材を生成してもよい。
【0039】
以下、本発明の実施形態に係るコンテンツ改善システム11の処理を説明する。
図3は、本発明の実施形態に係るコンテンツ改善システム11の処理を説明するためのフローチャートである。
各ステップについて説明する。
ステップST11:
セミナー会場9において、イベント中にイベントの音響をマイク21で取得し、セミナー風景をカメラ23で撮影する。
【0040】
ステップST12:
データ入力部31は、マイク21から音声データを入力し、カメラ23から映像データを入力する。
【0041】
ステップST13:
指標生成部33は、前述したように、データ入力部31で取得したデータ(音声データ及び映像データ)を基に、セミナーについての当該対象者の理解度又は満足度を示す指標データを生成する。
【0042】
ステップST14:
改善案生成部35は、前述したように、指標生成部33が生成した指標データを基に、セミナーを改善する改善案データを生成する。
【0043】
ステップST15:
改善部37は、改善案生成部35が生成した指標データを基に、セミナー内容等を改善する。
例えば、改善部37は、セミナー講師に対して、セミナー中に改善案をリアルタイムに提示し、セミナー講師はその改善案を基にセミナーを行う。これにより、例えば、講師が既に話した内容について対象者の理解に不足してそうな場合に、その内容を再度詳しく話すようにしたり、対象者から質問を受け付ける等が可能になる。
【0044】
ステップST16:
アンケート部39は、セミナー後又は動画視聴後に前記対象者にアンケート内容を示すアンケートデータを送信し、当該アンケートの回答を示すアンケート回答データを受信する。
【0045】
ステップST17:
研修カリキュラム生成部41は、アンケート回答データを基に、当該ユーザに個別の研修カリキュラムを示す研修カリキュラムデータを生成する。
【0046】
図4は、
図1に示すコンテンツ改善システム11の構成図である。
図4に示すように、コンテンツ改善システム11は、例えば、ディスプレイ51,操作部/入力部54、通信部55,メモリ59及び処理部61を有する。
【0047】
ディスプレイ51は、処理部61からの信号に基づいた画像を表示する。
通信部55は、マイク21及びカメラ23や、ネットワークを介して他の装置と通信を行う。
操作部/入力部54は、タッチパネル、キーボードやマウス等の操作手段である。
メモリ59は、処理部61が実行するプログラムを記憶する。
処理部61は、メモリ59に記憶されたプログラムPRGを実行して、本実施形態で規定する上述したイベント雰囲気検出装置11の処理を行う。
【0048】
以上説明したように、コンテンツ改善システム11によれば、セミナー等のセミナー会場9にいる参加者の理解度又は満足度の指標を生成し、当該指標を基に改善案を提供する。これにより、セミナー内容を評価できるとともに、改善案を基にセミナーの質を向上できる。
【0049】
また、コンテンツ改善システム11によれば、対象者へのアンケートを基に、研修カリキュラムや又はオンライン学習用教材を生成することで、各対象者に適した学習環境を提供できる。
【0050】
また、コンテンツ改善システム11によれば、イベントが社内会議である場合に、社内の会議等を活発化し、コミュニケーションアップ、モチベーションアップ、エンゲージメントアップを支援できる。
【0051】
本実施形態を会議に利用すると、コミュニケーションの量と質を改善できる。すなわち、指標データを基に、組織内のコミュニケーション環境を測定して、笑い等を取入れて組織内のコミュニケーションの状況を改善することも可能になる。
ジュライは、組織内のコミュニケーション不足を可視化できていなかったが、本実施形態によれば、コミュニケーション環境を測定して可視化、リアルセミナー、オンライン学習でコミュニケーション環境を改善することができる。
【0052】
すなわち、本実施形態によれば、コミュニケーショ ン環境の可視化、組織全体の課題を測定する方法の提供、多角的な課題特定、上下関係・部署間・世代間と いった多角的な視点からの課題特定を可能にする仕組み、継続的な改善施策、リアルセミナーとe-ラーニングを組み合わせた継続的な改善施策の提供、AIを活用した最適化、測定データを分析して次回のセミ ナー内容を最適化するシステム提供等が可能になる。
【0053】
<第2実施形態>
上述した実施形態では、セミナー会場9で行われるセミナーを例示したが、本実施形態では、セミナー等の動画を対象者が視聴する場合を説明する。
図5は、本実施形態の動画配信サーバ106を説明するための図である。
図5に示すように、動画配信サーバ106は、ネットワーク9を介して、対象者端末装置104に動画(セミナー動画、イーラーニング動作)を配信する。
【0054】
図5に示す動画配信サーバ106は、対象者端末装置104に動画を配信する。
動画配信サーバ106は、コンテンツ改善システム111を備えている。
図1に示すように、本実施形態のセミナー会場9には、マイク21及びカメラ23が設けられている。
また、コンテンツ改善システム11は、マイク21から音声データを入力し、カメラ23から映像データを入力する。
【0055】
図6は、
図5に示すコンテンツ改善システム111の機能ブロック図である。
図6に示すように、コンテンツ改善システム111は、例えば、データ入力部131,指標生成部133,改善案生成部135,改善部137,アンケート部139,研修カリキュラム生成部141を有する。
【0056】
データ入力部131は、動画を視聴中の対象者端末装置104のカメラから当該対象者の顔の映像データを入力する。
【0057】
指標生成部133は、データ入力部131から入力した映像データを基に、配信した動画についての対象者の理解度又は満足度の指標データを生成する。
指標生成部133は、動画の予め決められた複数のタイミングのそれぞれについて、当該タイミングに対応付けられた動画の内容と、当該タイミングに対応付けられた対象者の理解度又は満足度とを関連付けて前記指標データを生成する。
【0058】
なお、対象者の理解度又は満足度は、例えば、以下のように検出される。
映像解析により、参加者の動作(うなずき)、表情変化(喜び、困惑など)を検出して、理解度又は満足度を推定する。このとき、大量の参加者の表情変化データを使って機械学習モデルを訓練し、理解度又は満足度を検出するためのパターンを学習させる。
指標生成部33は、対象者が対象者端末装置104に向けて発話した音声(例えば、対象者の質問内容)及び映像のデータを統合し、当該対象者の理解度又は満足度を検出する。
から参加者全体の理解度又は満足度を検出する。
また、理解度又は満足度を感情として捉えてもよい。
【0059】
改善案生成部135は、配信する動画の複数のタイミングのそれぞれについて、当該タイミングに係る動画の内容と、当該タイミングに係る対象者の理解度又は満足度とを関連付けて前記指標データを生成する。
改善案生成部135は、指標生成部133が生成した指標データを基に、対象者の理解度又は満足度が所定の基準以下の前記内容を改善候補として示す改善案データを生成する。
【0060】
改善案生成部135は、動画の複数のタイミングの少なくとも一部のタイミングである第1のタイミングについて、当該第1のタイミングに対応付けられた指標データが示す対象者の理解度又満足度に応じて、第1のタイミングより後の第2のタイミングにおいて使用する内容を決定し、当該決定した内容を示す改善案データを生成する。
【0061】
改善案生成部135は、複数の候補のなかから使用するコンテンツを決定し、当該決定したコンテンツを示す改善案データを生成する。
【0062】
改善案生成部135は、動画の複数のタイミングの少なくとも一部のタイミングである第1のタイミングについて、当該第1のタイミングに対応付けられた指標データが示す理解度又は前記満足度に応じて、第1のタイミングより後の第2のタイミングにおいて使用する内容(動画)を複数の候補(動画)のなかから選択することを示す改善案データを生成する。
【0063】
改善部137は、改善案生成部135が生成した改善案データを基に、上記選択した候補の内容である動画を第2のタイミングで配信する。
【0064】
改善部137は、改善案生成部35が生成した指標データを基に、動画を編集(改善)する。
具体的には、講師に対して、改善案を提示するための処理を行う。
【0065】
アンケート部139は、対象者による動画視聴後に当該対象者にアンケート内容を示すアンケートデータを送信し、当該アンケートの回答を示すアンケート回答データを受信する。
【0066】
研修カリキュラム生成部141は、アンケート回答データを基に、当該ユーザに個別の研修カリキュラムを示す研修カリキュラムデータ又はオンライン学習用教材を生成する。
研修カリキュラム生成部41は、Iによる自然言語解析により、アンケート回答データを分析して研修カリキュラムデータ又はオンライン学習用教材を生成する。
なお、研修カリキュラム生成部41は、アンケート回答データに加えて、当該対象者の指標データを基に、当該ユーザに個別の研修カリキュラムを示す研修カリキュラムデータ又はオンライン学習用教材を生成してもよい。
また、研修カリキュラム生成部41は、アンケート回答データを基に、複数の動画を組み合わせて、当該ユーザに個別のセミナー動画を生成してもよい。
【0067】
以下、本実施形態に係る動画配信サーバ106の処理を説明する。
図7は、本発明の第2実施形態に係るコンテンツ改善システム11の処理を説明するためのフローチャートである。
各ステップについて説明する。
ステップS21:
図5に示す動画配信サーバ106が配信した動画を対象者端末装置104の対象者が視聴する。
対象者端末装置104は、備え付きのカメラで対象者の顔の画像を撮像し、その画像データを動画配信サーバ106に送信する。
【0068】
ステップST22:
コンテンツ改善システム111のデータ入力部131は、対象者端末装置104から画像データを入力する。対象者の音声を入力してもよい。
【0069】
ステップST23:
指標生成部33は、前述したように、データ入力部131で取得したデータ(音声データ及び映像データ)を基に、動画についての当該対象者の理解度又は満足度を示す指標データを生成する。
【0070】
ステップST24:
改善案生成部135は、前述したように、指標生成部33が生成した指標データを基に、動画を改善する改善案データを生成する。
【0071】
ステップST25:
改善部137は、改善案生成部135が生成した指標データを基に、動画内容を改善(変更)する。
例えば、改善部37は、動画配信中に改善案をリアルタイムに提示し、視聴タイミング以降のタイミングで、改善案で決定された内容の動画を配信する。これにより、既に配信した動画の内容について対象者の理解していない場合に、その内容を再度詳しく説明する動画を配信できる。
【0072】
ステップST26:
アンケート部39は、対象者による動画視聴後に当該対象者にアンケート内容を示すアンケートデータを送信し、当該アンケートの回答を示すアンケート回答データを受信する。
コンテンツ改善システム111は、指標データと当該アンケート回答データとを基に、複数の動画を組み合わせて、当該ユーザに個別の動画を生成してもよい。
【0073】
ステップST27:
研修カリキュラム生成部41は、アンケート回答データを基に、当該ユーザに個別の研修カリキュラムを示す研修カリキュラムデータを生成する。
【0074】
図8は、
図5に示す動画配信サーバ106の構成図である。
図8に示すように、動画配信サーバ106は、例えば、ディスプレイ151,操作部/入力部154、通信部155,メモリ159及び処理部161を有する。
【0075】
ディスプレイ151は、処理部161からの信号に基づいた画像を表示する。
通信部155は、対象者端末装置104と通信を行う。
操作部/入力部154は、タッチパネル、キーボードやマウス等の操作手段である。
メモリ159は、処理部161が実行するプログラムを記憶する。
処理部161は、メモリ159に記憶されたプログラムPRGを実行して、本実施形態で規定する上述したイベント雰囲気検出装置111の処理を行う。
また、処理部161は、動画配信処理も行う。
【0076】
以上説明したように、動画配信サーバ106によれば、動画を視聴する対象者の理解度又は満足度の指標を生成し、当該指標を基に改善案を提供する。これにより、動画内容を評価できるとともに、改善案を基に改善された動画を生成できる。
【0077】
また、動画配信サーバ106によれば、対象者へのアンケートを基に、研修カリキュラムや又はオンライン学習用教材を生成することで、各対象者に適した学習環境を提供できる。
【0078】
本発明は上述した実施形態には限定されない。
すなわち、当業者は、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し、様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。
上述した実施形態では、イベントとして会議を例示したが、会議以外の職場のコミュニケーションの場であってもよい。
また、イベントとして、社風等を対象にし、従業員へのアンケート回答を基に社風を測定してもよい。
また、セミナー前にアンケートで事前測定し、その結果を基にセミナーを実行し、セミナー後のアンケート結果を基にe-ラーニングの計画をしてもよい。
また、動画は、例えば複数の参加者がコミュニケーションをとるオンラインイベントでもよい。
【0079】
また、指標生成部33,133,改善案生成部35,135、改善部37,137,アンケート部39,139,研修カリキュラム生成部41,141の少なくともに学習モデル等を採用したAIを用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、イベントや動画を評価して改善するシステムに適用可能である。
【符号の説明】
【0081】
9…イベント会場
11,111…コンテンツ改善システム
21…マイク
23…カメラ
31,131…データ入力
33,133…指標生成部
35,135…改善案生成部
37,137…改善部
39,139…アンケート部
41,141…研修カリキュラム生成部
106…動画配信サーバ
【要約】
【課題】 会議やセミナー等のイベントや動画視聴の参加者の理解度や満足度を示す指標を生成し、イベントや動画の内容を改善することを可能にするコンテンツ改善方法を提供する。
【解決手段】 イベントに参加する対象者又は動画を視聴する対象者の画像をカメラで取得して生成したデータを入力する第1の工程と、第1の工程で入力したデータを基に、イベント又は動画についての対象者の理解度又は満足度の指標データを生成する第2の工程と、指標データを基に、イベント又は動画を改善する改善案データを生成する第3の工程と、をコンピュータが実行する。
【選択図】
図7